航空機乗客シート位置制御装置
航空機乗客シート位置制御装置が提供される。この制御装置は、複数の別個のシート位置から選択された1つに乗客シートを調整するように動作可能な、複数のシートアクチュエータと、前記複数の別個のシート位置に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチセンサー式制御インターフェイスとを備える。前記制御インターフェイスは、前記複数のシートアクチュエータと通信すると共に、前記乗客シートに着座する乗客による使用のために、前記航空機乗客シートに近接して位置し、乗客によるタッチ選択位置に応答して信号を前記複数のシートアクチュエータに出力し、これによって、前記複数の別個のシート位置から選択された1つに前記航空機乗客シートの位置を調整するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本特許出願は、2009年1月9日出願の米国仮出願、第61/143,586号「乗客シートのためのタッチスクリーン制御インターフェイス」、及び、2009年4月15日出願の米国仮出願、第61/169,575号「乗客シートのための制御インターフェイスの表示方法及び校正方法」の優先権を主張するものである。第61/143,586号及び第61/169,575号の内容は、その本文に援用する。
【0002】
本発明は、一般的に、航空機の乗客シートを調整するための制御インターフェイスに関し、さらに具体的には、シートを調整及び表示するためのタッチスクリーン制御インターフェイス、並びに、制御インターフェイスを校正するための校正(キャリブレーション)方法に関する。
【背景技術】
【0003】
航空機で見られるような乗客シートは、典型的には、直立位置とリクライニング位置との間で調整可能である。あるシートは、脚部及び足部にサポート(支持)を提供するように、外側に延在するフット(足部)サポートを有する。したがって、典型的な従来の乗客シートは、着座して、読書し、機内映画を鑑賞し、又は、睡眠をとることを望む乗客の好みに応じて、多くの形態をとることが可能である。典型的な乗客シートは、1以上のボタン又はスイッチを有し、乗客がシート部位の位置を調整することを可能にする。
【0004】
従来式の薄膜スイッチ(機械式半球スイッチとも呼ばれる)が乗客シートに頻繁に使用されている。典型的なこのようなスイッチは、その機能を乗客に知らせるように、エンボス加工又は印刷した図形(グラフィック)を有する。この種のスイッチは、一般に、特定の機能専用であり、複数の調整利用可能であるシートでは、多数必要とされる。このような専用スイッチは、容易に再構成することができないと共に、それらの機能を示す図形を容易に変えることができない。したがって、乗客シートは、より多くの調整可能な部位を提供するように進化するにつれて、及び、マルチメディアエンターテインメント及び他のアメニティ(利便機能)が航空機の乗客キャビンに追加されるにつれて、従来式の専用の単機能スイッチはますます不満足のものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、乗客シートを調整するための改善した制御インターフェイス、メディアデバイスの制御に関する改善した制御インターフェイス、及び、再度目的を持たすことに関して柔軟性を提供する改善した制御インターフェイスが必要である。航空機の乗客シートの形態を調整するための改善したインターフェイス制御が必要であり、乗客シートの形態を表示するための方法が必要とされ、並びに、正確な調整及び表示を行うための利便性が高い校正方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のこれら及び他の目的は、航空機乗客シート位置制御装置を提供することにより、以下に開示された好適な実施形態において達成される。シート位置制御装置は、複数の別個のシート位置から選択された1つに乗客シートを調整するように動作可能な、複数のシートアクチュエータと、前記複数の別個のシート位置に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチセンサー式制御インターフェイスとを備える。前記制御インターフェイスは、前記複数のシートアクチュエータと通信すると共に、前記乗客シートに着座する乗客による使用のために、前記航空機乗客シートに近接して位置し、乗客によるタッチ選択位置に応答して信号を前記複数のシートアクチュエータに出力し、これによって、前記複数の別個のシート位置から選択された1つに前記航空機乗客シートの位置を調整するように構成されている。
【0007】
本発明の別実施形態によれば、前記制御インターフェイスは、前記複数の別個のシート位置から選択された1つの表示イメージを表示するディスプレイスクリーンを含む。
【0008】
本発明の別実施形態によれば、前記複数のシートアクチュエータのうちの各シートアクチュエータは、前記乗客シートの位置に対応する制御インターフェイスに、前記位置に対応する位置表示値を出力する。
【0009】
本発明の別実施形態によれば、前記制御インターフェイスは、前記各アクチュエータの前記位置表示値の範囲を計算し、前記位置表示値の範囲を複数の異なるサブレンジに分割し、前記各サブレンジは前記別個のシート位置の1つに対応する。
【0010】
本発明の別実施形態によれば、前記アクチュエータが、前記複数の異なるサブレンジのうちの一サブレンジ内の位置表示値を出力するとき、前記ディスプレイスクリーンは、該サブレンジに対応する前記複数の別個のシート位置から選択された1つの前記表示イメージを表示する。
【0011】
本発明の別実施形態によれば、前記乗客シートは、背もたれ部、レッグレスト部及びアームレスト部を備え、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータが、前記背もたれ部、前記レッグレスト部及び前記アームレスト部のそれぞれの位置を調整する。
【0012】
本発明の別実施形態によれば、前記タッチセンサー式制御インターフェイスは、乗客利便機能に対応する複数のタッチ反応性の記号をさらに含む。
【0013】
本発明の別実施形態によれば、前記乗客利便機能は、メディアコントロール、気温コントロール、通信コントロール、又は、その組み合わせからなる群から選択される。
【0014】
本発明の別の好適な実施形態によれば、航空機乗客シート位置制御装置が提供される。当該装置は、乗客シートを好適なシート位置に調整するように動作可能な複数のシートアクチュエータと、前記乗客シートの部位に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチセンサー式制御インターフェイスと、を含む。前記制御インターフェイスは、前記複数のシートアクチュエータと通信すると共に、前記乗客シートに着座する乗客による使用のために、前記航空機乗客シートに近接して位置しており、乗客によるタッチで選択された位置に反応して、信号を前記複数のシートアクチュエータに出力し、それにより、前記好適なシート位置に前記乗客シート位置を調整するように構成されている。
【0015】
本発明の別の好適な実施形態によれば、航空機乗客シートを調整するように動作可能なアクチュエータを校正する方法が提供される。当該方法は、乗客シートを第1位置に調整するステップと、前記アクチュエータによる第1位置表示値の出力を記録するステップと、前記乗客シートを第2位置に調整するステップと、前記アクチュエータによる第2位置表示値の出力を記録するステップと、前記第1及び第2位置表示値の間の範囲を計算するステップと、を含む。
【0016】
本発明の別実施形態によれば、方法は、前記範囲を複数のサブレンジに分割するステップをさらに含み、前記各サブレンジは複数のシート位置うちの別個のシート位置に対応する。
【0017】
本発明の別実施形態によれば、方法は、前記複数の別個のシート位置に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチ反応式制御インターフェイスを提供するステップをさらに含んでおり、前記シートアクチュエータは、タッチ選択位置に応答して前記シートアクチュエータに信号を出力して、これによって、前記複数の別個のシート位置から選択された1つに、前記航空機シートの位置を調整するように構成されている。
【0018】
発明と見なされる対象は、以下の図面と共になされる以下の説明を参照して最も理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の1実施形態に従う、シート制御インターフェイスの斜視図。
【図2】図1のシート制御インターフェイスの斜視図。
【図3】図1のシート制御インターフェイスの側面図。
【図4】図1のシート制御インターフェイスの正面図。
【図5】図1のシート制御インターフェイスの平面図。
【図6】例示のディスプレイを提供する図1のシート制御インターフェイスの平面図。
【図7】タクシー離陸及び着陸形態におけるシート制御インターフェイス及びシートの概略図。
【図8】タクシー離陸及び着陸形態の下30度におけるシート制御インターフェイス及びシートの概略図。
【図9】タクシー離陸及び着陸形態の下50度におけるシート制御インターフェイス及びシートの概略図。
【図10】完全なリクライニング形態におけるシート制御インターフェイス及びシートの概略図。
【図11】シート制御インターフェイスの校正及び動作を示すフローチャートの概略図。
【図12】シート部位の校正及び動作を示すフローチャートの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
複数の図面において同一番号は同一の要素を示す。図面を参照すると、図1〜9は、本発明の少なくとも一実施形態に従う、制御インターフェイス100を示す。図1に示すとおり、航空機のような乗り物において使用するための乗客シート10は、乗り物の床に固定して搭載されたシートフレーム12と、フレーム12に取り付けられたシートバック(背もたれ部)14及びシートボトム(座部)16を含む乗客支持部と、シートボトム16の側部近傍に位置する一対のアームレスト18、20と、レッグレスト22と、を含む。図1では、シート10は、タクシー(地上走行)、離陸及び着陸(TTL)の形態において示され、シートバック14は最も直立位置に配置され、シートボトム16はシートバック14に対して最も後方位置に配置され、且つ、レッグレスト22は最下位置に配置される。シート10がリクライニング形態の範囲に調整されると、シートバック14がリクライニングし、シートボトム16が前方に移動し、並びに、レッグレスト22がリクライニングした乗客の上がった脚を収容するように水平位置に向かって持ち上がる。
【0021】
図2、4及び5に示すとおり、制御インターフェイス100は、乗客シート10のアームレスト20のような機内環境の表面にタッチスクリーンを搭載するためのハウジング104を含む。少なくとも一実施例では、制御インターフェイス100の側面寸法は、短辺103で約3.75インチ、及び、長辺105で約5.5インチである(図5参照)。図2〜5に示すとおり、ハウジング104は、衣類や荷物にぶつかることを最小限にし、流線型の外観を提供する傾斜エッジ(縁部)106を含む。図示した実施形態では、制御インターフェイス100は、薄型(low−profile)形態で取り付けられており、例えば、制御インターフェイス100の上面がホスト表面から3/4インチ未満、隆起している。したがって、限られた空間が利用可能であるか、あるいは、乗客の快適性のために洗練され密集していない環境が求められるホスト表面上に、制御インターフェイス100を取り付け可能である。1つの制御インターフェイス100がアーム20に取り付けられているように表されているが、複数のインターフェイスを、一方又は両方のアーム18、20、及び、当該開示の範囲内の他例にしたがって他表面に取り付けることができる。
【0022】
図示した実施形態における制御インターフェイス100は、タッチスクリーン乗客制御ユニット(TSPCU)であり、調整が必要なときに、乗客が特定のシート部位の電動式調整を制御することを可能にする。制御インターフェイス100は、選択及び調整の促進化において乗客をガイドするようにイメージを表示するタッチスクリーン102を含む。図6に示すとおり、タッチスクリーン102は、物理的な(現実の)シート10の調整部位に対応する構成要素を有する表示シートイメージ200を表す。物理的なシート10の調整可能な部位に対応するイメージ構成要素は、タッチスクリーン102を使用することにより調整が利用可能であることを使用者に示すように、ハイライト又は特定色で表示されうる。
【0023】
使用者からのタッチコマンドを受け取り、シート10の部位の調整にこれらコマンドを関連付けるための方法の種々の例は、当該開示の範囲内にある。1例では、シートイメージ200の任意の一部位をタッチすることは、対応する物理的なシート要素の電動式調整を促す。具体的には、この例において、レッグレストイメージ222へのタッチは、調整のための物理的なレッグレスト22の選択を示し、タッチスクリーン102に沿って指をスライドさせることで、それに対応して、物理的なレッグレスト22が電動式移動により調整される。タッチスクリーン102上のレッグレストイメージ222は、調整が起こると物理的なレッグレスト22の位置を表示するようにスクリーンに亘って更新される。シートバックイメージ214、シートボトムイメージ216及びヘッドレストイメージ224をタッチすることにより、対応する物理的なシート部位を同様に調整可能である。物理的なシート10の各部位の各調整で、シートイメージ200が現在の物理的なシート形態を反映するように更新される。
【0024】
制御インターフェイス100は、シートイメージ200の部位のタッチ又はタップ(軽くたたくこと)による選択時に、追加の制御レイヤーを表示するようにプログラムされうる。つまり、シートイメージの部位の選択時、拡大可能な選択部位の専用画面が表示されつと共に、追加の調整機能が利用可能である。
【0025】
使用者からタッチコマンドを受け取り、これらコマンドをシート10の部位の調整に関連付けるための方法の別例において、物理的なシート部位は、連動した調整において一緒に移動される。当該例において、使用者は、簡単に、指先でシートバックイメージ214をタッチし、所望の位置へタッチスクリーン102に沿って指先をスライドさせることにより、そのTTL形態からリクライニング形態へと、シート10の全体形態を調整可能である。物理的なシートバック14が所望の位置への電動式移動で調整されると、シートボトム16及びレッグレスト22がシートバック14と連動して移動される。指がシートバックイメージ214をタッチし、タッチスクリーン102上の完全にリクライニングした位置にスライドするとき、シート10が完全にリクライニングした形態に調整される。すなわち、シートバック14が完全にリクライニングし、シートボトム15がその最前位置に移動し、且つ、レッグレスト22が完全に持ち上がる。物理的なシート10が調整されると、シートイメージ200が現在の物理的なシート10の形態を反映するように更新される。
【0026】
使用者からのタッチコマンドを受け取り、これらコマンドをシート10の部位の調整に関連づけるための方法のさらなる別例において、制御インターフェイス100は、シートイメージ200の部位のタッチ又はタップによる選択時に、追加の制御レイヤーを表示するようにプログラムされる。このようなシートイメージ200の部位の選択時、選択部位に関する専用画面又はメニューが表示されて、追加の調整機能が利用可能である。したがって、当該開示の範囲内の多くの方法の1により、乗客はシート10を所望の形態に調整することができる。
【0027】
図6の例において、タッチスクリーン102は、ユーザーに対する追加の利便性のために、プリセットボタンを表すイメージを表示する。直立シートとして視覚的に表されるプリセットボタン226のタッチは、物理的なシートがTTL形態をとるように促す。部分的に30度リクライニングしたシートとして視覚的に表されるプリセットボタン228のタッチは、物理的なシート10が部分的に30度リクライニングした形態をとることを促し、これは乗客の好みに従って調整可能である。プリセットボタン228の使用により到達する物理的なシート部位の特定位置をプリセットする機会が乗客に与えられる。部分的に50度リクライニングしたシートとして視覚的に表されるプリセットボタン229のタッチは、物理的なシート10が部分的に50度リクライニングした形態をとることを促し、これは乗客の好みに従って調整可能である。プリセットボタン229の使用により到達する物理的なシート部位の特定位置をプリセットする機会が乗客に与えられる。プリセットボタン230のタッチは、フラット又はベッドのような形態である、物理的なシートが最もリクライニングした形態をとることを促す。物理的なシート10が調整されると、シートイメージ200は、現在の物理的なシート形態を反映するように更新される。
【0028】
図6の例において、マッサージ機能もまた乗客に利用可能である。プリセットボタン232のタッチは、波のように動くマッサージ機能を促し、乗客の背中をマッサージするように物理的なシートの後部のブラダー(空気袋)が膨張及び収縮する。プリセットボタン234は、振動マッサージ機能を促し、例えば、非平衡な重りに結合された電動モータの回転により、物理的なシートが振動する。
【0029】
本発明によれば、制御インターフェイス100は、制御インターフェイスを通して乗客シートの形態を表示すると共に、制御インターフェイスによるシートの正確な調整及びシート位置の正確な表示を確実にする校正方法に従って構成される。乗客シートの形態を表示することに関して、シートイメージ200は、物理的なシート10が調整されると段階的に更新される。これにより、制御インターフェイス10による複雑なモデリング及びコンピューティングの必要性を回避する。所定の調整可能なシート部位に対して、物理的移動の全体範囲が複数のサブレンジに分割され、特定のサブレンジ内の全ての物理的位置が1つの表示イメージによって視覚的に表される。
【0030】
一例において、シートバック14は、そのTTL位置における、水平位置の上80度から、完全なリクライニング位置における0度(水平位置)へと調整可能である。当該例において、シートバック14の80度の移動範囲が20度の4つの範囲に分割され、シートバックイメージ214は、シートバック14が調整されると4つの対応するイメージの1つとして表れるように更新される。シートバック14が60度から80度の間の任意の位置をとるときに、シートバックイメージは80度のTTL位置で表される。シートバック14が水平位置より40度から60度の間の任意の位置をとるときに、シートバックイメージ214は、水平位置より約50度リクライニングして表される。同様に、シートバック14が水平位置より20度から40度の間の任意の位置をとるときに、シートバックイメージ214は、水平位置より約30度リクライニングして表される。シートバック14が水平位置より0度から20度の間の任意の位置をとるときに、シートバックイメージ214は、基本的にフラットとして表される。この例では、シートボトム16及びレッグレスト22の移動範囲は、同様に4つのサブレンジに分割されるとともに、対応するシートボトムイメージ216及びレッグレストイメージ222がタッチスクリーン102上の4つの各位置の1つにそれぞれ表される。
【0031】
シート10の調整を正確に規制すると共にタッチスクリーン102上にシートを表示するように制御インターフェイス100を校正することにおいて、本発明は、タッチスクリーン102上のイメージ位置にアクチュエータのデータレポートを関連付けるための方法を提供する。物理的なシート10は、1以上のアクチュエータにより付加される力によって調整される。一例では、シート10の全ての調整可能な部位は、1つのアクチュエータ又はモータの力の下で、TTL位置から完全にリクライニングした位置にシートを調整するとともに必要なときにTTL位置に復帰させる相互接続した連結部に従って連動して移動する。別例では、シート10の各調整可能な部位が専用のアクチュエータの力の下で移動する。校正方法の以下の説明は、上記2つの例の後者を明確に対象とするが、様々な数のアクチュエータを有する物理的なシートの多くの種類についても同様に関連する。
【0032】
この例では、シート10の各調整可能な部位が専用アクチュエータの力の下で移動する。特には、シートバック14は、線形アクチュエータによる延出及び引き込みの1つのストローク(工程)によって、そのTTL位置から完全にリクライニングした位置に調整する。レッグレスト222のようなシートの他の部位の調整は、他の専用アクチュエータによって同様に達成される。これらの説明は、シートバック14の調整の校正を明確に対象としているが、当然、シートの他の部位及びそれらの専用アクチュエータに関連する。
【0033】
シートバック14の位置を強制的に調整する線形アクチュエータは、80から100ミリ秒(ms)ごとに位置表示値を表すデータ信号を電気的に提供する。データ信号は、線形アクチュエータの特定の位置を独自的に表し、これによりシートバック14の特定の位置をも表す無名数(unitless number)を伝達する。しかしながら、小さなばらつきが全ての設置作業において予想されるため、制御インターフェイス100が設置されるときに、2つの物理的なシート10間及び2つの線形アクチュエータ間で相違が生じ易い。例えば、1つの線形アクチュエータの完全なストロークレンジ(範囲)を表す無名数がレンジ0〜13,000を有し、別のアクチュエータの無名数がレンジ250〜11,000を有するかもしれない。したがって、最終的なシートアセンブリ及び制御インターフェイス100の設置の前に遡る所定の校正によって、所定の線形アクチュエータのデータ信号により伝達された無名数は、独自の物理的なシート位置を正確に表し難い。
【0034】
制御インターフェイス100は、本発明の少なくとも1つの実施形態に従って、適応的に校正されるように構成されている。制御インターフェイス100は、シートバック14の位置を調整する線形アクチュエータ、及び、他のシート位置を調整する他の所定の線形アクチュエータと電気通信状態にある。制御インターフェイス100は、シートバック線形アクチュエータによって報告された無名数の上限及び下限を適応的に決定する。制御インターフェイス100が設置されるとき、又は、再校正が実施されるときはいつでも、制御インターフェイス100は、メモリ又は記憶装置に保存された下限及び上限の両方として、第1に報告された無名数を割り当てる。
【0035】
そして、校正技術者又は設置技術者のような使用者がシートバックを様々な位置に調整し、線形アクチュエータがシートの位置に対応する様々な無名数を報告すると、新しい下限及び上限が規定される。この例では、線形アクチュエータからのより低い無名数がシートのリクライニングした位置に対応し、且つ、より高い無名数がシートのより直立した位置に対応する。したがって、シートバックがそのリクライニングした位置に向かって低くなると、アクチュエータがより低い無名数を次第に報告し、保存された下限は次第に低くなる。シートバック14が最下位置に到達するときに、保存された下限は完全にリクライニングした位置に対応する最低値をとる。保存された上限値も同様にシートバック14がそのTTL位置に到達するときに最高値をとる。物理的なシートバック14の完全にリクライニングした位置及びTTL位置にそれぞれ対応するように、制御変数の下限及び上限が規定されると、制御インターフェイス100は、シートバック14の調整を規制するように正確に校正される。
【0036】
制御インターフェイス100の正確な校正は、イメージシート200による物理的なシート10の正確な描写を容易にする。利便性の高い段階的な視覚的(画像)描写のために、所定のシート部位の物理的な移動の全体範囲が多数のサブレンジに分割され、制御インターフェイス100により保存された下限及び上限の範囲は、同数のサブレンジに分割される。線形アクチュエータが、シートバック14が完全にリクライニングしたときに100の無名数を報告し、且つ、シートバック14がそのTTL位置に到達するときに12,500の無名数を報告する一例では、制御インターフェイス100で保存された下限が100として規定され、保存された上限が12,500として規定され、並びに、その間の範囲が12,400として規定される。
【0037】
シートバック14の移動範囲80度が4つの範囲に分割され、シートバックイメージ214が4つの対応するイメージの1つとして更新される例では続いて、保存された下限及び保存された上限の間の範囲12,400が、線形アクチュエータからくる報告を分類するための4つのサブレンジに分割される。この例における各サブレンジは、3100の無名数幅を有する。シートバック14が、水平位置から水平位置の上20度までの間の任意の位置をとるとき、線形アクチュエータは100から3200の間の無名数を報告し、シートバックイメージ214は基本的にフラットとして表される。シートバック14が水平位置の上20度から40度の間の位置をとるとき、線形アクチュエータは3200から6300の間の無名数を報告し、シートバックイメージ214は約30度でリクライニングするよう表される。シートバック14が水平位置の上40度から60度の間の位置をとるとき、線形アクチュエータは6300から9400の間の無名数を報告し、シートバックイメージ214は約50度でリクライニングするよう表される。シートバック14が水平位置の上60度から80度の間の位置をとるとき、線形アクチュエータは9400から12500の間の無名数を報告し、シートバックイメージ214は約80度でリクライニングするよう表される。
【0038】
説明した適応的校正の構成によって、制御インターフェイス100は、線形の交換可能ユニットとして働き、別の物に交換可能である。新しく設置された制御インターフェイス100は、様々なアクチュエータ種で使用するために校正可能である。制御インターフェイス100は、様々なシート種で使用可能である。適応的な校正の構成は、シート種及びシート内のアクチュエータ構成の広範囲の目録に亘って使用されるソフトウェアコードにより容易化されうる。
【0039】
図7〜10には、この工程が概略図で表されている。図7に示すとおり、シート10はTTL位置にある。アクチュエータ120は、シートバック14の位置を調整するように操作可能である。アクチュエータ120はシートバック14の下部に表されているが、シート10内の他の適切な場所に配置されてもよい。アクチュエータ120は、シートバック14を制御するだけの専用のアクチュエータでありうる。又は、シート10の複数の部位を制御してもよい。図7に示すとおり、アクチュエータ120は、制御インターフェイス100に、TTL形態に対応する無名数132を報告する。そして、表示シートバックイメージ214が制御インターフェイス100上に表示されてTTL位置のシートを表す。図8に示すとおり、シート10はTTLから30度リクライニングして表される。アクチュエータ120は、この位置に対応する無名数134を報告する。そして、表示シートバックイメージ214が制御インターフェイス100上に表示されてTTL位置から30度リクライニングしたシートを表す。図9に示すとおり、シート10はTTLから50度リクライニングして表される。アクチュエータ120は、この位置に対応する無名数136を報告する。そして、表示シートバックイメージ214が制御インターフェイス100上に表示されてTTL位置から50度リクライニングしたシートを表す。図10に示すとおり、シート10はフラットに倒れた形態で表される。アクチュエータ120は、この位置に対応する無名数138を報告する。そして、表示シートバックイメージ214が制御インターフェイス100上に表示されてフラットに横たわった位置にあるシートを表す。無名数132及び138は、上述した利便性の高い段階的な視覚的(画像)描写のための範囲を規定するように使用される。先に提供した例を使用して、図7における無名数132の出力は、第4サブレンジ(例えば、9400から12500に及ぶ範囲)に含まれる。図8における無名数134の出力は、第3サブレンジ(例えば、6300から9400に及ぶ範囲)に含まれる。図9における無名数136の出力は、第2サブレンジ(例えば、3200から6300に及ぶ範囲)に含まれる。最後に、図10における無名数138の出力は、第1サブレンジ(例えば、100から3200に及ぶ範囲)に含まれる。
【0040】
制御インターフェイス100は、乗客シート10を調整し、同様に他の機能を制御することに使用可能である。例えば、ヘッドフォンボリューム及びコンテンツ選択のようなメディアコントロール、温度制御及び空調機器、並びに、客室乗務員及び他の乗客への通信が、制御インターフェイス100を使用して、全て制御及び実施される。タッチスクリーン102は、1又は複数の記号(シンボル)を表示して、選択の際に乗客をガイドする。例えば、メニュー及びサブメニューが表示されうる。アイコン及び色の組み合わせの複数のスタイルを個人的に選択するために乗客に利用可能である。テキストがタッチスクリーン102に表示されたコンテンツの一部であるとき、選択のために複数の言語を利用可能である。
【0041】
別個のシート位置を校正及び決定するための工程を表すフローチャートを図11に表す。アクチュエータ120は位置表示値130を出力する。上述したように、138はTTL位置に関する値であり、132が完全にリクライニングした位置に関する値である。そして、これらの値132、138が制御インターフェイス100に報告される。次に制御インターフェイス100は、値132から138までの間の範囲を計算する。この範囲は、図11において4つのサブレンジとして表され、131、133、135、137として示されている、適切な数のサブレンジに分割される。範囲131は、制御インターフェイス100のプリセットボタン226として表されるTTL位置を包含する。範囲133は、制御インターフェイス100のプリセットボタン228として表される30度リクライニングした位置を包含する。範囲135は、制御インターフェイス100のプリセットボタン229として表される50度リクライニングした位置を包含する。範囲137は、制御インターフェイス100のプリセットボタン230として表されるフラットに横たわった位置を包含する。乗客がプリセットボタン226、228、229、230のいずれかをタップすると、選択した別個のシート位置に乗客シート10を移動させるように、制御インターフェイス100がアクチュエータ120に信号を出力する。
【0042】
シート10の個別の位置調整の工程を表すフローチャートを図12に示す。図12に示すとおり、乗客シート10のタッチ(接触)反応部は、前述した、シートバック214、シートボトム216、レッグレスト222及びヘッドレスト224として表される。各タッチ反応部は、対応する物理的なシート部位を調整するように調整可能である。このようにして、制御インターフェイス100は、各タッチ反応部214、216、222及び224と通信状態にある。各タッチ反応部214、216、222及び224は、アクチュエータ120と独立して通信状態にあるか、あるいは、それらが全て1つのアクチュエータ120を共有する。アクチュエータ120は、物理的なシート部位14、16、22又は24の物理的な位置を反映するように更新される制御インターフェイスシートイメージ200に信号を出力する。
【0043】
制御インターフェイス100を通して利用可能な記号及び機能は、装置の再プログラミングを通して再割り当て可能である。再プログラミングは、複数の乗客シートが存在する環境において無線又は有線を通して実施されるか、あるいは、シートごとの基準で実施される。
【0044】
本発明の特定の実施形態が説明されたが、当該技術分野の当業者にとって、本発明の技術的範囲から外れることなく、様々な改変が実行可能であることは明らかである。したがって、本発明の好適な実施形態及び本発明を実施するための最良な形態に係る上述の説明は、限定の目的ではなく説明の目的としてのみ提供されている。
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本特許出願は、2009年1月9日出願の米国仮出願、第61/143,586号「乗客シートのためのタッチスクリーン制御インターフェイス」、及び、2009年4月15日出願の米国仮出願、第61/169,575号「乗客シートのための制御インターフェイスの表示方法及び校正方法」の優先権を主張するものである。第61/143,586号及び第61/169,575号の内容は、その本文に援用する。
【0002】
本発明は、一般的に、航空機の乗客シートを調整するための制御インターフェイスに関し、さらに具体的には、シートを調整及び表示するためのタッチスクリーン制御インターフェイス、並びに、制御インターフェイスを校正するための校正(キャリブレーション)方法に関する。
【背景技術】
【0003】
航空機で見られるような乗客シートは、典型的には、直立位置とリクライニング位置との間で調整可能である。あるシートは、脚部及び足部にサポート(支持)を提供するように、外側に延在するフット(足部)サポートを有する。したがって、典型的な従来の乗客シートは、着座して、読書し、機内映画を鑑賞し、又は、睡眠をとることを望む乗客の好みに応じて、多くの形態をとることが可能である。典型的な乗客シートは、1以上のボタン又はスイッチを有し、乗客がシート部位の位置を調整することを可能にする。
【0004】
従来式の薄膜スイッチ(機械式半球スイッチとも呼ばれる)が乗客シートに頻繁に使用されている。典型的なこのようなスイッチは、その機能を乗客に知らせるように、エンボス加工又は印刷した図形(グラフィック)を有する。この種のスイッチは、一般に、特定の機能専用であり、複数の調整利用可能であるシートでは、多数必要とされる。このような専用スイッチは、容易に再構成することができないと共に、それらの機能を示す図形を容易に変えることができない。したがって、乗客シートは、より多くの調整可能な部位を提供するように進化するにつれて、及び、マルチメディアエンターテインメント及び他のアメニティ(利便機能)が航空機の乗客キャビンに追加されるにつれて、従来式の専用の単機能スイッチはますます不満足のものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、乗客シートを調整するための改善した制御インターフェイス、メディアデバイスの制御に関する改善した制御インターフェイス、及び、再度目的を持たすことに関して柔軟性を提供する改善した制御インターフェイスが必要である。航空機の乗客シートの形態を調整するための改善したインターフェイス制御が必要であり、乗客シートの形態を表示するための方法が必要とされ、並びに、正確な調整及び表示を行うための利便性が高い校正方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のこれら及び他の目的は、航空機乗客シート位置制御装置を提供することにより、以下に開示された好適な実施形態において達成される。シート位置制御装置は、複数の別個のシート位置から選択された1つに乗客シートを調整するように動作可能な、複数のシートアクチュエータと、前記複数の別個のシート位置に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチセンサー式制御インターフェイスとを備える。前記制御インターフェイスは、前記複数のシートアクチュエータと通信すると共に、前記乗客シートに着座する乗客による使用のために、前記航空機乗客シートに近接して位置し、乗客によるタッチ選択位置に応答して信号を前記複数のシートアクチュエータに出力し、これによって、前記複数の別個のシート位置から選択された1つに前記航空機乗客シートの位置を調整するように構成されている。
【0007】
本発明の別実施形態によれば、前記制御インターフェイスは、前記複数の別個のシート位置から選択された1つの表示イメージを表示するディスプレイスクリーンを含む。
【0008】
本発明の別実施形態によれば、前記複数のシートアクチュエータのうちの各シートアクチュエータは、前記乗客シートの位置に対応する制御インターフェイスに、前記位置に対応する位置表示値を出力する。
【0009】
本発明の別実施形態によれば、前記制御インターフェイスは、前記各アクチュエータの前記位置表示値の範囲を計算し、前記位置表示値の範囲を複数の異なるサブレンジに分割し、前記各サブレンジは前記別個のシート位置の1つに対応する。
【0010】
本発明の別実施形態によれば、前記アクチュエータが、前記複数の異なるサブレンジのうちの一サブレンジ内の位置表示値を出力するとき、前記ディスプレイスクリーンは、該サブレンジに対応する前記複数の別個のシート位置から選択された1つの前記表示イメージを表示する。
【0011】
本発明の別実施形態によれば、前記乗客シートは、背もたれ部、レッグレスト部及びアームレスト部を備え、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータが、前記背もたれ部、前記レッグレスト部及び前記アームレスト部のそれぞれの位置を調整する。
【0012】
本発明の別実施形態によれば、前記タッチセンサー式制御インターフェイスは、乗客利便機能に対応する複数のタッチ反応性の記号をさらに含む。
【0013】
本発明の別実施形態によれば、前記乗客利便機能は、メディアコントロール、気温コントロール、通信コントロール、又は、その組み合わせからなる群から選択される。
【0014】
本発明の別の好適な実施形態によれば、航空機乗客シート位置制御装置が提供される。当該装置は、乗客シートを好適なシート位置に調整するように動作可能な複数のシートアクチュエータと、前記乗客シートの部位に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチセンサー式制御インターフェイスと、を含む。前記制御インターフェイスは、前記複数のシートアクチュエータと通信すると共に、前記乗客シートに着座する乗客による使用のために、前記航空機乗客シートに近接して位置しており、乗客によるタッチで選択された位置に反応して、信号を前記複数のシートアクチュエータに出力し、それにより、前記好適なシート位置に前記乗客シート位置を調整するように構成されている。
【0015】
本発明の別の好適な実施形態によれば、航空機乗客シートを調整するように動作可能なアクチュエータを校正する方法が提供される。当該方法は、乗客シートを第1位置に調整するステップと、前記アクチュエータによる第1位置表示値の出力を記録するステップと、前記乗客シートを第2位置に調整するステップと、前記アクチュエータによる第2位置表示値の出力を記録するステップと、前記第1及び第2位置表示値の間の範囲を計算するステップと、を含む。
【0016】
本発明の別実施形態によれば、方法は、前記範囲を複数のサブレンジに分割するステップをさらに含み、前記各サブレンジは複数のシート位置うちの別個のシート位置に対応する。
【0017】
本発明の別実施形態によれば、方法は、前記複数の別個のシート位置に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチ反応式制御インターフェイスを提供するステップをさらに含んでおり、前記シートアクチュエータは、タッチ選択位置に応答して前記シートアクチュエータに信号を出力して、これによって、前記複数の別個のシート位置から選択された1つに、前記航空機シートの位置を調整するように構成されている。
【0018】
発明と見なされる対象は、以下の図面と共になされる以下の説明を参照して最も理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の1実施形態に従う、シート制御インターフェイスの斜視図。
【図2】図1のシート制御インターフェイスの斜視図。
【図3】図1のシート制御インターフェイスの側面図。
【図4】図1のシート制御インターフェイスの正面図。
【図5】図1のシート制御インターフェイスの平面図。
【図6】例示のディスプレイを提供する図1のシート制御インターフェイスの平面図。
【図7】タクシー離陸及び着陸形態におけるシート制御インターフェイス及びシートの概略図。
【図8】タクシー離陸及び着陸形態の下30度におけるシート制御インターフェイス及びシートの概略図。
【図9】タクシー離陸及び着陸形態の下50度におけるシート制御インターフェイス及びシートの概略図。
【図10】完全なリクライニング形態におけるシート制御インターフェイス及びシートの概略図。
【図11】シート制御インターフェイスの校正及び動作を示すフローチャートの概略図。
【図12】シート部位の校正及び動作を示すフローチャートの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
複数の図面において同一番号は同一の要素を示す。図面を参照すると、図1〜9は、本発明の少なくとも一実施形態に従う、制御インターフェイス100を示す。図1に示すとおり、航空機のような乗り物において使用するための乗客シート10は、乗り物の床に固定して搭載されたシートフレーム12と、フレーム12に取り付けられたシートバック(背もたれ部)14及びシートボトム(座部)16を含む乗客支持部と、シートボトム16の側部近傍に位置する一対のアームレスト18、20と、レッグレスト22と、を含む。図1では、シート10は、タクシー(地上走行)、離陸及び着陸(TTL)の形態において示され、シートバック14は最も直立位置に配置され、シートボトム16はシートバック14に対して最も後方位置に配置され、且つ、レッグレスト22は最下位置に配置される。シート10がリクライニング形態の範囲に調整されると、シートバック14がリクライニングし、シートボトム16が前方に移動し、並びに、レッグレスト22がリクライニングした乗客の上がった脚を収容するように水平位置に向かって持ち上がる。
【0021】
図2、4及び5に示すとおり、制御インターフェイス100は、乗客シート10のアームレスト20のような機内環境の表面にタッチスクリーンを搭載するためのハウジング104を含む。少なくとも一実施例では、制御インターフェイス100の側面寸法は、短辺103で約3.75インチ、及び、長辺105で約5.5インチである(図5参照)。図2〜5に示すとおり、ハウジング104は、衣類や荷物にぶつかることを最小限にし、流線型の外観を提供する傾斜エッジ(縁部)106を含む。図示した実施形態では、制御インターフェイス100は、薄型(low−profile)形態で取り付けられており、例えば、制御インターフェイス100の上面がホスト表面から3/4インチ未満、隆起している。したがって、限られた空間が利用可能であるか、あるいは、乗客の快適性のために洗練され密集していない環境が求められるホスト表面上に、制御インターフェイス100を取り付け可能である。1つの制御インターフェイス100がアーム20に取り付けられているように表されているが、複数のインターフェイスを、一方又は両方のアーム18、20、及び、当該開示の範囲内の他例にしたがって他表面に取り付けることができる。
【0022】
図示した実施形態における制御インターフェイス100は、タッチスクリーン乗客制御ユニット(TSPCU)であり、調整が必要なときに、乗客が特定のシート部位の電動式調整を制御することを可能にする。制御インターフェイス100は、選択及び調整の促進化において乗客をガイドするようにイメージを表示するタッチスクリーン102を含む。図6に示すとおり、タッチスクリーン102は、物理的な(現実の)シート10の調整部位に対応する構成要素を有する表示シートイメージ200を表す。物理的なシート10の調整可能な部位に対応するイメージ構成要素は、タッチスクリーン102を使用することにより調整が利用可能であることを使用者に示すように、ハイライト又は特定色で表示されうる。
【0023】
使用者からのタッチコマンドを受け取り、シート10の部位の調整にこれらコマンドを関連付けるための方法の種々の例は、当該開示の範囲内にある。1例では、シートイメージ200の任意の一部位をタッチすることは、対応する物理的なシート要素の電動式調整を促す。具体的には、この例において、レッグレストイメージ222へのタッチは、調整のための物理的なレッグレスト22の選択を示し、タッチスクリーン102に沿って指をスライドさせることで、それに対応して、物理的なレッグレスト22が電動式移動により調整される。タッチスクリーン102上のレッグレストイメージ222は、調整が起こると物理的なレッグレスト22の位置を表示するようにスクリーンに亘って更新される。シートバックイメージ214、シートボトムイメージ216及びヘッドレストイメージ224をタッチすることにより、対応する物理的なシート部位を同様に調整可能である。物理的なシート10の各部位の各調整で、シートイメージ200が現在の物理的なシート形態を反映するように更新される。
【0024】
制御インターフェイス100は、シートイメージ200の部位のタッチ又はタップ(軽くたたくこと)による選択時に、追加の制御レイヤーを表示するようにプログラムされうる。つまり、シートイメージの部位の選択時、拡大可能な選択部位の専用画面が表示されつと共に、追加の調整機能が利用可能である。
【0025】
使用者からタッチコマンドを受け取り、これらコマンドをシート10の部位の調整に関連付けるための方法の別例において、物理的なシート部位は、連動した調整において一緒に移動される。当該例において、使用者は、簡単に、指先でシートバックイメージ214をタッチし、所望の位置へタッチスクリーン102に沿って指先をスライドさせることにより、そのTTL形態からリクライニング形態へと、シート10の全体形態を調整可能である。物理的なシートバック14が所望の位置への電動式移動で調整されると、シートボトム16及びレッグレスト22がシートバック14と連動して移動される。指がシートバックイメージ214をタッチし、タッチスクリーン102上の完全にリクライニングした位置にスライドするとき、シート10が完全にリクライニングした形態に調整される。すなわち、シートバック14が完全にリクライニングし、シートボトム15がその最前位置に移動し、且つ、レッグレスト22が完全に持ち上がる。物理的なシート10が調整されると、シートイメージ200が現在の物理的なシート10の形態を反映するように更新される。
【0026】
使用者からのタッチコマンドを受け取り、これらコマンドをシート10の部位の調整に関連づけるための方法のさらなる別例において、制御インターフェイス100は、シートイメージ200の部位のタッチ又はタップによる選択時に、追加の制御レイヤーを表示するようにプログラムされる。このようなシートイメージ200の部位の選択時、選択部位に関する専用画面又はメニューが表示されて、追加の調整機能が利用可能である。したがって、当該開示の範囲内の多くの方法の1により、乗客はシート10を所望の形態に調整することができる。
【0027】
図6の例において、タッチスクリーン102は、ユーザーに対する追加の利便性のために、プリセットボタンを表すイメージを表示する。直立シートとして視覚的に表されるプリセットボタン226のタッチは、物理的なシートがTTL形態をとるように促す。部分的に30度リクライニングしたシートとして視覚的に表されるプリセットボタン228のタッチは、物理的なシート10が部分的に30度リクライニングした形態をとることを促し、これは乗客の好みに従って調整可能である。プリセットボタン228の使用により到達する物理的なシート部位の特定位置をプリセットする機会が乗客に与えられる。部分的に50度リクライニングしたシートとして視覚的に表されるプリセットボタン229のタッチは、物理的なシート10が部分的に50度リクライニングした形態をとることを促し、これは乗客の好みに従って調整可能である。プリセットボタン229の使用により到達する物理的なシート部位の特定位置をプリセットする機会が乗客に与えられる。プリセットボタン230のタッチは、フラット又はベッドのような形態である、物理的なシートが最もリクライニングした形態をとることを促す。物理的なシート10が調整されると、シートイメージ200は、現在の物理的なシート形態を反映するように更新される。
【0028】
図6の例において、マッサージ機能もまた乗客に利用可能である。プリセットボタン232のタッチは、波のように動くマッサージ機能を促し、乗客の背中をマッサージするように物理的なシートの後部のブラダー(空気袋)が膨張及び収縮する。プリセットボタン234は、振動マッサージ機能を促し、例えば、非平衡な重りに結合された電動モータの回転により、物理的なシートが振動する。
【0029】
本発明によれば、制御インターフェイス100は、制御インターフェイスを通して乗客シートの形態を表示すると共に、制御インターフェイスによるシートの正確な調整及びシート位置の正確な表示を確実にする校正方法に従って構成される。乗客シートの形態を表示することに関して、シートイメージ200は、物理的なシート10が調整されると段階的に更新される。これにより、制御インターフェイス10による複雑なモデリング及びコンピューティングの必要性を回避する。所定の調整可能なシート部位に対して、物理的移動の全体範囲が複数のサブレンジに分割され、特定のサブレンジ内の全ての物理的位置が1つの表示イメージによって視覚的に表される。
【0030】
一例において、シートバック14は、そのTTL位置における、水平位置の上80度から、完全なリクライニング位置における0度(水平位置)へと調整可能である。当該例において、シートバック14の80度の移動範囲が20度の4つの範囲に分割され、シートバックイメージ214は、シートバック14が調整されると4つの対応するイメージの1つとして表れるように更新される。シートバック14が60度から80度の間の任意の位置をとるときに、シートバックイメージは80度のTTL位置で表される。シートバック14が水平位置より40度から60度の間の任意の位置をとるときに、シートバックイメージ214は、水平位置より約50度リクライニングして表される。同様に、シートバック14が水平位置より20度から40度の間の任意の位置をとるときに、シートバックイメージ214は、水平位置より約30度リクライニングして表される。シートバック14が水平位置より0度から20度の間の任意の位置をとるときに、シートバックイメージ214は、基本的にフラットとして表される。この例では、シートボトム16及びレッグレスト22の移動範囲は、同様に4つのサブレンジに分割されるとともに、対応するシートボトムイメージ216及びレッグレストイメージ222がタッチスクリーン102上の4つの各位置の1つにそれぞれ表される。
【0031】
シート10の調整を正確に規制すると共にタッチスクリーン102上にシートを表示するように制御インターフェイス100を校正することにおいて、本発明は、タッチスクリーン102上のイメージ位置にアクチュエータのデータレポートを関連付けるための方法を提供する。物理的なシート10は、1以上のアクチュエータにより付加される力によって調整される。一例では、シート10の全ての調整可能な部位は、1つのアクチュエータ又はモータの力の下で、TTL位置から完全にリクライニングした位置にシートを調整するとともに必要なときにTTL位置に復帰させる相互接続した連結部に従って連動して移動する。別例では、シート10の各調整可能な部位が専用のアクチュエータの力の下で移動する。校正方法の以下の説明は、上記2つの例の後者を明確に対象とするが、様々な数のアクチュエータを有する物理的なシートの多くの種類についても同様に関連する。
【0032】
この例では、シート10の各調整可能な部位が専用アクチュエータの力の下で移動する。特には、シートバック14は、線形アクチュエータによる延出及び引き込みの1つのストローク(工程)によって、そのTTL位置から完全にリクライニングした位置に調整する。レッグレスト222のようなシートの他の部位の調整は、他の専用アクチュエータによって同様に達成される。これらの説明は、シートバック14の調整の校正を明確に対象としているが、当然、シートの他の部位及びそれらの専用アクチュエータに関連する。
【0033】
シートバック14の位置を強制的に調整する線形アクチュエータは、80から100ミリ秒(ms)ごとに位置表示値を表すデータ信号を電気的に提供する。データ信号は、線形アクチュエータの特定の位置を独自的に表し、これによりシートバック14の特定の位置をも表す無名数(unitless number)を伝達する。しかしながら、小さなばらつきが全ての設置作業において予想されるため、制御インターフェイス100が設置されるときに、2つの物理的なシート10間及び2つの線形アクチュエータ間で相違が生じ易い。例えば、1つの線形アクチュエータの完全なストロークレンジ(範囲)を表す無名数がレンジ0〜13,000を有し、別のアクチュエータの無名数がレンジ250〜11,000を有するかもしれない。したがって、最終的なシートアセンブリ及び制御インターフェイス100の設置の前に遡る所定の校正によって、所定の線形アクチュエータのデータ信号により伝達された無名数は、独自の物理的なシート位置を正確に表し難い。
【0034】
制御インターフェイス100は、本発明の少なくとも1つの実施形態に従って、適応的に校正されるように構成されている。制御インターフェイス100は、シートバック14の位置を調整する線形アクチュエータ、及び、他のシート位置を調整する他の所定の線形アクチュエータと電気通信状態にある。制御インターフェイス100は、シートバック線形アクチュエータによって報告された無名数の上限及び下限を適応的に決定する。制御インターフェイス100が設置されるとき、又は、再校正が実施されるときはいつでも、制御インターフェイス100は、メモリ又は記憶装置に保存された下限及び上限の両方として、第1に報告された無名数を割り当てる。
【0035】
そして、校正技術者又は設置技術者のような使用者がシートバックを様々な位置に調整し、線形アクチュエータがシートの位置に対応する様々な無名数を報告すると、新しい下限及び上限が規定される。この例では、線形アクチュエータからのより低い無名数がシートのリクライニングした位置に対応し、且つ、より高い無名数がシートのより直立した位置に対応する。したがって、シートバックがそのリクライニングした位置に向かって低くなると、アクチュエータがより低い無名数を次第に報告し、保存された下限は次第に低くなる。シートバック14が最下位置に到達するときに、保存された下限は完全にリクライニングした位置に対応する最低値をとる。保存された上限値も同様にシートバック14がそのTTL位置に到達するときに最高値をとる。物理的なシートバック14の完全にリクライニングした位置及びTTL位置にそれぞれ対応するように、制御変数の下限及び上限が規定されると、制御インターフェイス100は、シートバック14の調整を規制するように正確に校正される。
【0036】
制御インターフェイス100の正確な校正は、イメージシート200による物理的なシート10の正確な描写を容易にする。利便性の高い段階的な視覚的(画像)描写のために、所定のシート部位の物理的な移動の全体範囲が多数のサブレンジに分割され、制御インターフェイス100により保存された下限及び上限の範囲は、同数のサブレンジに分割される。線形アクチュエータが、シートバック14が完全にリクライニングしたときに100の無名数を報告し、且つ、シートバック14がそのTTL位置に到達するときに12,500の無名数を報告する一例では、制御インターフェイス100で保存された下限が100として規定され、保存された上限が12,500として規定され、並びに、その間の範囲が12,400として規定される。
【0037】
シートバック14の移動範囲80度が4つの範囲に分割され、シートバックイメージ214が4つの対応するイメージの1つとして更新される例では続いて、保存された下限及び保存された上限の間の範囲12,400が、線形アクチュエータからくる報告を分類するための4つのサブレンジに分割される。この例における各サブレンジは、3100の無名数幅を有する。シートバック14が、水平位置から水平位置の上20度までの間の任意の位置をとるとき、線形アクチュエータは100から3200の間の無名数を報告し、シートバックイメージ214は基本的にフラットとして表される。シートバック14が水平位置の上20度から40度の間の位置をとるとき、線形アクチュエータは3200から6300の間の無名数を報告し、シートバックイメージ214は約30度でリクライニングするよう表される。シートバック14が水平位置の上40度から60度の間の位置をとるとき、線形アクチュエータは6300から9400の間の無名数を報告し、シートバックイメージ214は約50度でリクライニングするよう表される。シートバック14が水平位置の上60度から80度の間の位置をとるとき、線形アクチュエータは9400から12500の間の無名数を報告し、シートバックイメージ214は約80度でリクライニングするよう表される。
【0038】
説明した適応的校正の構成によって、制御インターフェイス100は、線形の交換可能ユニットとして働き、別の物に交換可能である。新しく設置された制御インターフェイス100は、様々なアクチュエータ種で使用するために校正可能である。制御インターフェイス100は、様々なシート種で使用可能である。適応的な校正の構成は、シート種及びシート内のアクチュエータ構成の広範囲の目録に亘って使用されるソフトウェアコードにより容易化されうる。
【0039】
図7〜10には、この工程が概略図で表されている。図7に示すとおり、シート10はTTL位置にある。アクチュエータ120は、シートバック14の位置を調整するように操作可能である。アクチュエータ120はシートバック14の下部に表されているが、シート10内の他の適切な場所に配置されてもよい。アクチュエータ120は、シートバック14を制御するだけの専用のアクチュエータでありうる。又は、シート10の複数の部位を制御してもよい。図7に示すとおり、アクチュエータ120は、制御インターフェイス100に、TTL形態に対応する無名数132を報告する。そして、表示シートバックイメージ214が制御インターフェイス100上に表示されてTTL位置のシートを表す。図8に示すとおり、シート10はTTLから30度リクライニングして表される。アクチュエータ120は、この位置に対応する無名数134を報告する。そして、表示シートバックイメージ214が制御インターフェイス100上に表示されてTTL位置から30度リクライニングしたシートを表す。図9に示すとおり、シート10はTTLから50度リクライニングして表される。アクチュエータ120は、この位置に対応する無名数136を報告する。そして、表示シートバックイメージ214が制御インターフェイス100上に表示されてTTL位置から50度リクライニングしたシートを表す。図10に示すとおり、シート10はフラットに倒れた形態で表される。アクチュエータ120は、この位置に対応する無名数138を報告する。そして、表示シートバックイメージ214が制御インターフェイス100上に表示されてフラットに横たわった位置にあるシートを表す。無名数132及び138は、上述した利便性の高い段階的な視覚的(画像)描写のための範囲を規定するように使用される。先に提供した例を使用して、図7における無名数132の出力は、第4サブレンジ(例えば、9400から12500に及ぶ範囲)に含まれる。図8における無名数134の出力は、第3サブレンジ(例えば、6300から9400に及ぶ範囲)に含まれる。図9における無名数136の出力は、第2サブレンジ(例えば、3200から6300に及ぶ範囲)に含まれる。最後に、図10における無名数138の出力は、第1サブレンジ(例えば、100から3200に及ぶ範囲)に含まれる。
【0040】
制御インターフェイス100は、乗客シート10を調整し、同様に他の機能を制御することに使用可能である。例えば、ヘッドフォンボリューム及びコンテンツ選択のようなメディアコントロール、温度制御及び空調機器、並びに、客室乗務員及び他の乗客への通信が、制御インターフェイス100を使用して、全て制御及び実施される。タッチスクリーン102は、1又は複数の記号(シンボル)を表示して、選択の際に乗客をガイドする。例えば、メニュー及びサブメニューが表示されうる。アイコン及び色の組み合わせの複数のスタイルを個人的に選択するために乗客に利用可能である。テキストがタッチスクリーン102に表示されたコンテンツの一部であるとき、選択のために複数の言語を利用可能である。
【0041】
別個のシート位置を校正及び決定するための工程を表すフローチャートを図11に表す。アクチュエータ120は位置表示値130を出力する。上述したように、138はTTL位置に関する値であり、132が完全にリクライニングした位置に関する値である。そして、これらの値132、138が制御インターフェイス100に報告される。次に制御インターフェイス100は、値132から138までの間の範囲を計算する。この範囲は、図11において4つのサブレンジとして表され、131、133、135、137として示されている、適切な数のサブレンジに分割される。範囲131は、制御インターフェイス100のプリセットボタン226として表されるTTL位置を包含する。範囲133は、制御インターフェイス100のプリセットボタン228として表される30度リクライニングした位置を包含する。範囲135は、制御インターフェイス100のプリセットボタン229として表される50度リクライニングした位置を包含する。範囲137は、制御インターフェイス100のプリセットボタン230として表されるフラットに横たわった位置を包含する。乗客がプリセットボタン226、228、229、230のいずれかをタップすると、選択した別個のシート位置に乗客シート10を移動させるように、制御インターフェイス100がアクチュエータ120に信号を出力する。
【0042】
シート10の個別の位置調整の工程を表すフローチャートを図12に示す。図12に示すとおり、乗客シート10のタッチ(接触)反応部は、前述した、シートバック214、シートボトム216、レッグレスト222及びヘッドレスト224として表される。各タッチ反応部は、対応する物理的なシート部位を調整するように調整可能である。このようにして、制御インターフェイス100は、各タッチ反応部214、216、222及び224と通信状態にある。各タッチ反応部214、216、222及び224は、アクチュエータ120と独立して通信状態にあるか、あるいは、それらが全て1つのアクチュエータ120を共有する。アクチュエータ120は、物理的なシート部位14、16、22又は24の物理的な位置を反映するように更新される制御インターフェイスシートイメージ200に信号を出力する。
【0043】
制御インターフェイス100を通して利用可能な記号及び機能は、装置の再プログラミングを通して再割り当て可能である。再プログラミングは、複数の乗客シートが存在する環境において無線又は有線を通して実施されるか、あるいは、シートごとの基準で実施される。
【0044】
本発明の特定の実施形態が説明されたが、当該技術分野の当業者にとって、本発明の技術的範囲から外れることなく、様々な改変が実行可能であることは明らかである。したがって、本発明の好適な実施形態及び本発明を実施するための最良な形態に係る上述の説明は、限定の目的ではなく説明の目的としてのみ提供されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)複数の別個のシート位置から選択された1つに乗客シートを調整するように動作可能な複数のシートアクチュエータと、
(b)前記複数の別個のシート位置に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチセンサー式制御インターフェイスと、を備え、
(c)前記制御インターフェイスは、前記複数のシートアクチュエータと通信すると共に、前記乗客シートに着座する乗客による使用のために、前記航空機乗客シートに近接して位置しており、乗客によるタッチ選択位置に応答して、信号を前記複数のシートアクチュエータに出力し、これによって、前記複数の別個のシート位置から選択された1つに前記航空機乗客シートの位置を調整するように構成されている、ことを特徴とする航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項2】
前記制御インターフェイスは、前記複数の別個のシート位置から選択された1つの表示イメージを表示するディスプレイスクリーンを含むことを特徴とする請求項1に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項3】
前記複数のシートアクチュエータのうちの各シートアクチュエータは、前記乗客シートの位置に対応する制御インターフェイスに、前記位置に対応する位置表示値を出力することを特徴とする請求項2に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項4】
前記制御インターフェイスは、前記各アクチュエータの前記位置表示値の範囲を計算し、前記位置表示値の範囲を複数の異なるサブレンジに分割し、前記各サブレンジは前記別個のシート位置の1つに対応することを特徴とする請求項3に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項5】
前記アクチュエータが前記複数の異なるサブレンジのうちのサブレンジ内の位置表示値を出力するとき、前記ディスプレイスクリーンは、該サブレンジに対応する前記複数の別個のシート位置から選択された1つの前記表示イメージを表示することを特徴とする請求項4に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項6】
前記乗客シートは、背もたれ部、レッグレスト部及びアームレスト部を備え、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータが、前記背もたれ部、前記レッグレスト部及び前記アームレスト部のそれぞれの位置を調整することを特徴とする請求項5に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項7】
前記タッチセンサー式制御インターフェイスは、乗客利便機能に対応する複数のタッチ反応性の記号をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項8】
前記乗客利便機能は、メディアコントロール、気温コントロール、通信コントロール、又は、その組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項9】
(a)乗客シートを好適なシート位置に調整するように動作可能な複数のシートアクチュエータと、
(b)前記乗客シートの部位に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチセンサー式制御インターフェイスと、を備え、
(c)前記制御インターフェイスは、前記複数のシートアクチュエータと通信すると共に、前記乗客シートに着座する乗客による使用のために前記航空機乗客シートに近接して位置しており、乗客によるタッチ選択位置に応答して、信号を前記複数のシートアクチュエータに出力し、それによって、前記好適なシート位置に前記乗客シート位置を調整するように構成されている、ことを特徴とする航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項10】
前記制御インターフェイスは、前記乗客シート位置に対応する前記乗客シートの表示イメージを表示するディスプレイスクリーンを含むことを特徴とする請求項9に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項11】
前記複数のシートアクチュエータのうちの各シートアクチュエータは、前記乗客シートの部位の位置に対応する前記制御インターフェイスに、位置表示値を出力することを特徴とする請求項10に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項12】
前記制御インターフェイスは、前記各アクチュエータの前記位置表示値の範囲を計算し、前記位置表示値の範囲を複数の異なるサブレンジに分割し、前記各サブレンジは、前記乗客シートの部位の別個の位置に対応することを特徴とする請求項11に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項13】
前記アクチュエータが前記複数の異なるサブレンジのうちのサブレンジ内の位置表示値を出力するとき、前記ディスプレイスクリーンは、該サブレンジに対応する前記乗客シートの部位の選択された別個の位置の表示イメージを表示することを特徴とする請求項12に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項14】
前記乗客シートの部位は、背もたれ部、レッグレスト部及びアームレスト部を備え、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータが、前記背もたれ部、前記レッグレスト部及び前記アームレスト部のそれぞれの位置を調整することを特徴とする請求項13に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項15】
前記タッチセンサー式制御インターフェイスは、乗客利便機能に対応する複数のタッチ反応性の記号をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項16】
前記乗客利便機能は、メディアコントロール、気温コントロール、通信コントロール、又は、その組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項17】
航空機乗客シートを調整するように動作可能なアクチュエータを校正する方法であって、
(a)乗客シートを第1位置に調整するステップと、
(b)前記アクチュエータによる第1位置表示値の出力を記録するステップと、
(c)前記乗客シートを第2位置に調整するステップと、
(d)前記アクチュエータによる第2位置表示値の出力を記録するステップと、
(e)前記第1及び第2位置表示値の間の範囲を計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記範囲を複数のサブレンジに分割するステップをさらに含み、前記各サブレンジは、複数のシート位置のうちの別個のシート位置に対応することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の別個のシート位置に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチ反応式制御インターフェイスを提供するステップをさらに含んでおり、前記シートアクチュエータは、タッチ選択位置に応答して前記シートアクチュエータに信号を出力し、これによって、前記複数の別個のシート位置から選択された1つに、前記航空機シートの位置を調整するように構成されていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項1】
(a)複数の別個のシート位置から選択された1つに乗客シートを調整するように動作可能な複数のシートアクチュエータと、
(b)前記複数の別個のシート位置に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチセンサー式制御インターフェイスと、を備え、
(c)前記制御インターフェイスは、前記複数のシートアクチュエータと通信すると共に、前記乗客シートに着座する乗客による使用のために、前記航空機乗客シートに近接して位置しており、乗客によるタッチ選択位置に応答して、信号を前記複数のシートアクチュエータに出力し、これによって、前記複数の別個のシート位置から選択された1つに前記航空機乗客シートの位置を調整するように構成されている、ことを特徴とする航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項2】
前記制御インターフェイスは、前記複数の別個のシート位置から選択された1つの表示イメージを表示するディスプレイスクリーンを含むことを特徴とする請求項1に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項3】
前記複数のシートアクチュエータのうちの各シートアクチュエータは、前記乗客シートの位置に対応する制御インターフェイスに、前記位置に対応する位置表示値を出力することを特徴とする請求項2に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項4】
前記制御インターフェイスは、前記各アクチュエータの前記位置表示値の範囲を計算し、前記位置表示値の範囲を複数の異なるサブレンジに分割し、前記各サブレンジは前記別個のシート位置の1つに対応することを特徴とする請求項3に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項5】
前記アクチュエータが前記複数の異なるサブレンジのうちのサブレンジ内の位置表示値を出力するとき、前記ディスプレイスクリーンは、該サブレンジに対応する前記複数の別個のシート位置から選択された1つの前記表示イメージを表示することを特徴とする請求項4に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項6】
前記乗客シートは、背もたれ部、レッグレスト部及びアームレスト部を備え、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータが、前記背もたれ部、前記レッグレスト部及び前記アームレスト部のそれぞれの位置を調整することを特徴とする請求項5に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項7】
前記タッチセンサー式制御インターフェイスは、乗客利便機能に対応する複数のタッチ反応性の記号をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項8】
前記乗客利便機能は、メディアコントロール、気温コントロール、通信コントロール、又は、その組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項7に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項9】
(a)乗客シートを好適なシート位置に調整するように動作可能な複数のシートアクチュエータと、
(b)前記乗客シートの部位に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチセンサー式制御インターフェイスと、を備え、
(c)前記制御インターフェイスは、前記複数のシートアクチュエータと通信すると共に、前記乗客シートに着座する乗客による使用のために前記航空機乗客シートに近接して位置しており、乗客によるタッチ選択位置に応答して、信号を前記複数のシートアクチュエータに出力し、それによって、前記好適なシート位置に前記乗客シート位置を調整するように構成されている、ことを特徴とする航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項10】
前記制御インターフェイスは、前記乗客シート位置に対応する前記乗客シートの表示イメージを表示するディスプレイスクリーンを含むことを特徴とする請求項9に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項11】
前記複数のシートアクチュエータのうちの各シートアクチュエータは、前記乗客シートの部位の位置に対応する前記制御インターフェイスに、位置表示値を出力することを特徴とする請求項10に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項12】
前記制御インターフェイスは、前記各アクチュエータの前記位置表示値の範囲を計算し、前記位置表示値の範囲を複数の異なるサブレンジに分割し、前記各サブレンジは、前記乗客シートの部位の別個の位置に対応することを特徴とする請求項11に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項13】
前記アクチュエータが前記複数の異なるサブレンジのうちのサブレンジ内の位置表示値を出力するとき、前記ディスプレイスクリーンは、該サブレンジに対応する前記乗客シートの部位の選択された別個の位置の表示イメージを表示することを特徴とする請求項12に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項14】
前記乗客シートの部位は、背もたれ部、レッグレスト部及びアームレスト部を備え、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータが、前記背もたれ部、前記レッグレスト部及び前記アームレスト部のそれぞれの位置を調整することを特徴とする請求項13に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項15】
前記タッチセンサー式制御インターフェイスは、乗客利便機能に対応する複数のタッチ反応性の記号をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項16】
前記乗客利便機能は、メディアコントロール、気温コントロール、通信コントロール、又は、その組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項15に記載の航空機乗客シート位置制御装置。
【請求項17】
航空機乗客シートを調整するように動作可能なアクチュエータを校正する方法であって、
(a)乗客シートを第1位置に調整するステップと、
(b)前記アクチュエータによる第1位置表示値の出力を記録するステップと、
(c)前記乗客シートを第2位置に調整するステップと、
(d)前記アクチュエータによる第2位置表示値の出力を記録するステップと、
(e)前記第1及び第2位置表示値の間の範囲を計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記範囲を複数のサブレンジに分割するステップをさらに含み、前記各サブレンジは、複数のシート位置のうちの別個のシート位置に対応することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の別個のシート位置に対応する複数のタッチ反応部をその上に有するタッチ反応式制御インターフェイスを提供するステップをさらに含んでおり、前記シートアクチュエータは、タッチ選択位置に応答して前記シートアクチュエータに信号を出力し、これによって、前記複数の別個のシート位置から選択された1つに、前記航空機シートの位置を調整するように構成されていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−514559(P2012−514559A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545346(P2011−545346)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/054566
【国際公開番号】WO2010/080178
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(504440351)ビー イー エアロスペイス,インク. (33)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/054566
【国際公開番号】WO2010/080178
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(504440351)ビー イー エアロスペイス,インク. (33)
【Fターム(参考)】
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