説明

緑化容器

【課題】重量を増加させることなく、貯留した雨水の流出を遅延させることができ、また、貯留した雨水を利用することで灌水を節減或いは省略することができることを課題とする。
【解決手段】容器12内にマット支持部材18、保水排水マット20、マット植物22を設けることで、マット支持部材18、保水排水マット20、マット植物22の土壌でも水が貯留可能となる。このため、多量の降雨があった場合には、容器12に水が多量に貯留されるので、雨水が一度に河川や下水等に流れ込んで都市型洪水を引き起こす恐れがない。また、降雨の少ない時期などのマット植物22の土壌が乾燥しているとき、貯水部16に貯留された水は、給水部材24で保水排水マット20及びマット植物22の土壌に給水される。これにより、降雨のない時期あるいは少ない時期でも、マット植物22に灌水を行う必要がないので、灌水手段を別途設ける必要もない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物が植栽される緑化容器に関する。
【背景技術】
【0002】
都市化が進む地域では、道路や家屋周辺がコンクリートで舗装される、いわゆるコンクリート化が進んでいる。このため、地盤の保水性が悪く、雨水が下水道管に一度に流れ込んでオーバーフローしたり、大量の雨水が河川へ流れ込んで都市河川が氾濫するなどの、都市型洪水が頻繁に発生している。
【0003】
この都市型洪水を防止する方法の一つとして、建物の屋上や人工地盤上などに土壌を敷き、この土壌に芝生、樹木、草花等を植栽することで、屋上や人工地盤を緑化すると同時に、土壌に雨水を含浸させて、雨水の流出を抑制する対策が行われている。しかし、土壌の貯水量にも限界があり、多量の降雨に対応させるために土壌厚を厚くして貯水性を向上させようとすると土壌の荷重が増大して、建物や構造物が耐えうる許容荷重を超えてしまう場合がある。また、許容荷重を考慮して土壌厚を薄くすると、雨水の貯水能力が十分に得られない。
【0004】
そこで、樹木、草花等が植栽された植栽部からの余剰水を一時的に受け入れる一時貯留部を設け、この一時貯留部に貯留された水を外部へ徐々に排水することで、雨水流出量を抑制することが可能な緑化設備が提案されている(特許文献1参照)。この緑化設備は、植栽部の余剰水を一時貯留部へ流入させ、この一時的に貯留した余剰水を一時貯留部に設けた流出部(孔)から外部へ流出する構成となっており、流出部から流出する単位時間当たりの水分量を少なくすることで、雨水の流出が抑制される。
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、雨水は一時的に貯留されるだけであり、長期間貯留されるものではない。このため、降雨量の少ない時期や、長期に渡って降雨のない場合には灌水する必要があり、灌水設備を設けたり人為的に灌水作業を行わなければならない。
【0006】
また、樹木、草花等を植栽する地盤の下に、所定の間隔を置いて多孔質礫状材が充填された貯水槽を設け、所定量以上の雨水が降った場合に、余剰分の雨水をこの貯水槽に貯水しておき、必要に応じて貯水槽の水を多孔質礫状材の間隙により生じる毛管力により上昇させて地盤に供給すると共に、貯水槽の水位が地盤の下端面よりも上昇したときには、貯水槽の間から徐々に排出させるものがある(特許文献2参照)。
【0007】
特許文献2では、貯水槽内に多孔質礫状材が充填されていることから、貯水槽の外観に比して貯水空間は殆どない、或いはきわめて少ない。このため、十分な貯水空間を確保するためには貯水槽の厚さを大きくする必要があり、厚みの増大に伴って重量も重くなってしまう。
【特許文献1】特開2002−247914号公報
【特許文献2】特開平6−319378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事実を考慮し、重量を増加させることなく、貯留した雨水の流出を遅延させることができ、また、貯留した雨水を利用することで灌水を節減或いは省略することができる緑化容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、水を貯留する空間を有する貯水容器と、前記貯水容器の内側に収納され植栽部が載置される保水排水層又は培土と、前記貯水容器内に設けられ、前記保水排水層又は培土を支持して該貯水容器の底面との間に水を貯留する空間を形成する支持部材と、前記貯水容器に貯留された水を毛細管現象で前記保水排水層又は培土へ給水する給水部材と、前記貯水容器に貯留された水が設定水位を越えると、該貯水容器の外へ所定量排水する排水手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、貯水容器の内側に、植栽部が載置される保水排水層又は培土が支持部材によって支持されて、貯水容器の底面と保水排水層又は培土の間に水が貯留される空間が形成されている。そして、貯水容器に水が貯留されると、給水部材の毛細管現象によって上昇して保水排水層又は培土に給水される。また、貯水容器の空間に貯留された水が設定水位を超えると、排水手段によって貯水容器の外へ所定量排水される。
【0011】
このように、保水排水層又は培土の部分でも水が貯留できる構成となっているため、多量の降雨があった場合でも水が多量に貯留され、雨水が一度に河川や下水等に流れ込んで都市型洪水を引き起こす恐れがない。
【0012】
また、貯水容器内に流れ込んだ水は、貯水容器の底面と保水排水層又は培土の間の空間に長期的に貯留される。そして、この空間に貯留された水は、保水排水層又は培土が乾燥すると、給水部材の毛細管現象によって保水排水層又は培土へ給水され、保水排水層又は培土に載置された植栽部に給水が行われる。したがって、降雨のない時期でも植栽部に灌水を行う必要がないため、灌水手段を別途設ける必要もない。
【0013】
また、毛細管現象によって保水排水層又は培土に給水する構成とすることで、保水排水層又は培土(保水排水層又は培土に載置された植栽部)の乾湿状態に応じて、貯水容器に貯留されている水が給水されるので、保水排水層又は培土への給水量をコントロールすることができる。
【0014】
さらに、従来のように、貯水容器に多孔質礫状材等を充填して毛細管現象を起こす必要がないため軽量化できる。
【0015】
なお、設定の水位は、緑化容器が載置される建物等の許容荷重や、植栽部の生育に必要な水量から決定される。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記保水排水層又は培土と前記設定水位の間を、前記保水排水層又は培土に流れ込んだ水を一時貯留し、前記設定水位を超える水を前記貯水容器外へ排水する一時貯留層としていることを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、保水排水層又は培土に流れ込んだ水のうち、設定水位を超える分は一時貯留層で一端貯留してから貯水容器の外に排水される。つまり、一時貯留層に一時的に貯留されることで、雨水の流出量を抑えることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記給水部材は、一端部が前記保水排水層又は培土に接触し、他端部が前記貯水容器に貯留された水に浸されている不織布であることを特徴としている。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、給水部材は不織布からなり、一端部が保水排水層又は培土の上面と接触して、他端部が貯水容器に貯留された水に浸されている。このように、給水部材として不織布を用いることで、吸い上げた水に含まれた土壌で目詰まりを起こすことがない。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記排水手段は、前記貯水容器の側壁に掛けられ、一端部が前記設定水位に位置し、他端部が前記貯水容器の外へ出され、前記設定水位よりも低位置に位置する不織布であることを特徴としている。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、排水手段は貯水容器の側壁に掛けられた不織布からなり、一端部が設定水位に位置して、他端部が貯水容器の外へ出されている。これにより、不織布の種類や幅を変えるだけで時間当たりの排水量をコントロールすることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、前記排水手段は、前記貯水容器の側壁に形成され、前記設定水位の位置にある水抜孔であることを特徴としている。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、貯水容器に貯留された水が設定水位を超えると、この余剰分の水は、貯水容器の側壁の設定水位の位置に形成された水抜孔から貯水容器の外側へ排水される。この水抜孔の径や数を調整することで、貯水容器に貯留された水の排水速度をコントロールすることができる。
【0024】
また、貯水容器の余剰分の水を排水するために、他の部材を必要としないので、部材点数が少なくて済む。
【0025】
請求項6に記載の発明は、水を貯留する空間を有する貯水容器と、前記貯水容器の上部に設けられ、植栽部が載置される保水排水層又は培土と、前記貯水容器に貯留された水を毛細管現象で前記保水排水層又は培土へ給水する給水部材と、前記貯水容器に貯留された水が設定水位を越えると、前記貯水容器の外へ余剰量排水する排水手段と、を有することを特徴としている。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、貯水容器には水が貯留される空間が設けられており、この貯水容器の上部には、植栽部が載置される保水排水層又は培土が設けられている。そして、貯水容器に貯留された水は、給水部材の毛細管現象によって上昇して保水排水層又は培土に給水される。また、貯水容器に貯留された水が設定水位を超えると、余剰量の水が排水手段によって貯水容器の外へ排水される。
【0027】
これにより、植栽部と保水排水層又は培土の貯水能力を超えた水は貯水容器に流れ込み、貯水容器の水位が設定水位以下であれば、設定水位までの分が貯水容器内に長期的に貯留される。また、貯水容器の水位が設定水位であれば、貯水容器に流れ込んだ分は、排水手段で所定の速度で徐々に排水される。このように、貯水容器によって水が貯留されるようになっているため、多量の降雨があった場合でも、雨水が一度に河川や下水等に流れ込んで都市型洪水を引き起こす恐れがない。
【0028】
請求項7に記載の発明は、前記給水部材は、一端部が前記保水排水層又は培土に接触し、他端部が前記貯水容器に貯留された水に浸されている不織布であることを特徴としている。
【0029】
請求項7に記載の発明によれば、給水部材は不織布からなり、一端が保水排水層又は培土に接触して、他端が貯水容器に貯留された水に浸されている。このように、給水部材として不織布を用いることで、吸い上げた水に含まれた土壌で目詰まりを起こすことがない。
【0030】
請求項8に記載の発明は、前記排水手段は、前記貯水容器の側壁に掛けられ、一端部が前記設定水位に位置し、他端部が前記箱体の外へ出された不織布であることを特徴としている。
【0031】
請求項8に記載の発明によれば、排水手段は箱体の側壁に掛けられた不織布からなり、一端部が設定水位に位置して、他端部が箱体の外へ出されている。これにより、不織布の種類や幅を変えるだけで時間当たりの排水量をコントロールすることができる。また、排水手段として不織布を用いることで、吸い上げた水に含まれた土壌で目詰まりを起こすことがない。
【0032】
請求項9に記載の発明は、前記排水手段は、前記貯水容器の側壁に形成され、前記設定水位の位置にある水抜孔であることを特徴としている。
【0033】
請求項9に記載の発明によれば、貯水容器に貯留された水が設定水位を超えると、この余剰分の水は、貯水容器の側壁の設定水位の位置に形成された水抜孔から貯水容器の外側へ排水される。この水抜孔の径や数を調整することで、貯水容器に貯留された水の排水速度をコントロールすることができる。
【0034】
また、箱体の余剰分の水を排水するために、他の部材を必要としないので、部材点数が少なくて済む。
【0035】
請求項10に記載の発明は、前記貯水容器の開口には植栽部支持層が掛け渡され、前記植栽部支持層に前記保水排水層又は培土が載置されていることを特徴としている。
【0036】
請求項10に記載の発明によれば、貯水容器の開口に植栽部支持層を掛け渡すことで、水の浸透によって保水排水層又は培土の重量が重くなっても、保水排水層又は培土は植栽部支持層によって支持されるので、開口へ落ちない。
【0037】
請求項11に記載の発明は、前記貯水容器の側壁には、前記保水排水層又は培土が載置される植栽部支持層が掛け渡される段部が形成されていることを特徴としている。
【0038】
請求項11に記載の発明によれば、貯水容器の側壁に形成された段部には、保水排水層又は培土が載置される植栽部支持層が掛け渡される。これにより、水の浸透によって保水排水層又は培土の重量が重くなっても、保水排水層又は培土は植栽部支持層によって貯水容器の側壁に支持されるので、貯水容器の底部に向かって落ちることがない。
【0039】
請求項12に記載の発明は、前記貯水容器の側壁の内側には、前記植栽部の上面へ流れる水を該貯水容器内へ誘導する誘導部が配設されていることを特徴としている。
【0040】
請求項12に記載の発明によれば、貯水容器の側壁の内側に設けられた誘導部によって、植栽部の上面へ流れる水が、貯水容器内へ誘導される。これにより、時間当たりの降雨が多くて、雨水が植栽部に浸透しきれないときでも、誘導部によって水が貯水容器内に流れ込むので、雨水が一度に河川や下水等に流れ込んでしまう恐れがない。
【発明の効果】
【0041】
本発明は上記構成としたので、重量を増加させることなく、貯留した雨水の流出を遅延させることができ、また、貯留した雨水を利用することで灌水を節減或いは省略することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
次に、本発明の第1の実施形態に係る緑化容器10について説明する。
【0043】
図1及び図2に示すように、緑化容器10は、上面が開口した略直方体状の容器12を有しており、容器12の底面12Aには、円筒状の支持部材14が配置されている。
【0044】
支持部材14の上には、容器12の底面12Aよりも若干小さいサイズの略矩形状の植栽基盤支持部材18が載置されている。つまり、植栽基盤支持部材18は、容器12の底面12Aから所定の距離離間した状態で、支持部材14によって容器12内部に支持された状態で配設されている。これにより、容器12内の空間が、貯水層としての植栽基盤支持部材18によって二分され、底面12Aと植栽基盤支持部材18との間に貯水部16が形成されている。
【0045】
このように、植栽基盤支持部材18を支持部材14によって容器12内部に支持する構成とすることで、植栽基盤支持部材18を支持するための受け部を容器12の側壁12Bに設けなくてもよく、構造が簡易となる。
【0046】
植栽基盤支持部材18の上面は、透水性のある板状資材で構成されている。これにより、植栽基盤支持部材18上に載置された後述する保水排水マット20又は培土から排水された水が、植栽基盤支持部材18の上面及び植栽基盤支持部材18と容器12の側壁12Bの間から貯水部16に流れ込んで、貯留されるようになっている。
【0047】
なお、本実施形態では、容器12の底面12Aの略中央に1本の支持部材14を配置する構成としたが、複数の支持部材を配置して植栽基盤支持部材18を複数箇所で支持する構成としてもよい。
【0048】
また、円筒状の支持部材14で植栽基盤支持部材18を容器12内部に支持する構成としたが、支持部材14としては円筒状に限定されるものではなく、例えば断面形状が矩形状とされた筒や、筒に限らず円柱状や角柱状の部材で植栽基盤支持部材18を容器12内部に支持してもよい。
【0049】
植栽基盤支持部材18上には、植栽基盤支持部材18とほぼ同サイズの保水排水マット20が載置されている。つまり、保水排水マット20は、植栽基盤支持部材18によって容器12内に支持されている。保水排水マット20は排水層及び保水層が積層されて形成されており、保水機能を有すると同時に排水機能を有している。これにより、保水排水マット20に給水された水は、一部が保水排水マット20の保水層で保水され、一部(保水層で保水しきれなかった分)が排水層を介して排水され、植栽基盤支持部材18に送水されるようになっている。
【0050】
また、保水排水マット20の角部には、孔23が形成されており、保水排水マット20に流れ込んだ水は、保水排水マット20の保水層に保水されると同時に、孔23及び保水排水マット20と容器12の側壁12Bの間から、植栽基盤支持部材18に流れ込むようになっている。
【0051】
なお、本実施形態では、保水排水マット20の角部に孔23を設けて、この孔23から植栽基盤支持部材18に水を流す構成としたが、保水排水マット20と容器12の側壁12Bの間には隙間が設けられており、この隙間から植栽基盤支持部材18に水が流れ込むようになっているので、必ずしも保水排水マット20に孔23を形成する必要はない。
【0052】
保水排水マット20上には、植物22が載置されている。植物22は、芝類、バーベナなどの草花類、ハイビャクシン、ツルマサキなどの低木類などが土壌に植栽されてマット状とされて形成されている。本実施形態では、保水排水マット20の4分の1のサイズの植物22を、保水排水マット20上に4枚敷設している。なお、植物22を敷設する形態は上記形態に限定されるものではなく、保水排水マット20とほぼ同サイズの植物を1枚敷設してもよく、また、本実施形態の植物22よりも更に小さいサイズの植物を複数枚敷設してもよい。
【0053】
一方、保水排水マット20と植物22の間には、給水部材24が設けられている。給水部材24は長尺状の不織布で構成されており、略中央部が保水排水マット20の上面に掛け渡され、両端部が保水排水マット20の側面に沿って下方に垂下して、貯水部16内に位置している。
【0054】
これにより、給水部材24の両端部は、貯水部16に貯留されている水に浸されていて、毛細管現象で給水部材24全体に水が行き渡る。そして、給水部材24の略中央部で、保水排水マット20及び植物22の土壌に給水されるようになっている。
【0055】
給水部材24の両端部は、容器12の底面12A近傍に位置している。これにより、貯水部16内の水の水位が低くなっても、給水部材24で貯水部16内の水が吸水される。また、給水部材24として不織布を用いることで、保水排水マット20の乾湿状態に応じて、保水排水マット20へ給水する際の給水量をコントロールすることができる。
【0056】
なお、本実施形態では、給水部材24の両側の端部を貯水部16内に位置させる構成としたが、一方の端部のみを貯水部16内に位置させていれば、毛細管現象によって給水部材24全体に水を行き渡らせることができる。
【0057】
一方、容器12の側壁12Bには排水部材26が設けられている。排水部材26は帯状の不織布からなり、一方の端部が側壁12Bの内側の植栽基盤支持部材18の下面近傍に位置し、他方の端部が容器12の側壁12Bの外側の地面近傍に位置するようにして、容器12の側壁12Bに掛け渡されている。
【0058】
これにより、貯水部16に貯留された水の水位が植栽基盤支持部材18の下面近傍まで上昇して、排水部材26の一方の端部に到達すると、貯水部16内の水は、排水部材26の毛細管現象によって容器12の側壁12Bの内側に沿って吸い上げられる。そして、側壁12Bの上端部に到達した水は、側壁12Bの外側に垂下させた排水部材26によって、排水部材26の他方の端部から容器12の外側(地面)に排水されるようになっている。このように、排水部材26を不織布で構成することで、幅のサイズを変更するだけで容器12内の水を容器12の外側へ排水する排水速度をコントロールすることができる。
【0059】
次に、緑化容器10の製造方法について説明する。
【0060】
図2(A)に示すように、容器12の底面12Aの略中央部分に支持部材14を配置する。この支持部材14の上に、図2(B)に示すように、植栽基盤支持部材18を配置する。なお、本実施形態では、容器12は、底面12Aが500mm角の正方形状のものを用いている。
【0061】
次に、図2(C)に示すように、長尺状の不織布からなる給水部材24を、保水排水マット20に掛け渡す。そして、図2(D)に示すように、この保水排水マット20を植栽基盤支持部材18上に配置する。このとき、保水排水マット20に掛け渡した給水部材24は、保水排水マット20及び植栽基盤支持部材18の側壁12Bと容器12の側壁12Bの間に挟まれ、その両端部は容器12の底面12Aに接触している。
【0062】
そして、図2(E)に示すように、保水排水マット20上に、4枚の植物22を載置すると共に、容器12の側壁12Bに、帯状の不織布からなる排水部材26を掛け渡す。排水部材26の一方の端部は、植栽基盤支持部材18の底面と同一高さに位置させ、他方の端部は容器12の外側の地面に接触させる。
【0063】
以上の工程で製造された緑化容器10を、例えば建物の屋上等に複数個配設することで、屋上の緑化が行われる。
【0064】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について説明する。
【0065】
緑化容器10を構成する容器12内には、植栽基盤支持部材18及び支持部材14によって保水排水マット20が支持されており、容器12の底面12Aとの間に水が貯留可能な貯水部16を形成している。
【0066】
保水排水マット20上には植物22が載置されており、植物22の土壌に浸透した水は、土壌の保水能力を超えた分が植物22の下に設けられた保水排水マット20に浸透する。保水排水マット20に浸透した水は、一部が保水排水マット20に保水され、保水排水マット20の保水能力を超えた分が、植栽基盤支持部材18を通過して容器12の貯水部16に貯留される。貯水部16内の水が設定水位を超えると、この余剰分の水は、排水部材26によって容器12の外へ排出される。なお、貯水部16内の設定水位は、緑化容器10が載置される建物等の許容荷重や、植物22の生育に必要な一ヶ月分の水量などから決定される。したがって、必ずしも本実施形態のように、排水部材26の一方の端部を植栽基盤支持部材18の下面近傍に位置させる必要はない。
【0067】
なお、貯水部16に貯留された水は、保水排水マット20及び植物22の土壌が乾燥すると、給水部材24によって保水排水マット20及び植物22の土壌へ給水される。
【0068】
このように、容器12内に植栽基盤支持部材18、保水排水マット20、植物22を設けることで、植栽基盤支持部材18、保水排水マット20、植物22の土壌でも水が貯留可能となる。このため、多量の降雨があった場合には、容器12に水が多量に貯留されるので、雨水が一度に河川や下水等に流れ込んで都市型洪水を引き起こす恐れがない。
【0069】
また、排水部材26で徐々に排水され、貯水部16に残った水は、長期的に貯留される。そして、降雨の少ない時期などの植物22の土壌が乾燥しているとき、貯水部16に貯留された水は、給水部材24で保水排水マット20及び植物22の土壌に給水される。これにより、降雨のない時期あるいは少ない時期でも、植物22に灌水を行う必要がないので、灌水手段を省略することもできる。
【0070】
さらに、毛細管現象によって保水排水マット20及び植物22に給水する構成とすることで、保水排水マット20及び植物22の乾湿状態に応じて貯水部16に貯留されている水が給水されるので、保水排水マット20への給水量をコントロールすることができる。また、従来のように、貯水部16に多孔質礫状材等を充填して毛細管現象を起こす必要がないため、緑化容器10が重くならない。
【0071】
なお、本実施形態では、図2に示すように、保水排水マット20の一部分のみを覆うような幅の給水部材24を用いたが、植物22に植栽されている植物の要求水量に応じて、給水部材24の幅のサイズを変更してもよい。例えば、図3(A)に示すように、保水排水マット20の約3分の1の面積を覆う幅であったり、図3(B)に示すように、保水排水マット20の約半分の面積を覆う幅であったり、図3(C)に示すように、保水排水マット20全体を覆うサイズであってもよい。このように、不織布からなる給水部材24を用いることで、不織布の種類や幅を変えるだけで時間当たりの給水量をコントロールすることができる。
【0072】
また、本実施形態では、植栽基盤支持部材18の上に保水排水マット20を載置する構成で説明したが、保水排水マット20に替えて、培土を敷き均したものを用いることもできる。このとき、植栽基盤支持部材18の上に不織布のフィルターを敷いて、その上に培土を載置することで、培土の流出が防止できる。
【0073】
次に、本発明の第2の実施形態に係る緑化容器30について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
【0074】
図4に示すように、容器12の側壁12Bには、所定水位(植栽基盤支持部材18の下面近傍)に水抜孔32が設けられている。これにより、貯水部16に貯留された水の水位が上昇して、この所定水位に到達すると、水抜孔32から容器12の外側へ排水されるようになっている。
【0075】
このように、貯水部16の余剰分の水を排水するために、他の部材を必要としないので、部材点数が少なくて済む。また、この水抜孔32の数を調整することで、貯水部16に貯留された水の排水速度をコントロールすることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、容器12の側壁12Bに1個だけ設ける構成としたが、貯水部16に貯留される水量(容器12の容積)に応じて、複数の水抜孔32を設けてもよい。また、水抜孔32の個数を増やさずに、水抜孔32の径を大きくしてもよい。
【0077】
さらに、本実施形態では、容器12内に植物22が収容される構成としたが、図5に示すように、容器12内には保水排水マット20までを収納して、植物22は容器12の外へ出るようにしてもよい。これにより、複数の緑化容器を敷き詰めたとき、隣接する緑化容器の植物22の根を絡ませることができるので、緑化容器の安定性が図れる。
【0078】
次に、本発明の第3の実施形態に係る緑化容器60について説明する。
【0079】
図6に示すように、緑化容器60は、上面が開口し、水が貯留される貯留空間63を有する略直方体状の容器62を備えている。そして、容器62内へ流れ込んだ水は、容器62の貯留空間63で長期的に貯留される。
【0080】
容器62の上には、容器62の底面62Aのサイズよりも若干大きいサイズの金網68が載置されている。金網68は、容器62の側壁62Bに支持されており、金網68によって容器62は閉塞された状態となっている。
【0081】
金網68の上には、金網68とほぼ同サイズの保水排水マット70が載置されている。つまり、保水排水マット70は、金網68によって容器62上に支持された状態で配置されている。保水排水マット70は排水層及び保水層が交互に積層されて形成されており、保水機能を有すると同時に排水機能を有している。これにより、保水排水マット70に給水された水は、一部が保水排水マット70の保水層で保水され、一部(保水層で保水しきれなかった分)が排水層を介して排水されるようになっている。この保水排水マット70上には、保水排水マット70とほぼ同サイズの植物72が載置されている。
【0082】
植物72と保水排水マット70の間には、給水部材74が設けられている。給水部材74は長尺状の不織布で構成されており、略中央部が保水排水マット70の上面に掛け渡され、両端部が保水排水マット70の側面に沿って下方に垂下して、容器62内に位置している。
【0083】
これにより、給水部材74の両端部は、容器62に貯留されている水に浸されていて、毛細管現象で給水部材74全体に水が行き渡るようになっている。そして、給水部材74の略中央部で、保水排水マット70及び植物72の土壌に給水される。
【0084】
また、容器62の側壁62Bには、帯状の不織布からなる排水部材76が掛け渡されている。排水部材76の一方の端部は底面62A近傍に位置しており、他方の端部は容器62の側壁64Bの外側に沿って垂下して、金網近傍の所定水位に位置している。
【0085】
これにより、容器62内に容器62(貯留空間63)の貯留量限界(所定水位)まで水が貯留されているとき、排水部材76の毛細管現象によって容器62の外側(地面)に排水されるようになっている。
【0086】
次に、本発明の第3の実施形態の作用について説明する。
【0087】
容器62には水が貯留される貯留空間63が設けられており、容器62の上に載置された保水排水マット70及び植物72の土壌に浸透した水は、土壌の保水能力を超えた分が保水排水マット70に浸透する。そして、保水排水マット70の保水能力を超えた分が、金網68を通過して、容器62の貯留空間63で長期的に貯留される。
【0088】
貯留空間63に貯留された水は、給水部材74の毛細管現象によって上昇して保水排水マット70に給水される。また、容器62の貯留空間63に貯留された水が所定水位を超えると、排水部材76によって容器62の外へ所定量排水される。
【0089】
このように、容器62の貯留空間63によって水が貯留されるようになっているため、多量の降雨があった場合でも、雨水が一度に河川や下水等に流れ込んで都市型洪水を引き起こす恐れがない。
【0090】
また、貯留空間63に貯留された水は、保水排水マット70が乾燥すると、給水部材74の毛細管現象によって保水排水マット70へ給水され、保水排水マット70に載置された植物72に給水が行われるため、降雨のない時期でも植物72に灌水を行う必要がない。
【0091】
さらに、毛細管現象によって保水排水マット70に給水する構成とすることで、保水排水マット70(保水排水マット70に載置された植物72)の乾湿状態に応じて、保水排水マット70に容器62の貯留空間63に貯留されている水が給水されるので、保水排水マット70への給水量をコントロールすることができる。
【0092】
また、容器62の側壁62Bの上部で金網68を支持して、容器62の開口に金網68を掛け渡すことで、水の浸透によって保水排水マット70の重量が重くなっても、保水排水マット70は金網68によって支持されるので、容器62の開口へ落ちない。
【0093】
次に、本発明の第4の実施形態に係る緑化容器80について説明する。なお、第3の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
【0094】
図7に示すように、容器62の側壁62Bには、水抜孔82が設けられている。これにより、容器62の水位が上昇して所定水位に到達すると、余剰分の水は水抜孔82から容器62の外側へ排水されるようになっている。
【0095】
このように、容器62の余剰分の水(容器62に残留した水)を排水するために、他の部材を必要としないので、部材点数が少なくて済む。また、この水抜孔82の数を調整することで、容器62に残留した水の排水速度をコントロールすることができる。
【0096】
なお、本実施形態では、容器62の側壁62Bで金網68を支持する構成としたが、維持管理作業時の人の体重や植物72の重量の耐荷重性と排水性を有する部材であれば、容器62に載置する部材は金網68に限定されない。例えば、図8(A)に示すように、プラスチックや金属からなる板状部材84Aに複数の孔84Bが形成された有孔プラスチック板(有孔金属板)84や、図8(B)に示すようなグレーチング86等を用いてもよい。また、図8(C)に示すように、パンチングプレート88Aに複数の脚部88Bを設けた支持部材88を容器62内に設ける構成としてもよい。つまり、容器62の底面62Aで脚部88Bを介してパンチングプレート88Aを支持する構成とすることで、容器62に対して支持部材88がずれてしまうことがないので、支持部材88上の保水排水マット70及び植物72が安定する。
【0097】
また、本実施形態では、容器62の側壁62Bで金網68を支持する構成としたが、図9に示すように、容器62の側壁62Bに段部90を形成し、この段部90で金網68を支持してもよい。このような構成により、容器62内に植物22が収容されるので、複数の緑化容器を敷き詰めたとき、隣接する緑化容器の植物22の根が絡まることがない。
【0098】
次に、本発明の第5の実施形態に係る緑化容器92について説明する。なお、第4の実施形態と同様の部分についての説明は割愛する。
【0099】
図10に示すように、容器96の各角部には、容器96の上面から段部98にかけて、扇状の張出部92が設けられている。この張出部92には余剰排水孔94が形成されており、水が余剰排水孔92から金網68を介して容器96内に流れ込むようになっている。
【0100】
このような構成により、時間当たりの降雨が多く、雨水が植物72の土壌に浸透する前に緑化容器の外側へ流れてしまう場合でも、この雨水は余剰排水孔94から容器96内に急速に流れ込み、容器96内に貯留される。したがって、雨水が一度に河川や下水等に流れ込んでしまう恐れがない。
【0101】
なお、本実施形態では、余剰排水孔94を容器96に一体に設ける構成としたが、図11に示すように、容器150とは別に余剰排水孔154が形成されたパイプ152を、容器150の角部で且つ金網68上にセットして、保水排水マット70及び植物72と容器150とで、パイプ152を挟むようにしてもよい。このとき、パイプ152の上面は、植物72の上面とほぼ同一面か、植物72の上面よりも下側に位置するように配置する。これにより、植物72の土壌に浸透せずに土壌表面を流れ落ちた雨水は、パイプ152の余剰排水孔154から容器150内に流れ込む。
【0102】
また、図12(A)に示すように、容器150の内縁全域に渡って、余剰排水孔156が形成された枠体158を配置してもよい。これにより、時間当たりの降雨が非常に多い場合でも、雨水が複数の余剰排水孔156から一気に容器150内に流れ込む。したがって、雨水は容器150内に貯留されて、一度に河川や下水等に流れ込んでしまう恐れがない。さらに、緑化容器を載置する面が傾斜している場合には、図12(B)に示すように、傾斜の下流側に位置する容器150の一片にのみ、余剰排水孔160が形成されたパイプ162を配置してもよい。つまり、水が流れ落ちる側にのみパイプ162を配置することで、無駄にパイプ162を配置する必要がなくなり、材料費の節約に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】第1の実施形態に係る緑化容器を示す断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る緑化容器の製造工程を示す図である。
【図3】緑化容器に用いられる給水部材の他の形態を示す斜視図である。
【図4】第2の実施形態に係る緑化容器を示す断面図である。
【図5】その他の形態の緑化容器の部分断面図である。
【図6】第3の実施形態に係る緑化容器を示す断面図である。
【図7】第4の実施形態に係る緑化容器を示す断面図である。
【図8】他の実施形態の緑化容器に用いられる植栽部支持層を示す斜視図である。
【図9】その他の形態の緑化容器の部分断面図である。
【図10】(A)は第5の実施形態に係る緑化容器を示す部分斜視図であり、(B)は部分断面図である。
【図11】(A)はその他の形態の緑化容器の分解斜視図であり、(B)は部分斜視図である。
【図12】(A)、(B)共にその他の形態の緑化容器の部分斜視図である。
【符号の説明】
【0104】
10 緑化容器
12 容器(貯水容器)
18 植栽基盤支持部材(一時貯留層)
20 保水排水マット又は培土(保水排水層)
22 植物(植栽部)
24 給水部材(給水部材)
26 排水部材(排水手段)
30 緑化容器
32 水抜孔(排水手段)
60 緑化容器
62 容器(貯水容器)
68 金網(植栽部支持層)
70 保水排水マット又は培土(保水排水層)
72 植物(植栽部)
74 給水部材(給水部材)
76 排水部材(排水手段)
82 水抜孔(排水手段)
90 段部
94 余剰排水孔(誘導部)
154 余剰排水孔(誘導部)
156 余剰排水孔(誘導部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯留する空間を有する貯水容器と、
前記貯水容器の内側に収納され植栽部が載置される保水排水層又は培土と、
前記貯水容器内に設けられ、前記保水排水層又は培土を支持して該貯水容器の底面との間に水を貯留する空間を形成する支持部材と、
前記貯水容器に貯留された水を毛細管現象で前記保水排水層又は培土へ給水する給水部材と、
前記貯水容器に貯留された水が設定水位を越えると、該貯水容器の外へ所定量排水する排水手段と、
を有することを特徴とする緑化容器。
【請求項2】
前記保水排水層又は培土と前記設定水位の間を、前記保水排水層又は培土に流れ込んだ水を一時貯留し、前記設定水位を超える水を前記貯水容器外へ排水する一時貯留層としていることを特徴とする請求項1に記載の緑化容器。
【請求項3】
前記給水部材は、一端部が前記保水排水層又は培土に接触し、他端部が前記貯水容器に貯留された水に浸されている不織布であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の緑化容器。
【請求項4】
前記排水手段は、前記貯水容器の側壁に掛けられ、一端部が前記設定水位に位置し、他端部が前記貯水容器の外へ出され、前記設定水位よりも低位置に位置する不織布であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の緑化容器。
【請求項5】
前記排水手段は、前記貯水容器の側壁に形成され、前記設定水位の位置にある水抜孔であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の緑化容器。
【請求項6】
水を貯留する空間を有する貯水容器と、
前記貯水容器の上部に設けられ、植栽部が載置される保水排水層又は培土と、
前記貯水容器に貯留された水を毛細管現象で前記保水排水層又は培土へ給水する給水部材と、
前記貯水容器に貯留された水が設定水位を越えると、前記貯水容器の外へ余剰量排水する排水手段と、
を有することを特徴とする緑化容器。
【請求項7】
前記給水部材は、一端部が前記保水排水層又は培土に接触し、他端部が前記貯水容器に貯留された水に浸されている不織布であることを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の緑化容器。
【請求項8】
前記排水手段は、前記貯水容器の側壁に掛けられ、一端部が前記設定水位に位置し、他端部が前記箱体の外へ出された不織布であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の緑化容器。
【請求項9】
前記排水手段は、前記貯水容器の側壁に形成され、前記設定水位の位置にある水抜孔であることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の緑化容器。
【請求項10】
前記貯水容器の開口には植栽部支持層が掛け渡され、前記植栽部支持層に前記保水排水層又は培土が載置されていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の緑化容器。
【請求項11】
前記貯水容器の側壁には、前記保水排水層又は培土が載置される植栽部支持層が掛け渡される段部が形成されていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の緑化容器。
【請求項12】
前記貯水容器の側壁の内側には、前記植栽部の上面へ流れる水を該貯水容器内へ誘導する誘導部が配設されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の緑化容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−167039(P2007−167039A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372901(P2005−372901)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】