説明

表示制御装置、撮像装置および表示制御プログラム

【課題】ユーザがライブビュー画像の一部の領域を拡大すると、被写体像および補助線の相対的な位置関係は、拡大前後で異なってしまう。そのため、ユーザは、構図の水平、垂直を正しく判断することができない。
【解決手段】表示制御装置は、画像と、画像に重畳する補助線とを表示器に表示させる表示制御部と、表示された撮影画像の表示倍率を変更する変更指示を受け付ける受付部とを備え、表示制御部は、受付部が変更指示を受け付けた場合には、画像と補助線の相対的な位置関係を維持して、変更された表示倍率による画像と補助線とを表示器に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、撮像装置および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
横線、縦線等の補助線を、表示部に表示されているライブビュー画像に重ねて表示させるカメラが知られている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002−290780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザは、ライブビュー画像として表示された被写体像である建築物の水平部分あるいは垂直部分を補助線と比較して、構図の水平、垂直を決定する。この場合に、ユーザがライブビュー画像の一部の領域を拡大すると、補助線が表示されないか、補助線が表示されたとしても被写体像および補助線の相対的な位置関係は拡大前後で異なってしまう。そのため、ユーザは、構図の水平、垂直を正しく判断することができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様における表示制御装置は、ライブビュー画像と、ライブビュー画像に重畳する補助線とを表示器に表示させる表示制御部と、表示されたライブビュー画像の表示倍率を変更する変更指示を受け付ける受付部とを備え、表示制御部は、受付部が変更指示を受け付けた場合には、ライブビュー画像と補助線の相対的な位置関係を維持して、変更された表示倍率によるライブビュー画像と補助線とを表示器に表示させる。
【0005】
また、本発明の第2の態様におけるライブビュー装置は、ライブビュー画像を取得するための撮像部と、上述の表示制御装置とを備える。
【0006】
また、本発明の第3の態様における表示制御プログラムは、ライブビュー画像と、ライブビュー画像に重畳する補助線とを表示器に表示させる表示ステップと、表示されたライブビュー画像の表示倍率を変更する変更指示を受け付ける受付ステップと、変更指示を受け付けた場合に、ライブビュー画像と補助線の相対的な位置関係を維持して、変更された表示倍率によるライブビュー画像と補助線とを表示器に表示させる表示変更ステップとをコンピュータに実行させる。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係るカメラの背面斜視図である。
【図2】本実施形態に係るカメラのブロック図である。
【図3】ライブビュー画像に対する補助線の表示処理を説明する図である。
【図4】補助線の表示態様の切替処理を説明する図である。
【図5】補助線の移動処理を説明する図である。
【図6】ライブビュー画像および補助線の拡大表示処理を説明する図である。
【図7】ライブビュー画像および補助線の拡大表示処理における演算処理を説明する図である。
【図8】拡大表示状態における補助線の移動処理を説明する図である。
【図9】本実施形態に係るカメラの撮影処理のフロー図である。
【図10】参考線の第1の表示処理を説明する図である。
【図11】参考線の第2の表示処理を説明する図である。
【図12】合焦評価領域の変更処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態に係る撮像装置としてのカメラ10の背面斜視図である。ここでは、レンズ交換式カメラを例に説明する。カメラ10は、カメラ本体30に交換レンズ20が装着されて構成される。カメラ本体30には、焦点距離、開放F値等の異なる複数の交換レンズ20が交換可能に装着される。交換レンズ20は、その鏡筒内に、光軸に沿って配列された光学系を備える。光学系には、フォーカスレンズ、ズームレンズが含まれる。
【0011】
カメラ本体30の背面には、背面モニタ31が設けられている。背面モニタ31には、撮影された画像データの画像表示の他、カメラ10の各種設定に関する様々な設定情報、メニュー項目等も表示される。また、背面モニタ31には、撮像素子の受光面に結像する被写体像を逐次光電変換して取得されたライブビュー画像が表示される。カメラ本体30の上面左側には、上面モニタ32が設けられている。上面モニタ32には、シャッタスピード、絞り値、ISO感度等の撮影情報が表示される。
【0012】
カメラ本体30には、複数の操作部材が設けられている。カメラ本体30の上面右側には、撮影指示を受け付けるレリーズボタン33、撮影モードの切り替えを受け付ける撮影モードダイヤル34、ズームレンズをモータで駆動して画角を調整するためのズームレバー35が配置されている。背面モニタ31の右側には、マルチセレクタ36、電源スイッチ37が配置されている。マルチセレクタ36は、背面モニタ31に表示されたカーソル等の移動に用いられる十字ボタンと、カーソルで選択された項目の機能等を実行させる決定ボタンとにより構成される。電源スイッチ37は、カメラ10の電源のオン/オフの切り替えを受け付ける操作部材である。
【0013】
背面モニタ31の左上側には、メモリカード等に記録された画像ファイルを再生する再生ボタン38、画像ファイルを削除する削除ボタン39、様々な設定項目を背面モニタ31に表示させるメニューボタン40が配置されている。また、背面モニタ31の左側には、背面モニタ31の表示画像を拡大させる拡大ボタン41、背面モニタ31の表示画像を縮小させる縮小ボタン42が配置されている。また、背面モニタ31の左下側には、背面モニタ31の表示画像に補助線を重畳表示させる補助線ボタン43、拡大された画像データをメモリに記録させる拡大記憶ボタン44が配置されている。
【0014】
カメラ本体30の背面には、背面コマンドダイヤル45が配置されている。また、カメラ本体30の前面には、前面コマンドダイヤル46が配置されている。背面コマンドダイヤル45および前面コマンドダイヤル46には、絞り値設定の機能、シャッタスピード設定の機能等の各種機能がメニュー項目で予め割り当てられる。また、他の操作部材が押されている状態において、当該他の操作部材に関連する機能が背面コマンドダイヤル45および前面コマンドダイヤル46に割り当てられてもよい。例えば、補助線ボタン43が押されている状態において、背面モニタ31に表示中の補助線の表示態様を変更する機能が背面コマンドダイヤル45および前面コマンドダイヤル46に割り当てられる。
【0015】
図2は、本実施形態に係るカメラ10のブロック図である。システム制御部100は、カメラ10の各要素を直接的または間接的に制御する。撮影レンズ101は、交換レンズ20内に配置され、フォーカスレンズ、ズームレンズで構成される。絞り駆動回路103は、交換レンズ20内に配置された絞り機構102の絞り羽根を駆動する。
【0016】
ミラー機構104は、交換レンズ20からの被写体光束を反射してファインダ光学系へ導く反射位置と、交換レンズ20からの被写体光束が撮像素子108に入射するように退避する退避位置とで揺動するメインミラーを備える。また、ミラー機構104は、メインミラーの一部の半透過領域を透過した被写体光束を位相差AF素子120に向けて反射するサブミラーを備える。ミラー駆動回路105は、システム制御部100の制御の下、ミラー機構104を駆動する。
【0017】
反射位置に配置されたメインミラーの後方には、光軸に沿って、シャッタ106、撮像素子108が配列されている。シャッタ駆動回路107は、シャッタ106を駆動して、撮像素子108へ導く光の量を調整する。撮像素子108は、例えばCCD、CMOSセンサなどの光電変換素子であり、受光面で結像した被写体像を電気信号に変換する。本実施形態において、撮像素子108は、画像を取得するための撮像部の少なくとも一部として機能する。
【0018】
画像処理回路109は、撮像素子108で光電変換された被写体像をアナログ信号からデジタル信号に変換し、変換した被写体像に画像処理を施して画像データを生成する。圧縮/伸長回路110は、画像処理回路109が生成した画像データを、規格化された画像フォーマットの画像ファイルに圧縮する。また、圧縮/伸長回路110は、画像ファイルの再生時に、メモリカード113に記録されている画像ファイルを伸長する。
【0019】
メモリ111は、高速で読み書きのできるDRAM、SRAM等で構成され、画像処理回路109が行う画像処理、圧縮/伸長回路110が行う処理において、ワークメモリとしての役割を担う。圧縮/伸長回路110の圧縮処理によって生成された画像データは、メモリ111からカードコネクタ112を介して、メモリカード113に記録される。メモリカード113は、フラッシュメモリ等により構成される、カメラ本体30に対して着脱可能なフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。
【0020】
画像処理回路109は、記録用に処理する画像データに並行して、表示用の画像データを逐次生成する。背面表示制御部114は、逐次生成された表示用の画像データの画像を、ライブビュー画像として背面モニタ31に表示させる。また、背面表示制御部114は、カメラ10の各種設定に関する様々なメニュー項目を背面モニタ31に表示させる。上面表示制御部115は、シャッタスピード、絞り値、ISO感度等の撮影情報を上面モニタ32に表示させる。
【0021】
システムメモリ116は、EEPROM(登録商標)等の電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリにより構成され、カメラ10の動作時に必要な定数、変数、プログラム等を記録している。タイマー117は、システム制御部100の制御の下、計時動作を実行する。電池118は、カメラに10に対して着脱可能な2次電池で構成され、システム制御部100へ電力を供給する。外部インターフェース119は、外部の機器と有線または無線で接続して、データ通信を実行する。
【0022】
位相差AF回路121は、位相差AF素子120の出力に応じて位相差信号を生成する。コントラストAF回路122は、撮像素子108の出力に応じてAF評価関数を演算する。照射装置駆動回路124は、システム制御部100の制御の下、AF動作時にカメラ本体30の前面に設けられたAFエリア照射装置123を駆動する。測光装置125は、光学ファインダの近傍に設けられ、被写体の明るさを検知する。
【0023】
各操作部材には、システム制御部100がユーザの操作を判断するためのスイッチが設けられている。レリーズボタン33は、押下げ方向に2段階に検知できるボタンであり、1段階目の押下を検知するスイッチSW1と、2段階目の押下を検知するスイッチSW2とを備える。撮影モードダイヤル34は、複数の中から選択された一つの撮影モードを検知するスイッチSW3を備える。ズームレバー35は、広角側への指示を検知するスイッチSW4と、望遠側への指示を検知するスイッチSW5とを備える。
【0024】
マルチセレクタ36は、上ボタン、下ボタン、左ボタン、右ボタンの押下をそれぞれ検知するスイッチSW6、SW7、SW8、SW9、および決定ボタンの押下を検知するスイッチSW10を備える。電源スイッチ37は、オン位置への操作を検知するスイッチSW11を備える。再生ボタン38、削除ボタン39、メニューボタン40は、ユーザによる押下を検知するスイッチSW12、13、14をそれぞれ備える。
【0025】
拡大ボタン41、縮小ボタン42、補助線ボタン43、拡大記憶ボタン44は、ユーザによる押下を検知するスイッチSW15、SW16、SW17、SW18をそれぞれ備える。背面コマンドダイヤル45は、時計回りの操作を検知するスイッチSW19、反時計回りの操作を検知するスイッチSW20を備える。同様に、前面コマンドダイヤル46は、時計回りの操作を検知するスイッチSW20、反時計回りの操作を検知するスイッチSW21を備える。
【0026】
図3は、背面モニタ31に表示されているライブビュー画像に対する補助線の表示処理を説明する図である。ユーザが建築物にカメラ10を向けると、背面表示制御部114は、図3(a)に示すように、ライブビュー画像200を背面モニタ31に表示させる。そして、背面表示制御部114は、補助線ボタン43が押されると、図3(b)に示すように、水平補助線群210および垂直補助線群220を、ライブビュー画像200に重畳表示させる。
【0027】
本実施形態において、カメラ10の電源をオンにしたときの状態であるデフォルト状態では、水平補助線群210には、3本の水平補助線211、212、213が含まれる。3本の水平補助線211〜213は、等間隔に配置されている。そして、中央の水平補助線212は、画面中心を通過するように配置されている。同様に、デフォルト状態では、垂直補助線群220には、5本の垂直補助線221、222、223、224、225が含まれる。5本の垂直補助線221〜225は、等間隔に配置されている。また、中央の垂直補助線223は、画面中心を通過するように配置されている。
【0028】
なお、ユーザが、補助線表示の有無を設定画面で設定できるようにしてもよい。また、ユーザが、デフォルト状態における水平補助線の本数、位置を設定画面で予め設定できるようにしてもよい。同様に、ユーザが、デフォルト状態における垂直補助線の本数、位置を設定画面で予め設定できるようにしてもよい。
【0029】
図4は、補助線の表示態様の切替処理を説明する図である。本実施形態においては、背面表示制御部114は、補助線の本数、太さ、透明度を切り替える。まず、補助線の本数の切替処理について説明する。図3(b)で示したデフォルト状態の表示画面でユーザが補助線ボタン43を押しながら前面コマンドダイヤル46を時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、図4(a)に示すように、補助線の本数をデフォルト状態から増加させる。水平補助線群230には、水平補助線群210より多い5本の水平補助線231、232、233、234、235が含まれる。また、垂直補助線群240には、垂直補助線群220より多い7本の垂直補助線241、242、243、244、245、246、247が含まれる。
【0030】
そして、図4(a)で示した表示画面でユーザが補助線ボタン43を押しながら前面コマンドダイヤル46を再度時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、補助線の本数をデフォルト状態に戻す。このように、ユーザが補助線ボタン43を押しながら前面コマンドダイヤル46を時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、デフォルト状態と、デフォルト状態より補助線の本数を増加した増加状態とを交互に切り替える。また、ユーザが補助線ボタン43を押しながら前面コマンドダイヤル46を反時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、デフォルト状態と、デフォルト状態より補助線の本数を減少した減少状態とを交互に切り替える。
【0031】
次に、補助線の太さの切替処理について説明する。図3(b)で示したデフォルト状態の表示画面でユーザが補助線ボタン43を押しながら背面コマンドダイヤル45を反時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、図4(b)に示すように、各補助線を太くする。そして、図4(b)で示した表示画面でユーザが補助線ボタン43を押しながら背面コマンドダイヤル45を再度反時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、各補助線の太さをデフォルト状態に戻す。このように、ユーザが補助線ボタン43を押しながら背面コマンドダイヤル45を反時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、デフォルト状態と、デフォルト状態より補助線を太くした太線状態とを交互に切り替える。
【0032】
次に、補助線の透明度の切替処理について説明する。図3(b)で示したデフォルト状態の表示画面でユーザが補助線ボタン43を押しながら背面コマンドダイヤル45を時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、図4(c)に示すように、各補助線を半透過状態にする。そして、図4(c)で示した表示画面でユーザが補助線ボタン43を押しながら背面コマンドダイヤル45を再度時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、各補助線をデフォルト状態である非透過状態に戻す。このように、ユーザが補助線ボタン43を押しながら背面コマンドダイヤル45を時計回りに回転すると、背面表示制御部114は、デフォルト状態である非透過状態と、半透過状態とを交互に切り替える。
【0033】
このように補助線の表示態様を切り替え可能にすることにより、ユーザは、被写体に応じて、構図の水平、垂直を決定し易い補助線表示に変更することができる。なお、切り替え可能な補助線の表示態様として本数、太さ、透明度を説明したが、これに限らず、補助線の色、線種が切り替えられてもよい。また、ユーザが背面コマンドダイヤル45および前面コマンドダイヤル46で切り替える補助線の表示態様を設定画面で設定できるようにしてもよい。
【0034】
図5は、補助線の移動処理を説明する図である。ユーザが補助線ボタン43を押しながら補助線を移動したい方向をマルチセレクタ36の十字ボタンで指定することで、補助線の移動処理が実行される。例えば、図3(b)で示したデフォルト状態の表示画面でユーザが補助線ボタン43を押しながらマルチセレクタ36の左ボタンを押すと、背面表示制御部114は、図5(a)で示すように、垂直補助線群220を左へ移動させる。また、背面表示制御部114は、垂直補助線群220に垂直補助線226を追加し、垂直補助線を等間隔に保つ。このとき、背面表示制御部114は、垂直補助線群220の表示態様をデフォルト位置での表示態様から変更する。本実施形態では、垂直補助線群220の線種が実線から破線に変更される。この構成により、ユーザは、被写体を中央に対して左右シンメトリに配置する場合に、基準となる垂直補助線223がデフォルト位置である画面中央から移動されたか否かを容易に判別することができる。
【0035】
図3(b)で示したデフォルト状態の表示画面でユーザが補助線ボタン43を押しながらマルチセレクタ36の上ボタンを押すと、背面表示制御部114は、図5(b)で示すように、水平補助線群210を上へ移動させる。また、背面表示制御部114は、水平補助線群210に水平補助線214を追加し、水平補助線を等間隔に保つ。このとき、背面表示制御部114は、水平補助線群210の表示態様をデフォルト位置での表示態様から変更する。本実施形態では、水平補助線群210の線種が実線から破線に変更される。この構成により、ユーザは、被写体を中央に対して上下シンメトリに配置する場合に、基準となる水平補助線212がデフォルト位置である画面中央から移動されたか否かを容易に判別することができる。
【0036】
図5(b)で示した表示画面でユーザが補助線ボタン43を押しながらマルチセレクタ36の左ボタンを押すと、背面表示制御部114は、図5(c)で示すように、垂直補助線群220を左へ移動させる。また、背面表示制御部114は、垂直補助線群220に垂直補助線226を追加し、垂直補助線を等間隔に保つ。このとき、背面表示制御部114は、垂直補助線群220の表示態様をデフォルト位置での表示態様から変更する。また、背面表示制御部114は、水平補助線群210の表示態様と異なるように垂直補助線群220の表示態様を変更する。本実施形態では、垂直補助線群220の線種が実線から点線に変更される。
【0037】
このように補助線の移動を可能にすることにより、ユーザは、被写体のラインに補助線をあわせて構図の水平、垂直を正しく判断することができる。なお、水平補助線群210、垂直補助線群220が移動された状態でユーザがマルチセレクタ36の決定ボタンを押すと、背面表示制御部114は、移動された水平補助線群210、垂直補助線群220の位置、表示態様を図3(b)に示すデフォルト状態に戻してもよい。また、水平補助線群210および垂直補助線群220がデフォルト位置から移動された場合に線種が変更されたが、これに限らず、補助線の色、太さ等の他の表示態様が変更されてもよい。
【0038】
ユーザは、上述した図4の機能および図5の機能を組み合わせて被写体に対して最適化した補助線をライブビュー画像に重畳表示させることができる。例えば、ユーザは、建築物を撮影する場合に、補助線の本数をデフォルト状態の本数、太さをデフォルト状態より太くした太線状態、透明度を半透明状態に設定して、建築物のライブビュー画像に対して補助線を見易く調整する。そして、ユーザは、水平補助線を建築物の横線にほぼ一致させてから、カメラ10の角度を調整することにより、構図の水平を容易に判断することができる。また、ユーザは、垂直補助線群を移動させずに画面中央を通過する垂直補助線を基準にして構図をとることにより、被写体である建築物を撮影範囲内で左右対称に配置することができる。
【0039】
図6は、ライブビュー画像および補助線の拡大表示処理を説明する図である。本実施形態においては、拡大ボタン41および縮小ボタン42が、表示倍率を変更する変更指示を受け付ける受付部としての機能を担う。そして、画像処理回路109および背面表示制御部114が、拡大ボタン41および縮小ボタン42の操作に応じて拡大表示処理を実行する。
【0040】
まず、画像処理回路109は、撮像素子108の出力を間引いて、視野率が100%となる表示用の画像データを逐次生成する。背面表示制御部114は、この表示用の画像データの画像を、等倍のライブビュー画像として背面モニタ31に表示させる。すなわち、視野率100%で表示した表示画像を、等倍の表示画像とする。
【0041】
ユーザが拡大ボタン41を押すと、画像処理回路109は、拡大ボタン41の押下の回数に応じて、表示画像に対する変更倍率を決定する。本実施形態において、画像処理回路109は、拡大ボタン41がn回押されると、2のn乗を変更倍率として決定する。そして、画像処理回路109は、変更倍率に応じて、表示画像の一部の領域を拡大領域として決定する。画像処理回路109は、撮像素子108の出力のうち拡大領域に対応する領域からの出力を間引いて、拡大領域に対応する表示用の画像データを逐次生成する。背面表示制御部114は、当該表示用の画像データの画像を、拡大されたライブビュー画像として背面モニタ31に表示させる。なお、以下の説明において、単に「ライブビュー画像」と称した場合、当該「ライブビュー画像」は、「等倍のライブビュー画像」および「拡大されたライブビュー画像」の双方を含む。
【0042】
拡大した後にユーザが縮小ボタン42を押すと、画像処理回路109は、上述した表示画像の拡大処理の手順とは逆に、縮小ボタン42の押下の回数に応じて表示画像の縮小処理を行う。ただし、画像処理回路109は、表示画像が等倍まで縮小された後においては、縮小ボタン42の押下を受け付けても縮小処理を実行せずに視野率が100%となる表示用の画像データを生成する。
【0043】
画像処理回路109は、マルチセレクタ36の十字ボタンが押された方向、押された時間に応じて、拡大領域の位置を移動する。例えば、画像処理回路109は、マルチセレクタ36の上ボタンが押されると、押下継続時間に応じて予め定められたスクロール量だけ拡大領域を上に移動する。拡大領域は、等倍の表示画像の領域内で移動させることができる。そして、画像処理回路109は、移動後の拡大領域に対応する表示用の画像データを逐次生成し、背面表示制御部114は、移動後の拡大領域に対応する表示用の画像データの画像を、拡大されたライブビュー画像として背面モニタ31に表示させる。
【0044】
ここで、水平補助線群210、垂直補助線群220が等倍のライブビュー画像200に重畳表示された図6(a)の表示画面で、ユーザが拡大ボタン41およびマルチセレクタ36を操作して拡大領域250の拡大を指示する場合の処理について説明する。画像処理回路109は、拡大ボタン41およびマルチセレクタ36により拡大領域250の拡大指示が受け付けられると、上述のように、拡大領域250に対応する表示用の画像データを逐次生成する。背面表示制御部114は、拡大領域250に対応する、拡大されたライブビュー画像300を背面モニタ31に表示させる。
【0045】
このとき、背面表示制御部114は、拡大領域250に含まれる水平補助線212および垂直補助線221をライブビュー画像300に重畳表示させる。図6(b)に示すように、背面表示制御部114は、ライブビュー画像200と、重畳される水平補助線212および垂直補助線221との相対的な位置関係が維持されるように、水平補助線212および垂直補助線221をライブビュー画像300に重畳表示する。以下にライブビュー画像および補助線の相対的な位置関係を維持した拡大表示処理について説明する。
【0046】
図7は、ライブビュー画像および補助線の拡大表示処理における演算処理を説明する図である。メモリ111には、画像表示レイヤ400の記憶領域および重畳表示レイヤ410の記憶領域が設けられている。画像表示レイヤ400には、表示用の画像データが展開される。重畳表示レイヤ410には、画像表示レイヤ400の画像に重畳する補助線等のオブジェクトのデータが展開される。
【0047】
画像表示レイヤ400および重畳表示レイヤ410において、背面モニタ31の表示領域の左上頂点に対応する点を原点とした座標系が規定されている。当該座標系は、画面の右方向をx軸正方向、画面の下方向をy軸正方向とする。また、画像表示レイヤ400および重畳表示レイヤ410において、背面モニタ31の表示領域の右上頂点、左下頂点、右下頂点に対応する点は、それぞれ(X,0)、(0,Y)、(X,Y)と規定されている。そして、重畳表示レイヤ410上のオブジェクトは、同一の座標値を有する画像表示レイヤ400上の画像に重畳表示される。
【0048】
図7(a)は、上述の図6(a)の表示を構成するデータの説明図である。図7(a)に示すように、画像表示レイヤ400には等倍のライブビュー画像200のデータが展開され、重畳表示レイヤ410には、水平補助線群210および垂直補助線群220のデータが展開されている。デフォルト状態の水平補助線211〜213のy座標値Y211、Y212、Y213は、システムメモリ116に予め記録されている。同様に、デフォルト状態の垂直補助線221〜225のx座標値X221、X222、X223、X224、X225は、システムメモリ116に予め記録されている。背面表示制御部114は、画像表示レイヤ400のデータおよび重畳表示レイヤ410のデータを合成して、ライブビュー画像200に水平補助線群210および垂直補助線群220を重畳した画像を背面モニタ31に表示させる。
【0049】
背面表示制御部114は、ライブビュー画像200の拡大領域250の拡大指示が受け付けられると、重畳表示レイヤ410において拡大領域250に対応する対応領域411の各頂点の座標値を抽出する。図7(b)に示すように、画像処理回路109は、対応領域411の左上頂点の座標値(X,Y)、右上頂点の座標値(X,Y)、左下頂点の座標値(X,Y)、右下頂点の座標値(X,Y)を抽出する。背面表示制御部114は、対応領域411のx座標の範囲内X≦x≦Xに存在する垂直補助線のx座標値を抽出する。本実施形態において、垂直補助線221のx座標値X221が抽出される。同様に、背面表示制御部114は、対応領域411のy座標の範囲内Y≦y≦Yに存在する水平補助線のy座標値を抽出する。本実施形態において、水平補助線212のy座標値Y212が抽出される。
【0050】
ここで、対応領域411のx方向の長さに対する左上頂点から垂直補助線221までの距離の比は、(X221−X)/(X−X)である。一方、拡大領域250を拡大表示した場合の垂直補助線221のx座標値をXとすると、拡大表示状態における重畳表示レイヤ410のx方向の長さに対する左上頂点から垂直補助線221までの距離の比は、X/Xとなる。これら距離の比が等しくなれば、すなわちX/X=(X221−X)/(X−X)の関係式(1)を満たせば、拡大前後におけるライブビュー画像と垂直補助線221との相対的な位置関係は維持される。同様に、拡大領域250を拡大表示した場合の水平補助線212のy座標値をYとした場合に、Y/Y=(Y212−Y)/(Y−Y)の関係式(2)を満たせば、拡大前後におけるライブビュー画像と水平補助線212との相対的な位置関係は維持される。
【0051】
背面表示制御部114は、上述の関係式(1)、(2)を用いて、垂直補助線221のx座標値X、水平補助線212のy座標値Yを算出する。また、画像処理回路109は、上述した処理を実行して、拡大されたライブビュー画像300の画像データを逐次生成する。そして、背面表示制御部114は、画像表示レイヤ400および重畳表示レイヤ410にデータを展開する。
【0052】
図7(c)は、上述の図6(b)の表示を構成するデータの説明図である。図7(c)に示すように、背面表示制御部114は、ライブビュー画像300の画像データを画像表示レイヤ400に展開する。また、背面表示制御部114は、重畳表示レイヤ410の座標値Xに垂直補助線221を展開し、座標値Yに水平補助線212を展開する。そして、背面表示制御部114は、画像表示レイヤ400のデータおよび重畳表示レイヤ410のデータを合成して、ライブビュー画像300に水平補助線212および垂直補助線221を重畳した画像を背面モニタ31に表示させる。
【0053】
このようにライブビュー画像および補助線の相対的な位置関係を拡大前後で維持することにより、ユーザは、構図の水平、垂直を正しく判断することができる。例えば、ユーザは、等倍のライブビュー画像200および拡大されたライブビュー画像300の両画像で、水平補助線212と建築物の横線とを確認することにより、構図の水平を正しく判断することができる。
【0054】
なお、拡大表示状態においてユーザが拡大記憶ボタン44を押しながらマルチセレクタ36の決定ボタンを押すと、システム制御部100は、表示中の拡大画像の画像データを表示中の補助線の座標データと関連付けてシステムメモリ116に記録する。システムメモリ116には、予め定められた数の拡大画像、例えば3つの拡大画像の画像データを記録することができる。そして、ユーザが拡大記憶ボタン44を押しながらマルチセレクタ36の左右ボタンを操作すると、背面表示制御部114は、システムメモリ116に記録されている拡大画像および補助線を順に背面モニタ31に表示させる。
【0055】
この構成により、ユーザは、複数の拡大画像を確認して構図の水平、垂直を決定することができる。例えば、ユーザは、同一の水平補助線が重畳された、建築物の左側の拡大画像および右側の拡大画像をシステムメモリ116に記録指示し、両画像を確認して構図の水平、垂直を正しく判断することができる。
【0056】
背面表示制御部114は、拡大表示状態における補助線の表示態様を等倍の表示画像における表示態様から変化させてもよい。例えば、背面表示制御部114は、図6(b)における水平補助線212および垂直補助線221の色を、図6(a)における水平補助線212および垂直補助線221の色と異ならせる。変化させる補助線の表示態様として、色以外に、線の太さ、線種、透明度が一例として挙げられる。この構成により、ユーザは、補助線の形態を確認するだけで拡大表示状態であるか否かを容易に判断することができる。
【0057】
拡大されたライブビュー画像において、ピントがあっておらず被写体のエッジラインがぼけてしまったり、暗い箇所が拡大されて被写体のエッジラインが観察し難くなったりする場合がある。そこで、画像処理回路109は、拡大指示が受け付けられた場合に、表示用の画像データの画像に対して視覚効果を生じさせる画像処理を施す。具体的には、画像処理回路109は、表示用の画像データの画像における被写体のエッジラインを強調する画像処理を施す。また、画像処理回路109は、表示用の画像データの画像を明るくする画像処理を施す。そして、背面表示制御部114は、視覚効果を生じさせる画像処理が施された画像データを用いて拡大されたライブビュー画像を背面モニタ31に表示させる。この構成により、ユーザは、拡大されたライブビュー画像において被写体のエッジラインを容易に確認することができる。
【0058】
図8は、拡大表示状態における補助線の移動処理を説明する図である。図5で説明した等倍のライブビュー画像における補助線の移動と同様に、拡大されたライブビュー画像においても補助線を移動させることができる。ここで、水平補助線212および垂直補助線221が拡大されたライブビュー画像300に重畳表示された図8(a)の表示画面で、ユーザが補助線の移動を指示する場合想定する。ユーザが補助線ボタン43を押しながらマルチセレクタ36の上ボタンを押すと、背面表示制御部114は、水平補助線212を上方向に移動させる。そして、水平補助線212が建築物のエッジライン500と一致した状態でユーザがボタン操作を止めると、図8(b)に示すように、建築物のエッジライン500上に水平補助線212が配置される。なお、背面表示制御部114は、水平補助線212をデフォルト位置から移動させると、図5の処理と同様に、水平補助線212の線種を破線に変更する。
【0059】
そして、ユーザが縮小ボタン42を操作して表示画像を等倍へ変更する指示を行うと、背面表示制御部114は、図8(c)に示すように、上方向に移動された破線の水平補助線群210とデフォルト状態の垂直補助線群220とを、等倍のライブビュー画像200に重畳表示させる。水平補助線群210は、拡大されたライブビュー画像300と水平補助線212との相対的な位置関係が維持されるように、すなわち水平補助線212が建築物のエッジライン500上に配置されるように上方向に移動されている。
【0060】
水平補助線群210の移動量は、図7の説明で用いた関係式(2)を用いて算出される。具体的には、背面表示制御部114は、拡大表示状態での移動後の水平補助線212のy座標値Yを関係式(2)へ代入し、移動後の水平補助線212のy座標値Y212を算出する。そして、背面表示制御部114は、算出した移動後の水平補助線212のy座標値Y212からデフォルト状態の水平補助線212のy座標値Y212を引くことにより、水平補助線群210の移動量を算出する。
【0061】
このように拡大されたライブビュー画像で補助線の移動を可能にすることにより、ユーザは、補助線を被写体のラインに正確にあわせることができる。また、表示倍率の変更前後でライブビュー画像と補助線との相対的な位置関係が維持されることにより、ユーザは、構図の水平、垂直を正しく判断することができる。
【0062】
なお、背面表示制御部114は、マルチセレクタ36の十字ボタンの1回の操作で移動する補助線の移動量は、表示倍率に応じて変更してもよい。例えば、背面表示制御部114は、拡大されたライブビュー画像における1回の操作で移動する補助線の移動量を、等倍のライブビュー画像の場合よりも小さくする。この構成により、ユーザは、拡大ライブビュー画像で精度よく補助線を被写体のラインにあわせることができる。
【0063】
図9は、本実施形態に係るカメラ10の撮影処理のフロー図である。本フローは、システム制御部100が電源スイッチ37のオン操作を検知した場合に開始される。ステップS101では、システム制御部100は、レンズ動作禁止フラグfgを0に設定する。ステップS102では、背面表示制御部114は、等倍のライブビュー画像を背面モニタ31に表示させるとともに、補助線を当該ライブビュー画像に重畳表示させる。
【0064】
ステップS103では、システム制御部100は、拡大ボタン41および縮小ボタン42により、表示倍率を変更する変更指示を受け付けたか否かを判断する。システム制御部100は、表示倍率を変更する変更指示を受け付けた場合にはステップS104へ移行し、表示倍率を変更する変更指示を受け付けていない場合にはステップS108へ移行する。ステップS104では、システム制御部100は、ステップS103で受け付けた変更指示が等倍への変更指示であるか否かを判断する。
【0065】
システム制御部100は、ステップS103で受け付けた変更指示が等倍への変更指示でない場合には、ステップS105へ移行してレンズ動作禁止フラグfgを1に設定する。一方、システム制御部100は、ステップS103で受け付けた変更指示が等倍への変更指示である場合には、ステップS106へ移行してレンズ動作禁止フラグfgを0に設定する。ステップS107では、背面表示制御部114は、図6〜8を用いて説明したように、変更前のライブビュー画像と補助線の相対的な位置関係を維持して、変更された表示倍率によるライブビュー画像と補助線とを背面モニタ31に表示させる。なお、本実施形態において、「変更された表示倍率によるライブビュー画像」は、上述の「等倍のライブビュー画像」の場合と、上述の「拡大されたライブビュー画像」の場合がありうる。
【0066】
ステップS108では、システム制御部100は、補助線ボタン43およびマルチセレクタ36により、補助線の移動指示を受け付けたか否かを判断する。システム制御部100は、補助線の移動指示を受け付けた場合にはステップS109へ移行し、補助線の移動指示を受け付けていない場合にはステップS110へ移行する。ステップS109では、背面表示制御部114は、図5、図8を用いて説明したように、補助線の移動指示に従って補助線の表示を変更する。
【0067】
ステップS110では、システム制御部100は、ズームレバー35により、ズーム指示を受け付けたか否かを判断する。システム制御部100は、ズーム指示を受け付けた場合にはステップS111へ移行し、ズーム指示を受け付けていない場合にはステップS114へ移行する。ステップS111では、システム制御部100は、レンズ動作禁止フラグfgが0であるか否かを判断する。システム制御部100は、レンズ動作禁止フラグfgが0である場合にはステップS112へ移行し、レンズ動作禁止フラグfgが1である場合にはステップS113へ移行する。
【0068】
ステップS112では、システム制御部100は、ズームレバー35の操作に応じて、ズームレンズの駆動制御を実行する。一方、ステップS113では、システム制御部100は、ズームレンズの駆動制御をせず、背面表示制御部114は、ズーム処理しない旨の注意喚起を背面モニタ31に表示させる。すなわち、システム制御部100は、拡大表示状態では、撮像素子108へ被写体像を結像させる光学系であるズームレンズの動作を禁止する撮影制御部として機能する。これにより、拡大表示状態での光学条件の変更を禁止することができる。
【0069】
ステップS114では、システム制御部100は、レリーズボタン33のスイッチSW1がオンになったか否かを判断する。システム制御部100は、スイッチSW1がオンになった場合にはステップS115へ移行し、スイッチSW1がオフのままである場合にはステップS122へ移行する。ステップS115では、システム制御部100は、レンズ動作禁止フラグfgが0であるか否かを判断する。システム制御部100は、レンズ動作禁止フラグfgが0である場合にはステップS116へ移行し、レンズ動作禁止フラグfgが1である場合にはステップS117へ移行する。
【0070】
ステップS116では、システム制御部100は、AF機能を実行する。具体的には、システム制御部100は、コントラストAF回路122から出力されるAF評価関数を用いて、コントラストが最も高くなる位置にフォーカスレンズを移動させる制御を実行する。一方、ステップS117では、システム制御部100は、AF機能を実行せず、背面表示制御部114は、AFを実行しない旨の注意喚起を背面モニタ31に表示させる。すなわち、システム制御部100は、拡大表示状態では、撮像素子108へ被写体像を結像させる光学系であるフォーカスレンズの動作を禁止する撮影制御部として機能する。これにより、拡大表示状態での光学条件の変更を禁止することができる。
【0071】
ステップS118では、システム制御部100は、AE機能を実行して適正露出値を算出し、適正露出値に応じた適正絞り値、シャッタ速度、ISO感度を決定する。ステップS119では、システム制御部100は、レリーズボタン33のスイッチSW2がオンになったか否かを判断する。システム制御部100は、スイッチSW2がオンになった場合にはステップS120へ移行する。一方、システム制御部100は、スイッチSW1がオンになってから予め定められた期間内、例えば5秒以内にスイッチSW2がオンにならなかった場合にはステップS122へ移行する。
【0072】
ステップS120では、システム制御部100は、ステップS118で決定した適正絞り値に絞り込む駆動信号を絞り駆動回路103へ出力するとともに、ステップS118で決定したシャッタ速度で駆動させる駆動信号をシャッタ駆動回路107へ出力する。そして、システム制御部100は、撮像素子108の出力を、ステップS118で決定したISO感度に従って増幅する。
【0073】
ステップS121では、画像処理回路109は、上述のように、撮像素子108の出力に応じて画像データを生成する。圧縮/伸長回路110は、上述のように、画像処理回路109が生成した画像データを規格化された画像フォーマットの画像データに変換する。そして、システム制御部100は、圧縮/伸長回路110で圧縮処理された画像データをメモリカード113に記録する。ステップS122では、システム制御部100は、電源スイッチ37のオフ操作を検知したか否かを判断する。システム制御部100は、電源スイッチ37のオフ操作を検知していない場合にはステップS103へ戻り、電源スイッチ37のオフ操作を検知した場合には本フローを終了する。
【0074】
上述の実施形態において、ライブビュー画像と補助線との相対的な位置関係を維持して拡大表示が実行されると、補助線の本数が減少する。そこで、背面表示制御部114は、拡大表示状態において補助線の減少を補間する参考線を背面モニタ31に表示させるようにしてもよい。以下に参考線の表示処理について説明する。
【0075】
図10は、参考線の第1の表示処理を説明する図である。水平補助線群210、垂直補助線群220が等倍のライブビュー画像200に重畳表示された図10(a)の表示画面で、ユーザが拡大ボタン41およびマルチセレクタ36を操作して拡大領域250の拡大を指示する。すると、背面表示制御部114は、図10(b)に示すように、拡大領域250に含まれる水平補助線212および垂直補助線221を、拡大されたライブビュー画像300に重畳表示させる。また、背面表示制御部114は、水平参考線群600および垂直参考線群610を、ライブビュー画像300に重畳表示させる。
【0076】
水平参考線群600には、3本の水平参考線601、602、603が含まれる。水平補助線212および水平参考線601〜603は、等間隔に配置されている。また、垂直参考線群610には、5本の垂直参考線611、612、613、614、615が含まれる。垂直補助線221および垂直参考線611〜615は、等間隔に配置されている。背面表示制御部114は、水平参考線群600、垂直参考線群610の表示態様を水平補助線212、垂直補助線221の表示態様と区別可能に異ならせる。本実施形態では、背面表示制御部114は、水平参考線群600、垂直参考線群610の線の太さを水平補助線212より細くし、線種を一点鎖線にする。
【0077】
なお、背面表示制御部114は、図10(b)の表示画面でさらに拡大指示を受け付けると、拡大前後において参考線の線数変化が予め定められた範囲内となるように参考線を背面モニタ31に表示させる。例えば、背面表示制御部114は、拡大前の図10(b)の表示画面における参考線の本数を拡大後も維持する、すなわち線数変化をゼロにする。また、背面表示制御部114は、拡大前の画面の端の参考線を削除して参考線の本数を拡大前より1本減らしたり、拡大後の画面の端に参考線を1本追加したりしてもよい。すなわち、背面表示制御部114は、拡大前後において線数変化がプラスマイナス1本の範囲内となるように参考線を表示させる。
【0078】
背面表示制御部114は、図10(c)に示すように、建築物のエッジライン500上に破線の水平補助線212を配置する。また、背面表示制御部114は、水平補助線212の移動にあわせて水平参考線群600を移動させる。そして、背面表示制御部114は、水平参考線601を削除するとともに水平参考線群600に水平参考線604を追加し、水平補助線および水平参考線を等間隔に保つ。
【0079】
図10(c)の表示画面でユーザが縮小ボタン42を押して等倍の表示画像への変更を指示すると、背面表示制御部114は、図10(d)に示すように、水平参考線群600および垂直参考線群610を消去する。そして、背面表示制御部114は、上方向に移動された破線の水平補助線群210とデフォルト状態の垂直補助線群220とを、等倍のライブビュー画像200に重畳表示させる。水平補助線群210は、拡大水平補助線212が建築物のエッジライン500上に配置されるように、上方向に移動される。
【0080】
図11は、参考線の第2の表示処理を説明する図である。上述の第1の表示処理では補助線の移動にあわせて参考線も移動したが、第2の表示処理では補助線が移動しても参考線の位置は変更されない。水平補助線群210、垂直補助線群220が等倍のライブビュー画像200に重畳表示された図11(a)の表示画面で、ユーザが拡大ボタン41およびマルチセレクタ36を操作して拡大領域250の拡大を指示する。すると、背面表示制御部114は、図11(b)に示すように、拡大領域250に含まれる水平補助線212および垂直補助線221を、拡大されたライブビュー画像300に重畳表示させる。また、背面表示制御部114は、水平参考線群620および垂直参考線群630をライブビュー画像300に重畳表示させる。
【0081】
水平参考線群620には、3本の水平参考線621、622、623が含まれる。水平参考線621〜623は、それぞれデフォルト状態の水平補助線211〜213と同一の位置に配置されている。また、垂直参考線群630には、5本の垂直参考線631、632、633、634、635が含まれる。垂直参考線631〜635は、それぞれデフォルト状態の垂直補助線221〜225と同一の位置に配置されている。背面表示制御部114は、水平参考線群620、垂直参考線群630の表示態様を水平補助線212、垂直補助線221の表示態様と区別可能に異ならせる。本実施形態では、背面表示制御部114は、水平参考線群620、垂直参考線群630の線の太さを水平補助線212より細くし、線種を一点鎖線にする。
【0082】
背面表示制御部114は、水平補助線212を建築物のエッジライン500まで移動する指示を受け付けると、図11(c)に示すように、建築物のエッジライン500上に破線の水平補助線212を配置する。一方、背面表示制御部114は、水平補助線212を移動しても、水平参考線群620の位置を変更しない。
【0083】
図11(c)の表示画面でユーザが縮小ボタン42を押して等倍の表示画像への変更を指示すると、背面表示制御部114は、図11(d)に示すように、水平参考線群620および垂直参考線群630を消去する。そして、背面表示制御部114は、上方向に移動された破線の水平補助線群210とデフォルト状態の垂直補助線群220とを、等倍のライブビュー画像200に重畳表示させる。水平補助線群210は、拡大水平補助線212が建築物のエッジライン500上に配置されるように、上方向に移動される。
【0084】
図10、図11を用いて説明したように拡大表示状態において補助線とともに参考線を表示させることにより、ユーザは拡大表示状態において構図の水平、垂直を判断し易くなる。なお、図10、図11を用いて説明した参考線の表示処理は、図9のフロー図におけるステップS107、S109で実行される。
【0085】
上述したように、ユーザは、建築物のエッジライン500等の被写体のエッジラインに補助線をあわせて構図の水平、垂直を決定する。ここで、被写体のエッジラインに一致した補助線を跨いで合焦評価領域が設定されると、当該合焦評価領域で遠近競合が発生する。そこで、合焦制御部としての機能を担うシステム制御部100は、補助線が合焦評価領域と交差した場合に合焦評価領域を変更して、当該合焦評価領域における遠近競合を回避する。以下に合焦評価領域の変更処理について説明する。
【0086】
図12は、合焦評価領域の変更処理を説明する図である。水平補助線群210、垂直補助線群220が等倍のライブビュー画像200に重畳表示された図12(a)の表示画面で、ユーザが拡大ボタン41およびマルチセレクタ36を操作して拡大領域250の拡大を指示する。このとき、拡大領域250内の建築物のエッジライン500を跨ぐ位置に合焦評価領域が設定されている場合を想定する。図12(a)に示すように、合焦評価領域の範囲を示す合焦評価領域マーク700は、ライブビュー画像200に重畳表示されている。背面表示制御部114は、拡大領域250の指定に応じて、図12(b)に示すように、拡大領域250に含まれる水平補助線212および垂直補助線221を、拡大されたライブビュー画像300に重畳表示させる。また、背面表示制御部114は、合焦評価領域マーク700をライブビュー画像300に重畳表示させる。
【0087】
その後、背面表示制御部114は、水平補助線212を建築物のエッジライン500まで移動する指示を受け付けると、図12(c)に示すように、建築物のエッジライン500上に破線の水平補助線212を配置する。移動後の水平補助線212は、合焦評価領域マーク700で示される合焦評価領域を交差する。そこで、システム制御部100は、水平補助線212を挟んだ上側の被写体および下側の被写体のうちカメラ10に近い方の被写体を合焦対象と判断する。
【0088】
具体的には、まず、システム制御部100は、合焦評価領域すべてを垂直補助線より上に移動させてAF動作を実行する。また、システム制御部100は、合焦評価領域すべてを水平補助線212より下に移動させてAF動作を実行する。次に、システム制御部100は、当該AF動作の結果から、水平補助線212の上に存在する被写体および下に存在する被写体のうちカメラ10に近い被写体を合焦対象と判断する。本実施形態において、システム制御部100は、水平補助線212の下に存在する建築物を合焦対象と判断する。
【0089】
そして、システム制御部100は、水平補助線212が合焦評価領域と交差しないように、合焦評価領域を水平補助線212の下側に移動する。背面表示制御部114は、図12(d)に示すように、システム制御部100が移動した合焦評価領域の位置に合焦評価領域マーク700を配置する。
【0090】
図12(d)の表示状態においてユーザが縮小ボタン42を押して等倍の表示画像への変更を指示すると、背面表示制御部114は、図12(e)に示すように、上方向に移動された破線の水平補助線群210とデフォルト状態の垂直補助線群220とを、等倍のライブビュー画像200に重畳表示させる。水平補助線群210は、水平補助線212が建築物のエッジライン500に一致するように上方向に移動される。また、背面表示制御部114は、水平補助線212の下に移動された合焦評価領域を示す合焦評価領域マーク700をライブビュー画像200に重畳表示させる。
【0091】
なお、システム制御部100は、垂直補助線が焦点評価領域と交差した場合に、上述の処理と同様に、垂直補助線を挟んだ左側の被写体および右側の被写体のうちカメラ10に近い方の被写体を合焦対象と判断して合焦評価領域を移動してもよい。また、システム制御部100は、補助線が合焦評価領域と交差した場合に、当該補助線に対して当該合焦評価領域をいずれの方向に移動させるかの指示を、ユーザからを受け付けてもよい。
【0092】
図12を用いて説明した焦点評価領域の変更処理は、図9のフロー図におけるステップS109で実行される。なお、ステップS109において、システム制御部100は、レンズ動作禁止フラグfgが1に設定されていても、フォーカスレンズを駆動して焦点評価領域の変更処理を実行する。
【0093】
上述の実施形態では、複数の水平補助線および複数の垂直補助線が用いられたが、補助線の形態はこれに限らない。1本の水平補助線および1本の垂直補助線が上述の補助線表示処理に用いられてもよい。また、水平補助線のみ、あるいは垂直補助線のみが上述の補助線表示処理に用いられてもよい。
【0094】
上述の実施形態では、カメラ10の背面モニタ31のライブビュー画像に補助線を重畳表示したがこれに限らない。覗き込み型の電子ビューファインダに対しても上述の補助線表示処理を適用し得る。ルーペ型の観察装置を取り付けて液晶モニタを覗き込むファインダに対しても上述の補助線表示処理を適用し得る。また、光学ファインダの透過型液晶パネルに上述の補助線表示処理を適用してもよい。
【0095】
上述の実施形態において、受付部として機能する拡大ボタン41および縮小ボタン42、ならびに背面表示制御部114により表示制御装置が構成される。当該表示制御装置は、撮像素子を少なくとも一部として含む撮像部と別体で構成されてもよい。例えば、表示制御装置は、撮像部を含むカメラと接続可能なPC等の電子機器に設けられ、カメラから送信されるライブビュー画像を機器の表示器に表示させるとともに上述の補助線表示処理を実行する。また、表示制御装置は、顕微鏡、望遠鏡に設けられてもよい。
【0096】
また、上述の実施形態において、撮像装置としてレンズ交換式カメラを例に説明したが、これに限らない。レンズ光学系が一体的に構成されたコンパクトデジタルカメラ、ミラー機構がないミラーレスデジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話、カメラ付き携帯ゲームなどの撮像装置であっても同様に本実施形態に係る概念を適用することができる。
【0097】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0098】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0099】
10 カメラ、20 交換レンズ、30 カメラ本体、31 背面モニタ、32 上面モニタ、33 レリーズボタン、34 撮影モードダイヤル、35 ズームレバー、36 マルチセレクタ、37 電源スイッチ、38 再生ボタン、39 削除ボタン、40 メニューボタン、41 拡大ボタン、42 縮小ボタン、43 補助線ボタン、44 拡大記憶ボタン、45 背面コマンドダイヤル、46 前面コマンドダイヤル、100 システム制御部、101 撮影レンズ、102 絞り機構、103 絞り駆動回路、104 ミラー機構、105 ミラー駆動回路、106 シャッタ、107 シャッタ駆動回路、108 撮像素子、109 画像処理回路、110 圧縮/伸長回路、111 メモリ、112 カードコネクタ、113 メモリカード、114 背面表示制御部、115 上面表示制御部、116 システムメモリ、117 タイマー、118 電池、119 外部インターフェース、120 位相差AF素子、121 位相差AF回路、122 コントラストAF回路、123 AFエリア照射装置、124 照射装置駆動回路、125 測光装置、200 ライブビュー画像、210 水平補助線群、211、212、213、214 水平補助線、220 垂直補助線群、221、222、223、224、225、226 垂直補助線、230 水平補助線群、231、232、233、234、235 水平補助線、240 垂直補助線群、241、242、243、244、245、246、247 垂直補助線、250 拡大領域、300 ライブビュー画像、400 画像表示レイヤ、410 重畳表示レイヤ、411 対応領域、500 エッジライン、600 水平参考線群、601、602、603、604 水平参考線、610 垂直参考線群、611、612、613、614、615 垂直参考線、620 水平参考線群、621、622、623 水平参考線、630 垂直参考線群、631、632、633、634、635 垂直参考線、700 合焦評価領域マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブビュー画像と、前記ライブビュー画像に重畳する補助線とを表示器に表示させる表示制御部と、
表示された前記ライブビュー画像の表示倍率を変更する変更指示を受け付ける受付部と
を備え、
前記表示制御部は、前記受付部が前記変更指示を受け付けた場合には、前記ライブビュー画像と前記補助線の相対的な位置関係を維持して、変更された前記表示倍率による前記ライブビュー画像と前記補助線とを表示器に表示させる表示制御装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記表示器における前記補助線の表示位置の移動を受け付ける請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記補助線の他に参考線を前記表示器に表示させる請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記受付部が拡大指示を受け付けた場合には、前記拡大指示の前後において前記参考線の線数変化が予め定められた範囲内となるように前記参考線を前記表示器に表示させる請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記表示器に対して前記参考線の表示位置を変更しない請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記受付部が前記変更指示を受け付けた場合には、前記補助線の表示態様を変化させる請求項1から5のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記受付部が前記変更指示を受け付けた場合には、視覚効果を生じさせる画像処理が施された前記ライブビュー画像を前記表示器に表示させる請求項1から6のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記ライブビュー画像を取得するための撮像部と、
請求項1から7のいずれか1項に記載の表示制御装置と
を備える撮像装置。
【請求項9】
前記表示制御部が、変更された前記表示倍率による前記ライブビュー画像を前記表示器に表示させている期間は、前記撮像部へ被写体像を結像させる光学系の動作を禁止する撮影制御部を備える請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記補助線が合焦評価領域と交差しないように前記合焦評価領域を変更する合焦制御部を備える請求項8または9に記載の撮像装置。
【請求項11】
ライブビュー画像と、前記ライブビュー画像に重畳する補助線とを表示器に表示させる表示ステップと、
表示された前記ライブビュー画像の表示倍率を変更する変更指示を受け付ける受付ステップと、
前記変更指示を受け付けた場合に、前記ライブビュー画像と前記補助線の相対的な位置関係を維持して、変更された前記表示倍率による前記ライブビュー画像と前記補助線とを表示器に表示させる表示変更ステップと
をコンピュータに実行させる表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−90241(P2013−90241A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230882(P2011−230882)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】