移植機
【課題】機体の左右中央に設けたアクチュエータにて走行装置を上下動して機体高さを変更する走行機体に移植装置を装着した移植機がある。該従来の移植機は、機体の左右中央にアクチュエータを設けた構成なので、アクチュエータの後方位置に移植装置を配置せねばならず、機体の前後長さが長くなり、操作性、特に、旋回操作において課題があった。
本発明は、簡潔な構成で機体の前後長さを短く構成し、操作性及び移植作業性能を向上した移植機を提供することを課題とする。
【解決手段】走行機体1aの左右走行装置7を上下作動させるアクチュエータ11を機体の左右側方位置に配置し、移植装置1bの植付け部PUを左右走行装置7の間に配置して走行機体1aに装着した移植機。
本発明は、簡潔な構成で機体の前後長さを短く構成し、操作性及び移植作業性能を向上した移植機を提供することを課題とする。
【解決手段】走行機体1aの左右走行装置7を上下作動させるアクチュエータ11を機体の左右側方位置に配置し、移植装置1bの植付け部PUを左右走行装置7の間に配置して走行機体1aに装着した移植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、走行装置を上下動して機体高さを変更する走行機体に移植装置を装着した移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機体の左右中央に設けたアクチュエータにて走行装置を上下動して機体高さを変更する走行機体に移植装置を装着した移植機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-172208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術のものは、機体の左右中央にアクチュエータを設けた構成なので、該アクチュエータの後方位置に移植装置を配置せねばならず、機体の前後長さが長くなり、操作性、特に、旋回操作において課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、簡潔な構成で機体の前後長さを短く構成し、操作性及び移植作業性能を向上した移植機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
請求項1に係る発明は、走行機体1aの左右走行装置7を上下作動させるアクチュエータ11を機体の左右側方位置に配置し、移植装置1bの植付け部PUを左右走行装置7の間に配置して走行機体1aに装着した移植機とした。
【0007】
従って、請求項1記載の発明は、走行機体1aの左右走行装置7を上下作動させるアクチュエータ11を機体の左右側方位置に配置し、移植装置1bの植付け部PUを左右走行装置7の間に配置して走行機体1aに装着したので、機体の前後長さを短く構成できて機体の移植作業時や機体移動時の操作性が良好となる。然も、左右走行装置7を下降させて機体を上昇して旋回する時に、重量物である移植装置1bの植付け部PUを左右走行装置7の間に配置した構成なので、左右走行装置7に安定良く植付け部PUが支持されており、旋回操作が容易に行なえて作業性が良い。
【0008】
請求項2に係る発明は、左右走行装置7を各々上下作動させる左右アクチュエータ11を機体の左右側方位置に各々配置し、左右高さ検知センサSによる圃場面からの機体高さの検出にて左右アクチュエータ11を各々作動制御して機体を圃場面に対して所定の高さに維持すると共に、機体の左右傾斜を圃場面に対して平行に維持する請求項1記載の移植機とした。
【0009】
従って、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の作用に加えて、左右高さ検知センサSにて各々左右アクチュエータ11を作動制御して圃場面に対する機体の姿勢を制御するから、簡潔な構成で精度良く機体の姿勢制御が行なえて、良好な苗の移植作業が行なえる。
【0010】
請求項3に係る発明は、左右高さ検知センサSを左右走行装置7の間に配置した請求項2記載の移植機とした。
従って、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の作用に加えて、左右走行装置7の間に配置した移植装置1bの植付け部PUが圃場に苗を植付ける位置と機体側面視で左右高さ検知センサSが略同じ位置の圃場面を検出するので、苗の植付け深さが適正になり、良好な苗の移植作業が行なえる。
【0011】
請求項4に係る発明は、植付け部PUに左右苗植付け体5を設け、左右高さ検知センサSを各々左右苗植付け体5の側方位置に設けた請求項3記載の移植機とした。
従って、請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の作用に加えて、左右苗植付け体5の各々側方位置に左右高さ検知センサSを設けたから、左右苗植付け体5の苗植付け深さが適正となり、良好な苗の移植作業が行なえる。
【0012】
請求項5に係る発明は、植付け部PUに苗を供給する苗供給装置24を植付け部PUの上方位置に設けた請求項1から請求項4の何れか1項に記載の移植機とした。
従って、請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、左右走行装置7を下降させて機体を上昇して旋回する時に、重量物である移植装置1bの植付け部PU及び苗供給装置24が左右走行装置7の間に配置した構成となるので、左右走行装置7に安定良く植付け部PU及び苗供給装置24が支持された状態で、旋回操作が容易に行なえて作業性が良い。
【0013】
請求項6に係る発明は、機体側面視で、左右走行装置7の機体前方に左右前輪6を設けると共に、作業者が移植作業時に着座して移植装置1bに苗を供給する座席79を移植装置1bの前方で左右前輪6の上方位置に設けた請求項1から請求項5の何れか1項に記載の移植機とした。
【0014】
従って、請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、機体側面視で、左右走行装置7の機体前方に左右前輪6を設けると共に、作業者が移植作業時に着座して移植装置1bに苗を供給する座席79を植付け部PUの前方で左右前輪6の上方位置に設けたので、機体前方の左右前輪6に作業者の重量が掛かり、左右走行装置7に植付け部PUの重量が掛かって、機体の前後バランスが移植作業に適したものとなり良好な移植作業が行なえる。
【発明の効果】
【0015】
よって、この発明の移植機は、簡潔な構成で機体の前後長さを短く構成できて、操作性及び移植作業性能を向上し、発明の課題を適切に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】移植機の側面図である。
【図2】移植機の平面図である。
【図3】巻掛スプロケットとその周辺を示す図である(a:平面図、b:斜視図)。
【図4】苗植付装置を示す斜視図である。
【図5】条間300mmに設定した時の苗供給装置及び苗植付装置の作用を示す作用説明図である(a:作用説明用平面図、b:作用説明用背面図)。
【図6】条間300mmに設定した時の苗供給装置及び苗植付装置の作用を示す作用説明図である(a:作用説明用平面図、b:作用説明用背面図)。
【図7】要部の作用説明用平面図である。
【図8】要部の作用説明用拡大背面図である。
【図9】後輪と苗植付装置と鎮圧輪の配置関係を示す作用説明用平面図である。
【図10】左右後輪を上下動させる油圧回路図である。
【図11】鎮圧輪の上下作動機構を示す作用説明用斜視図である。
【図12】鎮圧輪の上下作動機構を示す側面図である。
【図13】鎮圧輪の上下作動機構を示す斜視図である。
【図14】苗供給装置の他の例を示す作用説明用要部側面図である。
【図15】苗供給装置の他の例を示す作用説明用要部背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の実施の一形態の移植機1を以下に説明する。尚、以下の説明では、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン3を配置した側を前とする。そして、機体後部において機体前部側に向って立つ作業者の右手側を右とし、左手側を左とする。
【0018】
移植機1は、操縦ハンドル2を備えた機体に昇降駆動する上下動機構4により昇降動作する開閉可能なくちばし状の苗植付け体5を左右に2個備え、転動自在に支持した左右一対の前輪6とエンジン3の動力が伝達されて駆動回転する走行装置である左右一対の後輪7を備えている。この前輪6及び後輪7を畝溝に案内して、機体を畝U上方で走行することができる。
【0019】
エンジン3の後部にはミッションケース8を配置し、そのミッションケース8内にはエンジン3の出力軸が入り込んでおり、エンジン3の出力軸からミッションケース8内の伝動機構にエンジン動力が伝達される構成となっている。ミッションケース8の左右両側部に伝動ケース9を回動支点9aを中心に回動自在に取り付け、この伝動ケース9の回動支点9aにミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで伝動ケース9内の伝動機構に走行用の動力を伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9内の伝動機構を介して機体後方側に伸びてその後端側の側方に突出する車軸10に伝動し、後輪7が駆動回転するようになっている。
【0020】
移植機1は、操縦ハンドル2・エンジン3・左右前輪6・左右後輪7・ミッションケース8・機体フレーム20等からなる走行機体1aに上下動機構4・苗植付け体5・植付伝動ケース22・苗供給装置24等からなる移植装置1bを装着した構成となっている。
【0021】
左右アクチュエータである左右昇降用油圧シリンダ11が、機体の左右に各々設けられている。該左右昇降用油圧シリンダ11にて、左右後輪7が各々装着された左右伝動ケース9を回動支点9a回りに上下回動させて左右後輪7を各々各別に上下作動させる構成となっている。
【0022】
ここで、該左右昇降用油圧シリンダ11にて左右後輪7が各々各別に上下作動して、機体が昇降する構成及び左右ローリング作動する構成を説明する。
先ず、左右伝動ケース9がミッションケース8に装着されている部分の構成を説明すると、ミッションケース8の両側に機体左右外側方に張出して設けた左右アクスルハウジング8a周りに各々回動する六角筒状の左右回動筒部16bを設け、該左右回動筒部16bに各々左右アーム16aの基部を固定して設け、この左右回動筒部16bは機体に基部が固定された左右支持体20aの先端部にて各々回動自在に支持された構成となっている。そして、左右回動筒部16bの内部六角に勘合して機体左右方向に伸縮自在に移動できる六角筒状の左右内部回動筒部16cを各々設け、該左右内部回動筒部16cの外側端に各々上下揺動する左右伝動ケース9の基部を固定している。また、左右内部回動筒部16cの内部には、ミッションケース8から左右伝動ケース9に各々動力を伝動する左右駆動軸が回動支点9aに一致して設けられている。
【0023】
そして、左右回動筒部16bの内部に嵌入された左右内部回動筒部16cは、左右回動筒部16b外周から貫通して左右内部回動筒部16c外周に先端が各々接当する左右取っ手付きボルト16dにて左右移動が固定された構成となっている。即ち、畝U幅の対応の為に左右後輪7の左右位置調節(トレッド調節)を行う場合には、左右取っ手付きボルト16dを緩めて、左右回動筒部16bに対して左右内部回動筒部16cを機体左右方向に移動させて左右後輪7の位置調節を行い、再び左右取っ手付きボルト16dを締めて左右回動筒部16bに左右内部回動筒部16cを固定する。このようにして、左右後輪7は、自由にその左右位置調節(トレッド調節)を行うことができる。
【0024】
次に、左右昇降用油圧シリンダ11と左右伝動ケース9の連携構成を説明すると、左右昇降用油圧シリンダ11を機体の左右に各々上下方向を向く状態で配置し、その左右シリンダ11a上端部を各々機体に揺動自在に枢支し、左右ピストンロッド11b下端部を各々左右アーム16aの先端部に連結している。従って、左右昇降用油圧シリンダ11の左右ピストンロッド11bが各々伸出作動すると左右伝動ケース9が各々回動支点9aを中心に下向きに回動して左右後輪7が下動し、左右ピストンロッド11bが各々退入作動すると左右伝動ケース9が各々回動支点9aを中心に上向きに回動して左右後輪7が上動する。
【0025】
一方、左右後輪7間で左右苗植付け体5の苗植付位置には、各々左右高さ検知センサである左右畝高さ検知センサSが配置されており、該左右畝高さ検知センサSの各々の畝高さ検出結果に基づいて左右昇降用油圧シリンダ11の作動を各々制御する左右昇降制御バルブBが切替えられる。尚、左右畝高さ検知センサSは、平面視でその後部機体内側が切り欠いたL字状に形成されており、該L字状の切り欠いた部位に苗植付け体5が苗を植付ける構成となっている。
【0026】
即ち、畝U上面の左右が共に高くなって左右畝高さ検知センサSが共に上動した場合には、左右昇降制御バルブBが共に左右昇降用油圧シリンダ11の左右ピストンロッド11bが伸出作動する方向に切替えられて、左右伝動ケース9が共に回動支点9aを中心に下向きに回動して左右後輪7が下動し機体が上昇して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。 反対に、畝U上面の左右が共に低くなって左右畝高さ検知センサSが共に下動した場合には、左右昇降制御バルブBが共に左右昇降用油圧シリンダ11の左右ピストンロッド11bが退入作動する方向に切替えられて、左右伝動ケース9が共に回動支点9aを中心に上向きに回動して左右後輪7が上動し機体が下降して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。
【0027】
また、畝U上面の左側のみが高くなって左畝高さ検知センサSが上動した場合には、左昇降制御バルブBが左昇降用油圧シリンダ11の左ピストンロッド11bが伸出作動する方向に切替えられて、左伝動ケース9が回動支点9aを中心に下向きに回動して左後輪7が下動し機体の左側が上昇して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。逆に、畝U上面の右側のみが高くなって右畝高さ検知センサSが上動した場合には、右昇降制御バルブBが右昇降用油圧シリンダ11の右ピストンロッド11bが伸出作動する方向に切替えられて、右伝動ケース9が回動支点9aを中心に下向きに回動して右後輪7が下動し機体の右側が上昇して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。
【0028】
同様に、畝U上面の左側のみが低くなって左畝高さ検知センサSが下動した場合には、左昇降制御バルブBが左昇降用油圧シリンダ11の左ピストンロッド11bが退入作動する方向に切替えられて、左伝動ケース9が回動支点9aを中心に上向きに回動して左後輪7が上動し機体の左側が下降して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。逆に、畝U上面の右側のみが低くなって右畝高さ検知センサSが下動した場合には、右昇降制御バルブBが右昇降用油圧シリンダ11の右ピストンロッド11bが退入作動する方向に切替えられて、右伝動ケース9が回動支点9aを中心に上向きに回動して右後輪7が上動し機体の右側が下降して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。
【0029】
上記のように、畝Uの高さが全体的に変化したり、また、畝U上面の高さが左右で変化したりしても、その変化を左右畝高さ検知センサSが検出し、左右昇降制御バルブBが左右昇降用油圧シリンダ11を作動させて、左右後輪7を上下作動制御して機体と畝U上面との関係を常に所定の状態に維持するので、左右苗植付け体5による畝Uへの苗植付け深さが常に適正に行なえる。
【0030】
また、上記のように左右後輪7を上下作動させる左右昇降用油圧シリンダ11を各々機体の左右に配置し、従来のように左右後輪7を上下作動させる油圧シリンダを機体の中央部に配置していないので、左右後輪7間に左右苗植付け体5やその駆動機構よりなる後述の植付け部PUを配置することができる。従って、左右苗植付け体5は、機体側面視で左右後輪7の前後方向中央位置付近に苗を植付ける構成となるので、苗の植付が安定する(左右後輪7の接地点回りの機体の回動の影響をあまり受けないで苗の移植が行なえる)。
【0031】
更に、左右畝高さ検知センサSは左右後輪7間に配置され、左右畝高さ検知センサSは平面視でその後部機体内側が切り欠いたL字状に形成されており、該L字状の切り欠いた部位に苗植付け体5が苗を植付ける構成となっているので、左右苗植付け体5が苗を植付ける位置で左右畝高さ検知センサSが畝U上面を各々検出して、機体の上下制御及び機体の傾斜制御を行ない適正な苗の植付け深さ制御が行えて、苗の植付け深さが正確で適正な苗の移植が行なえる。
【0032】
また、植付け部PUと該植付け部PUに苗を供給する苗供給装置24が、機体側面視で左右後輪7の接地点上方位置に配置された構成となるので、左右後輪7を下動させて機体を上昇し前輪6を浮き上がらせて、左右後輪7にて機体荷重を支持して機体を旋回する際に、重量物である植付け部PUと苗供給装置24が機体側面視で左右後輪7の接地点上方位置に配置された構成なので、旋回時の機体バランスが良くて作業者は容易に機体の旋回操作が行なえる。
【0033】
ここで、後述の左右鎮圧装置12の各々の左右鎮圧輪73を支持する左右鎮圧アーム75と左右畝高さ検知センサSの支持構成を説明する。
機体フレーム20に機体横向きに固定して設けた鎮圧フレーム13aから機体後方に向けて延設した4つの支持アーム13bに、横方向に沿う正六角軸構成の支持軸14を自由回動自在に設ける。そして、左右鎮圧アーム75の後部に各々左右鎮圧輪73を自由回転自在に設け、前部に各々平面視コ字状の回動基端部75aを構成し、該回動基端部75aの前端部に設けた円形の貫通孔75bに前記支持軸14を貫通させた構成として、左右アーム75が支持軸14を回動支点として後部が自由に上下回動する構成となっている。
【0034】
そして、支持軸14は、左支持軸14aと右支持軸14bに分割し、右支持軸14bの左端部に円筒状の空洞14b’を形成し、左支持軸14aの右端部は円柱状部14a’を形成し、右支持軸14bの円筒状の空洞14b’に左支持軸14aの円柱状部14a’を嵌め込んで構成している。従って、左支持軸14aと右支持軸14bは、各々単独に自由回動自在な構成となっている。
【0035】
また、支持軸14には左右鎮圧輪73を支持する左右鎮圧アーム75と左右畝高さ検知センサSが装着されているが、上記左支持軸14aに左右一対の左鎮圧輪73を支持する左鎮圧アーム75と左畝高さ検知センサSが装着され、右支持軸14bに左右一対の右鎮圧輪73を支持する右鎮圧アーム75と右畝高さ検知センサSが装着されている。
【0036】
左畝高さ検知センサSの上端部を回動自在に支持する左センサ支持アーム94の基端部に設けた左回動ボス94aには、その内部に左支持軸14aに外嵌する正六角の嵌合孔が形成されており、該左回動ボス94aは左支持軸14aに左右移動のみ自在に外嵌され、左固定ボルト94bにて左支持軸14aに固定された構成となっている。一方、左鎮圧アーム75の回動基端部75aは、平面視でコ字状に形成されており、そのコ字状部内に上記左センサ支持アーム94の左回動ボス94aを挟んだ状態で、回動基端部75aの円形の貫通孔75bが左支持軸14aに外嵌して支持された構成となっている。従って、左回動ボス94aを左支持軸14aに左固定ボルト94bにて左右移動を固定すると、自動的に左鎮圧アーム75も左右位置が固定された状態となる。
【0037】
左センサ支持アーム94の先端には、左畝高さ検知センサSが左回動ピン94cにて回動自在に支持されている。そして、左畝高さ検知センサSの左回動ピン94c近くに左検知作動アーム94dを上方に向けて立ち上げて設け、左センサワイヤ94eのアウターワイヤを左検知作動アーム94dに固定し、左センサワイヤ94eのインナーワイヤを左センサ支持アーム94に連結し、一方、左センサワイヤ94eの他端を左昇降制御バルブBに連携して、左畝高さ検知センサSの上下動にて左センサワイヤ94eを介して左昇降制御バルブBを切替え作動させて左昇降用油圧シリンダ11の作動を制御する構成となっている。
【0038】
尚、左センサ支持アーム94には、左鎮圧アーム75の下方に向けて延設した左ストッパー部材94fが一体に形成されており、該左ストッパー部材94fにて左鎮圧アーム75の下降を制限しており、左鎮圧アーム75の後部に装着された左鎮圧輪73が所定以上に下降することを制限する構成となっている。
【0039】
同様に、右畝高さ検知センサSの上端部を回動自在に支持する右センサ支持アーム94の基端部に設けた右回動ボス94aには、その内部に右支持軸14bに外嵌する正六角の嵌合孔が形成されており、該右回動ボス94aは右支持軸14bに左右移動のみ自在に外嵌され、右固定ボルト94bにて右支持軸14bに固定された構成となっている。一方、右鎮圧アーム75の回動基端部75aは、平面視でコ字状に形成されており、そのコ字状部内に上記右センサ支持アーム94の右回動ボス94aを挟んだ状態で、回動基端部75aの円形の貫通孔75bが右支持軸14bに外嵌して支持された構成となっている。従って、右回動ボス94aを右支持軸14bに右固定ボルト94bにて左右移動を固定すると、自動的に右鎮圧アーム75も左右位置が固定された状態となる。
【0040】
右センサ支持アーム94の先端には、右畝高さ検知センサSが右回動ピン94cにて回動自在に支持されている。そして、右畝高さ検知センサSの右回動ピン94c近くに右検知作動アーム94dを上方に向けて立ち上げて設け、右センサワイヤ94eのアウターワイヤを右検知作動アーム94dに固定し、右センサワイヤ94eのインナーワイヤを右センサ支持アーム94に連結し、一方、右センサワイヤ94eの他端を右昇降制御バルブBに連携して、右畝高さ検知センサSの上下動にて右センサワイヤ94eを介して右昇降制御バルブBを切替え作動させて右昇降用油圧シリンダ11の作動を制御する構成となっている。
【0041】
尚、右センサ支持アーム94には、右鎮圧アーム75の下方に向けて延設した右ストッパー部材94fが一体に形成されており、該右ストッパー部材94fにて右鎮圧アーム75の下降を制限しており、右鎮圧アーム75の後部に装着された右鎮圧輪73が所定以上に下降することを制限する構成となっている。
【0042】
また、右支持軸14bに基端部が溶接固着された右植付け深さ調節レバー96Rは、機体外方に向けて曲がるように形成された板バネ材にて形成されており、その上部が機体に固着された右ガイド97Rの複数の係止溝に係合して係止される構成となっている。一方、左支持軸14aに基端部が溶接固着された左植付け深さ調節レバー96Lは、機体外方に向けて曲がるように形成された板バネ材にて形成されており、その上部が前記右植付け深さ調節レバー96Rに固着された左ガイド97Lの複数の係止溝に係合して係止される構成となっている。
【0043】
よって、右植付け深さ調節レバー96Rを右ガイド97Rに沿って操作して複数の係止溝の係止位置を変更することにより、右植付け深さ調節レバー96Rに固着された左ガイド97Lを介して左植付け深さ調節レバー96Lも同方向に回動調節されて、左支持軸14a及び右支持軸14bが共に回動して左右センサ支持アーム94も同方向に回動し、左右畝高さ検知センサSが共に上下位置変更調節できる。例えば、右植付け深さ調節レバー96Rを前方に向けて回動操作して係止溝に固定すると、左右畝高さ検知センサSの接地部が共に上方に移動して、左右苗植付け体5の苗植付け深さが深くなる。逆に、右植付け深さ調節レバー96Rを後方に向けて回動操作して係止溝に固定すると、左右畝高さ検知センサSの接地部が共に下方に移動して、左右苗植付け体5の苗植付け深さが浅くなる。
【0044】
また、左植付け深さ調節レバー96Lを左ガイド97Lに沿って操作して複数の係止溝の係止位置を変更することにより、左支持軸14aのみが回動して左センサ支持アーム94が同方向に回動し、左畝高さ検知センサSのみが上下位置変更調節できる。例えば、左植付け深さ調節レバー96Lを前方に向けて回動操作して係止溝に固定すると、左畝高さ検知センサSの接地部が上方に移動して、左苗植付け体5の苗植付け深さが深くなる。逆に、左植付け深さ調節レバー96Rを後方に向けて回動操作して係止溝に固定すると、左畝高さ検知センサSの接地部が下方に移動して、左苗植付け体5の苗植付け深さが浅くなる。
【0045】
従って、圃場条件に応じて、左右苗植付け体5の苗植付け深さを同時に調節したり、左右苗植付け体5の苗植付け深さを左右で異なる深さに調節したりすることができる。
一方、上記の右植付け深さ調節レバー96Rや左植付け深さ調節レバー96Lによる苗の植付け深さ調節に応じて、左センサ支持アーム94に一体に形成した左右ストッパー部材94fが左右畝高さ検知センサSと同方向に移動調節されるので、苗植付け深さ調節に応じて自動的に左右鎮圧アーム75の最下降位置が変更されて、苗植付け深さ調節に応じた左右鎮圧輪73の鎮圧作用が行われて適正な苗の移植作業が行なえる。
【0046】
次に、後述の植付昇降操作レバー88の矢印イ方向操作にて左右昇降制御バルブBを作動させて、作業者が任意に左右昇降用油圧シリンダ11を伸長作動させて(左右ピストンロッド11bを各々進出作動させて、左右後輪7を共に最下降位置まで下動させて)機体を上昇させる構成について説明する。
【0047】
左右センサワイヤ94eの左右昇降制御バルブB側端部は、そのアウターワイヤを機体に固定し、インナーワイヤ94e’を各々左右昇降制御バルブBのロータリスプールBSに連結した構成となっている。
【0048】
そして、昇降操作ワイヤ98のインナーワイヤ98aの一端を植付昇降操作レバー88に連結し、インナーワイヤ98aの他端を、前記左右昇降制御バルブBの各ロータリスプールBSを切替え作動する左右センサワイヤ94eの左右インナーワイヤ94e間に配置した連携アーム98b上部に連結している。連携アーム98bは、左右に延びる左右アーム部98cを一体に形成し、該左右アーム部98cの左右端部に設けた各々の貫通孔98dを左右インナーワイヤ94eが各々貫通した状態で配置している。そして、連携アーム98bの左右中央下部には、錘Wの上部が固定されている。従って、錘Wを設けた連携アーム98bは、インナーワイヤ98aの他端に連結ピン98eで機体左右方向に揺動自在に装着された構成となっている。尚、左右アーム部98cの各貫通孔98dを貫通した左右インナーワイヤ94eには、その左右アーム部98cの各貫通孔98dよりも上方位置に貫通孔98dよりも大きな係合部材98fが各々固着されている。
【0049】
従って、作業者が機体を畝U終端部で機体を旋回させる場合に、植付昇降操作レバー88を矢印イ方向に操作すると、昇降操作ワイヤ98のインナーワイヤ98aが矢印ハ方向に引かれて、連携アーム98bが上動する。すると、連携アーム98bの左右アーム部98cが係合部材98fに接当して、左右インナーワイヤ94e’を共に矢印ハ方向に引き上げて左右昇降制御バルブBのロータリスプールBSを左右昇降用油圧シリンダ11が伸長作動して左右後輪7が下降する方向に切替える。
【0050】
この時、機体がローリング制御されていて左右に傾斜した状態(左右後輪7の上下位置が異なる状態)である場合、例えば、右後輪7が左後輪7よりも下動して機体の左側が低くなる状態に傾斜している場合、錘Wが装着されている連携アーム98bは連結ピン98e回りに揺動して左アーム部98cが左インナーワイヤ94eの係合部材98fに近づいた状態となっているので、作業者が植付昇降操作レバー88を矢印イ方向に操作して機体を上昇させようとすると、先に、左アーム部98cが左インナーワイヤ94eの係合部材98fに接当して左インナーワイヤ94eが矢印ハ方向に引かれて左後輪7が先に下降するために、機体が左右水平状態になって上昇する。
【0051】
よって、機体旋回に機体を上昇させる場合、常に機体は水平状態に復帰してから上昇するので、機体の旋回操作が容易に行なえて、作業性及び作業効率が良い。
一対の前輪6は、エンジン3の下方の左右中央位置から左右に延びる前輪支持フレーム17の左右両側部の下方に延びるアーム部分18の下端部側方に固定した車軸19に回転自在に取り付けている。
【0052】
操縦ハンドル2は、ミッションケース8に前端部を固定した機体フレーム20の後端部に取り付けられている。機体フレーム20は、機体の左右中央に配置されて後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、機体フレーム20の後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aとしている。操縦ハンドル2の左右グリップ部2aは、作業者がそのグリップ部2a,2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a,2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部2aとしても良い。
【0053】
苗植付け体5作動用の上下動機構4は、ミッションケース8内から動力が伝動軸21を介して伝動される植付伝動ケース22に装着している。植付伝動ケース22内には苗植付け体上下動機構4を昇降駆動するための動力を伝達する伝動機構を内装している。
【0054】
なお、植付伝動ケース22内の伝動機構には、上下動機構4及び左右一対の苗植付け体5をその昇降動最上位の位置で、又はその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構と、上下動機構4及び苗植付け体5の昇降動を停止させるクラッチ機構とを備えている。間欠駆動機構によって停止する時間は、該間欠駆動機構が備える変速機構によって調節され、この調節によって苗植付け体5による苗植付株間が変更調節される構成となっている。また、これらの植付伝動ケース22・上下動機構4・左右苗植付け体5等にて植付け部PUを構成している。
【0055】
また、苗植付け体5を備える苗植付装置23に苗を供給する苗供給装置24は、苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数(32個)の苗収容体となる苗供給カップ25と、該苗供給カップ25を苗植付け体5の上方を通過するように周回移動させる移動機構26と、苗植付け体5の上方位置で苗供給カップ25の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて苗植付け体5に苗を供給する苗落下供給機構となる開放機構27とを備えている。前記苗供給カップ25は、上下に開口する筒状体と該筒状体の下側の開口部を開閉する底蓋25aとを有し、互いにループ状に連結されている。前記移動機構26は、機体平面視で左右に長い長円形状のループ状の軌跡で周回動させる構成となっている。前記開放機構27は、苗供給カップ25の底蓋25aを苗植付け体5の上方位置で開放する構成である。尚、この苗供給装置24は、二つの苗植付け体5に対して苗供給カップ25が一回りで周回移動して苗を供給する構成としている。
【0056】
前記苗供給カップ25の外周に円筒外周部を形成し、該円筒外周部に外側から回動自在に係合する係合部(丸孔)を有して二つの苗供給カップ25を連結する連結体28を複数設け、該連結体28の係合部を苗供給カップ25の円筒外周部に回動自在に係合し該円筒外周部を回動軸として隣の苗供給カップ25が回動自在に連結する状態として複数の苗供給カップ25を互いに連結した構成としている。即ち、苗供給カップ25と連結体28とで無端チェーンのように連結した構成である。これにより、苗供給カップ25は、直線的に移動する部分でも円弧状に移動する部分でも隣接する苗供給カップ25との間隔が変わらないので、苗供給カップ25から苗植付け体5に苗を供給する個所で苗供給カップ25が苗植付け体5に対して位置ズレが生じにくくなり苗供給が適正に行われて適確な苗の移植ができる。
【0057】
移動機構26は、無端チェーンのように互いに連結する苗供給カップ25を左右に設けた巻掛用のスプロケット29の外周の円弧状切欠部に係合させて巻き掛け、この左右巻掛スプロケット29を植付伝動ケース22内から取り出した動力で駆動回転することにより、苗供給カップ25を機体平面視で左回りに周回動させる構成としている。巻掛スプロケット29を駆動回転可能に取付ける各々の回動軸30を植付伝動ケース22から左右に延びる支持フレームに回動可能に取付け、植付伝動ケース22上部から上方に突出させた出力軸から各々の駆動スプロケット33、チェン34及び従動スプロケット35を介して該従動スプロケット35と一体回転する前記回動軸30に伝動する構成としている。尚、従動スプロケット35と巻掛スプロケット29とは、ボルト36により結合され、両者が一体回転する構成となっている。従って、苗供給カップ25の周回移動経路には、左右各々の半円状の円弧状部分37と、該円弧状部分37につながる前後各々の直線状部分38とを備える。そして、苗供給カップ25が後側の直線状部分38において右方へ移動して左右苗植付け体25の上方を通過するようにしており、該直線状部分38に苗を苗植付け体5へ落下供給する左右落下供給位置39,40が設定されている。苗供給カップ25が周回する左右回動軸30は、左右後輪7より機体内側で、且つ、後輪7の車軸10位置より後側に配置している。また、苗植付け体5は、後輪7の車軸10位置より後側に配置している。
【0058】
前記ボルト36は、巻掛スプロケット29に設けたその回転方向に長い円弧状長孔29aを通って従動スプロケット35の螺子孔に下側から螺合している。従って、前記ボルト36を弛めることにより、従動スプロケット35と巻掛スプロケット29との回転位相を、前記円弧状長孔29aの範囲内で変更して調節できる構成となっている。尚、前記円弧状長孔29aによる調節範囲は、巻掛スプロケット29において苗供給カップ25の配列ピッチ分(後述する第一及び第二の苗供給カップ25b,25cの配列ピッチの2分の1分)に設定されている。この円弧状長孔29a及びボルト36等により、左右落下供給位置39,40の変更に合わせて左右各々の苗植付け体5が上動したときに該苗植付け体5へ落下供給する苗を収容する苗供給カップ25が当該落下供給位置39,40に到達するように上下動機構4の作動に対する苗供給カップ25の周回位置を変更する周回タイミング変更機構Cとなる。
【0059】
複数(計32個)の苗供給カップ25は、専ら一方(左側)の落下供給位置39で落下供給する苗を収容する第一の苗供給カップ25bと、専ら他方(右側)の落下供給位置40で落下供給する苗を収容する第二の苗供給カップ25cとを、各別に各々計16個備え、第一の苗供給カップ25bと第二の苗供給カップ25cとが交互に連結された構成となっている。そして、一方の落下供給位置39に第一の苗供給カップ25bが位置するとき、他方の落下供給位置40に第二の苗供給カップ25cが位置するように設定している。従って、前記第一及び第二の苗供給カップ25b,25cは、移動機構26によりループ状の一経路上で互いに同じ移動量で周回移動するから、移動機構26による周回移動により各々の落下供給位置39,40に同じタイミングで且つ同じ回数到達する構成となっている。そして、左側の苗植付け体5へ落下供給する苗を収容する第一の苗供給カップ25bの底蓋25aには、周回方向に対して右側端(周回の外側端)に突起41を設けている。一方、右側の苗植付け体5へ落下供給する苗を収容する第二の苗供給カップ25cの底蓋25aには、周回方向に対して左側端(周回の内側端)に突起41を設けている。
【0060】
開放機構27は、苗供給カップ25の周回軌跡下方で底蓋25aが下方に回動しないように底蓋25aに下方から当接して支持する支持体42を設け、この支持体42を苗植付け体5の上方位置には設けないようにすることで、苗植付け体5の上方位置(前記落下供給位置39,40)を苗供給カップ25が通過するとき、底蓋25aが支持体42による支持状態が解かれてその自重及び苗の重力により下方回動し、苗を下方に落下するべく苗供給カップ25の下部を開放する構成としている。尚、底蓋25aの回動支点は苗供給カップ25の周回下手側部分に設けられ、底蓋25aは、苗供給カップ25の周回上手側から開く構成となっている。
【0061】
前記支持体42は、機体に固定された固定支持体42a,42b,42c,42dと、機体に対して位置変更できる移動支持体42e,42fとからなる。前記固定支持体42a,42b,42c,42dは、苗供給カップ25の周回軌跡における左右円弧状部分37並びに前側の直線状部分38の全域にわたる主固定支持体42aと、後側の直線状部分38の一部に設けた第一、第二並びに第三の副固定支持体42b,42c,42dとを備える。これらの主固定支持体42a及び第一、第二並びに第三の副固定支持体42b,42c,42dは、棒材で構成されている。前記主固定支持体42aは、底蓋25aの中央に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿って延設され、第一並びに第二の苗供給カップ25b,25cの底蓋25aを開かないように支持する。第一の副固定支持体42bは、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aにおいて周回の外側端に設けた突起41に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿って直線状に設けられ、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aを開かないように支持する。この第一の副固定支持体42bは、苗供給カップ25の周回において後側の直線状部分38の途中から第一の苗供給カップ25bの底蓋25aのみを閉じて支持してこの底蓋25aの支持を後続の主固定支持体42aに引き継ぐように、後側の直線状部分38の右寄りの位置で且つ主固定支持体42aの底蓋周回上手側に設けられている。第二の副固定支持体42cは、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aの周回の内側端に設けた突起41に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿って直線状に設けられ、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを開かないように支持する。この第二の副固定支持体42cは、苗供給カップ25の周回において主固定支持体42aの底蓋25aの支持に引き継いで第二の苗供給カップ25cの底蓋25aのみを支持するように、後側の直線状部分38の左寄りの位置で且つ主固定支持体42aの底蓋周回下手側に設けられている。第三の副固定支持体42dは、底蓋25aの中央に当接する構成であり、苗供給カップ25の周回において後側の直線状部分38の途中から第一の苗供給カップ25bの底蓋25aを閉じるべく周回上手側ほど下位となる傾斜部分を備え、該傾斜部分で開いた第一の苗供給カップ25bの底蓋25aを上側へ案内しながら閉じる構成となっており、後側の直線状部分38の略中央の位置で且つ第一の副固定支持体42bの底蓋周回における始端部(左端部)と並行して設けられている。尚、第三の副固定支持体42dの底蓋周回における終端(右端)は、第二の副固定支持体42cの底蓋周回における終端(右端)より底蓋周回における上手側(左側)に位置している。尚、主固定支持体42aの底蓋周回における始端部は、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを閉じるべく周回上手側ほど下位となる傾斜部分を備え、該傾斜部分で開いた第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを上側へ案内しながら閉じる構成となっている。
【0062】
尚、第一の副固定支持体42bは、右端を支持フレーム31から後側の直線状部分38の右端部に延びる第一支持部材43に固着して設けられている。また、第二の副固定支持体42cは、左端を支持フレーム31から後側の直線状部分38の左端部に延びる第二支持部材44に固着し、右端部を植付伝動ケース22から後方に延びる第三支持部材45に固着して設けられている。また、第三の副固定支持体42dは、前記第三支持部材45に固着して設けられている。尚、主固定支持体42aは、前記第一支持部材43及び第二支持部材44の上面に固着して設けられている。
【0063】
前記移動支持体42e,42fは、後側の直線状部分38の一部に設けた第一移動支持体42eと第二移動支持体42fとからなる。尚、これらの第一移動支持体42e及び第二移動支持体42fは、板材で構成される。前記第一移動支持体42eは、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aにおいて周回の外側端に設けた突起41に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿って直線状に設けられ、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aを開かないように支持する構成であり、苗供給カップ25の周回において主固定支持体42aの底蓋25aの支持に引き継いで第一の苗供給カップ25bの底蓋25aのみを支持するように、後側の直線状部分38の左寄りの位置で且つ主固定支持体42aの底蓋周回下手側に設けられている。この第一移動支持体42eは、第二支持部材44に設けた左右方向に長い長孔46を貫通して設けた取付ボルト47により前記第二支持部材44に皿バネ47’を介して左右方向に移動自在に装着され、前記長孔46により左右方向の位置を変更でき、また、その位置で皿バネ47’の弾性力にて固定される構成となっている。尚、前記取付ボルト47は、苗供給カップ25の周回域より外側(後側)に位置し、苗供給カップ25が邪魔にならない位置に設けている。尚、第一移動支持体42eと第二支持部材44に設けた左右方向に長い長孔46と取付ボルト47等により落下位置変更機構Bを構成している。
【0064】
前記第二移動支持体42fは、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aの周回の内側端に設けた突起41に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿う直線状部分を備え、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを開かないように支持する構成であり、苗供給カップ25の周回において第二の副固定支持体42cの底蓋25aの支持に引き継いで第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを支持するように、後側の直線状部分38の右寄りの位置で且つ主固定支持体42aの底蓋周回上手側の端部(周回軌跡における右側の円弧状部分37の始端部)との間隔を空けて設けられている。この第二移動支持体42fは、該第二移動支持体42fが備える左右方向に長い長孔48を貫通する取付ボルト49により前記第三支持部材42dに皿バネ49’を介して左右方向に移動自在に装着され、前記長孔48により左右方向の位置を変更でき、また、その位置で皿バネ49’の弾性力にて固定される構成となっている。尚、第二移動支持体42fは、長孔48を設けた位置調整用部分と底蓋25aを支持する底蓋支持部分とで2又に分かれた平面視U字型の形状になっており、この位置調整用部分と底蓋支持部分との間に第二の副固定支持体42cを配置して、該第二の副固定支持体42cに引き継いで確実に底蓋25aを支持できる構成としている。また、第二移動支持体42fの位置を長孔48により最も底蓋周回上手側の位置(左端位置)にしたとき、前記底蓋支持部分が第二の副固定支持体42cと第三の副固定支持体42dとの間に位置する構成となっており、これらの第二移動支持体42f及び第二並びに第三の副固定支持体42c,42dをコンパクトに配置している。尚、前記取付ボルト49は、苗供給カップ25の周回域の内側(前側)に位置し、苗供給カップ25が邪魔にならない位置に設けている。尚、第二移動支持体42fと第二移動支持体42fが備える左右方向に長い長孔48と取付ボルト49等により落下位置変更機構Bを構成している。
【0065】
また、第一移動支持体42eと第二移動支持体42fの右端部(第一移動支持体42eまたは第二移動支持体42fにて底蓋25aの突起41を下方から支えることを解除して、苗供給カップ25bの底蓋25aが下方に開いて苗が苗植付け体5内に供給される部位)に、苗を苗植付け体5内に適切に供給する為の苗案内体を設けると、落下供給位置39,40で苗供給カップ25内の苗が苗植付け体5内に適切に供給されて、苗供給カップ25から苗植付け体5への苗供給ミスが防止されて欠株が防止されると共に、内苗植付け体5は苗を適正な姿勢で植付けることができ、苗の植付け姿勢が向上する。
【0066】
尚、第一移動支持体42e及び第二移動支持体42fの位置を変更するための長孔46,48及び取付ボルト47,49は、各々左右に2個づつ設けられ、第一移動支持体42e及び第二移動支持体42fを左右真直方向に移動できる構成としている。また、第一移動支持体42e及び第二移動支持体42fの位置変更量は、前記長孔46,48により苗供給カップ25における配列ピッチ分に規制されており、この規制手段により後述する植付位置の変更で落下供給位置39,40を誤った位置に調節しないように構成している。従って、第一の苗供給カップ25bが第一移動支持体42eの底蓋周回下手側の端部(右端部)で該第一の苗供給カップ25bの底蓋25aが支持されなくなる位置まで移動すると、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aが開放される。すなわち、第一移動支持体42eの底蓋周回下手側の端部(右端部)が、第一(左側)の落下供給位置39となる。また、第二の苗供給カップ25cが第二移動支持体42fの底蓋周回下手側の端部(右端部)で該第二の苗供給カップ25cの底蓋25aが支持されなくなる位置まで移動すると、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aが開放される。すなわち、第二移動支持体42fの底蓋周回下手側の端部(右端部)が、第二(右側)の落下供給位置40となる。尚、第二の副固定支持体42cにより、周回上手側の第一の落下供給位置39で第二の苗供給カップ25cの底蓋25aが開放しないようにする開放規制手段が構成されている。
【0067】
よって、第一移動支持体42eを長孔46により最も周回下手側(右側)に位置させ、第二移動支持体42fを長孔48により最も周回上手側(左側)に位置させると、第一の落下供給位置39と第二の落下供給位置40との互いの間隔が最も狭まり、植付条間が最も狭い状態となる。このとき、左右落下供給位置39,40の間隔は、苗供給カップ25における配列ピッチの3倍すなわち第一及び第二の苗供給カップ25b,25cにおける配列ピッチの1.5倍となる。逆に、第一移動支持体42eを長孔46により最も周回上手側(左側)に位置させ、第二移動支持体42fを長孔48により最も周回下手側(右側)に位置させると、第一の落下供給位置39と第二の落下供給位置40との互いの間隔が最も広がり、植付条間が最も広い状態となる。このとき、左右落下供給位置39,40の間隔は、苗供給カップ25における配列ピッチの5倍すなわち第一及び第二の苗供給カップ25b,25cにおける配列ピッチの2.5倍となる。従って、各々の落下供給位置39,40は苗供給カップ25における配列ピッチ分だけ位置変更できる構成となっており、左右落下供給位置39,40の互いの間隔が、第一及び第二の苗供給カップ25b,25cにおける配列ピッチの整数倍(1倍)(苗供給カップ25における配列ピッチの偶数倍(2倍))の距離分変化するようになっている。
【0068】
一方、苗供給装置24の各苗供給カップ25内には、上部開口部が広くて下部開口部が狭い樹脂製の円筒状の延長苗受け具25Lを上方から挿入して、各苗供給カップ25の苗を受ける高さが高くなるようにしてあり、背の高い苗でも植付けれるようになっている。そして、延長苗受け具25Lの上部開口より若干下方位置の外側面に歯車Gが一体成形されている。
【0069】
また、作業者が苗を入れた各苗供給カップ25が苗植付け体5への落下供給位置39,40に到達する手前の位置から落下供給位置39,40に亘って、前記延長苗受け具25Lの歯車Gに噛合する固定歯39G,40Gを苗置き台90の支持フレームに各々設けている。更に、苗供給カップ25移動方向手前側の落下供給位置39に各苗供給カップ25が到達する手前の位置には、各苗供給カップ25の延長苗受け具25Lの移動軌跡外方に接近して移動方向側ほど高く形成されたスロープ壁面SLが設けられている。そして、該スロープ壁面SLの高さは、苗供給カップ25移動方向手前側の延長苗受け具25L高さよりも低い位置から移動方向後側の延長苗受け具25L高さよりも高い位置まで、スロープ状に順次高くなっている。
【0070】
作業者が各苗供給カップ25内に苗を入れた際に、苗の葉が延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かって、落下供給位置39,40で苗が下方に落下せずに苗植付け体5へ苗が供給されず欠株になってしまうような事態が従来発生していたが、この実施例では、延長苗受け具25Lに一体形成された歯車Gが固定歯39G,40Gに噛合して移動することにより、延長苗受け具25Lが苗植付け体5への落下供給位置39,40に到達する手前の位置から落下供給位置39,40に亘って回転するので、苗の葉が延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっていても、延長苗受け具25Lの回転により苗供給カップ25内にきれいに落込んで苗は落下供給位置39,40で苗植付け体5へ適切に供給され適切な苗移植作業が行なえる。更に、延長苗受け具25Lの移動軌跡外方に接近して移動方向側ほど高く形成されたスロープ壁面SLにより、回転する延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっている苗の葉が上方に浮き上がるように作用し、適切に延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっている苗の葉が苗供給カップ25内にきれいに落込んで、苗は落下供給位置39,40で苗植付け体5へ適切に供給され適切な苗移植作業が行なえる。
【0071】
苗植付装置23は、先端が下方に向かうくちばし状の苗植付け体5と、該苗植付け体5の下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに昇降するように苗植付け体5を上下動させる上下動機構4と、くちばし状の苗植付け体5の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能する閉状態と苗植付け体5の下端部が左右に開いて内側に収容した苗を下方に放出可能する開状態とに苗植付け体5を開閉する開閉機構50を備えている。
【0072】
尚、機体フレーム20に連結した補強フレーム92と上記左右苗植付け体5との間には、引張りバネ23aが各々装着されている。従って、上下動機構4によって苗植付け体5が下動する時には、苗植付け体5の重量にて下降移動慣性力が増大して所定の作動速度よりも早く下降しようとする作用を引張りバネ23aが苗植付け体5を上方に向けて付勢することにより打ち消して、苗植付け体5は所定の速度で滑らかに下降し、逆に、上下動機構4によって苗植付け体5が上昇する時には、苗植付け体5の重量にて上昇移動が所定の作動速度よりも遅くなるのを引張りバネ23aが苗植付け体5を上方に向けて付勢することにより上昇力を付加して、苗植付け体5は所定の速度で滑らかに上昇する。よって、左右苗植付け体5は、滑らかに上下作動して、所定の作動軌跡を適正な作動速度で作動し、良好な苗の移植作業が行なえる。
【0073】
この移植機1は、苗植付け体5を左右に設定間隔で複数体並べて配備した複数条植の構成としている。本例では、苗植付け体5を左右に設定間隔で二体並べて配備した二条植えの構成としている。
【0074】
二体の苗植付け体5は、植付伝動ケース22の左右両側部に設けた上下動機構4に一体づつ装着している。先端が下方に向いたくちばし状の苗植付け体5を左側苗植付け体5Lと右側苗植付け体5Rとで構成して左右に分割し、後述する開閉機構50により左側苗植付け体5Lと右側苗植付け体5Rとが左右方向に回動して下端部を開く構成となっている。尚、左右苗植付け体5は、上下動機構4及び開閉機構50により、左右交互に上下動及び開閉し、圃場に千鳥状に苗を2条植えする構成となっている。
【0075】
苗ガイド51は、苗植付け体5の上方に設けられ、苗供給装置24から供給された苗を苗植付け体5内に案内する筒状体であり、苗供給装置24から落下供給される苗を適確に苗植付け体5内に供給することができる。この苗ガイド51の上端開口部の幅L1は、苗供給装置24の苗供給カップ25のピッチP1の2倍よりも広い幅(即ち、並んだ2個の苗供給カップ25の底の両端部の間隔L2よりも広い幅)に構成している。
【0076】
苗植付け体5の上下動機構4は、植付伝動ケース22の左右両側部に設けている。具体的には、植付伝動ケース22の左右側方に突出させた軸に前部を上下回動自在に装着し後部を苗植付け体5に連結した上側と下側の昇降リンク52,53と、植付伝動ケース22の側部から突出させた駆動回転する駆動軸54と、該駆動軸54に一体回転するように取付けた駆動アーム55と、該駆動アーム55の回転外周側端部と前記上側の昇降リンク52とに回動自在に連結する連動アーム56とで構成している。そして、上側と下側の昇降リンク52,53の各後端部(回動先端部)を連結部材57に回動自在に取付けて連結している。苗植付け体5は、前記連結部材57に取り付けられている。
【0077】
従って、駆動軸54の回転により駆動アーム55が駆動回転すると、昇降リンク52,53が上下動して、左右苗植付け体5が上下動する。この上下動の上昇位置では苗植付け体5の下端部が圃場面より上方に位置し、下降位置では苗植付け体5の下端部が圃場面より下方に位置する。
【0078】
また、上側の昇降リンク52の回動支点軸58は、植付伝動ケース22から突出して回転駆動する植付出力軸59の先端部に該出力軸59の中心軸心より偏心させた位置に設けられ、該植付出力軸59の回転によって植付出力軸59の軸芯を中心として偏心量(回動支点軸58と植付出力軸59の軸芯との間隔)を半径として回転しながら移動する構成とし、上側の昇降リンク52の上下動中に回動支点軸58が前後に移動することにより、苗植付け体5をその昇降動中に前後に傾け、苗植付け体5を側面視ループ状の作動軌跡で上下動させる構成となっている。
【0079】
次に、苗植付け体5の開閉機構50について説明する。左側苗植付け体5Lの上部に設けた左側開閉用アーム部60の先端部に開閉用ケーブル61のインナーワイヤ61aの端部を連結し、右側苗植付け体5Rの上部に設けた右側開閉用アーム部62の先端部に開閉用ケーブル61のアウターケーブル61bの端部を連結し、下側の昇降リンク53の基部を枢着している回動支点軸63に回動自在に取付けた作動アーム64を設け、この作動アーム64の先端部に前記開閉用ケーブル61のインナーワイヤ61aの他端を連結し、機体側に開閉用ケーブル61のアウターケーブル61bの他端を固定して取り付けている。尚、図4は左側の苗植付装置23を示すものであり、右側の苗植付装置23においては、左側の苗植付装置23と左右対称であるので、左側開閉用アーム部の先端部に開閉用ケーブルのアウターケーブルの端部を連結し、右側開閉用アーム部の先端部に開閉用ケーブルのインナーワイヤの端部を連結した構成となっている。そして、作動アーム64が、上側の昇降リンク52の基部を枢着している回動支点軸58を回転移動させる植付出力軸50と一体回転するよう取付けたカムの作用を受けて、設定したタイミングで前側に回動する構成としている。これにより、駆動軸54の駆動回転により苗植付け体5が上下動して下降下端位置に達すると、カムの作用位置の変化により作動アーム64が前側に回動し、開閉用ケーブル61のアウターケーブル61bに対してインナーワイヤ61aが右側に引かれて左側開閉用アーム部60と右側開閉用アーム部62とが互いに近づくように回動し、右側苗植付け体5Rが右方に回動し、これに連動して左側苗植付け体5Lが左方に回動して、苗植付け体5の下部側が左右に開いて下方に開放状態となる。そして、苗植付け体5が上昇してカムの作用位置の変化により作動アーム64が苗植付け体5に対して元の位置(後側)に回動して開閉用ケーブル61のインナーワイヤ61aが弛められ、左右に開いた苗植付け体5の下部が閉じる。これにより、苗植付け体5の開閉を開閉用ケーブル61で行う構成としたので、従来のロッドあるいはリンクによる開閉機構と比較して、開閉用ケーブル61の連結の自由度が高いため、前後に作動する作動アーム64により左側苗植付け体5L及び右側苗植付け体5Rを異なる方向(左右方向)に回動させることができると共に、作動アーム64の少量の作動量で苗植付け体5の所望の開閉量を得る構成とすることができる。尚、左側苗植付け体5Lと右側苗植付け体5Rとは、スプリング65により苗植付け体5の下部が閉じる側へ回動付勢されている。
【0080】
上下動機構4の上下の昇降リンク52,53における各々の回動先端部(後端部)は、上下各々の連結軸66,67を介して連結部材57に連結されている。前記連結部材57は、側面視三角形状のプレート68を左右に備え、この左右プレート68で上下の昇降リンク52,53の先端部を挟んだ構成となっており、後部には左右プレート68にまたがる左右方向のボス69を設けている。尚、側面視で前記プレート68の三角形状の各頂点付近に前記連結軸66,67及びボス69を配置しており、上下の連結軸66,67よりボス69を後側に配置しているので、ボス69に対して後述の位置調節軸70をスライドさせるときに上下の連結軸66,67や上下の昇降リンク52,53が邪魔にならないようにしている。尚、左右プレート68は略正三角形状であり、上下の連結軸66,67部分を上下逆にして連結部材57を取り付けてもいいように構成している。前記ボス69のボス孔は、六角形状(多角形状)になっている。一方、苗植付け体5の基部には、左右方向に延びる六角形状(多角形状)の位置調節軸70を固着して設けている。従って、前記ボス69に位置調節軸70が挿入されて連結部材57に苗植付け体5が支持され、ボス69に対して位置調節軸70を摺動させて左右方向に移動させることにより、苗植付け体5の左右位置を変更できる構成となっている。尚、ボス69と位置調節軸70とセットボルト71等にて植付位置変更機構Aが構成される。
【0081】
この苗植付け体5の左右位置の変更は、落下供給位置39,40の変更に合わせて該落下供給位置39,40の下方に苗植付け体5が位置するよう苗供給カップ25における配列ピッチ分の距離を変更できるように、位置調節軸70の長さが設定されている。すなわち、左右苗植付け体5の互いの間隔を第一及び第二の苗供給カップ25b,25cにおける配列ピッチの整数倍(1倍)分変化させることができ、ボス69及び位置調節軸70等により苗植付け体5を移動できる植付位置変更機構が構成されている。尚、位置調節軸70は、ボス69に設けたセットボルト71によりボス69に対して左右移動しないように固定でき、左右に移動させるときは前記セットボルト71を弛めて移動させる構成となっている。このセットボルト71は、ボス69及び位置調節軸70の後側に設けられ、後側から昇降リンク52,53が邪魔にならずに容易に締付又は弛緩できる。また、位置調節軸70の断面の六角形状(多角形状)の対向する頂点が上下に位置するようにしており、上下方向の曲げに対する断面係数が向上するので、この位置調節軸70で苗植付け体5を片持ち支持するのに必要な強度を得ることができる。また、位置調節軸70の適宜位置の外周には苗植付け体5の左右位置の目安となる溝72を5箇所設け、該溝72をボス69の端に揃えることにより300mmの条間と350mmの条間と400mmの条間と450mmの条間と300mmの条間に苗植付け体5の左右位置に調節できるようにしており、苗植付け体5の位置変更を容易に行える構成としている。尚、苗植付け体5の左右位置は前記5箇所に限るものではなく、位置調節軸70に苗植付け体5の左右位置を任意の位置で固定して、300mmから300mmまで無段階に条間調節を行なうことができる。
【0082】
また、苗供給装置24の苗供給カップ25が周回移動する中央部の上方位置に苗置き台90が設けられている。苗置き台90は、平面視で長円形のトレイ状に形成されており、内部空間に苗供給カップ25に供給する苗を収納できる構成となっている。そして、該苗置き台90の上部には、座席79側が低くなるように傾斜し且つ機体前後方向に向いた2本の杆体91aを着脱自在に固着して、セルトレイ載置部91を構成している。
【0083】
該セルトレイ載置部91の構成を詳述すると、苗置き台90の前壁90aには貫通孔90bを2つ並べて設け、後壁90cには上端から切り欠き溝90dを2つ並べて設けて、杆体91aの前端を前壁90aの貫通孔90bに差し込み、杆体91aの中途部を後壁90cの切り欠き溝90dに上から嵌めて、杆体91aの中途部に溶接固着した取付け板91bをボルト91cにて後壁90cに固着している。従って、ボルト91cを外せば、2本の杆体91a(即ち、セルトレイ載置部91)を苗置き台90から取り外すことができる。
【0084】
即ち、ダンボール等の収納器に入れられて販売されている裸の状態の苗(以下、裸苗という)を移植する場合には、セルトレイ載置部91を苗置き台90から取り外して、裸苗を苗置き台90の内部空間に収納しておき、座席79に着座した作業者は、苗置き台90の内部空間に収納された裸苗を順次取出して各苗供給カップ25に供給して移植作業を行なう。
【0085】
一方、セルトレイTで成育しセルトレイTに入っている苗を移植する場合には、セルトレイ載置部91を苗置き台90に装着して、苗の入ったセルトレイTの各ポット部P間に形成された底面側凹み部がセルトレイ載置部91の2本の杆体91aに上から嵌る状態で、セルトレイTを苗置き台90に載置すると、セルトレイTの苗が入っている上面は座席79に着座した作業者の方を向いた状態となって安定良く載置される。従って、座席79に着座した作業者は、容易にセルトレイTから苗を取出して各苗供給カップ25に供給し移植作業を効率よく且つ容易に行なうことができる。
【0086】
また、苗供給装置24のフレーム部を機体フレーム20に補強フレーム92で連結して、苗供給装置24の支持を適正にして、苗供給装置24の各苗植付け体5に対する苗供給を適確に行なえる構成としている。
【0087】
また、苗供給装置24の右端部前方位置に設けた植付深さ調節レバー93aのレバー位置決めガイド93bに回動調節自在(視界方向調節自在)のミラー93cを装着し、機体進行方向に対して後方を向いて座席79に着座して移植作業を行っている作業者が進行方向前方をミラー93cにて見えるようにしており、機体が畦終端近くに来ていることや進行方向の状態が認識できて安全に移植作業が行なえる。尚、植付深さ調節レバー93aは、前述の畝高さ検知センサSと昇降制御バルブB1の連携機構中に昇降制御バルブB1の中立位置に対応する畝高さ検知センサSの上下位置を変更する調節部を設け、該調節部を植付深さ調節レバー93aにて操作して昇降制御バルブB1の中立位置に対応する畝高さ検知センサSの上下位置を変更して、植付深さが調節できるものである。
【0088】
そして、上下動機構4により苗植付け体5の上下動が一周期動作する間に、第一及び第二の苗供給カップ25b,25cは各々における配列ピッチ分(一列状の苗供給カップ25の2個分:隣接するカップ25の中心間の距離であるピッチP1が80mmにしているので、160mm)周回移動する。そして、例えば、図5と図6に示す300mmの条間に設定した時は、落下供給位置39,40で苗供給カップ25の底蓋25aが開くタイミングを苗植付け体5が苗供給カップ25の直下まで最上昇したときとなるように設定している。この時、左側の落下供給位置39を決定する第一移動支持体42eは,条間300mmと刻印した位置に設定し、右側の落下供給位置40を決定する第二移動支持体42fも,条間300mmと刻印した位置に設定する。これにより、苗供給カップ25が二つの苗植付け体5の上方を直列的に通過しながら二つの苗植付け体5に対して苗供給漏れが生じることなく同時に苗を供給でき、且つ、二つの苗植付け体5の上方を通過した後に苗が供給されなかった苗供給カップ25が生じないよう余すことなく二つの苗植付け体5に対して苗を供給できるものとなり、苗供給作業が余裕をもって行え、且つ、二つの苗植付け体5に対して確実に苗を供給できる。この時、左側の苗植付け体5に対する苗供給カップ25の底蓋25aは苗植付け体5の苗ガイド51の上端開口部の幅L1の中央位置で開き、適正な苗の供給と植付けが行なえる。右側の苗植付け体5に対する苗供給カップ25の底蓋25aは苗植付け体5の苗ガイド51の上端開口部の幅L1の中央位置よりも少し手前の位置で開くが、苗ガイド51の上端開口部の幅L1は苗供給装置24の苗供給カップ25のピッチP1の2倍よりも広い幅(即ち、並んだ2個の苗供給カップ25の底の両端部の間隔L2よりも広い幅)に構成しているので、適正な苗の供給と植付けが行なえる。
【0089】
また、植付けた苗の周辺に覆土しながら苗の周辺の土壌を鎮圧する左右鎮圧輪73は、図面に示すように、左右苗植付け体5のすぐ後ろ側にそれぞれ配置して設け、畝の上に植終わった苗の根元を左右両側から鎮圧して根つきを促進する。
【0090】
各鎮圧アーム75の後端部を背面視で門形状のリヤフレーム75fに形成して、このリヤフレーム75fの左右両側部に前記左右一対の鎮圧輪73を配置して、支軸73aで回転自在に支持している。このリヤフレーム75fは、畝Uに植付けた苗の上部を左右にまたいで前進方向へ移動することができる構成となっている。又、このリヤフレーム75fから上方に向けて設けたウエイト装着アーム75gによって、複数個のバランスウエイト75hを嵌合支持して、バランスウエイト75hの装着数を変えて鎮圧圧力を調整できる構成としている。
【0091】
上記支持軸14の右端部には一体回動するリフト用アーム74dを設け、前記左右後輪7を上下動させる機構の一部である右回動筒部16bに設けた右アーム16aと強制上昇ロッド76にて連係している。また、強制上昇ロッド76の前端と右アーム16aとの連結部は、強制上昇ロッド76の前端に長穴で構成した融通連結部76aを設け、該融通連結部76aに右アーム16aに基部を固着したピン76bが係合した構成となっており、通常の苗移植時の昇降制御による右後輪7の上下動では強制上昇ロッド76は押し引きされず、機体旋回時の左右後輪7を大きく下動させた時にのみ強制上昇ロッド76は押されてリフト用アーム74dが矢印イ方向に回動して、支持軸14を矢印イ方向に回動させるので、支持軸14と一体回動する左右回動ボス94aの左右ストッパー部材94fも上方に回動して、該左右ストッパー部材94fにて左右鎮圧アーム75が上動方向に回動させられて、自動的に左右鎮圧輪73が上方に収納回動される構成となっている。従って、畝U終端位置での機体旋回作業時や機体の移動時に左右後輪7を下動させて機体を上昇させると、自動的に左右鎮圧輪73が上方に収納回動されるので、機体の旋回及び移動が容易に行えて作業性が良い。
【0092】
一方、前記鎮圧フレーム13aから機体下方に向けてスタンド支持アーム74eを延設して、駐車スタンド77aを支持する構成としている。駐車スタンド77aは、先端部に設けた接地棒77cに左右支持杆77dの先端部を溶接固着し、該左右支持杆77dの基部に設けた長穴77eを左右スタンド支持部77b間に亘って設けた回動軸77fに嵌めて、駐車スタンド77aを回動軸77f回りに回動自在に設けている。そして、左右スタンド支持部77bの下方位置に駐車用係合切欠き溝77gと後方位置に収納用係合切欠き溝77hを設け、駐車スタンド77a上部に設けた前記長穴77eよりも先端側には該駐車用係合切欠き溝77g及び収納用係合切欠き溝77hに係合する係合軸77iを設け、回動軸77fよりも上方に設けたバネ受け軸77jと係合軸77iの間に引張バネ77kを設けて、該引張バネ77kの引張力で係合軸77iが駐車用係合切欠き溝77g及び収納用係合切欠き溝77hに係合した状態を維持できる構成となっている。
【0093】
そして、係合軸77iが駐車用係合切欠き溝77gに係合した状態では、駐車スタンド77aの先端は機体下方に向いており、接地棒77cが接地して機体を支持する駐車状態になっている。この駐車状態で、植付昇降操作レバー88を操作して左右昇降用油圧シリンダ11を共に縮小作動させて左右後輪7を接地しない位置まで上昇させれば、左右後輪7の前記トレッド調節が容易に行なえる。また、機体をトラックの荷台等に載せて移動させる場合にも、駐車スタンド77aを駐車状態にしておくと、昇降用油圧シリンダ14の油圧が抜けて左右後輪7上動しても、安定して駐車スタンド77aにより機体を支持できる。
【0094】
次に、係合軸77iが駐車用係合切欠き溝77gから外れるまで、引張バネ77kの引張力に抗して、駐車スタンド77aを持って引張って後方上方に回動させて手放すと、引張バネ77kの引張力で係合軸77iが収納用係合切欠き溝77hに係合して、駐車スタンド77aが機体上方に収納された収納状態になる。この収納状態では、駐車スタンド77aが機体上方に収納されているので、移植作業の邪魔にならず良好な移植作業が行なえる。
【0095】
このように、駐車スタンド77aの駐車状態と収納状態との切替がワンタッチで容易に行なえて作業性が良い。
また、エンジン3やミッションケース8の上部を覆うボンネットBoの上方に苗供給装置24側に向くべく後向きの座席79を設け、苗供給装置24との間に足を乗せる平面状のステップ80を設けている。前記座席79は、ボンネットBoの左右一方側(右側)を通って上方に延びる支持フレーム81を介して機体に支持されている。
【0096】
前記ステップ80は、機体平面視で座席79と苗供給装置24との間に配置されるメインステップ82と、座席79及びボンネットBoの左右両側に設けたサブステップ83とで構成される。前記サブステップ83は、機体の前端部からメインステップ82近くまで前後に延設され、前部83aが後部83bより一段低い位置に構成され、作業者が機体の前端部から乗降することができるように構成されている。また、後輪7のトレッド変更に応じて、サブステップ83の後部の下方に上下に回動する伝動ケース9を配置することができる。また、メインステップ82の前端部には上方に傾斜して立ち上がる立ち上がり部82aを設けており、該立ち上がり部82aにより座席79に座る作業者の足が苗植付装置23の上下動機構4に接触しないように防護している。また、立ち上がり部82aを苗供給装置24の下方に位置させることにより、機体の前後長を短縮できる。また、メインステップ82は、立ち上がり部82aを備えることにより、強度が向上する。尚、立ち上がり部82aには、左右後輪7と苗植付装置23並びに苗供給装置24の駆動を入り切り操作する乗車用主クラッチレバー84と、左右後輪7を制動する左右サイドブレーキペダル85とを設けており、座席79にいる作業者が機体の停止や機体の進行方向の修正を行うことができる。
【0097】
左右前輪6の間となる機体の前端部には畝Uの上面に接地して該畝Uの終端を検出する畝終端センサ86を設け、該畝終端センサ86は機体の前進により畝のないところに到達して畝上面を感知しなくなることにより畝の終端に到達したことを検出する構成となっている。この畝終端センサ86による畝の終端の検出に基づいて、主クラッチを自動的に切って左右後輪7の駆動と苗植付装置23並びに苗供給装置24の駆動を停止し、機体を停止させると共に、警報(例えばブザー等の警音)を出して作業者に告知する。これにより、座席79に座る作業者は、機体の進行方向に対して後ろ向きとなり、苗補給作業に集中しているため機体の前方を確認しにくく、機体が畝の終端に達したことに気づかず、周囲の構造物への衝突等の事故を発生させるおそれがあるが、前記畝終端センサ86により畝の終端で機体を自動停止すると共に警報で畝の終端に達したことを告知するため、安全に作業が行え、また機体の前方の状況及び畝の終端の位置を気にせずに苗供給装置24への苗補給作業を集中して行え、植付作業能率が向上する。
【0098】
また、操縦ハンドル2の近くには、左右後輪7と苗植付装置23並びに苗供給装置24の駆動を手動で入り切りする主クラッチレバー87と、苗植付装置28並びに苗供給装置32の駆動のみを手動で入り切りする植付昇降操作レバー88とを備えている。尚、前記植付昇降操作レバー88により、左右昇降用油圧シリンダ11を共に作動させて手動で機体を昇降操作することもできる。そして、この植付昇降操作レバー88の操作位置を検出するセンサ(検出手段)を設け、該植付昇降操作レバー88により苗植付装置23並びに苗供給装置24が駆動状態に操作されているときだけ、前述の畝終端センサ86による機体の自動停止制御及び警報が作動する構成としている。これにより、植付作業時のみ機体の自動停止制御及び警報を作動させることができ、移動走行時や畝終端での機体旋回時に、畝終端センサ86が畝上面を検出しないことにより不必要に機体が停止するようなことを防止でき、操作性が向上する。尚、上述の植付昇降操作レバー88による機体の自動停止制御及び警報の作動の入り切りに代えてあるいは併用して、座席79に作業者が着座したことを検出する着座センサを設け、座席79に作業者が着座しているときだけ、機体の自動停止制御及び警報が作動する構成としてもよい。また、畝終端センサ86による畝終端の検出で、警報が先に作動し、その所定時間後(数秒後)に機体が自動停止する構成とすることができる。尚、機体の自動停止は、エンジン3を停止させることにより行ってもよい。
【0099】
また、植付昇降操作レバー88を操作して機体を上昇させて畦際で旋回する際に、畝終端センサ86を上動させて収納する構成とすると、畝終端センサ86が旋回時の邪魔にならず旋回が容易に行なえる。
【0100】
畝終端センサ86は、機体に基部を回動自在に枢支した回動アーム86aの下端に回転ローラ86bを回転自在に設けた構成になっている。そして、畝終端センサ86(回転ローラ86b)が必要以上に下方に回動しないように下方回動規制杆を回動アーム86aの下方位置に設けたあり、この下方回動規制杆と植付昇降操作レバー88とを操作ワイヤにて連携して、機体を上昇させるべく植付昇降操作レバー88を操作した時に操作ワイヤを介して下方回動規制杆を上動させて回動アーム86aの下方に接当させて、回動アーム86aを収納位置まで上方回動させる構成としている。
【0101】
機体の左右側方には、左右苗載台100を配置している。該左右苗載台100は、各々、3段の上段苗載部101aと中段苗載部101bと下段苗載部101cを設けている。
図14及び図15は、苗供給装置24の他の例を示し、延長苗受け具25Lの上部開口部外側全周囲にリブ25Rを設けている。また、作業者が各苗供給カップ25に苗を入れ終わる位置から落下供給位置39,40を過ぎる位置に亘って、前記延長苗受け具25Lのリブ25Rに下方から接当して延長苗受け具25Lを上方に持ち上げる杆体110を苗供給装置24のフレーム側に設ける。
【0102】
そして、杆体110は、各苗供給カップ25が移動するに連れて順次延長苗受け具25Lを上方に持ち上げるスロープ部110aと持ち上げた延長苗受け具25Lを落下供給位置39,40で落下させる段部110bが形成されている。
【0103】
従って、作業者が各苗供給カップ25内に苗を入れた際に、苗の葉が延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっていても、各苗供給カップ25の移動に連れて杆体110のスロープ部110aにて順次延長苗受け具25Lが上方に持ち上げられるので、延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっている苗が苗供給カップ25内に落込む。また、仮に上部開口部の縁に引っ掛かったままになっていても、落下供給位置39,40で持ち上げられた延長苗受け具25Lが段部110bにて下方に落下するので、その衝撃で延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっている苗は苗供給カップ25内にきれいに落込み、苗は落下供給位置39,40で苗植付け体5へ適切に供給され適切な苗移植作業が行なえる。
【0104】
尚、上述は2条植えの構成について説明したが、1条植え若しくは3条以上の構成に応用してもよい。
また、複数条に千鳥植えする構成にしても良いし、各苗植付け体5の作動タイミングを同じにして並木植えする構成にしても良い。
【0105】
尚、本発明の移植機は、野菜苗に限らず、その他の苗や球根を植付ける移植機として利用できる。また、乗用型の移植機について詳述したが、歩行型の移植機であってもよい。
【符号の説明】
【0106】
1a 走行機体
1b 移植装置
6 前輪
7 走行装置(後輪)
11 アクチュエータ(昇降用油圧シリンダ)
79 座席
PU 植付け部
S 高さ検知センサ(畝高さ検知センサ)
【技術分野】
【0001】
この発明は、走行装置を上下動して機体高さを変更する走行機体に移植装置を装着した移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機体の左右中央に設けたアクチュエータにて走行装置を上下動して機体高さを変更する走行機体に移植装置を装着した移植機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-172208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術のものは、機体の左右中央にアクチュエータを設けた構成なので、該アクチュエータの後方位置に移植装置を配置せねばならず、機体の前後長さが長くなり、操作性、特に、旋回操作において課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、簡潔な構成で機体の前後長さを短く構成し、操作性及び移植作業性能を向上した移植機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
請求項1に係る発明は、走行機体1aの左右走行装置7を上下作動させるアクチュエータ11を機体の左右側方位置に配置し、移植装置1bの植付け部PUを左右走行装置7の間に配置して走行機体1aに装着した移植機とした。
【0007】
従って、請求項1記載の発明は、走行機体1aの左右走行装置7を上下作動させるアクチュエータ11を機体の左右側方位置に配置し、移植装置1bの植付け部PUを左右走行装置7の間に配置して走行機体1aに装着したので、機体の前後長さを短く構成できて機体の移植作業時や機体移動時の操作性が良好となる。然も、左右走行装置7を下降させて機体を上昇して旋回する時に、重量物である移植装置1bの植付け部PUを左右走行装置7の間に配置した構成なので、左右走行装置7に安定良く植付け部PUが支持されており、旋回操作が容易に行なえて作業性が良い。
【0008】
請求項2に係る発明は、左右走行装置7を各々上下作動させる左右アクチュエータ11を機体の左右側方位置に各々配置し、左右高さ検知センサSによる圃場面からの機体高さの検出にて左右アクチュエータ11を各々作動制御して機体を圃場面に対して所定の高さに維持すると共に、機体の左右傾斜を圃場面に対して平行に維持する請求項1記載の移植機とした。
【0009】
従って、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の作用に加えて、左右高さ検知センサSにて各々左右アクチュエータ11を作動制御して圃場面に対する機体の姿勢を制御するから、簡潔な構成で精度良く機体の姿勢制御が行なえて、良好な苗の移植作業が行なえる。
【0010】
請求項3に係る発明は、左右高さ検知センサSを左右走行装置7の間に配置した請求項2記載の移植機とした。
従って、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の作用に加えて、左右走行装置7の間に配置した移植装置1bの植付け部PUが圃場に苗を植付ける位置と機体側面視で左右高さ検知センサSが略同じ位置の圃場面を検出するので、苗の植付け深さが適正になり、良好な苗の移植作業が行なえる。
【0011】
請求項4に係る発明は、植付け部PUに左右苗植付け体5を設け、左右高さ検知センサSを各々左右苗植付け体5の側方位置に設けた請求項3記載の移植機とした。
従って、請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の作用に加えて、左右苗植付け体5の各々側方位置に左右高さ検知センサSを設けたから、左右苗植付け体5の苗植付け深さが適正となり、良好な苗の移植作業が行なえる。
【0012】
請求項5に係る発明は、植付け部PUに苗を供給する苗供給装置24を植付け部PUの上方位置に設けた請求項1から請求項4の何れか1項に記載の移植機とした。
従って、請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、左右走行装置7を下降させて機体を上昇して旋回する時に、重量物である移植装置1bの植付け部PU及び苗供給装置24が左右走行装置7の間に配置した構成となるので、左右走行装置7に安定良く植付け部PU及び苗供給装置24が支持された状態で、旋回操作が容易に行なえて作業性が良い。
【0013】
請求項6に係る発明は、機体側面視で、左右走行装置7の機体前方に左右前輪6を設けると共に、作業者が移植作業時に着座して移植装置1bに苗を供給する座席79を移植装置1bの前方で左右前輪6の上方位置に設けた請求項1から請求項5の何れか1項に記載の移植機とした。
【0014】
従って、請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の発明の作用に加えて、機体側面視で、左右走行装置7の機体前方に左右前輪6を設けると共に、作業者が移植作業時に着座して移植装置1bに苗を供給する座席79を植付け部PUの前方で左右前輪6の上方位置に設けたので、機体前方の左右前輪6に作業者の重量が掛かり、左右走行装置7に植付け部PUの重量が掛かって、機体の前後バランスが移植作業に適したものとなり良好な移植作業が行なえる。
【発明の効果】
【0015】
よって、この発明の移植機は、簡潔な構成で機体の前後長さを短く構成できて、操作性及び移植作業性能を向上し、発明の課題を適切に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】移植機の側面図である。
【図2】移植機の平面図である。
【図3】巻掛スプロケットとその周辺を示す図である(a:平面図、b:斜視図)。
【図4】苗植付装置を示す斜視図である。
【図5】条間300mmに設定した時の苗供給装置及び苗植付装置の作用を示す作用説明図である(a:作用説明用平面図、b:作用説明用背面図)。
【図6】条間300mmに設定した時の苗供給装置及び苗植付装置の作用を示す作用説明図である(a:作用説明用平面図、b:作用説明用背面図)。
【図7】要部の作用説明用平面図である。
【図8】要部の作用説明用拡大背面図である。
【図9】後輪と苗植付装置と鎮圧輪の配置関係を示す作用説明用平面図である。
【図10】左右後輪を上下動させる油圧回路図である。
【図11】鎮圧輪の上下作動機構を示す作用説明用斜視図である。
【図12】鎮圧輪の上下作動機構を示す側面図である。
【図13】鎮圧輪の上下作動機構を示す斜視図である。
【図14】苗供給装置の他の例を示す作用説明用要部側面図である。
【図15】苗供給装置の他の例を示す作用説明用要部背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の実施の一形態の移植機1を以下に説明する。尚、以下の説明では、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン3を配置した側を前とする。そして、機体後部において機体前部側に向って立つ作業者の右手側を右とし、左手側を左とする。
【0018】
移植機1は、操縦ハンドル2を備えた機体に昇降駆動する上下動機構4により昇降動作する開閉可能なくちばし状の苗植付け体5を左右に2個備え、転動自在に支持した左右一対の前輪6とエンジン3の動力が伝達されて駆動回転する走行装置である左右一対の後輪7を備えている。この前輪6及び後輪7を畝溝に案内して、機体を畝U上方で走行することができる。
【0019】
エンジン3の後部にはミッションケース8を配置し、そのミッションケース8内にはエンジン3の出力軸が入り込んでおり、エンジン3の出力軸からミッションケース8内の伝動機構にエンジン動力が伝達される構成となっている。ミッションケース8の左右両側部に伝動ケース9を回動支点9aを中心に回動自在に取り付け、この伝動ケース9の回動支点9aにミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで伝動ケース9内の伝動機構に走行用の動力を伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9内の伝動機構を介して機体後方側に伸びてその後端側の側方に突出する車軸10に伝動し、後輪7が駆動回転するようになっている。
【0020】
移植機1は、操縦ハンドル2・エンジン3・左右前輪6・左右後輪7・ミッションケース8・機体フレーム20等からなる走行機体1aに上下動機構4・苗植付け体5・植付伝動ケース22・苗供給装置24等からなる移植装置1bを装着した構成となっている。
【0021】
左右アクチュエータである左右昇降用油圧シリンダ11が、機体の左右に各々設けられている。該左右昇降用油圧シリンダ11にて、左右後輪7が各々装着された左右伝動ケース9を回動支点9a回りに上下回動させて左右後輪7を各々各別に上下作動させる構成となっている。
【0022】
ここで、該左右昇降用油圧シリンダ11にて左右後輪7が各々各別に上下作動して、機体が昇降する構成及び左右ローリング作動する構成を説明する。
先ず、左右伝動ケース9がミッションケース8に装着されている部分の構成を説明すると、ミッションケース8の両側に機体左右外側方に張出して設けた左右アクスルハウジング8a周りに各々回動する六角筒状の左右回動筒部16bを設け、該左右回動筒部16bに各々左右アーム16aの基部を固定して設け、この左右回動筒部16bは機体に基部が固定された左右支持体20aの先端部にて各々回動自在に支持された構成となっている。そして、左右回動筒部16bの内部六角に勘合して機体左右方向に伸縮自在に移動できる六角筒状の左右内部回動筒部16cを各々設け、該左右内部回動筒部16cの外側端に各々上下揺動する左右伝動ケース9の基部を固定している。また、左右内部回動筒部16cの内部には、ミッションケース8から左右伝動ケース9に各々動力を伝動する左右駆動軸が回動支点9aに一致して設けられている。
【0023】
そして、左右回動筒部16bの内部に嵌入された左右内部回動筒部16cは、左右回動筒部16b外周から貫通して左右内部回動筒部16c外周に先端が各々接当する左右取っ手付きボルト16dにて左右移動が固定された構成となっている。即ち、畝U幅の対応の為に左右後輪7の左右位置調節(トレッド調節)を行う場合には、左右取っ手付きボルト16dを緩めて、左右回動筒部16bに対して左右内部回動筒部16cを機体左右方向に移動させて左右後輪7の位置調節を行い、再び左右取っ手付きボルト16dを締めて左右回動筒部16bに左右内部回動筒部16cを固定する。このようにして、左右後輪7は、自由にその左右位置調節(トレッド調節)を行うことができる。
【0024】
次に、左右昇降用油圧シリンダ11と左右伝動ケース9の連携構成を説明すると、左右昇降用油圧シリンダ11を機体の左右に各々上下方向を向く状態で配置し、その左右シリンダ11a上端部を各々機体に揺動自在に枢支し、左右ピストンロッド11b下端部を各々左右アーム16aの先端部に連結している。従って、左右昇降用油圧シリンダ11の左右ピストンロッド11bが各々伸出作動すると左右伝動ケース9が各々回動支点9aを中心に下向きに回動して左右後輪7が下動し、左右ピストンロッド11bが各々退入作動すると左右伝動ケース9が各々回動支点9aを中心に上向きに回動して左右後輪7が上動する。
【0025】
一方、左右後輪7間で左右苗植付け体5の苗植付位置には、各々左右高さ検知センサである左右畝高さ検知センサSが配置されており、該左右畝高さ検知センサSの各々の畝高さ検出結果に基づいて左右昇降用油圧シリンダ11の作動を各々制御する左右昇降制御バルブBが切替えられる。尚、左右畝高さ検知センサSは、平面視でその後部機体内側が切り欠いたL字状に形成されており、該L字状の切り欠いた部位に苗植付け体5が苗を植付ける構成となっている。
【0026】
即ち、畝U上面の左右が共に高くなって左右畝高さ検知センサSが共に上動した場合には、左右昇降制御バルブBが共に左右昇降用油圧シリンダ11の左右ピストンロッド11bが伸出作動する方向に切替えられて、左右伝動ケース9が共に回動支点9aを中心に下向きに回動して左右後輪7が下動し機体が上昇して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。 反対に、畝U上面の左右が共に低くなって左右畝高さ検知センサSが共に下動した場合には、左右昇降制御バルブBが共に左右昇降用油圧シリンダ11の左右ピストンロッド11bが退入作動する方向に切替えられて、左右伝動ケース9が共に回動支点9aを中心に上向きに回動して左右後輪7が上動し機体が下降して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。
【0027】
また、畝U上面の左側のみが高くなって左畝高さ検知センサSが上動した場合には、左昇降制御バルブBが左昇降用油圧シリンダ11の左ピストンロッド11bが伸出作動する方向に切替えられて、左伝動ケース9が回動支点9aを中心に下向きに回動して左後輪7が下動し機体の左側が上昇して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。逆に、畝U上面の右側のみが高くなって右畝高さ検知センサSが上動した場合には、右昇降制御バルブBが右昇降用油圧シリンダ11の右ピストンロッド11bが伸出作動する方向に切替えられて、右伝動ケース9が回動支点9aを中心に下向きに回動して右後輪7が下動し機体の右側が上昇して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。
【0028】
同様に、畝U上面の左側のみが低くなって左畝高さ検知センサSが下動した場合には、左昇降制御バルブBが左昇降用油圧シリンダ11の左ピストンロッド11bが退入作動する方向に切替えられて、左伝動ケース9が回動支点9aを中心に上向きに回動して左後輪7が上動し機体の左側が下降して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。逆に、畝U上面の右側のみが低くなって右畝高さ検知センサSが下動した場合には、右昇降制御バルブBが右昇降用油圧シリンダ11の右ピストンロッド11bが退入作動する方向に切替えられて、右伝動ケース9が回動支点9aを中心に上向きに回動して右後輪7が上動し機体の右側が下降して、機体と畝U上面との距離が所定位置となるように制御される。
【0029】
上記のように、畝Uの高さが全体的に変化したり、また、畝U上面の高さが左右で変化したりしても、その変化を左右畝高さ検知センサSが検出し、左右昇降制御バルブBが左右昇降用油圧シリンダ11を作動させて、左右後輪7を上下作動制御して機体と畝U上面との関係を常に所定の状態に維持するので、左右苗植付け体5による畝Uへの苗植付け深さが常に適正に行なえる。
【0030】
また、上記のように左右後輪7を上下作動させる左右昇降用油圧シリンダ11を各々機体の左右に配置し、従来のように左右後輪7を上下作動させる油圧シリンダを機体の中央部に配置していないので、左右後輪7間に左右苗植付け体5やその駆動機構よりなる後述の植付け部PUを配置することができる。従って、左右苗植付け体5は、機体側面視で左右後輪7の前後方向中央位置付近に苗を植付ける構成となるので、苗の植付が安定する(左右後輪7の接地点回りの機体の回動の影響をあまり受けないで苗の移植が行なえる)。
【0031】
更に、左右畝高さ検知センサSは左右後輪7間に配置され、左右畝高さ検知センサSは平面視でその後部機体内側が切り欠いたL字状に形成されており、該L字状の切り欠いた部位に苗植付け体5が苗を植付ける構成となっているので、左右苗植付け体5が苗を植付ける位置で左右畝高さ検知センサSが畝U上面を各々検出して、機体の上下制御及び機体の傾斜制御を行ない適正な苗の植付け深さ制御が行えて、苗の植付け深さが正確で適正な苗の移植が行なえる。
【0032】
また、植付け部PUと該植付け部PUに苗を供給する苗供給装置24が、機体側面視で左右後輪7の接地点上方位置に配置された構成となるので、左右後輪7を下動させて機体を上昇し前輪6を浮き上がらせて、左右後輪7にて機体荷重を支持して機体を旋回する際に、重量物である植付け部PUと苗供給装置24が機体側面視で左右後輪7の接地点上方位置に配置された構成なので、旋回時の機体バランスが良くて作業者は容易に機体の旋回操作が行なえる。
【0033】
ここで、後述の左右鎮圧装置12の各々の左右鎮圧輪73を支持する左右鎮圧アーム75と左右畝高さ検知センサSの支持構成を説明する。
機体フレーム20に機体横向きに固定して設けた鎮圧フレーム13aから機体後方に向けて延設した4つの支持アーム13bに、横方向に沿う正六角軸構成の支持軸14を自由回動自在に設ける。そして、左右鎮圧アーム75の後部に各々左右鎮圧輪73を自由回転自在に設け、前部に各々平面視コ字状の回動基端部75aを構成し、該回動基端部75aの前端部に設けた円形の貫通孔75bに前記支持軸14を貫通させた構成として、左右アーム75が支持軸14を回動支点として後部が自由に上下回動する構成となっている。
【0034】
そして、支持軸14は、左支持軸14aと右支持軸14bに分割し、右支持軸14bの左端部に円筒状の空洞14b’を形成し、左支持軸14aの右端部は円柱状部14a’を形成し、右支持軸14bの円筒状の空洞14b’に左支持軸14aの円柱状部14a’を嵌め込んで構成している。従って、左支持軸14aと右支持軸14bは、各々単独に自由回動自在な構成となっている。
【0035】
また、支持軸14には左右鎮圧輪73を支持する左右鎮圧アーム75と左右畝高さ検知センサSが装着されているが、上記左支持軸14aに左右一対の左鎮圧輪73を支持する左鎮圧アーム75と左畝高さ検知センサSが装着され、右支持軸14bに左右一対の右鎮圧輪73を支持する右鎮圧アーム75と右畝高さ検知センサSが装着されている。
【0036】
左畝高さ検知センサSの上端部を回動自在に支持する左センサ支持アーム94の基端部に設けた左回動ボス94aには、その内部に左支持軸14aに外嵌する正六角の嵌合孔が形成されており、該左回動ボス94aは左支持軸14aに左右移動のみ自在に外嵌され、左固定ボルト94bにて左支持軸14aに固定された構成となっている。一方、左鎮圧アーム75の回動基端部75aは、平面視でコ字状に形成されており、そのコ字状部内に上記左センサ支持アーム94の左回動ボス94aを挟んだ状態で、回動基端部75aの円形の貫通孔75bが左支持軸14aに外嵌して支持された構成となっている。従って、左回動ボス94aを左支持軸14aに左固定ボルト94bにて左右移動を固定すると、自動的に左鎮圧アーム75も左右位置が固定された状態となる。
【0037】
左センサ支持アーム94の先端には、左畝高さ検知センサSが左回動ピン94cにて回動自在に支持されている。そして、左畝高さ検知センサSの左回動ピン94c近くに左検知作動アーム94dを上方に向けて立ち上げて設け、左センサワイヤ94eのアウターワイヤを左検知作動アーム94dに固定し、左センサワイヤ94eのインナーワイヤを左センサ支持アーム94に連結し、一方、左センサワイヤ94eの他端を左昇降制御バルブBに連携して、左畝高さ検知センサSの上下動にて左センサワイヤ94eを介して左昇降制御バルブBを切替え作動させて左昇降用油圧シリンダ11の作動を制御する構成となっている。
【0038】
尚、左センサ支持アーム94には、左鎮圧アーム75の下方に向けて延設した左ストッパー部材94fが一体に形成されており、該左ストッパー部材94fにて左鎮圧アーム75の下降を制限しており、左鎮圧アーム75の後部に装着された左鎮圧輪73が所定以上に下降することを制限する構成となっている。
【0039】
同様に、右畝高さ検知センサSの上端部を回動自在に支持する右センサ支持アーム94の基端部に設けた右回動ボス94aには、その内部に右支持軸14bに外嵌する正六角の嵌合孔が形成されており、該右回動ボス94aは右支持軸14bに左右移動のみ自在に外嵌され、右固定ボルト94bにて右支持軸14bに固定された構成となっている。一方、右鎮圧アーム75の回動基端部75aは、平面視でコ字状に形成されており、そのコ字状部内に上記右センサ支持アーム94の右回動ボス94aを挟んだ状態で、回動基端部75aの円形の貫通孔75bが右支持軸14bに外嵌して支持された構成となっている。従って、右回動ボス94aを右支持軸14bに右固定ボルト94bにて左右移動を固定すると、自動的に右鎮圧アーム75も左右位置が固定された状態となる。
【0040】
右センサ支持アーム94の先端には、右畝高さ検知センサSが右回動ピン94cにて回動自在に支持されている。そして、右畝高さ検知センサSの右回動ピン94c近くに右検知作動アーム94dを上方に向けて立ち上げて設け、右センサワイヤ94eのアウターワイヤを右検知作動アーム94dに固定し、右センサワイヤ94eのインナーワイヤを右センサ支持アーム94に連結し、一方、右センサワイヤ94eの他端を右昇降制御バルブBに連携して、右畝高さ検知センサSの上下動にて右センサワイヤ94eを介して右昇降制御バルブBを切替え作動させて右昇降用油圧シリンダ11の作動を制御する構成となっている。
【0041】
尚、右センサ支持アーム94には、右鎮圧アーム75の下方に向けて延設した右ストッパー部材94fが一体に形成されており、該右ストッパー部材94fにて右鎮圧アーム75の下降を制限しており、右鎮圧アーム75の後部に装着された右鎮圧輪73が所定以上に下降することを制限する構成となっている。
【0042】
また、右支持軸14bに基端部が溶接固着された右植付け深さ調節レバー96Rは、機体外方に向けて曲がるように形成された板バネ材にて形成されており、その上部が機体に固着された右ガイド97Rの複数の係止溝に係合して係止される構成となっている。一方、左支持軸14aに基端部が溶接固着された左植付け深さ調節レバー96Lは、機体外方に向けて曲がるように形成された板バネ材にて形成されており、その上部が前記右植付け深さ調節レバー96Rに固着された左ガイド97Lの複数の係止溝に係合して係止される構成となっている。
【0043】
よって、右植付け深さ調節レバー96Rを右ガイド97Rに沿って操作して複数の係止溝の係止位置を変更することにより、右植付け深さ調節レバー96Rに固着された左ガイド97Lを介して左植付け深さ調節レバー96Lも同方向に回動調節されて、左支持軸14a及び右支持軸14bが共に回動して左右センサ支持アーム94も同方向に回動し、左右畝高さ検知センサSが共に上下位置変更調節できる。例えば、右植付け深さ調節レバー96Rを前方に向けて回動操作して係止溝に固定すると、左右畝高さ検知センサSの接地部が共に上方に移動して、左右苗植付け体5の苗植付け深さが深くなる。逆に、右植付け深さ調節レバー96Rを後方に向けて回動操作して係止溝に固定すると、左右畝高さ検知センサSの接地部が共に下方に移動して、左右苗植付け体5の苗植付け深さが浅くなる。
【0044】
また、左植付け深さ調節レバー96Lを左ガイド97Lに沿って操作して複数の係止溝の係止位置を変更することにより、左支持軸14aのみが回動して左センサ支持アーム94が同方向に回動し、左畝高さ検知センサSのみが上下位置変更調節できる。例えば、左植付け深さ調節レバー96Lを前方に向けて回動操作して係止溝に固定すると、左畝高さ検知センサSの接地部が上方に移動して、左苗植付け体5の苗植付け深さが深くなる。逆に、左植付け深さ調節レバー96Rを後方に向けて回動操作して係止溝に固定すると、左畝高さ検知センサSの接地部が下方に移動して、左苗植付け体5の苗植付け深さが浅くなる。
【0045】
従って、圃場条件に応じて、左右苗植付け体5の苗植付け深さを同時に調節したり、左右苗植付け体5の苗植付け深さを左右で異なる深さに調節したりすることができる。
一方、上記の右植付け深さ調節レバー96Rや左植付け深さ調節レバー96Lによる苗の植付け深さ調節に応じて、左センサ支持アーム94に一体に形成した左右ストッパー部材94fが左右畝高さ検知センサSと同方向に移動調節されるので、苗植付け深さ調節に応じて自動的に左右鎮圧アーム75の最下降位置が変更されて、苗植付け深さ調節に応じた左右鎮圧輪73の鎮圧作用が行われて適正な苗の移植作業が行なえる。
【0046】
次に、後述の植付昇降操作レバー88の矢印イ方向操作にて左右昇降制御バルブBを作動させて、作業者が任意に左右昇降用油圧シリンダ11を伸長作動させて(左右ピストンロッド11bを各々進出作動させて、左右後輪7を共に最下降位置まで下動させて)機体を上昇させる構成について説明する。
【0047】
左右センサワイヤ94eの左右昇降制御バルブB側端部は、そのアウターワイヤを機体に固定し、インナーワイヤ94e’を各々左右昇降制御バルブBのロータリスプールBSに連結した構成となっている。
【0048】
そして、昇降操作ワイヤ98のインナーワイヤ98aの一端を植付昇降操作レバー88に連結し、インナーワイヤ98aの他端を、前記左右昇降制御バルブBの各ロータリスプールBSを切替え作動する左右センサワイヤ94eの左右インナーワイヤ94e間に配置した連携アーム98b上部に連結している。連携アーム98bは、左右に延びる左右アーム部98cを一体に形成し、該左右アーム部98cの左右端部に設けた各々の貫通孔98dを左右インナーワイヤ94eが各々貫通した状態で配置している。そして、連携アーム98bの左右中央下部には、錘Wの上部が固定されている。従って、錘Wを設けた連携アーム98bは、インナーワイヤ98aの他端に連結ピン98eで機体左右方向に揺動自在に装着された構成となっている。尚、左右アーム部98cの各貫通孔98dを貫通した左右インナーワイヤ94eには、その左右アーム部98cの各貫通孔98dよりも上方位置に貫通孔98dよりも大きな係合部材98fが各々固着されている。
【0049】
従って、作業者が機体を畝U終端部で機体を旋回させる場合に、植付昇降操作レバー88を矢印イ方向に操作すると、昇降操作ワイヤ98のインナーワイヤ98aが矢印ハ方向に引かれて、連携アーム98bが上動する。すると、連携アーム98bの左右アーム部98cが係合部材98fに接当して、左右インナーワイヤ94e’を共に矢印ハ方向に引き上げて左右昇降制御バルブBのロータリスプールBSを左右昇降用油圧シリンダ11が伸長作動して左右後輪7が下降する方向に切替える。
【0050】
この時、機体がローリング制御されていて左右に傾斜した状態(左右後輪7の上下位置が異なる状態)である場合、例えば、右後輪7が左後輪7よりも下動して機体の左側が低くなる状態に傾斜している場合、錘Wが装着されている連携アーム98bは連結ピン98e回りに揺動して左アーム部98cが左インナーワイヤ94eの係合部材98fに近づいた状態となっているので、作業者が植付昇降操作レバー88を矢印イ方向に操作して機体を上昇させようとすると、先に、左アーム部98cが左インナーワイヤ94eの係合部材98fに接当して左インナーワイヤ94eが矢印ハ方向に引かれて左後輪7が先に下降するために、機体が左右水平状態になって上昇する。
【0051】
よって、機体旋回に機体を上昇させる場合、常に機体は水平状態に復帰してから上昇するので、機体の旋回操作が容易に行なえて、作業性及び作業効率が良い。
一対の前輪6は、エンジン3の下方の左右中央位置から左右に延びる前輪支持フレーム17の左右両側部の下方に延びるアーム部分18の下端部側方に固定した車軸19に回転自在に取り付けている。
【0052】
操縦ハンドル2は、ミッションケース8に前端部を固定した機体フレーム20の後端部に取り付けられている。機体フレーム20は、機体の左右中央に配置されて後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、機体フレーム20の後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aとしている。操縦ハンドル2の左右グリップ部2aは、作業者がそのグリップ部2a,2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a,2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部2aとしても良い。
【0053】
苗植付け体5作動用の上下動機構4は、ミッションケース8内から動力が伝動軸21を介して伝動される植付伝動ケース22に装着している。植付伝動ケース22内には苗植付け体上下動機構4を昇降駆動するための動力を伝達する伝動機構を内装している。
【0054】
なお、植付伝動ケース22内の伝動機構には、上下動機構4及び左右一対の苗植付け体5をその昇降動最上位の位置で、又はその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構と、上下動機構4及び苗植付け体5の昇降動を停止させるクラッチ機構とを備えている。間欠駆動機構によって停止する時間は、該間欠駆動機構が備える変速機構によって調節され、この調節によって苗植付け体5による苗植付株間が変更調節される構成となっている。また、これらの植付伝動ケース22・上下動機構4・左右苗植付け体5等にて植付け部PUを構成している。
【0055】
また、苗植付け体5を備える苗植付装置23に苗を供給する苗供給装置24は、苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数(32個)の苗収容体となる苗供給カップ25と、該苗供給カップ25を苗植付け体5の上方を通過するように周回移動させる移動機構26と、苗植付け体5の上方位置で苗供給カップ25の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて苗植付け体5に苗を供給する苗落下供給機構となる開放機構27とを備えている。前記苗供給カップ25は、上下に開口する筒状体と該筒状体の下側の開口部を開閉する底蓋25aとを有し、互いにループ状に連結されている。前記移動機構26は、機体平面視で左右に長い長円形状のループ状の軌跡で周回動させる構成となっている。前記開放機構27は、苗供給カップ25の底蓋25aを苗植付け体5の上方位置で開放する構成である。尚、この苗供給装置24は、二つの苗植付け体5に対して苗供給カップ25が一回りで周回移動して苗を供給する構成としている。
【0056】
前記苗供給カップ25の外周に円筒外周部を形成し、該円筒外周部に外側から回動自在に係合する係合部(丸孔)を有して二つの苗供給カップ25を連結する連結体28を複数設け、該連結体28の係合部を苗供給カップ25の円筒外周部に回動自在に係合し該円筒外周部を回動軸として隣の苗供給カップ25が回動自在に連結する状態として複数の苗供給カップ25を互いに連結した構成としている。即ち、苗供給カップ25と連結体28とで無端チェーンのように連結した構成である。これにより、苗供給カップ25は、直線的に移動する部分でも円弧状に移動する部分でも隣接する苗供給カップ25との間隔が変わらないので、苗供給カップ25から苗植付け体5に苗を供給する個所で苗供給カップ25が苗植付け体5に対して位置ズレが生じにくくなり苗供給が適正に行われて適確な苗の移植ができる。
【0057】
移動機構26は、無端チェーンのように互いに連結する苗供給カップ25を左右に設けた巻掛用のスプロケット29の外周の円弧状切欠部に係合させて巻き掛け、この左右巻掛スプロケット29を植付伝動ケース22内から取り出した動力で駆動回転することにより、苗供給カップ25を機体平面視で左回りに周回動させる構成としている。巻掛スプロケット29を駆動回転可能に取付ける各々の回動軸30を植付伝動ケース22から左右に延びる支持フレームに回動可能に取付け、植付伝動ケース22上部から上方に突出させた出力軸から各々の駆動スプロケット33、チェン34及び従動スプロケット35を介して該従動スプロケット35と一体回転する前記回動軸30に伝動する構成としている。尚、従動スプロケット35と巻掛スプロケット29とは、ボルト36により結合され、両者が一体回転する構成となっている。従って、苗供給カップ25の周回移動経路には、左右各々の半円状の円弧状部分37と、該円弧状部分37につながる前後各々の直線状部分38とを備える。そして、苗供給カップ25が後側の直線状部分38において右方へ移動して左右苗植付け体25の上方を通過するようにしており、該直線状部分38に苗を苗植付け体5へ落下供給する左右落下供給位置39,40が設定されている。苗供給カップ25が周回する左右回動軸30は、左右後輪7より機体内側で、且つ、後輪7の車軸10位置より後側に配置している。また、苗植付け体5は、後輪7の車軸10位置より後側に配置している。
【0058】
前記ボルト36は、巻掛スプロケット29に設けたその回転方向に長い円弧状長孔29aを通って従動スプロケット35の螺子孔に下側から螺合している。従って、前記ボルト36を弛めることにより、従動スプロケット35と巻掛スプロケット29との回転位相を、前記円弧状長孔29aの範囲内で変更して調節できる構成となっている。尚、前記円弧状長孔29aによる調節範囲は、巻掛スプロケット29において苗供給カップ25の配列ピッチ分(後述する第一及び第二の苗供給カップ25b,25cの配列ピッチの2分の1分)に設定されている。この円弧状長孔29a及びボルト36等により、左右落下供給位置39,40の変更に合わせて左右各々の苗植付け体5が上動したときに該苗植付け体5へ落下供給する苗を収容する苗供給カップ25が当該落下供給位置39,40に到達するように上下動機構4の作動に対する苗供給カップ25の周回位置を変更する周回タイミング変更機構Cとなる。
【0059】
複数(計32個)の苗供給カップ25は、専ら一方(左側)の落下供給位置39で落下供給する苗を収容する第一の苗供給カップ25bと、専ら他方(右側)の落下供給位置40で落下供給する苗を収容する第二の苗供給カップ25cとを、各別に各々計16個備え、第一の苗供給カップ25bと第二の苗供給カップ25cとが交互に連結された構成となっている。そして、一方の落下供給位置39に第一の苗供給カップ25bが位置するとき、他方の落下供給位置40に第二の苗供給カップ25cが位置するように設定している。従って、前記第一及び第二の苗供給カップ25b,25cは、移動機構26によりループ状の一経路上で互いに同じ移動量で周回移動するから、移動機構26による周回移動により各々の落下供給位置39,40に同じタイミングで且つ同じ回数到達する構成となっている。そして、左側の苗植付け体5へ落下供給する苗を収容する第一の苗供給カップ25bの底蓋25aには、周回方向に対して右側端(周回の外側端)に突起41を設けている。一方、右側の苗植付け体5へ落下供給する苗を収容する第二の苗供給カップ25cの底蓋25aには、周回方向に対して左側端(周回の内側端)に突起41を設けている。
【0060】
開放機構27は、苗供給カップ25の周回軌跡下方で底蓋25aが下方に回動しないように底蓋25aに下方から当接して支持する支持体42を設け、この支持体42を苗植付け体5の上方位置には設けないようにすることで、苗植付け体5の上方位置(前記落下供給位置39,40)を苗供給カップ25が通過するとき、底蓋25aが支持体42による支持状態が解かれてその自重及び苗の重力により下方回動し、苗を下方に落下するべく苗供給カップ25の下部を開放する構成としている。尚、底蓋25aの回動支点は苗供給カップ25の周回下手側部分に設けられ、底蓋25aは、苗供給カップ25の周回上手側から開く構成となっている。
【0061】
前記支持体42は、機体に固定された固定支持体42a,42b,42c,42dと、機体に対して位置変更できる移動支持体42e,42fとからなる。前記固定支持体42a,42b,42c,42dは、苗供給カップ25の周回軌跡における左右円弧状部分37並びに前側の直線状部分38の全域にわたる主固定支持体42aと、後側の直線状部分38の一部に設けた第一、第二並びに第三の副固定支持体42b,42c,42dとを備える。これらの主固定支持体42a及び第一、第二並びに第三の副固定支持体42b,42c,42dは、棒材で構成されている。前記主固定支持体42aは、底蓋25aの中央に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿って延設され、第一並びに第二の苗供給カップ25b,25cの底蓋25aを開かないように支持する。第一の副固定支持体42bは、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aにおいて周回の外側端に設けた突起41に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿って直線状に設けられ、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aを開かないように支持する。この第一の副固定支持体42bは、苗供給カップ25の周回において後側の直線状部分38の途中から第一の苗供給カップ25bの底蓋25aのみを閉じて支持してこの底蓋25aの支持を後続の主固定支持体42aに引き継ぐように、後側の直線状部分38の右寄りの位置で且つ主固定支持体42aの底蓋周回上手側に設けられている。第二の副固定支持体42cは、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aの周回の内側端に設けた突起41に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿って直線状に設けられ、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを開かないように支持する。この第二の副固定支持体42cは、苗供給カップ25の周回において主固定支持体42aの底蓋25aの支持に引き継いで第二の苗供給カップ25cの底蓋25aのみを支持するように、後側の直線状部分38の左寄りの位置で且つ主固定支持体42aの底蓋周回下手側に設けられている。第三の副固定支持体42dは、底蓋25aの中央に当接する構成であり、苗供給カップ25の周回において後側の直線状部分38の途中から第一の苗供給カップ25bの底蓋25aを閉じるべく周回上手側ほど下位となる傾斜部分を備え、該傾斜部分で開いた第一の苗供給カップ25bの底蓋25aを上側へ案内しながら閉じる構成となっており、後側の直線状部分38の略中央の位置で且つ第一の副固定支持体42bの底蓋周回における始端部(左端部)と並行して設けられている。尚、第三の副固定支持体42dの底蓋周回における終端(右端)は、第二の副固定支持体42cの底蓋周回における終端(右端)より底蓋周回における上手側(左側)に位置している。尚、主固定支持体42aの底蓋周回における始端部は、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを閉じるべく周回上手側ほど下位となる傾斜部分を備え、該傾斜部分で開いた第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを上側へ案内しながら閉じる構成となっている。
【0062】
尚、第一の副固定支持体42bは、右端を支持フレーム31から後側の直線状部分38の右端部に延びる第一支持部材43に固着して設けられている。また、第二の副固定支持体42cは、左端を支持フレーム31から後側の直線状部分38の左端部に延びる第二支持部材44に固着し、右端部を植付伝動ケース22から後方に延びる第三支持部材45に固着して設けられている。また、第三の副固定支持体42dは、前記第三支持部材45に固着して設けられている。尚、主固定支持体42aは、前記第一支持部材43及び第二支持部材44の上面に固着して設けられている。
【0063】
前記移動支持体42e,42fは、後側の直線状部分38の一部に設けた第一移動支持体42eと第二移動支持体42fとからなる。尚、これらの第一移動支持体42e及び第二移動支持体42fは、板材で構成される。前記第一移動支持体42eは、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aにおいて周回の外側端に設けた突起41に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿って直線状に設けられ、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aを開かないように支持する構成であり、苗供給カップ25の周回において主固定支持体42aの底蓋25aの支持に引き継いで第一の苗供給カップ25bの底蓋25aのみを支持するように、後側の直線状部分38の左寄りの位置で且つ主固定支持体42aの底蓋周回下手側に設けられている。この第一移動支持体42eは、第二支持部材44に設けた左右方向に長い長孔46を貫通して設けた取付ボルト47により前記第二支持部材44に皿バネ47’を介して左右方向に移動自在に装着され、前記長孔46により左右方向の位置を変更でき、また、その位置で皿バネ47’の弾性力にて固定される構成となっている。尚、前記取付ボルト47は、苗供給カップ25の周回域より外側(後側)に位置し、苗供給カップ25が邪魔にならない位置に設けている。尚、第一移動支持体42eと第二支持部材44に設けた左右方向に長い長孔46と取付ボルト47等により落下位置変更機構Bを構成している。
【0064】
前記第二移動支持体42fは、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aの周回の内側端に設けた突起41に当接するように苗供給カップ25の周回軌跡に沿う直線状部分を備え、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを開かないように支持する構成であり、苗供給カップ25の周回において第二の副固定支持体42cの底蓋25aの支持に引き継いで第二の苗供給カップ25cの底蓋25aを支持するように、後側の直線状部分38の右寄りの位置で且つ主固定支持体42aの底蓋周回上手側の端部(周回軌跡における右側の円弧状部分37の始端部)との間隔を空けて設けられている。この第二移動支持体42fは、該第二移動支持体42fが備える左右方向に長い長孔48を貫通する取付ボルト49により前記第三支持部材42dに皿バネ49’を介して左右方向に移動自在に装着され、前記長孔48により左右方向の位置を変更でき、また、その位置で皿バネ49’の弾性力にて固定される構成となっている。尚、第二移動支持体42fは、長孔48を設けた位置調整用部分と底蓋25aを支持する底蓋支持部分とで2又に分かれた平面視U字型の形状になっており、この位置調整用部分と底蓋支持部分との間に第二の副固定支持体42cを配置して、該第二の副固定支持体42cに引き継いで確実に底蓋25aを支持できる構成としている。また、第二移動支持体42fの位置を長孔48により最も底蓋周回上手側の位置(左端位置)にしたとき、前記底蓋支持部分が第二の副固定支持体42cと第三の副固定支持体42dとの間に位置する構成となっており、これらの第二移動支持体42f及び第二並びに第三の副固定支持体42c,42dをコンパクトに配置している。尚、前記取付ボルト49は、苗供給カップ25の周回域の内側(前側)に位置し、苗供給カップ25が邪魔にならない位置に設けている。尚、第二移動支持体42fと第二移動支持体42fが備える左右方向に長い長孔48と取付ボルト49等により落下位置変更機構Bを構成している。
【0065】
また、第一移動支持体42eと第二移動支持体42fの右端部(第一移動支持体42eまたは第二移動支持体42fにて底蓋25aの突起41を下方から支えることを解除して、苗供給カップ25bの底蓋25aが下方に開いて苗が苗植付け体5内に供給される部位)に、苗を苗植付け体5内に適切に供給する為の苗案内体を設けると、落下供給位置39,40で苗供給カップ25内の苗が苗植付け体5内に適切に供給されて、苗供給カップ25から苗植付け体5への苗供給ミスが防止されて欠株が防止されると共に、内苗植付け体5は苗を適正な姿勢で植付けることができ、苗の植付け姿勢が向上する。
【0066】
尚、第一移動支持体42e及び第二移動支持体42fの位置を変更するための長孔46,48及び取付ボルト47,49は、各々左右に2個づつ設けられ、第一移動支持体42e及び第二移動支持体42fを左右真直方向に移動できる構成としている。また、第一移動支持体42e及び第二移動支持体42fの位置変更量は、前記長孔46,48により苗供給カップ25における配列ピッチ分に規制されており、この規制手段により後述する植付位置の変更で落下供給位置39,40を誤った位置に調節しないように構成している。従って、第一の苗供給カップ25bが第一移動支持体42eの底蓋周回下手側の端部(右端部)で該第一の苗供給カップ25bの底蓋25aが支持されなくなる位置まで移動すると、第一の苗供給カップ25bの底蓋25aが開放される。すなわち、第一移動支持体42eの底蓋周回下手側の端部(右端部)が、第一(左側)の落下供給位置39となる。また、第二の苗供給カップ25cが第二移動支持体42fの底蓋周回下手側の端部(右端部)で該第二の苗供給カップ25cの底蓋25aが支持されなくなる位置まで移動すると、第二の苗供給カップ25cの底蓋25aが開放される。すなわち、第二移動支持体42fの底蓋周回下手側の端部(右端部)が、第二(右側)の落下供給位置40となる。尚、第二の副固定支持体42cにより、周回上手側の第一の落下供給位置39で第二の苗供給カップ25cの底蓋25aが開放しないようにする開放規制手段が構成されている。
【0067】
よって、第一移動支持体42eを長孔46により最も周回下手側(右側)に位置させ、第二移動支持体42fを長孔48により最も周回上手側(左側)に位置させると、第一の落下供給位置39と第二の落下供給位置40との互いの間隔が最も狭まり、植付条間が最も狭い状態となる。このとき、左右落下供給位置39,40の間隔は、苗供給カップ25における配列ピッチの3倍すなわち第一及び第二の苗供給カップ25b,25cにおける配列ピッチの1.5倍となる。逆に、第一移動支持体42eを長孔46により最も周回上手側(左側)に位置させ、第二移動支持体42fを長孔48により最も周回下手側(右側)に位置させると、第一の落下供給位置39と第二の落下供給位置40との互いの間隔が最も広がり、植付条間が最も広い状態となる。このとき、左右落下供給位置39,40の間隔は、苗供給カップ25における配列ピッチの5倍すなわち第一及び第二の苗供給カップ25b,25cにおける配列ピッチの2.5倍となる。従って、各々の落下供給位置39,40は苗供給カップ25における配列ピッチ分だけ位置変更できる構成となっており、左右落下供給位置39,40の互いの間隔が、第一及び第二の苗供給カップ25b,25cにおける配列ピッチの整数倍(1倍)(苗供給カップ25における配列ピッチの偶数倍(2倍))の距離分変化するようになっている。
【0068】
一方、苗供給装置24の各苗供給カップ25内には、上部開口部が広くて下部開口部が狭い樹脂製の円筒状の延長苗受け具25Lを上方から挿入して、各苗供給カップ25の苗を受ける高さが高くなるようにしてあり、背の高い苗でも植付けれるようになっている。そして、延長苗受け具25Lの上部開口より若干下方位置の外側面に歯車Gが一体成形されている。
【0069】
また、作業者が苗を入れた各苗供給カップ25が苗植付け体5への落下供給位置39,40に到達する手前の位置から落下供給位置39,40に亘って、前記延長苗受け具25Lの歯車Gに噛合する固定歯39G,40Gを苗置き台90の支持フレームに各々設けている。更に、苗供給カップ25移動方向手前側の落下供給位置39に各苗供給カップ25が到達する手前の位置には、各苗供給カップ25の延長苗受け具25Lの移動軌跡外方に接近して移動方向側ほど高く形成されたスロープ壁面SLが設けられている。そして、該スロープ壁面SLの高さは、苗供給カップ25移動方向手前側の延長苗受け具25L高さよりも低い位置から移動方向後側の延長苗受け具25L高さよりも高い位置まで、スロープ状に順次高くなっている。
【0070】
作業者が各苗供給カップ25内に苗を入れた際に、苗の葉が延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かって、落下供給位置39,40で苗が下方に落下せずに苗植付け体5へ苗が供給されず欠株になってしまうような事態が従来発生していたが、この実施例では、延長苗受け具25Lに一体形成された歯車Gが固定歯39G,40Gに噛合して移動することにより、延長苗受け具25Lが苗植付け体5への落下供給位置39,40に到達する手前の位置から落下供給位置39,40に亘って回転するので、苗の葉が延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっていても、延長苗受け具25Lの回転により苗供給カップ25内にきれいに落込んで苗は落下供給位置39,40で苗植付け体5へ適切に供給され適切な苗移植作業が行なえる。更に、延長苗受け具25Lの移動軌跡外方に接近して移動方向側ほど高く形成されたスロープ壁面SLにより、回転する延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっている苗の葉が上方に浮き上がるように作用し、適切に延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっている苗の葉が苗供給カップ25内にきれいに落込んで、苗は落下供給位置39,40で苗植付け体5へ適切に供給され適切な苗移植作業が行なえる。
【0071】
苗植付装置23は、先端が下方に向かうくちばし状の苗植付け体5と、該苗植付け体5の下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに昇降するように苗植付け体5を上下動させる上下動機構4と、くちばし状の苗植付け体5の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能する閉状態と苗植付け体5の下端部が左右に開いて内側に収容した苗を下方に放出可能する開状態とに苗植付け体5を開閉する開閉機構50を備えている。
【0072】
尚、機体フレーム20に連結した補強フレーム92と上記左右苗植付け体5との間には、引張りバネ23aが各々装着されている。従って、上下動機構4によって苗植付け体5が下動する時には、苗植付け体5の重量にて下降移動慣性力が増大して所定の作動速度よりも早く下降しようとする作用を引張りバネ23aが苗植付け体5を上方に向けて付勢することにより打ち消して、苗植付け体5は所定の速度で滑らかに下降し、逆に、上下動機構4によって苗植付け体5が上昇する時には、苗植付け体5の重量にて上昇移動が所定の作動速度よりも遅くなるのを引張りバネ23aが苗植付け体5を上方に向けて付勢することにより上昇力を付加して、苗植付け体5は所定の速度で滑らかに上昇する。よって、左右苗植付け体5は、滑らかに上下作動して、所定の作動軌跡を適正な作動速度で作動し、良好な苗の移植作業が行なえる。
【0073】
この移植機1は、苗植付け体5を左右に設定間隔で複数体並べて配備した複数条植の構成としている。本例では、苗植付け体5を左右に設定間隔で二体並べて配備した二条植えの構成としている。
【0074】
二体の苗植付け体5は、植付伝動ケース22の左右両側部に設けた上下動機構4に一体づつ装着している。先端が下方に向いたくちばし状の苗植付け体5を左側苗植付け体5Lと右側苗植付け体5Rとで構成して左右に分割し、後述する開閉機構50により左側苗植付け体5Lと右側苗植付け体5Rとが左右方向に回動して下端部を開く構成となっている。尚、左右苗植付け体5は、上下動機構4及び開閉機構50により、左右交互に上下動及び開閉し、圃場に千鳥状に苗を2条植えする構成となっている。
【0075】
苗ガイド51は、苗植付け体5の上方に設けられ、苗供給装置24から供給された苗を苗植付け体5内に案内する筒状体であり、苗供給装置24から落下供給される苗を適確に苗植付け体5内に供給することができる。この苗ガイド51の上端開口部の幅L1は、苗供給装置24の苗供給カップ25のピッチP1の2倍よりも広い幅(即ち、並んだ2個の苗供給カップ25の底の両端部の間隔L2よりも広い幅)に構成している。
【0076】
苗植付け体5の上下動機構4は、植付伝動ケース22の左右両側部に設けている。具体的には、植付伝動ケース22の左右側方に突出させた軸に前部を上下回動自在に装着し後部を苗植付け体5に連結した上側と下側の昇降リンク52,53と、植付伝動ケース22の側部から突出させた駆動回転する駆動軸54と、該駆動軸54に一体回転するように取付けた駆動アーム55と、該駆動アーム55の回転外周側端部と前記上側の昇降リンク52とに回動自在に連結する連動アーム56とで構成している。そして、上側と下側の昇降リンク52,53の各後端部(回動先端部)を連結部材57に回動自在に取付けて連結している。苗植付け体5は、前記連結部材57に取り付けられている。
【0077】
従って、駆動軸54の回転により駆動アーム55が駆動回転すると、昇降リンク52,53が上下動して、左右苗植付け体5が上下動する。この上下動の上昇位置では苗植付け体5の下端部が圃場面より上方に位置し、下降位置では苗植付け体5の下端部が圃場面より下方に位置する。
【0078】
また、上側の昇降リンク52の回動支点軸58は、植付伝動ケース22から突出して回転駆動する植付出力軸59の先端部に該出力軸59の中心軸心より偏心させた位置に設けられ、該植付出力軸59の回転によって植付出力軸59の軸芯を中心として偏心量(回動支点軸58と植付出力軸59の軸芯との間隔)を半径として回転しながら移動する構成とし、上側の昇降リンク52の上下動中に回動支点軸58が前後に移動することにより、苗植付け体5をその昇降動中に前後に傾け、苗植付け体5を側面視ループ状の作動軌跡で上下動させる構成となっている。
【0079】
次に、苗植付け体5の開閉機構50について説明する。左側苗植付け体5Lの上部に設けた左側開閉用アーム部60の先端部に開閉用ケーブル61のインナーワイヤ61aの端部を連結し、右側苗植付け体5Rの上部に設けた右側開閉用アーム部62の先端部に開閉用ケーブル61のアウターケーブル61bの端部を連結し、下側の昇降リンク53の基部を枢着している回動支点軸63に回動自在に取付けた作動アーム64を設け、この作動アーム64の先端部に前記開閉用ケーブル61のインナーワイヤ61aの他端を連結し、機体側に開閉用ケーブル61のアウターケーブル61bの他端を固定して取り付けている。尚、図4は左側の苗植付装置23を示すものであり、右側の苗植付装置23においては、左側の苗植付装置23と左右対称であるので、左側開閉用アーム部の先端部に開閉用ケーブルのアウターケーブルの端部を連結し、右側開閉用アーム部の先端部に開閉用ケーブルのインナーワイヤの端部を連結した構成となっている。そして、作動アーム64が、上側の昇降リンク52の基部を枢着している回動支点軸58を回転移動させる植付出力軸50と一体回転するよう取付けたカムの作用を受けて、設定したタイミングで前側に回動する構成としている。これにより、駆動軸54の駆動回転により苗植付け体5が上下動して下降下端位置に達すると、カムの作用位置の変化により作動アーム64が前側に回動し、開閉用ケーブル61のアウターケーブル61bに対してインナーワイヤ61aが右側に引かれて左側開閉用アーム部60と右側開閉用アーム部62とが互いに近づくように回動し、右側苗植付け体5Rが右方に回動し、これに連動して左側苗植付け体5Lが左方に回動して、苗植付け体5の下部側が左右に開いて下方に開放状態となる。そして、苗植付け体5が上昇してカムの作用位置の変化により作動アーム64が苗植付け体5に対して元の位置(後側)に回動して開閉用ケーブル61のインナーワイヤ61aが弛められ、左右に開いた苗植付け体5の下部が閉じる。これにより、苗植付け体5の開閉を開閉用ケーブル61で行う構成としたので、従来のロッドあるいはリンクによる開閉機構と比較して、開閉用ケーブル61の連結の自由度が高いため、前後に作動する作動アーム64により左側苗植付け体5L及び右側苗植付け体5Rを異なる方向(左右方向)に回動させることができると共に、作動アーム64の少量の作動量で苗植付け体5の所望の開閉量を得る構成とすることができる。尚、左側苗植付け体5Lと右側苗植付け体5Rとは、スプリング65により苗植付け体5の下部が閉じる側へ回動付勢されている。
【0080】
上下動機構4の上下の昇降リンク52,53における各々の回動先端部(後端部)は、上下各々の連結軸66,67を介して連結部材57に連結されている。前記連結部材57は、側面視三角形状のプレート68を左右に備え、この左右プレート68で上下の昇降リンク52,53の先端部を挟んだ構成となっており、後部には左右プレート68にまたがる左右方向のボス69を設けている。尚、側面視で前記プレート68の三角形状の各頂点付近に前記連結軸66,67及びボス69を配置しており、上下の連結軸66,67よりボス69を後側に配置しているので、ボス69に対して後述の位置調節軸70をスライドさせるときに上下の連結軸66,67や上下の昇降リンク52,53が邪魔にならないようにしている。尚、左右プレート68は略正三角形状であり、上下の連結軸66,67部分を上下逆にして連結部材57を取り付けてもいいように構成している。前記ボス69のボス孔は、六角形状(多角形状)になっている。一方、苗植付け体5の基部には、左右方向に延びる六角形状(多角形状)の位置調節軸70を固着して設けている。従って、前記ボス69に位置調節軸70が挿入されて連結部材57に苗植付け体5が支持され、ボス69に対して位置調節軸70を摺動させて左右方向に移動させることにより、苗植付け体5の左右位置を変更できる構成となっている。尚、ボス69と位置調節軸70とセットボルト71等にて植付位置変更機構Aが構成される。
【0081】
この苗植付け体5の左右位置の変更は、落下供給位置39,40の変更に合わせて該落下供給位置39,40の下方に苗植付け体5が位置するよう苗供給カップ25における配列ピッチ分の距離を変更できるように、位置調節軸70の長さが設定されている。すなわち、左右苗植付け体5の互いの間隔を第一及び第二の苗供給カップ25b,25cにおける配列ピッチの整数倍(1倍)分変化させることができ、ボス69及び位置調節軸70等により苗植付け体5を移動できる植付位置変更機構が構成されている。尚、位置調節軸70は、ボス69に設けたセットボルト71によりボス69に対して左右移動しないように固定でき、左右に移動させるときは前記セットボルト71を弛めて移動させる構成となっている。このセットボルト71は、ボス69及び位置調節軸70の後側に設けられ、後側から昇降リンク52,53が邪魔にならずに容易に締付又は弛緩できる。また、位置調節軸70の断面の六角形状(多角形状)の対向する頂点が上下に位置するようにしており、上下方向の曲げに対する断面係数が向上するので、この位置調節軸70で苗植付け体5を片持ち支持するのに必要な強度を得ることができる。また、位置調節軸70の適宜位置の外周には苗植付け体5の左右位置の目安となる溝72を5箇所設け、該溝72をボス69の端に揃えることにより300mmの条間と350mmの条間と400mmの条間と450mmの条間と300mmの条間に苗植付け体5の左右位置に調節できるようにしており、苗植付け体5の位置変更を容易に行える構成としている。尚、苗植付け体5の左右位置は前記5箇所に限るものではなく、位置調節軸70に苗植付け体5の左右位置を任意の位置で固定して、300mmから300mmまで無段階に条間調節を行なうことができる。
【0082】
また、苗供給装置24の苗供給カップ25が周回移動する中央部の上方位置に苗置き台90が設けられている。苗置き台90は、平面視で長円形のトレイ状に形成されており、内部空間に苗供給カップ25に供給する苗を収納できる構成となっている。そして、該苗置き台90の上部には、座席79側が低くなるように傾斜し且つ機体前後方向に向いた2本の杆体91aを着脱自在に固着して、セルトレイ載置部91を構成している。
【0083】
該セルトレイ載置部91の構成を詳述すると、苗置き台90の前壁90aには貫通孔90bを2つ並べて設け、後壁90cには上端から切り欠き溝90dを2つ並べて設けて、杆体91aの前端を前壁90aの貫通孔90bに差し込み、杆体91aの中途部を後壁90cの切り欠き溝90dに上から嵌めて、杆体91aの中途部に溶接固着した取付け板91bをボルト91cにて後壁90cに固着している。従って、ボルト91cを外せば、2本の杆体91a(即ち、セルトレイ載置部91)を苗置き台90から取り外すことができる。
【0084】
即ち、ダンボール等の収納器に入れられて販売されている裸の状態の苗(以下、裸苗という)を移植する場合には、セルトレイ載置部91を苗置き台90から取り外して、裸苗を苗置き台90の内部空間に収納しておき、座席79に着座した作業者は、苗置き台90の内部空間に収納された裸苗を順次取出して各苗供給カップ25に供給して移植作業を行なう。
【0085】
一方、セルトレイTで成育しセルトレイTに入っている苗を移植する場合には、セルトレイ載置部91を苗置き台90に装着して、苗の入ったセルトレイTの各ポット部P間に形成された底面側凹み部がセルトレイ載置部91の2本の杆体91aに上から嵌る状態で、セルトレイTを苗置き台90に載置すると、セルトレイTの苗が入っている上面は座席79に着座した作業者の方を向いた状態となって安定良く載置される。従って、座席79に着座した作業者は、容易にセルトレイTから苗を取出して各苗供給カップ25に供給し移植作業を効率よく且つ容易に行なうことができる。
【0086】
また、苗供給装置24のフレーム部を機体フレーム20に補強フレーム92で連結して、苗供給装置24の支持を適正にして、苗供給装置24の各苗植付け体5に対する苗供給を適確に行なえる構成としている。
【0087】
また、苗供給装置24の右端部前方位置に設けた植付深さ調節レバー93aのレバー位置決めガイド93bに回動調節自在(視界方向調節自在)のミラー93cを装着し、機体進行方向に対して後方を向いて座席79に着座して移植作業を行っている作業者が進行方向前方をミラー93cにて見えるようにしており、機体が畦終端近くに来ていることや進行方向の状態が認識できて安全に移植作業が行なえる。尚、植付深さ調節レバー93aは、前述の畝高さ検知センサSと昇降制御バルブB1の連携機構中に昇降制御バルブB1の中立位置に対応する畝高さ検知センサSの上下位置を変更する調節部を設け、該調節部を植付深さ調節レバー93aにて操作して昇降制御バルブB1の中立位置に対応する畝高さ検知センサSの上下位置を変更して、植付深さが調節できるものである。
【0088】
そして、上下動機構4により苗植付け体5の上下動が一周期動作する間に、第一及び第二の苗供給カップ25b,25cは各々における配列ピッチ分(一列状の苗供給カップ25の2個分:隣接するカップ25の中心間の距離であるピッチP1が80mmにしているので、160mm)周回移動する。そして、例えば、図5と図6に示す300mmの条間に設定した時は、落下供給位置39,40で苗供給カップ25の底蓋25aが開くタイミングを苗植付け体5が苗供給カップ25の直下まで最上昇したときとなるように設定している。この時、左側の落下供給位置39を決定する第一移動支持体42eは,条間300mmと刻印した位置に設定し、右側の落下供給位置40を決定する第二移動支持体42fも,条間300mmと刻印した位置に設定する。これにより、苗供給カップ25が二つの苗植付け体5の上方を直列的に通過しながら二つの苗植付け体5に対して苗供給漏れが生じることなく同時に苗を供給でき、且つ、二つの苗植付け体5の上方を通過した後に苗が供給されなかった苗供給カップ25が生じないよう余すことなく二つの苗植付け体5に対して苗を供給できるものとなり、苗供給作業が余裕をもって行え、且つ、二つの苗植付け体5に対して確実に苗を供給できる。この時、左側の苗植付け体5に対する苗供給カップ25の底蓋25aは苗植付け体5の苗ガイド51の上端開口部の幅L1の中央位置で開き、適正な苗の供給と植付けが行なえる。右側の苗植付け体5に対する苗供給カップ25の底蓋25aは苗植付け体5の苗ガイド51の上端開口部の幅L1の中央位置よりも少し手前の位置で開くが、苗ガイド51の上端開口部の幅L1は苗供給装置24の苗供給カップ25のピッチP1の2倍よりも広い幅(即ち、並んだ2個の苗供給カップ25の底の両端部の間隔L2よりも広い幅)に構成しているので、適正な苗の供給と植付けが行なえる。
【0089】
また、植付けた苗の周辺に覆土しながら苗の周辺の土壌を鎮圧する左右鎮圧輪73は、図面に示すように、左右苗植付け体5のすぐ後ろ側にそれぞれ配置して設け、畝の上に植終わった苗の根元を左右両側から鎮圧して根つきを促進する。
【0090】
各鎮圧アーム75の後端部を背面視で門形状のリヤフレーム75fに形成して、このリヤフレーム75fの左右両側部に前記左右一対の鎮圧輪73を配置して、支軸73aで回転自在に支持している。このリヤフレーム75fは、畝Uに植付けた苗の上部を左右にまたいで前進方向へ移動することができる構成となっている。又、このリヤフレーム75fから上方に向けて設けたウエイト装着アーム75gによって、複数個のバランスウエイト75hを嵌合支持して、バランスウエイト75hの装着数を変えて鎮圧圧力を調整できる構成としている。
【0091】
上記支持軸14の右端部には一体回動するリフト用アーム74dを設け、前記左右後輪7を上下動させる機構の一部である右回動筒部16bに設けた右アーム16aと強制上昇ロッド76にて連係している。また、強制上昇ロッド76の前端と右アーム16aとの連結部は、強制上昇ロッド76の前端に長穴で構成した融通連結部76aを設け、該融通連結部76aに右アーム16aに基部を固着したピン76bが係合した構成となっており、通常の苗移植時の昇降制御による右後輪7の上下動では強制上昇ロッド76は押し引きされず、機体旋回時の左右後輪7を大きく下動させた時にのみ強制上昇ロッド76は押されてリフト用アーム74dが矢印イ方向に回動して、支持軸14を矢印イ方向に回動させるので、支持軸14と一体回動する左右回動ボス94aの左右ストッパー部材94fも上方に回動して、該左右ストッパー部材94fにて左右鎮圧アーム75が上動方向に回動させられて、自動的に左右鎮圧輪73が上方に収納回動される構成となっている。従って、畝U終端位置での機体旋回作業時や機体の移動時に左右後輪7を下動させて機体を上昇させると、自動的に左右鎮圧輪73が上方に収納回動されるので、機体の旋回及び移動が容易に行えて作業性が良い。
【0092】
一方、前記鎮圧フレーム13aから機体下方に向けてスタンド支持アーム74eを延設して、駐車スタンド77aを支持する構成としている。駐車スタンド77aは、先端部に設けた接地棒77cに左右支持杆77dの先端部を溶接固着し、該左右支持杆77dの基部に設けた長穴77eを左右スタンド支持部77b間に亘って設けた回動軸77fに嵌めて、駐車スタンド77aを回動軸77f回りに回動自在に設けている。そして、左右スタンド支持部77bの下方位置に駐車用係合切欠き溝77gと後方位置に収納用係合切欠き溝77hを設け、駐車スタンド77a上部に設けた前記長穴77eよりも先端側には該駐車用係合切欠き溝77g及び収納用係合切欠き溝77hに係合する係合軸77iを設け、回動軸77fよりも上方に設けたバネ受け軸77jと係合軸77iの間に引張バネ77kを設けて、該引張バネ77kの引張力で係合軸77iが駐車用係合切欠き溝77g及び収納用係合切欠き溝77hに係合した状態を維持できる構成となっている。
【0093】
そして、係合軸77iが駐車用係合切欠き溝77gに係合した状態では、駐車スタンド77aの先端は機体下方に向いており、接地棒77cが接地して機体を支持する駐車状態になっている。この駐車状態で、植付昇降操作レバー88を操作して左右昇降用油圧シリンダ11を共に縮小作動させて左右後輪7を接地しない位置まで上昇させれば、左右後輪7の前記トレッド調節が容易に行なえる。また、機体をトラックの荷台等に載せて移動させる場合にも、駐車スタンド77aを駐車状態にしておくと、昇降用油圧シリンダ14の油圧が抜けて左右後輪7上動しても、安定して駐車スタンド77aにより機体を支持できる。
【0094】
次に、係合軸77iが駐車用係合切欠き溝77gから外れるまで、引張バネ77kの引張力に抗して、駐車スタンド77aを持って引張って後方上方に回動させて手放すと、引張バネ77kの引張力で係合軸77iが収納用係合切欠き溝77hに係合して、駐車スタンド77aが機体上方に収納された収納状態になる。この収納状態では、駐車スタンド77aが機体上方に収納されているので、移植作業の邪魔にならず良好な移植作業が行なえる。
【0095】
このように、駐車スタンド77aの駐車状態と収納状態との切替がワンタッチで容易に行なえて作業性が良い。
また、エンジン3やミッションケース8の上部を覆うボンネットBoの上方に苗供給装置24側に向くべく後向きの座席79を設け、苗供給装置24との間に足を乗せる平面状のステップ80を設けている。前記座席79は、ボンネットBoの左右一方側(右側)を通って上方に延びる支持フレーム81を介して機体に支持されている。
【0096】
前記ステップ80は、機体平面視で座席79と苗供給装置24との間に配置されるメインステップ82と、座席79及びボンネットBoの左右両側に設けたサブステップ83とで構成される。前記サブステップ83は、機体の前端部からメインステップ82近くまで前後に延設され、前部83aが後部83bより一段低い位置に構成され、作業者が機体の前端部から乗降することができるように構成されている。また、後輪7のトレッド変更に応じて、サブステップ83の後部の下方に上下に回動する伝動ケース9を配置することができる。また、メインステップ82の前端部には上方に傾斜して立ち上がる立ち上がり部82aを設けており、該立ち上がり部82aにより座席79に座る作業者の足が苗植付装置23の上下動機構4に接触しないように防護している。また、立ち上がり部82aを苗供給装置24の下方に位置させることにより、機体の前後長を短縮できる。また、メインステップ82は、立ち上がり部82aを備えることにより、強度が向上する。尚、立ち上がり部82aには、左右後輪7と苗植付装置23並びに苗供給装置24の駆動を入り切り操作する乗車用主クラッチレバー84と、左右後輪7を制動する左右サイドブレーキペダル85とを設けており、座席79にいる作業者が機体の停止や機体の進行方向の修正を行うことができる。
【0097】
左右前輪6の間となる機体の前端部には畝Uの上面に接地して該畝Uの終端を検出する畝終端センサ86を設け、該畝終端センサ86は機体の前進により畝のないところに到達して畝上面を感知しなくなることにより畝の終端に到達したことを検出する構成となっている。この畝終端センサ86による畝の終端の検出に基づいて、主クラッチを自動的に切って左右後輪7の駆動と苗植付装置23並びに苗供給装置24の駆動を停止し、機体を停止させると共に、警報(例えばブザー等の警音)を出して作業者に告知する。これにより、座席79に座る作業者は、機体の進行方向に対して後ろ向きとなり、苗補給作業に集中しているため機体の前方を確認しにくく、機体が畝の終端に達したことに気づかず、周囲の構造物への衝突等の事故を発生させるおそれがあるが、前記畝終端センサ86により畝の終端で機体を自動停止すると共に警報で畝の終端に達したことを告知するため、安全に作業が行え、また機体の前方の状況及び畝の終端の位置を気にせずに苗供給装置24への苗補給作業を集中して行え、植付作業能率が向上する。
【0098】
また、操縦ハンドル2の近くには、左右後輪7と苗植付装置23並びに苗供給装置24の駆動を手動で入り切りする主クラッチレバー87と、苗植付装置28並びに苗供給装置32の駆動のみを手動で入り切りする植付昇降操作レバー88とを備えている。尚、前記植付昇降操作レバー88により、左右昇降用油圧シリンダ11を共に作動させて手動で機体を昇降操作することもできる。そして、この植付昇降操作レバー88の操作位置を検出するセンサ(検出手段)を設け、該植付昇降操作レバー88により苗植付装置23並びに苗供給装置24が駆動状態に操作されているときだけ、前述の畝終端センサ86による機体の自動停止制御及び警報が作動する構成としている。これにより、植付作業時のみ機体の自動停止制御及び警報を作動させることができ、移動走行時や畝終端での機体旋回時に、畝終端センサ86が畝上面を検出しないことにより不必要に機体が停止するようなことを防止でき、操作性が向上する。尚、上述の植付昇降操作レバー88による機体の自動停止制御及び警報の作動の入り切りに代えてあるいは併用して、座席79に作業者が着座したことを検出する着座センサを設け、座席79に作業者が着座しているときだけ、機体の自動停止制御及び警報が作動する構成としてもよい。また、畝終端センサ86による畝終端の検出で、警報が先に作動し、その所定時間後(数秒後)に機体が自動停止する構成とすることができる。尚、機体の自動停止は、エンジン3を停止させることにより行ってもよい。
【0099】
また、植付昇降操作レバー88を操作して機体を上昇させて畦際で旋回する際に、畝終端センサ86を上動させて収納する構成とすると、畝終端センサ86が旋回時の邪魔にならず旋回が容易に行なえる。
【0100】
畝終端センサ86は、機体に基部を回動自在に枢支した回動アーム86aの下端に回転ローラ86bを回転自在に設けた構成になっている。そして、畝終端センサ86(回転ローラ86b)が必要以上に下方に回動しないように下方回動規制杆を回動アーム86aの下方位置に設けたあり、この下方回動規制杆と植付昇降操作レバー88とを操作ワイヤにて連携して、機体を上昇させるべく植付昇降操作レバー88を操作した時に操作ワイヤを介して下方回動規制杆を上動させて回動アーム86aの下方に接当させて、回動アーム86aを収納位置まで上方回動させる構成としている。
【0101】
機体の左右側方には、左右苗載台100を配置している。該左右苗載台100は、各々、3段の上段苗載部101aと中段苗載部101bと下段苗載部101cを設けている。
図14及び図15は、苗供給装置24の他の例を示し、延長苗受け具25Lの上部開口部外側全周囲にリブ25Rを設けている。また、作業者が各苗供給カップ25に苗を入れ終わる位置から落下供給位置39,40を過ぎる位置に亘って、前記延長苗受け具25Lのリブ25Rに下方から接当して延長苗受け具25Lを上方に持ち上げる杆体110を苗供給装置24のフレーム側に設ける。
【0102】
そして、杆体110は、各苗供給カップ25が移動するに連れて順次延長苗受け具25Lを上方に持ち上げるスロープ部110aと持ち上げた延長苗受け具25Lを落下供給位置39,40で落下させる段部110bが形成されている。
【0103】
従って、作業者が各苗供給カップ25内に苗を入れた際に、苗の葉が延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっていても、各苗供給カップ25の移動に連れて杆体110のスロープ部110aにて順次延長苗受け具25Lが上方に持ち上げられるので、延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっている苗が苗供給カップ25内に落込む。また、仮に上部開口部の縁に引っ掛かったままになっていても、落下供給位置39,40で持ち上げられた延長苗受け具25Lが段部110bにて下方に落下するので、その衝撃で延長苗受け具25Lの上部開口部の縁に引っ掛かっている苗は苗供給カップ25内にきれいに落込み、苗は落下供給位置39,40で苗植付け体5へ適切に供給され適切な苗移植作業が行なえる。
【0104】
尚、上述は2条植えの構成について説明したが、1条植え若しくは3条以上の構成に応用してもよい。
また、複数条に千鳥植えする構成にしても良いし、各苗植付け体5の作動タイミングを同じにして並木植えする構成にしても良い。
【0105】
尚、本発明の移植機は、野菜苗に限らず、その他の苗や球根を植付ける移植機として利用できる。また、乗用型の移植機について詳述したが、歩行型の移植機であってもよい。
【符号の説明】
【0106】
1a 走行機体
1b 移植装置
6 前輪
7 走行装置(後輪)
11 アクチュエータ(昇降用油圧シリンダ)
79 座席
PU 植付け部
S 高さ検知センサ(畝高さ検知センサ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体(1a)の左右走行装置(7)を上下作動させるアクチュエータ(11)を機体の左右側方位置に配置し、移植装置(1b)の植付け部(PU)を左右走行装置(7)の間に配置して走行機体(1a)に装着したことを特徴とする移植機。
【請求項2】
左右走行装置(7)を各々上下作動させる左右アクチュエータ(11)を機体の左右側方位置に各々配置し、左右高さ検知センサ(S)による圃場面からの機体高さの検出にて左右アクチュエータ(11)を各々作動制御して機体を圃場面に対して所定の高さに維持すると共に、機体の左右傾斜を圃場面に対して平行に維持することを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項3】
左右高さ検知センサ(S)を左右走行装置(7)の間に配置したことを特徴とする請求項2記載の移植機。
【請求項4】
植付け部(PU)に左右苗植付け体(5)を設け、左右高さ検知センサ(S)を各々左右苗植付け体(5)の側方位置に設けたことを特徴とする請求項3記載の移植機。
【請求項5】
植付け部(PU)に苗を供給する苗供給装置(24)を植付け部(PU)の上方位置に設けたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の移植機。
【請求項6】
機体側面視で、左右走行装置(7)の機体前方に左右前輪(6)を設けると共に、作業者が移植作業時に着座して移植装置(1b)に苗を供給する座席(79)を移植装置(1b)の前方で左右前輪(6)の上方位置に設けたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の移植機。
【請求項1】
走行機体(1a)の左右走行装置(7)を上下作動させるアクチュエータ(11)を機体の左右側方位置に配置し、移植装置(1b)の植付け部(PU)を左右走行装置(7)の間に配置して走行機体(1a)に装着したことを特徴とする移植機。
【請求項2】
左右走行装置(7)を各々上下作動させる左右アクチュエータ(11)を機体の左右側方位置に各々配置し、左右高さ検知センサ(S)による圃場面からの機体高さの検出にて左右アクチュエータ(11)を各々作動制御して機体を圃場面に対して所定の高さに維持すると共に、機体の左右傾斜を圃場面に対して平行に維持することを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項3】
左右高さ検知センサ(S)を左右走行装置(7)の間に配置したことを特徴とする請求項2記載の移植機。
【請求項4】
植付け部(PU)に左右苗植付け体(5)を設け、左右高さ検知センサ(S)を各々左右苗植付け体(5)の側方位置に設けたことを特徴とする請求項3記載の移植機。
【請求項5】
植付け部(PU)に苗を供給する苗供給装置(24)を植付け部(PU)の上方位置に設けたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の移植機。
【請求項6】
機体側面視で、左右走行装置(7)の機体前方に左右前輪(6)を設けると共に、作業者が移植作業時に着座して移植装置(1b)に苗を供給する座席(79)を移植装置(1b)の前方で左右前輪(6)の上方位置に設けたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
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【図4】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−90595(P2012−90595A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242134(P2010−242134)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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