説明

脱穀装置

【課題】本発明の課題は、副選別フアンを車速に追従して変速制御することで、低速作業時の単粒ロスを防止し、高速作業時は副選別フアンを高速回転させて選別能力の向上を図り、また、フィードチエン並びに排ワラ搬送装置の車速追従により、引継ぎ搬送性能を高め、作業の能率化を図ることにある。
【解決手段】本発明は、主選別風経路に沿って選別風を圧送する主唐箕21と副選別風経路に沿って選別風を圧送する副選別フアン20とを備え、前記副選別フアン20と扱室内に沿って穀稈を送込供給するフィードチエン12と、脱穀後の排ワラを搬出処理する排ワラ搬送装置16を車速に応じて変速制御すべく連動構成してあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインやハ−ベスタ等に利用される脱穀装置に関し、農業機械の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、主選別風経路に沿って選別風を圧送する主唐箕と、副選別風経路に沿って選別風を圧送する副唐箕を備えて選別性能を高めるようにした技術は知られている。
【特許文献1】特開平5−153849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の副選別フアンは、主唐箕間との回転比、乃至風量比を変更することによって脱穀状態に応じて適切な選別を行なわせようとするものである。本発明の課題は、副選別フアンを車速に追従して変速制御することで、低速作業時の単粒ロスを防止し、高速作業時は副選別フアンを高速回転させて選別能力の向上を図り、また、フィードチエン並びに排ワラ搬送装置の車速追従により、引継ぎ搬送性能を高め、作業の能率化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講じた。すなわち、請求項1記載の本発明は、主選別風経路に沿って選別風を圧送する主唐箕(21)と副選別風経路に沿って選別風を圧送する副選別フアン(20)とを備え、前記副選別フアン(20)と扱室内に沿って穀稈を送込供給するフィードチエン(12)と、脱穀後の排ワラを搬出処理する排ワラ搬送装置(16)を車速に応じて変速制御すべく連動構成してあることを特徴とする。
【0005】
副選別フアン(20)は、車速が増速されるとこの車速に応じてフアン(20)の回転が高速側に変速制御される。また、フィードチエン(12)及び排ワラ搬送装置(16)も共に車速に追従して変速制御される。
【0006】
低速作業時は、副選別フアン(20)を低速で回転させて穀粒の3番飛散を少なくし、高速作業時は副選別フアン(20)の高速回転により副選別風による風選別能力を高めることができ選別性能が向上する。また、フィードチエン(12)及び排ワラ搬送装置(16)も共に車速に追従するので、両者の相対速度の変化がなく、引継ぎ搬送性能を高めることができる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、主選別風経路に沿って選別風を圧送する主唐箕(21)と副選別風経路に沿って選別風を圧送する副選別フアン(20)とを備え、前記副選別フアン(20)と、扱室内に沿って穀稈を送込供給するフィードチエン(12)と、脱穀後の排ワラを搬出処理する排ワラ搬送装置(16)と、前記主、副選別風経路の終端側上方に配置された吸引排塵フアン(24)とを車速に応じて変速制御すべく連動構成してあることを特徴とする。
【0008】
フィードチエン(12)と排ワラ搬送装置(16)の車速追従に加えて、吸引排塵フアン(24)も車速に追従するので、低速作業時に揺動選別棚上での処理量が少ない時などは吸塵能力を抑え、単粒ロスを低減し、また、高速作業時は排塵フアン(24)を高速で回転させることで、吸塵能力を高め、揺動選別棚上での処理量の増加に対応でき、選別性能が向上する。
【0009】
請求項3記載の本発明は、主選別風経路に沿って選別風を圧送する主唐箕(21)と副選別風経路に沿って選別風を圧送する副選別フアン(20)とを備え、前記副選別フアン(20)と、扱室内に沿って穀稈を送込供給するフィードチエン(12)と、脱穀後の排ワラを搬出処理する排ワラ搬送装置(16)と、前記主、副選別風経路の終端側上方に配置された吸引排塵フアン(24)とを車速に応じて変速制御すべく連動構成し、前記フィードチエン(12)から排ワラ搬送装置(16)と吸引排塵フアン(24)への動力伝達機構は、該フィードチエンの終端側後方に配置せる一つの伝動ケース(50)内に収納装備するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
フィードチエン(12)から排ワラ搬送装置(16)と吸引排塵フアン(24)の2系統への伝動機構を一つのケース(50)内に納めることで、伝動構成のコストアップを抑制することができ、また、この伝動ケース(50)はフィードチエン(12)の終端側下方及びこれより後方に配置してあるので、フィードチエンから排ワラ搬送装置への排ワラの引継ぎ搬送が支障なく円滑に行われ、フィードチエンの開閉も支障なく容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
要するに、請求項1の本発明によれば、副選別フアン(20)を車速に追従して変速制御するので、低速作業時は、副選別フアン(20)を低速で回転させて穀粒の3番飛散を少なくし、高速作業時は副選別フアンの高速回転により副選別風による風選別能力を高め、選別性能の向上を図ることができる。また、フィードチエン(12)並びに排ワラ搬送装置(16)も共に車速に追従するので、両者の相対速度の変化がなく、排ワラの引継ぎ姿勢が安定し、引継ぎ搬送性能を高めることができる。
【0012】
また、請求項2の本発明によれば、請求項1の発明効果を奏するものでありながら、吸引排塵フアン(24)も車速に追従するので、低速作業時に揺動選別棚上での処理量が少ない時などは排塵フアン(24)の回転を下げて吸塵能力を抑え、単粒ロスを低減することができる。また、高速作業時は排塵フアンを高速で回転させることで、吸塵能力を高め、揺動選別棚の処理量の増加に対応でき、選別性能が大幅に向上することになる。
【0013】
更に、請求項3の本発明によれば、請求項1並びに請求項2の発明効果を奏するものでありながら、フィードチエン(12)から排ワラ搬送装置(16)と吸引排塵フアン(24)とに分岐する2系統への伝動機構を一つのケース内に納めることで、伝動構成のコストアップを抑制することができ、また、この伝動ケース(50)はフィードチエン(12)の後方に配置することで、フィードチエンから排ワラ搬送装置への排ワラの引継ぎ搬送に際し支障なく円滑に行うことができ、フィードチエンの開閉にも支障なく容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1に示すコンバインの構成について述べる。
走行クロ−ラ1を具備する車体2上には、前部に昇降可能な刈取部3を、後部に脱穀装置(脱穀機)4を搭載している。刈取部3の横側部には運転部5が設置され、その後方にはグレンタンクGが装備されている。6は変速レバーで、前後方向の操作でHST(油圧式無段変速装置)を駆動し、ミッションケース7内のミッション装置を介して前後進変速制御を司るように構成している。エンジンEの回転動力は、エンジン出力プーリからベルト17を介してHSTの入力軸に伝えられ、HSTの出力軸からミッション入力軸18に伝えられるようになっている。ミッション出力軸19からは、刈取伝動ベルト3a、刈取入力プーリ3bを介して刈取部3へ動力伝達される。
【0015】
つぎに、脱穀装置4の構成につき説明する。扱胴8を内装軸架した扱室9の下半周部に沿って受網10を張設している。11は扱室9の上方部を覆う扱胴カバ−であって、扱胴軸方向に平行な軸芯回りに揺動開閉可能に構成している。
【0016】
扱室9の扱口側には穀稈を挟持搬送するフイ−ドチエン12とこの上側に対設する挟持レ−ル12aを配設している。この挟持レ−ル11aは扱胴カバ−11側に装着して該カバ−と共に揺動開閉する構成である。扱室9のフイ−ドチエン12側とは反対側一側には2番処理胴13を内装軸架した2番処理室を並設している。また、前記2番処理胴13の後方にはこれと同一軸芯上において排塵処理胴14を内装軸架した排塵処理室を構成して設けている。扱室内で脱穀処理された排ワラは、フィードチエン12の終端から排ワラ搬送装置16に引き継がれ、これより後方に搬出処理されて後方の排ワラカッターCに導かれるようになっている。
【0017】
扱室9の下方及び排塵選別室の下方には揺動可能に架設した揺動選別装置Yを設け、更に、その下方には選別方向の上手側から順に、副選別フアン20と、主唐箕21と、1番移送螺旋22、2番移送螺旋23と、その上方一側に吸引排塵フアン24を設けて選別室を構成している。なお、1番揚穀装置15Aは1番移送螺旋22で回収された穀物を揚送してグレンタンクG内に収容する。また、2番揚穀装置15Bは2番移送螺旋23で回収された2番処理物を2番処理胴13の室内へ還元するようになっている。
【0018】
そして、揺動選別装置Yは、扱室からの脱穀処理後の処理物、つまり、被処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別する構成であり、選別方向上手側から移送棚25、チャフシ−ブ27、ストロ−ラック28の順に配置し、且つ、前記チャフシ−ブ27の下方にグレンシ−ブ29を配置して一体的に設け、前記副選別フアン20、主唐箕21及び吸引排塵フアン24による選別風と揺動との共同作用によって扱室9から漏下してきた処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別処理するように構成している。
【0019】
前記副選別フアン20は、前記ミッション出力軸19からシンクロ伝動ベルト30、ワンウエイクラッチ31を介して動力伝達され、車速に追従して変速されるようになっている。また、この副選別フアン20からは減速ギヤ伝動機構32を介して前記フィードチエン12を回転駆動するようチエン駆動スプロケット33に連動連結している。更に、該フィードチエン12からは前記排ワラ搬送装置16と吸引排塵フアン24を適宜の伝動機構を介して回転駆動すべく連動構成している。
【0020】
つまり、フィードチエン12から排ワラ搬送装置16へは、該フィードチエン12終端の排ワラ・排塵駆動スプロケット軸34に設けた排ワラ駆動スプロケット35から排ワラ伝動チエン36、排ワラ出力軸37、ベルト伝動機構38、ベベルギヤ機構39、チエン伝動機構40を経て排ワラ入力軸41に伝達すべく連動構成し、フィードチエン12から吸引排塵フアン24へは、排塵駆動ギヤ42よりギヤ伝動機構43、排塵フアンシンクロ出力軸46、排塵フアンシンクロ出力プーリ47、排塵フアン伝動ベルト44を経て排塵フアン入力軸45を回転駆動すべく連動構成している。
【0021】
そして、フィードチエン12から排ワラ搬送装置16と吸引排塵フアン24とへ分岐して伝動する伝動機構、つまり、排ワラ搬送装置16への排ワラ駆動スプロケット35、排ワラ伝動チエン36等の伝動機構と、吸引排塵フアン24への排塵駆動ギヤ42、ギヤ伝動機構43等の伝動機構は、一つの伝動ケース50内に収納した構成としている。また、この伝動ケース50は、吸引排塵フアン24のケーシング24aとフィードチエン12との空間内に介在させて幅を薄くした構成としている。これにより、伝動ケース50の機枠より外側へのオーバーハングを抑えることができ、伝動ケース自体の幅を薄く構成でき、吸引排塵フアンのケーシング部の強度アップも図ることができる。
【0022】
また、前記吸引排塵フアン24への伝動は、副選別フアン20、フィードチエン12からの車速追従系伝動経路と、エンジンE、主唐箕21からの一定速伝動経路の双方から入力できるようにし、一方向クラッチ51を介していずれか速い方の伝動経路を経て吸引排塵フアン24を回転駆動すように構成することで、低速作業時には一定速伝動経路により一定速で排塵フアンを駆動でき、吸塵能力低下による選別悪化や、排塵物の揺動選別棚からの排出が悪くなって詰まるといった不具合をなくすことができるし、また、車速追従(シンクロ)伝動と一定速伝動の二つの伝動経路をもつので、片方に故障などが発生しても作業を中断することなく実施できる。なお、前記一方向クラッチ51は、排塵フアン入力軸45に設けたシンクロ入力プーリ48aと一定速入力プーリ48b間に介装している。
【0023】
なお、前記排塵フアンへのシンクロ出力プーリ47は、回転径変更可能な割プーリとし、吸引排塵フアンへのシンクロ伝動速度(回転数)を調整可能に構成している。品種の違いや湿材など刈取条件の違いに対応して車速に対する排塵フアンの回転数を任意に調整することができる。
【0024】
吸引排塵フアン24への車速追従系伝動経路中には、車速追従伝動を中断するクラッチ機構52を設けてあり、車速追従伝動を断つことで一定速伝動に切り替えできる構成としている。例えば、高速作業時、ワラ屑発生率が少なく揺動選別棚上での処理量が少ない条件等で単粒ロスが多発する場合には、車速追従伝動を断ち、一定速伝動に切り替えることで、上記不具合を解消することができる。また、このクラッチ機構52は前記伝動ケース50内に納めることでコンパクト化を図ることができる。
【0025】
クラッチ機構52の断続切替手段は、モータMで行い、ワイヤー53等で連動構成し、運転部5の運転席5a近くに設けた切替スイッチ54によって切替操作できる構成としている。
【0026】
一定速伝動経路は、主唐箕軸21a、1番移送螺旋軸22a、2番移送螺旋軸23a、揺動クランク軸55、カウンタ軸56間にわたって掛け渡す一定速伝動ベルト57によって構成している。また、前記カウンタ軸56の排塵フアン一定速出力プーリ49から吸引排塵フアン24への一定速入力プーリ48b間には一定速排塵ベルト58を券回することによって吸引排塵フアン24を一定速にて回転駆動する構成としている。
【0027】
吸引排塵フアンへのシンクロ出力プーリ47と一定速出力プーリ49は、共に吸引排塵フアン24の軸芯よりも前方に配置して設け、シンクロ出力プーリ47は一定速出力プーリ49よりも上方に設置している。吸引排塵フアン24への伝動を、一定速伝動経路、シンクロ伝動経路とも前方より後方に向けて配設することで、吸引排塵フアンを脱穀部終端側に容易に配置可能であり、また、伝動経路がカッター部と重なることがない。シンクロ伝動を一定速伝動の上方とすることで、伝動経路がクロスすることなく配置が容易にできる。
【0028】
なお、カウンタ軸56から排ワラカッターCへはカッター伝動ベルト59によって駆動する構成である。
吸引排塵フアン24への伝動をシンクロ伝動系と一定速伝動系にて構成するものにおいて、両伝動系とも吸引排塵フアン24へは、それぞれベルト44,57,58によって伝動する構成とし、吸引排塵フアンに詰りなどによる過負荷がかかった時にはスリップ可能とすることで、伝動ケース等の破損といった不具合を防止できる。
【0029】
揺動クランク軸55及びカウンタ軸56等を架設するカウンタケース60は、前記伝動ケース50と連結してあり、また、フィードチエン12の駆動ギヤケース61とも補強杆62を介して連結することで、伝動ケース及びカウンタケースの取付上の剛性がアップし強度が向上する。また、カウンタケースはフィードチエン駆動ギヤケース61とも連結しているので、更に強度が向上することになる。 フィードチエン12は、始端側に架設された上下方向の開閉支点軸63を支点として内外方向に揺動開閉可能に構成している。フィードチエンオープン時は、フィードチエン12及び排ワラ搬送装置16への伝動を断つと共に、吸引排塵フアン24ヘのシンクロ伝動を断つが、この時は、一定速伝動経路より吸引排塵フアンを駆動可能とすることで、フィードチンをオープンした状態においても、副選別フアン20、主唐箕21、吸引排塵フアン24とも回転駆動されて送風されることになるので、清掃時等においては機内残留穀粒やワラ屑の除去が容易に行える。
【0030】
なお、副選別フアンへの伝動は、フィードチエンより上手側から駆動するため、副選別フアン20、主唐箕21、吸引排塵フアン24ともフィードチエンをオープンした状態の時でも駆動可能となる。
【0031】
吸引排塵フアンへの伝動を車速追従と一定速とに切替可能に構成してあるものにおいて、両者への切替を刈取部3に設置された穀稈の有無を検出する穀稈センサ65の検出結果に連動して作動するよう構成し、非穀稈搬送時はケース内のクラッチ機構52を切ってシンクロ伝動を断ち、一定速伝動に切り替えるように構成する。これによれば、刈取状態から非刈取状態に移行した場合に扱室内の処理量が減少し、また、エンジンの負荷が低減して回転が上がることによって、3番ロスの増加を防止することができる。また、吸引排塵フアンの回転は一定速で回転するので、選別が悪化したり、再度回転が上昇した際に一気に処理物が3番ロスとなって吹き出されることがなくなる。
【0032】
刈取部の穀稈センサ65に連動してシンクロ伝動を断つ構成において、穀稈センサ65がOFF後(刈取穀稈不存在検出後)から一定時間経過後にシンクロ伝動を断ち、一定速伝動に切り替えするように制御を行えば、搬送穀稈が無くなると同時に吸引排塵フアンの回転数を下げると、扱室内の処理物はまだ充満しているので、処理物の量が増加し、風選別の低下によって逆にロスが増加したり、選別が悪くなる恐れがあるが、上記のように時間差を設けることによって脱穀部内の処理物の減少に合わせて回転を下げることができて風選別が効果的に行われ、3番ロスの低減を図ることができる。
【0033】
また、上記構成において、刈取作業復帰時(穀稈センサON)は、速やかに吸引排塵フアンの回転数をシンクロ伝動に戻すことによって、排塵選別をタイミングよく効果的に行うことができる。
【0034】
フィードチエン駆動ギヤケース61部には、カムクラッチ67と停止ピン68等からなるフィードチエン停止機構69を設け、フィードチエン停止時には、これに連動して排ワラ搬送装置16を停止すると共に、フィードチエン12からのシンクロ伝動を断つことで、吸引排塵フアン24は一定速伝動となるようになっている。フィードチエン停止に連動させることで、機体旋回時に吸引排塵フアンの回転数を一定速にできるので、旋回時における3番ロスの低減が可能となる。なお、フィードチエン停止機構69は、旋回時の刈取部の上昇操作に連動して作動させるように構成しておくとよい。
【0035】
刈脱クラッチとフィードチエンへの伝動を連動し、刈取作業時は、副選別フアン20からフィードチエン12、排ワラ搬送装置16、吸引排塵フアン24をミッションよりシンクロ伝動し、脱穀作業(手扱ぎ作業)時は、主唐箕21から一定速伝動クラッチベルト70を介して副選別フアン20、フィードチエン12、排ワラ搬送装置16、吸引排塵フアン24をエンジンより一定速伝動する構成としている。
【0036】
つまり、図14に示すように、刈脱クラッチレバー72の「脱穀」(手扱ぎ)作業位置への操作で、シンクロ伝動クラッチロッド73を介してシンクロ伝動ベルト30のテンションクラッチ30aをクラッチ切りとし、同時に一定速伝動クラッチワイヤ74を介して一定速伝動クラッチベルト70のテンションクラッチ71をクラッチ入りにすると、主唐箕21から副選別フアン20、フィードチエン12、排ワラ搬送装置16、吸引排塵フアン24を経由して一定速伝動される。また、刈脱クラッチレバー72の「刈取」作業位置への操作で、一定速伝動クラッチベルト70のテンションクラッチ71をクラッチ切りとし、シンクロ伝動ベルト30のテンションクラッチ30aをクラッチ入りにすると、副選別フアン20からフィードチエン12、排ワラ搬送装置16、吸引排塵フアン24を経由してシンクロ伝動されることになる。
【0037】
図15に示す実施例では、ミッションより副選別フアン20への伝動を高速と標準とに切替可能に構成し、伝動下手側のフィードチエン12、排ワラ搬送装置16及び吸引排塵フアン24へも連動して変速可能に構成している。ミッション出力軸19と副選別フアン20のフアン軸20aとの間には速比の異なる高速側シンクロ伝動ベルト30Hと標準側シンクロ伝動ベルト30Sを券回して設け、作業条件等に応じて高速側又は標準側に切替変速し、選別風量を拡大、縮小すると共に、フィードチエン速度を変更し、扱室内のワラ屑発生量を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】脱穀装置の側面図
【図4】脱穀装置の要部の切断側面図
【図5】同上要部の側面図
【図6】同上要部の正面図
【図7】コンバイン各部の展開伝動経路図
【図8】シンクロ伝動と一定速伝動の関係グラフ
【図9】コンバイン要部の平面図
【図10】脱穀選別部要部の平面図
【図11】コンバイン要部の正面図
【図12】同上要部の切断正面図
【図13】同上要部の切断背面図
【図14】同上一部の側面図
【図15】コンバイン一部の伝動経路図
【符号の説明】
【0039】
E エンジン HST 油圧式無段変速装置
6 変速レバー ) 12 フィードチエン
16 排ワラ搬送装置 20 副選別フアン
21 主唐箕 24 吸引排塵フアン
36 排ワラ伝動チエン 42 排塵駆動ギヤ
43 ギヤ伝動機構 50 伝動ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主選別風経路に沿って選別風を圧送する主唐箕(21)と副選別風経路に沿って選別風を圧送する副選別フアン(20)とを備え、前記副選別フアン(20)と扱室内に沿って穀稈を送込供給するフィードチエン(12)と、脱穀後の排ワラを搬出処理する排ワラ搬送装置(16)を車速に応じて変速制御すべく連動構成してあることを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
主選別風経路に沿って選別風を圧送する主唐箕(21)と副選別風経路に沿って選別風を圧送する副選別フアン(20)とを備え、前記副選別フアン(20)と、扱室内に沿って穀稈を送込供給するフィードチエン(12)と、脱穀後の排ワラを搬出処理する排ワラ搬送装置(16)と、前記主、副選別風経路の終端側上方に配置された吸引排塵フアン(24)とを車速に応じて変速制御すべく連動構成してあることを特徴とする脱穀装置。
【請求項3】
主選別風経路に沿って選別風を圧送する主唐箕(21)と副選別風経路に沿って選別風を圧送する副選別フアン(20)とを備え、前記副選別フアン(20)と、扱室内に沿って穀稈を送込供給するフィードチエン(12)と、脱穀後の排ワラを搬出処理する排ワラ搬送装置(16)と、前記主、副選別風経路の終端側上方に配置された吸引排塵フアン(24)とを車速に応じて変速制御すべく連動構成し、前記フィードチエン(12)から排ワラ搬送装置(16)と吸引排塵フアン(24)への動力伝達機構は、該フィードチエンの終端側後方に配置せる一つの伝動ケース(50)内に収納装備するように構成してあることを特徴とする脱穀装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−325557(P2006−325557A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157797(P2005−157797)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】