説明

背圧バルブ

【課題】高温の混合燃料を所定圧以上に保持することができる背圧バルブを提供する。
【解決手段】背圧バルブ37は、バルブ本体60、前記バルブ本体60内に設けられた圧力室61、大気圧室62、ダイアフラム63、付勢機構64、及び、弁65を備え、バルブ本体60の入力口60aに前記第6の配管21の他端21bが連通されており、バルブ本体60の出力口60bに前記第7の配管35の一端35aが連通されている。ダイアフラム63は、金属製の板状部材からなる。入力口60aの混合燃料の圧力に応じてダイアフラム63を動作させ、このダイアフラム63の動作によって、入力口60aの圧力が所定圧以上のときに開弁とし、出力口60bへ混合燃料を供給し得るように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背圧バルブに関し、特に、超臨界水を用いた燃焼システムに適用した場合に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、廃油などを燃料とする燃焼システムとして、廃液を燃焼させるための燃焼筒、燃焼筒内に空気供給するための空気供給手段、燃焼筒内に廃液を供給するための廃液供給手段及び燃焼筒内の廃液を着火させるための着火手段を備えた廃液燃焼装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1では、空気供給手段として、燃焼炉の底部に複数の空気供給口をほぼ同一円周上に配置しその各空気供給口より燃焼炉内に高温域と低温域が交互に作用するよう順次空気を供給するように構成されている。
【0004】
また、燃料中に水と乳化剤とを加え、燃料中に水滴を分散させたエマルジョン燃料を燃焼装置の炉内に噴霧して燃焼させる装置が知られている(例えば特許文献2)。この特許文献2によれば、燃料中に分散させた水滴が炉内において急速加熱されて爆発することにより、エマルジョン燃料的は微粒子化し、これにより、燃焼効率を向上するとともに、NOxや、すすの生成を抑制することができる、という効果がある。
【特許文献1】特開2005−207636号公報
【特許文献2】特開2006−329438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2では、ニードル弁の開度を調節することにより、燃焼装置に送られるエマルジョン燃料の吐出圧を一定に保持しているが、エマルジョン燃料は加熱される前に燃焼室に送られるので、高温の混合燃料を燃焼室に供給する場合に、当該混合燃料を高圧に保持できる手段については、何ら記載されていない。
【0006】
そこで、本発明は高温の混合燃料を所定圧以上に保持することができる背圧バルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る発明は、バルブ本体と、前記バルブ本体内に設けられた圧力室と大気圧室とを仕切る金属製のダイアフラムと、前記大気圧室内に配置され前記ダイアフラムを圧力室側へ付勢する付勢機構と、前記圧力室に連通された一次側の混合燃料の圧力に応じて前記ダイアフラムが動作することによって開閉する弁とを備える背圧バルブであって、前記ダイアフラムの動作を前記弁へ増幅して伝達する伝達機構を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項2に係る発明は、前記圧力室のシール部をシールするガスケットが、金属製のリングであることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項3に係る発明は、前記弁は、弁本体の先端に設けられ、前記伝達機構は、一端が前記圧力室に軸支され、他端が前記弁本体の基端に連結されたリンクと、前記リンクに前記ダイアフラムの変位を伝達する作動杆とを有し、前記作動杆は、前記リンクの一端の近傍に接続されているものであることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項4に係る発明は、前記弁は、前記伝達機構に連結された弁本体の先端に設けられ、前記弁本体は、支持機構により、支持されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項5に係る発明は、前記支持機構は、前記弁本体の周囲に立設された複数の支柱と、前記支柱と前記弁本体とを連結する支持部とを有し、前記支持部は、前記弁の開閉方向に離れて複数設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に係る発明によれば、動作量の少ないダイアフラムの変位を伝達機構によって増幅させることにより、開弁させるために十分な変位量に増幅させることができるので、ダイアフラムを使用しながら、十分な流量を吐出することができる。従って、金属製のダイアフラムによって、開弁、閉弁を制御することとしたことにより、高温、高圧の使用環境において、十分な機能を発揮することができる。
【0013】
本発明の請求項2に係る発明によれば、混合燃料が高温の場合でも、より確実に密閉状態を保持することができる
本発明の請求項3に係る発明によれば、簡単な構成でより確実に動作量の少ないダイアフラムの変位を伝達機構によって増幅させて弁に伝達することができる。
【0014】
本発明の請求項4に係る発明によれば、開弁及び閉弁の全工程において弁を同軸状に保持することができるので、より確実に開弁、閉弁させることができる。
【0015】
本発明の請求項5に係る発明によれば、簡単な構成でより確実に開弁及び閉弁の全工程において弁を同軸状に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(1)燃焼システムの構成
図1に示す燃焼システム1は、燃料供給系2、加熱器3、燃焼チャンバー4、及び予熱手段5を備え、全体として、燃料供給系2から供給された高圧の混合燃料を加熱器3で加熱した上で燃焼チャンバー4へ供給し、混合燃料に含まれる水を超臨界水とした状態で燃焼し得るように構成されている。ここで、超臨界水とは、温度が374℃以上、圧力が22MPa以上の領域の水をいう。この超臨界水では、水は液体と気体の区別がつかないような状態となっている。
【0017】
本実施形態では、前記燃焼チャンバー4が前記加熱器3を兼ねる構成としている。この燃焼システム1では、燃焼の初期段階においては、前記予熱手段5により混合燃料を加熱するように構成されている。
【0018】
燃料供給系2は、燃料タンク6、オイルポンプ7、ストレーナ8、流量計9、チェック弁10、及び、安全弁11を備え、順に配管によって連通されている。燃料タンク6には、水と燃料としての軽質油や重質油などとが、所定の割合(例えば、50:50)で収容されており、当該水と燃料とは攪拌器6aで攪拌され、混合燃料が生成される。
【0019】
燃料タンク6内の混合燃料は、第1の配管15を通じ、オイルポンプ7によって吸い上げられ、水を超臨界水とするため少なくとも25MPa、本実施形態では、30MPaまで昇圧される。昇圧された混合燃料は、オイルポンプ7から第2の配管16によって、ストレーナ8を介して流量計9に至る。因みに、オイルポンプ7で昇圧された混合燃料の圧力は、圧力計12で計測し得る。
【0020】
流量計9の一次側に連通された第2の配管16は第3の配管17へ分岐しており、分岐した当該第3の配管17には流量調整弁18が設けられ、当該第3の配管17は前記燃料タンク6へ連通されている。
【0021】
流量計9の二次側は、第4の配管19に連通され、当該第4の配管19には、チェック弁10が設けられ、安全弁11に連通されている。チェック弁10は、気体用チェック弁10a及び液体用チェック弁10bからなる。また、安全弁11のリリーフ側に連通された第5の配管20は、前記燃料タンク6に連通されている。
【0022】
安全弁11の二次側に一端21aが連通された第6の配管21は、他端21bが熱交換器22に連通される。熱交換器22は、外コイル23と内コイル24とからなり、燃焼チャンバー4内に設けられた燃焼室13の外周の長手方向及び半径方向に複数回、巻回されている。また、熱交換器22内には、温度センサー58が複数(例えば、2個)設けられている。
【0023】
外コイル23は、図2に示すように、直線状の管を螺旋状に成形した外コイル構成部25を複数、本図では4個備えている。各外コイル構成部25は、隣り合う外コイル構成部25との間に長手方向に所定の隙間δをあけて外コイル用連通部26を介して連通されている。このようにして外コイル構成部25を連通することにより、外コイル23は、一端23aから他端23bへ混合燃料が流れ得る。
【0024】
同様に、内コイル24は、図3に示すように、直線状の管を螺旋状に成形した内コイル構成部27を複数、本図では4個備えている。各内コイル構成部27は、長手方向に隙間なく配置され内コイル用連通部28を介して連通されている。尚、内コイル用連通部28は、上記外コイル構成部25同士の隙間δに配置される。また、内コイル用連通部28は、外コイル用連通部26と、熱交換器22の外周上対向する位置に設けられている。
【0025】
このように構成された内コイル24は、一端24aが外コイル23の他端23bと連通部31で連通されており、他端24bは、熱交換器22と後述する噴射ノズル36とを接続する第7の配管35(図1)の一端30aに連通される。
【0026】
熱交換器22は、図3に示すように、両端にそれぞれフランジ29,29を備え、当該フランジ管に保持杆30が複数、本図では3個、掛架されており、当該保持杆30によって区画された空間内に内コイル24が保持されている。また、外コイル23は、前記保持杆30を介して内コイル24の外側に配置される。このようにして内コイル24と外コイル23とを一体化した熱交換器22は、フランジ29,29を燃焼室13に固定することにより、燃焼室13の外周に配置される。
【0027】
これにより、熱交換器22では、第6の配管21から供給された高圧の混合燃料が、外コイル23内を一端23aから他端23bへ移動する。これにより、混合燃料は、燃焼室13の外周を周回しながら一端から他端へと移動する。次いで、混合燃料は、外コイル23の他端23bにおいて内コイル24の一端24aへ移り、内コイル24内を一端24aから他端24bへ移動する。これにより、混合燃料は、燃焼室13の外周を再び周回しながら他端から一端へと移動する。
【0028】
上記熱交換器22内の混合燃料の圧力は、圧力制御系により所定圧以上に制御される。圧力制御系は、第7の配管35と、当該第7の配管35に設けられた背圧バルブ37とにより構成される。第7の配管35は、図1に示すように、一端35aが内コイル24の他端24bに連通され、他端35bが上述した噴射ノズル36に連通されている。また、この第7の配管35に設けられた背圧バルブ37は、所定圧(本実施形態では、25MPa)以上の混合燃料を噴射ノズル36に連続的に供給し得るように構成されている。
【0029】
すなわち、オイルポンプ7によって30MPaに昇圧された混合燃料は、チェック弁10を通過後、熱交換器22で加熱されることによりさらに圧力が上昇する。一方で、一次側の圧力が25MPa以上のとき弁開とするように背圧バルブ37を設定することにより、熱交換器22内の圧力を25MPa以下に制御すると共に、25MPa以上の混合燃料を連続的に噴射ノズル36へ供給する。このように、背圧バルブ37によって熱交換器22内の圧力を制御することにより、超臨界水を生成できると共に、異常な圧力上昇による熱交換器22の破壊を防止することができる。
【0030】
噴射ノズル36は、噴射筒38内に保持されており、一端36aにおいて第7の配管35の他端35bが連通され、他端36bにノズル部39が設けられている。当該ノズル部39は、燃焼室13内に臨み、燃焼室13内に混合燃料を噴射し得るように構成されている。ノズル部39は、種々のものが考えられるが、例えば旋回ノズルを用いることができる。
【0031】
噴射筒38は、一端38aに第8の配管40の一端40aが連通され、他端38bが燃焼室13に接続されている。前記第8の配管40の他端40bは、ブロワー41に接続されており、当該ブロワー41によって、2〜3KPa,15NM/minの空気が供給される。ブロワー41によって供給された当該空気は、噴射筒38の一端38aから燃焼室13内に供給される。尚、噴射筒38には、第1の整流羽42が設けられている。当該第1の整流羽42は、ブロワー41によって噴射筒38内に供給される空気によって生じる空気流を整流し得る。
【0032】
燃焼チャンバー4は、チャンバー本体45と、前記燃焼室13とを有し、チャンバー本体45内に前記熱交換器22を設けた燃焼室13を保持し、チャンバー本体45の内腔と燃焼室13との隙間δに断熱材(図示しない)を充填してなる。
【0033】
燃焼チャンバー4には、予熱手段5が設けられている。予熱手段5は、パイロットバーナー46と、予熱用燃料タンク47と、点火装置48とを有する。この予熱手段5は、パイロットバーナー46と予熱用燃料タンク47とが第9の配管49で連通されており、予熱用燃料タンク47から供給される予熱用燃料をパイロットバーナー46の先端へ供給し、点火装置48により着火させることで、燃焼室13を予熱する。本実施形態では、予熱用燃料として、液化石油ガスを使用している。尚、点火装置48は、パイロットバーナー46の近傍に種火を供給し得る位置に設置されている。
【0034】
燃焼室13には、噴射ノズル36に対向して、整流羽としての第2の整流羽50が設けられている。第2の整流羽50は、図4に示すように、一対の脚部51間に掛架された基部52に軸支されている。脚部51は、燃焼室13に接続され、第2の整流羽50を噴射ノズル36の軸芯上に保持する。また、燃焼室13内には火炎センサー55と温度計56とが設けられているとともに、燃焼室13の出口部分には、第3の整流羽53がさらに設けられている。
【0035】
(2)背圧バルブの構成
次に本発明の特徴的構成である背圧バルブについて、図を参照して詳細に説明する。図5に示すように、背圧バルブ37は、バルブ本体60、前記バルブ本体60内に設けられた圧力室61、大気圧室62、ダイアフラム63、付勢機構64、及び、弁65を備え、バルブ本体60の入力口60aに前記第6の配管21の他端21bが連通されており、バルブ本体60の出力口60bに前記第7の配管35の一端35aが連通されている。ダイアフラム63は、金属(本実施形態では、SKD4)製の板状部材からなる。
【0036】
このように構成された背圧バルブ37は、全体として、入力口60aの混合燃料の圧力に応じてダイアフラム63を動作させ、このダイアフラム63の動作によって、入力口60aの圧力が所定圧以上のときに開弁とし、出力口60bへ混合燃料を供給し得るように構成されている。
【0037】
一方、入力口60aの圧力が所定圧未満のときには、閉弁とし、出力口60bへの混合燃料の供給を止め得るように構成されている。これにより、背圧バルブ37は、入力口60a側の圧力が異常に高圧となることによって、熱交換器22などの機器が破壊されるのを防ぐと共に、入力口60a側の圧力を所定圧以上に保持することによって超臨界水反応を保持し得る。
【0038】
バルブ本体60は、金属製の圧力容器で構成されており、上部に大気圧室62、下部に圧力室61が形成されており、当該大気圧室62と圧力室61とは、前記ダイアフラム63で仕切られている。また、前記圧力室61には、入力口60aが連通している。
【0039】
圧力室61は、圧力室下部61aと圧力室上部61bとにより構成され、内部に、伝達機構67、支持機構68、弁本体69、弁65、オリフィス70を備える。圧力室下部61aと圧力室上部61bとは、中心軸が図面上左右に離れており、ガスケット71によってシールされ、一体化されている。当該ガスケット71は、金属製のリングが用いられている。オリフィス70は、鉛直方向に開口してなり、出力口60bに連通されている。
【0040】
伝達機構67は、作動杆75と、リンク76とを有し、ダイアフラム63の動作を弁本体69に伝達し得るように構成されている。リンク76は、長尺の棒状部材からなり、一端76aが圧力室61内に設けられた第1支軸部77に軸支され他端76bが弁本体69の基端69aに連結されている。
【0041】
第1支軸部77は、ダイアフラム63の中心軸Zより、弁本体69から離れる位置に設けられている。作動杆75は、ダイアフラム63の中心軸Z上に配置され、一端75aがダイアフラム63の表面に当接しており、他端が前記リンク76の側面に接続され、リンク76と一体的に形成されている。これにより、作動杆75は、リンク76の側面であって、第1支軸部77の近傍に形成される。
【0042】
弁本体69は、オリフィス70と同軸上に設けられた胴部80と、当該胴部80の基端に設けられた第2支軸部81と、先端側に形成された弁保持体82とを備える。第2支軸部81には、前記リンク76の他端76bが軸支されている。
【0043】
弁保持体82は、バネ装填部83と、弁規制部84とを有し、一定の付勢力で弁65をオリフィス70へ押し付け得るように構成されている。バネ装填部83の底面83aは、胴部80に形成された連通穴85を通じて圧力室61内へ連通している。
【0044】
弁規制部84は、筒状の部材からなり、弁保持体82の先端に設けられた凹部86に螺合する規制ねじが設けられている。当該弁規制部84には、中央に弁65を挿通する貫通穴87と、弁65がオリフィス70方向へ抜けることを防止する抜け止め88が当該貫通穴87内に設けられている。尚、弁65には前記抜け止めに係止する段部89が設けられている。
【0045】
このように構成された弁保持体82は、バネ装填部83にコイルバネ90の一端を挿入してコイルバネ90が装填され、当該コイルバネ90の他端に弁65の一端を当接させた状態で、弁規制部84を凹部86に螺合して弁65を保持する。
【0046】
弁65は、種々のものが考えられるが、例えば、キノコ型のポペットを用いることができる。弁65をポペットで構成したので、弁65とオリフィス70とで形成される弁65の開口面積は、弁65のリフトによって種々変えることができる。この弁65は、バネ装填部83の先端に遊挿されている。
【0047】
支持機構68は、弁本体69の周囲に立設された複数の支柱92と、前記支柱92と前記弁本体69とを連結する支持部93,93とを有する。
【0048】
支柱92は、ボルト94によって圧力室下部61aの底面に固定される。この支柱92は、図6に示すように、オリフィス70を中心として均等に配置されており、本実施形態では4箇所に設置されている。
【0049】
支持部93,93は、平面視で十字形に形成された板状部材からなり、中心に弁本体69の胴部80を挿通する保持穴95が設けられており、端部で支柱92に支持されている。この支持部93,93は、図5に示すように、間隔保持部材により、弁65の開閉方向、すなわち弁本体69の長手方向に所定長さ離れて複数、本実施形態では2個設けられている。このように構成された支持部93,93は、弁本体69をオリフィス70から離れる方向、すなわち図中上方へ付勢する。この支持部93,93の付勢力により、弁本体69に連結されたリンク76は上方に付勢され、作動杆75を通じてダイアフラム63を上方へ付勢する。
【0050】
当該支持機構68に対する弁本体69の軸方向の相対的な位置は、弁本体69の胴部80の外面に螺合された調整ナット96により調整することができる。調整ナット96は、上下に重ねて螺合された2個のナットからなり、上方のナット96aは支持部93,93の保持穴95の下端に当接し、下方のナット96bは上方のナット96aの下面に押し当てるようにして螺合され、胴部80に固定される。
【0051】
このようにして、支持機構68に対する弁本体69の軸方向の相対的な位置を適宜変更することにより、バネ装填部83に装填された弁65を付勢するコイルバネ90の付勢力を、調整することができる。例えば、調整ナット96の上方のナット96aを順方向に回転させることにより、支持機構68に対する弁本体69の軸方向の相対的な位置を下げると、同時に、バネ装填部83の底面83aの位置も下がる。そうすると、コイルバネ90は、バネ装填部83の底面が押し下げられることにより、全体長さが収縮し、弁65に対する付勢力を増大させる。この付勢力により、弁65はオリフィス70に押し付けられオリフィス70を閉塞する。
【0052】
大気圧室62は、大気圧室下部62aと大気圧室上部62bとからなり、内部に、付勢機構64を備え、ダイアフラム63を圧力室61側へ付勢している。
【0053】
付勢機構64は、付勢部100と、安定部101と、バネ受け部102と、調節部103とを有し、ダイアフラム63を圧力室61側へ付勢する付勢力を調整し得るように構成されている。
【0054】
付勢部100は、複数のさらばね104を直列に組み合わせてなる。直列とは、さらばね104同士を背と背、腹と腹で重ねてなる。このさらばね104は、安定部101によって保持される。
【0055】
安定部101は、さらばね104を挿通する軸部105と、当該軸部105の一端に遊挿される端部106とからなる。端部106は、軸部105の一端105aを遊挿する穴107と、付勢部100の一端を保持する保持枠108とを有する。軸部105は端部106に対し軸方向に移動し得る。
【0056】
バネ受け部102は、有底筒状に形成されており、開口端の外縁に係合フランジ109が設けられている。このバネ受け部102は、当該係合フランジ109を大気圧室下部62a内に設けた載置突起110に載置することにより、底面102aがダイアフラム63表面に当接する位置に設置される。
【0057】
軸部105は、他端がバネ受けの底に当接された状態で、さらばね104が挿通される。これにより、付勢部100の他端は、バネ受け部102の底に当接する。複数のさらばね104が全て軸部105に挿通された後、軸部105の一端105aに穴107を挿通して端部106の保持枠108で付勢部100の一端を保持する。
【0058】
端部106の上部には、調節部103が設けられている。調節部103は、作動体111と、調節ねじ112と、前記作動体111の回動を規制するキー113とからなる。
【0059】
作動体111は、大気圧室上部62bの内腔に遊挿された筒状の部材からなり、内面に前記調節ねじ112に螺合する雌ネジが形成されている。また、作動体111の側面には、キー113が係合するキー溝114が形成されている。
【0060】
調節ねじ112は、大気圧室62の上端に回動可能に保持されており、上端に回動部112aが設けられていると共に、下端に前記作動体111に形成された雌ネジに螺合する雄ネジが112b形成されている。
【0061】
調節部103は、調節ねじ112をねじ込むことにより、作動体111を下方へ移動させ得る。作動体111は、キー113によって回動方向に保持されているので、調節ねじ112の回動に応じて、ねじのピッチ分だけ下方へ移動する。そうすると作動体111は、端部106を下方へ移動させる。このようにして、端部106の保持枠108に保持された付勢部100が収縮し、付勢力を増大させることができる。この付勢力は、所定圧(本実施形態では25MPa)に相当する力を発揮し得るように、前記調節部103で設定される。
【0062】
(3)作用及び効果
(A)燃焼システム全体
上記のように構成された燃焼システム1において、燃焼過程は、予熱期と、超臨界水反応期とからなる。以下、操作手順に沿って説明する。
【0063】
まず、燃料タンク6に水と燃料とを収容し、攪拌器6aで分離している水と燃料とが適度に混ざる程度に攪拌する。尚、本実施形態では、水と燃料との比率は、50:50とした。また、初期設定は、オイルポンプ7の圧力を30MPa、背圧バルブ37を25MPa、流量調整弁18をオイルポンプ7の最低吐出量(本実施形態では、0.5L/min)、熱交換器22内に配置した温度センサー58を380℃とする。
【0064】
次いで、オイルポンプ7を起動して、燃料タンク6内の混合燃料を熱交換器22へ供給する。同時に、予熱手段5により、予熱用燃料タンク47からパイロットバーナー46の先端に予熱用燃料を供給し、点火装置48により着火させ、燃焼室13を予め加熱する(予熱期)。
【0065】
ここで、熱交換器22内の温度は、熱交換器22内に配置した温度センサー58によりモニターされている。これにより、燃焼システム1は、異常に温度が上昇した場合、空焚きによるものと判断して、予熱手段5による予熱を中止するように構成されている。
【0066】
そうすると、熱交換器22に供給された混合燃料は、外コイル23内を一端23aから他端23bへ流れることにより、予熱手段5によって加熱された燃焼室13と熱交換をし、燃焼室13から熱量を受け取る。さらに、外コイル23の他端23bにおいて混合燃料は内コイル24の一端24aへと流れ込み、内コイル24内を他端24bへ向かって流れる。これにより、混合燃料は、再び燃焼室13と熱交換をし、燃焼室13から熱量を受け取る。
【0067】
ここで、熱交換器22は、外コイル構成部25同士の間に隙間δを設けることにより、内コイル24を隙間なく螺旋状に形成する構成とし、燃焼室13により近い内コイルを密に設けた。これにより、熱交換器22は、より効率的に混合燃料と燃焼室13との熱交換をさせることができる。従って、燃焼システム1は、より確実に混合燃料に含まれる水を超臨界水とすることができるので、より確実に超臨界反応を起こさせることができる。
【0068】
このようにして、オイルポンプ7で30MPaに昇圧され、背圧バルブ37で制御された混合燃料は、燃焼室13の熱量を受け取ることにより、加熱される。
【0069】
加熱された混合燃料は、内コイル24の他端24bから第7の配管35へ流れ出て、噴射ノズル36の一端36aに流れ込む。ここで、第7の配管35には、背圧バルブ37が設けられていることにより、熱交換器22内の圧力が所定圧(本実施形態では、25MPa)以上の混合燃料を噴射ノズル36へ連続的に供給し得る。これにより、燃焼システム1は、作動中における熱交換器22内の圧力を所定圧以上とすることにより、より確実に超臨界反応へ移行させ得る。
【0070】
噴射ノズル36の一端36aに流れ込んだ混合燃料は、噴射ノズル36の他端36bに設けられたノズル部39から燃焼室13内に噴射される。同時に、噴射筒38の一端38aには、ブロワー41から空気が供給され、当該空気は噴射筒38の他端38bから燃焼室13内に噴射される。ここで、噴射筒38には、第1の整流羽42を設けたことにより、ノズル部39に対し、均一に空気を供給することができる。
【0071】
そうすると、ノズル部39から噴射された混合燃料のうち燃料は、パイロットバーナー46の炎に引火して、燃焼する。一方、混合燃料に含まれる水は、熱交換器22内の温度が低い予熱期では、燃料の燃焼によって水蒸気となって放出されるが、混合燃料の温度がある温度(実験では、150℃程度)以上となると燃料中の水の微粒子が爆発気化し、燃料粒子を微細化、飛散させることにより、酸素との接触面積を大きくするので、容易に完全燃焼し、燃焼室13内の温度を上昇させることができる。この予熱期における燃焼室13内の温度は、500℃〜700℃程度である。本発明者の実験によれば、水と燃料との比率は、50:50の場合には、上記のように燃焼するが、水の比率がより高い場合、例えば、水と燃料との比率が、60:40の場合には、燃焼しないことが確認されている。
【0072】
上記のような状態で所定時間(例えば、15分程度)経過すると、燃焼室13は温度が上昇し、熱交換器22内の混合燃料を目標の温度(380℃)まで加熱し得る。混合燃料は、目標の温度まで達すると、当該混合燃料に含まれる水が超臨界水となる。このようにして、本実施形態に係る燃焼システム1では、混合燃料に含まれる水を超臨界水とし、これにより、混合燃料に含まれる燃料中に超臨界水を分散させることができる。
【0073】
この超臨界水が燃料中に分散した混合燃料を噴射ノズル36に供給すると、ブロワー41によって供給される空気中に含まれる酸素と反応し、燃焼を起こす(超臨界水反応期)。この燃焼は、超臨界水反応であるので、混合燃料に含まれる有機物や環境汚染物質を分解し、無害化することができる。尚、超臨界水反応期における燃焼室13内の温度は、約1000℃〜1300℃に達する。この状態において、混合燃料は、燃料と水とが完全に混合した状態となる。
【0074】
尚、この燃焼室13内の温度は、温度計56でモニターされ、1000℃を超えると、流量調整弁の設定値を変えることで、オイルポンプ7の吐出量を増大させることにより、より効率的な燃焼を実現できると共に、必要な燃焼エネルギーを供給することが可能となる。
【0075】
ここで、噴射筒38には第1の整流羽42を設けたことにより、ブロワー41によって供給された空気を一様にノズル部39へ供給することができるので、ノズル部39から噴射される混合燃料と効率よく反応させることができる。
【0076】
また、燃焼室13内には、ノズル部39に対向して第2の整流羽50を設けたことにより、噴射された混合燃料を減速させ、燃焼室13内で混合燃料を燃焼させることができるので、熱交換器22内の混合燃料をより効率よく加熱し、より確実に超臨界反応を起こさせることができる。尚、この超臨界水反応において水は、HO→H+OHによる反応をすることにより、燃料と完全に混ざり、有機物を効果的に分解することができる。
【0077】
また、超臨界反応中にノズル部39の炎が消えた場合、火炎センサー55で炎が消えたことを検知し、パイロットバーナー46に予熱用燃料を供給して、直ちにパイロットバーナー46を点火することにより、再び超臨界反応へ早期に移行させることができる。
【0078】
尚、パイロットバーナー46は、予熱期から超臨界水反応期へ移行する際、予熱用燃料の供給を停止してパイロットバーナー46からの炎を止める。一方、点火装置48の種火は、上記したように超臨界反応中にノズル部39の炎が消えた場合に備え、常に点火した状態とする。
【0079】
上記したように、本実施形態に係る燃焼システム1では、燃焼室13が加熱器3を兼ねる構成とした。これにより、燃焼システム1は、混合燃料を加熱する加熱器3を省略することができるので、小型化を実現することができる。
【0080】
また、上記のように構成したことにより、燃焼システム1は、乳化剤を要しなくても、超臨界反応を起こさせ、燃料に含まれる有機物や環境汚染物質を分解できるので、従来に比べ、格段と効率を向上することができる。
【0081】
また、燃焼システム1は、燃焼室13の出口に第3の整流羽53を設けたことにより、ノズル部39から噴射される混合燃料を攪拌することにより、さらに燃焼効率を向上することができる。
【0082】
また、燃焼システム1は、本実施形態では、水と燃料との比が50:50の混合燃料において超臨界水反応を起こさせることができるので、より少ない燃料で効率よく燃焼させることができる。従って、燃焼システム1は、少ない燃料でより多くの熱量を得られるので、効率を向上することができる。
【0083】
また、燃焼システム1では、燃料と水とを混合した混合燃料を高圧で供給する燃料供給ステップと、前記燃料供給ステップで供給された前記混合燃料を高温に加熱する加熱ステップと、前記熱交換器22内の前記混合燃料の圧力を所定圧以上に制御する圧力制御ステップと、加熱された前記混合燃料を噴射して燃焼する燃焼ステップとを備え、燃料供給ステップで混合燃料の供給を開始した後、前記燃焼ステップの開始前に、加熱器としての燃焼チャンバーを予め加熱することとしてもよい。これにより、燃焼システム1では、超臨界反応が始まる前における空焚きをより確実に防止することができる。
【0084】
(B)背圧バルブ
次に、本発明の特徴的構成である背圧バルブ37の作用及び効果について説明する。背圧バルブ37は、入力口60aに第6の配管21が連通され、当該第6の配管21から混合燃料が圧力室61へ流れ込む。当該混合燃料は、上述したとおり、熱交換器22において、加熱されているので、予熱期では150℃、超臨界水反応期では380℃に達する。また、混合燃料は、オイルポンプ7で高圧(本実施形態では、30MPa)に昇圧されている。
【0085】
ここで、圧力室61は、金属製のリングからなるガスケット71でシールされているので、混合燃料が高温の場合でも、より確実に密閉状態を保持することができる。
【0086】
入力口60aから流れ込んだ混合燃料の圧力が25MPa以上の場合、混合燃料の圧力がさらばね104による付勢力に勝るので、支持部93,93により弁本体69が上方へ付勢されているので、作動杆75がダイアフラム63を上方に押し上げる。これにより、ダイアフラム63を介してバネ受け部102が上昇する。
【0087】
そうすると、作動杆75に一体的に設けられたリンク76は、支持部93,93により弁本体69が上方へ付勢されているので、当該付勢力により、第1支軸部77を回転中心として他端76bが上方へ回動し、弁本体69が上方へ移動する。
【0088】
弁本体69が上方へ移動すると、弁規制部84により保持された弁65が共に引き上げられて開弁する。そうすると、圧力室61内に流入した混合燃料は、オリフィス70から出力口60bへ流れ、当該出力口60bから第7の配管35へ流れ出す。
【0089】
このようにして、背圧バルブ37は、圧力室61内の圧力が所定圧(本実施形態では、25MPa)以上となったときに、開弁し、オリフィス70から出力口60bへ混合燃料を流出させる。これにより、燃焼システム1は、熱交換器22が異常に高圧となった場合でも、予め設定した所定圧以上では、背圧バルブ37から第7の配管35及び噴射ノズルを介して外部へ放出することとしたので、機器の破損を防止することができる。
【0090】
ここで、背圧バルブ37は、金属製のダイアフラム63によって、開弁、閉弁を制御することとした。これにより、背圧バルブ37では、高温、高圧の使用環境において、十分な機能を発揮することができる。
【0091】
また、背圧バルブ37は、ダイアフラム63の変位を作動杆75で受けると共にリンク76により弁本体69へ伝達することとした。これにより、動作量の少ないダイアフラム63の変位をリンク76によって増幅させることにより、開弁させるために十分な変位量に増幅させることができる。従って、背圧バルブ37は、ダイアフラム63を使用しながら、十分な流量を吐出することができる。
【0092】
また、背圧バルブ37は、弁本体69の長手方向に所定長さ離れて設けられた支持部93,93で弁本体69を支持することとした。これにより、開弁及び閉弁の全工程において弁65をオリフィス70に対し、同軸状に保持することができるので、より確実に開弁、閉弁させることができる。
【0093】
また、付勢機構64は、調節部103を有し、ダイアフラム63を圧力室61側へ付勢する付勢力を調整できることとした。これにより、背圧バルブ37は、開弁、及び閉弁させる場合の混合燃料の圧力を適宜選択的に設定することができる。
【0094】
一方、圧力室61側の混合燃料の圧力が、所定圧未満となった場合、さらばね104による付勢力が混合燃料の圧力及び支持部93,93の付勢力に勝るので、バネ受け部102がダイアフラム63を押し下げる。ダイアフラム63が押し下げられると、作動杆75は、リンク76の第2支軸部81を下方へ回動させる。そうすると、背圧バルブ37は、当該第2支軸部81に連結された弁本体69は下方へ移動し、弁65をオリフィス70へ押し付けることにより、閉弁する。
【0095】
上記のように所定圧未満では閉弁する構成としたから、燃焼システム1は、燃焼室13における混合燃料の圧力を所定圧以上に保持し、より確実に超臨界水反応を起こさせることができる。
【0096】
ここで、弁65は、バネ装填部83の先端に遊挿されている。これにより、弁65をオリフィス70へ押し付けたとき、弁65は、コイルバネ90の付勢力に逆らってバネ装填部83内を上方へ移動し得る。すなわち、背圧バルブ37は、コイルバネ90の付勢力以上の力で弁65をオリフィス70へ押し付けることを防止する機構を採用しているので、閉弁時における弁65及びオリフィス70の損傷を防止することができる。
【0097】
(4)変形例
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
【0098】
例えば、熱交換器は、外コイル23と内コイル24とにより構成した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、図7に示すよう構成しても良い。図7に示す熱交換器120は、円筒状に形成された内筒121と、当該内筒121の外周に形成された混合燃料流路122と、当該内筒121の両端に設けられたフランジ123,124とを備え、外面が円筒状の外筒125で覆われ、密閉されてなる。
【0099】
混合燃料流路122は、内筒121の外周面に複数設けられた流路形成板126により、一端120aのフランジ63に設けられた入口127から流れ込んだ混合燃料が、熱交換器120を一端120aから他端120bへ、他端120bから一端120aへと、長手方向へ繰り返し往復しながら円周上を移動し、一端120aのフランジ123に設けられた出口128へと流れ得るように構成されている。また、混合燃料流路122は、入口127から流れ込んだ混合燃料が出口128から流れ出す混合燃料と混ざらないように仕切り板129が設けられている。
【0100】
流路形成板126は、長手方向の一端がフランジ123,124の一方に当接して固定され、長手方向の他方は、フランジ123,124の他方との間に隙間を形成した状態で固定される。このように、流路形成板126は、交互にフランジ123,124との間に隙間を形成し、長手方向に往復する混合燃料流路122を内筒121の外周面に形成する。
【0101】
このように構成された熱交換器120は、内筒121の内腔121aが燃焼室13に外挿されることにより、燃焼チャンバー4に設けられ、入口127に第6の配管21の他端21bが連通され、出口128に第7の配管35の一端35aが連通される。これにより、熱交換器120は、第6の配管21から供給された混合燃料を燃焼室13からの熱量で加熱し、加熱した混合燃料を第7の配管35へと供給し得る。
【0102】
このように、熱交換器120は、内筒121と外筒125とフランジ123,124によって密閉された空間内に混合燃料流路122を形成する構成とした。これにより、燃焼システム1では、熱交換器120を簡単な構成とすることができるので、コスト低減を実現することができる。
【0103】
また、支持部93は、2個設けた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、3個以上としてもよい。
【0104】
また、4本の支柱92で支持部93を介して弁本体69を支持する構成について説明したが、本発明はこれに限らず、支柱92は、3本、又は5本以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の燃焼システムの全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の熱交換器の構成を示す図であり、(a)熱交換器の左側面図、(b)外コイルの正面図である。
【図3】本発明の熱交換器の構成を示す図であり、(a)内コイルの正面図、(b)熱交換器の右側面図である。
【図4】本発明の第2の整流羽の構成を示す図であり、(a)平面図、(b)側面図である。
【図5】本発明の背圧バルブの構成を示す縦断面図である。
【図6】本発明の背圧バルブの構成を示す図5におけるA−A矢視図である。
【図7】本発明の熱交換器の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0106】
37 背圧バルブ
60 バルブ本体
60a 入力口
60b 出力口
61 圧力室
62 大気圧室
63 ダイアフラム
64 付勢機構
65 弁
68 支持機構
71 ガスケット(メタルシール)
92 支柱
93 支持部
100 付勢部
102 バネ受け部
103 調節部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ本体と、
前記バルブ本体内に設けられた圧力室と大気圧室とを仕切る金属製のダイアフラムと、
前記大気圧室内に配置され前記ダイアフラムを前記圧力室側へ付勢する付勢機構と、
前記圧力室に連通された一次側の混合燃料の圧力に応じて前記ダイアフラムが動作することによって開閉する弁とを備える
背圧バルブであって、
前記ダイアフラムの変位を前記弁へ増幅して伝達する伝達機構を有することを特徴とする背圧バルブ。
【請求項2】
前記圧力室のシール部をシールするガスケットが、金属製のリングであることを特徴とする請求項1記載の背圧バルブ。
【請求項3】
前記弁は、弁本体の先端に設けられ、
前記伝達機構は、
一端が前記圧力室に軸支され、他端が前記弁本体の基端に連結されたリンクと、
前記リンクに前記ダイアフラムの変位を伝達する作動杆とを有し、
前記作動杆は、前記リンクの一端の近傍に接続されているものである
ことを特徴とする請求項1又は2記載の背圧バルブ。
【請求項4】
前記弁本体は、支持機構により、支持されているものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の背圧バルブ。
【請求項5】
前記支持機構は、前記弁本体の周囲に立設された複数の支柱と、前記支柱と前記弁本体とを連結する支持部とを有し、前記支持部は、前記弁の開閉方向に離れて複数設けられたものであることを特徴とする請求項4記載の背圧バルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−116993(P2010−116993A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−291273(P2008−291273)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【特許番号】特許第4323558号(P4323558)
【特許公報発行日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(590005678)
【出願人】(506364662)
【出願人】(508066706)
【Fターム(参考)】