説明

脚立の転倒防止具

【課題】確実に脚立を固定することができると共に、簡便かつ軽量な脚立の転倒防止具を提供する。
【解決手段】脚立Aの脚部ALに沿って固定される固定フレーム1と、テーパ状の当接面20を持つ楔部2と、楔部2に下方に向って移動する力を付与する付勢手段4と、固定フレームに対し回動可能な回動脚5と、軸部50から径方向に突出し回動脚を開方向に回動させることで、固定フレームの下端位置Pdの楔部2の下端21を押し上げて付勢手段4に抗して楔部2を上方に向って移動させ、かつ、楔部2を押し上げた後に付勢手段4により下方に移動する楔部2の当接面20に当接することで、回動脚5が閉方向に回動するのを阻止して脚立Aの転倒を防止する当接部材51とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脚立の転倒防止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脚立は、周知のように、左右の脚部の間に複数段の踏み子が設けられた一対の梯子が、へ字状に開かれた状態で固定されて使用される。
ここで、脚立に乗った作業者がバランスを崩すと前記左右方向(図8)に脚立が転倒するおそれがある。そのため、従来より、脚立に転倒を防止するための転倒防止具を取り付けたものが提案されている(特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−49383号(要約書)
【特許文献2】意匠登録1003182号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の転倒防止具は、梯子の踏み子が設けられた左右の脚部の外側に張り出す三角形の板状の補助脚を設けている。
しかし、転倒を十分に防止するには前記補助脚を大きく、かつ、厚く形成する必要があり脚立が重くなる。
【0005】
一方、特許文献2の転倒防止具は、脚立の脚部に開閉自在に設けられた補助脚を備えている。前記補助脚は脚部に固定されたラックに係合して開かれる。
しかし、脚立の転倒を十分に防止できる開度に前記補助脚を開くには、長いラックを設ける必要があり軽量化が難しい。
さらに、脚部にワンウェイクラッチを設けて補助脚の開度を調節することが考えられる。しかし、ワンウェイクラッチを用いた場合には、バックラッシュが生じる場合があり、安定性が損なわれるおそれがある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、簡便かつ軽量な脚立の転倒防止具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の脚立の転倒防止具は、脚立の脚部に沿って固定される長尺状の固定フレームと、固定フレームの面に沿って上端位置と下端位置との間を上下に往復移動可能に設けられ、前記固定フレームの面に接する第1面、ならびに、前記第1面の反対側に設けられ下方に向かうに従い前記脚立の前記脚部に近づくテーパ状の当接面を持つ楔部と、前記楔部が上下に移動するのを案内する案内手段と、前記楔部に下方に向って移動する力を付与する付勢手段と、前記固定フレームに対し回動中心を中心に下方に向かう開方向および上方に向かう閉方向に回動可能な長尺状の回動脚と、前記回動脚を前記回動中心を中心に前記固定フレームに対し回動可能に支持する軸部と、前記軸部から径方向に突出し前記回動脚を前記開方向に回動させることで、前記固定フレームの前記下端位置の前記楔部の下端を押し上げて前記付勢手段に抗して前記楔部を上方に向って移動させ、かつ、前記楔部を押し上げた後に前記付勢手段により下方に移動する楔部の前記当接面に当接することで、前記回動脚が前記閉方向に回動するのを阻止して前記脚立の転倒を防止する当接部材と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、楔部のテーパ状の当接面に当接部材が当接した状態で、固定フレームに対し回動脚が上方に向かって、つまり、回動脚が閉じる閉方向に向かって回動しないから、当接面と当接部材との間にバックラッシュが発生しない。
また、長いラックを形成する必要がないので、転倒防止具の軽量化が可能となる。
さらに、市販のワンウェイクラッチを用いるのと異なり、製造コストも安くなる。
また、市販の脚立に本転倒防止具を後付けすることができるので、現場への出入り業者に本転倒防止具の取り付けを義務づけるなどして安全性の向上を容易に図り得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例にかかる脚立の転倒防止具の使用方法を示す概略断面図である。
【図2】同転倒防止具の使用方法を示す概略断面図である。
【図3】同転倒防止具の使用方法を示す概略断面図である。
【図4】同転倒防止具の使用方法を示す概略断面図である。
【図5】図5Aは転倒防止具の概略平面断面図、図5Bは図5Aの VB-VB線断面図、図5Cは図5Aの VC-VC線断面図である。
【図6】回動脚の開状態を示す概略側面図である。
【図7】回動脚の収納状態を示す概略側面図である。
【図8】収納状態の転倒防止具が取り付けられた脚立を示す概略側面図である。
【図9】回動脚を開いて転倒防止具を使用した状態の脚立を示す概略側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明における好ましい態様において、前記楔部の上端に固定されたロッドと、前記固定フレームから突出し、前記楔部を前記ロッドと共に上方の前記上端位置に持ち上げるための操作部とを更に備えている。
かかる態様によれば、固定フレームから突出した操作部を操作して前記楔部を上端位置まで容易に持ち上げることができる。この状態で前記回動脚を閉方向に回動させて収納することができる。
【0011】
本発明の好ましい態様において、前記楔部が前記上端位置において移動しないように、前記ロッドまたは操作部を保持する保持手段を更に備えている。
かかる態様によれば、前記楔部を上端位置において移動しない状態を保持できる。そのため、回動脚の閉方向への移動が容易になる。
【0012】
本発明の好ましい態様において、前記固定フレームの横断面が概ね凹字状に形成され、前記凹字状の固定フレーム内に前記回動脚を折り畳むと、前記保持手段による保持を解除する解除手段を更に備えている。
かかる態様によれば、回動脚を折り畳むと前記保持が解除されるので、前記回動脚を開方向へ回動させる間に前記押し上げ動作が確実に行われ、押し上げ後に前記当接部材が当接面に当接する。したがって、使用状態において回動脚が開いた状態であるにもかかわらず、当接部材が当接面に当接していないという事態を未然に防止することができる。
【0013】
本発明の好ましい態様において、前記当接部材が前記楔部の前記当接面に当接して前記回動脚が前記閉方向に回動するのを阻止した使用状態において、前記回動脚の自重で前記回動脚が前記開方向に回動するのを防止する自重回動防止手段を更に備えている。
ここで、使用状態において、回動脚が開方向に自重で開くと、脚立の下端が接地しない状態で回動脚の下端が接地し、本転倒防止具に作業者の体重等が負荷される事態となる。これに対し本態様では、自重回動防止手段を設けたので、使用状態において回動脚が開方向に自重で開かないため、前述のような事態を防止し得る。
【実施例】
【0014】
脚立A:
図8に示す脚立Aは4脚の脚部ALを備えており、一対の脚部AL間には複数段の踏み子A1が架け渡されている。使用時には、前記踏み子A1が掛け渡された一対の脚部AL同士が互いに所定の角度開かれる。
【0015】
転倒防止具B:
前記一対の脚部ALにおいて、踏み子A1の左右方向Xの外側面には、転倒防止具Bが図示しないボルト・ナットやブラケットにより取り付けられている。
図7に示すように、前記転倒防止具Bは、脚立Aの脚部ALに沿って固定される長尺状の固定フレーム1と、前記回動中心Oを中心に下方に向かう開方向Roおよび、図6に示す上方に向かう閉方向Rsに回動可能な長尺状の回動脚5とを備えている。
なお、図9に示す前記転倒防止具Bは、片側の一対の脚部ALにそれぞれ取り付けられてもよいし、4脚の脚部AL全てに取り付けられてもよい。
【0016】
脚立Aの使用時には、図8の矢印で示すように、前記回動脚5は、開方向Roに開かれ、図9に示すようにその端部が地面などの接地面に接地された状態で固定された状態で使用される。一方、回動脚5の収納時には、回動脚5は閉方向Rsに回動され、図8に示すように収納される。
【0017】
固定フレーム1:
図5Bおよび図5Cに示すように、前記固定フレーム1は、脚部ALに固定される固定面1aを有する断面コ字状に形成されている。
図1Aに示すように、前記固定フレーム1内には、板状の摺動ガイド1cが固定されている。
【0018】
楔部2:
固定フレーム1内には、スライダからなる楔部2が設けられている。楔部2は、前記摺動ガイド1cの表面1fに接する第1面20fと、前記当接面20の反対側に設けられた当接面20とを備えている。楔部2は、該楔部2の第1面20fが、前記摺動ガイド1cの表面1fに沿って上下方向Zに摺動自在に設けられている。
前記楔部2は、図1Aに示す下端位置Pdと、図4Aに示す上端位置Puとの間を上下方向Zに往復自在に設けられている。
【0019】
前記当接面20は下方Z1に向かうに従い脚立Aの脚部ALに近づくテーパ状に形成されている。
【0020】
ロッド30:
前記楔部2の上端にはロッド30が固定されている。前記固定フレーム1には、ロッド30を上下方向Zに摺動自在に保持する案内手段3が上下に2箇所設けられている。前記案内手段3はロッド30の周囲に形成されており、ロッド30の上下方向Zの移動を案内する。
【0021】
前記ロッド30には操作部31が設けられている。図6に示すように、前記操作部31は、固定フレーム1から突出して設けられている。図4Aに示すように、ロッド30を上方Z2に持ち上げることで、図3Bの下端位置Pdの当接面20が上端位置Puまで上昇される。
【0022】
図1Aに示す前記操作部31と上部の案内手段3との間には、案内手段3を介して当接面20を下方Z1に向って移動する力を付与する第1スプリング(付勢手段の一例)4が設けられている。前記第1スプリング4は、ロッド30に巻回されている。
【0023】
回動脚5:
固定フレーム1には前記回動中心Oを有する固定軸1bが固定されている。前記回動脚5には、前記回動中心Oを中心に固定フレーム1に対し前記回動脚5を回動可能に支持する軸部50が一体に固着されて設けられている。軸部50は固定軸1bに回動自在に支持されている。
図1A〜図4Bに示すように、回動脚5は固定フレーム1に対し回動中心Oを中心に下方Z1に向かう開方向Ro、および上方Z2に向かう閉方向Rsに回動可能な長尺状に形成されている。
【0024】
当接部材51:
図1Aに示す前記回動脚5の固定軸1b側の先端部分には、当接部材51が突出して軸部50に一体に形成されている。前記当接部材51は、軸部50から(軸部50の)径方向に突出していると共に、回動脚5に対して所定の角度に固定されている。
【0025】
長尺状の回動脚5と当接部材51とがなす角度は、回動脚5が開かれることにより、図1Bおよび図2Aに示すように、楔部2を上昇させることが可能な角度に設定されている。一方、軸部50は、図2B〜図3Bに示すように、下降する楔部2の当接面20上を移動することが可能な長さに設定されている。
【0026】
ここで、図2B〜図3Bに示すように、当接部材51が当接面20上を移動中の場合には、第1スプリング4の伸張により、当接面20が下降し当接部材51が当接面20に接する。そのため、回動脚5は、開方向Roには回動するが、閉方向Rsに回動させようとすると、当接部材51の先端が当接面20に食い込むように接触し、閉方向Rs方向への回動脚5の回動が規制される。
したがって、当接面20に当接部材51が当接することで、回動脚5を任意の角度で無段階に閉方向Rsに固定することができる。
【0027】
保持手段6:
図1Aに示すように、ロッド30の上端部には括れ部61が形成されている。一方、固定フレーム1には、図5Aおよび図5Bに示すように、前記括れ部61の両側面を挟み保持する保持部材60が一対設けられている。
ロッド30が前記操作部31によって図5Aに示す上端位置Puまで押し上げられると、前記両保持部材60によりロッド30の上部の括れ部61の両側面が、保持部材60によって挟まれ、ロッド30が上端位置で保持される。
したがって、保持部材60および括れ部61は楔部2を上端位置Puで保持する保持手段6を構成している。
【0028】
解除手段7:
図5Bに示すように、固定フレーム1の横断面は、概ね凹字状に形成されている。
前記保持部材60には、一対の両保持部材60を押し広げるための解除手段7がそれぞれ一体に形成されている。解除手段7は保持部材60と括れ部61との係合を解くためのものである。
図1Aに示すように、回動脚5を回動させて、前記凹字状の回動脚5内に折り畳むと、両解除板7(図5B)が図1Aの回動脚5の側面によって押し広げられる。保持部材60は解除板7と一体に形成されているので、両保持部材60の間隔が広げられ、保持部材60と括れ部61との係合が解け、付勢手段4によってロッド30が下端位置まで下降する。
【0029】
自重回動防止手段:
図2Bおよび図3Aに示すように、前記固定軸1bには第2スプリング8が設けられている。図5Cに示すように、前記第2スプリング8は固定フレーム1および当接部材51に係合している。そのため、図2Bおよび図3Aに示すように回動脚5を任意の角度で固定した後、該脚立Aを持ち上げても第2スプリング8に付勢されたバネ力により固定フレーム1に対する回動脚5の角度が固定される。そのため、脚立Aを移動させても回動脚5の自重により固定フレーム1と回動脚5との角度が変わるおそれがない。
したがって、第2スプリング8は自重回動防止手段を構成している。
【0030】
なお、図1Bに示すように、解除手段7には、回動脚5の凹部5a(図6)に係合する凸部7aが形成されており、図1Aに示す前記収納状態において、回動脚5が不用意に開かないように設定されている。
また、図6に示すように、回動脚5の先端には、地面などの接地面に接地した場合に、回動脚5の先端が滑るのを防止するための滑り止め5bが設けられている。前記滑り止め5bは、たとえば、ゴムなどで形成されている。
【0031】
転倒防止具の使用方法:
図8に示すように、回動脚5は収納状態に位置している。
まず、脚立Aの脚部ALを開いて脚立Aを立たせる。その後、図7に示す回動脚5の固定フレーム1から突出した部分(レバー部)5cを持ち、回動脚5を開方向Roに開く。
【0032】
ここで、図1Aに示すように、ロッド30および楔部2は収納状態において下方Z1に下降した下端位置Pdに位置している。前記収納状態から、前記回動脚5を開方向Roに回動させると、当接部材51が点Oの回りに回動脚5と共に回動し、やがて、図1Bに示すように、当接部材51の先端部分が楔部2の下端21に当接する。
さらに、回動脚5を開方向Roに回動させると、図2Aに示すように、当接部材51の先端部分が楔部2の下端21を押し上げる。楔部2が押し上げられることにより、ロッド30が上方Z2に移動されて第1スプリング4が縮む。
【0033】
回動脚5が所定の角度以上に開かれ、図2Bの当接第1限界を過ぎると、当接部材51の先端部分が楔部2の当接面20に乗り上げて、接触し始める。
【0034】
さらに、図3Aから図3Bに示すように、回動脚5が当接限界まで開く間において回動脚5が回動して地面などの接地面に接地すると、以下に説明するように、回動脚5が当該角度に固定される。
ここで、図3Aの回動脚5が前記当接第1限界よりも大きく開かれることで、第1スプリング4が伸張し始め、当接面20が第1スプリング4により下方Z1に付勢される。そのため、回動脚5が閉方向Rsに回動しようとしても、当接部材51の先端と面1fとの間に楔部2が食い込むように入り込んでおり、回動脚5は閉方向Rs方向には回動しない。
【0035】
すなわち、スプリング4により下方Z1に移動しようと楔部2の当接面20に当接部材51が当接することで、回動脚5が閉方向Rsに回動するのが阻止される。
したがって、図9に示すように、回動脚5によって左右方向Xに脚立Aが支持されることにより、脚立Aの左右方向Xへの転倒を防止することができる。
かかる使用状態において、作業者は脚立Aに登って作業を行う。
【0036】
ここで、図3Aの回動脚5が第2スプリング8によって閉方向Rsに付勢されているので、前記使用状態において回動脚5が自重で開方向Roに回動するおそれがない。
すなわち、前述した自重回動防止手段により、当接部材51が楔部2の当接面20に当接して回動脚5が閉方向Rsに回動するのを阻止した使用状態において、回動脚5の自重で回動脚5が開方向Roに回動するのが防止される。
なお、回動脚5と、該回動脚5が接地する接地面とがなす角度は、一般に、概ね45°程度に設定するのが好ましい。
また、前記回動脚5は、図3Bに示す当接第2限界まで開くことが可能である。
【0037】
回動脚5を閉方向Rsに回動させて折り畳むには、まず、図4Aに示すように、作業者が操作部31(図6)を上方Z2に引き上げる。操作部31が上方Z2に引き上げられることにより、保持部材60にロッド30の括れ部61が係合する。そのため、当接面20が上端位置Puに保持され(において停止し)、回動脚5が閉方向Rsに回動可能になる。
【0038】
図4Bに示すように、回動脚5を閉方向Rsに回動させて、回動脚5を図1Aに示す収納状態まで回動させると、該回動脚5の両側面が図5Bに示す一対の解除手段7を押し広げる。一対の解除手段7が互いに外側に移動されることにより、一対の保持部材60が互いに遠ざかる方向に移動され、図5Aに示す括れ部61が保持部材60から離脱し、括れ部61の係合が解除される。
括れ部61の係合が解除されると、スプリング4のバネ力により楔部2が上端位置Puから、図1Aに示す下端位置Pdまで下降する。
一方、回動脚5は、図6に示す凹部5aが、図1Aに示す凸部7aに係合し、収納状態に固定される。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の脚立の転倒防止具は、脚立の転倒防止に用いることができる。
【符号の説明】
【0040】
1:固定フレーム
1f:面
2:楔部
3:案内手段
4:付勢手段
5:回動脚
6:保持手段
7:解除手段
20:当接面
21:下端
30:ロッド
31:操作部
50:軸部
51:当接部材
A:脚立A
AL:脚部
O:回動中心
Pu:上端位置
Pd:下端位置
Ro:開方向
Rs:閉方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚立の脚部に沿って固定される長尺状の固定フレームと、
固定フレームの面に沿って上端位置と下端位置との間を上下に往復移動可能に設けられ、前記固定フレームの面に接する第1面、ならびに、前記第1面の反対側に設けられ下方に向かうに従い前記脚立の前記脚部に近づくテーパ状の当接面を持つ楔部と、
前記楔部が上下に移動するのを案内する案内手段と、
前記楔部に下方に向って移動する力を付与する付勢手段と、
前記固定フレームに対し回動中心を中心に下方に向かう開方向および上方に向かう閉方向に回動可能な長尺状の回動脚と、
前記回動脚を前記回動中心を中心に前記固定フレームに対し回動可能に支持する軸部と、
前記軸部から径方向に突出し前記回動脚を前記開方向に回動させることで、前記固定フレームの前記下端位置の前記楔部の下端を押し上げて前記付勢手段に抗して前記楔部を上方に向って移動させ、かつ、前記楔部を押し上げた後に前記付勢手段により下方に移動する楔部の前記当接面に当接することで、前記回動脚が前記閉方向に回動するのを阻止して前記脚立の転倒を防止する当接部材と、
を備えた脚立の転倒防止具。
【請求項2】
請求項1において、前記楔部の上端に固定されたロッドと、
前記固定フレームから突出し、前記楔部を前記ロッドと共に上方の前記上端位置に持ち上げるための操作部とを更に備えた脚立の転倒防止具。
【請求項3】
請求項2において、前記楔部が前記上端位置において移動しないように、前記ロッドまたは操作部を保持する保持手段を更に備えた脚立の転倒防止具。
【請求項4】
請求項3において、前記固定フレームの横断面が概ね凹字状に形成され、前記凹字状の固定フレーム内に前記回動脚を折り畳むと、前記保持手段による保持を解除する解除手段を更に備えた脚立の転倒防止具。
【請求項5】
請求項1において、前記当接部材が前記楔部の前記当接面に当接して前記回動脚が前記閉方向に回動するのを阻止した使用状態において、前記回動脚の自重で前記回動脚が前記開方向に回動するのを防止する自重回動防止手段を更に備えた脚立の転倒防止具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−202470(P2011−202470A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72907(P2010−72907)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(305042943)株式会社ジー・システム (5)
【Fターム(参考)】