説明

苗植機

【課題】従来、苗載台を左右往復移動させる為に、左右幅広い苗載台の左右側端面と横移動棒をアームで固定していたので、横移動棒は非常に長い構成となり、苗載台を左右往復移動させる時に撓み最適な苗載台の左右往復移動をさせることができないという課題があった。
【解決手段】左右往復駆動機構Aによって機体の左右方向に往復移動する横移動棒33を機体左右方向に設け、横移動棒33に連係した苗載台11を側壁11bによって仕切られた複数の苗載部11aによって構成し、複数の苗載部11aに各々載置された苗から一株分の苗を取出して各々圃場に植付ける複数の苗植付装置10を設けた苗植機において、横移動棒33の左右両側部と機体左右方向に設けた苗載台移動体36を左右アーム37によって連結して固定し、苗載台移動体36に基部を固定した苗載台係合アーム39の先端部を苗載台11の側壁11bに連係した苗植機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右往復移動する苗載台を備えた苗植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左右往復移動する苗載台に載置された苗から苗植付装置が一株分の苗を取出して圃場に植付ける歩行型苗植機がある。この従来の苗載台は、左右往復駆動機構によって左右往復移動する横移動棒の左右側端部と苗載台の左右側端面とを各々左右アームを介して固定して左右往復移動する構成となっている(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−8509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の技術によると、左右幅広い苗載台の左右側端面と横移動棒とをアームにて連結固定したものであるから、横移動棒は非常に長い構成となり、苗載台を左右往復移動させる時に撓み易くて適切に苗載台の左右往復移動をさせることができなかった。そこで、従来のものは、横移動棒の強度をあげるために直径の太い鉄製の棒で構成し、アームの強度をあげるために大きな鋳物部材で構成して、大型で重い構成となっていた。然しながら、横移動棒の強度をあげるために直径の太い鉄製の棒で構成しても、横移動棒が非常に長い構成であると、その撓みを無くすことはできず適切に苗載台を左右往復移動させることができるものではなかった。
【0004】
特に、水田圃場で田植作業を行なう田植機においては、水田圃場で良好な走行性能を発揮して優れた苗植付け性能を発揮する為に、機体は軽量であることが必要である。上記従来の構成では機体重量が増加してしまって、水田圃場での走行性能が悪くなり苗植付け性能に悪影響を与えるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、左右往復駆動機構Aによって機体の左右方向に往復移動する横移動棒33を機体左右方向に設け、該横移動棒33に連係した苗載台11を側壁11bによって仕切られた複数の苗載部11aによって構成し、該複数の苗載部11aに各々載置された苗から一株分の苗を取出して各々圃場に植付ける複数の苗植付装置10を設けた苗植機において、横移動棒33の左右両側部と機体左右方向に設けた苗載台移動体36を左右アーム37によって連結して固定し、該苗載台移動体36に基部を固定した苗載台係合アーム39の先端部を苗載台11の側壁11bに連係した苗植機としたものである。
【0006】
従って、横移動棒33と苗載台移動体36とを左右アーム37で連結し固定した枠組み構成となり、苗載台移動体36が横移動棒33の左右往復移動時の撓みを防止する補強部材としての機能を発揮し、且つ、苗載台移動体36に基部を固定した苗載台係合アーム39の先端部を苗載台11の側壁11bに連係して苗載台11を左右往復作動させる構成としたので、横移動棒33の長さを短く構成でき、苗載台移動体36が横移動棒33の左右往復移動時の撓みを防止する補強部材としての機能を発揮する構成との相乗効果で、苗載台11を適切に左右往復移動させることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、苗載台係合アーム39の先端部を苗載台11の側壁11b幅内で側壁11bに連係した請求項1記載の苗植機としたものである。
従って、請求項1記載の発明の作用に加えて、苗載台11を左右往復移動させる部材を左右外側部の側壁11bの外側面に固定したものに比較して、苗載台係合アーム39の先端部を苗載台11の側壁11b幅内で側壁11bに連係したので、苗載台移動体36の左右長さを短く構成でき、苗載台移動体36の撓みも少なくなり、更に、苗載台11を適切に左右往復移動させることができる。また、苗載台移動体36の左右長さを苗載台11の左右幅よりも小さく構成することができるので、苗載台11が移動して機体の左右最外側位置まで移動した時、苗載台移動体36は苗載台11の左右端部よりも機械内方に位置するので、畦等の他のものに苗載台移動体36が干渉することが防止できて、機体の破損を防止できると共に安全である。
【0008】
請求項3記載の発明は、横移動棒33と苗載台移動体36を左右アーム37によって連結して固定する部位に連結固定する左右位置を調節する固定位置調節機構Bを設け、苗載台係合アーム39の先端部を苗載台11の側壁11b上面に設けた係合穴11cに挿し込んで連係した請求項1または請求項2記載の苗植機としたものである。
【0009】
従って、請求項1または請求項2記載の発明の作用に加えて、苗載台移動体36の苗載台係合アーム39の先端部を苗載台11の側壁11b上面に設けた係合穴11cに挿し込んで、横移動棒33と苗載台移動体36が捩れや歪みの無い適正な状態になるように固定位置調節機構Bにて固定位置を左右位置調節した後に、横移動棒33と苗載台移動体36を左右アーム37によって連結して固定することによって、横移動棒33の長さの製造誤差や左右苗載台係合アーム39を設けた苗載台移動体36の製造誤差や苗載台11の製造誤差による係合穴11cの位置のずれ等があっても、適正に横移動棒33と苗載台移動体36とを固定し、且つ、苗載台移動体36を苗載台11に捩れや左右位置ずれ等が発生することなく適正に係合させることができ、苗載台11を適切に左右往復移動させることができる。また、苗載台移動体36の苗載台係合アーム39を苗載台11にボルト等によって固定したものに比べて、構造が簡潔で安価に製造でき、安価な苗植機を提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
上記のように苗植機を構成することにより、横移動棒33の長さを短く構成でき、苗載台移動体36が横移動棒33の左右往復移動時の撓みを防止する補強部材としての機能を発揮する構成との相乗効果で、苗載台11を適切に左右往復移動させることができる。また、苗載台11を左右往復移動させる構成を軽量にすることができ、苗植機全体の軽量化が図れて、従来例の課題を適切に解決することができて、良好な苗植付け作業が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。
図1及び図2は、歩行型田植機1の全体側面図及び平面図である。この歩行型田植機1は、機体の前端部に設けたエンジン2と、該エンジン2の後側に設けた主伝動ケース3と、該主伝動ケース3の左右に各々設けた走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4からの動力で駆動する左右各々の車輪5と、主伝動ケース3の後側面から後方に延びる前部主フレーム6aと該前部主フレーム6aの後端部に固着され後部が斜め後上方に向いて延びた後部主フレーム6bとで構成される主フレーム7と、該主フレーム7の後部主フレーム6bに固着された植付伝動ケース8と、該主フレーム7の後端に取り付けた左右操縦ハンドル9とを備えている。前記植付伝動ケース8の下部には4個の苗植付装置10を取り付け、主フレーム7の後部主フレーム6bの前側には該後部主フレーム6bに左右移動可能に支持される苗載台11を設けている。従って、この歩行型田植機1は、走行しながら圃場に同時に4条分の苗を植え付ける4条植えの構成となっている。尚、前記エンジン2、主伝動ケース3、走行伝動ケース4及び車輪5等により走行部が構成され、植付伝動ケース8、苗植付装置10及び苗載台11等により植付部が構成されている。
【0012】
また、機体の下部には圃場面に接地する3個の中央整地フロート12a・左右整地フロート12bを設けており、機体の走行により該整地フロート12a・12bが圃場面を滑走して整地する。尚、機体の左右中央の中央整地フロート12aは左右内側の2条の苗植付装置10の植付位置を整地し、機体の左右両外側の左右整地フロート12bは左右外側の各々1条の苗植付装置10の植付位置を整地する。中央整地フロート12aは、前端が左右整地フロート12bの前端より前側に位置し、左右整地フロート12bより前後長が長く、左右整地フロート12bより左右幅が広く、左右整地フロート12bより接地面積が広い。また、中央整地フロート12a及び左右整地フロート12bは、側面視で同じ位置に配置された各々の左右方向の回動支点軸13回りに上下に回動自在に支持され、前部が圃場面の凹凸に追従して上下動する構成となっている。
【0013】
エンジン2の出力軸2aは主伝動ケース3内に突入しており、エンジン2からの動力が主伝動ケース3内に伝達される。主伝動ケース3内には、車輪5、苗植付装置10及び苗載台11への全ての伝動を断つことができる主クラッチC1と、該主クラッチC1からの動力を車輪5への伝動経路と苗植付装置10及び苗載台11への伝動経路とに動力を分岐し、前記車輪5への伝動経路上において噛み合うギヤG1の切替により路上走行用の前進高速状態、植付作業用の前進低速状態、ギヤが噛み合わずに非伝動となる中立状態及び後進状態の4状態に切り替えて変速できる走行変速部と、該走行変速部の伝動下手側で左右の車輪5への伝動を非伝動状態に切り替えできる左右各々のサイドクラッチSCとを設けている。従って、前記変速部及びサイドクラッチSCを介して主伝動ケース3から左右に突出する左右各々の走行用伝動軸に伝動される。該走行用伝動軸が走行伝動ケース4内に突入しており、走行伝動ケース4内でスプロケット4a及びチェーン4bにより該走行伝動ケース4から左右外側に突出する車軸14に伝動し、車輪5が駆動回転する。走行伝動ケース4は、前端部に位置する前記走行用伝動軸周りに上下に回動可能に設けられ、後端部に位置する車軸14を上下に移動させて車輪5を上下動させる。また、苗植付装置10及び苗載台11への伝動経路には苗の植付け株間を変更する株間変速ギヤG2が設けられており、該株間変速ギヤG2を経由して主伝動ケース3から後側に延びる植付伝動軸15を介して植付伝動ケース8内へ伝動される。
【0014】
主伝動ケース3の左側の側部には油圧ポンプを固着し、主伝動ケース3の後部には油圧バルブユニットを固着し、該油圧バルブユニットの後側に単動式の油圧昇降シリンダ16を固着している。この油圧昇降シリンダ16は、前後方向に移動する移動部材となるシリンダロッド17を後部に備え、主フレーム7の上方に配置される。従って、油圧バルブユニットの切替により油圧ポンプからの油圧を油圧昇降シリンダ16へ供給すると、シリンダロッド17が後方へ移動する。また、油圧昇降シリンダ16内の油圧を油圧タンクとなる主伝動ケース3内へ戻す状態に切り替えると、機体の自重によりシリンダロッド17が前方へ移動する。シリンダロッド17の後側の端部には後側から切り欠いた左右方向に連通する切り欠き溝17aを備え、該切り欠き溝17aに左右に延びる中継部材となる中継リンク部材18の左右中央部が嵌まるように挿入されている。中継リンク部材18は、プレート状の基部18aと左右両端で前記基部18aから上方に立ち上がる連結部18bとを備え、左右対称な形状となっている。シリンダロッド17の後側の端部には切り欠き溝17aを上下に貫通する連結軸19を設け、該連結軸19が中継リンク部材18の左右中央部に設けた第一の孔18cを貫通してシリンダロッド17と中継リンク部材18とが連結されている。尚、中継リンク部材18の左右中央部の前面18dと切り欠き溝17aの底面17bとは、互いに接触する平面となっている。また、第一の孔18cは、連結軸19の軸径よりも大きい孔径に設定され、前後に長い長孔状に形成されている。
【0015】
中継リンク部材18の連結部18bは、前側部分18b−1と後側部分18b−2とを備え、更に前側部分18b−1と後側部分18b−2とを機体の左右方向外側の端部で繋ぐ接続部分18b−3を備える。前側部分18b−1及び後側部分18b−2は前後に貫通する第二の孔18b−4を備え、該孔18b−4に連結ロッド20の後部が貫通している。従って、中継リンク部材18の左右の連結部18bに左右各々の連結ロッド20が貫通している。連結ロッド20の前端は走行伝動ケース4の上側に固着された左右各々のアーム21に連結されている。連結ロッド20の後端の外周には圧縮ばね22を設け、該圧縮ばね22の前側に設けた前側ばね受け板23が連結部18bの後側部分18b−2の後面に接触し、圧縮ばね22の後側に設けた後側ばね受け板24が連結ロッド20に移動しないように締め付けられた固定具となる2個のナット25の前面に接触している。従って、車輪5の接地荷重を、走行伝動ケース4、アーム21、連結ロッド20及び圧縮ばね22等を介して中継リンク部材18が受けている。連結ロッド20の中途部には板状の規制具26を固着しており、該規制具26が連結部18bの前側部分18b−1の前側に位置している。従って、車輪5の接地荷重が極めて小さいとき、圧縮ばね22のばね力により規制具26が連結部18bの前側部分18b−1の前面に接触し、車輪5が所定以上下動しないように規制している。尚、前側ばね受け板23と連結部18bの後側部分18b−2との互いの接触面及び規制具26と連結部18bの前側部分18b−1との互いの接触面は、平面になっている。また、第二の孔18b−4は、連結ロッド20の軸径よりも大きい孔径に設定されている。
【0016】
従って、油圧ポンプからの油圧を油圧昇降シリンダ16内へ供給するべく油圧バルブユニットを切り替えると、シリンダロッド17が後方へ移動し、切り欠き溝17aの底面17bで中継リンク部材18の左右中央部の前面18dが後側に押されて中継リンク部材18が後側へ移動し、該中継リンク部材18の左右の連結部18bの後側部分18b−2が圧縮ばね22を介して左右の連結ロッド20を後側に引き、左右のアーム21を後側に回動させることにより左右の走行伝動ケース4が下側に回動し、左右の車輪5が下動して圃場に対して機体が上昇する。逆に、油圧昇降シリンダ16内の油圧を主伝動ケース3内へ戻すべく油圧バルブユニットを切り替えると、左右の車輪5の接地荷重により左右のアーム21、左右の連結ロッド20及び中継リンク部材18等を介してシリンダロッド17が前方へ戻され、左右の車輪5が上動して圃場に対して機体が下降する。
【0017】
また、機体の左右傾斜により接地荷重が左右の車輪5で所定以上相違すると、切り欠き溝17aの底面17bの左右一方の端を支点に中継リンク部材18が前後に回動して左右の連結部18bが互いに前後反対側に移動し、接地荷重が大きい側の車輪5が下動し反対側の車輪5が上動し、左右水平姿勢となるよう機体の左右傾斜姿勢が修正される。このとき、連結軸19により、中継リンク部材18がシリンダロッド17の切り欠き溝17aから脱落するようなことを防止している。左右の連結ロッド20ひいては左右の連結部18bの間の左右中央位置に対して切り欠き溝17aの底面17bの左右端は左右に偏位しているので、左右の車輪5の接地荷重の相違が小さいときには、中継リンク部材18が前後に回動せずに中継リンク部材18の接触面となる前面18dと切り欠き溝17aの底面17bとが接触した状態が維持され、左右の車輪5が相対的に上下動せず、左右の車輪5が個別に無闇に上下動することによりかえって機体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止している。また、切り欠き溝17aの底面17bの左右端が左右に偏位しているので、中継リンク部材18が前後に回動しても、圧縮ばね22や車輪5からの荷重により中継リンク部材18が中継リンク部材18の前面18dと切り欠き溝17aの底面17bとが接触する基準の回動位置に戻りやすく、機体の姿勢を安定させることができる。更に、接触面となる切り欠き溝17aの底面17b、中継リンク部材18の左右中央部の前面18d、前側ばね受け板23の前面、連結部18bの後側部分18b−2の後面、規制具26の後面及び連結部18bの前側部分18b−1の前面は平面となっているので、中継リンク部材18が回動して中継リンク部材18の左右中央部の前面18d、連結部18bの後側部分18b−2の後面及び連結部18bの前側部分18b−1の前面の角度が変化しようとするのを圧縮ばね22の付勢力により抑えることができ、機体の左右傾斜が圃場の左右傾斜に近づくように促し、機体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止している。また、連結ロッド20の規制具26により、前進側に回転する車輪5の駆動反力で該車輪5が下動して機体の対地高さや左右傾斜姿勢が不適正になるのを防止している。
【0018】
尚、2個のナット25を弛めて連結ロッド20における2個のナット25の位置を調節することにより、機体の左右傾斜姿勢を調節することができる。この調節は、左右一方の2個のナット25の位置を調節しても、左右両方の2個のナット25の位置を調節しても良い。この2個のナット25からなる調節部分は機体平面視で下記のボンネットカバー116の外側に位置しているので、作業者はボンネットカバー116が邪魔にならずに上側から2個のナット25の位置調節を容易に行える。
【0019】
苗植付装置10及び苗載台11は、植付伝動ケース8からの動力で作動する。
ここで、植付伝動ケース8及び苗載台11の構成を詳述すると、植付伝動ケース8は、左右中央部に位置する中央ケース8aと、該中央ケース8aの左右両側に位置する左右ケース8b,8bと、中央ケース8aの上部と左右ケース8b,8bの上部を連結する左右伝動パイプ8c,8cとで構成され、中央ケース8aの下部左右側部と左右ケース8b,8bの下部左右内側部に各々苗植付装置10…が設けられている。
【0020】
苗載台11は、側面視において主フレーム7の後部主フレーム6bの上方斜め傾斜した後部とほぼ平行に設けられ、前部が低位となるよう傾斜させられている。そして、その前面側が苗を載せる苗載面となり、該苗載面は4つの苗載部11a…に左右側壁を含む5つの側壁11b…によって仕切られている。各苗載部11a…には載置された苗を間欠的に下方へ送る苗送りベルトにより構成される苗送り装置27…が設けられている。この苗載台11は、主フレーム7の後部主フレーム6bの上に左右方向に設けた支持枠28によって下端裏面部が摺動自在に支持されているとともに、上部裏面部に苗載台11の左右全幅に亘って固定して設けた左右レール29を主フレーム7の後部主フレーム6bに取り付けたローラ30が係合支持して、左右に往復移動可能となっている。前記支持枠28には側面視でL形の苗受板31が一体成形されており、該苗受板31によって苗載台11に載置された苗の最下端が受け止められるようになっている。この苗受板31の4箇所に凹状に切り欠かれた苗取出口32…が形成されている。尚、苗受板31が一体成形された支持枠28は、アルミ材にて一体に成型された部材である。
【0021】
植付伝動ケース8の中央ケース8aには、軸方向に摺動自在に支持された横移動棒33と、該横移動棒33にボルト34bにて固定して取り付けたリードメタル34の爪34aが係合する螺旋状の溝35aが外周面に形成されたリードカム軸35とが設けられている。このリードカム軸35と爪34aを装備したリードメタル34とリードメタル34を横移動棒33に固定するボルト34bによって左右往復駆動機構Aが構成されている。
【0022】
横移動棒33の中央ケース8a外に突出する左右両端部には、螺子部33aが形成されている。そして、横移動棒33と平行に配置した苗載台移動体36には、基部を溶接固着した左右アーム37を設け、その左右アーム37の各々の先端部に設けたU字状係合溝37aを各々該左右螺子部33aに挿し込んでその左右両側から各々ナット38を締めつけて、横移動棒33と苗載台移動体36とを固定し、苗載台移動体36が横移動棒33の撓みを防止する補強部材としての機能を発揮する枠組み構成となっている。この横移動棒33の左右両端部に設けた螺子部33aと左右アーム37の各々の先端部に設けたU字状係合溝37aとナット38によって固定位置調節機構Bが構成されている。
【0023】
また、苗載台移動体36の左右端部には、苗載台11に係合して苗載台11を左右往復作動させる左右苗載台係合アーム39の基部が溶接固着されている。そして、左右苗載台係合アーム39の先端部は、各々苗載台11の左右両端部の左右側壁11b下部前面側に形成された係合穴11cに前方側から挿入係合した構成となっている。尚、11dは係合穴11cを補強するリブであって、側壁11b内面側に一体に形成されている。
【0024】
よって、横移動棒33と苗載台移動体36との固定は、前記のように苗載台移動体36に基部を溶接固着した左右アーム37の各々の先端部に設けたU字状係合溝37aを各々該左右螺子部33aに挿し込んでその左右両側から各々ナット38を締めつけた構成としているので、苗載台移動体36の左右苗載台係合アーム39の先端部を各々苗載台11の左右両端部の左右側壁11b下部前面側に形成された係合穴11cに前方側から挿入係合させ、左右アーム37の各々の先端部に設けたU字状係合溝37aを各々左右螺子部33aに対して係合した後に各々ナット38を締めつけることによって、横移動棒33の長さの製造誤差や苗載台移動体36に左右アーム37や左右苗載台係合アーム39を溶接固着する時の製造誤差や苗載台11の製造誤差による係合穴11cの位置のずれ等があっても、適正に横移動棒33と苗載台移動体36とを固定し、且つ、苗載台移動体36を苗載台11に捩れや左右位置ずれ等が発生することなく適正に係合させることができ、苗載台11を適切に左右往復移動させることができる。
【0025】
また、苗載台移動体36の左右苗載台係合アーム39の先端部を各々苗載台11の左右両端部の左右側壁11b下部前面側に形成された係合穴11cに前方側から挿入係合させたものであるから、苗載台移動体36の左右苗載台係合アーム39を苗載台11にボルト等によって固定したものに比べて、構造が簡潔で安価な構成となると共に、苗載台移動体36の左右苗載台係合アーム39を苗載台11にボルト等によって固定しないので各部材の製造誤差の影響や苗載台移動体36の撓み等の影響を受け難く、適正な苗載台11の左右移動を行わせることができる。更に、苗載台移動体36の左右長さが苗載台11の左右幅よりも小さく構成できるので、苗載台11が左右端部に移動した時も、苗載台移動体36は苗載台11の左右端部よりも機械内方に位置するので、畦等の他のものに苗載台移動体36が干渉することが防止できて、機体の破損を防止できると共に安全である。
【0026】
そして、リードカム軸35が回転すると、リードメタル34の爪34aがリードカム軸35の溝35aに沿って移動し、それによって横移動棒33が左右に往復移動する。横移動棒33の左右往復移動によって、横移動棒33に連結して固定された苗載台移動体36も一体に左右往復移動し、該苗載台移動体36の左右苗載台係合アーム39先端部に連係された苗載台11も左右往復移動する。そして、左右往復移動する苗載台11に載置された苗の最下端部の苗が苗取出口32…に順次供給される。
【0027】
植付装置11は、回転駆動クランク40と揺動リンク41によって支持された植付具42を備え、回転駆動クランク40が回転することにより、植付具42の先端部に設けた植付け爪43が所定の軌跡を描いて上下運動を行い、前記苗取出口32に供給された苗載台11の苗から1株分の苗を取出して圃場面に植え付けるようになっている。尚、40aはバランサーであって、クランク駆動軸47の反対側に向けて回転駆動クランク40から延設された構成となっており、クランク機構により作動する植付具42が円滑に作動する為に設けられている。
【0028】
従って、苗載台移動体36の左右苗載台係合アーム39の先端部を各々苗載台11の左右両端部の左右側壁11b下部前面側に形成された係合穴11cに前方側から挿入係合させ、左右アーム37の各々の先端部に設けたU字状係合溝37aを各々左右螺子部33aに対して係合した後に各々ナット38を締めつけることによって、横移動棒33の長さの製造誤差や苗載台移動体36に左右アーム37や左右苗載台係合アーム39を溶接固着する時の製造誤差や苗載台11の製造誤差による係合穴11cの位置のずれ等があっても、適正に横移動棒33と苗載台移動体36とを固定し、且つ、苗載台移動体36を苗載台11に捩れや左右位置ずれ等が発生することなく適正に係合させることができ、苗載台11を適切に左右往復移動させることができ、各植付装置11…が各苗取出口32に供給された苗載台11の苗から1株分の苗を適切に取出して圃場面に適切に植え付けることができる。
【0029】
一方、主伝動ケース3から植付伝動軸15にて植付伝動ケース8内に設けられた植付軸44に動力が伝達される。この伝達部には植付軸44を定位置で停止させる定位置植付クラッチ45が設けられている。
【0030】
植付軸44の回転は、中央ケース8aおよび左右ケース8b,8b内に張架したチエン46…によって、前記回転駆動クランク40…が取り付けられているクランク駆動軸47…に伝えられる。
【0031】
植付軸44からリードカム軸35へは、駆動ギヤ48,49と従動ギヤ50,51の組み合わせからなるギヤ列式の変速部52を介して伝動されており、これらギヤの組み合わせを変えることにより苗載台11の左右往復移動の速度を変更して植付装置11…の苗取り量を2段階に切り替えられるようになっている。
【0032】
この変速部52を更に詳細に説明すると、駆動ギヤ48,49は一体に構成されており、植付軸44に対して軸方向には移動自在に設けられているが、回転方向には係合体53により一体に回転する構成となっている。また、駆動ギヤ48,49の端部には植付軸44の軸方向に移動させるための変速操作具54の係合突起55が係合する係合溝56が一体に設けられている。一方、従動ギヤ50,51はリードカム軸35に固着されている。
【0033】
そして、駆動ギヤ48の歯数は12個であり、駆動ギヤ49の歯数は11個である。また、従動ギヤ50の歯数は29個であり、従動ギヤ51の歯数は30個である。従って、駆動ギヤ48と従動ギヤ50とを噛み合わせてリードカム軸35を回転駆動させた場合は苗載台11の左右往復移動の速度は早くなり、植付装置11…が苗載台11に載置された苗から一株分の苗を取り出すときの一株分の苗取り量は多くなる(一株当たりの苗本数が多くなる)。逆に、駆動ギヤ49と従動ギヤ51とを噛み合わせてリードカム軸35を回転駆動させた場合は苗載台11の左右往復移動の速度は遅くなり、植付装置11…が苗載台11に載置された苗から一株分の苗を取り出すときの一株分の苗取り量は少なくなる(一株当たりの苗本数が少なくなる)。
【0034】
変速操作具54の先端部は円筒形状をしており、該円筒形状部54aが中央ケース8aの側壁に設けた円筒状の貫通孔8dに回転自在に挿入されて設けられている。そして、3本のボルト56…にて中央ケース8aに固定されている。また、係合突起55は、変速操作具54の回転中心Cから偏心した位置に設けられており、3本のボルト56…を外して変速操作具54をその摘まみ54bを持って290度回転させると、図4に示す回転中心Cの右側に位置する状態から回転中心Cの左側に位置する状態に移動して、駆動ギヤ48,49を図4で左方向に移動させ、駆動ギヤ49と従動ギヤ51とが噛み合った状態から駆動ギヤ48と従動ギヤ50とが噛み合った状態に変更させることができる。そして、変速操作後は、再び、3本のボルト56…にて変速操作具48を中央ケース8aに固定する。
【0035】
前記苗受板31が一体成形された支持枠28は、その後部側に設けた上下方向に設けた長孔28aと後部主フレーム6bに溶接された鉄製の支持板57の取付け孔とを貫通したボルト58とナット59にて皿バネ60を介して弾性的に固定されている。一方、支持板57には2つのU字状溝57a・57bを形成しており、U字状溝57aには苗取り量調節棒61を回動自在に支持させ、U字状溝57bには中央整地フロート12a及び左右整地フロート12bの回動支点軸13を上下調節するフロート上下調節棒62を回動自在に支持させ、苗取り量調節棒61とフロート上下調節棒62とが各々U字状溝57a・57bから脱落するのを防止する止め板63を支持板57にボルト及びナット64にて固定している。
【0036】
また、支持枠28には、その後部側に円柱状の係合部65を一体に成型しており、前記苗取り量調節棒61に溶接固定した上下一対の操作板66にて該円柱状の係合部65を挟んだ構成としている。
【0037】
従って、苗取り量調節棒61に基部を溶接固定した苗取り量調節レバー67を上下調節すると、苗取り量調節棒61が回動され上下一対の操作板66の先端部が上下移動し、上下一対の操作板66に挟まれた円柱状の係合部65を上下移動させるので、円柱状の係合部65と一体の支持枠28はボルト58とナット59と皿バネ60とによって上下移動自在に構成されている為、苗受板31が一体成形された支持枠28の上下位置調節を行うことができ、植付装置11の植付け爪43の軌跡に対して苗受板31の上下位置調節が行えて、植付装置11の植付け爪43の一株当たりの苗取り量を調節することができる。従って、苗取り量調節レバー67による調節部である係合部65が支持枠28と一体形成されているので、支持枠28に調節用の別アームを固定する必要がなく、安価で簡潔に苗取り量調節機構を構成できる。
【0038】
また、フロート上下調節棒62に基部を溶接固定したフロート上下調節レバー68を上下調節すると、フロート上下調節棒62が回動されフロート支持アーム69の先端部が上下移動し、中央整地フロート12a及び左右整地フロート12bの回動支点軸13を上下調節する為、中央整地フロート12a及び左右整地フロート12bの後部を上下調節して、苗の植付け深さを調節することができる。
【0039】
尚、支持枠28の前部下面には、左右車輪5の通過跡を整地する左右車輪整地具70の上端部がボルト71にて各々固定されている。
ここで、苗載台11下部の左右移動支持構成について更に詳述する。
【0040】
苗載台11下部裏面に苗載台11の左右全幅に亘って係合部72を一体形成し、該係合部72に磨耗を防止する為にモリブデンを添加したポリアミド系合成高分子(ナイロン)より形成された苗載台11の左右全幅に亘る苗載台スライダー73の下端部を係合させ、該苗載台スライダー73の上端部には苗載台11の5つの側壁11b…に対応した位置に貫通孔74を各々設け、該苗載台スライダー73の各貫通孔74と苗載台11の5つの側壁11b…に各々設けたボルト挿入孔75…とに各々ボルト76…を挿入して各々ナット77…にて固定して、苗載台11下部裏面に苗載台11の左右全幅に亘って苗載台スライダー73を設けている。
【0041】
該苗載台スライダー73は、支持枠28の上部に載置された状態となっている。そして、苗載台11の上部はその裏面部に苗載台11の左右全幅に亘って固定して設けた左右レール29が主フレーム7の後部主フレーム6bに取り付けたローラ30に係合支持され、苗載台11の下部は上記苗載台11の左右全幅に亘る苗載台スライダー73が支持枠28に案内されて、苗載台11は左右往復移動する。この苗載台11の左右往復移動時に、苗載台11の歪みや支持枠28の歪みがあっても、苗載台11の下端部左右全幅に亘って設けられた苗載台スライダー73はポリアミド系合成高分子(ナイロン)より形成されているので、苗載台スライダー73は歪みに対応して変形し、苗載台11は支持枠28に沿って適切に左右往復移動することができる。また、苗載台スライダー73は苗載台11の左右全幅に亘って設けられているので、支持枠28に対する接触面積が広く、左右移動による磨耗が少なくなって、長期間使用することができる。更に、苗載台スライダー73は苗載台11の左右全幅に亘って設けられているので、田植作業時に泥水や泥土が苗載台11の下部裏面にかかっても苗載台スライダー73外側にかかるだけで内部に泥水や泥土が入ることが防止でき、更に、耐久性が向上できる。
【0042】
また、該苗載台スライダー73は苗載台11の苗載部11a…の下端部に配置して設けており、苗載台11の下端部の剛性を補強する部材としての機能も兼用しており、苗載台11は該苗載台11の下端部左右全幅に亘って設けた苗載台スライダー73と前記上部裏面部に苗載台11の左右全幅に亘って固定して設けた左右レール29とで補強された構成となっている。
【0043】
そして、苗載台11の5つの側壁11b…のうち左右外側から2番目の2つの側壁11b・11bには、支持枠28上部と苗載台スライダー73との接触部に油を供給する注油機構78が設けられている。即ち、左右外側から2番目の2つの側壁11b・11bには、注油口79と注油用通路80が一体に形成されており、注油用通路80の下部は苗載台11の底面11eと苗載台スライダー73とで形成された油溜まり部81に連通している。そして、支持枠28の上部角部にはカット面28bを形成し、油溜まり部81に連通する苗載台スライダー73に設けた貫通孔82の下部が該カット面28bと苗載台スライダー73とにより形成される空間部83に連通する構成となっている。尚、84は注油口79を塞ぐ合成樹脂製の蓋であり、蓋84の栓部84aを注油口79に嵌め込んで注油口79を密閉する。また、苗載台11の5つの側壁11b…のうち左右外側から2番目の2つの側壁11b・11bに注油機構78を設けた例を示したが、該注油機構78は5つの側壁11b…のうちの何れの側壁11bに設けても良く、また、全ての側壁11b…に設けても良い。
【0044】
従って、作業者が注油口79を塞ぐ蓋84を注油口79から抜いて開け、注油口79から油を注入すると、油は注油用通路80を通って油溜まり部81に溜まり、油溜まり部81から苗載台スライダー73に設けた貫通孔82を通って支持枠28上部のカット面28bと苗載台スライダー73とにより形成される空間部83に流れ込む。そして、空間部83の油は、支持枠28上部と苗載台スライダー73との接触面(支持枠28上部の前面側85及び上面側86及び後面側87)に流れ込む。そして、注油作業を終えると、作業者は注油口79に蓋84を嵌めて塞ぐ。
【0045】
このようにして支持枠28上部と苗載台スライダー73との接触面(支持枠28上部の前面側85及び上面側86及び後面側87)に注油すると、支持枠28上部に接触して左右往復移動する苗載台スライダー73の接触面部の移動抵抗が少なくなり、苗載台11が適切に左右往復移動すると共に、苗載台スライダー73の左右移動による磨耗が更に少なくなって、長期間使用することができ、更に、耐久性が向上できる。
【0046】
また、苗載台11の側壁11bに注油機構78を設けることによって、支持枠28上部と苗載台スライダー73との接触面に比較的に近い場所から注油できる構成となり、然も、苗載台11の側壁11b内部の空間を有効利用して注油機構78を設けた構成としているので、簡潔で安価な構成で注油機構78を得ることができる。更に、側壁11bの上面に注油口79を設けることによって、作業者は苗載台11の苗載部11a側(苗載台11の前側)の広い空間にて注油作業が行えるので、注油作業が容易であり作業性も良い。
【0047】
次に、各苗載部11a…には載置された苗を間欠的に下方(苗受板31側)へ送る苗送り装置27…について説明する。
苗送り装置27は、各苗載部11a…に各々2ずつ並んで設けた苗送りベルト90により構成されており、苗送りベルト90は下部駆動ローラ91と上部テンションローラ92とに巻き掛けて設けている。そして、下部駆動ローラ91は、苗載台11裏面に回転自在に支持した駆動軸93に回転方向に一体的に回転するように設けられており、該駆動軸93に苗送り従動カム94にて作動する駆動ラチェット機構95が設けられ、後部主フレーム6bには苗送り駆動カム96が回動自在に支軸97にて支持されている。
【0048】
一方、植付伝動ケース8の中央ケース8a内に軸支されたリードカム軸35の右端部には駆動カム98が第1キー99を介してリードカム軸35と一体的に回転し、且つ、リードカム軸35の軸方向に移動自在に設けられている。そして、駆動カム98は、圧縮バネ100にてイ方向に付勢されており、通常は図4のリードカム軸35の段部に接当した仮想線に示す位置にある。一方、従動カム101は、中央ケース8aに回転自在に軸支された従動カム軸102に第2キー103を介して従動カム軸102と一体的に回転し、従動カム101の右端面は従動カム軸102に固定された停止部材104に接当し、従動カム101の左端面と中央ケース8aに設けた軸支部105との間には圧縮バネ106が設けられており、通常は圧縮バネ106に付勢されて図4の実線に示す位置にある。尚、従動カム軸102の右端部は、中央ケース8aの外側に突出して設けられており、該突出した右端部に連結杆107の基部が溶接固定している。また、連結杆107の他端部は、前記苗送り駆動カム96に取付け位置調節機構108を介して連結されている。また、従動カム軸102の軸支部105よりも左側の部位には、リードメタル34と一体の移動部材34cが外嵌合した状態で設けられており、従動カム軸102の左端部にはリードメタル34と一体の移動部材34cが従動カム軸102上を左端部まで移動してきた時に接当する接当部材102aが設けられている。
【0049】
そして、田植作業時に、リードメタル34がリードカム軸35上を右端部にまで移動した時(苗載台11が右端部にまで移動した時)、リードメタル34が駆動カム98を圧縮バネ100に抗して反イ方向に移動させて、回転する駆動カム98が従動カム101に接当して、従動カム101を回転させる。すると、従動カム軸102も回転するので、連結杆107を介して苗送り駆動カム96をロ方向に作動させる。すると、苗送り駆動カム96にて苗送り従動カム94がハ方向に作動し、駆動ラチェット機構95にて駆動軸93が回転し、各苗送り装置27の各苗送りベルト90を回転させて、各苗載部11a…に載置された苗を苗載台11が右端部にまで移動した時に下方(苗受板31側)へ送る。
【0050】
逆に、リードメタル34がリードカム軸35上を左端部にまで移動した時(苗載台11が左端部にまで移動した時)、駆動カム98は圧縮バネ100の付勢力にて図4のリードカム軸35の段部に接当した仮想線に示す位置にあるが、リードメタル34と一体の移動部材34cが従動カム軸102上を左端部まで移動して接当部材102aに接当して、従動カム軸102を圧縮バネ106に抗してニ方向に移動させる。すると、従動カム101も従動カム軸102と共にニ方向に移動し、駆動カム98と接当する位置まで移動する。そこで、回転する駆動カム98が従動カム101に接当して、従動カム101を回転させる。従動カム101の回転により、従動カム軸102も回転するので、連結杆107を介して苗送り駆動カム96をロ方向に作動させる。すると、苗送り駆動カム96にて苗送り従動カム94がハ方向に作動し、駆動ラチェット機構95にて駆動軸93が回転し、各苗送り装置27の各苗送りベルト90を回転させて、各苗載部11a…に載置された苗を苗載台11が左端部にまで移動した時に下方(苗受板31側)へ送る。
【0051】
次に、操縦ハンドル9部の説明をする。
操縦ハンドル9の前側で且つ苗載台11の後側には、車輪5、苗植付装置10及び苗載台11への伝動を断つことができる主クラッチレバー110と、苗植付装置10及び苗載台11への伝動を断ったり油圧昇降シリンダ16を作動させるべく油圧バルブユニットの油路を切り替えたりする植付昇降レバー111とを設けている。前記主クラッチレバー110は、入位置と切位置との2つの操作位置に操作できる構成となっており、主伝動ケース3内の主クラッチC1を操作して伝動状態と非伝動状態とに切り替える。前記植付昇降レバー111は、植付位置、下降位置、中立位置及び上昇位置の4つの操作位置に操作できる構成となっており、定位置植付クラッチ45を操作して植付軸44を駆動状態と非駆動状態とに切り替えると共に、油圧昇降シリンダ16を作動させて左右の車輪5を上下動させる。すなわち、前記植付位置に操作すると、定位置植付クラッチ45を伝動状態にして苗植付装置10及び苗載台11を作動させると共に、機体の自重で左右の車輪5が接地荷重を受けることにより油圧昇降シリンダ16内の油圧を主伝動ケース3内に戻して左右の車輪5を上動させ、機体を下降させてフロート12が接地状態となる。前記下降位置に操作すると、上述のように機体を下降させた状態で、定位置植付クラッチ45を非伝動状態にして苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させる。前記中立位置に操作すると、上述のように苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させた状態で、油圧昇降シリンダ16への油路を遮断して油圧昇降シリンダ16の作動を固定し、左右の車輪5を任意の上下位置で固定して機体の昇降を停止させる。前記上昇位置に操作すると、上述のように苗植付装置10及び苗載台11の作動を停止させた状態で、油圧昇降シリンダ16内へ油圧を供給して左右の車輪5を下動させ、機体を上昇させてフロート12が非接地状態となる。また、中央整地フロート12aの上下動で該中央整地フロート12aの前部に連結されるロッドを介して油圧バルブユニットの油路を切り替える構成となっており、中央整地フロート12aの前部が上動すると油圧昇降シリンダ16内へ油圧を供給して左右の車輪5を下動させる構成となっている。従って、植付昇降レバー111が前記植付位置及び下降位置のとき、中央整地フロート12aが圃場面に接地して上下動することにより該中央整地フロート12aが所望の前後姿勢になるよう左右の車輪5が上下動し、機体が所定の対地高さとなるよう昇降制御される構成となっている。
【0052】
操縦ハンドル9及び苗載台11の前側には、主伝動ケース3内のギヤG1を操作するための変速レバー112と、エンジン2を始動するためのリコイルノブ113とを設けている。尚、機体の前端部にあるエンジン2とリコイルノブ113とは、リコイルロープ114により連結されている。
【0053】
操縦ハンドル9の左右のハンドルグリップ9aの下方には左右各々のサイドクラッチレバー115を設けており、該サイドクラッチレバー115により主伝動ケース3内の左右各々のサイドクラッチSCを操作する構成となっている。
【0054】
エンジン2及び主伝動ケース3の上方には、ボンネットカバー116を設けている。また、エンジン2の上方でボンネットカバー116前部内側には、燃料タンク117を設けている。
【0055】
ボンネットカバー116の後部の上方から植付伝動ケース8の前部の上方にわたる位置には、予備の苗を載せる予備苗載台118を設けている。この予備苗載台118は、棒材を組み合わせた枠体で構成され、主フレーム7の前部主フレーム6aから上方に延びる予備苗載台支持フレーム119に支持されている。予備苗載台118の前後左右の四方には立ち上がり部120・121を設けており、該立ち上がり部120・121により搭載した苗が脱落しないようにしている。予備苗載台118は、長手方向約60cm、短手方向約30cmのマット苗を4枚載置できるように、前後幅が約60cmで左右幅が約120cmの広さになっている。従って、予備苗載台118は、長手方向を前後方向に向けたマット苗を左右に4枚配列して載置できる。また、苗運搬を容易にするためにマット苗を巻いた巻苗rの状態で苗を取り扱うことがあるが、この巻苗rを予備苗載台118に載置することもできる。このとき、前方の立ち上がり部120が他の三方(右方、左方、後方)の立ち上がり部121より高く設定されており、予備苗載台118に載置した巻苗rが転びながら前方に飛び出して脱落しにくいようにしている。これにより、この歩行型田植機1は機体の重心が車輪5の接地位置より前側に位置するために機体の前後傾斜姿勢が前下がり姿勢になりやすいが、機体が前下がり姿勢になっても巻苗rが脱落しにくくなり、植付作業を円滑に行える。特に、機体を上昇させての機体旋回時には機体が大きく前下がり姿勢に変化するが、この機体旋回時の巻苗rの脱落を適確に防止できる。尚、前方の立ち上がり部120の高さ(H)は、予備苗載台118の前後幅(L)を2πで除した値以上に設定されている。従って、前方の立ち上がり部120の高さ(H)が巻苗rの重心と同一か又は高くなるので、巻苗rが前方に脱落しにくくなる。また、前方の立ち上がり部120の左右中央位置(機体幅の左右中央位置)には、機体の左右中央部を示すセンターマスコットCMが設けられている。
【0056】
前記予備苗載台支持フレーム119は、ボンネットカバー116と植付伝動ケース8との間に配置されている。主フレーム7の前部主フレーム6aで予備苗載台支持フレーム119を固定する固定部材122には、ボンネットカバー116の後部を支持するべく斜め前上方に延びるボンネットカバー支持部材123を固着している。これにより、ボンネットカバー支持部材123の支持強度が向上し、ボンネットカバー116を確実にしっかりと支持できる。尚、ボンネットカバー支持部材123を前記固定部材122を介さずに主フレーム6から支持する構成としても、ボンネットカバー支持部材123を固定部材122の近くで支持する構成とすれば、ボンネットカバー支持部材123の支持強度を向上させることができる。また、ボンネットカバー支持部材123を予備苗載台支持フレーム119から支持する構成とすれば、ボンネットカバー支持部材123の支持強度を向上させながら、ボンネットカバー支持部材123を短縮化できてコンパクトにでき、軽量化及びコストダウンが図れる。
【0057】
機体の前部には、機体の前方の障害物からエンジン2、主伝動ケース3及びボンネットカバー116等を防護する防護フレーム124を設けている。この防護フレーム124は、主伝動ケース3の左右側面から左右外側に延びる左右各々の取付部124aと、この左右の取付部124aを連結する機体外縁となる防護部124bとを備えている。該防護部124bは、左右中央部分が左右に真直に延びる水平状で最も前側に位置し、左右外側部分が左右外側へいくにつれて後側に位置する構成となっている。また、防護部124bは、左右中央部分が最も上側に位置し、左右外側部分が左右外側へいくにつれて下側に偏位する構成となっている。防護部124bの左右端部には長孔を有するリンクを介して左右整地フロート12bの前端を連結し、左右整地フロート12bの上下回動範囲を規制している。これにより、左右整地フロート12bの支持部材を防護フレーム124で兼用することができ、機体の軽量化及びコストダウンが図れる。同様に、中央整地フロート12aは、その前端が長孔を有するリンクを介して主伝動ケース3に連結され、上下回動範囲が規制されている。
【0058】
機体をトラックの荷台に積み込んで固定するときには、前記防護部124bの左右中央部分の左右両端に各々ロープを掛けると共に、後部フレーム8の上部に固着したフック125にロープを掛け、機体の3箇所を固定して荷台にしっかりと固定するようになっている。
【0059】
以上により、この歩行型田植機1において、作業者が操縦ハンドル9の左右のハンドルグリップ9aを把持し、植付昇降レバー111を植付位置に操作して機体を下降させると共に植付部を作動可能な状態にし、主クラッチレバー110を入位置に操作して機体を走行させながら苗載台11を左右往復移動させて苗植付装置10を作動させることにより、圃場に同時に4条分の苗を植え付けていく。圃場の畦際に到達すると、植付昇降レバー111を上昇位置に操作して植付部の作動を停止させると共に機体を上昇させ、旋回内側のサイドクラッチレバー41を操作して旋回内側の車輪5のサイドクラッチSCを断ち、機体を旋回させる。この機体旋回時、植付昇降レバー111の上昇位置への操作で機体が上昇作動するが、所望の高さに機体が上昇したときに植付昇降レバー111を中立位置へ操作すれば、その高さで機体を固定することができ、作業者が機体の旋回操作を容易に行える。以下、同様に植付昇降レバー111を植付位置に操作して次行程の植付作業を行い、圃場に苗の植付を行っていく。尚、路上走行時等は、機体を上昇させ、変速レバー112を路上走行用の前進高速状態にして操作して走行させる。
【0060】
そして、この歩行型田植機1の走行車体は、左右の車輪5と、該車輪5を後端部に支持して上下方向に回動する左右各々の走行伝動ケース4と、該走行伝動ケース4と一体で回動する左右各々のアーム21と、油圧昇降シリンダ16のシリンダロッド17の前後方向の移動に追従して前後に移動する中継リンク部材18と、該中継リンク部材18の左右両端と前記アーム21との間を連結する左右各々の連結ロッド20とを設け、シリンダロッド17が機体後方に向けて移動することにより左右の車輪5が下動する構成とし、シリンダロッド17に中継リンク部材18の左右中央部が入り込む切り欠き溝17aを設け、シリンダロッド17と中継リンク部材18とを連結する上下方向の連結軸19を設け、該連結軸19が通るシリンダロッド17又は中継リンク部材18に設けた第一の孔18cの孔径を連結軸19の軸径よりも大きく構成し、前記切り欠き溝17aの底面17bの左右両端部が中継リンク部材18の前面18dに接触して前記底面17bの後方移動に追従して中継リンク部材18が後方に移動する構成とし、左右の連結ロッド20を中継リンク部材18の左右両端の連結部18bにおいて貫通させ、連結ロッド20が貫通する前記連結部18bに設けた第二の孔18b−4の孔径を連結ロッド20の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド20の後端部に設けた固定具となる2個のナット25と前記連結部18bとの間に圧縮ばね22を設けた。
【0061】
従って、この走行車体は、左右の車輪5で走行し、油圧昇降シリンダ16のシリンダロッド17が後方に移動すると、切り欠き溝17aの底面17bの左右両端部が中継リンク部材18の前面18dに接触して中継リンク部材18が後方に移動し、該中継リンク部材18から圧縮ばね22を介して左右の連結ロッド20が作動し、該連結ロッド20の作動でアーム21を介して左右の走行伝動ケース4が下側に回動し、左右の車輪5が下側に移動して車体の対地高さが変わる。圧縮ばね22のばね力は車輪5が下動する側に作用しているので、左右の車輪5の接地荷重に応じて滑らかに車輪5を上下動させることができると共に、圧縮ばね22により中継リンク部材18を前側に押圧するので、中継リンク部材18の前面18dをシリンダロッド17の切り欠き溝17aの底面17bに安定して接触させることができる。また、連結軸19が通る第一の孔18cの孔径を連結軸19の軸径よりも大きく構成し、連結ロッド20が貫通する第二の孔18b−4の孔径を連結ロッド20の軸径よりも大きく構成したので、車体の左右傾斜で左右の車輪5で接地荷重が相違するとき、中継リンク部材18はその前面18dが前記切り欠き溝17aの底面17bの左右両端部の何れかを支点に前後に回動し、左右の連結ロッド20が互いに前後反対側に移動し、接地荷重が大きい側の車輪5が下動し反対側の車輪5が上動し、左右水平姿勢となるよう車体の左右傾斜姿勢が修正される。このとき、切り欠き溝17aに中継リンク部材18の左右中央部が入り込んでいるので、中継リンク部材18を切り欠き溝17aで案内して適正な方向で前後に回動させることができる。また、左右の車輪5の接地荷重の相違が小さいときには、中継リンク部材18が前後に回動せずに中継リンク部材18の前面18dと切り欠き溝17aの底面17bの左右両端部とが接触した状態が維持され、左右の車輪5が相対的に上下動しない。
【0062】
よって、左右の車輪5の接地荷重に応じて滑らかに車輪5を上下動させることができ、車体が不安定になるようなことを防止できると共に、圧縮ばね22により中継リンク部材18の前面18dをシリンダロッド17の切り欠き溝17aの底面17bに安定して接触させることができ、車輪5の上下動を適正に行え、更に従来のようなシリンダロッドと中継リンク部材との間の圧縮ばねが不要になって車輪5の上下動機構の小型化が図れる。また、機体の左右傾斜で左右の車輪5で接地荷重が相違するとき、中継リンク部材18が前後に回動して左右の連結ロッド20が互いに前後反対側に移動し、左右水平姿勢となるよう車体の左右傾斜姿勢が修正され、ローリング油圧シリンダのような格別の駆動装置が不要になり、機体の小型化ひいてはコストダウンが図れる。また、左右の車輪5の接地荷重に応じて車体の左右傾斜姿勢が修正されるので、車体の左右傾斜姿勢を適正に修正できる。このとき、中継リンク部材18が切り欠き溝17aに案内されて適正な方向で前後に回動し、車体の左右傾斜姿勢の修正を適正に行える。更に、左右の車輪5の接地荷重の相違が小さいときには、左右の車輪5が相対的に上下動しないので、左右の車輪5が個別に無闇に上下動することによりかえって車体の左右傾斜姿勢が不安定になるようなことを防止できる。
【0063】
そして、特に、植付伝動ケース8の中央ケース8aの左右両側から突出して設けた横移動棒33と該横移動棒33と平行に配置した苗載台移動体36とを左右アーム37で連結した枠組み構成としたので、苗載台移動体36が横移動棒33の左右往復移動時の撓みを防止する補強部材としての機能を発揮し、且つ、苗載台移動体36を苗載台11に連係して苗載台11を左右往復作動させる構成としたので、横移動棒33の中央ケース8aの左右両側から突出する長さは、苗載台11を左右方向に移動させる長さ(苗載台11の左右方向の移動長さは約27cm)でよく、横移動棒33を極力短いものに構成でき、前記苗載台移動体36が横移動棒33の左右往復移動時の撓みを防止する補強部材としての機能を発揮する構成との相乗効果で、苗載台11を適切に左右往復移動させることができる。
【0064】
また、横移動棒33と苗載台移動体36との固定は、苗載台移動体36に基部を溶接固着した左右アーム37の各々の先端部に設けたU字状係合溝37aを各々該左右螺子部33aに挿し込んでその左右両側から各々ナット38を締めつけた構成としているので、苗載台移動体36の左右苗載台係合アーム39の先端部を各々苗載台11の左右両端部の左右側壁11b下部前面側に形成された係合穴11cに前方側から挿入係合させ、左右アーム37の各々の先端部に設けたU字状係合溝37aを各々左右螺子部33aに対して係合した後に各々ナット38を締めつけることによって、横移動棒33の長さの製造誤差や苗載台移動体36に左右アーム37や左右苗載台係合アーム39を溶接固着する時の製造誤差や苗載台11の製造誤差による係合穴11cの位置のずれ等があっても、適正に横移動棒33と苗載台移動体36とを固定し、且つ、苗載台移動体36を苗載台11に捩れや左右位置ずれ等が発生することなく適正に係合させることができ、苗載台11を適切に左右往復移動させることができる。
【0065】
上記の例では、苗載台移動体36の左右苗載台係合アーム39の先端部を各々苗載台11の左右両端部の左右側壁11b下部前面側に形成された係合穴11cに挿入係合させた例を示したが、苗載台移動体36に3つの苗載台係合アーム39を設けて、左右側壁11bと中央部側壁11bとの3つの側壁11bに係合させても良い。このように、苗載台移動体36の苗載台係合アーム39の数を増やせば、更に適切に苗載台11を左右往復移動させることができる。更には、図11に示すように、苗載台移動体36の長さを横移動棒33の長さと略同じ長さにして、上記の例と同様に苗載台移動体36に基部を溶接固着した左右アーム37にて横移動棒33と連結し、苗載台移動体36の苗載台係合アーム39を苗載台11の中間部の側壁11bに係合させる構成とすれば、横移動棒33と苗載台移動体36とによる苗載台11の移動構成を更に小型の構成とすることができて、機体を軽量なものとすることができる。
【0066】
尚、図12に示すように、6条植え歩行型田植機1を構成する場合には、4条植え歩行型田植機と同じ横移動棒33と苗載台移動体36とを用いて、苗載台移動体36の左右苗載台係合アーム39の先端部を各々苗載台11の左右両端部から一つ内側の側壁11bに形成された係合穴11cに前方側から挿入係合させることによって、苗載台11を左右往復移動させることができる。従って、4条植え歩行型田植機と6条植え歩行型田植機とに横移動棒33と苗載台移動体36とを兼用できるので、製造費が安くなり、安価な歩行型田植機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】歩行型田植機を示す全体側面図である。
【図2】歩行型田植機を示す全体平面図である。
【図3】伝動機構図である。
【図4】植付伝動ケースの作用説明用一部断面である。
【図5】横移動棒と苗載台移動体との連結部を示す要部平面図である。
【図6】要部の作用説明用側面図である。
【図7】苗載台下部の支持構成を示す一部断面側面図である。
【図8】苗載台の注油機構部分を示す一部断面側面図である。
【図9】予備苗載台部分を示す側面図である。
【図10】油圧昇降シリンダと中継リンク部材の平面図である。
【図11】他の例を示す歩行型田植機の全体平面図である。
【図12】他の例を示す6条植え歩行型田植機の後部平面図である。
【符号の説明】
【0068】
10 苗植付装置
11 苗載台
11a 苗載部
11b 側壁
11c 係合穴
33 横移動棒
36 苗載台移動体
37 左右アーム
39 苗載台係合アーム
A 左右往復駆動機構
B 固定位置調節機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右往復駆動機構(A)によって機体の左右方向に往復移動する横移動棒(33)を機体左右方向に設け、該横移動棒(33)に連係した苗載台(11)を側壁(11b)によって仕切られた複数の苗載部(11a)によって構成し、該複数の苗載部(11a)に各々載置された苗から一株分の苗を取出して各々圃場に植付ける複数の苗植付装置(10)を設けた苗植機において、横移動棒(33)の左右両側部と機体左右方向に設けた苗載台移動体(36)を左右アーム(37)によって連結して固定し、該苗載台移動体(36)に基部を固定した苗載台係合アーム(39)の先端部を苗載台(11)の側壁(11b)に連係したことを特徴とする苗植機。
【請求項2】
苗載台係合アーム(39)の先端部を苗載台(11)の側壁(11b)幅内で側壁(11b)に連係したことを特徴とする請求項1記載の苗植機。
【請求項3】
横移動棒(33)と苗載台移動体(36)を左右アーム(37)によって連結して固定する部位に連結固定する左右位置を調節する固定位置調節機構(B)を設け、苗載台係合アーム(39)の先端部を苗載台(11)の側壁(11b)上面に設けた係合穴(11c)に挿し込んで連係したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の苗植機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−289452(P2008−289452A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140701(P2007−140701)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】