説明

表示素子及び携帯機器並びに撮像装置

【課題】本発明は、携帯性、及び巻き取りの容易性と使用時の平面性の維持に優れたフレキシブル表示素子及び携帯機器並びに撮像装置を提供する。
【解決手段】本発明は、巻き取り、展開が可能なフレキシブルな表示素子110において、表示素子110の背面を覆う裏板を設け、裏板は、表示素子110の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して、表示素子を平面状に支持する。撮像装置500本体部502を片手で持った状態で表示素子110が自立安定し、多少の外力を加えても表示素子110は位置関係及び平面形状を維持する。これにより、表示素子110を持つことなく、本体部502を把持した片手で撮影、再生、編集等の撮像装置の操作が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯性、収納性、及び操作性に優れた表示素子及び携帯機器並びに撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報機器において、フレキシブルな表示素子を用いて、携帯時のサイズを小型化するものは多く提案されている。例えば、特許文献1の巻き取り型ディスプレイのようにサーマルヘッドで記録した画像を見るものがある。特許文献1の機器本体から機器の引き出した記録媒体は紙状の柔軟性を有し、自己では平面性を有していない。したがって、その特性から特許文献1の図からも分かるように両手で記録媒体を把持して記録媒体の平面性を保持することが必要であった。
【0003】
特許文献2、及び特許文献3のように可撓性のディスプレイを有したものもあるが、これらも以下のような欠点を有していた。すなわち、機器本体から引き出した時のディスプレイ部の形状保持を考えて、ディスプレイ部の強度を高めると収納時の巻き取りの抵抗となり、巻き取りが困難となっていた。一方、巻き取りを容易にするため、ディスプレイ部の柔軟性を高めるとディスプレイ部の形状保持力が弱く、平面性を維持するためには、機器本体とは反対側の把持部を把持する必要があり、操作性に難があった。
【0004】
更に、特許文献4には引き出し時に表示体を湾曲させるものが提案されている(特許文献4の請求項1及び段落[0022])が、湾曲が小さければ強度が不十分になり、湾曲によって十分な強度を得ようとすれば、湾曲を大きくせねばならず、表示が湾曲して見え、また、設計上の縦横比通りに見えないという欠点があった。
【0005】
更にまた、特許文献5、及び特許文献6には、ディスプレイ部の平面性を維持するために、ディスプレイ部の周囲に枠を設けたものが提案されているが、これは、枠の部分を巻き取ることができないので、枠の収納に問題があり、収納が煩雑で小型化にも限界があった。
【0006】
同様に、特許文献7、及び特許文献8も折り畳み程度にしかできず、巻き取りに比べて小型化の度合いが小さかった。
【特許文献1】特開平9−216465号公報
【特許文献2】特開2003−250074号公報
【特許文献3】特開2003−274250号公報
【特許文献4】特開2000−19980号公報
【特許文献5】特開2000−10086号公報
【特許文献6】特開平9−134132号公報
【特許文献7】特開2004−118803号公報
【特許文献8】特開2004−109382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の如く、従来技術には、フレキシブルな表示素子を用いて、携帯時のサイズを小型化するものが多数提案されているものの、いずれの方法にも巻き取りの容易性(収納性)、及び使用時の平面性の維持(操作性)の点で欠点があった。
【0008】
本発明は、携帯性、及び巻き取りの容易性と使用時の平面性の維持に優れたフレキシブル表示素子及び携帯機器並びに撮像装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の表示素子の発明は、前記目的を達成するために、巻き取り、展開が可能なフレキシブルな表示素子において、表示素子の背面を覆う裏板を設け、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して、表示素子を平面状に支持することを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の表示素子の発明によれば、表示素子と裏板とからなる簡単な構造により、巻き取り、持ち運びができるとともに、展開時は平面状に支持することができる。よって、携帯性、及び巻き取りの容易性と使用時の平面性の維持に優れたフレキシブル表示素子を提供できる。
【0011】
請求項2に記載の携帯機器の発明は、前記目的を達成するために、巻き取り、展開が可能なフレキシブルな表示素子を備えた携帯機器において、表示素子の背面に、表示素子の巻き取り時は表示素子に密着し、表示素子の展開時は撓みが生じることにより、表示素子から少なくとも中央部が離間した湾曲形状となる裏板を設け、展開時には前記表示素子と前記裏板との2つの組み合わせからなる構造体によって、表示素子の平面性を維持することを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の携帯機器の発明によれば、フレキシブルな表示素子の背面に、巻き取り時は表示素子に密着し、展開時は撓みが生じることにより、表示素子から少なくとも中央部が離間した湾曲形状となる裏板を設けた。この裏板によって表示素子の強度を保持するので、湾曲によって十分な強度を得るため、湾曲を大きくしても、表示素子は湾曲せず、設計上の縦横比通りに見える。
【0013】
請求項3に記載の携帯機器の発明は、前記目的を達成するために、巻き取り、展開が可能なフレキシブルな表示素子を備えた携帯機器において、表示素子の背面に裏板を設け、前記裏板は、表示素子の巻き取り時において表示素子の平面方向に側圧を排除することにより、形状保持力を低くして巻き取り抵抗を減らすとともに、表示素子の展開時は表示素子に対して側圧を付与することにより、表示素子の形状を平面に保持するように構成されたことを特徴とするフレキシブルな表示素子を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の携帯機器の発明によれば、裏板によって、表示素子の引き出し時の形状保持性と、表示素子の巻き取り時の抵抗低減を両立させることができる。この裏板は、湾曲時に表示素子の両側面に密着して側圧を付与し、巻き取り時には側圧が取り除かれ、表示素子の側面との間に少なくとも一方に隙間が生じる。これにより、表示素子の巻き取り時の抵抗が低減する。
【0015】
請求項4に記載の携帯機器の発明は、請求項2又は3において、前記裏板は、表示素子の展開時は撓みが生じることにより、表示素子から中央部が離間したV字型断面を持つ形状であることを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の携帯機器の発明は、裏板の形状安定性が高く、加工、製品検査が簡単になるという利点がある。
【0017】
請求項5に記載の携帯機器の発明は、請求項2〜4において、前記裏板には、撓みが生じる表示素子の展開時において、表示素子から複数の湾曲部が離間した複数の尾根状となる尾根部材が形成され、表示素子と前記裏板とにより囲まれた空間を形成するように構成したことを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の携帯機器の発明によれば、表示素子を展開してテーブル等に置いたときの安定性が高くなる。
【0019】
請求項6に記載の携帯機器の発明は、請求項2〜4において、前記裏板は、一端が表示素子の裏面に固定されていることを特徴としている。
【0020】
請求項6に記載の携帯機器の発明によれば、裏板の一端を表示素子の裏面に固定したので、がたつきによる輸送中の濁音が少なくなる。
【0021】
請求項7に記載の撮像装置の発明は、前記目的を達成するために、少なくとも撮影レンズ部と撮影操作部とを備え、略円柱又は多角形柱の本体部と、携帯時は本体部内に収納され、使用時は本体部から引き出されることにより使用可能となり、撮影画像又は再生画像を表示する表示素子を有する撮像装置であって、前記表示素子には、引き出された時に平面を維持する平面維持機構が取り付けられ、平面維持機構は、引き出された表示素子に拘束力を与えて本体部に対して所定の位置関係、形状を維持させるとともに、表示素子を本体部内に収納する際には前記拘束力を解除するように構成されたことを特徴としている。
【0022】
請求項7に記載の撮像装置の発明によれば、本体部を片手で保持し、もう一方の片手で表示素子を引き出すと撮影が可能となり、この時、表示素子は平面維持機構により形状が維持されているので、本体部を保持する片手での操作が可能となる。また、収納時は簡単に巻き取りができる。表示素子は本体部の背面から見て左側、又は右側に引き出されるが、カメラマンの右手によって撮影操作部を操作することを考慮すれば、左側に引き出されることが操作性の観点から好ましい。
【0023】
請求項8に記載の撮像装置の発明は、請求項7において、前記平面維持機構は、表示素子の背面を覆う裏板であり、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して表示素子を平面状に支持し、前記本体部の表示素子の引出口は、前記裏板が巻き取り前の形状と略同形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴としている。
【0024】
請求項8に記載の撮像装置の発明によれば、本体部の引出口の逃げ部によって表示素子の表面が引出口に触れないのでの傷防止となるだけでなく、引出口で裏板の湾曲部を漬さないので、本体部と表示素子の位置関係を拘束することができ、本体部を保持したときに、表示素子に外力が加わっても根元部(本体部の引き出し口近傍部)の形状が維持され、本体部と強固に一体状態を維持することができる。この撮像装置によれば、片手で本体部を保持して撮影が可能で、収納時は簡単に巻き取ることができる。
【0025】
請求項9に記載の撮像装置の発明は、請求項7において、前記平面維持機構は、表示素子の背面を覆う裏板であり、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して表示素子を平面状に支持し、前記本体部の表示素子の引出口は、裏板が巻き取り前の形状よりも所定量扁平形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴としている。
【0026】
請求項9に記載の撮像装置の発明によれば、本体部の引出口の逃げ部によって表示素子の表面が引出口に触れないのでの傷防止となる。また、引出口で裏板が半分程度潰されるため、巻き取り抵抗を小さくできるが、完全には漬さないので、表示素子が簡単にはフラつくのを防止できる。
【0027】
請求項10に記載の撮像装置の発明は、請求項7において、前記平面維持機構は、表示素子の背面を覆う裏板であり、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して表示素子を平面状に支持し、前記本体部の表示素子の引出口は、裏板が巻き取り前の形状よりも扁平形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴としている。
【0028】
請求項10に記載の撮像装置の発明によれば、本体部の引出口の逃げ部によって表示素子の表面が引出口に触れないのでの傷防止となる。また、引出口で裏板が潰されているので、巻き取り抵抗が小さくなる。
【0029】
請求項11に記載の撮像装置の発明は、請求項7において、前記平面維持機構は、表示素子の背面を覆う裏板であり、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して表示素子を平面状に支持し、前記本体部の表示素子の引出口は、前記裏板が巻き取り前の形状と略同形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に中央に近づくほど大きくなる逃げ部が形成されていることを特徴としている。
【0030】
請求項11に記載の撮像装置の発明によれば、本体部の引出口の逃げ部によって表示素子の表面が引出口に触れないのでの傷防止となるだけでなく、引出口で裏板の湾曲部を漬さないので、本体部と表示素子の位置関係を拘束することができ、本体部を保持したときに、表示素子に外力が加わっても根元部(本体部の引き出し口近傍部)の形状が維持され、本体部と強固に一体状態を維持することができる。この撮像装置によれば、片手で本体部を保持して撮影が可能で、収納時は簡単に巻き取ることができる。また、中央に近づくほど大きくなる逃げによって、表示素子に多少のたわみがあっても表示面のこすれが発生せず、傷つきを防止できる。
【0031】
請求項12に記載の携帯機器の発明は、請求項2〜6において、前記携帯機器の本体部の表示素子の引出口は、前記裏板が巻き取り前の形状と略同形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴としている。
【0032】
請求項12に記載の携帯機器の発明によれば、本体部の引出口の逃げ部によって表示素子の表面が引出口に触れないのでの傷防止となるだけでなく、引出口で裏板の湾曲部を漬さないので、本体部と表示素子の位置関係を拘束することができ、本体部を保持したときに、表示素子に外力が加わっても根元部(本体部の引き出し口近傍部)の形状が維持され、本体部と強固に一体状態を維持することができる。この携帯機器によれば、片手で本体部を保持して撮影が可能で、収納時は簡単に巻き取ることができる。
【0033】
請求項13に記載の携帯機器の発明は、請求項2〜6において、前記携帯機器の本体部の表示素子の引出口は、裏板が巻き取り前の形状よりも所定量扁平形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴としている。
【0034】
請求項13に記載の携帯機器の発明によれば、本体部の引出口の逃げ部によって表示素子の表面が引出口に触れないのでの傷防止となる。また、引出口で裏板が半分程度潰されるため、巻き取り抵抗を小さくできるが、完全には漬さないので、表示素子が簡単にはフラつくのを防止できる。
【0035】
請求項14に記載の携帯機器の発明は、請求項2〜6において、前記本体部の表示素子の引出口は、裏板が巻き取り前の形状よりも扁平形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴としている。
【0036】
請求項14に記載の携帯機器の発明によれば、前記携帯機器の本体部の引出口の逃げ部によって表示素子の表面が引出口に触れないのでの傷防止となる。また、引出口で裏板が潰されているので、巻き取り抵抗が小さくなる。
【0037】
請求項15に記載の携帯機器の発明は、請求項2〜6において、前記携帯機器の本体部の表示素子の引出口は、前記裏板が巻き取り前の形状と略同形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に中央に近づくほど大きくなる逃げ部が形成されていることを特徴としている。
【0038】
請求項15に記載の携帯機器の発明によれば、本体部の引出口の逃げ部によって表示素子の表面が引出口に触れないのでの傷防止となるだけでなく、引出口で裏板の湾曲部を漬さないので、本体部と表示素子の位置関係を拘束することができ、本体部を保持したときに、表示素子に外力が加わっても根元部(本体部の引き出し口近傍部)の形状が維持され、本体部と強固に一体状態を維持することができる。この携帯機器によれば、片手で本体部を保持して撮影が可能で、収納時は簡単に巻き取ることができる。また、中央に近づくほど大きくなる逃げによって、表示素子に多少のたわみがあっても表示面のこすれが発生せず、傷つきを防止できる。
【0039】
請求項16に記載の撮像装置の発明は、請求項7〜11において、前記表示素子の移動を検出する検出手段を備え、表示素子の第一の位置から第二の位置への移動に連動して、動作モードが切り替えられることを特徴としている。
【0040】
請求項16に記載の撮像装置の発明によれば、表示素子の収納状態と引き出し状態の変化に連動して、動作モードを例えばOFF〜ONに切り替えることができる。表示素子の引き出し/収納によりON/OFFするので使い勝手がよくなる。
【0041】
請求項17に記載の撮像装置の発明は、請求項7〜11、16において、前記裏板の画面表示部分の両端に回り込む部分に凸部が設けられていることを特徴としている。
【0042】
請求項17に記載の撮像装置の発明によれば、裏板の画面端部に回り込む部分に凸部を設けているので、表示素子を巻き取った時にこの凸部がスペーサとなるので、表示素子の表示画面の傷、すれを防止できる。
【0043】
請求項18に記載の撮像装置の発明は、請求項7〜11、16、17において、前記本体部に内蔵された前記表示素子の巻取軸の、巻き取り時に表示範囲外の部分が接触する位置に巻取検出SWが設けられ、表示素子の巻き取り時には表示部の少なくとも一部の表示をOFFすることを特徴としている。
【0044】
請求項18に記載の撮像装置の発明によれば、巻取軸上に、表示素子を巻き取ったとき、表示範囲外の部分が接触する位置に巻取検出SWを設け、巻き取り時には表示又は電源をOFFするようにすると、自動的に電源や表示をOFFすることができる。電源の切り忘れや、無駄な電力の消費を防止できる。
【0045】
請求項19に記載の携帯機器の発明は、前記目的を達成するために、フレキシブルな表示素子の背面に、展開時は撓みが生じることにより、表示素子から中央部が離間した湾曲形状となり、収納時は展開時より表示素子に密着する裏板が設けられたものであって、前記裏板の表示素子側に反射面が設けられ、反射面と表示素子との間に発光素子が設けられたことを特徴としている。
【0046】
請求項19に記載の携帯機器の発明によれば、フレキシブルな表示素子の背面に、展開時に湾曲形状となる裏板を設けたものにおいて、裏板の内面に反射面を設け、反射面と表示素子との間に発光素子を設けたので、裏板をバックライトの反射鏡として兼用できる、収納効率のよい表示素子を提供できる。
【0047】
請求項20に記載の携帯機器の発明は、請求項19において、弾性部材を用いて前記表示素子と前記反射面の中間位置に前記発光素子が設けられ、表示素子の巻き取り時は密着して巻き取り可能に構成されたことを特徴としている。
【0048】
請求項20に記載の携帯機器の発明によれば、弾性部材を用いて表示素子と反射面との間の中間位置に発光素子を設けたので、発光特性が向上する。
【0049】
請求項21に記載の携帯機器の発明は、請求項20において、前記弾性部材は発光素子の配線を備えるフレキシフプリント板であることを特徴としている。
【0050】
請求項21に記載の携帯機器の発明によれば、フレキシフプリント板によって弾性部材を兼用するので、簡単な構成で中間位置に発光素子を設けることができる。
【0051】
請求項22に記載の携帯機器の発明は、請求項19〜21において、前記裏板は、前記表示素子の巻き取り時は表示素子に密着し、展開時は撓みが生じることにより、表示素子から複数の湾曲部が離間した尾根状に形成されていることを特徴としている。
【0052】
請求項22に記載の携帯機器の発明によれば、より均一なバックライトとすることができる。
【発明の効果】
【0053】
本発明に係る表示素子及び携帯機器並びに撮像装置によれば、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して、表示素子を平面状に支持する裏板を表示素子の背面側に設けたので、携帯性、及び巻き取りの容易性と使用時の平面性の維持に優れたフレキシブル表示素子及び携帯機器並びに撮像装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、添付図面に従って本発明に係る表示素子及び携帯機器並びに撮像装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0055】
まず、フレキシブルなディスプレイについては、ベース材料を従来のガラスに変えて樹脂としたもの等、表示素子に可撓性を持たせたもの(例えば、有機ELディスプレイ)が数多く提案されている。
【0056】
図1は、このようなフレキシブルな表示素子10を備えたディスプレイ装置(携帯機器)12の第1の実施例を示した外観図であり、帯状の表示素子10を筒状の本体部14から引き出した状態が示されている。図2は、本体部14の内部構造が示されており、表示素子10を巻き取るための巻取軸16と巻き戻された表示素子10の展開状態が示されている。図3は同じく巻取軸16と表示素子10とが示され、表示素子10が巻取軸16に巻き取られた状態が示されている。
【0057】
図1の本体部14は図4の如く、両端が開放された筒体14Aと、その両端開放部を閉塞するキャップ14B、14Bとから構成される。巻取軸16は、キャップ14A、14Bに軸受部14Cを介して回転自在に配置されるととともに、巻取ばね18(図7参照)によって巻き取り方向に付勢され、かつ、不図示のストッパによって、表示素子10が引き出された状態が保持される。
【0058】
表示素子は図5(a)の如く薄板状の断面形状をしており、その長手方向両端部のB部には、略コ字状に折り曲げられた折曲部20、20が形成されている。表示素子10の背面には、図6のような自由形状(外力を取り除いたときの形状)を持つ裏板22が取り付けられる。この裏板22は図5(b)に示すように、長手方向両端部のC部の平面部24、24の間を湾曲部26で繋いだ形状となっている。2箇所の平面部24、24が湾曲部26に繋がれることにより、平坦部24、24は自由度が規制され互いの面が平行に保たれる。この平坦部24、24を図5(a)の表示素子10の折曲部20、20に嵌合させて組み付けると、図5(C)に示す断面形状となる。このときに、折曲部20、20によって、平面部24、24が表示素子10の裏面に押し付けられ、平面部24、24が前述の如く互いに平行を保とうとするので、表示素子10全体が平面に保持され、図1又は図2の如く、本体部14から引き出された表示素子10が自立して平面を維持する。
【0059】
この状態で、図2の矢印A方向(又はその逆方向:表示素子10を短手方向に沿って湾曲させる方向)に表示素子10を湾曲させようとしても、裏板22の平面保持力が働いて容易に曲げることができない。したがって、表示素子10を持つことなく、本体部14を片手で持つだけでディスプレイ装置12を使用することができる。
【0060】
次に、表示素子10の巻き取り時の動作について説明する。
【0061】
表示素子10の巻き取り時は、巻き取られることにより、裏板22が巻取軸16によって図2のA部で潰され、湾曲形状が平面形状に矯正され、図5(d)の断面形状となる。これにより、2個所の平面部24、24は平面によって繋がれる状態となり、表示素子10の平面を維持しようとする力が働かなくなる。したがって、表示素子10は図2の矢印A方向(又はその逆方向)に容易に湾曲させることができるようになり、巻取紬16に容易に巻き取ることが可能になる。このようにして、巻き取られた後の表示素子10は図4の如く本体部14内に収納される。
【0062】
第1の実施の形態によれば、本体部14からフレキシブルな表示素子10を引き出して使用でき、引き出した表示素子10は裏板22の平面維持作用によって平面形状を維持する。そして、ディスプレイ装置12の携帯時には、前述の如く本体部14に表示素子10を収納することができる。
【0063】
図8は、フレキシブルな表示素子110を備えたディスプレイ装置(携帯機器)112の第2の実施例を示した外観図であり、表示素子110が引き出された状態が示されている。図9は表示素子110の単体構造が示され、表示面110Aと反対の裏面には図11の如く凸状の梁部材126が一面に貼り付けられている。この構造により表示素子110は、単体では図9のDの方向(及びその逆方向)には湾曲可能であるが、Eの方向(及びその逆)には曲げることができない構成となっている。
【0064】
本体部114は図12に示すように、両端が開放された筒体114Aと、その両端開放部を閉塞するキャップ114B、114Bとから構成される。巻取軸116は、キャップ114A、114Bに軸受部114Cを介して回転自在に配置されるととともに、巻取ばねに118よって巻き取り方向に付勢され、かつ、不図示のストッパによって、表示素子110は引き出された状態が保持される。
【0065】
表示素子110に組み合わされる裏板122は、図10(a)のような自由形状(外力を取り除いたときの形状)であり、長手方向両端部に折返部124、124が形成される。この折返部124、124を利用して裏板122を図9の表示素子110に組み付けると、図10(b)のような湾曲した断面形状となる。このとき、裏板122は図10(a)の状態から引き伸ばされて組み付けられるので、裏板122から表示素子110の短手方向に図10(b)の矢印Bで示す側圧が加えられる。この側圧は、表示素子110の裏面に貼り付けた梁部材126によって受け止められることにより、表示素子110は図10(b)で示した断面形状が維持され、よって、図8の本体部114から引き出された表示素子110に平面形状を保持する力が生じる。このように本体部114から引き出された表示素子110が自立して平面を維持する。なお、裏板122の一方の折返部124を表示素子110の裏面に固定してもよい。
【0066】
この状態では、図9の矢印D、E方向(又はその逆方向)に表示素子110を湾曲させようとしても、裏板122の平面保持力が働いて容易に曲げることができない。したがって、表示素子110を持つことなく、本体部114を片手で持つだけでディスプレイ装置112を使用することができる。
【0067】
次に、表示素子110の巻き取り時の動作について観明する。
【0068】
表示素子110の巻き取り時は、巻き取られることにより、裏板122が巻取軸116によって潰され、裏板122の湾曲形状が平面形状に矯正される点は第1の実施例と同様である。このように裏板122が潰されると、表示素子110にかかっていた側圧が開放されるため、表示素子110は矢印D方向(又はその逆方向)に湾曲可能となる。これによって、表示素子10が巻取軸116にスムーズに巻き取られる。このようにして、巻き取られた後の表示素子110は図12の如く本体部114に収納される。
【0069】
以上のように本発明の第2の実施例によれば、本体部114からフレキシブルな表示素子110を引き出して使用し、引き出した表示素子110は自力で平面形状を維持するが、携帯時は巻き取り可能であるため、本体部114に収納することができる。
【0070】
図13(a)は、フレキシブルな表示素子210を備えたディスプレイ装置212の第3の実施例を示し、表示素子210に裏板222を組み付けた状態の断面形状が示されている。図13(b)はこれを巻き取った状態の断面図が示されている。表示素子210の裏面の長手方向両端部には、長手方向に沿ってピン228、228…が所定の間隔をもって突設されている。また、裏板222の長手方向両端部には、ピン228の間隔と同間隔に長孔230、230…が形成されている。また、長孔230は、前記長手方向に直交する方向(短手方向)に形成されている。
【0071】
これらの長孔230、230…にピン228、228を係合させることにより表示素子210に裏板222が取り付けられると、裏板222に外力が作用していない図13(a)の状態では、長孔230がピン228を前記長手方向と直交する方向に押し合うため、表示素子210に側圧がかかる。一方、裏板222が潰された図13(b)では、前記押し合う力が解消されるので側圧が開放され、巻き取り可能となる。図13(c)は、ディスプレイ装置212の表示素子210を背面から見た図であり、側圧がかかった状態が示されている。
【0072】
このように表示素子210は、長手方向両端部から短手方向に側圧がかかった状態になることによって、裏板222と一体となり、また、裏板222の中央部には膨らみ部が形成されているので、全体として立体形状となり、曲げ力を与えても容易に曲がらない状態となって平面形状を維持する。
【0073】
図14は、フレキシブルな表示素子310を備えたディスプレイ装置312の第4の実施例を示した外観図であり、表示素子310が巻き戻された状態が示されている。図15は、表示素子310の単体構造が示されている。図15の表示素子310の裏面には、破線で示される裏板322が破線斜線の接着部330において接着されており、巻取軸316は図15の如く、操作部332や電源スイッチ334を持つ本体部を兼ねている。
【0074】
表示素子310に組み付けられる裏板322は、自由形状(外力を取り除いたときの形状)において断面略V字状に形成され、表示素子310に組み付けられると図14、15のようにV字形状を引き伸ばした形状となる。このとき、裏板322が引き伸ばされて組み付けられるので、接着部330と反対側の折返端336により、表示素子310に側圧が加えられ、表示素子310の剛性よって側圧が受け止められることにより表示素子310の平面性が維持され、図15の巻取軸316から巻き戻された状態の部分に平面形状を保持する力が生じる。これによって、巻取軸316から巻き戻された状態の表示素子310は、自立して平面性を維持する。
【0075】
この状態では表示素子310を湾曲させようとしても、裏板322の平面保持力が働いて容易に曲げることができない。したがって、表示素子310を持つことなく巻取軸316を片手で持つだけで、ディスプレイ装置312を使用することができる。
【0076】
次に、表示素子310の巻き取り時の動作について説明する。
【0077】
巻き取り時は、まず、図14のように巻取軸(本体部)316側から巻き取りが行なわれる。これにより、裏板322が巻取軸316によって潰され、湾曲形状が平面形状に矯正される点は第1の実施例と同様である。このように裏板322が潰されると、表示素子310にかかっていた側圧が開放され、湾曲可能となり、巻取軸316にスムーズに巻き取られる。このようにして、巻き取られた後の表示素子310は、図16のように巻取軸316の周囲に巻き付けられる。
【0078】
以上のように第4の実施例によれば、巻取軸316からフレキシブルな表示素子310を巻き戻して使用し、その表示素子310は自力で平面形状を維持するが、携帯時は巻取軸316に巻き付けて収納することができるので、携帯性が高く、かつ操作性がよいディスプレイ装置312を実現できる。なお、符号338は、表示素子310を巻き戻すためのツマミであって、表示素子310を巻き取った際に円弧状の裏板322に押し付けられてその形状を保持させるための保持部でもある。
【0079】
図17は、フレキシブルな表示素子410を備えたディスプレイ装置412の第5の実施例を示した外観図であり、表示素子410が本体部414から引き出された状態が示されている。図18は表示素子410の単体構造が示されており、図19はその裏面が示されている。また、図20は、裏板422の断面が示されている。図18、図19において、表示素子410は所定の厚みを有しており、裏板422は両端の側圧をかける部分の凸状折返部440、440…が巻き取り時の抵抗にならないように複数の切込部442、442…が形成されている。
【0080】
この表示素子410の構造は、図9に示したように表示面の裏面に梁状部材126が一面に貼り付けられているものであれば、図21のように裏板422によって側圧が加えられても表示素子410が側圧に抗して湾曲しないことは言うまでもない。また、このような構造を持たなくても、裏板422の側圧に耐える屈曲強度を持つように表示素子410が設計されていれば、構造上の制約は特に無く、平面形状の表示素子であってもよい。
【0081】
図22は、表示素子410が本体部414の巻取軸416に巻き取られた外観図が示されており、図23、24はこのときの本体部414内の表示素子410と裏板422の状態を展開して説明した図である。本体部414の巻取軸416に巻き取られることにより、裏板422は潰され、平面状となり、表示素子410の平面性を維持する側圧は表示素子410に加わらなくなる。
【0082】
このときの断面形状は図25に示されている。裏板422の折返部440、440…は、表示素子410の両端から離れるため側圧が開放される。図23、24は仮想形状であり、図23、24のように引き出した状態では、裏板422は湾曲し、表示素子410に側圧が加わった状態となる(図18、19参照)。
【0083】
図26は、本発明のディスプレイ装置と同様の構造を撮像装置(デジタルカメラ)500に適用した正面斜視図である。図27は、この撮像装置500の背面斜視図である。本体部502は略四角柱の一部を切除した形状をしており、背面からみて左手に表示素子の引出口が形成され(図26、図27において引出口は、表示素子の先頭部に固定された蓋504によって塞がれているため見えない)、蓋504には表示素子を引き出すためのツマミ506が形成されている。
【0084】
本体部502の上面には、リトラクタブル型のストロボ508が突没自在に設けられ、本体部502の前面には上部に撮影レンズ510が設けられ、その下方にはグリップ部512が形成されていて、グリップ部512の上端付近にレリーズボタン514が配置されている。
【0085】
また、本体部502の背面上部にはズームレバー515が配置され、その下に方向キー518が配置されるとともに、引出口(不図示)の近辺には選択ボタン520、522、524が設けられ、その横にはこれらのボタン520〜524が関連付けられる動作、機能が刻印されている。
【0086】
ボタン520〜524は複数の機能を兼ね備えており、表示素子を引き出した際には、そのボタンに近接した表示素子の位置に機能の名前(例えば、図33のON、OFF)が表示され、このときにボタン520〜524を押すと、刻印の機能ではなく、表示素子に表示された機能が実行される。なお、以下の表示素子は、図8に示した表示素子110を例示して説明するが、表示素子は図1〜図25に示したいずれの表示素子であっても適用できる。
【0087】
図28は、撮像装置500の内部構造を表した撮像装置500の組立図である。表示素子(フレキシブルディスプレイ)110は、本体部502の下部に配置された巻取軸516に巻き取られ、その上部の空間にレンズユニット526が配置されている。レンズユニット526の上部にはリトラクタブルストロボユニット528が配置され、メイン基板530は背面側に配置され、電池(不図示)はグリップ前面の膨出部内に収容されている。
【0088】
巻き取られたフレキシブルディスプレイ110は、図30のような円柱形状をしており、図29のように巻き戻されると、裏板の側圧作用によって平面形状が維持される。
【0089】
使用時は、図31の如く右手で本体部502を保持し、左手でツマミ506を持って表示素子110を引き出して使用する。表示素子110の巻取軸516は図7に示した巻取ばね18によって巻き取り方向に付勢されているが、所定位置まで巻き戻すと、公知のラッチ・解除機構からなる巻取軸ロック機構531(図35参照)によって、巻取軸516がロックされ、図32、33の状態となり、ツマミ506を放しても表示素子110は巻き取られない。表示素子110を本体部502から完全に引き出したことが、巻取軸516の回転を検出する巻取り検出SW533(図35参照)によって検出されると、メイン基板530の巻取り検出回路535(図35参照)の作用により、撮像回路に電源が投入され、次いで撮影レンズ510が沈胴位置から繰り出して図32の撮影位置に移動する。このように表示素子110の完全引出し時に連動して電源が投入されることにより、撮像装置500をカメラに適用した場合における即時性が向上する。
【0090】
また、撮影レンズ510の動作に連動してリトラクタブルのストロボ508がポップアップし、発光部509が露出した図32の状態となる。次に、撮像回路が起動して、スルー画像が出力されると、図33の如く表示素子110の表示面に被写体のスルー画像が映し出され、撮影のためのフレーミングやその他の操作が可能となる。このとき、表示素子110は裏板122によって平面形状が保持され、また、本体部502の引出口によって本体部502との位置関係が拘束される。これにより、図34の如く本体部502を片手で持った状態で表示素子110が自立安定し、多少の外力を加えても図34の位置関係及び平面形状を維持する。したがって、表示素子110を持つことなく、本体部502を把持した片手で撮影、再生、編集等の撮像装置の操作が可能となるので、この撮像装置500をカメラに適用した場合における操作性が向上する。
【0091】
表示素子110を本体部502に収納するときは、図32の状態からツマミ506を強く引き出し方向に引っ張ると、巻取軸ロック機構531による巻取軸516のロックが解除され、表示素子110が巻取軸516に巻き取られる。
【0092】
表示素子110が巻取軸516に完全に巻き取られたことが、巻取軸516の回転を検出する巻取り検出スイッチ533によって検出されると、メイン基板530の制御回路の作用により、撮像回路の動作が停止され、次いで撮影レンズ510が撮影位置から沈胴位置に移動され、図26の状態(バリアによって保護された状態)になった後、電源が切られる。また、ストロボ508も本体部502に、撮影レンズ510の沈胴動作に連動して収納される。このように、表示素子110の巻取りに連動して電源が切られることにより、別途電源をOFFにする操作を省略でき、その煩わしさを無くすことができる。また、この撮像装置500をカメラに適用した場合における携帯性が飛躍的に向上する。
【0093】
図35は、撮像装置500の構成を示したブロック図である。
【0094】
撮像装置500の撮影レンズ510の後方には、絞り装置532が配置されるとともに、撮影レンズ510の結像位置にはCCD534が配置されている。また、撮像装置500は、CPU536によってその全体動作が統括制御されている。 CPU536は、所定のプログラムに従ってカメラシステムを制御するシステム制御回路部として機能するとともに、自動露出(AE)演算、自動焦点調節(AF)演算、ホワイトバランス(WB)調整演算など、各種演算を実施する演算手段として機能する。
【0095】
CPU536に接続されたROM538には、CPU536が実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納され、EEPROM540には、CCD画素欠陥情報、カメラ動作に関する各種定数/情報等が格納されている。
【0096】
また、バス542を介してCPU536と接続されたメモリ544は、プログラムの展開領域及びCPU536の演算作業用領域として利用されるとともに、画像データや音声データの一時記憶領域として利用される。記憶部546は画像データ専用の一時記憶メモリである。
【0097】
レリーズボタン514は、撮影開始の指示を入力する操作ボタンであり、半押し時にオンになるS1スイッチと、全押し時にオンになるS2スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。
【0098】
表示素子110は、撮影時のスルー画像を表示する電子ビューファインダとして駆動されるとともに、再生時の静止画、動画を表示する画像再生用モニタとして駆動される。また、表示素子110は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。また、表示素子110には、記憶部546に記憶された画像データが縮小されてサムネイル表示される。
【0099】
本体部502は、メディアソケット548を有し、メディアソケット548には記録メディア550が装着される。記録メディア550の形態は特に限定されず、xD−ピクチャーカード、スマートメディア(商標)に代表される半導体メモリカード、可搬型小型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど、種々の媒体を用いることができる。
【0100】
メディアコントローラ552は、メディアソケット548に装着される記録メディア550に適した入出力信号の受け渡しを行うために所要の信号変換を行う。
【0101】
また、撮像装置500は、パソコンその他の外部機器とコネクタ又はアンテナ554を介して接続するための通信回路556を備えている。なお、符号558は、表示素子110に表示される画像をON/OFFするスイッチであり、符号560は、表示素子110を駆動する表示素子駆動回路である。また、符号562は電源回路であり、この電源回路562を介してCPU536に電池等の電源手段564から電源が投入される。
【0102】
次に、撮像装置500のカメラ機能について説明する。
【0103】
撮影レンズ510及び絞り532は、CPU536によって制御される露光制御回路566、測距制御回路568、ズーム・沈胴制御回路570、及びレンズ進退確認回路572によってズーム制御、フォーカス制御及びアイリス制御が行われる。
【0104】
撮影レンズ510を通過した光は、CCD534の受光面に結像される。CCD534の受光面には多数のフォトダイオード(受光素子)が二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。また、CCD534は、各フォトダイオードの電荷蓄積時間(シャッタースピード)を制御する電子シャッター機能を有している。CPU536は、タイミングジェネレータ574を介してCCD534での電荷蓄積時間を制御する。なお、CCD534に代えてMOS型など他の方式の撮像素子を用いてもよい。
【0105】
CCD534の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、CPU536の指令に従いタイミングジェネレータ574から与えられる駆動パルスに基づいて信号電荷に応じた電圧信号(画像信号)として順次読み出される。
【0106】
CCD534から出力された信号はアナログ処理部に送られ、ここで画素毎のR、G、B信号がサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器576に加えられる。A/D変換器576によってデジタル信号に変換された点順次のR、G、B信号は、メモリ制御部578を介して画像表示メモリ580に記憶される。
【0107】
画像処理回路582は、画像表示メモリ580に記憶されたR、G、B信号をCPU536の指令に従って処理する。すなわち、画像処理回路582は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含む画像処理手段として機能し、CPU536らのコマンドに従って画像表示メモリ580を活用しながら所定の信号処理を行う。
【0108】
画像処理回路582に入力されたRGBの画像データは、画像処理回路582において輝度信号及び色差信号に変換されるとともに、ガンマ補正等の所定の処理が施される。画像処理回路582で処理された画像データは記憶部546に記録される。
【0109】
撮影再生画像を表示素子110に出力する場合、記憶部546から画像データが読み出され、バス542を介して表示素子駆動回路560に送信される。表示素子駆動回路560は、入力された画像データを表示用の所定方式の信号(例えば、NTSC方式のカラー複合映像信号)に変換して表示素子110に出力する。また、撮影時のスルー画像は、画像処理回路582からバス542及び表示素子駆動回路560を介して表示素子110に表示される。
【0110】
図36は、撮像装置500の一連の動作の制御を表したフローチャートである。
【0111】
巻取り検出スイッチ533により表示素子110が完全に引き出されたことが検知されると(S100)、表示素子駆動回路560がONになり(S110)、この後、画像表示ON/OFFスイッチ558をONにし(S120)、モードダイヤル(例えば選択ボタン520、522、524)を操作して再生を選択すると(S130)、メモリ544、記憶部546に記憶された画像が読み出されて表示素子110に表示される(S140)。また、モードダイヤルを操作して記録を選択すると(S130)、画像処理回路582からの出力画像が表示素子110に表示される(S150)。この後、撮像装置500の操作が終了すると、表示素子110を本体部502に巻き取らせ、巻取り検出スイッチ533により表示素子110が完全に巻き取られたことが検出されると(S160)、表示素子駆動回路560がOFFになる(S70)。以上で撮像装置500の一連のシーケンスが終了する。
【0112】
以上の如く、この撮像装置500をカメラに適用した場合、図34のような構成にすれば、本体部502を片手で保持して他方の手で表示素子110を支持する必要が無く、片手撮影ができる。さらに、画面上の操作や、撮影のためのレンズ等の操作のために片手(実施例では左手)が自由に使え、わずらわしさの無い操作性の高いカメラを実現することが出来る。
【0113】
また、図31のように、本体部502を片手で持って他方の手で引き出すことで、撮影状態とすることもできる。このとき、図35にあるような巻き取ったことを検出する巻取り検出スイッチ533や、引き出したことを検出する不図示の引き出し検出スイッチに連動して、電源ONや撮影モードへの切り替えを行なえば、電源操作やモード切替無しに撮影状態とすることもでき、速写性の高いカメラが実現できる。
【0114】
図37は、フレキシブルな表示素子610を備えたディスプレイ装置612の第6の実施例を示した外観図であり、表示素子610が本体部614に収納された状態、図38は表示素子610が本体部614から引き出された図がそれぞれ示されている。本実施例では、内蔵メモリに蓄えられた画像データを表示素子610に表示することが可能な画像プレーヤーの例を示している。図39は、その内部構造の要部を示しており、巻取軸616にはモータ618の回転軸619が連結され、電動により表示素子610が引き出され、巻き取られるようになっている。なお、符号620は、表示素子610の先端部に取り付けられたツマミあって、本体部614の引出口615を閉鎖する蓋を兼ねている。
【0115】
次に、ディスプレイ装置612の一連の動作を図40のフローチャート、及び図41に示した画像プレーヤーのブロック図に基づいて説明する。
【0116】
図37の電源スイッチ622を図の左側(表示面側からみて左側)にスライドさせると(S200)、電源スイッチONが検出され、システムコントローラ624により、画像表示回路626の電源がONになる(S210)。これとともに、駆動回路628が制御されて図39のモータ618が反時計回りに回転され、表示素子610が図38の矢印方向に繰り出される(S220)。ここで、表示画面が観察可能となり、そこに内蔵メモリ630に記憶されたメニュー画面が表示されて、操作ボタン632群から種々の操作を受け付ける状態になる(S230)。
【0117】
次に、電源スイッチがOFFされると(S240)、システムコントローラ624によりモータ618が時計回りに回転され、表示素子610が巻取軸616に巻き取られる(S250)。同時に画像表示回路の電源が切られ(S260),電源スイッチが入力待ち状態となり、一連のシーケンスが終了する。なお、図41において、符号634はコネクタであり、このコネクタ634は入出力回路636を介してシステムコントローラ624に接続される。コネクタ634は外部通信機器に接続され、これによって画像プレーヤーと外部通信機器との間で情報の受け渡しが行われる。
【0118】
図42は、このような巻き取り用のモータ618を用いて電動で表示素子610を巻き取るようにした撮像装置のブロック図である。なお、この撮像装置の構成は、図35に示した撮像装置500の構成と、モータ618及び駆動回路628を除いて略同一であるため、ここでは同一の符号を付して説明を省略する。また、再生モード時の一連の動作は図40のシーケンスに準ずる。
【0119】
図38のように、表示素子610と裏板(不図示)を引き出した隙に、本体部614の根元部において、裏板の断面形状は引出口615の形状により規制される。
【0120】
図43(a)は、裏板が巻き取り前の形状とほぼ同形状となるように引出口615Aの形状を形成した例であり、このような引出口615Aを設けると、引き出された表示素子610の平面を維持する力が強く、より平面性が保たれ易い。表示素子610の表面側は、表示素子610の周囲と引出口615Aの緑のみが接触し、中央部は逃げを設けていることにより接触しないため、表示面のこすれが発生せず、傷つきを防止できる。
【0121】
図43(b)は、裏板が巻き取り前の形状よりやや扁平形状となるように引出口615Bの形状を形成した例であり、このような引出口615Bを設けると、引き出された表示素子610の平面を維持する力は図43(a)より弱いが、巻き取り時の抵抗が少なく、収納が容易となる。
【0122】
図43(c)は、裏板が巻き取り前の形状よりさらに扁平形状となるように引出口615Cの形状を形成した例であり、このような引出口615Cを設けると、収納に要する力が小さく、引き出し、収納を頻繁に行なう場合に操作性がよい。表示素子610の表面側は、表示素子610の周囲と引出口615Cの緑のみが接触する点は、図43(a)と同様だが、中央に近づくほど逃げの量が大きくなり、表示素子610に多少のたわみがあっても表示面のこすれが発生せず、傷つきを防止できる。
【0123】
図43(d)は、図43(a)の裏板規制形状に、図43(c)の逃げ形状を組み合わせた引出口615Dである。
【0124】
このように、引出口615Dによって裏板と表示素子610の緑部とが保持されることにより、本体部614に対して表示素子610の根元が位置決めされ、図34に示したように表示素子610が平面性を保ちながら、一定の方向に突き出た形状が維持される。これにより、表示素子610を持つことなく、本体部614を片手で保持して表示装置又は撮像装置としての使用が可能となる。
【0125】
図44は、図1、図8、図15の表示装置や、図26の撮像装置に適用される表示素子と裏板の外観図が示されている。
【0126】
本実施例の表示装置は、図44のような平面状の表示素子700と、表示素子700の裏面に取り付けられ、湾曲した断面形状の裏板722を持つ。表示素子700の一端は巻取軸716に接続され、他端は棒718が取り付けられており、矢印1の方向に(又はその逆に)湾曲させる力に対しては曲がり難くなっている。一方、矢印2の方向の湾曲(又はその逆に)には曲がり易く、巻取軸716に巻き取って収納することが可能である。裏板722は湾曲形状にクセが付けられていて、展開したときの断面形状は図45(a)のような形状となる。このとき表示素子700と裏板722の間には空間が生じており、中心付近ほど空間が広い。表示素子700はフレキシブルLCDであり、表示された画像を見るためには透過光を照射する必要があるが、図44のように裏板722の中心付近に複数のバックライト用LED720、720…を並べて表示素子700の背面の離れた距離から透過光を照射するよう構成されている。LED720、720…を配置したフレキシブルプリント版(バックライトフレキ)724は、裏板722に貼り付けられ、一端が裏板722の端を通過して図46のバックライト駆動回路726に接続されている(図44では不図示)。LED720、720…の光線は、図45(a)のように全周方向に照射される。ここで、裏板722には反射面が設けられており、図45(a)のように各方向に照射される光線を表示素子700の方向に反射させる。これにより、LED720、720…をバックライトとして使用できる。巻き取り後は、断面形状が図45(b)のようになり、裏板722の断面は平面に近い形状となるため、小さな空間に巻き取って収納することができる。
【0127】
図46は撮像装置に適用した場合のブロック図である。なお、この撮像装置の構成は、図35に示した撮像装置500の構成と、バックライトLED720及びバックライト駆動回路726を除いて略同一であるため、ここでは同一の符号を付して説明を省略する。
【0128】
図47は、別の実施例における表示素子810と裏板822の外観図であり、発光素子群を2列設けた例である。
【0129】
本実施例の表示装置は、表示素子810の一端が巻取軸816に接続され、他端は棒818が取り付けられており、一方向には曲がり難く、他の方向には曲がり易くなっており、巻取軸816に巻き取って収納することが可能である。裏板822は図48(a)の如く2つの尾根部826、826を持つ湾曲形状に癖が付けられていて、展開したときの断面形状は図48(a)のような形状となる。また、裏板822の中心付近に複数のバックライトLED820、820…を2列並べて、より均一に透過光を照射するようになっている。LED820を配置したフレキシブルプリント版(バックライトフレキ)824は裏板822に貼り付けられ、端部が裏板822の端を通過して図46に示したバックライト駆動回路726に接続されている。このフレキのたわみ吸収部は、図47の展開した状態ではたわみを持っているが、巻き取り収納時には図48(b)のように裏板822が平面状態となってLED820、820列同士の間隔が広がり、この撓み部分で寸法変化を吸収するように構成されている。LED820、820…の光線は図48(a)のように全周方向に照射されるが、裏板822には反射面が設けられており、図48(a)のように各方向に照射される光線をフレキシブルLCDである表示素子810の方向に反射し、バックライトとして機能させる。巻き取り後は、断面形状が図48(b)のようになり、裏板822の断面は平面に近い形状となる。これにより、小さな空間に巻き取って収納することができる。
【0130】
図49は、別の実施例における表示素子910と裏板922の外観図であり、発光素子を背面方向に照射するように配置した例である。
【0131】
本実施例の裏板922は、図50(a)のように中央に第二の膨らみ部923を持つ湾曲形状に癖が付けられている。また、裏板922の中心付近にはバックライトLED920を裏板922に向けて照射するように配置してある。LED920を配置したフレキシブルプリント板(バックライトフレキ)924は4箇所の接着部924A、924A…により裏板922に粘り付けられ、端部が裏板922の端を通過して図46のバックライト駆動回路726に接続されている。このフレキシブルプリント板924は、図50(a)のようにLED920が中間位置になるような形状に癖付けがされており、反射光は図50(a)のように反射面を介して表示素子910の裏面に照射される。図49のように広げた状態ではたわみを持っているが、巻き取り収納時には図50(b)のように裏板922が平面状態となって薄型化し、小さな空間に巻き取って収納することができる。このとき、裏面を向いたLED920、920…の凸郡は裏板中央部に第二の膨らみ内923に収まり、裏板922を変形させたりしないようになっている。
【0132】
フレキシブルプリント板924は、表示素子910の形状を維持するものでなくてもよく、使用時には湾曲して表示素子910から離間し、収納時は表示素子910に密着又は使用時より接近するように構成されていればよい。
【0133】
図51(a)〜(d)には、裏板の別実施例が示されている。図51(a)〜(c)の裏板1022は、二つの尾根部1026の高さが高く、図51(d)〜(f)の裏板1122は、二つの尾根部1126の高さが、尾根部1022よりも低くなるように癖が付けられているものである。なお、表示素子は便宜的に符号10で示している。
【0134】
図52(a)、(b)には、裏板のさらなる別実施例が示されている。図52(a)、(b)に示す裏板1222は、尾根部を有しておらず、また、略V字断面でもなく、断面形状が略凹状に形成されたものである。図53(a)、(b)は、図52(a)、(b)に示した表示素子及び裏板の引き出し時と収納時の断面形状がそれぞれ示されている。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】フレキシブルな表示素子を備えたディスプレイ装置の第1の実施例を示した外観図
【図2】図1に示したディスプレイ装置の本体部の内部構造を示した説明図
【図3】図1に示したディスプレイ装置の表示素子が巻取軸に巻き取られた状態を示した図
【図4】図1に示したディスプレイ装置の本体部の断面図
【図5】図1に示した表示素子及び裏板の断面図
【図6】図1に示したディスプレイ装置の裏板の斜視図
【図7】巻取りばねの構造を示した説明図
【図8】フレキシブルな表示素子を備えたディスプレイ装置の第2の実施例を示した外観図
【図9】図8に示したディスプレイ装置の表示素子の斜視図
【図10】図8に示したディスプレイ装置の表示素子及び裏板の断面図
【図11】図8に示したディスプレイ装置の表示素子の要部拡大図
【図12】図8に示したディスプレイ装置の本体部の断面図
【図13】フレキシブルな表示素子の第3の実施の形態を示した説明図
【図14】フレキシブルな表示素子を備えたディスプレイ装置の第4の実施例を示した外観図
【図15】図14に示したディスプレイ装置の巻取軸に操作部が設けられたことを示した図
【図16】図14に示した表示素子が巻取軸に巻き取られた状態を示した図
【図17】フレキシブルな表示素子の第5の実施の形態を示した説明図
【図18】図17に示した表示素子の斜視図
【図19】図18に示した表示素子の背面図
【図20】図19に示した裏板の断面図
【図21】図18に示した表示素子及び裏板の断面図
【図22】図17に示した表示素子が本体部に収納されたディスプレイ装置の斜視図
【図23】図17に示した裏板が潰された状態を展開して示した説明図
【図24】図23に示した裏板の背面図
【図25】図24に示した表示素子及び裏板の断面図
【図26】ディスプレイ装置と同様の構造を撮像装置に適用した正面斜視図
【図27】図26に示した撮像装置の背面斜視図
【図28】図26に示した撮像装置の組立斜視図
【図29】図26に示した撮像装置に適用された表示素子及び裏板の斜視図
【図30】図29に示した表示素子が巻取軸に巻き取られた状態を示した斜視図
【図31】図26に示した撮像装置の操作状態を示した説明図
【図32】図26に示した撮像装置の本体部から表示素子が引き出された状態を示した説明図
【図33】図32に示した撮像装置の背面斜視図
【図34】図33の撮像装置の操作状態を示した説明図
【図35】図26に示した撮像装置の構成を示したブロック図
【図36】図26に示した撮像装置の操作手順の一例を示したフローチャート
【図37】フレキシブルな表示素子を備えたディスプレイ装置の第6の実施例を示した外観図
【図38】図37に示したディスプレイ装置の本体部から表示素子が引き出された説明図
【図39】図38に示した表示素子を巻き取り、巻き戻すモータを示した説明図
【図40】図38に示したディスプレイ装置の操作手順の一例を示したフローチャート
【図41】図38に示したディスプレイ装置の構成を示したブロック図
【図42】図38に示したディスプレイ装置を撮像装置に適用した構成を示すブロック図
【図43】図38に示したディスプレイ装置の引出口の形状の種類を示した説明図
【図44】バックライト付き裏板を備えた表示素子の斜視図
【図45】図44に示した表示素子の断面図
【図46】図44の表示素子を備えた撮像装置の構成を示すブロック図
【図47】バックライト付き裏板を備えた表示素子の別実施例を示した斜視図
【図48】図47に示した表示素子の断面図
【図49】バックライト付き裏板を備えた表示素子の別実施例を示した斜視図
【図50】図50に示した表示素子の断面図
【図51】裏板の別実施例を示した説明図
【図52】裏板の別実施例を示した説明図
【図53】図52に示した別実施例の引き出し時と収納時の断面形状を示した図
【符号の説明】
【0136】
10…表示素子、12…ディスプレイ装置、14…本体部、16…巻取軸、18…巻取はね、22…裏板、126…梁部材、228…ピン、230…長孔、332…操作部、334…電源スイッチ、500…撮像装置、534…CCD、536…CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き取り、展開が可能なフレキシブルな表示素子において、
表示素子の背面を覆う裏板を設け、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して、表示素子を平面状に支持することを特徴とする表示素子。
【請求項2】
巻き取り、展開が可能なフレキシブルな表示素子を備えた携帯機器において、
表示素子の背面に、表示素子の巻き取り時は表示素子に密着し、表示素子の展開時は撓みが生じることにより、表示素子から少なくとも中央部が離間した湾曲形状となる裏板を設け、展開時には前記表示素子と前記裏板との2つの組み合わせからなる構造体によって、表示素子の平面性を維持することを特徴とする携帯機器。
【請求項3】
巻き取り、展開が可能なフレキシブルな表示素子を備えた携帯機器において、
表示素子の背面に裏板を設け、前記裏板は、表示素子の巻き取り時において表示素子の平面方向に側圧を排除することにより、形状保持力を低くして巻き取り抵抗を減らすとともに、表示素子の展開時は表示素子に対して側圧を付与することにより、表示素子の形状を平面に保持するように構成されたことを特徴とする携帯機器。
【請求項4】
前記裏板は、表示素子の展開時は撓みが生じることにより、表示素子から中央部が離間したV字型断面を持つ形状であることを特徴とする請求項2又は3に記載の携帯機器。
【請求項5】
前記裏板には、撓みが生じる表示素子の展開時において、表示素子から複数の湾曲部が離間した複数の尾根状となる尾根部材が形成され、表示素子と前記裏板とにより囲まれた空間を形成するように構成したことを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか一つに記載の携帯機器。
【請求項6】
前記裏板は、一端が表示素子の裏面に固定されていることを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか一つに記載の携帯機器。
【請求項7】
少なくとも撮影レンズ部と撮影操作部とを備え、略円柱又は多角形柱の本体部と、携帯時は本体部内に収納され、使用時は本体部から引き出されることにより使用可能となり、撮影画像又は再生画像を表示する表示素子を有する撮像装置であって、前記表示素子には、引き出された時に平面を維持する平面維持機構が取り付けられ、平面維持機構は、引き出された表示素子に拘束力を与えて本体部に対して所定の位置関係、形状を維持させるとともに、表示素子を本体部内に収納する際には前記拘束力を解除するように構成されたことを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
前記平面維持機構は、表示素子の背面を覆う裏板であり、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して表示素子を平面状に支持し、前記本体部の表示素子の引出口は、前記裏板が巻き取り前の形状と略同形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記平面維持機構は、表示素子の背面を覆う裏板であり、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して表示素子を平面状に支持し、前記本体部の表示素子の引出口は、裏板が巻き取り前の形状よりも所定量扁平形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記平面維持機構は、表示素子の背面を覆う裏板であり、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して表示素子を平面状に支持し、前記本体部の表示素子の引出口は、裏板が巻き取り前の形状よりも扁平形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記平面維持機構は、表示素子の背面を覆う裏板であり、裏板は、表示素子の巻き取り時には表示素子の背面に密着し、表示素子の展開時は少なくとも中央部が表示素子から離間して表示素子を平面状に支持し、前記本体部の表示素子の引出口は、前記裏板が巻き取り前の形状と略同形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に中央に近づくほど大きくなる逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記携帯機器の本体部の表示素子の引出口は、前記裏板が巻き取り前の形状と略同形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項2〜6のうちいずれか一つに記載の携帯機器。
【請求項13】
前記携帯機器の本体部の表示素子の引出口は、裏板が巻き取り前の形状よりも所定量扁平形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項2〜6のうちいずれか一つに記載の携帯機器。
【請求項14】
前記携帯機器の本体部の表示素子の引出口は、裏板が巻き取り前の形状よりも扁平形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項2〜6のうちいずれか一つに記載の携帯機器。
【請求項15】
前記携帯機器の本体部の表示素子の引出口は、前記裏板が巻き取り前の形状と略同形状となる形状に形成されるとともに、表示素子の表面に対向する部分に中央に近づくほど大きくなる逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項2〜6のうちいずれか一つに記載の携帯機器。
【請求項16】
前記表示素子の移動を検出する検出手段を備え、表示素子の第一の位置から第二の位置への移動に連動して、動作モードが切り替えられることを特徴とする請求項7〜11のうちいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項17】
前記裏板の画面表示部分の両端に回り込む部分に凸部が設けられていることを特徴とする請求項7〜11、16のうちいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項18】
前記本体部に内蔵された前記表示素子の巻取軸の、巻き取り時に表示範囲外の部分が接触する位置に巻取検出SWが設けられ、表示素子の巻き取り時には表示部の少なくとも一部の表示をOFFすることを特徴とする請求項7〜11、16、17のうちいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項19】
フレキシブルな表示素子の背面に、展開時は撓みが生じることにより、表示素子から中央部が離間した湾曲形状となり、収納時は展開時より表示素子に密着する裏板が設けられたものであって、前記裏板の表示素子側に反射面が設けられ、反射面と表示素子との間に発光素子が設けられたことを特徴とする携帯機器。
【請求項20】
弾性部材を用いて前記表示素子と前記反射面の中間位置に前記発光素子が設けられ、表示素子の巻き取り時は密着して巻き取り可能に構成されたことを特徴とする請求項19に記載の携帯機器。
【請求項21】
前記弾性部材は、発光素子の配線を備えるフレキシフプリント板であることを特徴とする請求項20に記載の携帯機器。
【請求項22】
前記裏板は、前記表示素子の巻き取り時は表示素子に密着し、展開時は撓みが生じることにより、表示素子から複数の湾曲部が離間した尾根状に形成されていることを特徴とする請求項19〜21のうちいずれか一つに記載の携帯機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate


【公開番号】特開2008−157996(P2008−157996A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343267(P2006−343267)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】