説明

苗移植機

【課題】圃場の凹凸等により機体が揺れても予備苗枠の可動部分の揺らぎが抑えられ、積み込んだ補給苗の安定積載が可能な予備苗枠を備えた苗移植機を提供する。
【解決手段】苗移植機は、圃場走行可能な走行車体と、その後部で補給苗により複数条の苗株を植付ける植付部と、走行車体の側部で複数の補給苗を上下に多段格納する予備苗枠とからなり、この予備苗枠には、複数の苗載置部材5a,5bを多段格納配置から前後の直列展開配置までの範囲で可動支持する展開支持機構11と、この展開支持機構11の可動範囲でその配置を切替え保持する切替機構14を設けて構成され、上記予備苗枠は、1以上の苗載置部材5a,5bの上下又はいずれかの側に支柱16aを介して補給苗積載用の補助載置部材16bを備え、かつ、複数の苗載置部材5a,5bおよび展開支持機構11の可動部分を付勢拘束する付勢機構15を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苗載置部材を多段の格納棚状に構成し、植付部に補給するための補給苗を格納積載する予備苗枠を備えた苗移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、植付部に補給するためのマット状の補給苗を格納積載する苗載置部材を三段の格納棚状に構成した予備苗枠を運転台の左右位置に備えた苗移植機が知られている。これら左右の予備苗枠は、それぞれ、苗載置部材を姿勢維持しつつ前後移動させる展開支持機構で可動支持することにより、複数段の格納配置の苗載置部材を機体の前後方向に直列状に展開動作することができる。この予備苗枠を圃場端における補給苗の積込みの際に前後に直列展開することにより、機上の作業スペースを損なうことなく、畦位置から容易に補給苗を搬入することができ、多段格納配置に戻した上で圃場内を植付け走行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−232809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記予備苗枠は、直列展開状態および多段格納状態において、それぞれストッパによって位置決めされるものの、展開支持機構のリンクが回動可能なため、補給苗の積み込み時の作業者の移動や植付け走行時の圃場の凹凸等により機体が揺れると展開支持機構のリンクが動いて積み込んだ補給苗が落下することがあり、その結果、落下した補給苗を作業者が拾い集めねばならず、作業能率の低下、作業者の負担増加の問題を生じるのみならず、苗に傷が付いて生育不良や立ち枯れ等の問題を招く。
【0005】
本発明の目的は、圃場の凹凸等により機体が揺れても予備苗枠の可動部分の揺らぎが抑えられて、積み込んだ補給苗が落下することなく安定積載が可能な予備苗枠を備えた苗移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、圃場を走行するための前輪(2a)及び後輪(2b)を備えた走行車体(3)と、この走行車体(3)の後部で補給苗(M)により複数条の苗株を植付ける植付部(4)と、走行車体(3)の側部で複数の補給苗を上下に多段格納する予備苗枠(5)とで構成し、該予備苗枠(5)には、複数の苗載置部材(5a,5b)を多段格納配置から前後の直列展開配置までの範囲で可動支持する展開支持機構(11)と、該展開支持機構(11)を多段格納配置と直列展開配置の範囲でその配置を切替えて保持する切替機構(14)を設けた苗移植機において、上記予備苗枠(5)は、1つ以上の苗載置部材(5a,5b)の上下又はいずれかの側に支柱(16a)を介して補給苗積載用の補助載置部材(16b)を備え、かつ、複数の苗載置部材(5a,5b)および展開支持機構(11)の可動部分を付勢拘束する付勢機構(15,31)を設けたことを特徴とする。
【0007】
上記予備苗枠(5)は、展開支持機構(11)により可動支持された多段格納配置の苗載置部材(5a,5b)に補助載置部材(16b)を設けたことにより、予備苗枠(5)の積載量を増やすことができるとともに、その可動部分分に付勢機構(15,31)を設けたことにより、圃場の凹凸により機体が傾いたり揺れたりしても予備苗枠(5)の可動部分が付勢拘束される。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記付勢機構を下段の格納位置の苗載置部材(5b)の可動高さ範囲の可動部分と連結する調圧部材(15)によって構成し、該調圧部材(15)は前記苗載置部材(5b)の格納位置より低位に配置したことを特徴とする。
下段の苗載置部材(5b)の格納高さより下位の調圧部材(15)によって付勢機構が構成されることから、付勢機構(15)が作業者の視界を遮ることなく可動部分に作用する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成において、前記付勢機構を上段の格納位置の苗載置部材(5a)の可動高さ範囲の可動部分と連結する調圧部材(15)によって構成し、該調圧部材(15)は前記苗載置部材(5a)の格納位置より高位に配置したことを特徴とする。
上段の苗載置部材(5a)の格納高さより上位の調圧部材(15)により付勢機構が構成されることから、可動部分の不安定な自由動作が抑えられるとともに、予備苗枠(5)の下部に広いスペースが確保される。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項の構成において、前記多段格納配置の苗載置部材(5a,5b)の間に中段の苗載置部材(5c)を設け、該中段の苗載置部材(5c)と連結して上下の苗載置部材(5a,5b)を直列展開位置まで回動する作用リンク(12)と、同中段の苗載置部材(5c)に対して上下段の苗載置部材(5a,5b)の姿勢をそれぞれ規制する上下の規制リンク(12a,12b)とから前記展開支持機構(11)を構成し、前記上下の規制リンク(12a,12b)の間を連結して互いに回動力を作用する調圧部材(31)により前記付勢機構を構成し、且つ上下の規制リンク(12a,12b)それぞれの可動端で可動端方向の回動力を作用する支点越え位置に上記調圧部材(31)を配置したことを特徴とする。
上下の規制リンク(12a,12b)間を連結して互いに回動力を作用する調圧部材(31)によって付勢機構を構成し、両規制リンク(12a,12b)それぞれの可動端で可動端方向の回動力を作用する支点越え位置に上記調圧部材(31)を配置したことから、格納状態から展開状態まで全可動範囲について張圧部材(31)が展開支持機構(11)の自由動作が規制される。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項の構成において、前記切替機構は、前記展開支持機構(11)をその可動範囲で駆動する電動制御による伝動ギヤ機構(14)によって構成したことを特徴とする。
上記展開支持機構(11)は、切替機構を構成する電動制御による伝動ギヤ機構(14)により、「格納状態」と「展開状態」とに切り替えられる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5の構成において、前記伝動ギヤ機構(14)は、偏心ギア機構により構成したことを特徴とする。
上記偏心ギア機構(14)の駆動トルクを展開支持機構(11)の可動位置による負荷変化と対応させることにより、切替機構が一定の駆動負荷で作動可能となる。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項の構成において、前記予備苗枠(5)の基部を構成するベースフレーム(13)に前記展開支持機構(11)を支持するとともに、該ベースフレーム(13)に前後に回動可能に軸支した複数の支持リンク(52,52)の上端に補給苗積載用の補助載置部材(51)を連結して可動支持し、該補助載置部材(51)を上段格納位置の苗載置部材(5a)の上方位置から前記展開支持機構(11)の展開動作と連動して後方に移動させる連動機構(53)を上記支持リンクに設けたことを特徴とする。
上記補給苗積載用の補助載置部材(51)は、複数の支持リンク(52,52)の上端に連結して前後に可動支持され、展開支持機構(11)が展開動作すると支持リンク(52,52)が連動機構(53)により連動動作して補助載置部材(51)が上段格納位置の苗載置部材(5a)の上方位置から後方に移動される。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項の構成において、前記予備苗枠(5)の基部を構成するベースフレーム(13)に前記展開支持機構(11)を支持するとともに、該ベースフレーム(13)に前後に回動可能軸支した複数の支持リンク(42,42)の上端に補給苗積載用の補助載置部材(41)を連結して可動支持し、該補助載置部材(41)を上段格納位置の苗載置部材(5a)の上方位置から展開支持機構(11)の展開動作と連動して前方に移動させる連動機構(43)を上記支持リンク(42,42)に設けたことを特徴とする。
上記補給苗積載用の補助載置部材(41)は、複数の支持リンク(42,42)の上端に連結して前後に可動支持され、展開支持機構(11)が展開動作すると支持リンク(42,42)が連動機構(43)により連動動作して補助載置部材(41)が上段格納位置の苗載置部材(5a)の上方位置から前方に移動される。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明により、予備苗枠(5)は、展開支持機構(11)により可動支持された多段格納配置の苗載置部材(5a,5b)に補助載置部材(16b)を設けたことにより、予備苗枠(5)の積載量を増やすことができるとともに、その可動部分に付勢機構(15,31)を設けたことにより、圃場の凹凸により機体が傾いたり揺れたりしても予備苗枠(5)の可動部分が揺らぐことなく付勢拘束されるので、補給苗の補充場所に戻る頻度が減少して作業能率が向上するとともに、積み込んだ補給苗が落下することなく苗載置部材(5a,5b)に安定積載され、苗を拾う作業が省略されて作業者の労力が軽減される。
【0016】
請求項2の発明により、請求項1の効果に加え、下段の苗載置部材(5b)の格納高さより下位の調圧部材(15)によって付勢機構が構成されることから、付勢機構(15)が作業者の視界を遮ることなく可動部分に作用するので、可動部分の不安定な自由動作が抑えられるとともに、作業者は圃場面を視認しながら機体を操作することができ、機体を直進させやすくなるため苗の植付精度が向上する。
【0017】
請求項3の発明により、請求項1または2のいずれかの効果に加え、上段の苗載置部材(5a)の格納高さより上位の調圧部材(15)により付勢機構が構成されることから、可動部分の不安定な自由動作が抑えられるとともに、予備苗枠(5)の下部に広いスペースを確保することができるので、圃場端で機体前側から機体に乗り込みやすくなるので作業能率が向上する。また、予備苗枠(5)の下部に他の作業用の部材を配置することができるので、様々な作業に対応可能となり、作業適応性が向上する。
【0018】
請求項4の発明により、請求項1から3の1項いずれかの効果に加え、上下の規制リンク(12a,12b)間を連結して互いに回動力を作用する調圧部材(31)によって付勢機構を構成し、上下の規制リンク(12a,12b)それぞれの可動端で可動端方向の回動力を作用する支点越え位置に上記調圧部材(31)を配置したことから、格納状態から展開状態まで全可動範囲について張圧部材(31)が展開支持機構(11)の自由動作を規制し、圃場の凹凸により機体が傾いたり揺れたりしても予備苗枠(5)の可動部分が揺らぐことを防止できるので、積み込んだ苗が予備苗枠(5)から落下することが防止され、苗を拾う作業が省略されて作業者の労力が軽減される。
【0019】
請求項5の発明により、請求項1から4のいずれか1項の効果に加え、上記展開支持機構(11)は、切替機構を構成する電動制御による伝動ギヤ機構(14)により、「格納状態」と「展開状態」とに切り替えられることから、作業者が手作業で切り替えを行う必要がなく、作業能率が向上する。
【0020】
請求項6の発明により、請求項5の効果に加え、上記偏心ギア機構(14)の駆動トルクを展開支持機構(11)の可動位置による負荷変化と対応させることにより、切替機構の作動が一定の駆動負荷によって可能となることから、増設段等によって可動部分のアンバランスがある場合について、小出力のアクチュエータにより製造コストの低減と省エネルギーによる運転コストの低減が可能となる。
【0021】
請求項7の発明により、請求項1から6のいずれか1項の効果に加え、補給苗積載用の補助載置部材(51)は、複数の支持リンク(52,52)の上端に連結して前後に可動支持され、展開支持機構(11)が展開動作すると支持リンク(52,52)が連動機構(53)により連動動作して補助載置部材(51)が上段格納位置の苗載置部材(5a)の上方位置から後方に移動されることから、苗載置部材(5a)の可動範囲との干渉なしに補助載置部材(51)によって多くの補給苗の積載を確保した上で、補助載置部材(51)が低位置に移動するため、作業者が補給苗を積み込みやすくなり作業能率が向上し、また、補助載置部材(51)が多段格納位置から機体後側の植付部(4)の近傍に移動するので、補給苗を植付部(4)に移動させる際の作業能率が向上する。
【0022】
請求項8の発明により、請求項1から6のいずれか1項の効果に加え、補給苗積載用の補助載置部材(41)は、複数の支持リンク(42,42)の上端に連結して前後に可動支持され、展開支持機構(11)が展開動作すると支持リンク(42,42)が連動機構(43)により連動動作して補助載置部材(41)が上段格納位置の苗載置部材(5a)の上方位置から前方に移動されることから、苗載置部材(5a)の可動範囲との干渉なしに補助載置部材(41)によって多くの補給苗の積載を確保した上で、補助載置部材(41)が低位置に移動するため、作業者が補給苗を積み込みやすくなり作業能率が向上し、また、補助載置部材(41)が機体前側に移動するので、機体前方の圃場端から補給苗を予備苗枠に積み込みやすくなり、作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の適用対象の8条植え苗移植機の平面図
【図2】多段格納配置の予備苗枠の要部側面図
【図3】スプリングによる付勢機構の構成例の動作側面図
【図4】上部構成の付勢機構の構成例の展開動作側面図
【図5】ペースト機の予備苗枠の直列展開時の平面見取図(a)と動作側面図(b)
【図6】付勢機構の更に別の構成例の多段格納位置(a)と直列展開位置(b)の要部側面図
【図7】切替機構の要部側面図
【図8】上部増設段の別の構成例の構成説明側面図
【図9】上部増設段の更に別の構成例の構成説明側面図
【図10】下部増設段の構成例の展開状態の要部側面図
【図11】上部増設段の付帯構成例の展開状態の側面図
【図12】上部増設段の別の連動機構の側面図
【図13】上部増設段の更に別の連動機構の側面図(a)および要部拡大図(b)
【発明を実施するための形態】
【0024】
上記技術思想に基づいて具体的に構成した発明の実施形態について、以下に図面に沿って詳細に説明する。
図1は8条植苗移植機の平面図である。この苗移植機1は、圃場を走行するための前輪2a,2a及び後輪2b,2bを備えた走行車体3と、この走行車体3の後部で植付条別の苗タンク4aに受けた補給苗により複数条の苗株を植付ける植付部4と、走行車体3の両側部に支持した補給苗格納用の苗載置部材である複数の予備苗載せ台5a,5b,5cを上下に3段格納構成した予備苗枠5と、操向ハンドル6a、操縦席6b等の操縦機器を備える運転台6その他を設けて構成される。
【0025】
予備苗枠5は、図2の拡大側面図に示すように、補給苗格納用の複数の予備苗載せ台5a,5b,5cと、これら予備苗載せ台5a,5b,5cをそれぞれの側方で支持する展開支持機構11とによって構成し、この展開支持機構11は、複数の予備苗載せ台5a,5b,5cを上下に多段格納構成するとともに、中段配置の予備苗載せ台5cを中心に上段配置の予備苗載せ台5aを前端位置に、下段配置の予備苗載せ台5bを後端位置に前後展開可能に可動支持する複合リンクをベースフレーム13に支持することにより構成する。
【0026】
詳細には、各予備苗載せ台5a,5b,5cに支点11a…を設け、全予備苗載せ台5a,5b,5cとそれぞれ連結する作用リンク12と、中段の予備苗載せ台5cに対して上段の予備苗載せ台5aの姿勢を相対規制する規制リンク12aと、中段の予備苗載せ台5cに対して下段の予備苗載せ台5bの姿勢を相対規制する規制リンク12bとによって複合リンクを構成し、ベースフレーム13に設けた2支点13a,13aに作用リンク12および一方の規制リンク12bを軸支する。
【0027】
作用リンク12には作用ギヤ14を一体に設け、この作用ギヤ14は必要により扇型の部分ギヤとし、多段格納位置の予備苗載せ台5a,5b,5cが前後方向に直列する展開位置までの範囲で電動制御可能なアクチュエータ14aによって両可動端位置で保持する切替機構を構成するとともに、複合リンク12,12a,12bおよび予備苗載せ台5a,5b,5c等の可動部分を付勢拘束するスプリング15等の調圧部材をベースフレーム13に取付けて付勢機構を構成する。
【0028】
また、予備苗枠5の1以上の予備苗載せ台5a,5b,5cについて、支柱16aを介してその上下又はいずれかの側に補給苗積載用の補助載置部材である補助苗載せ台16bを設けて増設段を形成する。例えば、最前位置に直列展開される上段格納位置の予備苗載せ台5aからその上方に支柱16aを介して補助苗載せ台16bを配置する。
【0029】
上記のように予備苗枠5を構成することにより、植付部4によって複数条の苗株を植え付け走行する走行車体3の両側部に支持される予備苗枠5,5において、それぞれ3段格納構成の予備苗載せ台5a,5b,5cが展開支持機構11によって前後に直列展開可能となり、これら3段の予備苗載せ台5a,5b,5cについて、支柱16aを介して補給苗積載用の補助苗載せ台16bを設けることによって増設段が形成されることから、予備苗載せ台5a,5b,5cの直列展開動作を確保しつつ、増設段を加えた4段の格納構成により、機上の作業スペースを確保した上で補給苗の格納量を増やして8条植え等の多条植付けに対応することができる。
【0030】
また、直列展開時の最前位置の予備苗載せ台5aの上方に増設段の補助苗載せ台16bを配置したことから、直列展開による前端の予備苗載せ台5aの前方から補給苗を積込む際に、予備苗載せ台5aの上段に配置の補助苗載せ台16bにも予備苗載せ台5aと同様に積込むことができる。
【0031】
この場合において、予備苗枠5の付勢機構は、図3の動作側面図に示すように、ベースフレーム13の基部に取付けたスプリング15等による調圧部材を下段の格納位置の予備苗載せ台5bに連結して構成する。このスプリング15は、展開位置を含む全可動範囲について可動部分の下側から弾発力を作用することから、圃場の凹凸により機体が傾いたり揺れたりしても予備苗枠5が揺らぐことなく付勢拘束することができ、補給苗の補充場所に戻る頻度が減少して作業能率が向上するとともに、積み込んだ補給苗が落下することなく予備苗載せ台5a,5b,5cに安定積載され、苗を拾う作業が省略されて作業者の労力が軽減される。
【0032】
また、予備苗枠5の複合リンク12,12a,12bは、予備苗載せ台5a,5b,5cを多段格納位置から展開位置へ移動するとき、上段及び中段の予備苗載せ台5a,5cが前側に移動し下段の予備苗載せ台5bが後側へ移動する構成であり、前側へ移動する予備苗載せ台の数(2個)と後側へ移動する予備苗載せ台(1個)の数が異なり、更に、補助苗載せ台16bを、前側への移動と後側への移動のうち移動する予備苗載せ台の数が多い側(前側)で且つ展開位置へ移動したときに前後方向の最端(前端)となる予備苗載せ台である上段の予備苗載せ台5aと一体で支持しているため、このアンバランスにより予備苗載せ台の移動の負荷が大きくなるが、前記調圧部材(スプリング15)により、多段格納位置から展開位置への移動行程中の始端側ではその移動を付勢し、スプリング15の死点越えで付勢方向が転じて移動行程中の終端側では、前記アンバランスによる加勢を抑えて拘束できる。逆に、展開位置から多段格納位置への移動行程中の始端側ではその移動を付勢し、スプリング15の死点越えで付勢方向が転じ、上段及び中段の予備苗載せ台5a,5c及び補助苗載せ台16bの移動方向が下側に転じた後の移動行程中の終端側では、前記アンバランスによる加勢を抑えて拘束できる。従って、予備苗載せ台及び補助苗載せ台を円滑に移動させることができる。
【0033】
また、下段の格納位置の予備苗載せ台5bの可動高さ範囲の可動部分にスプリング15等の調圧部材を連結し、この調圧部材は、ベースフレーム13の低位置に形成した支点13bにより上記予備苗載せ台5bの格納位置より低位置に付勢機構を構成することにより、調圧部材が下段の予備苗載せ台5bの格納高さより下位となることから、補助苗載せ台16bを含む全予備苗載せ台5a,5b,5cについて、多段格納位置から直列展開位置までの全可動範囲における補給苗の積載部分の視界が確保され、付勢機構が作業者の視界を遮ることなく可動部分に作用するので、可動部分の不安定な動作が抑えられるとともに、作業者は圃場面を視認しながら機体を操作することができ、機体を直進させやすくなるため苗の植付精度を向上することが可能となる。
【0034】
なお、引張型のスプリング15の代わりに伸長型のスプリングダンパー、ガスダンパー等によって可動端方向に付勢する調圧部材を用いることにより、可動部分の拘束性が確保されるとともに、切替機構の制御によることなく、多段格納位置と直列展開位置の両可動端において、可動部分の安定保持が可能となる。
【0035】
次に、予備苗枠5の上部構成の付勢機構の構成例について説明すると、図4の展開位置の動作側面図に示すように、付勢機構は、上段の格納位置の予備苗載せ台5aの可動高さ範囲の可動部分にスプリング15等の調圧部材を連結し、この調圧部材は、ベースフレーム13を立上げて高位置に形成した支点13cにより予備苗載せ台5aの格納位置より高位置に取付ける。
【0036】
上記構成の付勢機構は、上段の予備苗載せ台5aの格納高さより上位に取付けた調圧部材によって構成されることから、可動部分の不安定な動作が抑えられるとともに、予備苗枠5の下部に広いスペースを確保することができるので、圃場端で機体前側から機体に乗り込みやすくなるので作業能率が向上する。また、予備苗枠5の下部に他の作業用の部材を配置することができ、様々な作業に対応可能となるので、作業適応性が向上する。
【0037】
この場合において、ペースト機の予備苗枠5は、図5の直列展開時の平面見取図(a)と動作側面図(b)に示すように、直列展開位置において前後位置の予備苗載せ台5a,5bの中間位置となる予備苗載せ台5cについて、蓋付きの開口21をペースト肥料充填口22に合わせた位置に構成する。ペースト肥料を充填する際は、予備苗載せ台5cの開口21を開くことにより、その下方に確保されるスペースを介してペースト肥料充填口22に効率よくペースト肥料を充填することができるので、ペースト機の操作性を向上することができる。
【0038】
次に、予備苗枠5の付勢機構の更に別の構成例について説明すると、図6の多段格納位置(a)と直列展開位置(b)の要部側面図に示すように、上下の格納位置の予備苗載せ台5a,5bの上下の規制リンク12a,12bについて、中段の予備苗載せ台5cとそれぞれ連結する支点11a,11aの近傍を支点越えスプリング31によって連結することにより、該上下の規制リンク12a,12bの間に互いに回動力を作用させ、かつ、多段格納位置と直列展開位置の両可動端で可動端方向の回動力を作用することにより、予備苗枠5の可動部分を可動端に安定して保持するコンパクトな付勢機構を構成することができる。
【0039】
すなわち、上下の規制リンク12a,12bの一端から屈曲してそれぞれモーメントアーム32,32を一体に形成してスプリング31の負荷支点32a,32aを形成する。これら両負荷支点32a,32aは、多段格納位置と直列展開位置において、それぞれ中段の予備苗載せ台5cと連結する2つの支点11a,11aを通る直線Lを間に挟み、かつ、多段格納位置と直列展開位置との中間位置において、両負荷支点32a,32aが同時に直線L上に位置して支点越えすることにより同方向のモーメントを上下の規制リンク12a,12bに作用するように配置する。
【0040】
上記構成の付勢機構は、スプリング31の引張力が負荷支点32a,32aに作用し、この作用下にある両負荷支点32a,32aが上記直線Lを境としてそれぞれの属する側において可動端に向かう方向のモーメントを上下の規制リンク12a,12bに作用することから、コンパクトな付勢機構により、支点越えする中間位置の時点を除き、予備苗枠5の可動部分の全可動範囲の任意の位置について、可動部分の自由動作を抑えて安定保持することができる。
【0041】
次に、展開支持機構の駆動機構について説明する。
展開支持機構の駆動機構は、図7の要部側面図に示すように、手作業による作業者負荷を要することなく、かつ、増設段等によるアンバランスに対応して可動部分を切替え駆動するために、展開支持機構11をその可動範囲で駆動する電動制御によるギヤ機構によって構成する。すなわち、作用リンク12をベースフレーム13の支点13aに軸支するとともに、その軸線と共通に作用リンク12と一体に作用ギヤ14を設け、この作用ギヤ14と噛合するピニオン14aを減速モータによって電動制御可能に駆動することにより、可動部分を所要の位置に保持可能に構成する。
【0042】
また、上記作用ギヤ14とピニオン14aとによるギヤ機構は、その駆動トルクを展開支持機構11の可動位置による負荷変化と対応させて偏心伝動することにより、切替機構が一定の駆動動力によって作動可能となることから、上段の予備苗載せ台5aの上側に設けた補助苗載せ台16bによるアンバランスな構成によって可動範囲の駆動負荷が変化する場合について、アシスト用の付勢機構を要することなくトルク不足を回避して可動部分を安定動作させることができ、小出力のアクチュエータによる製造コストの低減と省エネルギーによる運転コストの低減が可能となるとともに、モータ負荷が特定の箇所にのみ掛かるので、負荷による消耗が均一化される。
【0043】
次に、上部増設段の別の構成例について説明すると、図8の構成説明側面図に示すように、予備苗枠5の展開支持機構11を支持するベースフレーム13の上部から予備苗載せ台5aの上方位置に補給苗積載用の補助苗載せ台41を可動支持し、この補助苗載せ台41を展開支持機構11の展開動作と連動して前方移動可能な最上部の増設段を構成する。
【0044】
詳細には、ベースフレーム13の上端部に2つの支点13d,13dを前後配置に設け、これら2つの支点13d,13dからその上方に所定の姿勢を保持する複数の支持リンク42,42を介して補助苗載せ台41をその前後の支点41a,41aで支持し、その一方の支持リンク42の支点13d側に展開支持機構11の作用ギヤ14と噛合するギヤ列による連動機構43を連結し、この連動機構43による支持リンク42の傾動動作によって補助苗載せ台41が上段格納配置の予備苗載せ台5aの上方位置から前方に移動動作するように構成する。
【0045】
上記構成の補助苗載せ台41は、複数の支持リンク42,42の上端に連結して前後に可動支持され、展開支持機構11が展開動作すると連動機構43によりそのギヤ比に応じて支持リンク42,42が傾動動作して補助苗載せ台41が上段格納位置の予備苗載せ台5aとともにその上方位置から前方に移動される。
【0046】
したがって、予備苗載せ台5aの可動範囲との干渉動作のない補助苗載せ台41によって全段を等間隔に最小高さで予備苗枠5を構成することができるとともに、多くの補給苗の積載を確保した上で、展開支持機構11の展開動作によって補助苗載せ台41の配置高さが最上部から低位置に移動されるため、補給苗の積込作業能率を向上することができる。
【0047】
また、展開支持機構11の展開動作によって補助苗載せ台41が多段格納位置から機体前側に移動するので、機体前方の圃場端から補給苗を予備苗枠5に積込む際の作業能率を向上することができる。さらに、補助苗載せ台41を運転台6の作業者の近傍位置で高く保持するように連動機構43のギヤ比を小さく設定することにより、下方の直列展開状態の予備苗載せ台5a,5b,5cの操作スペースを確保しつつ、補助苗載せ台41を苗の空箱置場として狭い機上において効率よく作業を進めることができる。
【0048】
次に、上部増設段の更に別の構成例について説明すると、図9の動作説明側面図に示すように、予備苗枠5の展開支持機構11を支持するベースフレーム13の上部から予備苗載せ台5aの上方位置に補給苗積載用の補助苗載せ台51を可動支持し、この補助苗載せ台51を展開支持機構11の展開動作と連動して後方移動可能な最上部の増設段を構成する。
【0049】
詳細には、ベースフレーム13の上端部に2つの支点13d,13dを前後配置に設け、これら2つの支点13d,13dからその上方に所定の姿勢を保持する複数の支持リンク52,52を介して補助苗載せ台51をその前後の支点51a,51aで支持し、その一方の支持リンク52の支点13d側に展開支持機構11の作用ギヤ14と噛合するギヤ列による連動機構53を連結し、この連動機構53による支持リンク52の傾動動作によって補助苗載せ台51が上段格納配置の予備苗載せ台5aの上方位置から後方に移動動作するように構成する。
【0050】
上記構成の補助苗載せ台51は、複数の支持リンク52,52の上端に連結して前後に所定姿勢で可動支持され、展開支持機構11が展開動作すると支持リンク52,52が連動機構53によりそのギヤ比に応じて傾動動作して補助苗載せ台51が上段格納配置の予備苗載せ台5aの上方位置から後方に移動される。
【0051】
したがって、予備苗載せ台5aの可動範囲との干渉動作のない補助苗載せ台51によって全段を等間隔に最小高さで予備苗枠5を構成することができるとともに、多くの補給苗の積載を確保した上で、展開支持機構11の展開動作によって補助苗載せ台51の配置位置が前側低位置に移動するため、補給苗の積み込作業能率を向上することができる。また、補助苗載せ台51が機体後側の植付部4の近傍に移動するので、補給苗を植付部4に補給する作業の能率を向上することができるとともに、植付部4に補給した苗の空箱置場として補助苗載せ台51を使用することにより、狭い機上において効率よく作業を進めることができる。
【0052】
次に、下部増設段の構成例について説明すると、図10の展開状態の要部側面図に示すように、下段格納配置の予備苗載せ台5bを前方Fに直列展開可能に展開支持機構11を構成し、予備苗載せ台5bの下面側に支柱16aを介してその下方に補給苗積載用の補助苗載せ台16bを設けて下部増設段を形成することにより、この補助苗載せ台16bによって多くの補給苗の積載を確保した上で、直列展開状態においてその予備苗載せ台5bの上側に補給苗の積込み作業のための広い操作空間を確保することができる。
【0053】
次に、上部増設段の付帯構成例について説明すると、図11の展開状態の側面図に示すように、上段格納配置の予備苗載せ台5aを前方Fに直列展開可能に展開支持機構11を構成し、予備苗載せ台5aの上側に支柱16aを介して補助苗載せ台16bを設けた場合において、下段格納配置の予備苗載せ台5bの下面側にカウンタウェート61を取付けることにより、スプリング等の付勢部材を要することなく、省スペースで構成することができる。
【0054】
次に、上部増設段の別の連動機構の構成例について説明すると、図12の側面図に示すように、予備苗枠5の展開支持機構11を支持するベースフレーム13の上部から上段格納配置の予備苗載せ台5aの上方位置に補給苗積載用の補助苗載せ台71を昇降動作可能に可動支持し、この補助苗載せ台71を連動機構72によって展開支持機構11の展開動作と連動して上昇動作可能に最上部の増設段を構成する。
【0055】
詳細には、ベースフレーム13に上下動作可能に支柱71aをスライド嵌合し、この支柱71aを介して上段格納位置の予備苗載せ台5aの上方位置に補給苗積載用の補助苗載せ台71を設けるとともに、支柱71aを昇降動作させるように溝カム72を展開支持機構11の作用ギヤ14に形成することにより、展開支持機構11の作用リンク12の傾動動作と連動して所定のストロークで補助苗載せ台71を上昇させる連動機構を構成する。
【0056】
上記構成の補助苗載せ台71は、多段格納配置の予備苗載せ台5a,5b,5cが展開支持機構11によって直列展開配置に移行するときに、上段位置の予備苗載せ台5aが前方に移動するとともに溝カム72による連動機構を介して所定の高さ位置まで上昇される。このように、予備苗枠5を直列展開する際に、上段格納位置の予備苗載せ台5aの直列展開動作と対応して補助苗載せ台71がその上方位置で更に上昇し、予備苗載せ台5a上の補給苗が補助苗載せ台71と干渉することが無いので、予備苗枠5の上部増設段としての補助苗載せ台71を比較的低位置の標準位置で使いやすく、見栄えもよく構成するこができる。
【0057】
また、図13の側面図(a)に示すように、予備苗枠5のベースフレーム13の頂部には、補助苗載せ台71を予備苗載せ台5aの上方位置に所定のストロークで上下動作可能に支持する前後配置の二つの支柱73,73をスライド嵌合する。これら支柱73,73の基部には、図13の要部拡大図(b)に示すように、スライドストロークの上限位置に弾発支持するためのスプリング74,74と、展開支持機構11の作用リンク12および規制リンク12aと干渉することにより多段格納状態でスライドストロークの下限位置に保持するための係合部73a,73aをそれぞれ設ける。
【0058】
上記構成の補助苗載せ台71は、前後配置の支柱73,73によって所定のストロークで上下動作可能に支持され、多段格納状態では、それぞれの係合部73a,73aが展開支持機構11の作用リンク12および規制リンク12aとの干渉により、スプリング74,74の弾発力に抗して両支柱73,73を介してスライドストロークの下限位置に補助苗載せ台71を保持し、また、直列展開状態では、係合部73a,73aが展開支持機構11の作用リンク12および規制リンク12aの干渉範囲を外れることにより、スプリング74,74の弾発力により両支柱73,73を介してスライドストロークの上限位置に補助苗載せ台71が保持される。
【0059】
このように、予備苗枠5を直列展開する際に、上段格納位置の予備苗載せ台5aの直列展開動作と対応して補助苗載せ台71がその上方位置で更に上昇し、予備苗載せ台5a上の補給苗が補助苗載せ台71と干渉することが無いので、予備苗枠5の上部増設段としての補助苗載せ台71を比較的低位置の標準位置で使いやすく、見栄えもよく構成するこができる。
【符号の説明】
【0060】
1 苗移植機
3 走行車体
4 植付部
5 予備苗枠
5a 予備苗載せ台(苗載置部材)
5b 予備苗載せ台(苗載置部材)
5c 予備苗載せ台(苗載置部材)
6 運転台
11 展開支持機構
11a 支点
12 作用リンク(複合リンク)
12a 規制リンク(複合リンク)
12b 規制リンク(複合リンク)
13 ベースフレーム
14 作用ギヤ(切替機構)
15 スプリング(付勢機構)
16b 補助苗載せ台(補助載置部材)
16a 支柱
31 スプリング(付勢機構)
32 モーメントアーム
32a 負荷支点
41 補助苗載せ台(補助載置部材)
41a 支点
42 支持リンク
43 連動機構
51 補助苗載せ台(補助載置部材)
51a 支点
52 支持リンク
53 連動機構
F 前方
L 直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場を走行するための前輪(2a)及び後輪(2b)を備えた走行車体(3)と、この走行車体(3)の後部で補給苗(M)により複数条の苗株を植付ける植付部(4)と、走行車体(3)の側部で複数の補給苗を上下に多段格納する予備苗枠(5)とで構成し、該予備苗枠(5)には、複数の苗載置部材(5a,5b)を多段格納配置から前後の直列展開配置までの範囲で可動支持する展開支持機構(11)と、該展開支持機構(11)を多段格納配置と直列展開配置の範囲でその配置を切替えて保持する切替機構(14)を設けた苗移植機において、
上記予備苗枠(5)は、1つ以上の苗載置部材(5a,5b)の上下又はいずれかの側に支柱(16a)を介して補給苗積載用の補助載置部材(16b)を備え、かつ、複数の苗載置部材(5a,5b)および展開支持機構(11)の可動部分を付勢拘束する付勢機構(15,31)を設けたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記付勢機構を下段の格納位置の苗載置部材(5b)の可動高さ範囲の可動部分と連結する調圧部材(15)によって構成し、該調圧部材(15)は前記苗載置部材(5b)の格納位置より低位に配置したことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。
【請求項3】
前記付勢機構を上段の格納位置の苗載置部材(5a)の可動高さ範囲の可動部分と連結する調圧部材(15)によって構成し、該調圧部材(15)は前記苗載置部材(5a)の格納位置より高位に配置したことを特徴とする請求項1または2記載の苗移植機。
【請求項4】
前記多段格納配置の苗載置部材(5a,5b)の間に中段の苗載置部材(5c)を設け、該中段の苗載置部材(5c)と連結して上下の苗載置部材(5a,5b)を直列展開位置まで回動する作用リンク(12)と、同中段の苗載置部材(5c)に対して上下段の苗載置部材(5a,5b)の姿勢をそれぞれ規制する上下の規制リンク(12a,12b)とから前記展開支持機構(11)を構成し、前記上下の規制リンク(12a,12b)の間を連結して互いに回動力を作用する調圧部材(31)により前記付勢機構を構成し、且つ上下の規制リンク(12a,12b)それぞれの可動端で可動端方向の回動力を作用する支点越え位置に上記調圧部材(31)を配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項5】
前記切替機構は、前記展開支持機構(11)をその可動範囲で駆動する電動制御による伝動ギヤ機構(14)によって構成したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項6】
前記伝動ギヤ機構(14)は、偏心ギア機構により構成したことを特徴とする請求項5記載の苗移植機。
【請求項7】
前記予備苗枠(5)の基部を構成するベースフレーム(13)に前記展開支持機構(11)を支持するとともに、該ベースフレーム(13)に前後に回動可能に軸支した複数の支持リンク(52,52)の上端に補給苗積載用の補助載置部材(51)を連結して可動支持し、該補助載置部材(51)を上段格納位置の苗載置部材(5a)の上方位置から前記展開支持機構(11)の展開動作と連動して後方に移動させる連動機構(53)を上記支持リンクに設けたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の苗移植機。
【請求項8】
前記予備苗枠(5)の基部を構成するベースフレーム(13)に前記展開支持機構(11)を支持するとともに、該ベースフレーム(13)に前後に回動可能軸支した複数の支持リンク(42,42)の上端に補給苗積載用の補助載置部材(41)を連結して可動支持し、該補助載置部材(41)を上段格納位置の苗載置部材(5a)の上方位置から展開支持機構(11)の展開動作と連動して前方に移動させる連動機構(43)を上記支持リンク(42,42)に設けたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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