説明

立体内視鏡装置

【課題】被写体に対する適正な立体感のある画像を簡易に取得する。
【解決手段】被検体内に挿入される挿入部2の先端に、相互に間隔をあけて配置された2つの撮像素子7と、該撮像素子7の光軸の相対角度を変化させる角度変更機構5,6と、撮像素子7から被写体までの距離を検出する距離センサ9と、該距離センサ9により検出された距離に基づいて角度変更機構5,6を制御する制御部とを備える立体内視鏡装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体内視鏡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外科手術に使用される内視鏡において、被写体を立体視する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1の技術は、体内に挿入される挿入部の先端に配置された複数のイメージファイバの端部を変形させて、イメージファイバどうしの光軸の交差角である輻輳角を調節することにより、撮影される画像の立体感を変化させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−94966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、イメージファイバの変形による輻輳角の調節は、医師等の観察者がモニタを見ながら手探りで行わなければならず、被写体に対して適正な立体感のある画像を簡単に得ることができないという不都合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、被写体に対する適正な立体感のある画像を簡易に取得することができる立体内視鏡装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、被検体内に挿入される挿入部に、相互に間隔をあけて配置された2つの撮像素子と、該撮像素子の光軸の相対角度を変化させる角度変更機構と、前記撮像素子から被写体までの距離を検出する距離センサと、該距離センサにより検出された距離に基づいて前記角度変更機構を制御する制御部とを備える立体内視鏡装置を提供する。
【0006】
本発明によれば、挿入部を被検体内に挿入し、挿入部を被写体に近接させると、挿入部に設けられた距離センサにより、撮像素子から被写体までの距離が検出され、検出された距離に基づいて制御部により角度変更機構が制御される。角度変更機構は2つの撮像素子の光軸の相対角度を変化させるので、撮像素子から被写体までの距離に応じて2つの撮像素子の輻輳角が調節され、被写体に対して適正な立体感のある画像を自動的に得ることができる。
【0007】
上記発明においては、前記制御部は、前記撮像素子の光軸どうしの交点が前記被写体の表面に一致するように前記角度変更機構を制御してもよい。
このようにすることで、距離センサにより検出された距離に基づいて、撮像素子の光軸どうしの交点を被写体の表面に一致させることができ、被写体に対して適正な立体感のある画像を自動的に得ることができる。
【0008】
また、上記発明においては、前記制御部が、前記距離と前記相対角度を示す情報とを対応づけたマップを記憶する記憶部を備え、前記マップに基づいて、前記距離センサにより検出された距離と対応する前記情報に示される相対角度が達成されるように前記角度変更機構を制御してもよい。
【0009】
このようにすることで、距離センサにより検出された距離に基づいて、マップに予め記憶されている情報に示される相対角度が達成される。これにより、適正な輻輳角を迅速に達成することができ、被写体に対して適正な立体感のある画像を迅速に得ることができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記マップに対応づけられている前記距離と前記相対角度を示す情報とが、前記距離に対して前記相対角度を連続的に変化させる関係を有していてもよい。
このようにすることで、距離センサにより検出される距離が変化する毎に、撮像素子の光軸どうしの相対角度を調節し、被写体に対して適正な立体感のある画像を常に得ることができる。
【0011】
また、上記発明においては、前記マップに対応づけられている前記距離と前記相対角度を示す情報とが、前記距離に対して前記相対角度を段階的に変化させる関係を有していてもよい。
このようにすることで、距離センサにより検出される距離の変化に応じて、撮像素子の光軸どうしの相対角度が頻繁に変更されることを防止して、取得される画像の変動を防止し、観察しやすさを向上することができる。
【0012】
また、上記発明においては、前記マップに対応づけられている前記距離と前記相対角度を示す情報とが、前記距離が増大する方向に変化するときと、前記距離が減少する方向に変化するときとで、異なる距離において前記相対角度を変化させる関係を有していてもよい。
このようにすることで、挿入部と被写体との距離が増減する場合に、撮像素子の光軸どうしの相対角度が頻繁に変更されることを防止して、取得される画像の変動を防止し、観察しやすさを向上することができる。
【0013】
また、上記発明においては、前記制御部が、前記距離と前記情報との対応関係の異なる複数の前記マップを備え、観察者に、いずれかの前記マップを選択させるマップ選択部を備えていてもよい。
このようにすることで、観察者が、マップ選択部によっていずれかのマップを選択することにより、被写体の種類に応じた適正な動作を角度変更機構により行うことができる。
【0014】
また、上記発明においては、複数の前記マップは、前記距離が最小のときの前記相対角度が異なっていてもよい。
このようにすることで、挿入部が被写体に最も近接した位置における2つの撮像素子による輻輳角を、マップ選択部によって選択できることになり、拡大観察する際の立体感を調節することができる。
【0015】
また、上記発明においては、前記角度変更機構が、前記挿入部の先端に、該挿入部の長手軸に交差する方向に延びる軸線回りに揺動可能に取り付けられた少なくとも1つの揺動部材と、該揺動部材を揺動させる駆動部とを備え、前記撮像素子の一方が、前記揺動部材に取り付けられていてもよい。
このようにすることで、角度変更機構を構成する駆動部を作動させて揺動部材を揺動させることにより、2つの撮像素子の光軸どうしの相対角度を容易に変更することができる。
【0016】
また、上記発明においては、前記角度変更機構が、一対の前記揺動部材を備え、各前記撮像素子が、各前記揺動部材に取り付けられていてもよい。
このようにすることで、一対の揺動部材を揺動させることにより、2つの揺動部材の光軸を変位させ、2つの撮像素子の光軸どうしの相対角度を容易に変更することができる。
【0017】
また、上記発明においては、前記駆動部が、一対の前記揺動部材を、前記挿入部の長手軸に沿う方向に延びて相互に近接する閉位置と、前記挿入部の長手軸に交差する方向に延びて相互に離間する開位置との間で揺動させてもよい。
このようにすることで、挿入部を被検体内に挿入する際には、揺動部材を閉位置に配置して、挿入部の長手方向に沿わせることで、横断面積を小さくして挿入容易性を向上し、挿入部の先端が被検体内に挿入された後には、揺動部材を揺動させることにより開位置に配置して、撮像素子どうしの間隔を確保し、大きな輻輳角を形成しやすくすることができる。
【0018】
また、上記発明においては、前記駆動部が、各前記揺動部材を独立して揺動させてもよい。
このようにすることで、2つの撮像素子の光軸を、挿入部の延長上のみならず、異なる方向に向けることができ、正面視観察のみならず、斜視観察あるいは側視観察を行うことも可能となる。
【0019】
また、上記発明においては、前記角度変更機構が、前記揺動部材の揺動平面内において、該揺動部材に対して前記撮像素子を揺動させる素子揺動機構を備えていてもよい。
このようにすることで、距離センサにより検出された距離に基づいて、駆動部の作動により一対の揺動部材を揺動させ、かつ、素子揺動機構の作動により撮像素子を揺動させることによって、2つの撮像素子の光軸どうしの各交差位置に対して異なる相対角度を実現することができる。これにより、被写体を異なる立体感で観察することが可能となる。
【0020】
また、上記発明においては、前記撮像素子の間隔を変化させる間隔調節機構を備えていてもよい。
このようにすることで、角度変更機構の作動により揺動部材を揺動させて2つの撮像素子の光軸どうしの相対角度を調節するとともに、間隔調節機構を作動させて、撮像素子の間隔を変化させることで、2つの撮像素子の光軸どうしの各交差位置に対して異なる相対角度を実現することができる。
【0021】
これにより、距離の離れた被写体を観察する際に、距離の近い被写体を観察する際の輻輳角で観察することができ、取得された画像を拡大して観察する際に自然な立体感を得ることができる。大きな輻輳角を達成する際には揺動部材の相対角度が小さくなるため、距離の近い被写体を観察する際に揺動部材が被写体に近接して邪魔になることが考えられるが、このようにすることで、揺動部材を被写体から十分に離した状態で、距離の近い被写体を観察する場合と同様の立体感を得ることができる。逆に、距離の近い被写体を観察する際に、距離の離れた被写体を観察する際の輻輳角で観察することができ、取得された画像を縮小して観察する際に自然な立体感を得ることができる。
【0022】
また、上記発明においては、前記間隔調節機構により前記撮像素子の間隔を変化させて異なる間隔で取得された複数の画像に基づいて立体画像を生成する立体画像生成部を備えていてもよい。
このようにすることで、視点の異なる複数の撮像素子により取得された複数の画像から立体画像を生成することができる。
【0023】
また、上記発明においては、前記揺動部材が閉位置に配置されているときに、該揺動部材の先端から前記被写体までの距離を検出する閉位置距離センサを備えていてもよい。
このようにすることで、挿入部を被検体内に挿入する際に、揺動部材を閉位置に配置して横断面積を小さくても、閉位置距離センサによって揺動部材の先端から被写体までの距離を検出することができ、被検体内への挿入時に揺動部材の先端が被写体に接触することを防止できる。
【0024】
また、上記発明においては、前記挿入部に、前記揺動部材より基端側に、COセンサを備えていてもよい。
このようにすることで、COセンサによって所定以上の濃度のCOが検出された時点で、COセンサが被検体内に入ったこと、すなわち、COセンサよりも先端側の揺動部材が被検体内に完全に入ったことを感知できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、被写体に対する適正な立体感のある画像を簡易に取得することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る立体内視鏡装置を示す全体構成図である。
【図2】図1の立体内視鏡装置の揺動部材を閉位置に配置した状態で、先端方向から見た正面図である。
【図3】図1の立体内視鏡装置の揺動部材を開位置に配置した状態で、先端方向から見た正面図である。
【図4】図1の立体内視鏡装置の機能ブロック図である。
【図5】図1の立体内視鏡装置の挿入部を体内に挿入する挿入時の状態であって、揺動部材が閉位置に配置されている状態を示す図である。
【図6】図5の状態から、挿入部を体内にさらに挿入し、揺動部材の先端と被写体との距離dがJとなった状態を示す図である。
【図7】図6の位置で揺動部材が開位置に配置され、撮像素子等が起動された、比較的遠距離での観察状態を示す図である。
【図8】図7の位置から挿入部をさらに体内に挿入した、比較的近距離での観察状態を示す図である。
【図9】図2のマップ記憶部に記憶されている距離dと輻輳角αとの関係を示すマップの一例を示すグラフである。
【図10】図1の立体内視鏡装置を用いた観察手順を説明するフローチャートである。
【図11】図9のマップの第1の変形例を示すグラフである。
【図12】図9のマップの第2の変形例を示すグラフである。
【図13】図9のマップの第3の変形例を示すグラフである。
【図14】図9のマップの第4の変形例を示すグラフである。
【図15】図9のマップの第5の変形例を示すグラフである。
【図16】図1の立体内視鏡装置の揺動部材の先端に設けた距離センサの変形例を示す正面図である。
【図17】図16の距離センサを設けた立体内視鏡装置による(a)閉位置での距離検出、(b)開位置での距離検出をそれぞれ示す図である。
【図18】図1の立体内視鏡装置の揺動部材を独立に駆動させる変形例を示す図である。
【図19】図1の立体内視鏡装置の2つの揺動部材を揺動させるシャフトを交差する方向に配置した変形例を示す正面図である。
【図20】図19の立体内視鏡装置の鉗子チャネルを介して導入した処置具による処置時に撮影された画像例を示す図である。
【図21】図1の立体内視鏡装置の2つの揺動部材に設けた撮像素子を揺動部材に対して揺動させる変形例であって、(a)比較的遠距離での観察状態、(b)比較的近距離での観察状態を示す図である。
【図22】図21による撮像素子を揺動させる機構例を示す図である。
【図23】図1の立体内視鏡装置の2つの揺動部材に設けた撮像素子を揺動部材の長手方向に移動させつつ揺動部材に対して揺動させる直動機構の例であって、(a)撮像素子の光軸が揺動部材の長手方向に対して直交している状態、(b)撮像素子が揺動部材の先端側に移動させられて、その光軸が揺動部材の長手方向に直交する方向よりも内向きに揺動させられた状態をそれぞれ示す図である。
【図24】図1の立体内視鏡装置の変形例であって、(a)比較的遠距離での観察状態、(b)そのときの画像例、(c)被写体までの距離を変化させずに拡大観察する場合の観察状態、(d)そのときの拡大画像例をそれぞれ示す図である。
【図25】図1の立体内視鏡装置の変形例であって、(a)立体視用の2つの撮像素子の他に、広角野の撮像素子を備える立体内視鏡装置、(b)取得される画像例を示す図である。
【図26】図1の立体内視鏡装置の複数の撮像素子の間隔を調節可能な変形例であって、(a)撮像素子を近接させた状態、(b)撮像素子を離間させた状態をそれぞれ示す図である。
【図27】図1の立体内視鏡装置の変形例であって、撮像素子を移動させることなく、画像処理により、適正な視差を有する画像を取得するための、(a)立体内視鏡装置、(b)左側画像例、(c)右側画像例をそれぞれ示す図である。
【図28】図27の立体内視鏡装置による画像処理を説明する(a)左側画像例、(b)右側画像例をそれぞれ示す図である。
【図29】図1の立体内視鏡装置の変形例であって、挿入部の体内への挿入を検出するCOセンサを有する立体内視鏡装置の(a)挿入前の状態、(b)挿入後の状態をそれぞれ示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る立体内視鏡装置1について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る立体内視鏡装置1は、図1〜図3に示されるように、患者の体内(被検体内)に挿入可能な細長い挿入部2と、該挿入部2に接続される本体システム3とを備えている。
【0028】
挿入部2の先端には、挿入部2の長手軸に直交する方向に平行に延びる2つのシャフト4回りにそれぞれ揺動可能に支持された2つの揺動部材5が設けられている。
揺動部材5の基端部には、それぞれ、シャフト4を回転させるロータリマイクロアクチュエータ(駆動部)6が設けられている。
【0029】
そして、2つのロータリマイクロアクチュエータ6が同期してシャフト4を逆方向に回転させることにより、2つの揺動部材5が、挿入部2の長手軸に沿う方向に近接して配置される閉位置(図1中実線で示す。)と、揺動部材5が相互に離間して配置される開位置(図1中鎖線で示す。)との間で往復移動させられるようになっている。
【0030】
各揺動部材5には、閉位置に配置されたときに相互に対向する位置に配置される撮像素子7、照明素子8および距離センサ9が設けられている。
撮像素子7は、例えば、揺動部材5に直交する光軸7aを有するCCDあるいはCMOSイメージャである。照明素子8は、例えば、揺動部材5に交差する方向に照明光を射出するLEDである。
【0031】
距離センサ9は、例えば、一方の揺動部材5に設けられた発光素子9aと他方の揺動部材5に設けられた受光素子9bとを備えている。発光素子9aから発せられた光が、被写体A(図5等参照。)において反射して戻ることによって受光素子9bにより受光される。受光素子9bに受光される光の光量は、距離が長いときには少なく、距離が短いときには多いので、受光された光の光量に基づいて距離センサ9から被写体Aまでの距離を検出することができるようになっている。
【0032】
また、本実施形態においては、揺動部材5の先端に、該揺動部材5が閉位置に配置されている状態で、被写体Aから揺動部材5までの距離を検出する先端距離センサ(閉位置距離センサ)10が設けられている。この先端距離センサ10も、上記距離センサ9と同様に発光素子10aと受光素子10bとを備えている。
【0033】
本体システム3は、図4に示されるように、距離センサ9および先端距離センサ10を制御するセンサ制御部11と、照明素子8を点灯制御する照明制御部12と、撮像素子7による撮影を制御する撮像制御部13と、揺動部材5の角度を制御する揺動制御部(制御部)14と、撮像素子7により取得された画像信号を処理する画像処理部15と、該画像処理部15により処理された画像を表示する画像表示部16と、距離と輻輳角とを対応づけたマップを記憶するマップ記憶部17とを備えている。
【0034】
センサ制御部11は、図5に示されるように、揺動部材5が閉位置に配置されている挿入時の状態においては、先端距離センサ10を作動させるようになっている。また、センサ制御部11は、図7に示されるように、揺動部材5が開位置に配置されている状態においては、距離センサ9を作動させるようになっている。
【0035】
距離センサ9および先端距離センサ10を構成する受光素子9b,10bは、受光した光の光量に応じた電圧信号を揺動制御部14に出力するようになっている。揺動制御部14は、揺動部材5が閉位置に配置されている挿入時の状態においては、先端距離センサ10を構成する受光素子10bからの電圧信号を監視し、電圧信号が記憶されている所定の閾値を超えた時点、すなわち、図6に示されるように、揺動部材5の先端と被写体Aとの間の距離が所定距離Jに達した時点で、ロータリマイクロアクチュエータ6を作動させる。ここから、図7に示されるように、揺動部材5を閉位置から初期の開位置まで揺動させるようになっている。
【0036】
また、揺動制御部14は、揺動部材5が初期の開位置まで揺動させられた時点で、センサ制御部11、照明制御部12および撮像制御部13に起動信号を出力するようになっている。
起動信号を受けたセンサ制御部11は、先端距離センサ10に代えて距離センサ9を駆動し、被写体Aまでの距離を検出させるようになっている。
【0037】
また、起動信号を受けた照明制御部12は照明素子8を作動させ、起動信号を受けた撮像制御部13は撮像素子7を作動させるようになっている。
また、揺動制御部14は、距離センサ9を構成する受光素子9bからの電圧信号が入力されると、入力された電圧信号に対応する距離dを算出して、マップ記憶部17に記憶されているマップ内のその距離dに対応する輻輳角αを検索し、検索された輻輳角αが達成されるようにロータリマイクロアクチュエータ6を駆動させるようになっている。
【0038】
マップ記憶部17内に記憶されるマップとしては、例えば、図9に示されるように、距離dと輻輳角αとが直線的な関係となるものが記憶されている。この関係は、撮像素子7に対して各距離dに配置される被写体Aの表面に一致する位置に、2つの撮像素子7の光軸7aどうしが対応する輻輳角をなして交差する関係となっている。
【0039】
揺動制御部14は、距離センサ9により検出された距離dに基づいてマップから検索した輻輳角αを用いて、その輻輳角αが達成される揺動部材5の角度を算出し、その角度までロータリマイクロアクチュエータ6のシャフト4を回転させるよう、制御するようになっている。
【0040】
このように構成された本実施形態に係る立体内視鏡装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る立体内視鏡装置1を用いて体内の被写体Aを観察するには、図10に示されるように、ロータリマイクロアクチュエータ6を作動させて2つの揺動部材5を図1に実線で示される閉位置に配置した状態で、図5に示されるように、体表組織Bに貫通形成された開口部Cに配置したトラカールDの貫通孔を介して揺動部材5の先端から挿入部2を体内の空間内に挿入していく(ステップS1)。
【0041】
このとき、センサ制御部11は、先端距離センサ10の発光素子10aおよび受光素子10bを作動させる(ステップS2)。これにより、図5に示されるように、発光素子10aから発せられ、体内の被写体Aにおいて反射されて受光素子10bに受光された光の光量を示す電圧信号が揺動制御部14に入力され、そこで距離dの判定が行われる(ステップS3)。図6に示されるように、先端距離センサ10により検出された距離dが所定の距離Jより小さくなった場合には、その位置で、揺動制御部14がロータリマイクロアクチュエータ6を作動させて2つの揺動部材5を予め定められた初期の開位置まで揺動させる(ステップS4)。
【0042】
また、揺動制御部14は、揺動部材5を初期の開位置まで揺動させると同時に、センサ制御部11、照明制御部12および撮像制御部13に起動信号を出力する(ステップS5)。起動信号を受けたセンサ制御部11は、起動していた先端距離センサ10を停止し、距離センサ9の発光素子9aおよび受光素子9bを作動させる。
【0043】
また、起動信号を受けた照明制御部12は、照明素子8を作動させ、被写体Aに対して照明光を照射する。さらに、起動信号を受けた撮像制御部13は、2つの撮像素子7を作動させ、被写体Aを左右2方向から撮影した2種類の画像を取得する(ステップS6)。
【0044】
距離センサ9の受光素子9aにより受光された光の光量に対応する電圧信号は、揺動制御部14に送られて距離dが算出される(ステップS7)。そして、揺動制御部14は、算出された距離dを用いてマップ記憶部17に記憶されているマップ内の対応する輻輳角αを検索し、検索された輻輳角αを達成するための揺動部材5の角度を算出する。揺動制御部14は、揺動部材5が算出された角度となるまで、ロータリマイクロアクチュエータ6を作動させる(ステップS8)。
【0045】
マップは、2つの撮像素子7の光軸7aどうしが被写体Aの表面に一致する距離dと輻輳角αとを対応づけて記憶しているので、検出された距離dに対応する輻輳角αが達成されるように揺動部材5を揺動させることにより、2つの撮像素子7の光軸7aどうしを被写体Aの表面に常に一致させた状態で被写体Aを左右2方向から見た2つの画像を取得することができる。
【0046】
そして、距離センサ9により検出された距離dが所定の距離J以上になるよう、挿入部2が引き出されるまで(ステップS9)、ステップS6〜S8の撮影、距離d検出および輻輳角α調節が繰り返される。その後、所定の距離J以上に引き出された時点で、揺動制御部14が、照明制御部12および撮像制御部13に撮影終了を示す信号を出力する(ステップS10)。
【0047】
これにより、照明素子8および撮像素子7の作動が停止し、撮影が終了する。また、揺動制御部14は、この後、ロータリマイクロアクチュエータ6を作動させて、2つの揺動部材5を閉位置に配置し(ステップS11)、距離センサ9を停止して先端距離センサ10を作動させるようセンサ制御部11に指令する。これにより挿入部2および揺動部材5をトラカールDを介して体内から抜き出すことができる(ステップS12)。
【0048】
このように、本実施形態に係る立体内視鏡装置1によれば、距離センサ9によって検出された距離dに基づいて揺動部材5が揺動させられることにより、2つの撮像素子7の光軸7aどうしの交点が常に被写体Aの表面に一致するように輻輳角αが調節される。このため、医師等の観察者がモニタを見ながら輻輳角αの調節を手探りで行わなくても、被写体Aを適正な立体感で観察することができるという利点がある。
【0049】
なお、本実施形態においては、検出された距離dに対して輻輳角αを直線的な関係によって変化させることとしたが、これに限定されるものではなく、図11に示されるように、曲線的に変化させることとしてもよい。
【0050】
また、図12に示されるように、距離dに対して輻輳角αを段階的に変化させることにしてもよい。このようにすることで、挿入部2と被写体Aとの間の距離dが頻繁に変化する場合においても、輻輳角αを段階的に変化させることで、画像表示部16に表示される画像の立体感が頻繁に変化することを防止して、観察時の不快感を解消することができるという利点がある。
【0051】
また、図13に示されるように、距離dに対して輻輳角αを段階的に変化させる場合に、挿入部2を被写体Aに近づけていくときと、遠ざけていくときとで、異なる距離dで輻輳角αが変化するようなマップを有していてもよい。このようにすることで、挿入部2を頻繁に往復移動させる場合に、輻輳角αが頻繁に変化することを防止して、観察の不快感を解消することができる。
【0052】
また、マップ記憶部17に、距離dと輻輳角αとの異なる関係を示す複数のマップを記憶しておき、観察者が、適宜選択することができるようにマップ選択部(図示略)を備えていてもよい。このようにすることで、観察者が、被写体Aの種類に応じて適正なマップを選択し、輻輳角αの変化に違和感の少ない立体観察を行うことができる。
【0053】
例えば、図14に示されるように、挿入部2と被写体Aとの距離が小さくなったときの輻輳角αが異なる複数のマップを記憶していてもよい。このようにすることで、拡大観察による精密な手技の場合に、手技に応じた最適な立体映像による観察を選択することができる。この場合に、輻輳角αは1°以上10°以下の範囲で選択可能であることが好ましい。過度な輻輳角αで観察することによる違和感や疲労感、映像酔い等を軽減することができる。
【0054】
また、図15に示されるように、挿入部と被写体との距離が大きくなったときの輻輳角αが異なる複数のマップを記憶していてもよい。このようにすることで、広域観察によるマクロ手技の際に、手技に応じた最適な立体映像による観察を選択することができる。この場合に、輻輳角αは0°より大きく10°以下の範囲で選択可能であることが好ましい。過度な輻輳角αで観察することによる違和感や疲労感、映像酔い等を軽減することができる。
また、距離dに応じた変化の形態が異なる複数のマップ、例えば、図11〜図15のいずれか2つ以上を記憶していてもよい。
【0055】
また、本実施形態においては、被写体Aまでの距離dを検出するセンサとして、揺動部材5が閉位置に配置されているときに作動する先端距離センサ10を揺動部材5の先端に設け、揺動部材5が開位置に配置されているときに作動する距離センサ9を2つの揺動部材5の対向面に備えることとした。しかしながら、これに代えて、図16および図17に示されるように、異なる方向に指向性を有する光を射出する2つの発光素子10a,10cを一方の揺動部材5の先端に配置し、他方の揺動部材5の先端に配置した受光素子10bを共用することにしてもよい。
【0056】
すなわち、図17(a)に示されるように、挿入部2の体内への挿入時には、閉位置に配置されている揺動部材5の先端に設けられた発光素子10aから、揺動部材5の長手方向に沿う方向に向けて光を射出し、被写体Aからの反射光を受光素子10bにより検出する。一方、17(b)に示されるように、揺動部材5が開位置に配置されているときは、開位置に配置されている揺動部材5の先端に設けられた発光素子10cから、揺動部材5の長手方向に交差する方向に向けて光を射出し、被写体Aからの反射光を受光素子10bにより検出する。これにより、距離センサの数を減らして、構造を簡易にし、細径化を図ることができる。
【0057】
また、本実施形態においては、2つの揺動部材5が、同期して逆方向に同じ角度だけ揺動することとしたが、これに代えて、図18に示されるように、異なる角度で独立して揺動することにしてもよい。このようにすることで、図7に示されるような、挿入部2の長手方向前方に配置されている被写体Aの直視観察のみならず、図18に示されるような、長手方向に対して傾斜して配置されている被写体Aの斜視観察あるいは側視観察をも行うことができる。図18は、一方の揺動部材5のみを揺動させた場合を示しているが、両揺動部材5を異なる角度だけ揺動させてもよいし、同一方向に揺動させてもよい。
【0058】
また、本実施形態においては、2つの揺動部材5が、互いに平行なシャフト4回りに逆方向に揺動することとしたが、これに代えて、図19に示されるように、互いに交差するシャフト4回りに揺動することにしてもよい。
このようにすることで、挿入部2に鉗子チャネル18が設けられている場合に、鉗子チャネル18を介して挿入部2の前方に延びる処置具19(図20参照。)を、2つの撮像素子7の光軸7aを含む平面外に配置することができる。
【0059】
その結果、2つの撮像素子7により取得される左右の画像G1,G2内の処置具19は、図20に示されるように、画像の下縁(または上縁)から延びるように配置され、左右の画像G1,G2を立体として融像し易くすることができるという利点がある。図中、符号Eは、処置対象部位である。
【0060】
また、本実施形態においては、揺動部材5が大きく揺動するに従って、輻輳角αが小さくなることとしたが、これに代えて、図21に示されるように、揺動部材5が大きく揺動するに従って輻輳角αが大きくなるように構成してもよい。このようにすることで、図21(a)に示されるように、被写体Aが遠距離に配されるときには、2つの揺動部材5を小さく揺動させて2つの撮像素子7の間隔を近接させ、図21(b)に示されるように、被写体Aが近距離に配されるときには、2つの揺動部材5を大きく揺動させて2つの撮像素子7の間隔を離すことができる。
【0061】
すなわち、被写体Aが近距離に配されるほど輻輳角αをより大きく、被写体Aが遠距離に配されるほど輻輳角αをより小さくして、より自然な立体感を伴う観察を行うことができるという利点がある。また、近距離の被写体Aを観察する場合に、揺動部材5を大きく広げることにより、揺動部材5の先端を被写体Aから遠ざけることができ、揺動部材5と被写体Aとの干渉を防止することができる。
【0062】
この場合には、撮像素子7を揺動部材5に対して、揺動部材5の揺動方向に揺動させる撮像素子揺動機構20を設ければよい。
撮像素子揺動機構20としては、例えば、図22に示されるように、揺動部材5の長手方向に往復移動可能に配置されたラックギヤ21と、該ラックギヤ21を往復移動させるマイクロアクチュエータ22と、撮像素子7に設けられラックギヤ21に噛み合うピニオンギヤ23とを備えているものを挙げることができる。
【0063】
また、さらに、揺動部材5の揺動による撮像素子7の間隔調節に加えて、図23に示されるように、撮像素子7を揺動部材5の長手方向に移動させる直動機構24を設けることにしてもよい。
直動機構24としては、図23(a)に示されるように、撮像素子7の移動を案内する直線ガイド25と、該直線ガイド25と平行に間隔をあけて延びる2本の送りネジ26と、該送りネジ26をその軸線回りにそれぞれ回転させるマイクロモータ27と、撮像素子7に固定され2つの送りネジ26に同時に噛み合うピニオンギヤ28とを備えたものを採用すればよい。
【0064】
2つの送りネジ26を、若干異なる回転数で同一回転方向に回転させることにより、図23(b)に示されるように、撮像素子7を直線ガイド25に沿って、揺動部材5の長手方向に移動させつつ、撮像素子7を揺動させることができる。これにより、近距離の被写体Aを観察する際には、撮像素子7を揺動部材5の先端側に移動させて間隔を広げるとともに、撮像素子7を内向きに揺動させることで、さらに大きな輻輳角αを達成することができる。逆に、遠距離の被写体Aを観察する際には、撮像素子7を揺動部材5の基端側に移動させて間隔を狭めるとともに、撮像素子7を外向きに揺動させることで、さらに小さな輻輳角αを達成することができる。
【0065】
また、本実施形態においては、2本の送りネジ26の回転数を若干異ならせることにより、撮像素子7を揺動部材5に対して揺動させることとしたが、これに代えて、2つの送りネジ26の回転数を全く同一としてもよい。これにより、撮像素子7を揺動部材5に対して揺動させることなく、揺動部材5の長手方向に直線移動させることができる。
【0066】
また、図24(a)に示されるように、遠距離に配置される被写体Aに対して小さい輻輳角αでの観察を行っている場合に、図24(b)に示される画像例のように、被写体Aが小さくて拡大観察したい場合について説明する。この場合には、図24(c)に示されるように、2つの撮像素子7の光軸7aどうしの交点Pを被写体Aに固定したままで、撮像素子7を直動機構24によって互いに離れる方向に移動させ、かつ、内向きに揺動させることにより、輻輳角αのみを増大させてもよい。
【0067】
このようにすることで、図24(d)に示される画像例のように、取得された画像Gから被写体Aを含む小領域Rを拡大した画像G3を取得することができる。取得された画像G3は、近距離に配置される被写体A’を増大させた輻輳角αで撮影したのと同じ画像となり、自然な立体感を得ることができる。
なお、撮像素子7のみを揺動あるいは直線移動させる場合について説明したが、撮像素子7、照明素子8および距離センサ9a,9bを一体的に揺動あるいは直線移動させるようにしてもよい。
【0068】
また、図25(a)に示されるように、立体的な観察を行うための2つの撮像素子7に加えて、立体視の撮像素子7より画角の広い他の撮像素子28を配置し、立体視の視野周辺の被写体Aの画像をも取得することにしてもよい。このようにすることで、広角野の画像によって、立体視している被写体A周辺の術野も確認することができ、内視鏡による手術を容易にすることができる。
【0069】
この場合の広角の撮像素子28は、2つの撮像素子7の光軸を含む平面に近接するように配置されていることが好ましい。このようにすることで、図25(b)に示されるように、広角野R1を立体視の視野R2に近づけることができ、観察しやすさを向上することができる。
【0070】
また、図26に示されるように、各揺動部材5に、複数の撮像素子7を搭載し、各撮像素子7の間隔を変化させる間隔調節機構29を設けてもよい。間隔調節機構29としては、リニアアクチュエータ30を用いることができる。そして、この場合には、画像処理部15に、異なる間隔で取得された複数の画像に基づいて立体画像を生成する機能を備えることにすればよい。
【0071】
図26(a),(b)に示されるように、間隔調節機構29を作動させて、異なる間隔で取得された視点の異なる複数の画像から、画像処理部15においてポリゴンデータを生成する処理等を行うことにより新たな立体画像として生成することができる。この生成された新たな立体画像は、画像処理によって、拡大や縮小、回転等をすることができる。これにより、観察しやすさをより向上することができる。
【0072】
また、本実施形態においては、2つの撮像素子7を移動させることにより、輻輳角αを調節することとした。しかしながら、これに代えて、図27(a)〜(c)に示されるように、2つの撮像素子7によって取得された視差を有する左右一対の画像G1,G2から、図28に示されるように、観察したい観察対象部位Fを中心とした画像G1’,G2’を切り出すことにしてもよい。
図27および図28において、符号Hは非観察対象部位である。
【0073】
このようにすることで、図28(a),(b)に示されるように、観察したい観察対象部位Fを中心に置いた、適正な視差を有する画像G1’,G2’を、撮像素子7を移動させることなく、取得することができる。
この場合に、画像G1’,G2’の中心に配置する被写体Aは、手動により指定してもよいし、画像処理により形態的特徴等から自動的に設定することにしてもよい。
【0074】
また、本実施形態においては、揺動部材5の先端に配置した先端距離センサ10により、体内への挿入時における揺動部材5を揺動させるタイミングを設定することとしたが、これに代えて、図29に示されるように、揺動部材5全体が体内に挿入されたことを検出する任意のセンサを挿入部2に設けることにしてもよい。図に示す例では、揺動部材5よりも基端側にCOセンサ31を設けている。
【0075】
体外雰囲気におけるCO濃度は0.06%であるのに対し、体内雰囲気のCO濃度は0.5%であるため、COセンサ31により検出されたCO濃度の違いによって、体内に挿入されたか否かを容易に検出することができる。
【符号の説明】
【0076】
A 被写体
α 輻輳角(相対角度)
1 立体内視鏡装置
2 挿入部
5 揺動部材(角度変更機構)
6 ロータリマイクロアクチュエータ(駆動部、角度変更機構)
7 撮像素子
7a 光軸
9 距離センサ
10 先端距離センサ(閉位置距離センサ)
14 揺動制御部(制御部)
15 画像処理部(立体画像生成部)
17 マップ記憶部(記憶部)
20 撮像素子揺動機構(素子揺動機構、角度変更機構)
24 直動機構(間隔調節機構)
31 COセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に挿入される挿入部に、相互に間隔をあけて配置された2つの撮像素子と、
該撮像素子の光軸の相対角度を変化させる角度変更機構と、
前記撮像素子から被写体までの距離を検出する距離センサと、
該距離センサにより検出された距離に基づいて前記角度変更機構を制御する制御部とを備える立体内視鏡装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記撮像素子の光軸どうしの交点が前記被写体の表面に一致するように前記角度変更機構を制御する請求項1に記載の立体内視鏡装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記距離と前記相対角度を示す情報とを対応づけたマップを記憶する記憶部を備え、前記マップに基づいて、前記距離センサにより検出された距離と対応する前記情報に示される相対角度が達成されるように前記角度変更機構を制御する請求項1または請求項2に記載の立体内視鏡装置。
【請求項4】
前記マップに対応づけられている前記距離と前記相対角度を示す情報とが、前記距離に対して前記相対角度を連続的に変化させる関係を有する請求項3に記載の立体内視鏡装置。
【請求項5】
前記マップに対応づけられている前記距離と前記相対角度を示す情報とが、前記距離に対して前記相対角度を段階的に変化させる関係を有する請求項3に記載の立体内視鏡装置。
【請求項6】
前記マップに対応づけられている前記距離と前記相対角度を示す情報とが、前記距離が増大する方向に変化するときと、前記距離が減少する方向に変化するときとで、異なる距離において前記相対角度を変化させる関係を有する請求項5に記載の立体内視鏡装置。
【請求項7】
前記制御部が、前記距離と前記情報との対応関係の異なる複数の前記マップを備え、
観察者に、いずれかの前記マップを選択させるマップ選択部を備える請求項3に記載の立体内視鏡装置。
【請求項8】
複数の前記マップは、前記距離が最小のときの前記相対角度が異なる請求項7に記載の立体内視鏡装置。
【請求項9】
前記角度変更機構が、前記挿入部の先端に、該挿入部の長手軸に交差する方向に延びる軸線回りに揺動可能に取り付けられた少なくとも1つの揺動部材と、該揺動部材を揺動させる駆動部とを備え、
前記撮像素子の一方が、前記揺動部材に取り付けられている請求項1から請求項8のいずれかに記載の立体内視鏡装置。
【請求項10】
前記角度変更機構が、一対の前記揺動部材を備え、
各前記撮像素子が、各前記揺動部材に取り付けられている請求項9に記載の立体内視鏡装置。
【請求項11】
前記駆動部が、一対の前記揺動部材を、前記挿入部の長手軸に沿う方向に延びて相互に近接する閉位置と、前記挿入部の長手軸に交差する方向に延びて相互に離間する開位置との間で揺動させる請求項10に記載の立体内視鏡装置。
【請求項12】
前記駆動部が、各前記揺動部材を独立して揺動させる請求項10または請求項11に記載の立体内視鏡装置。
【請求項13】
前記角度変更機構が、前記揺動部材の揺動平面内において、該揺動部材に対して前記撮像素子を揺動させる素子揺動機構を備える請求項9から請求項12のいずれかに記載の立体内視鏡装置。
【請求項14】
前記撮像素子の間隔を変化させる間隔調節機構を備える請求項13に記載の立体内視鏡装置。
【請求項15】
前記間隔調節機構により前記撮像素子の間隔を変化させて異なる間隔で取得された複数の画像に基づいて立体画像を生成する立体画像生成部を備える請求項14に記載の立体内視鏡装置。
【請求項16】
前記揺動部材が閉位置に配置されているときに、該揺動部材の先端から前記被写体までの距離を検出する閉位置距離センサを備える請求項11に記載の立体内視鏡装置。
【請求項17】
前記挿入部に、前記揺動部材より基端側に、COセンサを備える請求項11に記載の立体内視鏡装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate