説明

組合せ式家具、及び複数の組合せ式家具を組み合わせたユニット家具

【課題】組み立てが容易な組合せ式家具、及びこの組合せ式家具を組み合わせたユニット家具を提供する。
【解決手段】組合せ式家具10は、底板11、左側板12、右側板13及び天板14によって前面及び後面を開口した立方体状または直方体状の箱形に形成される。底板11及び左側板12を備えた第1構成部材20xと、天板14及び右側板13を備えた第2構成部材20yとが、予め同一形状に形成される。第1構成部材20xと第2構成部材20yとが組み合わされて、組合せ式家具10が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前面及び後面を開口した箱形の組合せ式家具、及び複数の組合せ式家具を組み合わせたユニット家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユニット家具は、製造業者が設計した寸法で製造された部品を組み立てるようになっていた。そのため、ユニット家具の形状を適宜変更することができなかった。
そこで、前面及び後面を開口した箱形の組合せ式家具を複数個組み立て、これらの組合せ式家具を自由に組み合わせて形成するユニット家具が提供されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−125095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の組合せ式家具やユニット家具は、様々な形状の平板を、様々な形状のネジや留め具などを用いて、解説書や説明図等などを参照しつつ組み立てるようになっている。組み立て作業に広い場所が必要となる、組み立て作業の時間が長くなる、材料屑が発生する等の問題があった。また、部品の組み間違い、取り付け方法や順序の間違い、またはこれらの間違いによる組み直しにより、さらに組み立て作業の時間が長くなる、または部品を破損したり紛失したりする等の問題もあった。
そこで、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、組み立てが容易な組合せ式家具、及びこの組合せ式家具を組み合わせたユニット家具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(第1の発明)
本発明のうち第1の発明は、底板(11)、左右一対の側板(12,13)、及び天板(14)によって前面及び後面を開口した立方体状または直方体状の箱形に形成された組合せ式家具(10)であって、
前記底板(11)、及び前記左右一対の側板(12,13)のいずれか一方を備えた第1構成部材(20x)と、前記天板(14)、及び前記左右一対の側板(12,13)のいずれか他方を備えた第2構成部材(20y)とが、予め同一形状に形成され、
前記第1構成部材(20x)と前記第2構成部材(20y)とが組み合わされて形成されたことを特徴とする。
【0006】
(第2の発明)
本発明のうち第2の発明は、前記第1の発明の特徴に加え、
前記第1構成部材(20x)と前記第2構成部材(20y)とが組み合わされた場合に、
前記第1構成部材(20x)の前記底板(11)における上側の板面と前記第2構成部材(20y)の前記側板(12or13)における下側の縁面とが当接し、且つ、前記第2構成部材(20y)の前記天板(14)における下側の板面と前記第1構成部材(20x)の前記側板(12or13)における上側の縁面とが当接するように形成された、
または、前記第1構成部材(20x)の前記側板(12or13)における第2構成部材側側方の板面と前記第2構成部材(20y)の前記天板(14)における第1構成部材側側方の縁面とが当接し、且つ、前記第2構成部材(20y)の前記側板(12or13)における第1構成部材側側方の板面と前記第1構成部材(20x)の前記底板(11)における第2構成部材側側方の縁面とが当接するように形成されたことを特徴とする。
【0007】
(第3の発明)
本発明のうち第3の発明は、前記第1または第2の発明の特徴に加え、
前記組合せ式家具(10)の前面側の開口縁は、四角枠状の四角フレーム(60)に被覆され、
前記四角フレーム(60)における前記底板(11)、前記左右一対の側板(12,13)、及び前記天板(14)の前面に対向する所定位置には、それぞれ取付ピン(63)が設けられ、
前記底板(11)、前記左右一対の側板(12,13)、及び前記天板(14)の前面における前記取付ピン(63)に対応する位置には、それぞれ取付用挿嵌穴(70)が形成され、
前記取付ピン(63)が前記取付用挿嵌穴(70)に挿嵌されて前記四角フレーム(60)が前記組合せ式家具(10)の前記開口縁に取り付けられたことにより、前記第1構成部材(20x)と前記第2構成部材(20y)とが固定されたことを特徴とする。
【0008】
(第4の発明)
本発明のうち第4の発明は、前記第1ないし第3の発明のいずれかの特徴に加え、
前記底板(11)、前記左右一対の側板(12,13)、及び前記天板(14)の裏面における前記第1構成部材(20x)と前記第2構成部材(20y)との当接部分を挟んだ両脇の位置には、それぞれ固定用挿嵌穴(70)が形成され、
留め具(80)の有した一対の並列ピン(82)が、前記当接部分の両脇に位置する2つの前記固定用挿嵌穴(70)にそれぞれ挿嵌されたことにより、前記第1構成部材(20x)と前記第2構成部材(20y)とが前記留め具(80)によって固定されたことを特徴とする。
【0009】
(第5の発明)
本発明のうち第5の発明は、第1ないし第4の発明のいずれかの組合せ式家具(10)が複数個組み合わされて形成されたことを特徴とするユニット家具(90)に関する。
(第6の発明)
本発明のうち第6の発明は、前記第5の発明の特徴に加え、
前記底板(11)、前記左右一対の側板(12,13)、及び前記天板(14)の裏面における所定位置には、それぞれ連結用挿嵌穴(70)が形成され、
留め具(80)のピン板(81)に並設された一対の並列ピン(82)が、隣接した2個の組合せ式家具(10)における両者の接触した接触部分を挟んで近接した2つの連結用挿嵌穴(70)にそれぞれ挿嵌されたことにより、隣接した2個の組合せ式家具(10)が前記留め具(80)によって連結されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明よれば、予め形成された2つの構成部材を組み合わせることにより組合せ式家具が完成することから、従来よりも組み立て作業の占用スペースを小さくすることができ、組み立て作業の時間を短縮することができ、さらに材料屑の発生を抑制することができる。また、従来よりも部品の組み間違いや、取り付け方法及び順序の間違いも起こり難くすることができる。さらに、挿嵌穴に四角フレームの取付ピンを挿嵌する、または挿嵌穴に留め具の並列ピンを挿嵌することにより、第1構成部材と第2構成部材との固定や、複数の組合せ式家具同士の固定を行うことから、工具を用いずに組み立てることができる。したがって、組合せ式家具、及びこの組合せ式家具を組み合わせたユニット家具を容易に組み立てることができる。また、複数の構成部材を重ねることで小さな梱包とすることが可能となり、これにより梱包資材を削減することができ、さらには運搬時や保管時の占用スペースも少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る組合せ式家具を示す(A)斜視図、(B)正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る組合せ式家具を示す(A)分解斜視図、(B)分解正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る構成部材を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る組合せ式家具を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る組合せ式家具の四角フレームの取り付けを示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る組合せ式家具を示す背面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る留め具を示す(A)正面図、(B)平面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る構成部材を示す正面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るユニット家具を示す正面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る組合せ式家具のダボによる連結を示す正面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る組合せ式家具の留め具による連結を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ説明する。
(組合せ式家具10)
図1に示すように、本実施の形態に係る組合せ式家具10は、前面及び背面を開口した立方体状の箱形に形成されている。
ここで、図1及び図2において、最下部に位置する略水平な部分を以下「底板11」と呼び、底板11の左端に位置する略垂直な部分を以下「左側板12」と呼び、底板11の右端に位置する略垂直な部分を以下「右側板13」と呼び、最上部に位置する略水平な部分を以下「天板14」と呼ぶことにする。
【0013】
図2に示すように、組合せ式家具10は、底板11及び左側板12を備えた第1構成部材20xと、天板14及び右側板13を備えた第2構成部材20yとが組み合わされて形成されている。この第1構成部材20xと第2構成部材20yとは、予め同一形状に形成されている。つまり、組合せ式家具10は、2個の同一の構成部材20を組み合わせて形成されている。
次に、構成部材20について説明する。
図3に示すように、構成部材20は、略矩形の方形パネル30を2枚、L字形のL字フレーム40を2枚備えている。
先ず、2枚の方形パネル30を長手側の縁面がL字形となるように略直角に接合して、本体パネルを組み立てる。このとき、一方の方形パネル30(以下「短手側方形パネル31」という。)の板面の端部に、他方の方形パネル30(以下「長手側方形パネル32」という。)の短手側の縁面を接着剤等によって接着させる。したがって、本体パネルのL字状の角から長手側方形パネル32の先端までの距離は、この角から短手側方形パネル31の先端までの距離よりも短手側方形パネル31の厚み分長くなっている。
【0014】
L字フレーム40は、本体パネルの前面側の縁面に対応したL字形に形成されている(L字フレーム40のうち長手側方形パネル32に対応する部分を「長手側フレーム部42」とし、短手側方形パネル31に対応する部分を「短手側フレーム部41」とする。)。
そして、本体パネルの前面側及び背面側の縁面に、それぞれL字フレーム40を接着剤等で接着することにより、1個の構成部材20が形成される。
次に、2個の構成部材20を組み合わせて組合せ式家具10を形成する。
図4に示すように、2個の構成部材20は、一方の構成部材20を基準に、もう一方の構成部材20を正面視で180度回転した向き、つまり両者の長手側方形パネル32が対向するとともに両者の短手側方形パネル31が対向する向きにする。そして、構成部材20における短手側方形パネル31の先端の縁面をもう一方の構成部材20における長手側方形パネル32の内面の端部に当接させる。これにより、2個の構成部材20が前面及び背面を開口した立方体状となる。
【0015】
また、2個の構成部材20を組み合わせた場合において互いに当接する当接部分には、互いに対向する位置にピン穴51が形成されている。具体的には、短手側方形パネル31の先端の縁面、及び長手側方形パネル32の内面の端部には、2個の構成部材20を組み合わせた際に互いに対向する位置にピン穴51が形成されている。2個の構成部材20を組み合わせる場合に、対向するピン穴51に接合ピン52を挿嵌させることにより、この当接部分が接合される。
詳述すると、2個の構成部材20を組み合わせる場合に、短手側方形パネル31の先端の縁面のピン穴51に接合ピン52の一端を圧入するとともに、このピン穴51に対向する長手側方形パネル32の内面の端部のピン穴51に接合ピン52の他端を圧入させて、短手側方形パネル31の先端の縁面と長手側方形パネル32の内面の端部とを当接させる。これにより、短手側方形パネル31の先端の縁面と、他方の構成部材20における長手側方形パネル32の内面の端部とが接合されて、2個の構成部材20が組み合わせた状態に固定されることとなる。
【0016】
図1及び図5に示すように、組合せ式家具10の前面の開口縁、つまり前面側及び背面のL字フレーム40には、四角枠状の四角フレーム60が取り付けられる。
図5に示すように、四角フレーム60は、開口縁に対応した四角枠状の装飾パネル61と、装飾パネル61の背面に嵌め込まれる四角枠状の固定枠62とを備えている。この装飾パネル61は、組合せ式家具10の前面に位置する2つのL字フレーム40に対応した四角枠状に形成されている。また、装飾パネル61の背面には、固定枠62の形状に対応した溝部が形成されており、この溝部に固定枠62を嵌め込むことで一体となっている。固定枠62の背面には、L字フレーム40に形成された挿嵌穴70(後述)に対応する位置に取付ピン63が設けられている。
【0017】
図3に示すように、L字フレーム40における屈曲部分の正面略中央の位置、換言すると、短手側フレーム部41における長手側フレーム部42との接合部分の近傍の位置には、厚み方向に貫通した挿嵌穴70(以下「第1挿嵌穴71」という。)が形成されている。また、短手側フレーム部41には、この第1挿嵌穴71から短手側フレーム部41の長手方向へ所定ピッチで2つの挿嵌穴70(以下「第2挿嵌穴72」、「第3挿嵌穴73」という。)が形成されている。また、長手側フレーム部42には、この第1挿嵌穴71から長手側フレーム部42の長手方向へ所定ピッチで2つの挿嵌穴70(以下「第2挿嵌穴72」、「第3挿嵌穴73」という。)が形成されている。また、長手側フレーム部42の先端部には、3つの挿嵌穴70が長手方向へ所定ピッチで形成されている(先端側から順に「第1挿嵌穴71」、「第2挿嵌穴72」、「第3挿嵌穴73」という。)。また、短手側フレーム部41の先端部には、2つの挿嵌穴70が長手方向へ所定ピッチで形成されている(先端側から順に「第2挿嵌穴72」、「第3挿嵌穴73」という。)。
【0018】
そして、図5に示すように、前面側の2つのL字フレーム40に形成された第2挿嵌穴72に、固定枠62の取付ピン63を挿嵌ことにより、四角フレーム60が前面側のL字フレーム40に取り付けられる。このように四角フレーム60を組合せ式家具10の開口縁に取り付けることにより、2個の構成部材20の接合を補強できるとともに、L字フレーム40の挿嵌穴70を覆い隠すことができる。
なお、図6に示すように、組合せ式家具10の背面側のL字フレーム40には、四角フレーム60を取り付けずに、留め具80を取り付けてもよい。この留め具80は、扁平なピン板81と、ピン板81に並設された2つの並列ピン82とを備えている(図7参照)。この2つの並列ピン82のピッチは、L字フレーム40の挿嵌穴70のピッチと同様に形成されている。
【0019】
詳述すると、2個の構成部材20を組み合わせた場合に、L字フレーム40における長手側フレーム部42の先端部の側面に、もう一方のL字フレーム40における短手側フレーム部41の先端縁が当接する。また、L字フレーム40における長手側フレーム部42の先端部に位置する第1挿嵌穴71と、もう一方のL字フレーム40における短手側フレーム部41の先端部に位置する第2挿嵌穴72とが、他の挿嵌穴70と同様に所定ピッチで並列する。そして、この第1挿嵌穴71に留め具の一方の並列ピンを圧入するとともに、この第2挿嵌穴72に留め具の他方の並列ピンを圧入する。このように留め具によってL字フレーム40の長手側フレーム部42ともう一方のL字フレーム40の短手側フレーム部41とを連結することにより、2個の構成部材20の接合を補強できる。
【0020】
組合せ式家具10は、上述したような立方体状の箱形に限られず、直方体状の箱形に形成することもできる。
上述した組合せ式家具10(以下、「第1型の組合せ式家具10」という)について、長手側方形パネル32の縁面の長さAlを基準値Blとし、短手側方形パネル31の縁面の長さAsを基準値Bsとする(図8(A)参照)。また、いずれの種類の方形パネル30も厚みTを共通とする。
第2型の組合せ式家具について、図8(B)に示すように、長手側方形パネル32の縁面の長さAlは、
Al=Bl
つまり、基準値Blと同じ長さに形成されている。
【0021】
また、第2型の組合せ式家具に係る短手側方形パネル31の縁面の長さAsは、
As=(Bs−T)÷2
つまり、基準値Bsから厚みTを引いた差の半分の長さに形成されている。
第3型の組合せ式家具について、図8(C)に示すように、長手側方形パネル32の縁面の長さAlは、
Al=Bl×2+T
つまり、基準値Blの2倍に厚みTを加算した値の長さに形成されている。
また、第3型の組合せ式家具に係る短手側方形パネル31の縁面の長さAsは、
As=(Bs−T)÷2
つまり、基準値Bsから厚みTを引いた差の半分の長さに形成されている
第4型の組合せ式家具について、図8(D)に示すように、長手側方形パネル32の縁面の長さAlは、
Al=Bl×2+T
つまり、基準値Blの2倍に厚みTを加算した値の長さに形成されている。
【0022】
また、第4型の組合せ式家具に係る短手側方形パネル31の縁面の長さAsは、
As=Bs
つまり、基準値Bsと同じ長さに形成されている。
なお、第2型〜第4型の組合せ式家具は、寸法のみが第1の組合せ式家具10と異なり、短手側方形パネル31と長手側方形パネル32とが寸法の異なる別部品となる以外は、構成や製造工程は第1の組合せ式家具10と同様なので、詳細な説明は省略する。
図9に示すように、複数個の組合せ式家具10を組み合わせてユニット家具を形成することができる。
【0023】
図1に示すように、方形パネル30の外側の板面には、複数のダボ穴84が形成されている。組合せ式家具10を上下または左右に並べた際に、隣接する方形パネル30のダボ穴84が対向するようになっている。この対向するダボ穴84にダボ83(図10参照)を圧入することにより、隣接する組合せ式家具10を連結することができる。
なお、図5に示すように、組合せ式家具10の背面側のL字フレーム40に四角フレーム60を取り付けずに、留め具80によって2つの構成部材20を固定した場合には、この留め具80を用いて複数個の組合せ式家具10を連結することもできる。
図11に示すように、組合せ式家具10を上下または左右に並べると、隣接する組合せ式家具10において近接する第1挿嵌穴71同士、第2挿嵌穴72同士及び第3挿嵌穴73同士が上下または左右に並列する。この並列する第1挿嵌穴71、第2挿嵌穴72及び第3挿嵌穴73は、上述した挿嵌穴70の所定ピッチで並列する。背面側のL字フレーム40において、並列する第1挿嵌穴71または第2挿嵌穴72が空いていれば、第1挿嵌穴71または第2挿嵌穴72に留め具80の並列ピン82を圧入することにより、隣接する組合せ式家具10を連結することが可能である。しかし、第1挿嵌穴71及び第2挿嵌穴72には、2個の構成部材20の固定時に装着された留め具80の並列ピン82が既に存在する場合がある。そこで、本実施の形態では、背面側のL字フレーム40において、並列する第3挿嵌穴73に留め具80の並列ピン82をそれぞれ圧入することにより、隣接する組合せ式家具10を連結している。したがって、留め具80による2個の構成部材20の固定や隣接する組合せ式家具10の連結には、第1挿嵌穴71、第2挿嵌穴72及び第3挿嵌穴73で用が足りる。
【0024】
なお、組合せ式家具10の前面に前扉を設け、開口を開閉自在に塞げるように形成してもよい。また、組合せ式家具10の内部空間に1または複数段の引出しを設け、開口から引出しを出し入れできるように形成してもよい。また、組合せ式家具10の内部空間に1または複数の着脱自在な棚板を設け、内部空間を仕切れるように形成してもよい。
また、組合せ式家具10は、第1構成部材20xが底板11及び右側板13を備え、第2構成部材20yが天板14及び左側板12を備えるように形成されてもよい。
以上のように、本発明の実施の形態よれば、予め形成された2つの構成部材20を組み合わせることにより組合せ式家具10が完成することから、従来よりも組み立て作業の占用スペースを小さくすることができ、組み立て作業の時間を短縮することができ、さらに材料屑の発生を抑制することができる。また、従来よりも部品の組み間違いや、取り付け方法及び順序の間違いも起こり難くすることができる。さらに、挿嵌穴70に四角フレーム60の取付ピン63を挿嵌する、または挿嵌穴70に留め具80の並列ピン82を挿嵌することにより、構成部材20同士の固定や、複数の組合せ式家具10同士の固定を行うことから、工具を用いずに組み立てることができる。したがって、組合せ式家具10、及びこの組合せ式家具10を組み合わせたユニット家具90を容易に組み立てることができる。また、複数の構成部材20を重ねることで小さな梱包とすることが可能となり、これにより梱包資材を削減することができ、さらには運搬時や保管時の占用スペースも少なくすることができる。
【符号の説明】
【0025】
10 組合せ式家具 11 底板
12 左側板 13 右側板
14 天板
20 構成部材
20x 第1構成部材 20y 第2構成部材
30 方形パネル 31 短手側方形パネル
32 長手側方形パネル
40 L字フレーム 41 短手側フレーム部
42 長手側フレーム部
51 ピン穴 52 接合ピン
60 四角フレーム 61 装飾パネル
62 固定枠 63 取付ピン
70 挿嵌穴 71 第1挿嵌穴
72 第2挿嵌穴 73 第3挿嵌穴
80 留め具 81 ピン板
82 並列ピン 83 ダボ
84 ダボ穴
90 ユニット家具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板、左右一対の側板、及び天板によって前面及び後面を開口した立方体状または直方体状の箱形に形成された組合せ式家具であって、
前記底板、及び前記左右一対の側板のいずれか一方を備えた第1構成部材と、前記天板、及び前記左右一対の側板のいずれか他方を備えた第2構成部材とが、予め同一形状に形成され、
前記第1構成部材と前記第2構成部材とが組み合わされて形成されたことを特徴とする組合せ式家具。
【請求項2】
前記第1構成部材と前記第2構成部材とが組み合わされた場合に、
前記第1構成部材の前記底板における上側の板面と前記第2構成部材の前記側板における下側の縁面とが当接し、且つ、前記第2構成部材の前記天板における下側の板面と前記第1構成部材の前記側板における上側の縁面とが当接するように形成された、
または、前記第1構成部材の前記側板における第2構成部材側側方の板面と前記第2構成部材の前記天板における第1構成部材側側方の縁面とが当接し、且つ、前記第2構成部材の前記側板における第1構成部材側側方の板面と前記第1構成部材の前記底板における第2構成部材側側方の縁面とが当接するように形成されたことを特徴とする請求項1記載の組合せ式家具。
【請求項3】
前記組合せ式家具の前面側の開口縁は、四角枠状の四角フレームに被覆され、
前記四角フレームにおける前記底板、前記左右一対の側板、及び前記天板の前面に対向する所定位置には、それぞれ取付ピンが設けられ、
前記底板、前記左右一対の側板、及び前記天板の前面における前記取付ピンに対応する位置には、それぞれ取付用挿嵌穴が形成され、
前記取付ピンが前記取付用挿嵌穴に挿嵌されて前記四角フレームが前記組合せ式家具の前記開口縁に取り付けられたことにより、前記第1構成部材と前記第2構成部材とが固定されたことを特徴とする請求項1または2記載の組合せ式家具。
【請求項4】
前記底板、前記左右一対の側板、及び前記天板の裏面における前記第1構成部材と前記第2構成部材との当接部分を挟んだ両脇の位置には、それぞれ固定用挿嵌穴が形成され、
留め具のピン板に並設された一対の並列ピンが、前記当接部分の両脇に位置する2つの前記固定用挿嵌穴にそれぞれ挿嵌されたことにより、前記第1構成部材と前記第2構成部材とが前記留め具によって固定されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の組合せ式家具。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の組合せ式家具が複数個組み合わされて形成されたことを特徴とするユニット家具。
【請求項6】
前記底板、前記左右一対の側板、及び前記天板の裏面における所定位置には、それぞれ連結用挿嵌穴が形成され、
留め具の有した一対の並列ピンが、隣接した2個の組合せ式家具における両者の接触した接触部分を挟んで近接した2つの連結用挿嵌穴にそれぞれ挿嵌されたことにより、隣接した2個の組合せ式家具が前記留め具によって連結されたことを特徴とする請求項5記載のユニット家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−223252(P2012−223252A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91455(P2011−91455)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(511096503)
【Fターム(参考)】