自動靴紐結びシステム
自動靴紐結びシステムを備えた履物物品が開示されている。この自動靴紐結びシステムは、甲を緩んだ位置と締め付けられた位置との間で切り替える自動的に開閉可能なストラップセットを提供する。さらに、物品は、甲の足首部分を自動的に調節するために構成された自動足首締め上げシステムを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として履物に関し、とりわけ本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
履物物品を自動的に締め付けるための装置は、以前から提案されてきた。リュウ(Liu)(米国特許6,691,433号)は、自動締め付け靴を教示している。リュウの締め付け機構は、甲に取り付けられた第1固定部と、閉鎖部材に連結された第2固定部とを有し、この第2固定部は第1固定部と取り外し可能に係合することができ、締め付けられた状態で閉鎖部材を解放できるように保つことができる。リュウは、足底のかかと部分中に取り付けられた駆動ユニットを教示している。この駆動ユニットは、筐体、この筐体中に回転可能に取り付けられたスプール、一対の引っ張りストリングおよびモーターユニットを有する。各ストリングは、スプールに連結された第1端部と、第2固定部中のストリング穴に対応する第2端部とを有する。モーターユニットは、スプールに連結されている。リュウの教示によれば、このモーターユニットは、筐体中でスプールの回転を駆動し、スプール上の引っ張りストリングを巻き上げ、第1固定部に向かって第2固定部を引っぱるように操作可能である。リュウは、これを通って引っ張り紐が完全に伸張するようなガイド管ユニットも教示している。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、自動靴紐結びシステムを有する履物物品を開示している。ある態様では、本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、空洞を有する足底と、空洞中に設けられているモーター(このモーターが駆動シャフトを有し、駆動シャフトが少なくとも1つの歯車を有する)と、少なくとも1つのベルトであって、ベルトの中間位置において少なくとも1つの歯車と係合しているベルトと、上述の少なくとも1つのベルトの付着部分において、上述の少なくとも1つのベルトに連結されているヨーク部材と、ヨーク部材に付いていて、履物物品の甲を調節するように構成されている複数のストラップとを有し、ここで、ストラップは、モーターを活性化させることにより、閉じた位置と緩んだ位置との間で、自動的に動かされうる自動靴紐結びシステムを提供する。
【0004】
別の態様では、ヨーク部材はロッドである。
【0005】
別の態様では、ヨーク部材は、複数のストラップを実質的に一致して動かしうる。
【0006】
別の態様では、ストラップが閉じた位置にある際に、ヨーク部材は、剛性を有する中空板の下方穴セットに隣接して置かれている。
【0007】
別の態様では、ストラップが閉じた位置にある際に、ヨーク部材は、剛性を有する中空板の下方穴セットから離れて置かれている。
【0008】
別の態様では、駆動シャフトは、2つの歯車を有する。
【0009】
別の態様では、駆動シャフトは、上述の2つの歯車と係合するように構成されている2つのベルトを有する。
【0010】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、ストラップ移動機構と、このストラップ移動機構に付けられ、履物物品の甲を調節するように構成されている少なくとも1つのストラップと、甲の側壁部分と関連し、かつ少なくとも1つのストラップの中間部分を受容するように構成されている剛性を有する中空板とを有し、ここで、上述の少なくとも1つのストラップが閉じられた際には、中間部分が剛性を有する中空板内に縮み、かつ、上述の少なくも1つのストラップが開かれた際には、中間部分が剛性を有する中空板から伸張する自動靴紐結びシステムを提供する。
【0011】
別の態様では、剛性を有する中空板は、剛性を有する中空板内に設けられたストラップ受容路を少なくとも1つ有する。
【0012】
別の態様では、この少なくとも1つのストラップ受容路は、少なくとも1つのストラップの一部分を受容するように構成されている。
【0013】
別の態様では、ストラップ受容路は、少なくとも1つのストラップの一部分を、剛性を有する中空板中の下方穴と上方穴との間でガイドするように構成されている。
【0014】
別の態様では、剛性を有する中空板は、中央中空空洞を有する。
【0015】
別の態様では、剛性を有する中空板は、側壁部分の内側表面に寄せ掛けて設けられている。
【0016】
別の態様では、剛性を有する中空板は、側壁部分の外側表面に寄せ掛けて設けられている。
【0017】
別の態様では、剛性を有する中空板は、側壁部分の外側裏地と側壁部分の内側裏地との間に設けられている。
【0018】
別の態様では、ストラップ移動機構が、さらに、駆動シャフト(この駆動シャフトが歯車を有する)を有するモーターと、歯車と係合するよう構成されたベルトとを有し、ここで、ベルトが、少なくとも1つのストラップに動力を供給するよう構成されている。
【0019】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、履物物品の甲を調節するように構成されている第1ストラップと第2ストラップ(ここで、第1ストラップが、第2ストラップに隣接して設けられている)と、第1ストラップおよび第2ストラップに連結されていて、第1ストラップおよび第2ストラップを自動的に動かすように構成されているストラップ移動機構とを有し、ここで、ストラップ移動機構が甲を自動的に調節するように操作される際に、第1ストラップと第2ストラップとが、実質的に一致して動くように構成されている自動靴紐結びシステムを提供する。
【0020】
別の態様では、第1ストラップと第2ストラップとの隣接する部分間の間隙が、実質的に一定である。
【0021】
別の態様では、第1ストラップと第2ストラップとが、第1ストラップと第2ストラップとに力をかけるように構成されているヨーク部材に付けられている。
【0022】
別の態様では、第1ストラップと第2ストラップとは、甲の靴紐結び用間隙の下方に設けられている。
【0023】
別の態様では、第1ストラップと第2ストラップとは、甲の横方向に沿って方向付けられている。
【0024】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、ストラップ移動機構と、ストラップ移動機構に付けられる第1端部部分と、履物物品の甲の側壁部分に付けられる第2端部部分とを有するストラップとを有し、ここで、ストラップ移動機構が、第1端部部分を第1位置から第2位置へと動かし、これによって甲を緩めるように構成されている自動靴紐結びシステムを提供する。
【0025】
別の態様では、ストラップ移動機構は、センサーとやりとりする。
【0026】
別の態様では、センサーは重量センサーである。
【0027】
別の態様では、ストラップ移動機構は、センサーから受信した情報にしたがって、ストラップを動かすように構成されている。
【0028】
別の態様では、ストラップ移動機構は、使用者制御装置とやりとりする。
【0029】
別の態様では、ストラップ移動機構は、使用者制御装置から受信した情報にしたがって、ストラップを動かすように構成されている。
【0030】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動足首締め上げシステムであって、足首部分を有する甲と、足首部分の後方部分に設けられた筐体と、足首部分の前方部分と関連する足首ストラップと、筐体内に設けられているストラップ移動機構とを有し、ストラップが、ストラップ移動機構に付けられた第1端部部分と、筐体に固定的に付けられた第2端部部分とを有し、ここで、ストラップ移動機構は、開いた位置と閉じた位置との間でストラップを自動的に動かし、かつこれにより足首部分を調節するように構成されている自動足首締め上げシステムを提供する。
【0031】
別の態様では、ストラップ移動機構は、コイルバネを有する。
【0032】
別の態様では、コイルバネは、第1端部部分に張力をかける。
【0033】
別の態様では、コイルバネは、足首ストラップを自動的に閉じる方向で、第1端部部分に張力をかける。
【0034】
別の態様では、自動足首締め上げシステムが、足首ストラップを開いた位置でロックするように構成されたロック機構を有する。
【0035】
別の態様では、ロック機構は、重量センサーに関連する情報を受信するように構成されている。
【0036】
別の態様では、ロック機構は、重量センサーに関連する受信した情報にしたがって足首ストラップを解放し、したがって、足首ストラップが閉じた位置に動きかつ足首の回りで締め付けることができるように、構成されている。
【0037】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動足首締め上げシステムであって、足首部分を有する甲と、足首部分の後方部分に設けられた筐体と、足首部分の前方部分と関連する足首ストラップと、ストラップが、ストラップ移動機構に付けられた第1端部部分と、筐体に固定的に付けられた第2端部部分とを有し、ストラップ移動機構は、筐体内で巻きつくように構成されたコイルバネを有し、コイルバネはシャフトの回りで巻きつくように構成されていて、ここで、シャフトは、甲の上方部分から甲の下方部分へと延在する方向で方向づけられている自動足首締め上げシステムを提供する。
【0038】
別の態様では、足首ストラップの第1端部部分は、コイルバネに付けられている。
【0039】
別の態様では、足首ストラップは、足首ストラップの動きを制限するように構成されているロック機構と関連する。
【0040】
別の態様では、筐体は、ストラップの第1端部部分を受容するように構成された路を有する。
【0041】
別の態様では、筐体は、コイルバネを受容するように構成された空洞を有する。
【0042】
別の態様では、本発明は、履物物品の自動靴紐結びシステムを調節する方法であって、使用者制御装置から情報を受信する工程と、使用者制御装置から受信した情報にしたがって、自動靴紐結びシステムを用いて履物物品の甲を自動的に開く工程とを含む方法を提供する。
【0043】
別の態様では、使用者制御装置はボタンである。
【0044】
別の態様では、使用者制御装置はスイッチである。
【0045】
別の態様では、使用者制御装置から情報を受信する工程は、少なくとも1つのセンサーから情報を受信する工程に続く。
【0046】
別の態様では、自動靴紐結びシステムは、少なくとも1つのセンサーから受信した情報にしたがって、甲を閉じるように制御されている。
【0047】
別の態様では、自動靴紐結びシステムは、使用者制御装置から受信した情報にしたがって、甲を閉じるように制御されている。
【0048】
本発明のこれ以外のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討すれば当業者には明らかであろうあるいは明らかになるであろう。このような全ての追加的なシステム、方法、特徴および利点は、この説明内に含まれ、本発明の枠内にあり、以下の請求項により保護されることを意図している。
【0049】
本発明は、以下の図面および説明を参照すると、より理解されうる。図面中の構成要素は必ずしも等尺ではなく、本発明の原理を説明する上で強調もされている。さらに、図面中、同様の参照符号が、様々な図面に渡って対応する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】開いた位置にある履物物品の好適な1実施形態を示す等尺図である。
【図2】足が入られた状態での履物物品の好適な1実施形態を示す等尺図である。
【図3】閉じた位置にある履物物品の好適な1実施形態を示す等尺図である。
【図4】開いた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図5】足首の回りで閉じつつある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図6】閉じた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図7】開いた位置にある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図8】足の回りで閉じつつある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図9】閉じた位置にある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図10】自動的に開きつつある履物物品の好適な1実施形態の等尺図である。
【図11】開いた位置にある履物物品の好適な1実施形態の等尺図である。
【図12】自動靴紐結びシステムを含む履物物品の好適な1実施形態の側面断面図である。
【図13】自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の分解等尺図である。
【図14】剛性を有する中空板の好適な1実施形態の断面図である。
【図15】剛性を有する中空板の1代替実施形態の断面図である。
【図16】ストラップ移動機構へのオプション入力の好適な1実施形態の概略図である。
【図17】開いた位置にある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図18】自動靴紐結びシステムが締め付けつつある状態での好適な1実施形態の等尺図である。
【図19】閉じた位置にある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図20】緩みつつある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図21】緩みつつある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図22】自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の分解等尺図である。
【図23】自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図24】開いた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の上面図である。
【図25】閉じた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の上面図である。
【図26】開いた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、スポーツシューズの形態を有する履物物品100(単に、物品100とも称される)の好適な1実施形態を示す図である。明確にするために、以下の詳細な説明では好適な実施形態に関して説明を行うが、本発明は、これ以外の任意の種類の履物の形態、例えば、スケート、長靴、スキーブーツ、スノーボード用ブーツ、サイクリングシューズ、フォーマルシューズ、スリッパまたはこれ以外の任意の種類の履物の形態もとることができる点に関して留意されたい。
【0052】
物品100は、好ましくは甲102を有する。甲102は、足106を甲102に入れることができるようにする入口穴105を有する。好ましくは甲102が、足106を受容するように構成された内側空洞も有する場合もある。とりわけ、入口穴105は、内側空洞へのアクセスを提供することが好ましい。
【0053】
好ましくは、甲102が、足底104と関連しうる。好適な1実施形態では、甲102は、足底104に付いている。甲102が、縫い糸または接着剤により足底104に連結されている場合もある。別の場合では、甲102が足底104と一体形成されうる。
【0054】
好ましくは、足底104が中底を有する。足底104が足と接触するように構成されている中敷も有しうる実施形態もある。別の実施形態では、足底104は、地面と接触するように構成されている外底を有しうる。好適な1実施形態では、足底104は、中底と外底と中敷とを有しうる。
【0055】
概して、足底104は履物物品100の用途に応じて牽引力を高めるための設備を備えうる。足底104が様々な溝形パターンを有しうる実施形態もある。別の実施形態では、足底104は1つまたは複数の滑り止めを有しうる。さらに別の実施形態では、足底104は、溝形パターンと、複数の滑り止めとの両方を有しうる。これらの設備はオプションであると理解すべきである。例えば、さらに別の実施形態では、足底104が有する地面に接触する下面は、全体的に滑らかでありえる。
【0056】
甲102は任意のデザインを有しうる。甲102がロートップスニーカーの外観を有しうる実施形態もある。別の実施形態では、甲102がハイトップスニーカーの外観を有しうる。この好適な実施形態では、甲102は、高い足首部分132を有しうる。とりわけ、甲102は、第1伸張部分181と第2伸張部分182とを有しうる。本実施形態では、第1伸張部分181と第2伸張部分182とは、概して三角形の形状を有する。別の実施形態では、第1伸張部分181と第2伸張部分182とは、別の形状を有しうる。これ以外の形状の例とは、限定されるのではないが、丸い形状、正方形形状、多角形形状、規則的な形状および不規則的な形状である。足首部分132用にこの構成を用いることにより、甲102がさらに足首をサポートするのを助けうる。
【0057】
物品100は、甲102を足106の回りに締め付け設備を有しうる。足106が甲102中に入った後に甲102を締め付けるために、物品100が、靴紐、ストラップおよび/または固定部などと関連づけられている実施形態もある。物品100が、使用者により手動で調節可能な靴紐、ストラップおよび/または固定部を有しうる場合もある。好適な1実施形態では、物品100が、甲102と関連する靴紐、ストラップおよび/またはこれ以外の固定部を自動的に調節するための設備を有しうる。自動的に調節する靴紐、ストラップおよび/またはこれ以外の固定部を用いることにより、使用者の努力を最低限に抑えつつ、甲102を足の回りで締め付けることができる。
【0058】
甲102が、甲102の様々な部分と関連する個別の締め付けるためのシステムを有しうる実施形態もある。この例示的な実施形態では、甲102は、甲102の足弓部分130と関連する自動靴紐結びシステム122を有することができる。同様に、甲102は、甲102の足首部分132と関連する自動足首締め上げシステム124を有することができる。好ましくは、甲102を足106と足首108との回りで自動的に締め付けるおよび/または緩めるように、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とを構成しうる。
【0059】
自動靴紐結びシステム122は、好ましくは、複数のストラップを有する。ストラップという用語は、この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、履物物品の一部分を足に締め付けるために用いられうる任意の装置を指す。概して、ストラップは任意の形状を有しうる。ストラップが長方形またはリボンのような形状を有しうる実施形態もある。しかし、ストラップという用語は、リボンのような形状を有する締め付け装置に限定される意図がないと理解されるべきである。別の実施形態では、例えば、ストラップは紐のような形状を有しうる。また別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、別のタイプの固定部と関連することができる。自動靴紐結びシステム122と共に用いることができる他の固定部には、限定されるのではないが、紐、コードおよびストリングが含まれる。
【0060】
さらに、ストラップは、任意の材料で作られうる。用いられうる材料の例には、限定されるのではないが、皮、天然の布地、合成布地、金属、ゴムおよびこれ以外の材料が含まれる。ストラップが、同様に任意の種類の織物ストラップでありうるという実施形態もある。とりわけ、ストラップは、当該分野で公知の織物ストラップを作るための任意の材料で織られうる。
【0061】
概して、自動靴紐結びシステム122は、任意の数のストラップを有しうる。1つのストラップのみが設けられうる実施形態もある。別の実施形態では、複数のストラップが設けられうる。本実施形態では、靴紐結びシステム122は、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114を含む4本のストラップを有する。明確にするために、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114をまとめて、ストラップセット115と称しうる。
【0062】
本実施形態では、ストラップセット115は、甲102の靴紐結び用間隙107の下方に設けられている。好ましくは、ストラップセット115が、靴紐結び用間隙107のサイズを調節するように構成されうる。紐結び用間隙107のサイズは調節されるので、甲102の側壁部分は、互いに近づく、または、互いに離れるように動きうる。このように配置することにより、ストラップセット115の調節にしたがって、甲102を、足106の足弓の回りで開くおよび/または閉じることができる。
【0063】
概して、ストラップセット115は、甲102上において任意の方向で配置されうる。ストラップセット115が概して縦長方向で伸張しうるという実施形態もある。好ましくは、ストラップセット115は甲102に対して横方向に配置されうる。この詳細な説明および請求項で使用する場合には、「横方向」という用語は、甲102の中央から、甲102の横側に伸張する方向を指す。すなわち、横方向とは、好ましくは甲102の幅に沿って伸張する方向である。
【0064】
さらに、ストラップセット115は、隣接するストラップ間で任意の間隙を有しうる。隣接するストラップ間の間隙が変りうる実施形態もある。別の実施形態では、1つまたは複数のストラップが、互いに渡り合うまたは交差しうる。好適な1実施形態では、ストラップセット115のストラップの間隙は、ほぼ均一でありえる。とりわけ、2つのストラップの隣接する部分間の幅は、ほぼ一定であり続ける。すなわち、ストラップは、隣接する部分においてほぼ平行でありえる。
【0065】
自動靴紐結びシステム122は、本実施形態では、足弓部分130において甲102を締め付けおよび/または緩めるように構成されているが、別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、甲102の別の部分と関連づけられうる。例えば、別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、甲102の側部部分において甲102を締め付けるように構成されることができる。さらに、自動靴紐結びシステム122は、甲102のつま先部分と関連することができる。さらに別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、甲102のかかと部分と関連することができる。
【0066】
自動足首締め上げシステム124は、好ましくは、少なくとも1つの足首ストラップを有する。自動足首締め上げシステム124が、複数の足首ストラップを有しうる実施形態もある。この好適な実施形態では、自動足首締め上げシステム124は、足首ストラップ150を有する。足首ストラップ150は、任意の種類のストラップでありえ、これには、自動靴紐結びシステム122のストラップに関して上述した任意の種類のストラップも含まれている。足首ストラップ150が、ストラップセット115のストラップと類似の種類のストラップでありえる実施形態もある。別の実施形態では、足首ストラップ150は、ストラップセット115のストラップとは異なる種類のストラップでありえる。
【0067】
好ましくは、自動足首締め上げシステム124が、足首ストラップ150の一部分を受容する設備も有する。この実施形態では、自動足首締め上げシステム124は、足首ストラップ150の一部分を受容するように構成された筐体160を有する。筐体160は、甲102の足首部分132の任意の場所に位置づけられうる。筐体160が、足首部分132の側方に設けられうる場合もある。別の場合では、筐体160は、足首部分132の前方に設けられうる。この好適な実施形態では、筐体160は、足首部分132の後方部分161に設けられうる。
【0068】
図1〜図3は、物品100の自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との操作の好適な1実施形態を示す図である。まず、図1からわかるように、物品100は、足106を受容するように構成されうる。とりわけ、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とは、それぞれ開いた位置で構成されうる。この開いた位置では、入口穴105が広く開いていることができる。さらに、この開いた位置においては、靴紐結び用間隙107も広く開いていることができる。好ましくは、この自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との開いた位置は、甲102の開いたないし緩んだ位置と関連しうる。
【0069】
図2を参照すると、足106は、物品100中に完全に入れられている。この時点で、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とは活性化されていない。これゆえに、甲102は足106の回りで締め付けられていない。好ましくは、足106が甲102中に入れられた直後に、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが活性化されうる。足が存在するか否かを検出するために1つまたは複数のセンサーを用いて、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが、活性化されうる場合もある。別の場合では、ボタンなどの1つまたは複数の使用者制御装置を用いて、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが活性化されうる場合もある。このような設備の詳細に関しては、以下でより詳細に説明する。
【0070】
図3を参照すると、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが活性化されている。このように自動靴紐結びシステム122が閉じた位置にある際には、甲102の足弓部分130が、足106の回りで締め付けられている(図1参照)。同様に、自動足首締め上げシステム124がこのように閉じた位置にある場合には、甲102の足首部分132は、好ましくは足首108の回りで締め付けられている(図1参照)。
【0071】
図4〜図9は、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との固定に関して図示している。図4を参照すると、自動足首締め上げシステム124は、当初は開いた位置にあるように構成されている。この開いた位置では、足首ストラップ150は概して緩んでいる。とりわけ、第1足首側壁部分404は、足首108の幅よりもずっと広い距離D1だけ、第2足首側壁部分406から離れている。この構成により、足106を容易に挿入および/または抜くことができる。
【0072】
図5を参照すると、自動足首締め上げシステム124が、足首108の回りを締め付け始めていて、足首ストラップ150が部分的に筐体160内で縮んでいる。この時点で、足首ストラップ150は、甲102内での足首108の動きを部分的に制限する。さらに、第1足首側壁部分404は、第2足首側壁部分406から、距離D1よりも小さい距離D2分だけ離れている。すなわち、第1足首側壁部分404と第2足首側壁部分406とは、足首108の任意の移動を部分的に制限するために、足首108に対してわずかに縮まっている。
【0073】
図6を参照すると、自動足首締め上げシステム124は閉じた位置にある。とりわけ、足首ストラップ150は足首108の回りで完全に締め付けられている。この時点で、足首108が横方向に動く、および甲102に入るまたはこれから抜けることがないように、足首ストラップ150は構成されている。第1足首側壁部分404は、第2足首側壁部分406から、距離D2より実質的に小さい距離D3だけ離れうる。好ましくは、距離D3は、足首108の移動を実質的に制限するのに十分なほど小さい。このように配置することにより、足首108を支え、および足が抜けないように入口穴105のサイズを実質的に縮めるために、甲102の足首部分132は、足首108の回りで締め付けられることができる。
【0074】
自動足首締め上げシステム124が、ロゴまたはこれ以外の種類の印を備えうる実施形態もある。足首ストラップ150が、ロゴまたはこれ以外の種類の印を備えうる場合もある。別の場合では、自動足首締め上げシステム124の別の部分が、ロゴまたは印を有しうる。この好適な実施形態では、足首ストラップ150はロゴ410を有する。図4〜図6からわかるように、足首ストラップ150が足首108の回りで締め付けるように動くにしたがって、ロゴ410が足首ストラップ150と共に動きうる。この好適な配置により、足首ストラップ150が、完全に閉じたないし締め付けられた位置にある際には、ロゴ410が履物物品の前方部分の方向を向いている。
【0075】
図7を参照すると、自動靴紐結びシステム122は、当初、固定されていない開いた位置にあるように構成されている。この開いた位置では、ストラップセット115は概して緩んでいる。とりわけ、靴紐結び用間隙107の第1側壁縁802と第2側壁縁804とは、広く離れうる。この時点で、靴紐結び用間隙107の平均幅は平均幅W1である。好ましくは、平均幅W1は、足を容易に挿入および/または抜くことができるように十分広い。
【0076】
靴紐結び用間隙107の幅は、足弓130の長さ方向に渡って異なりうると理解すべきである。靴紐結び用間隙107が、甲102の入口穴105に隣接する第1部分720で概して最も広くなりうる実施形態もある。同様に、靴紐結び用間隙107が、甲102のつま先部分724に隣接する第2部分722で最も狭くなりうる。したがって、「平均幅」という用語は、この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、様々な部分における靴紐結び用間隙107の幅の平均を意味するのであって、特定の部分における靴紐結び用間隙107の幅を指す必要はないと理解すべきである。
【0077】
図8を参照すると、自動靴紐結びシステム122が締め付け始めるので、靴紐結び用間隙107は縮みうる。とりわけ、部分的に靴紐結び用間隙107を閉じるために、ストラップセット115が、第1側壁縁802と第2側壁縁804との間で張力をかけうる。この時点で、靴紐結び用間隙107の平均幅W2は、平均幅W1よりも実質的により小さい。幅W2は、甲102内での足の動きを部分的に制限するのに十分なほど小さい。
【0078】
図9を参照すると、自動靴紐結びシステム122は足の回りで完全に閉じられている。この時点で、甲102内で足が実質的に動くのを防ぐようにストラップセット115は構成されている。とりわけ、平均幅W2よりも実質的に小さい平均幅W3にまで、靴紐結び用間隙107が縮んでいる。このように配置することにより、甲102は足の回りで完全に締め付けられ、足をより強く支えうる。
【0079】
甲102が自動的に緩められうる実施形態もある。別の実施形態では、甲102は手動で緩められうる。また別の実施形態では、甲102の第1部分が自動的に緩められ、甲102の第2部分が手動で緩められうる。好適な1実施形態では、自動靴紐結びシステム122が自動的に緩められうるように構成されうる。同様に、自動足首締め上げシステム124は手動で緩められうる。
【0080】
好ましくは、物品100は、使用者が履物物品100を脱ごうとするとした時に、自動靴紐結びシステム122を自動的に開くための設備を有しうる。使用者から受け取る信号にしたがって、自動靴紐結びシステム122が自動的に緩みうる場合もある。例えば、ある実施形態では、使用者がボタンを押し、それにより、自動靴紐結びシステム122が開いた位置に動き、その結果甲102が足の回りで緩むことができる。別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122が、使用者の入力なしに自動的に開いた位置へと動きうる。
【0081】
図10は、開いた位置へと動きつつある自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124の例示的な実施形態を示す。この実施形態では、使用者1002が、甲102が緩められるべきだと示すためにボタン1004を押しうる。この実施形態は例示的な実施形態であるとのみ意図され、別の実施形態では、別の種類のボタン、レバーおよびこれ以外の入力機構を用いて、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とを開くことができると理解されるべきである。
【0082】
図10からわかるように、自動靴紐結びシステム122は、足弓部分130においてストラップセット115を緩めるために制御されている。足首部分132において足首ストラップ150が自動的に緩められるように自動足首締め上げシステム124も構成されうる実施形態もある。好適な1実施形態では、足首ストラップ150は、装着者によって手で緩められうる。例えば、足首ストラップを開いたないし緩んだ位置に調節するために、装着者が足首ストラップ150を引くことができる場合もある。このように配置することにより、甲102を足および足首の回りで緩めることができ、使用者が容易に履物物品100を脱ぐことができる。
【0083】
図11は、完全に緩んだないし開いた位置にある物品100の例示的な実施形態を示す図である。とりわけ、自動靴紐結びシステム122は、完全に開いた位置にあり、靴紐結び用間隙107が広くなっている。同様に、自動足首締め上げシステム124も完全に開いた位置にあり、入口穴105が広くなっている。甲102が完全に緩められることにより、足106および足首108は、完全に甲102から抜くことができる。
【0084】
本実施形態では、自動靴紐結びシステム122および自動足首締め上げシステム124は、ほぼ同時に開閉するように構成されている。しかし、別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが独立して操作されうると理解すべきである。例えば、ある代替実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、自動足首締め上げシステム124が開くおよび/または閉じる前に開かれ、および/または、閉じられうる。
【0085】
図12〜26は、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との双方の構成要素と操作とを個々に詳細に図示することを意図している。以下の詳細な説明は、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との好適な1実施形態を説明していると理解されるべきである。別の実施形態では、これらのシステムの設備または構成要素のいくつかはオプションでありうる。さらに、別の実施形態では、追加的な設備または構成要素が、これらのシステムに設けられうる。
【0086】
図12および図13は、それぞれ、自動靴紐結びシステム122の組み立て等尺図および分解等尺図である。明確にするために、図12では、甲102の一部分を切り取っている。
【0087】
上述したように、自動靴紐結びシステム122は、好ましくはストラップセット115を有する。好ましくは、自動靴紐結びシステム122は、ストラップセット115を移動させるための設備も有している。この実施形態では、自動靴紐結びシステム122が、好ましくはストラップ移動機構1202を有する。この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、「ストラップ移動機構」という用語は、使用者による作業を必要とすることなく、1つまたは複数のストラップを移動させることができる任意の機構を指している。
【0088】
好ましくは、ストラップ移動機構1202は、自動靴紐結びシステム122に動力を供給するための設備を有する。概ね、任意の種類の電源を利用することができる。様々な種類の電源には、限定されるのではないが、電気的な動力源、機械的な動力源、化学的な動力源およびこれ以外の種類の動力源が含まれる。ストラップ移動機構1202がモーター1230を有する実施形態もある。モーター1230は、任意の種類のモーターでありえ、これには、限定されるのではないが、電気モーター、静電気モーター、空気モーター、油圧モーター、燃料動力源モーターまたは任意のこれ以外の種類のモーターが含まれる。この好適な実施形態では、モーター1230は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電気モーターである。
【0089】
概ね、モーター1230は、ある種の電源と関連付けられうる。モーター1230が、外部電池と関連しうる場合もある。また別の場合では、モーター1230は内部電池を有しうる。この好適な実施形態では、モーター1230は、内部電池1299から電力を受け取るように構成されうる。電池1299は、任意の種類の電池でありえる。電池1299が、使い捨て電池でありえる実施形態もある。様々な種類の使い捨て電池の例としては、限定されるのではないが、亜鉛電池、塩化亜鉛電池、アルカリ電池、酸化銀電池、二硫化リチウム電池、塩化チオニールリチウム電池、水銀電池、亜鉛空気電池、熱電池、水活性化電池、オキシ水素化ニッケル電池およびペーパー電池が含まれる。好適な1実施形態では、電池1299は、ある種の再充電可能な電池でありえる。再充電可能な電池の例には、限定されるのではないが、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池および再充電可能なアルカリ電池が含まれる。
【0090】
概ね、電池1299は、物品100の任意の部分に設置されうる。電池1299が、物品100の足首折り返し口に関連しうる実施形態もある。別の実施形態では、電池1299が、甲102の別の部分に設けられうる。好適な実施形態では、電池1299は、足底104の一部分中に設けられうる。このように配置することにより、電池1299を部材から保護するのを助け、装着者の足に直接接触するのから保護するのを助けるので好ましい。
【0091】
概ね、電池1299のサイズは異なりうる。電池1299の長さが、10mm〜50mmの範囲内でありえる実施形態もある。さらに、電池1299の幅が、10mm〜50mmの範囲内でありえる。好適な1実施形態では、電池1299の幅は約30mmである。さらに、好ましくは、電池1299の長さは約40mmである。
【0092】
物品100が、電池を再充電する設備を有しうる実施形態もある。誘導充電器が用いられうる場合もある。別の場合では、USBベースの充電器が用いられうる。さらに別の場合では、これ以外の種類の充電設備が用いられうる。この好適な実施形態では、足底104が、充電ポート1297を有する。この実施形態では、充電ポート1297は、ミニUSBタイプの充電ポートでありえる。さらに、充電ポート1297は、ある種の電気回路を介して電池1299と電気的に接続されうる。好ましくは、充電ポート1297は、ある種の電池充電器と連結されうる。このように配置することにより、電池1299を再充電するために、電力が、外側電源から電池1299に伝送されうる。
【0093】
モーター1230は、駆動シャフト1232に連結されうる。とりわけ、モーター1230は、駆動シャフト1232を回転させるために、駆動シャフト1232にトルクを与えるように構成されているのが好ましい。さらに、駆動シャフト1232は、ストラップセット115に動力を伝送するための1つまたは複数の歯車を有しうる。この好適な実施形態では、駆動シャフト1232は、第1歯車1240と第2歯車1242とを有しうる。
【0094】
ストラップ移動機構1202が、ストラップセット115に動力を伝送するために1つまたは複数のベルトを有しうるという実施形態もある。この実施形態では、ストラップ移動機構1202は、第1ベルト1250と第2ベルト1252とを有しうる。好ましくは、第1ベルト1250と第2ベルト1252とは、第1歯車1240と第2歯車1242とにそれぞれ係合するように構成されている。好適な1実施形態では、第1歯車1240と第2歯車1242とが回転するにしたがって、第1ベルト1250と第2ベルト1252とが、足底104に対して横方向に動くサーペンタインベルトである。
【0095】
第1ベルト1250と第2ベルト1252とが、ストラップセット115と関連しているヨーク部材に付くことができる実施形態もある。この実施形態では、第1ベルト1250の第1付着部分1260が、ヨーク部材1270に直接付きうる。また、第2ベルト1252の第2付着部分1262が、ヨーク部材1270に直接付くことができる。
【0096】
好ましくは、ストラップセット115の各ストラップも、ヨーク部材1270に直接付いている。この実施形態では、第1ストラップ111の第1端部部分1281が、ヨーク部材1270に付いている。同様に、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114が、好ましくは同様の端部部分で、ヨーク部材1270に付いている。このように配置することにより、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114にくびきをかける構成が提供される。このように配置することにより、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114が、ストラップセット115の第1端部1290においてほぼ一致して動くことができる。これにより、好ましくは、甲102の締め付けおよび緩めるのが、甲102の足弓部分130に渡って均一に適用されることができる。
【0097】
概して、ヨーク部材1270は、任意の種類のヨークでありえる。ヨーク部材1270が湾曲ヨークでありえる実施形態もある。例えば、ヨーク部材1270が弓形ヨークでありうる場合もある。別の実施形態では、ヨーク部材1270はほぼ真っ直ぐである。この好適な実施形態では、ヨーク部材1270はほぼ円筒状の棒またはロッド形状を有する。このように配置することにより、ヨーク部材1270の長さ全体にわたって、ほぼ平行に複数のストラップが連結されうる。
【0098】
好ましくは、物品100は、ストラップ移動機構1202の1つまたは複数の構成要素を受容するための設備を有する。ストラップ移動機構1202の1つまたは複数の構成要素が、甲102内に設けられうる実施形態もある。別の実施形態では、ストラップ移動機構1202の1つまたは複数の要素が、足底104内に設けられうる。この好適な実施形態では、足底104がストラップ移動機構1202の複数の構成要素を受容するように構成された内側空洞を有しうる。
【0099】
図12および図13を参照すると、足底104は、好ましくは内側空洞1285を有する。概して、この内側空洞1285は、任意の形状をとりうる。この様々な形状の例は、限定されるのではないが、円形状、楕円形状、四角形状、長方形形状、多角形形状、規則的な形状、不規則な形状およびこれ以外の種類の形状を含む。この例示的な実施形態では、内側空洞1285は、概ね長方形形状を有する。
【0100】
内側空洞1285は、好ましくはモーター1230を受容するように構成されている。さらに、内側空洞1285は、第1歯車1240と第2歯車1242とを含む駆動シャフト1232を受容するように構成されうる。とりわけ、内側空洞1285は、駆動シャフト1232、第1歯車1240および第2歯車1242の回転する空間を提供しうる。
【0101】
内側空洞1285が、足底104内の内側に設けられうる実施形態もある。すなわち、内側空洞1285は、足底104の上面の下方に設けられうる。別の実施形態では、内側空洞1285は、足底104の上面において開いていることができる。すなわち、内側空洞1285は、甲102の内側部分と流体伝達しうる。
【0102】
本実施形態では、内側空洞1285は、足底104の上面1289に設けられている上方開口1287を有している。すなわち、内側空洞1285は、上面1289の切り欠かれた部分である。内側空洞1285を、甲102の空洞1291を受容する足から離すために、足底104の上面1289が中敷によって覆われることができる実施形態もある。このように配置することにより、内側空洞1285内に設けられうるストラップ移動機構1202の1つまたは複数の構成要素と、足とが接触、および、場合によっては干渉しあうことが防がれうる。
【0103】
好ましくは、自動靴紐結びシステム122は、甲102内でストラップセット115をガイドするための設備も有する。この実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、剛性を有する中空板1300を有する。この実施形態では、剛性を有する中空板1300は、甲102の第1側壁部分1302と関連しうる。剛性を有する中空板1300が、第1側壁部分1302の内側面によりかかって設けられうるという実施形態もある。別の実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1側壁部分1302の外側面に寄りかかって設けられうる。好適な1実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1側壁部分1302と統合されうる。すなわち、剛性を有する中空板1300は、甲102の内側裏地と外側裏地との間に設けられることができ、第1側壁部分1302を剛性を有するように支持している。
【0104】
図13を参照すると、剛性を有する中空板1300は、剛性を有する中空板1300の中空空洞へストラップを受容およびここからストラップを解放するための穴を有しうる。この実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1下方穴1311、第2下方穴1312、第3下方穴1313および第4下方穴1314を有し、これらはまとめて、下方穴セット1315と称される。さらに、剛性を有する中空板1300は、第1上方穴1321、第2上方穴1322、第3上方穴1323および第4上方穴1324を有し、これらはまとめて、上方穴セット1325と称される。
【0105】
図13に図示されているように、第1ストラップ111の第2端部1330は、第1下方穴1311において剛性を有する中空板1300中に挿入され、第1上方穴においてこの剛性を有する中空板1300から出ることができる。好ましくは、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114の第2部分も同様に、それぞれ、第2下方穴1312、第3下方穴1313および第4下方穴1314中に挿入されうる。同様に、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114の第2端部部分は、それぞれ、第2上方穴1322、第3上方穴1323および第4上方穴1324において、剛性を有する中空板1300から出ることができる。このように配置することにより、剛性を有する中空板1300は、ストラップセット115のガイドとして役立ちうる。好ましくは、剛性を有する中空板1300は、これがない場合にはストラップの動きを妨げることになりうる、ストラップセット115のストラップと甲102との間の摩擦を低減するのを助ける。
【0106】
概して、剛性を有する中空板1300は任意の形状を有しうる。剛性を有する中空板1300が概ね平坦でありえる実施形態もある。別の実施形態では、剛性を有する中空板1300は湾曲を有しうる。好適な1実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1側壁部分1302の輪郭にほぼ合う湾曲形状を有しうる。さらに、剛性を有する中空板1300は、好ましくは、足底104から第1側壁部分1302の上部へ伸張している。このように配置することにより、剛性を有する中空板1300は、ストラップセット115を甲102の内部を通ってガイドするのを助けうる。
【0107】
概して、剛性を有する中空板1300の厚さは任意の厚さでありえる。剛性を有する中空板1300の厚さが、甲102の裏地の厚さよりもずっと大きくありえるという実施形態もある。別の実施形態では、剛性を有する中空板1300の厚さは、甲102の裏地の厚さよりも実質的に小さい。この好適な実施形態では、剛性を有する中空板1300の厚さは、甲102の裏地の厚さとほぼ同様である。このように配置することにより、好ましくは、剛性を有する中空板1300が、第1側壁部分1302において、甲102の動きおよび柔軟性にほぼ干渉しない。
【0108】
剛性を有する中空板は、剛性を有する任意の材料で作られうる。好ましくは、剛性を有する中空板は、甲よりも剛性が実質的により高い材料で作られている。剛性を有する中空板を作るために用いられうる様々な材料の例には、限定されるのではないが、プラスチック、剛性ゴム、金属、木材およびこれ以外の材料が含まれる。この好適な実施形態では、剛性を有する中空板1300は、実質的に剛性を有するプラスチックで作られている。
【0109】
図14は、剛性を有する中空板1300の内部の好適な1実施形態の断面図である。図14を参照すると、剛性を有する中空板1300は、ストラップセット115の各ストラップを受容する個々の路を有しうる。この実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1ストラップ受容路1341、第2ストラップ受容路1342、第3ストラップ受容路1343および第4ストラップ受容路1344を有し、これらは、それぞれ、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114を受容するように構成されている。
【0110】
ストラップ受容路を、ストラップセット115のストラップよりもずっと大きくしうる実施形態もある。好適な1実施形態では、第1ストラップ受容路1341、第2ストラップ受容路1342、第3ストラップ受容路1343および第4ストラップ受容路1344の大きさは、ストラップセット115のストラップの大きさとほぼ同様である。このように配置することにより、滑らかなスライドを妨げる望まない湾曲、よじれまたはこれ以外の形式の動きを許すことなく、各ストラップが剛性を有する中空板1300を通って滑らかにスライド移動することができるガイドとして、第1ストラップ受容路1341、第2ストラップ受容路1342、第3ストラップ受容路1343および第4ストラップ受容路1344が構成されうる。例えば、ストラップ受容路が大きすぎる場合には、ストラップ受容路内で、ストラップが、ストラップ受容路を滑らかに通るのではなく、束になったり、折れたりしうる。
【0111】
概して、剛性を有する中空板1300は、任意の形状の路でありえる。本実施形態では、第1ストラップ受容路1341、第2ストラップ受容路1342、第3ストラップ受容路1343および第4ストラップ受容路1344の形状は、僅かに湾曲した形状であるが、この理由は、剛性を有する中空板1300が実質的に湾曲した形状であるからである。しかし、別の実施形態では、剛性を有する中空板の路は、ほぼまっすぐでありえる。
【0112】
図15は、剛性を有する中空板1300の代替実施形態を示す図である。この代替実施形態では、剛性を有する中空板1300は、ストラップセット115内の各ストラップを受容するための中央中空空洞1502を有する。好ましくは、この中央中空空洞1502の厚さは、ストラップセット115の各ストラップの厚さとほぼ等しい。このように配置することにより、ストラップセット115内で各ストラップが折れたり、束になったりよじれたりすることが許されることなく、ストラップセット115の各ストラップの中央中空空洞1502を通る移動が可能になるので好ましい。
【0113】
本実施形態は、自動靴紐結びシステムのストラップをガイドするのに役に立つ剛性を有する中空板を有するが、別の実施形態では、別の設備が設けらうる。概して、ストラップセットと側壁部分との間の摩擦を低減するための任意の設備が用いられうる。別の実施形態では、例えば、甲の裏地の剛性が十分強く、これが、ストラップセットと側壁部分との間の摩擦を実質的に低減することができる。さらに、甲の裏地は、ストラップセットを受容し、ストラップをガイドするのを助けるように構成された路を有することができる。また別の実施形態では、ストラップセットに対して、実質的に低摩擦表面を呈することができるように、甲の裏地をコーティングすることができる。また別の実施形態では、低摩擦布地を用いて、甲の裏地を作ることができる。また別の実施形態では、1つまたは複数の柔軟性を有する管が、甲内でストラップセットを受容するように構成されることができ、これにより、甲を通ってストラップセットをガイドするのを助けるように構成されうる。
【0114】
図16を参照すると、自動靴紐結びシステム122は、ストラップ移動機構1202を制御するための1つまたは複数の設備を有することができる。とりわけ、自動靴紐結びシステム122は、1つまたは複数の制御システム、センサー、使用者操作装置またはこれ以外の設備と関連を有しうる。以下の設備の各々が、例示的であると意図され、いくつかの設備がオプションでありうる実施形態もあると理解されるべきである。
【0115】
上述したように、自動靴紐結びシステム122は、好ましくは、ストラップセットを開閉するためのストラップ移動機構を活性化させるための設備を有する。ストラップ移動機構1202が、ある種の制御システムを備えうる実施形態もある。「制御システム」という用語は、この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、ストラップ移動機構の操作状態を決定するための任意の種類の装置を指す。例えば、制御システムが、ある種の中央演算処理装置(CPU)でありえる実施形態もある。別の実施形態では、制御システムは、電気入力を受け取り、この入力に応じて電気出力を出力するある種の単純な回路でありえる。この好適な実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、好ましくは、第1接続部1611を介してストラップ移動機構1202に接続されている制御システム1650を有する。
【0116】
概して、制御システム1650は、物品100の任意の部分に設けられることができる。制御システム1650が、甲102の一部分に設けられうる実施形態もある。好適な1実施形態では、制御システム1650は、足底104中に設けられうる。図17を参照すると、制御システム1650は、足底104と関連しうる。とりわけ、制御システム1650は、足底104のかかと部分内に設けられうる。
【0117】
概して、制御システム1650は任意のサイズを有しうる。制御システム1650の長さが10mm〜50mmの範囲内でありえる実施形態もある。同様に、制御システム1650の長さが10mm〜50mmの範囲内でありえる。好適な1実施形態では、制御システム1650の長さは約40mmでありえる。また、制御システム1650の幅は約30mmでありえる。また別の実施形態では、制御システム1650の長さは約25mmでありえる。また、制御システム1650の幅は約25mmでありえる。
【0118】
図16を再び参照すると、自動靴紐結びシステム122は、自動靴紐結びシステム122がいつ甲102を締め付けるまたは緩めるべきであるかを決定するために用いられうる1つまたは複数のセンサーを有しうる。使用可能な様々な種類のセンサーには、限定されるのではないが、重量センサー、光センサー、音響センサー、熱センサーおよびこれ以外の種類のセンサーが含まれる。本実施形態では、自動靴紐結びシステム122には重量センサー1606が設けられうる。重量センサー1606が、ストラップ移動機構1202に直接接続されうる場合もある。好適な1実施形態では、重量センサー1606は、第2接続部1612を介して制御システム1650に接続されうる。このように配置することにより、制御システム1650は、ストラップ移動機構1202が活性化されるべきであるか否かを決めるために、重量センサー1606から信号を受信しうる。
【0119】
概して、重量センサー1606は、物品100の任意の箇所に位置づけることができる。重量センサー1606が足底104の一部分中に位置づけられうる実施形態もある。好適な1実施形態では、重量センサー1606は、物品100の中敷またはソックライナーに位置づけられることができる。また別の実施形態では、重量センサー1606は、物品100の別の箇所に位置づけられることができる。
【0120】
図17を参照すると、物品100がソックライナー1799を有することができる実施形態もある。概して、ソックライナー1799は、任意の種類の中敷または裏地でありえる。ソックライナー1799が取り外し可能な裏地でありえる場合もある。別の実施形態では、ソックライナー1799は、永続的に足底104に付着しうる。
【0121】
好ましくは、重量センサー1606は、ソックライナー1799のかかと部分1797中に設置されうる。このように配置することにより、足が甲102中に挿入され、かかと部分1797を押圧すると、ストラップ移動機構1202を活性化するために、制御システム1650に信号が送られうる。この時点で、制御システム1650は、ストラップセット115を動かすことにより甲102を締め付けるために、ストラップ移動機構1202を活性化させるための信号を送信することができる。
【0122】
重量センサー1606からの信号に従って、ストラップ移動機構1202を自動的に活性化させるように、制御システム1650が構成されうる実施形態もある。しかし、別の実施形態では、制御システム1650は、重量センサー1606から信号を受け取ると、ある時間遅延をするように構成されうる。このように配置することにより、使用者が足を完全に入れることができるようにするために、何らかの時間が経過するまでは、ストラップ移動機構1202が活性化されえない。
【0123】
重量センサーに加えてさらなるセンサーが用いられうる実施形態もあると理解されるべきである。センサーを用いて、ストラップセットの締め付けに関する情報を提供することができる実施形態もある。ストラップセットが適切に締め付けられているか否かを決めるために、センサーがストラップセットの一部分に適用されうる場合もある。別の場合では、センサーはモーターに適用されうる。ストラップセットのストラップを動かし続けるのにモーターが必要とするトルクまたは力を測定することにより、締め付けの適切な度合いを決めることができる。
【0124】
図16を再び参照すると、ストラップ移動機構1202には、使用者制御装置が備えられうる。「使用者制御装置」という用語は、使用者から入力を直接受け取ることができるように構成された任意の装置を指す。本実施形態では、制御システム1650は、好ましくは第3接続部1613を介して使用者制御装置1608に接続されている。使用者制御装置1608から信号を受信すると、制御システム1650は、ストラップ移動機構1202を活性化することができる。使用者制御装置の例には、図10に図示したようなストラップ移動機構1202を活性化させるために押されうるボタンが含まれる。しかし、別の実施形態では、任意の種類の使用者制御装置を使用することができ、これには、限定されるのではないが、レバー、スイッチ、ダイアル、コンソールまたはこれ以外の使用者制御装置が含まれる。
【0125】
概して、第1接続部1611、第2接続部1612および第3接続部1613は、情報および/またはエネルギーを伝送するように構成された任意の種類の接続部でありえる。ワイヤ接続が用いられうる実施形態もある。別の実施形態では、ワイヤレス接続部が用いられうる。
【0126】
図17〜21は、自動靴紐結びシステム122の操作の好適な1実施形態を図示する。明確にするために、ここでは甲102と足底104とを透視図示している。図17を参照すると、自動靴紐結びシステム122は、開いたないし緩んだ状態である。上述したように、第1ストラップ111は好ましくは第1端部部分1281を有し、これが、好ましくは、甲102の第2側壁部分1702付近にあるヨーク部材1270に付いている。同様に、第1ストラップは、甲102の第1側壁部分1302に付いている第2端部部分1330を有する。また、第1ストラップ111は、第1端部部分1281と第2端部部分1330との間に設けられている中間部分1711を有することができる。
【0127】
好ましくは、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114も第1ストラップ111と同様に配置されている。とりわけ、ストラップセット115の各ストラップは、好ましくは、ヨーク部材1270についている第1部分と第2側壁部分1702についている第2部分とを有する。さらに、各ストラップセット115は、好ましくは、各ストラップの第1端部部分と第2端部部分との間に設けられている中間部分を有する。
【0128】
自動靴紐結びシステム122がこの開いた位置にある場合、ヨーク部材1270は、好ましくは、下方穴セット1315に隣接する位置にある。すなわち、ストラップセット115は、上方穴セット1325から最大限伸張している。また、中間部分1711は、剛性を有する中空板1300の外側に配置されうる。この開いた位置では、ヨーク部材1270により、ストラップセット115が上方穴セット1325からさらに伸張することができないので、ストラップセット115のさらなる伸張または緩まりは行われない。
【0129】
図18を参照すると、自動靴紐結びシステム122が活性化されている。本実施形態では、モーター1230が、足底104内に設けられている制御システム1650から信号を受け取ることができる(図17参照)。とりわけ、モーター1230は、重量センサー1606が活性化された制御システム1650から信号を受け取ることができる。この時点で、モーター1230は活性化され、縦軸1804に対して反時計方向に駆動シャフト1232を回転させ始める。駆動シャフト1232が回転するにつれ、第1歯車1240および第2歯車1242も反時計方向に回転する。好ましくは、第1歯車1240および第2歯車1242は、第1ベルト1250と第2ベルト1252とそれぞれ係合する。とりわけ、第1歯車1240と第2歯車1242が、第1ベルト1250および第2ベルト1252の歯と噛み合うような歯を有するのが好ましい。このように配置することにより、第1歯車1240および第2歯車1242は反時計回りに回転し、第1ベルト1250および第2ベルト1252は、足底104に対して横方向に、第2側壁部分1702の方向に向かって動く。
【0130】
第1ベルト1250および第2ベルト1252は、ヨーク部材1270に固定されているので、この横方向の移動は、ヨーク部材1270に張力をかけ、ヨーク部材1270を剛性を有する中空板1300の下方穴セット1315から、距離D5だけ離す。さらに、ヨーク部材1270が、下方穴セット1315から引き離されるので、ストラップセット115は、剛性を有する中空板1300を通って下に引き下げられる。この動きは、好ましくはストラップセット115を締め付け、第2側壁部分1702を、甲102の第1側壁部分1302の方向に向かって引きつける。
【0131】
図19を参照すると、自動靴紐結びシステム122は、完全に閉じたないし締め付けられた位置にある。この閉じた位置において、ヨーク部材1270は、下方穴セット1315から、D6の距離だけさらに離れて伸張しているが、この距離D6は距離D5より実質的により大きい。さらに、ストラップセット115は、甲102の靴紐結び用間隙107に渡ってピンと引っ張られている。好ましくは、この閉じた位置で、甲102は足の回りで完全に締め付けられている。
【0132】
図20および図21を参照すると、使用者が物品100を脱ごうとした時に、自動靴紐結びシステム122は開いた位置へと戻されうる。本実施形態では、上述したように、使用者は、自動靴紐結びシステム122を開くためにボタンを押しうる(図10参照)。好ましくは、ボタンが押されると、モーター1230において、自動靴紐結びシステム122を開くために信号が受け取られる。
【0133】
自動靴紐結びシステム122を開くために、モーター1230は逆方向に作動されうる。すなわち、本実施形態では、モーター1230は縦軸1804に対して時計回り方向で回転するように構成されうる。モーター1230が時計回りで回転することにより、駆動シャフト1232、第1歯車1240および第2歯車1242が同様に時計回り方向に回転する。第1歯車1240および第2歯車1242が時計回り方向に回転することにより、さらに、第1ベルト1250と第2ベルト1252とが、それぞれさらに横方向に第1側壁部分1302に向かって移動する。第1ベルト1250および第2ベルト1252が、第1側壁部分1302に向かって動くことにより、ヨーク部材1270は剛性を有する中空板1300の下方穴セット1315に近づくように押される。さらに、ストラップセット115は、剛性を有する中空板1300を通って押され、ストラップセット115が、上方穴セット1325からさらに伸張する。この移動により、ストラップセット115が概して緩められ、第1側壁部分1302と第2側壁部分1702との間の間隙が少し増えることができる。
【0134】
図20および図21からわかるように、自動靴紐結びシステム122が開くにしたがって、ヨーク部材1270と下方穴セット1315との間の距離は短くなる。ある時点で、図20からわかるように、ヨーク部材1270と下方穴セット1315とは、距離D7だけ離れている。これに続いて、図21に図示された時間的により遅いある時点で、ヨーク部材1270と下方穴セット1315とは、D7より実質的により小さい距離である距離D8だけ離れている。おそらくは、自動靴紐結びシステム122は、図17に見られるような完全に開いた位置に置かれうる。この時点で、足は甲102から抜かれうる。
【0135】
図22および図23は、それぞれ、自動足首締め上げシステム124の分解等尺図および組み立て図である。上述したように、自動足首締め上げシステム124は、足首ストラップ150を有する。また、自動足首締め上げシステム124は、好ましくは足首ストラップ150の一部分を受容するように構成された筐体160を有する。筐体160が、中空路2206を有しうる実施形態もある。さらに、筐体160が、筐体160の外側面に中空路2206用の開口部を提供するスロット2202を有しうる。好適な1実施形態では、中空路2206とスロット2202は、足首ストラップ150の第1端部部分2203を受容するように構成されうる。このように配置することにより、足首ストラップ150の第1端部部分2203は、スロット2202および中空路2206内をスライドするように構成されうる。
【0136】
好ましくは、自動足首締め上げシステム124は、足首ストラップ150を動かす設備も有する。本実施形態では、自動足首締め上げシステム124は、好ましくはストラップ移動機構2222を有する。上述のように、「ストラップ移動機構」という用語は、この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、ストラップを動かす任意の機構を指す。
【0137】
好ましくは、ストラップ移動機構2222は、コイルバネ2204を含む。足首ストラップ150が、第1端部部分2203においてコイルバネ2204と関連しうる実施形態もある。好ましくは、コイルバネ2204は、シャフト2232とも連結されている。このように配置することにより、コイルバネ2204がシャフト2232の回りで巻き戻されるにしたがって、張力が第1端部部分2203にかけられうる。
【0138】
好ましくは、筐体160がストラップ移動機構2222の構成要素を受容するための設備を有している。筐体160が筐体空洞2250を有しうる実施形態もある。好適な1実施形態では、筐体空洞2250が、コイルバネ2204とシャフト2232とを受容するような形状を有する実施形態もある。
【0139】
本実施形態では、ストラップ移動機構2222がコイルバネ2204とシャフト2232とを有しているが、別の実施形態では、ストラップ移動機構2222が、これ以外の構成要素も同様に有しうる。例えば、足首ストラップ150にさらなる張力をかけるようにシャフト2232を回転させるように構成されているモーターと、シャフト2232とが、関連付けられうる実施形態もある。さらに、別の実施形態では、シャフト2232は、別の歯車、ベルトまたは足首ストラップ150に動力を供給しこれを動かす設備と関連づけられうる。
【0140】
好ましくは、ストラップ移動機構2222は、足首ストラップ150を、開いたないし伸張した位置へロックする設備と関連づけられうる。この好適な実施形態では、ストラップ移動機構2222は、ロック機構2299を有する。明確にするために、図面中でロック機構2299は概略的に図示する。
【0141】
概して、ロック機構2299は、自動足首締め上げシステム124の任意の箇所と関連しうる。好適な1実施形態では、ロック機構は、筐体160と関連しうる。このように配置することにより、ロック機構2299は、足首ストラップ150の一部分と相互作用するように構成されうる。とりわけ、ロック機構2299は、足首ストラップ150の移動をある状態で制限するように構成されうる。
【0142】
好ましくは、足首ストラップ150が完全に開いた位置に伸張すると、ロック機構2299が、足首ストラップ150の一部分と係合し、足首ストラップ150がコイルバネ2204の張力下で筐体160中へ再びスライドして戻るのを防ぐ。概して、ロック機構2299は、足首ストラップ150の一部分と係合するための任意の設備を有しうる。ロック機構2299が、足首ストラップ150が引っ込むのを防ぐような足首ストラップ150上に設けられた機械的なタブまたは同様の設備と係合しうる実施形態もある。別の実施形態では、ロック機構2299は、足首ストラップ150が完全に伸張する際に、第1端部部分2203をクランプ締めまたは挟むための設備を有しうる。
【0143】
好ましくは、自動足首締め上げシステム124は、ロック機構2299を解放する設備を有する。ロック機構2299が手動で解放されうる実施形態もある。例えば、ロック機構2299の一部分が、足首ストラップ150を解放するために押されうる場合もある。好適な1実施形態では、ロック機構2299は、電気的に制御される機構でありえる。とりわけ、ロック機構2299は、ある種の電気信号を用いて足首ストラップ150を解放するよう構成されうる。
【0144】
好ましくは、ロック機構2299は、1つまたは複数のセンサーおよび/または制御システムとやりとりする。好適な1実施形態では、ロック機構2299は、制御システム1650とやりとりする。この配置を用いると、重量センサー1606が活性化されると、制御システム1650は、ロック機構2299が足首ストラップ150との係合を外すための信号を送信しうる。ロック機構2299が解放されると、足首ストラップ150は、コイルバネ2204の張力により、足首の回りにしっかりと引かれる。
【0145】
概して、足首ストラップ150の第2端部部分2207は、甲102の足首部分132の任意の部分と関連を有しうる。第2端部部分2207が、筐体160に付けられうる実施形態もある。別の実施形態では、第2端部部分2207は、甲102の足首部分132に直接付けられうる。好適な1実施形態では、第2端部部分2207は、スロット2240において筐体160に固定して付けられている。このように配置することにより、足首ストラップ150の第1端部部分2204が足首部分132の回りを締め上げるために動きうる一方で、第2端部部分2207は、固定され続けることができる。
【0146】
図23に図示するように、コイルバネ2204は、好ましくはシャフト2232の回りで巻きつくように構成されている。概して、シャフト2232は任意の方向に方向付けられうる。シャフト2232が、概して水平の方向に方向付けられうる実施形態もある。好適な1実施形態では、シャフト2232は、概して垂直の方向に方向付けられうる。すなわち、シャフト2232は、物品の足底の上面に対して概して垂直の方向に方向付けられうる。このように配置することにより、よじれを防ぐために、足首ストラップ150の方向を足首ストラップ150の長さに沿って維持することができる。
【0147】
上述のように、自動足首締め上げシステム124が、自動靴紐結びシステム122と共に同時に操作されうる。自動足首締め上げシステム124が自動靴紐結びシステム122とやりとりしうる実施形態もある。上述のように、自動靴紐結びシステム122のストラップ移動機構1202が閉じられると、自動足首締め上げシステム124のストラップ移動機構2222が閉じるように構成されることができる。別の実施形態では、自動足首締め上げシステム124は、自動靴紐結びシステム122とは独立して操作されうる。とりわけ、自動足首締め上げシステム124のストラップ移動機構2222は、自動靴紐結びシステム122のストラップ移動機構1202に関連して説明した任意のオプション入力と関連しうる。例えば、ストラップ移動機構2222は、1つまたは複数のセンサーと関連しうる。さらに、ストラップ移動機構2222は、1つまたは複数の使用者制御装置と共に用いられうる。
【0148】
図24〜図26は、自動足首締め上げシステム124の操作の好適な実施例を示している。明確にするために、これらの図面中で自動足首締め上げシステム124を孤立させて示す。図24を参照すると、自動足首締め上げシステム124は開かれた位置に置かれている。この開かれた位置において、足は、入口穴105中に容易に挿入されうる。この時点で、入口穴105の平均幅はW5でありえる。
【0149】
図25を参照すると、自動足首締め上げシステム124は、自動足首締め上げシステム124が閉じられるべきとの信号をセンサーから受信しうる。とりわけ、ロック機構2299が、足首ストラップ150を解放するための信号を受け取りうる。好ましくは、コイルバネ2204が、足首ストラップ150へ張力をかける。この時点で、足首ストラップ150は、筐体160中にさらに引きこまれ、足首ストラップ150の中間部分2209が足首に対してピンと引っ張られうる。この閉じた位置で、入口穴105の平均幅W6は,好ましくは平均幅W5よりも実質的に小さい。
【0150】
図26を参照すると、自動足首締め上げシステム124は、使用者によって手動で開かれうる。ユーザが中間部分2209を直接引っ張って、足首ストラップ150を外側に引っ張りうる場合もある。別の場合では、使用者は足首ストラップ150を開くために、レバーまたはタブを引っ張りうる。この時点で、足首ストラップ150は、筐体160から外側にさらに伸張することができ、足首ストラップ150の中間部分2209は、足首の回りで緩みうる。足首ストラップ150が開いた位置に完全に伸張すると、ロック機構2299が、足首ストラップ150を定位置にロックするように構成されうる。この開いた位置で、入口穴105の平均幅W5は、平均幅W6よりも実質的に大きい。このように配置することにより、足を入口穴105から抜くことができる。
【0151】
本発明の様々な実施形態を説明したが、説明は例示的なもので、限定を意図していず、本発明の範囲内で可能であるより多数の実施形態や実装が可能であることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の請求項およびその等価物を考慮する以外には限定されるべきではない。また、様々な修正および変更は、添付の請求項の範囲内で行われうる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として履物に関し、とりわけ本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
履物物品を自動的に締め付けるための装置は、以前から提案されてきた。リュウ(Liu)(米国特許6,691,433号)は、自動締め付け靴を教示している。リュウの締め付け機構は、甲に取り付けられた第1固定部と、閉鎖部材に連結された第2固定部とを有し、この第2固定部は第1固定部と取り外し可能に係合することができ、締め付けられた状態で閉鎖部材を解放できるように保つことができる。リュウは、足底のかかと部分中に取り付けられた駆動ユニットを教示している。この駆動ユニットは、筐体、この筐体中に回転可能に取り付けられたスプール、一対の引っ張りストリングおよびモーターユニットを有する。各ストリングは、スプールに連結された第1端部と、第2固定部中のストリング穴に対応する第2端部とを有する。モーターユニットは、スプールに連結されている。リュウの教示によれば、このモーターユニットは、筐体中でスプールの回転を駆動し、スプール上の引っ張りストリングを巻き上げ、第1固定部に向かって第2固定部を引っぱるように操作可能である。リュウは、これを通って引っ張り紐が完全に伸張するようなガイド管ユニットも教示している。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、自動靴紐結びシステムを有する履物物品を開示している。ある態様では、本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、空洞を有する足底と、空洞中に設けられているモーター(このモーターが駆動シャフトを有し、駆動シャフトが少なくとも1つの歯車を有する)と、少なくとも1つのベルトであって、ベルトの中間位置において少なくとも1つの歯車と係合しているベルトと、上述の少なくとも1つのベルトの付着部分において、上述の少なくとも1つのベルトに連結されているヨーク部材と、ヨーク部材に付いていて、履物物品の甲を調節するように構成されている複数のストラップとを有し、ここで、ストラップは、モーターを活性化させることにより、閉じた位置と緩んだ位置との間で、自動的に動かされうる自動靴紐結びシステムを提供する。
【0004】
別の態様では、ヨーク部材はロッドである。
【0005】
別の態様では、ヨーク部材は、複数のストラップを実質的に一致して動かしうる。
【0006】
別の態様では、ストラップが閉じた位置にある際に、ヨーク部材は、剛性を有する中空板の下方穴セットに隣接して置かれている。
【0007】
別の態様では、ストラップが閉じた位置にある際に、ヨーク部材は、剛性を有する中空板の下方穴セットから離れて置かれている。
【0008】
別の態様では、駆動シャフトは、2つの歯車を有する。
【0009】
別の態様では、駆動シャフトは、上述の2つの歯車と係合するように構成されている2つのベルトを有する。
【0010】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、ストラップ移動機構と、このストラップ移動機構に付けられ、履物物品の甲を調節するように構成されている少なくとも1つのストラップと、甲の側壁部分と関連し、かつ少なくとも1つのストラップの中間部分を受容するように構成されている剛性を有する中空板とを有し、ここで、上述の少なくとも1つのストラップが閉じられた際には、中間部分が剛性を有する中空板内に縮み、かつ、上述の少なくも1つのストラップが開かれた際には、中間部分が剛性を有する中空板から伸張する自動靴紐結びシステムを提供する。
【0011】
別の態様では、剛性を有する中空板は、剛性を有する中空板内に設けられたストラップ受容路を少なくとも1つ有する。
【0012】
別の態様では、この少なくとも1つのストラップ受容路は、少なくとも1つのストラップの一部分を受容するように構成されている。
【0013】
別の態様では、ストラップ受容路は、少なくとも1つのストラップの一部分を、剛性を有する中空板中の下方穴と上方穴との間でガイドするように構成されている。
【0014】
別の態様では、剛性を有する中空板は、中央中空空洞を有する。
【0015】
別の態様では、剛性を有する中空板は、側壁部分の内側表面に寄せ掛けて設けられている。
【0016】
別の態様では、剛性を有する中空板は、側壁部分の外側表面に寄せ掛けて設けられている。
【0017】
別の態様では、剛性を有する中空板は、側壁部分の外側裏地と側壁部分の内側裏地との間に設けられている。
【0018】
別の態様では、ストラップ移動機構が、さらに、駆動シャフト(この駆動シャフトが歯車を有する)を有するモーターと、歯車と係合するよう構成されたベルトとを有し、ここで、ベルトが、少なくとも1つのストラップに動力を供給するよう構成されている。
【0019】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、履物物品の甲を調節するように構成されている第1ストラップと第2ストラップ(ここで、第1ストラップが、第2ストラップに隣接して設けられている)と、第1ストラップおよび第2ストラップに連結されていて、第1ストラップおよび第2ストラップを自動的に動かすように構成されているストラップ移動機構とを有し、ここで、ストラップ移動機構が甲を自動的に調節するように操作される際に、第1ストラップと第2ストラップとが、実質的に一致して動くように構成されている自動靴紐結びシステムを提供する。
【0020】
別の態様では、第1ストラップと第2ストラップとの隣接する部分間の間隙が、実質的に一定である。
【0021】
別の態様では、第1ストラップと第2ストラップとが、第1ストラップと第2ストラップとに力をかけるように構成されているヨーク部材に付けられている。
【0022】
別の態様では、第1ストラップと第2ストラップとは、甲の靴紐結び用間隙の下方に設けられている。
【0023】
別の態様では、第1ストラップと第2ストラップとは、甲の横方向に沿って方向付けられている。
【0024】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、ストラップ移動機構と、ストラップ移動機構に付けられる第1端部部分と、履物物品の甲の側壁部分に付けられる第2端部部分とを有するストラップとを有し、ここで、ストラップ移動機構が、第1端部部分を第1位置から第2位置へと動かし、これによって甲を緩めるように構成されている自動靴紐結びシステムを提供する。
【0025】
別の態様では、ストラップ移動機構は、センサーとやりとりする。
【0026】
別の態様では、センサーは重量センサーである。
【0027】
別の態様では、ストラップ移動機構は、センサーから受信した情報にしたがって、ストラップを動かすように構成されている。
【0028】
別の態様では、ストラップ移動機構は、使用者制御装置とやりとりする。
【0029】
別の態様では、ストラップ移動機構は、使用者制御装置から受信した情報にしたがって、ストラップを動かすように構成されている。
【0030】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動足首締め上げシステムであって、足首部分を有する甲と、足首部分の後方部分に設けられた筐体と、足首部分の前方部分と関連する足首ストラップと、筐体内に設けられているストラップ移動機構とを有し、ストラップが、ストラップ移動機構に付けられた第1端部部分と、筐体に固定的に付けられた第2端部部分とを有し、ここで、ストラップ移動機構は、開いた位置と閉じた位置との間でストラップを自動的に動かし、かつこれにより足首部分を調節するように構成されている自動足首締め上げシステムを提供する。
【0031】
別の態様では、ストラップ移動機構は、コイルバネを有する。
【0032】
別の態様では、コイルバネは、第1端部部分に張力をかける。
【0033】
別の態様では、コイルバネは、足首ストラップを自動的に閉じる方向で、第1端部部分に張力をかける。
【0034】
別の態様では、自動足首締め上げシステムが、足首ストラップを開いた位置でロックするように構成されたロック機構を有する。
【0035】
別の態様では、ロック機構は、重量センサーに関連する情報を受信するように構成されている。
【0036】
別の態様では、ロック機構は、重量センサーに関連する受信した情報にしたがって足首ストラップを解放し、したがって、足首ストラップが閉じた位置に動きかつ足首の回りで締め付けることができるように、構成されている。
【0037】
別の態様では、本発明は、履物物品用の自動足首締め上げシステムであって、足首部分を有する甲と、足首部分の後方部分に設けられた筐体と、足首部分の前方部分と関連する足首ストラップと、ストラップが、ストラップ移動機構に付けられた第1端部部分と、筐体に固定的に付けられた第2端部部分とを有し、ストラップ移動機構は、筐体内で巻きつくように構成されたコイルバネを有し、コイルバネはシャフトの回りで巻きつくように構成されていて、ここで、シャフトは、甲の上方部分から甲の下方部分へと延在する方向で方向づけられている自動足首締め上げシステムを提供する。
【0038】
別の態様では、足首ストラップの第1端部部分は、コイルバネに付けられている。
【0039】
別の態様では、足首ストラップは、足首ストラップの動きを制限するように構成されているロック機構と関連する。
【0040】
別の態様では、筐体は、ストラップの第1端部部分を受容するように構成された路を有する。
【0041】
別の態様では、筐体は、コイルバネを受容するように構成された空洞を有する。
【0042】
別の態様では、本発明は、履物物品の自動靴紐結びシステムを調節する方法であって、使用者制御装置から情報を受信する工程と、使用者制御装置から受信した情報にしたがって、自動靴紐結びシステムを用いて履物物品の甲を自動的に開く工程とを含む方法を提供する。
【0043】
別の態様では、使用者制御装置はボタンである。
【0044】
別の態様では、使用者制御装置はスイッチである。
【0045】
別の態様では、使用者制御装置から情報を受信する工程は、少なくとも1つのセンサーから情報を受信する工程に続く。
【0046】
別の態様では、自動靴紐結びシステムは、少なくとも1つのセンサーから受信した情報にしたがって、甲を閉じるように制御されている。
【0047】
別の態様では、自動靴紐結びシステムは、使用者制御装置から受信した情報にしたがって、甲を閉じるように制御されている。
【0048】
本発明のこれ以外のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討すれば当業者には明らかであろうあるいは明らかになるであろう。このような全ての追加的なシステム、方法、特徴および利点は、この説明内に含まれ、本発明の枠内にあり、以下の請求項により保護されることを意図している。
【0049】
本発明は、以下の図面および説明を参照すると、より理解されうる。図面中の構成要素は必ずしも等尺ではなく、本発明の原理を説明する上で強調もされている。さらに、図面中、同様の参照符号が、様々な図面に渡って対応する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】開いた位置にある履物物品の好適な1実施形態を示す等尺図である。
【図2】足が入られた状態での履物物品の好適な1実施形態を示す等尺図である。
【図3】閉じた位置にある履物物品の好適な1実施形態を示す等尺図である。
【図4】開いた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図5】足首の回りで閉じつつある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図6】閉じた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図7】開いた位置にある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図8】足の回りで閉じつつある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図9】閉じた位置にある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の拡大図である。
【図10】自動的に開きつつある履物物品の好適な1実施形態の等尺図である。
【図11】開いた位置にある履物物品の好適な1実施形態の等尺図である。
【図12】自動靴紐結びシステムを含む履物物品の好適な1実施形態の側面断面図である。
【図13】自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の分解等尺図である。
【図14】剛性を有する中空板の好適な1実施形態の断面図である。
【図15】剛性を有する中空板の1代替実施形態の断面図である。
【図16】ストラップ移動機構へのオプション入力の好適な1実施形態の概略図である。
【図17】開いた位置にある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図18】自動靴紐結びシステムが締め付けつつある状態での好適な1実施形態の等尺図である。
【図19】閉じた位置にある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図20】緩みつつある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図21】緩みつつある自動靴紐結びシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図22】自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の分解等尺図である。
【図23】自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の等尺図である。
【図24】開いた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の上面図である。
【図25】閉じた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の上面図である。
【図26】開いた位置にある自動足首締め上げシステムの好適な1実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、スポーツシューズの形態を有する履物物品100(単に、物品100とも称される)の好適な1実施形態を示す図である。明確にするために、以下の詳細な説明では好適な実施形態に関して説明を行うが、本発明は、これ以外の任意の種類の履物の形態、例えば、スケート、長靴、スキーブーツ、スノーボード用ブーツ、サイクリングシューズ、フォーマルシューズ、スリッパまたはこれ以外の任意の種類の履物の形態もとることができる点に関して留意されたい。
【0052】
物品100は、好ましくは甲102を有する。甲102は、足106を甲102に入れることができるようにする入口穴105を有する。好ましくは甲102が、足106を受容するように構成された内側空洞も有する場合もある。とりわけ、入口穴105は、内側空洞へのアクセスを提供することが好ましい。
【0053】
好ましくは、甲102が、足底104と関連しうる。好適な1実施形態では、甲102は、足底104に付いている。甲102が、縫い糸または接着剤により足底104に連結されている場合もある。別の場合では、甲102が足底104と一体形成されうる。
【0054】
好ましくは、足底104が中底を有する。足底104が足と接触するように構成されている中敷も有しうる実施形態もある。別の実施形態では、足底104は、地面と接触するように構成されている外底を有しうる。好適な1実施形態では、足底104は、中底と外底と中敷とを有しうる。
【0055】
概して、足底104は履物物品100の用途に応じて牽引力を高めるための設備を備えうる。足底104が様々な溝形パターンを有しうる実施形態もある。別の実施形態では、足底104は1つまたは複数の滑り止めを有しうる。さらに別の実施形態では、足底104は、溝形パターンと、複数の滑り止めとの両方を有しうる。これらの設備はオプションであると理解すべきである。例えば、さらに別の実施形態では、足底104が有する地面に接触する下面は、全体的に滑らかでありえる。
【0056】
甲102は任意のデザインを有しうる。甲102がロートップスニーカーの外観を有しうる実施形態もある。別の実施形態では、甲102がハイトップスニーカーの外観を有しうる。この好適な実施形態では、甲102は、高い足首部分132を有しうる。とりわけ、甲102は、第1伸張部分181と第2伸張部分182とを有しうる。本実施形態では、第1伸張部分181と第2伸張部分182とは、概して三角形の形状を有する。別の実施形態では、第1伸張部分181と第2伸張部分182とは、別の形状を有しうる。これ以外の形状の例とは、限定されるのではないが、丸い形状、正方形形状、多角形形状、規則的な形状および不規則的な形状である。足首部分132用にこの構成を用いることにより、甲102がさらに足首をサポートするのを助けうる。
【0057】
物品100は、甲102を足106の回りに締め付け設備を有しうる。足106が甲102中に入った後に甲102を締め付けるために、物品100が、靴紐、ストラップおよび/または固定部などと関連づけられている実施形態もある。物品100が、使用者により手動で調節可能な靴紐、ストラップおよび/または固定部を有しうる場合もある。好適な1実施形態では、物品100が、甲102と関連する靴紐、ストラップおよび/またはこれ以外の固定部を自動的に調節するための設備を有しうる。自動的に調節する靴紐、ストラップおよび/またはこれ以外の固定部を用いることにより、使用者の努力を最低限に抑えつつ、甲102を足の回りで締め付けることができる。
【0058】
甲102が、甲102の様々な部分と関連する個別の締め付けるためのシステムを有しうる実施形態もある。この例示的な実施形態では、甲102は、甲102の足弓部分130と関連する自動靴紐結びシステム122を有することができる。同様に、甲102は、甲102の足首部分132と関連する自動足首締め上げシステム124を有することができる。好ましくは、甲102を足106と足首108との回りで自動的に締め付けるおよび/または緩めるように、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とを構成しうる。
【0059】
自動靴紐結びシステム122は、好ましくは、複数のストラップを有する。ストラップという用語は、この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、履物物品の一部分を足に締め付けるために用いられうる任意の装置を指す。概して、ストラップは任意の形状を有しうる。ストラップが長方形またはリボンのような形状を有しうる実施形態もある。しかし、ストラップという用語は、リボンのような形状を有する締め付け装置に限定される意図がないと理解されるべきである。別の実施形態では、例えば、ストラップは紐のような形状を有しうる。また別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、別のタイプの固定部と関連することができる。自動靴紐結びシステム122と共に用いることができる他の固定部には、限定されるのではないが、紐、コードおよびストリングが含まれる。
【0060】
さらに、ストラップは、任意の材料で作られうる。用いられうる材料の例には、限定されるのではないが、皮、天然の布地、合成布地、金属、ゴムおよびこれ以外の材料が含まれる。ストラップが、同様に任意の種類の織物ストラップでありうるという実施形態もある。とりわけ、ストラップは、当該分野で公知の織物ストラップを作るための任意の材料で織られうる。
【0061】
概して、自動靴紐結びシステム122は、任意の数のストラップを有しうる。1つのストラップのみが設けられうる実施形態もある。別の実施形態では、複数のストラップが設けられうる。本実施形態では、靴紐結びシステム122は、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114を含む4本のストラップを有する。明確にするために、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114をまとめて、ストラップセット115と称しうる。
【0062】
本実施形態では、ストラップセット115は、甲102の靴紐結び用間隙107の下方に設けられている。好ましくは、ストラップセット115が、靴紐結び用間隙107のサイズを調節するように構成されうる。紐結び用間隙107のサイズは調節されるので、甲102の側壁部分は、互いに近づく、または、互いに離れるように動きうる。このように配置することにより、ストラップセット115の調節にしたがって、甲102を、足106の足弓の回りで開くおよび/または閉じることができる。
【0063】
概して、ストラップセット115は、甲102上において任意の方向で配置されうる。ストラップセット115が概して縦長方向で伸張しうるという実施形態もある。好ましくは、ストラップセット115は甲102に対して横方向に配置されうる。この詳細な説明および請求項で使用する場合には、「横方向」という用語は、甲102の中央から、甲102の横側に伸張する方向を指す。すなわち、横方向とは、好ましくは甲102の幅に沿って伸張する方向である。
【0064】
さらに、ストラップセット115は、隣接するストラップ間で任意の間隙を有しうる。隣接するストラップ間の間隙が変りうる実施形態もある。別の実施形態では、1つまたは複数のストラップが、互いに渡り合うまたは交差しうる。好適な1実施形態では、ストラップセット115のストラップの間隙は、ほぼ均一でありえる。とりわけ、2つのストラップの隣接する部分間の幅は、ほぼ一定であり続ける。すなわち、ストラップは、隣接する部分においてほぼ平行でありえる。
【0065】
自動靴紐結びシステム122は、本実施形態では、足弓部分130において甲102を締め付けおよび/または緩めるように構成されているが、別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、甲102の別の部分と関連づけられうる。例えば、別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、甲102の側部部分において甲102を締め付けるように構成されることができる。さらに、自動靴紐結びシステム122は、甲102のつま先部分と関連することができる。さらに別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、甲102のかかと部分と関連することができる。
【0066】
自動足首締め上げシステム124は、好ましくは、少なくとも1つの足首ストラップを有する。自動足首締め上げシステム124が、複数の足首ストラップを有しうる実施形態もある。この好適な実施形態では、自動足首締め上げシステム124は、足首ストラップ150を有する。足首ストラップ150は、任意の種類のストラップでありえ、これには、自動靴紐結びシステム122のストラップに関して上述した任意の種類のストラップも含まれている。足首ストラップ150が、ストラップセット115のストラップと類似の種類のストラップでありえる実施形態もある。別の実施形態では、足首ストラップ150は、ストラップセット115のストラップとは異なる種類のストラップでありえる。
【0067】
好ましくは、自動足首締め上げシステム124が、足首ストラップ150の一部分を受容する設備も有する。この実施形態では、自動足首締め上げシステム124は、足首ストラップ150の一部分を受容するように構成された筐体160を有する。筐体160は、甲102の足首部分132の任意の場所に位置づけられうる。筐体160が、足首部分132の側方に設けられうる場合もある。別の場合では、筐体160は、足首部分132の前方に設けられうる。この好適な実施形態では、筐体160は、足首部分132の後方部分161に設けられうる。
【0068】
図1〜図3は、物品100の自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との操作の好適な1実施形態を示す図である。まず、図1からわかるように、物品100は、足106を受容するように構成されうる。とりわけ、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とは、それぞれ開いた位置で構成されうる。この開いた位置では、入口穴105が広く開いていることができる。さらに、この開いた位置においては、靴紐結び用間隙107も広く開いていることができる。好ましくは、この自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との開いた位置は、甲102の開いたないし緩んだ位置と関連しうる。
【0069】
図2を参照すると、足106は、物品100中に完全に入れられている。この時点で、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とは活性化されていない。これゆえに、甲102は足106の回りで締め付けられていない。好ましくは、足106が甲102中に入れられた直後に、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが活性化されうる。足が存在するか否かを検出するために1つまたは複数のセンサーを用いて、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが、活性化されうる場合もある。別の場合では、ボタンなどの1つまたは複数の使用者制御装置を用いて、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが活性化されうる場合もある。このような設備の詳細に関しては、以下でより詳細に説明する。
【0070】
図3を参照すると、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが活性化されている。このように自動靴紐結びシステム122が閉じた位置にある際には、甲102の足弓部分130が、足106の回りで締め付けられている(図1参照)。同様に、自動足首締め上げシステム124がこのように閉じた位置にある場合には、甲102の足首部分132は、好ましくは足首108の回りで締め付けられている(図1参照)。
【0071】
図4〜図9は、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との固定に関して図示している。図4を参照すると、自動足首締め上げシステム124は、当初は開いた位置にあるように構成されている。この開いた位置では、足首ストラップ150は概して緩んでいる。とりわけ、第1足首側壁部分404は、足首108の幅よりもずっと広い距離D1だけ、第2足首側壁部分406から離れている。この構成により、足106を容易に挿入および/または抜くことができる。
【0072】
図5を参照すると、自動足首締め上げシステム124が、足首108の回りを締め付け始めていて、足首ストラップ150が部分的に筐体160内で縮んでいる。この時点で、足首ストラップ150は、甲102内での足首108の動きを部分的に制限する。さらに、第1足首側壁部分404は、第2足首側壁部分406から、距離D1よりも小さい距離D2分だけ離れている。すなわち、第1足首側壁部分404と第2足首側壁部分406とは、足首108の任意の移動を部分的に制限するために、足首108に対してわずかに縮まっている。
【0073】
図6を参照すると、自動足首締め上げシステム124は閉じた位置にある。とりわけ、足首ストラップ150は足首108の回りで完全に締め付けられている。この時点で、足首108が横方向に動く、および甲102に入るまたはこれから抜けることがないように、足首ストラップ150は構成されている。第1足首側壁部分404は、第2足首側壁部分406から、距離D2より実質的に小さい距離D3だけ離れうる。好ましくは、距離D3は、足首108の移動を実質的に制限するのに十分なほど小さい。このように配置することにより、足首108を支え、および足が抜けないように入口穴105のサイズを実質的に縮めるために、甲102の足首部分132は、足首108の回りで締め付けられることができる。
【0074】
自動足首締め上げシステム124が、ロゴまたはこれ以外の種類の印を備えうる実施形態もある。足首ストラップ150が、ロゴまたはこれ以外の種類の印を備えうる場合もある。別の場合では、自動足首締め上げシステム124の別の部分が、ロゴまたは印を有しうる。この好適な実施形態では、足首ストラップ150はロゴ410を有する。図4〜図6からわかるように、足首ストラップ150が足首108の回りで締め付けるように動くにしたがって、ロゴ410が足首ストラップ150と共に動きうる。この好適な配置により、足首ストラップ150が、完全に閉じたないし締め付けられた位置にある際には、ロゴ410が履物物品の前方部分の方向を向いている。
【0075】
図7を参照すると、自動靴紐結びシステム122は、当初、固定されていない開いた位置にあるように構成されている。この開いた位置では、ストラップセット115は概して緩んでいる。とりわけ、靴紐結び用間隙107の第1側壁縁802と第2側壁縁804とは、広く離れうる。この時点で、靴紐結び用間隙107の平均幅は平均幅W1である。好ましくは、平均幅W1は、足を容易に挿入および/または抜くことができるように十分広い。
【0076】
靴紐結び用間隙107の幅は、足弓130の長さ方向に渡って異なりうると理解すべきである。靴紐結び用間隙107が、甲102の入口穴105に隣接する第1部分720で概して最も広くなりうる実施形態もある。同様に、靴紐結び用間隙107が、甲102のつま先部分724に隣接する第2部分722で最も狭くなりうる。したがって、「平均幅」という用語は、この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、様々な部分における靴紐結び用間隙107の幅の平均を意味するのであって、特定の部分における靴紐結び用間隙107の幅を指す必要はないと理解すべきである。
【0077】
図8を参照すると、自動靴紐結びシステム122が締め付け始めるので、靴紐結び用間隙107は縮みうる。とりわけ、部分的に靴紐結び用間隙107を閉じるために、ストラップセット115が、第1側壁縁802と第2側壁縁804との間で張力をかけうる。この時点で、靴紐結び用間隙107の平均幅W2は、平均幅W1よりも実質的により小さい。幅W2は、甲102内での足の動きを部分的に制限するのに十分なほど小さい。
【0078】
図9を参照すると、自動靴紐結びシステム122は足の回りで完全に閉じられている。この時点で、甲102内で足が実質的に動くのを防ぐようにストラップセット115は構成されている。とりわけ、平均幅W2よりも実質的に小さい平均幅W3にまで、靴紐結び用間隙107が縮んでいる。このように配置することにより、甲102は足の回りで完全に締め付けられ、足をより強く支えうる。
【0079】
甲102が自動的に緩められうる実施形態もある。別の実施形態では、甲102は手動で緩められうる。また別の実施形態では、甲102の第1部分が自動的に緩められ、甲102の第2部分が手動で緩められうる。好適な1実施形態では、自動靴紐結びシステム122が自動的に緩められうるように構成されうる。同様に、自動足首締め上げシステム124は手動で緩められうる。
【0080】
好ましくは、物品100は、使用者が履物物品100を脱ごうとするとした時に、自動靴紐結びシステム122を自動的に開くための設備を有しうる。使用者から受け取る信号にしたがって、自動靴紐結びシステム122が自動的に緩みうる場合もある。例えば、ある実施形態では、使用者がボタンを押し、それにより、自動靴紐結びシステム122が開いた位置に動き、その結果甲102が足の回りで緩むことができる。別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122が、使用者の入力なしに自動的に開いた位置へと動きうる。
【0081】
図10は、開いた位置へと動きつつある自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124の例示的な実施形態を示す。この実施形態では、使用者1002が、甲102が緩められるべきだと示すためにボタン1004を押しうる。この実施形態は例示的な実施形態であるとのみ意図され、別の実施形態では、別の種類のボタン、レバーおよびこれ以外の入力機構を用いて、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とを開くことができると理解されるべきである。
【0082】
図10からわかるように、自動靴紐結びシステム122は、足弓部分130においてストラップセット115を緩めるために制御されている。足首部分132において足首ストラップ150が自動的に緩められるように自動足首締め上げシステム124も構成されうる実施形態もある。好適な1実施形態では、足首ストラップ150は、装着者によって手で緩められうる。例えば、足首ストラップを開いたないし緩んだ位置に調節するために、装着者が足首ストラップ150を引くことができる場合もある。このように配置することにより、甲102を足および足首の回りで緩めることができ、使用者が容易に履物物品100を脱ぐことができる。
【0083】
図11は、完全に緩んだないし開いた位置にある物品100の例示的な実施形態を示す図である。とりわけ、自動靴紐結びシステム122は、完全に開いた位置にあり、靴紐結び用間隙107が広くなっている。同様に、自動足首締め上げシステム124も完全に開いた位置にあり、入口穴105が広くなっている。甲102が完全に緩められることにより、足106および足首108は、完全に甲102から抜くことができる。
【0084】
本実施形態では、自動靴紐結びシステム122および自動足首締め上げシステム124は、ほぼ同時に開閉するように構成されている。しかし、別の実施形態では、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124とが独立して操作されうると理解すべきである。例えば、ある代替実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、自動足首締め上げシステム124が開くおよび/または閉じる前に開かれ、および/または、閉じられうる。
【0085】
図12〜26は、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との双方の構成要素と操作とを個々に詳細に図示することを意図している。以下の詳細な説明は、自動靴紐結びシステム122と自動足首締め上げシステム124との好適な1実施形態を説明していると理解されるべきである。別の実施形態では、これらのシステムの設備または構成要素のいくつかはオプションでありうる。さらに、別の実施形態では、追加的な設備または構成要素が、これらのシステムに設けられうる。
【0086】
図12および図13は、それぞれ、自動靴紐結びシステム122の組み立て等尺図および分解等尺図である。明確にするために、図12では、甲102の一部分を切り取っている。
【0087】
上述したように、自動靴紐結びシステム122は、好ましくはストラップセット115を有する。好ましくは、自動靴紐結びシステム122は、ストラップセット115を移動させるための設備も有している。この実施形態では、自動靴紐結びシステム122が、好ましくはストラップ移動機構1202を有する。この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、「ストラップ移動機構」という用語は、使用者による作業を必要とすることなく、1つまたは複数のストラップを移動させることができる任意の機構を指している。
【0088】
好ましくは、ストラップ移動機構1202は、自動靴紐結びシステム122に動力を供給するための設備を有する。概ね、任意の種類の電源を利用することができる。様々な種類の電源には、限定されるのではないが、電気的な動力源、機械的な動力源、化学的な動力源およびこれ以外の種類の動力源が含まれる。ストラップ移動機構1202がモーター1230を有する実施形態もある。モーター1230は、任意の種類のモーターでありえ、これには、限定されるのではないが、電気モーター、静電気モーター、空気モーター、油圧モーター、燃料動力源モーターまたは任意のこれ以外の種類のモーターが含まれる。この好適な実施形態では、モーター1230は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電気モーターである。
【0089】
概ね、モーター1230は、ある種の電源と関連付けられうる。モーター1230が、外部電池と関連しうる場合もある。また別の場合では、モーター1230は内部電池を有しうる。この好適な実施形態では、モーター1230は、内部電池1299から電力を受け取るように構成されうる。電池1299は、任意の種類の電池でありえる。電池1299が、使い捨て電池でありえる実施形態もある。様々な種類の使い捨て電池の例としては、限定されるのではないが、亜鉛電池、塩化亜鉛電池、アルカリ電池、酸化銀電池、二硫化リチウム電池、塩化チオニールリチウム電池、水銀電池、亜鉛空気電池、熱電池、水活性化電池、オキシ水素化ニッケル電池およびペーパー電池が含まれる。好適な1実施形態では、電池1299は、ある種の再充電可能な電池でありえる。再充電可能な電池の例には、限定されるのではないが、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池および再充電可能なアルカリ電池が含まれる。
【0090】
概ね、電池1299は、物品100の任意の部分に設置されうる。電池1299が、物品100の足首折り返し口に関連しうる実施形態もある。別の実施形態では、電池1299が、甲102の別の部分に設けられうる。好適な実施形態では、電池1299は、足底104の一部分中に設けられうる。このように配置することにより、電池1299を部材から保護するのを助け、装着者の足に直接接触するのから保護するのを助けるので好ましい。
【0091】
概ね、電池1299のサイズは異なりうる。電池1299の長さが、10mm〜50mmの範囲内でありえる実施形態もある。さらに、電池1299の幅が、10mm〜50mmの範囲内でありえる。好適な1実施形態では、電池1299の幅は約30mmである。さらに、好ましくは、電池1299の長さは約40mmである。
【0092】
物品100が、電池を再充電する設備を有しうる実施形態もある。誘導充電器が用いられうる場合もある。別の場合では、USBベースの充電器が用いられうる。さらに別の場合では、これ以外の種類の充電設備が用いられうる。この好適な実施形態では、足底104が、充電ポート1297を有する。この実施形態では、充電ポート1297は、ミニUSBタイプの充電ポートでありえる。さらに、充電ポート1297は、ある種の電気回路を介して電池1299と電気的に接続されうる。好ましくは、充電ポート1297は、ある種の電池充電器と連結されうる。このように配置することにより、電池1299を再充電するために、電力が、外側電源から電池1299に伝送されうる。
【0093】
モーター1230は、駆動シャフト1232に連結されうる。とりわけ、モーター1230は、駆動シャフト1232を回転させるために、駆動シャフト1232にトルクを与えるように構成されているのが好ましい。さらに、駆動シャフト1232は、ストラップセット115に動力を伝送するための1つまたは複数の歯車を有しうる。この好適な実施形態では、駆動シャフト1232は、第1歯車1240と第2歯車1242とを有しうる。
【0094】
ストラップ移動機構1202が、ストラップセット115に動力を伝送するために1つまたは複数のベルトを有しうるという実施形態もある。この実施形態では、ストラップ移動機構1202は、第1ベルト1250と第2ベルト1252とを有しうる。好ましくは、第1ベルト1250と第2ベルト1252とは、第1歯車1240と第2歯車1242とにそれぞれ係合するように構成されている。好適な1実施形態では、第1歯車1240と第2歯車1242とが回転するにしたがって、第1ベルト1250と第2ベルト1252とが、足底104に対して横方向に動くサーペンタインベルトである。
【0095】
第1ベルト1250と第2ベルト1252とが、ストラップセット115と関連しているヨーク部材に付くことができる実施形態もある。この実施形態では、第1ベルト1250の第1付着部分1260が、ヨーク部材1270に直接付きうる。また、第2ベルト1252の第2付着部分1262が、ヨーク部材1270に直接付くことができる。
【0096】
好ましくは、ストラップセット115の各ストラップも、ヨーク部材1270に直接付いている。この実施形態では、第1ストラップ111の第1端部部分1281が、ヨーク部材1270に付いている。同様に、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114が、好ましくは同様の端部部分で、ヨーク部材1270に付いている。このように配置することにより、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114にくびきをかける構成が提供される。このように配置することにより、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114が、ストラップセット115の第1端部1290においてほぼ一致して動くことができる。これにより、好ましくは、甲102の締め付けおよび緩めるのが、甲102の足弓部分130に渡って均一に適用されることができる。
【0097】
概して、ヨーク部材1270は、任意の種類のヨークでありえる。ヨーク部材1270が湾曲ヨークでありえる実施形態もある。例えば、ヨーク部材1270が弓形ヨークでありうる場合もある。別の実施形態では、ヨーク部材1270はほぼ真っ直ぐである。この好適な実施形態では、ヨーク部材1270はほぼ円筒状の棒またはロッド形状を有する。このように配置することにより、ヨーク部材1270の長さ全体にわたって、ほぼ平行に複数のストラップが連結されうる。
【0098】
好ましくは、物品100は、ストラップ移動機構1202の1つまたは複数の構成要素を受容するための設備を有する。ストラップ移動機構1202の1つまたは複数の構成要素が、甲102内に設けられうる実施形態もある。別の実施形態では、ストラップ移動機構1202の1つまたは複数の要素が、足底104内に設けられうる。この好適な実施形態では、足底104がストラップ移動機構1202の複数の構成要素を受容するように構成された内側空洞を有しうる。
【0099】
図12および図13を参照すると、足底104は、好ましくは内側空洞1285を有する。概して、この内側空洞1285は、任意の形状をとりうる。この様々な形状の例は、限定されるのではないが、円形状、楕円形状、四角形状、長方形形状、多角形形状、規則的な形状、不規則な形状およびこれ以外の種類の形状を含む。この例示的な実施形態では、内側空洞1285は、概ね長方形形状を有する。
【0100】
内側空洞1285は、好ましくはモーター1230を受容するように構成されている。さらに、内側空洞1285は、第1歯車1240と第2歯車1242とを含む駆動シャフト1232を受容するように構成されうる。とりわけ、内側空洞1285は、駆動シャフト1232、第1歯車1240および第2歯車1242の回転する空間を提供しうる。
【0101】
内側空洞1285が、足底104内の内側に設けられうる実施形態もある。すなわち、内側空洞1285は、足底104の上面の下方に設けられうる。別の実施形態では、内側空洞1285は、足底104の上面において開いていることができる。すなわち、内側空洞1285は、甲102の内側部分と流体伝達しうる。
【0102】
本実施形態では、内側空洞1285は、足底104の上面1289に設けられている上方開口1287を有している。すなわち、内側空洞1285は、上面1289の切り欠かれた部分である。内側空洞1285を、甲102の空洞1291を受容する足から離すために、足底104の上面1289が中敷によって覆われることができる実施形態もある。このように配置することにより、内側空洞1285内に設けられうるストラップ移動機構1202の1つまたは複数の構成要素と、足とが接触、および、場合によっては干渉しあうことが防がれうる。
【0103】
好ましくは、自動靴紐結びシステム122は、甲102内でストラップセット115をガイドするための設備も有する。この実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、剛性を有する中空板1300を有する。この実施形態では、剛性を有する中空板1300は、甲102の第1側壁部分1302と関連しうる。剛性を有する中空板1300が、第1側壁部分1302の内側面によりかかって設けられうるという実施形態もある。別の実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1側壁部分1302の外側面に寄りかかって設けられうる。好適な1実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1側壁部分1302と統合されうる。すなわち、剛性を有する中空板1300は、甲102の内側裏地と外側裏地との間に設けられることができ、第1側壁部分1302を剛性を有するように支持している。
【0104】
図13を参照すると、剛性を有する中空板1300は、剛性を有する中空板1300の中空空洞へストラップを受容およびここからストラップを解放するための穴を有しうる。この実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1下方穴1311、第2下方穴1312、第3下方穴1313および第4下方穴1314を有し、これらはまとめて、下方穴セット1315と称される。さらに、剛性を有する中空板1300は、第1上方穴1321、第2上方穴1322、第3上方穴1323および第4上方穴1324を有し、これらはまとめて、上方穴セット1325と称される。
【0105】
図13に図示されているように、第1ストラップ111の第2端部1330は、第1下方穴1311において剛性を有する中空板1300中に挿入され、第1上方穴においてこの剛性を有する中空板1300から出ることができる。好ましくは、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114の第2部分も同様に、それぞれ、第2下方穴1312、第3下方穴1313および第4下方穴1314中に挿入されうる。同様に、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114の第2端部部分は、それぞれ、第2上方穴1322、第3上方穴1323および第4上方穴1324において、剛性を有する中空板1300から出ることができる。このように配置することにより、剛性を有する中空板1300は、ストラップセット115のガイドとして役立ちうる。好ましくは、剛性を有する中空板1300は、これがない場合にはストラップの動きを妨げることになりうる、ストラップセット115のストラップと甲102との間の摩擦を低減するのを助ける。
【0106】
概して、剛性を有する中空板1300は任意の形状を有しうる。剛性を有する中空板1300が概ね平坦でありえる実施形態もある。別の実施形態では、剛性を有する中空板1300は湾曲を有しうる。好適な1実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1側壁部分1302の輪郭にほぼ合う湾曲形状を有しうる。さらに、剛性を有する中空板1300は、好ましくは、足底104から第1側壁部分1302の上部へ伸張している。このように配置することにより、剛性を有する中空板1300は、ストラップセット115を甲102の内部を通ってガイドするのを助けうる。
【0107】
概して、剛性を有する中空板1300の厚さは任意の厚さでありえる。剛性を有する中空板1300の厚さが、甲102の裏地の厚さよりもずっと大きくありえるという実施形態もある。別の実施形態では、剛性を有する中空板1300の厚さは、甲102の裏地の厚さよりも実質的に小さい。この好適な実施形態では、剛性を有する中空板1300の厚さは、甲102の裏地の厚さとほぼ同様である。このように配置することにより、好ましくは、剛性を有する中空板1300が、第1側壁部分1302において、甲102の動きおよび柔軟性にほぼ干渉しない。
【0108】
剛性を有する中空板は、剛性を有する任意の材料で作られうる。好ましくは、剛性を有する中空板は、甲よりも剛性が実質的により高い材料で作られている。剛性を有する中空板を作るために用いられうる様々な材料の例には、限定されるのではないが、プラスチック、剛性ゴム、金属、木材およびこれ以外の材料が含まれる。この好適な実施形態では、剛性を有する中空板1300は、実質的に剛性を有するプラスチックで作られている。
【0109】
図14は、剛性を有する中空板1300の内部の好適な1実施形態の断面図である。図14を参照すると、剛性を有する中空板1300は、ストラップセット115の各ストラップを受容する個々の路を有しうる。この実施形態では、剛性を有する中空板1300は、第1ストラップ受容路1341、第2ストラップ受容路1342、第3ストラップ受容路1343および第4ストラップ受容路1344を有し、これらは、それぞれ、第1ストラップ111、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114を受容するように構成されている。
【0110】
ストラップ受容路を、ストラップセット115のストラップよりもずっと大きくしうる実施形態もある。好適な1実施形態では、第1ストラップ受容路1341、第2ストラップ受容路1342、第3ストラップ受容路1343および第4ストラップ受容路1344の大きさは、ストラップセット115のストラップの大きさとほぼ同様である。このように配置することにより、滑らかなスライドを妨げる望まない湾曲、よじれまたはこれ以外の形式の動きを許すことなく、各ストラップが剛性を有する中空板1300を通って滑らかにスライド移動することができるガイドとして、第1ストラップ受容路1341、第2ストラップ受容路1342、第3ストラップ受容路1343および第4ストラップ受容路1344が構成されうる。例えば、ストラップ受容路が大きすぎる場合には、ストラップ受容路内で、ストラップが、ストラップ受容路を滑らかに通るのではなく、束になったり、折れたりしうる。
【0111】
概して、剛性を有する中空板1300は、任意の形状の路でありえる。本実施形態では、第1ストラップ受容路1341、第2ストラップ受容路1342、第3ストラップ受容路1343および第4ストラップ受容路1344の形状は、僅かに湾曲した形状であるが、この理由は、剛性を有する中空板1300が実質的に湾曲した形状であるからである。しかし、別の実施形態では、剛性を有する中空板の路は、ほぼまっすぐでありえる。
【0112】
図15は、剛性を有する中空板1300の代替実施形態を示す図である。この代替実施形態では、剛性を有する中空板1300は、ストラップセット115内の各ストラップを受容するための中央中空空洞1502を有する。好ましくは、この中央中空空洞1502の厚さは、ストラップセット115の各ストラップの厚さとほぼ等しい。このように配置することにより、ストラップセット115内で各ストラップが折れたり、束になったりよじれたりすることが許されることなく、ストラップセット115の各ストラップの中央中空空洞1502を通る移動が可能になるので好ましい。
【0113】
本実施形態は、自動靴紐結びシステムのストラップをガイドするのに役に立つ剛性を有する中空板を有するが、別の実施形態では、別の設備が設けらうる。概して、ストラップセットと側壁部分との間の摩擦を低減するための任意の設備が用いられうる。別の実施形態では、例えば、甲の裏地の剛性が十分強く、これが、ストラップセットと側壁部分との間の摩擦を実質的に低減することができる。さらに、甲の裏地は、ストラップセットを受容し、ストラップをガイドするのを助けるように構成された路を有することができる。また別の実施形態では、ストラップセットに対して、実質的に低摩擦表面を呈することができるように、甲の裏地をコーティングすることができる。また別の実施形態では、低摩擦布地を用いて、甲の裏地を作ることができる。また別の実施形態では、1つまたは複数の柔軟性を有する管が、甲内でストラップセットを受容するように構成されることができ、これにより、甲を通ってストラップセットをガイドするのを助けるように構成されうる。
【0114】
図16を参照すると、自動靴紐結びシステム122は、ストラップ移動機構1202を制御するための1つまたは複数の設備を有することができる。とりわけ、自動靴紐結びシステム122は、1つまたは複数の制御システム、センサー、使用者操作装置またはこれ以外の設備と関連を有しうる。以下の設備の各々が、例示的であると意図され、いくつかの設備がオプションでありうる実施形態もあると理解されるべきである。
【0115】
上述したように、自動靴紐結びシステム122は、好ましくは、ストラップセットを開閉するためのストラップ移動機構を活性化させるための設備を有する。ストラップ移動機構1202が、ある種の制御システムを備えうる実施形態もある。「制御システム」という用語は、この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、ストラップ移動機構の操作状態を決定するための任意の種類の装置を指す。例えば、制御システムが、ある種の中央演算処理装置(CPU)でありえる実施形態もある。別の実施形態では、制御システムは、電気入力を受け取り、この入力に応じて電気出力を出力するある種の単純な回路でありえる。この好適な実施形態では、自動靴紐結びシステム122は、好ましくは、第1接続部1611を介してストラップ移動機構1202に接続されている制御システム1650を有する。
【0116】
概して、制御システム1650は、物品100の任意の部分に設けられることができる。制御システム1650が、甲102の一部分に設けられうる実施形態もある。好適な1実施形態では、制御システム1650は、足底104中に設けられうる。図17を参照すると、制御システム1650は、足底104と関連しうる。とりわけ、制御システム1650は、足底104のかかと部分内に設けられうる。
【0117】
概して、制御システム1650は任意のサイズを有しうる。制御システム1650の長さが10mm〜50mmの範囲内でありえる実施形態もある。同様に、制御システム1650の長さが10mm〜50mmの範囲内でありえる。好適な1実施形態では、制御システム1650の長さは約40mmでありえる。また、制御システム1650の幅は約30mmでありえる。また別の実施形態では、制御システム1650の長さは約25mmでありえる。また、制御システム1650の幅は約25mmでありえる。
【0118】
図16を再び参照すると、自動靴紐結びシステム122は、自動靴紐結びシステム122がいつ甲102を締め付けるまたは緩めるべきであるかを決定するために用いられうる1つまたは複数のセンサーを有しうる。使用可能な様々な種類のセンサーには、限定されるのではないが、重量センサー、光センサー、音響センサー、熱センサーおよびこれ以外の種類のセンサーが含まれる。本実施形態では、自動靴紐結びシステム122には重量センサー1606が設けられうる。重量センサー1606が、ストラップ移動機構1202に直接接続されうる場合もある。好適な1実施形態では、重量センサー1606は、第2接続部1612を介して制御システム1650に接続されうる。このように配置することにより、制御システム1650は、ストラップ移動機構1202が活性化されるべきであるか否かを決めるために、重量センサー1606から信号を受信しうる。
【0119】
概して、重量センサー1606は、物品100の任意の箇所に位置づけることができる。重量センサー1606が足底104の一部分中に位置づけられうる実施形態もある。好適な1実施形態では、重量センサー1606は、物品100の中敷またはソックライナーに位置づけられることができる。また別の実施形態では、重量センサー1606は、物品100の別の箇所に位置づけられることができる。
【0120】
図17を参照すると、物品100がソックライナー1799を有することができる実施形態もある。概して、ソックライナー1799は、任意の種類の中敷または裏地でありえる。ソックライナー1799が取り外し可能な裏地でありえる場合もある。別の実施形態では、ソックライナー1799は、永続的に足底104に付着しうる。
【0121】
好ましくは、重量センサー1606は、ソックライナー1799のかかと部分1797中に設置されうる。このように配置することにより、足が甲102中に挿入され、かかと部分1797を押圧すると、ストラップ移動機構1202を活性化するために、制御システム1650に信号が送られうる。この時点で、制御システム1650は、ストラップセット115を動かすことにより甲102を締め付けるために、ストラップ移動機構1202を活性化させるための信号を送信することができる。
【0122】
重量センサー1606からの信号に従って、ストラップ移動機構1202を自動的に活性化させるように、制御システム1650が構成されうる実施形態もある。しかし、別の実施形態では、制御システム1650は、重量センサー1606から信号を受け取ると、ある時間遅延をするように構成されうる。このように配置することにより、使用者が足を完全に入れることができるようにするために、何らかの時間が経過するまでは、ストラップ移動機構1202が活性化されえない。
【0123】
重量センサーに加えてさらなるセンサーが用いられうる実施形態もあると理解されるべきである。センサーを用いて、ストラップセットの締め付けに関する情報を提供することができる実施形態もある。ストラップセットが適切に締め付けられているか否かを決めるために、センサーがストラップセットの一部分に適用されうる場合もある。別の場合では、センサーはモーターに適用されうる。ストラップセットのストラップを動かし続けるのにモーターが必要とするトルクまたは力を測定することにより、締め付けの適切な度合いを決めることができる。
【0124】
図16を再び参照すると、ストラップ移動機構1202には、使用者制御装置が備えられうる。「使用者制御装置」という用語は、使用者から入力を直接受け取ることができるように構成された任意の装置を指す。本実施形態では、制御システム1650は、好ましくは第3接続部1613を介して使用者制御装置1608に接続されている。使用者制御装置1608から信号を受信すると、制御システム1650は、ストラップ移動機構1202を活性化することができる。使用者制御装置の例には、図10に図示したようなストラップ移動機構1202を活性化させるために押されうるボタンが含まれる。しかし、別の実施形態では、任意の種類の使用者制御装置を使用することができ、これには、限定されるのではないが、レバー、スイッチ、ダイアル、コンソールまたはこれ以外の使用者制御装置が含まれる。
【0125】
概して、第1接続部1611、第2接続部1612および第3接続部1613は、情報および/またはエネルギーを伝送するように構成された任意の種類の接続部でありえる。ワイヤ接続が用いられうる実施形態もある。別の実施形態では、ワイヤレス接続部が用いられうる。
【0126】
図17〜21は、自動靴紐結びシステム122の操作の好適な1実施形態を図示する。明確にするために、ここでは甲102と足底104とを透視図示している。図17を参照すると、自動靴紐結びシステム122は、開いたないし緩んだ状態である。上述したように、第1ストラップ111は好ましくは第1端部部分1281を有し、これが、好ましくは、甲102の第2側壁部分1702付近にあるヨーク部材1270に付いている。同様に、第1ストラップは、甲102の第1側壁部分1302に付いている第2端部部分1330を有する。また、第1ストラップ111は、第1端部部分1281と第2端部部分1330との間に設けられている中間部分1711を有することができる。
【0127】
好ましくは、第2ストラップ112、第3ストラップ113および第4ストラップ114も第1ストラップ111と同様に配置されている。とりわけ、ストラップセット115の各ストラップは、好ましくは、ヨーク部材1270についている第1部分と第2側壁部分1702についている第2部分とを有する。さらに、各ストラップセット115は、好ましくは、各ストラップの第1端部部分と第2端部部分との間に設けられている中間部分を有する。
【0128】
自動靴紐結びシステム122がこの開いた位置にある場合、ヨーク部材1270は、好ましくは、下方穴セット1315に隣接する位置にある。すなわち、ストラップセット115は、上方穴セット1325から最大限伸張している。また、中間部分1711は、剛性を有する中空板1300の外側に配置されうる。この開いた位置では、ヨーク部材1270により、ストラップセット115が上方穴セット1325からさらに伸張することができないので、ストラップセット115のさらなる伸張または緩まりは行われない。
【0129】
図18を参照すると、自動靴紐結びシステム122が活性化されている。本実施形態では、モーター1230が、足底104内に設けられている制御システム1650から信号を受け取ることができる(図17参照)。とりわけ、モーター1230は、重量センサー1606が活性化された制御システム1650から信号を受け取ることができる。この時点で、モーター1230は活性化され、縦軸1804に対して反時計方向に駆動シャフト1232を回転させ始める。駆動シャフト1232が回転するにつれ、第1歯車1240および第2歯車1242も反時計方向に回転する。好ましくは、第1歯車1240および第2歯車1242は、第1ベルト1250と第2ベルト1252とそれぞれ係合する。とりわけ、第1歯車1240と第2歯車1242が、第1ベルト1250および第2ベルト1252の歯と噛み合うような歯を有するのが好ましい。このように配置することにより、第1歯車1240および第2歯車1242は反時計回りに回転し、第1ベルト1250および第2ベルト1252は、足底104に対して横方向に、第2側壁部分1702の方向に向かって動く。
【0130】
第1ベルト1250および第2ベルト1252は、ヨーク部材1270に固定されているので、この横方向の移動は、ヨーク部材1270に張力をかけ、ヨーク部材1270を剛性を有する中空板1300の下方穴セット1315から、距離D5だけ離す。さらに、ヨーク部材1270が、下方穴セット1315から引き離されるので、ストラップセット115は、剛性を有する中空板1300を通って下に引き下げられる。この動きは、好ましくはストラップセット115を締め付け、第2側壁部分1702を、甲102の第1側壁部分1302の方向に向かって引きつける。
【0131】
図19を参照すると、自動靴紐結びシステム122は、完全に閉じたないし締め付けられた位置にある。この閉じた位置において、ヨーク部材1270は、下方穴セット1315から、D6の距離だけさらに離れて伸張しているが、この距離D6は距離D5より実質的により大きい。さらに、ストラップセット115は、甲102の靴紐結び用間隙107に渡ってピンと引っ張られている。好ましくは、この閉じた位置で、甲102は足の回りで完全に締め付けられている。
【0132】
図20および図21を参照すると、使用者が物品100を脱ごうとした時に、自動靴紐結びシステム122は開いた位置へと戻されうる。本実施形態では、上述したように、使用者は、自動靴紐結びシステム122を開くためにボタンを押しうる(図10参照)。好ましくは、ボタンが押されると、モーター1230において、自動靴紐結びシステム122を開くために信号が受け取られる。
【0133】
自動靴紐結びシステム122を開くために、モーター1230は逆方向に作動されうる。すなわち、本実施形態では、モーター1230は縦軸1804に対して時計回り方向で回転するように構成されうる。モーター1230が時計回りで回転することにより、駆動シャフト1232、第1歯車1240および第2歯車1242が同様に時計回り方向に回転する。第1歯車1240および第2歯車1242が時計回り方向に回転することにより、さらに、第1ベルト1250と第2ベルト1252とが、それぞれさらに横方向に第1側壁部分1302に向かって移動する。第1ベルト1250および第2ベルト1252が、第1側壁部分1302に向かって動くことにより、ヨーク部材1270は剛性を有する中空板1300の下方穴セット1315に近づくように押される。さらに、ストラップセット115は、剛性を有する中空板1300を通って押され、ストラップセット115が、上方穴セット1325からさらに伸張する。この移動により、ストラップセット115が概して緩められ、第1側壁部分1302と第2側壁部分1702との間の間隙が少し増えることができる。
【0134】
図20および図21からわかるように、自動靴紐結びシステム122が開くにしたがって、ヨーク部材1270と下方穴セット1315との間の距離は短くなる。ある時点で、図20からわかるように、ヨーク部材1270と下方穴セット1315とは、距離D7だけ離れている。これに続いて、図21に図示された時間的により遅いある時点で、ヨーク部材1270と下方穴セット1315とは、D7より実質的により小さい距離である距離D8だけ離れている。おそらくは、自動靴紐結びシステム122は、図17に見られるような完全に開いた位置に置かれうる。この時点で、足は甲102から抜かれうる。
【0135】
図22および図23は、それぞれ、自動足首締め上げシステム124の分解等尺図および組み立て図である。上述したように、自動足首締め上げシステム124は、足首ストラップ150を有する。また、自動足首締め上げシステム124は、好ましくは足首ストラップ150の一部分を受容するように構成された筐体160を有する。筐体160が、中空路2206を有しうる実施形態もある。さらに、筐体160が、筐体160の外側面に中空路2206用の開口部を提供するスロット2202を有しうる。好適な1実施形態では、中空路2206とスロット2202は、足首ストラップ150の第1端部部分2203を受容するように構成されうる。このように配置することにより、足首ストラップ150の第1端部部分2203は、スロット2202および中空路2206内をスライドするように構成されうる。
【0136】
好ましくは、自動足首締め上げシステム124は、足首ストラップ150を動かす設備も有する。本実施形態では、自動足首締め上げシステム124は、好ましくはストラップ移動機構2222を有する。上述のように、「ストラップ移動機構」という用語は、この詳細な説明全体および請求項で使用する場合には、ストラップを動かす任意の機構を指す。
【0137】
好ましくは、ストラップ移動機構2222は、コイルバネ2204を含む。足首ストラップ150が、第1端部部分2203においてコイルバネ2204と関連しうる実施形態もある。好ましくは、コイルバネ2204は、シャフト2232とも連結されている。このように配置することにより、コイルバネ2204がシャフト2232の回りで巻き戻されるにしたがって、張力が第1端部部分2203にかけられうる。
【0138】
好ましくは、筐体160がストラップ移動機構2222の構成要素を受容するための設備を有している。筐体160が筐体空洞2250を有しうる実施形態もある。好適な1実施形態では、筐体空洞2250が、コイルバネ2204とシャフト2232とを受容するような形状を有する実施形態もある。
【0139】
本実施形態では、ストラップ移動機構2222がコイルバネ2204とシャフト2232とを有しているが、別の実施形態では、ストラップ移動機構2222が、これ以外の構成要素も同様に有しうる。例えば、足首ストラップ150にさらなる張力をかけるようにシャフト2232を回転させるように構成されているモーターと、シャフト2232とが、関連付けられうる実施形態もある。さらに、別の実施形態では、シャフト2232は、別の歯車、ベルトまたは足首ストラップ150に動力を供給しこれを動かす設備と関連づけられうる。
【0140】
好ましくは、ストラップ移動機構2222は、足首ストラップ150を、開いたないし伸張した位置へロックする設備と関連づけられうる。この好適な実施形態では、ストラップ移動機構2222は、ロック機構2299を有する。明確にするために、図面中でロック機構2299は概略的に図示する。
【0141】
概して、ロック機構2299は、自動足首締め上げシステム124の任意の箇所と関連しうる。好適な1実施形態では、ロック機構は、筐体160と関連しうる。このように配置することにより、ロック機構2299は、足首ストラップ150の一部分と相互作用するように構成されうる。とりわけ、ロック機構2299は、足首ストラップ150の移動をある状態で制限するように構成されうる。
【0142】
好ましくは、足首ストラップ150が完全に開いた位置に伸張すると、ロック機構2299が、足首ストラップ150の一部分と係合し、足首ストラップ150がコイルバネ2204の張力下で筐体160中へ再びスライドして戻るのを防ぐ。概して、ロック機構2299は、足首ストラップ150の一部分と係合するための任意の設備を有しうる。ロック機構2299が、足首ストラップ150が引っ込むのを防ぐような足首ストラップ150上に設けられた機械的なタブまたは同様の設備と係合しうる実施形態もある。別の実施形態では、ロック機構2299は、足首ストラップ150が完全に伸張する際に、第1端部部分2203をクランプ締めまたは挟むための設備を有しうる。
【0143】
好ましくは、自動足首締め上げシステム124は、ロック機構2299を解放する設備を有する。ロック機構2299が手動で解放されうる実施形態もある。例えば、ロック機構2299の一部分が、足首ストラップ150を解放するために押されうる場合もある。好適な1実施形態では、ロック機構2299は、電気的に制御される機構でありえる。とりわけ、ロック機構2299は、ある種の電気信号を用いて足首ストラップ150を解放するよう構成されうる。
【0144】
好ましくは、ロック機構2299は、1つまたは複数のセンサーおよび/または制御システムとやりとりする。好適な1実施形態では、ロック機構2299は、制御システム1650とやりとりする。この配置を用いると、重量センサー1606が活性化されると、制御システム1650は、ロック機構2299が足首ストラップ150との係合を外すための信号を送信しうる。ロック機構2299が解放されると、足首ストラップ150は、コイルバネ2204の張力により、足首の回りにしっかりと引かれる。
【0145】
概して、足首ストラップ150の第2端部部分2207は、甲102の足首部分132の任意の部分と関連を有しうる。第2端部部分2207が、筐体160に付けられうる実施形態もある。別の実施形態では、第2端部部分2207は、甲102の足首部分132に直接付けられうる。好適な1実施形態では、第2端部部分2207は、スロット2240において筐体160に固定して付けられている。このように配置することにより、足首ストラップ150の第1端部部分2204が足首部分132の回りを締め上げるために動きうる一方で、第2端部部分2207は、固定され続けることができる。
【0146】
図23に図示するように、コイルバネ2204は、好ましくはシャフト2232の回りで巻きつくように構成されている。概して、シャフト2232は任意の方向に方向付けられうる。シャフト2232が、概して水平の方向に方向付けられうる実施形態もある。好適な1実施形態では、シャフト2232は、概して垂直の方向に方向付けられうる。すなわち、シャフト2232は、物品の足底の上面に対して概して垂直の方向に方向付けられうる。このように配置することにより、よじれを防ぐために、足首ストラップ150の方向を足首ストラップ150の長さに沿って維持することができる。
【0147】
上述のように、自動足首締め上げシステム124が、自動靴紐結びシステム122と共に同時に操作されうる。自動足首締め上げシステム124が自動靴紐結びシステム122とやりとりしうる実施形態もある。上述のように、自動靴紐結びシステム122のストラップ移動機構1202が閉じられると、自動足首締め上げシステム124のストラップ移動機構2222が閉じるように構成されることができる。別の実施形態では、自動足首締め上げシステム124は、自動靴紐結びシステム122とは独立して操作されうる。とりわけ、自動足首締め上げシステム124のストラップ移動機構2222は、自動靴紐結びシステム122のストラップ移動機構1202に関連して説明した任意のオプション入力と関連しうる。例えば、ストラップ移動機構2222は、1つまたは複数のセンサーと関連しうる。さらに、ストラップ移動機構2222は、1つまたは複数の使用者制御装置と共に用いられうる。
【0148】
図24〜図26は、自動足首締め上げシステム124の操作の好適な実施例を示している。明確にするために、これらの図面中で自動足首締め上げシステム124を孤立させて示す。図24を参照すると、自動足首締め上げシステム124は開かれた位置に置かれている。この開かれた位置において、足は、入口穴105中に容易に挿入されうる。この時点で、入口穴105の平均幅はW5でありえる。
【0149】
図25を参照すると、自動足首締め上げシステム124は、自動足首締め上げシステム124が閉じられるべきとの信号をセンサーから受信しうる。とりわけ、ロック機構2299が、足首ストラップ150を解放するための信号を受け取りうる。好ましくは、コイルバネ2204が、足首ストラップ150へ張力をかける。この時点で、足首ストラップ150は、筐体160中にさらに引きこまれ、足首ストラップ150の中間部分2209が足首に対してピンと引っ張られうる。この閉じた位置で、入口穴105の平均幅W6は,好ましくは平均幅W5よりも実質的に小さい。
【0150】
図26を参照すると、自動足首締め上げシステム124は、使用者によって手動で開かれうる。ユーザが中間部分2209を直接引っ張って、足首ストラップ150を外側に引っ張りうる場合もある。別の場合では、使用者は足首ストラップ150を開くために、レバーまたはタブを引っ張りうる。この時点で、足首ストラップ150は、筐体160から外側にさらに伸張することができ、足首ストラップ150の中間部分2209は、足首の回りで緩みうる。足首ストラップ150が開いた位置に完全に伸張すると、ロック機構2299が、足首ストラップ150を定位置にロックするように構成されうる。この開いた位置で、入口穴105の平均幅W5は、平均幅W6よりも実質的に大きい。このように配置することにより、足を入口穴105から抜くことができる。
【0151】
本発明の様々な実施形態を説明したが、説明は例示的なもので、限定を意図していず、本発明の範囲内で可能であるより多数の実施形態や実装が可能であることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の請求項およびその等価物を考慮する以外には限定されるべきではない。また、様々な修正および変更は、添付の請求項の範囲内で行われうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、
空洞を有する足底と、
前記空洞中に設けられているモーターと、
前記モーターが駆動シャフトを有し、
前記駆動シャフトが少なくとも1つの歯車を有し、
少なくとも1つのベルトであって、前記ベルトの中間位置において前記少なくとも1つの歯車と係合しているベルトと、
前記少なくとも1つのベルトの付着部分において、前記少なくとも1つのベルトに連結されているヨーク部材と、
前記ヨーク部材に付いていて、履物物品の甲を調節するように構成されている複数のストラップとを
有し、
ここで、前記ストラップは、前記モーターを活性化させることにより、閉じた位置と緩んだ位置との間で、自動的に動かされうる
自動靴紐結びシステム。
【請求項2】
前記ヨーク部材はロッドである請求項1に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項3】
前記ヨーク部材は、前記複数のストラップを実質的に一致して動かしうる請求項1に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項4】
前記ストラップが閉じた位置にある際に、前記ヨーク部材は、剛性を有する中空板の下方穴セットに隣接して置かれている請求項1に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項5】
前記ストラップが閉じた位置にある際に、前記ヨーク部材は、前記剛性を有する中空板の前記下方穴セットから離れて置かれている請求項4に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項6】
前記駆動シャフトは、2つの歯車を有する請求項1に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項7】
前記駆動シャフトは、前記2つの歯車と係合するように構成されている2つのベルトを有する請求項6に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項8】
履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、
ストラップ移動機構と、
前記ストラップ移動機構に付けられ、前記履物物品の甲を調節するように構成されている少なくとも1つのストラップと、
甲の側壁部分と関連し、かつ前記少なくとも1つのストラップの中間部分を受容するように構成されている剛性を有する中空板とを
有し、
ここで、前記少なくとも1つのストラップが閉じられた際には、前記中間部分が前記剛性を有する中空板内に縮み、かつ、前記少なくも1つのストラップが開かれた際には、前記中間部分が前記剛性を有する中空板から伸張する
自動靴紐結びシステム。
【請求項9】
前記剛性を有する中空板は、前記剛性を有する中空板内に設けられたストラップ受容路を少なくとも1つ有する請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのストラップ受容路は、前記少なくとも1つのストラップの一部分を受容するように構成されている請求項9に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項11】
前記ストラップ受容路は、前記少なくとも1つのストラップの前記一部分を、前記剛性を有する中空板中の下方穴と上方穴との間でガイドするように構成されている請求項10に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項12】
前記剛性を有する中空板は、中央中空空洞を有する請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項13】
前記剛性を有する中空板は、前記側壁部分の内側表面に寄せ掛けて設けられている請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項14】
前記剛性を有する中空板は、前記側壁部分の外側表面に寄せ掛けて設けられている請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項15】
前記剛性を有する中空板は、前記側壁部分の外側裏地と前記側壁部分の内側裏地との間に設けられている請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項16】
前記ストラップ移動機構が、さらに、
駆動シャフトを有するモーターと、
前記駆動シャフトが歯車を有し、
前記歯車と係合するよう構成されたベルトとを
有し、
ここで、前記ベルトが、前記少なくとも1つのストラップに動力を供給するよう構成されている
請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項17】
履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、
履物物品の甲を調節するように構成されている第1ストラップと第2ストラップと、
前記第1ストラップが、前記第2ストラップに隣接して設けられていて、
前記第1ストラップおよび前記第2ストラップに連結されていて、前記第1ストラップおよび前記第2ストラップを自動的に動かすように構成されているストラップ移動機構とを
有し、
ここで、ストラップ移動機構が前記甲を自動的に調節するように操作される際に、前記第1ストラップと前記第2ストラップとが、実質的に一致して動くように構成されている
自動靴紐結びシステム。
【請求項18】
前記第1ストラップと前記第2ストラップとの隣接する部分間の間隙が、実質的に一定である請求項17に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項19】
前記第1ストラップと前記第2ストラップとが、前記第1ストラップと前記第2ストラップとに力をかけるように構成されているヨーク部材に付けられている請求項17に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項20】
前記第1ストラップと前記第2ストラップとは、前記甲の靴紐結び用間隙の下方に設けられている請求項17に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項21】
前記第1ストラップと前記第2ストラップとは、前記甲の横方向に沿って方向付けられている請求項17に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項22】
履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、
ストラップ移動機構と、
前記ストラップ移動機構に付けられる第1端部部分と、前記履物物品の甲の側壁部分に付けられる第2端部部分とを有するストラップとを
有し、
ここで、前記ストラップ移動機構が、前記第1端部部分を第1位置から第2位置へと動かし、これによって前記甲を緩めるように構成されている
自動靴紐結びシステム。
【請求項23】
前記ストラップ移動機構は、センサーとやりとりする請求項22に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項24】
前記センサーは重量センサーである請求項23に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項25】
前記ストラップ移動機構は、前記センサーから受信した情報にしたがって、前記ストラップを動かすように構成されている請求項23に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項26】
前記ストラップ移動機構は、使用者制御装置とやりとりする請求項22に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項27】
前記ストラップ移動機構は、前記使用者制御装置から受信した情報にしたがって、前記ストラップを動かすように構成されている請求項26に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項28】
履物物品用の自動足首締め上げシステムであって、
足首部分を有する甲と、
前記足首部分の後方部分に設けられた筐体と、
前記足首部分の前方部分と関連する足首ストラップと、
前記筐体内に設けられているストラップ移動機構とを
有し、
前記ストラップが、前記ストラップ移動機構に付けられた第1端部部分と、前記筐体に固定的に付けられた第2端部部分とを有し、
ここで、前記ストラップ移動機構は、開いた位置と閉じた位置との間で前記ストラップを自動的に動かし、かつこれにより足首部分を調節するように構成されている
自動足首締め上げシステム。
【請求項29】
前記ストラップ移動機構は、コイルバネを有する請求項28に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項30】
前記コイルバネは、前記第1端部部分に張力をかける請求項29に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項31】
前記コイルバネは、前記足首ストラップを自動的に閉じる方向で、前記第1端部部分に張力をかける請求項30に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項32】
前記自動足首締め上げシステムが、前記足首ストラップを開いた位置でロックするように構成されたロック機構を有する請求項31に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項33】
前記ロック機構は、重量センサーに関連する情報を受信するように構成されている請求項32に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項34】
前記ロック機構は、前記重量センサーに関連する前記受信した情報にしたがって前記足首ストラップを解放し、したがって、足首ストラップが閉じた位置に動きかつ足首の回りで締め付けることができるように、構成されている請求項33に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項35】
履物物品用の自動足首締め上げシステムであって、
足首部分を有する甲と、
前記足首部分の後方部分に設けられた筐体と、
前記足首部分の前方部分と関連する足首ストラップと、
前記ストラップが、前記ストラップ移動機構に付けられた第1端部部分と、前記筐体に固定的に付けられた第2端部部分とを
有し、
前記ストラップ移動機構は、前記筐体内で巻きつくように構成されたコイルバネを有し、前記コイルバネはシャフトの回りで巻きつくように構成されていて、
ここで、前記シャフトは、前記甲の上方部分から前記甲の下方部分へと延在する方向で方向づけられている
自動足首締め上げシステム。
【請求項36】
前記足首ストラップの前記第1端部部分は、前記コイルバネに付けられている請求項35に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項37】
前記足首ストラップは、前記足首ストラップの動きを制限するように構成されているロック機構と関連する請求項35に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項38】
前記筐体は、前記ストラップの第1端部部分を受容するように構成された路を有する請求項35に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項39】
前記筐体は、前記コイルバネを受容するように構成された空洞を有する請求項35に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項40】
履物物品の自動靴紐結びシステムを調節する方法であって、
使用者制御装置から情報を受信する工程と、
前記使用者制御装置から受信した情報にしたがって、前記自動靴紐結びシステムを用いて前記履物物品の甲を自動的に開く工程と
を含む方法。
【請求項41】
前記使用者制御装置はボタンである請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記使用者制御装置はスイッチである請求項40に記載の方法。
【請求項43】
使用者制御装置から情報を受信する前記工程は、少なくとも1つのセンサーから情報を受信する工程に続く請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記自動靴紐結びシステムは、前記少なくとも1つのセンサーから受信した前記情報にしたがって、甲を閉じるように制御されている請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記自動靴紐結びシステムは、前記使用者制御装置から受信した情報にしたがって、前記甲を閉じるように制御されている請求項40に記載の方法。
【請求項1】
履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、
空洞を有する足底と、
前記空洞中に設けられているモーターと、
前記モーターが駆動シャフトを有し、
前記駆動シャフトが少なくとも1つの歯車を有し、
少なくとも1つのベルトであって、前記ベルトの中間位置において前記少なくとも1つの歯車と係合しているベルトと、
前記少なくとも1つのベルトの付着部分において、前記少なくとも1つのベルトに連結されているヨーク部材と、
前記ヨーク部材に付いていて、履物物品の甲を調節するように構成されている複数のストラップとを
有し、
ここで、前記ストラップは、前記モーターを活性化させることにより、閉じた位置と緩んだ位置との間で、自動的に動かされうる
自動靴紐結びシステム。
【請求項2】
前記ヨーク部材はロッドである請求項1に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項3】
前記ヨーク部材は、前記複数のストラップを実質的に一致して動かしうる請求項1に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項4】
前記ストラップが閉じた位置にある際に、前記ヨーク部材は、剛性を有する中空板の下方穴セットに隣接して置かれている請求項1に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項5】
前記ストラップが閉じた位置にある際に、前記ヨーク部材は、前記剛性を有する中空板の前記下方穴セットから離れて置かれている請求項4に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項6】
前記駆動シャフトは、2つの歯車を有する請求項1に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項7】
前記駆動シャフトは、前記2つの歯車と係合するように構成されている2つのベルトを有する請求項6に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項8】
履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、
ストラップ移動機構と、
前記ストラップ移動機構に付けられ、前記履物物品の甲を調節するように構成されている少なくとも1つのストラップと、
甲の側壁部分と関連し、かつ前記少なくとも1つのストラップの中間部分を受容するように構成されている剛性を有する中空板とを
有し、
ここで、前記少なくとも1つのストラップが閉じられた際には、前記中間部分が前記剛性を有する中空板内に縮み、かつ、前記少なくも1つのストラップが開かれた際には、前記中間部分が前記剛性を有する中空板から伸張する
自動靴紐結びシステム。
【請求項9】
前記剛性を有する中空板は、前記剛性を有する中空板内に設けられたストラップ受容路を少なくとも1つ有する請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのストラップ受容路は、前記少なくとも1つのストラップの一部分を受容するように構成されている請求項9に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項11】
前記ストラップ受容路は、前記少なくとも1つのストラップの前記一部分を、前記剛性を有する中空板中の下方穴と上方穴との間でガイドするように構成されている請求項10に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項12】
前記剛性を有する中空板は、中央中空空洞を有する請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項13】
前記剛性を有する中空板は、前記側壁部分の内側表面に寄せ掛けて設けられている請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項14】
前記剛性を有する中空板は、前記側壁部分の外側表面に寄せ掛けて設けられている請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項15】
前記剛性を有する中空板は、前記側壁部分の外側裏地と前記側壁部分の内側裏地との間に設けられている請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項16】
前記ストラップ移動機構が、さらに、
駆動シャフトを有するモーターと、
前記駆動シャフトが歯車を有し、
前記歯車と係合するよう構成されたベルトとを
有し、
ここで、前記ベルトが、前記少なくとも1つのストラップに動力を供給するよう構成されている
請求項8に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項17】
履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、
履物物品の甲を調節するように構成されている第1ストラップと第2ストラップと、
前記第1ストラップが、前記第2ストラップに隣接して設けられていて、
前記第1ストラップおよび前記第2ストラップに連結されていて、前記第1ストラップおよび前記第2ストラップを自動的に動かすように構成されているストラップ移動機構とを
有し、
ここで、ストラップ移動機構が前記甲を自動的に調節するように操作される際に、前記第1ストラップと前記第2ストラップとが、実質的に一致して動くように構成されている
自動靴紐結びシステム。
【請求項18】
前記第1ストラップと前記第2ストラップとの隣接する部分間の間隙が、実質的に一定である請求項17に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項19】
前記第1ストラップと前記第2ストラップとが、前記第1ストラップと前記第2ストラップとに力をかけるように構成されているヨーク部材に付けられている請求項17に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項20】
前記第1ストラップと前記第2ストラップとは、前記甲の靴紐結び用間隙の下方に設けられている請求項17に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項21】
前記第1ストラップと前記第2ストラップとは、前記甲の横方向に沿って方向付けられている請求項17に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項22】
履物物品用の自動靴紐結びシステムであって、
ストラップ移動機構と、
前記ストラップ移動機構に付けられる第1端部部分と、前記履物物品の甲の側壁部分に付けられる第2端部部分とを有するストラップとを
有し、
ここで、前記ストラップ移動機構が、前記第1端部部分を第1位置から第2位置へと動かし、これによって前記甲を緩めるように構成されている
自動靴紐結びシステム。
【請求項23】
前記ストラップ移動機構は、センサーとやりとりする請求項22に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項24】
前記センサーは重量センサーである請求項23に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項25】
前記ストラップ移動機構は、前記センサーから受信した情報にしたがって、前記ストラップを動かすように構成されている請求項23に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項26】
前記ストラップ移動機構は、使用者制御装置とやりとりする請求項22に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項27】
前記ストラップ移動機構は、前記使用者制御装置から受信した情報にしたがって、前記ストラップを動かすように構成されている請求項26に記載の自動靴紐結びシステム。
【請求項28】
履物物品用の自動足首締め上げシステムであって、
足首部分を有する甲と、
前記足首部分の後方部分に設けられた筐体と、
前記足首部分の前方部分と関連する足首ストラップと、
前記筐体内に設けられているストラップ移動機構とを
有し、
前記ストラップが、前記ストラップ移動機構に付けられた第1端部部分と、前記筐体に固定的に付けられた第2端部部分とを有し、
ここで、前記ストラップ移動機構は、開いた位置と閉じた位置との間で前記ストラップを自動的に動かし、かつこれにより足首部分を調節するように構成されている
自動足首締め上げシステム。
【請求項29】
前記ストラップ移動機構は、コイルバネを有する請求項28に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項30】
前記コイルバネは、前記第1端部部分に張力をかける請求項29に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項31】
前記コイルバネは、前記足首ストラップを自動的に閉じる方向で、前記第1端部部分に張力をかける請求項30に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項32】
前記自動足首締め上げシステムが、前記足首ストラップを開いた位置でロックするように構成されたロック機構を有する請求項31に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項33】
前記ロック機構は、重量センサーに関連する情報を受信するように構成されている請求項32に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項34】
前記ロック機構は、前記重量センサーに関連する前記受信した情報にしたがって前記足首ストラップを解放し、したがって、足首ストラップが閉じた位置に動きかつ足首の回りで締め付けることができるように、構成されている請求項33に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項35】
履物物品用の自動足首締め上げシステムであって、
足首部分を有する甲と、
前記足首部分の後方部分に設けられた筐体と、
前記足首部分の前方部分と関連する足首ストラップと、
前記ストラップが、前記ストラップ移動機構に付けられた第1端部部分と、前記筐体に固定的に付けられた第2端部部分とを
有し、
前記ストラップ移動機構は、前記筐体内で巻きつくように構成されたコイルバネを有し、前記コイルバネはシャフトの回りで巻きつくように構成されていて、
ここで、前記シャフトは、前記甲の上方部分から前記甲の下方部分へと延在する方向で方向づけられている
自動足首締め上げシステム。
【請求項36】
前記足首ストラップの前記第1端部部分は、前記コイルバネに付けられている請求項35に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項37】
前記足首ストラップは、前記足首ストラップの動きを制限するように構成されているロック機構と関連する請求項35に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項38】
前記筐体は、前記ストラップの第1端部部分を受容するように構成された路を有する請求項35に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項39】
前記筐体は、前記コイルバネを受容するように構成された空洞を有する請求項35に記載の自動足首締め上げシステム。
【請求項40】
履物物品の自動靴紐結びシステムを調節する方法であって、
使用者制御装置から情報を受信する工程と、
前記使用者制御装置から受信した情報にしたがって、前記自動靴紐結びシステムを用いて前記履物物品の甲を自動的に開く工程と
を含む方法。
【請求項41】
前記使用者制御装置はボタンである請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記使用者制御装置はスイッチである請求項40に記載の方法。
【請求項43】
使用者制御装置から情報を受信する前記工程は、少なくとも1つのセンサーから情報を受信する工程に続く請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記自動靴紐結びシステムは、前記少なくとも1つのセンサーから受信した前記情報にしたがって、甲を閉じるように制御されている請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記自動靴紐結びシステムは、前記使用者制御装置から受信した情報にしたがって、前記甲を閉じるように制御されている請求項40に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2011−519611(P2011−519611A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507603(P2011−507603)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/042072
【国際公開番号】WO2009/134858
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/042072
【国際公開番号】WO2009/134858
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】
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