説明

積層ワークの製造装置および製造方法

【課題】生産工程を増加させることなくプレス油を効率的に揮発させるに好適な積層ワークの製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】金属材料W1に打抜き加工を施すプレス加工ユニット6Eと、前記打抜き加工された板状ワークWをその順に打抜き方向延長上の筒状空間に滞留させる滞留手段20と、を備える。また、前記滞留手段20に予め設定した枚数まで滞留した段階で滞留した板状ワークWを筒状空間から打抜き方向にノックアウトして、打抜き方向延長上の積層位置に配置された積層治具10に積層するノックアウト手段25を備える。そして、前記滞留手段20に滞留される各板状ワークWと滞留手段20を形成する筒状空間との間において、各板状ワークWの溶接予定部位を内周側に位置させて、板状ワークW若しくは筒状空間の内壁面の少なくとも一方に、打抜き方向に設けた軸方向空間77に乾燥用の気体を供給する気体吹付け通路75を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、モータ用積層コアのように、所定形状に打抜きされた板状ワークを積層治具上に順次積層し、積層された板状ワーク同士を溶接により結束させて形成する積層ワークの製造装置および製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から所定形状に打抜きされた板状ワークを積層治具上に順次積層し、積層された板状ワーク同士を溶接により結束させて形成する積層ワークの製造装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
これは、プレス設備より順次打抜きされる板状ワークを積層治具に積層して積層ワークとしてプレス設備外に取出し、プレス設備外において積層ワークにエアを吹き付けて付着しているプレス油を除去及び揮発させる。このように、エアを吹き付けることでプレス油を揮発させた状態として、積層ワークの板状ワーク同士を溶接する際の溶接気泡の発生を抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−81378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来例では、プレス設備外において板状ワークを積層した積層ワークに対してプレス油を除去及び揮発させるエアを吹付けるようにしているため、エア吹付け工程を必要とし、製造工程が増加し、生産性が低下すると共に生産設備費が増加する課題があった。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、生産工程を増加させることなくプレス油を効率的に揮発させるに好適な積層ワークの製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、板状金属材料に打抜き加工を施して所定の形状の板状ワークに打抜き、複数の前記板状ワークを積層して積層ワークを製造する積層ワークの製造装置を対象とする。
【0008】
本発明の積層ワークの製造装置は、前記金属材料に打抜き加工を施す打抜き加工手段と、前記打抜き加工された板状ワークをその順に打抜き方向延長上の筒状空間に滞留させる滞留手段と、を備える。また、積層ワークの製造装置は、前記滞留手段に予め設定した枚数まで滞留した段階で滞留手段に滞留した板状ワークを筒状空間から打抜き方向にノックアウトして、打抜き方向延長上の積層位置に配置された積層治具に積層するノックアウト手段を備える。
【0009】
そして、本発明では、前記滞留手段に滞留される各板状ワークと滞留手段を形成する筒状空間との間において、各板状ワークの溶接予定部位を内周側に位置させて、板状ワーク若しくは筒状空間の内壁面の少なくとも一方に、打抜き方向に設けた軸方向空間に乾燥用気体を供給する気体供給手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
したがって、本発明では、打抜き加工された板状ワークWは、滞留手段20に滞留する間において、その溶接予定部位が内周側に位置する軸方向空間に乾燥用気体が供給されることにより、流動する乾燥用気体により溶接予定部位に付着するプレス油の揮発が促進される。結果として、生産工程を増加させることなく、プレス油を効率的に揮発させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における第1実施例の積層ワークの製造装置を示す概略構成図。
【図2】同じく第1実施例の積層ワークの製造装置を示す概略平面図。
【図3】積層治具の側面図。
【図4】板状ワークを積層した状態における積層治具の側面図。
【図5】プレス設備の概略側面図。
【図6】プレス設備の下型の平面図。
【図7】プレス設備の要部を示す断面図。
【図8】滞留手段の具体例1を示す拡大図。
【図9】滞留手段の具体例2を示す拡大図。
【図10】滞留手段に乾燥用気体を供給する気体供給手段を示す断面図。
【図11】気体供給手段の作動を示す説明図。
【図12】滞留手段に滞留されている板状ワークのノックアウト作動を示す説明図。
【図13】待機位置の昇降装置を示す概略構成図。
【図14】待機位置の昇降装置を示す概略正面図。
【図15】搬入搬出位置の昇降装置を示す概略構成図。
【図16】積層位置の昇降装置を示す概略構成図。
【図17】転積位置の昇降装置を示す概略構成図。
【図18】搬送装置における縦方向搬送装置を示す概略構成図。
【図19】搬送装置における横方向搬送装置を示す概略構成図。
【図20】滞留手段に板状ワークが滞留している状態を説明する作動図。
【図21】滞留手段への板状ワークの滞留が増加している状態を説明する作動図。
【図22】滞留手段より板状ワークをノックアウトしている状態を説明する説明図。
【図23】第2実施例の積層ワークの製造装置を示す概略構成図。
【図24】第3実施例の積層ワークの製造装置を示す概略構成図。
【図25】昇降装置及び搬送装置の他の例を示す概略構成図。
【図26】本発明の第2実施形態の積層ワークの製造装置を示すプレス設備の下型の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の積層ワークの製造装置および製造方法の一実施形態の第1実施例を図1〜図22に基づいて説明する。図1、2は、本発明を適用した積層ワークの製造装置の第1実施例を示す概略構成図である。
【0013】
図1、2において、積層ワークの製造装置は、モータ用積層コアの板状ワークWを打ち抜く順送り型のプレス加工装置1と、板状ワークWを積層するための積層治具10を、プレス加工装置1に搬入し搬出する昇降装置2および搬送装置3を備える。昇降装置2は、板状ワークWを積層するための積層治具10を、プレス加工装置1の打抜かれた板状ワークWを積層する積層位置A(後述)とその下部の搬入搬出位置B(後述)との間で、昇降させる。搬送装置3は、空の積層治具10をプレス加工装置1の搬入搬出位置Bに搬送し、板状ワークWが積層された積層治具10をプレス加工装置1の搬入搬出位置Bから外部に搬送する。これらプレス加工装置1、昇降装置2および搬送装置3は、制御装置4により制御される。
【0014】
本実施形態における板状ワークWを積層するための積層治具10は、図3に示すように、円柱部11と円柱部11を下側から支持する台座12とから構成されている。円柱部11はプレス加工装置1により打抜きされる板状ワークWの内周孔に嵌合(隙間嵌め)する外径寸法を備える円柱状に形成されている。なお、ここでの板状ワークWは、積層されてモータ若しくはジェネレータのステータコアを構成するものとする。円柱部11の外周には、等角度間隔において軸方向に延びるキー13を突出させて備える。このキー13は、プレス加工装置1により打抜きされて外周に嵌合する板状ワークWのスロットの内周側開口に係合して、板状ワークWの回転方向の位置決めを行う。また、円柱部11の外周の上端側には、上部に至るに連れて小径となるテーパ状の面取り14が施されている。このテーパ状の面取り14は、プレス加工装置1により打ち抜かれた板状ワークWを案内して円柱部11外周に円滑に移動・嵌合するようにしている。円柱部11の内部は、図示しないが、上下方向に複数の肉抜き孔が形成されて、軽量化が図られている。
【0015】
台座12は、プレス加工装置1により打抜きされる板状ワークWの外径より若干小さい外径を備える円盤状に形成されている。台座12の上面には、円柱部11の外径より僅かに大きく形成した受け孔15を備え、円柱部11の下端をこの受け孔15に挿入して、両者は一体となって搬送および昇降される。また、受け孔15の内径が円柱部11の外径より僅かに大きく形成していることにより、台座12に対して受け孔15の範囲内で円柱部11を横方向に移動可能としている。台座12の外周は、下側で小径となる段付き部16を備え、この段付き部16には下から搬送装置3のスライダ42が係合して、円柱部11と台座12とからなる積層治具10をスライダ42により搬送するようにしている。
【0016】
図4は、積層治具10に板状ワークWを積層した状態を示すものである。図4に示すように、積層治具10に積層される板状ワークWは、台座12の外径より外周を突出させて、台座12の上面に積み重なる状態で、円柱部11の外周に嵌合することで芯合わせした状態で積層される。そして、板状ワークWは、所定枚数毎に、回転位置方向を所定角度、例えば、90度ずつ、変化させた状態で積層される。
【0017】
板状ワークWを打ち抜く順送り型のプレス加工装置1は、図2及び図5に示すように、ボルスタ5A上に複数(本実施形態では5つ)の加工ユニット6A〜6Eが所定方向(図2,図5では左右方向)へ連続するように並設されている。各加工ユニット6A〜6Eは、基本的に略同一構成をなしている。各加工ユニット6A〜6Eは、夫々各ダイ(打抜き用雌型)7A〜7Eがボルスタ5A上の下型70、ダイホルダ71およびダイリテーナ72等を介して取付固定される。各加工ユニット6A〜6Eは、各ポンチ(打抜き用雄型)8A〜8Eが上下動するスライド5Bに上型80、ポンチリテーナ81等を介して各々取付固定されている。また、各ポンチ8A〜8Eを取囲んで、打抜き加工すべき長尺で薄板形状の金属材料W1を各ダイ7A〜7Eに押圧するストリッパ9が配置されている。
【0018】
前記順送り型のプレス加工装置1の稼働時には、長尺で薄板形状の金属材料W1が前記各ダイ7A〜7Eと各ポンチ8A〜8Eとの間に配置される。そして、長尺で薄板形状の金属材料W1は、前記各加工ユニット6A〜6E間を上流側から下流側(図2,図5では左側から右側)へ間欠的に順送りされるようになっている。そして、長尺で薄板形状の金属材料W1は、各加工ユニット6A〜6Eで前記各ダイ7A〜7Eと各ポンチ8A〜8Eとにより所定のプレス加工が行われるようになっている。
【0019】
具体的には、長尺で薄板形状の金属材料W1には、図示しないが、金型の磨耗を抑制するために、プレス油が噴霧状に吹き付けられる。そして、図6に示すように、上流側から一番目の加工ユニット6Aにおいて、金属材料W1を順送プレスするために、先ず金属材料W1を位置決めするためのパイロット穴WAの穴明け加工が実施される。次いで、二番目の加工ユニット6Bではステータコアの内径穴WBの打抜き加工が実施され、三番目の加工ユニット6CではステータコアのティースWCの打抜き加工が実施される。次いで、四番目の加工ユニット6Dでは溶接予定部位を構成する溶接用溝WDの打抜き加工が実施され、五番目の加工ユニット6Eではステータコア用の製品形状をなす板状ワークWが打抜きされる。このため、打抜きされた板状ワークWは、内周側において第二加工ユニット6Bと第三加工ユニット6Cにより形成された内径穴WB及びスロットWCを備え、外周側において第四加工ユニット6Dと第五加工ユニット6Eにより形成された溶接用溝WDと外周部とを備える形状となる。
【0020】
五番目の加工ユニット6Eの下型70は、図7に示すように、円形の打抜き孔を備えるダイ7Eと、ダイ7Eを保持するダイリテーナ72と、これらを支持するダイホルダ71と、を支持して備える。ダイ7E若しくはダイリテーナ72には、ポンチ8Eにより打抜きされた板状ワークWを、打ち抜き方向に延びる筒状の内径穴内に保持する滞留手段20を備える。滞留手段20としては、図8に示すように、ダイ7E若しくはダイリテーナ72を構成する内径穴の底面部側の内周径を打抜きされた板状ワークWの外径よりも微少寸法、例えば、10μm程度に小さく形成した小径部21により、内径穴内に板状ワークWを保持するように形成されている。また、図9に示すように、背面に設けたスプリングの付勢力により、ダイ7E若しくはダイリテーナ72の内径穴の内面から先端が突出するチェックボール22により、打抜きされた板状ワークWをダイ7Eの内径穴内に保持するように形成してもよい。
【0021】
滞留手段20によりダイ7Eの内径穴内に滞留させる板状ワークWの最大枚数は、滞留部分の軸方向寸法Sによって設定できる。即ち、滞留部分の軸方向寸法S(例えば16mm)を打ち抜かれた板状ワークWの厚さ寸法で除算した数値が最大滞留枚数となる。滞留部分の軸方向寸法Sは、ポンチ8Eにより打ち抜かれてダイ7E内に押込まれた板状ワークW下端と、前者においては小径部21との間の軸方向寸法となり、後者においてはチェックボール22の上端との間の軸方向寸法となる。
【0022】
滞留手段20を構成するダイ7E若しくはダイリテーナ72には、その内径穴に滞留されている板状ワークWに設けられている複数(図6に示す例では四箇所)の溶接用溝WDに乾燥用気体(空気)を吹付ける気体吹付け通路75を備える。この気体吹付け通路75は、図6,10に示すように、一端が滞留している板状ワークWの各溶接用溝WDに対応する位置においてダイ7E若しくはダイリテーナ72の内径穴に開口され、他端が金型(下型70)に設けた気体導入口76に連通させて形成されている。気体導入口76には金型外部の気体供給源から供給される乾燥用気体が管路を介して供給される。また、滞留手段20を構成するダイ7E若しくはダイリテーナ72の内径穴と滞留している板状ワークWとの間には、隙間が例えば10μm程度の隙間が存在する一方、図11に示すように、溶接用溝WDと内径穴とで形成される軸方向に延びる軸方向空間77が形成される。なお、乾燥用気体としては、乾燥空気が一般的であるが、他の乾燥用ガスであってもよい。
【0023】
前記五番目の加工ユニット6Eの上型80は、図7に示すように、薄板形状の金属材料W1(コイル材)から板状ワークWを打抜き加工するポンチ8E、ポンチ8Eを上型80に保持するポンチリテーナ81、ポンチリテーナ81に支持されてコイル材W1を下型70側に押え付けるストリッパ9を備える。また、上型80は、ポンチ8Eを介してダイ7E内に滞留する板状ワークWを積層治具10に押出すノックアウト手段25を備える。
【0024】
五番目の加工ユニット6Eに設けられている、コイル材W1を押え付けるストリッパ(パッド)9Bは、図10に示すように、第一〜四番目の加工ユニット6A〜6Dのストリッパ(パッド)9Aとは独立させて設けている。このパッド9Bは、第一〜四番目の加工ユニット6A〜6Dのストリッパ(パッド)9Aのパッドスプリング9Cとは別のパッドスプリング9Dを介して上型80に支持されている。そして、このパッド9Bは、第一〜四番目加工ユニット6A〜6Dのストリッパ(パッド)9Aよりも先行した下方位置に配置されている。
【0025】
ノックアウト手段25は、ポンチ8Eの背面と上型80との間に配置されたカムプレート26と、カムプレート26を待機位置と作動位置との間で移動させるアクチュエータとしてのエアシリンダ27と、を備える。前記カムプレート26とポンチ8E背面には、カムプレート26が待機位置に位置する時には互いに山と谷とが係合してポンチ8Eを通常位置に位置決めする波状カム28が夫々形成されている。そして、エアシリンダの動作によりカムプレート26が作動位置に押出された際には、波状カム28の山と山とが係合してポンチ8Eを通常位置からカムストローク分(例えば、前述の滞留部分の軸方向寸法Sと同寸法である16mm)だけ押出すように作動する。ノックアウト手段25のエアシリンダ27は、上型80が下死点を過ぎて上死点への上昇開始時に作動され、上死点を過ぎて上型80が下がるころまでに、カムプレート26を待機位置から作動位置に移動させて、ポンチ8Eを前進させる。また、ノックアウト手段25のエアシリンダ27は、上型80が下死点を過ぎた時点で、カムプレート26を作動位置から待機位置に移動させて、ポンチ8Eを通常位置に復帰させる。
【0026】
このため、図10に示すように、カムプレート26が待機位置に位置している時には、ポンチ8Eは第一〜四番目加工ユニット6A〜6Dのポンチ8A〜8Dと同等な通常位置に位置する。そして、プレス設備の下死点への作動時には、パッド9Bは第一〜四番目の加工ユニット6A〜6Dのストリッパ(パッド)9Aよりも先行してコイル材W1に当接して、ダイ7Eに対してコイル材W1を押付けて拘束するよう作動する。この状態において、ポンチ8Eは、コイル材W1から板状ワークWを打抜いた状態、即ち、打抜き時のポンチ8Eのダイ7E内への進入量が規定値に達した後に、そのまま上昇する。従って、打ち抜かれた板状ワークWは、滞留手段20によりダイ7Eの内径穴内に滞留する。即ち、打抜き時のポンチ8Eのダイ7E内への進入量が、例えば、0.5mmとすれば、打ち抜かれて滞留する板状ワークWは、ダイ7Eの上端から0.5mmの位置に滞留することとなる。この場合に、先行して打ち抜かれて滞留する板状ワークWがある場合には、新たに打ち抜かれた板状ワークWは、滞留する板状ワークWをダイ7Eの内径穴内で下側へ押し下げつつ、ダイ7E内に滞留することとなる。
【0027】
また、図7,12に示すように、カムプレート26がエアシリンダ27の動作により作動位置に押出された際には、ポンチ8Eは第一〜五番目加工ユニット6A〜6Dのポンチ8A〜8Dよりも、カムストローク分だけ突出される。そして、プレス設備の下死点への作動時に、ポンチ8Eがカムストローク分だけ突出された場合においても、この突出されたポンチ8Eのコイル材W1上面への当接に先行してパッド9Bがコイル材W1を押付けて拘束する。この状態において、ポンチ8Eはコイル材W1から板状ワークWを打抜く。
【0028】
そして、ポンチ8Eは、板状ワークWを打ち抜いた状態からさらにダイ7E内に浸入して、滞留手段20によりダイ7Eの内径穴内に滞留する板状ワークWをダイ7Eの下側に押出す。同時に、第一〜四番目加工ユニット6A〜6Dにおいては、夫々のピアス加工、打抜き加工が実施される。押出された板状ワークWは、積層治具10に積層保持される。ノックアウト手段25は、滞留手段20に滞留する板状ワークWが予め設定した枚数に達する毎に作動して、板状ワークWを滞留手段20より積層治具10に受渡すよう作動する。
【0029】
以上のように、プレス加工装置1は、打抜き加工された板状ワークWをその順に打抜き方向延長上に滞留させる滞留手段20を備える。また、プレス加工装置1では、予め設定した枚数まで滞留した段階で複数枚の板状ワークWを打抜き方向にノックアウトして、打抜き方向延長上の積層位置Aにある積層治具10に積層するノックアウト手段25と、を備える。このため、滞留手段20に滞留する打抜き加工された板状ワークWは、その枚数が予め設定した枚数に到達する度に、間欠的にノックアウト手段25により積層治具10に積層される。従って、金型装置の打抜き加工が継続されても、ノックアウト手段25が作動していない期間は、積層治具10を積層位置Aから移動させることができ、積層治具10の交換等を実行することができる。
【0030】
積層治具10を昇降させる昇降装置2は、図13,14に示すように、構成している。即ち、昇降装置2は、上下方向に昇降可能な昇降ベース30と、昇降ベース30を上下方向に昇降移動させる昇降駆動手段31と、昇降ベース30に取付けられて、積層治具10を下方から保持して昇降する昇降テーブル32と、を備える。
【0031】
昇降ベース30は、ベースプレート30Aの上下方向に配置された昇降レール30Bに沿って上下方向に移動可能な昇降スライダ30Cに固定され、上下方向に昇降可能となっている。
【0032】
昇降駆動手段31は、ベースプレート30Aの背面に配置されたサーボモータ31Aにより駆動される駆動プーリ31Bとベースプレート30Aに回転可能に設けた従動プーリ31Cとに巻掛けられたベルト31Dを備え、昇降ベース30に固定したブラケット31Eがベルト31Dの一部に連結される構造となっている。昇降駆動手段31は、サーボモータ31Aにより駆動プーリ31Bを駆動することによりベルト31Dを移動及び停止させ、移動及び停止するベルト31Dを介して、昇降ベース30を上下方向に昇降させ且つ上下方向に位置決めする。
【0033】
昇降テーブル32は、昇降ベース30にブラケット32Aを介してその基部が固定され、基部から立設させて回転可能に構成されている。昇降テーブル32の軸心は、三番目の加工ユニット6Eの軸心と同芯位置に配置されている。昇降テーブル32は昇降ベース30と共に上下方向に昇降され、下端位置からの上昇時に積層治具10の台座12の下部に当接して、積層治具10を搬送装置3より移載して、積層治具10を三番目の加工ユニット6Eの軸心に沿って昇降可能である。
【0034】
また、昇降テーブル32の基部にはサーボモータ33が配置され、サーボモータ33を駆動することにより昇降テーブル32を回転させ、サーボモータ33を停止させることにより昇降テーブル32を所定の回転角度に位置決めする。積層治具10は昇降テーブル32上に載置されて、昇降テーブル32の昇降及び上下方向の位置決めに伴い同時に昇降及び上下方向の位置決めがなされ、昇降テーブル32の回転及び回転角度の位置決めに伴い同時に回転および回転角度の位置決めがなされる。
【0035】
昇降装置2には、昇降テーブル32が最下端に下降された待機位置C(図13)、搬送装置3との間で積層治具10を受渡しする搬入搬出位置B(図15)、及び最上端に上昇して打ち抜かれた板状ワークWを受入れて積層する積層位置A(図16)を夫々検出する近接センサA1〜C1を備える。
【0036】
即ち、近接センサC1により検出した昇降テーブル32が待機位置C(図13)にある場合には、昇降テーブル32の上端は搬送装置3上の搬入搬出位置Bにある積層治具10から下方に離れて位置する。
【0037】
また、昇降テーブル32が待機位置Cから上昇されて、近接センサB1により搬入搬出位置B(図15)に到達したと検出された場合には、昇降テーブル32の上面と搬送装置3上にある積層治具10の下面とが接触する。このため、搬送装置3と昇降テーブル32との間での積層治具10の搬出・搬入が可能となる。
【0038】
さらに、昇降テーブル32が上昇して近接センサA1により検出される場合には、積層治具10を三番目の加工ユニット6Eにおける下型70のダイ7E内に積層治具10を上昇させた積層位置A(図16、図13の破線図示)に位置する。
【0039】
また、昇降テーブル32は、予め設定した枚数の板状ワークWが滞留手段20からノックアウト手段25により積層治具10に向かって押出される毎に下方へ下降させ、図17に示すように、積層治具10を転積位置Dに下降させる。上記した滞留手段20から下方へ抜かれた転積位置Dでは、積層治具10の上端が滞留手段20の下端から外れる位置となる。この転積位置Dにおいて、積層治具10はサーボモータ33により昇降テーブル32と共に回転される。そして、積層治具10は、回転位置方向を所定角度、例えば、90度回転させて停止され、その後上昇させて、再び図16の積層位置Aに上昇される。
【0040】
搬送装置3は、図2に示すように、板状ワークWが積層された積層治具10を昇降装置2の搬入搬出位置Bから搬出し、次いで、空の積層治具10を順送り型のプレス加工装置1の下方に位置する昇降装置2の搬入搬出位置Bへ搬入するよう作動する。
【0041】
このために、順送り型のプレス加工装置1の下方に一端が配置され、他端が順送り型のプレス加工装置1の下方から突出すよう縦方向に配置された縦方向搬送装置40を備える。また、縦方向搬送装置40に空の積層治具10を搬入し、縦方向搬送装置40から板状ワークWが積層された積層治具10を搬出する横方向搬送装置50を備える。横方向搬送装置50は、前工程より空の積層治具10を受入れ、当該工程で板状ワークWが積層された積層治具10を次工程へ搬出するよう作動する。また、縦方向搬送装置40と横方向搬送装置50とが上下方向に異なった高さに配置されていることから、上下方向に作動するよう配置されて縦方向搬送装置40と横方向搬送装置50との間で積層治具10を受渡しする上下方向搬送装置60を備える。
【0042】
この搬送装置3の構成は、上記構造に限定されるものではなく、昇降装置2の搬入搬出位置Bへ空の積層治具10を搬入し、昇降装置2の搬入位搬出置Bから打ち抜かれた板状ワークWが積層された積層治具10を搬出するよう作動するものであれば、他の構成のものであってもよい。
【0043】
縦方向搬送装置40は、図18に示すように、昇降装置2と上下方向搬送装置60との間に配置された搬送レール41上をスライドするスライダ42を備える。スライダ42は、横方向搬送装置50側のサーボモータ43により駆動される駆動プーリ44と昇降装置2側の従動プーリ45との間に巻掛けしたベルト46によりレール41上を移動可能である。そして、スライダ42が昇降装置2の搬入搬出位置Bに到達したこと、及び、スライダ42が上下方向搬送装置60の昇降テーブル61に位置することを夫々検出する近接センサE1,F1を備える。
【0044】
このため、縦方向搬送装置40は、打ち抜かれた板状ワークWが積層された積層治具10を昇降装置2の搬入搬出位置Bから上下方向搬送装置60の昇降テーブル61上に搬送する。次いで、スライダ42上に空の積層治具10を載置して、上下方向搬送装置60の昇降テーブル61上から昇降装置2の搬入搬出位置Bに搬送する。
【0045】
上下方向搬送装置60は、図18,19に示すように、横方向搬送装置50と縦方向搬送装置40との間でサーボモータ62により昇降する昇降テーブル61を備える。そして、昇降テーブル61の上面は、上昇位置においては横方向搬送装置50の搬送レール51、52上面と同一面を構成し、下降位置においては縦方向搬送装置40の搬送レール41上面と同一面を構成する。
【0046】
このため、上下方向搬送装置60は、下降位置において縦方向搬送装置40により搬送された、打ち抜かれた板状ワークWが積層された積層治具10を昇降テーブル61上に受入れ、昇降テーブル61を上昇させることにより積層治具10をスライダ42より離脱させて上昇する。そして、上昇位置において昇降テーブル61上の積層治具10を横方向搬送装置50に移載させる。ついで、上下方向搬送装置60は、上昇位置において横方向搬送装置50により搬送された空の積層治具10を昇降テーブル61上に受入れ、下降位置に移動して昇降テーブル61上の空の積層治具10を縦方向搬送装置40のスライダ42上に載せて、縦方向搬送装置40に移載させる。
【0047】
横方向搬送装置50は、図19に示すように、上下方向搬送装置60を挟んで前後に連なる2本の搬送レール51,52を備え、上流側の搬送レール51にはワークである積層治具10を搬送レール51の下流側に一ピッチずつ押し圧するサーボモータ53が配置されている。上流側の搬送レール51上には前工程から受入れた空の積層治具10が並べて配置され、上下方向搬送装置60を挟んで下流側の搬送レール52上には上下方向搬送装置60から移載された、打ち抜かれた板状ワークWが積層された積層治具10が並べて配置されている。ワークである積層治具10が一ピッチずつ搬送されたかどうかは、図2に示すように、レールサイドに配置された複数の近接センサG1〜G6により検出されるようになっている。
【0048】
この横方向搬送装置50は、打ち抜かれた板状ワークWを積層した積層治具10を載置して上下方向搬送装置60の昇降テーブル61が上昇位置へ上昇された時点で作動を開始する。そして、上下方向搬送装置60の昇降テーブル61上の積層治具10を、上流側搬送レール51上に並べられた空の積層治具10を一ピッチ分だけサーボモータ53により下流側に押出すことにより、昇降テーブル61上の積層治具10を下流側の搬送レール52上に移載させる。同時に上流側の搬送レール51上の空の積層治具10を上下方向搬送装置60の昇降テーブル61上に移載させるよう作動する。
【0049】
以上の搬送装置3は、打ち抜かれた板状ワークWが積層された積層治具10が昇降装置2により搬入搬出位置Bに下降された段階で起動され、この積層治具10は縦方向搬送装置40により上下方向搬送装置60側へ搬送される。積層治具10が上下方向搬送装置60の昇降テーブル61上に搬入されると、積層治具10は上下方向搬送装置60の昇降テーブル61により横方向搬送装置50に搬入される。横方向搬送装置50は搬送レール51上の積層治具10を一ピッチ分だけ下流側へ押出し、板状ワークWを積載した積層治具10を下流側の搬送レール52上に押出し、代りに空の積層治具10を上下方向搬送装置60の昇降テーブル61上に移載する。
【0050】
上下方向搬送装置60は昇降テーブル61を下降させ、空の積層治具10を縦方向搬送装置40のスライダ42上に移載させる。縦方向搬送装置40は、空の積層治具10を搬送して、スライダ42を昇降装置2の搬入搬出位置Bに搬入する。以上の動作が、打ち抜かれた板状ワークWが積層された積層治具10が昇降装置2により搬入搬出位置Bに下降される毎に繰返される。
【0051】
以上の構成になるプレス加工装置1、昇降装置2および搬送装置3は、制御装置4により夫々が制御されて同期して作動する。以下において、積層ワークの製造装置および製造方法の動作について説明する。
【0052】
順送り型のプレス加工装置1が稼働され、長尺で薄板形状の金属材料W1が前記各ダイ7A〜7Eと各ポンチ8A〜8Eとの間に配置される。そして、長尺で薄板形状の金属材料W1が各加工ユニット6A〜6E間を上流側から下流側(図2,図5では左側から右側)へ間欠的に順送りされる。そして、各加工ユニット6A〜6Eで、各ダイ7A〜7Eと各ポンチ8A〜8Eとにより所定のプレス加工が行われる。即ち、上流側から二番目〜三番目の加工ユニット6B,6Cではステータコアの内径部及びスロット部分が製品形状に不要な端材として打抜きされ、四番目の加工ユニット6Dでは溶接用溝WDの打抜きがされ、五番目の加工ユニット6Eではステータコア用の製品形状をなす板状ワークWが打抜きされる。打抜きされた板状ワークWは滞留手段20に順次滞留される(図20参照)。
【0053】
そして、搬送装置3が作動され、横方向搬送装置50が搬送レール51上の積層治具10を一ピッチ分だけ下流側へ押出し、空の積層治具10を上下方向搬送装置60の昇降テーブル61上に移載する。上下方向搬送装置60は昇降テーブル61を下降させ、空の積層治具10を縦方向搬送装置40のスライダ42上に移載させる。縦方向搬送装置40は、空の積層治具10を搬送して、スライダ42を昇降装置2の搬入搬出位置Bに搬入する。
【0054】
昇降装置2は、昇降テーブル32を待機位置Cから搬入搬出位置Bに上昇させ、搬送装置3上の搬入搬出位置Bにある空の積層治具10の下面に昇降テーブル32の上面に接触させ、搬送装置3から昇降テーブル32へ空の積層治具10を受取る。そして、昇降テーブル32を上昇させて、積層治具10を三番目の加工ユニット6Eにおける下型70のダイ7E内に積層治具10を積層位置A(図16、図13の破線図示)に上昇させる。ダイ7Eに向かって上昇した積層治具10は、ダイ7Eの滞留手段20により滞留している板状ワークWの内径に対して直接案内されて位置決めされる(図20参照)。
【0055】
新たに打抜きされた板状ワークWは、位置決めされた積層治具10の円柱部11外周と滞留手段20とに係合して順次滞留する(図21参照)。滞留する板状ワークWが予め設定した枚数に達する毎に、ノックアウト手段25が作動され、図22に示すように、滞留している板状ワークWを滞留手段20から積層治具10に押出し、積層治具10に受渡しする。
【0056】
予め設定した枚数の板状ワークWが滞留手段20からノックアウト手段25により積層治具10に向かって押出される毎に、昇降テーブル32が下方へ下降され、図17に示すように、積層治具10を転積位置Dに下降させる。積層治具10は、この転積位置Dにおいて、サーボモータ33により昇降テーブル32と共に回転される。そして、積層治具10は、回転位置方向を所定角度、例えば、90度回転させて停止され、その後上昇させて、再び図16の積層位置Aに上昇される。
【0057】
上記転積位置Dへ積層治具10が下降された間において打抜きされた板状ワークWは、滞留手段20に順次滞留する。積層位置Aに上昇する積層治具10は、ダイ7Eの滞留手段20により滞留している板状ワークWの内径に対して直接案内されて位置決めされる(図20参照)。
【0058】
プレス加工装置1の打抜き動作が繰返されることにより、積層治具10の積層位置Aと転積位置Dとの昇降動作が繰り返し実施され、積層治具10に積層されている板状ワークWの枚数が所望の枚数になると、積層治具10は昇降装置2により搬入搬出位置Bまで下降される。
【0059】
搬送装置3は、打ち抜かれた板状ワークWが積層された積層治具10が昇降装置2により搬入搬出位置Bに下降された段階で、積層治具10を縦方向搬送装置40のスライダ42上に移載して受取る。そして、昇降装置2は待機位置Cに移動する。 縦方向搬送装置40は、スライダ42上の積層治具10を上下方向搬送装置60側へ搬送する。積層治具10が上下方向搬送装置60の昇降テーブル61上に搬入されると、積層治具10は上下方向搬送装置60の昇降テーブル61により横方向搬送装置50に搬入される。
【0060】
横方向搬送装置50は搬送レール51上の積層治具10を一ピッチ分だけ下流側へ押出し、板状ワークWを積載した積層治具10を下流側の搬送レール52上に押出し、代りに空の積層治具10を上下方向搬送装置60の昇降テーブル61上に移載する。上下方向搬送装置60は昇降テーブル61を下降させ、空の積層治具10を縦方向搬送装置40のスライダ42上に移載させる。縦方向搬送装置40は、空の積層治具10を搬送して、スライダ42を昇降装置2の搬入搬出位置Bに搬入する。
【0061】
昇降装置2は、昇降テーブル32を待機位置Cから搬入搬出位置Bに上昇させ、搬送装置3上の搬入搬出位置Bにある空の積層治具10の下面に昇降テーブル32の上面に接触させ、搬送装置3から昇降テーブル32へ空の積層治具10を受取る。そして、昇降テーブル32を上昇させて、積層治具10を三番目の加工ユニット6Eにおける下型70のダイ7E内に積層治具10を積層位置A(図16、図13の破線図示)に上昇させる。
【0062】
ダイ7Eに向かって上昇した積層治具10は、ダイ7Eの滞留手段20により滞留している板状ワークWの内径に対して直接案内されて位置決めされる(図20参照)。新たに打抜きされた板状ワークWは、位置決めされた積層治具10の円柱部11外周と滞留手段20とに係合して順次滞留する(図21参照)。
【0063】
そして、滞留手段20を構成するダイ7E若しくはダイリテーナ72の内径穴と滞留している板状ワークWとの間には、隙間が例えば10μm程度の隙間が存在する一方、図11に示すように、溶接用溝WDと内径穴とで形成される軸方向に延びる軸方向空間77が形成されている。このため、滞留している板状ワークWの溶接用溝WDに吹付けられた乾燥用気体は、滞留している板状ワークWの溶接用溝WDによって形成された軸方向空間77に沿って上下方向に流れ、溶接用溝WDに付着しているプレス油の揮発を促進させる。また、軸方向空間77に沿って上方へ流れる乾燥用気体は、滞留する最上端の板状ワークWと順送りされた未だ打抜きされていない長尺薄板形状の金属材料W1の下面とで形成される上部空間78に流れる。そして、この上部空間78から薄板形状の金属材料W1に形成されている穴(内径穴WB及びスロットWC、溶接用溝WD)を通して金属材料W1の上部へ流れる。このため、上部空間78に露出している最上端の板状ワークWの上面及びダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1の下面に付着しているプレス油の揮発を促進させるよう作用する。従って、打抜きにより滞留手段20に順次積層される板状ワークWの上下面に付着しているプレス油の揮発を促進させることができる。なお、上述のようにダイ7E上に載置されている状態において、未だ打抜きされていない金属材料W1の下面に付着しているプレス油の揮発が促進されるが、未だ打抜きされていない金属材料W1の上面には乾燥気体は流れないため、金属材料W1の上面のプレス油は揮発が促進されることはなく、プレス油の機能(ポンチの磨耗抑制)は実現される。
【0064】
順次打ち抜かれた板状ワークWが滞留され、ノックアウト手段25により積層治具10に積層され、転積位置Dに後退して所定角度回転されて再び積層位置Aに上昇されることが繰り返される。そして、積層治具10に打ち抜かれた板状ワークWが所定量に達した段階で、再び、昇降装置2および搬送装置3により搬出されると共に空の積層治具10が搬送装置3および昇降装置2により搬入される。以上の動作が繰返されて、プレス加工装置1を停止させることなく、板状ワークWの打抜きおよび積層が連続的に実行される。
【0065】
図23は積層ワークの製造装置および製造方法の第2実施例を示す滞留手段の断面図である。本実施例においては、滞留手段20に滞留されている板状ワークWに設けられている複数の溶接用溝WDに乾燥用気体(空気)を吹付ける、ダイ7E若しくはダイリテーナ72に設けられている気体吹付け通路75の出口を上向きに形成したものである。その他の構成は、第1実施例と同様に構成している。
【0066】
本実施例では、気体吹付け通路75の出口を上向きに形成しているため、吹付けられた乾燥用気体は、滞留している板状ワークWの溶接用溝WDによって形成された軸方向空間77に沿って上方向に流れ、溶接用溝WDに付着しているプレス油の揮発を促進させる。軸方向空間77に沿って上方へ流れる乾燥用気体は、滞留する最上端の板状ワークWと順送りされた未だ打抜きされていない長尺薄板形状の金属材料W1の下面とで形成される上部空間78に流れる。そして、この上部空間78から薄板形状の金属材料W1に形成されている穴(内径穴WB及びスロットWC、溶接用溝WD)を通して金属材料W1の上部へ流れる。このため、上部空間78に露出している最上端の板状ワークWの上面及びダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1の下面に付着しているプレス油の揮発を促進させるよう作用する。従って、打抜きにより滞留手段20に順次積層される板状ワークWの上下面に付着しているプレス油の揮発を促進させることができる。
【0067】
また、上部空間78に乾燥用気体が流れ込む際に、ダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1の下面に突き当たって跳ね返ることにより上部空間78に流れ込むため、未だ打抜きされていない金属材料W1をダイ7Eより浮かせるよう作用する。このため、長尺薄板形状の金属材料W1を各加工ユニット間を上流側から下流側に間歇的に順送りする際に、下型70から上昇させる図示しないリフタの作動を助けて、円滑に順送りさせることができる。
【0068】
図24は積層ワークの製造装置および製造方法の第3実施例を示す滞留手段の断面図である。本実施例においては、滞留手段20に滞留されている板状ワークWに設けられている複数の溶接用溝WDに乾燥用気体を吹付ける、ダイ7E若しくはダイリテーナ72に設けられている気体吹付け通路75の出口を下向きに形成したものである。その他の構成は、第1実施例と同様に構成している。
【0069】
本実施例では、気体吹付け通路75の出口を下向きに形成しているため、吹付けられた乾燥用気体は、滞留している板状ワークWの溶接用溝WDによって形成された軸方向空間77に沿って下方向に流れ、溶接用溝WDに付着しているプレス油の揮発を促進させる。軸方向空間77に沿って下方へ流れる乾燥用気体は、滞留する最上端の板状ワークWと順送りされた未だ打抜きされていない長尺薄板形状の金属材料W1の下面とで形成される上部空間78の空気を吸引して排出するように流れる。
【0070】
そして、この上部空間78には、薄板形状の金属材料W1に形成されている穴(内径穴WB及びスロットWC、溶接用溝WD)を通して金属材料W1の上部から空気が導入される。このため、上部空間78に露出している最上端の板状ワークWの上面及びダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1の下面に付着しているプレス油の揮発を促進させるよう作用する。従って、打抜きにより滞留手段20に順次積層される板状ワークWの上下面に付着しているプレス油の揮発を促進させることができる。同時に、上記乾燥用の気体流により、板状ワークWの打ち抜き時に発生するバリ破片やコンタミも外部に排出させることができる。また、上部空間78の空気を吸引する際に、ダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1を吸付けるよう作用するため、金属材料W1から打抜きされる板状ワークWを吸引して滞留される方向に確実に移動させることができる。
【0071】
なお、上記実施形態において、板状ワークWとして、積層されてモータ若しくはジェネレータのステータコアを構成するものについて説明したが、積層されてモータ若しくはジェネレータのロータコアを構成するものであってもよい。
【0072】
また、ノックアウト手段25として、ポンチ8Eをノックアウト時に下型70に向けて突出させるものについて説明したが、図25に示すように、ポンチ8Eとは独立したノックアウト装置をアクチュエータにより作動させるものであってもよい。
【0073】
また、積層治具10を昇降させ搬送するものとして、昇降装置2及び搬送装置3を用いるものについて説明した。しかし、図25に示すように、搬送路から出没する昇降装置2の昇降シリンダ35により昇降する回転テーブル36により持上げて積層治具10を、積層位置A、転積位置D、搬入搬出位置Bに昇降させルものであってもよい。加えて、搬送路を走行する無人搬送台車AGVにより空の積層治具10を供給すると共に所定枚数の板状ワークWを積層した積層治具10を無人搬送台車AGVにより次工程へ搬送するものであってもよい。
【0074】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【0075】
(ア)板状金属材料W1に打抜き加工を施して所定の形状の板状ワークWに打抜き、複数の前記板状ワークWを積層して積層ワークを製造する積層ワークの製造装置であり、前記金属材料W1に打抜き加工を施す打抜き加工手段としてのプレス加工ユニット6Eと、前記打抜き加工された板状ワークWをその順に打抜き方向延長上の筒状空間に滞留させる滞留手段20と、を備える。また、積層ワークの製造装置は、前記滞留手段20に予め設定した枚数まで滞留した段階で滞留手段20に滞留した板状ワークWを筒状空間から打抜き方向にノックアウトして、打抜き方向延長上の積層位置に配置された積層治具10に積層するノックアウト手段25を備える。そして、前記滞留手段20に滞留される各板状ワークWと滞留手段20を形成する筒状空間との間において、各板状ワークWの溶接予定部位を内周側に位置させて、板状ワークW若しくは筒状空間の内壁面の少なくとも一方に、打抜き方向に設けた軸方向空間77に乾燥用の気体を供給する気体供給手段としての気体吹付け通路75を備える。
【0076】
即ち、打抜き加工された板状ワークWは、滞留手段20に滞留する間において、その溶接予定部位が内周側に位置する軸方向空間77に乾燥用の気体が供給されることにより、流動する乾燥用の気体により溶接予定部位に付着するプレス油の揮発が促進される。また、軸方向空間77は、軸方向に配置されているため、打抜き加工手段により打抜きされる金属材料W1と滞留された板状ワークWとの間の上部空間78にも連通されることにより、軸方向空間77に乾燥用の気体が流動することに伴い上部空間78にも乾燥用の気体が流れる。このため、板状ワークWとして打抜きされる前後において上部空間78を流動する乾燥用の気体にその両面が順次さらされることとなり、板状ワークWの両面に付着するプレス油の揮発も促進させることができる。結果として、生産工程を増加させることなく、プレス油を効率的に揮発させることができる。
【0077】
(イ)軸方向空間77は、板状ワークWの外周の溶接予定部位として打抜き形成された溶接用溝WDにより形成されている。このため、溶接用溝WDを打抜き加工する加工ユニット6D及び板状ワークWを打抜き加工する加工ユニット6Eを備える一般的に使用されている金型構成を変更することなく適用することができる。
【0078】
(ウ)第2実施例では、気体供給手段は、供給した乾燥用の気体が前記軸方向空間77内において打抜き加工手段としてのプレス加工ユニット6Eに向かう上方向の流れを生ずるように供給する。このため、第1実施例の効果(ア)に加えて、未だ打抜きされていない金属材料W1をダイ7Eより浮かせるよう作用させることができ、長尺薄板形状の金属材料W1を上流側から下流側に間歇的に順送りする際に、下型70から上昇させるリフタの作動を助けて、円滑に順送りさせることができる。
【0079】
(エ)第3実施例では、気体供給手段は、供給した乾燥用の気体が前記軸方向空間77内において打抜き加工手段から離れる下方向の流れを生ずるように供給する。このため、第1実施例の効果(ア)に加えて、気体流により、板状ワークWの打ち抜き時に発生するバリ破片やコンタミも外部に排出させることができる。また、上部空間78の空気を吸引する際に、ダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1を吸付けるよう作用するため、金属材料W1から打抜きされる板状ワークWを吸引して滞留される方向に確実に移動させることができる。
【0080】
(オ)滞留手段20は、金型装置のダイ7E上端から打抜き方向に予め設定した寸法を隔てた軸方向位置において、ダイ7E若しくはダイリテーナ72の内周径を小径とするか、または、ダイ7E若しくはダイリテーナ72の内周に突出する突起により内周径を小径化して構成した。このため、簡単なダイ7E若しくはダイリテーナ72の変更により板状ワークWの滞留を実現できる。
【0081】
(カ)ノックアウト手段25は、金型装置の上型80と打抜きポンチ8Eとの間に配置され、作動位置において打抜きポンチ8Eを上型80に対して突出させるカムプレート26と、カムプレート26を打抜き作動時に作動位置に押圧するアクチュエータ27とにより構成される。そして、打抜き作動時に打抜きポンチ8Eを打抜き方向に突出させる。このため、間欠的に作動するノックアウト手段25の構成をポンチ8Eと兼用することができ、簡単化することができる。
【0082】
(第2実施形態)
図26は、本発明を適用した積層ワークの製造装置および製造方法の第2実施形態を示すプレス加工装置の下型の平面図である。本実施形態においては、板状ワークに溶接用溝を備えずに、溶接予定部位よりプレス油を揮発させるための構成を第1実施形態に追加したものである。なお、第1実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【0083】
図26において、本実施形態のプレス加工装置1では、五番目の加工ユニット6Eのダイ7Eに、板状ワークWとして打抜く外形領域における複数の溶接予定部位に相当する部分に軸方向溝79を設けて構成した。すなわち、ダイ7Eもしくはダイリテーナ72の滞留手段20の筒状空間に、板状ワークWの外周方向に凹むと共に軸方向(板状ワークの積層方向)に伸びる軸方向溝79を設けることにより、滞留している板状ワークWとダイ7Eとの間に軸方向空間77を設けた。この軸方向溝79には、第1実施形態の第1〜3実施例のいずれか一つの気体吹付け通路75を備えて構成した。
【0084】
また、五番目の加工ユニット6Eのダイ7Eに上記した軸方向溝79を形成すると、板状ワークWを全周領域で剪断して打抜けないため、四番目の加工ユニットで予め軸方向溝79に相当する領域を打抜く加工を行うようにしている。即ち、四番目の加工ユニット6Dには、板状ワークWとして打抜く外形領域における複数の溶接予定部位に、板状ワークWの外形輪郭の一部を穴WFとして予め打抜く加工を実行する。このように、板状ワークWの外形輪郭の一部を予め打抜く加工を行うことにより、五番目の加工ユニット6Eで溶接予定部位を除いた外周領域の打抜きで、板状ワークWを打抜くことができる。なお、四番目の加工ユニット6Dで打抜かれた穴WFは、スクラップとなる部分であり、材料の歩留まりには影響を与えない位置である。その他の構成は第1実施形態と同様に構成している。
【0085】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に作用し、同様の効果を得ることができる。即ち、第1実施形態の第1実施例の気体吹付け通路75を用いる場合には、下記のように、作用する。即ち、滞留している板状ワークWの溶接予定部位に吹付けられた乾燥用の気体は、軸方向溝79によって形成された軸方向空間77に沿って上下方向に流れ、溶接予定部位に付着しているプレス油の揮発を促進させる。
【0086】
また、軸方向空間77に沿って上方へ流れる乾燥用の気体は、滞留する最上端の板状ワークWと順送りされた未だ打抜きされていない長尺薄板形状の金属材料W1の下面とで形成される上部空間78に流れる。そして、この上部空間78から薄板形状の金属材料W1に形成されている穴(内径穴WB及びスロットWC、四番目の加工ユニットにより設けた穴WF)を通して金属材料W1の上部へ流れる。このため、上部空間78に露出している最上端の板状ワークWの上面及びダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1の下面に付着しているプレス油の揮発を促進させるよう作用する。従って、打抜きにより滞留手段20に順次積層される板状ワークWの上下面に付着しているプレス油の揮発を促進させることができる。
【0087】
また、第1実施形態の第2実施例の気体吹付け通路75を用いる場合には、下記のように、作用する。気体吹付け通路75の出口を上向きに形成しているため、吹付けられた乾燥用の気体は、軸方向溝79によって形成された軸方向空間77に沿って上方向に流れ、溶接予定部位に付着しているプレス油の揮発を促進させる。軸方向空間77に沿って上方へ流れる乾燥用の気体は、滞留する最上端の板状ワークWと順送りされた未だ打抜きされていない長尺薄板形状の金属材料W1の下面とで形成される上部空間78に流れる。
【0088】
そして、この上部空間78から薄板形状の金属材料W1に形成されている穴(内径穴WB及びスロットWC、四番目の加工ユニットにより設けた穴WF)を通して金属材料W1の上部へ流れる。このため、上部空間78に露出している最上端の板状ワークWの上面及びダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1の下面に付着しているプレス油の揮発を促進させるよう作用する。従って、打抜きにより滞留手段20に順次積層される板状ワークWの上下面に付着しているプレス油の揮発を促進させることができる。
【0089】
また、第1実施形態の第3実施例の気体吹付け通路75を用いる場合には、下記のように、作用する。気体吹付け通路75の出口を下向きに形成しているため、吹付けられた乾燥用の気体は、軸方向溝79によって形成された軸方向空間77に沿って下方向に流れ、溶接予定部位に付着しているプレス油の揮発を促進させる。軸方向空間77に沿って下方へ流れる乾燥用の気体は、滞留する最上端の板状ワークWと順送りされた未だ打抜きされていない長尺薄板形状の金属材料W1の下面とで形成される上部空間78の空気を吸引して排出するように流れる。
【0090】
そして、この上部空間78には、薄板形状の金属材料W1に形成されている穴(内径穴WB及びスロットWC、四番目の加工ユニットにより設けた穴WF)を通して金属材料W1の上部から空気が導入される。このため、上部空間78に露出している最上端の板状ワークWの上面及びダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1の下面に付着しているプレス油の揮発を促進させるよう作用する。従って、打抜きにより滞留手段20に順次積層される板状ワークWの上下面に付着しているプレス油の揮発を促進させることができる。同時に、上記気体流により、板状ワークWの打ち抜き時に発生するバリ破片やコンタミも外部に排出させることができる。また、上部空間78の空気を吸引する際に、ダイ7E上に載置されている未だ打抜きされていない金属材料W1を吸付けるよう作用するため、金属材料W1から打抜きされる板状ワークWを吸引して滞留される方向に確実に移動させることができる。
【0091】
(キ)本実施形態においては、軸方向空間77は、滞留手段20を形成する筒状空間の内壁面に軸方向に形成した軸方向溝により形成されている。このため、外周に溶接用溝WDを備えない板状ワークWにおいても、第1実施形態における効果(ア)、(ウ)〜(カ)を、同様に奏することができる。
【符号の説明】
【0092】
W 板状ワーク
WD 溶接予定部位としての溶接用溝
A 積層位置
B 搬入搬出位置
C 待機位置
D 転積位置
1 金型装置としてのプレス加工装置
2 昇降手段としての昇降装置
3 搬送装置
4 制御装置
5 ボルスタ
6A〜6E 加工ユニット
7A〜7E ダイ
8A〜8E ポンチ
9 ストリッパ
10 積層治具
20 滞留手段
25 ノックアウト手段
26 カムプレート
27 エアシリンダ
28 波状カム
50 横方向搬送装置
40 縦方向搬送装置
60 上下方向搬送装置
70 下型
71 ダイホルダ
72 ダイリテーナ
75 気体供給手段としての空気吹付け通路
77 軸方向空間
78 上部空間
79 軸方向溝
80 上型
81 ポンチリテーナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状金属材料に打抜き加工を施して所定の形状の板状ワークに打抜き、複数の前記板状ワークを積層して積層ワークを製造する積層ワークの製造装置において、
前記金属材料に打抜き加工を施す打抜き加工手段と、
前記打抜き加工された板状ワークをその順に打抜き方向延長上の筒状空間に滞留させる滞留手段と、
前記滞留手段に予め設定した枚数まで滞留した段階で滞留手段に滞留した板状ワークを筒状空間から打抜き方向にノックアウトして、打抜き方向延長上の積層位置に配置された積層治具に積層するノックアウト手段と、
前記滞留手段に滞留される各板状ワークと滞留手段を形成する筒状空間との間において、各板状ワークの溶接予定部位を筒状空間の内周側に位置させて、打抜き方向に設けた軸方向空間に乾燥用気体を供給する気体供給手段と、を備えることを特徴とする積層ワークの製造装置。
【請求項2】
前記軸方向空間は、板状ワークの外周の溶接予定部位として、打抜き形成された板状ワークの内周方向に凹む溶接用溝により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層ワークの製造装置。
【請求項3】
前記軸方向空間は、滞留手段を形成する筒状空間の内壁面に軸方向に形成した軸方向溝により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層ワークの製造装置。
【請求項4】
前記気体供給手段は、供給した乾燥用気体が前記軸方向空間内において打抜き加工手段に向かう上方向の流れを生ずるように供給することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の積層ワークの製造装置。
【請求項5】
前記気体供給手段は、供給した乾燥用気体が前記軸方向空間内において打抜き加工手段から離れる下方向の流れを生ずるように供給することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の積層ワークの製造装置。
【請求項6】
前記滞留手段は、打抜き加工手段のダイ上端から打抜き方向に予め設定した寸法を隔てた軸方向位置において、ダイ若しくはダイリテーナの内周径を小径とするか、または、ダイ若しくはダイリテーナの内周に突出する突起により内周径を小径化して、その筒状空間に板状ワークを保持するように構成したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の積層ワークの製造装置。
【請求項7】
前記ノックアウト手段は、打抜き加工手段の上型と打抜きポンチとの間に配置され、作動位置において打抜きポンチを上型に対して突出させるカムプレートと、カムプレートを打抜き作動時に作動位置に押圧するアクチュエータとにより構成され、打抜き作動時に打抜きポンチを打抜き方向に突出させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の積層ワークの製造装置。
【請求項8】
板状金属材料に打抜き加工を施して所定の形状の板状ワークに打抜き、複数の前記板状ワークを積層して積層ワークを製造する積層ワークの製造方法において、
打抜き加工された板状ワークをその順に打抜き方向延長上の筒状空間に滞留させ、
前記滞留した板状ワークの溶接予定部位に沿って滞留ワークの軸方向に、滞留した板状ワーク若しくは板状ワークの滞留保持空間の内壁面の少なくとも一方に設けた軸方向溝により、板状ワークと滞留保持空間との間に設けた軸方向空間に乾燥気体を流動させて、板状ワークの溶接予定部位に付着したプレス油を揮発させ、
予め設定した枚数まで滞留した段階で滞留した板状ワークを打抜き方向にノックアウトして、前記打抜き方向延長上の積層位置に配置した積層治具に順次積層することを特徴とする積層ワークの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−102635(P2013−102635A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245343(P2011−245343)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】