説明

自転車をコンバートするキットと方法、および、自転車

【課題】自転車の非駆動ホイールを駆動ホイールに切替える、簡便に装着できて効果対費用に優れた切替キット、更に、少なくとも1つのシャフト37、53、54を駆動装置に連結用の構成を提供する。
【解決手段】本発明は、自転車の非駆動ホイールを駆動装置Aで駆動されるホイール8に切替えるキットに関する。ホイール8は、車軸5を回転可能に受けるハブ9、フォーク1のフォーク・ブレード3、4間に取付け可能な車軸5を備える。本発明は、さらに、自転車と自転車の切替方法にも関する。簡便に装着できて効果対費用に優れた切替キットの提供のために、フォーク・ブレード3、4の外側面に取付け可能な2つのサポート13、14は、各々、フォーク・ブレード3、4への連結部材、即ち、駆動されるべきホイール8と共に回転するようにホイール8に接続可能な少なくとも1つのシャフト37、53、54を回転可能に受けるベアリング35、36を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の非駆動ホイール(駆動装置によって駆動されないホイール)を被駆動ホイール(駆動装置によって駆動されるホイール)にコンバートする(切替える)ためのキットに関する。そのホイールは、フォークのフォーク・ブレード間に取付け可能な、車軸を回転可能に受けるハブを具備する。さらに、本発明は、少なくとも1つの非駆動ホイールと少なくとも1つの駆動装置を具備する、自転車に関する。さらに、本発明は、自転車の非駆動ホイールを駆動装置によって駆動されるホイールに切替える方法に関する。そのホイールは、複数のフォークのフォーク・ブレード間に取付け可能な車軸を回転可能に受けるハブを具備する。本発明は、好適には、電気駆動装置を使用して、自転車(の走行モードを)切替えるためのキットに、主に、関する。一般に、自転車が1個のホイール、2個、3個、または、それ以上多数個のホイールを有するか否かは重要ではない。本発明によるキットによって、ペダル駆動の乗り物に原動力を追加することができる。
【背景技術】
【0002】
モータ自転車(原動機付き自転車、電動補助自転車、電動アシスト自転車ともいう)が知られている。その代替として、ガソリンエンジンによって駆動されるローラーが、摩擦を利用して前輪を回転させるものがある。しかしながら、作動中に、エンジンのクラッチを噛み合わせたり外したりすることは比較的複雑であるという課題がある。
【0003】
特許文献1には、プラネタリー・ホイール・ギヤによって、後輪のハブに電動機を接続できる、補助電気駆動装置を持つ自転車が記載されている。この後輪のハブは、比較的複雑な方法で設計製造される必要があるので、自転車をコンバートするために使用できない。
【0004】
さらに、特許文献2には、電動モータが特殊なギヤによってリア・ホイールのリア・ハブに接続された、電動自転車について記載されている。しかしながら、こちらもまた、比較的複雑な方法で設計製造されているため、リア・ホイールに影響を与えてしまうので、自転車をコンバートするのに使用されるのは難しい。
【0005】
さらに、通常、自転車用補助駆動装置は、比較的スペースをとる重いものであるため、モーター・アシストなしで自転車を扱う際には、不利になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開10127769A1
【特許文献2】独国実用新案出願公開9416058U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、上述のような、素早く簡単に取り付けることが可能な駆動装置によって、自転車の非駆動ホイールを切替えるためのキットを提供することである。キットを、できるだけ単純な構造を有する、少ない数の部材から構成することにより、費用対効果に優れた、できるだけ軽量のキットとすることができる。
【0008】
本発明の別の目的は、素早く簡単に駆動装置を装着できる、自転車を提供することである。さらに、素早く簡単に自転車を元の構造に回復できるようにすることである。
【0009】
本発明の更なる別の目的は、駆動装置によって、自転車の非駆動ホイールを駆動ホイールに素早く簡単に切替える、方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の目的は、上述したキットによって達成できる。キットは、それぞれのフォーク・ブレードに接続する部材を備えたフォーク・ブレードの外側の面に取り付け可能で、かつ、駆動される被駆動ホイールと共に回転する接続可能な少なくとも1本のシャフトを回転可能に受けるためのベアリングを備えた、2つのサポートを具備し、さらに、少なくとも1本のシャフトを駆動装置に連結手段とを具備する。キットは、素早く切替えることができ、かつ、費用対効果に優れた態様で、駆動装置を使用することによって自転車の非駆動ホイールを切替えることができる、簡単な構造を有する、数個の部材しか備えていない。キットは、駆動される被駆動のホイールと共に回転する接続される少なくとも1本のシャフト、及びフォークのいずれかの側面に配置されたサポート内に配置され、かつ、その少なくとも1本のシャフトを受ける、2つのベアリングからなる。さらに、したがって、駆動装置は、それらのベアリング内に回転可能に配置された、少なくとも1本のシャフトに接続される。駆動装置として、電動モータ、又は内燃機関エンジンを使用することができる。切り替えキット(コンバージョン・キット)は、低コストで製造することができ、非常に軽量である。アプリケーション(用途等)に応じた、必要な動力の大きさとサイズを考慮して、駆動装置を選択することができる。
【0011】
好適には、各サポートは、フォーク・ブレードとこれに着脱可能に連結できるシャフト・サポートとに接続可能なフォーク・サポートからなる。サポートが、2つの部材から構成されていることにより、特に、少なくとも1本のシャフトをシャフト・サポート内に配置されたベアリング内に配置するとき、取付けが容易になる。
【0012】
好適には、フォーク・サポートとシャフト・サポートは、ねじで連結される。しかしながら、特に、連結する際、ツールの使用を必要としない他の連結技術を使用できる。
【0013】
また、少なくとも1つのねじ込み式接続として、サポートあるいはフォーク・サポートとフォーク・ブレードとを接続するための部材を製造できる。例えば、サポート、あるいは、フォーク・サポートにボア・ホールを形成して、通常、自転車の車軸を受けるようにされている、自転車のフォークの開口部を通る、ねじをボア・ホールに通すことができる。
【0014】
さらに、サポート、あるいは、フォーク・サポートとフォーク・ブレードとを接続するための部材は、ナットと着脱可能に結合されるためのねじを切られた端部を持つ、U字型のフォーク・クランプという形態にできる。その穴を通してフォーク・ブレードを取り囲むフォーク・クランプをナットで締付けることができる、細長い穴をサポートかフォーク・サポートに設けることができる。このような締付けの技術によって、その後に、サポートを動かして回転軸をわずかに調整することができる。このようなことは、既存のブレーキか泥除けに対して調整するのに必要である。
【0015】
好適には、少なくとも1本のシャフトを回転可能に支えるためのベアリングは、サポート、あるいは、シャフト・サポートに固定されている、ボール・ベアリングが望ましい。
【0016】
本発明の別の特徴によると、駆動装置を着脱可能に取付けるための部材は、サポートに設けられる。駆動装置は、固定部材によって固定されるので、望まない脱落から保護される。
【0017】
電動駆動装置が使用される場合、バッテリを着脱可能に取付ける部材を具備することができる。駆動装置を被駆動ホイールの1つの側面に配置し、バッテリをその反対側に配置するのが効果的である。
【0018】
駆動装置、あるいは、バッテリを簡便に取付けたり取外したりするために、取付部材は、蝶形ボルト、あるいは、これに類する物であることができる。このようにすることにより、駆動装置、あるいは、バッテリを、道具を使わないで、簡単に取外すことができる。自転車を公の場所に駐車するとき、駆動装置とバッテリを取り外して、持ち運ぶことができます。したがって、これらの部材を盗まれないようにすることができます。
【0019】
本発明の実施態様によれば、第一のサポートのベアリングと第二のサポートのベアリングとの間に連続シャフトが具えられている。この場合、このシャフトは、非駆動ホイールのハブに元々配置されていた車軸と置き換えられる。
【0020】
シャフトとホイールとは、共に回転するように連結されることができる。このとき、シャフトは、多角形、特に、正方形の断面を中央部に持ち、シャフトの中央部での外側の直径は、駆動ホイールのハブの内径よりわずかに大きい。また、連結は、シャフトとホイールとの間で共に回転するようにされた、締まり嵌めである。
この場合、必要なら、車軸とボール・ベアリングは、ホイールのハブから取外され、多角形、特に、正方形の断面を中央部に持つシャフトは、ハブに押し込まれる。このようにして、シャフトは、共に回転するように、ハブ、結果として、ホイールに連結される。これにより、自転車の非駆動ホイールを駆動ホイールに簡便に効率的に切替えることができるようになる。
【0021】
多角形、特に、正方形の断面に対応するシャフト用の座を備えた2つのロケーティング・ディスクを設けることによって、シャフトとホイールとの共に回転するようにされた連結を改良することができる。ここで、ロケーティング・ディスクは、ハブと共に回転するように連結するために、ハブに面するその側面に歯あるいはこれに類する物を有する。歯は、ハブの前面を部分的に貫通してロケーティング・ディスクがハブに対して回転するのを防止している。
【0022】
別の実施態様によると、2つのシャフトとこれらに連結できる2つのロケーティング・ディスクを備えることができ、ロケーティング・ディスクは、ホイールに面するその側面に、ホイールと共に回転するように連結する部材を具備している。この実施態様では、駆動装置の回転運動は、共に回転するように連結する部材と共にシャフトとロケーティング・ディスクを介してホイールに伝達される。
【0023】
例えば、シャフトをホイールに共に回転するように連結する、これらの部材は、配置可能な複数のホイールのスポーク間に配置される、複数の部材、特に、複数のロッドからなっている。
【0024】
駆動装置を少なくとも1本のシャフトと接続するための手段は、駆動フランジであることができる。ドライビング・フランジによって、シャフトと駆動装置を接続する。ドライビング・フランジは、駆動装置とシャフトのタイプ応じて、異なった設計製造をすることができる。通常、駆動装置とシャフトとの間にギヤボックスを持つ必要はなく、こうすることで、かなりのコスト低減と切替えキットの軽量化を実現できる。
【0025】
本発明の第二の目的は、少なくとも1個の非駆動ホイールが上記のキットの駆動装置で駆動される、自転車によって達成される。
【0026】
好適には、自転車のフロント・ホイールに駆動装置は連結される。このように、自転車用の付属の駆動装置は、特に簡単な方法で実現できる。
【0027】
好適には、駆動装置は電動モータからなる。電動モータの回転スピードは、電源の供給電圧を変えることで簡単に変更することができる。
【0028】
さらに、燃料供給装置を持つ内燃機関エンジンを使用することも可能である。
【0029】
本発明の第3の目的は、フォークから非駆動ホイールを取外す工程、それぞれ1つのベアリングを持つ2つのサポートをフォークのフォーク・ブレードに固定する工程、少なくとも1本のシャフトをホイールに共に回転できるように接続する工程、それらサポートのベアリング間にホイールに連結された少なくとも1本のシャフトを配置する工程、及び、その少なくとも1本のシャフトを駆動装置に接続する工程を含む、上記の方法によって達成される。この自転車の非駆動ホイールを切替える方法は、簡単迅速に実行できる。上記の方法を逆に実行することによって、簡単に、自転車を元の状態に復元することができる。
【0030】
本発明の別の実施態様によれば、非駆動ホイールのハブは、車軸から取外され、シャフトをホイ−ルに共に回転するように接続するために、ハブの内径よりわずかに大きい外径を持つシャフトは、ハブに押し込まれる。
【0031】
代替的に、車軸は、非駆動ホイールのハブから取外されて、少なくとも1本のシャフトに連結された2つのロケーティング・ディスクは、非駆動ホイールのハブに共に回転するように接続されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明は、以下の添付図面を参照して更に詳細に説明される。
【図1】自転車のフロント・ホイールの概略正面図である。
【図2】本発明の1つの実施態様による、切替えキットの分解図である。
【図3】切替え中の自転車のフロント・ホイールを示す図である。
【図4】切替え中の自転車のフロント・ホイールを示す図である。
【図5】切替え中の自転車のフロント・ホイールを示す図である。
【図6】切替え中の自転車のフロント・ホイールを示す図である。
【図7】少なくとも1本のシャフトと被駆動ホイールのハブとを共に回転するように接続する、1つの実施形態示す図である。
【図8】少なくとも1本のシャフトと被駆動ホイールのハブとを共に回転するように接続する、他の実施形態示す図である。
【図9】駆動装置を備えた自転車の実施形態の正面図である。
【図10】図9の自転車の側面図である。
【図11】別の駆動装置を備えた自転車の実施形態の正面図である。
【図12】図11の自転車の側面図である。
【図13】他の駆動装置を備えた自転車の実施形態の正面図である。
【図14】図13の自転車の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、自転車のフロント・ホイールの模式的な正面図である。自転車のフォーク1は、フォーク・ヘッド2と、車軸ナット6、7によって、その先端部にホイール8(通常、フロント・ホイール)の車軸5が取り付けられる、2つのフォーク・ブレード3、4からなっている。車軸5は、対応するボールベアリング(図示しない)によって、ハブ9内で回転可能に支持されている。スポーク10、リム11、及び最終的にタイヤ12が、順次、ハブ9に取付けられる。この非駆動ホイール8(通常、フロント・ホイール)は、自転車から素早く簡単に取外すことができ、このようなものは、駆動装置Aによって駆動されるホイール8に切替えるのには、特に、適している。
【0034】
図2は、本発明による切替えキットの1つの実施形態を、部材が分解された状態で示している。2つのサポート13、14からなる、切替えキットは、この実施形態では、サポート13、14は、それぞれフォーク・サポート15、16と、それらに取外し可能に接続可能なシャフト・サポート17、18を具備している。フォーク・サポート15、16とシャフト・サポート17、18の接続は、好適には、ねじ(図示せず)によって実現され、ねじは、スルー・ボア19、20(穿孔19、20)を通して挿入される。
【0035】
フォーク・サポート15、16は、適切な結合部材によって、自転車のフォーク1のフォーク・ブレード3、4に接続される。図示された実施形態では、ねじ21、22と対応するナット23、24によって、フォーク・サポート15、16は、フォーク・ブレード3、4に固定されている。したがって、フォーク・サポート15、16のそれぞれの開口部25、26を通して、通常、ホイール8の車軸5に備えられたフォーク・ブレード3、4の端の溝に、ねじ21、22が案内される。対応する連結は、ナット23、24によってなされる。さらに、接続部材、例えば、U字型のフォーク・クランプ27、28を備えることができる。フォーク・クランプ27、28は、取外し可能に対応するナット31、32に連結できる、ねじ切りされた端部29、30を備える。フォーク・クランプ27、28は、フォーク・ブレード3、4を取囲み、フォーク・サポート15、16の内に対応して配置された細長い穴33、34を通して置かれて、ナット31、32によって固定される。フォーク・サポート15、16の細長い穴33、34によって、フォーク・サポートは、穿孔25、26内のねじ21、22の周りをピボット回転することで、自転車のフォーク1に対してフォーク・サポート15、16を調整することができる。
【0036】
サポート13、14は、それぞれ、少なくとも1本のシャフト37を回転可能に支持するために、ベアリング35、36を具備する。サポート13、14がそれぞれ2つの部材からなる場合には、図示されているように、ベアリング35、36は、シャフト・サポート17、18内にそれぞれ配置される。好適には、ベアリング35、36は、自転車に通常使用されるようなボール・ベアリングが望ましい。
【0037】
図示された例では、ただ1本のシャフト37が備えられている。組み立てられた後、第一のサポート13、あるいは、シャフト・サポート17のベアリング35から、第二のサポート14、あるいは、シャフト・サポート18のベアリング36へ伸びる。シャフト37は、その中央部38に、自転車のホイール8に回転運動を伝達する、多角形、特に、正方形の断面を持つ。シャフト37は、対応する駆動フランジ40によって駆動装置A(図示せず)を接続するための、ノッチ39あるいはその類似物を有する、1つの端部を備えている。
【0038】
さらに、ロケーティング・ディスク41、42が備えられている。ロケーティング・ディスク41、42の各々は、センター部38の、多角形の、特に、正方形の断面に対応する、シャフト37用の座43、44を有する。ロケーティング・ディスク41、42は、その側面に、ハブ9と共に回転するようにされた、駆動されるホイール8のハブ8に面する、歯45、46あるいはこれに類する物を有している。部材、特に、ロッド51、52は、ロケーティング・ディスク41、42に配置されることができ、組立てられたとき、ホイール8のスポーク10の中へと伸びる。
【0039】
本発明による切替キットは、非常に少ない数個の部材からなっており、素早く簡単に組み立てることができる。好適には、数少ないこれらの部材は、金属、特に、軽金属からなることが望ましく、このようにすると、軽量であると同時に、非常に安定したものとなる。切替キットは、異なる駆動装置A(図示せず)で実装することができる。駆動装置Aを取付けるために、対応する座47と固定部材、例えば、蝶形ボルト、あるいは、これに類する物をサポート14、あるいは、シャフト・サポート18に備える。このように、駆動装置Aは、座47に挿入されて固定部材48で固定される。したがって、駆動装置Aは、簡単に取外すことができ、例えば、パーキングに駐車したとき、盗まれたり、破壊されたりすることを防止できる。電動駆動装置Aの場合、必要なバッテリB(図示しない)は、座49と対応する固定部材50によって、もう1つのサポート13、あるいは、シャフト・サポート17に取付けることができる。
【0040】
アプリケーションに応じて、切替えキットは、サイズとパワーが異る様々な駆動装置Aを具備することができる。
【0041】
図3から図6は、自転車の非駆動ホイール8を駆動装置Aによって駆動されるホイール8に切替える途中の異なる段階を示している。図3によれば、ホイール8は、車軸ナット6、7を緩めることによって、取外される。わかりやすくするために、対応するスポーク10、リム11、タイヤ12を省略して、車軸5に回転可能に座しているハブ9のみが示されている。後で、車軸5は、その中にあるボールベアリング(図示せず)と共にハブ9から取外される。
【0042】
図4によれば、2つのフォーク・サポート15、16は、ねじ21、22とこれらに対応するナット23、24によって、フォーク・ブレード3、4に取付けられている。さらに、固定手段として、フォーク・クランプ27、28を使用することができる。
【0043】
図5で図式的に見ることができるように、シャフト・サポート13、14とそれらの内に位置するベアリング35、36は、シャフト・サポート14とフォーク・サポート16の開口20を通して挿入された、対応するねじによって締付けられる。シャフト37は、共に回転するようにハブ9に接続されるように、ハブ9に押し込まれる。ロケーティング・ディスク41、42は、シャフト37の端部の周囲を取り囲むように配置され、後に、シャフト37の両端部は、シャフト・サポート13、14のベアリング35、36を貫通するように配置される。
【0044】
図6に、駆動装置A(図示しない)を受ける右シャフト・サポート18上の座47を備えた、完全に切替えられた自転車の側面図が示されている。
【0045】
図7と8は、少なくとも1本のシャフト37をハブ9に共に回転するように接続する2つの異なる実施態様を示している。図7によると、ハブ9を貫通して伸びる、連続シャフト37が備えられている。ロケーティング・ディスク41、42は、シャフト37の外側面に配置されている。このように、シャフト37とハブ9が共に回転する接続、つまりは、ホイール8(図示せず)が完成する。
【0046】
図8示された別の実施態様は、ロケーティング・ディスク41、42に連結された、あるいは、ロケーティング・ディスク41、42に一体的に製造された、2つのパーツ53、54を備えている。ロケーティング・ディスク41、42は、それぞれ対応するスリーブ55とホイール8のスポーク10を通して挿入されたねじ56を備え、後に、連結される。このように、シャフト53、54もまた、ホイール8に共に回転するように接続される。駆動装置Aが少なくとも1本のシャフト37、53、あるいは、54と連結される場合、駆動装置Aの回転運動は、シャフト37、53、54と、そして、ハブ9とホイール8へ伝達されることができる。
【0047】
図9から図14は、それぞれ、本発明によるキットを装備した自転車用の異なるタイプの駆動装置を示す、正面図と側面図である。
【0048】
図9と図10によれば、駆動装置は、サポート14に取外し可能に取付けられた電動モータAからなっている。ホイール8の左側には、電動モータAに電力を供給するサポート13にバッテリBが取付けられている。接続ケーブルは、図示されていない。駆動装置AとバッテリBとは、固定部材48と50によって固定されることができる。
【0049】
図11、12は、別の電動駆動装置Aとわずかにより強力なバッテリBとが取り付けられた、別の実施態様を示している。
【0050】
最後に、図13、14は、内燃機関エンジン式の駆動装置Aの1つの実施態様を示している。燃料タンクは、内燃機関エンジンに、直接、あるいは、内燃機関エンジンの反対側に取り付けることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の非駆動ホイール(8)を駆動装置(A)によって駆動されるホイール(8)に切替えるキットであって、
前記ホイール(8)は、車軸(5)を回転可能に受けるハブ(9)を有し、
前記車軸(5)は、フォーク(1)の複数のフォーク・ブレード(3、4)間に取付可能である、キットにおいて、
いずれも、前記フォーク・ブレード(3、4)の外側面に配置可能であり、かつ、前記フォーク・ブレード(3、4)に接続するための部材を有する、2つのサポート(13、14)を具備し、
前記2つのサポート(13、14)の各々は、少なくとも1つのシャフト(37、53、54)が回転可能に着座するベアリング(35、36)を具備し、
前記少なくとも1つのシャフト(37、53、54)は、駆動されるべき前記ホイール(8)と共に回転するように接続可能であり、
当該キットは、前記少なくとも1つのシャフト(37、53、54)を前記駆動装置(A)に連結するための装置を具備することを特徴とするキット。
【請求項2】
前記のサポート(13、14)の各々は、前記フォーク・ブレード(3、4)に接続可能なフォーク・サポート(15、16)、及び前記フォーク・サポートに取外し可能に連結されたシャフト・サポート(17、18)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記フォーク・サポート(15、16)は、前記シャフト・サポート(17、18)にねじで連結されることを特徴とする、請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記のサポート(13、14)あるいは前記フォーク・サポート(15、16)を前記フォーク・ブレード(3、4)に連結する部材は、ねじ連結(21、22、23、24)によってなされていること、を特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のキット。
【請求項5】
前記のサポート(13、14)あるいは前記フォーク・サポート(15、16)を前記フォーク・ブレード(3、4)に連結する部材は、取外し可能にナットに連結するためのねじを切られた端部(29、30)を持つ、U字型フォーク・クランプ(27、28)によってなされており、かつ、前記のサポート(13、14)あるいは前記フォーク・サポート(15、16)に細長い穴(33、34)を備えることにより、前記フォーク・ブレード(3、4)を取囲む前記フォーク・クランプ(27、28)を固定することができることを特徴とする、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
前記ベアリング(35、36)は、ボール・ベアリングであること、を特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載のキット。
【請求項7】
前記駆動装置Aを取外し可能に取付ける固定部材(48、50)は、前記サポート(13、14)に配置されること、を特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のキット。
【請求項8】
バッテリ(B)を前記駆動装置Aに取外し可能に取付ける固定部材(48、50)は、前記サポート(13、14)に配置されること、を特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載のキット。
【請求項9】
前記固定部材(48、50)は、蝶形ボルトあるいはこれに類する物からなること、を特徴とする、請求項7あるいは8に記載のキット。
【請求項10】
第一のサポート(13)のベアリング(35)から第二のサポート(14)のベアリング(36)に伸びる連続シャフト(37)を備えること、を特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載のキット。
【請求項11】
前記シャフト(37)は、その中央部(38)に多角形、特に、正方形の断面を有し、前記シャフト(37)の外径は、駆動されるべき前記ホイール(8)の前記ハブ(9)の内径よりわずかに大きく、前記シャフト(37)と前記ホイール(8)との共に回転する接続は、前記ハブ(9)内での前記シャフト(37)の締まり嵌めで実現されること、を特徴とする、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
前記シャフト(37)用の、かつ、前記多角形の断面に対応する座(43、44)を持つ、2つのロケーティング・ディスク(41、42)を具備し、前記ロケーティング・ディスク(41、42)は、前記ハブ(9)に共に回転するように接続するための、前記ハブ(9)に面するその側面に歯(45、46)あるいはその類似物を備えることを特徴とする、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
2つのシャフト(53、54)、及び前記シャフト(53、54)に接続可能なロケーティング・ディスク(41、42)を具備し、前記ロケーティング・ディスク(41、42)は、前記ホイール(8)に面するその側面に前記ホイール(8)に共に回転するように接続するための接続部材を備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載のキット。
【請求項14】
前記シャフト(53、54)を共に回転するように前記ホイール(8)に接続する前記接続部材は、前記ホイール(8)の複数のスポーク(10)間に可能な位置に配置される、複数の部材、特に、複数のロッド(51、52)からなっていることを特徴とする、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
前記少なくとも1つのシャフト(37、53、54)を駆動フランジ(40)を備えた駆動装置(A)に連結する構成を特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載のキット。
【請求項16】
少なくとも1つの非駆動ホイール(8)と少なくとも1つの駆動装置(A)を持つ自転車であって、請求項1から15のいずれかに記載のキットによって、前記少なくとも1つの非駆動ホイール(8)は、前記少なくとも1つの駆動装置(A)に連結されていることを特徴とする自転車。
【請求項17】
フロント・ホイール(8)が、前記駆動装置(A)に連結されていることを特徴とする、請求項16に記載の自転車。
【請求項18】
前記駆動装置(A)は、電動モータと対応するバッテリとを具備することを特徴とする、請求項16あるいは17に記載の自転車。
【請求項19】
前記駆動装置(A)は、内燃機関エンジンと適切な燃料供給源とを具備することを特徴とする、請求項16あるいは17に記載の自転車。
【請求項20】
自転車の非駆動ホイール(8)を駆動装置(A)によって駆動されるホイール(8)に切替える方法であって、
前記ホイール(8)は、車軸(5)を回転可能に受けるハブ(9)を有し、
前記車軸(5)は、フォーク(1)の複数のフォーク・ブレード(3、4)間に取付可能である、方法において、
前記非駆動ホイール(8)は、フォーク(1)から取外され、
各々がベアリング(35、36)を具備する2つのサポート(13、14)は、各々、前記フォーク(1)のフォーク・ブレード(3、4)に取り付けられ、
少なくとも1つのシャフト(37、53、54)は、共に回転するように前記ホイール(8)に接続され、
前記ホイール(8)に連結された前記少なくとも1つのシャフト(37、53、54)は、前記サポート(13、14)の前記ベアリング(35、36)間に配置され、
前記少なくとも1つのシャフト(37、53、54)は、駆動装置(A)に連結されることを特徴とする方法。
【請求項21】
前記車軸(5)は、前記非駆動ホイール(8)の前記ハブ(9)から取外され、前記シャフト(37)と前記ホイール(8)とを接続するために、前記ハブ(9)の内径よりわずかに大きい外径を持つ前記シャフト(37)が前記ハブ(9)に押し込まれることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記車軸(5)は、前記非駆動ホイール(8)の前記ハブ(9)から取外され、少なくとも1つのシャフト(37、53、54)に連結された2つのロケーティング・ディスク(41、42)は、前記ホイール(8)の前記ハブ(9)に共に回転するように接続されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−516526(P2010−516526A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545760(P2009−545760)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【国際出願番号】PCT/AT2007/000273
【国際公開番号】WO2008/089499
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(509205168)
【Fターム(参考)】