説明

舗装部における熱交換構造及びそれに用いる通水板

【課題】冬期においては、道路表面の融雪や凍結防止を効果的に行なうことができると共に、夏期においては、道路表面を効果的に冷却でき、然も、工期を短縮して確実に施工することのできる、舗装部における熱交換構造を提供する。
【解決手段】下地層9の上面7に防水層10を介在させて通水板11を縦横に敷設し、通水板敷設層12を設ける。通水板敷設層12の上面13に接着層15を介して上部舗装層17を設ける。通水板11は、直線状の通水管部20が平行状態に設けられており、通水管部20,20を連通させて通水路42を形成するように、通水板11,11相互を接合する。通水路42の一端で供給された作動水が他端で排出される。通水板本体19の上下の面は粗面31,32に形成され、下の粗面32に防水層10が食い込むと共に、上の粗面31に接着層15が食い込んだ状態にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路や駐車場等の舗装部における熱交換構造に関するものであり、又、該熱交換構造に用いる通水板に関するものである。より詳しくは、冬期においては、路面等の舗装部表面の融雪を行なったり凍結を防止するために活用できる一方、夏期においては、これらの舗装部表面を冷却することによってヒートアイランド現象を緩和するために活用し得る、舗装部における熱交換構造に関するものである。又、該舗装部における熱交換構造の構成に用いて好適な通水板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば路面の雪を溶かしたり路面の凍結を防止できるように構成された融雪路盤構造の一例として、特開2005−282285号公報や特開平8−27716号公報等が開示するものが提案されている。この種の融雪路盤構造は、放熱管が埋設され且つ上下面が平滑に形成された融雪パネルを地盤上に並べて敷設すると共に、隣接する融雪パネルの放熱管の端部相互をジョイント管で連結し、このように敷設された融雪パネルの表面によって融雪路盤の路面を形成したり、或いは、該融雪パネルの表面にアスファルトを舗装し該アスファルトで融雪路盤の路面を形成するものであった。
【0003】
融雪パネルを地盤上に並べて敷設することにより構成したかかる融雪路盤構造は、融雪パネルの表面が路面を形成する場合は、路面を走行する自動車の影響等で融雪パネル相互間にずれが生じやすい問題があった。又、該融雪パネルの表面にアスファルトを舗装し該アスファルトで路面を形成したものにあっても、自動車走行時においてタイヤが路面を蹴る作用によって路面が捲れたり、路面にクラックが入る等して融雪パネルの接合部分がずれる恐れがあった。かかることから、融雪パネルの放熱管の端部相互を単に連通状態にしておくだけという訳にはいかず、隣接する融雪パネルの放熱管の端部相互をジョイント管で強固に連結せざるを得なかった。かかることから従来の融雪路盤構造は、施工に多くの手間を要して施工能率が悪く工期の長期化を招く問題があったのである。
【0004】
又、排水性舗装の路面の融雪を行なったり該路面の凍結を防止するように構成をされた排水性舗装における融雪装置として、例えば特開2005−48359号公報が開示する融雪装置が提案されているが、排水性舗装は空隙が多いために熱伝導率が小さく、路面の融雪を効果的に行うことができない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−282285号公報
【特許文献2】特開平8−27716号公報
【特許文献3】特開2005−48359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、冬期においては、道路や駐車場等の舗装部の表面の融雪や凍結防止を効果的に行うことができると共に、夏期においては、これらの舗装部表面を効果的に冷却してヒートアイランド現象の抑制にも寄与でき、しかも、工期を短縮して確実に施工することのできる舗装部における熱交換構造の提供を課題とするものである。又、かかる熱交換性能を長期間に亘って維持させ得る熱交換構造を構成でき、しかも施工性に優れた熱交換構造を構成し得る通水板の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る舗装部における熱交換構造の第1の態様は、上面が平滑で一連状態に設けられた、コンクリート層やアスファルト層等からなる下地層の該上面に、接着剤を含む防水層を介在させて、通水板を縦横に敷設して通水板敷設層が設けられると共に、該通水板敷設層の上面に接着層を介して上部舗装層が一連状態に設けられることによって舗装部が形成されている。前記通水板は、不透水性のプレキャストコンクリート製の平板体からなる通水板本体の内部に、該通水板本体の対向する端部の一方から他方に向けて直線状に延長する如く、周方向に閉じた通水管部が設けられて、該通水管部の両端部開口が通水板本体の表面で開口しており、該通水板本体の端面で開放状態にある該端部開口相互を連通させるように、隣り合う通水板の端面相互が止水性目地材を介して突き合わせ状態で接合されることによって、連通した通水管部からなる通水路が形成されてなる前記通水板敷設層が設けられ、該通水路の一端で供給された作動水が該通水路の他端で排出されるようになされている。又、前記通水板本体の上下の面は粗面に形成されており、下の粗面に前記防水層が食い込んだ状態にあると共に上の粗面に前記接着層が食い込んだ状態にあることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る舗装部における熱交換構造の第2の態様は、上面が平滑で一連状態に設けられた、コンクリート層やアスファルト層等からなる下地層の該上面に、接着剤を含む防水層を介在させて、通水板を縦横に敷設して通水板敷設層が設けられると共に、該通水板敷設層の上面に接着層を介して、ポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層等からなる排水性舗装層としての上部舗装層が一連状態に設けられることによって橋梁の舗装部が形成されている。前記通水板は、高強度繊維補強コンクリートからなる不透水性のプレキャストコンクリート製の、平面視で正方形状又は矩形状を呈する平板体からなる通水板本体の内部に、該通水板本体の、路面の横断方向で見た対向する端部の一方から他方に向けて直線状に延長する如く、周方向に閉じた通水管部が設けられて、該通水管部の両端部開口が通水板本体の表面で開口しており、該通水板本体の端面で開放状態にある該端部開口相互を連通させるように、隣り合う通水板の端面相互が止水性目地材をを介して突き合わせ状態で接合されることによって、連通した通水管部からなる通水路が形成されてなる前記通水板敷設層が設けられ、該通水路の一端で供給された河川水としての作動水が該通水路の他端で排出されるようになされており、又、前記排水性舗装層を浸透した雨水が前記通水板敷設層の上面を流下して排出されるようになされている。又、前記通水板本体の上下の面は粗面に形成されており、下の粗面に前記防水層が食い込んだ状態にあると共に上の粗面に前記接着層が食い込んだ状態にあることを特徴とするものである。
【0009】
前記第1、第2の態様に係る舗装部における熱交換構造において、前記通水管部の両端部開口は、例えば、前記通水板本体の対向する端面で開口したものとして構成される。
【0010】
前記第1の態様に係る舗装部における熱交換構造において、前記上部舗装層が、ポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層等からなる排水性舗装層として構成することがある。
【0011】
前記第1の態様に係る舗装部における熱交換構造において、前記通水板本体は、高強度繊維補強コンクリートを用いたプレキャストコンクリート製の平板体として構成することがある。
【0012】
本発明に係る通水板は、上面が平滑で一連状態に設けられた下地コンクリート層の該上面に、接着剤を含む防水層を介在させて、通水板を縦横に敷設して通水板敷設層を設けると共に、該通水板敷設層の上面に接着層を介して上部舗装層を一連状態に設けることによって舗装部を形成するに際し、該通水板敷設層を構成する通水板であり、不透水性のプレキャストコンクリート製の平板体からなる通水板本体の内部に、該通水板本体の対向する端部の一方から他方に向けて直線状に延長する如く、周方向に閉じた通水管部が設けられており、該通水管部の両端部開口が通水板本体の表面(例えば、通水板本体の対向する端面)で開口しており、該通水板本体の下の面は、前記防水層の接着剤を食い込んだ状態とするための粗面に形成されると共に、該通水板本体の上の面は、前記接着層を食い込んだ状態とする粗面に形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る舗装部における熱交換構造によるときは、作動水の保有熱を前記舗装部に熱伝導により放熱させることができるため、冬期においては、道路や駐車場等の排水性舗装層の表面の融雪を行ったり該表面の水の凍結を防止できる。一方、夏期においては、該排水性舗装部の表面を冷却することによってヒートアイランド現象の緩和に寄与できる。
【0014】
(2) 本発明に係る舗装部における熱交換構造は、通水板を縦横に敷設して通水板敷設層を形成するため、現場打ち施工のような配筋が不要であり、短期間で施工できる経済性がある。
【0015】
(3) 又、通水板敷設層の内部に、熱交換を行わせる上で重要な通水路が設けられてなるため、自動車の路面走行等の影響で通水管部相互の接合部分がずれると通水性不良を招くのであるが、本発明に係る舗装部における熱交換構造においては、通水板本体の上下の面が粗面に形成され、上下の粗面に接着層や防水層が食い込んだ状態とされている。かかることから、一連状態に設けられた下地コンクリート層と通水板敷設層と、一連状態に設けられた上部舗装層とは一体化状態にあり構造的に安定している。従って、通水管部の端部相互を接合するに際して、隣り合う通水板の端面相互を止水性目地材を介在させて突き合わせ状態とする簡易な施工を施すだけで、通水管部相互の連通状態が安定的に保持されることになる。又、通水路への作動水の供給構造部分が安定的に保持されることになる。又、通水管部だけで通水路を構成するときも、通水路への作動水の供給構造部分が安定的に保持されることになる。
このようなことから本発明によるときは、熱交換性能を長期間に亘って維持させ得る品質に優れた熱交換構造を構成でき、しかも施工性に優れた熱交換構造を提供できることになる。
【0016】
(4) 特に、上部舗装層を排水性舗装層としたときは排水性を確保しながら路面の融雪を達成できる。
【0017】
(5) 本発明に係る熱交換構造は、無散水で融雪を行うことができるため、橋梁の舗装部に応用されることにより、路面の水が凍結されるのを防止でき、交通安全に寄与できる。そして、該橋梁が河川を跨ぐ橋梁であるときは、豊富な河川水を作動水として大量に利用できるため経済的であり、又排水設備も簡素化できる。
【0018】
(6) 本発明に係る通水板によるときは、熱交換性能を長期間に亘って維持させ得る品質に優れた熱交換構造を提供でき、しかも施工性に優れた熱交換構造を提供できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る熱交換構造が橋梁の車道に応用された場合を示す一部欠切斜視図である。
【図2】その横断面図である。
【図3】その横断面図の、道路勾配方向で見た上側部分を示す拡大図である。
【図4】その横断面図の、中間部分を示す拡大図である。
【図5】その横断面図の、道路勾配方向の下側部分を示す拡大図である。
【図6】橋梁の車道を縦断方向で見た部分断面図である。
【図7】通水板を示す一部欠切平面図と部分断面図である。
【図8】通水板を上側から見た斜視図とその部分拡大図である。
【図9】通水板を下側から見た斜視図とその部分拡大図である。
【図10】端面相互が接着される通水板を示す部分斜視図と、通水管部を連通させるように通水板の端面相互を接着した状態を示す断面図である。
【図11】弾性パッキン材を介して相互が接合される通水板を示す部分斜視図と、弾性パッキン材を介して、通水管部相互を連通させるように通水板の端面相互を接合した状態を示す断面図である。
【図12】橋梁の歩道に応用された熱交換構造を示す断面図である。
【図13】その部分拡大図である。
【図14】その平面図である。
【図15】通水板の他の実施例を示す一部欠切平面図である。
【図16】その通水板を敷設して構成された舗装部を示す部分平面図である。
【図17】通水板のその他の実施例を示す正面図である。
【図18】通水板のその他の実施例を示す正面図である。
【図19】通水板のその他の実施例を示す正面図である。
【図20】通水板のその他の実施例を示す断面図である。
【図21】通水板のその他の実施例を示す断面図である。
【図22】通水板のその他の実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
図1〜2において本発明に係る舗装部における熱交換構造(以下熱交換構造という)1は、例えば、河川を跨ぐ橋梁2における車道3の舗装部(路面6が、例えば片側一車線で道路勾配が2%)5に応用されている。以下、本実施例に係る熱交換構造1を説明するに先立ち、該発明の開発経過を発明の特徴と関連づけて説明する。
【0021】
本発明者らは、不透水性の基盤の上面に排水性舗装層を設けてなる橋梁の舗装部に着眼し、その上面(以下橋面ともいう)での融雪を効果的に行うことのできる融雪手段を検討した。かかる橋面における融雪手段としては、橋面に散水する散水融雪方式が従前採用されていたが、橋面が凍結して交通事故を誘発し易い危険があったため、この散水融雪方式に変わる無散水の融雪手段を検討した。その一つとして、前記不透水性基盤と前記排水性舗装層との境界部分で河川水等を流して融雪する手段を想到した。しかしながら、かかる融雪手段によるときは融雪効率が悪かった。これは、排水性舗装層は、空隙が多くて熱伝導率が小さいことが原因と考えられる。
【0022】
そこで本発明者らは、排水性舗装層の下側に発熱層を設ける融雪手段を想到した。この融雪手段は、通水板を縦横に敷設して通水板敷設層の上面に排水性舗装層を設け、該通水板敷設層の内部に設けられた通水路に河川水を流して該河川水の保有熱を通水板敷設層に放熱させ、この放熱された熱で排水性舗装層の表面を加熱して融雪する構成のものであった。
【0023】
ところで、排水性舗装層に対する融雪手段は、交通事故を誘発する危険性の高い橋梁の舗装部に応用して非常に効果的なのであるが、橋梁における舗装部の厚さは60〜80mmに設定しなければならないという施工上の制約がある。そこで更に研究したところ、かかる制約の中で強度のある舗装部を構築するためには、前記通水板を、薄くて強度のあるものにしなければならないことが分かった。更に、薄い通水板は軽量であるために、通水板敷設層を構成する通水板が、自動車の橋面走行の影響でずれないように工夫しなければならないことが分かった。
【0024】
本実施例に係る発明は、このような知見を更に発展させて完成されたものである。以下、これをより具体的に説明する。
【0025】
前記熱交換構造1は、図1〜2、図3〜6に示すように、上面7が平滑で一連状態に設けられた下地層9の該上面7に、接着剤を含む防水層10を介在させて通水板11を縦横に敷設することにより通水板敷設層12が設けられると共に、該通水板敷設層12の上面13に、接着層15を介在させて上部舗装層17が一連状態に設けられており、これによって前記舗装部5が構成されている。
【0026】
ところで橋梁においては、下地層9上に設けられる舗装部5の厚さが60〜80mmと規定されており、若干の施工誤差は許容されている。本実施例においては、該下地層9上に5〜15mm、例えば約5mm厚さの防水層10を設け、該防水層10上に30〜50mm、例えば約35mm厚さの通水板敷設層12を設け、その上に、30mm以上、例えば約40mm厚さの上部舗装層17を設け、舗装部5の厚さを約80mmに設定している。該上部舗装層17は、本実施例においては排水性舗装層17aとされている。
【0027】
ここに、前記通水板敷設層12を構成する前記通水板11は、図7〜9に示すように、全体が高強度繊維補強コンクリート(金属系又は有機・無機系の単繊維を混入することにより補強されたコンクリート)を用いて構成されている。
【0028】
より具体的に説明すれば、該通水板11は、プレキャストコンクリート製の、平面視で例えば正方形状や長方形状を呈する(例えば長方形状を呈する)不透水性の平板体からなる通水板本体19の厚さ方向の中央部分を貫通するように、周方向に閉じた通水管部20が、該通水板本体19の対向する端部22,22の一方22aから他方22bに向けて直線状に延長する如く設けられている。本実施例においては、対向する端面21,21の一方21aから他方21bに向けて直線状に延長する如く設けられ、該通水管部20の両端部開口35,35が該通水板本体19の表面23で開口されている。本実施例においては、該通水板本体19の対向する端面21a,21bで開口されている。
【0029】
該通水板11は、その短辺25の延長方向を前記舗装部5の上面(路面)6の横断方向に合わせて敷設されるものであり、その短辺25の長さL1は例えば1750mmに設定されると共にその長辺27の長さL2は例えば2000mmに設定され、その厚さは例えば35mmに設定されている。そして前記通水管部20は、本実施例においては、管部材を用いることなく、通水板本体19に直接的に形成されており、その内径は例えば15mmに設定されている。又該通水管部20は、通水板11の長辺27の延長方向に所要間隔を置いて多数本配設されており、該長辺27の延長方向で見た配置間隔は、中心間で例えば100mmに設定されている。又、該通水板本体19の上下の面29,30は粗面31,32に形成されている。該粗面31,32は例えば図7(B)に示すように、深さが2〜3mm程度で長さが28〜30mm程度、幅が5〜6mm程度の溝部33の多数を縞模様状に散在させて形成されている。
【0030】
かかる通水板11が、図1〜2に示すように、上面7が平滑で一連状態に設けられた前記下地層(コンクリート層やアスファルト層等、本実施例においてはコンクリート床版)9の該上面7に、前記防水層10を介して縦横に敷設されることにより前記通水板敷設層12が形成されるのであるが、その際、該通水板11は、その短辺25の延長方向を前記路面6の横断方向に合わせて敷設される。前記舗装部5を形成するために、該通水板11の2枚を、その通水管部20の延長方向を路面6の横断方向に合わせて接合する。この接合は、図4(A)(B)に示すように、路面6の横断方向に延長する対応の通水管部20,20の端部35,35相互を連通させ得るように該通水板11,11の端面21,21相互を突き合わせ状態にして行う。
【0031】
本実施例においては、例えば図10(A)(B)に示すように、該通水板11,11の端面21,21間に例えばエポキシ樹脂系の接着剤からなる止水性目地材36を1〜2mm厚さで、前記端部35,35を塞がないように、塗布や吹付け、注入等によって介在させ、該端面21,22相互を接着することとしている。或いは図11(A)(B)に示すように、並設された通水管部20,20の端部開口35,35に位置合わせして通孔(直径15mm)37が並設状態で貫設されてなる合成樹脂製の弾性パッキン材(ブチルゴムやスポンゴム等の弾力性を有するパッキン材)からなる止水性目地材39を前記端面21,21間に介装し、該端面21,21相互を突き合わせ状態で接合して行うこともできる。これにより、前記横断方向に延長する通水管部20,20が、該通孔37を介して一直線状に連なった状態となる。
【0032】
そして図1、図6に示すように、路面6の長さ方向に並設される通水板11の隣り合う側面40,40は、例えばエポキシ樹脂系の接着剤からなる止水性目地材41を塗布や吹付け、注入等によって介在させ、接着される。或いは、合成樹脂製の弾性パッキン材(ブチルゴムやスポンゴム等の弾力性を有する、ゴム等のパッキン材)からなる止水性目地材41を該側面40,40間に介装させて該側面40,40相互が当接状態とされることもある。
【0033】
このようにして敷設された通水板11の下の粗面32には、図4(B)に示すように、前記防水層10が食い込んだ状態となり、該通水板11が該防水層10を介して、一連状態に設けられた前記下地層9と一体化する。これにより、前記通水板敷設層12が前記下地層9に対して動きにくいようになし得る。又、前記通水板敷設層12の上面13に例えばエポキシ樹脂系の接着層15を介在させて一連状態に設けられる前記上部舗装層17は、本実施例においては、ポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層等からなる排水性舗装層17aとして構成されており、前記通水板11の上の粗面31に食い込んだ状態の接着層15を介して前記通水板敷設層12と一体化される。これにより、前記上部舗装層17が前記通水板敷設層12に対して動きにくいようになし得る。
【0034】
前記通水管部20が前記横断方向で連通されることによって形成された通水路42の一端(図2〜3においては上端)43は、路面6の横断方向の上端部分で路面延長方向に設けられた送水管路45に、上連通孔47を介して連通されている。又、前記通水路42の他端(図2、図5においては、下端)49は、路面6の横断方向の下端部分で路面延長方向に設けられた排水溝50aとしての排水設備50に連通されている。そして、ポンプ(図示せず)で取水された河川水が送水管(図示せず)を経て前記送水管路45に給水されることにより、作動水としての河川水が前記夫々の上連通孔47を介して前記夫々の通水路42に、例えば、自然流下に近い状態で供給され、該通水路42を流下して前記排水溝50aに排出されるようになされている。
【0035】
然して本発明に係る熱交換構造1によるときは、図3〜5に矢印で示すように、舗装部5の路面6の降雨水が前記排水性舗装層17aを浸透し、この浸透水は、前記通水板敷設層12の上面13を流下し、前記排水溝50aに排出される。
【0036】
そして前記のように、各通水路42に河川水が供給されると、該河川水の保有熱が該通水路42の内周面51(図3〜5)で通水板11に熱伝導により放熱され、前記上部舗装層17に熱移動されて該上部舗装層17の上面(路面)6が加温される。冬期においては、このように路面6が加温されることより、該路面6の雪を溶かしたり、該路面6の水の凍結を防止できることとなる。又夏期においては、前記通水路42を流下する水が、前記舗装部5の保有熱を吸熱でき、これにより、路面6を冷却してヒートアイランド現象の緩和に寄与できる。本実施例においては、該通水路42が路面6の横断方向に直線状を呈しているため、各通水路42に大量の河川水を円滑に流すことができる。かかることから、温度が比較的低い河川水を作動水として利用しているにも拘わらず、その保有熱を通水板11に効率的に放熱させることができ、融雪や凍結防止を効率よく行うことができる。
【0037】
かかる熱交換を行い得る熱交換構造1にあっては、前記のように、通水板本体19の上下の面29,30が粗面31,32に形成されており、図4(B)に示すように、下の粗面32に食い込んだ状態の前記防水層10を介して、通水板敷設層12が前記一連状態の下地層9と一体化しており、且つ、前記上の粗面31に食い込んだ状態の前記接着層15を介して、一連状態の上部舗装層8が該通水板敷設層12と一体化していることから、構築された舗装部5は一体化状態にあり構造的に安定している。
【0038】
かかることから、自動車走行時においてタイヤが路面を蹴る作用によっても路面6が捲れたり路面にクラックが入ったりしにくく、通水板11のずれが生じにくい。従って、前記通水管部20,20相互の接合が簡易な突き合わせ状態であるにも拘わらず、通水管部20,20相互の連通状態が安定的に保持される。又本実施例においては、図3に示すように、通水路42の上端43を上連通孔47を介して送水管路45に連通させる構成を採用しているが、該通水路42と該上連通孔47との連通状態も安定的に保持される。このようなことによって、路面の融雪や路面の凍結防止、路面の冷却等の前記熱交換を長期間に亘って良好に発揮させ得ることとなる。そして本発明は無散水方式のものであり、路面に散水して融雪する仕組みではないため、特に危険な橋梁の路面を散水により凍結させる恐れがない。
【0039】
次に、本実施例に係る発明の独特の特徴点について説明すれば次のようである。
【0040】
即ち本実施例においては、前記上部舗装層17が、ポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層等からなる排水性舗装層17aであるために、該上部舗装層17を浸透して前記不透水性の通水板敷設層12の上面13に達した水は、該上面13を流下し前記排水溝50aに流入するのであるが、良好な路面排水を確保しながら路面の融雪や路面の凍結防止を図り得る点は、本実施例に係る発明の特徴点の一つである。一般に排水性舗装構造は、アスファルト層やコンクリート層からなる不透水性の基盤の上面に、ポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層からなる排水性舗装層を設けて構成されていたが、該排水性舗装層は熱伝導率が低いために、この種の排水性舗装層構造における融雪効率は悪かった。そこで本実施例に係る発明においては、発熱層としても機能し得る前記通水板敷設層12上に、ポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層等である排水性舗装層17aを設ける構成を採用しているため、該排水性舗装層17aの上面(路面)6の融雪や路面6の凍結防止を良好に行い得るのである。
【0041】
又本実施例においては、通水板11を高強度繊維補強コンクリート製としているため、厚さに制約が伴う橋梁の舗装部5であっても、該通水板11を薄肉(例えば前記した約35mmの厚さ)に形成して所要の熱交換構造を構成できる。このように、舗装部5の厚さに制約が伴う橋梁においても、路面6の排水性を良好に確保できながら路面の融雪や凍結防止も達成できることは、本実施例に係る発明の特徴点の一つである。
【0042】
更に、このように薄肉に構成された通水板11は軽量にならざるを得ないが、かかる軽量の通水板11のずれを防止する手段として通水板本体19の上下の面29,30に粗面31,32を設ける構成を採用し、該上下の粗面31,32に前記接着層15、前記防水層10を食い込ませることにより、通水板敷設層12と下地層9と上部舗装層17の全体を一体化することとしている。これによって、通水板11が軽量であってもその位置ずれを防止できるのあるが、このことも、本実施例に係る発明の特徴点の一つである。
【実施例2】
【0043】
図12〜14は、本発明に係る熱交換構造1を、河川を跨ぐ橋梁における歩道52の舗装部5に応用した場合を示すものであり、1枚の通水板11の有する通水管部20のみを以て通水路42が構成されている。
【0044】
該熱交換構造1は、前記と同様に構成された下地層9の上面7に、接着剤を含む防水層10を介在させて、通水板11をその側面40,40相互を接着剤や弾性パッキン材を介して当接状態に敷設することより通水板敷設層12が設けられると共に、該通水板敷設層12の上面13に、接着層15を介在させて上部舗装層17が一連状態に設けられることにより舗装部5が構成されている。
【0045】
そして、このように敷設された通水板11の下の粗面32には、前記防水層10が食い込んだ状態となり、該通水板11が該防水層10を介して、一連状態に設けられた前記下地層9と一体化する。又、前記上部舗装層17は、本実施例においては図12に示すように、ポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層等からなる排水性舗装層17aとして構成されており、前記通水板11の上の粗面31に食い込んだ状態の接着層15を介して前記通水板敷設層12と一体化される。
【0046】
又、前記通水板11に設けられている前記通水管部20のみからなる通水路42の一端(図13においては上端)43は、歩道面(路面)6の横断方向の上端部分で路面延長方向に設けられた送水管路45に、上連通孔47を介して連通されている。又、前記通水路42の他端(下端)49は、路面6の横断方向の下端部分で路面延長方向に設けられた排水管路50bとしての排水設備50に、下連通孔55を介して連通されている。そして、ポンプ(図示せず)で取水された河川水が送水管(図示せず)を経て前記送水管路45に給水されることにより、作動水としての河川水が前記夫々の上連通孔47を介して前記夫々の通水路42に供給され、該通水路42を流下し、前記下連通孔55を介して前記排水管路50bに排出されるようになされている。
【0047】
然して本発明に係る熱交換構造1によるときは、図13〜14に矢印で示すように、舗装部5の路面6の降雨水が前記排水性舗装層17aを浸透し、この浸透水は、前記通水板敷設層12の上面13を流下し、前記排水管路50bに排出される。
【0048】
そして前記のように、各通水路42に河川水が供給されると、該河川水の保有熱が前記通水路42の内周面51で通水板11に熱伝導により放熱され、前記上部舗装層17に熱移動されて該上部舗装層17の上面としての歩道面(路面)6が加温される。冬期においては、このように路面6が加温されることより、該路面6の雪を溶かしたり、該路面6の水の凍結を防止できることとなる。又夏期においては、前記通水路42を流下する水が、前記舗装部5の保有熱を吸熱でき、これにより、路面(歩道面)6を冷却してヒートアイランド現象の緩和に寄与できる。本実施例においては、前記通水路42が路面6の横断方向に直線状を呈しているため、各通水路42に大量の河川水を円滑に流すことができる。かかることから、温度が比較的低い河川水を作動水として利用しているにも拘わらず、その保有熱を通水板11に効率的に放出させることができ、融雪や凍結防止を効率よく行うことができる。
【0049】
かかる熱交換を行い得る熱交換構造1にあっては、前記のように、通水板本体19の上下の面が粗面31,32に形成されており、下の粗面32に食い込んだ状態の前記防水層10を介して、通水板敷設層12が前記一連状態の下地層9と一体化しており、且つ、前記上の粗面31に食い込んだ状態の前記接着層15を介して、一連状態の上部舗装層17が該通水板敷設層12と一体化していることから、構築された舗装部5は一体化状態にあり構造的に安定している。
【0050】
かかることから、管理車両や除雪車等の車両が歩道を走行したときにも、路面6が捲れたり路面6にクラックが入ったりしにくく、通水板11のずれが生じにくい。従って、前記通水路42と前記上連通孔47との連通状態等が安定的に保持される。このようなことによって、路面の融雪や路面の凍結防止、路面の冷却等の前記熱交換を長期間に亘って良好に発揮させ得ることとなる。そして本実施例に係る発明は無散水方式のものであり、路面に散水して融雪する仕組みではないため、路面等を散水により凍結させる恐れがない。
【実施例3】
【0051】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0052】
(1) 本発明に係る熱交換構造1を、河川を跨ぐ前記橋梁以外の陸橋や一般の道路(車道や歩道)の舗装部に応用することができる他、駐車場等各種の舗装部に応用することができる。車道は、片側複数車線であってもよい。又、舗装部5の上面13は、上端から一方の下端に向けて傾斜する片流れ状態のものであってもよく、上端から左右の下端に向けて傾斜する両流れのものであってもよい。或いは、殆ど水平であってもよい。
これらの場合、通水路42の一端で行われる作動水の供給は、自然流下方式の供給とすることの他、多少の圧力を掛けて供給することもある。
【0053】
(2) 図15〜16は、隣り合う通水板11,11の側面相互を噛み合わせ構造にして通水板のずれ止め効果を向上させた熱交換構造1を示すものであり、ここに用いられている通水板11は、平面視で矩形状を呈する本体板部57の両側縁59,59の中央部分に矩形状の突出部60,60が突設された、平面視で十字状の形態を有している。そして該本体板部57に、その両側縁59,59と平行する状態で且つ所要間隔を置いて、例えば100mmの間隔を置いて、通水管部20が設けられている。そして、かかる構成を有する通水板11,11の端面21,21相互が縦方向(通水路42の長さ方向)で突き合わせ状態に敷設されることによって、係合突出部60,60間に係合凹部90が形成され、該係合凹部90に、横方向に敷設される通水板11の係合突出部60が噛み合わせ状態となるように構成されている。
【0054】
(3) 通水板本体19の上下の面29,30に設ける粗面31,32は、一方向に延長する直線状溝でも、屈曲した溝でも、或いは、円形や四角形等の凹部、梨子地状部等であってもよい。更には、通水板本体19を製造する過程で、コンクリートが硬化する前にその表面に3〜5mm径の砂利を散布し、該散布された面を軽く叩いて粗面を形成することも出来る。
要は、下の粗面32に前記防水層10が食い込んだ状態となると共に、上の粗面31に前記接着層15が食い込んだ状態となって、下地層9と通水板敷設層12と上部舗装層17の三者を安定構造に一体化させ得るものであればよい。
【0055】
(4) 通水板本体19に設けられる通水管部20は、図17に示すように、鋼製や樹脂製等のパイプ61を通水板本体19に埋設して形成することもできる。そして該通水管部20は、通水板本体19の厚さ方向の中央部分に配置されるだけでなく、上や下に変位した状態で設けられることもある。
【0056】
(5) 通水板11を、高強度繊維補強コンクリート製とする場合、その強度は、大型の自動車が通る車道にあっては例えば100〜200N/mm2 程度に設定すると共に、道幅が狭く軽量な自動車が通る車道では例えば60〜100N/mm2 に設定し、歩道にあっては例えば30〜60N/mm2 程度に設定することができる。
【0057】
(6) 図18、図19は、通水板11を上下二分割して構成した場合を示すものであり、例えば50〜60mm厚さのコンクリート製の通水板として構成されており、上下の分割片63,65の合体によって所要の通水管部20が形成されている。この場合、上下の分割片63,65の当接面66,67を粗面にして該当接面66,67相互を接着するのがよい。
【0058】
(7) 図20〜21は、通水板本体19に設けられる通水管部20の他の態様を示すものであり、該通水板本体19の対向する端部22,22の一方22aから他方22bに向けて直線状に延長する如く設けられている。図20においては、該通水管部20の両端部開口35a,35bが、通水板本体19の上の面29と下の面30で開口している。かかる構成の通水板11は、例えば歩道の構築に用いることができ、上面の端部開口35aで供給された作動水を下面の端部開口35bで排出させることができる。
図21は、通水管部20の両端部開口35,35の一方35aを通水板本体19の上の面29で開口させると共に他方35bを通水板本体19の端面21で開口させた場合を示しており、又図22は、通水管部20の両端部開口35,35の一方35aを通水板本体19の端面21で開口させると共に他方35bを通水板本体19の下の面30で開口させている。
【0059】
(8) 通水板11は、前記した高強度繊維補強コンクリート製とされることの他、普通コンクリートを用いて形成することもできる。
【0060】
(9) 前記通水路42に供給する作動水は、路面等の融雪や凍結防止、路面の冷却等の目的を達成できるものであれば、前記した河川水の他、地下水や浄水、工業排水等であってもよい。
【0061】
(10)又、供給される作動水は、通水路42が一定の勾配を有する場合でも、その下端で供給されて上端で排出されることもある。
【0062】
(11)前記上部舗装層17は、前記したポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層の他、単なるアスファルト層やコンクリート層であってもよい。
【0063】
(12)前記下地層9は、既設のコンクリート床版等の既成の下地層の上面をモルタルやグラウトで平滑化処理したものであってもよい。
【0064】
(13)隣り合う通水板11,11の端面相互や側面相互に介在される止水性目地材としては、塗布や吹付け、注入によって介在されるパテ等であってもよい。
【0065】
(14)前記通水板敷設層12の上面13に設けられる接着層15は、接着性を有する乳剤であってもよい。
【0066】
(15)並設された各通水路42に作動水を供給する手段の他の態様としては、該通水路42の並設方向に延長して配設された送水管路に吐出口を並設すると共に、該吐出口と対応の通水路の一端とを連通パイプで連結した構成のものを挙げることができる。この連結は、例えば、該連通パイプの一端部を該吐出口に差し込み等によって接続すると共に、その他端部を該通水路の一端に差し込み接続して行うことができる。
このように連通パイプで連結する構成を採用する場合は、前記通水路42が一定の勾配を有する場合であっても、その下端(前記一端)で供給された河川水等の作動水を該通水路に漏水なく供給でき、該通水路42の上端で排出させることができる。該通水路42への作動水の供給流量は、流量計で調整できる。
【符号の説明】
【0067】
1 熱交換構造
2 橋梁
3 車道
5 舗装部
6 路面
9 下地層
10 防水層
11 通水板
12 通水板敷設層
15 接着層
17 上部舗装層
19 通水板本体
20 通水管部
21 端面
23 通水板本体の表面
29 通水板本体の上の面
30 通水板本体の下の面
31 粗面
32 粗面
33 溝部
35 端部開口
42 通水路
45 送水管路
50 排水設備
50a 排水溝
51 通水路の内周面
53 排水管路
55 下連通孔
57 本体板部
60 係合突出部
61 パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が平滑で一連状態に設けられた、コンクリート層やアスファルト層等からなる下地層の該上面に、接着剤を含む防水層を介在させて、通水板を縦横に敷設して通水板敷設層が設けられると共に、該通水板敷設層の上面に接着層を介して上部舗装層が一連状態に設けられることによって舗装部が形成されており、
前記通水板は、不透水性のプレキャストコンクリート製の平板体からなる通水板本体の内部に、該通水板本体の対向する端部の一方から他方に向けて直線状に延長する如く、周方向に閉じた通水管部が設けられて、該通水管部の両端部開口が通水板本体の表面で開口しており、該通水板本体の端面で開放状態にある該端部開口相互を連通させるように、隣り合う通水板の端面相互が止水性目地材を介して突き合わせ状態で接合されることによって、連通した通水管部からなる通水路が形成されてなる前記通水板敷設層が設けられ、
該通水路の一端で供給された作動水が該通水路の他端で排出されるようになされており、
又、前記通水板本体の上下の面は粗面に形成されており、下の粗面に前記防水層が食い込んだ状態にあると共に上の粗面に前記接着層が食い込んだ状態にあることを特徴とする舗装部における熱交換構造。
【請求項2】
上面が平滑で一連状態に設けられた、コンクリート層やアスファルト層等からなる下地層の該上面に、接着剤を含む防水層を介在させて、通水板を縦横に敷設して通水板敷設層が設けられると共に、該通水板敷設層の上面に接着層を介して、ポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層等からなる排水性舗装層としての上部舗装層が一連状態に設けられることによって橋梁の舗装部が形成されており、
前記通水板は、高強度繊維補強コンクリートからなる不透水性のプレキャストコンクリート製の、平面視で正方形状又は矩形状を呈する平板体からなる通水板本体の内部に、該通水板本体の、路面の横断方向で見た対向する端部の一方から他方に向けて直線状に延長する如く、周方向に閉じた通水管部が設けられて、該通水管部の両端部開口が通水板本体の表面で開口しており、該通水板本体の端面で開放状態にある該端部開口相互を連通させるように、隣り合う通水板の端面相互が止水性目地材を介して突き合わせ状態で接合されることによって、連通した通水管部からなる通水路が形成されてなる前記通水板敷設層が設けられ、該通水路の一端で供給された河川水としての作動水が該通水路の他端で排出されるようになされており、又、前記排水性舗装層を浸透した雨水が前記通水板敷設層の上面を流下して排出されるようになされており、
又、前記通水板本体の上下の面は粗面に形成されており、下の粗面に前記防水層が食い込んだ状態にあると共に上の粗面に前記接着層が食い込んだ状態にあることを特徴とする舗装部における熱交換構造。
【請求項3】
前記通水管部の両端部開口は前記通水板本体の対向する端面で開口していることを特徴とする請求項1又は2記載の舗装部における熱交換構造。
【請求項4】
前記上部舗装層が、ポーラスアスファルト層やポーラスコンクリート層等からなる排水性舗装層であることを特徴とする請求項1記載の舗装部における熱交換構造。
【請求項5】
前記通水板本体は、高強度繊維補強コンクリートを用いたプレキャストコンクリート製の平板体であることを特徴とする請求項1記載の舗装部における熱交換構造。
【請求項6】
上面が平滑で一連状態に設けられた下地コンクリート層の該上面に、接着剤を含む防水層を介在させて、通水板を縦横に敷設して通水板敷設層を設けると共に、該通水板敷設層の上面に接着層を介して上部舗装層を一連状態に設けることによって舗装部を形成するに際し、該通水板敷設層を構成する通水板であり、
不透水性のプレキャストコンクリート製の平板体からなる通水板本体の内部に、該通水板本体の対向する端部の一方から他方に向けて直線状に延長する如く、周方向に閉じた通水管部が設けられており、該通水管部の両端部開口が通水板本体の表面で開口しており、該通水板本体の下の面は、前記防水層の接着剤を食い込んだ状態とするための粗面に形成されると共に、該通水板本体の上の面は、前記接着層を食い込んだ状態とする粗面に形成されていることを特徴とする通水板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−82593(P2012−82593A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228420(P2010−228420)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(504145320)国立大学法人福井大学 (287)
【出願人】(000137074)株式会社ホクコン (40)
【Fターム(参考)】