説明

脱穀装置

【課題】脱穀装置の選別部において、プレファンの省略、揺動本体の剛性強化、及びフィード板による揺動選別性能の向上が可能な、唐箕ファンとセカンドファンの風路構成を簡潔にする。
【解決手段】揺動選別装置27に脱穀部10の受網より漏下する処理物を受けて後方に移送する前フィード板30と、該前フィード板30からの処理物を選別する粗選別部33と、該粗選別部33から漏下する処理物を更に選別する精選別部32とを備えると共に、該唐箕26周囲を覆う唐箕ケース60の上方の揺動選別装置27に、前記粗選別部33上面に沿って第一選別風73を後方に送風する第一風路61と、粗選別部33と精選別部32との隙間に沿って第二選別風74を後方に送風する第二風路62と、前記精選別部32の下方に向かって第三選別風75を送風する第三風路63の上部とを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀装置の選別部に関し、特に、プレファンの省略、揺動本体の剛性強化、及びフィード板による揺動選別性能の向上が可能な、唐箕ファンとセカンドファンの風路構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンバイン等の選別部の揺動本体では、揺動本体の前部が揺動可能に枢支され、揺動本体の後部がクランク軸や偏心軸等の揺動駆動軸に連結され、該揺動駆動軸を駆動させることにより、揺動本体が前後方向に揺動され、籾や藁屑等を後方へ送りながら「揺動選別」を行う。それと同時に、揺動本体の下方に配設した唐箕からの選別風を、揺動本体内と揺動本体下方に送風することにより「風選」が行われ、更に、チャフシーブ等の粗選別部やグレンシーブ等の精選別部においては、一番物や二番物や藁屑等に選別する「隙間選別」が行われていた。
ところが、多条刈りのコンバインにおいては、一度に多量の脱粒が選別装置へ搬送されることがあり、この場合、選別処理が十分に行えなくなる。そこで、前記唐箕以外に、更に、もう一つの圧風ファン(以下「プレファン」とする)を唐箕前方に設け、該プレファンから、揺動本体上面沿いにも選別風を後方に送風し、唐箕からの選別風と併せて、揺動本体の上方・内部・下方に三つの選別風(以下、トリプルフロー)を形成することにより、藁屑等の選別効率を大きく向上させる技術が知られている。
【特許文献1】特開平11−332369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなプレファンを備えると、部品点数の増加、機体の重量化・大型化が避けられず、部品コストの増加、燃費や機体収納性の悪化を招き、更に、前記枢支軸等を設けた揺動本体前部下方にプレファンを設けるために、構造が複雑化し、組立性、メンテナンス性が悪化する、という問題があった。
特に、選別部より選別した後の二番物を、二番コンベアから還元コンベアを介して枝梗処理装置へ送り、該枝梗処理装置により枝梗を取り除いた後に再び選別装置の選別開始部へ戻す二番物還元サイクルが採用されている場合には、処理効率を上げるために多量の二番物を枝梗処理装置に送り込むようにしており、そのため、該枝梗処理装置から、枝梗を除いた多量の二番物が揺動本体上に落下することになり、その衝撃に耐えうる更に高い剛性が、揺動本体に要求されるようになってきている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、揺動選別装置27に、脱穀部10の受網より漏下する処理物を受けて後方に移送する前フィード板30と、該前フィード板30からの処理物を選別する粗選別部33と、該粗選別部33から漏下する処理物を更に選別する精選別部32とを備えると共に、該唐箕26周囲を覆う唐箕ケース60の上方の揺動選別装置27に、前記粗選別部33上面に沿って第一選別風73を後方に送風する第一風路61と、粗選別部33と精選別部32との隙間に沿って第二選別風74を後方に送風する第二風路62と、前記精選別部32の下方に向かって第三選別風75を送風する第三風路63の上部とを形成し、前記第一選別風73は、風向を上方から後方へ徐々に変えながら粗選別部33の上面に沿って流れながら、後方の吸引ファン25に向かって上昇し吸い込まれ、揺動選別装置27へ漏下する処理物の粗選別部33上での風選を行い、前記第二選別風74は、粗選別部33と精選別部32との間に導かれていき、その後、粗選別部33下面に沿って流れ、次第に上昇して吸引ファン25に吸い込まれ、精選別部32上に滞留する湿った処理物を後方に送り出すと同時に、粗選別部33を漏下してくる処理物の、精選別部32上での風選を行い、前記第三選別風75は、第三風路63内に設けたガイド部材77によって、上方の第三上選別風75aと下方の第三下選別風75bとに分流されるものである。
請求項2においては、請求項1記載の脱穀装置において、前記第三上選別風75aは、精選別部32の後部を経て、粗選別部33の後部へと流れ、吸引ファン25に吸い込まれ、精選別部32を漏下する処理物の精選別部32下での風選を行い、前記第三下選別風75bは、第三風路63内を後斜め下方に向かって吹き下ろし、第一流穀板50に衝突し、第一流穀板50上面から、精選別部32後部を経て吸引ファン25に吸い込まれるものである。
請求項3においては、請求項2記載の脱穀装置において、一番コンベア36と二番コンベア37との間にセカンドファン41を設け、該セカンドファン41の前記吐出口91から後方に噴き出した選別風は、予備選別風93として前記上予備風路96a内を流れていき、その大部分は排出風93aとして吸引ファン25に吸い込まれて機外に排出されるが、一部は、戻り風93bとして予備下ガイド部材95後端から下予備風路96b内に流れ込むものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏する。
請求項1の如く、揺動選別装置27に、脱穀部10の受網より漏下する処理物を受けて後方に移送する前フィード板30と、該前フィード板30からの処理物を選別する粗選別部33と、該粗選別部33から漏下する処理物を更に選別する精選別部32とを備えると共に、該唐箕26周囲を覆う唐箕ケース60の上方の揺動選別装置27に、前記粗選別部33上面に沿って第一選別風73を後方に送風する第一風路61と、粗選別部33と精選別部32との隙間に沿って第二選別風74を後方に送風する第二風路62と、前記精選別部32の下方に向かって第三選別風75を送風する第三風路63の上部とを形成し、前記第一選別風73は、風向を上方から後方へ徐々に変えながら粗選別部33の上面に沿って流れながら、後方の吸引ファン25に向かって上昇し吸い込まれ、揺動選別装置27へ漏下する処理物の粗選別部33上での風選を行い、前記第二選別風74は、粗選別部33と精選別部32との間に導かれていき、その後、粗選別部33下面に沿って流れ、次第に上昇して吸引ファン25に吸い込まれ、精選別部32上に滞留する湿った処理物を後方に送り出すと同時に、粗選別部33を漏下してくる処理物の、精選別部32上での風選を行い、前記第三選別風75は、第三風路63内に設けたガイド部材77によって、上方の第三上選別風75aと下方の第三下選別風75bとに分流されるので、プレファンを設けずとも、粗選別部の上、粗選別部と精選別部との間、精選別部の下に三つの選別風、いわゆるトリプルフローを形成することができ、部品点数の削減、機体の軽量化・小型化を図ることができ、更に、プレファンを設けていた選別部前部の構造が簡素化され、選別部の組立性、メンテナンス性も向上する。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の脱穀装置において、前記第三上選別風75aは、精選別部32の後部を経て、粗選別部33の後部へと流れ、吸引ファン25に吸い込まれ、精選別部32を漏下する処理物の精選別部32下での風選を行い、前記第三下選別風75bは、第三風路63内を後斜め下方に向かって吹き下ろし、第一流穀板50に衝突し、第一流穀板50上面から、精選別部32後部を経て吸引ファン25に吸い込まれるので、第三下選別風75bは、第三風路63内を後斜め下方に向かって吹き下ろし、第一流穀板50に衝突して風向が後斜め上方に変わった後、第一流穀板50上面→グレンシーブ32後部→ストローラック76上面と流れ、最後は吸引ファン25に吸い込まれる。ここで、第一流穀板50後部に重なるようにして、後チャフシーブ78がグレンシーブ32後方に連設されており、該後チャフシーブ78の上を第三下選別風75bは流れていき、前記第三上選別風75aと一緒にグレンシーブ下での風選を行うと同時に、二番コンベア37に漏下してくる処理物の、後チャフシーブ78上での風選も可能としている。
【0007】
請求項3においては、請求項2記載の脱穀装置において、一番コンベア36と二番コンベア37との間にセカンドファン41を設け、該セカンドファン41の前記吐出口91から後方に噴き出した選別風は、予備選別風93として前記上予備風路96a内を流れていき、その大部分は排出風93aとして吸引ファン25に吸い込まれて機外に排出されるが、一部は、戻り風93bとして予備下ガイド部材95後端から下予備風路96b内に流れ込むので、セカンドファン41の前記吐出口91から後方に噴き出した選別風は、予備選別風93として前記上予備風路96a内を流れていき、その大部分は排出風93aとして吸引ファン25に吸い込まれて機外に排出されるが、一部は、戻り風93bとして予備下ガイド部材95後端から下予備風路96b内に流れ込む。これは、上予備風路96a内を高速で流れ(正圧)る予備選別風93による吸引作用によって、下予備風路96b内の空気(負圧)が予備下ガイド部材95前端から上予備風路96a内に吸い込まれるためであり、前記戻り風93bは、予備下ガイド部材95を中心とした渦流を形成するようになる。そして、この渦流は、第二流穀板51上の二番物の流下を促進するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を基に説明する。
図1は本発明に係わる脱穀装置を搭載したコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく正面図、図4は脱穀装置の側面一部断面図、図5は枝梗処理装置の正面図、図6は同じく斜視図、図7は各選別風の流線図、図8は唐箕及び唐箕周辺の拡大側面図、図9はセカンドファン及びセカンドファン周辺の拡大側面図である。
【0009】
まず、本発明に係わるコンバインの全体構成について、図1乃至図3により説明する。
クローラ式走行装置1上には機体フレーム2が載置され、該機体フレーム2前端には引起し・刈取部3が昇降可能に配設されている。該引起し・刈取部3は、前端に分草板4を突出して穀稈を分草し、その後部に引起しケース5を立設して、該引起しケース5より突出したタイン6の回転により穀稈を引き起こし、前記分草板4後部に配設した刈刃7にて株元を刈り取るようにしている。
【0010】
刈り取られた穀稈は、上部搬送装置、下部搬送装置、縦搬送装置8にて後部へ搬送され、該縦搬送装置8の上端から株元がフィードチェーン9に受け継がれて、脱穀部10内に穀稈が搬送される。そして、該フィードチェーン9後端には排藁チェーン11が配設され、該排藁チェーン11後部下方には排藁処理装置となる排藁カッター装置12、拡散コンベア18が上から順に配設されており、排藁を切断して藁片にした後、拡散しながら圃場に均一放出するようにしている。
【0011】
また、前記脱穀部10側部には、選別後の精粒を貯留する穀粒タンク13が配設され、該穀粒タンク13前部には運転室14が配設される一方、穀粒タンク13後部には排出オーガ15の縦オーガ15aが立設され、該縦オーガ15aを中心にして穀粒タンク13が側方へ回動可能とし、本機内部側に配置した駆動系や油圧系のメンテナンスを容易にしている。そして、該穀粒タンク13の底部には排出コンベア16が前後方向に配設され、該排出コンベア16から前記排出オーガ15に動力が伝達されて、排出オーガ15先端より、トラック等へ穀粒タンク13内の穀粒を排出できるようにしている。更に、脱穀部10下方には、選別部17が配設され、脱穀部10から流下する穀粒や藁屑等(以下「処理物」とする)から穀粒を選別し、前記穀粒タンク13に搬送するようにしている。
【0012】
次に、前記脱穀部10、及び選別部17について、図4により詳細に説明する。
図4に示すように、脱穀部10においては、扱胴21が前後方向に横架され、該扱胴21周囲には扱刃21a・21a・・・が植設されて脱粒が行われると共に、扱胴21下部周囲には扱胴受網20が設けられており、処理物のみ落下するようにしている。
【0013】
そして、扱胴21後部で穀粒タンク13側には、処理胴22が扱胴21と平行に前後に横架されると共に、該扱胴21の後部は、送藁屑口23を介して処理胴22前部へ連通されており、扱胴21で処理できなかった枝梗付着粒等の未処理物を処理胴22へ送るようにしている。
【0014】
該処理胴22の下部周囲にも処理胴受網24が設けられており、該処理胴網24から処理物のみ落下するようにすると共に、該処理胴網24後端からは、大きな藁屑等が、図示せぬ藁屑排出機構を介して前記拡散コンベア18上に落下し、機外へ排出されるようにしている。
【0015】
また、選別部17においては、揺動選別装置27による揺動選別・隙間選別と、唐箕26による風選とが行われ、一番物と二番物と藁屑等とに分別される。この揺動選別装置27の外枠を構成する揺動本体46は、機枠35内に収納されると共に、揺動本体46前部は、扱胴21前端部の下方まで位置し、揺動本体27後部は、前記処理胴22後端部の下方まで延設されている。そして、揺動本体46前下部には支持部47が設けられる一方、揺動本体46後部には揺動装置29が設けられ、該揺動装置29の揺動軸29aに、揺動本体46が枢支されており、該揺動軸29aに連結されたクランク軸29bの回動により、揺動選別装置27全体が揺動すべく構成されている。
【0016】
そして、揺動本体46の前部には、前フィード板30が形成され、該前フィード板30の後下方には後フィード板31が形成され、該前後のフィード板30・31では、板体を波状に成形して穀粒を後方に搬送しやすくしている。さらに、該後フィード板31後部には、精選別部である網状のグレンシーブ32が連設されると共に、該グレンシーブ32と前記後フィード板31の上方には、粗選別部であるチャフシーブ33が被装されている。さらに、該チャフシーブ33の後方には、ふるい線34や、前後方向に長い棒状体で上面を波状に形成したストローラック76が配置されている。
【0017】
また、揺動選別装置27下方の前後途中位置には、左右方向に一番コンベア36と二番コンベア37とが横設され、このうちの一番コンベア36の右側には、揚穀コンベア38が連結されており、前記揺動選別装置27を介して一番コンベア36の第一流穀板50上に漏下された一番物は、一番コンベア36から揚穀コンベア38を介して、前記穀粒タンク13に搬送されるようにしている。
【0018】
そして、前記二番コンベア37の右端には、還元コンベア40が連結されており、該還元コンベア40の前方側端部には枝梗処理装置52に連設し、該枝梗処理装置52内の後述する二番処理胴53により枝梗が除去された後の二番物を、揺動選別装置27の選別開始部に再投入するようにしている。
【0019】
また、前記前フィード板30後部の下方には、唐箕26が配置され、グレンシーブ32やチャフシーブ33に選別風を送風すると共に、前記一番コンベア36と二番コンベア37との間にも副圧送ファンであるセカンドファン41を設けて選別風を送風し、唐箕26による選別風の風力が弱まる選別部17後部においても選別性能が低下しないようにしている。
【0020】
さらに、揺動選別装置27の後端部近傍には、吸引ファン25が全幅に横設されており、該吸引ファン25には、前記唐箕26、及びセカンドファン41から供給される選別風の流れに乗ってきた塵が、吸引されて機外へと排出される。
【0021】
次に、前記枝梗処理装置52について、図5、図6により説明する。
枝梗処理装置52においては、二番処理胴53が、還元コンベア40の前側の終端下方で、前記穀粒タンク13の裏側、つまり、穀粒タンク13と揺動選別装置27との間に位置している。よって、前記穀粒タンク13を開放することにより、枝梗処理装置52をメンテナンスすることができる。
【0022】
前記二番処理胴53は、外周面に処理歯44・44・・・が適宜間隔をあけて配置されると共に、筒体45内に収納されている。そして、該筒体45の右側上後部は、図示せぬ供給口を介して、前記還元コンベア40に連通され、更に、筒体45の内側面には、ツースバー(固定側処理刃)49・49・・・が突設されている。
【0023】
そして、筒体45の左側下方には、排出口48を設け、揺動選別装置27の開始部に臨ませて配置している。更に、該排出口48の前部または側部には、籾ガイド板43を上下方向に配置して、落下する籾が飛散しないようにガイドしている。
【0024】
このような構成において、前記還元コンベア40により揚穀された二番物は、前記供給口から枝梗処理装置52内へ投入された後、二番処理胴53の回転により、該二番処理胴53の外周に形成した処理歯44・44・・・と、筒体45の内側面に突設した前記ツースバー49・49・・・とによって、枝梗を除去されつつ排出口48まで搬送され、該排出口48から下方に向けて排出された後、この排出口48の近傍に配置された籾ガイド板43に当たって、揺動選別装置27の選別開始部、即ち、前フィード板30の前方表面上へ落下するように案内されるのである。
【0025】
次に、前記唐箕26による選別風の風向ガイドの配置構成について、図8により説明する。
唐箕26は、左右に軸芯を有する回動軸54と、該回動軸54より半径方向に放射状に突設する羽根体42・42・・・より構成され、唐箕26の回動軸54は、前記機枠35側部に固設した枢結プレート55により支持されている。
【0026】
このような唐箕26の回転周囲の前方は前仕切板56で被装され、上方は上仕切板58で被装されており、該上仕切板58前端と前記前仕切板56上部との間には上開口部67が形成されている。さらに、唐箕26の下方は、側面視円弧状の下仕切板57で被装され、該下仕切板57の後端と前記上仕切板58後端との間には後開口部68が形成されている。
【0027】
そして、前記下仕切板57の後端には、上仕切板58と平行に後仕切板59が後斜め下方に延設され、これら仕切板56乃至59等により唐箕ケース60が形成され、該唐箕ケース60内に唐箕26が内装されるようにしている。そして、この唐箕ケース60の上方に、トリプルフロー形成のための複数のガイド部材64乃至66が設けられている。
【0028】
このうちの上ガイド部材64では、前記揺動本体46の左右側板46a・46a間に、取付板64bを介してガイド体64aが横架して固定されている。そして、該ガイド体64aの前端は、前記唐箕ケース60の前仕切板56上端に向かって前斜め下方に延設され(前仕切板56上方にガイド体64aの前端が位置し)、一方、ガイド体64aの後端は、前記前フィード板30の後部下面に向かって後斜め上方に延設し(上仕切板58前端上方にガイド体64aの後端を位置させ)、前フィード板30後部下面に固定されている。
【0029】
下ガイド部材66についても、前記揺動本体46の左右側板46a・46a間に、取付板66bを介し、ガイド体66aが横架して固定されている。そして、該ガイド体66aは、揺動本体46の底板46bに沿って形成されると共に、ガイド体66aの後端は、前記後フィード板31前端に連結されている。
【0030】
このように、上下のガイド部材64・66とも、揺動本体46の左右側板46a・46a間を強固に連結しているため、揺動本体46の剛性が強化され、特に、上ガイド部材64は、前フィード板30の下面に当接固定されて略T字構造を構成しており、前フィード板30の支持力を高めている。
【0031】
すなわち、ガイド部材には上ガイド部材64を設け、該上ガイド部材64の一端は、前フィード板30下面に固定し、他端は、前斜め下方に延設するので、上ガイド部材64は、唐箕26からの選別風の風向ガイドとして以外に、揺動本体46の両側板46a・46aの補強部材としての機能も有しており、揺動本体の剛性強化が図れ、特に、T字構造により、前記枝梗処理装置52から落下する多量の二番物による衝撃にも十分耐えることができる。
【0032】
また、ガイド部材には下ガイド部材66を設け、該下ガイド部材66は、前記粗選別部であるチャフシーブ33の前部下方に配置した後フィード板31の前端から前方に延設するので、揺動本体46下部の両側板46a・46a間の補強部材として機能し、揺動本体46の剛性強化を図ることができる。
【0033】
ここで、揺動本体46前部の底板46bからは側面視略V字状の支持部材69が垂設され、該支持部材69の内側溝部に前記軸47が固定されると共に、該軸47の外側端部は、揺動本体46の左側の側板46aに固設された補強板70によって支持されている。更に、枢支軸47の最外端にはコロ71が回動自在に外嵌され、該コロ71は、機枠35の両側板に固設された一対の摺動ガイド72・72間に内挿されている。
【0034】
このような構成において、前記揺動装置29が駆動すると、揺動本体46を支持するコロ71が、前記摺動ガイド72・72の内側面に沿って、前斜め下方から後斜め上方に向かって往復動し、揺動選別装置27全体を上下動と前後動を合成した揺動を行わせることができ、揺動選別性能の一層の向上を図るようにしている。なお、右側の側板46aにも、同様にして軸47が支持されており、揺動本体46が左右の軸47・47上のコロ71により支持された上で、揺動されるようにしている。
【0035】
そして、前記補強板70から後方には、側板46aに複数の取付板65bが固設され、該取付板65bを介して、中ガイド部材65のガイド体65aが横架・固定されている。該ガイド体65aの前端は、補強板70に支持された枢支軸47近傍まで延設されると共に、ガイド体65aの後端は、チャフシーブ33の前端直上まで延設して固定されている。
【0036】
このように、中ガイド部材65は、枢支軸47近傍まで延設して左右の補強板70・70あるいは側板46a・46a間を強固に連結し、揺動運動で過大な応力のかかる枢支軸47周辺の剛性が強化される。
【0037】
すなわち、ガイド部材には中ガイド部材65を設け、該中ガイド部材65の一端は、前記揺動本体46前下部に設けた揺動用の枢支軸47に近設し、他端は、前記粗選別部であるチャフシーブ33の前端直上まで後斜め上方に延設するので、唐箕26からの選別風の風向ガイドとして以外に、揺動本体46の両側板46a・46aの補強部材としての機能も有し、特に、最も部品破損等の多い枢支軸47周囲の剛性強化を図ることができ、揺動選別装置27の部品交換頻度を少なくしてランニングコストの低減やメンテナンス作業の軽減を図ることができるのである。
【0038】
次に、以上のように配置されたガイド部材64・65・66等による風路構成について、図4、図7、図8により説明する。
前記唐箕ケース60においては、前記上ガイド部材64下面から該上ガイド部材64後端に連結された前フィード板30後部下面にかけて形成されるガイド面と、前記中ガイド部材65の上面とから、第一風路61が形成される。さらに、該中ガイド部材65の下面と、前記上仕切板58前部上面から下ガイド部材66上面にかけて形成されるガイド面とから、第二風路62が形成される。そして、前記後開口部68において、前記上仕切板58下面と下仕切板59上面とから、第三風路63が形成されている。
【0039】
このような構成において、唐箕26の前記上開口部67から吹き上げた選別風は、前記第一風路61と第二風路62とに流れ込み、そのうち第一風路61に吹き込んだ選別風は、第一選別風73として、風向を上方から後方へ徐々に変えながらチャフシーブ33に向かって流れていく。そして、該チャフシーブ33上面に沿って流れながら、後方の吸引ファン25に向かって次第に上昇して吸い込まれていき、前記各受網20・24から揺動選別装置27へ漏下する処理物の、チャフシーブ33上での風選を可能としている。
【0040】
そして、前記第二風路62に吹き込んだ選別風は、第二選別風74として、チャフシーブ33とグレンシーブ32との間に導かれていき、その後、チャフシーブ33下面に沿って流れながら、チャフシーブ33内を次第に上昇して吸引ファン25に吸い込まれていき、後フィード板31上に滞留する湿った処理物を後方に送り出すと同時に、チャフシーブ33を漏下してくる処理物の、グレンシーブ32上での風選を可能としている。
【0041】
また、唐箕26の前記後開口部68から後方に吹き出した選別風は、第三選別風75として前記第三風路63内に流れ込む。該第三選別風75は、第三風路63内に角度位置調整可能に設けた調整ガイド部材77によって、上方の第三上選別風75aと下方の第三下選別風75bとに分流され、このうち第三上選別風75aは、第三風路63→グレンシーブ32後部→チャフシーブ33後部と流れ、最後は吸引ファン25に吸い込まれ、グレンシーブ32を漏下する処理物の、グレンシーブ32下での風選を可能としている。
【0042】
第三下選別風75bは、第三風路63内を後斜め下方に向かって吹き下ろし、第一流穀板50に衝突して風向が後斜め上方に変わった後、第一流穀板50上面→グレンシーブ32後部→ストローラック76上面と流れ、最後は吸引ファン25に吸い込まれる。ここで、第一流穀板50後部に重なるようにして、後チャフシーブ78がグレンシーブ32後方に連設されており、該後チャフシーブ78の上を第三下選別風75bは流れていき、前記第三上選別風75aと一緒にグレンシーブ下での風選を行うと同時に、二番コンベア37に漏下してくる処理物の、後チャフシーブ78上での風選も可能としている。
【0043】
すなわち、選別部17に、脱穀部10の受網より漏下する処理物を受けて後方に移送する前フィード板30と、該前フィード板30からの処理物を選別する粗選別部であるチャフシーブ33と、該チャフシーブ33から漏下する処理物を更に選別する精選別部であるグレンシーブ32とを備えると共に、前記前フィード板30下方には、揺動本体46に選別風を送風する唐箕26を配置した脱穀装置19において、該唐箕26周囲を覆う唐箕ケース60に、前記チャフシーブ33上面に沿って第一選別風73を後方に送風する第一風路61と、チャフシーブ33とグレンシーブ32との隙間に沿って第二選別風74を後方に送風する第二風路62と、前記グレンシーブ32の下方に向かって第三選別風75を送風する第三風路63とを形成したので、プレファンを設けずとも、粗選別部の上、粗選別部と精選別部との間、精選別部の下に三つの選別風、いわゆるトリプルフローを形成することができ、部品点数の削減、機体の軽量化・小型化を図ることができ、更に、プレファンを設けていた選別部17前部の構造が簡素化され、選別部17の組立性、メンテナンス性も向上する。
【0044】
そして、揺動本体46を形成する左右側板46a・46a間は、前記第一風路乃至第三風路61・62・63を形成するガイド部材64・65・66を横設して連結するので、ガイド部材64・65・66により、揺動本体46が補強されて剛性強化が図れ、揺動選別効率が向上すると共に、簡単なガイド部材の取付けだけでトリプルフローを達成することができ、一層の製造コスト低減を図ることができるのである。
【0045】
また、選別部17には、選別後の二番物を脱穀部10前部に還元搬送する還元コンベア40を設け、該還元コンベア40の終端には、二番処理胴53を備える枝梗処理装置52を設けるので、枝梗付着粒を減少して脱穀効率が向上する。しかも、多量に籾を枝梗処理した場合でも、籾はガイド部材64・65・66で補強された剛性の高い揺動本体46上に落下するため、前フィード板30等が落下の衝撃で変形したり、揺動が不安定になったりすることがなく、後方への籾の搬送が円滑に行われ、効率的な二番物還元サイクルが可能となる。
【0046】
次に、前記セカンドファン41の取付構成について、図4、図7、図9により説明する。
図4、図9に示すように、セカンドファン41は、左右に軸芯を有する回動軸83と、該回動軸83より半径方向に放射状に突設する羽根体84・84・・・より構成され、セカンドファンの回動軸83は、前記機枠35側部に固設した枢結プレート79により支持されている。そして、このセカンドファン41は、回転周囲を覆うファンケース80内に内装され、該ファンケース80には、背面視略矩形状の吐出口91が開口されている。
【0047】
前記機枠35内で揺動本体46の下方には選別樋97が配設され、該選別樋97の前部は、前記唐箕ケース60により構成されている。そして、該唐箕ケース60よりも後方の選別樋97には、凹部97a・97bが設けられ、該凹部97a・97bに、それぞれ前記一番コンベア36・二番コンベア37が内設されている。更に、該一番コンベア36と二番コンベア37との間の選別樋97には取付口97cが開口され、該取付口97cに、前記吐出口91が内挿されている。また、選別樋97には、位置89と位置90との間を移動可能な側面視コ字状のケースガイド85が設けられ、該ケースガイド85の開放部85aには、前記ファンケース80の吐出口91に設けた摺動部80aが内挿できるようにしている。
【0048】
このような構成において、ファンケース80を取り付ける際には、まず、ケースガイド85を位置89までスライドした上で、該ケースガイド85の開放部85aに前記摺動部80aを側方より挿入した後、ケースガイド85にガイドさせながら、ファンケース80を機体内側に向かって押し込んでいく。そして、全部押し込んだ後に、ケースガイド85を位置89から位置90まで戻した上で、ファンケース80を、吐出口91の外周が取付口97cに当接するまで、回動軸83と同軸上を中心に時計回り(左側面視)に回動し、その後、ファンケース80を、複数のボルト86によって選別樋97に固定する。
【0049】
このため、吐出口91は、取付口97cよりも必ず内側に配置されることとなり、吐出口91からは、セカンドファン41からの予備選別風93が、取付口97cに邪魔されることなく後方に噴き出す。従って、塵埃が、唐箕26から選別風73・74・75と一緒に送られてきたり、上方の精選別部であるチャフシーブ33から漏下しても、予備選別風93の風圧で吐出口91近傍に固着されることなく、そのまま予備選別風93にのって吸引ファン25に吸い上げられて機外へ排出されるため、選別風の流れを乱すような固着物が発生しない。
【0050】
すなわち、揺動本体46下方の選別樋97には、前から順に、選別風を送風する唐箕26と、揺動本体46から漏下する一番物を穀粒タンク13に搬送する一番コンベア36と、二番物を還元コンベア40を介して脱穀部10前部に還元搬送する二番コンベア37とを横設し、該二番コンベア37と前記一番コンベア36との間にはセカンドファン41を設けた脱穀装置19において、該セカンドファン41を収納するファンケース80には、前記選別風の風量を補う予備選別風93を選別部17後部に噴き出す吐出口91を設け、該吐出口91は、前記選別樋97に設けた取付口97cに内挿して取付可能な構成としたので、予備選別風93の噴き出し方向には、風の流れを乱すような障害物がなく、固着しやすい塵埃もセカンドファン41からの予備選別風93にのって機外へ容易に排出されるため、該予備選別風93の風路内への固着物付着による渦流の発生を防止し、風選効率の向上を図ることができる。
【0051】
さらに、前記吐出口91は、選別樋97の取付口97cに着脱自在な構成とするので、セカンドファン41が不要な場合には取り外すことで、同じ選別樋97を用いて、セカンドファン41のない選別部17に容易に変更することができ、セカンドファンの有無に応じて選別樋を作り分ける必要がなくなり、部品コストの大幅な低減を図ることができるのである。
【0052】
次に、セカンドファン41の選別風の風路構成について、図4、図7、図9により説明する。
セカンドファン41の上方で、前記揺動本体46の側板46aから垂設された取付板81には、前記第一流穀板50上部が固設され、該第一流穀板50の下部は、一番コンベア36を内設した凹部97aに向かって前斜め下方に延設されている。同様に、前記揺動装置29上方の側板46aからも取付板82が垂設され、該取付板82には第二流穀板51上部が固設され、該第二流穀板51の下部は、二番コンベア37を内設した凹部97bに向かって前斜め下方に延設されている。
【0053】
さらに、前記後チャフシーブ78と平行に予備上ガイド部材94が配設され、該予備上ガイド部材94の下面と、前記第二流穀板51の上面とから、予備風路96が形成されている。更に、該予備風路96上下略中央位置には、後斜め上方に傾斜して予備下ガイド部材95が横設されており、該予備下ガイド部材95の上面と予備上ガイド部材94の下面とから上予備風路96aが形成され、予備下ガイド部材95の下面と第二流穀板51の上面とから下予備風路96bが形成されている。
【0054】
このような構成において、セカンドファン41の前記吐出口91から後方に噴き出した選別風は、予備選別風93として前記上予備風路96a内を流れていき、その大部分は排出風93aとして吸引ファン25に吸い込まれて機外に排出されるが、一部は、戻り風93bとして予備下ガイド部材95後端から下予備風路96b内に流れ込む。これは、上予備風路96a内を高速で流れ(正圧)る予備選別風93による吸引作用によって、下予備風路96b内の空気(負圧)が予備下ガイド部材95前端から上予備風路96a内に吸い込まれるためであり、前記戻り風93bは、予備下ガイド部材95を中心とした渦流を形成するようになる。そして、この渦流は、第二流穀板51上の二番物の流下を促進するのである。
【0055】
すなわち、脱穀装置19に設けた揺動選別装置27の前部下方に唐箕26を配置し、該唐箕26後方には、前から順に、一番コンベア36、セカンドファン41、二番コンベア37を横設し、揺動選別装置27の後端部近傍には機内の塵を排出する吸引ファン25を備えると共に、前記一番コンベア36と二番コンベア37の後上方には、それぞれ第一流穀板50と第二流穀板51を配設した脱穀装置19において、前記セカンドファン41から後斜め上方に送風される予備選別風93は、そのまま前記吸引ファン25に藁屑等と一緒に吸引される排出風93aと、前記二番コンベア37に二番物等と一緒に逆戻りする戻り風93bとから構成したので、二番コンベア37への二番物等の流下を促進し、揺動選別効率全体を向上させることができる。
【0056】
さらに、前記第一流穀板50の後方延長線上近傍には、予備上ガイド部材94を配設し、該予備上ガイド部材94と前記第二流穀板51とにより形成される予備風路96内の上下略中央位置には、予備下ガイド部材95を配設するので、簡単な構造により前記戻り風93bを発生させることができ、複雑な装置を設置する必要がなく、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができるのである。
【0057】
また、前記予備上ガイド部材94及び第二流穀板51は、いずれも後方になるほど、予備下ガイド部材95との間隔が狭く構成され、上予備風路96a及び下予備風路96bの断面積も後方になるほど小さくなっている。これにより、予備選別風93は後方になっても風速が低下しにくく、高速を維持することができる。また、下予備風路96bの戻り風93bについては、前方になるほど徐々に風速が低下するため、二番コンベア37で搬送中の二番物を吹き上げたりすることがない。
【0058】
すなわち、前記予備下ガイド部材95により、予備風路96を上予備風路96aと下予備風路96bに分割し、該上予備風路96aと下選別風路96bの終端部の風路断面は、始端部の風路断面よりも小さく構成したので、予備選別風93の風速を高速に維持することができ、風選効率の向上を図ることができ、更に、搬送中の二番物への戻り風93bによる悪影響も最小限に抑えることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係わる脱穀装置を搭載したコンバインの全体側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】同じく正面図である。
【図4】脱穀装置の側面一部断面図である。
【図5】枝梗処理装置の正面図である。
【図6】同じく斜視図である。
【図7】各選別風の流線図である。
【図8】唐箕及び唐箕周辺の拡大側面図である。
【図9】セカンドファン及びセカンドファン周辺の拡大側面図である。
【符号の説明】
【0060】
10 脱穀部
17 選別部
19 脱穀装置
26 唐箕
30 前フィード板
31 後フィード板
32 精選別部
33 粗選別部
40 還元コンベア
46 揺動本体
46a 側板
47 枢支軸
52 枝梗処理装置
53 二番処理胴
60 唐箕ケース
61 第一風路
62 第二風路
63 第三風路
64 上ガイド部材
65 中ガイド部材
66 下ガイド部材
73 第一選別風
74 第二選別風
75 第三選別風

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動選別装置27に、脱穀部10の受網より漏下する処理物を受けて後方に移送する前フィード板30と、該前フィード板30からの処理物を選別する粗選別部33と、該粗選別部33から漏下する処理物を更に選別する精選別部32とを備えると共に、該唐箕26周囲を覆う唐箕ケース60の上方の揺動選別装置27に、前記粗選別部33上面に沿って第一選別風73を後方に送風する第一風路61と、粗選別部33と精選別部32との隙間に沿って第二選別風74を後方に送風する第二風路62と、前記精選別部32の下方に向かって第三選別風75を送風する第三風路63の上部とを形成し、前記第一選別風73は、風向を上方から後方へ徐々に変え、粗選別部33の上面に沿って流れながら、後方の吸引ファン25に向かって上昇し吸い込まれ、揺動選別装置27へ漏下する処理物の粗選別部33上での風選を行い、前記第二選別風74は、粗選別部33と精選別部32との間に導かれていき、その後、粗選別部33下面に沿って流れ、次第に上昇して吸引ファン25に吸い込まれ、精選別部32上に滞留する湿った処理物を後方に送り出すと同時に、粗選別部33を漏下してくる処理物の、精選別部32上での風選を行い、前記第三選別風75は、第三風路63内に設けたガイド部材77によって、上方の第三上選別風75aと下方の第三下選別風75bとに分流されることを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
請求項1記載の脱穀装置において、前記第三上選別風75aは、精選別部32の後部を経て、粗選別部33の後部へと流れ、吸引ファン25に吸い込まれ、精選別部32を漏下する処理物の精選別部32下での風選を行い、前記第三下選別風75bは、第三風路63内を後斜め下方に向かって吹き下ろし、第一流穀板50に衝突し、第一流穀板50上面から、精選別部32後部を経て吸引ファン25に吸い込まれることを特徴とする脱穀装置。
【請求項3】
請求項2記載の脱穀装置において、一番コンベア36と二番コンベア37との間にセカンドファン41を設け、該セカンドファン41の前記吐出口91から後方に噴き出した選別風は、予備選別風93として前記上予備風路96a内を流れていき、その大部分は排出風93aとして吸引ファン25に吸い込まれて機外に排出されるが、一部は、戻り風93bとして予備下ガイド部材95後端から下予備風路96b内に流れ込むことを特徴とする脱穀装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−166926(P2006−166926A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41675(P2006−41675)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【分割の表示】特願2001−385062(P2001−385062)の分割
【原出願日】平成13年12月18日(2001.12.18)
【出願人】(000006851)ヤンマー農機株式会社 (132)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】