説明

脱穀装置

【課題】刈取穀稈の全体を扱室に投入して脱穀処理する脱穀部を備え、扱室の後端部に位置する送塵口および揺動選別装置からの塵埃を唐箕からの選別風と共に機体外に排出するように機体後部に設けた排塵口を備えた脱穀装置において、脱穀処理物の排出不良を発生しにくくしながら穀粒損失や塵埃混入の抑制を可能できるようにする。
【解決手段】排塵口40aに連通する塵埃搬送経路85の閉じ側に移動して排塵口40aによる塵埃排出を規制した排出規制状態と、塵埃搬送経路85の開き側に移動して排塵口40aによる塵埃排出の規制を解除した規制解除状態とに切り換え自在な排塵調整体86を、塵埃搬送経路85の送塵口49の下方に位置する部位に設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取穀稈の全体を扱室に投入して脱穀処理する脱穀部を備え、前記扱室から受網を介して落下した脱穀処理物を揺動選別装置による揺動選別と唐箕からの選別風とによって選別処理する選別部を備え、前記扱室の後端部に位置する送塵口および前記揺動選別装置からの塵埃を前記唐箕からの選別風と共に機体外に排出するように機体後部に設けた排塵口を備えた脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば特許文献1に記載された脱穀装置があった。
特許文献1に記載された脱穀装置では、選別部30からの排出用の処理物を選別風によって機体1の後端部に位置する塵埃排出口45に移送する風力排塵経路Bを備え、この風力排塵経路Bの塵埃排出口45よりも機体内側に少し入り込んだ部位に排塵制御体60を揺動開閉自在に設け、この排塵制御体60と排ワラ搬送装置20の搬送ガイド杆22とを連動機構70を介して連動させている。
排塵制御体60は、扱室12に供給される穀稈量が多くなって排ワラ搬送装置20に供給される脱穀排ワラ量が多くなると、開き姿勢に操作されて風力排塵経路Bを開き側に操作する。
排塵制御体60は、扱室12に供給される穀稈量が少なくなって排ワラ搬送装置20に供給される脱穀排ワラ量が少なくなると、閉じ姿勢に操作されて風力排塵経路Bを閉じ側に操作する。(各符号は、公報に記載されたものである。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−237097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した如く刈取穀稈の全体を扱室に投入して脱穀処理する脱穀部を備えた脱穀装置において、上記した従来の技術を適用することにより、穀粒が選別処理物と共に脱穀機体外に排出される穀粒損失、及び選別部で回収される穀粒に塵埃が入り込む塵埃混入の抑制を可能にしようとした場合、脱穀部で発生した稈屑などの脱穀処理物の排出に関する問題が発生することがあった。
【0005】
つまり、上記した従来の技術を適用した場合、脱穀機体の排塵口に連通する塵埃搬送経路のうち、扱室の送塵口の下方に位置する部位から脱穀機体の排塵口に向けて離れた部位に排塵調整体を設け、この排塵調整体を塵埃搬送経路の閉じ側に移動した排出規制状態と、塵埃搬送経路の開き側に移動した規制解除状態に切り換えることになる。
すなわち、穀粒が塵埃と共に機体外に排出されることの抑制を可能にするには、排出規制状態に切り換えた排塵調整体によって塵埃搬送経路を閉じ側に操作し、塵埃搬送経路のうちの、扱室の送塵口の下方に位置する部位よりも下流側で処理物の流動を規制する。選別部で回収される穀粒に塵埃が混入することの抑制を可能にするには、排塵調整体を規制解除状態に切り換えることによって塵埃搬送経路を開き側に操作して、塵埃搬送経路における処理物の流動を容易にする。
したがって、排塵調整体によって塵埃搬送経路が閉じ側に操作された場合、塵埃搬送経路のうちの扱室の送塵口の下方に位置する部位よりも下流側で処理物の流動規制が行なわれることになり、扱室の送塵口から排出される稈屑などの脱穀処理物の排塵口に向けての流動も規制されることになる。扱室に刈取穀稈の株元から穂先までの全体が投入される脱穀装置の場合、扱室の送塵口から排出される稈屑の大きさ及び量が大になりがちであることから、扱室の送塵口から排出される脱穀処理物の排塵口に向けての流動が規制されることになると、扱室の送塵口から排出された処理物の流動が悪化しやすくなる。また、扱室における処理物の滞留に至りやすくなる。
【0006】
本発明の目的は、扱室に刈取穀稈の全体が投入されるものでありながら、脱穀処理物の排出不良を発生しにくくしながら穀粒損失や塵埃混入の抑制を可能できる脱穀装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、刈取穀稈の全体を扱室に投入して脱穀処理する脱穀部を備え、前記扱室から受網を介して落下した脱穀処理物を揺動選別装置による揺動選別と唐箕からの選別風とによって選別処理する選別部を備え、前記扱室の後端部に位置する送塵口および前記揺動選別装置からの塵埃を前記唐箕からの選別風と共に機体外に排出するように機体後部に設けた排塵口を備えた脱穀装置であって、
前記排塵口に連通する塵埃搬送経路の閉じ側に移動して前記排塵口による塵埃排出を規制した排出規制状態と、前記塵埃搬送経路の開き側に移動して前記排塵口による塵埃排出の規制を解除した規制解除状態とに切り換え自在な排塵調整体を、前記塵埃搬送経路の前記送塵口の下方に位置する部位に設けてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、排塵調整体を塵埃搬送経路うちの送塵口の下方の部位に設けたものだから、排塵調整体が排出規制状態と規制解除状態のいずれになった場合でも、扱室の送塵口が排塵調整体によって閉じられたり、扱室の送塵口から塵埃搬送経路に至る経路が排塵調整体によって閉じられたりすることを回避でき、扱室の送塵口から排出された処理物を塵埃搬送経路にスムーズに流入させることができる。
【0009】
つまり、排塵調整体が規制解除状態に切り換えられると、塵埃搬送経路が開き側に切り換わり、選別部からの処理物が脱穀機体の排塵口に流動しやすくなって選別部からの塵埃が脱穀機体外に排出されやすくなるので、扱室の送塵口からの稈屑を脱穀体機体外に排出されやすくしながら、選別部で回収される穀粒の塵埃混入を抑制しやすくなる。
排塵調整体が排出規制状態に切り換えられると、塵埃搬送経路が扱室の送塵口の下方で閉じ側に切り換わり、選別部からの処理物の脱穀機体の排塵口への流動が規制されて選別部で回収されるべき穀粒が排塵口から塵埃と共に脱穀機体外に排出されにくくなるので、扱室の送塵口からの稈屑を脱穀体機体外に排出されやすくしながら、選別部で回収されるべき穀粒が脱穀機体外に排出されることを回避しやすい。
【0010】
したがって、排塵調整体が適切に切り換え操作されることにより、選別部で回収される穀粒に塵埃が混入する塵埃混入も、穀粒が塵埃と共に脱穀機体外に排出される穀粒損失も抑制することができる。しかも、穀粒損失を抑制するよう排塵調整体が排出規制状態に切り換えられた場合でも、扱室の送塵口から排出される稈屑などを脱穀機体外にスムーズに排出できて脱穀処理をスムーズに行わせやすい。
【0011】
本第2発明では、前記排塵調整体を、前記受網の扱胴周方向での一端部から他端部にわたって設けてある。
【0012】
本第2発明の構成によると、受網の扱胴周方向での周辺のいずれの箇所においても排塵調整体を作用させて選別処理物の流動規制を行なわせることができる。
【0013】
したがって、選別処理物の流動規制を受網の扱胴周方向での周辺のいずれの箇所においても適切に行なわせて穀粒損失を効果的に抑制できる。
【0014】
本第3発明では、前記排塵調整体を、前記排出規制状態と前記規制解除状態とに揺動変形によって切り換わるように、かつ前記排出規制状態に弾性復元力によって復帰するように弾性板状体によって構成してある。
【0015】
本第3発明の構成によると、選別風力が強く調整されると、排塵調整体が選別風による押圧操作によって規制解除状態に切り換えられて処理物を流出しやすくでき、選別風力が弱く調整されると、排塵調整体が弾性復元力によって排出規制状態に切り換えられて穀粒の飛散排出を排塵調整体によって抑制しやすくなる。
【0016】
したがって、選別風力が強く調整されると、選別風による処理物移送作用が強くなるのみならず、排塵調整体が選別風によって規制解除状態に自ずと切り換わって処理物排出の障害になりにくくなり、全体として処理物の迅速な排出を行わせることができ、この状態を操作簡単に得ることができる。選別風力が弱く調整されると、選別風による処理物移送作用が弱くなって選別風による処理物の飛散を抑制できるのみならず、排塵調整体が弾性復元力によって排出規制状態に自ずと切り換わり、全体として穀粒の飛散排出を効果的に抑制でき、この状態を操作簡単に得ることができる。
【0017】
本第4発明は、前記唐箕の回転羽根回転軸芯方向視において、前記唐箕の吸気口のうちの回転羽根回転軸芯に対して送風口側に位置する部分における最低位置が、回転羽根回転軸芯に対して送風口側とは反対側に位置する部分における最低位置よりも高い配置高さに位置するよう構成してある。
【0018】
吸気口のうちの回転羽根回転軸芯に対して送風口側に位置する部分における最低位置が、回転羽根回転軸芯に対して送風口側とは反対側に位置する部分における最低位置と同じ高い配置高さに位置すると、吸気口が送風口の近くで大きく開き、送風口の近くで多量の吸気が行なわれて強風の選別風が供給されやすくなる。本第4発明の構成によると、吸気口が送風口の近くで大きく開くことを回避し、送風口の近くで過剰量の吸気が行なわれることを防止して菜種の如き作物を脱穀対象とする場合に適切な風力の選別風を供給させることができる。
【0019】
したがって、菜種の如き作物を脱穀対象とする場合、適切な風力の選別風を供給させ、穀粒への塵埃の混入及び穀粒の機体外への飛散を良好に抑制しながらの選別処理を行わせることができる。
【0020】
本第5発明は、前記揺動選別装置にグレンシーブを設け、前記揺動選別装置が搬送上手側のストロークエンドに揺動操作された状態において、前記グレンシーブの搬送下流側端が二番処理物搬送コンベヤの直上方に位置するよう構成してある。
【0021】
本第5発明の構成によると、グレンシーブの搬送下流側端が揺動選別装置の揺動位置如何にかかわらず二番処理物搬送コンベヤの上方に位置し、グレンシーブの搬送下流側端から落下する選別処理物を一番処理物搬送コンベヤに落下しにくくでき、かつグレンシーブの搬送下流側端から落下する選別処理物を二番処理物搬送コンベヤに精度よく落下させることができる。
【0022】
したがって、穀粒を塵埃混入が少なくて品質のよい状態で回収でき、かつ二番処理物を二番処理物搬送コンベヤに精度よく受け入れさせて二番処理物のその後の処理を的確に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】コンバインの全体を示す側面図である。
【図2】コンバインの全体を示す平面図である。
【図3】脱穀装置を示す縦断側面図である。
【図4】図3のIV−IV断面矢視図である。
【図5】揺動選別装置と二番処理物搬送コンベヤとの位置関係、及び排塵調整体の規制解除状態を示す説明図である。
【図6】(a)は、唐箕の上吸気口が閉じ側に調節された状態を示す側面図であり、(b)は、唐箕の上吸気口が開き側に調節された状態を示す側面図である。
【図7】(a)は、受網の標準状態を示す平面図であり、(b)は、受網の横桟増設状態を示す平面図である。
【図8】第1別実施形態を有した脱穀装置を示す縦断側面図である。
【図9】(a)は、第1別実施形態を備えた受網の標準状態を示す平面図であり、(b)は、第1別実施形態を備えた受網の漏下孔細分化状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る脱穀装置が装備されたコンバインの全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る脱穀装置が装備されたコンバインの全体を示す平面図である。これらの図に示すように、このコンバインは、運転座席20を有した運転部2が装備された走行機体1を備え、走行機体1の機体フレーム10の後部側に設けられた本発明の実施の形態に係る脱穀装置4を備え、走行機体1の機体フレーム10の後部側に脱穀装置4と走行機体横方向に並べて設けられた袋詰め部13を備え、脱穀装置4の前部にフィーダ60が走行機体横向き軸芯Xまわりに上下揺動自在に連結された刈取前処理装置6を備えて構成してある。
【0025】
このコンバインは、主として菜種の収穫作業を行う。
つまり、走行機体1は、左右一対のクローラ式の走行装置11,11を備え、運転座席20の下方に位置するエンジン(図示せず)からの駆動力によって左右一対の走行装置11,11を駆動して自走する。
【0026】
刈取前処理装置6は、フィーダ60が昇降シリンダ12によって軸芯Xまわりに上下に揺動操作されることにより、フィーダ60の前端部に連設された前処理フレーム61が地面近くに下降した下降作業状態と、前処理フレーム61が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
【0027】
刈取前処理装置6を下降作業状態にして走行機体1を走行させると、刈取前処理装置6は、植立穀稈を刈取り、刈取穀稈の株元から穂先までの全体をフィーダ60によって脱穀装置4に供給する。脱穀装置4は、刈取穀稈を脱穀処理し、脱穀粒を揚穀装置21によって穀粒袋詰め部13のホッパー形の穀粒タンク14に供給する。
【0028】
刈取前処理装置6について詳述する。
刈取前処理装置6は、フィーダ60及び前処理フレーム61を備える他、前処理フレーム61の内部に駆動自在に設けられた横送りオーガ65、前処理フレーム61が備えるプラットホーム61Aの前端部に駆動自在に設けられたバリカン形の刈取装置63、前処理フレーム61の前端部に連設された左右一対の分草具62,62、前処理フレーム61の基端側の上部から走行機体前方向きに上下揺動操作自在に延出した左右一対の支持アーム64Aの先端部に駆動自在に支持された回転リール64、前処理フレーム61の走行機体横方向での左外側に設けられた分草装置30を備えている。
【0029】
分草装置30は、前処理フレーム61と、前処理フレーム61から走行機体上方向きに延出している支柱31とに走行機体上下向きの取り付け姿勢で取り付けられたバリカン形の縦刈取装置によって構成してある。分草装置30は、縦刈取装置の固定刃と、この固定刃に対して往復摺動するよう駆動される可動刃とによって分草具62からの植立穀稈の分草具62が作用した部位よりも穂先側を切断し、これによって分草具62からの植立穀稈を刈取対象と非刈取対象とに分草する。縦刈取装置は、刈取装置63から動力伝達されて駆動される。
【0030】
回転リール64は、刈取対象の植立穀稈の穂先側を掻き込みタイン64aによって前処理フレーム61の内部に掻き寄せる。刈取装置63は、刈取対象の植立穀稈の刈取りを行なう。横送りオーガ65は、刈取穀稈をフィーダ60の前側に移送し、フィーダ60の前側に到達した刈取穀稈を横送りオーガ65が一体回転自在に備える掻き送りバー65aによってフィーダ60の搬送ダクトの前端部内に送り込む。フィーダ60は、搬送ダクトに送り込まれた刈取穀稈を搬送ダクトの内部に位置する無端回動形のコンベヤ60aによって脱穀装置4の前端部に揚送して刈取穀稈の株元から穂先までの全体を脱穀装置4の扱室41(図3参照)に送り込む。
【0031】
脱穀装置4について説明する。
図3は、脱穀装置4を示す縦断側面図である。図4は、図3のIV−IV断面矢視図である。これらの図に示すように、脱穀装置4は、脱穀機体40の上部内に位置する扱室41を有した脱穀部4Aを備え、扱室41の下方に位置する選別室50を有した選別部4Bを備えている。
【0032】
脱穀部4Aは、扱室41を備える他、この扱室41に設けた扱胴42を備え、この扱胴42の周囲に沿わせて扱室41に設けた受網70を備えている。
【0033】
扱胴42の回転支軸42Aが脱穀機体40の前壁の外面側に設けた脱穀駆動機構43に連動されており、扱胴42は、回転支軸42Aが脱穀駆動機構43によって駆動されることにより、回転支軸42Aの脱穀機体前後向きの軸芯である扱胴回転軸芯Pまわりに回転駆動される。
【0034】
扱胴42は、扱胴42の前端部に位置する傾斜ドラム部44と、この傾斜ドラム部44の後端に前端が連なっている脱穀処理部45とを備えて構成してある。傾斜ドラム部44は、これの外周面に立設された一対の螺旋羽根46,46を一体回転自在に備えている。脱穀処理部45は、扱胴周方向に所定間隔を隔てて並んだ扱胴前後向きの円形鋼管で成る扱歯支持杆45aと、脱穀処理部45の前端部、後端部及び中間部で扱歯支持杆45aを連結する板状の連結体45bとを備えて構成してあり、稈屑が脱穀処理部45の内部を容易に流動する構造になっている。脱穀処理部45は、扱胴周方向及び扱胴回転軸芯方向に並ぶ配置で各扱歯支持杆45aに取り付けたバー形の扱歯47を備えている。
【0035】
脱穀部4Aは、フィーダ60からの刈取穀稈を次の如く脱穀処理する。
フィーダ60のコンベヤ60aによって扱室41の前端部に位置する入り口底板48の上に送り込まれた刈取穀稈の株元から穂先までの全体を、扱胴41の傾斜ドラム部44における螺旋羽根46によって脱穀機体後方向きに搬送して扱室41の受網70が位置する部位に供給する。この部位において、刈取穀稈を扱胴42の脱穀処理部45における扱歯47と受網70とによる扱き作用によって脱穀処理する。脱穀処理によって発生した脱穀粒を、受網70に扱胴周方向及び扱胴回転軸芯方向に並べて備えてある処理物漏下孔から選別室50に漏下させる。脱穀処理によって発生した稈屑などの塵埃を、扱室41の後端部に位置する送塵口49から脱穀機体後方向きに排出する。
【0036】
送塵口49は、受網70の後端縁と、扱室41の後壁41aの下端縁とによって形成されている。
【0037】
選別部4Bは、選別室50を備える他、選別室50の上部に駆動揺動自在に設けた揺動選別装置51、この揺動選別装置51の前端側の下方に設けた唐箕52、選別室50の底部に脱穀機体前後方向に並べて設けたスクリューコンベヤ形の一番処理物搬送コンベヤ53とスクリューコンベヤ形の二番処理物搬送コンベヤ54とを備えている。
【0038】
図3,4に示すように、揺動選別装置51は、選別ケース51aを備え、この選別ケース51aの内側の上部に脱穀機体前後方向に並べて設けた上部グレンパン55、チャフシーブ56及びストローラック57を備え、選別ケース51aの内側の下部に脱穀機体前後方向に並べて設けた下部グレンパン58、グレンシーブ59を備えて構成してある。
【0039】
選別ケース51aの前端部の両横側が揺動リンク80を介して脱穀機体40の横側壁に支持されている。選別ケース51aの後端部の両横側に連結された支持アーム81が、脱穀機体40の両横側壁に回転駆動自在に支持された選別駆動軸82に偏芯カム83を介して支持されている。偏芯カム83は、選別駆動軸82に一体回転自在に連結されているとともに支持アーム81に相対回転自在に内嵌しており、揺動選別装置51は、選別駆動軸82によって回転駆動される偏芯カム83の駆動力により、脱穀機体前後方向に揺動駆動される。
【0040】
図6は、唐箕52を示す側面図である。この図及び図3に示すように、唐箕52は、脱穀機体40の前端部に設けた唐箕ケース90と、この唐箕ケース90の内部に脱穀機体横向きの回転羽根回転軸芯91aまわりに回転駆動自在に設けた回転羽根91とを備えて構成してある。
【0041】
唐箕ケース90は、脱穀機体40の左右の横側壁の前端部どうしにわたって連結したケース本体90aと、脱穀機体40の左右の横側壁の前端部で成るケース横側板90bとを備えて構成してある。唐箕ケース90は、左右のケース横側板90bに設けた吸気口92、及びケース本体90aに脱穀機体後方向きに設けた送風口93を備えている。
唐箕52は、回転羽根91が回転方向F(図3参照)に回転駆動されることにより、左右の吸気口92から唐箕ケース90の内部に空気を吸引して選別風を発生させ、発生させた選別風を送風口93から選別室50に供給する。
【0042】
唐箕52によって選別室50に供給された選別風は、揺動選別装置51のグレンシーブ59、チャフシーブ56及びストローラック57を下方から上方に通り抜ける選別風路に入り、揺動選別装置51による揺動選別を受けている処理物の風選別処理を行う。風選別処理を終えた選別風は、選別風路と脱穀機体40の後壁部に位置する排塵口40aとを連通させている塵埃搬送経路85に流入して排塵口40aから脱穀機体40の外部に流出する。これにより、唐箕52によって供給された選別風は、揺動選別装置51において発生した稈屑などの塵埃を塵埃搬送経路85によって排塵口40aに搬送し、排塵口40aから脱穀機体40の外部に排出する。
【0043】
塵埃搬送経路85は、揺動選別装置51の後部から扱室41の送塵口49の下方を通って排塵口40aに至っており、扱室41の送塵口49から排出された稈屑は、塵埃搬送経路85の途中に流入して選別部4Bからの塵埃に合流する。これにより、唐箕52によって供給された選別風は、揺動選別装置51からの塵埃と、扱室41の送塵口49から排出された稈屑とを塵埃搬送経路85を通して排塵口40aに搬送して排塵口40aから脱穀機体40の外部に排出する。
【0044】
したがって、選別部4Bは、脱穀部4Aからの脱穀処理物を次の如く処理する。
すなわち、受網70を漏下した脱穀処理物を揺動選別装置51によって受け止めて揺動選別装置51による揺動選別と、唐箕52からの選別風による風選別とによって穀粒と塵埃とに選別する。穀粒のうちの一番物を、一番処理物搬送コンベヤ53に落下させ、一番処理物搬送コンベヤ53によって樋形の搬送ガイド53aに沿わせて脱穀機体横方向に搬送して脱穀機体外に排出する。穀粒のうちの二番物を二番処理物搬送コンベヤ54に落下させ、二番処理物搬送コンベヤ54によって樋形の搬送ガイド54aに沿わせて脱穀機体横外側に排出する。二番処理物搬送コンベヤ54によって脱穀機体40の横外側に排出した二番物は、二番処理物搬送コンベヤ54に接続された揚送装置(図示せず)によって揺動選別装置51の前端側に還元させる。塵埃を、唐箕52によって供給される選別風によって塵埃搬送経路85を通して、かつ塵埃搬送経路85において送塵口49からの塵埃と合流させて排塵口40aに搬送し、排塵口40aから選別風と共に脱穀機体40の外部に排出する。
【0045】
揺動選別装置51による選別処理について詳述する。
扱室41から受網70を漏下して落下した処理物を、上部グレンパン55とチャフシーブ56とストローラック57とによって受け止め、上部グレンパン55、チャフシーブ56及びストローラック57によって脱穀機体後方向きに搬送しながら粗選別処理する。単粒化穀粒や枝梗付き穀粒などが混在する状態でチャフシーブ56から漏下した選別処理物を、下部グレンパン58とグレンシーブ59とによって受け止め、下部グレンパン58及びグレンシ−ブ59によって脱穀機体後方向きに搬送しながら精選別処理し、一番物としての単粒化穀粒と、二番物としての枝梗付き穀粒や稈屑などの混在物と、三番物としての稈屑などの塵埃とに選別する。一番物をグレンシーブ59の搬送途中から漏下させて一番処理物搬送コンベヤ53に落下させる。二番物をグレンシーブ59の搬送下流側端59aから二番処理物搬送コンベヤ54に落下させる。
【0046】
図5は、揺動選別装置51が処理物搬送方向での上手側(搬送上手側)のストロークエンドに位置した状態における揺動選別装置51と二番処理物搬送コンベヤ54との位置関係を示す説明図である。この図に示すように、偏芯カム83のカム面のうちの回転軸芯Zからの直線距離が最も大となる箇所83aが、回転軸芯Zを通る水平線上で、かつ回転軸芯Zよりも脱穀機体前方側に位置すると、揺動選別装置51が搬送上手側のストロークエンドに位置する。グレンシーブ59と二番搬送コンベヤ54とは、揺動選別装置51が搬送上手側のストロークエンドに位置した状態において、グレンシーブ59の搬送下流側端59aが二番処理物搬送コンベヤ54の直上方に位置する関係に配置設定されており、グレンシーブ59は、グレンシーブ59の搬送下流側端59aを揺動選別装置51の揺動位置如何にかかわらず二番処理物搬送コンベヤ54の上方に位置させ、グレンシーブ59の搬送下流側端59aから落下する処理物を二番処理物搬送コンベヤ54に精度よく落下させる。
【0047】
図3に示すように、塵埃搬送経路85のうちの送塵口49の下方に位置する部位に、排塵調整体86を受網70の後端部の直下に配置して設けてある。図4に示すように、排塵調整体86は、受網70の後端部に扱胴周方向に沿わせて設けた支持部材87に受網70の扱胴周方向での一端部から他端部にわたる状態で支持させてある。排塵調整体86は、支持部材87から垂下したゴム板によって構成してあり、塵埃搬送経路85を流れる選別風の押圧力を受け、この押圧力の強さと排塵調整体86が有する弾性復元力とによって排出規制状態と規制解除状態とに切り換わる。排塵調整体86は、扱胴周方向に分割した複数枚の分割ゴム板86aによって構成してあり、選別風の押圧力の変化に精度よく応答して排出規制状態と規制解除状態とに切り換わる。
【0048】
図5に実線で示す排塵調整体86は、規制解除状態に切り換えられた排塵調整体86を示している。この図に排塵調整体86を実線で示した場合のように、塵埃搬送経路85を流れる選別風が強くなり、排塵調整体86が選別風の押圧力によって上昇揺動操作されると、排塵調整体86は、規制解除状態になる。規制解除状態になった排塵調整体86は、塵埃搬送経路85に対して排塵搬送経路85を開く側に移動しており、塵埃が排塵口40aから脱穀機体外に排出されることの規制を解除する。すなわち、排塵調整体86は、塵埃搬送経路85を排塵口40aに向けて流動しようとする選別風及び塵埃に対する流動抵抗になりにくく、塵埃の脱穀機体外への排出を容易にする。排塵調整体86は、上昇揺動操作された場合、弾性変形した状態で上昇揺動している。
このとき、排塵調整体86は、扱室41の送塵口49と塵埃搬送経路85との間を大きく閉じる状態に至らず、扱室41の送塵口49から排出された塵埃の塵埃搬送経路85への流動を容易にする。
【0049】
図3に実線で示す排塵調整体86は、排出規制状態に切り換えられた排塵調整体86を示している。この図に排塵調整体86を実線で示した場合のように、塵埃搬送経路85を流れる選別風が弱くなり、排塵調整体86が上昇揺動した場合に備えた弾性復元力によって下降揺動すると、排塵調整体86は、排出規制状態になる。排出規制状態になった排塵調整体86は、塵埃搬送経路85に対して塵埃搬送経路85を送塵口49の下方に位置する部位で閉じる側に移動しており、選別部4Bで発生した塵埃が排塵口40aから脱穀機体外に排出されることを規制する。すなわち、排塵調整体86は、塵埃搬送経路85を排塵口40aに向けて流動しようとする選別風及び塵埃に対する流動抵抗になりやすく、穀粒が選別部4Bで発生した塵埃に混入して脱穀機体外に排出されることを抑制するように塵埃の排塵口40aからの排出を規制する。
このとき、排塵調整体86は、塵埃搬送経路85のうちの送塵口49の下方に位置する部位に位置していることにより、扱室41の送塵口49から塵埃搬送経路85に排出される塵埃に対する流動抵抗になりにくく、扱室41の送塵口49から排出された塵埃の排塵口40aへの流動を容易にする。
【0050】
図6に示すように、唐箕52の左右の吸気口92は、ケース横側壁90bに設けた一つの開口の一部によって形成されている。すなわち、ケース横側壁90bに設けた一つの開口の一部は、回転羽根91の回転支軸を支持するように脱穀機体40の横側壁に連結されたステー94と、このステー94より脱穀機体下方側に設けた下蓋板95と、ステー94よりも脱穀機体上方側に設けた上蓋板98と、この上蓋板98に支持された開口調整板96とによって閉じられており、一つの開口のうちの開いたままの部分が吸気口92となる。
【0051】
これにより、唐箕52の左右の吸気口92は、ステー94よりも脱穀機体上方側に位置する上吸気口92aと、ステー94よりも脱穀機体下方側に位置する下吸気口92bとを備えて構成されており、左右の吸気口92の唐箕52の回転羽根回転軸芯方向視における形状は、吸気口92のうちの回転羽根回転軸芯91aに対して送風口側に位置する部分における最低位置92Uが、吸気口92のうちの回転羽根回転軸芯91aに対して送風口側とは反対側に位置する部分における最低位置92Dよりも高い配置高さに位置した形状になっている。
【0052】
吸気口92のうちの唐箕52の回転羽根回転軸芯91aに対して送風口側に位置する部分における最低位置92Uは、上吸気口92aの最低位置であって、ステー94の上辺箇所によって設定されている。吸気口92のうちの唐箕52の回転羽根回転軸芯91aに対して送風口側とは反対側に位置する部分における最低位置92Dは、下吸気口92bの最低位置であって、下蓋板95の縦辺箇所によって設定されている。
【0053】
唐箕52の左右の吸気口92における開口調節板96は、上蓋板98に支点軸99を介して揺動自在に支持されており、上蓋板98に設けた円弧形のガイド孔98aに沿わせて支点軸99のまわりに揺動操作されることにより、上吸気口92aを開閉側に調節して、吸気口92の全体としての開口面積を増減調節する。
つまり、開口調節板96の揺動操作による吸気口92の開口面積の増減調節を行うことにより、唐箕52によって供給される選別風の強弱調節を行なえるようになっている。
【0054】
図6(a)は、唐箕52の上吸気口92aが閉じ側に調節された状態を示す側面図である。図6(b)は、唐箕52の上吸気口92aが開き側に調節された状態を示す側面図である。これらの図に示すように、吸気口92のうちの回転羽根回転軸芯91aに対して送風口93が位置する側に位置する部分における最低位置92Uが、回転羽根回転軸芯91aに対して送風口側とは反対側に位置する部分における最低位置92Dよりも高い配置高さに位置しているという最低位置92Uと最低位置92Dとの位置関係は、吸気口92の開口面積の増減調節にかかわらず変化せず、菜種の収穫に適切な選別風の強弱調節を行なえる。
【0055】
つまり、選別部4Bに発生する塵埃量が多い場合、唐箕52の開口調節板96の揺動調節により、唐箕52によって供給される選別風を強風側に調節する。すると、選別風の塵埃搬送作用を強くできることにより、かつ排塵調整体86が選別風の押圧力によって規制解除状態に自ずと切り換え操作されて塵埃搬送経路85の送塵口49の下方における塵埃流動の規制を解除できることにより、選別部4Bで発生した塵埃が選別風によって塵埃搬送経路85を排塵口40aに向けてスムーズに搬送され、選別部4Bで発生した塵埃の脱穀機体外への排出を迅速に行なわせることができる。
【0056】
選別部4Bに発生する塵埃量が少ない場合、唐箕52の開口調節板96の揺動調節により、唐箕52によって供給される選別風を弱風側に調節する。すると、選別風の塵埃搬送作用を弱くできることにより、かつ排塵調整体86が弾性復元力によって排出規制状態に自ずと切り換わって塵埃搬送経路85の送塵口49の下方において塵埃流動を規制できることにより、選別部4Bで回収されるべき穀粒が塵埃と共に排塵口40aに搬送されて脱穀機体外に排出されることを抑制できる。
【0057】
唐箕52によって供給される選別風を強風側と弱風側のいずれに調節した場合も、排塵調整体86が塵埃搬送経路65のうちの送塵口49の下方の部位に位置することによって送塵口49や送塵口49から塵埃搬送経路85に至る経路が排塵調整体86によって閉じられることを回避でき、扱室41の送塵口49から排出された稈屑が塵埃搬送経路85にスムーズに流入して排塵口40aから脱穀機体外にスムーズに排出される。
【0058】
図7に示すように、受網70は、受網本体71と、複数本の脱着タイプの横桟72とを備えている。
受網本体71は、受網70の前後方向に所定間隔を隔てて固設された常設タイプの横桟73を備え、受網本体71の前端側に隣り合う一対の常設タイプの横桟73,73どうしの間に配置して設けた横桟取り付け部74を備えている。脱着タイプの横桟72は、横桟72の両端部に設けた連結部72aにおいて、バケットボルトとフランジナットとを利用して受網本体71の横桟取り付け部74に脱着される。
【0059】
図7(a)は、受網70の標準状態を示す平面図である。この図に示すように、受網70は、受網本体71から脱着タイプの横桟72が取り外されることにより、標準状態になる。標準状態になった受網70は、受網前端側での処理物漏下孔の大きさと受網後端側での処理物漏下孔の大きさとが同じになった状態になる。
【0060】
図7(b)は、受網70の横桟増設状態を示す平面図である。この図に示すように、受網70は、受網本体71の各横桟取り付け部74に脱着タイプの横桟72が装着されることにより、横桟増設状態になる。横桟増設状態になった受網70は、受網70の前端側に常設タイプの横桟73を備える他に脱着タイプの横桟72を備え、受網前端側での処理物漏下孔の大きさが受網後端側での処理物漏下孔の大きさよりも小になった状態になる。
【0061】
〔第1別実施形態〕
図8は、第1別実施形態を有した脱穀装置4を示す縦断側面図である。この図に示すように、第1別実施形態を有した脱穀装置4では、排塵調整体86を、塵埃搬送経路85の送塵口49の下方に位置する部位のうち、受網70の後端から排塵口40aが位置する側にやや離れた部位に設けている。排塵調整体86は、受網70から延出した支持部材88に上下揺動自在に支持されており、選別風の押圧操作と、排塵調整体86の弾性復元力とによって上下揺動して排出規制状態と規制解除状態とに切り換わる。
【0062】
図9は、第1別実施形態を備えた受網70を示す平面図である。この図に示すように、第1別実施形態を備えた受網70は、受網70の前後方向に所定間隔を隔てて並んだ配置で枠体77に固設された固定タイプの横桟73を備え、受網70の前端側に隣り合う一対の固定タイプの横桟73,73どうしの間に一本ずつ配置して設けた移動タイプの横桟75を備えている。各移動タイプの横桟75は、縦桟76及び枠体77にスライド調節自在に支持されて、このスライド調節した位置で固定できるように構成されている。
【0063】
図9(a)は、受網70の標準状態を示す平面図である。この図に示すように、受網70は、各移動タイプの横桟75が固定タイプの横桟73に寄せ付けた取り付け位置にスライド調節されることにより、標準状態になる。標準状態になった受網70は、受網前端側での処理物漏下孔の大きさと受網後端側での処理物漏下孔の大きさとが同じになった状態になる。
【0064】
図9(b)は、受網70の漏下孔細分化状態を示す平面図である。この図に示すように、受網70は、各移動タイプの横桟73が固定タイプの横桟73どうしの間に位置した取り付け位置にスライド調節されることにより、漏下孔細分化状態になる。漏下孔細分化状態になった受網70は、受網70の前端側に固定タイプの横桟73とスライドタイプの横桟75とを間隔を隔てて備えて、受網前端側での処理物漏下孔の大きさが受網後端側での処理物漏下孔の大きさよりも小になった状態になる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
排塵調整体86として、ゴム板で成るものの他、樹脂シートなど各種の弾性板状体で成り、規制解除状態から排出規制状態に弾性復元力によって切り換わるように構成したもの、あるいは電動モータなどによる駆動力によって規制解除状態と排出規制状態とに切り換えられるように構成したものを利用することができる。いずれのものを利用した場合でも、本発明の目的を達成することができる。
【符号の説明】
【0066】
4A 脱穀部
4B 選別部
40a 排塵口
41 扱室
49 送塵口
51 揺動選別装置
52 唐箕
54 二番処理物搬送コンベヤ
59 グレンシーブ
59a ブレンシーブの搬送下流側端
70 受網
85 塵埃搬送経路
86 排塵調整体
91a 回転羽根回転軸芯
92 吸気口
92U 吸気口のうちの回転羽根回転軸芯に対して送風口側に位置する部分における最低位置
92D 吸気口のうちの回転羽根回転軸芯に対して送風口側とは反対側に位置する部分における最低位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取穀稈の全体を扱室に投入して脱穀処理する脱穀部を備え、前記扱室から受網を介して落下した脱穀処理物を揺動選別装置による揺動選別と唐箕からの選別風とによって選別処理する選別部を備え、前記扱室の後端部に位置する送塵口および前記揺動選別装置からの塵埃を前記唐箕からの選別風と共に機体外に排出するように機体後部に設けた排塵口を備えた脱穀装置であって、
前記排塵口に連通する塵埃搬送経路の閉じ側に移動して前記排塵口による塵埃排出を規制した排出規制状態と、前記塵埃搬送経路の開き側に移動して前記排塵口による塵埃排出の規制を解除した規制解除状態とに切り換え自在な排塵調整体を、前記塵埃搬送経路の前記送塵口の下方に位置する部位に設けてある脱穀装置。
【請求項2】
前記排塵調整体を、前記受網の扱胴周方向での一端部から他端部にわたって設けてある請求項1記載の脱穀装置。
【請求項3】
前記排塵調整体を、前記排出規制状態と前記規制解除状態とに揺動変形によって切り換わるように、かつ前記排出規制状態に弾性復元力によって復帰するように弾性板状体によって構成してある請求項1又は2記載の脱穀装置。
【請求項4】
前記唐箕の回転羽根回転軸芯方向視において、前記唐箕の吸気口のうちの回転羽根回転軸芯に対して送風口側に位置する部分における最低位置が、回転羽根回転軸芯に対して送風口側とは反対側に位置する部分における最低位置よりも高い配置高さに位置するよう構成してある請求項1記載の脱穀装置。
【請求項5】
前記揺動選別装置にグレンシーブを設け、
前記揺動選別装置が搬送上手側のストロークエンドに揺動操作された状態において、前記グレンシーブの搬送下流側端が二番処理物搬送コンベヤの直上方に位置するよう構成してある請求項1記載の脱穀装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−200671(P2010−200671A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49318(P2009−49318)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】