説明

色再現特性測定装置及び色再現特性測定方法

【課題】 常に高い信頼性でディジタルカメラの色再現特性を求めること。
【解決手段】 色再現特性測定装置20の表示画面上に、複数の色パターンを有するカラーチャートを表示し、測色計6を用いて各色パターンを測色する。これにより、表示画面上に表示される各色パターンの測定色彩値が得られる。色再現特性の算出対象となるディジタルカメラ10を用いて、表示画面上に表示されるカラーチャートを撮影し、それによって得られる撮影画像データに基づいて各色パターンの色成分値が求められる。そして撮影画像データから得られる色成分値と、測定色彩値とを対応付けることによってディジタルカメラ10の色再現特性を求める。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディジタルカメラの色再現特性を測定するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルカメラを用いて撮影を行うと、静止画や動画に関するカラー画像データが得られる。ところが、ディジタルカメラの光学特性やCCD撮像素子の感度特性等により、同一の被写体を撮影した場合であっても異なるディジタルカメラを用いて撮影した画像データでは色の再現性が異なるのが一般的である。
【0003】そのため従来は、個々のディジタルカメラの色再現性を向上させるために、ディジタルカメラを用いて、予め決められた色彩値で複数の色パターンが印刷されたカラーチャート紙を撮影し、その結果得られる画像データの色成分値と予め分かっている色彩値とを評価することで、個々のディジタルカメラの色再現特性データを求めることが行われていた。
【0004】そして、このようにして得られる色再現特性データは、いわゆるカラーマッチング技術に適用され、コンピュータやプリンタ等においてディジタルカメラの色再現特性データに基づいた色補正が行われ、色再現性の高度化が図られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紙等の媒体に対して複数の色パターンを印刷することによってカラーチャート紙を実現すると、経時的に各色パターンが退色していくという問題がある。このため、カラーチャート紙を撮影した画像データの色成分値と予め分かっている色彩値とを評価したとしても、カラーチャート紙の色パターンが予め分かっている色彩値とは異なった色成分となっているため、色再現特性データの信頼性に欠けることになる。
【0006】そこで、この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、常に高い信頼性でディジタルカメラの色再現特性を求めることの可能な色再現特性測定装置及び色再現特性測定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ディジタルカメラの色再現特性測定装置であって、複数の色成分が対応付けられたカラーチャートを表示する表示手段と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を測色する測色手段と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートを前記ディジタルカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と前記測色手段で得られる測色値とを対応付けることによって前記ディジタルカメラの色再現特性データを求める演算手段と、を備えて構成される。
【0008】請求項2に記載の発明は、ディジタルカメラの色再現特性測定装置であって、カラー画像を表示可能な表示手段と、複数の色彩値が対応付けられたカラーチャートデータを記憶する記憶手段と、前記色彩値に基づいて表示信号を生成し、前記表示手段に与えることで、前記カラーチャートデータに対応するカラーチャートを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を測色する測色手段と、前記色彩値と前記測色手段で得られる測色値との色差が所定範囲内となるように前記表示信号を調整することによって、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を補正する色補正手段と、前記色補正手段によって補正された前記カラーチャートを前記ディジタルカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と前記色彩値とを対応付けることによって前記ディジタルカメラの色再現特性データを求める演算手段と、を備えて構成される。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の、ディジタルカメラの色再現特性測定装置において、前記色再現特性データを前記ディジタルカメラに対して出力することを特徴としている。
【0010】請求項4に記載の発明は、ディジタルカメラの色再現特性測定方法であって、複数の色成分が対応付けられたカラーチャートを所定の表示手段に表示させる工程と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を所定の測色手段で測色する工程と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートを前記ディジタルカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と前記測色手段で得られる測色値とを対応付けることによって前記ディジタルカメラの色再現特性データを求める工程と、を有している。
【0011】請求項5に記載の発明は、ディジタルカメラの色再現特性測定方法であって、複数の色彩値が対応付けられたカラーチャートデータに基づいて表示信号を生成し、所定の表示手段に与えることで、前記カラーチャートデータに対応するカラーチャートを前記表示手段に表示させる工程と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を所定の測色手段で測色する工程と、前記色彩値と前記測色手段で得られる測色値との色差が所定範囲内となるように前記表示信号を調整することによって、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を補正する工程と、前記各表示色の補正された前記カラーチャートを前記ディジタルカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と前記色彩値とを対応付けることによって前記ディジタルカメラの色再現特性データを求める工程と、を有している。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】<1.第1の実施の形態>図1はこの発明の実施の形態にかかるディジタルカメラの色再現特性測定システム1を示す図である。図1に示すように色再現特性測定システム1は、色再現特性を測定する対象となるディジタルカメラ10と、コンピュータ等によって構成される色再現特性測定装置20とを備えて構成される。ディジタルカメラ10の撮影方向は色再現特性測定装置20の表示画面に向けられた状態で設置される。
【0014】ディジタルカメラ10は色再現特性測定装置20とケーブル2を介してデータ通信可能なように構成されており、撮影動作によって得られる撮影画像データを色再現特性測定装置20に対して送信することができるように構成される。また、ディジタルカメラ10は色再現特性測定装置20から送信されるデータを受信することができるようにも構成される。ただし、ディジタルカメラ10と色再現特性測定装置20との接続形態はケーブルを介さない無線通信であってもよい。
【0015】そして、上記のようにディジタルカメラ10と色再現特性測定装置20とがデータ通信可能なように構成された色再現特性測定システム1において、色再現特性測定装置20が複数の色パターンを有するカラーチャート画像を表示し、ディジタルカメラ10でそのカラーチャート画像を撮影することにより、ディジタルカメラ10の色再現特性が求められる。
【0016】図2は第1の実施の形態における色再現特性測定システム1の詳細構成を示すブロック図である。図2に示すように、色再現特性測定装置20は、表示部5、測色計(測色センサ)6、制御部30、記憶部40及び通信制御部7を備えて構成される。
【0017】表示部5は液晶表示器やCRT表示器等のカラー画像を表示可能なディスプレイである。また測色計6は表示部5の表示画面に対して所定の位置関係となるように設置することができ、表示部5に表示される画像の一部分を測色してその測色値(すなわち、測定色彩値)を出力するように構成される。つまり、測色計6は表示部5での表示色を測定するのである。なお、色彩値は例えばXYZ表色系で表現され、測色計6からはXYZ表色系で表現された測定色彩値が出力される。
【0018】記憶部40は磁気ディスク装置等によって構成され、そこにはカラーチャートデータ41が予め格納される。カラーチャートデータ41はそれぞれに異なる色彩値(基準色彩値)が対応付けられた複数の色パターンを有している。なお、各色パターンの色彩値もXYZ表色系で表現される。
【0019】例えば、この発明の実施の形態においてカラーチャートに20種類の色パターンが含まれるとすると、各色パターンと色彩値(X,Y,Zの各値)との関係は次の表1のようになる。
【0020】
【表1】


【0021】また、カラーチャートデータ41には表示部5にカラーチャートが表示される際の各色パターンの配置位置も規定されている。そのため、表1に示す各色パターンの色彩値と、配置位置とを参照することにより、表示部5のどの部分に対してどのような色を表示すればよいかが判明する。
【0022】制御部30は色再現特性測定装置20内部のCPU及びメモリによって実現されるものであり、特にCPUが所定のプログラムを実行することによって種々の機能が実現される。
【0023】すなわち、制御部30は測定色彩値記憶部31、部分画像データ抽出部33、色再現特性データ算出部34、及び表示制御部50としての機能を備える。測定色彩値記憶部31はメモリ等によって構成され、測色計6から出力される測定色彩値を一時的に記憶する機能を有する。また、部分画像データ抽出部33はディジタルカメラ10から入力する、カラーチャートを撮影した撮影画像データから各色パターンに対応する画像部分を抽出する機能を有する。
【0024】そして色再現特性データ算出部34はディジタルカメラ10の色再現特性データを求める機能を有する。この実施の形態では、色再現特性データ算出部34は、撮影画像データから得られる各色パターンの部分画像から、ディジタルカメラ10が各色パターンを撮影した際の色成分値を求め、その色成分値と測定色彩値とを対応付けることによって色再現特性データを求めるように構成される。
【0025】表示制御部50には画像生成部51と表示信号発生部52とが設けられており、表示信号発生部52にはさらに色補正部53が設けられている。
【0026】画像生成部51は表示部5に対して任意の画像を表示させる際の表示用画像を生成する機能を有しており、例えば表示部5にカラーチャートの表示を行う際には記憶部40に予め格納されているカラーチャートデータ41を読み出してカラーチャート画像を生成する。
【0027】表示信号発生部52は画像生成部51から与えられる画像を表示部5において表示させるために、表示信号を生成する。表示信号は例えばRGB色空間で表現されたカラー信号である。表示部5にカラーチャートを表示させる場合、表示信号発生部52はカラーチャート画像についての表示信号を生成する際に、カラーチャートデータ41を参照することにより、カラーチャートの各色パターンに対応付けられた色彩値に基づいて表示信号を生成する。つまり、各色パターンを定義付けている色彩値を再現するための表示信号を生成するのである。
【0028】なお、各色パターンに対応付けられた色彩値はXYZ表色系で表現されるため、表示信号発生部52はXYZ表色系で表現されるカラー情報をRGB色空間で表現されたカラー情報に変換する機能も有している。
【0029】また、色補正部53は表示部5の表示色を調整する機能を有し、表示信号発生部52が表示信号を生成する際には、色補正部53において設定されている色補正パラメータが反映された表示信号を生成する。具体的には、XYZ表色系で表現された色彩値に基づいて、RGB色空間で表現された表示信号を生成する際に、色補正部53は表示部5のカラー表示特性等に応じた色補正パラメータを適用することで、カラーチャートを構成する各色パターンの色彩値に基づいた表示色を実現するように構成されている。
【0030】また通信制御部7はケーブル2を介してディジタルカメラ10とデータ通信を行う機能を有する。
【0031】一方、ディジタルカメラ10は画像撮影部11、画像ファイル作成部12、記憶部13及び通信制御部8を備えて構成される。記憶部13には撮影画像データ61と色再現特性データ62と画像ファイル63とが格納される。
【0032】画像撮影部11は光電変換素子等を備えて構成され、撮影指示が与えられたタイミングで撮影動作を行い、電子的なカラー撮影画像である撮影画像データ61を生成する機能を有する。この撮影画像データ61はカラー情報をRGB色空間で表現する。画像撮影部11で生成された撮影画像データ61は一時的に記憶部13に格納される。
【0033】ディジタルカメラ10では色再現特性測定装置20の表示部5に表示されるカラーチャートを撮影した際、それによって得られるカラーチャートの撮影画像データ61が記憶部13に一旦格納され、その後、通信制御部8に出力され、色再現特性測定装置20に対して送信されるように構成される。
【0034】そして色再現特性測定装置20においてディジタルカメラ10の色再現特性を示す色再現特性データが生成され、ディジタルカメラ10はその色再現特性データ62を受信して記憶部13に格納するように構成される。
【0035】色再現特性データとは、ディジタルカメラ10に固有の色再現特性を示すデータであって、ディジタルカメラ10で得られるカラー撮影画像を実際の被写体に忠実な色で再現するためのデータである。そして、この色再現特性データは、いわゆるカラーマッチング技術に適用され、コンピュータにおいて撮影画像を表示する際、又はプリンタにおいて撮影画像を印刷する際等、ディジタルカメラ10で得られた撮影画像をディジタルカメラ10以外の装置で処理する際に、ディジタルカメラ10の色再現特性データに基づいた色補正が行われ、色再現性の高度化が図られる。
【0036】画像ファイル作成部12は、記憶部13に記憶される撮影画像データ61と色再現特性データ62とを読み出し、撮影画像データ61と色再現特性データ62とを関連づけた1つの画像ファイル63を生成し、記憶部13に格納保存する。
【0037】また、記憶部13に格納保存された画像ファイル63は、必要に応じて記憶部13から読み出され、通信制御部8を介して外部機器(カラー画像出力装置等)に出力される。
【0038】通信制御部8はディジタルカメラ10が色再現特性測定装置20及びその他の外部機器とのデータ通信を行うためのものである。
【0039】以上のように構成された色再現特性測定システム1において、ディジタルカメラ10の色再現特性を求める際、色再現特性測定装置20の表示部5にカラーチャートの表示が行われる。
【0040】図3は表示部5に表示されるカラーチャートの一例を示す図である。例えば、上記表1のように、カラーチャートを構成する色パターンが20種類あるとすると、表示部5の画面には図3に示すように20種類の色パターンがそれぞれの配置位置に従って表示される。このとき、各色パターンは上記表1のように規定される色彩値に基づいて表示部5の画面上にカラー表示されることになる。
【0041】ところが、画面上に表示される各色パターンの表示色は、表示部5の表示特性等により、カラーチャートデータ41が示す色彩値とは異なった色となる。そのため、色再現特性測定装置20では測色計6によって各色パターンの測色が行われ、実際に表示部5の画面上に各色パターンを表示した際の各色パターンの表示色の色彩値が取得される。
【0042】例えば、表示部5の画面上で、測色計6が測色可能な表示位置に、各色パターンを順次表示し、各色パターンの測色を実行していく。そして全ての色パターンについての測色処理が終了すると、各色パターンを表示した際の表示色に基づく色彩値が測定色彩値記憶部31に格納されることになる。
【0043】そして、表1の色彩値に基づいて表示された20種類の色パターンを測色して得られる、各色パターンと測定色彩値(X,Y,Zの各値)との関係は次の表2のようになる。
【0044】
【表2】


【0045】その後、ディジタルカメラ10を用いて、色再現特性測定装置20の表示部5に表示されたカラーチャートの撮影が行われ、そのときに得られたカラーチャートの撮影画像データ61がディジタルカメラ10からケーブル2を介して色再現特性測定装置20に送られる。
【0046】そして色再現特性測定装置20において部分画像データ抽出部33が機能し、カラーチャートを構成する各色パターンの配置位置に関する情報に基づいて、カラーチャートの撮影画像データ61から、各色パターンが写っている画像部分を抽出する。
【0047】色再現特性データ算出部34は各色パターンに対応する部分画像から、RGB色空間での色成分値(すなわち、R,G,Bの各値)を抽出する。これにより、色再現特性データ算出部34では、色パターンと、ディジタルカメラ10でその色パターンを撮影した際に得られるRGB値との関係が表3のように得られることになる。
【0048】
【表3】


【0049】また色再現特性データ算出部34は、測定色彩値記憶部31に格納された各色パターンと測定色彩値との関係(表2参照)、及び、ディジタルカメラ10で撮影して得られる各色パターンと色成分値との関係(表3参照)に基づいて、測定色彩値と色成分値との関係を求める。次に示す表4が、測定色彩値と色成分値との関係の一例である。
【0050】
【表4】


【0051】表4の関係により、表示部5に表示された各色パターンの表示色が実際にどのような色彩値であったかが明確となり、かつ、その表示色の色彩値とディジタルカメラ10で得られる色成分値との関係が明確となる。
【0052】したがって、ディジタルカメラ10で撮影した際のRGB値から実際には被写体がどのような色であるかを特定することができるとともに、撮影画像データの色再現性を向上させるための色再現特性データを求めることが可能になる。
【0053】次に、この実施の形態の色再現特性測定システム1における動作手順について説明する。図4は色再現特性測定システム1における処理シーケンスを示すフローチャートである。
【0054】まず、色再現特性測定装置20において表示制御部50が記憶部40に記憶されるカラーチャートデータ41を読み出し、各色パターンの色彩値に基づいた表示信号の生成が行われる(ステップS201)。そして表示制御部50がその表示信号を表示部5に与えることにより、表示部5において表示信号に基づいたカラーチャートの表示が行われる(ステップS202)。
【0055】そして測色計6によって、表示部5に表示されるカラーチャートの各色パターンの表示色が測色され(ステップS203)、各色パターンの測定色彩値が測定色彩値記憶部31に格納される。ただし、この測色処理は、カラーチャートを構成する全ての色パターンについて行われる。
【0056】表示部5に表示される全ての色パターンの測色処理が終了すると、次にディジタルカメラ10を用いて、表示部5に表示されるカラーチャートの撮影処理が行われる(ステップS101)。この結果得られるカラーチャートの撮影画像データは、ディジタルカメラ10から色再現特性測定装置20へと送信される(ステップS102)。
【0057】色再現特性測定装置20では、ディジタルカメラ10からカラーチャートの撮影画像データを受信すると(ステップS204)、その撮影画像データが部分画像データ抽出部33に与えられ、撮影画像データから各色パターンの色成分値の抽出が行われる(ステップS205)。
【0058】各色パターンの色成分値は色再現特性データ算出部34に与えられ、色再現特性データ算出部34において色再現特性データの生成が行われる(ステップS206)。具体的には、測色計6で得られた測色値(すなわち、測定色彩値)と、撮影画像の色成分値とを対応付けて、測定色彩値と色成分値との関係を求め、その関係から、撮影画像データの色再現性を向上させるために、ICCプロファイル等と呼ばれるような、撮影画像の色成分値を変換(補正)するための色再現特性データを算出するのである。
【0059】そして色再現特性データ算出部34において算出された色再現特性データは、通信制御部7に出力され、通信制御部7の機能によって色再現特性測定装置20からディジタルカメラ10に送信される(ステップS207)。
【0060】ディジタルカメラ10は色再現特性測定装置20から色再現特性データ62を受信すると(ステップS103)、その受信した色再現特性データ62を記憶部13に保存する(ステップS104)。
【0061】以上で、色再現特性測定システム1において、ディジタルカメラ10の色再現特性が特定されることになる。そしてディジタルカメラ10が自己の色再現特性に関する色再現特性データ62を記憶しておくことで、カラーマッチングを行うことが可能になる。すなわち、ディジタルカメラ10を用いて通常の被写体を撮影し、それによって得られる撮影画像データ61をコンピュータやプリンタ等の外部機器に出力する際、撮影画像データ61と色再現特性データ62とが関連づけられた1つの画像ファイル63を出力することで、外部機器側で撮影画像データ61に対する色再現特性データ62に応じた色補正を行うことができる。この結果、ディジタルカメラ固有の特性を取り除き、実際の被写体の色を忠実に再現することが可能になり、色再現性を向上させることができる。
【0062】図5は、記憶部13に色再現特性データ62が格納された状態でのディジタルカメラ10の撮影処理シーケンスを示すフローチャートである。
【0063】図5に示すように、通常の被写体を撮影する場合、ディジタルカメラ10では画像撮影部11が機能し、シャッタボタン押下操作等に応答して撮影動作を開始させる(ステップS110)。これにより、被写体像が光電変換されて撮影画像データ61が生成される(ステップS111)。
【0064】撮影画像データ61が生成されると、ディジタルカメラ10においては次に画像ファイル作成部12が機能する。そして記憶部13に格納されている色再現特性データ62の読み出しが行われる(ステップS112)。そして画像ファイル作成部12は被写体を撮影して得られた撮影画像データ61と、色再現特性データ62とを互いに関連づけて画像ファイル63を作成し(ステップS113)、記憶部13に保存したり、又は通信制御部8を介して外部機器に出力する(114)。
【0065】このようにディジタルカメラ10で撮影画像データ61と色再現特性データ62とを互いに関連づけて画像ファイル63を生成することにより、上述したカラーマッチングを容易に行うことが可能になる。
【0066】以上のように、この実施の形態の色再現特性測定システム1によれば、カラーチャートに退色等の問題が発生することがなく、常に高い信頼性でディジタルカメラ10の色再現特性を求めることが可能になる。そしてその結果、精度の高いカラーマッチングを行うことが可能になる。
【0067】<2.第2の実施の形態>次に、第2の実施の形態について説明する。上記第1の実施の形態では、測色計6によって得られた測定色彩値と、ディジタルカメラで撮影された色成分値とから色再現特性データを求める形態を例示したが、この実施の形態ではカラーチャートデータ41を構成する各色パターンの色彩値(基準色彩値)とディジタルカメラで撮影された色成分値とから色再現特性データを求める形態について説明する。
【0068】ただし、この実施の形態においてもディジタルカメラの色再現特性測定システム1aに関する概略構成は図1に示したものと同様であり、色再現特性測定システム1aは、色再現特性を測定する対象となるディジタルカメラ10aと、コンピュータ等によって構成される色再現特性測定装置20aとを備えて構成される。
【0069】そして、第1の実施の形態と同様に、ディジタルカメラ10aと色再現特性測定装置20aとがデータ通信可能なように構成された色再現特性測定システム1aにおいて、色再現特性測定装置20aが複数の色パターンを有するカラーチャート画像を表示し、ディジタルカメラ10aでそのカラーチャート画像を撮影することにより、ディジタルカメラ10aの色再現特性が求められる。
【0070】図6は第2の実施の形態における色再現特性測定システム1aの詳細構成を示すブロック図である。ただし、図6では第1の実施の形態において説明した部材と同様の部材については同一符号を付しており、ここではそれらに関する重複説明は省略する。
【0071】図6に示すように、色再現特性測定装置20aは、表示部5、測色計(測色センサ)6、制御部30、記憶部40及び通信制御部7を備えて構成される。
【0072】制御部30は、測定色彩値記憶部31、色差計算部32、部分画像データ抽出部33、色再現特性データ算出部34、及び表示制御部50としての機能を備える。
【0073】そして第1の実施の形態と同様に、表示制御部50が記憶部40に記憶されるカラーチャートデータ41を取得し、各色パターンの色彩値に基づいて表示信号を生成し、それを表示部5に与えることでカラーチャートの表示が行われる。
【0074】そして測色計6によって各色パターンの測色が行われ、各色パターンの測定色彩値が測定色彩値記憶部31に格納される。
【0075】色差計算部32は測定色彩値記憶部31に記憶される各色パターンの測定色彩値と、カラーチャートデータ41における各色パターンの色彩値(基準色彩値)との色差を計算する機能を有する。色差計算部32は例えば測定色彩値記憶31に記憶される各色パターンの測定色彩値と、カラーチャートデータ41における各色パターンの色彩値とを読み出し、各色彩値を色度値(L*a*b*表色系で表現されるカラー情報)に変換し、各色度成分の差分に基づいて色差を算出するように構成される。
【0076】そして色差計算部32は算出された色差に基づいて、色補正部53において適用される色補正パラメータを調整するように構成される。具体的には、各色パターンの測定色彩値と、カラーチャートデータ41における各色パターンの色彩値との色差が小さくなるように色補正パラメータを調整し、その色補正パラメータが表示信号に反映されることによって表示部5に表示される各色パターンの表示色がカラーチャートデータ41における各色パターンの色彩値とほぼ一致するように実現される。
【0077】つまり、カラーチャートデータ41を構成する各色パターンの色彩値(基準色彩値)とディジタルカメラ10aで撮影された色成分値とから色再現特性データを求める場合、表示部5に表示され、ディジタルカメラ10aの撮影対象となるカラーチャートは、カラーチャートデータ41を構成する各色パターンの色彩値を忠実に再現していることが望まれるため、この実施の形態ではカラーチャートの撮影前に、基準色彩値と表示色との色差に基づいて表示色を調整しておくように構成される。
【0078】そして表示部5に表示される各色パターンの表示色がカラーチャートデータ41における各色パターンの色彩値にほぼ一致した状態で、ディジタルカメラ10aを用いてカラーチャートの撮影が行われ、それによって得られる撮影画像データがディジタルカメラ10aから色再現特性測定装置20aに入力する。
【0079】そして部分画像データ抽出部33がディジタルカメラ10aから得られる撮影画像データから各色パターンに対応する画像部分を抽出し、色再現特性データ算出部34がディジタルカメラ10aの色再現特性データを求める。この実施の形態では、色再現特性データ算出部34は、撮影画像データから得られる各色パターンの部分画像から、ディジタルカメラ10が各色パターンを撮影した際の色成分値を求め、その色成分値と、カラーチャートデータ41に含まれる各色パターンの色彩値(基準色彩値)とを対応付けることによって色再現特性データを求めるように構成される。
【0080】色再現特性データ算出部34は、各色パターンと、記憶部40に格納されたカラーチャートデータ41における色彩値との関係(上記表1参照)、及び、ディジタルカメラ10aで撮影して得られる各色パターンと色成分値との関係(上記表3参照)に基づいて、色彩値(基準色彩値)と色成分値との関係を求める。次に示す表5が、色彩値(基準色彩値)と色成分値との関係の一例である。
【0081】
【表5】


【0082】表5の関係により、ある色彩値に基づいて表示部5に表示した際に、その色彩値と色成分値との関係が明確になる。
【0083】したがって、ディジタルカメラ10aで撮影した際のRGB値から実際には被写体がどのような色であるかを特定することができるとともに、撮影画像データの色再現性を向上させるための色再現特性データを求めることが可能になる。
【0084】次に、この実施の形態の色再現特性測定システム1aにおける動作手順について説明する。図7及び図8は色再現特性測定システム1aにおける処理シーケンスを示すフローチャートである。
【0085】まず、色再現特性測定装置20aにおいて表示色の調整処理が行われる(ステップS220)。この表示色の調整処理の詳細な処理シーケンスは図8に示すフローチャートである。
【0086】表示色の調整処理では、複数の色パターンを構成するそれぞれの表示色を順次調整していくことが行われる。そのため、まず調整対象の色パターンを特定するためのパラメータiを1に初期化することが行われる(ステップS300)。
【0087】そしてカラーチャートデータ41に基づいてi番目の色パターンの表示信号が生成され(ステップS301)、その表示信号に基づいてi番目の色パターンが表示部5に表示される(ステップS302)。そして測色計6により、表示部5に表示された色パターンの表示色の測色が行われ(ステップS303)、色差計算部32で色パターンの基準色彩値と、測定色彩値との色差が計算される(ステップS304)。
【0088】そして色パターンの基準色彩値と測定色彩値との色差に基づいて色補正パラメータを調整することにより、i番目の色パターンを表示させるため表示信号を補正し、その補正された表示信号に基づいて再度i番目の色パターンを表示させる(ステップS305)。そして再度測色計6を用いて色パターンの表示色の測色が行われ(ステップS306)、色差計算部32で色パターンの基準色彩値と、測定色彩値との色差が計算される(ステップS307)。
【0089】このとき得られる色差が所定範囲内にあるか否かが検査され、色差が所定範囲内にある場合はi番目の色パターンの表示色が基準色彩値にほぼ一致したものと判断されてステップS309に進む。これに対し、色差が所定範囲内にない場合には、i番目の色パターンの表示色は基準色彩値と一致していないことになるため、ステップS305以降の処理が繰り返し行われ、表示色の調整が行われる。
【0090】色パターンの基準色彩値と測定色彩値との色差が所定範囲内となった場合には、i番目の色パターンに関する色補正パラメータが色補正部53において記憶され(ステップS309)、次の色パターンを調整対象とするためにパラメータiに対して1が加算される(ステップS310)。
【0091】そして全ての色パターンについて表示色の調整が終了したか否かが判定される(ステップS311)。例えば、上記表1等に示すようにカラーチャートを構成する色パターンが20種類ある場合には、それら20種類の色パターン全てについてステップS301〜S310の処理が繰り返し行われることになる。そして全ての色パターンについて表示色の調整処理が終了すると、図7のフローチャートにおけるステップS221に進む。
【0092】表示処理の調整処理(ステップS220)が終了すると、色再現特性測定装置20aの表示部5には、各色パターンの補正された色補正パラメータに基づいたカラーチャートの表示が行われる(ステップS221)。このとき表示されるカラーチャートはカラーチャートデータ41に規定される色彩値を忠実に再現したものとなっている。
【0093】次にディジタルカメラ10aを用いて、表示部5に表示されるカラーチャートの撮影処理が行われる(ステップS120)。この撮影処理によって得られるカラーチャートの撮影画像データは、ディジタルカメラ10aから色再現特性測定装置20aへと送信される(ステップS121)。
【0094】色再現特性測定装置20aでは、ディジタルカメラ10aからカラーチャートの撮影画像データを受信すると(ステップS222)、その撮影画像データが部分画像データ抽出部33に与えられ、撮影画像データから各色パターンの色成分値の抽出が行われる(ステップS223)。
【0095】各色パターンの色成分値は色再現特性データ算出部34に与えられ、色再現特性データ算出部34において色再現特性データの生成が行われる(ステップS224)。具体的には、カラーチャートデータ41にて規定される測色値(基準色彩値)と、撮影画像の色成分値とを対応付けて、基準色彩値と色成分値との関係(表5参照)を求め、その関係から、撮影画像データの色再現性を向上させるために、ICCプロファイル等と呼ばれるような、撮影画像の色成分値を変換(補正)するための色再現特性データを算出するのである。
【0096】そして色再現特性データ算出部34において算出された色再現特性データは、通信制御部7に出力され、通信制御部7の機能によって色再現特性測定装置20aからディジタルカメラ10aに送信される(ステップS225)。
【0097】ディジタルカメラ10aは色再現特性測定装置20aから色再現特性データ62を受信すると(ステップS122)、その受信した色再現特性データ62を記憶部13に保存する(ステップS123)。
【0098】以上で、色再現特性測定システム1aにおいて、ディジタルカメラ10aの色再現特性が特定されることになる。そしてこの実施の形態でも、ディジタルカメラ10aが自己の色再現特性に関する色再現特性データ62を記憶しておくことで、カラーマッチングを行うことが可能になる。すなわち、ディジタルカメラ10aを用いて通常の被写体を撮影し、それによって得られる撮影画像データ61をコンピュータやプリンタ等の外部機器に出力する際、撮影画像データ61と色再現特性データ62とが関連づけられた1つの画像ファイル63を出力することで、外部機器側で撮影画像データ61に対する色再現特性データ62に応じた色補正を行うことができる。この結果、ディジタルカメラ固有の特性を取り除き、実際の被写体の色を忠実に再現することが可能になり、色再現性を向上させることができる。
【0099】なお、ディジタルカメラ10aを用いて通常の被写体を撮影する際の撮影処理シーケンスは第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0100】以上のように、この実施の形態でも、ディジタルカメラ10aで撮影画像データ61と色再現特性データ62とを互いに関連づけて画像ファイル63を生成することにより、上述したカラーマッチングを容易に行うことが可能になる。
【0101】また、この実施の形態の色再現特性測定システム1aでも、カラーチャートに退色等の問題が発生することがなく、常に高い信頼性でディジタルカメラ10aの色再現特性を求めることが可能になる。そしてその結果、精度の高いカラーマッチングを行うことが可能になる。
【0102】<3.変形例>以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0103】例えば、上記説明においては、1台のディジタルカメラについて色再現特性を求める場合を例示したが、色再現特性の算出対象となるディジタルカメラが複数台ある場合でも各ディジタルカメラについて上述した処理を繰り返せば各ディジタルカメラについて色再現特性データを得ることが可能である。
【0104】また、上記説明においては、カラーチャートを表示部5に表示した際に、複数の色パターンが一画面中に表示される場合を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば画面を更新させつつ複数の色パターンを表示するようにしてもよい。ただし、ディジタルカメラでカラーチャートを撮影する際には、一画面中に全ての色パターンが表示されている方が1回の撮影動作で全ての色パターンを撮影することができるため、より効率的であるという点で好ましい。
【0105】また、上記説明においては、色再現特性測定装置20,20aに求められた色再現特性データがディジタルカメラ10,10aに出力され、ディジタルカメラ10,10aにおいて色再現特性データが保持される場合について例示したが、これに限定されるものでもない。ディジタルカメラ10,10aの撮影動作によって得られる撮影画像データの出力先が予め決められている場合には、色再現特性測定装置20,20aからその出力先となる外部機器(コンピュータやプリンタ等のカラー画像出力装置)に対して色再現特性データを出力するようにしてもよい。このように構成すれば、外部機器側でディジタルカメラ10,10aの色再現特性データを保持することができ、ディジタルカメラ10,10aから撮影画像データを入力した際に、その色再現特性データを用いてカラー画像出力の色再現性を向上させることが可能になる。
【0106】また、色再現特性測定装置20,20aがディジタルカメラ10,10aからの撮影画像データの出力先として予め決められている場合には、色再現特性データを外部に出力することなく、内部の記憶部40に保存しておくようにしてもよい。このように構成すれば、ディジタルカメラ10,10aから通常の被写体を撮影した撮影画像データを入力した際に、その色再現特性データを用いてカラー画像出力の色再現性を向上させることが可能になる。
【0107】なお、上述した実施の形態には、以下の発明概念が含まれる。
【0108】(1)請求項1又は2に記載の、ディジタルカメラの色再現特性測定装置において、前記色再現特性データを前記ディジタルカメラ以外の外部機器に対して出力することを特徴とする、ディジタルカメラの色再現特性測定装置。
【0109】これにより、外部機器がディジタルカメラの撮影画像データを入力した場合に、色再現特性データを適用することで高い色再現性を実現することができる。
【0110】(2)請求項1又は2に記載の、ディジタルカメラの色再現特性測定装置において、前記色再現特性データを記憶する記憶部をさらに備える、ディジタルカメラの色再現特性測定装置。
【0111】これにより、色再現特性測定装置がディジタルカメラから撮影画像データを入力した場合に、色再現特性データを適用することで高い色再現性を実現することができる。
【0112】(3)請求項4又は5に記載の、ディジタルカメラの色再現特性測定方法によって得られる前記色再現特性データを記憶する記憶手段を備えるディジタルカメラ。
【0113】これにより、ディジタルカメラにおいて自己の色再現特性データを管理することができる。
【0114】(4)上記(3)に記載のディジタルカメラにおいて、撮影動作によって得られる撮影画像データと、前記色再現特性データと、を関連づけて外部機器に出力するように構成されたディジタルカメラ。
【0115】これにより、外部機器においても高い色再現性で撮影画像を再現することができる。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、表示手段に表示されるカラーチャートの各表示色を測色手段によって測色するとともに、表示手段に表示されるカラーチャートをディジタルカメラで撮影してカラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と測色手段から得られる測色値とを対応付けることによってディジタルカメラの色再現特性データを求めるため、表示されたカラーチャートの測色値と、撮影によって得られる色成分値との対応関係で色再現特性を求めることができる。このため、カラーチャートに退色等の問題が発生することがなく、常に高い信頼性でディジタルカメラの色再現特性を求めることが可能になる。そしてさらには、精度の高いカラーマッチングを行うことが可能になる。
【0117】請求項2に記載の発明によれば、カラーチャートの色彩値と測色手段で得られる測色値との色差が所定範囲内となるように表示信号を調整することによって、表示手段に表示されるカラーチャートの各表示色を補正し、その補正されたカラーチャートをディジタルカメラで撮影してカラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と、カラーチャートの色彩値とを対応付けることによってディジタルカメラの色再現特性データを求めるため、カラーチャートの色彩値と撮影によって得られる色成分値との対応関係で色再現特性を求めることができる。このため、カラーチャートに退色等の問題が発生することがなく、常に高い信頼性でディジタルカメラの色再現特性を求めることが可能になる。そしてさらには、精度の高いカラーマッチングを行うことが可能になる。
【0118】請求項3に記載の発明によれば、色再現特性データをディジタルカメラに対して出力するように構成されるため、ディジタルカメラにおいて自己の色再現特性データを管理することが可能になる。そのため、例えばディジタルカメラで得られる撮影画像データを出力する際に、撮影画像データと色再現特性データとを関連づけて出力することができ、精度の高いカラーマッチングを行うことが可能になる。
【0119】請求項4に記載の発明によれば、表示されたカラーチャートの測色値と、撮影によって得られる色成分値との対応関係で色再現特性を求めることができる。このため、カラーチャートに退色等の問題が発生することがなく、常に高い信頼性でディジタルカメラの色再現特性を求めることが可能になる。そしてさらには、精度の高いカラーマッチングを行うことが可能になる。
【0120】請求項5に記載の発明によれば、カラーチャートの色彩値と撮影によって得られる色成分値との対応関係で色再現特性を求めることができる。このため、カラーチャートに退色等の問題が発生することがなく、常に高い信頼性でディジタルカメラの色再現特性を求めることが可能になる。そしてさらには、精度の高いカラーマッチングを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる、ディジタルカメラの色再現特性測定システムを示す図である。
【図2】第1の実施の形態における色再現特性測定システムの詳細構成を示すブロック図である。
【図3】表示部に表示されるカラーチャートの一例を示す図である。
【図4】色再現特性測定システムにおける処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図5】ディジタルカメラの撮影処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態における色再現特性測定システムの詳細構成を示すブロック図である。
【図7】色再現特性測定システムにおける処理シーケンスを示すフローチャートである。
【図8】色再現特性測定システムにおける処理シーケンスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,1a 色再現特性測定システム
5 表示部(表示手段)
6 測色計(測色手段)
10,10a ディジタルカメラ
20,20a 色再現特性測定装置
31 測定色彩値記憶部
32 色差計算部
33 部分画像データ抽出部
34 色再現特性データ算出部(演算手段)
40,13 記憶部
41 カラーチャートデータ
50 表示制御部
53 色補正部(色補正手段)
61 撮影画像データ
62 色再現特性データ
63 画像ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ディジタルカメラの色再現特性測定装置であって、複数の色成分が対応付けられたカラーチャートを表示する表示手段と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を測色する測色手段と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートを前記ディジタルカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と前記測色手段で得られる測色値とを対応付けることによって前記ディジタルカメラの色再現特性データを求める演算手段と、を備える、ディジタルカメラの色再現特性測定装置。
【請求項2】 ディジタルカメラの色再現特性測定装置であって、カラー画像を表示可能な表示手段と、複数の色彩値が対応付けられたカラーチャートデータを記憶する記憶手段と、前記色彩値に基づいて表示信号を生成し、前記表示手段に与えることで、前記カラーチャートデータに対応するカラーチャートを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を測色する測色手段と、前記色彩値と前記測色手段で得られる測色値との色差が所定範囲内となるように前記表示信号を調整することによって、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を補正する色補正手段と、前記色補正手段によって補正された前記カラーチャートを前記ディジタルカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と前記色彩値とを対応付けることによって前記ディジタルカメラの色再現特性データを求める演算手段と、を備える、ディジタルカメラの色再現特性測定装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の、ディジタルカメラの色再現特性測定装置において、前記色再現特性データを前記ディジタルカメラに対して出力することを特徴とする、ディジタルカメラの色再現特性測定装置。
【請求項4】 ディジタルカメラの色再現特性測定方法であって、複数の色成分が対応付けられたカラーチャートを所定の表示手段に表示させる工程と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を所定の測色手段で測色する工程と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートを前記ディジタルカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と前記測色手段で得られる測色値とを対応付けることによって前記ディジタルカメラの色再現特性データを求める工程と、を有する、ディジタルカメラの色再現特性測定方法。
【請求項5】 ディジタルカメラの色再現特性測定方法であって、複数の色彩値が対応付けられたカラーチャートデータに基づいて表示信号を生成し、所定の表示手段に与えることで、前記カラーチャートデータに対応するカラーチャートを前記表示手段に表示させる工程と、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を所定の測色手段で測色する工程と、前記色彩値と前記測色手段で得られる測色値との色差が所定範囲内となるように前記表示信号を調整することによって、前記表示手段に表示される前記カラーチャートの各表示色を補正する工程と、前記各表示色の補正された前記カラーチャートを前記ディジタルカメラで撮影して得られる画像データに基づいて、前記カラーチャートの各表示色に対応する色成分値を求め、当該色成分値と前記色彩値とを対応付けることによって前記ディジタルカメラの色再現特性データを求める工程と、を有する、ディジタルカメラの色再現特性測定方法。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−244464(P2003−244464A)
【公開日】平成15年8月29日(2003.8.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−44728(P2002−44728)
【出願日】平成14年2月21日(2002.2.21)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】