説明

表示装置及びその制御方法

【課題】外部装置から入力された画像信号に基づく画像とモニタ単体で表示する画像とで表示特性が異なってしまうことを抑制することのできる技術を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置は、画面上に表示された画像を測定する測定手段と、単体キャリブレーションを実行することにより、第1の表示設定を決定する第1決定手段と、連携キャリブレーションを実行することにより、第2の表示設定を決定する第2決定手段と、外部装置から入力された画像信号に基づく画像である外部入力画像を表示する際に、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かを判定する判定手段と、を有し、第2決定手段は、判定手段で、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定された場合に、連携キャリブレーションを実行することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高精細の医用モニタ(医用画像表示用の表示装置)は、一般に、PC(パーソナルコンピュータ)などの外部装置から出力された医用画像を表示する。しかし、今後は、医用モニタが高機能化し、医用画像をモニタ単体で簡易表示できる医用モニタが開発されることが予想される。また、そのような医用モニタとして、持ち運び可能なモニタ(表示装置)が開発されることが予想される。このような医用モニタを利用すれば、通常の読影を高機能なPC(PC内に記憶されているソフトウェア)とモニタを用いて行い、患者への説明等をモニタのみを用いて(医用画像をモニタ単体で簡易表示して)行うことが可能になる。また、そのような医用モニタがネットワークに接続されることが予想される。そして、ネットワークから画像を取得し、表示する医用モニタが開発されることが予想される。
【0003】
上述のようなモニタの場合、表示する画像の見え方(表示特性)を目標値に一致させる必要がある。ところが、PCから入力された画像(以下、外部入力画像)は、PCに設けられたグラフィックボードの特性やPC内での処理(例えば、PC内で行われる画像処理)によって、変化することがある。即ち、同じ画像であっても、外部入力画像とモニタ単体で表示する画像(単体表示画像)とでは、表示特性が異なることがある。そのため、表示特性のキャリブレーションとして、外部入力画像の表示特性のキャリブレーション(以下、連携キャリブレーション)と、単体表示画像の表示特性のキャリブレーション(以下、単体キャリブレーション)を行う必要がある。
【0004】
キャリブレーションに関する従来技術は、例えば、特許文献1,2に開示されている。
具体的には、特許文献1には、ソフトキャリブレーションの結果をデバイスキャリブレーションの結果に基づいて修正する技術が開示されている。ソフトキャリブレーションは、プリンタの印刷結果をスキャナで読み取ることにより得られたデータに基づいて行われるものである。デバイスキャリブレーションは、プリンタ内で自動的に行われるものであり、感光ドラム上に形成された潜像の電位や、トナー像の濃度に基づいて行われるものである。
特許文献2には、液晶表示部に対向して設けられた測光部で測光し、測光結果と所定の理想値との差分値に基づいてキャリブレーションを行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−057911号公報
【特許文献2】特開2005−208548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、モニタが単体キャリブレーションと連携キャリブレーションを行った後であっても、外部入力画像の表示特性と単体表示画像の表示特性とが異なってしまうことがある。例えば、モニタ(第1モニタ)をPC(第1PC)から取り外して持ち出している間に、別のユーザが第1PCに他のモニタ(第2モニタ)を接続し、第1PCが出力する画像の色合い等の設定(第1PCの出力設定)を変更することがある。そのような変更がされてしまうと、第1モニタと第1PCを再度接続し、第1PCが出力する画像を第1モニタに表示した場合に、第1モニタでの該画像(外部入力画像)の表示特性が、第1モ
ニタの単体表示画像の表示特性と異なってしまう。また、第1モニタに接続するPCを、連携キャリブレーション実行時に接続されていた第1PCから、第1PCとは異なる第2PCへ変更した場合に、第1モニタの外部入力画像の表示特性が、第1モニタの単体表示画像の表示特性と異なってしまうことがある。
【0007】
本発明は、外部装置から入力された画像信号に基づく画像とモニタ単体で表示する画像とで表示特性が異なってしまうことを抑制することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表示装置は、
画面上に表示された画像を測定する測定手段と、
予め記憶されている第1キャリブレーション用画像を表示し、前記測定手段で測定された該第1キャリブレーション用画像の測定値が目標値に近づくように表示設定を調整する単体キャリブレーションを実行することにより、第1の表示設定を決定する第1決定手段と、
外部装置から入力されたキャリブレーション用の画像信号に基づく第2キャリブレーション用画像を表示し、前記測定手段で測定された該第2キャリブレーション用画像の測定値が前記目標値に近づくように表示設定を調整する連携キャリブレーションを実行することにより、第2の表示設定を決定する第2決定手段と、
外部装置から入力された画像信号に基づく画像である外部入力画像を表示する際に、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記第2決定手段は、前記判定手段で、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定された場合に、連携キャリブレーションを実行する
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の表示装置の制御方法は、
画面上に表示された画像を測定する測定ステップと、
予め記憶されている第1キャリブレーション用画像を表示し、前記測定ステップで測定された該第1キャリブレーション用画像の測定値が目標値に近づくように表示設定を調整する単体キャリブレーションを実行することにより、第1の表示設定を決定する第1決定ステップと、
外部装置から入力されたキャリブレーション用の画像信号に基づく第2キャリブレーション用画像を表示し、前記測定ステップで測定された該第2キャリブレーション用画像の測定値が目標値に近づくように表示設定を調整する連携キャリブレーションを実行することにより、第2の表示設定を決定する第2決定ステップと、
外部装置から入力された画像信号に基づく画像である外部入力画像を表示する際に、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かを判定する判定ステップと、
を有し、
前記第2決定ステップでは、前記判定ステップで、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定された場合に、連携キャリブレーションが実行される
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、外部装置から入力された画像信号に基づく画像とモニタ単体で表示す
る画像とで表示特性が異なってしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1に係る表示システムの一例
【図2】実施例1に係る表示装置のハードウェア構成の一例
【図3】実施例1に係る表示装置の機能構成の一例
【図4】実施例1に係るキャリブレーション設定情報設定処理の流れの一例
【図5】実施例1に係る設定ウィンドウの一例
【図6】実施例1に係る通常キャリブレーション実行確認ウィンドウの一例
【図7】実施例1に係る通常キャリブレーションの流れの一例
【図8】実施例1に係る単体キャリブレーションの流れの一例
【図9】実施例1に係る連携キャリブレーションの流れの一例
【図10】実施例1に係る選択信号切替処理の流れの一例
【図11】実施例1に係る表示比較部による比較処理の流れの一例
【図12】実施例1に係る非通常連携キャリブレーションの流れの一例
【図13】実施例1に係るキャリブレーション実行時における表示画像の一例
【図14】実施例1に係る連携キャリブレーション実行確認ウィンドウの一例
【図15】実施例2に係る選択信号切替処理の流れの一例
【図16】実施例2に係る切り替え前データ記憶処理の流れの一例
【図17】実施例2に係る表示比較部による比較処理の流れの一例
【図18】実施例2に係る非通常連携キャリブレーションの流れの一例
【図19】実施例3に係る表示システムの一例
【図20】実施例3に係る時刻と接続されているPCの関係の一例
【図21】実施例3に係る表示装置の機能構成の一例
【図22】実施例3に係る選択信号切替処理の流れの一例
【図23】実施例3に係る表示比較部による比較処理の流れの一例
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例に係る表示装置及びその制御方法について説明する。本実施例に係る表示装置は、画面上に表示された画像を測定する測定部を有する。また、本実施例に係る表示装置は、単体キャリブレーションと連携キャリブレーションを実行可能である。
単体キャリブレーションは、表示装置に予め記憶されている第1キャリブレーション用画像を表示し、測定部で測定された第1キャリブレーション用画像の測定値が目標値に近づくように表示設定を調整するものである。
連携キャリブレーションは、外部装置から入力されたキャリブレーション用の画像信号に基づく第2キャリブレーション用画像を表示し、測定部で測定された第2キャリブレーション用画像の測定値が目標値に近づくように表示設定を調整するものである。
以下では、外部装置がPC(パーソナルコンピュータ)である場合について説明するが、外部装置はこれに限らない。外部装置は、表示装置に画像信号を出力するものであればよく、例えば、ハードディスクレコーダ、ブルーレイレコーダ、外部出力可能な表示装置、ゲーム機などであってもよい。
また、以下では、キャリブレーション用画像がパッチ画像である場合について説明するが、キャリブレーション用画像はパッチ画像に限らない。キャリブレーション用画像は、例えば、所定のパターン画像などであってもよい。
【0013】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る表示システムの一例を示す図である。図1に示すように、本実施例に係る表示システムは、表示装置100(モニタ)、PC101、画像サーバ103を有する。
表示装置100とPC101は、画像ケーブル102を用いて互いに接続される。画像
ケーブル102は、例えば、DVI(登録商標)またはDisplayPort(登録商標)規格に準拠したケーブルであり、画像信号と、DDC/CI(Display Data Channel Command Interface)に基づいた信号を伝送可能なケーブルである。なお、表示装置100に接続するPC101は変更可能である。即ち、表示装置100に画像信号を出力する外部装置は変更可能である。
また、表示装置100とPC101は、ネットワークケーブル104を用いて、画像サーバ103に接続されている。
【0014】
表示装置100は、入力された画像信号や画像ファイルに基づく画像を表示する。例えば、表示装置100は、PC101から出力された画像信号に基づく画像(外部入力画像)を表示する。また、表示装置100は、ユーザ操作に基づいて、画像サーバ103から画像ファイルを取得し、該取得した画像ファイルに基づく画像(単体表示画像)を表示する。なお、表示装置100と画像サーバ103との間の通信は、例えば、DICOM(Digital Imaging Communications in Medicine)規格に準拠した通信プロトコルに則って行われる。また、画像ファイルは、例えば、DICOM規格に準拠した画像ファイルである。具体的には、JPEG等の方式で圧縮された圧縮ファイル、RAWファイル等の非圧縮ファイルまたはロスレス圧縮ファイル、などであり、DICOM規格に準拠したメタデータが付加されている。表示装置は、取得した画像ファイルをデコードして、該画像ファイルに基づく画像を表示する。
また、表示装置100は、PC101にパッチ送信要求信号などの制御信号を送信する。パッチ送信要求信号は、パッチ画像の信号(外部パッチ信号)の送信の要求を示す信号である。
PC101は、表示装置100からのパッチ送信要求信号に応じて、外部パッチ信号と、外部パッチ信号の送信の完了を示す信号(パッチ送信完了信号)などの応答信号とを、表示装置100に送信する。なお、外部パッチ信号の送信が完了した時点で、表示装置100には該外部パッチ信号に基づくパッチ画像(外部パッチ画像;第2キャリブレーション用画像)が完全に表示される。そのため、パッチ送信完了信号は、外部パッチ画像の表示の完了を示す信号とも言える。また、PC101は、ユーザ操作に基づいて、画像サーバ103から画像ファイルを取得する。なお、PC101と画像サーバ103との間の通信も、例えば、DICOM規格に準拠した通信プロトコルに則って行われる。そして、PC101は、取得した画像ファイルをデコードして画像信号を生成し、必要に応じて所定の処理を施して表示装置100に出力する。
【0015】
図2(A)は、表示装置100のハードウェアブロック図の一例である。図2(B)は、表示装置100の、輝度・色度センサ210近傍の断面(画面に垂直な面によって得られる断面)の一例を示すイメージ図である。
CPU201は、不揮発性メモリ203から各種制御を行うためのプログラムを読み込み、内部バス213に接続された各構成ブロックの制御を行う。
例えば、CPU201は、不揮発性メモリ203に記録されたキャリブレーション設定情報に基づいて単体キャリブレーション及び連携キャリブレーションを実行する。単体キャリブレーション及び連携キャリブレーションの詳細については後述する。キャリブレーション設定情報は、キャリブレーションの目標値(最大目標輝度値、目標階調カーブなど)を含む情報である。
また、CPU201は、ユーザ操作によってキャリブレーション設定情報が設定された場合に、設定されたキャリブレーション設定情報を不揮発性メモリ203に記録(上書き)する。ユーザは、例えば、タッチパネル211を用いて表示装置100を操作する。
また、CPU201は、ユーザ操作に基づいて画像表示アプリケーション(画像ビューワなど)を実行する。
また、CPU201は、画像表示アプリケーションに対するユーザ操作に基づいて、ネットワーク通信回路212を介して、画像サーバ103から画像ファイルを取得、デコー
ドして画像信号(単体表示画像信号)を生成する。そして、CPU202は、生成した単体表示画像信号を、必要に応じて画像処理(ウィンドウレベル調整など)を適用し、画像処理回路205に出力する。具体的には、単体表示画像信号に基づく画像(単体表示画像)と、画像表示アプリケーションの画像とを含む画像を表す画像信号が生成され、画像処理回路205に出力される。
【0016】
メモリ202は、CPU201の処理に用いるデータを一時的に記憶する。
不揮発性メモリ203は、CPU201が使用するプログラム、バックライト発光パラメータ、画質調整パラメータ、キャリブレーション設定情報などを記憶する。バックライト発光パラメータは、画像を表示する際のバックライト輝度値などである。画質調整パラメータは、画像処理回路205で画像処理を行う際に用いられるルックアップテーブルなどである。
なお、本実施例では、単体表示画像の表示特性のキャリブレーション(単体キャリブレーション)と外部入力画像の表示特性のキャリブレーション(連携キャリブレーション)とが、個別に実行される。そのため、本実施例では、バックライト発光パラメータ及び画質調整パラメータとして、単体表示画像用パラメータ(第1の表示設定)と外部入力画像用パラメータ(第2の表示設定)の2種類が決定され、不揮発性メモリ203に記録される。具体的には、単体キャリブレーションを実行することにより単体表示画像用パラメータが決定され、連携キャリブレーションを実行することにより外部入力画像用パラメータが決定される。
なお、単体表示画像と外部入力画像とで元の画像ファイルが同じであっても、外部入力画像の信号にはPC内にて所定の処理が施されている場合があるため、単体表示画像と外部入力画像の表示特性は必ずしも一致しない。そのため、上記単体キャリブレーションを実行しただけでは、単体表示画像と外部入力画像の表示特性を一致させることができないことがある。本実施例で単体キャリブレーションと連携キャリブレーションとを実行するのは、そのためである。
【0017】
画像入力回路204は、PC101から画像信号(外部入力画像信号(外部パッチ信号を含む))を受信し、画像処理回路205に出力する。また、画像入力回路204は、制御信号をPC101に送信し、PC101から受信した応答信号をCPU201に出力する。
画像処理回路205は、不揮発性メモリ203に記録された画質調整パラメータに基づいて、画像入力回路204及びCPU201から受信された画像信号に画像処理を適用し、画像処理が適用された画像信号を液晶表示デバイス206に出力する。
【0018】
液晶表示デバイス206は、複数の液晶素子を有する液晶パネルであり、画像処理回路205から受信した画像信号に基づいて各液晶素子の透過率を制御する。
バックライト制御回路207は、不揮発性メモリ203に記録されたバックライト発光パラメータに基づいて、バックライト208の発光輝度を制御するバックライト制御信号を生成し、出力する。
バックライト208は、バックライト制御回路207から受信したバックライト制御信号に基づいて発光する。
バックライト208からの光が液晶表示デバイス206の液晶素子を透過することにより、画像が表示される。
【0019】
センサ制御回路209は、CPU201から受信した測定要求信号に応じて輝度・色度センサ210を制御するセンサ制御信号を出力し、輝度・色度センサ210で測定された輝度及び色度をCPU201に出力する。測定要求信号は、輝度及び色度の測定の要求を示す信号である。
輝度・色度センサ210は、画面上に表示された画像を測定する。具体的には、輝度・
色度センサ210は、センサ制御回路209からのセンサ制御信号の受信に応じて、輝度及び色度の測定を開始し、測定結果をセンサ制御回路209に出力する。輝度・色度センサ210は、例えば、図2(B)に示すように、画面(液晶素子)に対向するように設けられ、画面上の輝度及び色度(画面上に表示された画像(パッチ画像)の輝度及び色度)を測定する。
【0020】
タッチパネル211は、ユーザ操作を受け付け、該ユーザ操作に応じた信号をCPU201に通知する。
ネットワーク通信回路212は、画像サーバ103に画像送信要求信号を送信し、画像ファイルを取得する。
液晶表示装置100の各構成ブロックは、内部バス213を介してデータ通信を行う。
【0021】
図3は、表示装置100の機能ブロック図である。
UI部301は、ユーザがキャリブレーション設定情報の設定を開始する操作を行うと、現在のキャリブレーション設定情報をキャリブレーション設定管理部302から取得する。そして、UI部301は、キャリブレーション設定情報を設定するためのウィンドウ(設定ウィンドウ)の信号を生成し、出力する。それにより、設定ウィンドウが表示される。その後、ユーザが、必要に応じてキャリブレーション設定情報を変更し、キャリブレーション設定情報を確定する操作を行うと、UI部301は、確定されたキャリブレーション設定情報をキャリブレーション設定管理部302に出力する。
また、UI部301は、ユーザがキャリブレーションを実行する操作を行うと、キャリブレーション実行制御部303に通常キャリブレーション実行要求信号を出力する。通常キャリブレーション実行要求信号は、通常キャリブレーション(単体キャリブレーションと連携キャリブレーションの両方)の実行の要求を示す信号である。
また、UI部301は、ユーザが単体表示画像を表示する操作を行うと、単体表示画像信号を表示制御部305へ出力するよう、単体表示画像表示制御部312を制御する。
また、UI部301は、ユーザ操作に応じて、表示制御部305に切り替え要求信号を出力する。切り替え要求信号は、表示画像の切り替えの要求を示す信号である。本実施例では、切り替え要求信号に応じて、表示画像が、画像入力部308からの外部入力画像信号に基づく外部入力画像と、単体表示画像表示制御部312からの単体表示画像信号に基づく単体表示画像との間で切り替えられる。なお、切り替え要求信号に応じて、表示画像が、単体表示画像と外部入力画像以外の画像に切り替えられてもよい。
【0022】
キャリブレーション設定管理部302は、UI部301、キャリブレーション実行制御部303または表示比較部311からの要求に応じて、不揮発性メモリ203からキャリブレーション設定情報を読み込み、該要求の送信元に出力する。また、UI部301から送信されるキャリブレーション設定情報を、不揮発性メモリ203に記録(上書き)する。
【0023】
キャリブレーション実行制御部303は、単体キャリブレーションを実行することにより単体表示画像用パラメータを決定し(第1決定)、連携キャリブレーションを実行することにより外部入力画像用パラメータを決定する(第2決定)。
具体的には、キャリブレーション実行制御部303は、UI部301からの通常キャリブレーション実行要求信号の受信に応じて、キャリブレーション設定管理部302からキャリブレーション設定情報を取得する。そして、キャリブレーション実行制御部303は、通常キャリブレーション(単体キャリブレーションと連携キャリブレーションの両方)を実行する。
また、キャリブレーション実行制御部303は、表示比較部311からの連携キャリブレーション実行要求信号の受信に応じて、連携キャリブレーションを実行する。
【0024】
単体キャリブレーションを実行する場合、キャリブレーション実行制御部303は、予め記憶されているパッチ信号(内部パッチ信号)を表示制御部305に出力する。それにより、該内部パッチ信号に基づくパッチ画像(内部パッチ画像;第1キャリブレーション用画像)が表示される。その際、キャリブレーション実行制御部303は、測定要求信号を測色部307へ出力する。そして、キャリブレーション実行制御部303は、測色部307から、輝度・色度センサ210の測定結果(表示された内部パッチ画像の輝度及び色度)を取得する。その後、キャリブレーション実行制御部303は、取得した輝度及び色度に基づいて画質調整パラメータやバックライト発光パラメータを算出し、表示制御部305、バックライト制御部306、及び、パラメータ管理部304に出力する。
【0025】
一方、連携キャリブレーションを実行する場合、キャリブレーション実行制御部303は、PC通信部309にパッチ送信要求信号を出力する。それにより、PC101から外部パッチ信号が入力され、外部パッチ画像が表示される。その際、キャリブレーション実行制御部303は、測定要求信号を測色部307へ出力する。そして、単体キャリブレーションの場合と同様に、キャリブレーション実行制御部303は、測色部307から輝度・色度センサ210の測定結果(表示された外部パッチ画像の輝度及び色度)を取得する。その後、キャリブレーション実行制御部303は、取得した輝度及び色度に基づいて画質調整パラメータやバックライト発光パラメータを算出し、表示制御部305、バックライト制御部306、及び、パラメータ管理部304に出力する。
単体キャリブレーション及び連携キャリブレーションの詳細については後述する。
【0026】
パラメータ管理部304は、キャリブレーション実行制御部303から受信したバックライト発光パラメータや画質調整パラメータを不揮発性メモリ203に書き込む。
表示制御部305は、画像入力部308が出力する外部入力画像信号と単体表示画像表示制御部312が出力する単体表示画像信号のいずれかを、切り替え要求信号に応じて選択し、選択した画像信号を画像処理回路205に出力する。その際、表示制御部305は、画像処理回路205に、選択した画像信号に対応する画質調整パラメータを使用する指示を出力し、バックライト制御部306に、選択した画像信号に対応するバックライト発光パラメータを使用する指示を出力する。それにより、上記選択された画像信号が画像処理回路205で補正され、補正された画像信号に基づく画像が表示される。
また、表示制御部305は、選択する画像を単体表示画像信号から外部入力画像信号へ切り替えた場合に、表示比較部311に表示比較要求信号を出力する。表示比較要求信号は、外部パッチ画像の輝度及び色度が目標値と一致しているか否かの比較の要求を示す信号である。
また、表示制御部305は、UI部301から受信した設定ウィンドウの信号やキャリブレーション実行制御部303から受信したパッチ信号を、上記選択した画像信号に合成することにより合成画像信号を生成して、画像処理回路205に出力する。合成画像信号は、上記選択された画像信号に基づく画像と、設定ウィンドウやパッチ画像などの画像とが合成された画像を表す信号である。
また、表示制御部305は、キャリブレーション実行中にキャリブレーション実行制御部303から受信した画質調整パラメータを、画像処理回路205に出力する。
【0027】
バックライト制御部306は、表示制御部305から受信したパラメータ切り替え指示(表示制御部305で選択された画像信号に対応するバックライト発光パラメータを使用する指示)をバックライト制御回路207に出力する。また、バックライト制御部306は、キャリブレーション中にキャリブレーション実行制御部303から受信したバックライト発光パラメータを、バックライト制御回路207に出力する。
【0028】
測色部307は、キャリブレーション実行制御部303、または、表示比較部311から受信した測定要求信号をセンサ制御回路209へ出力する。また、測色部307は、キ
ャリブレーション実行制御部303、または、表示比較部311からの要求に応じて、センサ制御回路209から輝度・色度センサ210の測定結果(輝度及び色度)を取得し、要求の送信元へ出力する。
画像入力部308は、画像入力回路204がPC101から受信した外部入力画像信号を表示制御部305に出力する。また、画像入力部308は、PC101からの外部入力画像信号を検出した場合に、入力有無検出部310に入力検出信号を出力する。画像入力部308は、PC101からの外部入力画像信号を検出しなくなった場合、入力有無検出部310に入力解除信号を出力する。
【0029】
PC通信部309は、キャリブレーション実行制御部303または表示比較部311からパッチ送信要求信号が送信されると、画像入力回路204を介してPC101にパッチ送信要求信号を出力する。また、PC通信部309は、画像入力回路204を介してPC101からパッチ送信完了信号を受信し、キャリブレーション実行制御部303または表示比較部311(パッチ送信要求信号の送信元)に出力する。
入力有無検出部310は、画像入力部308から受信した入力検出信号及び入力解除信号に基づいて、PC101からの外部入力画像信号の入力の有無を判定し、判定結果を入力有無情報として記憶する。具体的には、入力有無検出部310は、入力検出信号を受信してから入力解除信号を受信するまでの期間に、外部入力画像信号の入力が有ると判定し、それ以外の期間で、外部入力画像信号の入力が無いと判定する。また、入力有無検出部310は、キャリブレーション実行制御部303からの要求に応じて入力有無情報を出力する。
【0030】
表示比較部311は、外部入力画像を表示する際に、外部装置の出力設定(外部機器内で行う画像処理の内容など)または第2の表示設定(外部入力画像用パラメータ)が前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かを判定する。
具体的には、表示比較部311は、表示制御部305からの表示比較要求信号の受信に応じて、PC通信部309にパッチ送信要求信号を出力する。それにより、PC101から外部パッチ信号が入力され、外部パッチ画像が表示される。その際、表示比較部311は、測定要求信号を測色部307へ出力する。そして、表示比較部311は、測色部307から輝度・色度センサ210の測定結果(表示された外部パッチ画像の輝度及び色度)を取得する。その後、表示比較部311は、キャリブレーション設定管理部302から取得したキャリブレーション設定情報(キャリブレーションの目標値)と測定結果を比較する。当該比較により、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かが判定され、異なると判定された場合には連携キャリブレーションを実行する必要があると判断される。
そして、表示比較部311は、連携キャリブレーションを実行する必要があると判断した場合に、キャリブレーション実行制御部303に連携キャリブレーションの実行を要求する。上述したように、キャリブレーション実行制御部303は、表示比較部311からの連携キャリブレーション実行要求信号の受信に応じて、連携キャリブレーションを実行する。即ち、本実施例では、キャリブレーション実行制御部303は、表示比較部311で、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定された場合に、連携キャリブレーションを実行する。
表示比較部311の判定処理の詳細については後述する。
【0031】
単体表示画像表示制御部312は、UI部301からの指示に応じて、ネットワーク通信部313に画像送信要求信号を出力し、ネットワーク通信部313から画像ファイルを取得する。そして、単体表示画像表示制御部312は、取得した画像ファイルをデコードすることにより単体表示画像信号を生成し、単体表示画像信号を、必要に応じてアイコン等の画像信号の合成処理やユーザが指示した画像処理を施して、表示制御部305に出力する。
ネットワーク通信部313は、単体表示画像表示制御部312からの画像送信要求信号を、ネットワーク通信回路212を介して画像サーバ103に送信し、画像サーバ103から画像ファイルを取得する。そして、ネットワーク通信部313は、取得した画像ファイルを単体表示画像表示制御部312に出力する。
【0032】
なお、図3に示す各機能ブロック(UI部301〜ネットワーク通信部313)の処理は、CPU201により実行される。
【0033】
図4は、ユーザがキャリブレーション設定情報の設定を開始する操作を行った際のUI部301の処理(キャリブレーション設定情報設定処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、UI部301は、キャリブレーション設定管理部302から現在のキャリブレーション設定情報を取得する(S401)。
【0034】
次に、UI部301は、設定ウィンドウの信号を生成して表示制御部305に出力する(S402)。表示制御部305は、現在表示されている画像の信号に設定ウィンドウの信号を合成することにより合成画像信号を生成し、出力する。それにより、現在表示されている画像に設定ウィンドウが重畳された画像が表示される。
【0035】
そして、ユーザは、設定ウィンドウを用いて、必要に応じてキャリブレーション設定情報(キャリブレーションの目標値)を変更する操作を行った後、キャリブレーション設定情報の設定を完了する操作を行う(S403)。詳細は後述するが、本実施例では設定ウィンドウはOKボタンとキャンセルボタンを有しており、ユーザが上記2つのボタンのいずれかを選択すると、キャリブレーション設定情報の設定が完了される。
【0036】
次に、UI部301は、上記2つのボタンのいずれかが選択されたことに応じて(設定を完了する操作に応じて)、設定ウィンドウを消去する(閉じる)(S404)。
そして、UI部301は、S403でOKボタンが選択された場合に(S405:YES)、設定された目標値をキャリブレーション設定情報としてキャリブレーション設定管理部302に出力する(S406)。それにより、キャリブレーション設定情報が保存(更新)される。そして、UI部301は、処理を終了する。
また、UI部301は、S403でキャンセルボタンが選択された場合に(S405:NO)、処理を終了する。
【0037】
図5は、設定ウィンドウの一例を示す図である。
設定ウィンドウ501は、テキストボックス502、ラジオボタン503,504、OKボタン505、キャンセルボタン506などを有する。
【0038】
テキストボックス502は、キャリブレーション実行時の目標最大輝度値を設定するためのテキストボックスである。図5の場合、キャリブレーション実行時の目標最大輝度値は300cd/mに設定されている。
【0039】
ラジオボタン503,504は、キャリブレーション実行時の目標階調カーブを設定するためのラジオボタンである。ラジオボタン503を選択すると、目標階調カーブは、DICOM GSDFに設定され、ラジオボタン504を選択すると、目標階調カーブはγ2.2に設定される。図5の場合、目標階調カーブはDICOM GSDFに設定されている。なお、目標階調カーブの詳細は本発明の主旨ではないため、説明を省略する。
【0040】
OKボタン505、キャンセルボタン506は、キャリブレーション設定情報の設定を完了するためのボタンである。
OKボタン505が選択された場合には、設定ウィンドウで示されているキャリブレーション設定情報が保存されて、キャリブレーション設定情報の設定が完了される。この時、UI部301に、OKボタンが選択されたことが通知される。
キャンセルボタン506が選択された場合には、設定ウィンドウで示されているキャリブレーション設定情報の保存は行われずに、キャリブレーション設定情報の設定が完了される。即ち、キャンセルボタン506を選択してキャリブレーション設定情報の設定が完了された場合には、上記設定ウィンドウを表示してから行われたキャリブレーション設定情報の変更は無効とされる。この時、UI部301に、キャンセルボタンが選択されたこと(OKボタンが選択されなかったこと)が通知される。
【0041】
図6は、通常キャリブレーションの実行を開始する際に表示されるウィンドウ(通常キャリブレーション実行確認ウィンドウ)の一例を示す図である。本実施例では、ユーザからの指示に基づいて通常キャリブレーションが実行される。通常キャリブレーション実行確認ウィンドウは、例えば、ユーザがキャリブレーションの実行を開始する操作を行った場合、ユーザがキャリブレーション設定情報の設定を完了する操作を行った場合などに表示される。具体的には、ユーザ操作に応じてUI部301が通常キャリブレーション実行確認ウィンドウの信号を生成して表示制御部305に出力する。それにより、通常キャリブレーション実行確認ウィンドウが表示される。通常キャリブレーションでは、単体キャリブレーションと連携キャリブレーションの両方が実行される。但し、表示装置100に外部入力画像が入力されていない場合(表示装置100に外部装置(PC101)が接続されていない場合)には連携キャリブレーションは実行されない。
【0042】
実行確認ウィンドウ601は、キャリブレーション設定情報(目標値)が表示される領域602、はいボタン603、いいえボタン604など有する。
ユーザは、領域602により、現在のキャリブレーション設定情報を確認することができる。
はいボタン603は、ユーザが、領域602に表示されているキャリブレーション設定情報に基づく通常キャリブレーションを開始するために押下(選択)するボタンである。ユーザがはいボタン603を選択すると、UI部301からキャリブレーション実行制御部303へ通常キャリブレーション実行要求信号が出力される。図6の場合、UI部301からキャリブレーション実行制御部303へ、最大目標輝度値を300cd/m、目標階調カーブをDICOM GSDFとする通常キャリブレーションの実行が要求される。
いいえボタン604は、ユーザが、通常キャリブレーションを行わないために押下(選択)するボタンである。ユーザがいいえボタン604を選択すると、UI部301からキャリブレーション実行制御部303へ通常キャリブレーション実行要求信号は出力されずに、実行確認ウィンドウ601は消去される(閉じられる)。
【0043】
図7は、通常キャリブレーション実行要求信号の受信に応じてキャリブレーション実行制御部303が実行する通常キャリブレーションの流れの一例を示すフローチャートである。
まず、キャリブレーション実行制御部303は、キャリブレーション設定管理部302からキャリブレーション設定情報を取得する(S701)。
次に、キャリブレーション実行制御部303は、単体キャリブレーションを実行する(S702)。単体キャリブレーションのフローチャートは後述する。
そして、キャリブレーション実行制御部303は、入力有無検出部310から、入力有無情報を取得する(S703)。
外部入力画像信号が入力されている場合には(S704:YES)、キャリブレーション実行制御部303は、引き続き連携キャリブレーションを実行する(S705)。連携キャリブレーションのフローチャートは後述する。外部入力画像信号が入力されていない
場合には(S704:NO)、キャリブレーション実行制御部303は、連携キャリブレーションを行わずに処理を終了する。
【0044】
図8は、キャリブレーション実行制御部303による単体キャリブレーションの流れの一例を示すフローチャートである。
まず、キャリブレーション実行制御部303は、表示制御部305に対して画質調整パラメータの初期化を要求し、バックライト制御部306に対してバックライト発光パラメータの初期化を要求する(S801)。その結果、画像を表示する際に、画像処理回路205とバックライト制御回路207でパラメータの初期値が使用される。
【0045】
次に、キャリブレーション実行制御部303は、所定のパッチ画像数分、S803〜S805の処理を繰り返す(S802)。
まず、キャリブレーション実行制御部303は、表示制御部305に内部パッチ信号を出力する(S803)。表示制御部305は、現在表示されている画像の信号に、受信した内部パッチ信号を合成することにより合成画像信号を生成し、出力する。それにより、現在表示されている画像に内部パッチ画像が重畳された画像が表示される。また、このとき、キャリブレーション実行制御部303は、測定要求信号を測色部307へ出力する。それにより、輝度・色度センサ210で上記内部パッチ画像の輝度及び色度が測定され、測定結果が測色部307で取得される。
次に、キャリブレーション実行制御部303は、測色部307から、表示された内部パッチ画像の輝度及び色度を取得する(S804)。
そして、S802へ処理が戻される(S805)。
【0046】
所定のパッチ画像数分、S803〜S805の処理が繰り返された後、S806へ処理が進められる。
S806では、キャリブレーション実行制御部303は、取得した各パッチ画像の輝度及び色度、最大目標輝度値、目標階調カーブに基づいて、画質調整パラメータとバックライト発光パラメータを算出する。
次に、キャリブレーション実行制御部303は、S806で算出した画質調整パラメータ、バックライト発光パラメータを、それぞれ、表示制御部305、バックライト制御部306に出力する。それにより、S806で算出されたパラメータが仮設定され、該仮設定されたパラメータを使用して画像が表示される(S807)。
【0047】
そして、キャリブレーション実行制御部303は、所定のパッチ画像数分、S809〜S811の処理を繰り返す(S808)。S809〜S811の処理はS803〜S805の処理と同様のため、その説明は省略する。
【0048】
所定のパッチ画像数分、S809〜S811の処理が繰り返された後、S812へ処理が進められる。
S812では、キャリブレーション実行制御部303は、S810で取得された測定結果(輝度及び色度)を評価する。具体的には、キャリブレーション実行制御部303は、S810で取得された各パッチ画像の輝度及び色度が、目標値(最大目標輝度値、目標階調カーブに基づく値)に対して所定の誤差範囲内に収まっているか否かを判定する。
【0049】
各パッチ画像の測定結果が全て目標値に対して所定の誤差範囲内に収まっている場合には、キャリブレーション実行制御部303は、単体キャリブレーションが完了したと判断し(S813:YES)、処理をS814へ進める。S814では、キャリブレーション実行制御部303は、S806で算出した画質調整パラメータとバックライト発光パラメータをパラメータ管理部304に出力し、単体表示画像用パラメータとして記録する。
目標値に対して所定の誤差範囲内に収まっていない測定結果がある場合には、キャリブ
レーション実行制御部303は、単体キャリブレーションを続ける必要があると判断し(S813:NO)、処理をS815へ進める。S815では、キャリブレーション実行制御部303は、画質調整パラメータとバックライト発光パラメータを微調整する。そして、S807へ処理が戻される。所定の回数以上微調整を行っても目標値に対して所定の誤差範囲内に収まらない測定結果がある場合には、単体キャリブレーションが完了したと判断され(S813:YES)、S814へ処理が進められる。
【0050】
図9は、キャリブレーション実行制御部303による連携キャリブレーションの流れの一例を示すフローチャートである。
まず、キャリブレーション実行制御部303は、表示制御部305に対して画像入力部308が出力する外部入力画像信号に基づく外部入力画像を表示するように要求する(S901)。表示制御部305は、該要求を受信すると、画像入力部308が出力する外部入力画像信号を選択して出力する。
【0051】
次に、キャリブレーション実行制御部303は、単体キャリブレーションの場合と同様に、表示制御部305に対して画質調整パラメータの初期化を要求し、バックライト制御部306に対してバックライト発光パラメータの初期化を要求する(S902)。その結果、画像を表示する際に、画像処理回路205とバックライト制御回路207でパラメータの初期値が使用される。
【0052】
次に、キャリブレーション実行制御部303は、所定のパッチ画像数分、S904〜S907の処理を繰り返す(S903)。
まず、キャリブレーション実行制御部303は、PC通信部309にパッチ送信要求信号を送信する(S904)。それにより、PC通信部309からPC101へパッチ送信要求信号が送信される。
次に、キャリブレーション実行制御部303は、画像入力部308がPC101から外部パッチ信号を受信し、PC通信部309がPC101からパッチ送信完了信号を受信するまで待機する(S905)。外部パッチ信号の受信が完了すると、PC通信部309でパッチ送信完了信号が受信され、PC通信部309からキャリブレーション実行制御部303へパッチ送信完了信号が送信される。このとき、(S901の処理により)表示制御部305では画像入力部308が出力する外部入力画像信号(外部パッチ画像を含む)が選択されている。そのため、PC101から外部パッチ信号が受信されると、画面にPC101から出力された外部パッチ信号に基づく外部パッチ画像が表示される。
キャリブレーション実行制御部303は、パッチ送信完了信号を受信すると、測定要求信号を測色部307へ出力する。それにより、輝度・色度センサ210で上記外部パッチ画像の輝度及び色度が測定され、測定結果が測色部307で取得される。そして、キャリブレーション実行制御部303は、測色部307から、表示された外部パッチ画像の輝度及び色度を取得する(S906)。
そして、S903へ処理が戻される(S907)。
【0053】
所定のパッチ画像数分、S904〜S907の処理が繰り返された後、S908へ処理が進められる。
S908では、キャリブレーション実行制御部303は、取得した輝度及び色度、最大目標輝度値、目標階調カーブに基づいて、画質調整パラメータとバックライト発光パラメータを算出する。
次に、キャリブレーション実行制御部303は、S908で算出した画質調整パラメータ、バックライト発光パラメータを、それぞれ、表示制御部305、バックライト制御部306に出力する。それにより、S908で算出されたパラメータが仮設定され、該仮設定されたパラメータを使用して画像が表示される(S909)。
【0054】
そして、キャリブレーション実行制御部303は、所定のパッチ画像数分、S911〜S914の処理を繰り返す(S910)。S911〜S914の処理はS904〜S907の処理と同様のため、その説明は省略する。
【0055】
所定のパッチ画像数分、S911〜S914の処理が繰り返された後、S915へ処理が進められる。
S915では、キャリブレーション実行制御部303は、S913で取得された測定結果(輝度及び色度)を評価する。具体的には、キャリブレーション実行制御部303は、S913で取得された各パッチ画像の輝度及び色度が、目標値(最大目標輝度値、目標階調カーブに基づく値)に対して所定の誤差範囲内に収まっているか否かを判定する。
【0056】
各パッチ画像の測定結果が全て目標値に対して所定の誤差範囲内に収まっている場合には、キャリブレーション実行制御部303は、連携キャリブレーションが完了したと判断し(S916:YES)、処理をS917へ進める。S917では、キャリブレーション実行制御部303は、S908で算出した画質調整パラメータとバックライト発光パラメータをパラメータ管理部304に出力し、外部入力画像用パラメータとして記録する。
測定結果が目標値に対して所定の誤差範囲内に収まっていないパッチ画像がある場合には、キャリブレーション実行制御部303は、連携キャリブレーションを続ける必要があると判断し(S916:NO)、処理をS918へ進める。S918では、キャリブレーション実行制御部303は、画質調整パラメータとバックライト発光パラメータを微調整する。そして、S909へ処理が戻される。所定の回数以上微調整を行っても測定結果が目標値に対して所定の誤差範囲内に収まらないパッチ画像がある場合には、連携キャリブレーションが完了したと判断され(S918:YES)、S917へ処理が進められる。
【0057】
なお、本実施例では、各パッチ画像の測定結果が全て目標値に対して所定の誤差範囲内に収まっている場合に、キャリブレーションが完了したと判断されるものとしたが、この構成に限らない。例えば、目標値に対して所定の誤差範囲内に収まっている測定結果の数が所定数以上(全ての測定結果に対して所定の割合以上)の場合に、キャリブレーションが完了したと判断されてもよい。
【0058】
図10は、ユーザ操作によりUI部301から切り替え要求信号を受信した際の表示制御部305の処理(選択信号切替処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、表示制御部305は、画像処理回路205に対して、使用する画質調整パラメータを、表示切り替え後の画像用の画質調整パラメータに切り替えるよう、画質調整パラメータ切り替え指示を送信する(S1001)。画像処理回路205は、画質調整パラメータ切り替え指示を受信すると、不揮発性メモリ203から、表示切り替え後の画像用の画質調整パラメータを読み込む。それにより、画像処理回路205において、表示切り替え後の画像用の画質調整パラメータを用いた画像処理が実行されることとなる。
【0059】
次に、表示制御部305は、バックライト制御部306に対して、使用するバックライト発光パラメータを、表示切り替え後の画像用のバックライト発光パラメータに切り替えるよう、バックライト発光パラメータ切り替え指示を出力する(S1002)。バックライト制御部306は、受信したバックライト発光パラメータ切り替え指示をバックライト制御回路207に出力する。バックライト制御回路207は、バックライト発光パラメータ切り替え指示を受信すると、不揮発性メモリ203から、表示切り替え後の画像用のバックライト発光パラメータを読み込む。それにより、バックライト制御回路207において、表示切り替え後の画像用のバックライト発光パラメータを用いたバックライト制御信号の生成が実行されることとなる。
【0060】
そして、表示制御部305は、切り替え要求信号に基づいて、出力する画像信号を切り
替える(S1003)。
次に、表示制御部305は、切り替え要求信号に基づいて、切り替え後に表示される画像が単体表示画像か外部入力画像かを判断する(S1004)。
切り替え後に表示される画像が外部入力画像である場合には(S1005:YES)、表示制御部305は、表示比較部311に表示比較要求信号を送信する(S1006)。
切り替え後に表示される画像が単体表示画像である場合には(S1005:NO)、表示制御部305は、そのまま処理を終了する。
【0061】
図11は、表示制御部305から表示比較要求信号を受信した際の、表示比較部311の処理(比較処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、表示比較部311は、所定のパッチ画像数分、S1102〜S1105の処理を繰り返す(S1101)。
S1102において、表示比較部311は、PC通信部309にパッチ送信要求信号を送信する。それにより、PC通信部309からPC101へパッチ送信要求信号が送信される。
次に、表示比較部311は、画像入力部308がPC101から外部パッチ信号を受信し、PC通信部309がPC101からパッチ送信完了信号を受信するまで待機する(S1103)。外部パッチ信号の受信が完了すると、PC通信部309でパッチ送信完了信号が受信され、PC通信部309から表示比較部311へパッチ送信完了信号が送信される。このとき、表示制御部305では画像入力部308が出力する外部入力画像信号(外部パッチ画像を含む)が選択されている。そのため、PC101から外部パッチ信号が受信されると、画面にPC101から出力された外部パッチ信号に基づく外部パッチ画像が外部入力画像用パラメータで表示される。
そして、表示比較部311は、パッチ送信完了信号を受信すると、測定要求信号を測色部307へ出力する。それにより、輝度・色度センサ210で上記外部パッチ画像の輝度及び色度が測定され、測定結果が測色部307で取得される。そして、表示比較部311は、測色部307から、表示された外部パッチ画像の輝度及び色度を取得する(S1104)。
次に、S1101へ処理が戻される(S1105)。
【0062】
所定のパッチ画像数分、S1102〜S1105の処理が繰り返された後、S1106へ処理が進められる。
S1106では、表示比較部311は、キャリブレーション設定管理部302からキャリブレーション設定情報を取得する。
次に、表示比較部311は、S1106で取得したキャリブレーション設定情報を用いて輝度、色度の理論値(目標値)を算出する(S1107)。
そして、表示比較部311は、S1104で取得された測定結果(輝度及び色度)と、S1107で算出された理論値とを比較する(S1108)。当該比較により、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かが判定される。
理論値に対して所定の誤差範囲内に収まっていない測定結果がある場合には(S1109:YES)、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なる可能性が高い。そこで、本実施例では、そのような場合に、表示比較部311は、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定する。そして、表示比較部311は、連携キャリブレーションを実行する必要があると判断し、キャリブレーション実行制御部303に連携キャリブレーション実行要求信号を出力する(S1110)。
全ての測定結果が理論値に対して所定の誤差範囲内に収まっている場合には(S1109:NO)、表示比較部311は、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と同じであると判定し、そのまま処理を終了する。
【0063】
このように、本実施例では、外部入力画像を表示する際に、第2の表示設定(外部入力画像用パラメータ)で外部パッチ画像が表示される。そして、輝度・色度センサ210で測定された外部パッチ画像の測定値と目標値との差の絶対値が所定の閾値より大きい場合に、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定される。
なお、本実施例では、理論値に対して所定の誤差範囲内に収まっていない測定結果がある場合に、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定されるものとしたが、この構成に限らない。例えば、目標値に対して所定の誤差範囲内に収まっていいない測定結果の数が所定数以上(全ての測定結果に対して所定の割合以上)の場合に、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定されてもよい。
【0064】
図12は、表示比較部311から連携キャリブレーション実行要求信号を受信した際の、キャリブレーション実行制御部303の処理(非通常連携キャリブレーション)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、キャリブレーション実行制御部303は、UI部301に連携キャリブレーション実行確認ウィンドウの表示を要求する(S1201)。UI部301は、該要求に応じて、連携キャリブレーション実行確認ウィンドウの信号を生成し、表示制御部305に出力する。それにより、連携キャリブレーション実行確認ウィンドウが表示される。ユーザは、連携キャリブレーション実行確認ウィンドウを用いて、連携キャリブレーションを実行するか否かを選択する。
次に、キャリブレーション実行制御部303は、UI部301からユーザによる連携キャリブレーションを実行するか否かの選択結果を受信する(S1202)。
ユーザが連携キャリブレーションの実行を選択した場合(S1203:YES)、キャリブレーション実行制御部303は、キャリブレーション設定管理部302からキャリブレーション設定情報を取得する(S1204)。そして、キャリブレーション実行制御部303は、キャリブレーション設定情報に含まれる最大目標輝度値、目標階調カーブを用いて、図9に示した連携キャリブレーションを実行する(S1205)。
ユーザが連携キャリブレーションの非実行を選択した場合(S1203:NO)、キャリブレーション実行制御部303は、一定時間待機し(S1206)、処理をS1201へ戻す。
【0065】
図13は、単体キャリブレーション及び連携キャリブレーション実行時における表示装置100の表示画像のイメージ図である。
図13に示すように、キャリブレーション実行時には、輝度・色度センサ210近傍にパッチ画像P1301が表示され、パッチ画像の輝度及び色度が輝度・色度センサ210で測定される。
【0066】
図14は、連携キャリブレーション実行確認ウィンドウの一例を示す図である。
連携キャリブレーション実行確認ウィンドウ1401は、連携キャリブレーションを実行するか否かを選択するためのボタン1402,1403などを有する。
ユーザは、連携キャリブレーションの実行を選択する場合に、ボタン1402を押下(選択)する。
また、ユーザは、連携キャリブレーションの非実行を選択する場合に、ボタン1403を押下(選択)する。
上記選択結果(選択されたボタンを表す信号)は、UI部301へ入力される。
【0067】
以上述べたように、本実施例によれば、外部入力画像を表示する際に、外部装置の出力設定または第2の表示設定(外部入力画像用パラメータ)が前回の外部入力画像表示時の
設定と異なるか否かが判定される。そして、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定された場合に、連携キャリブレーションが実行される。例えば、表示装置に接続されている外部機器の出力設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なる場合や、表示装置に接続されている外部機器が前回の外部入力画像表示時に接続されていた機器と異なる場合などに、連携キャリブレーションが実行される。それにより、外部装置から入力された画像信号に基づく画像とモニタ単体で表示する画像とで表示特性が異なってしまうことを抑制することができる。
【0068】
なお、本実施例では、キャリブレーションの目標値が最大目標輝度値と目標階調カーブから得られるものとしたが、目標値は、色温度等、他の値を用いて得られるものであってもよい。また、連携キャリブレーション実行時の目標値は、キャリブレーション設定情報から取得した値ではなく、単体キャリブレーションの結果(単体表示画像用パラメータで表示された内部パッチ画像の輝度及び色度)であってもよい。
【0069】
なお、外部パッチ信号は、パッチ画像のみを表す画像信号であってもよいし、パッチ画像以外の画像の領域を含む(一部の領域にパッチ画像を含む)画像を表す画像信号であってもよい。
なお、本実施例では、連携キャリブレーションを実行する際に、表示画像を外部入力画像に切り替える構成としたが、このような構成でなくてもよい。例えば、単体キャリブレーション(S702の処理)の実行時と同様に、表示制御部305に、外部パッチ画像(または外部パッチ画像とその近傍)のみを表す画像信号が入力されてもよい。そして、表示制御部305が、上記入力された画像信号と現在表示されている画像の信号とを合成して合成画像信号を生成し、出力してもよい。即ち、表示画像を切り替えずに、現在表示されている画像(例えば単体表示画像)に外部パッチ画像が重畳された画像が表示されてもよい。
【0070】
なお、本実施例ではユーザによる外部入力画像への表示画像の切り替え操作があった場合に、連携キャリブレーションを実行するか否かを判断するものとしたが、このような構成でなくてもよい。入力有無検出部310が、外部入力画像信号の入力が有ると判定した際に、表示制御部305に表示画像を外部入力画像へ切り替える指示をし、自動的に表示画像が外部入力画像へ切り替えられてもよい。また、入力有無検出部310が、外部入力画像信号の入力が有ると判定した際に、外部パッチ画像(または外部パッチ画像とその近傍)のみを現在表示されている画像に重畳表示し、連携キャリブレーションを実行するか否かが判断されてもよい。なお、外部パッチ画像のみを現在表示されている画像に重畳表示する際には、外部入力画像用パラメータを使用して画像が表示される。
【0071】
なお、本実施例ではユーザ操作により通常キャリブレーションが実行されるものとしたが、この構成に限らない。通常キャリブレーションは自動的に実行されてもよい。例えば、通常キャリブレーションは所定のスケジュールに従って定期的に実行されてもよい。通常キャリブレーションは、外部装置(PC101やネットワークを介して接続されているサーバなど)からの指示に応じて実行されてもよい。
また、キャリブレーションを実行するためのスケジュールが予め定められている場合には、通常キャリブレーション実行確認ウィンドウが、該スケジュールに従って定期的に表示されてもよい。また、外部装置からキャリブレーションの実行が指示された場合に、該指示に応じて通常キャリブレーション実行確認ウィンドウが表示されてもよい。
【0072】
なお、本実施例では、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定された場合に、連携キャリブレーションの実行・非実行をユーザに確認する構成としたが、この構成に限らない。外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定された場合に、ユーザへの確認
を行わずに、自動的に連携キャリブレーションが実行されてもよい。
【0073】
なお、本実施例では、表示装置100とPC101との間の画像信号以外の信号(パッチ送信要求信号やパッチ送信完了信号)は、画像ケーブルとは異なる通信ケーブルを用いて伝送されてもよい。例えば、画像信号以外の信号は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを用いて伝送されてもよい。
なお、本実施例では、表示装置100、PC101、画像サーバ103がネットワークケーブル104で互いに接続されるものとしたが、表示装置100、PC101、画像サーバ103は無線で通信可能に接続されてもよい。
なお、本実施例では、表示装置が液晶表示装置である場合の例について説明したが、表示装置はこれに限らない。表示装置は、有機EL表示装置、プラズマ表示装置などであってもよい。
なお、本実施例では、外部入力画像用パラメータが1つ決定される構成としたが、この構成に限らない。表示装置100が接続されている外部装置(PC)を認識し、外部装置毎に外部入力画像用パラメータが決定されてもよい。
【0074】
<実施例2>
本実施例では、連携キャリブレーションの目標値として、単体キャリブレーションの結果(単体表示画像用パラメータで表示された内部パッチ画像の輝度及び色度)を用いる例について記述する。なお、実施例1と重複する部分については、記述を省略する。
【0075】
本発明の実施例2に係る表示装置の機能ブロック図は実施例1(図3)と同様である。
本実施例のキャリブレーション実行制御部303は、表示比較部311からの連携キャリブレーション実行要求信号に応じて連携キャリブレーションを行う際に、内部パッチ画像の測定結果を目標値とする。キャリブレーション実行制御部303は、他に、実施例1と同様の機能を有する。
本実施例の表示制御部305は、単体表示画像から外部入力画像へ表示画像を切り替えた後に、当該切り替え前に表示比較部311に対して切り替え前データ取得要求信号を出力し、当該切り替え後に表示比較部311に表示比較要求信号を出力する。表示制御部305は、他に、実施例1と同様の機能を有する。切り替え前データ取得要求信号は、第1の表示設定(単体表示画像用パラメータ)で表示された内部パッチ画像の輝度及び色度の取得を要求する信号である。
【0076】
本実施例の表示比較部311は、表示制御部305からの切り替え前データ取得要求信号の受信に応じて、予め記憶されている内部パッチ信号を表示制御部305に出力する。それにより、単体表示画像用パラメータで内部パッチ画像が表示される。その際、表示比較部311は、測定要求信号を測色部307へ出力する。そして、表示比較部311は、測色部307から、輝度・色度センサ210の測定結果(内部パッチ画像の輝度及び色度)を取得し、該測定結果を切り替え前データとして記憶する。また、表示比較部311は、切り替え前データを記憶した後、切り替え前データ取得完了信号を表示制御部305に出力する。
また、表示比較部311は、表示制御部305からの表示比較要求信号の受信に応じて、PC通信部309にパッチ送信要求信号を出力する。それにより、PC101から外部パッチ信号が入力され、外部パッチ画像が表示される。その際、表示比較部311は、測定要求信号を測色部307へ出力する。そして、表示比較部311は、測色部307から輝度・色度センサ210の測定結果(外部パッチ画像の輝度及び色度)を取得する。その後、表示比較部311は、切り替え前データと測定結果を比較する。当該比較により、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かが判定され、異なると判定された場合には連携キャリブレーションを実行する必要があると判断される。そして、表示比較部311は、連携キャリブレーションを実
行する必要があると判断した場合に、キャリブレーション実行制御部303に連携キャリブレーションの実行を要求する。
表示比較部311の判定処理の詳細については後述する。
【0077】
図15は、ユーザ操作によりUI部301から切り替え要求信号を受信した際の表示制御部305の処理(選択信号切替処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、表示制御部305は、切り替え前に(現在)表示されている画像が単体表示画像か否かを確認する(S1701)。
表示されている画像が単体表示画像である場合には(S1702:YES)、表示制御部305は、表示比較部311に切り替え前データ取得要求信号を送信し(S1703)、切り替え前データ取得完了信号を受信するまで待機する(S1704)。表示制御部305は、切り替え前データ取得完了信号を受信した後、図10に示した処理を実行する(S1705)。
表示されている画像が外部入力画像である場合には、表示制御部305は、S1703〜S1704の処理を行わず、S1705の処理を行う。
【0078】
図16は、表示制御部305から切り替え前データ取得要求信号を受信した際の、表示比較部311の処理(切り替え前データ記憶処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、表示比較部311は、所定のパッチ画像数分、S1802〜S1805の処理を繰り返す(S1801)。
S1802において、表示比較部311は、表示制御部305に内部パッチ信号を出力する。表示制御部305は、現在表示されている画像の信号に、受信した内部パッチ信号を合成することにより合成画像信号を生成し、出力する。それにより、現在表示されている画像に内部パッチ画像が重畳された画像が表示される。このとき、表示制御部305では、単体表示画像(信号)が選択されている。そのため、内部パッチ画像は、単体表示画像用パラメータを使用して表示される。また、このとき、表示比較部311は、測定要求信号を測色部307へ出力する。それにより、輝度・色度センサ210で上記内部パッチ画像の輝度及び色度が測定され、測定結果が測色部307で取得される。
次に、表示比較部311は、測色部307から、表示された内部パッチ画像の輝度及び色度を取得する(S1803)。
そして、S1801へ処理が戻される(S1804)。
【0079】
所定のパッチ画像数分、S1802〜S1805の処理が繰り返された後、表示比較部311は、取得した測定結果(輝度及び色度)を切り替え前データとして記憶する(S1805)。
そして、表示比較部311は、表示制御部305へ切り替え前データ取得完了信号を送信する(S1806)。
【0080】
図17は、表示制御部305から表示比較要求信号を受信した際の、表示比較部311の処理(比較処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、表示比較部311は、所定のパッチ画像数分、S1902〜S1905の処理を繰り返す(S1901)。
S1902において、表示比較部311は、PC通信部309にパッチ送信要求信号を送信する。それにより、PC通信部309からPC101へパッチ送信要求信号が送信される。
次に、表示比較部311は、画像入力部308がPC101から外部パッチ信号を受信し、PC通信部309がPC101からパッチ送信完了信号を受信するまで待機する(S1903)。外部パッチ信号の受信が完了すると、PC通信部309でパッチ送信完了信号が受信され、PC通信部309から表示比較部311へパッチ送信完了信号が送信され
る。このとき、表示制御部305では画像入力部308が出力する外部入力画像信号(外部パッチ画像を含む)が選択されている。そのため、PC101から外部パッチ信号が受信されると、画面にPC101から出力された外部パッチ信号に基づく外部パッチ画像が外部入力画像用パラメータを用いて表示される。
そして、表示比較部311は、パッチ送信完了信号を受信すると、測定要求信号を測色部307へ出力する。それにより、輝度・色度センサ210で上記外部パッチ画像の輝度及び色度が測定され、測定結果が測色部307で取得される。そして、表示比較部311は、測色部307から、表示された外部パッチ画像の輝度及び色度を取得する(S1904)。
次に、S1901へ処理が戻される(S1905)。
【0081】
所定のパッチ画像数分、S1902〜S1905の処理が繰り返された後、S1906へ処理が進められる。
S1906では、表示比較部311は、図16の処理で記憶した切り替え前データを取得する。
次に、表示比較部311は、S1904で取得した測定結果(輝度及び色度)と、S1906で取得した切り替え前データの値とを比較する(S1907)。当該比較により、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かが判定される。即ち、本実施例では切り替え前データの値が目標値とされる。なお、切り替え前データが存在しない場合には、実施例1と同様に、測定結果は、理論的に算出された目標値と比較される。
切り替え前データの値に対して所定の誤差範囲内に収まっていない測定結果がある場合には(S1908:YES)、表示比較部311は、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定する。そして、表示比較部311は、連携キャリブレーションを実行する必要があると判断し、キャリブレーション実行制御部303に連携キャリブレーション実行要求信号を出力する(S1909)。
全ての測定結果が切り替え前データの値に対して所定の誤差範囲内に収まっている場合には(S1908:NO)、表示比較部311は、外部装置の出力設定または外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と同じであると判定する。そして、そのまま処理が終了される。
【0082】
このように、本実施例では、外部入力画像を表示する際に、外部入力画像用パラメータで外部パッチ画像が表示される。そして、該外部パッチ画像の特定値と、単体表示画像用パラメータで表示された内部パッチ画像の測定値との差の絶対値が所定の閾値より大きい場合に、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定される。即ち、本実施例では、第1の表示設定(単体表示画像用パラメータ)で表示装置に予め記憶されている内部パッチ画像を表示中に、輝度・色度センサ210で測定された該内部パッチ画像の測定値が目標値として用いられる。
なお、本実施例では、切り替え前の表示画像が外部入力画像であった場合(即ち、結果的に表示画像が切り替えられなかった場合)には、切り替え前データの取得は行わない構成としたが、この構成に限らない。切り替え前の表示画像に拘わらわず切り替え前データとして内部パッチ画像の測定結果が取得されてもよい。また、切り替え前の表示画像が外部入力画像である場合には、外部装置の出力設定及び外部入力画像用パラメータは所望の設定となっている可能性が高いため、図17の比較処理(判定処理)は行われなくてもよい。
【0083】
図18は、表示比較部311から連携キャリブレーション実行要求信号を受信した際の、キャリブレーション実行制御部303の処理(非通常連携キャリブレーション)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、キャリブレーション実行制御部303は、UI部301に連携キャリブレーション実行確認ウィンドウの表示を要求する(S2001)。
次に、キャリブレーション実行制御部303は、UI部301からユーザによる連携キャリブレーションを実行するか否かの選択結果を受信する(S2002)。
ユーザが連携キャリブレーションの実行を選択した場合(S2003:YES)、キャリブレーション実行制御部303は、切り替え前データから最大目標輝度値、目標カーブを算出する(S2004)。そして、キャリブレーション実行制御部303は、算出した最大目標輝度、目標カーブを用いて、図9に示した連携キャリブレーションを実行する(S2005)。
ユーザが連携キャリブレーションの非実行を選択した場合(S2003:NO)、キャリブレーション実行制御部303は、一定時間待機し(S2006)、処理をS2001へ戻す。
【0084】
以上述べたように、本実施例によれば、単体表示画像用パラメータで表示装置に予め記憶されている内部パッチ画像を表示中に、輝度・色度センサ210で測定された該内部パッチ画像の測定値が目標値として用いられる。連携キャリブレーションと単体キャリブレーションの目標値は同じであるため、単体キャリブレーションの結果は目標値として用いることができる。そのため、本実施例によれば、実施例1の効果に準じた効果を得ることができる。
なお、本実施例では表示画像が単体表示画像から外部入力画像へ切り替える際に、内部パッチ画像の測定結果を取得する構成としたが、この構成に限らない。例えば、内部パッチ画像の測定結果は、前回の単体キャリブレーションの実行時(最後の単体キャリブレーションの実行時)に取得されたものであってもよい。また、内部パッチ画像の測定結果は、定期的に取得されてもよい。
【0085】
<実施例3>
本実施例では、過去の単体キャリブレーションの実行日時と連携キャリブレーションの実行日時に基づいて、第2の表示設定(外部入力画像用パラメータ)が前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かを判定する例について記述する。即ち、過去の単体キャリブレーションの実行日時と連携キャリブレーションの実行日時に基づいて、連携キャリブレーションを実行するか否かを判断する例について記述する。なお、実施例1,2と重複する部分については、記述を省略する。
【0086】
図19は、本発明の実施例3に係る表示システムの一例を示す図である。既に述べたように、表示装置に接続する外部装置(PC)は変更可能である。図19(A)の例では、表示装置110にPC111が画像ケーブル112を用いて接続されている。図19(B)の例では、表示装置110とPC111は接続されておらず、表示装置110にPC113が画像ケーブル114を用いて接続されている。表示装置110は、PC111,113から画像ケーブル112,114を介してPC識別情報を取得する。PC識別情報は、接続されているPCを識別するための情報である。PC111,113のPC識別情報は、例えば、ユーザが予めPC111,113に設定した値である。
【0087】
図20は、時刻と表示装置110に接続されている外部装置(PC)の関係の一例を示す図である。図20の例では、時刻t0〜時刻t1及び時刻t4以降では表示装置110にPC111が接続されている。時刻t2〜時刻t3では表示装置110にPC113が接続されている。時刻t1〜時刻t2及び時刻t3〜時刻t4では表示装置110にPCは接続されておらず、表示装置110は単体で動作している。なお、図20の黒三角は通常キャリブレーションが実行された時刻を表す。すなわち、図20の例では、表示装置110にPC111が接続されている時刻t0及び表示装置110にPC113が接続されている時刻t2に単体キャリブレーションと連携キャリブレーションの両方が実行されて
いる。また、表示装置110にPCが接続されていない時刻tc1に単体キャリブレーションが実行されている。
【0088】
図21は、本実施例に係る表示装置110の機能ブロック図である。
キャリブレーション実行制御部3203は、外部装置毎に、連携キャリブレーションの実行、及び、第2の表示設定(外部入力画像用パラメータ)の決定を行う。
具体的には、キャリブレーション実行制御部3203は、連携キャリブレーションの実行時に、PC通信部3209を介して、接続されているPC(PC111またはPC113)からPC識別情報を取得する。そして、キャリブレーション実行制御部3203は、連携キャリブレーションの実行後、決定した外部入力画像用パラメータをパラメータ管理部3204に出力する際に、取得したPC識別情報をあわせて出力する。
キャリブレーション実行制御部3203は、他に、図3のキャリブレーション実行制御部303の機能と同様の機能を有する。
【0089】
パラメータ管理部3204は、入力された外部入力画像用パラメータを、共に入力されたPC識別情報と関連づけて不揮発性メモリ203に書き込む。また、パラメータ管理部3204は、単体表示画像用パラメータを不揮発性メモリ203に書き込む際に、その書き込み時刻を単体キャリブレーションの実行日時として不揮発性メモリ203に書きこむ。パラメータ管理部3204は、外部入力画像用パラメータを不揮発性メモリ203に書き込む際に、その書き込み時刻を連携キャリブレーションの実行日時として不揮発性メモリ203に書きこむ。即ち、不揮発性メモリ203は、過去の単体キャリブレーションの実行日時と、過去の連携キャリブレーションの実行日時とを記憶する。また、連携キャリブレーションに関しては、外部装置毎に、連携キャリブレーションの過去の実行日時が記憶される。パラメータ管理部3204は、他に、図3のパラメータ管理部304の機能と同様の機能を有する。
【0090】
表示制御部3205は、外部入力画像を選択した際に、PC通信部3209及び入力有無検出部3210を介してPC識別情報を取得する。そして、表示制御部3205は、PC識別情報に対応した画質調整パラメータを使用するよう、画質調整パラメータ切り替え指示を画像処理回路205に出力する。また、表示制御部3205は、表示比較部3211にPC識別情報に対応したバックライト発光パラメータを使用するよう、バックライト発光パラメータ切り替え指示をバックライト制御部306に出力する。また、表示制御部3205は、表示比較部3211に表示比較要求信号を出力する際に、PC識別情報もあわせて出力する。表示制御部3205は、他に、図3の表示制御部305の機能と同様の機能を有する。
【0091】
PC通信部3209は、キャリブレーション実行制御部3203及び入力有無検出部3210からの要求に応じて、画像入力回路204を介して外部装置(PC111またはPC113)にPC識別情報取得要求信号を出力する。外部装置は、PC識別情報取得要求信号を受信すると、応答信号として自身のPC識別情報を出力する。PC通信部3209は、画像入力回路204を介してPC111またはPC113からPC識別情報を取得し、キャリブレーション実行制御部3203または入力有無検出部3210(要求の送信元)に出力する。
【0092】
入力有無検出部3210は、画像入力部308から入力検出信号を受信すると、PC通信部3209を介してPC識別情報を取得し記憶する。入力有無検出部3210は、他に、図3の入力有無検出部310の機能と同様の機能を有する。
【0093】
表示比較部3211は、表示制御部3205から表示比較要求信号及びPC識別情報を受信すると、パラメータ管理部3204から単体キャリブレーションの実行日時、連携キ
ャリブレーションの実行日時を取得して比較する。当該比較により、外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かが判定され、異なると判定された場合には連携キャリブレーションを実行する必要があると判断される。そして、表示比較部3211は、連携キャリブレーションを実行する必要があると判断した場合に、キャリブレーション実行制御部3203に連携キャリブレーションの実行を要求する。
表示比較部3211の判定処理の詳細については後述する。
【0094】
図22は、ユーザ操作によりUI部301から切り替え要求信号を受信した際の表示制御部3205の処理(選択信号切替処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、表示制御部3205は、入力有無検出部3210からPC識別情報を取得する(S2401)。
【0095】
次に、表示制御部3205は、画像処理回路205に対して、使用する画質調整パラメータを、表示切り替え後の画像信号に対応する画質調整パラメータに切り替えるよう、画質調整パラメータ切り替え指示を送信する(S2402)。具体的には、表示制御部3205は、表示切り替え後の画像信号が外部入力画像信号である場合には、S2401で取得されたPC識別情報から該外部入力画像信号の出力元のPCを識別する。そして、例えば、表示切り替え後の画像信号がPC1130からの外部入力画像信号である場合には、表示制御部3205は、PC113から入力される外部入力画像信号用の画質調整パラメータが使用されるように、画質調整パラメータ切り替え指示を送信する。また、表示制御部3205は、表示切り替え後の画像信号が単体表示画像信号である場合には、単体表示画像信号用の画質調整パラメータが使用されるように、画質調整パラメータ切り替え指示を送信する。
【0096】
そして、表示制御部3205は、バックライト制御部306に対して、使用するパラメータを、表示切り替え後の画像信号に対応するバックライト発光パラメータに切り替えるよう、バックライト発光パラメータ切り替え指示を送信する(S2403)。
【0097】
次に、表示制御部3205は、切り替え要求信号に基づいて、出力する画像信号を切り替える(S2404)。
そして、表示制御部3205は、切り替え要求信号に基づいて、切り替え後に表示される画像が単体表示画像か外部入力画像かを判断する(S2405)。
切り替え後に表示される画像が外部入力画像である場合には(S2406:YES)、表示制御部3205は、表示比較部3211に表示比較要求信号とS2401で取得されたPC識別情報とを送信する(S2407)。
切り替え後に表示される画像が単体表示画像である場合には(S2406:NO)、表示制御部3205は、そのまま処理を終了する。
【0098】
図23は、表示制御部3205から表示比較要求信号とPC識別情報を受信した際の、表示比較部3211の処理(比較処理)の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、表示比較部3211は、パラメータ管理部3204からPC識別情報に対応する連携キャリブレーションの実行日時(Tr)を取得する(S2501)。
連携キャリブレーションの実行日時が取得できた場合には(S2502:YES)、S2503へ処理が進められる。
連携キャリブレーションの実行日時が取得できなかった場合には(S2502:NO)、これまでに(PC識別情報で示されるPCについての)連携キャリブレーションが行われていない。そのため、ユーザが所望する外部入力画像用パラメータが設定されていない可能性が高い。そこで、本実施例では、そのような場合に、表示比較部3211は、外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定する。そして、表示比較部3211は、連携キャリブレーションを実行する必要があると判断し、キャリ
ブレーション実行制御部3203に連携キャリブレーション実行要求信号を出力する(S2506)。
【0099】
S2503において、表示比較部3211は、パラメータ管理部3204から単体キャリブレーションの実行日時(Tt)を取得する。
そして、表示比較部3211は、S2501で取得した連携キャリブレーションの実行日時と、S2503で取得した単体キャリブレーションの実行日時とを比較する(S2504)。当該比較により、外部入力画像用パラメータ(具体的にはユーザが所望するパラメータ)が前回の外部入力画像表示の設定と異なるか否かが判定される。
連携キャリブレーションの実行日時が単体キャリブレーションの実行日時よりも前である場合には(S2505:YES)、ユーザが所望する外部入力画像用パラメータが前回の設定と異なる可能性が高い。そこで、本実施例では、そのような場合に、表示比較部3211は、外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定する。そして、表示比較部3211は、連携キャリブレーションを実行する必要があると判断し、キャリブレーション実行制御部3203に連携キャリブレーション実行要求信号を出力する(S2506)。
連携キャリブレーションの実行日時が単体キャリブレーションの実行日時以降である場合には(S2505:NO)、表示比較部3211は、外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と同じであると判定し、そのまま処理を終了する。
【0100】
このように、本実施例では、外部装置から入力された画像信号に基づく外部入力画像を表示する際に、該外部装置の連携キャリブレーションが過去に実行されていない場合に、外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定される。また、上記連携キャリブレーションの最後の実行日時が単体キャリブレーションの最後の実行日時よりも前である場合に、外部入力画像用パラメータが前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定される。
【0101】
図20の時刻t4では、PC111に対応する連携キャリブレーションの実行時刻は時刻t0であり、単体キャリブレーションの実行時刻は時刻tc1(時刻t0よりも前)である。そのため、表示比較部3211は、図23のフローチャートに基づいて、キャリブレーション実行制御部3203に連携キャリブレーション実行要求信号を出力する。
【0102】
以上述べたように、本実施例によれば、単体キャリブレーションの実行時刻と連携キャリブレーションの実行時刻とを比較するという簡易な方法で第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かを判定することができる。それにより、実施例1,2の方法のように画面(輝度や色度)の測定を行わずに済むため、処理負荷を軽減することができる。
なお、本実施例では、PC毎に連携キャリブレーションの実行日時が記憶されるものとしたが、PC毎に区別せずに連携キャリブレーションの実行日時が記憶されていてもよい。連携キャリブレーションの最後の実行日時が単体キャリブレーションの最後の実行日時よりも前である場合には、ユーザが所望する第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なる可能性が高い。そのため、そのような場合には、最後に実行した連携キャリブレーションが現在接続されている外部装置に対するものかに拘わらず、第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定されてもよい。
【符号の説明】
【0103】
210 輝度・色度センサ
303,3203 キャリブレーション実行制御部
311,3211 表示比較部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に表示された画像を測定する測定手段と、
予め記憶されている第1キャリブレーション用画像を表示し、前記測定手段で測定された該第1キャリブレーション用画像の測定値が目標値に近づくように表示設定を調整する単体キャリブレーションを実行することにより、第1の表示設定を決定する第1決定手段と、
外部装置から入力されたキャリブレーション用の画像信号に基づく第2キャリブレーション用画像を表示し、前記測定手段で測定された該第2キャリブレーション用画像の測定値が前記目標値に近づくように表示設定を調整する連携キャリブレーションを実行することにより、第2の表示設定を決定する第2決定手段と、
外部装置から入力された画像信号に基づく画像である外部入力画像を表示する際に、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かを判定する判定手段と、
を有し、
前記第2決定手段は、前記判定手段で、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定された場合に、連携キャリブレーションを実行する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記判定手段は、外部入力画像を表示する際に、第2の表示設定で第2キャリブレーション用画像を表示し、前記測定手段で測定された該第2キャリブレーション用画像の測定値と前記目標値との差の絶対値が所定の閾値より大きい場合に、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記判定手段は、外部入力画像を表示する際に、第2の表示設定で第2キャリブレーション用画像を表示し、該第2キャリブレーション用画像の測定値と、第1の表示設定で表示された第1キャリブレーション用画像の測定値との差の絶対値が所定の閾値より大きい場合に、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
過去の単体キャリブレーションの実行日時と、過去の連携キャリブレーションの実行日時とを記憶する記憶手段を更に有し、
前記判定手段は、外部入力画像を表示する際に、連携キャリブレーションの最後の実行日時が単体キャリブレーションの最後の実行日時よりも前である場合に、第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置に画像信号を出力する外部装置は変更可能であり、
前記第2決定手段は、外部装置毎に、連携キャリブレーションの実行、及び、第2の表示設定の決定を行い、
前記記憶手段は、外部装置毎に、連携キャリブレーションの過去の実行日時を記憶し、
前記判定手段は、外部装置から入力された画像信号に基づく外部入力画像を表示する際に、該外部装置の連携キャリブレーションが過去に実行されていない場合、及び、該連携キャリブレーションの最後の実行日時が単体キャリブレーションの最後の実行日時よりも前である場合に、第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
画面上に表示された画像を測定する測定ステップと、
予め記憶されている第1キャリブレーション用画像を表示し、前記測定ステップで測定された該第1キャリブレーション用画像の測定値が目標値に近づくように表示設定を調整する単体キャリブレーションを実行することにより、第1の表示設定を決定する第1決定ステップと、
外部装置から入力されたキャリブレーション用の画像信号に基づく第2キャリブレーション用画像を表示し、前記測定ステップで測定された該第2キャリブレーション用画像の測定値が前記目標値に近づくように表示設定を調整する連携キャリブレーションを実行することにより、第2の表示設定を決定する第2決定ステップと、
外部装置から入力された画像信号に基づく画像である外部入力画像を表示する際に、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なるか否かを判定する判定ステップと、
を有し、
前記第2決定ステップでは、前記判定ステップで、外部装置の出力設定または第2の表示設定が前回の外部入力画像表示時の設定と異なると判定された場合に、連携キャリブレーションが実行される
ことを特徴とする表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−24908(P2013−24908A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156564(P2011−156564)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】