説明

移植機

【課題】従来の移植機は、苗植付体を上下作動させるリンク機構を駆動する伝動ケースにスクレーパを設けて、該スクレーパを別途駆動機構にて駆動する構成である為に、スクレーパと苗植付体との作動タイミングが狂うと、スクレーパが苗植付体内部に入る時に接触したりして適切良好なスクレープ作用が行なえなくなるような事態が発生し、また、駆動機構が複雑で簡潔な構成ではなかった。
本発明は、簡潔な構成で且つ植付け体の内部に付着した泥を適切良好に落とすスクレーパを装備した移植機を提供することを課題とする。
【解決手段】原動機5にて駆動される上下動機構26に装着されて上下作動し、圃場に突入して対向する植付け片25F,25Rが開口して移植物を移植する植付け体25を装備した移植機において、上下動機構26に植付け体25に付着した土や異物を掃除するスクレーパ装置100を装着した移植機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玉葱の苗等の野菜苗やタバコ苗や花卉苗等の各種苗及びジャガイモの種芋やラッキョ等の球根類を圃場に移植する移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、リンク機構により上下作動して圃場に苗を植付ける苗植付体の内部に付着した泥を落とすスクレーパを設けた移植機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−51237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スクレーパは、苗植付体が圃場に苗を植付けた直後に微妙なタイミングで苗植付体内に入っていって内部に付着した泥を落とす。従来の移植機は、苗植付体を上下作動させるリンク機構を駆動する伝動ケースにスクレーパを設けて、該スクレーパを別途駆動機構にて駆動する構成である為に、スクレーパと苗植付体との作動タイミングが狂うと、スクレーパが苗植付体内部に入る時に接触したりして適切良好なスクレープ作用が行なえなくなるような事態が発生し、また、駆動機構が複雑で簡潔な構成ではなかった。
【0005】
そこで、本発明は、簡潔な構成で且つ植付け体の内部に付着した泥を適切良好に落とすスクレーパを装備した移植機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じた。
即ち、請求項1に係る発明は、原動機5にて駆動される上下動機構26に装着されて上下作動し、圃場に突入して対向する植付け片25F,25Rが開口して移植物を移植する植付け体25を装備した移植機において、上下動機構26に植付け体25に付着した土や異物を掃除するスクレーパ装置100を装着した移植機とした。
【0007】
従って、請求項1記載の発明は、植付け体25が装着された上下動機構26に植付け体25に付着した土や異物を掃除するスクレーパ装置100を装着したので、植付け体25に対するスクレーパ装置100の位置関係がずれることがなく適正な位置関係が保持され、スクレーパ装置100にて植付け体25に付着した土や異物を適正に掃除することができると共に、構成及び作動が簡潔となる。
【0008】
請求項2に係る発明は、上下動機構26に固定したスクレーパ支持アーム101に回動自在に支持したスクレーパアーム102にスクレーパ104L,104Rの基部を回動自在に設け、該スクレーパ104L,104Rに設けたスクレーパ体108を植付け体25に対応する位置に配置し、該スクレーパ体108が植付け体25内に入り込む方向にスクレーパ104L,104Rを付勢するバネ109L,109Rを設けると共に、スクレーパ体108が植付け体25内に入り込むのをスクレーパ104L,104Rに接当して規制するストッパー体110L,110Rを植付け体25又は上下動機構26に設けると共に、圃場に突入した植付け体25の植付け片25F,25Rが開口して移植物を移植して植付け片25F,25Rが開口したまま上下動機構26が所定位置まで上動した時に、スクレーパアーム102に接当し上下動機構26の上動に伴う植付け体25の上動に対してスクレーパ104L,104Rの上動を規制する接当体111を機体側に固定して設けた請求項1記載の移植機とした。
【0009】
従って、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の作用に加えて、植付け体25が圃場に突入してその植付け片25F,25Rが開口して移植物を移植した後に、植付け片25F,25Rが開口したまま上下動機構26が所定位置まで上動した時、スクレーパアーム102が機体側に固定した接当体111に接当して上下動機構26の上動に伴う植付け体25の上動に対してスクレーパ104L,104Rの上動が規制される。
【0010】
また、上下動機構26及び植付け体25が上動するとストッパー体110L,110Rも上動するので、バネ109L,109Rの付勢力にてスクレーパ104L,104Rは基部を回動軸心としてスクレーパ体108が植付け体25内に入り込む方向に移動する。
そして、スクレーパ104L,104Rのスクレーパ体108が植付け体25の開口している植付け片25F,25R内に入り込み、植付け体25の上昇によりその内壁面に付着した土や異物を下方に掻き出して掃除する。
【0011】
よって、機体側に固定した接当体111にスクレーパアーム102が接当してスクレーパ104L,104Rが作動する構成であるから、スクレーパ104L,104Rの作動構成が簡潔となり、作動も適正になって、植付け体25内に付着した土や異物を良好に掃除することができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、上下動機構26の左右両側に各々左右植付け体25を装着し、該左右植付け体25に付着した土や異物を同時に掃除するスクレーパ装置100を左右植付け体25の間に配置した請求項1又は請求項2記載の移植機とした。
【0013】
従って、請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の作用に加えて、上下動機構26の左右両側に各々左右植付け体25を装着し、該左右植付け体25に付着した土や異物を同時に掃除するスクレーパ装置100を左右植付け体25の間に配置したので、左右苗植付け体25を同時に掃除できるスクレーパ装置100を小型で簡潔に構成できる。
【0014】
請求項4に係る発明は、スクレーパアーム102に左右スクレーパ104L,104Rの基部を各々回動自在に設け、該左右スクレーパ104L,104Rに各々設けた左右スクレーパ体108を左右植付け体25に各々対応する位置に配置し、該左右スクレーパ体108が各々左右植付け体25内に入り込む方向に左右スクレーパ104L,104Rを付勢する左右バネ109L,109Rを設けると共に、左右スクレーパ体108が各々左右植付け体25内に入り込むのを左右スクレーパ104L,104Rに各々接当して規制する左右ストッパー体110L,110Rを左右植付け体25又は上下動機構26に設けると共に、該左右スクレーパ104L,104R、左右バネ109L,109R及び左右ストッパー体110L,110Rを上下動機構26の左右両側に各々振り分けて配置した請求項3記載の移植機とした。
【0015】
従って、請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の作用に加えて、左右植付け体25、左右スクレーパ104L,104R、左右バネ109L,109R及び左右ストッパー体110L,110Rを上下動機構26の左右両側に各々振り分けて配置したので、左右植付け体25及びスクレーパ装置100が上下動機構26に対して左右バランス良く配置された構成となり、全体を簡潔で小型の構成にでき、良好な移植作業が行なえる。
【0016】
請求項5に係る発明は、左右植付け体25の各植付け片25F,25Rが機体進行方向に対して前後方向に開口して移植物を移植する構成とし、スクレーパアーム102に各々回動自在に設けた左右スクレーパ104L,104Rが機体進行方向に対して左右方向に回動し、左右スクレーパ104L,104Rの各先端部に設けた左右スクレーパ体108が各々左右植付け体25内に内側方から入り込む構成とした請求項4に記載の移植機とした。
【0017】
従って、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明の作用に加えて、左右植付け体25の各植付け片25F,25Rが機体進行方向に対して前後方向に開口して移植物を移植する構成とし、スクレーパアーム102に各々回動自在に設けた左右スクレーパ104L,104Rが機体進行方向に対して左右方向に回動し、左右スクレーパ104L,104Rの各先端部に設けた左右スクレーパ体108が各々左右植付け体25内に内側方から入り込む構成としたので、上下動機構26の左右両側に各々装着された左右植付け体25内部に付着した土や異物を掃除するスクレーパ装置100を簡潔且つ左右バランス良く構成でき、良好に左右植付け体25内部に付着した土や異物を掃除できて、適正な移植作業が行なえる。
【0018】
請求項6に係る発明は、左右スクレーパ104L,104Rの回動を規制して、左右スクレーパ104L,104R先端の左右スクレーパ体108を各々左右苗植付け体25の開口している植付け片25F,25Rの左右中央位置で停止させる左右回動ストッパー112L,112Rをスクレーパアーム102に設けた請求項4又は請求項5に記載の移植機とした。
【0019】
従って、請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明の作用に加えて、左右スクレーパ104L,104R先端の左右スクレーパ体108を各々左右苗植付け体25の開口している植付け片25F,25Rの左右中央位置で停止させる左右回動ストッパー112L,112Rをスクレーパアーム102に設けたので、簡潔な構成で適確に左右スクレーパ体108を各々左右苗植付け体25の開口している植付け片25F,25Rの左右中央位置で停止させることができて、良好に植付け体25内に付着した土や異物を掃除することができる。
【発明の効果】
【0020】
よって、この発明の移植機は、簡潔な構成で且つ植付け体の内部に付着した泥を適切良好に落とすスクレーパを装備した移植機を提供することができて、発明の課題を適切に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】苗植機の側面図である。
【図2】苗植機の平面図である。
【図3】苗供給部と作業者用座席を省略した状態の苗植機の平面図である。
【図4】苗植装置と苗供給装置を示す側面図である。
【図5】苗植装置とスクレーパ装置の作用説明用側面図である。
【図6】苗植装置とスクレーパ装置の作用説明用背面図である。
【図7】伝動ケースを一部展開し断面開示した苗植装置の背面図である。
【図8】苗収容体の連結構成を示す斜視図である。
【図9】コンテナ係止部材にコンテナを設置した状態を示す斜視図である。
【図10】土塊除去装置の作用説明用側面図である。
【図11】土塊除去装置の作用説明用平面図である。
【図12】土塊除去装置の第2実施例を示す作用説明用背面図である。
【図13】土塊除去装置の第3実施例を示す作用説明用側面図である。
【図14】操縦ハンドルのグリップ部の他の例を示す作用説明用斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。尚、以下の実施の形態は、あくまで実施の一形態であって、特許請求の範囲を拘束するものではない。
移植機の一例として玉葱の苗を移植する移植機について説明する。尚、以下の説明では、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン5を配置した側を前とする。そして、機体後部において機体前部側に向って立つ作業者の右手側を右とし、左手側を左とする。
【0023】
本例の移植機は、機体を前進走行可能とする走行車体1と、該走行車体1の後部に設けた歩行操縦用の操縦ハンドル2と、圃場に苗を植付ける苗植付装置3と、該苗植付装置3に苗を供給する苗供給装置4を備えた構成としている。
【0024】
走行車体1は、図示例では、エンジン5と、該エンジン5の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の駆動車輪である後輪6,6と、該後輪6,6の前方に転動自在に支持した左右一対の前輪7,7とを備えたものとしている。
【0025】
エンジン5の後部には、ミッションケース8を配置し、そのミッションケース8は、その左側部からエンジン5の左側方に延びるケース部分を有し、これがエンジン5の左側部と連結している。このケース部分にエンジン5の出力軸が入り込んでミッションケース8内の伝動機構に動力が伝達する構成となっている。ミッションケース8の左右両側部には、前後に長い走行用の伝動ケース9,9の前部を回動自在に取り付けている。具体的には、走行用の伝動ケース9,9の前部の機体内側部に、該伝動ケース9,9と一体回転可能に設けたアクスルケース9a,9aを設け、このアクスルケース9a,9aをミッションケース8の左右両側部に回動自在に取付けて、走行用の伝動ケース9,9をミッションケース8の左右両側部に対して回動自在に取付けている。そして、この走行用の伝動ケース9,9の後部側方に突出させた車軸10、10に後輪6,6を装着している。伝動ケース9,9の前部の回動軸心X位置には、ミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで、ミッションケース8内の走行部系変速伝動部を経た走行用の動力が伝動ケース9,9内の伝動機構に伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9,9内の伝動機構を介して、伝動ケース9,9の後端側の車軸10,10に伝動し、後輪6,6が駆動回転するようになっている。なお、アクスルケース9a,9aは、畝Uの幅に対応して左右に伸縮調節可能に設けている。また、アクスルケース9a,9aを支持するために、アクスルケース9a,9aと略平行する状態で支持フレーム9b、9bをミッションケース8に固着していて、その支持フレーム9b、9bの外端部に固着した支持プレート9c、9cでアクスルケース9a,9aの外側部を回動自在に支持している。
【0026】
また、走行用の伝動ケース9,9には、該伝動ケース9,9の前部側を回動支点として後輪6,6を上下させるよう上下回動する駆動手段が連結している。具体的には、伝動ケース9,9のミッションケース8への取付部には、上方に延びるアーム11,11を一体的に取り付けていて、これがミッションケース8に固定された昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端に取り付けた連結体13の左右両側部と連結している。左右一方側(右側)は、ロッド14で連結し、他方側(左側)は、機体の傾斜に応じて伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダ15で連結している。
【0027】
昇降用油圧シリンダ12が作動してそのピストンロッドが機体後方に突出すると、左右の前記アーム11,11は後方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が下方に回動して、機体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダ12のピストンロッドが機体前方に移動してシリンダ内に引っ込むと、左右の前記アーム11,11は前方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が上方に回動して、機体が下降する。この昇降用油圧シリンダ12は、畝Uの上面に接地して機体と畝Uの上面との上下間隔の変動にともなって動作するセンサーSによって作動する。センサーSの動作は機体に対する畝Uの上面高さを検出する動作となり、そのセンサーSの検出動作に基いて機体を畝Uの上面高さに対して設定高さになるよう昇降用油圧シリンダ12が作動するよう構成している。また、操縦ハンドル2近傍に配置した操作具Lの人為操作によって機体を上昇或は下降させるよう昇降用油圧シリンダ12が作動する構成ともしている。
【0028】
また、前記左右水平制御用油圧シリンダ15が伸縮作動すると、その左右水平制御用油圧シリンダ15と連結する左側のアーム11が回動して、左側の後輪6と右側の後輪6を互いに異なる高さにし、機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダ15は、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサの検出結果に基づいて機体を左右水平になるように作動するよう構成している。
【0029】
前記左右前輪7,7は、エンジン5下方の左右中央位置で前後方向の軸心周りに回動自在に取り付けた横フレーム16の左右両側部に、上下に長い縦フレーム16a,16aを取付け、その下端部側方に固着した車軸17,17に回転自在に取り付けている。従って、左右前輪7,7は、機体の左右中央の前後方向の軸心Y周りにローリング動自在となっている。横フレーム16の左右両側部に対して縦フレーム16a,16aを上下調節可能に設けていて、前輪7,7の高さ調節をすることができるようになっている。
【0030】
前記操縦ハンドル2は、機体後部に設けていて、後輪6,6の車軸10,10より機体後方に位置している。具体的には、ミッションケース8に前端部を固定した機体フレーム2bの後端部に取り付けている。機体フレーム2bは、機体の左右中央から右側に偏った位置に配置されて後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、機体フレーム2bの後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2a,2aは、作業者がそのグリップ部2a,2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a,2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
【0031】
尚、上記走行車体1は、接地して駆動回転する走行駆動部を、前後車輪を備えた四輪式の走行駆動部の構成としたものであるが、クローラー式の走行駆動部の構成とすることもできる。
【0032】
苗植付装置3は、先端が下方に向かうくちばし状の苗植付け体25と、該苗植付け体25の下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに苗植付け体25を上下動させる上下動機構26と、くちばし状の苗植付け体25の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能する閉状態と苗植付け体25の下端部が前後に開いて内側に収容した苗を下方に放出可能する開状態とに苗植付け体25を開閉する開閉機構27とを備え、苗供給装置4は、苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数の苗収容体29と、該苗収容体29を苗植付け体25の上方を通過するように周回移動させる移動機構30と、苗植付け体25の上方位置で苗収容体29の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて苗植付け体25に苗を供給する開放機構31を備えた苗供給装置4を備える。
【0033】
苗植付装置3は、苗植付け体25を左右に設定間隔で四体並べて配備した四条植えの構成としている。
四体の苗植付け体25…は、機体フレーム2bに下部を固定した取付部材32の上部に装着した伝動ケース28の左右両側部に設けた左右上下動機構26,26に各々二体づつ装着している。先端が下方に向いたくちばし状の苗植付け体25…の前側苗植付け片25F…の上部で後側にのびる左右のアーム部25Fa,25Fa…の後端部を後側の苗植付け片支持軸34に回動自在に取付け、後側苗植付け片25R…の上部で前側にのびる左右のアーム部25Ra,25Ra…の前端部を前側の苗植付け片支持軸33に回動自在に取付け、前側苗植付け片25F…のアーム部25Fa,25Fa…と後側苗植付け片25R…のアーム部25Ra,25Ra…のそれぞれ前後中間部では、一方側のアーム部に設けた横方向のピン25a、25a…を他方側のアーム部に設けた左右方向の長孔25b,25b…に係合させている。前後の苗植付け片支持軸33,34の左右両端部は、連結部材35,35で連結している。そして、前後の苗植付け片支持軸33,34の左右中間部はそれぞれ苗ガイド連結部材36,36を介して、苗を苗植付け体25内に案内する筒状の苗ガイド37に連結している。更に、左右の苗ガイド37,37には、その左右間側に連結部材38、38を着脱自在に且つ一体的に装着していて、その連結部材38、38を介して、左右の苗ガイド37,37の左右間に配置した連結部材39,39と連結している。その連結部材39、39は、上下動機構26の上下の昇降リンク40a,40bの各先端部を上下に連結している。後側苗植付け片25R…のアーム部25Ra,25Raが前側の苗植付け片支持軸33回りに上方に回動すると、前記ピン25a、25aによる連結によって前側苗植付け片25F…のアーム部25Fa,25Faも連動して上方に回動し、よって、前側苗植付け片25F…は、後側の苗植付け片支持軸34回りの回動によって前方に移動し、後側苗植付け片25R…は、前側の苗植付け片支持軸33回りの回動によって後方に移動し、よって、苗植付け体25…の下部側が前後に開いて下方に開放状態となる。また、逆の動作によって、前後に開いた苗植付け体25…の下部側は閉じる。
【0034】
前記苗ガイド37は、苗供給装置4から供給された苗を苗植付け体25内に案内する筒状体であり、上部には、苗供給装置4の苗落下部下方に向ってのびる上部ガイド37aを設けている。これにより、苗植付け体25が苗供給装置4の苗落下部下方からずれて位置していても、苗供給装置4から落下供給される苗を適確に苗植付け体25内に供給することができる。
【0035】
苗植付け体25…の上下動機構26は、伝動ケース28の左右両側部に設けている。具体的には、前記昇降リンク装置2の後端部の連結軸21に回動自在に装着した植付部フレーム12a上部に固着した伝動ケース28の左右側方に突出させた軸に前部を上下回動自在に装着し後部を苗植付け体25…に連結した上側と下側の昇降リンク40a,40bと、伝動ケース28の側部から突出させた駆動回転する駆動軸41と、該駆動軸41の先端部に一端側を一体回転するように取付けた駆動アーム42と、該駆動アーム42の回転外周側端部と前記上側の昇降リンク40aとに回動自在に連結する連動アーム42aとで構成している。そして、上側と下側の昇降リンク40a,40bの各後端部を前記苗植付け片支持軸33,34の左右中間部付近に取付けた連結部材39に回動自在に取付け、上側と下側の昇降リンク40a,40bと伝動ケース28と連結部材39とでリンク機構を形成するように設けている。従って、駆動軸41の回転により駆動アーム42が駆動回転すると、前記昇降リンク40a,40bが伝動ケース28の左右側部に設けた二つの軸40aS,40bSを回動中心に上下動して、左右の苗植付け体25…が上下動する。この上下動の上昇位置では苗植付け体25の下端部が圃場面より上方に位置し、下降位置では苗植付け体25の下端部が圃場面より下方に位置する。
【0036】
また、この苗植機では、苗植付け体25…を昇降する上下動機構26を、第一軸40aS回りに昇降駆動される第一昇降リンク40aと、該第一昇降リンク40aの下側で第二軸40bS回りに昇降自在に設けた第二昇降リンク40bと、該第一昇降リンク40a及び第二昇降リンク40bの各先端部を連結する連結部材39とで構成し、該連結部材39と苗植付け体25…を連結して苗植付け体25…を昇降する構成とし、前記第一軸40aSを、伝動ケース28内の伝動機構を介して伝達された動力により回転駆動される回転軸40aRの先端部に偏芯状態で形成し、該回転軸40aRの回転によって回転軸40aRの軸芯を中心として偏芯量を半径として回転駆動される構成とし、前記第一昇降リンク40aの昇降駆動中に前記回転軸40aRが回転駆動することにより苗植付け体25をその昇降動中に前後に傾けるように構成している。そして、苗植付け体25…の昇降軌跡上部側での上昇時の姿勢を、直立姿勢に対して下部が上部より後側になる前倒姿勢となるように設定している。また、苗植付け体25…の下降時の姿勢を直立姿勢に対して下部が上部より前側になった後倒姿勢となるように設定し、下降下端位置で後倒姿勢から前倒姿勢に姿勢変更するように設け、前記苗植付け体25…の上昇時の姿勢を直立姿勢に対して下部が上部より後側になった前倒姿勢となるように設定している。
【0037】
苗植付け体25…の開閉機構27は、後側苗植付け片25R…の上部で後側にのびる開閉用アーム部25Rb…の先端部を各苗植付け体25…において設け、一方、上側の昇降リンク40aの基部を枢着している軸に回動自在に取付けた作動アーム44を設け、この作動アーム44の先端部を長さ調節可能な連結ロッド45で連結し、そして、作動アーム44が、駆動軸41の駆動回転中に、該駆動軸41に一体回転するよう取付けたカム46の作用を受けて、設定したタイミングで苗植付け体25…に対して上昇動作するようにして構成している。これにより、駆動軸41が駆動回転して苗植付け体25…が上下動すると、作動アーム44も苗植付け体25…と共に上下回動し、そして、苗植付け体25…の下降下端位置に達すると、カム46の作用位置の変化により作動アーム44が苗植付け体25…に対して上昇動作し、これにより、後側苗植付け片25R…が前側の苗植付け片支持軸33回りに回動して後方に移動し、また、これに連動して前側苗植付け片25F…が後側の苗植付け片支持軸34回りに回動して前方に移動して、苗植付け体25…の下部側が前後に開いて下方に開放状態となる。そして、苗植付け体25…が上昇してカム46の作用位置の変化により作動アーム44が苗植付け体25…に対して元の位置に下降動作して、前後に開いた苗植付け体25…の下部側が閉じる。
【0038】
一方、左右上下動機構26に各々装着された左右二体づつの苗植付け体25,25の間には、スクレーパ装置100が各々設けられている。
ここで、該スクレーパ装置100の詳細構成及び作用を説明する。
【0039】
上下動機構26の下側の昇降リンク40aにスクレーパ支持アーム101の上端部が固定されて下方に延びて設けられている。そして、該スクレーパ支持アーム101の下端部には、スクレーパアーム102の基部が回動支持軸103にて回動自在に支持され、後方に向かって延設されている。
【0040】
そして、スクレーパアーム102の後端部は、前記左右苗植付け体25,25の間に位置し、該左右苗植付け体25,25内の土や異物を各々掃除する左右スクレーパ104L,104Rの基部が回動自在に軸支されている。尚、左右スクレーパ104L,104R基部のスクレーパアーム102後端部への装着構成は、先ず、スクレーパアーム102後端部に小径に形成した装着部102aに座金105を挿通し、そして、左右スクレーパ104L,104R基部を挿通した後に、止め座金106を挿通して割りピン107にて抜け止めしている。
【0041】
左右スクレーパ104L,104Rの先端部には、各々弾性体である菱型形状のスクレーパ体であるゴム板108,108が固定されている。
そして、左右スクレーパ104L,104Rと左右苗植付け体25,25と一体の部材との間に左右引張バネ109L,109Rが設けられており、左右スクレーパ104L,104Rは基部を回動軸心として先端側が広がる方向(即ち、先端のゴム板108,108が各々左右苗植付け体25,25内に入り込む方向)付勢されている。尚、左右引張バネ109L,109Rは、上下動機構26と左右苗植付け体25,25との間に平行に配置された構成となっている。
【0042】
また、左右引張バネ109L,109Rにてそのゴム板108,108が各々左右苗植付け体25,25内に入り込む方向に付勢された左右スクレーパ104L,104Rは、左右苗植付け体25,25の内側に各々下方に延設された左右ストッパー体110L,110Rの下端に接当して、図6に示すように左右苗植付け体25,25の間に位置するように規制される。
【0043】
一方、伝動ケース28には、下方に向けて延設した接当体111の上部を固定している。そして、左右苗植付け体25,25が畝Uに突入して各々の前側苗植付け片25Fと後側苗植付け片25Rが開いて玉葱の苗を植付けた後に、各前側苗植付け片25Fと後側苗植付け片25Rが開いたまま上昇し、上昇過程の中途位置でスクレーパアーム102が接当体111下端と接当し、上下動機構26の第一昇降リンク40a及び第二昇降リンク40bの上方回動にて左右苗植付け体25,25は上昇を続けるが、スクレーパアーム102は上昇を停止する。
【0044】
その為に、左右苗植付け体25,25と共に左右ストッパー体110L,110Rは上昇するので、左右スクレーパ104L,104Rは基部を回動軸心として先端側が広がる方向(即ち、先端のゴム板108,108が各々左右苗植付け体25,25内に入り込む方向)に左右引張バネ109L,109Rの付勢力により回動する。すると、左右スクレーパ104L,104R先端のゴム板108,108が各々左右苗植付け体25,25の開いている前側苗植付け片25Fと後側苗植付け片25R内に入り込み、左右苗植付け体25,25の上昇によりその内壁面に付着した土や異物を下方に掻き出して掃除する。尚、112L,112Rはスクレーパアーム102に設けられた左右スクレーパ104L,104Rの開く方向の回動を止める左右回動ストッパーであって、左右スクレーパ104L,104R先端のゴム板108,108が各々左右苗植付け体25,25の開いている前側苗植付け片25Fと後側苗植付け片25Rの左右中央位置で回動を停止する位置に設けられている。
【0045】
そして、左右苗植付け体25,25の上昇により、左右スクレーパ104L,104R先端のゴム板108,108が左右苗植付け体25,25の下端から抜け出ると、左右苗植付け体25,25の各前側苗植付け片25Fと後側苗植付け片25Rは閉じて、左右苗植付け体25,25の最上昇位置で苗供給装置4から玉葱の苗が供給される。その後、左右苗植付け体25,25は下降するが、前側苗植付け片25Fと後側苗植付け片25Rが閉じた状態の左右苗植付け体25,25の外側面の各々が対向する側が、前記左右引張バネ109L,109Rにて広がる方向に回動している左右スクレーパ104L,104R先端のゴム板108,108に接当しながら下降して、該左右苗植付け体25,25の外側面の各々が対向する側に付着した土や異物が下方に掻き落とされて掃除される。
【0046】
そして、左右苗植付け体25,25が更に下降すると、スクレーパアーム102が接当体111下端から離れて、左右引張バネ109L,109Rの付勢力にて図6に示す状態に復帰する。そして、左右苗植付け体25,25は、更に下降して畝U上面に突入して、玉葱の苗を植付ける。
【0047】
上記のように、左右苗植付け体25,25を上下作動させる左右上下動機構26にスクレーパ装置100設けて左右苗植付け体25,25を掃除する構成としたので、左右苗植付け体25,25に対するスクレーパ装置100の位置関係がずれることがなく(常に適正な位置関係が保持され)、スクレーパ装置100にて左右苗植付け体25,25に付着した土や異物を適正に掃除することができる。また、左右苗植付け体25,25を上下作動させる左右上下動機構26にスクレーパ装置100設けて作動させる構成としたので、構成及び作動が簡潔となり、然も、スクレーパ装置100にて左右苗植付け体25,25を同時に掃除できるので、効率も良い。
【0048】
伝動ケース28を機体フレーム2bに取付ける取付部材32と、ミッションケース8と走行用の伝動ケース9,9の間に設けたアクスルケース9a,9aを支持する支持フレーム9b、9bとの間とを、支持フレーム32a,32aで連結し、伝動ケース28と苗植付装置3と苗供給装置4との支持強度を向上させている。
【0049】
苗植付け体25…の内側に供給する灌水用の水を供給するプランジャポンプ91,91のピストンロッド91a,91aを装着している。前後方向視で門型状になった伝動ケース28の内側に、苗植付け体25…の内側に供給する灌水用の水を供給するプランジャポンプ91,91を装着し、伝動ケース28の左右内側に突出させた前記回転軸40aR,40aRにプランジャポンプ91,91のピストンロッド91a,91aを装着し、プランジャポンプ91,91のケーシング部分91b,91bは、前記伝動ケース28を上部に装着した取付部材32に設けたプランジャポンプ取付け部に取付けている。Tは灌水用の水を蓄えるタンクである。
【0050】
苗供給装置4は、上下に開口する筒状体47…と該筒状体47…の下側の開口部47a…を開閉する底蓋48…とを有し互いにループ状に連結する複数の苗収容体29…と、該苗収容体29…を前記苗植付け体25…の上方近傍を通過する状態で機体平面視前後に長い長円形状のループ状の軌跡で周回動させる移動機構30と、前記苗収容体29…の底蓋48…を苗植付け体25…の上方位置で開放する開放機構31を設けた構成である。
【0051】
苗供給装置4は、前記苗収容体29…の外周に円筒外周部を形成し、該円筒外周部に外側から回動自在に係合する係合部(丸孔)を有して二つの苗収容体29,29を連結する連結体49を複数設け、該連結体49…の係合部を苗収容体29…の円筒外周部に回動自在に係合し該円筒外周部を回動軸として隣の苗収容体29…が回動自在に連結する状態として複数の苗収容体29…を互いに連結した構成としている。即ち、苗収容体29…と連結体49…とで無端チェーンのように連結した構成である。これにより、この移植機は、苗収容体29…は、直線的に移動する部分でも円弧状に移動する部分でも隣接する苗収容体29…との間隔が変わらないので、苗収容体29から苗植付け体25に苗を供給する個所で苗収容体29が苗植付け体25に対して位置ズレが生じにくくなり苗供給が適正に行われて適確な苗の移植ができる。苗収容体45…の個数と周回動する範囲を設定したうえで、苗収容体の上側開口部43b…を可能な限り広く形成できて、機体のコンパクト化を図りつつ苗収容体29…への苗供給作業をできるだけ容易に行えるものとなる。
【0052】
苗供給装置4の移動機構30は、右側及び左側の苗供給装置4R,4Lともに、それぞれ無端チェーンのように互いに連結する苗収容体29…;29…を左右に設けたスプロケット50,50;50,50の外周の円弧状切欠部に係合させて巻き掛け、この左右のスプロケット50,50;50,50を伝動ケース28内から取り出した動力で駆動回転することにより、右側及び左側の苗供給装置4R,4Lの各苗収容体29…;29…を周回動させる構成としている。スプロケット50,50;50,50を駆動回転可能に取付ける回動軸51,51;51,51は、伝動ケース28の上部で支持した支持フレーム52に回動可能に取付け、伝動ケース28の上部から上方に突出させた左右の回転軸53a,53bからスプロケットとチェンを介して各回動軸51,51;51,51に伝動する構成としている。
【0053】
苗収容体29…が周回する前後の軸51,51;51,51は、左右の後輪6,6より機体内側で、且つ、苗収容体29…が周回する前側の軸51,51を後輪6,6の車軸10,10位置より前側で、苗収容体29…が周回する後側の軸51,51を後輪6,6の車軸10,10位置より後側に配置している。また、苗植付け体25は、後輪6,6の車軸10,10位置より後側に配置している。
【0054】
伝動ケース28内の伝動機構は、ミッションケース8から動力が取出されて伝動回転する伝動軸28aの後端と連結する入力軸13に取付けた第一ベベルギヤ54から左右方向にのびる伝動軸55に回転自在に取付けた第二ベベルギヤ56に伝動し、そして、第二ベベルギヤの一端に設けたクラッチ爪と係脱可能なクラッチ爪を有する定位置停止クラッチである植付クラッチCを介して伝動軸55に伝動する。この植付クラッチCは、苗供給装置4の下方に設けたレバーを作業者用座席70L,70Rに座る作業者が操作することで操作され、このクラッチCの入り切りで苗植装置3の駆動が入り切りされる。伝動軸55の左右両端部には、第一スプロケット57,57が一体回転するように取り付けられ、この第一スプロケット57,57から、伝動ケース28の左右両端部から下方にのびるケース内下方に設けた第二スプロケット58,58にチェン59,59を介して伝動する。また、伝動軸55の左右両端部は、第一スプロケット57,57から更にのびて伝動ケース28の左右両外側に突出する。その突出部が駆動軸41,41となっている。第二スプロケット58,58と一体回転する回転軸40aRも伝動ケース28の左右両外側に突出し、更にその先端に偏芯状態で第一昇降リンク40aの枢支軸となる第一軸40aSが形成されて回転軸40aRと一体的に回転する。また、伝動軸55の中途部に第三ベベルギヤ60を一体回転するように取付け、それに噛み合う第四ベベルギヤ61を介して、伝動ケース28の上部から上方に突出させた一方側の回転軸53aを駆動回転する。他方側の回転軸53bは、この回転軸53bに設けたギヤ62が一方側の回転軸53aに設けたギヤ63と噛合って逆回転伝動される。この左右の回転軸53a,53bから、伝動ケース28に取り付けた支持部材54aによって支持した横方向にのびる支持フレーム54bの左右両側部に回転自在に支持した左右の後側回動軸51,51に、それぞれスプロケット65a,65a;65b,65bとチェン65c,65cを介して伝動し、更に、ここから左右の前側回動軸51,51に、それぞれスプロケット66a,66a;66b,66bとチェン66c,66cを介して伝動する構成としている。
【0055】
苗供給装置4の開放機構31は、苗収容体29…の周回軌跡下方で底蓋48…が下方に回動しないように底蓋48…を下方から支持する支持体67を設け、この支持体67を苗植付け体25…の上方位置には設けないようにすることで、苗植付け体25…の上方位置を苗収容体29が通過するとき、底蓋48が支持体67による支持状態が解かれて下方回動し苗収容体29を苗を下方に落下可能に開放する構成としている。苗収容体29の底蓋48が開くタイミングは、苗植付け体25…が苗収容体29の直下まで上昇したときとなるように調整しておく。また、上記構成に代えて、苗植付け体25が苗収容体の直下まで上昇したときに、苗植付け体25に設けた開放作動部材が、苗植付け体25の上方に位置する苗収容体の底蓋が開くのを規制する規制手段を規制解除動作させる構成も採用できる。
【0056】
本例の苗供給装置4は、機体右側の二つの苗植付け体25,25に対して苗を供給する右側苗供給装置4Rと、機体左側の二つの苗植付け体25,25に対して苗を供給する左側苗供給装置4Lは、共に、二つの苗植付け体25,25に対して苗収容体29…が一回りで周回移動して苗を供給する構成としている。このように二つの苗植付け体25,25に対して苗収容体29…が一回りで周回移動して苗を供給する構成とした場合は、一方側の苗植付け体25に落下供給する苗収容体29…と他方側の苗植付け体25…に落下供給する苗収容体29…とが交互になるように連結し、且つ、一方側の苗植付け体25に落下供給する苗収容体29…が一方側の苗植付け体25の上方を通過するとき、他方側の苗植付け体25に落下供給する苗収容体29…が他方側の苗植付け体25の上方を通過するように設定し、また、少なくとも、苗収容体29…の周回移動方向下手側の苗植付け体25に落下供給する苗収容体29…が、苗収容体29…の周回移動方向上手側の苗植付け体25の上方を通過するときは、その苗収容体29…については開放動作されないようにする開放規制手段を設ける。このように設けた上で、更に、苗植付け体25,25の上下動が一周期動作する間に苗収容体29…が2個分周回移動するように構成すると、苗収容体29…が二つの苗植付け体25,25の上方を直列的に通過しながら二つの苗植付け体25,25に対して苗供給漏れが生じることなく同時に苗を供給でき、且つ、二つの苗植付け体25,25の上方を通過した後に苗が供給されなかった苗収容体29…が生じないよう余すことなく二つの苗植付け体25,25に対して苗を供給できるものとなり、苗供給作業が余裕をもって行え、且つ、二つの苗植付け体25,25に対して確実に苗を供給できる。なお、前記開放規制手段は、例えば、苗収容体の周回移動方向下手側の苗植付け体25に落下供給する苗収容体の蓋に突起を設け、この突起が、苗収容体の周回移動方向上手側の苗植付け体25の上方を通過するときに、下方から支持する構成とすることで可能となる。
【0057】
この苗植機は、苗植付け体25…が植付けた苗に対して覆土鎮圧するための覆土鎮圧輪80…を各苗植付け体25…の苗植付け個所の各後方左右両側近傍位置に設けている。また、苗植付け体25…が苗を植付ける前の圃場面を鎮圧して整地する鎮圧ローラ81…を各苗植付け体25…の苗植付け個所の各前方近傍位置に設けている。これらの覆土鎮圧輪80…と鎮圧ローラ81…は、機体フレーム2bに支持した支持軸82に支持させて、支持構造の簡略化が図られている。
【0058】
本例の苗植機は、苗供給装置4に苗を補給する作業者が乗車して苗補給作業が行えるよう、作業者が座る作業者用座席70L,70Rを設けている。具体的には、左側苗供給装置4Lの前側部の左外側近傍に左側の作業者用座席70Lを配置し、右側苗供給装置4Rの前側部の右外側近傍に右側の作業者用座席70Rを配置している。これらの座席70L,70Rの背凭れは、それぞれ機体の左右方向外側に位置するよう設けていて、その座席70L,70Rに座る作業者は、苗供給装置4L,4Rの前側部に向って機体内側向き姿勢で着座して、苗供給装置4L,4Rの前側部に対して苗補給作業を行う。また、本例の苗植機は、畝U間の溝を走行する後輪6,6の後側で機体後部に設けた操縦ハンドル2の左右方向外側に、作業者が立って前に歩きながら苗供給装置4の後側部に苗を補給する作業を可能とする作業空間Wを形成しており、この作業空間Wに立つ作業者から苗供給装置4L,4Rの後側部に対して苗補給作業を行うことができる。
【0059】
また、左右の作業者用座席70L,70Rは、前輪7,7の車軸17,17位置より後側で且つ後輪6,6の車軸10,10位置より前側に位置させて配置している。更に、作業者用座席70L,70Rは、機体側面視で後輪6,6の上方に座席の一部がオーバーラップするように配置している。また、作業者用座席70L,70Rは、機体側面視で走行用の伝動ケース9,9の回動軸心Xの上方に配置しており、前輪7,7は、走行用の伝動ケース9,9の回動軸心Xより前側に配置した構成としている。
【0060】
作業者用座席70L,70Rの支持構成は、後輪6,6の車軸10,10を支持する支持部材である伝動ケース9,9の内側に突出させた後輪6,6の車軸10,10に取付けた座席支持部材72,72;73,73で支持し、該座席支持部材72,72;73,73に、後輪6,6の車軸10,10が上下しても作業者用座席70L,70Rが前後に傾かないようにする姿勢維持機構を設けている。
【0061】
この姿勢維持機構は、本例では、以下のように構成している。まず、上部に作業者用座席70L,70Rを取付けた座席支持フレーム72,72を設け、また、前輪7,7の車軸17,17を支持する支持部材である前記縦フレーム16a,16aと、後輪6,6の車軸10,10とを連結する前後に長い連結フレーム73,73を設ける。この連結フレーム73,73の前端部側は、前輪7,7の車軸17,17を支持する前記縦フレーム16a,16aの内側に固着、突出させたピンに回動自在の支持筒74,74に前後方向摺動自在に挿入させている。また、連結フレーム73,73の後端部側は、後輪6,6の車軸10,10に回動自在に取付けた筒部75,75に一体的に固着している。従って、走行用の伝動ケース9,9が下移動して後輪6,6の車軸10,10が上下しても、連結フレーム73,73は、前後の傾き変動が生じない。この連結フレーム73,73の前後途中個所に、前記座席支持フレーム72,72の下部を取付ている。よって、走行用の伝動ケース9,9が回動して後輪6,6の車軸10,10が上下しても、作業者用座席70L,70Rは前後に傾いたりすることがない。また、この連結フレーム73,73に対して、座席支持フレーム72,72は上下軸心まわりに回動させて、作業者用座席70L,70Rを機体内側に移動可能に設けていて、これにより、移動時や格納時に作業者用座席70L,70Rを機体内側に収納させることができる。
【0062】
なお、連結フレーム73,73の前端部側を装着している前記支持筒74,74を前輪7,7の車軸17,17に取付けることもできる。また、連結フレーム73,73の後端部を後輪6,6の車軸10,10を支持する支持部材である走行用の伝動ケース9,9の内側に突出させた軸に回動自在に前記筒部75,75を回動自在に取付けこともできる。更に、連結フレーム73,73の前輪7,7側の連結部は、連結フレーム73,73を、前輪の車軸17,17又は縦フレーム16a,16aに対して摺動不能且つ回動自在に連結し、連結フレーム73,73の後輪6,6側の連結部は、連結フレーム73,73を、後輪の車軸10,10又は伝動ケース9,9に対して摺動自在且つ回動自在に連結する構成することもできる。このように構成すると、走行用の伝動ケース9,9が下方回動して後輪6,6の車軸10,10が下降すると、後輪6,6が機体に対して相対的に前方移動するが、作業者用座席70L,70Rは機体に対して相対的に前後方向には移動しない。従って、機体を旋回させるために、後輪6,6をまず下降して機体を上昇させ、そして、操縦ハンドル2を押し下げて二輪接地状態にして機体を旋回させるとき、前後方向において作業者用座席70L,70Rが後輪6,6の車軸10,10に向って接近することになるので、作業者用座席70L,70Rの重量による操縦ハンドル2の押し下げ負荷が軽減される。また、連結フレーム73,73の前輪7,7側の連結部と、連結フレーム73,73の後輪6,6側の連結部の両方ともに、連結フレーム73,73を摺動自在且つ回動自在に連結する構成とすることもできる。
【0063】
更に、この苗植機は、左右の作業者用座席70L,70Rの各機体左右方向内側下方にステップ71L,71Rを設けている。このステップ71L,71Rは、機体側面視で作業者用座席70L,70Rの下方位置から前輪7,7の上方位置にわたって延設している。後輪6,6は大径車輪で、前輪7,7は小径車輪であり、機体側面視で、この小径車輪の前輪7,7の上方にステップ71L,71Rの前側部分が位置するように設けている。ステップ71L,71Rは、後側をアクスルケース9a,9aの上部に取付け、前側を、バンパーフレーム95に内端部を固着したステップ支持フレーム96,96と、該ステップ支持フレーム96,96の外端部と固着し前記支持プレート9c,9cと一体のステップ支持プレート97,97との上に固定して取付けている。
【0064】
作業者用座席70L,70Rの後側近傍で機体側面視で後輪6,6の車軸10,10の上方位置に、苗供給装置4に補給する苗を収容可能なコンテナC、Cを設置可能に設けている。本例では、プラスチック等で成形された箱状のコンテナCの両側部に形成された取っ手孔C1,C1の一方側に係合してコンテナCを支持するコンテナ係合部材94,94を設けて、これにより、コンテナC、Cを設置可能に設けていて、コンテナ支持部の構造が簡単なものとなり、且つ、コンテナを設置していないときにコンテナ支持部が大きな空間を占めず、機体のコンパクト化と軽量化、低コスト化が図れる。図示例の具体構成は、コンテナ係合部材94,94の上端部がクランク状に屈曲していて、その上端部をコンテナCの取っ手孔C1に外側から挿入してクランク状の屈曲部で取っ手孔C1が引っかるようにすることで、コンテナCをコンテナ係合部材94に支持させることができる。また、コンテナ係合部材94は、座席支持フレーム72,72の上部に固着していて、作業者用座席70L,70Rの後側に起立するように設けている。路上走行時に作業者が作業者用座席70L,70Rに着座したときに手摺を兼ねる。
【0065】
本例の苗植機は、苗植付け体25に灌水用の水を供給可能に構成して、苗の植付と同時に灌水が行なえるようになっている。そして、灌水用の水を蓄えるタンクT、T;T,Tは、後輪6,6の機体左右方向内側で機体側面視において後輪6,6の車軸10,10付近に設けたタンク支持台76,76上に載置可能に設けている。このタンク支持台76,76は、前記連結フレーム73,73に固着した支持部材上に固定されている。
【0066】
また、作業者用座席70L,70Rの後側で機体側面視で後輪6,6の車軸10,10の上方位置で且つ機体側面視でタンク支持台76,76上に載置したタンクT,T;T,Tの上方位置に苗供給装置4に補給する苗を収容可能なコンテナCを設置可能に設けている。
【0067】
次に、機体前部に装着された畝U上面に散乱する土塊等を畝U上面の植付け位置から左右方向に向けて除去する土塊除去装置120について説明する。
土塊除去装置120は、前端が尖って平面視でV字状をしており、後部を断面円形状の支持棒121aで連結した鉄板製の土塊除去板121と、該土塊除去板121後部の支持棒121aに外嵌されて土塊除去板121を回動自在に支持する円筒形状のボス122aを下部に設け、上端部をバンパーフレーム95に固定した支持体122と、土塊除去板121後部の支持棒121aに前端が固着されて後方に延設された均平ローラ支持フレーム123aの後部に円筒形状の均平ローラ123bを回転自在に支持した畝U上面を均平する均平装置123と、均平ローラ支持フレーム123aの後端部に装着されたウエイト124にて構成されている。
【0068】
従って、左右前輪7,7と左右後輪6,6が畝Uを跨いだ状態で機体を植付け位置まで下降させて苗移植作業を行なう際には、均平装置123の均平ローラ123bが畝U上面に接当しているので、土塊除去装置120の土塊除去板121下面も畝U上面に接当している。よって、機体が進行すると、土塊除去装置120の土塊除去板121が畝U上面に散乱する土塊を機体進行方向の左右に除去し、その後、略平らになった畝U上面を均平装置123の均平ローラ123bが均平にしていき、その後部にある前記センサーSは均平に整地された畝U上面に接当して適切に機体と畝U上面との上下間隔の変動を検出して昇降用油圧シリンダ12が作動制御し、機体は畝U上面に対して所定の高さに常に維持されるので、苗植付け体25…は畝Uに所定の植付け深さで苗を適切に移植できる。
【0069】
一方、畝U終端部で機体を旋回させる為に、左右後輪6,6を下降させて機体を上昇させた際には、土塊除去装置120は、ウエイト124と均平ローラ123bの重みで支持棒121aを回動軸心として、バンパーフレーム95に固定した支持体122のボス122aに支持されて前方が上動する方向に回動する。よって、作業者は、機体後方で操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aを下方に押し下げて、左右後輪6,6の接地点を回動支点として機体前部を上動させた状態で機体を旋回操作するが、その際に、前記のように土塊除去装置120の土塊除去板121は上動した状態となっているので、該土塊除去板121が畝U上面に接当して畝Uを崩すような事態を回避しながら作業性良く旋回作業が行なえる。
【0070】
図12は、土塊除去装置120の第2実施例を示す作用説明用背面図である。
この土塊除去装置120は、上例と同様に機体前部に配置され、正面視で四角状の土塊除去装置支持フレーム130を支持体131にて機体前端のバンパーフレーム95に固定し、該土塊除去装置支持フレーム130の下辺130aを正面視で中央が上方に折れ曲がったヘ字状に形成し、該下辺130aに中央ほど断面積が広い円錐台形状の左右土塊除去ローラ132L,132Rを回転自在に装着して構成している。尚、左右土塊除去ローラ132L,132Rは、機体進行方向に対して直交する方向に配置され、その接地部は水平になるように配置構成しているので、平面視で左右土塊除去ローラ132L,132Rの前端部は中央が機体進行方向で前方に位置し、左右端部に至るほど後方になる。
【0071】
従って、左右前輪7,7と左右後輪6,6が畝Uを跨いだ状態で機体を植付け位置まで下降させて苗移植作業を行なう際には、土塊除去装置120の左右土塊除去ローラ132L,132R下面は畝U上面に接当している。よって、機体が進行すると、土塊除去装置120の左右土塊除去ローラ132L,132Rが各々自由回転しながら大きな土塊は機体進行方向の左右に案内して除去し、同時に、畝U上面を平らにする。そして、その後部にある前記センサーSは均平に整地された畝U上面に接当して適切に機体と畝U上面との上下間隔の変動を検出して昇降用油圧シリンダ12が作動制御し、機体は畝U上面に対して所定の高さに常に維持されるので、苗植付け体25…は畝Uに所定の植付け深さで苗を適切に移植できる。
【0072】
図13は、土塊除去装置120をセンサーS自体に一体に形成した第3実施例を示す作用説明用側面図である。
この土塊除去装置120は、第1実施例と同様の前端が尖って平面視でV字状をした鉄板製の土塊除去板121をセンサーSの接地部Saの前方下面に固定した構成としている。尚、土塊除去板121は、センサーSの接地部Saが畝U上面に接地した際に、畝U上面から若干上方に位置するように構成している。
【0073】
従って、左右前輪7,7と左右後輪6,6が畝Uを跨いだ状態で機体を植付け位置まで下降させて苗移植作業を行なう際には、センサーSの接地部Saが畝U上面に接当しているので、センサーSの下面に固定した土塊除去装置120の土塊除去板121下面も畝U上面の直ぐ近くに位置している。よって、機体が進行すると、土塊除去装置120の土塊除去板121が畝U上面に散乱する土塊を機体進行方向の左右に除去し、略平らになった畝U上面にセンサーSの接地部Saが接当して適切に機体と畝U上面との上下間隔の変動を検出して昇降用油圧シリンダ12が作動制御し、機体は畝U上面に対して所定の高さに常に維持されるので、苗植付け体25…は畝Uに所定の植付け深さで苗を適切に移植できる。
【0074】
図14は、操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aの他の例を示す。
グリップ部2a,2aを支持する操縦ハンドル2のパイプ材2bは、その上下に長手方向に沿って溝2c,2cを形成し、グリップ部2a,2aの前端部には該溝2c,2cに係合する上下ピン2d,2dを設けている。そして、グリップ部2a,2aは、その内部に空間を形成して筒状になっていてパイプ材2bに嵌合し、その上下ピン2d,2dが溝2c,2c内を移動することによって、パイプ材2bの長手方向に移動自在に構成されている。また、グリップ部2a,2a前部の機体内側の側壁部には、円弧状に切り欠いた円弧部2e,2eが形成されている。
【0075】
従って、通常の移植作業時には、グリップ部2a,2aをパイプ材2bに嵌めた状態にして、ハンドルを短くして作業を行なう。機体旋回時等に機体を上昇させて機体前部を上方に持ち上げる場合には、グリップ部2a,2aを機体後方に引くと、その上下ピン2d,2dが溝2c,2c内を機体後方に移動し、グリップ部2a,2aが機体後方に引き出されて、ハンドルが長くなる。すると、作業者はグリップ部2a,2aを押し下げて左右後輪6,6の接地点を回動支点として機体前部を上昇させることが容易に行なえるので、作業性良く機体の旋回操作が行なえる。また、グリップ部2a,2aを機体後方に引き出した状態で、左右方向の内側に上下ピン2d,2dを回動支点にてグリップ部2a,2aを90度回動させると、ループハンドルのような状態となって、旋回時のハンドル操作が容易になる。
【0076】
以上のとおり、上記の苗植機は、左右一対の前輪と左右一対の後輪が畝Uを跨いだ状態で前進走行しながら、苗植付け体25,25,25,25が圃場に苗を植付ける。苗供給装置4L,4Rは苗植付け体25,25,25,25に苗を供給する。作業者は、作業者用座席70L,70Rに着座して苗供給装置4L,4Rに苗を補給する作業を行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明にかかる移植機は、玉葱の苗の他に各種野菜苗やタバコの苗や花卉苗等の各種苗及びジャガイモ等の種芋やラッキョウ等の球根類等の色々な移植対象物を植え付ける移植機に適用でき、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0078】
5 原動機
25 植付け体(苗植付け体)
25F 植付け片(前側苗植付け片)
25R 植付け片(後側苗植付け片)
26 上下動機構
100 スクレーパ装置
101 スクレーパ支持アーム
102 スクレーパアーム
104L 左スクレーパ
104R 右スクレーパ
108 スクレーパ体(ゴム板)
109L 左バネ(左引張バネ)
109R 右バネ(右引張バネ)
110L 左ストッパー体
110R 右ストッパー体
111 接当体
112L 左回動ストッパー
112R 右回動ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機(5)にて駆動される上下動機構(26)に装着されて上下作動し、圃場に突入して対向する植付け片(25F,25R)が開口して移植物を移植する植付け体(25)を装備した移植機において、上下動機構(26)に植付け体(25)に付着した土や異物を掃除するスクレーパ装置(100)を装着したことを特徴とする移植機。
【請求項2】
上下動機構(26)に固定したスクレーパ支持アーム(101)に回動自在に支持したスクレーパアーム(102)にスクレーパ(104L,104R)の基部を回動自在に設け、該スクレーパ(104L,104R)に設けたスクレーパ体(108)を植付け体(25)に対応する位置に配置し、該スクレーパ体(108)が植付け体(25)内に入り込む方向にスクレーパ(104L,104R)を付勢するバネ(109L,109R)を設けると共に、スクレーパ体(108)が植付け体(25)内に入り込むのをスクレーパ(104L,104R)に接当して規制するストッパー体(110L,110R)を植付け体(25)又は上下動機構(26)に設けると共に、圃場に突入した植付け体(25)の植付け片(25F,25R)が開口して移植物を移植して植付け片(25F,25R)が開口したまま上下動機構(26)が所定位置まで上動した時に、スクレーパアーム(102)に接当し上下動機構(26)の上動に伴う植付け体(25)の上動に対してスクレーパ(104L,104R)の上動を規制する接当体(111)を機体側に固定して設けたことを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項3】
上下動機構(26)の左右両側に各々左右植付け体(25)を装着し、該左右植付け体(25)に付着した土や異物を同時に掃除するスクレーパ装置(100)を左右植付け体(25)の間に配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の移植機。
【請求項4】
スクレーパアーム(102)に左右スクレーパ(104L,104R)の基部を各々回動自在に設け、該左右スクレーパ(104L,104R)に各々設けた左右スクレーパ体(108)を左右植付け体(25)に各々対応する位置に配置し、該左右スクレーパ体(108)が各々左右植付け体(25)内に入り込む方向に左右スクレーパ(104L,104R)を付勢する左右バネ(109L,109R)を設けると共に、左右スクレーパ体(108)が各々左右植付け体(25)内に入り込むのを左右スクレーパ(104L,104R)に各々接当して規制する左右ストッパー体(110L,110R)を左右植付け体(25)又は上下動機構(26)に設けると共に、該左右スクレーパ(104L,104R)、左右バネ(109L,109R)及び左右ストッパー体(110L,110R)を上下動機構(26)の左右両側に各々振り分けて配置したことを特徴とする請求項3記載の移植機。
【請求項5】
左右植付け体(25)の各植付け片(25F,25R)が機体進行方向に対して前後方向に開口して移植物を移植する構成とし、スクレーパアーム(102)に各々回動自在に設けた左右スクレーパ(104L,104R)が機体進行方向に対して左右方向に回動し、左右スクレーパ(104L,104R)の各先端部に設けた左右スクレーパ体(108)が各々左右植付け体(25)内に内側方から入り込む構成としたことを特徴とする請求項4に記載の移植機。
【請求項6】
左右スクレーパ(104L,104R)の回動を規制して、左右スクレーパ(104L,104R)先端の左右スクレーパ体(108)を各々左右苗植付け体(25)の開口している植付け片(25F,25R)の左右中央位置で停止させる左右回動ストッパー(112L,112R)をスクレーパアーム(102)に設けたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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