蓄電装置、車両及び温度情報取得ユニット
【課題】発電要素に加わる負荷を制限しながら、発電要素の温度をより正確に検出できる蓄電装置を提供することを目的とする。
【解決手段】充放電を行う発電要素11と、発電要素11の温度に関する情報を取得するセンサユニット30と、発電要素11及びセンサユニット30を収容する電池ケース10とを有し、センサユニット30は、発電要素11に沿って配置されるフレキシブル基板31と、フレキシブル基板31に形成されるサーミスタ素子32と、フレキシブル基板31に形成され、サーミスタ素子32で検出された情報を外部に出力する信号線33と、を有し、信号線33には、フレキシブル基板31の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部33Bが形成されており、接続部33Bに対してサーミスタ素子32を接続する
【解決手段】充放電を行う発電要素11と、発電要素11の温度に関する情報を取得するセンサユニット30と、発電要素11及びセンサユニット30を収容する電池ケース10とを有し、センサユニット30は、発電要素11に沿って配置されるフレキシブル基板31と、フレキシブル基板31に形成されるサーミスタ素子32と、フレキシブル基板31に形成され、サーミスタ素子32で検出された情報を外部に出力する信号線33と、を有し、信号線33には、フレキシブル基板31の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部33Bが形成されており、接続部33Bに対してサーミスタ素子32を接続する
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電要素の温度を検出する機能を持った蓄電装置、車両及び温度情報取得ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池が高温又は低温となったときに、二次電池の性能が低下してしまうことが知られている。このため、二次電池の温度を検出し、この検出結果に基づいて、二次電池の充放電を制御するようにしているものがある(例えば、特許文献1−3参照)。
【0003】
ここで、二次電池は、放熱性等の理由によって、内部の温度が他の部分の温度よりも高くなる傾向がある。そこで、特許文献1に記載の二次電池では、電極体が巻かれる巻芯に熱電対を取り付け、熱電対の両端における電圧値を測定することにより、二次電池の内部における温度を検出するようにしている。
【特許文献1】特開平10−55825号公報(段落0017、0021、図2等)
【特許文献2】特開2001−102098号公報
【特許文献3】特開2003−317701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱電対は、一般的に、金属体で構成されており、電極体よりも剛性が高くなっている。したがって、熱電対が設けられた位置では、他の位置よりも電極体への荷重が大きくなってしまい、二次電池の性能に悪影響を与えることがある。
【0005】
本発明は、主に、発電要素に加わる負荷を制限しながら、発電要素の温度をより正確に検出できる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の蓄電装置は、(1)充放電を行う発電要素と、前記発電要素の温度に関する情報を取得する温度情報取得ユニットと、前記発電要素及び前記温度情報取得ユニットを収容するケースとを有し、前記温度情報取得ユニットは、
前記発電要素に沿って配置されるフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に形成される薄膜の温度情報検出素子と、前記フレキシブル基板に形成され、前記温度情報検出素子で検出された情報を外部に出力する信号線と、を有し、前記信号線には、前記フレキシブル基板の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部が形成されており、前記接続部に対して前記温度情報検出素子を接続したことを特徴とする。
【0007】
(1)の構成によれば、フレキシブル基板を用いることにより、発電要素に加わる負荷を軽減できる。また、温度情報検出素子が接続される信号線の接続部の厚みを薄くすることにより、温度情報検出素子及び接続部の接続強度を向上させることができる。
【0008】
(2)(1)の構成において、前記信号線を、信号本線部と、前記接続部とから構成し、前記信号本線部及び前記接続部の前記板厚方向の厚みをそれぞれX1及びX2としたときに、X2<X1≦45X2なる条件を満足させるのが好ましい。これにより、温度情報検出素子及び接続部の接続強度をより一層向上させることができる。
【0009】
(3)(1)の構成において、前記信号線を、信号本線部と、前記接続部と、前記信号本線部及び前記接続部を接続する中間部とから構成し、前記中間部は、前記板厚方向の厚みが前記接続部よりも大きく、前記信号本線部よりも小さくするのが好ましい。これにより、温度情報検出素子及び接続部の接続強度をより一層向上させることができる。
【0010】
(4)(3)の構成において、前記中間部、前記接続部及び前記温度情報検出素子の前記板厚方向の厚みをそれぞれX1、X2及びX3としたときに、X1≦45X2=45X3なる条件を満足させるのが好ましい。
【0011】
(5)(1)〜(4)の温度情報取得ユニットは、温度情報検出素子及び接続部の接続強度が高いため、前記発電要素の屈曲した面に沿って配置することができる。温度検出の可能な位置を増やすことができる。
【0012】
(6)(1)〜(5)の構成において、前記温度情報取得ユニットを、前記発電要素の内部に配置する場合には、前記発電要素における充放電を許容する開口部を設けるのが好ましい。これにより、発電要素の充放電を確実に行うことができる。
【0013】
(7)(1)〜(6)の構成において、前記フレキシブル基板、前記温度情報検出素子及び前記信号線はそれぞれポリイミド、白金及び銅から構成することができる。これにより、電解液に対する耐腐食性を高めることができる。
【0014】
(1)〜(7)に記載の蓄電装置は、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車などに搭載することができる。
【0015】
(9)本願発明の温度情報取得ユニットは、充放電を行う発電要素とともに蓄電装置のケース内に収容され、前記発電要素の温度に関する情報を取得するために用いられる温度情報取得ユニットであって、前記発電要素に沿って配置されるフレキシブル基板と前記フレキシブル基板に形成される薄膜の温度情報検出素子と、前記フレキシブル基板に形成され、前記温度情報検出素子で検出された情報を外部に出力する信号線と、を有し、前記信号線には、前記フレキシブル基板の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部が形成されており、前記接続部に対して前記温度情報検出素子を接続したことを特徴とする。
【0016】
(9)の構成によれば、フレキシブル基板を用いることにより、発電要素に加わる負荷を軽減できる。また、温度情報検出素子が接続される信号線の接続部の厚みを薄くすることにより、温度情報検出素子及び接続部の接続強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、発電要素に加わる負荷を制限しながら、発電要素の温度をより正確に検出できる蓄電装置及び温度情報取得ユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1である二次電池としての単電池(蓄電装置)について説明する。
【0019】
図1及び図2は、本実施例の単電池の構成を示す図であり、互いにX方向において異なる方向から見たときの図である。また、図1及び図2には、単電池の内部における構成も示している。ここで、図1及び図2に示すX、Y及びZ軸は、互いに直交する軸を示している。
【0020】
単電池1は、電池ケース(ケース)10と、電池ケース10の内部に収容された発電要素11とを有している。発電要素11とは、充放電を行うことができる要素であり、図3に示すように、電池ケース10の内部において巻かれた状態で収容されている。ここで、図3は、単電池1をX−Z面で切断したときの断面図である。
【0021】
発電要素11は、図4に示すように、正極体12と、負極体13と、正極体12及び負極体13の間に配置されたセパレータ14とで構成されている。ここで、正極体12は、集電体と、集電体の表面に形成された正極層とで構成されている。正極層は、集電体の片面又は両面に形成することができる。正極層とは、正極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。
【0022】
また、負極体13は、集電体と、集電体の表面に形成された負極層とで構成されている。負極層は、集電体の片面又は両面に形成することができる。負極層とは、負極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。
【0023】
なお、集電体の一方の面に正極層を形成し、集電体の他方の面に負極層を形成した電極(いわゆるバイポーラ電極)を用いることもできる。また、本実施例では、電解液を用いているが、粒子で形成された固体電解質を用いることもできる。固体電解質としては、高分子固体電解質や無機固体電解質がある。
【0024】
さらに、本実施例では、図1〜図3に示すように、単電池1をいわゆる角型の構成としているが、これに限るものではなく、いわゆる円筒型の構成とすることもできる。すなわち、電池ケース10を矩形状又は円筒形状とし、この電池ケース10の内部に収容されるように、発電要素11を巻いた状態とすればよい。
【0025】
ここで、単電池1がニッケル−水素電池である場合には、正極層の活物質として、ニッケル酸化物を用い、負極層の活物質として、MmNi(5−x−y−z)AlxMnyCoz(Mm:ミッシュメタル)等の水素吸蔵合金を用いることができる。また、単電池1がリチウムイオン電池である場合には、正極層の活物質として、リチウム−遷移金属複合酸化物を用い、負極層の活物質として、カーボンを用いることができる。また、導電剤として、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブを用いることができる。
【0026】
図1及び図2において、発電要素11の正極体12に接続された正極タブ12aには、正極端子21が電気的及び機械的に接続されている。ここで、正極端子21に接続される正極タブ12aは、図1及び図2に示すように、巻かれた状態の発電要素11のうちY方向における一端部から突出している。正極タブ12aは、正極体12の集電体と一体として構成することもできるし、別体として構成することもできる。
【0027】
また、発電要素11の負極体13に接続された負極タブ13aには、負極端子22が電気的及び機械的に接続されている。ここで、負極端子22に接続される負極タブ13aは、巻かれた状態の発電要素11のうちY方向における他端部から突出している。負極タブ13aは、負極体13の集電体と一体として構成することもできるし、別体として構成することもできる。
【0028】
正極端子21及び負極端子22は、電池ケース10の上面から突出しており、配線(不図示)を介して電子機器(不図示)に電気的に接続される。これにより、単電池1の出力を用いて、電子機器を駆動することができる。
【0029】
ここで、単電池1を車両の駆動源として用いる場合には、単電池1を複数用意しておき、これらの単電池1を電気的に直列に接続することにより、電池モジュールを構成することができる。そして、この電池モジュールから車両の走行に必要なエネルギを取り出すことができる。なお、各単電池1における正極端子21及び負極端子22は、他の単電池1における正極端子21及び負極端子22と、バスバーを介して電気的に接続される。また、電池モジュールを備えた車両としては、内燃機関又は燃料電池といった他の動力源と共に用いられるハイブリッド自動車や、電池モジュールだけを動力源として備えた電気自動車が挙げられる。
【0030】
一方、図3に示すように、発電要素11の中心部には、温度検出に用いられるセンサユニット(温度情報取得ユニット)30が配置されている。センサユニット30は、図5に示すように、フレキシブル基板31と、フレキシブル基板31の表面に形成された2つのサーミスタ素子(温度情報検出素子)32及び信号線33〜35とを有している。
【0031】
ここで、信号線33は、GND配線であり、2つのサーミスタ素子32に対して共通して設けられている。これにより、各サーミスタ素子32に対してGND配線を設ける場合に比べて、信号線の数を減らすことができる。なお、図5では、図面を簡略化するために、サーミスタ素子32を拡大、信号線33〜35を縮小して図示している。
【0032】
サーミスタ素子32は、温度変化に応じて抵抗値が変化するため、サーミスタ素子32の抵抗値の変化(発電要素の温度に関する情報)を検出することによって、単電池1の温度を測定することができる。本実施例では、互いに異なる位置に二つのサーミスタ素子32を設けているため、互いに異なる位置の温度を検出することができる。なお、本実施例では、2つのサーミスタ素子32を用いた場合について説明したが、1つのサーミスタ素子又は3つ以上のサーミスタ素子を用いてもよい。また、薄膜のサーミスタ素子32の代わりに、薄膜で構成された熱電対を用いることもできる。
【0033】
信号線33〜35は、単電池1の上面に設けられた温度検出端子23に接続されている。温度検出端子23は、正極端子21及び負極端子22の間に位置している。温度検出端子23は、配線(不図示)を介してコントローラ(不図示)に接続されている。これにより、コントローラは、サーミスタ素子32の抵抗値から温度を測定し、この測定結果に基づき、単電池1の充放電の制御や、単電池1の温度制御を行うことができる。
【0034】
例えば、単電池1の温度が上昇した場合には、コントローラは、単電池1の充放電を抑制して、充放電に伴う温度上昇を抑制することができる。また、単電池1の温度が上昇した場合には、コントローラは、ファン等を駆動することによって、冷却媒体を用いた単電池1の冷却を行うことができる。
【0035】
一方、単電池1の温度が低下した場合には、コントローラは、ヒータ等の昇温部を駆動することにより、ヒータの熱を単電池1に伝達させて、単電池1を温めることができる。なお、単電池1を車両に搭載する場合には、上述したコントローラとして、車両の走行状態を制御するコントローラと兼用することができる。
【0036】
サーミスタ素子32及び信号線33〜35が形成されたフレキシブル基板31は、図6に図示するように、保護膜36で覆われている。具体的には、サーミスタ素子32及び信号線33〜35を含むフレキシブル基板31を、2つのシート状の保護膜36で挟み、2つの保護膜36の外縁部分を互いに固定している。ここで、図6は、図5におけるB−B断面図である。
【0037】
保護膜36は、絶縁性を有する材料によって形成されており、この材料としては、例えば、ポリプロピレンといった高分子樹脂を用いることができる。なお、保護膜36は、サーミスタ素子32及び信号線33〜35を含むフレキシブル基板31を覆う構成であればよく、いかなる構成であってもよい。例えば、保護膜36を形成する材料を、サーミスタ素子32及び信号線33〜35を含むフレキシブル基板31の表面にコーティングすることができる。
【0038】
信号線33は信号本線部33Aと接続部33Bとからなる。信号本線部33Aは、単電池1の上面に設けられた温度検出端子23に接続されている。接続部33Bは、フレキシブル基板31の板厚方向の厚みが、信号本線部33Aよりも小さく設定されている。この理由を、図6及び図7を併せ用いて説明する。図7は、図6の比較例であり、本実施例と同一の機能を有する部分には同一符号を付している。
【0039】
図6において、信号本線部33A、接続部33B及びサーミスタ素子32の厚みをそれぞれ、X5、X1及びX2と設定する。図7において、信号本線部33A及びサーミスタ素子32の厚みをそれぞれ、X15及びX12と設定する。X5及びX15は同じ値に設定されている。X2及びX12は同じ値に設定されている。
【0040】
図6に図示する本実施例の構成では、信号本線部33Aよりも厚みの薄い接続部33Bに対して、サーミスタ素子32の一端が接続されている。サーミスタ素子32は、接続部33BのX方向の端面の一部とY方向の端面に沿って接続されている。
【0041】
他方、図7に図示する比較例の構成では、信号本線部33Aに対して、サーミスタ素子32の一端が接続されている。サーミスタ素子32は、信号本線部33AのX方向の端面の一部とY方向の端面に沿って接続されている。
【0042】
ここで、発電要素11の電解液が保護膜36を通過してフレキシブル基板31に侵入し、フレキシブル基板31を膨潤させる場合がある。フレキシブル基板31が膨潤して変形すると、信号線33及びサーミスタ素子32の接続箇所に負荷がかかる。
【0043】
また、単電池1の性能を維持するために単電池1に対して外部から圧力が加えられる場合がある。この場合にも、上記と同様に信号線33とサーミスタ素子32との接続箇所に負荷がかかる。
【0044】
さらに、充放電時に発電要素11が膨張収縮することにより、信号線33とサーミスタ素子32との接続箇所に負荷がかかる。
【0045】
比較例の構成では、サーミスタ素子32のうち信号本線部33AのY方向の端面に沿ってX方向に延びる部分の長さがX15である。一方、本実施例の構成では、サーミスタ素子32のうち接続部33BのY方向の端面に沿ってX方向に延びる部分の長さがX1である。ここで、センサユニット30に負荷が加えられた際に、信号線33に沿って延びるサーミスタ素子32の長さが長くなるほど、信号線33からサーミスタ素子32が剥離しやすくなる。X15>X1であるため、本実施例の構成によれば、比較例の構成よりも、信号線33及びサーミスタ素子32の接続強度を高めることができる。これにより、信号線33及びサーミスタ素子32の接続不良が防止され、発電要素11の温度をより正確に検出することができる。
【0046】
ここで、本実施例の構成において、接続部33B及びサーミスタ素子32の寸法比率は、好ましくは、X1≦45X2である。このように寸法比率を設定することにより、信号線33及びサーミスタ素子32の接続強度をより一層向上させることができる。例えば、膜厚が0.2μmのサーミスタ素子32を用いる場合には、接続部33Bの厚みX1を9μm以下に設定するのが好ましい。
【0047】
図6に図示するセンサユニット30に対して、0〜800kgの荷重を段階的に付与して、センサユニット30により検出される抵抗値の変化を調べた。その結果、荷重が増加しても、抵抗値に殆ど変化がないことがわかった。同様に、図7に図示するセンサユニット30に対して、0〜800kgの荷重を段階的に付与して、センサユニット30により検出される抵抗値の変化を調べた。その結果、荷重の増加に応じて抵抗値が大きく上昇することがわかった。これらの結果から、本実施例の構成による効果が実証された。
【0048】
信号線33及びサーミスタ素子32の接続強度を向上させる方法として、図6に図示する構成において、信号線33の厚みを全て薄くする方法も考えられる。しかしながら、信号線33の厚みが薄すぎると、電気抵抗が大きくなり、正確な温度測定が困難になる。そこで、本実施例では、信号線33のうちサーミスタ素子32が接続される接続部33Bの厚みのみを薄く形成している。これにより、発電要素11の温度測定を精度よく行うことができる。
【0049】
信号本線部33Aの厚みについては、温度情報に関する誤検出を防止するという観点から適宜設定することができるが、好ましくは18μm以上である。上述したように、信号線33を段差形状に形成することにより、信号線33及びサーミスタ素子32の接続強度の向上と温度情報に関する誤検出の防止とを同時に実現することができる。
【0050】
サーミスタ素子32には、プラチナを用いることができる。フレキシブル基板31には、ポリイミドを用いることができる。信号線33〜35には、銅を用いることができる。プラチナ、ポリイミド及び銅は、電解液に対する耐腐食性を有するため、センサユニット30の耐腐食性を向上させることができる。なお、信号線34及び35は、信号線33と同じ構成である。したがって、信号線34及び35の詳細な説明については、省略する。フレキシブル基板31を用いることにより、発電要素11に加わる負荷を熱電対を用いた従来の構成よりも軽減することができる。
【0051】
本実施例のセンサユニット30は、信号線33〜35のパターンが形成されたフレキシブル基板31に対して、プラチナ(サーミスタ素子32)を成膜することにより、形成されている。サーミスタ素子32は、スパッタリングなどの公知の薄膜形成技術を用いて形成されている。なお、特許請求の範囲では、サーミスタ素子32に相当する発明特定事項を「薄膜の温度情報検出素子」と表現している。これは、薄膜形成技術により形成された検出素子を意味しており、検出素子の厚み範囲を具体的に特定するために「薄膜」という表現を用いたものではない。
【0052】
センサユニット30に対して発電要素11を巻き付けることにより、本実施例の構成を得ることができる。本実施例では、二次電池の構成について説明したが、蓄電装置としてのキャパシタにも本発明を適用することができる。キャパシタは、活性炭と電解液との界面に発生する電気二重層を動作原理とした電気二重層キャパシタのことである。固体として活性炭、液体として電解液(希硫酸水溶液)を用いて、これを接触させるとその界面にプラス、マイナスの電極が極めて短い間隔を隔てて相対的に分布する。イオン性溶液中に一対の電極を浸して電気分解が起こらない程度に電圧を負荷させると、それぞれの電極の表面にイオンが吸着され、プラスとマイナスの電気が蓄えられる(充電)。外部に電気を放出すると、正負のイオンが電極から離れて中和状態に戻る。
【0053】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2である単電池について、図8及び図9を用いて説明する。ここで、図8は単電池の断面図であり、図3に対応した図である。図9は、センサユニットの断面図であり、図6に対応した図である。なお、センサユニット以外の構成は、実施例1と同様である。以下、実施例1と異なる点について説明する。
【0054】
図8に図示するように、本実施例のセンサユニット60は、発電要素11の屈曲した面に沿って配置されている。したがって、センサユニットをフラットに配置した実施例1の構成よりもセンサユニット60に対して大きな負荷が加わる。ただし、下記の説明を容易にするために、図9では、屈曲する前のセンサユニット60を示している。
【0055】
信号線63、65はそれぞれ実施例1の信号線33、35に対応しており、配線のレイアウト、材料などは実施例1と同様である。これらの信号線63、65はフレキシブル基板61に形成されている。フレキシブル基板61の構成は、実施例1のフレキシブル基板31と同様である。保護膜66の構成も実施例1の保護膜36と同様である。
【0056】
信号線63は、信号本線部63A、接続部63C及び中間部63Bからなる。サーミスタ素子62は接続部63Cに接続されている。サーミスタ素子62は、実施例1のサーミスタ素子32と同様の構成である。信号本線部63A及び中間部63Bはそれぞれ、実施例1の信号本線部33A及び接続部33Bと同様の構成である。中間部63Bとサーミスタ素子62との間に接続部63Cを介在させている点で、実施例1の構成と相違する。
【0057】
中間部63BのX方向の厚み寸法は、信号本線部63Aよりも小さく、接続部63Cよりも大きい。これにより、サーミスタ素子62のうち、信号本線部63に沿ってX方向に延びる部分の寸法を実施例1よりも小さく設定することができる。したがって、実施例1の構成よりも、サーミスタ素子62及び信号線63の接続強度を向上させることができる。これにより、屈曲に対してより強い構造を備えたセンサユニット60とすることができる。
【0058】
ただし、実施例1の構成であっても、センサユニット30を屈曲させた状態で電池ケース10に収納することができる。この場合、屈曲条件、つまり、屈曲されるセンサユニット30の曲率半径などを考慮して、接続部33B及びサーミスタ素子32の寸法比率を設定するとよい。また、本実施例のセンサユニット60を実施例1と同様に、フラットに配置することもできる。
【0059】
ここで、中間部63B、接続部63C及びサーミスタ素子62のX方向の寸法をそれぞれ、X1、X3、X2としたときに、X1≦45X2=45X3なる条件を満足するように、寸法比を設定するのが好ましい。これにより、接続部63C及びサーミスタ素子62の接続強度をより一層向上させることができる。なお、本実施例では、接続部63Cの一部が中間部63BのX方向の端面に接触しているが、これを省略することもできる。すなわち、中間部63BのY方向の端面にのみ接続部63Cを接続してもよい。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3である単電池について、図10を用いて説明する。ここで、図10は、本実施例におけるセンサユニットの一部分を示す正面図である。なお、実施例1で説明した部材と同一の機能を有する部材については同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0060】
本実施例は、実施例1の構成に対して、発電要素11に配置されるセンサユニットの構成を変更したものである。以下、実施例1と異なる点について説明する。
【0061】
本実施例では、サーミスタ素子32が形成されたセンサユニット30において、4つの開口部40を形成している。各開口部40は貫通形状である。各開口部40の外縁は、保護膜36で密閉されている。また、サーミスタ素子32や信号線33〜35は、開口部40を避ける位置に形成されている。
【0062】
本実施例のセンサユニット30を用いれば、発電要素11の内部にセンサユニット30を位置させることができる。ここで、発電要素11の内部とは、充放電の機能を果たす部分であり、例えば、正極体12及びセパレータ14の間や、負極体13及びセパレータ14の間や、セパレータ14の内部といった部分が挙げられる。
【0063】
ここで、センサユニット30に形成された開口部40は、発電要素11における充放電を許容する部分となり、開口部40を介して電流が流れることになる。これにより、電極体(正極体12又は負極体13)及びセパレータ14の間にセンサユニット30を設けても、発電要素11の充放電機能を阻害することはない。
【0064】
なお、電極体及びセパレータ14の間にセンサユニット30を配置する場合には、電極体及びセパレータ14を積層する際に、電極体及びセパレータ14の間にセンサユニット30を設けておけばよい。
【0065】
本実施例によれば、発電要素11におけるいかなる位置にも、センサユニット30を配置することができる。このため、発電要素11のうち、温度を検出しようとする位置に対して、センサユニット30を容易に配置することができる。
【0066】
なお、開口部40の数や形状は適宜設定することができる。すなわち、開口部40は、サーミスタ素子32や信号線33〜35と干渉しなければよい。
【0067】
また、本実施例のセンサユニット30を用いれば、図11に示す構成の発電要素51に対しても組み込むことができる。ここで、図11は、発電要素51の概略構成を示す外観斜視図である。
【0068】
図11に示す発電要素51において、正極体52及び負極体53は、セパレータ54を介して交互に配置されている。ここで、正極体52及び負極体53の構成としては、実施例1で説明した正極体12及び負極体13と同様の構成とすることができる。また、セパレータ54の構成としては、実施例1で説明したセパレータ14と同様の構成とすることができる。
【0069】
発電要素51では、積層方向(図11のX方向)における両端に位置する正極体52及び負極体53が配線(不図示)を介して電子機器に接続されている。これにより、発電要素51の出力を用いて電子機器を駆動することができる。なお、正極体52及び負極体53の数は、適宜設定することができる。
【0070】
ここで、本実施例のセンサユニット30は、正極体52及びセパレータ14の間や、負極体53及びセパレータ14の間や、セパレータ14の内部に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施例の単電池の構成を示す図である。
【図2】本実施例の単電池の構成を示す図である。
【図3】単電池をX−Z面で切断したときの断面図である。
【図4】発電要素の概略図である。
【図5】センサユニットの概略図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】比較例のセンサユニットの概略図である。
【図8】実施例2の単電池をX−Z面で切断したときの断面図である。
【図9】実施例2のセンサユニットの概略図である。
【図10】実施例3のセンサユニットの概略図である。
【図11】発電要素の変形例を図示した概略図である。
【符号の説明】
【0072】
10 電池ケース
11 発電要素
30 センサユニット
31 フレキシブル基板
32 サーミスタ素子
33〜35 63〜65 信号線
33B 35B 63C 65C 接続部
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電要素の温度を検出する機能を持った蓄電装置、車両及び温度情報取得ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
二次電池が高温又は低温となったときに、二次電池の性能が低下してしまうことが知られている。このため、二次電池の温度を検出し、この検出結果に基づいて、二次電池の充放電を制御するようにしているものがある(例えば、特許文献1−3参照)。
【0003】
ここで、二次電池は、放熱性等の理由によって、内部の温度が他の部分の温度よりも高くなる傾向がある。そこで、特許文献1に記載の二次電池では、電極体が巻かれる巻芯に熱電対を取り付け、熱電対の両端における電圧値を測定することにより、二次電池の内部における温度を検出するようにしている。
【特許文献1】特開平10−55825号公報(段落0017、0021、図2等)
【特許文献2】特開2001−102098号公報
【特許文献3】特開2003−317701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱電対は、一般的に、金属体で構成されており、電極体よりも剛性が高くなっている。したがって、熱電対が設けられた位置では、他の位置よりも電極体への荷重が大きくなってしまい、二次電池の性能に悪影響を与えることがある。
【0005】
本発明は、主に、発電要素に加わる負荷を制限しながら、発電要素の温度をより正確に検出できる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明の蓄電装置は、(1)充放電を行う発電要素と、前記発電要素の温度に関する情報を取得する温度情報取得ユニットと、前記発電要素及び前記温度情報取得ユニットを収容するケースとを有し、前記温度情報取得ユニットは、
前記発電要素に沿って配置されるフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板に形成される薄膜の温度情報検出素子と、前記フレキシブル基板に形成され、前記温度情報検出素子で検出された情報を外部に出力する信号線と、を有し、前記信号線には、前記フレキシブル基板の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部が形成されており、前記接続部に対して前記温度情報検出素子を接続したことを特徴とする。
【0007】
(1)の構成によれば、フレキシブル基板を用いることにより、発電要素に加わる負荷を軽減できる。また、温度情報検出素子が接続される信号線の接続部の厚みを薄くすることにより、温度情報検出素子及び接続部の接続強度を向上させることができる。
【0008】
(2)(1)の構成において、前記信号線を、信号本線部と、前記接続部とから構成し、前記信号本線部及び前記接続部の前記板厚方向の厚みをそれぞれX1及びX2としたときに、X2<X1≦45X2なる条件を満足させるのが好ましい。これにより、温度情報検出素子及び接続部の接続強度をより一層向上させることができる。
【0009】
(3)(1)の構成において、前記信号線を、信号本線部と、前記接続部と、前記信号本線部及び前記接続部を接続する中間部とから構成し、前記中間部は、前記板厚方向の厚みが前記接続部よりも大きく、前記信号本線部よりも小さくするのが好ましい。これにより、温度情報検出素子及び接続部の接続強度をより一層向上させることができる。
【0010】
(4)(3)の構成において、前記中間部、前記接続部及び前記温度情報検出素子の前記板厚方向の厚みをそれぞれX1、X2及びX3としたときに、X1≦45X2=45X3なる条件を満足させるのが好ましい。
【0011】
(5)(1)〜(4)の温度情報取得ユニットは、温度情報検出素子及び接続部の接続強度が高いため、前記発電要素の屈曲した面に沿って配置することができる。温度検出の可能な位置を増やすことができる。
【0012】
(6)(1)〜(5)の構成において、前記温度情報取得ユニットを、前記発電要素の内部に配置する場合には、前記発電要素における充放電を許容する開口部を設けるのが好ましい。これにより、発電要素の充放電を確実に行うことができる。
【0013】
(7)(1)〜(6)の構成において、前記フレキシブル基板、前記温度情報検出素子及び前記信号線はそれぞれポリイミド、白金及び銅から構成することができる。これにより、電解液に対する耐腐食性を高めることができる。
【0014】
(1)〜(7)に記載の蓄電装置は、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車などに搭載することができる。
【0015】
(9)本願発明の温度情報取得ユニットは、充放電を行う発電要素とともに蓄電装置のケース内に収容され、前記発電要素の温度に関する情報を取得するために用いられる温度情報取得ユニットであって、前記発電要素に沿って配置されるフレキシブル基板と前記フレキシブル基板に形成される薄膜の温度情報検出素子と、前記フレキシブル基板に形成され、前記温度情報検出素子で検出された情報を外部に出力する信号線と、を有し、前記信号線には、前記フレキシブル基板の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部が形成されており、前記接続部に対して前記温度情報検出素子を接続したことを特徴とする。
【0016】
(9)の構成によれば、フレキシブル基板を用いることにより、発電要素に加わる負荷を軽減できる。また、温度情報検出素子が接続される信号線の接続部の厚みを薄くすることにより、温度情報検出素子及び接続部の接続強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、発電要素に加わる負荷を制限しながら、発電要素の温度をより正確に検出できる蓄電装置及び温度情報取得ユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1である二次電池としての単電池(蓄電装置)について説明する。
【0019】
図1及び図2は、本実施例の単電池の構成を示す図であり、互いにX方向において異なる方向から見たときの図である。また、図1及び図2には、単電池の内部における構成も示している。ここで、図1及び図2に示すX、Y及びZ軸は、互いに直交する軸を示している。
【0020】
単電池1は、電池ケース(ケース)10と、電池ケース10の内部に収容された発電要素11とを有している。発電要素11とは、充放電を行うことができる要素であり、図3に示すように、電池ケース10の内部において巻かれた状態で収容されている。ここで、図3は、単電池1をX−Z面で切断したときの断面図である。
【0021】
発電要素11は、図4に示すように、正極体12と、負極体13と、正極体12及び負極体13の間に配置されたセパレータ14とで構成されている。ここで、正極体12は、集電体と、集電体の表面に形成された正極層とで構成されている。正極層は、集電体の片面又は両面に形成することができる。正極層とは、正極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。
【0022】
また、負極体13は、集電体と、集電体の表面に形成された負極層とで構成されている。負極層は、集電体の片面又は両面に形成することができる。負極層とは、負極に応じた活物質や導電剤等を含む層である。
【0023】
なお、集電体の一方の面に正極層を形成し、集電体の他方の面に負極層を形成した電極(いわゆるバイポーラ電極)を用いることもできる。また、本実施例では、電解液を用いているが、粒子で形成された固体電解質を用いることもできる。固体電解質としては、高分子固体電解質や無機固体電解質がある。
【0024】
さらに、本実施例では、図1〜図3に示すように、単電池1をいわゆる角型の構成としているが、これに限るものではなく、いわゆる円筒型の構成とすることもできる。すなわち、電池ケース10を矩形状又は円筒形状とし、この電池ケース10の内部に収容されるように、発電要素11を巻いた状態とすればよい。
【0025】
ここで、単電池1がニッケル−水素電池である場合には、正極層の活物質として、ニッケル酸化物を用い、負極層の活物質として、MmNi(5−x−y−z)AlxMnyCoz(Mm:ミッシュメタル)等の水素吸蔵合金を用いることができる。また、単電池1がリチウムイオン電池である場合には、正極層の活物質として、リチウム−遷移金属複合酸化物を用い、負極層の活物質として、カーボンを用いることができる。また、導電剤として、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、カーボンナノチューブを用いることができる。
【0026】
図1及び図2において、発電要素11の正極体12に接続された正極タブ12aには、正極端子21が電気的及び機械的に接続されている。ここで、正極端子21に接続される正極タブ12aは、図1及び図2に示すように、巻かれた状態の発電要素11のうちY方向における一端部から突出している。正極タブ12aは、正極体12の集電体と一体として構成することもできるし、別体として構成することもできる。
【0027】
また、発電要素11の負極体13に接続された負極タブ13aには、負極端子22が電気的及び機械的に接続されている。ここで、負極端子22に接続される負極タブ13aは、巻かれた状態の発電要素11のうちY方向における他端部から突出している。負極タブ13aは、負極体13の集電体と一体として構成することもできるし、別体として構成することもできる。
【0028】
正極端子21及び負極端子22は、電池ケース10の上面から突出しており、配線(不図示)を介して電子機器(不図示)に電気的に接続される。これにより、単電池1の出力を用いて、電子機器を駆動することができる。
【0029】
ここで、単電池1を車両の駆動源として用いる場合には、単電池1を複数用意しておき、これらの単電池1を電気的に直列に接続することにより、電池モジュールを構成することができる。そして、この電池モジュールから車両の走行に必要なエネルギを取り出すことができる。なお、各単電池1における正極端子21及び負極端子22は、他の単電池1における正極端子21及び負極端子22と、バスバーを介して電気的に接続される。また、電池モジュールを備えた車両としては、内燃機関又は燃料電池といった他の動力源と共に用いられるハイブリッド自動車や、電池モジュールだけを動力源として備えた電気自動車が挙げられる。
【0030】
一方、図3に示すように、発電要素11の中心部には、温度検出に用いられるセンサユニット(温度情報取得ユニット)30が配置されている。センサユニット30は、図5に示すように、フレキシブル基板31と、フレキシブル基板31の表面に形成された2つのサーミスタ素子(温度情報検出素子)32及び信号線33〜35とを有している。
【0031】
ここで、信号線33は、GND配線であり、2つのサーミスタ素子32に対して共通して設けられている。これにより、各サーミスタ素子32に対してGND配線を設ける場合に比べて、信号線の数を減らすことができる。なお、図5では、図面を簡略化するために、サーミスタ素子32を拡大、信号線33〜35を縮小して図示している。
【0032】
サーミスタ素子32は、温度変化に応じて抵抗値が変化するため、サーミスタ素子32の抵抗値の変化(発電要素の温度に関する情報)を検出することによって、単電池1の温度を測定することができる。本実施例では、互いに異なる位置に二つのサーミスタ素子32を設けているため、互いに異なる位置の温度を検出することができる。なお、本実施例では、2つのサーミスタ素子32を用いた場合について説明したが、1つのサーミスタ素子又は3つ以上のサーミスタ素子を用いてもよい。また、薄膜のサーミスタ素子32の代わりに、薄膜で構成された熱電対を用いることもできる。
【0033】
信号線33〜35は、単電池1の上面に設けられた温度検出端子23に接続されている。温度検出端子23は、正極端子21及び負極端子22の間に位置している。温度検出端子23は、配線(不図示)を介してコントローラ(不図示)に接続されている。これにより、コントローラは、サーミスタ素子32の抵抗値から温度を測定し、この測定結果に基づき、単電池1の充放電の制御や、単電池1の温度制御を行うことができる。
【0034】
例えば、単電池1の温度が上昇した場合には、コントローラは、単電池1の充放電を抑制して、充放電に伴う温度上昇を抑制することができる。また、単電池1の温度が上昇した場合には、コントローラは、ファン等を駆動することによって、冷却媒体を用いた単電池1の冷却を行うことができる。
【0035】
一方、単電池1の温度が低下した場合には、コントローラは、ヒータ等の昇温部を駆動することにより、ヒータの熱を単電池1に伝達させて、単電池1を温めることができる。なお、単電池1を車両に搭載する場合には、上述したコントローラとして、車両の走行状態を制御するコントローラと兼用することができる。
【0036】
サーミスタ素子32及び信号線33〜35が形成されたフレキシブル基板31は、図6に図示するように、保護膜36で覆われている。具体的には、サーミスタ素子32及び信号線33〜35を含むフレキシブル基板31を、2つのシート状の保護膜36で挟み、2つの保護膜36の外縁部分を互いに固定している。ここで、図6は、図5におけるB−B断面図である。
【0037】
保護膜36は、絶縁性を有する材料によって形成されており、この材料としては、例えば、ポリプロピレンといった高分子樹脂を用いることができる。なお、保護膜36は、サーミスタ素子32及び信号線33〜35を含むフレキシブル基板31を覆う構成であればよく、いかなる構成であってもよい。例えば、保護膜36を形成する材料を、サーミスタ素子32及び信号線33〜35を含むフレキシブル基板31の表面にコーティングすることができる。
【0038】
信号線33は信号本線部33Aと接続部33Bとからなる。信号本線部33Aは、単電池1の上面に設けられた温度検出端子23に接続されている。接続部33Bは、フレキシブル基板31の板厚方向の厚みが、信号本線部33Aよりも小さく設定されている。この理由を、図6及び図7を併せ用いて説明する。図7は、図6の比較例であり、本実施例と同一の機能を有する部分には同一符号を付している。
【0039】
図6において、信号本線部33A、接続部33B及びサーミスタ素子32の厚みをそれぞれ、X5、X1及びX2と設定する。図7において、信号本線部33A及びサーミスタ素子32の厚みをそれぞれ、X15及びX12と設定する。X5及びX15は同じ値に設定されている。X2及びX12は同じ値に設定されている。
【0040】
図6に図示する本実施例の構成では、信号本線部33Aよりも厚みの薄い接続部33Bに対して、サーミスタ素子32の一端が接続されている。サーミスタ素子32は、接続部33BのX方向の端面の一部とY方向の端面に沿って接続されている。
【0041】
他方、図7に図示する比較例の構成では、信号本線部33Aに対して、サーミスタ素子32の一端が接続されている。サーミスタ素子32は、信号本線部33AのX方向の端面の一部とY方向の端面に沿って接続されている。
【0042】
ここで、発電要素11の電解液が保護膜36を通過してフレキシブル基板31に侵入し、フレキシブル基板31を膨潤させる場合がある。フレキシブル基板31が膨潤して変形すると、信号線33及びサーミスタ素子32の接続箇所に負荷がかかる。
【0043】
また、単電池1の性能を維持するために単電池1に対して外部から圧力が加えられる場合がある。この場合にも、上記と同様に信号線33とサーミスタ素子32との接続箇所に負荷がかかる。
【0044】
さらに、充放電時に発電要素11が膨張収縮することにより、信号線33とサーミスタ素子32との接続箇所に負荷がかかる。
【0045】
比較例の構成では、サーミスタ素子32のうち信号本線部33AのY方向の端面に沿ってX方向に延びる部分の長さがX15である。一方、本実施例の構成では、サーミスタ素子32のうち接続部33BのY方向の端面に沿ってX方向に延びる部分の長さがX1である。ここで、センサユニット30に負荷が加えられた際に、信号線33に沿って延びるサーミスタ素子32の長さが長くなるほど、信号線33からサーミスタ素子32が剥離しやすくなる。X15>X1であるため、本実施例の構成によれば、比較例の構成よりも、信号線33及びサーミスタ素子32の接続強度を高めることができる。これにより、信号線33及びサーミスタ素子32の接続不良が防止され、発電要素11の温度をより正確に検出することができる。
【0046】
ここで、本実施例の構成において、接続部33B及びサーミスタ素子32の寸法比率は、好ましくは、X1≦45X2である。このように寸法比率を設定することにより、信号線33及びサーミスタ素子32の接続強度をより一層向上させることができる。例えば、膜厚が0.2μmのサーミスタ素子32を用いる場合には、接続部33Bの厚みX1を9μm以下に設定するのが好ましい。
【0047】
図6に図示するセンサユニット30に対して、0〜800kgの荷重を段階的に付与して、センサユニット30により検出される抵抗値の変化を調べた。その結果、荷重が増加しても、抵抗値に殆ど変化がないことがわかった。同様に、図7に図示するセンサユニット30に対して、0〜800kgの荷重を段階的に付与して、センサユニット30により検出される抵抗値の変化を調べた。その結果、荷重の増加に応じて抵抗値が大きく上昇することがわかった。これらの結果から、本実施例の構成による効果が実証された。
【0048】
信号線33及びサーミスタ素子32の接続強度を向上させる方法として、図6に図示する構成において、信号線33の厚みを全て薄くする方法も考えられる。しかしながら、信号線33の厚みが薄すぎると、電気抵抗が大きくなり、正確な温度測定が困難になる。そこで、本実施例では、信号線33のうちサーミスタ素子32が接続される接続部33Bの厚みのみを薄く形成している。これにより、発電要素11の温度測定を精度よく行うことができる。
【0049】
信号本線部33Aの厚みについては、温度情報に関する誤検出を防止するという観点から適宜設定することができるが、好ましくは18μm以上である。上述したように、信号線33を段差形状に形成することにより、信号線33及びサーミスタ素子32の接続強度の向上と温度情報に関する誤検出の防止とを同時に実現することができる。
【0050】
サーミスタ素子32には、プラチナを用いることができる。フレキシブル基板31には、ポリイミドを用いることができる。信号線33〜35には、銅を用いることができる。プラチナ、ポリイミド及び銅は、電解液に対する耐腐食性を有するため、センサユニット30の耐腐食性を向上させることができる。なお、信号線34及び35は、信号線33と同じ構成である。したがって、信号線34及び35の詳細な説明については、省略する。フレキシブル基板31を用いることにより、発電要素11に加わる負荷を熱電対を用いた従来の構成よりも軽減することができる。
【0051】
本実施例のセンサユニット30は、信号線33〜35のパターンが形成されたフレキシブル基板31に対して、プラチナ(サーミスタ素子32)を成膜することにより、形成されている。サーミスタ素子32は、スパッタリングなどの公知の薄膜形成技術を用いて形成されている。なお、特許請求の範囲では、サーミスタ素子32に相当する発明特定事項を「薄膜の温度情報検出素子」と表現している。これは、薄膜形成技術により形成された検出素子を意味しており、検出素子の厚み範囲を具体的に特定するために「薄膜」という表現を用いたものではない。
【0052】
センサユニット30に対して発電要素11を巻き付けることにより、本実施例の構成を得ることができる。本実施例では、二次電池の構成について説明したが、蓄電装置としてのキャパシタにも本発明を適用することができる。キャパシタは、活性炭と電解液との界面に発生する電気二重層を動作原理とした電気二重層キャパシタのことである。固体として活性炭、液体として電解液(希硫酸水溶液)を用いて、これを接触させるとその界面にプラス、マイナスの電極が極めて短い間隔を隔てて相対的に分布する。イオン性溶液中に一対の電極を浸して電気分解が起こらない程度に電圧を負荷させると、それぞれの電極の表面にイオンが吸着され、プラスとマイナスの電気が蓄えられる(充電)。外部に電気を放出すると、正負のイオンが電極から離れて中和状態に戻る。
【0053】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2である単電池について、図8及び図9を用いて説明する。ここで、図8は単電池の断面図であり、図3に対応した図である。図9は、センサユニットの断面図であり、図6に対応した図である。なお、センサユニット以外の構成は、実施例1と同様である。以下、実施例1と異なる点について説明する。
【0054】
図8に図示するように、本実施例のセンサユニット60は、発電要素11の屈曲した面に沿って配置されている。したがって、センサユニットをフラットに配置した実施例1の構成よりもセンサユニット60に対して大きな負荷が加わる。ただし、下記の説明を容易にするために、図9では、屈曲する前のセンサユニット60を示している。
【0055】
信号線63、65はそれぞれ実施例1の信号線33、35に対応しており、配線のレイアウト、材料などは実施例1と同様である。これらの信号線63、65はフレキシブル基板61に形成されている。フレキシブル基板61の構成は、実施例1のフレキシブル基板31と同様である。保護膜66の構成も実施例1の保護膜36と同様である。
【0056】
信号線63は、信号本線部63A、接続部63C及び中間部63Bからなる。サーミスタ素子62は接続部63Cに接続されている。サーミスタ素子62は、実施例1のサーミスタ素子32と同様の構成である。信号本線部63A及び中間部63Bはそれぞれ、実施例1の信号本線部33A及び接続部33Bと同様の構成である。中間部63Bとサーミスタ素子62との間に接続部63Cを介在させている点で、実施例1の構成と相違する。
【0057】
中間部63BのX方向の厚み寸法は、信号本線部63Aよりも小さく、接続部63Cよりも大きい。これにより、サーミスタ素子62のうち、信号本線部63に沿ってX方向に延びる部分の寸法を実施例1よりも小さく設定することができる。したがって、実施例1の構成よりも、サーミスタ素子62及び信号線63の接続強度を向上させることができる。これにより、屈曲に対してより強い構造を備えたセンサユニット60とすることができる。
【0058】
ただし、実施例1の構成であっても、センサユニット30を屈曲させた状態で電池ケース10に収納することができる。この場合、屈曲条件、つまり、屈曲されるセンサユニット30の曲率半径などを考慮して、接続部33B及びサーミスタ素子32の寸法比率を設定するとよい。また、本実施例のセンサユニット60を実施例1と同様に、フラットに配置することもできる。
【0059】
ここで、中間部63B、接続部63C及びサーミスタ素子62のX方向の寸法をそれぞれ、X1、X3、X2としたときに、X1≦45X2=45X3なる条件を満足するように、寸法比を設定するのが好ましい。これにより、接続部63C及びサーミスタ素子62の接続強度をより一層向上させることができる。なお、本実施例では、接続部63Cの一部が中間部63BのX方向の端面に接触しているが、これを省略することもできる。すなわち、中間部63BのY方向の端面にのみ接続部63Cを接続してもよい。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3である単電池について、図10を用いて説明する。ここで、図10は、本実施例におけるセンサユニットの一部分を示す正面図である。なお、実施例1で説明した部材と同一の機能を有する部材については同一符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0060】
本実施例は、実施例1の構成に対して、発電要素11に配置されるセンサユニットの構成を変更したものである。以下、実施例1と異なる点について説明する。
【0061】
本実施例では、サーミスタ素子32が形成されたセンサユニット30において、4つの開口部40を形成している。各開口部40は貫通形状である。各開口部40の外縁は、保護膜36で密閉されている。また、サーミスタ素子32や信号線33〜35は、開口部40を避ける位置に形成されている。
【0062】
本実施例のセンサユニット30を用いれば、発電要素11の内部にセンサユニット30を位置させることができる。ここで、発電要素11の内部とは、充放電の機能を果たす部分であり、例えば、正極体12及びセパレータ14の間や、負極体13及びセパレータ14の間や、セパレータ14の内部といった部分が挙げられる。
【0063】
ここで、センサユニット30に形成された開口部40は、発電要素11における充放電を許容する部分となり、開口部40を介して電流が流れることになる。これにより、電極体(正極体12又は負極体13)及びセパレータ14の間にセンサユニット30を設けても、発電要素11の充放電機能を阻害することはない。
【0064】
なお、電極体及びセパレータ14の間にセンサユニット30を配置する場合には、電極体及びセパレータ14を積層する際に、電極体及びセパレータ14の間にセンサユニット30を設けておけばよい。
【0065】
本実施例によれば、発電要素11におけるいかなる位置にも、センサユニット30を配置することができる。このため、発電要素11のうち、温度を検出しようとする位置に対して、センサユニット30を容易に配置することができる。
【0066】
なお、開口部40の数や形状は適宜設定することができる。すなわち、開口部40は、サーミスタ素子32や信号線33〜35と干渉しなければよい。
【0067】
また、本実施例のセンサユニット30を用いれば、図11に示す構成の発電要素51に対しても組み込むことができる。ここで、図11は、発電要素51の概略構成を示す外観斜視図である。
【0068】
図11に示す発電要素51において、正極体52及び負極体53は、セパレータ54を介して交互に配置されている。ここで、正極体52及び負極体53の構成としては、実施例1で説明した正極体12及び負極体13と同様の構成とすることができる。また、セパレータ54の構成としては、実施例1で説明したセパレータ14と同様の構成とすることができる。
【0069】
発電要素51では、積層方向(図11のX方向)における両端に位置する正極体52及び負極体53が配線(不図示)を介して電子機器に接続されている。これにより、発電要素51の出力を用いて電子機器を駆動することができる。なお、正極体52及び負極体53の数は、適宜設定することができる。
【0070】
ここで、本実施例のセンサユニット30は、正極体52及びセパレータ14の間や、負極体53及びセパレータ14の間や、セパレータ14の内部に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施例の単電池の構成を示す図である。
【図2】本実施例の単電池の構成を示す図である。
【図3】単電池をX−Z面で切断したときの断面図である。
【図4】発電要素の概略図である。
【図5】センサユニットの概略図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】比較例のセンサユニットの概略図である。
【図8】実施例2の単電池をX−Z面で切断したときの断面図である。
【図9】実施例2のセンサユニットの概略図である。
【図10】実施例3のセンサユニットの概略図である。
【図11】発電要素の変形例を図示した概略図である。
【符号の説明】
【0072】
10 電池ケース
11 発電要素
30 センサユニット
31 フレキシブル基板
32 サーミスタ素子
33〜35 63〜65 信号線
33B 35B 63C 65C 接続部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電を行う発電要素と、
前記発電要素の温度に関する情報を取得する温度情報取得ユニットと、
前記発電要素及び前記温度情報取得ユニットを収容するケースとを有し、
前記温度情報取得ユニットは、
前記発電要素に沿って配置されるフレキシブル基板と
前記フレキシブル基板に形成される薄膜の温度情報検出素子と、
前記フレキシブル基板に形成され、前記温度情報検出素子で検出された情報を外部に出力する信号線と、を有し、
前記信号線には、前記フレキシブル基板の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部が形成されており、前記接続部に対して前記温度情報検出素子を接続したことを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記信号線は、信号本線部と、前記接続部とからなり、前記信号本線部及び前記接続部の前記板厚方向の厚みをそれぞれX1及びX2したときに、下記(1)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
X2<X1≦45X2・・・・・・・(1)
【請求項3】
前記信号線は、信号本線部と、前記接続部と、前記信号本線部及び前記接続部を接続する中間部とからなり、
前記中間部は、前記板厚方向の厚みが前記接続部よりも大きく、前記信号本線部よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記中間部、前記接続部及び前記温度情報検出素子の前記板厚方向の厚みをそれぞれX1、X2及びX3としたときに、下記(2)式を満足することを特徴とする請求項3に記載の蓄電装置。
X1≦45X2=45X3・・・・・・・(2)
【請求項5】
前記発電要素は、前記ケース内に捲かれた状態で収納されており、
前記温度情報取得ユニットは、前記発電要素の屈曲した面に沿って配置されることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記温度情報取得ユニットは、前記発電要素の内部に配置されているとともに、前記発電要素における充放電を許容する開口部を有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記フレキシブル基板、前記温度情報検出素子及び前記信号線はそれぞれポリイミド、白金及び銅からなることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか一つに記載の蓄電装置を搭載した車両。
【請求項9】
充放電を行う発電要素とともに蓄電装置のケース内に収容され、前記発電要素の温度に関する情報を取得するために用いられる温度情報取得ユニットであって、
前記発電要素に沿って配置されるフレキシブル基板と
前記フレキシブル基板に形成される薄膜の温度情報検出素子と、
前記フレキシブル基板に形成され、前記温度情報検出素子で検出された情報を外部に出力する信号線と、を有し、
前記信号線には、前記フレキシブル基板の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部が形成されており、前記接続部に対して前記温度情報検出素子を接続したことを特徴とする温度情報取得ユニット。
【請求項1】
充放電を行う発電要素と、
前記発電要素の温度に関する情報を取得する温度情報取得ユニットと、
前記発電要素及び前記温度情報取得ユニットを収容するケースとを有し、
前記温度情報取得ユニットは、
前記発電要素に沿って配置されるフレキシブル基板と
前記フレキシブル基板に形成される薄膜の温度情報検出素子と、
前記フレキシブル基板に形成され、前記温度情報検出素子で検出された情報を外部に出力する信号線と、を有し、
前記信号線には、前記フレキシブル基板の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部が形成されており、前記接続部に対して前記温度情報検出素子を接続したことを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記信号線は、信号本線部と、前記接続部とからなり、前記信号本線部及び前記接続部の前記板厚方向の厚みをそれぞれX1及びX2したときに、下記(1)式を満足することを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
X2<X1≦45X2・・・・・・・(1)
【請求項3】
前記信号線は、信号本線部と、前記接続部と、前記信号本線部及び前記接続部を接続する中間部とからなり、
前記中間部は、前記板厚方向の厚みが前記接続部よりも大きく、前記信号本線部よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記中間部、前記接続部及び前記温度情報検出素子の前記板厚方向の厚みをそれぞれX1、X2及びX3としたときに、下記(2)式を満足することを特徴とする請求項3に記載の蓄電装置。
X1≦45X2=45X3・・・・・・・(2)
【請求項5】
前記発電要素は、前記ケース内に捲かれた状態で収納されており、
前記温度情報取得ユニットは、前記発電要素の屈曲した面に沿って配置されることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記温度情報取得ユニットは、前記発電要素の内部に配置されているとともに、前記発電要素における充放電を許容する開口部を有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記フレキシブル基板、前記温度情報検出素子及び前記信号線はそれぞれポリイミド、白金及び銅からなることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか一つに記載の蓄電装置を搭載した車両。
【請求項9】
充放電を行う発電要素とともに蓄電装置のケース内に収容され、前記発電要素の温度に関する情報を取得するために用いられる温度情報取得ユニットであって、
前記発電要素に沿って配置されるフレキシブル基板と
前記フレキシブル基板に形成される薄膜の温度情報検出素子と、
前記フレキシブル基板に形成され、前記温度情報検出素子で検出された情報を外部に出力する信号線と、を有し、
前記信号線には、前記フレキシブル基板の板厚方向における厚みを一部薄くした接続部が形成されており、前記接続部に対して前記温度情報検出素子を接続したことを特徴とする温度情報取得ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−15914(P2010−15914A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176473(P2008−176473)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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