説明

表面弾性波リニアモータ、表面弾性波リニアモータパッケージ及びこれを用いたレンズ駆動機

【課題】リニアモータパッケージを提供し、これをカメラモジュール光学系に適用することによって超小型光学ズーム機能を実現する装置を提供する。また、前記リニアモータパッケージを用いて、カメラモジュール光学系でレンズ群を駆動するリニアモータを保護し、その機能を補助する装置を提供する。さらに、前記リニアモータパッケージの集積によりカメラモジュールを軽量化及び小型化することを課題とする。
【解決手段】本発明の表面弾性波リニアモータは、表面弾性波が移動する基板1と、前記表面弾性波の移動方向と反対方向に並進運動をする可動部2と、前記基板1に表面弾性波を発生させるための電極3,4とを含む。本発明によると、従来の回転モータ、ギア及びリードスクリューを用いた駆動機とは異なり、別途のメカニズムなしに並進運動を実現することができ、又、小型および軽量化に適するため多様な分野に応用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面弾性波リニアモータ、表面弾性波リニアモータパッケージ及びこれを用いたレンズ駆動機に関し、より詳しくは、所定の経路上で両方向の駆動が可能な表面弾性波リニアモータを搭載したパッケージ、およびその表面弾性波リニアモータパッケージを用いて光学ズーム機能を実現させるレンズ駆動機に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、通信技術及びデジタル情報処理技術の発展に伴い、情報処理、演算、通信、画像情報の入・出力などの多様な機能が集積された携帯用端末機の技術が新たに台頭している。その例として、デジタルカメラと通信機能が装着されたPDA、デジタルカメラとPDA機能が装着された携帯電話機などが挙げられるが、デジタルカメラ技術及び情報保存能力の発達によって高度スペックのデジタルカメラモジュールの装着が漸次一般化しつつある。
【0003】
諸般技術の発達によって、携帯端末機などに装着されるデジタルカメラモジュールにメガピクセル(mega pixel)級イメージセンサ(image sensor)が使用されるにつれて、自動焦点(auto focus)及び光学ズーム(optical zoom)などの付加機能がより一層重要視されている。このような小型デジタルカメラモジュールにおいて自動焦点及び光学ズーム機能を備えるためには、相対的に小型の体積と速い起動速度と低電力消耗、大きな変位などの性能の要求を充足させる駆動機が必要となる。特に、光学ズーム機能の向上による必要変位の増加に対応できる駆動機が要求されるが、従来のVCM(voice coil motor)などの電磁力駆動機(magnetic actuator)の場合、変位を増大させることに限界があり、ズーム機能のための起動時に、持続的に電力を消耗するという問題がある。また、ステップモータ(stepping motor)などの回転運動をする駆動機によってリードスクリュー(lead screw)を回転させ、可動部を線形的に移動させる場合、メカニズムが複雑になり、かつ、ギア部から摩擦及び騷音が発生するという問題がある。さらに、VCM方式及びステップモータを用いた駆動機の場合、複雑な構造により駆動機の製造コストが高くなるとともに、小型化するにおいても制限がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、リニアモータパッケージを提供し、これをカメラモジュール光学系に適用することによって超小型光学ズーム機能を果す装置を提供する。
【0005】
本発明による表面弾性波リニアモータパッケージは、基板の変形または基板表面の波動によって可動部を駆動させるモータのハウジング(housing)であるとともに、モータの効率を向上させる付加機能を有する。なお、駆動装置の小型化及び軽量化を可能にし、携帯用端末機などを始め超小型リニアモータを必要とする多様な分野への適用を可能にする。
【0006】
本発明の他の目的は、カメラモジュール光学系でレンズ群を駆動させるリニアモータを保護し、その機能を補助する装置を提供することにある。
【0007】
本発明の又他の目的は、前記リニアモータパッケージの集積によりカメラモジュールを軽量化及び小型化することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明による表面弾性波リニアモータは、表面弾性波が移動する基板と、前記表面弾性波の移動方向と反対方向に並進運動をする可動部と、前記基板に電源を供給して表面弾性波を発生させるための電極とを含む。
【0009】
本発明において、前記基板は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)および圧電セラミックス(PZT)の中から選択される1種以上の化合物からなることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記可動部は、半導体、セラミックス、金属、ポリマーの中から選択される1種以上の物質からなることが好ましい。
【0011】
本発明において、前記電極の末端には、ボンディングパッドが連結され、前記電極は、櫛形電極で形成されることが好ましい。
【0012】
本発明において、前記基板の上部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための上部圧着部材がさらに包含されることが好ましい。
【0013】
本発明において、前記基板の下部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための下部圧着部材がさらに包含されることが好ましい。
【0014】
本発明において、前記上部圧着部材および前記下部圧着部材は、磁石−磁石、磁石−金属、金属−磁石の中から選択される一つの組み合わせによって、前記基板と前記可動部とを圧着させることが好ましい。
【0015】
本発明において、前記可動部の下部面には、前記基板との接触面に加えられる圧力を増加させ、前記可動部の滑りを防止するための突起が形成されることが好ましい。
【0016】
前記突起は、アレイ状に形成され、前記突起の形状は、円形、菱形、矩形、正弦波形の中から選択される一つの形状でなることが好ましい。
【0017】
本発明において、前記可動部の下部面には、前記基板との界面における空気の流れを円滑にし、空気によるダンピングを緩和するための流路が形成され、前記流路は、駆動方向に向けて形成されることが好ましい。
【0018】
本発明において、表面弾性波リニアモータパッケージは、基板の表面に形成される表面弾性波によって駆動される表面弾性波リニアモータと、前記表面弾性波リニアモータを装着するヘッダー部と、前記表面弾性波リニアモータの駆動をガイドするためのキャップとを含む。
【0019】
前記キャップは、その中央に溝が形成されることが好ましい。
【0020】
本発明において、前記ヘッダー部は、前記表面弾性波リニアモータを底面から離隔するための複数個のピンを含むことが好ましい。
【0021】
前記ピンは、電気的絶縁のために外部に絶縁体が形成されることが好ましい。
【0022】
本発明において、前記連結部材は、前記溝を通して突出されることが好ましい。
【0023】
本発明において、レンズ駆動機は、表面弾性波リニアモータパッケージと、前記表面弾性波リニアモータパッケージに包含された表面弾性波リニアモータに連結されたレンズ群とを含む。
【0024】
前記レンズ群は、ズーム機能を行う1個以上のレンズを含むか、自動焦点機能を行う1個以上のレンズを含むことが好ましい。
【0025】
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
(項目1)
表面弾性波が移動する基板と、
前記表面弾性波の移動方向と反対方向に並進運動をする可動部と、
前記基板に表面弾性波を発生させるための電極とを含む表面弾性波リニアモータ。
(項目2)
前記基板は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)および圧電セラミックス(PZT)の中から選択される1種以上の化合物からなることを特徴とする項目1に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目3)
前記可動部は、半導体、セラミックス、金属、ポリマーの中から選択される1種以上の物質からなることを特徴とする項目1に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目4)
前記電極の末端には、ボンディングパッドが連結されることを特徴とする項目1に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目5)
前記電極は、櫛形電極で形成されることを特徴とする項目1に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目6)
前記基板の上部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための上部圧着部材がさらに含まれることを特徴とする項目1に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目7)
前記基板の下部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための下部圧着部材がさらに含まれることを特徴とする項目6に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目8)
前記上部圧着部材および前記下部圧着部材は、前記基板と前記可動部とを圧着させるために、磁石−磁石、磁石−金属、金属−磁石の中から選択される一つの組み合わせによって形成されることを特徴とする項目7に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目9)
前記可動部の下部面には、前記基板との接触面に加えられる圧力を増加させ、前記可動部の滑りを防止するための突起が形成されることを特徴とする項目1に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目10)
前記突起は、アレイ状に形成されることを特徴とする項目9に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目11)
前記突起の形状は、円形、菱形、矩形、正弦波形の中から選択される一つの形状からなることを特徴とする項目9に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目12)
前記可動部の下部面には、前記基板との界面における空気の流れを円滑にし、空気によるダンピングを緩和するための流路が形成されることを特徴とする項目1に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目13)
前記流路は、駆動方向に向けて形成されることを特徴とする項目12に記載の表面弾性波リニアモータ。
(項目14)
基板の表面に形成された表面弾性波によって駆動される表面弾性波リニアモータと、
前記表面弾性波リニアモータを装着するヘッダー部と、
前記表面弾性波リニアモータの駆動をガイドするためのキャップとを含む表面弾性波リニアモータパッケージ。
(項目15)
前記キャップは、その中央に溝が形成されることを特徴とする項目14に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
(項目16)
前記表面弾性波リニアモータは、表面弾性波が移動する基板と、
前記表面弾性波の移動方向と反対方向に並進運動をする可動部と、
前記基板に表面弾性波を発生させるための電源を供給する電極とを含み、
前記基板の上部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための上部圧着部材と、
前記キャップの外部に駆動力を伝達するための連結部材とを含むことを特徴とする項目14に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
(項目17)
前記ヘッダー部は、前記表面弾性波リニアモータを底面から離隔するための複数個のピンを含むことを特徴とする項目14に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
(項目18)
前記ピンは、電気的絶縁のために外部に絶縁体が形成されることを特徴とする項目17に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
(項目19)
前記基板の下部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための下部圧着部材がさらに含まれることを特徴とする項目16に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
(項目20)
前記連結部材は、前記溝を通して突出されることを特徴とする項目16に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
(項目21)
項目14によって形成される表面弾性波リニアモータパッケージと、
前記表面弾性波リニアモータパッケージに含まれた表面弾性波リニアモータに連結されたレンズ群とを含むレンズ駆動機。
(項目22)
前記レンズ群は、ズーム機能を行う1個以上のレンズを含むことを特徴とする項目21に記載のレンズ駆動機。
(項目23)
前記レンズ群は、自動焦点機能を行う1個以上のレンズを含むことを特徴とする項目21に記載のレンズ駆動機。
【発明の効果】
【0026】
本発明による表面弾性波リニアモータは、従来の回転モータ、ギア及びリードスクリューを用いた駆動機とは異なり、別途のメカニズムの必要なしに並進運動を実現することができ、又、小型および軽量化に適するため多様な分野に応用されることができる。
【0027】
特に、前記表面弾性波リニアモータは、光学ズーム及び自動焦点カメラモジュールに適用される場合、最小限の空間を占めながら必要性能を充足させることができるので、PDA、携帯電話機などの多様な携帯用機器に有用に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の好適な実施形態を添付の図面を参照しながら説明する。
なお、下記の各構成要素等に与える符号は、同一の構成要素に対しては他の図面に表示される場合にもなるべく同一の符号を与えるようにし、本発明の要旨を混同させると判断される公知技術や構成に対する詳細な説明は省略する。
【0029】
先ず、図1aは、本発明の一実施形態による表面弾性波リニアモータの斜視図であり、図1bは、図1aの表面弾性波リニアモータにおける基板と可動部との界面を示した図である。
【0030】
前記実施形態において、表面弾性波リニアモータは、基板1、可動部2、電極3、4、ボンディングパッド3−1、3−2、4−1、4−2、上部圧着部材12及び下部圧着部材11を含む。
【0031】
図1aは、前記基板1及び前記可動部2が、前記上部圧着部材12及び前記下部圧着部材11によって圧着されて形成されることを概略的に示している。
【0032】
図1aを参照すると、前記基板1の上部には可動部2が付着される。前記可動部2の上部には上部圧着部材12が形成され、前記基板1の下部には下部圧着部材11が形成される。前記可動部2は前記基板1の中央に形成される。前記基板1の上部面の両端には電極3、4が形成される。前記電極3、4の末端には電圧を印加するボンディングパッド3−1、3−2、4−1、4−2がそれぞれ形成される。
【0033】
図1aに示すように、表面弾性波が形成される基板1及び可動部2は、それぞれ可動部2の上部に位置した上部圧着部材12及び基板1の下部に位置した下部圧着部材11によって所定の圧力で圧着される。
【0034】
基板1の両端に形成された櫛形の電極(inter−digital electrode)3、4にボンディングパッド3−1と3−2又は4−1と4−2を通じて所定のRF電圧を印加すると、可動部2が上部圧着部材12と一緒に駆動される。基板1としては、表面弾性波の形成が容易な素材であれば構わないが、特に、ニオブ酸リチウム(lithium niobate、‘LiNbO’)、タンタル酸リチウム(lithium tantalate、‘LiTaO’)、圧電セラミックス(PZT基板)などの圧電素材を使用することが好ましい。
【0035】
可動部2は、シリコンなどの半導体、セラミックス、金属、ポリマーなどの材質によって製作可能であり、基板1との接触面に微細な突起を容易に形成することのできる材質により製作することが好ましい。
【0036】
前記上・下部の圧着部材11,12は、可動部2と基板1との間に所定の圧力を加えるための手段であり、可動部2と基板1に必要の圧力を加えることができる別途の部材がある場合には、選択的に使用することも可能である。上部圧着部材12及び下部圧着部材11として、磁石−磁石、磁石−金属、金属−磁石の組み合わせを使用する場合には、別途の部材なしに可動部2と基板1に所定の圧力を加えることができる。即ち、前記磁石から発生する磁気力によって、前記上部圧着部材12と下部圧着部材11とが互いに密着することにより、前記可動部2と基板1とを圧着することができる。
【0037】
図1bは、可動部2と基板1との界面を拡大して示した断面概念図である。
【0038】
表面弾性波が図面の左側201に進行するとき、基板1の表面は時計方向202に粒子運動(particle motion)を起し、これによって可動部2が右側102に移動する。従って、表面弾性波による粒子運動が可動部2の並進運動(translation)への変換効率を最適化するためには、可動部2と基板1との間に加えられる圧着部材11、12による圧力と、可動部2と基板1との接触面の形状を最適化することが好ましい。
【0039】
前記可動部2の下部面には、基板1との接触面に加えられる圧力を増加させ、表面弾性波リニアモータの駆動時、可動部2の滑りを防止するためにアレイ(array)状の突起を形成することが好ましく、前記突起の形状は、円形、菱形、矩形、正弦波形(sine wave)などが好ましい。さらに、前記可動部2と基板1との界面には、表面弾性波リニアモータの駆動時に空気の流れを円滑にし、空気によるダンピング(damping)を緩和することができる流路が形成され、前記流路は前記可動部の駆動方向に向けて形成することが好ましい。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態による表面弾性波リニアモータパッケージをブロック別に分解した斜視図である。
【0041】
図2において、表面弾性波リニアモータパッケージは、表面弾性波リニアモータ、キャップ(cap)21及びヘッダー部(header)31を含み、本実施形態では、前記表面弾性波リニアモータをパッケージ化する方法をブロック別に概略的に示す。
【0042】
図2の図示のように、前記表面弾性波リニアモータは、前記ヘッダー部31によって下部が支持され、前記キャップ21によって上部がパッケージングされる。前記キャップ21の中央には、前記表面弾性波リニアモータに設けられる連結部材41をガイドするための貫通孔22が形成される。前記ヘッダー部31には、前記表面弾性波リニアモータをワイヤボンディングするためのピン32−1〜32−4が設けられる。
【0043】
即ち、表面弾性波リニアモータパッケージは、貫通孔22が形成されたキャップ21と、ワイヤボンディング(wire bonding)用ピン32−1、32−2、32−3、32−4が形成されたヘッダー部31とから構成され、表面弾性波リニアモータをヘッダー部31に装着してワイヤボンディングした後、キャップ21をヘッダー部31に装着する。この時、上部圧着部材12の上部に付着された連結部材41は、貫通孔22を通してキャップ21の上部に突出する。これにより、可動部2に圧力を加える別途の機械的圧着部材の必要がなくなる。ここで、上部圧着部材12及び下部圧着部材11は二つの永久磁石又は永久磁石−金属の組み合わせを使用する。
【0044】
図3a及び図3bは、本発明の一実施形態による下部圧着部材を使用した場合と、下部圧着部材を使用しない場合の基板の装着方法を示す。
【0045】
図3aは、下部圧着部材11として永久磁石を使用した場合、上部圧着部材12としては、永久磁石または相対的に高い比誘電率(relative permeability)を有する金属を使用することができる。
【0046】
図3bは、下部圧着部材11を省略し、上部圧着部材12のみを使用した場合であり、上部圧着部材12の材質としては永久磁石が使用され、高い比誘電率を有する金属によって前記ヘッダー部31を製作することが好ましい。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態による表面弾性波リニアモータパッケージを用いたレンズ駆動機の概念図である。
【0048】
本実施形態において、表面弾性波リニアモータパッケージを用いたレンズ駆動機は、表面弾性波リニアモータパッケージとレンズ群51を含む。
【0049】
図4は、前記レンズ群が前記表面弾性波リニアモータパッケージに結合される方法を概略的に示す。
【0050】
図4を参照すると、前記レンズ群の一面は、前記表面弾性波リニアモータパッケージのキャップ21に設けられた貫通孔を通して突出する連結部材41と連結される。前記レンズ群は、ズーム機能を行う1個以上のレンズ又は自動焦点機能を行う1個以上のレンズを含んで構成されることが好ましい。
【0051】
図5a乃至図5cは、本発明の一実施形態による前記図4に示す表面弾性波リニアモータパッケージを用いたレンズ駆動機におけるA−B線及びA’−B’線に沿う断面図である。
【0052】
図5aは、表面弾性波リニアモータパッケージを用いたレンズ駆動機の内部において、表面弾性波リニアモータが位置しない部分の断面図である。
【0053】
図5aを参照すると、ワイヤボンディング用ピン32−1,32−2は、電気的絶縁のためにそれぞれの絶縁体33−1、33−2によって外部に連結されている。
【0054】
図5b及び図5cは、表面弾性波リニアモータパッケージを用いたレンズ駆動機の内部において、表面弾性波リニアモータが位置した部分の断面図であり、図5bは下部圧着部材を使用した場合を、図5cは下部圧着部材を使用しない場合をそれぞれ示している。図5b及び図5cに示すように、永久磁石を使用して可動部2と基板1とを圧着させる場合、連結部材41、ヘッダー部及びキャップ21を高い比誘電率を有する物質により製作し、磁力線を図面中黒太の矢印のように分布させることが好ましい。
【0055】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【0056】
リニアモータパッケージを提供し、これをカメラモジュール光学系に適用することによって超小型光学ズーム機能を実現する装置を提供する。また、前記リニアモータパッケージを用いて、カメラモジュール光学系でレンズ群を駆動するリニアモータを保護し、その機能を補助する装置を提供する。さらに、前記リニアモータパッケージの集積によりカメラモジュールを軽量化及び小型化することを課題とする。
【0057】
本発明の表面弾性波リニアモータは、表面弾性波が移動する基板1と、前記表面弾性波の移動方向と反対方向に並進運動をする可動部2と、前記基板1に表面弾性波を発生させるための電極3,4とを含む。本発明によると、従来の回転モータ、ギア及びリードスクリューを用いた駆動機とは異なり、別途のメカニズムなしに並進運動を実現することができ、又、小型および軽量化に適するため多様な分野に応用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1a】本発明の1実施形態による表面弾性波リニアモータの斜視図である。
【図1b】図1aの表面弾性波リニアモータにおける基板と可動部との界面を示す拡大図である。
【図2】本発明の1実施形態による表面弾性波リニアモータパッケージの分解斜視図である。
【図3a】本発明の1実施形態による下部圧着部材を使用した場合の基板の装着方法を示した図である。
【図3b】本発明の1実施形態による下部圧着部材を使用しない場合の基板の装着方法を示した図である。
【図4】本発明の1実施形態による表面弾性波リニアモータパッケージを用いたレンズ駆動機の概念図である。
【図5a】本発明の1実施形態によるレンズ駆動機において、図4のA−B線に沿う断面図である。
【図5b】本発明の1実施形態によるレンズ駆動機において、下部圧着部材を使用した場合の図4のA’−B’線に沿う断面図である。
【図5c】本発明の1実施形態によるレンズ駆動機において、下部圧着部材を使用しない場合の図4のA’−B’線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1;基板
2;可動部
3、4;電極
3−1、3−2、4−1、4−2;ボンディングパッド
11;下部圧着部材
12;上部圧着部材
21;キャップ
22;貫通孔
31;ヘッダー部
32−1〜32−4;ワイヤボンディング用ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面弾性波が移動する基板と、
前記表面弾性波の移動方向と反対方向に並進運動をする可動部と、
前記基板に表面弾性波を発生させるための電極とを含む表面弾性波リニアモータ。
【請求項2】
前記基板は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、タンタル酸リチウム(LiTaO)および圧電セラミックス(PZT)の中から選択される1種以上の化合物からなることを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項3】
前記可動部は、半導体、セラミックス、金属、ポリマーの中から選択される1種以上の物質からなることを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項4】
前記電極の末端には、ボンディングパッドが連結されることを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項5】
前記電極は、櫛形電極で形成されることを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項6】
前記基板の上部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための上部圧着部材がさらに含まれることを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項7】
前記基板の下部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための下部圧着部材がさらに含まれることを特徴とする請求項6に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項8】
前記上部圧着部材および前記下部圧着部材は、前記基板と前記可動部とを圧着させるために、磁石−磁石、磁石−金属、金属−磁石の中から選択される一つの組み合わせによって形成されることを特徴とする請求項7に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項9】
前記可動部の下部面には、前記基板との接触面に加えられる圧力を増加させ、前記可動部の滑りを防止するための突起が形成されることを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項10】
前記突起は、アレイ状に形成されることを特徴とする請求項9に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項11】
前記突起の形状は、円形、菱形、矩形、正弦波形の中から選択される一つの形状からなることを特徴とする請求項9に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項12】
前記可動部の下部面には、前記基板との界面における空気の流れを円滑にし、空気によるダンピングを緩和するための流路が形成されることを特徴とする請求項1に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項13】
前記流路は、駆動方向に向けて形成されることを特徴とする請求項12に記載の表面弾性波リニアモータ。
【請求項14】
基板の表面に形成された表面弾性波によって駆動される表面弾性波リニアモータと、
前記表面弾性波リニアモータを装着するヘッダー部と、
前記表面弾性波リニアモータの駆動をガイドするためのキャップとを含む表面弾性波リニアモータパッケージ。
【請求項15】
前記キャップは、その中央に溝が形成されることを特徴とする請求項14に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
【請求項16】
前記表面弾性波リニアモータは、表面弾性波が移動する基板と、
前記表面弾性波の移動方向と反対方向に並進運動をする可動部と、
前記基板に表面弾性波を発生させるための電源を供給する電極とを含み、
前記基板の上部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための上部圧着部材と、
前記キャップの外部に駆動力を伝達するための連結部材とを含むことを特徴とする請求項14に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
【請求項17】
前記ヘッダー部は、前記表面弾性波リニアモータを底面から離隔するための複数個のピンを含むことを特徴とする請求項14に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
【請求項18】
前記ピンは、電気的絶縁のために外部に絶縁体が形成されることを特徴とする請求項17に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
【請求項19】
前記基板の下部には、前記可動部と前記基板とを圧着させるための下部圧着部材がさらに含まれることを特徴とする請求項16に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
【請求項20】
前記連結部材は、前記溝を通して突出されることを特徴とする請求項16に記載の表面弾性波リニアモータパッケージ。
【請求項21】
請求項14によって形成される表面弾性波リニアモータパッケージと、
前記表面弾性波リニアモータパッケージに含まれた表面弾性波リニアモータに連結されたレンズ群とを含むレンズ駆動機。
【請求項22】
前記レンズ群は、ズーム機能を行う1個以上のレンズを含むことを特徴とする請求項21に記載のレンズ駆動機。
【請求項23】
前記レンズ群は、自動焦点機能を行う1個以上のレンズを含むことを特徴とする請求項21に記載のレンズ駆動機。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【公開番号】特開2006−211892(P2006−211892A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18281(P2006−18281)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】