育苗用播種装置
【課題】 簡単な制御によって移送方向前端のポットから播種を開始し、移送方向後端のポットに播種をした後に播種ロールを確実に止めることができ、播種が無駄にならないようにする。
【解決手段】 育苗箱の移送方向に略1ピッチ互いにずれた位置のポットを検出する第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向前端のポットから移送方向後端のポットまでの範囲で連続した検出状態になるように構成され、第1検出スイッチと第2検出スイッチとが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロールを軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチと第2検出スイッチとのいずれか一方がポットを検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロールの軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにしている。
【解決手段】 育苗箱の移送方向に略1ピッチ互いにずれた位置のポットを検出する第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向前端のポットから移送方向後端のポットまでの範囲で連続した検出状態になるように構成され、第1検出スイッチと第2検出スイッチとが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロールを軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチと第2検出スイッチとのいずれか一方がポットを検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロールの軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育苗用播種装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポット式育苗箱に播種する育苗用播種装置には縦横に多数のポットを有する育苗箱を移送する移送機構の上方位置に、繰出ロールが設けられ、育苗箱の移送に同期して繰出ロールを軸心廻りに回転駆動させて、繰出ロールの繰出位置から育苗箱のポットに順次播種するようにしたものがある(例えば特許文献1、特許文献2)。
この種の従来の育苗用播種装置では、育苗箱を検出する検出スイッチが設けられ、検出スイッチが育苗箱を検出すると、繰出ロールを回転駆動して播種を開始し、検出スイッチが育苗箱を検出し終わると、繰出ロールの回転駆動を停止して播種を終了し、これにより、繰出ロールの繰出位置で育苗箱の各ポットに順次播種するようにしていた(例えば特許文献1、特許文献2)。
【特許文献1】特開2007−111021号公報
【特許文献2】特開2007−110950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の場合、1つの検出スイッチで育苗箱を検出していたため、育苗箱の移送方向の各ポットに対応して繰出ロールの繰出位置で播種することができず、余分に播種してしまい播種が無駄になることが多かった。
そこで、育苗箱のポットを検出する1つの検出スイッチを設け、この検出スイッチを、育苗箱の移送方向前端のポットから移送方向後端のポットまでの範囲で連続した検出状態になるように構成し、検出スイッチがポットの検出を開始した(移送方向前端のポット47を検出した)ときから一定期間後に、繰出ロールを軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、検出スイッチがポットを検出しなくなった(移送方向後端のポットを検出し終わった)ときから一定期間後に、繰出ロールの軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにすることが考えられるが、このようにした場合でも、育苗箱の各ポットは移送方向に略1ピッチの幅を有しているため、繰出ロールの駆動期間が1ピッチ分だけ長くなり、最後のポット(移送方向後端のポット)に播種した後にさらにポットの1ピッチ分だけ余分に播種することになり、ポットの1ピッチ分だけの播種が無駄になった。
【0004】
また、播種が無駄にならないように、移送方向後端のポットに播種した後に播種ロールを直ぐに停止させるには、播種ロールの制御に複雑な制御が必要になった。
本発明は上記問題点に鑑み、簡単な制御によって移送方向前端のポットから播種を開始し、移送方向後端のポットに播種をした後に播種ロールを確実に止めることができて、播種が無駄にならないようにしたものある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、縦横に多数のポットを有する育苗箱を移送する移送機構の上方位置に、繰出ロールが設けられ、育苗箱の移送に同期して繰出ロールを軸心廻りに回転駆動させて、繰出ロールの繰出位置から育苗箱のポットに移送方向に順次播種するようにした育苗用播種装置において、
育苗箱の移送方向に並ぶポットを検出する第1検出スイッチと第2検出スイッチとが設けられ、これら第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向に略1ピッチ互いにずれた位置のポットを検出するように構成され、前記第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向前端のポットから移送方向後端のポットまでの範囲で連続した検出状態になるように構成され、第1検出スイッチと第2検出スイッチとが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロールを軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチと第2検出スイッチとのいずれか一方がポットを検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロールの軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにした点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、移送方向前側に位置するポットを検出する検出スイッチが第1検出スイッチとされ、移送方向後側に位置するポットを検出する検出スイッチが第2検出スイッチとされ、第1検出スイッチが移送方向前端のポットを検出したときに、第2検出スイッチが、移送方向前端のポット又はその後側のポットを検出した状態になっており、第1検出スイッチが移送方向後端のポット又はその前側のポットを検出した状態になっているときに、第2検出スイッチが移送方向後端のポットを検出し終えて非検出状態になるように、前記第1検出スイッチと第2検出スイッチとが互いに略1ピッチずれた位置のポットを検出すべく構成した点にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、育苗箱の移送方向に並ぶポットを検出する第1検出スイッチと第2検出スイッチとが設けられ、これら第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向に略1ピッチ互いにずれた位置のポットを検出するように構成され、前記第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向前端のポットから移送方向後端のポットまでの範囲で連続した検出状態になるように構成されているので、第1検出スイッチと第2検出スイッチとが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロールを軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチと第2検出スイッチとのいずれか一方がポットを検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロールの軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにすればよく、簡単な制御によって移送方向前端のポットから播種を開始し、移送方向後端のポットに播種をした後に播種ロールを確実に止めることができて、播種が無駄にならないようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2において、1は育苗用播種装置の全体を示しており、育苗用播種装置1は、機フレーム2に移送機構3が組み込まれ、機フレーム2の移送機構3の移送始端側に育苗箱供給機構5が配置され、移送機構3を跨るように、床土供給機構6、床土均し機構7、床土灌水機構9、型付け機構10、播種機構11、覆土供給機構12、覆土均し機構13、覆土灌水機構14等が機フレーム2に搭載されている。
機フレーム2は、左右一対の側フレーム17と側フレーム17を支持する複数の脚体18とを備える。
【0009】
移送機構3は育苗箱20をA方向に移送するもので、移送方向後部側にチェーン移送機構23を備え、移送方向前部側にローラ移送機構24を備えている。チェーン移送機構23は、育苗箱供給機構5、床土供給機構6、床土均し機構7及び床土灌水機構9に亘っており、左右一対のレール26と左右一対のレール26間に配置された移送チェーン27とを備える。移送チェーン27の移送方向後端側は、左右方向の第1支軸29に固設した図4に示すスプロケット30に巻回され、移送チェーン27の移送方向前端側は、図7に示すように、左右方向の第2支軸31に固設したスプロケット32に巻回されており、第1支軸29又は第2支軸31の回転駆動により、移送チェーン27が、図4及び図7に示す矢印a方向に回転駆動されるように構成されている。
【0010】
図6〜図8に示すように、移送チェーン27の中途部に、育苗箱20を移送方向Aに押すための押し部材33がボルトナット等の締結具34により取り付けられている。押し部材33は取付部35と押し部36とをL状に有し、押し部36の上部は移送方向後端側に円弧状に湾曲されている。
図2、図9に示すように、ローラ移送機構24は、複数の回転軸38と回転軸38の左右方向中央部と左右両端部に外嵌固定されたローラ体39とを備え、複数の回転軸38は左右一対の側フレーム17間に軸心廻り回転自在に支持され、各回転軸38は図示省略の駆動機構により矢印b方向に回転駆動するように構成されており、育苗箱20をローラ体39上に載せた状態で移送方向Aに移送する。
【0011】
図4、図5、図7、図10に示すように、育苗箱20はアンダートレイ(外箱)37にセルトレイ40を挿入して構成され、セルトレイ40の内部は区画されて多数のポット47が縦横に形成されている。
図3〜図6に示すように、育苗箱供給機構5は、後支持枠41と側部支持枠42と前支持枠43と側部案内板44とを備え、前支持枠43は、左右一対の側フレーム17の後端部間に連結した取付板45にボルト等の固定具により固定され、前支持枠43の前部に前下がりに傾斜した傾斜支持片41aが設けられている。側部支持枠42と前支持枠43とはL字状に連結され、左右一対の側フレーム17にボルト等によって上方突出状に固設されている。前支持枠43は前下がりに傾斜されると共に、左右一対の側フレーム17の上端から上方に浮いた状態に配置され、前支持枠43の下端と左右一対のレール26との間に、一つの育苗箱20が移送可能な間隔Bが設けられている。
【0012】
而して、左右一対の側フレーム17上方の後支持枠41と前支持枠43との間、及び側部支持枠42と側部案内板44との間に、複数の育苗箱20を積み重ねて収納すると、最下段の育苗箱20のみが後支持枠41と前支持枠43との間から一対のレール26上に落下し、次の段の育苗箱20の後端部が後支持枠41の傾斜支持片41aに載ると共に、育苗箱20の前端側がレール26上に落下した最下段の育苗箱20上に載り、これにより次の段の育苗箱20が後支持枠41と前支持枠43との保持され、さらに上側の育苗箱20が順次下段の育苗箱20上に載り、これにより、後支持枠41と前支持枠43との間、及び側部支持枠42と側部案内板44との間に、複数の育苗箱20を積み重ねて収納保持できるように構成されている。
【0013】
そして、後支持枠41と前支持枠43との間に積み重ねて収納保持された育苗箱20は下側から順次一つずつ左右一対のレール26上に落下され、このレール26上に落下した育苗箱20は、チェーン移送機構23の回転駆動により、押し部材33によって移送方向Aに押圧され、これにより育苗箱20は左右一対のレール26上を摺動して移送方向Aに移送されるようになっている。
従って、育苗箱供給機構5は、複数段に積み重ねた育苗箱20を収納保持すると共に、最下位の育苗箱20を移送機構3で送り出し可能である。
【0014】
図1及び図2において、床土供給機構6は育苗箱供給機構5の移送方向前側に配置されており、育苗箱供給機構5から1つずつ送出された育苗箱20に、床土コンベヤ等から所要量の床土を供給する。
床土均し機構7は鎮圧ローラ等で育苗箱20の床土を鎮圧し又はスクレーパによって余剰土を排除し、床土ブラシによって床土量を適性化する。床土灌水機構9は育苗箱20の床土に灌水する。
型付け機構10は、周方向及び軸心方向に育苗箱20のポット47に対応する型付け突起が形成された型付けロール46が設けられ、育苗箱20の移送に同期して型付けロール46を軸心廻りに回転駆動させて、型付け突起で育苗箱20のポット47に順次播種凹部を形成する。
【0015】
図9及び図10において、播種機構11は、左右一対の支持側板48と種子供給ホッパー49と繰出ロール50と回転ブラシ51と種子誘導部材52とモータ53とを備える。繰出ロール50は移送機構3の上方位置にロール支持軸54廻りに回転自在に支持されており、モータ53によりチェーン、歯車等を介してロール支持軸54(軸心)廻りに回転駆動されるようになっている。繰出ロール50の外周面の周方向及び軸心方向に育苗箱20のポット47に対応する種子繰出用の嵌合凹部55が形成され、育苗箱20の移送に同期して繰出ロール50を軸心廻りに回転駆動させることにより、種子供給ホッパー49から種子繰出用の嵌合凹部55に種子を供給し、繰出ロール50の繰出位置Rで、種子繰出用の嵌合凹部55から、育苗箱20の移送方向前端のポット47から移送方向後端のポット47に順次播種するように構成されている。回転ブラシ51は、繰出ロール50とは逆方向に回転して嵌合凹部55に入らなかった余剰種子を掃き出し、種子誘導部材52は、繰出ロール50の後方側に密着して、嵌合凹部55に入った種子が途中で落下しないように上部側かから繰出位置Rまで誘導する。
【0016】
図9〜図14に示すように、繰出ロール50の移送方向Aの後側下方に、育苗箱20の移送方向Aに並ぶポット47を検出する第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とが設けられている。これら第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とは、作動片57a,58a又は作動片57a,58aに連結された連結片を介して育苗箱20の移送方向Aに略1ピッチ互いにずれた位置のポット47を検出するように構成されている。
即ち、移送方向前側に位置するポット47を検出する検出スイッチが第1検出スイッチ57とされ、移送方向後側に位置するポット47を検出する検出スイッチが第2検出スイッチ58とされ、第1検出スイッチ57が移送方向前端のポット47を検出したときに、第2検出スイッチ58が、移送方向前端のポット47又はその後側のポット47を検出した状態になっており、第1検出スイッチ57が移送方向後端のポット47又はその前側のポット47を検出した状態になっているときに、第2検出スイッチ58が移送方向後端のポット47を検出し終えて非検出状態になるように、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とが互いに略1ピッチずれた位置のポット47を検出すべく構成されている。
【0017】
第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とは、作動片57a,58aの遊び乃至作動片57a,58aに連結された連結片の遊び又は作動片57a,58a乃至連結片の育苗箱20のポット47対する接触幅の大きさ等によって、育苗箱20の移送方向前端のポット47から移送方向後端のポット47までを断続してポット47を検出するのではなく、育苗箱20の移送方向前端のポット47から移送方向後端のポット47までの範囲で連続した検出状態になるように構成されている。
前記繰出ロール50を回転駆動するモータ53は、図9に示す制御部60によって、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロール50を軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とのいずれか一方がポット47を検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロール50の軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するように制御している。上記一定期間経過後とは、第1検出スイッチ57が移送方向前端のポット47を検出してから該移送方向前端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達するまでの期間である。従って、制御部60により上記の如く繰出ロール50の回転駆動を制御することによって、移送方向前端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達したときに、繰出ロール50が播種を開始し、移送方向後端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達したときに繰出ロール50の播種を終了するように構成されている。
【0018】
図1及び図2において、覆土供給機構12は、播種機構11により播種された育苗箱20に覆土を供給する。覆土均し機構13は、鎮圧ローラ等で育苗箱20の覆土を鎮圧し又はスクレーパによって余剰土を排除し、覆土ブラシによって覆土量を適性化する。覆土灌水機構14は、育苗箱20の覆土に灌水する。
前記実施形態によれば、育苗箱供給機構5に積み重ねて収納保持された育苗箱20は下側から順次一つずつ左右一対のレール26上に落下され、チェーン移送機構23の回転駆動により、押し部材33によって移送方向Aに押圧され、これにより育苗箱20は移送方向Aに移送される。
【0019】
このとき、図8に示すように、育苗箱供給機構5に収納保持された下段の育苗箱20が押し部材33に乗り上げても、押し部材33の押し部36の上部が移送方向後端側に円弧状に湾曲されているため、押し部36の円弧状の上部を育苗箱20の縁部が滑り落ちてレール26上に載ることができ、育苗箱20の移送をスムーズになし得、育苗箱20を順次連続的に移送方向Aに供給することができる。
また、押し部材33で押されて育苗箱20がチェーン移送機構23からローラ移送機構24に移る際に、押し部材33の押し部36の上部が移送方向後端側に円弧状に湾曲されているため、押し部材33の押圧による育苗箱20の移送速度が変化するのを防止することができる。即ち、押し部材33の押し部36の上部が直線状であれば、移送チェーン27と共に押し部材33がスプロケット32の外周を回る際に、押し部36の上方側で押圧して次第に押圧速度が速くなり、育苗箱20の移送速度が変化することとなるが、本実施形態の場合、押し部36の上部が円弧状に湾曲しているため、押圧速度が速くなるのを防いで、育苗箱20の移送速度を一定に保持することができる。
【0020】
そして、育苗箱供給機構5から1つずつ送出された育苗箱20に床土供給機構6が床土コンベヤ等から所要量の床土を供給し、床土均し機構7は育苗箱20の床土を均し、床土灌水機構9が育苗箱20の床土に灌水する。
次に、型付け機構10が型付け突起で育苗箱20のポット47に順次播種凹部を形成する。播種機構11が育苗箱20のポット47に順次播種し、覆土供給機構12は、播種機構11により播種された育苗箱20に覆土を供給し、覆土均し機構13は、育苗箱20に供給された覆土を均し、覆土灌水機構14は育苗箱20の覆土に灌水する。
【0021】
播種機構11では、育苗箱20が移送方向Aに移送されて播種機構11の繰出ロール50に近づくと、まず、第2検出スイッチ58が、移送方向前端のポット47を検出し、次に、第2検出スイッチ58が移送方向前端のポット47を検出した状態になっているときに、第1検出スイッチ57が移送方向前端のポット47を検出し、制御部60の制御によって、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロール50を軸心廻りに回転駆動して播種を開始する。これにより、移送方向前端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達したときに、繰出ロール50が確実に播種を開始する。
【0022】
第1検出スイッチ57が移送方向後端のポット47を検出した状態になっているときに、第2検出スイッチ58が移送方向後端のポット47を検出し終えて非検出状態になり、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とのいずれか一方(第2検出スイッチ58)がポット47を検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロール50の軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了する。これにより、移送方向後端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達したときに繰出ロール50の播種を確実に終了する。
従って、簡単な制御によって移送方向前端のポット47から播種を開始し、移送方向後端のポット47に播種をした後に播種ロールを確実に止めることができて、播種が無駄にならないようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態を示す育苗用播種装置の全体側面図である。
【図2】同育苗用播種装置の全体平面図である。
【図3】同育苗箱供給機構の平面図である。
【図4】同育苗箱供給機構の側面図である。
【図5】同育苗箱供給機構の斜視図である。
【図6】同育苗箱を除いた状態の育苗箱供給機構の斜視図である。
【図7】同チェーン移送機構の前端部の側面図である。
【図8】同押し部材に育苗箱が乗り上げた状態の側面図である。
【図9】同播種機構の側面断面図である。
【図10】同播種ロールと育苗箱との位置関係を示す概略側面図である。
【図11】同播種を開始する際の検出スイッチと育苗箱の位置関係を示す平面図である。
【図12】同播種を終了する際の検出スイッチと育苗箱の位置関係を示す平面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 育苗用播種装置
3 移送機構
20 育苗箱
47 ポット
50 繰出ロール
57 第1検出スイッチ
58 第2検出スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、育苗用播種装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポット式育苗箱に播種する育苗用播種装置には縦横に多数のポットを有する育苗箱を移送する移送機構の上方位置に、繰出ロールが設けられ、育苗箱の移送に同期して繰出ロールを軸心廻りに回転駆動させて、繰出ロールの繰出位置から育苗箱のポットに順次播種するようにしたものがある(例えば特許文献1、特許文献2)。
この種の従来の育苗用播種装置では、育苗箱を検出する検出スイッチが設けられ、検出スイッチが育苗箱を検出すると、繰出ロールを回転駆動して播種を開始し、検出スイッチが育苗箱を検出し終わると、繰出ロールの回転駆動を停止して播種を終了し、これにより、繰出ロールの繰出位置で育苗箱の各ポットに順次播種するようにしていた(例えば特許文献1、特許文献2)。
【特許文献1】特開2007−111021号公報
【特許文献2】特開2007−110950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の場合、1つの検出スイッチで育苗箱を検出していたため、育苗箱の移送方向の各ポットに対応して繰出ロールの繰出位置で播種することができず、余分に播種してしまい播種が無駄になることが多かった。
そこで、育苗箱のポットを検出する1つの検出スイッチを設け、この検出スイッチを、育苗箱の移送方向前端のポットから移送方向後端のポットまでの範囲で連続した検出状態になるように構成し、検出スイッチがポットの検出を開始した(移送方向前端のポット47を検出した)ときから一定期間後に、繰出ロールを軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、検出スイッチがポットを検出しなくなった(移送方向後端のポットを検出し終わった)ときから一定期間後に、繰出ロールの軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにすることが考えられるが、このようにした場合でも、育苗箱の各ポットは移送方向に略1ピッチの幅を有しているため、繰出ロールの駆動期間が1ピッチ分だけ長くなり、最後のポット(移送方向後端のポット)に播種した後にさらにポットの1ピッチ分だけ余分に播種することになり、ポットの1ピッチ分だけの播種が無駄になった。
【0004】
また、播種が無駄にならないように、移送方向後端のポットに播種した後に播種ロールを直ぐに停止させるには、播種ロールの制御に複雑な制御が必要になった。
本発明は上記問題点に鑑み、簡単な制御によって移送方向前端のポットから播種を開始し、移送方向後端のポットに播種をした後に播種ロールを確実に止めることができて、播種が無駄にならないようにしたものある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、縦横に多数のポットを有する育苗箱を移送する移送機構の上方位置に、繰出ロールが設けられ、育苗箱の移送に同期して繰出ロールを軸心廻りに回転駆動させて、繰出ロールの繰出位置から育苗箱のポットに移送方向に順次播種するようにした育苗用播種装置において、
育苗箱の移送方向に並ぶポットを検出する第1検出スイッチと第2検出スイッチとが設けられ、これら第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向に略1ピッチ互いにずれた位置のポットを検出するように構成され、前記第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向前端のポットから移送方向後端のポットまでの範囲で連続した検出状態になるように構成され、第1検出スイッチと第2検出スイッチとが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロールを軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチと第2検出スイッチとのいずれか一方がポットを検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロールの軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにした点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、移送方向前側に位置するポットを検出する検出スイッチが第1検出スイッチとされ、移送方向後側に位置するポットを検出する検出スイッチが第2検出スイッチとされ、第1検出スイッチが移送方向前端のポットを検出したときに、第2検出スイッチが、移送方向前端のポット又はその後側のポットを検出した状態になっており、第1検出スイッチが移送方向後端のポット又はその前側のポットを検出した状態になっているときに、第2検出スイッチが移送方向後端のポットを検出し終えて非検出状態になるように、前記第1検出スイッチと第2検出スイッチとが互いに略1ピッチずれた位置のポットを検出すべく構成した点にある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、育苗箱の移送方向に並ぶポットを検出する第1検出スイッチと第2検出スイッチとが設けられ、これら第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向に略1ピッチ互いにずれた位置のポットを検出するように構成され、前記第1検出スイッチと第2検出スイッチとは、育苗箱の移送方向前端のポットから移送方向後端のポットまでの範囲で連続した検出状態になるように構成されているので、第1検出スイッチと第2検出スイッチとが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロールを軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチと第2検出スイッチとのいずれか一方がポットを検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロールの軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにすればよく、簡単な制御によって移送方向前端のポットから播種を開始し、移送方向後端のポットに播種をした後に播種ロールを確実に止めることができて、播種が無駄にならないようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2において、1は育苗用播種装置の全体を示しており、育苗用播種装置1は、機フレーム2に移送機構3が組み込まれ、機フレーム2の移送機構3の移送始端側に育苗箱供給機構5が配置され、移送機構3を跨るように、床土供給機構6、床土均し機構7、床土灌水機構9、型付け機構10、播種機構11、覆土供給機構12、覆土均し機構13、覆土灌水機構14等が機フレーム2に搭載されている。
機フレーム2は、左右一対の側フレーム17と側フレーム17を支持する複数の脚体18とを備える。
【0009】
移送機構3は育苗箱20をA方向に移送するもので、移送方向後部側にチェーン移送機構23を備え、移送方向前部側にローラ移送機構24を備えている。チェーン移送機構23は、育苗箱供給機構5、床土供給機構6、床土均し機構7及び床土灌水機構9に亘っており、左右一対のレール26と左右一対のレール26間に配置された移送チェーン27とを備える。移送チェーン27の移送方向後端側は、左右方向の第1支軸29に固設した図4に示すスプロケット30に巻回され、移送チェーン27の移送方向前端側は、図7に示すように、左右方向の第2支軸31に固設したスプロケット32に巻回されており、第1支軸29又は第2支軸31の回転駆動により、移送チェーン27が、図4及び図7に示す矢印a方向に回転駆動されるように構成されている。
【0010】
図6〜図8に示すように、移送チェーン27の中途部に、育苗箱20を移送方向Aに押すための押し部材33がボルトナット等の締結具34により取り付けられている。押し部材33は取付部35と押し部36とをL状に有し、押し部36の上部は移送方向後端側に円弧状に湾曲されている。
図2、図9に示すように、ローラ移送機構24は、複数の回転軸38と回転軸38の左右方向中央部と左右両端部に外嵌固定されたローラ体39とを備え、複数の回転軸38は左右一対の側フレーム17間に軸心廻り回転自在に支持され、各回転軸38は図示省略の駆動機構により矢印b方向に回転駆動するように構成されており、育苗箱20をローラ体39上に載せた状態で移送方向Aに移送する。
【0011】
図4、図5、図7、図10に示すように、育苗箱20はアンダートレイ(外箱)37にセルトレイ40を挿入して構成され、セルトレイ40の内部は区画されて多数のポット47が縦横に形成されている。
図3〜図6に示すように、育苗箱供給機構5は、後支持枠41と側部支持枠42と前支持枠43と側部案内板44とを備え、前支持枠43は、左右一対の側フレーム17の後端部間に連結した取付板45にボルト等の固定具により固定され、前支持枠43の前部に前下がりに傾斜した傾斜支持片41aが設けられている。側部支持枠42と前支持枠43とはL字状に連結され、左右一対の側フレーム17にボルト等によって上方突出状に固設されている。前支持枠43は前下がりに傾斜されると共に、左右一対の側フレーム17の上端から上方に浮いた状態に配置され、前支持枠43の下端と左右一対のレール26との間に、一つの育苗箱20が移送可能な間隔Bが設けられている。
【0012】
而して、左右一対の側フレーム17上方の後支持枠41と前支持枠43との間、及び側部支持枠42と側部案内板44との間に、複数の育苗箱20を積み重ねて収納すると、最下段の育苗箱20のみが後支持枠41と前支持枠43との間から一対のレール26上に落下し、次の段の育苗箱20の後端部が後支持枠41の傾斜支持片41aに載ると共に、育苗箱20の前端側がレール26上に落下した最下段の育苗箱20上に載り、これにより次の段の育苗箱20が後支持枠41と前支持枠43との保持され、さらに上側の育苗箱20が順次下段の育苗箱20上に載り、これにより、後支持枠41と前支持枠43との間、及び側部支持枠42と側部案内板44との間に、複数の育苗箱20を積み重ねて収納保持できるように構成されている。
【0013】
そして、後支持枠41と前支持枠43との間に積み重ねて収納保持された育苗箱20は下側から順次一つずつ左右一対のレール26上に落下され、このレール26上に落下した育苗箱20は、チェーン移送機構23の回転駆動により、押し部材33によって移送方向Aに押圧され、これにより育苗箱20は左右一対のレール26上を摺動して移送方向Aに移送されるようになっている。
従って、育苗箱供給機構5は、複数段に積み重ねた育苗箱20を収納保持すると共に、最下位の育苗箱20を移送機構3で送り出し可能である。
【0014】
図1及び図2において、床土供給機構6は育苗箱供給機構5の移送方向前側に配置されており、育苗箱供給機構5から1つずつ送出された育苗箱20に、床土コンベヤ等から所要量の床土を供給する。
床土均し機構7は鎮圧ローラ等で育苗箱20の床土を鎮圧し又はスクレーパによって余剰土を排除し、床土ブラシによって床土量を適性化する。床土灌水機構9は育苗箱20の床土に灌水する。
型付け機構10は、周方向及び軸心方向に育苗箱20のポット47に対応する型付け突起が形成された型付けロール46が設けられ、育苗箱20の移送に同期して型付けロール46を軸心廻りに回転駆動させて、型付け突起で育苗箱20のポット47に順次播種凹部を形成する。
【0015】
図9及び図10において、播種機構11は、左右一対の支持側板48と種子供給ホッパー49と繰出ロール50と回転ブラシ51と種子誘導部材52とモータ53とを備える。繰出ロール50は移送機構3の上方位置にロール支持軸54廻りに回転自在に支持されており、モータ53によりチェーン、歯車等を介してロール支持軸54(軸心)廻りに回転駆動されるようになっている。繰出ロール50の外周面の周方向及び軸心方向に育苗箱20のポット47に対応する種子繰出用の嵌合凹部55が形成され、育苗箱20の移送に同期して繰出ロール50を軸心廻りに回転駆動させることにより、種子供給ホッパー49から種子繰出用の嵌合凹部55に種子を供給し、繰出ロール50の繰出位置Rで、種子繰出用の嵌合凹部55から、育苗箱20の移送方向前端のポット47から移送方向後端のポット47に順次播種するように構成されている。回転ブラシ51は、繰出ロール50とは逆方向に回転して嵌合凹部55に入らなかった余剰種子を掃き出し、種子誘導部材52は、繰出ロール50の後方側に密着して、嵌合凹部55に入った種子が途中で落下しないように上部側かから繰出位置Rまで誘導する。
【0016】
図9〜図14に示すように、繰出ロール50の移送方向Aの後側下方に、育苗箱20の移送方向Aに並ぶポット47を検出する第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とが設けられている。これら第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とは、作動片57a,58a又は作動片57a,58aに連結された連結片を介して育苗箱20の移送方向Aに略1ピッチ互いにずれた位置のポット47を検出するように構成されている。
即ち、移送方向前側に位置するポット47を検出する検出スイッチが第1検出スイッチ57とされ、移送方向後側に位置するポット47を検出する検出スイッチが第2検出スイッチ58とされ、第1検出スイッチ57が移送方向前端のポット47を検出したときに、第2検出スイッチ58が、移送方向前端のポット47又はその後側のポット47を検出した状態になっており、第1検出スイッチ57が移送方向後端のポット47又はその前側のポット47を検出した状態になっているときに、第2検出スイッチ58が移送方向後端のポット47を検出し終えて非検出状態になるように、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とが互いに略1ピッチずれた位置のポット47を検出すべく構成されている。
【0017】
第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とは、作動片57a,58aの遊び乃至作動片57a,58aに連結された連結片の遊び又は作動片57a,58a乃至連結片の育苗箱20のポット47対する接触幅の大きさ等によって、育苗箱20の移送方向前端のポット47から移送方向後端のポット47までを断続してポット47を検出するのではなく、育苗箱20の移送方向前端のポット47から移送方向後端のポット47までの範囲で連続した検出状態になるように構成されている。
前記繰出ロール50を回転駆動するモータ53は、図9に示す制御部60によって、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロール50を軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とのいずれか一方がポット47を検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロール50の軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するように制御している。上記一定期間経過後とは、第1検出スイッチ57が移送方向前端のポット47を検出してから該移送方向前端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達するまでの期間である。従って、制御部60により上記の如く繰出ロール50の回転駆動を制御することによって、移送方向前端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達したときに、繰出ロール50が播種を開始し、移送方向後端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達したときに繰出ロール50の播種を終了するように構成されている。
【0018】
図1及び図2において、覆土供給機構12は、播種機構11により播種された育苗箱20に覆土を供給する。覆土均し機構13は、鎮圧ローラ等で育苗箱20の覆土を鎮圧し又はスクレーパによって余剰土を排除し、覆土ブラシによって覆土量を適性化する。覆土灌水機構14は、育苗箱20の覆土に灌水する。
前記実施形態によれば、育苗箱供給機構5に積み重ねて収納保持された育苗箱20は下側から順次一つずつ左右一対のレール26上に落下され、チェーン移送機構23の回転駆動により、押し部材33によって移送方向Aに押圧され、これにより育苗箱20は移送方向Aに移送される。
【0019】
このとき、図8に示すように、育苗箱供給機構5に収納保持された下段の育苗箱20が押し部材33に乗り上げても、押し部材33の押し部36の上部が移送方向後端側に円弧状に湾曲されているため、押し部36の円弧状の上部を育苗箱20の縁部が滑り落ちてレール26上に載ることができ、育苗箱20の移送をスムーズになし得、育苗箱20を順次連続的に移送方向Aに供給することができる。
また、押し部材33で押されて育苗箱20がチェーン移送機構23からローラ移送機構24に移る際に、押し部材33の押し部36の上部が移送方向後端側に円弧状に湾曲されているため、押し部材33の押圧による育苗箱20の移送速度が変化するのを防止することができる。即ち、押し部材33の押し部36の上部が直線状であれば、移送チェーン27と共に押し部材33がスプロケット32の外周を回る際に、押し部36の上方側で押圧して次第に押圧速度が速くなり、育苗箱20の移送速度が変化することとなるが、本実施形態の場合、押し部36の上部が円弧状に湾曲しているため、押圧速度が速くなるのを防いで、育苗箱20の移送速度を一定に保持することができる。
【0020】
そして、育苗箱供給機構5から1つずつ送出された育苗箱20に床土供給機構6が床土コンベヤ等から所要量の床土を供給し、床土均し機構7は育苗箱20の床土を均し、床土灌水機構9が育苗箱20の床土に灌水する。
次に、型付け機構10が型付け突起で育苗箱20のポット47に順次播種凹部を形成する。播種機構11が育苗箱20のポット47に順次播種し、覆土供給機構12は、播種機構11により播種された育苗箱20に覆土を供給し、覆土均し機構13は、育苗箱20に供給された覆土を均し、覆土灌水機構14は育苗箱20の覆土に灌水する。
【0021】
播種機構11では、育苗箱20が移送方向Aに移送されて播種機構11の繰出ロール50に近づくと、まず、第2検出スイッチ58が、移送方向前端のポット47を検出し、次に、第2検出スイッチ58が移送方向前端のポット47を検出した状態になっているときに、第1検出スイッチ57が移送方向前端のポット47を検出し、制御部60の制御によって、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロール50を軸心廻りに回転駆動して播種を開始する。これにより、移送方向前端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達したときに、繰出ロール50が確実に播種を開始する。
【0022】
第1検出スイッチ57が移送方向後端のポット47を検出した状態になっているときに、第2検出スイッチ58が移送方向後端のポット47を検出し終えて非検出状態になり、第1検出スイッチ57と第2検出スイッチ58とのいずれか一方(第2検出スイッチ58)がポット47を検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロール50の軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了する。これにより、移送方向後端のポット47が繰出ロール50の繰出位置Rに達したときに繰出ロール50の播種を確実に終了する。
従って、簡単な制御によって移送方向前端のポット47から播種を開始し、移送方向後端のポット47に播種をした後に播種ロールを確実に止めることができて、播種が無駄にならないようになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態を示す育苗用播種装置の全体側面図である。
【図2】同育苗用播種装置の全体平面図である。
【図3】同育苗箱供給機構の平面図である。
【図4】同育苗箱供給機構の側面図である。
【図5】同育苗箱供給機構の斜視図である。
【図6】同育苗箱を除いた状態の育苗箱供給機構の斜視図である。
【図7】同チェーン移送機構の前端部の側面図である。
【図8】同押し部材に育苗箱が乗り上げた状態の側面図である。
【図9】同播種機構の側面断面図である。
【図10】同播種ロールと育苗箱との位置関係を示す概略側面図である。
【図11】同播種を開始する際の検出スイッチと育苗箱の位置関係を示す平面図である。
【図12】同播種を終了する際の検出スイッチと育苗箱の位置関係を示す平面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 育苗用播種装置
3 移送機構
20 育苗箱
47 ポット
50 繰出ロール
57 第1検出スイッチ
58 第2検出スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦横に多数のポット(47)を有する育苗箱(20)を移送する移送機構の上方位置に、繰出ロール(50)が設けられ、育苗箱(20)の移送に同期して繰出ロール(50)を軸心廻りに回転駆動させて、繰出ロール(50)の繰出位置(R)から育苗箱(20)のポット(47)に移送方向(A)に順次播種するようにした育苗用播種装置において、
育苗箱(20)の移送方向(A)に並ぶポット(47)を検出する第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とが設けられ、これら第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とは、育苗箱(20)の移送方向(A)に略1ピッチ互いにずれた位置のポット(47)を検出するように構成され、前記第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とは、育苗箱(20)の移送方向前端のポット(47)から移送方向後端のポット(47)までの範囲で連続した検出状態になるように構成され、第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロール(50)を軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とのいずれか一方がポット(47)を検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロール(50)の軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにしたことを特徴とする育苗用播種装置。
【請求項2】
移送方向前側に位置するポット(47)を検出する検出スイッチが第1検出スイッチ(57)とされ、移送方向後側に位置するポット(47)を検出する検出スイッチが第2検出スイッチ(58)とされ、第1検出スイッチ(57)が移送方向前端のポット(47)を検出したときに、第2検出スイッチ(58)が、移送方向前端のポット(47)又はその後側のポット(47)を検出した状態になっており、第1検出スイッチ(57)が移送方向後端のポット(47)又はその前側のポット(47)を検出した状態になっているときに、第2検出スイッチ(58)が移送方向後端のポット(47)を検出し終えて非検出状態になるように、前記第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とが互いに略1ピッチずれた位置のポット(47)を検出すべく構成したことを特徴とする請求項1に記載の育苗用播種装置。
【請求項1】
縦横に多数のポット(47)を有する育苗箱(20)を移送する移送機構の上方位置に、繰出ロール(50)が設けられ、育苗箱(20)の移送に同期して繰出ロール(50)を軸心廻りに回転駆動させて、繰出ロール(50)の繰出位置(R)から育苗箱(20)のポット(47)に移送方向(A)に順次播種するようにした育苗用播種装置において、
育苗箱(20)の移送方向(A)に並ぶポット(47)を検出する第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とが設けられ、これら第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とは、育苗箱(20)の移送方向(A)に略1ピッチ互いにずれた位置のポット(47)を検出するように構成され、前記第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とは、育苗箱(20)の移送方向前端のポット(47)から移送方向後端のポット(47)までの範囲で連続した検出状態になるように構成され、第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とが共に検出状態になったときから一定期間経過後に、繰出ロール(50)を軸心廻りに回転駆動して播種を開始し、第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とのいずれか一方がポット(47)を検出しなくなったときから一定期間経過後に、繰出ロール(50)の軸心廻りの回転駆動を停止して播種を終了するようにしたことを特徴とする育苗用播種装置。
【請求項2】
移送方向前側に位置するポット(47)を検出する検出スイッチが第1検出スイッチ(57)とされ、移送方向後側に位置するポット(47)を検出する検出スイッチが第2検出スイッチ(58)とされ、第1検出スイッチ(57)が移送方向前端のポット(47)を検出したときに、第2検出スイッチ(58)が、移送方向前端のポット(47)又はその後側のポット(47)を検出した状態になっており、第1検出スイッチ(57)が移送方向後端のポット(47)又はその前側のポット(47)を検出した状態になっているときに、第2検出スイッチ(58)が移送方向後端のポット(47)を検出し終えて非検出状態になるように、前記第1検出スイッチ(57)と第2検出スイッチ(58)とが互いに略1ピッチずれた位置のポット(47)を検出すべく構成したことを特徴とする請求項1に記載の育苗用播種装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−142192(P2010−142192A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325598(P2008−325598)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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