表示装置
【課題】コスト上昇を抑えつつ、周囲環境の照度が変化しても観察者が視認する表示品質を高く維持することができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、周囲環境の照度を検出する照度センサ30と、入力画像の平均輝度を検出する入力平均輝度検出回路21と、グレー画像フレームを生成し、生成したグレー画像フレームを、入力画像フレームとその次に入力される入力画像フレームとの間に挿入するフレーム挿入制御回路24と、照度センサ30が検出した照度と入力平均輝度検出回路21が検出した入力画像の平均輝度とに応じて、グレー画像フレームの輝度を決定する挿入輝度レベル発生回路22とを備えている。
【解決手段】表示装置は、周囲環境の照度を検出する照度センサ30と、入力画像の平均輝度を検出する入力平均輝度検出回路21と、グレー画像フレームを生成し、生成したグレー画像フレームを、入力画像フレームとその次に入力される入力画像フレームとの間に挿入するフレーム挿入制御回路24と、照度センサ30が検出した照度と入力平均輝度検出回路21が検出した入力画像の平均輝度とに応じて、グレー画像フレームの輝度を決定する挿入輝度レベル発生回路22とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置などの表示装置に関し、特に、周囲環境の照度が変化しても観察者が視認する表示品質を高く維持することができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などの表示装置を明るい環境下で使用する場合、例えば、昼間の太陽光が入光する環境下で使用する場合に、外光が表示装置の表面で反射して視認性が低下する。そのような視認性の低下を防止するための方式として、透過型の表示装置において、バックライトの輝度を調整する方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、カラー表示装置の輝度を向上させるために、1画素をR(赤),G(緑),B(青)の3サブ画素で構成するのではなく、R,G,B,W(白)の4サブ画素で構成する技術がある(例えば、特許文献2参照)。1画素がR,G,B,Wの4サブ画素で構成されている表示装置では、周囲環境によらず輝度を向上させることによって、結果として、明るい環境下で使用されるときの視認性の低下を防止することができる。
【0004】
また、動画像表示を行う液晶表示装置において、入力画像データのフレーム周波数(例えば、60Hz)の2倍のフレーム周波数で、画像データにもとづく信号を表示素子に印加するように構成された表示装置がある(例えば、特許文献3参照)。そのような表示装置では、入力画像データの各フレームの間に、所定のフレームが挿入される。挿入される所定のフレームは、例えば全面が黒である全面黒画像フレーム(黒画像フレーム)である。液晶表示装置において本来の各画像フレームが連続表示されると、画像ぼけが観察されることがあるが、1フレーム毎に黒画像フレームが挿入される場合には、画像ぼけが視認される可能性を低減することができる。また、視認される動画像の輝度の低下を防止する等の目的で、黒画像フレームに代えて、グレー画像フレームが使用されたり、全面が白である全白黒画像フレーム(白画像フレーム)が使用されたり、前後の本来の画像から補間処理によって生成された画像フレームが使用されることもある。なお、以下、入力画像データのフレーム周波数の2倍のフレーム周波数で表示素子に信号を印加する駆動の仕方を、倍速駆動という。また、グレー画像フレームは、特に断らない限り、黒画像フレームおよび白画像フレームを含むとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−111870号公報(段落0026−0027)
【特許文献2】特開2007−93832号公報(段落0003−0004)
【特許文献3】特開2002−41002号公報(段落0003,0004,0041,0044、図15)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、バックライトの輝度を調整することによって視認性の低下を防止する方式を使用する場合には、明るい環境下ではバックライトの輝度を高くする必要があり、表示装置の消費電力が大きくなる。また、1画素をR,G,B,Wの4サブ画素で構成する場合には、入力されるR,G,Bの信号をR,G,B,Wの信号に変換しなければならない。そのような変換は、一般に、駆動用ICにおいて実現されるが、駆動用ICに変換回路を実装する必要があるので、駆動用ICのコストが高くなる。
【0007】
また、倍速駆動を用いると画像ぼけが視認される可能性を低減することができるが、黒画像フレームを挿入すると、画像は暗く視認される。また、黒画像フレームではないグレー画像フレームや補間処理によって生成された画像フレームを挿入フレームとして使用する場合には、画像は明るく視認されるが、入力画像フレームが既に明るい画像である等の場合には、周囲環境が暗い環境であるときには、却って観察者に明るすぎる印象を与えてしまう。すなわち、周囲環境の照度の変化に対応して高い表示品質を維持することができないおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、コスト上昇を抑えつつ、周囲環境の照度が変化しても観察者が視認する表示品質を高く維持することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による表示装置は、周囲環境の照度を検出する照度センサと、入力画像の平均輝度を検出する入力平均輝度検出回路と、グレー画像フレーム(全面白画像フレームおよび全面黒画像フレームを含む。)を生成し、生成したグレー画像フレームを、入力画像フレームとその次に入力される入力画像フレームとの間に挿入するフレーム挿入制御回路と、照度センサが検出した照度と入力平均輝度検出回路が検出した入力画像の平均輝度とに応じて、グレー画像フレームの輝度を決定する挿入輝度レベル発生回路とを備えたことを特徴とする。
【0010】
挿入輝度レベル発生回路が、照度センサが検出した照度が第1の所定値未満である第1領域(図4に示す例では、100lx未満の領域に相当)に含まれる場合に、入力画像の平均輝度よりも低い輝度をグレー画像フレームの輝度として決定し、照度センサが検出した照度が第1の所定値以上であって第2の所定値未満である第2領域(図4に示す例では、100lx以上1000lx未満の領域に相当)に含まれる場合に、入力画像の平均輝度をグレー画像フレームの輝度として決定し、照度センサが検出した照度が第2の所定値以上である第3領域(図4に示す例では、1000lx以上の領域に相当)に含まれる場合に、入力画像の平均輝度以上の輝度をグレー画像フレームの輝度として決定するように構成されていてもよい。
【0011】
挿入輝度レベル発生回路が、照度センサが検出した照度が第1領域または第3領域に含まれる場合に、照度センサが検出した照度が高いほど[グレー画像フレームの輝度/入力画像の平均輝度]の値が大きくなるようにグレー画像フレームの輝度を決定するように構成されていてもよい。
【0012】
バックライトを駆動するバックライト駆動回路(図1に示す例では、入力平均輝度検出回路21とLEDドライバ40とで実現される。)を備え、バックライト駆動回路は、照度センサが検出した照度が第1の境界値未満(図8に示す例では、10lx未満)である場合に、バックライトの輝度が相対的に低い輝度になるようにバックライトを駆動し、照度センサが検出した照度が第1の境界値以上であって第2の境界値未満(図8に示す例では、10lx以上で1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)未満)である場合に、バックライトの輝度が相対的に高い輝度になるようにバックライトを駆動し、照度センサが検出した照度が第2の境界値以上(図8に示す例では、1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)以上)である場合に、バックライトの輝度が最大輝度になるようにバックライトを駆動するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コスト上昇を抑えつつ、周囲環境の照度が変化しても観察者が視認する表示品質を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による表示装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】入力画像フレームと出力画像フレームとの関係を示す波形図。
【図3】制御信号と倍速変換制御回路の制御状態との関係を示す説明図。
【図4】照度センサが検出した照度と挿入フレームの輝度との関係の一例を示す説明図。
【図5】照度の違いに応じたAPLとグレーフレームの輝度との関係を説明するための説明図。
【図6】照度の違いに応じたAPLとグレーフレームの輝度との関係を説明するための説明図。
【図7】照度の違いに応じたAPLとグレーフレームの輝度との関係を説明するための説明図。
【図8】照度センサが検出した照度とLEDの駆動電流との関係の一例を示す説明図。
【図9】LEDの駆動電流を説明するための説明図。
【図10】本発明による表示装置における表示素子を駆動を駆動する際の、ある画素における極性を説明するための説明図。
【図11】倍速変換制御回路の動作を示すフローチャート。
【図12】倍速駆動制御およびバックライト制御の模式的なタイミングを示す模式的タイミング図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による表示装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す例では、表示装置は、表示素子12を有し駆動回路が実装されたドライバICが搭載された液晶モジュール10、倍速変換制御回路20、液晶モジュール10の近傍に設けられ、表示装置の周囲環境の照度を検出する照度センサ30、LEDを用いたバックライト(図示せず)に駆動信号を与えるLEDドライバ40を備えている。なお、この実施の形態では、LEDを用いたバックライトを用いる場合を例にするが、バックライトがLEDによるものであることは必須のことではない。
【0016】
液晶モジュール10における画素を有する表示素子は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示素子である。また、表示素子には、複数の行電極と複数の列電極とが交差するように設けられている。
【0017】
倍速変換制御回路20は、入力画像の平均輝度(APL:Average Picture Level )を入力画像データから算出することによって入力画像のAPLを検出する入力平均輝度検出回路21、照度センサ30が検出した照度と入力平均輝度検出回路21が算出したAPLとにもとづいて、入力画像フレームの間に挿入される挿入フレームの輝度を決定する挿入輝度レベル発生回路22、入力画像データを一時記憶する画像メモリ23、倍速駆動することを示す制御信号が入力されているときには挿入フレームと入力画像データによるフレーム(入力画像フレーム)とを交互に出力し、倍速駆動することを示す制御信号が入力されていないときには入力画像データのみを出力するフレーム挿入制御回路24、および液晶モジュール10における表示素子12に設けられている電極に与えられる各信号を出力するタイミングコントロール回路25を含む。なお、実際には、電極には、ドライバIC11を介して信号が印加される。
【0018】
倍速駆動することを示す制御信号は、例えば、表示装置を内蔵した機器の制御部から出力される。その機器は、一例として、設置されているスイッチが倍速駆動する状態に設定されると、倍速駆動することを示す制御信号をオン状態にする。
【0019】
また、図1に示された例では、入力平均輝度検出回路21は常時APLを算出する処理を実行し、挿入輝度レベル発生回路22は常時挿入フレームの輝度を決定する処理を実行することになるが、フレーム挿入制御回路24が倍速駆動することを示す制御信号が入力されているときに倍速駆動の処理を実行するのと同様に、入力平均輝度検出回路21および挿入輝度レベル発生回路22も、倍速駆動することを示す制御信号が入力されているときにのみ処理を実行するように構成されていてもよい。
【0020】
また、この実施の形態では、一例として、入力画像データは、R,G,Bそれぞれの明度が所定ビット数(例えば、6ビット)で表されるデータであるとする。
【0021】
次に、本発明による表示装置における制御の前提を説明する。本発明では、環境に応じて輝度制御を行うように指示された場合には、入力画像フレームの周波数(例えば、60Hz)の2倍のフレーム周波数(例えば、120Hz)で表示素子12に設けられている電極を駆動する。そのときに、倍速変換制御回路20は、所定輝度のフレームを発生し、本来の入力画像フレームの前または後に所定輝度のフレームすなわち挿入フレームを挿入する。挿入フレームは、全画素が同輝度のグレーの画像(全黒画像および全白画像を含む。)である。以下、挿入フレームをグレーフレームということがある。また、環境に応じて輝度制御を行うように指示されていない場合には、入力画像フレームのみにもとづいて表示素子12に設けられている電極を駆動する。
【0022】
倍速変換制御回路20は、図2の波形図に示すように、1/60秒の周期で入力される1つの入力画像フレームに対して(図2(A)参照)、図2(B)に示すように、1/120秒の期間のグレーフレームを生成する。そして、1/60秒の期間において、グレーフレームと入力画像フレームとを、液晶モジュール10に出力する。
【0023】
なお、環境に応じて輝度制御を行う状態は、倍速駆動することを示す制御信号によって維持される。すなわち、図3(A)の説明図に示すように、倍速駆動することを示す制御信号が出力されている状態が、環境に応じて輝度制御を行うように指示されている状態に相当する。また、以下の説明では、倍速駆動することを示す制御信号は、環境に応じて輝度制御を行うように指示する期間ではオン(ON)状態が維持され、環境に応じて輝度制御を行うように指示しない期間ではオフ(OFF)状態に維持されることを想定するが、図3(B)に示すように、1パルス信号状の制御信号によって環境に応じた輝度制御の開始を指示し、環境に応じて輝度制御を行っているときに1パルス信号状の制御信号が入力されると、環境に応じて輝度制御を行う状態(倍速駆動する状態)から輝度制御を行わない状態(入力画像フレームのみ使用する状態)に移行するようにしてもよい。
【0024】
図4は、照度センサ30が検出した照度と、挿入フレーム(グレーフレーム)の輝度との関係の一例を示す説明図である。図4において、横軸は照度センサ30が検出した照度を示し、縦軸はグレーフレームの輝度を示す。なお、図4において、横軸における目盛りは対数目盛である。また、図4では、グレーフレームの輝度は、入力画像のAPLに対する輝度の相対値で表されている。以下、入力画像のAPLに対する輝度の相対値であることを、「輝度(相対値)」と表現する。
【0025】
図4に示す例では、照度センサ30が検出した照度が100lx未満である場合には、グレーフレームの輝度(相対値)は、照度に対して単調増加する値に設定される。なお、照度が0である場合には、グレーフレームを全面黒画像のフレームにする。また、照度センサ30が検出した照度が100lx以上で1000lx未満である場合には、グレーフレームの輝度(相対値)は、100%すなわち入力画像のAPLと同じ値に設定される。また、照度センサ30が検出した照度が1000lx以上である場合には、グレーフレームの輝度(相対値)は、100%以上であって、照度に対して単調増加する値に設定される。
【0026】
挿入輝度レベル発生回路22は、照度センサ30が検出した照度と入力平均輝度検出回路21が検出したAPLとを入力し、図4に例示された関係にもとづいて、挿入フレームの輝度を決定する。
【0027】
図4に示すように、照度センサ30が検出した照度が相対的に低い場合には、挿入されるグレーフレームの輝度は相対的に低い。照度センサ30が検出した照度が相対的に中程度の場合(例えば、平均的な室内環境の場合)には、挿入されるグレーフレームの輝度は、入力画像のAPLと同じになる。そして、照度センサ30が検出した照度が相対的に高い場合には、挿入されるグレーフレームの輝度は相対的に高い。
【0028】
倍速駆動されているときには、液晶モジュール10における表示素子には、1フレーム毎にグレーフレームが表示されるので、すなわち、入力画像フレームとグレーフレームとが交互に表示されるので、照度センサ30が検出した照度が相対的に低い場合には、視認される動画像の輝度は、入力画像の平均輝度から低下する。すなわち、暗い環境下では、表示部の画面の輝度が低く設定されることになるので観察者が見やすい画面になる。照度センサ30が検出した照度が相対的に中程度の場合には、視認される動画像の輝度は、入力画像の平均輝度と同程度になる。そして、照度センサ30が検出した照度が相対的に高い場合には、視認される動画像の輝度は、入力画像の平均輝度よりも高くなる。すなわち、明るい環境下では、表示部の画面の輝度が高く設定されることになるので観察者が見やすい画面になる。
【0029】
なお、図4に示された数値(特に、横軸の数値)は一例であって、図4に示された例ではグレーフレームの輝度(相対値)が増加する区間は100lx未満の区間および1000lx以上の区間であったが、グレーフレームの輝度(相対値)が増加する区間とグレーフレームの輝度(相対値)が変化しない区間との境界(図4に示す例では、100lxおよび1000lx)は、図4に示す例の場合とは異なっていてもよい。例えば、第1の所定値(図4に示された例では、100lx)を、10lxとしてもよい。
【0030】
また、図4に示されたようにグレーフレームの輝度(相対値)を設定する場合に、後述するバックライトの制御は考慮されていない。バックライトの制御を併用する場合には、グレーフレームの輝度(相対値)が増加する区間とグレーフレームの輝度(相対値)が変化しない区間との境界(図4に示す例では、100lxおよび1000lx)を図4に示す例の場合と異ならせたり、グレーフレームの輝度(相対値)を示す直線の傾きを、図4に示す例の場合と異ならせたりすることができる。
【0031】
図5〜図7は、照度の違いに応じたAPLとグレーフレームの輝度との関係を説明するための説明図である。図5〜図7において、横軸は最大輝度(白画像の輝度)に対するAPLの値を示し、縦軸は最大輝度(白画像の輝度)に対するグレーフレームの輝度の値を示す。図5に示すように、照度センサ30が検出した照度が100lx以上で1000lx未満である場合には、グレーフレームの輝度は入力画像のAPLと同じになる。図6に示すように、照度センサ30が検出した照度が100lx未満である場合には、グレーフレームの輝度はAPLよりも小さい値になる。図7に示すように、照度センサ30が検出した照度が1000lx以上である場合には、グレーフレームの輝度はAPLよりも大きい値になる。ただし、当然であるが、グレーフレームの輝度が最大になったときには、すなわち、グレーフレームが全白画像のフレームになったときには、APLの値が大きくなっても、グレーフレームの輝度は最大の値のままである。
【0032】
図8は、照度センサ30が検出した照度と、バックライトとしてのLEDの駆動電流との関係の一例を示す説明図である。図8において、横軸は照度センサ30が検出した照度を示し、縦軸はLEDの駆動電流を示す。なお、図8において、横軸における目盛りは対数目盛である。また、図8では、LEDの駆動電流は、LEDの通電期間で表されている。本実施形態では、LEDの通電期間を調整することによって、バックライトの輝度を調整する。具体的には、図9(A)の説明図に示すように、バックライトの輝度を最大にする場合には常時通電する。すなわち、デューティを100%にする。バックライトの輝度を下げる場合には、図9(B)に示すように、通電期間を調整する。図9(B)には、通電期間が全体の半分(デューティ50%とする。)の例が示されている。
【0033】
LEDドライバ40は、照度センサ30が検出した照度を入力し、図8に例示された関係にもとづいて、LEDの駆動電流(この例では、デューティ)を決定する。
【0034】
図8に示す例では、照度センサ30が検出した照度が10lx未満である場合には、バックライトの輝度を下げるためにLEDの駆動電流を小さくする。また、照度に対して単調増加するように駆動電流を大きくする。照度センサ30が検出した照度が10lx以上で1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)未満である場合には、10lx未満である場合に比べてバックライトの輝度を上げるためにLEDの駆動電流を大きくする。また、照度に対して単調増加するように駆動電流を大きくする。また、照度センサ30が検出した照度が1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)以上である場合には、LEDの駆動電流は最大にされる。
【0035】
図10は、本発明による表示装置における表示素子を駆動を駆動する際の、ある画素における極性を説明するための説明図である。図10(A)に示すように、非倍速駆動時には、1フレーム毎に駆動信号の極性を反転する。また、図10(B)に示すように、倍速駆動時には、2フレーム(1つのグレーフレームおよび1つの入力画像フレーム)毎に駆動信号の極性を反転する。
【0036】
倍速駆動する場合に、1フレーム毎(1/120秒周期)に極性反転した場合には、入力画像と挿入画像との極性が異なり、選択時間が半分となっている関係上、十分に充放電ができなくなる可能性があり、図10(B)に示すように、2フレーム毎に極性反転させることが好ましい。
【0037】
図10に示されたような極性反転を実現するために、例えば、タイミングコントロール回路25が駆動の際の極性を示す極性反転信号を出力するように構成し、非倍速駆動時には、各フレームの開始時に極性反転信号の極性を変える。また、倍速駆動時には、(2n+1)フレーム(n:0または自然数)の開始時に極性反転信号の極性を変える。
【0038】
次に、図11のフローチャートおよび図12の模式的タイミング図を参照して、倍速変換制御回路20の動作を説明する。
【0039】
倍速変換制御回路20において、フレーム挿入制御回路24は、倍速駆動することを示す制御信号がオンしている場合には、倍速駆動制御を実行する(ステップS11,S12)。また、倍速駆動することを示す制御信号がオンしていない場合には、非倍速駆動制御を実行する(ステップS11,S13)。
【0040】
非倍速駆動制御は、グレーフレームの挿入を実行しない駆動制御であり、例えば、60Hzの周波数で入力画像フレームが入力される場合には、60Hzで、入力画像フレームに含まれる画像データにもとづいて液晶モジュール10を駆動する一般的な駆動制御である。
【0041】
図12は、倍速駆動制御およびバックライト制御の模式的なタイミングを示す模式的タイミング図である。図12において、横方向が時間経過を示す。
【0042】
図12に示すように、入力画像フレームが入力されると(図12(A))参照)、入力画像フレームは、入力平均輝度検出回路21およびフレーム挿入制御回路24に入力される。フレーム挿入制御回路24は、入力画像フレームに含まれる画像データを画像メモリ23に一次保存する(図12(B))参照)。
【0043】
入力平均輝度検出回路21は、入力画像フレームのAPLを算出する(図12(C))参照)。例えば、画像フレーム中の各画素の輝度値を積算し、積算値を画素数で除算することによってAPLを算出する。ただし、入力平均輝度検出回路21がAPLを算出する手法として、いずれの手法を用いてもよい。
【0044】
そして、入力平均輝度検出回路21は、算出したAPLに応じて、バックライトとしてのLEDの駆動電流を決定する(図12(D))参照)。その際、入力平均輝度検出回路21は、図8に例示されたようにLEDの駆動電流を決定する。すなわち、照度を示すデータを照度センサ30から入力し、照度センサ30が検出した照度が10lx未満である場合には、バックライトの輝度を下げるためにLEDの駆動電流(具体的には、通電期間)を小さくする。その際、駆動電流を、照度に対して単調増加するような値に設定する。照度センサ30が検出した照度が10lx以上で1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)未満である場合には、10lx未満である場合に比べてLEDの駆動電流を大きくする。その際、駆動電流(具体的には、デューティ)を、照度に対して単調増加するような値に設定する。また、照度センサ30が検出した照度が1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)以上である場合には、LEDの駆動電流を最大にする。
【0045】
入力平均輝度検出回路21は、決定した駆動電流を示すデータ(具体的には、デューティを示すデータ)をLEDドライバ40に出力する。
【0046】
LEDドライバ40には、駆動電流を示すデータに従って、LEDの通電期間を制御する回路が内蔵されている。すなわち、駆動電流のデューティを制御する回路が内蔵されている。そして、LEDドライバ40は、入力平均輝度検出回路21が出力したデータに応じたデューティでLEDに駆動電流を流す。
【0047】
以上のような入力平均輝度検出回路21とLEDドライバ40との制御によって、表示装置の周囲環境が暗い場合には、バックライトの輝度は低下し、観察者に、液晶モジュール10の表示面を見やすくさせる。また、表示装置が室内等に存在すると考えられる場合(例えば、周囲の照度が10〜1000lxの場合)では、バックライトの輝度はやや上昇する。そして、昼間の屋外のような明るい環境下では、バックライトの輝度は最大になり、やはり、観察者に、液晶モジュール10の表示面を見やすくさせることができる。
【0048】
また、挿入輝度レベル発生回路22は、入力平均輝度検出回路21が算出したAPLと照度センサ30が検出した照度とにもとづいて、挿入されるグレーフレームの輝度(グレーレベル)を決定する(図12(E))参照)。その際、挿入輝度レベル発生回路22は、図4に例示されたようにグレーレベルを決定する。
【0049】
すなわち、表示装置の周囲環境が暗い場合、例えば照度センサ30が検出した照度が100lx未満である場合には、グレーレベル(相対値)を、照度に対して単調増加している値に決定する。なお、照度が0である場合には、グレーレベルとして全黒を選択する。また、表示装置が室内等に存在すると考えられる場合、例えば照度センサ30が検出した照度が100lx以上で1000lx未満である場合には、グレーレベル(相対値)を、入力画像のAPLと同じ値に決定する。また、昼間の屋外のような明るい環境下、例えば照度センサ30が検出した照度が1000lx以上である場合には、グレーレベル(相対値)を、入力画像のAPL以上の値であって、照度に対して単調増加している値に決定する。なお、グレーレベル(相対値)は、APLに対する比率である。
【0050】
挿入輝度レベル発生回路22は、決定したグレーレベル(相対値)と入力画像のAPLとから、グレーレベルの絶対値を算出する。そして、挿入輝度レベル発生回路22は、算出したグレーレベルの絶対値を、グレーレベルの値としてフレーム挿入制御回路24に出力する。
【0051】
フレーム挿入制御回路24は、グレーフレームを出力する期間では、それぞれR,G,Bのサブ画素を含む全画素に対応するデータを、挿入輝度レベル発生回路22から入力したグレーレベルの値にしてタイミングコントロール回路25に出力する(図12(F))参照)。また、入力画像フレームを出力する期間では、画像メモリ23から画像データを読み出し、読み出した画像データをタイミングコントロール回路25に出力する(図12(F))参照)。
【0052】
タイミングコントロール回路25は、各フレームの開始を示す信号、極性反転信号、クロック信号、R,G,Bのデータ信号等を液晶モジュール10に出力する。
【0053】
以上のような制御が実行されることによって、倍速駆動時には、表示装置の周囲環境の照度と入力画像フレーム自体の輝度とに応じたグレーレベルの挿入フレームが各入力画像フレームの間に挿入される。例えば、周囲環境の照度が低い場合には、入力画像フレームのAPLよりも低い輝度の挿入フレームが挿入される。また、表示装置が室内等に存在する場合には、入力画像フレームのAPLと同輝度の挿入フレームが挿入される。そして、表示装置が屋外等に存在する場合には、入力画像フレームのAPLよりも高い輝度の挿入フレームが挿入される。
【0054】
よって、観察者は、表示装置が存在する環境によらず、常に、高い表示品位の画像を視認することができる。
【0055】
また、上記の実施の形態では、ドライバIC11の外部に倍速変換制御回路20が設けられているので、ドライバIC11として一般に使用可能なものを採用することができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態では、倍速駆動制御と、照度にもとづくバックライト制御とを併用したが、倍速駆動制御のみを実行するようにしてもよい。ただし、照度にもとづくバックライト制御を併用する場合には、倍速駆動制御におけるグレーレベルの設定をより細かく設定することができる。例えば、照度にもとづくバックライト制御によって表示の輝度を上げることができるので、図4に例示されたグレーレベル(相対値)における1000lx以上の期間の直線の傾きを、図4に示された直線の傾きよりも小さくすることによって、グレーレベルの設定をより細かく設定することができる。
【0057】
また、上記のように、ドライバIC11の外部に倍速変換制御回路20が設けられている場合にはドライバIC11として一般に使用されるものを採用することができるが、倍速変換制御回路20の機能をドライバICに組み込んでもよい。すなわち、倍速変換制御回路20の機能とドライバIC11の機能とを組み込んだLSIを用いるようにしてもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態では、入力画像フレームの周波数(例えば、60Hz)の2倍のフレーム周波数(例えば、120Hz)で表示素子12に設けられている電極を駆動する倍速駆動が実行される場合を例にしたが、入力画像フレームの周波数(例えば、60Hz)の4倍の周波数(例えば、240Hz)で表示素子12に設けられている電極を駆動する4倍速駆動を実行するようにしてもよい。4倍速駆動を実行する場合には、4フレームのうちの1つのフレームとして入力画像フレームを使用するが、他の3フレームのうちの1つのフレームをグレーフレームにし、その他のフレームを、補間画像にしたりグレーフレームにしたりする。
【0059】
また、上記の実施の形態では、無彩色のグレーフレームが使用されたが、入力画像フレームにおける支配的な彩度を検出する回路を設け、その回路において主要な彩度が検出された場合には、輝度挿入レベル発生回路22は、グレーにわずかな彩度を付加したR,G,Bデータを出力するようにしてもよい。
【0060】
また、上記の実施の形態では、アクティブマトリクス型液晶表示素子を有する液晶モジュール10を例にしたが、パッシブマトリクス型液晶表示素子を有する液晶モジュールを用いる場合にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明を、屋外においても使用される機器における表示装置、自動車のインスツルメントパネルにおける計器類やインフォメーションディスプレイなどに好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
10 液晶モジュール
11 ドライバIC
12 表示素子(表示部)
20 倍速変換制御回路
21 入力平均輝度検出回路
22 挿入輝度レベル発生回路
23 画像メモリ
24 フレーム挿入制御回路
25 タイミングコントロール回路
30 照度センサ
40 LEDドライバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置などの表示装置に関し、特に、周囲環境の照度が変化しても観察者が視認する表示品質を高く維持することができる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などの表示装置を明るい環境下で使用する場合、例えば、昼間の太陽光が入光する環境下で使用する場合に、外光が表示装置の表面で反射して視認性が低下する。そのような視認性の低下を防止するための方式として、透過型の表示装置において、バックライトの輝度を調整する方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、カラー表示装置の輝度を向上させるために、1画素をR(赤),G(緑),B(青)の3サブ画素で構成するのではなく、R,G,B,W(白)の4サブ画素で構成する技術がある(例えば、特許文献2参照)。1画素がR,G,B,Wの4サブ画素で構成されている表示装置では、周囲環境によらず輝度を向上させることによって、結果として、明るい環境下で使用されるときの視認性の低下を防止することができる。
【0004】
また、動画像表示を行う液晶表示装置において、入力画像データのフレーム周波数(例えば、60Hz)の2倍のフレーム周波数で、画像データにもとづく信号を表示素子に印加するように構成された表示装置がある(例えば、特許文献3参照)。そのような表示装置では、入力画像データの各フレームの間に、所定のフレームが挿入される。挿入される所定のフレームは、例えば全面が黒である全面黒画像フレーム(黒画像フレーム)である。液晶表示装置において本来の各画像フレームが連続表示されると、画像ぼけが観察されることがあるが、1フレーム毎に黒画像フレームが挿入される場合には、画像ぼけが視認される可能性を低減することができる。また、視認される動画像の輝度の低下を防止する等の目的で、黒画像フレームに代えて、グレー画像フレームが使用されたり、全面が白である全白黒画像フレーム(白画像フレーム)が使用されたり、前後の本来の画像から補間処理によって生成された画像フレームが使用されることもある。なお、以下、入力画像データのフレーム周波数の2倍のフレーム周波数で表示素子に信号を印加する駆動の仕方を、倍速駆動という。また、グレー画像フレームは、特に断らない限り、黒画像フレームおよび白画像フレームを含むとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−111870号公報(段落0026−0027)
【特許文献2】特開2007−93832号公報(段落0003−0004)
【特許文献3】特開2002−41002号公報(段落0003,0004,0041,0044、図15)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、バックライトの輝度を調整することによって視認性の低下を防止する方式を使用する場合には、明るい環境下ではバックライトの輝度を高くする必要があり、表示装置の消費電力が大きくなる。また、1画素をR,G,B,Wの4サブ画素で構成する場合には、入力されるR,G,Bの信号をR,G,B,Wの信号に変換しなければならない。そのような変換は、一般に、駆動用ICにおいて実現されるが、駆動用ICに変換回路を実装する必要があるので、駆動用ICのコストが高くなる。
【0007】
また、倍速駆動を用いると画像ぼけが視認される可能性を低減することができるが、黒画像フレームを挿入すると、画像は暗く視認される。また、黒画像フレームではないグレー画像フレームや補間処理によって生成された画像フレームを挿入フレームとして使用する場合には、画像は明るく視認されるが、入力画像フレームが既に明るい画像である等の場合には、周囲環境が暗い環境であるときには、却って観察者に明るすぎる印象を与えてしまう。すなわち、周囲環境の照度の変化に対応して高い表示品質を維持することができないおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、コスト上昇を抑えつつ、周囲環境の照度が変化しても観察者が視認する表示品質を高く維持することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による表示装置は、周囲環境の照度を検出する照度センサと、入力画像の平均輝度を検出する入力平均輝度検出回路と、グレー画像フレーム(全面白画像フレームおよび全面黒画像フレームを含む。)を生成し、生成したグレー画像フレームを、入力画像フレームとその次に入力される入力画像フレームとの間に挿入するフレーム挿入制御回路と、照度センサが検出した照度と入力平均輝度検出回路が検出した入力画像の平均輝度とに応じて、グレー画像フレームの輝度を決定する挿入輝度レベル発生回路とを備えたことを特徴とする。
【0010】
挿入輝度レベル発生回路が、照度センサが検出した照度が第1の所定値未満である第1領域(図4に示す例では、100lx未満の領域に相当)に含まれる場合に、入力画像の平均輝度よりも低い輝度をグレー画像フレームの輝度として決定し、照度センサが検出した照度が第1の所定値以上であって第2の所定値未満である第2領域(図4に示す例では、100lx以上1000lx未満の領域に相当)に含まれる場合に、入力画像の平均輝度をグレー画像フレームの輝度として決定し、照度センサが検出した照度が第2の所定値以上である第3領域(図4に示す例では、1000lx以上の領域に相当)に含まれる場合に、入力画像の平均輝度以上の輝度をグレー画像フレームの輝度として決定するように構成されていてもよい。
【0011】
挿入輝度レベル発生回路が、照度センサが検出した照度が第1領域または第3領域に含まれる場合に、照度センサが検出した照度が高いほど[グレー画像フレームの輝度/入力画像の平均輝度]の値が大きくなるようにグレー画像フレームの輝度を決定するように構成されていてもよい。
【0012】
バックライトを駆動するバックライト駆動回路(図1に示す例では、入力平均輝度検出回路21とLEDドライバ40とで実現される。)を備え、バックライト駆動回路は、照度センサが検出した照度が第1の境界値未満(図8に示す例では、10lx未満)である場合に、バックライトの輝度が相対的に低い輝度になるようにバックライトを駆動し、照度センサが検出した照度が第1の境界値以上であって第2の境界値未満(図8に示す例では、10lx以上で1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)未満)である場合に、バックライトの輝度が相対的に高い輝度になるようにバックライトを駆動し、照度センサが検出した照度が第2の境界値以上(図8に示す例では、1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)以上)である場合に、バックライトの輝度が最大輝度になるようにバックライトを駆動するように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コスト上昇を抑えつつ、周囲環境の照度が変化しても観察者が視認する表示品質を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による表示装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】入力画像フレームと出力画像フレームとの関係を示す波形図。
【図3】制御信号と倍速変換制御回路の制御状態との関係を示す説明図。
【図4】照度センサが検出した照度と挿入フレームの輝度との関係の一例を示す説明図。
【図5】照度の違いに応じたAPLとグレーフレームの輝度との関係を説明するための説明図。
【図6】照度の違いに応じたAPLとグレーフレームの輝度との関係を説明するための説明図。
【図7】照度の違いに応じたAPLとグレーフレームの輝度との関係を説明するための説明図。
【図8】照度センサが検出した照度とLEDの駆動電流との関係の一例を示す説明図。
【図9】LEDの駆動電流を説明するための説明図。
【図10】本発明による表示装置における表示素子を駆動を駆動する際の、ある画素における極性を説明するための説明図。
【図11】倍速変換制御回路の動作を示すフローチャート。
【図12】倍速駆動制御およびバックライト制御の模式的なタイミングを示す模式的タイミング図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による表示装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す例では、表示装置は、表示素子12を有し駆動回路が実装されたドライバICが搭載された液晶モジュール10、倍速変換制御回路20、液晶モジュール10の近傍に設けられ、表示装置の周囲環境の照度を検出する照度センサ30、LEDを用いたバックライト(図示せず)に駆動信号を与えるLEDドライバ40を備えている。なお、この実施の形態では、LEDを用いたバックライトを用いる場合を例にするが、バックライトがLEDによるものであることは必須のことではない。
【0016】
液晶モジュール10における画素を有する表示素子は、例えば、アクティブマトリクス型液晶表示素子である。また、表示素子には、複数の行電極と複数の列電極とが交差するように設けられている。
【0017】
倍速変換制御回路20は、入力画像の平均輝度(APL:Average Picture Level )を入力画像データから算出することによって入力画像のAPLを検出する入力平均輝度検出回路21、照度センサ30が検出した照度と入力平均輝度検出回路21が算出したAPLとにもとづいて、入力画像フレームの間に挿入される挿入フレームの輝度を決定する挿入輝度レベル発生回路22、入力画像データを一時記憶する画像メモリ23、倍速駆動することを示す制御信号が入力されているときには挿入フレームと入力画像データによるフレーム(入力画像フレーム)とを交互に出力し、倍速駆動することを示す制御信号が入力されていないときには入力画像データのみを出力するフレーム挿入制御回路24、および液晶モジュール10における表示素子12に設けられている電極に与えられる各信号を出力するタイミングコントロール回路25を含む。なお、実際には、電極には、ドライバIC11を介して信号が印加される。
【0018】
倍速駆動することを示す制御信号は、例えば、表示装置を内蔵した機器の制御部から出力される。その機器は、一例として、設置されているスイッチが倍速駆動する状態に設定されると、倍速駆動することを示す制御信号をオン状態にする。
【0019】
また、図1に示された例では、入力平均輝度検出回路21は常時APLを算出する処理を実行し、挿入輝度レベル発生回路22は常時挿入フレームの輝度を決定する処理を実行することになるが、フレーム挿入制御回路24が倍速駆動することを示す制御信号が入力されているときに倍速駆動の処理を実行するのと同様に、入力平均輝度検出回路21および挿入輝度レベル発生回路22も、倍速駆動することを示す制御信号が入力されているときにのみ処理を実行するように構成されていてもよい。
【0020】
また、この実施の形態では、一例として、入力画像データは、R,G,Bそれぞれの明度が所定ビット数(例えば、6ビット)で表されるデータであるとする。
【0021】
次に、本発明による表示装置における制御の前提を説明する。本発明では、環境に応じて輝度制御を行うように指示された場合には、入力画像フレームの周波数(例えば、60Hz)の2倍のフレーム周波数(例えば、120Hz)で表示素子12に設けられている電極を駆動する。そのときに、倍速変換制御回路20は、所定輝度のフレームを発生し、本来の入力画像フレームの前または後に所定輝度のフレームすなわち挿入フレームを挿入する。挿入フレームは、全画素が同輝度のグレーの画像(全黒画像および全白画像を含む。)である。以下、挿入フレームをグレーフレームということがある。また、環境に応じて輝度制御を行うように指示されていない場合には、入力画像フレームのみにもとづいて表示素子12に設けられている電極を駆動する。
【0022】
倍速変換制御回路20は、図2の波形図に示すように、1/60秒の周期で入力される1つの入力画像フレームに対して(図2(A)参照)、図2(B)に示すように、1/120秒の期間のグレーフレームを生成する。そして、1/60秒の期間において、グレーフレームと入力画像フレームとを、液晶モジュール10に出力する。
【0023】
なお、環境に応じて輝度制御を行う状態は、倍速駆動することを示す制御信号によって維持される。すなわち、図3(A)の説明図に示すように、倍速駆動することを示す制御信号が出力されている状態が、環境に応じて輝度制御を行うように指示されている状態に相当する。また、以下の説明では、倍速駆動することを示す制御信号は、環境に応じて輝度制御を行うように指示する期間ではオン(ON)状態が維持され、環境に応じて輝度制御を行うように指示しない期間ではオフ(OFF)状態に維持されることを想定するが、図3(B)に示すように、1パルス信号状の制御信号によって環境に応じた輝度制御の開始を指示し、環境に応じて輝度制御を行っているときに1パルス信号状の制御信号が入力されると、環境に応じて輝度制御を行う状態(倍速駆動する状態)から輝度制御を行わない状態(入力画像フレームのみ使用する状態)に移行するようにしてもよい。
【0024】
図4は、照度センサ30が検出した照度と、挿入フレーム(グレーフレーム)の輝度との関係の一例を示す説明図である。図4において、横軸は照度センサ30が検出した照度を示し、縦軸はグレーフレームの輝度を示す。なお、図4において、横軸における目盛りは対数目盛である。また、図4では、グレーフレームの輝度は、入力画像のAPLに対する輝度の相対値で表されている。以下、入力画像のAPLに対する輝度の相対値であることを、「輝度(相対値)」と表現する。
【0025】
図4に示す例では、照度センサ30が検出した照度が100lx未満である場合には、グレーフレームの輝度(相対値)は、照度に対して単調増加する値に設定される。なお、照度が0である場合には、グレーフレームを全面黒画像のフレームにする。また、照度センサ30が検出した照度が100lx以上で1000lx未満である場合には、グレーフレームの輝度(相対値)は、100%すなわち入力画像のAPLと同じ値に設定される。また、照度センサ30が検出した照度が1000lx以上である場合には、グレーフレームの輝度(相対値)は、100%以上であって、照度に対して単調増加する値に設定される。
【0026】
挿入輝度レベル発生回路22は、照度センサ30が検出した照度と入力平均輝度検出回路21が検出したAPLとを入力し、図4に例示された関係にもとづいて、挿入フレームの輝度を決定する。
【0027】
図4に示すように、照度センサ30が検出した照度が相対的に低い場合には、挿入されるグレーフレームの輝度は相対的に低い。照度センサ30が検出した照度が相対的に中程度の場合(例えば、平均的な室内環境の場合)には、挿入されるグレーフレームの輝度は、入力画像のAPLと同じになる。そして、照度センサ30が検出した照度が相対的に高い場合には、挿入されるグレーフレームの輝度は相対的に高い。
【0028】
倍速駆動されているときには、液晶モジュール10における表示素子には、1フレーム毎にグレーフレームが表示されるので、すなわち、入力画像フレームとグレーフレームとが交互に表示されるので、照度センサ30が検出した照度が相対的に低い場合には、視認される動画像の輝度は、入力画像の平均輝度から低下する。すなわち、暗い環境下では、表示部の画面の輝度が低く設定されることになるので観察者が見やすい画面になる。照度センサ30が検出した照度が相対的に中程度の場合には、視認される動画像の輝度は、入力画像の平均輝度と同程度になる。そして、照度センサ30が検出した照度が相対的に高い場合には、視認される動画像の輝度は、入力画像の平均輝度よりも高くなる。すなわち、明るい環境下では、表示部の画面の輝度が高く設定されることになるので観察者が見やすい画面になる。
【0029】
なお、図4に示された数値(特に、横軸の数値)は一例であって、図4に示された例ではグレーフレームの輝度(相対値)が増加する区間は100lx未満の区間および1000lx以上の区間であったが、グレーフレームの輝度(相対値)が増加する区間とグレーフレームの輝度(相対値)が変化しない区間との境界(図4に示す例では、100lxおよび1000lx)は、図4に示す例の場合とは異なっていてもよい。例えば、第1の所定値(図4に示された例では、100lx)を、10lxとしてもよい。
【0030】
また、図4に示されたようにグレーフレームの輝度(相対値)を設定する場合に、後述するバックライトの制御は考慮されていない。バックライトの制御を併用する場合には、グレーフレームの輝度(相対値)が増加する区間とグレーフレームの輝度(相対値)が変化しない区間との境界(図4に示す例では、100lxおよび1000lx)を図4に示す例の場合と異ならせたり、グレーフレームの輝度(相対値)を示す直線の傾きを、図4に示す例の場合と異ならせたりすることができる。
【0031】
図5〜図7は、照度の違いに応じたAPLとグレーフレームの輝度との関係を説明するための説明図である。図5〜図7において、横軸は最大輝度(白画像の輝度)に対するAPLの値を示し、縦軸は最大輝度(白画像の輝度)に対するグレーフレームの輝度の値を示す。図5に示すように、照度センサ30が検出した照度が100lx以上で1000lx未満である場合には、グレーフレームの輝度は入力画像のAPLと同じになる。図6に示すように、照度センサ30が検出した照度が100lx未満である場合には、グレーフレームの輝度はAPLよりも小さい値になる。図7に示すように、照度センサ30が検出した照度が1000lx以上である場合には、グレーフレームの輝度はAPLよりも大きい値になる。ただし、当然であるが、グレーフレームの輝度が最大になったときには、すなわち、グレーフレームが全白画像のフレームになったときには、APLの値が大きくなっても、グレーフレームの輝度は最大の値のままである。
【0032】
図8は、照度センサ30が検出した照度と、バックライトとしてのLEDの駆動電流との関係の一例を示す説明図である。図8において、横軸は照度センサ30が検出した照度を示し、縦軸はLEDの駆動電流を示す。なお、図8において、横軸における目盛りは対数目盛である。また、図8では、LEDの駆動電流は、LEDの通電期間で表されている。本実施形態では、LEDの通電期間を調整することによって、バックライトの輝度を調整する。具体的には、図9(A)の説明図に示すように、バックライトの輝度を最大にする場合には常時通電する。すなわち、デューティを100%にする。バックライトの輝度を下げる場合には、図9(B)に示すように、通電期間を調整する。図9(B)には、通電期間が全体の半分(デューティ50%とする。)の例が示されている。
【0033】
LEDドライバ40は、照度センサ30が検出した照度を入力し、図8に例示された関係にもとづいて、LEDの駆動電流(この例では、デューティ)を決定する。
【0034】
図8に示す例では、照度センサ30が検出した照度が10lx未満である場合には、バックライトの輝度を下げるためにLEDの駆動電流を小さくする。また、照度に対して単調増加するように駆動電流を大きくする。照度センサ30が検出した照度が10lx以上で1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)未満である場合には、10lx未満である場合に比べてバックライトの輝度を上げるためにLEDの駆動電流を大きくする。また、照度に対して単調増加するように駆動電流を大きくする。また、照度センサ30が検出した照度が1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)以上である場合には、LEDの駆動電流は最大にされる。
【0035】
図10は、本発明による表示装置における表示素子を駆動を駆動する際の、ある画素における極性を説明するための説明図である。図10(A)に示すように、非倍速駆動時には、1フレーム毎に駆動信号の極性を反転する。また、図10(B)に示すように、倍速駆動時には、2フレーム(1つのグレーフレームおよび1つの入力画像フレーム)毎に駆動信号の極性を反転する。
【0036】
倍速駆動する場合に、1フレーム毎(1/120秒周期)に極性反転した場合には、入力画像と挿入画像との極性が異なり、選択時間が半分となっている関係上、十分に充放電ができなくなる可能性があり、図10(B)に示すように、2フレーム毎に極性反転させることが好ましい。
【0037】
図10に示されたような極性反転を実現するために、例えば、タイミングコントロール回路25が駆動の際の極性を示す極性反転信号を出力するように構成し、非倍速駆動時には、各フレームの開始時に極性反転信号の極性を変える。また、倍速駆動時には、(2n+1)フレーム(n:0または自然数)の開始時に極性反転信号の極性を変える。
【0038】
次に、図11のフローチャートおよび図12の模式的タイミング図を参照して、倍速変換制御回路20の動作を説明する。
【0039】
倍速変換制御回路20において、フレーム挿入制御回路24は、倍速駆動することを示す制御信号がオンしている場合には、倍速駆動制御を実行する(ステップS11,S12)。また、倍速駆動することを示す制御信号がオンしていない場合には、非倍速駆動制御を実行する(ステップS11,S13)。
【0040】
非倍速駆動制御は、グレーフレームの挿入を実行しない駆動制御であり、例えば、60Hzの周波数で入力画像フレームが入力される場合には、60Hzで、入力画像フレームに含まれる画像データにもとづいて液晶モジュール10を駆動する一般的な駆動制御である。
【0041】
図12は、倍速駆動制御およびバックライト制御の模式的なタイミングを示す模式的タイミング図である。図12において、横方向が時間経過を示す。
【0042】
図12に示すように、入力画像フレームが入力されると(図12(A))参照)、入力画像フレームは、入力平均輝度検出回路21およびフレーム挿入制御回路24に入力される。フレーム挿入制御回路24は、入力画像フレームに含まれる画像データを画像メモリ23に一次保存する(図12(B))参照)。
【0043】
入力平均輝度検出回路21は、入力画像フレームのAPLを算出する(図12(C))参照)。例えば、画像フレーム中の各画素の輝度値を積算し、積算値を画素数で除算することによってAPLを算出する。ただし、入力平均輝度検出回路21がAPLを算出する手法として、いずれの手法を用いてもよい。
【0044】
そして、入力平均輝度検出回路21は、算出したAPLに応じて、バックライトとしてのLEDの駆動電流を決定する(図12(D))参照)。その際、入力平均輝度検出回路21は、図8に例示されたようにLEDの駆動電流を決定する。すなわち、照度を示すデータを照度センサ30から入力し、照度センサ30が検出した照度が10lx未満である場合には、バックライトの輝度を下げるためにLEDの駆動電流(具体的には、通電期間)を小さくする。その際、駆動電流を、照度に対して単調増加するような値に設定する。照度センサ30が検出した照度が10lx以上で1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)未満である場合には、10lx未満である場合に比べてLEDの駆動電流を大きくする。その際、駆動電流(具体的には、デューティ)を、照度に対して単調増加するような値に設定する。また、照度センサ30が検出した照度が1000lxよりも低い所定値(例えば、500lx)以上である場合には、LEDの駆動電流を最大にする。
【0045】
入力平均輝度検出回路21は、決定した駆動電流を示すデータ(具体的には、デューティを示すデータ)をLEDドライバ40に出力する。
【0046】
LEDドライバ40には、駆動電流を示すデータに従って、LEDの通電期間を制御する回路が内蔵されている。すなわち、駆動電流のデューティを制御する回路が内蔵されている。そして、LEDドライバ40は、入力平均輝度検出回路21が出力したデータに応じたデューティでLEDに駆動電流を流す。
【0047】
以上のような入力平均輝度検出回路21とLEDドライバ40との制御によって、表示装置の周囲環境が暗い場合には、バックライトの輝度は低下し、観察者に、液晶モジュール10の表示面を見やすくさせる。また、表示装置が室内等に存在すると考えられる場合(例えば、周囲の照度が10〜1000lxの場合)では、バックライトの輝度はやや上昇する。そして、昼間の屋外のような明るい環境下では、バックライトの輝度は最大になり、やはり、観察者に、液晶モジュール10の表示面を見やすくさせることができる。
【0048】
また、挿入輝度レベル発生回路22は、入力平均輝度検出回路21が算出したAPLと照度センサ30が検出した照度とにもとづいて、挿入されるグレーフレームの輝度(グレーレベル)を決定する(図12(E))参照)。その際、挿入輝度レベル発生回路22は、図4に例示されたようにグレーレベルを決定する。
【0049】
すなわち、表示装置の周囲環境が暗い場合、例えば照度センサ30が検出した照度が100lx未満である場合には、グレーレベル(相対値)を、照度に対して単調増加している値に決定する。なお、照度が0である場合には、グレーレベルとして全黒を選択する。また、表示装置が室内等に存在すると考えられる場合、例えば照度センサ30が検出した照度が100lx以上で1000lx未満である場合には、グレーレベル(相対値)を、入力画像のAPLと同じ値に決定する。また、昼間の屋外のような明るい環境下、例えば照度センサ30が検出した照度が1000lx以上である場合には、グレーレベル(相対値)を、入力画像のAPL以上の値であって、照度に対して単調増加している値に決定する。なお、グレーレベル(相対値)は、APLに対する比率である。
【0050】
挿入輝度レベル発生回路22は、決定したグレーレベル(相対値)と入力画像のAPLとから、グレーレベルの絶対値を算出する。そして、挿入輝度レベル発生回路22は、算出したグレーレベルの絶対値を、グレーレベルの値としてフレーム挿入制御回路24に出力する。
【0051】
フレーム挿入制御回路24は、グレーフレームを出力する期間では、それぞれR,G,Bのサブ画素を含む全画素に対応するデータを、挿入輝度レベル発生回路22から入力したグレーレベルの値にしてタイミングコントロール回路25に出力する(図12(F))参照)。また、入力画像フレームを出力する期間では、画像メモリ23から画像データを読み出し、読み出した画像データをタイミングコントロール回路25に出力する(図12(F))参照)。
【0052】
タイミングコントロール回路25は、各フレームの開始を示す信号、極性反転信号、クロック信号、R,G,Bのデータ信号等を液晶モジュール10に出力する。
【0053】
以上のような制御が実行されることによって、倍速駆動時には、表示装置の周囲環境の照度と入力画像フレーム自体の輝度とに応じたグレーレベルの挿入フレームが各入力画像フレームの間に挿入される。例えば、周囲環境の照度が低い場合には、入力画像フレームのAPLよりも低い輝度の挿入フレームが挿入される。また、表示装置が室内等に存在する場合には、入力画像フレームのAPLと同輝度の挿入フレームが挿入される。そして、表示装置が屋外等に存在する場合には、入力画像フレームのAPLよりも高い輝度の挿入フレームが挿入される。
【0054】
よって、観察者は、表示装置が存在する環境によらず、常に、高い表示品位の画像を視認することができる。
【0055】
また、上記の実施の形態では、ドライバIC11の外部に倍速変換制御回路20が設けられているので、ドライバIC11として一般に使用可能なものを採用することができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態では、倍速駆動制御と、照度にもとづくバックライト制御とを併用したが、倍速駆動制御のみを実行するようにしてもよい。ただし、照度にもとづくバックライト制御を併用する場合には、倍速駆動制御におけるグレーレベルの設定をより細かく設定することができる。例えば、照度にもとづくバックライト制御によって表示の輝度を上げることができるので、図4に例示されたグレーレベル(相対値)における1000lx以上の期間の直線の傾きを、図4に示された直線の傾きよりも小さくすることによって、グレーレベルの設定をより細かく設定することができる。
【0057】
また、上記のように、ドライバIC11の外部に倍速変換制御回路20が設けられている場合にはドライバIC11として一般に使用されるものを採用することができるが、倍速変換制御回路20の機能をドライバICに組み込んでもよい。すなわち、倍速変換制御回路20の機能とドライバIC11の機能とを組み込んだLSIを用いるようにしてもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態では、入力画像フレームの周波数(例えば、60Hz)の2倍のフレーム周波数(例えば、120Hz)で表示素子12に設けられている電極を駆動する倍速駆動が実行される場合を例にしたが、入力画像フレームの周波数(例えば、60Hz)の4倍の周波数(例えば、240Hz)で表示素子12に設けられている電極を駆動する4倍速駆動を実行するようにしてもよい。4倍速駆動を実行する場合には、4フレームのうちの1つのフレームとして入力画像フレームを使用するが、他の3フレームのうちの1つのフレームをグレーフレームにし、その他のフレームを、補間画像にしたりグレーフレームにしたりする。
【0059】
また、上記の実施の形態では、無彩色のグレーフレームが使用されたが、入力画像フレームにおける支配的な彩度を検出する回路を設け、その回路において主要な彩度が検出された場合には、輝度挿入レベル発生回路22は、グレーにわずかな彩度を付加したR,G,Bデータを出力するようにしてもよい。
【0060】
また、上記の実施の形態では、アクティブマトリクス型液晶表示素子を有する液晶モジュール10を例にしたが、パッシブマトリクス型液晶表示素子を有する液晶モジュールを用いる場合にも本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明を、屋外においても使用される機器における表示装置、自動車のインスツルメントパネルにおける計器類やインフォメーションディスプレイなどに好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
10 液晶モジュール
11 ドライバIC
12 表示素子(表示部)
20 倍速変換制御回路
21 入力平均輝度検出回路
22 挿入輝度レベル発生回路
23 画像メモリ
24 フレーム挿入制御回路
25 タイミングコントロール回路
30 照度センサ
40 LEDドライバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲環境の照度を検出する照度センサと、
入力画像の平均輝度を検出する入力平均輝度検出回路と、
グレー画像フレームを生成し、生成したグレー画像フレームを、入力画像フレームとその次に入力される入力画像フレームとの間に挿入するフレーム挿入制御回路と、
前記照度センサが検出した照度と前記入力平均輝度検出回路が検出した入力画像の平均輝度とに応じて、グレー画像フレームの輝度を決定する挿入輝度レベル発生回路と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
挿入輝度レベル発生回路は、照度センサが検出した照度が第1の所定値未満である第1領域に含まれる場合に、入力画像の平均輝度よりも低い輝度をグレー画像フレームの輝度として決定し、照度センサが検出した照度が前記第1の所定値以上であって第2の所定値未満である第2領域に含まれる場合に、入力画像の平均輝度をグレー画像フレームの輝度として決定し、照度センサが検出した照度が前記第2の所定値以上である第3領域に含まれる場合に、入力画像の平均輝度以上の輝度をグレー画像フレームの輝度として決定する
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
挿入輝度レベル発生回路は、照度センサが検出した照度が第1領域または第3領域に含まれる場合に、前記照度センサが検出した照度が高いほど[グレー画像フレームの輝度/入力画像の平均輝度]の値が大きくなるようにグレー画像フレームの輝度を決定する
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
バックライトを駆動するバックライト駆動回路を備え、
前記バックライト駆動回路は、照度センサが検出した照度が第1の境界値未満である場合に、バックライトの輝度が相対的に低い輝度になるように前記バックライトを駆動し、照度センサが検出した照度が前記第1の境界値以上であって第2の境界値未満である場合に、バックライトの輝度が相対的に高い輝度になるように前記バックライトを駆動し、照度センサが検出した照度が前記第2の境界値以上である場合に、バックライトの輝度が最大輝度になるように前記バックライトを駆動する
請求項1、2または3記載の表示装置。
【請求項1】
周囲環境の照度を検出する照度センサと、
入力画像の平均輝度を検出する入力平均輝度検出回路と、
グレー画像フレームを生成し、生成したグレー画像フレームを、入力画像フレームとその次に入力される入力画像フレームとの間に挿入するフレーム挿入制御回路と、
前記照度センサが検出した照度と前記入力平均輝度検出回路が検出した入力画像の平均輝度とに応じて、グレー画像フレームの輝度を決定する挿入輝度レベル発生回路と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
挿入輝度レベル発生回路は、照度センサが検出した照度が第1の所定値未満である第1領域に含まれる場合に、入力画像の平均輝度よりも低い輝度をグレー画像フレームの輝度として決定し、照度センサが検出した照度が前記第1の所定値以上であって第2の所定値未満である第2領域に含まれる場合に、入力画像の平均輝度をグレー画像フレームの輝度として決定し、照度センサが検出した照度が前記第2の所定値以上である第3領域に含まれる場合に、入力画像の平均輝度以上の輝度をグレー画像フレームの輝度として決定する
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
挿入輝度レベル発生回路は、照度センサが検出した照度が第1領域または第3領域に含まれる場合に、前記照度センサが検出した照度が高いほど[グレー画像フレームの輝度/入力画像の平均輝度]の値が大きくなるようにグレー画像フレームの輝度を決定する
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
バックライトを駆動するバックライト駆動回路を備え、
前記バックライト駆動回路は、照度センサが検出した照度が第1の境界値未満である場合に、バックライトの輝度が相対的に低い輝度になるように前記バックライトを駆動し、照度センサが検出した照度が前記第1の境界値以上であって第2の境界値未満である場合に、バックライトの輝度が相対的に高い輝度になるように前記バックライトを駆動し、照度センサが検出した照度が前記第2の境界値以上である場合に、バックライトの輝度が最大輝度になるように前記バックライトを駆動する
請求項1、2または3記載の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−53237(P2011−53237A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199174(P2009−199174)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】
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