説明

緊急用簡易トイレ

【課題】地震や災害等の緊急時に簡単に組み立てができ、衛生的に使用できる緊急用簡易トイレを提供すること。
【解決手段】 横長略長方形のダンボール板の上部を、一つの山形と左右に曲線を持つ所定の形に加工し、縦に5ヵ所の折り線を設け、山形の下部にハート型の切抜きを設け、左右の側面となる面の真中に半円形の切り込みと半円の端部を結ぶ線に折り線を設け、左側面と後部側面の折線部にかけて差込み口を設け、右端部の後部側壁の端部に差込みを設け、左右の側面にあたる半円形の切り込みを折り線で内側に折り込み、縦の折り線5ヵ所を内側に折り曲げて左側の差込み口に右端部の差込みを差込んで立体を形成してこれをトイレ本体とし、別途横長長方形のダンボール板を所定の巾に加工し、縦の折り線を2ヵ所設け、真中に円形の穴を設け、2ヶ所の折り線を折り曲げたものを強化板とし、上記前記トイレ本体の中に強化板を挿入し、該トイレ本体の上部左右にクッション材を嵌め込んだ、緊急用簡易トイレである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震や災害等の緊急時に使用できる緊急用簡易トイレに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地震や災害等の緊急時にはプレハブ式の簡易トイレが設営されるが、例えば地震では道路が寸断され、プレハブ式の簡易トイレが現地に届くまでに時間がかかり、緊急時に間に合わない状況もある。また、プレハブ式の簡易トイレは満杯となって使用できなくなる状況もある。
そのためにダンボール製の組み立て式簡易トイレがいろいろ提案されている。
例えば下記のような文献がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−89750
【特許文献2】特開2008−289848
【特許文献3】特許第3760393号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開平11−89750においても特開2008−289848においても上部がほぼ平面に形成されている。このような形では小用の場合飛沫が飛散する恐れがある。
また、特許第3760393号においては上面の前部をアーチ型とすることによりこの問題を解決しているが、組み立てが複雑である。本発明は組立てが簡単で飛沫が飛散する恐れがない、緊急用簡易トイレを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
横長略長方形のダンボール板の上部を、一つの山形と左右に曲線を持つ所定の形に加工し、縦に5ヵ所の折り線を設け、山形の下部にハート型の切抜きを設け、左右の側面となる面の真中に半円形の切り込みを設け、その端部を結ぶ線に折り線を設け、左側面と後部側面の折り線部にかけて差込み口を設け、右端部の後部側壁の端部に差込みを設ける。
左右の側面にあたる半円形の切り込みを折り線で内側に折り込み、縦の折り線5ヵ所を内側に折り曲げて左側の差込み口に右端部の差込みを差込んで立体を形成してこれをトイレ本体とする。
別途横長長方形のダンボール板を所定の巾に加工し、縦の折り線を2ヵ所設け真中に円形穴を設けて2ヶ所の折り線を折り曲げたものを強化板とする。
前記トイレ本体の中に強化板を挿入し、該トイレ本体の上部左右にクッション材を嵌め込んだ、緊急用簡易トイレである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、組み立てが簡単なので誰でもすぐ組み立てができて使用できる。本発明に便座用ポリ袋をセットして中にチリ紙を敷いて用を足し、その後は便座用ポリ袋を外して別途汚物収納ポリ袋に入れて自分で処理するので衛生的である。簡易トイレ自体は耐加重があり繰り返し使用可能なので、便座用ポリ袋、チリ紙や汚物収納ポリ袋等の消耗品を相当数セットすれば家族単位で使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の展開図
【図2】本発明の組立斜視図
【図3】本発明を使用状態にした斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の構造を図1により説明する。
横長略長方形のダンボール板の上部を一つの山形(15)と左右に曲線a(16),曲線b(17)を持つ所定の形に加工し、縦の折り線、折り線a(3)、折り線b(4)、折り線c(5)、折り線d(6)、折り線e(7)を入れる。縦の折り線を内側に折り込むと、側壁a(8),側壁b(9)、側壁c(10)、側壁d(11)、側壁e(12)及び側壁f(13)が形成される。
山形(15)の下部の側壁c(10)と側壁d(11)とにかけてハート形穴(18)を設け、側壁b(9)の中間部に半円形切込み(9a)及び折り線(9b)を設け、側壁e(12)の中間部に半円形切込み(12a)及び折り線(12b)を設け、側壁a(8)と側壁b(9)とにかけて差込み口(14)を設け、側壁f(13)の端部に差込み(19)を設ける。
側壁b(9)の半円形切込み(9a)を折り線(9b)より内側に折込み、側壁e(12)の半円形切込み(12a)を折り線(12b)より内側に折込み、縦の折り線、折り線a(3)、折り線b(4)、折り線c(5)、折り線d(6)、折り線e(7)を内側に折り曲げて、差込み口(14)に差込み(19)を差込んで立体を形成してこれをトイレ本体(2)とする。これにより山形(15)は前部となり、側壁a(8)は側壁f(13)の内側に入って後部の二重側壁をなす。
別途横長長方形のダンボール板を所定の巾に加工し、縦の折り線、折り線a(22)及び折り線b(23)を設け、真中に円形穴(24)を設け、折り線a(22)及び折り線b(23)を折り曲げたものを強化板(21)とする。
前記トイレ本体(2)の中に強化板(21)を挿入する。これにより、強化板(21)は内側に折り込んだ半円板(9c)及び半円板(12c)の上に乗る。
トイレ本体(2)の上部の曲線a(16)及び 曲線b(17)部にクッション材(20)をそれぞれ嵌め込む。これにより簡易トイレ(1)が完成する。
簡易トイレ(1)を組み立てた状態の斜視図を図2に示す。
【0009】
簡易トイレ(1)を使用するときは、便座用ポリ袋(30)をその上にかぶせ、中にチリ紙(31)を敷いて使用する。この時強化板(21)の上面は、便座用ポリ袋(30)の台座となる。また、トイレ本体(2)の前部のハート形穴(18)は、手をかけて体を支えることに役立つ。
用便後は便座用ポリ袋(30)を簡易トイレ(1)から外して結束し、別途用意した汚物収納ポリ袋に入れて廃棄する。
簡易トイレ(1)に便座用ポリ袋(30)をかぶせチリ紙(31)を敷いた状態を図3に示す。
【符号の説明】
【0010】
1 緊急用簡易トイレ
2 トイレ本体
3 折り線a
4 折り線b
5 折り線c
6 折り線d
7 折り線e
8 側壁a
9 側壁b
9a半円形切込み
9b折り線
9c半円板
10 側壁c
11 側壁d
12 側壁e
12a半円形切込み
12b折り線
12c半円板
13 側壁f
14 差込み口
15 山形
16 曲線a
17 曲線b
18 ハート形穴
19 差込み
20 クッション材
21 補強板
22 折り線a
23 折り線b
24 円形穴
30 便座用ポリ袋
31 チリ紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長略長方形のダンボール板の上部を、一つの山形と左右に曲線を持つ所定の形に加工し、縦に5ヵ所の折り線を設け、山形の下部にハート型の切抜きを設け、左右の側面となる面の真中に半円形の切り込みを設け、その端部を結ぶ線に折り線を設け、左側面と後部側面の折線部にかけて差込み口を設け、右端部の後部側壁の端部に差込みを設け、左右の側面にあたる半円形の切り込みを折り線で内側に折り込み、縦の折り線5ヵ所を内側に折り曲げて左側の差込み口に右端部の差込みを差込んで立体を形成してこれをトイレ本体とし、別途横長長方形のダンボール板を所定の巾に加工し、縦の折り線を2ヵ所設け、真中に円形穴を設け、その2ヶ所の折り線を折り曲げたものを強化板として前記トイレ本体の中にその強化板を挿入し、該トイレ本体の上部左右にクッション材を嵌め込んだ、緊急用簡易トイレ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−223530(P2012−223530A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103841(P2011−103841)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(399001989)株式会社クリテー (10)
【Fターム(参考)】