説明

組立機

【課題】コンパクトに構成することができる組立機を提供すること。
【解決手段】複合組立機(組立機)1は、ワークに対する組立部品の締付、圧入、かしめ、折曲又は計測等の少なくとも2種類以上の組立作業を行うものである。複合組立機1は、作業ツール4及び5を保管するツール置台25と、作業ツール4又は5を把持する作業ヘッド部21と、作業ヘッド部21を移動させるヘッド移動機構2と、ワーク91を保持し回転させる回転テーブル3とを有している。複合組立機1は、ヘッド移動機構2の前後移動軸(第2移動軸)22及び上下移動軸(第1移動軸)23による作業ヘッド部21の移動と、回転テーブル3の回転とにより、作業ツール4又は5を、回転テーブル3に保持したワーク91における組立作業部位に接近させるよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに対する組立部品の締付、緩め、圧入、かしめ、折曲又は計測等の組立作業を行う組立機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車における各組立部品等(ワーク)を、ボルトを用いて大量に組み立てる際には、機械により自動的にボルトの締付を行っている。このようなボルトの締付を行う組立機(ナットランナ)としては、例えば、特許文献1に示すものがある。この特許文献1のナットランナは、ツール切換手段を有しており、締付を行うボルトの種類に応じてツールの切換を行うことができる。
【0003】
また、ナットランナによりワークにおける各ボルト締付位置にボルトの締付を行う際には、テーブルにワークを載置し、ワークとナットランナとを前後、左右、上下の3方向に相対移動させている。
また、ナットランナ等のツールを3方向に移動させて加工を行うものとしては、例えば、特許文献2に示すマシニングセンタがある。このマシニングセンタにおいては、X軸方向(左右方向)に移動可能なX軸テーブルと、Y軸方向(前後方向)に移動可能なY軸テーブルとによってワークをX−Y平面内で移動させ、Z軸方向(上下方向)に移動可能なZ軸テーブルに取り付けたツールによって、ワークへの加工を行っている。
【0004】
しかしながら、特許文献2に示されるように、X軸テーブル及びY軸テーブルの2つのテーブルを用いて、左右方向及び前後方向にワークを移動させると、この移動を行うための移動装置の構成により、組立機をコンパクトに構成することが困難になってしまう。
【0005】
【特許文献1】特開2002−86366号公報
【特許文献2】特開2000−158217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、コンパクトに構成することができる組立機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ワークに対する組立部品の組立作業を行うことが可能な組立機であって、
上記ワークを保持し回転させる回転テーブルと、
上記組立作業を行うための作業ツールを把持した作業ヘッド部と、
該作業ヘッド部を、上記回転テーブルに保持した上記ワークに接近させる第1移動軸と、該第1移動軸に交差する方向に移動させる第2移動軸とを備えたヘッド移動機構とを有しており、
上記ヘッド移動機構の上記第1移動軸及び上記第2移動軸による上記作業ヘッド部の移動と、上記回転テーブルの回転とにより、上記作業ツールを、上記回転テーブルに保持した上記ワークにおける組立作業部位に接近させるよう構成されていることを特徴とする組立機にある(請求項1)。
【0008】
本発明の組立機は、第1移動軸と第2移動軸とを備えたヘッド移動機構を有しており、このヘッド移動機構により、作業ツールを把持した作業ヘッド部を2つの方向に移動させる。また、組立機は、ワークを保持し回転させる回転テーブルを有しており、作業ヘッド部と回転テーブルとの相対移動により、作業ヘッド部に把持された作業ツールを、回転テーブルに保持したワークにおける任意の組立作業部位に接近させることができる。
【0009】
これにより、組立機は、作業ヘッド部の2つの方向における位置の制御と、回転テーブルの回転位置の制御とを行うことにより、ワークにおける任意の組立作業部位に作業ツールを接近させて組立作業を行うことができる。そのため、作業ヘッド部は、上記2つの方向以外の方向には移動させる必要がなく、組立機には、ヘッド移動機構及び回転テーブルをコンパクトに配設することができる。
それ故、本発明によれば、コンパクトに組立機を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記回転テーブル及び上記ヘッド移動機構は架台に配設されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、ヘッド移動機構及び回転テーブルを配設した架台を小さくすることができる。
【0011】
また、上記組立機は、上記作業ツール、上記ヘッド移動機構及び上記回転テーブルにおける各動作を制御可能な制御装置を有しており、該制御装置は、上記架台の内部又は該架台において上記ヘッド移動機構の後方に位置する部分の少なくとも一方に配設されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記制御装置を、組立機に直接配設することができ、その配設が容易である。また、制御装置を架台の内部又はヘッド移動機構の後方に配設することができ、制御装置を組立機に一体化して、制御装置を含めた組立機全体をコンパクトに構成することができる。
【0012】
また、上記組立機は、上記作業ツールを保管するツール置台を有しており、上記作業ツールは、複数種類の組立作業を行うために複数種類準備されており、該複数種類の作業ツールは、上記ツール置台にそれぞれ保管されており、上記組立機は、上記ツール置台に保管された上記複数種類の作業ツールのいずれかを上記作業ヘッド部に把持して、上記複数種類の組立作業を順次行うよう構成することが好ましい(請求項4)。
【0013】
この場合には、組立機は、ツール置台に保管された各作業ツールを、順次作業ヘッド部に持ち替えて組立作業を行う。すなわち、組立機は、組立作業の種類に応じた作業ツールをツール置台から取り出して作業ヘッド部に把持し、当該組立作業を行う。その後、組立機は、組立作業後の作業ツールをツール置台に戻し、別の作業ツールをツール置台から取り出して再び作業ヘッド部に把持して、別の組立作業を行うことができる。
そのため、組立機においては、組立部品の少なくとも2種類以上の組立作業を順次行うことができ、短時間で効率的に複数種類の組立作業を行うことができる。
【0014】
また、上記組立作業は、締付、緩め、圧入、かしめ、折曲又は計測のいずれかであることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記組立機は、上記締付、緩め、圧入、かしめ、折曲又は計測のうちの少なくとも2種類以上を効率的に行うことができる。
【0015】
また、上記作業ツールの1つは、上記組立部品としてのボルト又はナットの締付又は緩めを行う締付ツールであり、該締付ツールは、上記ボルト又はナットと係合する締付ロッドと、該締付ロッドをその軸方向回りに回転させる締付用アクチュエータとを備えていることができる(請求項6)。
この場合には、組立機は、上記作業ヘッド部に上記締付ツールを把持したときには、締付ロッドにボルト又はナットを係合させると共に締付用アクチュエータを動作させて、上記ワークに対してボルト又はナットの締付又は緩めを行うことができる。
【0016】
また、上記作業ツールの1つは、上記組立部品としての圧入部品の圧入を行う圧入ツールであり、該圧入ツールは、上記圧入部品と係合する圧入ロッドと、該圧入ロッドをその軸方向に移動させる圧入用アクチュエータとを備えていることができる(請求項7)。
この場合には、組立機は、上記作業ヘッド部に上記圧入ツールを把持したときには、圧入ロッドに圧入部品を係合させると共に圧入用アクチュエータを動作させて、上記ワークに対して圧入部品の圧入を行うことができる。
【0017】
また、上記圧入ツールは、上記圧入ロッドを移動可能に保持する圧入本体部と、上記圧入ロッドと上記圧入用アクチュエータとに係合するリンク部材とを有しており、該リンク部材は、上記圧入本体部に対して回動支点部を中心にして回動可能に配設されており、上記回動支点部から上記圧入ロッドと係合する一端部までの長さが、上記回動支点部から上記圧入用アクチュエータと係合する他端部までの長さよりも短くなっており、上記圧入ロッドは、上記圧入用アクチュエータによる出力荷重よりも大きな圧入力を生じさせるよう構成することが好ましい(請求項8)。
【0018】
この場合には、上記圧入ツールは、上記リンク部材を介して、圧入用アクチュエータによる出力加重を圧入ロッドに伝達することができる。そして、リンク部材の回動支点部から各端部までの長さの比の設定により、圧入ロッドが生じさせる圧入力を容易に大きくすることができる。
【0019】
また、上記作業ツールの1つは、上記組立部品としてのかしめ部品のかしめを行うかしめツールであり、該かしめツールは、上記かしめ部品と係合するかしめロッドと、該かしめロッドを衝撃力によってその軸方向に移動させる衝撃力発生手段とを備えていることができる(請求項9)。
この場合には、組立機は、上記作業ヘッド部に上記かしめツールを把持したときには、かしめロッドにかしめ部品を係合させると共に衝撃力発生手段により衝撃力を発生させて、かしめロッドを軸方向に移動させて、上記ワークに対してかしめ部品のかしめを行うことができる。
【0020】
また、上記衝撃力発生手段は、かしめ本体部と、該かしめ本体部に配設されたガイドロッドと、該ガイドロッドに沿ってスライド可能な衝撃ブロックと、該衝撃ブロックに衝撃力を与えるためのばね部材と、該ばね部材を弾性変形させるよう上記衝撃ブロックを上記ガイドロッドに沿ってスライドさせるスライド用アクチュエータとを有しており、上記かしめロッドは、上記ガイドロッドの先端部に配設されていると共に、該ガイドロッドの直径よりも大きな直径を有する段部を備えており、上記衝撃力発生手段は、上記スライド用アクチュエータにおける可動部が上記衝撃ブロックと係合して、該衝撃ブロックを後退させることにより、上記ばね部材を弾性変形させ、上記可動部と上記衝撃ブロックとの係合状態が解除されたときに、当該衝撃ブロックが上記ばね部材の反発力を受けて前進して上記かしめロッドの上記段部に衝突することにより、該かしめロッドを衝撃力により前進させるよう構成することが好ましい(請求項10)。
【0021】
この場合には、衝撃力発生手段は、上記ガイドロッド、衝撃ブロック、ばね部材及びスライド用アクチュエータ等を用いた簡単な構成により衝撃力を発生させることができる。
また、この場合には、ばね部材による反発力を利用するだけでなく、衝撃ブロックの自重も利用して一層効果的に衝撃力を発生させることができる。
【0022】
また、上記作業ツールの1つは、上記組立部品としての六角ボルト又は六角ナットの緩み止めを行うロックプレートを折り曲げる折曲ツールであり、該折曲ツールは、折曲本体部と、該折曲本体部に対して回動支点部を中心にして回動可能であると共に上記ロックプレートと係合する折曲アーム部材と、該折曲アーム部材を上記回動支点部を中心に回動させるための折曲用アクチュエータとを備えていることができる(請求項11)。
【0023】
この場合には、上記ロックプレートは、六角ボルト又は六角ナットをワークに締め付ける際に、これらとワークとの間に挟持しておく。そして、組立機は、上記作業ヘッド部に上記折曲ツールを把持したときには、折曲アーム部材にロックプレートを係合させると共に折曲用アクチュエータを動作させて、ワークに配置したロックプレートを折り曲げて、これを六角ボルト又は六角ナットにおける頭部の一側面と対面させることができる。
【0024】
また、上記折曲アーム部材は、上記回動支点部から上記ロックプレートと係合する折曲係合爪までの長さが、上記回動支点部から上記折曲用アクチュエータの可動部と係合する係合部までの長さよりも短くなっており、上記折曲用アクチュエータによる出力荷重よりも大きな折曲力を生じさせるよう構成することが好ましい(請求項12)。
この場合には、上記折曲ツールは、折曲アーム部材の回動支点部から折曲係合爪までの長さと、係合部までの長さとの比の設定により、折曲アーム部材が生じさせる折曲力を容易に大きくすることができる。
【0025】
また、上記折曲ツールは、上記折曲アーム部材及び上記折曲用アクチュエータを上下方向の軸回りに回転させる回転用アクチュエータを有していることが好ましい(請求項13)。
この場合には、折曲を行う方向が異なる種々のロックプレートに対しても、上記回転用アクチュエータを動作させて折曲ツールの向きを変えることにより、容易に折曲を行うことができる。
【0026】
また、上記作業ツールの1つは、上記ワークに組み立てた組立部品の組立状態の計測を行う計測ツールであり、該計測ツールは、上記ワークに対する上記組立部品の位置及び傾きを計測するよう構成することができる(請求項14)。
この場合には、組立機は、上記作業ヘッド部に上記計測ツールを把持したときには、この計測ツールにより、上記ワークに対する組立部品の位置及び傾きを計測することができる。そのため、ワークに対して組立部品が正規の位置に正規の傾きで組み立てられているかを計測し、組立部品の組立不良の発生を容易に見つけ出すことができる。
【0027】
また、上記計測ツールは、計測本体部と、該計測本体部に対してフローティング可能に配設された計測部とを有しており、該計測部は、上記ワークに当接する複数の当接基準面と、上記ワークに組み立てられた組立部品に当接する複数の計測子とを有しており、上記各計測子は、その各検出端部の突出量が変化することにより、上記各当接基準面から当該各検出端部までの距離を計測するよう構成されており、上記計測ツールは、上記各当接基準面を上記ワークに当接させた状態で、上記各計測子における検出端部を上記組立部品に当接させたとき、当該各当接基準面から当該各検出端部までの距離が変化することにより、上記ワークに対する上記組立部品の位置及び傾きを計測するよう構成することが好ましい(請求項15)。
【0028】
この場合には、作業ヘッド部に把持された計測ツールによって組立部品の計測を行う際に、計測ツールにおける計測部の各当接基準面をワークに当接させるときには、計測部が計測本体部に対してフローティングを行うことにより、各当接基準面を確実にワークに当接させることができる。
そして、各当接基準面が確実にワークに当接した状態で、このワークに組み立てられた組立部品に各計測子の検出端部が当接する。このとき、ワークに対する組立部品の位置及び傾きに誤差があると、各検出端部の突出量が変化することにより、各当接基準面から各検出端部までの距離が変化する。
【0029】
これにより、ワークに対する組立部品の位置及び傾きの誤差を計測することができ、ワークに対して組立部品が正規の位置及び傾き(設計上の位置及び傾き)で組み立てられているかを精度よく検査することができる。そのため、上記計測ツールを使用することにより、ワークに対する組立部品の組立不良の有無を精度よく検査することができる。
【0030】
また、上記ツール置台は、該ツール置台に保管された上記計測ツールにおける上記各当接基準面と上記各計測子の検出端部とに当接するマスター治具を有しており、該マスター治具は、上記ワークに対して組み立てられた状態の上記組立部品の正規の位置及び傾きを再現する形状に形成されており、上記各計測子は、その上記各検出端部と上記各当接基準面とが上記マスター治具に当接している状態において、当該各検出端部の突出量を基準突出量として設定するよう構成することが好ましい(請求項16)。
【0031】
この場合には、計測ツールをツール置台に載置するだけで、ワークに対して組立部品が正規の位置及び傾きで組み立てられたときの各当接基準面から各計測子における検出端部までの距離を簡単に形成することができる。そして、各計測子は、マスター治具に各当接基準面及び各検出端部が当接しているときの各検出端部の突出量を、計測を行う際の基準突出量として設定することができる。
これにより、ワークに対する組立部品の位置及び傾きの計測を行う際には、各計測子における検出端部の突出量が、上記基準突出量に対してプラス側(突出量が増える側)又はマイナス側(突出量が減る側)にどれだけ変化したかを検出することによって、簡単にワークに対する組立部品の位置及び傾きの誤差を計測することができる。
【0032】
また、上記回転テーブルは、上記ワークを積載したパレットを載置するための載置台と、該載置台を回転させるためのテーブル用モータと、上記ワークを積載したパレットの上記載置台への搬入及び搬出を行う搬送コンベヤと、上記載置台及び上記テーブル用モータを移動させるテーブル移動機構とを備えており、上記テーブル移動機構は、上記載置台及び上記テーブル用モータを、上記搬送コンベヤによって上記ワークを積載したパレットの搬入及び搬出を行うための搬入搬出位置と、該搬入搬出位置よりも上記ヘッド移動機構に近づいた位置であって、上記テーブル用モータによって上記載置台に載置した上記パレットを回転させるための回転作業位置とに移動させるよう構成することが好ましい(請求項17)。
【0033】
この場合には、ワークに対して組立部品の組立作業を行う際には、回転テーブルを上記搬入搬出位置から回転作業位置に移動させて、ヘッド移動機構に近づける。これにより、回転テーブルが回転する際に、この回転テーブルに保持したパレット又はワークの一部が、組立機から飛び出して、周囲のものに干渉してしまうことを防止することができる。
【0034】
また、この場合には、回転テーブルを搬入搬出位置にしたときには、ヘッド移動機構と回転テーブルとの位置関係を適切にすることができる。そのため、組立機は、コンパクトな構成を維持すると共に、パレットの搬入及び搬出を行うときと組立作業を行うときとのいずれにおいても、回転テーブルの位置を適切に変更することができる。
【実施例】
【0035】
以下に、本発明の組立機にかかる実施例につき、図1〜図20と共に説明する。
本例の組立機1は、図1〜図3に示すごとく、ワーク91に対する組立部品92の締付、緩め、圧入、かしめ、折曲又は計測等の少なくとも2種類以上の組立作業を行う複合組立機1である。
この複合組立機1は、組立作業を行うための作業ツール4〜8の2種類以上を保管するツール置台25と、このツール置台25に保管された2種類以上の作業ツール4〜8のうちのいずれかを把持する作業ヘッド部21と、この作業ヘッド部21を移動させるヘッド移動機構2と、ワーク91を保持し回転させる回転テーブル3とを有している。
【0036】
また、ヘッド移動機構2は、作業ヘッド部21を回転テーブル3に保持したワーク91に接近させる第1移動軸23と、作業ヘッド部21を第1移動軸23に交差する方向に移動させる第2移動軸22とを備えている。本例の第1移動軸23は、作業ヘッド部21を上下方向Hに移動させる上下移動軸23であり、第2移動軸22は、作業ヘッド部21を前後方向Dに移動させる前後移動軸22である。
そして、作業ヘッド部21は、前後方向D及び上下方向Hに移動する一方、左右方向Wには移動しない構成となっている。また、回転テーブル3は、ヘッド移動機構2の前後方向Dにおける前方に配設されている。
また、上記ツール置台25、上記ヘッド移動機構2及び上記回転テーブル3は、1つの架台11に配設されている。
【0037】
そして、複合組立機1は、ヘッド移動機構2の前後移動軸22及び上下移動軸23による作業ヘッド部21の移動と、回転テーブル3の回転とにより、作業ツール4〜8のいずれかを、回転テーブル3に保持したワーク91における組立作業部位に接近させるよう構成されている。
なお、上下移動軸(第1移動軸)23の移動方向は、回転テーブル3の回転中心軸線と略平行な方向であり、前後移動軸(第2移動軸)22の移動方向は、回転テーブル3の回転中心軸線と略直交する方向である。
【0038】
以下に、本例の複合組立機1について、制御装置151、ツール置台25、作業ヘッド部21、回転テーブル3、ワーク91、組立部品92、各作業ツール4〜8の順に説明し、最後に複合組立機1全体の作用効果等を説明する。
【0039】
(制御装置)
図1〜図3に示すごとく、本例の複合組立機1において、各作業ツール4〜8、ツール置台25、作業ヘッド部21、ヘッド移動機構2及び回転テーブル3における各動作は、制御装置151によって制御される。この制御装置151は、制御盤(制御ボックス)15内に配設されており、制御盤15は、架台11の内部と、架台11においてヘッド移動機構2の後方に位置する部分とに分けて配設されている。
【0040】
より具体的には、架台11は、ヘッド移動機構2を配設する移動機構配設部12と、回転テーブル3を配設するテーブル配設部13とを有しており、移動機構配設部12は、テーブル配設部13よりも高い位置まで形成されている。また、移動機構配設部12の内部及び移動機構配設部12の上面における後方端部付近には、制御盤15を配設するスペース14がそれぞれ形成されている。そして、制御盤15は、上記各スペース14に配設されており、架台11の左右方向Wに突出しないよう配設されている。
【0041】
(ツール置台)
図1、図2に示すごとく、本例のツール置台25は、各作業ツール4〜8の2種類以上を保管するツール保管部251を複数有している。より具体的には、ツール置台25は、締付ツール4と折曲ツール5とを保管するよう2つのツール保管部251を有している。また、ツール置台25は、各作業ツール4〜8の2種類以上を保管する各ツール保管部251を、上記作業ヘッド部21の下方に対向配置するための置台移動機構252を備えている。
【0042】
本例のツール置台25は、置台移動機構252によって複合組立機1の上下方向Hの軸回りに回動可能であり、各ツール保管部251を順次上記作業ヘッド部21の下方に対向配置するよう構成されている。また、作業ヘッド部21は、ヘッド移動機構2の前後移動軸22を動作させ、前後方向Dに移動するときに、その把持部211と、作業ヘッド部21の前後方向Dへの移動軌跡上に配置されたツール保管部251に保管された作業ツール4〜8における被把持部411、541、611、711、811とが係合するよう構成されている(図10〜図20参照)。
【0043】
(作業ヘッド部)
図1〜図3に示すごとく、上記作業ヘッド部21は、各作業ツール4〜8のいずれかを把持するための把持部211を有しており、この把持部211は、ロックシリンダー212によって把持力を発生させるよう構成されている。そして、作業ヘッド部21は、その把持部211と作業ツール4〜8における被把持部411、541、611、711、811とを係合させた状態において、ロックシリンダー212を動作させることにより、作業ツール4〜8のいずれかを把持することができる(図10〜図20参照)。
【0044】
(回転テーブル)
図4〜図9に示すごとく、本例の回転テーブル3は、ワーク91を積載したパレット90を載置するための載置台31と、この載置台31を回転させるためのテーブル用モータ32と、ワーク91を積載したパレット90の載置台31への搬入及び搬出を行う搬送コンベヤ33と、載置台31及びテーブル用モータ32を移動させるテーブル移動機構34とを備えている。
また、テーブル移動機構34は、図4、図6、図8に示すごとく、載置台31及びテーブル用モータ32を、搬送コンベヤ33によってパレット90の搬入及び搬出を行うための搬入搬出位置301と、図5、図7、図9に示すごとく、テーブル用モータ32によって載置台31に載置したパレット90を回転させるための回転作業位置302との間で移動させるよう構成されている。また、回転作業位置302は、搬入搬出位置301よりもヘッド移動機構2に近づいた位置として形成されている。
【0045】
図4〜図9に示すごとく、本例のテーブル移動機構34は、載置台31及びテーブル用モータ32を上昇させ、パレット90を、搬送コンベヤ33上から持ち上げると共に載置台31上に載置する上昇機構部35と、載置台31及びテーブル用モータ32を複合組立機1の前後方向Dにおける後方側へ移動させる前後移動機構部36とを有している。
【0046】
上昇機構部35は、上昇用シリンダー351と、この上昇用シリンダー351のロッド先端部に配設されたテーパ状ブロック352と、このテーパ状ブロック352のテーパ面353上を転がるローラ部材354と、このローラ部材354を軸支すると共に載置台31及びテーブル用モータ32を取り付けた上下フレーム355と、この上下フレーム355の上下移動をガイドする上下スライドガイド356とを備えている。
また、前後移動機構部36は、前後移動用シリンダー361と、この前後移動用シリンダー361のロッド先端部と係合すると共に、上昇機構部35全体を取り付けたスライドベース362と、このスライドベース362の前後移動をガイドする前後スライドガイド363とを備えている。
【0047】
そして、図4、図6に示すごとく、ワーク91を積載したパレット90を回転テーブル3に搬入する際には、載置台31及びテーブル用モータ32を搬入搬出位置301に移動させておき、搬送コンベヤ33を動作させて、パレット90を載置台31の上方まで搬入する。
次いで、図7に示すごとく、テーブル移動機構34の上昇機構部35における上昇用シリンダー351により、テーパ状ブロック352をスライドさせる。このとき、テーパ状ブロック352のテーパ面353上をローラ部材354が転がることにより、載置台31及びテーブル用モータ32を取り付けた上下フレーム355が上下スライドガイド356によってガイドされた状態で上昇する。これにより、パレット90は、搬送コンベヤ33上から持ち上げられると共に、載置台31上に載置される。
【0048】
次いで、図5に示すごとく、テーブル移動機構34の前後移動機構部36における前後移動用シリンダー361により、上昇機構部35全体、すなわちパレット90を配置した載置台31及びテーブル用モータ32等を、複合組立機1の前後方向Dにおける後方側に移動させる。
こうして、図5、図7、図9に示すごとく、ワーク91に対して組立部品92の各組立作業を行う際には、回転テーブル3を搬入搬出位置301から回転作業位置302に移動させて、ヘッド移動機構2に近づけることができる。そのため、回転テーブル3が回転する際に、この回転テーブル3に保持したパレット90の一部が、複合組立機1の前後方向Dにおける前方へ飛び出してしまうことを抑制することができる。
また、回転テーブル3を搬入搬出位置301にしたときには、ヘッド移動機構2と回転テーブル3との位置関係を適切にすることができる。
【0049】
(ワーク及び組立部品)
本例の複合組立機1は、エンジン等の出力の変速を行うオートマチックトランスミッションの組立を行う。そして、図1に示すごとく、複合組立機1のツール置台25に保管する作業ツールは2つであり、1つは、組立部品92としての六角ボルト92Bの締付を行う締付ツール4であり、他の1つは、上記六角ボルト92Bの緩み止めを行うロックプレート92Cを折り曲げる折曲ツール5である。
【0050】
図10に示すごとく、複合組立機1においては、ケース部品91Aに対して、内部部品92Aを六角ボルト92Bによって組み付けるよう構成されている。そして、ワーク91としてのケース部品91A及び内部部品92Aは、ケース部品91Aに対して内部部品92Aが六角ボルト92Bによって仮止めされた状態(六角ボルト92B及び内部部品92Aがケース部品91Aから外れない程度にこれらを取り付けた状態)で複合組立機1の回転テーブル3へ搬入される。
【0051】
また、ケース部品91Aには、六角ボルト92Bのねじ部と螺合するねじ穴911が形成されており、内部部品92Aは、六角ボルト92Bのねじ部をケース部品91Aのねじ穴911に螺合することによって、ケース部品91Aに組み付けられる。
上記ワーク91の回転テーブル3への搬入の際に、六角ボルト92Bと内部部品92Aとの間には、六角ボルト92Bの頭部における一側面に当接して、この六角ボルト92Bの緩み止めを行うロックプレート92Cが挟持されている(図12参照)。
【0052】
(締付ツール)
図10に示すごとく、本例の締付ツール4は、組立部品92としての六角ボルト92Bの頭部と係合する締付ロッド42と、この締付ロッド42を回動可能に保持する締付本体部41と、締付ロッド42をその軸方向回りに回転させる締付用アクチュエータ43とを備えている。
締付ロッド42及び締付用アクチュエータ43は、締付本体部41に配設されており、締付本体部41には、作業ヘッド部21によって把持される被把持部411が配設されている。また、締付ロッド42は、作業ヘッド部21の上下方向Hに向けて配設されており、複合組立機1の上下方向Hの軸回りに回転することができる。また、本例の締付用アクチュエータ43は、モータである。
【0053】
また、締付ロッド42は、締付本体部41に対してその軸方向にフローティング可能(所定圧力を受けて揺動できることをいい、以下同じ。)に配設されており、締付ロッド42は、所定範囲内の押圧力を六角ボルト92Bに与えながら締付本体部41に対して当該締付ロッド42の軸方向に揺動することができる。そして、六角ボルト92Bの締付を行う際には、締付ロッド42は、六角ボルト92Bが締め付けられていくにつれて前進することができ、六角ボルト92Bとの係合状態を適切に維持することができる。
そして、複合組立機1は、作業ヘッド部21に締付ツール4を把持したときには、締付ロッド42に六角ボルト92Bの頭部を係合させると共に締付用アクチュエータ43を動作させて、上記ワーク91に対して六角ボルト92Bの締付を行うことができる。
【0054】
また、上記締付ロッド42は、ワーク91に配されたねじ部に対して、組立部品92としてのナットを締め付けることもできる。この場合には、締付ロッド42における締付ロッド42の先端部をナットを保持できる構造にし、締付ロッド42の先端部に保持したナットをワーク91に配されたねじ部に対して締め付けることができる。
また、締付ロッド42は、組立部品92としてのボルト又はナットの緩めを行うこともできる。この場合には、例えば、締付ロッド42は、不意に斜めの状態で螺合してしまったボルト又はナットを緩めることができる。
【0055】
(折曲ツール)
次に、図11、図12に示すごとく、本例の折曲ツール5は、折曲本体部51と、この折曲本体部51に対して回動支点部521を中心にして回動可能であると共にロックプレート92Cと係合する折曲アーム部材52と、この折曲アーム部材52を回動支点部521を中心に回動させるための折曲用アクチュエータ53とを備えている。また、折曲アーム部材52及び折曲用アクチュエータ53は、折曲本体部51に配設されている。また、本例の折曲用アクチュエータ53は、エアシリンダーである。
【0056】
また、上記作業ヘッド部21によって把持される被把持部541を配設した回動保持部54と、この回動保持部54に対して回動可能に配設した回動軸部55と、この回動軸部55を回動させるための回動用アクチュエータ56とを備えている。
そして、上記折曲本体部51は、回動軸部55の軸方向に連結されており、回動軸部55に対して軸方向及び軸方向回りにフローティング可能に配設されている。より具体的には、折曲本体部51は、連結部材57を介して回動軸部55の軸方向に連結されており、連結部材57は、ばね部材を介して回動軸部55に対してフローティング可能に配設されている。
【0057】
また、折曲本体部51は、連結部材57に対して回動軸部55の軸方向回りにフローティング可能に配設されている。また、回動軸部55は、作業ヘッド部21の上下方向Hに向けて配設されており、折曲本体部51は、複合組立機1の上下方向Hの軸回りに回動することができる。また、本例の回動用アクチュエータ56は、エアシリンダーである。
【0058】
また、図11、図12に示すごとく、折曲アーム部材52は、折曲本体部51に軸支された回動支点部521からロックプレート92Cと係合する折曲係合爪522までの長さL1が、回動支点部521から折曲用アクチュエータ53の可動部と係合する係合部523までの長さL2よりも短くなっており、折曲用アクチュエータ53による出力荷重よりも大きな折曲力を生じさせるよう構成されている。
そして、折曲用アクチュエータ53による小さな出力荷重によっても、容易にロックプレート92Cの折曲を行うことができるよう構成されている。
【0059】
そして、図12に示すごとく、複合組立機1は、作業ヘッド部21に折曲ツール5を把持したときには、ロックプレート92Cに折曲アーム部材52の折曲係合爪522を係合させると共に折曲用アクチュエータ53を動作させて、ワーク91に配置したロックプレート92Cを折り曲げて、これを六角ボルト92Bにおける頭部の一側面と対面させることができる。
【0060】
また、図11に示すごとく、回動用アクチュエータ56を動作させたときには、回動軸部55及び連結部材57を介して折曲本体部51が回動し、折曲アーム部材52の折曲係合爪522の上下方向Hの軸回り(回動軸部55の軸回り)における位置を変更させることができる。これにより、複数のロックプレート92Cの折曲を行う際に、各ロックプレート92Cの折曲を行う部位の円周方向位置(六角ボルト92Bの軸方向回りの位置)が異なっていても、各ロックプレート92Cの折曲を行うことができる。
また、折曲本体部51は、回動軸部55の軸方向(上下方向H)及び軸方向回りにフローティング可能であるため、ロックプレート92Cの折曲作業を行う際に、作業ヘッド部21に大きな反力が作用することを防止することができる。
【0061】
上記のごとく、本例のツール置台25には、上記締付ツール4及び折曲ツール5が載置されており、複合組立機1は、六角ボルト92Bの締付及びロックプレート92Cの折曲を行った。
これに対し、ツール置台25には、以下の圧入ツール6、かしめツール7又は計測ツール8を載置し、複合組立機1は、圧入部品92Dの圧入、かしめ部品92Eのかしめ又は組立部品92の組立状態の計測を行うこともできる。
【0062】
(圧入ツール)
本例の圧入ツール6は、以下のようにして構成することができる。
すなわち、図13に示すごとく、圧入ツール6は、圧入部品92Dと係合する圧入ロッド62と、この圧入ロッド62を移動可能に保持する圧入本体部61と、圧入ロッド62をその軸方向に移動させる圧入用アクチュエータ63と、圧入ロッド62と上記圧入用アクチュエータ63とに係合するリンク部材64とを有している。
【0063】
圧入ロッド62、圧入用アクチュエータ63及びリンク部材64は、圧入本体部61に配設されており、圧入本体部61には、作業ヘッド部21によって把持される被把持部611が配設されている。また、圧入本体部61は、被把持部611に対して、圧入ロッド62の軸方向にフローティング可能に配設されている。また、本例の圧入用アクチュエータ63は、エアシリンダーである。
【0064】
図13に示すごとく、上記リンク部材64は、上記圧入本体部61に対して回動支点部641を中心にして回動可能に配設されている。このリンク部材64は、回動支点部641から圧入ロッド62と係合するロッド側端部(一端部)642までの長さL3が、回動支点部641から圧入用アクチュエータ63と係合するアクチュエータ側端部(他端部)643までの長さL4よりも短くなっている。これにより、圧入ロッド62は、圧入用アクチュエータ63による出力荷重よりも大きな圧入力を生じさせるよう構成されている。
そして、圧入ツール6は、圧入用アクチュエータ63による出力加重をリンク部材64を介して圧入ロッド62に伝達し、圧入用アクチュエータ63による小さな出力荷重によっても、容易に圧入部品92Dの圧入を行うことができるよう構成されている。
【0065】
そして、複合組立機1は、作業ヘッド部21に圧入ツール6を把持したときには、圧入ロッド62に圧入部品92Dを係合させると共に圧入用アクチュエータ63を動作させて、ワーク91に対して圧入部品92Dの圧入を行うことができる。
また、本例の圧入部品92Dは、ワーク91の端部に形成されたフランジ部912に圧入するピンであり、フランジ部912には、圧入用穴913が形成されている。そして、圧入ツール6は、圧入本体部61に形成された挟持端部612と、圧入ロッド62の先端部621とによって、ワーク91のフランジ部912を挟持するようにして、圧入用穴913に圧入部品92Dの圧入を行う。
【0066】
また、圧入ロッド62の先端部621への圧入部品92Dの供給は、図示しない圧入部品供給手段によって行うことができる。そして、圧入ツール6は、圧入部品供給手段によって供給された圧入部品92Dを圧入ロッド62の先端部621に保持し、圧入部品92Dを複数の圧入部位に順次圧入することができる。
【0067】
(かしめツール)
また、本例のかしめツール7は、以下のようにして構成することができる。
すなわち、図14〜図16に示すごとく、かしめツール7は、かしめ本体部71と、組立部品92としてのかしめ部品92Eと係合すると共にかしめ本体部71に対して移動可能であるかしめロッド72と、このかしめロッド72を衝撃力によってその軸方向に移動させる衝撃力発生手段73とを備えている。
衝撃力発生手段73は、かしめ本体部71に配設されたガイドロッド731と、このガイドロッド731に沿ってスライド可能な衝撃ブロック732と、この衝撃ブロック732に衝撃力を与えるための衝撃用ばね部材733と、この衝撃用ばね部材733を弾性変形させるよう衝撃ブロック732をガイドロッド731に沿ってスライドさせるスライド用アクチュエータ734とを有している。
【0068】
かしめロッド72、ガイドロッド731、衝撃ブロック732、衝撃用ばね部材733、スライド用アクチュエータ734は、かしめ本体部71に配設されており、かしめ本体部71には、作業ヘッド部21によって把持される被把持部711が配設されている。
また、かしめ本体部71は、かしめロッド72の移動をガイドするガイドブロック712を有しており、かしめロッド72は、ガイドブロック712に形成されたガイド穴713内に摺動可能に配設されている。また、かしめ本体部71は、被把持部711に対して、かしめロッド72の軸方向にフローティング可能に配設されている。
【0069】
また、図14、図17に示すごとく、かしめロッド72は、ガイドロッド731の先端部に配設されていると共に、ガイドロッド731の直径よりも大きな直径を有する段部721を備えている。また、かしめロッド72の段部721とガイドブロック712との間には、ばね部材723が配設されており、かしめロッド72は、衝撃ブロック732の衝撃力を受けて前進して圧入部品92Dの圧入を行った後には、ばね部材723の反発力を受けて後退するよう構成されている。
また、図18に示すごとく、かしめロッド72の先端部には、かしめ部品92Eの一部を変形させるためのかしめ突起722が形成されている。また、本例のスライド用アクチュエータ734は、エアシリンダーである。
【0070】
また、図17、図18に示すごとく、本例のかしめ部品92Eは、ワーク91に形成された圧入かしめ用穴914に対して圧入を行うと共に、圧入を行った後に当該かしめ部品92Eの一部及びこれに対面する圧入かしめ用穴914の開口端部近傍を変形させて、ワーク91にかしめを行うものである。より具体的には、圧入かしめ用穴914は、油路であり、かしめ部品92Eは、上記油路の開口端部に圧入かしめを行うオリフィスである。
【0071】
そして、図14に示すごとく、複合組立機1は、かしめツール7によってかしめ部品92Eのかしめを行う際には、上記作業ヘッド部21にかしめツール7を把持する。そして、かしめツール7におけるかしめロッド72の先端部にかしめ部品92Eを保持させる。このとき、かしめロッド72の先端部へのかしめ部品92Eの供給は、図示しないかしめ部品供給手段によって行うことができる。
【0072】
次いで、図15に示すごとく、スライド用アクチュエータ734のロッド部(可動部)を衝撃ブロック732に係合させ、ロッド部によって、衝撃ブロック732をガイドロッド731に沿って後退させる。このとき、衝撃ブロック732の後退により、衝撃用ばね部材733が弾性変形され、衝撃ブロック732には、衝撃用ばね部材733による反発力が加わる。
そして、図16に示すごとく、スライド用アクチュエータ734のロッド部と衝撃ブロック732との係合状態が解除されたときには、当該衝撃ブロック732が、衝撃用ばね部材733の反発力及び衝撃ブロック732の自重を受けて前進し、かしめロッド72の段部721に衝突する。
【0073】
このとき、図17、図18に示すごとく、かしめロッド72が衝撃ブロック732による衝撃力を受けて前進し、かしめロッド72の先端部に保持されたかしめ部品92Eが、ワーク91における圧入用穴913に圧入されると共に、かしめロッド72の先端部におけるかしめ突起722が、かしめ部品92Eの一部及びこれに対面する圧入用穴913の開口端部近傍を変形させる。こうして、かしめツール7が、かしめ部品92Eの圧入及びかしめを行うことができる。
【0074】
(計測ツール)
また、本例の計測ツール8は、以下のようにして構成することができる。
すなわち、図19、図20に示すごとく、計測ツール8は、計測本体部81と、この計測本体部81に対してフローティング可能に配設された計測部82とを有している。この計測部82は、ワーク91としてのケース部品91Aに当接する複数の当接基準面83と、ケース部品91Aに組み立てられた組立部品92としての内部部品92Aに当接する複数の計測子84とを有している。
【0075】
図19に示すごとく、各計測子84は、その各検出端部841の突出量Xが変化することにより、各当接基準面83から当該各検出端部841までの距離を計測するよう構成されている。これにより、計測ツール8は、ケース部品91Aに組み立てた後の内部部品92Aの位置及び傾きを計測するよう構成されている。また、計測本体部81には、作業ヘッド部21によって把持される被把持部811が配設されている。
また、計測部82は、バネ部材を用いた上下フローティング機構821により、作業ヘッド部21の上下方向Hに向けてフローティング可能であると共に、曲面同士の係合による曲面係合部822により、作業ヘッド部21の上下方向Hに直交する方向にもフローティング可能である。
【0076】
また、図19に示すごとく、計測ツール8を保管するツール置台25のツール保管部251には、このツール保管部251に保管された計測ツール8における各当接基準面83と各計測子84の検出端部841とに当接するマスター治具85が配設されている。このマスター治具85は、ケース部品91Aに対して組み立てられた状態の内部部品92Aの正規の位置及び傾きを再現する形状に形成されている。すなわち、マスター治具85は、各当接基準面83に当接する基準用当接面851と、各計測子84の検出端部841に当接する検出用当接面852とを有しており、基準用当接面851と検出用当接面852とは、それらの間の距離及び傾きがケース部品91Aと内部部品92Aとの設計上の正規寸法になるよう形成されている。
【0077】
また、各計測子84は、その各検出端部841と各当接基準面83とがマスター治具85に当接している状態において、各検出端部841の各計測子84に対する突出量Xを基準突出量として設定するよう構成されている(各検出端部841の突出量Xのゼロ補正を行うよう構成されている)。そして、ケース部品91Aへの内部部品92Aの位置及び傾きの組立状態を計測する際には、各検出端部841の突出量Xが基準突出量からプラス側(突出量Xが増加する側)又はマイナス側(突出量Xが減少する側)にどれだけ変化するかによって、ケース部品91Aに対する内部部品92Aの位置及び傾きを計測することができる。
また、上記マスター治具85を用いることにより、計測ツール8をツール置台25のツール保管部251に載置するだけで、各検出端部841の突出量Xのゼロ補正を行うことができる。
【0078】
そして、図20に示すごとく、複合組立機1は、計測ツール8によって内部部品92Aの組立状態の計測を行う際には、上記作業ヘッド部21に計測ツール8を把持する。
そして、ヘッド移動機構2の前後移動軸22により計測ツール8を前後方向Dの前方に移動させ、ヘッド移動機構2の上下移動軸23により計測ツール8を回転テーブル3の載置台31上にあるケース部品91Aの計測部位に接近させる。
【0079】
このとき、図20に示すごとく、計測ツール8の計測部82は、計測本体部81に対する配設角度(取付角度)を変更するようにして、計測本体部81に対してフローティングすることができる。これにより、計測部82における各当接基準面83を確実にケース部品91Aの基準端面910Aに当接させることができる。
そして、各当接基準面83が確実にケース部品91Aの基準端面910Aに当接した状態で、このケース部品91Aに組み立てられた内部部品92Aに各計測子84の検出端部841が当接する。このとき、ケース部品91Aに対する内部部品92Aの位置及び傾きに誤差があると、各検出端部841の突出量Xが基準突出量からプラス側又はマイナス側に変化する。
【0080】
これにより、ケース部品91Aに対する内部部品92Aの位置及び傾きの誤差を計測することができ、ケース部品91Aに対して内部部品92Aが正規の位置及び傾き(設計上の位置及び傾き)で組み立てられているかを精度よく検査することができる。そのため、計測ツール8を使用することにより、ケース部品91Aに対する内部部品92Aの組立不良の有無を精度よく検査することができる。
【0081】
また、本例においては、計測ツール8をツール置台25のツール保管部251に載置し、各当接基準面83及び各計測子84の検出端部841をマスター治具85の各当接面851、852に当接させる毎に、各検出端部841の突出量Xのゼロ補正(リセット)を行って、この突出量Xを基準突出量に再設定する。そのため、計測ツール8が計測状態の計測を繰り返す毎に、各検出端部841のゼロ基準がずれていってしまうことを防止することができる。そのため、計測ツール8は、内部部品92Aの組立状態の計測を、精度よく繰り返し行うことができる。
【0082】
なお、本例の複合組立機1においては、締付、折曲、圧入又はかしめの各組立作業を行う際に、ヘッド移動機構2に各組立作業による反力が直接作用しないように、各作業ツール4〜8をフローティングさせる構造とした。これに対し、複合組立機1は、作業ヘッド部21に、締付、折曲、圧入又はかしめの各組立作業を行う各作業ツール4〜8を上下方向Hにフローティングさせるためのフローティング機構を配設することもできる。
【0083】
また、本例の複合組立機1においては、上記ツール置台25には作業ツール4〜8のいずれか2つを保管し、作業ヘッド部21に把持する作業ツール4〜8のいずれかを交互に持ち替えて各組立作業を行った。これに対し、複合組立機1は、作業ツール4〜8のうちの3つ以上をツール置台25に保管し、作業ヘッド部21に把持する作業ツール4〜8を順次持ち替えて各組立作業を行うこともできる。
【0084】
また、上記各作業ツール4〜8による各組立作業を行う際には、回転テーブル3が、作業ヘッド部21に把持した作業ツール4〜8からの押圧力を受けて、その回転方向にフローティングできる状態を形成し、各組立作業の作業効率を向上させることもできる。
すなわち、各組立作業を行う際には、回転テーブル3のテーブル用モータ32の位置制御を解除し、テーブル用モータ32がその回転方向にフローティングできる状態を形成することができる。これにより、作業ヘッド部21に把持した作業ツール4〜8と、回転テーブル3に保持したワーク91における組立作業部位との間に若干の位置ずれがあっても、回転テーブル3が若干回転することにより、各組立作業を正常に行うことができる。
【0085】
(複合組立機全体)
上述したように、本例の複合組立機1は、組立部品92の締付、圧入、かしめ、折曲又は計測等の少なくとも2種類の組立作業を行うために、各作業ツール4〜8を順次持ち替えて組立作業を行う。すなわち、複合組立機1は、組立作業の種類に応じた作業ツール4〜8のいずれかをツール置台25から取り出して作業ヘッド部21に把持し、当該組立作業を行う。その後、複合組立機1は、組立作業後の作業ツール4〜8のいずれかをツール置台25に戻し、別の作業ツール4〜8のいずれかをツール置台25から取り出して再び作業ヘッド部21に把持して、別の組立作業を行うことができる。
そのため、複合組立機1においては、組立部品92の締付、圧入、かしめ、折曲又は計測等の少なくとも2種類を順次行うことができ、短時間で効率的に複数種類の組立作業を行うことができる。
【0086】
また、本例の複合組立機1は、前後移動軸22と上下移動軸23とを備えたヘッド移動機構2を有しており、このヘッド移動機構2により、作業ツール4〜8のいずれかを把持した作業ヘッド部21を前後方向D及び上下方向Hに移動させる。また、複合組立機1は、ワーク91を保持し回転させる回転テーブル3を有しており、作業ヘッド部21と回転テーブル3との相対移動により、各組立作業を行う。
【0087】
すなわち、いずれかの組立作業を行う際には、ヘッド移動機構2の前後移動軸22を動作させて、作業ツール4〜8のいずれかを把持した作業ヘッド部21を前後方向Dへ移動させ、また、回転テーブル3を動作させて、ワーク91を回転させる。これにより、作業ヘッド部21に把持した作業ツール4〜8のいずれかを、ワーク91における任意の組立作業部位に対向させることができる。また、ヘッド移動機構2の上下移動軸23を動作させて、作業ヘッド部21を上下方向Hへ移動させることにより、作業ツール4〜8のいずれかを、ワーク91における組立作業部位に接近させることができる。
なお、ヘッド移動機構2の前後移動軸22とヘッド移動機構2の上下移動軸23とは同時に動作させることができる。
【0088】
そのため、作業ヘッド部21の前後方向Dにおける位置の制御と、回転テーブル3の回転位置の制御とを行うことにより、ワーク91における任意の組立作業部位と、作業ツール4〜8のいずれかとを対向させることができ、作業ツール4〜8のいずれかを任意の組立作業部位に接近させて各組立作業を行うことができる。
これにより、作業ヘッド部21は、左右方向Wには移動させる必要がなく、ツール置台25、ヘッド移動機構2及び回転テーブル3を配設した架台11の左右方向Wにおける幅を小さくすることができる。そのため、複合組立機1を工場等に設置する際の占有面積を小さくすることができる。
それ故、上記複合組立機1は、複数種類の組立作業を効率的に行うことができ、かつコンパクトに構成することができる。
【0089】
また、上述したように、本例の組立機1は、縦型組立機として、作業ヘッド部21を第1移動軸23により上下方向Hに移動させると共に第2移動軸22により前後方向Dに移動させ、回転テーブル3を上下方向Hの軸線C回りに回転させる構成とした。図21は、本例の縦型組立機1を模式的に示した図である。
また、組立機1は、縦型組立機以外にも、第1移動軸23、第2移動軸22及び回転テーブル3を種々の方向に向けて、種々の形態をとることができる。
【0090】
すなわち、例えば、図22に示すごとく、組立機1は、横型組立機として、作業ヘッド部21Aを第1移動軸23Aにより左右方向Wに移動させると共に第2移動軸22Aにより前後方向Dに移動させ、回転テーブル3Aを左右方向Wの軸線C回りに回転させる構成とすることもできる。また、例えば、図23に示すごとく、組立機1は、上下型組立機として、作業ヘッド部21Bを第1移動軸23Bにより前後方向Dに移動させると共に第2移動軸22Bにより上下方向Hに移動させ、回転テーブル3Bを前後方向Dの軸線C回りに回転させる構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施例における、複合組立機を示す斜視図。
【図2】実施例における、複合組立機を左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図3】実施例における、複合組立機を前後方向から見た状態で示す断面説明図。
【図4】実施例における、搬入搬出位置にある回転テーブルを左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図5】実施例における、回転作業位置にある回転テーブルを左右方向から見た状態で示す断面説明図。
【図6】実施例における、搬入搬出位置にある回転テーブルを前後方向から見た状態で示す断面説明図。
【図7】実施例における、回転作業位置にある回転テーブルを前後方向から見た状態で示す断面説明図。
【図8】実施例における、搬入搬出位置にある回転テーブルにおけるテーブル移動機構を上方から見た状態で示す断面説明図。
【図9】実施例における、回転作業位置にある回転テーブルにおけるテーブル移動機構を上方から見た状態で示す断面説明図。
【図10】実施例における、締付ツールを示す断面説明図。
【図11】実施例における、折曲ツールを示す断面説明図。
【図12】実施例における、折曲ツールによりロックプレートの折曲を行った状態を拡大して示す説明図。
【図13】実施例における、圧入ツールを示す断面説明図。
【図14】実施例における、圧入かしめを行う前の状態のかしめツールを示す断面説明図。
【図15】実施例における、衝撃ブロックを後退させた状態のかしめツールを示す断面説明図。
【図16】実施例における、衝撃ブロックを前進させて圧入かしめを行った状態のかしめツールを示す断面説明図。
【図17】実施例における、かしめツールによりかしめ部品の圧入かしめを行った状態を拡大して示す断面説明図。
【図18】実施例における、圧入かしめを行ったかしめ部品を拡大して示す断面説明図。
【図19】実施例における、ツール置台に保管された状態の計測ツールを示す断面説明図。
【図20】実施例における、組立部品の組立状態の計測を行っている状態の計測ツールを示す断面説明図。
【図21】実施例における、縦型組立機を模式的に示した説明図。
【図22】実施例における、横型組立機を模式的に示した説明図。
【図23】実施例における、上下型組立機を模式的に示した説明図。
【符号の説明】
【0092】
1 複合組立機(組立機)
11 架台
15 制御盤
151 制御装置
2 ヘッド移動機構
21 作業ヘッド部
22 前後移動軸(第2移動軸)
23 上下移動軸(第1移動軸)
25 ツール置台
3 回転テーブル
301 搬入搬出位置
302 回転作業位置
31 載置台
32 テーブル用モータ
33 搬送コンベヤ
34 テーブル移動機構
35 上昇機構部
36 前後移動機構部
4 締付ツール
41 締付本体部
42 締付ロッド
43 締付用アクチュエータ
5 折曲ツール
51 折曲本体部
52 折曲アーム部材
521 回動支点部
522 折曲係合爪
523 係合部
53 折曲用アクチュエータ
6 圧入ツール
61 圧入本体部
62 圧入ロッド
63 圧入用アクチュエータ
64 リンク部材
641 回動支点部
642 ロッド側端部
643 アクチュエータ側端部
7 かしめツール
71 かしめ本体部
72 かしめロッド
721 段部
73 衝撃力発生手段
731 ガイドロッド
732 衝撃ブロック
733 衝撃用ばね部材
734 スライド用アクチュエータ
8 計測ツール
81 計測本体部
82 計測部
83 当接基準面
84 計測子
841 検出端部
85 マスター治具
90 パレット
91 ワーク
91A ケース部品
92 組立部品
92A 内部部品
92B 六角ボルト
92C ロックプレート
92D 圧入部品
92E かしめ部品
D 前後方向
H 上下方向
W 左右方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対する組立部品の組立作業を行うことが可能な組立機であって、
上記ワークを保持し回転させる回転テーブルと、
上記組立作業を行うための作業ツールを把持した作業ヘッド部と、
該作業ヘッド部を、上記回転テーブルに保持した上記ワークに接近させる第1移動軸と、該第1移動軸に交差する方向に移動させる第2移動軸とを備えたヘッド移動機構とを有しており、
上記ヘッド移動機構の上記第1移動軸及び上記第2移動軸による上記作業ヘッド部の移動と、上記回転テーブルの回転とにより、上記作業ツールを、上記回転テーブルに保持した上記ワークにおける組立作業部位に接近させるよう構成されていることを特徴とする組立機。
【請求項2】
請求項1において、上記回転テーブル及び上記ヘッド移動機構は架台に配設されていることを特徴とする組立機。
【請求項3】
請求項2において、上記組立機は、上記作業ツール、上記ヘッド移動機構及び上記回転テーブルにおける各動作を制御可能な制御装置を有しており、
該制御装置は、上記架台の内部又は該架台において上記ヘッド移動機構の後方に位置する部分の少なくとも一方に配設されていることを特徴とする組立機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記組立機は、上記作業ツールを保管するツール置台を有しており、
上記作業ツールは、複数種類の組立作業を行うために複数種類準備されており、該複数種類の作業ツールは、上記ツール置台にそれぞれ保管されており、
上記組立機は、上記ツール置台に保管された上記複数種類の作業ツールのいずれかを上記作業ヘッド部に把持して、上記複数種類の組立作業を順次行うよう構成されていることを特徴とする組立機。
【請求項5】
請求項4において、上記組立作業は、締付、緩め、圧入、かしめ、折曲又は計測のいずれかであることを特徴とする組立機。
【請求項6】
請求項5において、上記作業ツールの1つは、上記組立部品としてのボルト又はナットの締付又は緩めを行う締付ツールであり、
該締付ツールは、上記ボルト又はナットと係合する締付ロッドと、該締付ロッドをその軸方向回りに回転させる締付用アクチュエータとを備えていることを特徴とする組立機。
【請求項7】
請求項5又は6において、上記作業ツールの1つは、上記組立部品としての圧入部品の圧入を行う圧入ツールであり、
該圧入ツールは、上記圧入部品と係合する圧入ロッドと、該圧入ロッドをその軸方向に移動させる圧入用アクチュエータとを備えていることを特徴とする組立機。
【請求項8】
請求項7において、上記圧入ツールは、上記圧入ロッドを移動可能に保持する圧入本体部と、上記圧入ロッドと上記圧入用アクチュエータとに係合するリンク部材とを有しており、
該リンク部材は、上記圧入本体部に対して回動支点部を中心にして回動可能に配設されており、上記回動支点部から上記圧入ロッドと係合する一端部までの長さが、上記回動支点部から上記圧入用アクチュエータと係合する他端部までの長さよりも短くなっており、
上記圧入ロッドは、上記圧入用アクチュエータによる出力荷重よりも大きな圧入力を生じさせるよう構成されていることを特徴とする組立機。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか一項において、上記作業ツールの1つは、上記組立部品としてのかしめ部品のかしめを行うかしめツールであり、該かしめツールは、上記かしめ部品と係合するかしめロッドと、該かしめロッドを衝撃力によってその軸方向に移動させる衝撃力発生手段とを備えていることを特徴とする組立機。
【請求項10】
請求項9において、上記衝撃力発生手段は、かしめ本体部と、該かしめ本体部に配設されたガイドロッドと、該ガイドロッドに沿ってスライド可能な衝撃ブロックと、該衝撃ブロックに衝撃力を与えるためのばね部材と、該ばね部材を弾性変形させるよう上記衝撃ブロックを上記ガイドロッドに沿ってスライドさせるスライド用アクチュエータとを有しており、
上記かしめロッドは、上記ガイドロッドの先端部に配設されていると共に、該ガイドロッドの直径よりも大きな直径を有する段部を備えており、
上記衝撃力発生手段は、上記スライド用アクチュエータにおける可動部が上記衝撃ブロックと係合して、該衝撃ブロックを後退させることにより、上記ばね部材を弾性変形させ、上記可動部と上記衝撃ブロックとの係合状態が解除されたときに、当該衝撃ブロックが上記ばね部材の反発力を受けて前進して上記かしめロッドの上記段部に衝突することにより、該かしめロッドを衝撃力により前進させるよう構成されていることを特徴とする組立機。
【請求項11】
請求項5〜10のいずれか一項において、上記作業ツールの1つは、上記組立部品としての六角ボルト又は六角ナットの緩み止めを行うロックプレートを折り曲げる折曲ツールであり、
該折曲ツールは、折曲本体部と、該折曲本体部に対して回動支点部を中心にして回動可能であると共に上記ロックプレートと係合する折曲アーム部材と、該折曲アーム部材を上記回動支点部を中心に回動させるための折曲用アクチュエータとを備えていることを特徴とする組立機。
【請求項12】
請求項11において、上記折曲アーム部材は、上記回動支点部から上記ロックプレートと係合する折曲係合爪までの長さが、上記回動支点部から上記折曲用アクチュエータの可動部と係合する係合部までの長さよりも短くなっており、上記折曲用アクチュエータによる出力荷重よりも大きな折曲力を生じさせるよう構成されていることを特徴とする組立機。
【請求項13】
請求項11又は12において、上記折曲ツールは、上記折曲アーム部材及び上記折曲用アクチュエータを上下方向の軸回りに回転させる回転用アクチュエータを有していることを特徴とする組立機。
【請求項14】
請求項5〜13のいずれか一項において、上記作業ツールの1つは、上記ワークに組み立てた組立部品の組立状態の計測を行う計測ツールであり、該計測ツールは、上記ワークに対する上記組立部品の位置及び傾きを計測するよう構成されていることを特徴とする組立機。
【請求項15】
請求項14において、上記計測ツールは、計測本体部と、該計測本体部に対してフローティング可能に配設された計測部とを有しており、該計測部は、上記ワークに当接する複数の当接基準面と、上記ワークに組み立てられた組立部品に当接する複数の計測子とを有しており、
上記各計測子は、その各検出端部の突出量が変化することにより、上記各当接基準面から当該各検出端部までの距離を計測するよう構成されており、
上記計測ツールは、上記各当接基準面を上記ワークに当接させた状態で、上記各計測子における検出端部を上記組立部品に当接させたとき、当該各当接基準面から当該各検出端部までの距離が変化することにより、上記ワークに対する上記組立部品の位置及び傾きを計測するよう構成されていることを特徴とする組立機。
【請求項16】
請求項14又は15において、上記ツール置台は、該ツール置台に保管された上記計測ツールにおける上記各当接基準面と上記各計測子の検出端部とに当接するマスター治具を有しており、該マスター治具は、上記ワークに対して組み立てられた状態の上記組立部品の正規の位置及び傾きを再現する形状に形成されており、
上記各計測子は、その上記各検出端部と上記各当接基準面とが上記マスター治具に当接している状態において、当該各検出端部の突出量を基準突出量として設定するよう構成されていることを特徴とする組立機。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項において、上記回転テーブルは、上記ワークを積載したパレットを載置するための載置台と、
該載置台を回転させるためのテーブル用モータと、
上記ワークを積載したパレットの上記載置台への搬入及び搬出を行う搬送コンベヤと、
上記載置台及び上記テーブル用モータを移動させるテーブル移動機構とを備えており、
上記テーブル移動機構は、上記載置台及び上記テーブル用モータを、上記搬送コンベヤによって上記ワークを積載したパレットの搬入及び搬出を行うための搬入搬出位置と、該搬入搬出位置よりも上記ヘッド移動機構に近づいた位置であって、上記テーブル用モータによって上記載置台に載置した上記パレットを回転させるための回転作業位置とに移動させるよう構成されていることを特徴とする組立機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−7371(P2006−7371A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188594(P2004−188594)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】