説明

表面形状測定システムおよび測定方法

【課題】走査型プローブ顕微鏡測定の障害となる半導体ウエハ内部に蓄積された電荷を、確実に取り除き、走査型プローブ顕微鏡の探針の破壊を防止し、安定した表面形状測定を行うことができる測定システムおよび測定方法を提供すること。
【解決手段】第1プローブ136と、被測定物SPを第1プローブ136に対して進退および走査可能に相対的に移動させる第1試料位置制御手段120と第1プローブ136および被測定物SPの表面を観察可能な光学顕微鏡部150とを有する走査型プローブ顕微鏡部100と、導電性の第2プローブ232と、被測定物SPの特定部位を第2プローブ232に対して進退および走査可能に相対的に移動させる第2試料位置制御手段220と第2プローブ232および被測定物SPの表面を観察可能な光学顕微鏡部150とを有する除電部200と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハの表面形状の測定に適した測定システムおよび測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
走査型プローブ顕微鏡(SPM)によって試料の表面形状を測定する基本的な原理は、当業者には公知である。すなわちその構成として、カンチレバーと称する板バネ状の片持ち梁の先端付近に、先端の曲率半径が非常に小さい探針(プローブ)と、試料と探針との相対的な位置を制御する機構を有している。そして、該探針を試料に対して接近させることによって生じる各種の物理量を用いて探針と試料との距離を制御しながら、探針を試料表面に相対的に走査させることが基本的な原理である。たとえば、注目する物理量が、探針先端の原子と試料表面の原子との間に生じる力であれば、このようなSPMは、原子間力顕微鏡(AFM)と称される。またたとえば、注目する物理量が、探針と試料との間に流れるトンネル電流であれば、このようなSPMは走査型トンネル顕微鏡(STM)と称される。また、これらが顕微鏡と称される理由は、試料表面を走査することにより、たとえば表面形状を二次元的に再構築することができるため、ナノメートルオーダーの表面形状を拡大してたとえばモニタ上で観察することができるからである。
【0003】
SPMは、他の表面形状観察方法(たとえば走査型電子顕微鏡)のように、真空中で測定を行う必要がなく、その上、試料表面の形状を高分解能で測定することができるため、近年では半導体ウエハの製造において利用が盛んである。
【0004】
ところでSPMによる半導体ウエハの測定において、測定に不具合を生じる要因の1つとして、試料の帯電が挙げられる。すなわち、試料の帯電により、SPMの探針が試料に接近したときに、探針と試料との間に電荷の急激な移動である放電現象が生じ、探針を破壊してしまうという現象がある。この現象に対しては、試料の帯電を緩和する方法として、たとえばイオナイザまたは紫外線照射装置などを設け、除電を行うことが一般的である(特許文献1、2を参照)。このような除電の方法は、試料近傍に正と負のイオンを発生させ、該イオンを試料の表面に接触させるなどして、電気的中和を行うという原理に基づいている。
【特許文献1】特開2005−195547号公報
【特許文献2】特開2005−195548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、測定対象である半導体ウエハのうち、特にウエハ内部に配線層を有するものや、タングステンプラグを有するものは、半導体ウエハ表面付近の電荷を中和するだけでは除電が不十分であり、ウエハ内部に電荷を残存させてしまうということを、本願発明者は見出した。このような試料に対しては、前述のイオナイザによる電気的中和方法では十分に除電できず、SPMの探針が試料に接近したときに、放電して探針を破壊してしまうこととなる。SPMを安定的な半導体製造プロセスにおいて活用するためには、このような公知の除電方法では十分に除電できない半導体ウエハに対しても、安定して測定できる装置および測定方法の開発が必要である。
【0006】
本発明の目的は、走査型プローブ顕微鏡測定の障害となる半導体ウエハ内部に蓄積された電荷を、確実に取り除き、走査型プローブ顕微鏡の探針の破壊を防止し、安定した表面形状測定を行うことができる、測定システムおよび測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる表面形状測定システムは、
第1プローブと、被測定物を前記第1プローブに対して進退および走査可能に相対的に移動させる第1試料位置制御手段と、前記第1プローブおよび前記被測定物表面を観察可能な光学顕微鏡部と、を有する走査型プローブ顕微鏡部と、
導電性の第2プローブと、前記被測定物の特定部位を前記第2プローブに対して進退および走査可能に相対的に移動させる第2試料位置制御手段と、前記第2プローブおよび前記被測定物表面を観察可能な光学顕微鏡部と、を有する除電部と、
を備える。
【0008】
このような構成により、たとえば、被測定物である半導体ウエハ内部に蓄積された電荷を、確実に取り除き、走査型プローブ顕微鏡の探針の破壊を防止し、安定した表面形状測定を行うことができる。
【0009】
本発明にかかる表面形状測定システムは、
第1プローブと、導電性の第2プローブと、を有するプローブホルダと、
前記第1プローブまたは第2プローブと、前記被測定物表面と、を同時に観察可能な光学顕微鏡部と、
被測定物を前記第1プローブおよび前記第2プローブの少なくとも一方に対して進退および走査可能に相対的に移動させる試料位置制御手段と、
を備える。
【0010】
このような構成により、たとえば、被測定物である半導体ウエハ内部に蓄積された電荷を、確実に取り除き、走査型プローブ顕微鏡の探針の破壊を防止し、安定した表面形状測定を行うことができる。
【0011】
本発明にかかる表面形状測定システムは、
前記第1試料位置制御手段を、前記第1プローブの先端に前記被測定物の表面を追従させながら走査可能とすることができる。
【0012】
本発明にかかる表面形状測定システムは、
前記試料位置制御手段を、前記第1プローブの先端に前記被測定物の表面を追従させながら走査可能とすることができる。
【0013】
本発明にかかる表面形状測定システムは、
被測定物を少なくとも前記走査型プローブ顕微鏡部と前記除電部との間で搬送する試料搬送手段を備えることができる。
【0014】
本発明にかかる表面形状測定システムは、
前記プローブホルダを、前記第1プローブと前記第2プローブとの位置を相互に置換できるものとすることができる。
【0015】
本発明にかかる表面形状測定システムは、
前記被測定物を、タングステンプラグを有する半導体ウエハとすることができる。
【0016】
本発明にかかる表面形状の測定方法は、
前記第1プローブの先端を前記被測定物の表面に接近させる前に、
前記第2プローブに前記被測定物の表面の特定部位を接触させて除電することができる。
【0017】
本発明にかかる表面形状の測定方法は、前記表面形状測定システムを用いて半導体ウエハの表面形状を測定する方法である。
【0018】
この方法によれば、半導体ウエハ内部に蓄積された電荷を、確実に取り除き、走査型プローブ顕微鏡の探針の破壊を防止し、安定した表面形状測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
1.第1実施形態
1.1.表面形状測定システム1000
以下に本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、表面形状測定システム1000を模式的に示す斜視図である。図2(A)、(B)は、走査型プローブ顕微鏡部100の要部を模式的に示す断面図である。図3(A)、(B)、および(C)は、それぞれ第1プローブホルダ130を模式的に示す平面図、要部を拡大して模式的に示す平面図、および要部を拡大して模式的に示す図3(B)のA−A断面図である。図4(A)、(B)、および(C)は、それぞれ第2プローブホルダ230を模式的に示す平面図、要部を拡大して模式的に示す平面図、および要部を拡大して模式的に示す図4(B)のA−A断面図である。
【0020】
本実施形態にかかる表面形状測定システム1000は、図1に示すように、チャンバ500内に、走査型プローブ顕微鏡部100と、除電部200と、ウエハ搬送機構300と、イオナイザ400と、を備えている。
【0021】
1.1.1.走査型プローブ顕微鏡部100
走査型プローブ顕微鏡部100は、表面形状測定システム1000の一部として被測定物SPの表面形状を測定するために設けられる。走査型プローブ顕微鏡部100は、図1および図2に示すように、チャンバ500内に設けられ、除震台110と、第1試料位置制御手段120と、第1プローブホルダ130と、レーザーマウント140と、光学顕微鏡部150とを含む。
【0022】
除震台110は、少なくとも第1試料位置制御手段120の下方に設けられる。除震台110は、走査型プローブ顕微鏡部100が被測定物SPの表面形状を測定する際に、外部からの振動を除去し、測定を安定に行わせる機能を有する。除震台110は、ダンパーを内蔵し、外部からの物理的振動を吸収し、除震台110の上に搭載された物体に外部からの振動が伝達しないようにする。除震台110の材質は、天板には、石、ステンレス等の堅牢な素材を用い、ダンパーは、エアダンパー、オイルダンパー等を用いる。除震台110の変形例としては、チャンバ500内にゴム製ロープ等により懸下する、いわゆるバンジー型とすることができる。また、除震台110の変形としては、1つの除震台110の上に、第1試料位置制御手段120の他に、第2試料位置制御手段220等の他の部材を載せることも可能で、さらに表面形状測定システム1000の全体が1つの除震台110の上に配置されることも可能である。
【0023】
第1試料位置制御手段120は、図2(A)および(B)に示すように、箱形の筐体121の内部に、下方から順に試料移動機構122、試料位置微調整機構123、および試料載台124が格納されて構成される。第1試料位置制御手段120は、除震台110の上に設けられ、第1プローブホルダ130の下に設けられる。第1試料位置制御手段120は、試料載台124の上に積載した被測定物SP(図2(B)参照)を、試料移動機構122、および試料位置微調整機構123によって3次元的に移動させる手段である。第1試料位置制御手段120は、上方の第1プローブホルダ130に設けられている第1プローブ136に対して、被測定物SPを上下方向に進退させることができるとともに、被測定物SPを横方向に走査することができる。以下に第1試料位置制御手段120を構成する各部につき説明する。
【0024】
筐体121は、第1試料位置制御手段120の外枠を構成する(図2(A))。筐体121の形状は、除震台110上で走査型プローブ顕微鏡部100の各動作を安定に行うために、傾斜または振動することのない安定な形状が選択される。筐体121は、その内部に、試料移動機構122、試料位置微調整機構123、および試料載台124が格納される空間を有する。筐体121は、その上方に、試料載台124と干渉しないように、第1プローブホルダ130、およびレーザーマウント140を着脱自在に設置できるようになっている。
【0025】
試料移動機構122は、筐体121の内部底面に設けられる(図2(A)、(B)参照)。試料移動機構122は、試料位置微調整機構123の下に配置される。試料移動機構122は、その上面が、少なくとも上下方向(Z方向)に移動可能な(Z方向に伸縮する)機構を有する。試料移動機構122の伸縮機構には、公知の機構が用いられ、ステップモータ等により外部からの信号に従って駆動される。試料移動機構122は、試料位置微調整機構123の伸縮のストロークを補う機能を有する。試料移動機構122は、試料位置微調整機構123による試料移動よりも動作の精度が低い反面、動作の速度が大きい。試料移動機構122は、試料載台124の上に積載した被測定物SPを、素早く第1プローブホルダ130に設けられている第1プローブ136に対して接近および離脱させることができる。
【0026】
試料位置微調整機構123は、筐体121内の試料移動機構122の上に設けられる(図2(B)参照)。試料位置微調整機構123は、その上面に試料載台124が設けられる。試料位置微調整機構123は、たとえば圧電素子を含んで構成される。試料位置微調整機構123は、その上面が、左右、前後、および上下方向(X、Y、およびZ方向)に移動可能な機構を有する。試料位置微調整機構123には、公知の機構が用いられる。試料位置微調整機構123は、外部からの通電によって圧電素子が変形して、試料載台124の上に積載した被測定物SPの位置をX、Y、およびZ方向へ移動させることができる。たとえば、試料位置微調整機構123は、複数の圧電素子を横方向に結合して構成され、各圧電素子をそれぞれ伸縮させることによってX、Y、およびZ方向へ被測定物SPを移動させることができる。
【0027】
試料載台124は、試料位置微調整機構123の上に、設けられる(図2(B)参照)。試料載台124は、被測定物SPを安定して積載することができる形状を有する。試料載台124は、積載される被測定物SPを確実に試料載台124に固定するために、真空チャック、または機械的なクリップ機構等を有してもよい。
【0028】
第1プローブホルダ130は、図3に示すように、支持枠131、加振子132、カンチレバーチップ133、押さえワイヤ134、カンチレバー135、および第1プローブ136を含んで構成される。第1プローブホルダ130は、第1試料位置制御手段120とレーザーマウント140の間に設けられる(図2(B)参照)。第1プローブホルダ130は、第1プローブ136の先端を被測定物SPの上面の全範囲に移動可能なXYステージ(図示せず)に水平に固定される。そして当該XYステージは、第1試料位置制御手段120の筐体121に対して固定されてもよいし、その他の独立な支持体に固定されてもよい。
【0029】
支持枠131は、第1プローブホルダ130の外枠を構成する。支持枠131は、平板状で、中央部に孔131aを有する。支持枠131は、各部材を介して第1プローブ136が支持枠131の中心付近に配置されるように成型されている。支持枠131の材質は、ステンレス等の金属や、アクリル板等の樹脂が用いられる。
【0030】
加振子132は、たとえば圧電素子を含んで構成される。加振子132は、支持枠131の中央付近の下面に設けられる(図3(A)〜(C)参照)。加振子132の下には、カンチレバーチップ133が当接して配置される。加振子132は、支持枠131の下面よりも下に配置される。加振子132は、上面は水平で、下面は支持枠131の中心方向に向かって下がる方向に傾斜している。加振子132は、カンチレバーチップ133に高周波振動を加え、カンチレバーチップ133に付属するカンチレバー135を振動させることができる。加振子132は、走査型プローブ顕微鏡部100における測定モードに依存して、高周波振動を発生したり、高周波振動を発生させないで用いたりする。
【0031】
押さえワイヤ134は、一端が固定され、もう一端はバネ等を介して緊張して、支持枠131の下面に固定される(図3(B)参照)。押さえワイヤ134は、線状であり、一端のバネを外力を加えて縮めることで前記ワイヤの緊張が解け、弛緩した部分が形成される。該弛緩した部分と加振子132との間にカンチレバーチップ133を挿入して、バネから外力を取り除くと、押さえワイヤ134は、緊張し、カンチレバーチップ133を加振子132に押さえつけて固定する。
【0032】
カンチレバーチップ133は、少なくとも1つのカンチレバー135を有する。カンチレバーチップ133は、図3(B)および(C)に示すように、加振子132の下面に押さえワイヤ134によって押しつけられて固定される。カンチレバーチップ133は、加振子132に接するための十分な広さの面を有し、押さえワイヤ134によって緊縛されることができる程度の直方体の形状を有する。加振子132の下面に当接されたカンチレバーチップ133の最下部の一辺の一部にカンチレバー135が設けられている。カンチレバーチップ133は、カンチレバー135の取り扱いを容易にする機能を有する。カンチレバーチップ133の材質はガラス等で形成されるが、下面にはSiNxまたはSiOxなどの絶縁性の薄膜を有する。
【0033】
カンチレバー135は、先端付近の下面に第1プローブ136を有する。カンチレバー135は、カンチレバーチップ133の下面の一部が延長するように突出して配置される(図3(C)参照)。カンチレバー135は、平板状で片持ち梁の形状を有する。カンチレバー135の片持ち梁の根元は、カンチレバーチップ133である。カンチレバー135の上面は、光を反射し、レーザー光線を利用した光てこの力点としての機能を有する(図2(B)参照)。カンチレバー135は、加振子132によりカンチレバーチップ133を高周波振動させたときには振動する。カンチレバー135の材質は、SiNxまたはSiOxなどが用いられる。
【0034】
第1プローブ136は、カンチレバー135の先端付近の下面に設けられる。第1プローブ136は、第1プローブホルダ130の最下部に位置する(図3(C)参照)。第1プローブ136の形状は先端(下端)が鮮鋭な錐状である。第1プローブ136の先端は、被測定物SPの表面に接近したときに、各種の相互作用を生じる。第1プローブ136が受ける相互作用の種類によって、カンチレバー135がたわんだり、ねじれたりする。また、カンチレバー135が振動しているときに、第1プローブ136が被測定物SPの表面と相互作用した場合は当該振動の振幅や位相が変化する。第1プローブ136の材質は、SiNxまたはSiOxなどが用いられる。
【0035】
レーザーマウント140は、筐体141、ガラス窓142、レーザー光出射部143、およびレーザー光検出部144を含んで構成される(図2(B)参照)。図2の符号145は、レーザー光出射部143から出射したレーザー光線がカンチレバー135の上面で反射し、レーザー光検出部144に入射するまでのレーザー光線の軌跡を示している。レーザーマウント140は、第1プローブホルダ130の上に設けられる。レーザーマウント140は、第1試料位置制御手段120の筐体121に対して固定されてもよいし、その他の独立な支持体に固定されてもよい。
【0036】
筐体141は、内部に少なくともレーザー光出射部143、およびレーザー光検出部144を含む(図2(B)参照)。筐体141は、ステンレス、アルミニウム等の材質で形成される。筐体141は、レーザー光出射部143、およびレーザー光検出部144の位置や角度を変化させることができる機構を備えている。ガラス窓142は、表面形状を測定するときの外乱を防止するとともに、光学顕微鏡部150の視野を確保するために設けられる。
【0037】
レーザー光出射部143は、筐体141の内部に設けられる。レーザー光出射部143は、図2(B)に示すように、カンチレバー135の背面に向かってレーザー光線を出射する。レーザー光出射部143は、筐体141の外部から位置および角度を調節可能である。レーザー光出射部143には、公知の半導体レーザーモジュールが用いられる。レーザー光出射部143から出射されるレーザーは、カンチレバー135に照射され光てこを形成する。レーザー光出射部143は、当該光てこの支点として働く。
【0038】
レーザー光検出部144は、筐体141の内部に設けられる。レーザー光検出部144は、図2(B)に示すように、カンチレバー135の背面で反射されたレーザー光線を受光する。レーザー光検出部144は、筐体141の外部から、位置および角度を調節可能である。レーザー光検出部144は、公知の光検出技術が用いられ、4分割のフォトダイオードなどで構成される。レーザー光出射部143から出射したレーザー光は、カンチレバー135の上面で反射し、光てこを形成し、レーザー光検出部144に入射する。レーザー光検出部144は、光てこの作用点として働く。そして、カンチレバー135のたわみなどにより、レーザー光線の受光位置が変化することに対応して、試料位置制御手段120が被測定物SPと第1プローブ136の間の距離を制御する。
【0039】
光学顕微鏡部150は、CCDカメラ151と長焦点レンズ152とを有する。光学顕微鏡部150は、レーザーマウント140の上方に設けられる(図2(B)参照)。光学顕微鏡部150は、別に設けられた支持体(図示せず)に取り付けられ、X、Y、およびZ方向に自在に移動可能である。そしてカンチレバー135および被測定物SPに焦点を合わせることができる。
【0040】
CCDカメラ151は、市販のものを用いる。CCDカメラ151で撮影された映像は、チャンバ500の外部に設けられたモニタ等(図示せず)に表示される。長焦点レンズ152は、市販のものを用いる。長焦点レンズ152は、カンチレバー135および被測定物SPの表面が観察できるものが選択される。
【0041】
1.1.2.除電部200
除電部200は、表面形状測定システム1000の一部として被測定物SPの帯電部位から電荷を除去するために設けられる。除電部200は、図1に示すように、チャンバ500内に設けられ、除震台210と、第2試料位置制御手段220と、第2プローブホルダ230と、光学顕微鏡部250とを含む。
【0042】
除震台210は、少なくとも第2試料位置制御手段220の下方に設けられる。除震台210は、走査型プローブ顕微鏡部100に用いられる除震台110と同様の形状および機能を有し、変形例についても同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0043】
第2試料位置制御手段220は、箱形の筐体221の内部に、下方から順に試料移動機構222、試料位置微調整機構223、および試料載台224が格納されて構成される。第2試料位置制御手段220は、除震台210の上に設けられ、第2プローブホルダ230の下に設けられる。第2試料位置制御手段220は、前述の第1試料位置制御手段120と同様の構造および機能を有するため、各構成の詳細な説明を省略する。第2試料位置制御手段220は、第1試料位置制御手段120のように被測定物SPの表面形状を測定するほどの位置制御の精度は要求されないため、各構成の動作精度を低く設定することが可能である。たとえば、試料位置微調整機構223は、第1試料位置制御手段120で構成した試料位置微調整機構123のように圧電素子を用いるものでなく、機械的なX、Y、およびZ方向の移動機構を備えたものとすることができる。
【0044】
第2プローブホルダ230は、図4に示すように、支持枠231、第1プローブ232を含んで構成される(図4)。第2プローブホルダ230は、第2試料位置制御手段220と光学顕微鏡部250の間に設けられる(図1参照)。第2プローブホルダ230は、第2プローブ232の先端を被測定物SPの上面の全範囲に移動可能なXYステージ(図示せず)に水平に固定される。そして当該XYステージは、第2試料位置制御手段220の筐体221に対して固定されてもよいし、その他の独立な支持体に固定されてもよい。
【0045】
支持枠231は、第2プローブホルダ230の外枠を構成する。支持枠231は、平板状で、中央部に孔231aを有する。支持枠231は、第2プローブ232が支持枠231の中心付近に配置されるように成型されている。支持枠231の材質は、ステンレス等の金属や、アクリル板等の樹脂が用いられる。
【0046】
第2プローブ232は、その先端が支持枠231の下面よりも下に位置するように設けられる(図4(C)参照)。第2プローブ232の形状は先端(下端)が鮮鋭な針状である。第2プローブ232は、少なくとも上述の第1プローブ136と同等の電位を有するように、表面形状測定システム1000内の基準電位(たとえばアース)となるように接続される(図4(A))。第2プローブ232は、たとえば、チャンバ500等に接続することができる。これにより第2プローブ232は、被測定物SPの表面に接触したときに、被測定物SPに蓄積された電荷を取り去ることができる。第2プローブ232の材質は、導電性の物質であれば限定されず、たとえば、Pt、W、Auまたはそれらの合金が選ばれる。また、本実施形態の第2プローブ232の変形例としては、複数本のプローブから構成するものが挙げられる。このようにすると、被測定物SPに電荷が蓄積した部位が複数存在するときに除電のためにプローブを接触させる動作の回数を減らすことができる。また、第2プローブ232とアース等との間に電流測定手段等をさらに設けて、除電のときに生じる電流等を検出して、除電の動作にフィードバックさせることもできる。
【0047】
光学顕微鏡部250は、CCDカメラ251と長焦点レンズ252とを有する。光学顕微鏡部250は、第2プローブホルダ230の上方に設けられる(図1参照)。光学顕微鏡部250は、別に設けられた支持体(図示せず)に取り付けられ、X、Y、およびZ方向に自在に移動可能である。そしてカンチレバー135および被測定物SPに焦点を合わせることができる。
【0048】
CCDカメラ251は、市販のものを用いる。CCDカメラ251で撮影された映像は、チャンバ500の外部に設けられたモニタ等(図示せず)に表示される。長焦点レンズ252は、市販のものを用いる。長焦点レンズ252は、第2プローブ232および被測定物SPの表面が観察できるものが選択される。
【0049】
1.1.3.ウエハ搬送機構300
ウエハ搬送機構300は、表面形状測定システム1000のチャンバ500内で被測定物SPを搬送するために設けることができる。以下は、一例として説明する。ウエハ搬送機構300は、たとえば図1に示すように、チャンバ500内に設けられ、少なくとも、基体310、アーム320、ガイドレール330、およびマニピュレータ340を有する。ウエハ搬送機構300の各部品は可能な限りチャンバ500に電気的に接続され、アースが図られている。
【0050】
基体310は、チャンバ500内に独立して配置される。基体310は、アーム320を有する。アーム320は、図1に示すように基体310の側面に接続して、ガイドレール330を懸下する。アーム320は、基体310の側面において、上下に移動可能な機構を備えている。ガイドレール330は、アーム320に懸下されている。ガイドレール330は、その側面からマニピュレータ340が突出している(図1)。マニピュレータ340は、ガイドレール330に沿って移動可能な機構を備えている。マニピュレータ340は、図示の例では1組の腕を示しているが、次のような機能を有すれば形状は任意である。図示の例の場合、マニピュレータ340の1組の腕の間の間隔は、試料載台224および試料載台124の直径よりも大きい。
【0051】
ウエハ搬送機構300は、被測定物SPを、少なくとも試料導入口510から除電部200および走査型プローブ顕微鏡部100を経由して試料排出口520まで搬送する。この構成および動作の一例を説明する。まず図示のように、マニピュレータ340の1組の腕の上に、被測定物SPが積載した状態で、マニピュレータ340および被測定物SPが、除電部200の試料載台224および第2プローブホルダ230の間を通過できるとともに、走査型プローブ顕微鏡部100の試料載台124および第1プローブホルダ130の間を通過できるように、ウエハ搬送機構300の各構成を配置する。そして、試料載台224または試料載台124の上に被測定物SPが、マニピュレータ340によって搬送されてきたときに、アーム320を降下すると、試料載台224または試料載台124の上に被測定物SPが配置される。このとき、試料移動機構222または試料移動機構122がZ方向に伸張した状態であれば、被測定物SPとマニピュレータ340は離れ、被測定物SPが、試料載台224または試料載台124の上に搭載される。試料移動機構222または試料移動機構122がZ方向に縮小した状態であれば、これをZ方向に伸張させることで、被測定物SPとマニピュレータ340を離し、被測定物SPが、試料載台224または試料載台124の上に搭載される。そして、除電部200および走査型プローブ顕微鏡部100による除電および測定が終了した後は、試料移動機構222または試料移動機構122をZ方向に縮小し、アーム320を適宜上昇し、マニピュレータ340の腕の上に被測定物SPを搭載して次の段階へと搬送する。
【0052】
1.1.4.イオナイザ400およびチャンバ500
イオナイザ400は、チャンバ500内に、試料表面の帯電を除去するために補助的に設けることができる(図1)。イオナイザ400は、公知の装置を用いることができる。
【0053】
チャンバ500は、少なくとも走査型プローブ顕微鏡部100、除電部200、ウエハ搬送機構300、およびイオナイザ400を格納する(図1)。チャンバ500は、試料導入口510および試料排出口520を有する他、その内部を観察可能な窓、各種の配線を取り出すコンセント、およびその内部の雰囲気を制御する配管等(いずれも図示せず)を有する。チャンバ500は、表面形状測定システム1000の基準電位を供給し、たとえばその全体はアースされている。チャンバ500は、その内部を、たとえばクリーン(無塵)環境、不活性ガス環境など、各種雰囲気に保つことができる。また、チャンバ500は、試料の導入および排出の際に内部の環境を維持できるような準備ボックス530を有することができる。
【0054】
1.1.5.被測定物SP
本実施形態の被測定物SPは、特に限定されないが、本発明の効果が最も顕著に発現するものとして、配線部材としてのプラグを有する半導体ウエハが好ましい。
【0055】
一般に、基板に形成される半導体装置は、配線層を有する。ウエハ内の配線層は、キャパシタ等を構成することがあり、またトランジスタやその他の素子間を電気的に接続するために設けられる。このような配線層は、ウエハ面に対して平行方向(横方向)に形成されることが多い。そして、このような配線層が上下に複数層形成される場合においては、当該上下の配線層を電気的に接続するために、ウエハ面に対して垂直方向にプラグ(コンタクト部)と称する配線を形成することが一般に行われている。
【0056】
一方、半導体プロセスの特定の工程では、ウエハ表面の平坦性が極めて重要になることがある。当該特定の工程においてウエハ表面の平坦性が悪く、意図しない凹凸が発生すると、その後の種々の積層工程においてこの凹凸が悪影響を及ぼし、製造歩留まりを極端に低下させる事態に陥ることがある。このような表面の平坦性が重要となる工程の1つが、上記のようなプラグを形成する工程である。より具体的には、プラグを形成する工程は、ウエハ表面にプラグを構成する金属層を形成し、引き続きこの表面を研磨してプラグを形成する領域以外の金属層を除去する工程を含む。この工程により、プラグを有する半導体ウエハの表面が平坦化される。そして、このような平坦化(研磨)工程では、化学機械研磨(CMP)が多用される。この段階においても、表面の平坦性が重要となるため、一般に表面形状の検査が行われる。
【0057】
表面形状の検査を行う場合は、高スループットで正確に実施することがプロセス上極めて重要である。この場合においては、ウエハ表面の微細な平坦性を評価するために最も適した検査方法として、走査型プローブ顕微鏡が利用される。本願発明者は、走査型プローブ顕微鏡による検査を行うに当たって、CMP工程を経たウエハに対しては、プローブの破壊を起こしやすいことを見出した。すなわち本願発明者は、CMP工程では研磨対象であるプラグを通じて、ウエハ内部に電荷が蓄積され、プローブの破壊現象は、このウエハ内部に蓄積された電荷によって、ウエハ表面のプラグを通じて、プローブに対して放電が生じることが原因であること、および、このようなウエハ内部に蓄積された電荷は、一般的な除電方法では除去できないということを突き止めた。
【0058】
このような理由から、本実施形態の構成により検査を安定に行う効果が高い被測定物SPとしては、プラグを有する半導体ウエハであり、さらに顕著な効果が得られる被測定物SPとしては、タングステンプラグを有する半導体ウエハであることが分かった。
【0059】
1.2.表面形状測定システム1000の動作
以下に表面形状測定システム1000の動作の一例を説明する。被測定物SPが試料導入口510から導入され、試料排出口520から排出されるまでの一連の動作は、(1)試料の搬送、(2)除電、(3)走査型プローブ顕微鏡による測定、を含む。
【0060】
(1)試料の搬送
予め試料導入口510付近にウエハ搬送機構300により、マニピュレータ340が準備され、マニピュレータ340上に被測定物SPがセットされる。そして、上記で説明したウエハ搬送機構300の動作に従って、除電部200の試料載台224上に搭載される。除電部200において除電が終了すると、ウエハ搬送機構300により、被測定物SPは、搬送され、走査型プローブ顕微鏡部100の試料載台124上に搭載される。走査型プローブ顕微鏡測定が終了すると、再びウエハ搬送機構300により、被測定物SPは、試料排出口520付近に搬送され取り出される(図1参照)。
【0061】
(2)除電
除電部200の試料載台224上に搭載された被測定物SPは、まず、光学顕微鏡部250によって、第2プローブホルダ230の孔231aを通して、観察される。このとき、被測定物SPと第2プローブ232の先端とは接触しないが、接近していることが望ましい。光学顕微鏡部250による観察によって、被測定物SPの表面の除電を行うべき部位(すなわちプラグの断面)が検索され、プラグが見つかると、第2プローブホルダ230を横方向(XY方向)に移動させ、第2プローブ232の先端が、プラグの真上にくるようにする。ここで必要であれば試料位置微調整機構223を用いて、横方向の位置の微調整を行う。そして、試料移動機構222をZ方向に伸張させることにより、プラグと第2プローブ232の先端を接触させる。この接触により、被測定物SPのプラグと第2プローブ232が電気的に短絡し、電荷の移動が生じ、除電が達成される。このように被測定物SPの目的の部位と第2プローブ232の先端とが接触することは、光学顕微鏡部250による観察で確認でき、接触さえすれば除電は達成される。なお、除電される電気量を測定する手段がさらに設けられていれば、被測定物SPの目的の部位と第2プローブ232の先端とが接触し除電されることの確認がさらに容易になる。すなわち被測定物SPの目的の部位と第2プローブ232の先端とを接近させるときに、電荷の移動(電流)が生じたことを契機に、試料移動機構222のステップモータの動作を停止するといったフィードバックをおこなうことが可能になる。
【0062】
被測定物SPのプラグの除電が終わると、次に試料移動機構222がZ方向に縮小して、被測定物SPと第2プローブ232とが離間される。被測定物SPに複数のプラグがあるときは、継続して上記の動作を繰り返す。被測定物SPの除電が必要なプラグの除電が全て完了すると、試料移動機構222がZ方向に大きく縮小してウエハ搬送機構300のマニピュレータ340に被測定物SPが搭載され、被測定物SPが試料載台224から取り外されて搬送される。
【0063】
(3)走査型プローブ顕微鏡による測定
走査型プローブ顕微鏡部100の試料載台124上に搭載された被測定物SPは、公知の測定モードにより、表面形状が測定される。ここでは第1プローブ136が被測定物SPの表面に接触して行われる原子間力モード(原子間力顕微鏡(AFM))を例として説明する。
【0064】
まず、光学顕微鏡部150によって、第1プローブホルダ130の孔131aを通して、観察される。このとき、被測定物SPと第1プローブ136の先端とは接触しないが、接近していることが望ましい。光学顕微鏡部150による観察によって、被測定物SPの表面の測定を行うべき部位が検索され、測定を行うべき部位が見つかると、第1プローブホルダ130を横方向(XY方向)に移動させ、第1プローブ136の先端が、測定を行うべき部位の付近にくるようにする。一方、第1プローブホルダ130の上に配置されたレーザーマウント140内のレーザー光出射部143、およびレーザー光検出部144は、予めカンチレバー135の背面を利用して光てこを構成するように調整される。すなわち、第1プローブ136が被測定物SPの表面と接触しない状態で、レーザー光は、レーザー光検出部144の中心に到達するように調整される。
【0065】
次に第1プローブ136を被測定物SPの表面に接近させる(この動作を以下アプローチという)。試料位置微調整機構122が伸張した状態で、試料移動機構122を伸張させると、第1プローブ136が被測定物SPの表面と接触する。このとき、光てこの働きにより、レーザー光検出部144の検出位置が移動する。この検出位置の移動を契機に試料移動機構122の伸張が停止される。そしてレーザー光検出部144の移動したレーザー光検出位置を、試料位置微調整機構122が縮小することにより、今度は第1プローブ136が被測定物SPの表面と接触した状態で、レーザー光がレーザー光検出部144の中心に到達するように調整される。
【0066】
アプローチの際に、除電部200による除電が行われていないと、第1プローブ136と被測定物SPとの間で放電が生じることがあり、第1プローブ136が破壊して、測定が不可能になり、ひいてはプロセスの歩留まりを低下させてしまう。本実施形態では除電部200による除電が行われた後に、アプローチが行われるため、第1プローブ136を破壊することはない。
【0067】
次に、試料位置微調整機構122によって、被測定物SPが横方向(X、Y方向)にラスタースキャン(測定領域を1次元に走査し、順次走査線がずらされ二次元画像が構築)される。ラスタースキャンの間は、被測定物SPのZ方向の位置は、光てことなっているレーザー光がレーザー光検出部144の中心からのずれないように、試料位置微調整機構122のZ方向の伸縮により常に制御される。このような動作における試料位置微調整機構122のX、Y、およびZ方向の位置情報から被測定物SPの表面の測定領域の凹凸を再構築して表面形状を得る。
【0068】
被測定物SPの表面形状の測定が終わると、次に試料移動機構122がZ方向に縮小して、被測定物SPと第1プローブ136とが離間される。被測定物SPに複数の測定すべき部位があるときは、継続して上記の動作を繰り返す。被測定物SPの目的の測定すべき部位の測定が完了すると、試料移動機構122がZ方向に大きく縮小してウエハ搬送機構300のマニピュレータ340に被測定物SPが搭載され、被測定物SPが試料載台124から取り外されて搬送される。
【0069】
1.3.作用効果
本実施形態の表面形状測定システム1000は、被測定物SPに蓄積された電荷を、確実に取り除き、走査型プローブ顕微鏡の探針(第1プローブ136)の破壊を防止し、安定した表面形状測定を行うことができる。
【0070】
すなわち、表面形状測定システム1000は、走査型プローブ顕微鏡部100により被測定物SPの表面形状を測定する前に、除電部200の第2プローブ232によって、被測定物SPの内部に蓄積している電荷を取り除く。したがって、走査型プローブ顕微鏡部100の第1プローブ136が被測定物SPに接触する際に、両者の間で放電が起こらず、第1プローブ136の破損が未然に防がれる。これにより、安定した表面形状測定をおこなうことができる。特にプラグを有する半導体ウエハに関しては、表面形状測定システム1000は、被測定物SPの内部に蓄積している電荷を取り除く効果が高く、さらにプラグがタングステンで形成されている場合に顕著な効果を得ることができる。また、表面形状測定システム1000を用いることで安定した表面形状測定方法を提供できる。
【0071】
2.第2実施形態
2.1.表面形状測定システム2000
図5は、表面形状測定システム2000を模式的に示す斜視図である。
【0072】
本実施形態にかかる表面形状測定システム2000は、図5に示すように、チャンバ500内に、走査型プローブ顕微鏡部100と、ウエハ搬送機構300と、イオナイザ400と、を備えている。本実施形態の走査型プローブ顕微鏡部100は、図5に示すように、チャンバ500内に設けられ、除震台110と、試料位置制御手段120と、プローブホルダ630と、レーザーマウント140と、光学顕微鏡部150とを含む。
【0073】
本実施形態の表面形状測定システム2000は、プローブホルダ630が第1実施形態の第1プローブホルダ130と異なる点、第1実施形態の第2プローブ232が、プローブホルダ630に設けられる点、および、第1実施形態の除電部200の第2プローブ232以外の構成すなわち、除震台210、第2試料位置制御手段220、および光学顕微鏡部250を有さない点を除けば、第1実施形態の表面形状測定システム1000と同様である。よって、本実施形態の説明においては、第1実施形態で述べた表面形状測定システム1000の構成と実質的に同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0074】
本実施形態のチャンバ500、ウエハ搬送機構300、およびイオナイザ400は第1実施形態で説明したと同様であるため、説明を省略する。また本実施形態の走査型プローブ顕微鏡部100は、プローブホルダ630以外は、第1実施形態で説明したと同様であるため説明を省略する。
【0075】
2.1.1.プローブホルダ630
図6(A)は、本実施形態にかかる表面形状測定システムのプローブホルダ630を模式的に示す平面図である。
【0076】
プローブホルダ630は、図6(A)に示すように、支持枠631、加振子632、カンチレバーチップ633、押さえワイヤ634、カンチレバー635、および第1プローブ636を含んで構成される表面形状測定部637と、支持枠631、および第2プローブ632を含んで構成される除電プローブ部737とを有して構成される。
【0077】
プローブホルダ630は、試料位置制御手段120とレーザーマウント140の間に設けられる。プローブホルダ630は、第1プローブ636の先端を被測定物SPの上面の全範囲に移動可能なXYステージ(図示せず)に水平に固定される。そして当該XYステージは、試料位置制御手段120の筐体121に対して固定されてもよいし、その他の独立な支持体に固定されてもよい。
【0078】
支持枠631は、プローブホルダ630の外枠を構成する。支持枠631は、平板状で孔631aを有する(図6(A)参照)。支持枠631は、各部材を介して第1プローブ636が支持枠631から孔631aに突出して配置されるとともに、第2プローブ732が支持枠631の孔631aに突出して配置されるように成形される。支持枠631の材質は、ステンレス等の金属や、アクリル板等の樹脂が用いられる。第1プローブ636と第2プローブ732との間の距離は、一方のプローブが被測定物SPに接近したときにもう一方のプローブが被測定物SPに接触しないようにするために、被測定物SPの直径よりも大きいことが望ましい。
【0079】
本実施形態の表面形状測定システムは、プローブホルダ630がスライドすることによって、第2プローブ732と、第1プローブ636との、互いの位置を交換することができるものである。
【0080】
加振子632、押さえワイヤ634、カンチレバーチップ633、カンチレバー635、第1プローブ636、第2プローブ732、および被測定物SPは、第1実施形態で説明した、加振子132、押さえワイヤ134、カンチレバーチップ133、カンチレバー135、第1プローブ136、第2プローブ232、および被測定物SPと同様であるため説明を省略する。
【0081】
2.2.表面形状測定システム2000の動作
以下に本実施形態の表面形状測定システム2000の動作の一例を説明する。被測定物SPが試料導入口510から導入され、試料排出口520から排出されるまでの一連の動作は、(1)試料の搬送、(2)除電、(3)走査型プローブ顕微鏡による測定、を含む。
【0082】
(1)試料の搬送に関しては、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0083】
(2)除電に関しては、第2プローブ732が第1実施形態の第2プローブ232と異なる以外は、本質的に同様であるため、説明を省略する。
【0084】
(3)走査型プローブ顕微鏡による測定
除電動作に引き続き、被測定物SPと第1および第2プローブ732が接触していない状態で、プローブホルダ630が取り付けられているXYステージによって、プローブホルダ630の位置が平行移動され、除電の終了した部位(測定部位)に第1プローブ636が移動される。そして走査型プローブ顕微鏡測定が行われる。測定の詳細は、第1実施形態と本質的に同様である。
【0085】
2.3.変形例
図6(B)は、表面形状測定システムの第1プローブホルダ630の変形例を模式的に示す平面図である。第1プローブホルダ630は、図6(B)に示すような変形が可能である。
【0086】
第2実施形態で、第2プローブ732と、第1プローブ636とはプローブホルダ630がスライドすることによって、その位置を交換することができるものであったのに対して、本変形例は、プローブホルダ630が回転することによって、第2プローブ732と、第1プローブ636との位置を交換できるものである。
【0087】
支持枠631は、図6(B)に示すように、回転中心638を中心として、回転可能な構造となっている。そしてストッパ639によって支持枠631の回転できる角度範囲が制限される構造となっている。具体的には、図6(B)に示した状態では、支持枠631は、その突出面631bとストッパ639の端面639bとが当接して、支持枠631が同図の状態では、反時計回りに回転不可能になっている。また、同図の状態では、支持枠631は、時計回りには回転可能であり、支持枠631の突出面631aとストッパ639の端面639aとが当接するまで、回転中心638の周りに回転可能である。
【0088】
支持枠631は、その外周の一部に各部材を介して第1プローブ636が支持枠631から突出して配置されるとともに、第2プローブ732が支持枠631の外周に突出して配置される。第1プローブ636と第2プローブ732との間の距離は、一方のプローブが被測定物SPに接近したときにもう一方のプローブが被測定物SPに接触しないようにするために、それぞれのプローブと回転中心638を結ぶ直線のなす角度が90°以上であることが望ましく、表面形状測定部637と除電プローブ部737とが空間的に離間していることが望ましい。
【0089】
本変形例の動作は、除電動作に引き続き、被測定物SPと第1および第2プローブ732が接触していない状態で、プローブホルダ630を回転させ、除電の終了した部位(測定部位)に第1プローブ636が移動される以外は上記実施形態と同様である。
【0090】
2.4.作用効果
本実施形態の表面形状測定システム2000は、被測定物SPに蓄積された電荷を、確実に取り除き、走査型プローブ顕微鏡の探針(第1プローブ636)の破壊を防止し、安定した表面形状測定を行うことができる。
【0091】
すなわち、本実施形態の表面形状測定システム2000は、走査型プローブ顕微鏡部100により被測定物SPの表面形状を測定する前に、第2プローブ732によって、被測定物SPの内部に蓄積している電荷を取り除く。したがって、走査型プローブ顕微鏡部100の第1プローブ636が被測定物SPに接触する際に、両者の間で放電が起こらず、第1プローブ636の破損が未然に防がれる。これにより、安定した表面形状測定をおこなうことができる。特にプラグを有する半導体ウエハに関しては、表面形状測定システム2000は、被測定物SPの内部に蓄積している電荷を取り除く効果が高く、さらにプラグがタングステンで形成されている場合に顕著な効果を得ることができる。また、本実施形態の表面形状測定システム2000を用いることで安定した表面形状測定方法を提供できる。
【0092】
3.第3実施形態
3.1.表面形状測定システム3000
図7は、表面形状測定システム3000を模式的に示す斜視図である。
【0093】
本実施形態にかかる表面形状測定システム3000は、図7に示すように、チャンバ500内に、走査型プローブ顕微鏡部100と、ウエハ搬送機構300と、イオナイザ400と、ウエット除電部800を備えている。
【0094】
本実施形態の表面形状測定システム3000は、ウエット除電部800が第1実施形態の除電部200と異なる点を除けば、第1実施形態の表面形状測定システム1000と同様である。よって、本実施形態の説明においては、第1実施形態で述べた表面形状測定システム1000の構成と実質的に同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0095】
3.1.1.ウエット除電部800
ウエット除電部800は、外枠810と、ターンテーブル820と、処理液供給ノズル830と、処理液排出口850と、ターンテーブル上下移動機構(図示せず)を有する。ウエット除電部800は、実質的に公知のスピンコータと同様の装置である。
【0096】
外枠810は、上面に開口部を有する。外枠810の開口部は被測定物SPが通過できる内径を有する。外枠810は、側面または底面に処理液排出口850を有する。外枠810の内面は処理液840の飛散を防止し、処理液840を処理液排出口850から回収できるように成形される。
【0097】
ターンテーブル820は、ターンテーブル上下移動機構を介して外枠810に格納される。ターンテーブル820は、ターンテーブル回転用モータを有し、当該モータの回転軸に接続されている。ターンテーブル820は、ターンテーブル上下移動機構によって、外枠810の上面よりも上に移動することができるとともに、外枠810の上面よりも下に移動することができる。ターンテーブル820は円盤状で円盤の下面の中心にターンテーブル回転用モータの軸が接続される。ターンテーブル820の回転速度は、ターンテーブル回転用モータによって制御される。ターンテーブル820は、被測定物SPを積載して回転することができる。ターンテーブル820は、回転することによって、処理液供給ノズル830から供給される処理液840を被測定物SPの上面に均一に接触させ、接触した後の不要な処理液840を切る機能を有する。ターンテーブル820は、積載される被測定物SPを確実に固定するために、真空チャック機構等を有してもよい。
【0098】
処理液供給ノズル830は、図7に示した例では、外枠810の上面に設けられている。処理液供給ノズル830は、試料移動機構300のマニピュレータ340等と干渉しないように設けられる。処理液供給ノズル830は、内部が中空の管で構成され、当該管を通して処理液840を搬送する。処理液供給ノズル830の先端は、ターンテーブル820の中心付近の上方に配置される。処理液供給ノズル830の先端からは処理液840が吐出し、ターンテーブル820の上に積載された被測定物SPの上面に吐出される。
【0099】
処理液840は、被測定物SPの表面と接触して、被測定物SPに蓄積された電荷を中和する。このような作用を有する処理液840としては、炭酸、蓚酸等の水溶液、および炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩類の水溶液が挙げられる。また、処理液840は、これらの水溶液を混合したものを用いることもできる。処理液840の濃度は、たとえば、炭酸水溶液であれば、0.01〜10質量%とすることができ、電荷の中和を十分におこない、かつ、被測定物SPの表面へのダメージを小さくするために、より好ましくは0.1〜5質量%が好ましい。
【0100】
このような処理液840が、被測定物SPの表面に接触すると、被測定物SPの表面の電荷が中和される上、さらに、内部に蓄積した電荷をも中和することができる。たとえば、被測定物SPの表面がタングステンプラグを有する場合、タングステンプラグと処理液840が接触すると、その界面において、少なくとも電荷の移動または化学反応を生じて、被測定物SPに蓄積した電荷が中和され、被測定物SPが除電される。
【0101】
処理液排出口850は、外枠810の側面の下部または底面に設けられる。処理液排出口850は、被測定物SPと接触した後の処理液840を外枠810から排出する。
【0102】
3.2.表面形状測定システム3000の動作
以下に本実施形態の表面形状測定システム3000の動作の一例を説明する。被測定物SPが試料導入口510から導入され、試料排出口520から排出されるまでの一連の動作は、(1)試料の搬送、(2)除電、(3)走査型プローブ顕微鏡による測定、を含む。
【0103】
(1)試料の搬送に関しては、本実施形態ではターンテーブル上下移動機構が、第1実施形態の試料移動機構122と同様の機能を有するため、実質的に第1実施形態で説明したことと同様であるため説明を省略する。なお、本実施形態では、マニピュレータ340は、図7に示すように、被測定物SPの端部を上下に挟む1組の腕を有する。
【0104】
(2)除電
ウエット除電部800のターンテーブル820上に搭載された被測定物SPは、ターンテーブル820の回転により回転する。そして、被測定物SPは、処理液供給ノズル830の先端から吐出された処理液840と接触する。ターンテーブル820の回転速度と、処理液840の供給量とは、被測定物SPの上面全体が濡れるように調整される。この接触により、被測定物SPと処理液840との間に、少なくとも電荷の移動または化学反応が生じ、除電が達成される。被測定物SPと処理液840が接触する時間は、処理液840の種類に応じて決定される。たとえば、被測定物SPと処理液840が接触する時間は、処理液840が、1質量%の炭酸水溶液であれば、10〜20秒に設定できる。
【0105】
次に、処理液840の供給を停止すると、既に被測定物SPの表面に供給された処理液840は、ターンテーブル820の回転による遠心力で被測定物SPの表面から除去される。このとき、被測定物SPの表面から処理液840が完全に除去されるように、たとえばターンテーブル820の回転速度を高めることができる。また処理液840が、被測定物SPの表面から除去された後も、乾燥のためにターンテーブル820を回転させ続けることもできる。そして、処理液840が除去されると、ターンテーブル820の回転が停止され、ターンテーブル上下移動機構によってターンテーブル820が上方に移動してウエハ搬送機構300のマニピュレータ340に被測定物SPが挟まれ、被測定物SPがターンテーブル820から取り外されて搬送される。
【0106】
(3)走査型プローブ顕微鏡による測定に関しては、第1実施形態と本質的に同様であるため、説明を省略する。
【0107】
3.3.作用効果
本実施形態の表面形状測定システム3000は、被測定物SPに蓄積された電荷を、確実に取り除き、走査型プローブ顕微鏡の探針の破壊を防止し、安定した表面形状測定を行うことができる。
【0108】
すなわち、本実施形態の表面形状測定システム3000は、走査型プローブ顕微鏡部100により被測定物SPの表面形状を測定する前に、ウエット除電部800によって、被測定物SPの内部に蓄積している電荷を取り除く。したがって、走査型プローブ顕微鏡部100の第1プローブ136が被測定物SPに接触する際に、両者の間で放電が起こらず、第1プローブ136の破損が未然に防がれる。これにより、安定した表面形状測定をおこなうことができる。特にプラグを有する半導体ウエハに関しては、表面形状測定システム3000は、被測定物SPの内部に蓄積している電荷を取り除く効果が高く、さらにプラグがタングステンで形成されている場合に顕著な効果を得ることができる。また、本実施形態の表面形状測定システム3000を用いることで安定した表面形状測定方法を提供できる。
【0109】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。たとえば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(たとえば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明にかかる表面形状測定システム1000の全体の構成を模式的に示す斜視図。
【図2】本発明にかかる表面形状測定システム1000の走査型プローブ顕微鏡部100を模式的に示す斜視図(A)、および断面図(B)。
【図3】本発明にかかる第1プローブホルダ130を模式的に示す平面図(A)、第1プローブホルダ130の要部を拡大して示す平面図(B)、および第1プローブホルダ130の要部を拡大して示す断面図(C)。
【図4】本発明にかかる第2プローブホルダ230を模式的に示す平面図(A)、第2プローブホルダ230の要部を拡大して示す平面図(B)、および第2プローブホルダ230の要部を拡大して示す断面図(C)。
【図5】本発明にかかる表面形状測定システム2000の全体の構成を模式的に示す斜視図。
【図6】本発明にかかるプローブホルダ630を模式的に示す平面図(A)、およびプローブホルダ630の変形例を模式的に示す平面図(C)。
【図7】本発明にかかる表面形状測定システム3000の全体の構成を模式的に示す斜視図。
【符号の説明】
【0111】
100 走査型プローブ顕微鏡部、110 除震台、120 第1試料位置制御手段、
121 筐体、122 試料移動機構、123 試料位置微調整機構、
124 試料載台、130 第1プローブホルダ、131 支持枠、131a 孔、
132 加振子、133 カンチレバーチップ、134 押さえワイヤ、
135 カンチレバー、136 第1プローブ、137 表面形状測定部、
138回転中心、139 ストッパ、140 レーザーマウント、141 筐体、
142 ガラス窓、143 レーザー光出射部、144 レーザー光検出部、
145 軌跡、150 光学顕微鏡部、151 CCDカメラ、152 長焦点レンズ、
200 除電部、210 除震台、220 第2試料位置制御手段、221 筐体、
222 試料移動機構、223 試料位置微調整機構、224 試料載台、
230 第2プローブホルダ、231 支持枠、231a 孔、232 第2プローブ、
237 除電プローブ部、250 光学顕微鏡部、251 CCDカメラ、
252 長焦点レンズ、300 ウエハ搬送機構、310 基体、320 アーム、
330 ガイドレール、340 マニピュレータ、400 イオナイザ、
500 チャンバ、510 試料導入口、520 試料排出口、530 準備ボックス、
630 プローブホルダ、631 支持枠、631a 孔、632 加振子、
633 カンチレバーチップ、635 カンチレバー、636 第1プローブ、
637 表面形状測定部、638 回転中心、639 ストッパ、
732 第2プローブ、737 除電プローブ部、800 ウエット除電部、
810 外枠、820 ターンテーブル、830 処理液供給ノズル、
840 処理液、1000 表面形状測定システム、2000 表面形状測定システム、
3000 表面形状測定システム、SP 被測定物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プローブと、被測定物を前記第1プローブに対して進退および走査可能に相対的に移動させる第1試料位置制御手段と、前記第1プローブおよび前記被測定物の表面を観察可能な光学顕微鏡部と、を有する走査型プローブ顕微鏡部と、
導電性の第2プローブと、前記被測定物の特定部位を前記第2プローブに対して進退および走査可能に相対的に移動させる第2試料位置制御手段と、前記第2プローブおよび前記被測定物の表面を観察可能な光学顕微鏡部と、を有する除電部と、
を備えた表面形状測定システム。
【請求項2】
第1プローブと、導電性の第2プローブと、を有するプローブホルダと、
前記第1プローブまたは第2プローブと、被測定物の表面と、を観察可能な光学顕微鏡部と、
前記被測定物を前記第1プローブおよび前記第2プローブのそれぞれに対して進退および走査可能に相対的に移動させる試料位置制御手段と、
を備えた表面形状測定システム。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1試料位置制御手段は、前記第1プローブの先端に前記被測定物の表面を追従させながら走査可能である表面形状測定システム。
【請求項4】
請求項2において、
前記試料位置制御手段は、前記第1プローブの先端に前記被測定物の表面を追従させながら走査可能である表面形状測定システム。
【請求項5】
請求項1または3において、
さらに、前記被測定物を少なくとも前記走査型プローブ顕微鏡部と前記除電部との間で搬送する試料搬送手段を備えた表面形状測定システム。
【請求項6】
請求項2または4において、
前記プローブホルダは、前記第1プローブと前記第2プローブとの位置を相互に置換できる、表面形状測定システム。
【請求項7】
請求項1、3および5のいずれかにおいて、
前記除電部のかわりに、
少なくとも、ターンテーブルと、処理液供給ノズルと、を有するウエット除電部を備えた表面形状測定システム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかにおいて、
前記被測定物は、タングステンプラグを有する半導体ウエハである表面形状測定システム。
【請求項9】
請求項1ないし6、および8のいずれかに記載の表面形状測定システムを用いた測定方法であって、
前記第1プローブの先端を前記被測定物の表面に接近させる前に、
前記第2プローブに前記被測定物の表面の特定部位を接触させて除電する表面形状の測定方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記被測定物は、タングステンプラグを有する半導体ウエハである表面形状の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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