説明

自発光式道路鋲

【課題】低温による蓄電池の放電効率低下を抑制し、夜間長期にわたり安定した発光が実現される自発光式道路鋲を提供。
【解決手段】太陽電池120と太陽電池120から発生する電力を蓄電する固相型蓄電池130と発光素子140と固相型蓄電池130に太陽光を集光する集光部材150とを備える自発光式道路鋲である。また、太陽電池120であって、光電変換層121、光電変換層122の表面に離散的に設けられる表面電極、及び光電変換層の裏面に離散的に設けられる裏面電極123を有する太陽電池120と太陽電池120から発生する電力を蓄電する固相型蓄電池130であって、太陽電池120の直下に設けられる固相型蓄電池130と、発光素子140と、を備える自発光式道路鋲である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、道路の交差点中央部や中央部等に埋設設置され、夜間において発光により、歩行者や車両通行者に線形、道路条件、危険の有無等を注意させるための自発光式道路鋲に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自発光式道路鋲は、例えば、道路の交差点中央部や中央部等に埋設設置され、昼間、太陽光により電力を発生する太陽電池から発生する電力を蓄電池により蓄電し、夜間、しく電池により蓄電した電力により発光素子が発光することで、歩行者や車両通行者に線形、道路条件、危険の有無等を注意させている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−251144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の自発光式道路鋲には、次のような改善すべき問題点が残されている。
すなわち、従来の自発光型道路鋲では、曇りや雨の際にも、安定的に発光するために、蓄電池として容量の大きい電気二重層キャパシタを搭載している。
しかしながら、電気二重層キャパシタは、電解液を用いた液相型の化学電池であり、その使用温度は−25℃〜85℃ではあるが、低温ではその放電効率が低下してしまう。
そのため、自発光型道路鋲からの発光が必要とされる夜間において、気温の低下に伴う道路鋲内温度低下で発光が不安定になることが懸念される。一方で、高温においては、液層の蒸気圧の上昇から変形やこの変形に起因する液漏れが懸念される。
【0005】
そこで、本発明の課題は、低温による蓄電池の放電効率低下を抑制し、夜間長期にわたり安定した発光が実現される自発光式道路鋲を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
太陽光により電力を発生する太陽電池と、
前記太陽電池から発生する電力を蓄電する固相型蓄電池と、
前記固相型蓄電池に蓄電された電力により発光する発光素子と、
前記固相型蓄電池に太陽光を集光する集光部材と、
前記太陽電池、前記固相型蓄電池、前記発光素子、及び前記集光部材を内部に保持する筐体と、
を備える自発光式道路鋲。
【0007】
請求項2に係る発明は、
太陽光により電力を発生する太陽電池であって、光電変換層、前記光電変換層の表面に離散的に設けられる表面電極、及び前記光電変換層の裏面に離散的に設けられる裏面電極を有する太陽電池と、
前記太陽電池から発生する電力を蓄電する固相型蓄電池であって、前記太陽電池の直下に設けられる固相型蓄電池と、
前記固相型蓄電池に蓄電された電力により発光する発光素子と、
前記太陽電池、前記固相型蓄電池、及び前記発光素子を内部に保持する筐体と、
を備える自発光式道路鋲。
【0008】
請求項3に係る発明は、
前記太陽電池と前記固相型蓄電池との間に、波長400nm〜1200nmの光を反射すると共に、それ以外の波長の光を透過するシート部材をさらに備える請求項2に記載の自発光式道路鋲。
【0009】
請求項4に係る発明は、
前記太陽電池と前記固相型蓄電池との間に、前記固相型蓄電池に太陽光を集光する集光部材をさらに備える請求項2又は3に記載の自発光式道路鋲。
【0010】
請求項5に係る発明は、
前記固相型蓄電池が、プラズモニックキャパシタである請求項1〜4のいずれか1項に記載の自発光式道路鋲。
【0011】
請求項6に係る発明は、
前記固相型蓄電池の外面、及び前記筐体の内壁面の少なくとも一方に、黒色層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の自発光式道路鋲。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低温による蓄電池の放電効率低下を抑制し、夜間長期にわたり安定した発光が実現される自発光式道路鋲を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る自発光式道路鋲を示す概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る自発光式道路鋲に備える第1のキャパシタ型蓄電池を示す短尺方向(幅方向)での概略断面図である。
【図3】第1実施形態に係る自発光式道路鋲に備える第2のキャパシタ型蓄電池を示す短尺方向(幅方向)での概略断面図である。
【図4】第1実施形態に係る自発光式道路鋲に備える第3のキャパシタ型蓄電池を示す短尺方向(幅方向)での概略断面図である。
【図5】第1実施形態に係る自発光式道路鋲に備える第4のキャパシタ型蓄電池を示す短尺方向(幅方向)での概略断面図である。
【図6】第2実施形態に係る自発光式道路鋲を示す概略構成図である。
【図7】第2実施形態に係る自発光式道路鋲に備える太陽電池を示す概略構成図である。
【図8】第3実施形態に係る自発光式道路鋲を示す概略構成図である。
【図9】第4実施形態に係る自発光式道路鋲を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る自発式道路鋲101は、図1に示すように、筐体110を備え、この筐体110内部に、太陽光により電力を発生する太陽電池120と、太陽電池から発生する電力を蓄電する固相型蓄電池130と、固相型蓄電池130に蓄電された電力により発光する発光素子140と、固相型蓄電池に太陽光を集光する集光部材150と、を備えている。
また、筐体110内部には、発光素子140の発光や、固相型蓄電池130の充放電を制御する制御ユニット160も備えられている。
【0016】
なお、筐体110内部には、当該内部を上下に区画する光透過性(例えば光透過率50%(望ましくは80%以上))の透明仕切板113を備えており、これにより区画された上方領域(透明天板112側の領域)には太陽電池120及び発光素子140が配設され、下方領域(筐体本体111底面側の領域)には固相型蓄電池130及び制御ユニット160が設けられている。そして、集光部材150が透明仕切板113に固定されて配設されている。
【0017】
以下、各部材について詳細に説明する。
【0018】
まず、筐体110について説明する。
筐体110は、例えば、上方が開口し底面を有する凹部状の筐体本体111と、筐体本体111の開口を塞ぐ透明天板112と、で構成されている。
筐体本体111は、自発式道路鋲101が埋設されたとき、少なくとも下端が地中へ埋められる部材であり、例えば、金属部材や樹脂部材により構成される。
一方、透明天板112は、自発式道路鋲101が埋設されたとき、少なくとも露出され、太陽光を筐体110内部へ到達させるための部材であり、例えば、光透過性(例えば光透過率50%(望ましくは80%以上))を有する部材で構成される。この光透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂部材、ポリカーボネート樹脂部材等が挙げられる。
【0019】
ここで、筐体110の内壁(筐体本体111の内壁)には、黒色層170が設けられている。
黒色層170は、黒色度が高い層であり、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、酸化チタン、酸化鉄、酸化マンガン、グラファイト等を用いた層、具体的には、これら材料の単体層、又はこれら材料を樹脂に分散した層が挙げられる。
黒色層170は、筐体110の内壁(筐体本体111の内壁)に、シート状の部材を貼り付けて設けてもよいし、塗工液を用いて塗工により設けてもよい。
【0020】
次に、太陽電池について説明する。
太陽電池120は、例えば、筐体110内部の中央部(筐体110の透明天板112から見たときの中央部)であって、透明天板112近傍に設けられている。
【0021】
太陽電池120は、例えば、光電変換層121と、光電変換層121の表面に離散的に設けられた表面電極122と、光電変換層121の裏面全面に設けられた裏面電極123とで構成されている。具体的には、例えば、太陽電池120は、光電変換層121と表面電極122と裏面電極123との単位セルが複数並列配置されたモジュールで構成されている。
【0022】
太陽電池120の構成としては、特に特に限定はなく、シリコン結晶型太陽電池、シリコン薄膜型太陽電池、色素増感型太陽電池、有機太陽電池、化合物半導体太陽電池等の種々のタイプが適用できるが、一般的にはシリコン結晶型太陽電池を適用することがよい。
なお、本実施形態では、太陽電池120として、表面から入射した光が裏面へ透過しない、非光透過型の太陽電池を適用している。
【0023】
次に、固相型蓄電池について説明する。
固相型蓄電池130は、例えば、筐体110内部の端部側(筐体110の透明天板112から見たときの端部側)であって、太陽電池120よりも下方に設けられている。つまり、固相型蓄電池130は、例えば、筐体110の透明天板112から見たとき(言い換えれば、固相型蓄電池130と太陽電池120とを透明天板112(若しくは太陽電池120)厚み方向に投影したとき)、太陽電池120と重ならないように設けられている。無論、一部が重なってもよい。
【0024】
固相型蓄電池130とは、固体物質で構成される蓄電池である。
固相型蓄電池130として具体的には、例えば、米国特許7033406号、米国特許7466536号、米国特許7595109号に記載の高耐電圧を有するセラミック材料の用いた固体相型蓄電池;、米国公開特許2009/0141423に記載の磁性材料を用いた固体相型蓄電池;、国際出願第09/116668パンフレットに記載の電送線路型の固体相型蓄電池(プラズモニックキャパシタ)、及び固体電解質を用いた化学二次電池が挙げられる。
これらの中でも、電送線路型の固体相型蓄電池(プラズモニックキャパシタ)が、その蓄電容量の高さから望ましい。
なお、電送線路型の固体相型蓄電池(プラズモニックキャパシタ)とは、導電膜(電極)に生じた電磁波エネルギーをフォトン/フォノンの間で授受(エネルギー交換)することによって電力を蓄電/放電できる、プラズモ二クス又はスピントロニクス分野のキャパシタである。
【0025】
電送線路型の固体相型蓄電池(プラズモニックキャパシタ)について、以下、その好適な構成を説明する。
【0026】
固体相型蓄電池(プラズモニックキャパシタ)としては、例えば、下記第1〜第2のキャパシタ型蓄電池が好適に挙げられる。
第1のキャパシタ型蓄電池は、例えば、複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子が互いに接触して形成してなる第1粒子層と、前記第1粒子層の一方の面上に第1絶縁膜と、前記第1粒子層の他方の面上に第2絶縁膜と、前記第1絶縁膜上で長尺方向に延在する第1導電路と、前記第2絶縁膜上で長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を有し、
前記複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子が、平面面積による粒度分布において平面面積の大きい側から累積15%を除いたものであり、且つ最大幅が100nm未満である。
【0027】
第1のキャパシタ型蓄電池として具体的には、例えば、図2に示すように、複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子が互いに接触して形成してなる第1粒子層40の一方の面に第1絶縁膜20を積層し、他方の面に第2絶縁膜22を積層する。第1絶縁膜20上には、第1粒子層40の長尺方向(図2では紙面の手前から奥に向かう方向)に延在する第1導電路30が設けられ、第2絶縁膜22上には、第1粒子層40の長尺方向に延在し、第1導電路30と平行に第2導電路32が設けられる。図2では、第1粒子層40は1層として示しているが、第1粒子層40が2層で構成され、該2層の第1粒子層40の間に、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材(図示せず)を備えていてもよい。
第1粒子は、平面面積による粒度分布において平面面積の大きい側から累積15%を除いたものであり、且つ最大幅が100nm未満である。
【0028】
一方、第2のキャパシタ型蓄電池は、例えば、複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子が互いに接触して形成してなる第1粒子層と、第1絶縁膜と、を積層する第1積層膜と、前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在する第1導電路と、前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を有し、
前記複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子が、平面面積による粒度分布において平面面積の大きい側から累積15%を除いたものであり、且つ最大幅が100nm未満である。
【0029】
第2のキャパシタ型蓄電池として具体的には、例えば、図3に示すように、複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子(「第1粒子」と称する)が互いに接触して形成してなる第1粒子層40の上に第1絶縁膜20を積層する第1積層膜50を有する。第1積層膜50の第1絶縁膜20上には、第1積層膜50の長尺方向(図3では紙面の手前から奥に向かう方向)に延在する第1導電路30と、第1導電路30に平行する第2導電路32とが設けられる。更に図3では、第1粒子層40の外側表面には基材シート60が設けられているが、基材シート60の設置は任意である。また、第1粒子層40の外面上、或いは第1粒子層40と基材シート60の間には、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材(図示せず)を設けてもよい。
更に、図3に示すように、第1導電路30及び第2導電路32の外面上に、第2絶縁膜22が連続して設けられていてもよいが、第2絶縁膜22の設置は任意である。
複数個の第1粒子は、平面面積による粒度分布において平面面積の大きい側から累積15%を除いたものであり、且つ最大幅が100nm未満である。
【0030】
第1〜第2のキャパシタ型蓄電池では、熱振動などによるエネルギー損失を防ぐべく、蓄電粒子層を最大幅が100nm未満、好ましくは80nm未満の導電粒子や半導体粒子で形成する。これにより、固有電子状態を形成し、電子のエネルギーはバルクスケールの連続的なバンド構造ではなく、離散的な複数のエネルギー準位を発生させることができる。つまり量子ドットとなり量子効果が発現する。
【0031】
加えて、蓄電粒子層を構成する導電粒子又は半導体粒子は、平面面積による粒度分布において平面面積の小さい側から累積85%のまでの粒子を用い、このときの粒子の最大幅が100nm未満であれば、実質的に量子効果を発現する材料として有効である。
つまり、蓄電粒子層を特定の大きさの粒子で形成することで、熱振動などによるエネルギー損失を抑えることができるようになるものの、一方で、粒子単体では電子の粗密波の増幅に制限があり、粒子を集めても大きな容量を得ることができないことが判明した。そこで、粒子同士を接触して存在させることで、容量の増大を図れる。

【0032】
ここで、第1〜第2のキャパシタ型蓄電池において、
「粒子」とは、均一な固体相で構成され、その固体相は他相と接している境界で区切られた有限な一単位を意味し、境界においては、バルク体と異なり電子移動の多少の制限を受ける。例えば、第1〜第2のキャパシタ型蓄電池における粒子形態は、導電粒子又は半導体粒子(固体相)の周囲が空隙(他相)である場合や、導電粒子又は半導体粒子(固体相)の周囲に絶縁物(他相)が充填されている場合、更には、特定の結晶方位を有する金属相又は半導体相の周囲に他の結晶方位を有する金属相又は半導体相が充填されている場合、極薄酸化膜(他層)が形成されている場合などが挙げられる。つまり、固体相は、単結晶、上記サイズの多結晶、アモルファスでもよい。
【0033】
つまり、第1〜第2のキャパシタ型蓄電池に係る粒子では、例え粒子どうしが接触していても、電子の粗密波はその接触部も表面と捉えるため粒子の中に閉じ込められるが、電荷は粒子どうしが接触していることでその接触面を通過できるものも存在している。したがって、粒子どうしを接触させることで、電子が密となっている粒子に電荷が更に移動し、電子の粗密差を更に大きくすることができる。つまり、粒子どうしを接触させることで、電磁波と表面プラズモンのエネルギー交換を大きくでき、かつ交換したエネルギーを保持できる。よって、単位体積あたりの容量が大きく、且つ電圧や電流の印加を切っても、電位の降下、つまりは蓄電量の低下を抑制することが可能となる。
【0034】
上記メカニズムでの蓄電の安定化作用は、第1導電路と第2導電路のペア線の一方の面でだけでなく、他面も活用できることから、第1導電路と第2導電路のペア線の他面上に、連続した第2絶縁膜を設け、この第2絶縁膜の外面上に、更に複数個の第2導電粒子又は第2半導体粒子が互いに接触して形成してなる第2粒子層を備えても構わない。この場合であっても、前記複数個の第2導電粒子又は第2半導体粒子は、平面面積による粒度分布において平面面積の大きい側から累積15%を除いたものであり、且つ最大幅が100nm未満である。
【0035】
また、固体相型蓄電池(プラズモニックキャパシタ)としては、例えば、下記第3〜第4のキャパシタ型蓄電池も挙げられる。
第3のキャパシタ型蓄電池は、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材、及び前記第1基材の少なくとも一方の面に複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子を含む第1粒子層を有する第1積層型基材と、前記第1積層型基材の一方の面に第1絶縁膜と、前記第1積層型基材の他方の面に第2絶縁膜と、前記第1絶縁膜上で前記第1積層型基材の長尺方向に延在する第1導電路と、前記第2絶縁膜上で前記第1積層型基材の長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を備え、
前記第1導電粒子若しくは前記第1半導体粒子又はこれら粒子が複数個集合した粒子集合体の最大幅が10μm以下であり、前記第1導電粒子若しくは前記第1半導体粒子又は前記粒子集合体の間に隙間又は絶縁物が存在し、前記第1導電粒子若しくは前記第1半導体粒子又は前記粒子集合体の間の距離が30nm以上3000nm以下である。
【0036】
第3のキャパシタ型蓄電池として具体的には、例えば、図4に示すように、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材10の少なくとも一方の面に複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子(「第1粒子」と総称する)を含む第1粒子層40を有する第1積層型基材を有する。図4では、第1絶縁膜20及び第2絶縁膜22が接する第1基材10の両表面において、第1粒子層40が存在する図を示している。
第1積層型基材の一方の面上には第1絶縁膜20、第1積層型基材の他方の面上には第2絶縁膜22が設けられる。第1絶縁膜20上には、第1積層型基材の長尺方向(図4では紙面の手前から奥に向かう方向)に延在する第1導電路30が設けられ、第2絶縁膜22上には、第1積層型基材の長尺方向に延在し、第1導電路30と平行するように第2導電路32が設けられる。
第1粒子又は第1粒子が複数個集合した粒子集合体の最大幅は10μm以下である。第1粒子又は粒子集合体の間には隙間又は絶縁物が介在し、粒子間又は粒子集合体間の距離は30nm以上3000nm以下である。
【0037】
一方、第4のキャパシタ型蓄電池は、例えば、第1導電膜又は第1半導体膜からなる第1基材、複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子を含む第1粒子層、及び第1絶縁膜、をこの順に積層した第1積層膜と、前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在する第1導電路と、前記第1積層膜の第1絶縁膜上で該第1積層膜の長尺方向に延在し、前記第1導電路に平行に設けられた第2導電路と、を備え、
前記第1導電粒子若しくは第1半導体粒子又はこれら粒子が複数個集合した粒子集合体の最大幅が10μm以下であり、前記第1導電粒子若しくは前記第1半導体粒子又は前記粒子集合体の間に隙間又は絶縁物が存在し、前記第1導電粒子若しくは前記第1半導体粒子又は前記粒子集合体の間の距離が30nm以上3000nm以下である。
【0038】
第4のキャパシタ型蓄電池として具体的には、例えば、図5に示すように、第1導電膜又は第1半導体膜からなる基材10の上に、複数個の第1導電粒子又は第1半導体粒子(「第1粒子」と称する)を含む第1粒子層40と、第1絶縁膜20とをこの順に積層した第1積層膜50を有する。第1積層膜50上には、第1積層膜50の長尺方向(図5では紙面の手前から奥に向かう方向)に延在する第1導電路30と、第1導電路30に平行する第2導電路32とが設けられる。
第1粒子又は第1粒子が複数個集合した粒子集合体の最大幅は10μm以下である。第1粒子又は粒子集合体の間には隙間又は絶縁物が介在し、粒子間又は粒子集合体間の距離は30nm以上3000nm以下である。
更に図5においては、第1基材10の外側表面には基材シート60が設けられる。
【0039】
第3〜第4のキャパシタ型蓄電池では、粗密波の発生する箇所に粒子化した金属・半導体(導電粒子・半導体粒子。以下ではこれらを総称して「粒子」という場合がある。)を配置し、この粒子又は該粒子の集合体の最大幅を10μm以下とすることで、熱緩和しない距離でのエネルギー伝搬となる。更に、この最大幅の粒子又は粒子集合体が互いに接触せずに、互いの間に隙間又は絶縁物を存在させることで、粗密波から電磁波に戻すことができる。そして再び、電磁波から粗密波にエネルギーを変換する。これを繰り返すことで、熱緩和を抑制でき、電荷の保持性能を向上させることができる。
【0040】
ここで、前記粒子間又は粒子集合体間の距離は30nm以上3000nm以下である。互いの距離を30nm以上とすることで、粗密波から電磁波に、また電磁波から粗密波にエネルギーが変換し、結果として蓄電池の容量が大きくなる。また、大きな容量を得るためには、粒子の数を一定以下に減らさないことが必要であり、この観点から互いの距離は、3000nm以下とする。
【0041】
よって、第3〜第4のキャパシタ型蓄電池の構成を上記のように、第1粒子層は最大幅が10μm以下の粒子又は粒子集合体を含んでなり、この粒子又は粒子集合体の間に隙間又は絶縁物が介在し、粒子間又は粒子集合体間の距離が30nm以上3000nm以下とすることで、静電容量が高く、長時間放置後も充放電効率の高いキャパシタ型蓄電池となる。
【0042】
ここで、第3〜第4のキャパシタ型蓄電池において「粒子」とは、均一な固体相で構成され、その固体相は他相と接している境界で区切られた有限な一単位を意味し、境界においては、バルク体と異なり電子移動の多少の制限を受ける。例えば、第3〜第4のキャパシタ型蓄電池における粒子形態は、導電粒子又は半導体粒子(固体相)の周囲が空隙(他相)である場合や、導電粒子又は半導体粒子(固体相)の周囲に絶縁物(他相)が充填されている場合、更には、特定の結晶方位を有する金属相又は半導体相の周囲に他の結晶方位を有する金属相又は半導体相が充填されている場合、極薄酸化膜(他層)が形成されている場合などが挙げられる。つまり、固体相は、単結晶、上記サイズの多結晶、アモルファスでもよい。
【0043】
第3〜第4のキャパシタ型蓄電池では、粒子と第1基材とが接触している場合には、第1基材から粒子の電子の密な部分に電荷が移動し、電子の粗密差をより大きくすることができる。つまり、上記構成を有するキャパシタ型蓄電池では、電磁波と表面プラズモンのエネルギー交換を大きくでき、かつ交換したエネルギーを保持できる。よって、更に大きな容量でかつ、電圧や電流の印加を切っても、電位の降下、つまりは蓄電量の低下を著しく抑制することが可能となる。
【0044】
第3〜第4のキャパシタ型蓄電池では、更に、第1粒子層を形成する前記粒子又は前記粒子集合体の最大幅が100nm未満の場合には、下記に説明するような量子効果が発現する。
前記第1粒子層を形成する前記粒子又は前記粒子集合体の最大幅が100nm未満の場合には、固有電子状態を形成し、電子のエネルギーはバルクスケールの連続的なバンド構造ではなく、離散的な複数のエネルギー準位を発生させることができる。つまり量子ドットとなり量子効果が発現する。
【0045】
電磁波と表面プラズモン干渉によりエネルギーを得た粗密状態は、量子ドットの量子効果で得られた離散的エネルギー準位において、基底のエネルギー準位から高いエネルギーバ準位への移動、つまり準位間励起となることができる。バルクスケールの連続的なバンド構造では、バンド内でエネルギーが緩和されてしまい保持が困難であるのに対し、離散的エネルギー準位間の励起では、エネルギーの保持作用を発現できる。さらに言うならば、金属の連続的なエネルギー順位にあっても量子ドット的構造で離散的エネルギー準位となり、エネルギーの保持作用が発現できる。
【0046】
離散的励起状態では、電子を伝導体に励起することで電子の抜け殻にホールができ、その電子ホールペア状態でエネルギーが保持される。この状態では、外部から見たとき電気的に中性である。すなわち、電磁エネルギーから電子ホールペア励起エネルギーにエネルギーが変換されたことになり、いわゆる静電気的な電界強度で対抗電極の一方に電子、他方にホールが保持された状態とは異なるエネルギー保持状態となる。
【0047】
また、電子が一方の電極側に集まっていることにより、カップリングの存在する範囲で正の電荷(ホール)は分極的に、他方に位置することになる。熱緩和的な正の電荷の存在確率が少ないことにより、中和が生じにくくなり、電子の強い粗密状態の保持作用に有効である。
【0048】
上記メカニズムでの蓄電の安定化作用は、第1導電路と第2導電路のペア線の一方の面でだけでなく、他面も活用できることから、第1導電路と第2導電路のペア線の他面に、連続した第2絶縁膜を設け、この第2絶縁膜の外面上に、複数個の第2導電粒子又は第2半導体粒子を含む第2粒子層と、第2導電膜又は第2半導体膜からなる第2基材と、をこの順に備えても構わない。
【0049】
ここで、プラズモニックキャパシタも含め固相型蓄電池130の外面(特に太陽光が照射される面)にも、黒色層170が設けられている。
【0050】
次に、発光素子について説明する。
発光素子140は、例えば、筐体110内部の端部側(筐体110の透明天板112から見たときの端部側)であって、透明天板112付近に設けられている。具体的には、例えば、発光素子140は、透明天板112(その筐体本体111と対向する面)端部周辺に設けられた凹部に、嵌め込まれるように設けられている。
【0051】
発光素子140としては、LED素子(発光ダイオード;Light Emitting Diode)、EL素子(ElectroLuminescence)等が挙げられる。
【0052】
次に、集光部材について説明する。
集光部材150は、例えば、筐体110内部の端部側(筐体110の透明天板112から見たときの端部側)であって、固相型蓄電池130よりも上方に設けられている。つまり、集光部材150は、例えば、筐体110の透明天板112から見たとき(言い換えれば、集光部材150と固相型蓄電池130とを透明天板112(若しくは太陽電池120)厚み方向に投影したとき)、固相型蓄電池130と重ならないように設けられている。無論、一部重ならない領域を有していてもよい。
【0053】
集光部材150は、固相型蓄電池130に対して太陽光を集光する、つまり集光した光を固相型蓄電池130に照射する部材であり、例えば、レンズ等から構成される。
集光部材150を構成するレンズとしては、例えば、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズが挙げられる。また、レンズの材料としては、光透過性を有すれば、ガラス、樹脂、セラミック等、いずれの材料で構成されていてもよい。
【0054】
集光部材150は、一つのレンズで構成されていてもよいが、太陽の移動に対しても、極力、固相型蓄電池130に太陽光を集光できるように、また固相型蓄電池130に対して照射する集光光の面積を大きくするために、複数のレンズで構成してもよい。具体的には、例えば、集光部材150は、異なる角度で複数のレンズを連結して構成(例えば複数のレンズを放射状に連結して構成)することがよい。
【0055】
集光部材150(複数のレンズで構成される場合、そのユニット化した集光部材)は、例えば、固相型蓄電池130一つに対して一つ設けてもよいし、複数設けてもよい。なお、本実施形態では、固相型蓄電池130一つに対して一つ設けた形態を示している。
【0056】
次に、制御ユニットについて説明する。
制御ユニット160は、図示しないが、例えば、昼間・夜間を判定する判定回路と、判定回路の結果に基づき、昼間は太陽電池120から発生する電力を固相型蓄電池130に蓄電させ、夜間は固相型蓄電池130に蓄電された電力を放電するように制御する制御回路(つまり、固相型蓄電池130の充放電を制御する制御回路)と、固相型蓄電池130から放電された電力により発光素子140を点滅駆動する駆動回路と、を有して構成される。
なお、制御ユニット160としては、特に制限はなく、必要となる制御に応じて、一般の制御回路により構成される。
【0057】
以上説明した実施形態に係る自発式道路鋲101では、蓄電池として固相型蓄電池130を適用している。この固相型蓄電池130は、液相型蓄電池に比べ、高温(例えば85℃以上)でも、変形や液漏れ等の不具合がなく、使用可能であるという特徴を有している、
そして、固相型蓄電池130が高温でも使用可能であると言う特徴を発揮するべく、集光部材150により固相型蓄電池130に集光した光を照射することで、昼間に固相型蓄電池130の温度を上昇させ(例えば85℃以上に昇温)、これにより夜間に固相型蓄電池130の温度低下を抑制する、つまり低温による放電効率低下を抑制できる。即ち、太陽がしずんだ後に固相型蓄電池130は放電を開始するが、その放電時に、固相型蓄電池130の温度が高く維持できるため、夜間においても長時間安定した放電を維持できる。
したがって、本実施形態に係る自発式道路鋲101では、低温による蓄電池の放電効率低下を抑制し、夜間長期にわたり安定した発光が実現される。
【0058】
特に、本実施形態に係る自発式道路鋲101では、自発式道路鋲101の外面、及び筐体110の内壁に黒色層170を設けている。黒色層170は、昼間、自発式道路鋲101の外面や、筐体110の内壁へ到達した太陽光(熱線)を吸収し高温になり易く、その高温状態を維持し易い。つまり、夜間においても、自発式道路鋲101の外面や、筐体110内部を高温状態に維持し易くなる。その結果、効果的に、固相型蓄電池130の温度も高い状態で維持され易くなり、夜間においても長時間安定した放電を維持できる。
なお、黒色層170は、自発式道路鋲101の外面、及び筐体110の内壁に黒色層170の双方に設けてもよいが、いずれか一方に設けられていてもよい。
【0059】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る自発式道路鋲102は、図6に示すように、筐体110を備え、この筐体110内部に、太陽光により電力を発生する太陽電池120と、太陽電池から発生する電力を蓄電する固相型蓄電池130と、固相型蓄電池130に蓄電された電力により発光する発光素子140と、を備えている。
また、筐体110内部には、発光素子の発光や、固相型蓄電池130の充放電を制御する制御ユニット160も備えられている。
【0060】
なお、筐体110内部には、当該内部を上下に区画する光透過性の透明仕切板113を備えており、これにより区画された上方領域(透明天板112側の領域)には太陽電池120及び発光素子140が配設され、下方領域(筐体本体111底面側の領域)には固相型蓄電池130及び制御ユニット160が設けられている。
【0061】
太陽電池120は、例えば、図7に示すように、光電変換層121と、光電変換層121の表面に離散的に設けられた表面電極122と、光電変換層121の裏面に離散的に設けられた裏面電極123とで構成されている。具体的には、例えば、太陽電池120は、光電変換層121と表面電極122と裏面電極123との単位セルが複数並列配置されたモジュールで構成されている。
【0062】
太陽電池120は、表面電極122と共に裏面電極123が離散的に設けられる、つまり表面電極122及び裏面電極123が光電変換層121に全面ではなく部分的に設けられているので、表面から入射した太陽光のうち、光電変換層121で電力変換に寄与しない光が、裏面電極123により遮断されず裏面から透過される構造となっている。
【0063】
また、太陽電池120を構成する光電変換層121(例えば、多結晶シリコン層)の表面であって、表面電極122が配置されている以外の表面(露出面)には、凹凸構造(例えば、ハミカム状、△状、逆△状のテクスチャー構造)を持ち、太陽光の表面反射損失の低減が図られている。
【0064】
一方、固相型蓄電池130は、例えば、筐体110内部の中央部(筐体110の透明天板112から見たときの中央部)であって、太陽電池120よりも下方に設けられている。つまり、固相型蓄電池130は、例えば、太陽電池120の直下(透明仕切板113を介した直下)に設けられている。言い換えれば、固相型蓄電池130は、例えば、筐体110の透明天板112から見たとき(言い換えれば、固相型蓄電池130と太陽電池120とを透明天板112(若しくは太陽電池120)厚み方向に投影したとき)、太陽電池120と重なるように設けられている。
【0065】
これら以外の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
以上説明した本実施形態に係る自発式道路鋲102では、表面電極122と共に裏面電極123が離散的に設けられた太陽電池120を適用している。この太陽電池120は、表面から入射した太陽光のうち、光電変換層121で電力変換に寄与しない光が裏面から透過される構造となっているが、この光電変換層121で電力変換に寄与する光は赤外線のうちでも近赤外線の一部のみであることから、太陽電池120は赤外線を含んだ光を透過することとなる。
そして、太陽電池120を透過した赤外線を含んだ光が、当該太陽電池120の直下に配置された固相型蓄電池130に照射されるため、昼間に固相型蓄電池130の温度を上昇させ(例えば85℃以上に昇温)、これにより夜間に固相型蓄電池130の温度低下を抑制する、つまり低温による放電効率低下を抑制できる。即ち、太陽がしずんだ後に固相型蓄電池130は放電を開始するが、その放電時に、固相型蓄電池130の温度が高く維持できるため、夜間においても長時間安定した放電を維持できる。
したがって、本実施形態に係る自発式道路鋲102でも、低温による蓄電池の放電効率低下を抑制し、夜間長期にわたり安定した発光が実現される。
【0067】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る自発式道路鋲103は、図8に示すように。第2実施形態において、太陽電池120と固相型蓄電池130との間に、波長400nm〜1200nmの光を反射すると共に、それ以外の波長の光を透過するシート部材180を設けた形態である。
具体的には、例えば、シート部材180は、太陽電池120と固相型蓄電池130との間に位置するように、透明仕切板113上に設けている。
【0068】
シート部材180は、波長400nm〜1200nmの光を反射すると共に、それ以外の波長の光を透過するが、これは、太陽電池120の光電変換層121で電力変換に寄与する波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過する部材である。
シート部材180として具体的には、例えば、波長分離フィルムから構成させる。この波長分離フィルムとしては、例えば、特表2005−515754号に記載されている「屈折率の異なる透明材料の積層体」が適用される。
なお、シート部材180は、太陽電池120と独立した部材で配置してもよいが、太陽電池120の裏面に貼り合わせて配置(具体的には例えば、シート部材180を光電変換層121の裏面全面、又は当該裏面であって離散的に配置された裏面電極123の間に貼り合わせて配置)してもよい
【0069】
これら以外は、第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0070】
本実施形態に係る自発式道路鋲103では、太陽電池120から透過した光のうち、シート部材180により、太陽電池120の光電変換層121で電力変換に寄与する波長の光を反射させ、再び、太陽電池120に裏面側から照射させ、光電変換層121で電力変換に寄与させる。
一方、シート部材180により透過した光は、波長400nm〜1200nm以外の波長の光なので、赤外線を含む光が固相型蓄電池130に照射されるため、昼間に固相型蓄電池130の温度を上昇さる(例えば85℃以上に昇温)。
このため、本実施形態に係る自発式道路鋲103では、低温による蓄電池の放電効率低下を抑制すると共に、第2実施形態に比べ、太陽電池120の発電効率が高く、夜間長期にわたり安定した発光が実現される。
【0071】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る自発式道路鋲104は、図9に示すように。第3実施形態において、太陽電池120と固相型蓄電池130との間に、固相型蓄電池に太陽光を集光する集光部材150を設けた形態である。
具体的には、例えば、集光部材150は、太陽電池120と固相型蓄電池130との間であって、シート部材180と固相型蓄電池130との間に設けられている。
【0072】
これら以外は、第1〜第3実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0073】
以上説明した第4実施形態に係る自発式道路鋲104では、太陽電池120から透過した光(本実施形態ではさらにシート部材180により透過した光)を集光部材150により集光して、固相型蓄電池130に照射させる。
このため、本実施形態に係る自発式道路鋲104では、第3実施形態に比べ、昼間に固相型蓄電池130の温度を上昇させ易く、低温による蓄電池の放電効率低下を抑制し、夜間長期にわたり安定した発光が実現される。
【0074】
なお、第1〜第4実施形態に係る自発式道路鋲は、いずれも限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能である
【符号の説明】
【0075】
10 第1基材
20 第1絶縁膜
22 第2絶縁膜
30 第1導電路
32 第2導電路
40 第1粒子層
60 基材シート
101〜104 自発式道路鋲
110 筐体
111 筐体本体
112 透明天板
113 透明仕切板
120 太陽電池
121 光電変換層
122 表面電極
123 裏面電極
130 固相型蓄電池
140 発光素子
150 集光部材
160 制御ユニット
170 黒色層
180 シート部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光により電力を発生する太陽電池と、
前記太陽電池から発生する電力を蓄電する固相型蓄電池と、
前記固相型蓄電池に蓄電された電力により発光する発光素子と、
前記固相型蓄電池に太陽光を集光する集光部材と、
前記太陽電池、前記固相型蓄電池、前記発光素子、及び前記集光部材を内部に保持する筐体と、
を備える自発光式道路鋲。
【請求項2】
太陽光により電力を発生する太陽電池であって、光電変換層、前記光電変換層の表面に離散的に設けられる表面電極、及び前記光電変換層の裏面に離散的に設けられる裏面電極を有する太陽電池と、
前記太陽電池から発生する電力を蓄電する固相型蓄電池であって、前記太陽電池の直下に設けられる固相型蓄電池と、
前記固相型蓄電池に蓄電された電力により発光する発光素子と、
前記太陽電池、前記固相型蓄電池、及び前記発光素子を内部に保持する筐体と、
を備える自発光式道路鋲。
【請求項3】
前記太陽電池と前記固相型蓄電池との間に、波長400nm〜1200nmの光を反射すると共に、それ以外の波長の光を透過するシート部材をさらに備える請求項2に記載の自発光式道路鋲。
【請求項4】
前記太陽電池と前記固相型蓄電池との間に、前記固相型蓄電池に太陽光を集光する集光部材をさらに備える請求項2又は3に記載の自発光式道路鋲。
【請求項5】
前記固相型蓄電池が、プラズモニックキャパシタである請求項1〜4のいずれか1項に記載の自発光式道路鋲。
【請求項6】
前記固相型蓄電池の外面、及び前記筐体の内壁面の少なくとも一方に、黒色層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の自発光式道路鋲。

【図1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−216238(P2011−216238A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81279(P2010−81279)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】