説明

設定自在な個数の伸縮式脚部を有する高指向器

設定自在な個数の伸縮式脚部を有する高指向器の形態の支持器が開示される。この支持器は、頭部及び複数の伸縮式脚部を提供し、この頭部は、複数の頭部ユニットを有し、各頭部ユニットは、そこからぶら下がる少なくとも1つの関連付けされる脚部を有する。各頭部ユニットは、少なくとも2つの他の頭部ユニットに結合されるように適合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ロープ支持器に関し、限定しないが特に、設定自在な個数の伸縮式脚部を有する高指向器の形態の支持器に関する。
【背景技術】
【0002】
高指向器は、救助作業におけるロープのための支持器として使用される。1つの既知のタイプの高指向器は、頭部を備え、この頭部からは、複数の固定長の脚部が、概して三脚の形態で延在し、頭部は、プーリまたは他の既知の実施形態の形状のロープガイド要素を支持し、このロープガイド要素は、ロープの進む方向を変更することが可能である。典型的な用途においては、高指向器は、人を引き寄せることが要求される開口の上方において使用され得る。典型的には、高指向器の脚部は、開口に隣接して支持され、頭部は、開口の上方において支持される。ロープガイド要素から第1の方向に延在するロープが、開口内に略垂直方向に下降し、ロープガイドから第2の方向に延在するロープが、ロープの略垂直方向部分を上げるために引かれ得る、または、ロープの略垂直方向部分を下げるために繰り出され得る。したがって、高指向器を使用することにより、ロープを好都合に使用して、開口から人または物体を引き寄せることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の背景に対して、本発明は、高指向器の設定における自由度が向上した、及び/または、不使用時には高指向器をコンパクトな保管構成へと構成するための能力が向上した、支持器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの例示の実施形態は、複数の伸縮式脚部と、複数の頭部ユニットを備える頭部とを備える、構成自在な高指向器であり、各頭部ユニットは、伸縮式脚部の中の1つに回転可能に装着可能であり、少なくとも1つの他の隣接する頭部ユニットと解除可能に結合される。
【0005】
本発明の別の例示の実施形態は、複数の頭部ユニット及び複数の伸縮式脚部を備える高指向器用のキットである。各頭部ユニットは、少なくとも1つの各伸縮式脚部と、少なくとも2つの他の頭部ユニットとの両方に回転可能に装着可能である。
【0006】
本発明の別の例示の実施形態は、支持器用の頭部ユニットであり、この頭部ユニットは、複数のこの頭部ユニットが複数の伸縮式脚部を有する支持器の頭部を形成するように共に連結され得るものである。この頭部は、支持器の伸縮式脚部に装着するための装着部分と、実質的に同一の結合構成具を有する別の頭部ユニットに連結するための結合構成具とを備える。
【0007】
本発明の別の例示の実施形態は、支持器用の頭部ユニットであり、この頭部ユニットは、複数のこの頭部ユニットが支持器の頭部を形成するように共に連結され得るものである。この頭部は、複数の伸縮式脚部に回転可能に装着することが可能であり、概して中心の軸を有する。頭部ユニットは、第1の結合部分及び第2の結合部分を備え、各結合部分は、別の頭部ユニットへの回転連結部の軸回転が、頭部の中心の軸に対して略平行となるように、回転連結部を形成するように構成される。
【0008】
本発明の別の例示の実施形態は、支持器用の頭部ユニットであり、この頭部ユニットは、複数のこの頭部ユニットが複数の伸縮式脚部を有する支持器の頭部を形成するように共に連結され得るものである。頭部ユニットは、脚部を受容し、脚部に回転可能に結合されるように構成された本体、別の頭部に連結するための第1の結合部分、及び別の頭部ユニットに連結するための第2の結合部分を備える。
【0009】
本発明のさらに別の例示の実施形態は、複数の頭部ユニットと複数の伸縮式脚部とを備える構成自在な高指向器であり、各伸縮式脚部は、頭部ユニットの中の1つに回転可能に装着可能である。各頭部ユニットは、第1の側部連結具及び第2の側部連結具をさらに備え、第1の側部連結具は、別の頭部ユニットの第2の側部連結部に回転可能に連結するように構成され、第2の側部連結具は、別の頭部ユニットの第1の側部連結具に回転可能に連結するように構成される。各頭部ユニットは、中心箇所にて相互に結合可能及び結合解除可能な、第1の頭部ユニット要素及び第2の頭部ユニット要素をさらに備える。
【0010】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点が、以下の詳細な説明及び添付の図面より明らかになろう。
以下、添付の図面を参照として、もっぱら例として、本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による、高指向器の形態の支持器の一実施形態の斜視図である。
【図2】図1の支持器の頭部を構成する3つの頭部ユニットの相対位置を示す概略平面図である。
【図3】図2に対応するが、作動構成と保管構成との間の中間構成を図示する、概略平面図である。
【図4】図2及び図3に対応するが、保管構成における頭部ユニットの相対位置を図示する、概略平面図である。
【図5】図4において概略的に示される位置に対応する頭部ユニットの位置の、保管構成における図1の支持器の斜視図である。
【図6a】頭部ユニットの一実施形態の斜視図である。
【図6b】頭部ユニットの一実施形態の斜視図であり、脚部、及び脚部に装着された複数の他の構成要素をさらに示す図である。
【図7】5つの脚部及び5つの頭部ユニットを備える代替的な構成の支持器の一実施形態を示す図であり、その他の点においては図1から図5に概して対応する図である。
【図8】5つの脚部及び5つの頭部ユニットを備える代替的な構成の支持器の一実施形態を示す図であり、その他の点においては図1から図5に概して対応する図である。
【図9】2つの脚部を有し、2つの脚部の間に留め具をさらに備える、代替的な構成の支持器の一実施形態の斜視図である。
【図10】4つの脚部及び4つの頭部ユニット、ならびに頭部を所望の形状に保持するための機構を備える、支持器の一実施形態の一部の平面図である。
【図11】4つの頭部ユニットを備える頭部を所望の形状に保持するための機構の代替的な一実施形態の平面図である。
【図12】5つの頭部ユニットを備える頭部を所望の形状に保持するための機構の一部である形状保持器の一実施形態の平面図である。
【図13】2対の頭部ユニットがブリッジ部材により離間された支持器の一実施形態の斜視図である。
【図14】本発明による他の代替的な一実施形態のパーツを図示する斜視図である。
【図15】図14に図示されるパーツを使用して形成された支持器の一実施形態の上方部分の概略斜視図である。
【図16】3つの頭部ユニットを備える頭部の代替的な一実施形態の斜視図である。
【図17】3つの頭部ユニットを備える頭部の他の代替的な一実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至図6を参照すると、本発明による支持器の一実施形態は、符号1によって全体的に示される高指向器の形態である。高指向器1は、第1、第2、及び第3の脚部3、4、5を有し、これらの脚部はそれぞれ、その下端部に装着された各足部8、9、10を備える。図示される実施形態においては、各足部8、9、10はそれぞれ、平坦面に対して理想的である平坦な滑り止め部分を有する。足部中には、脚部拘束ロープ(図示せず)を装着するための、または他のラッシング技術用の、垂直方向ラッシング穴が設けられ、さらに、地中に打ち込まれる固定杭を装着するための水平方向穴が設けられる。他の実施形態においては、各足部8、9、10はそれぞれ、滑り止め足部、尖頭スパイク、柔らかい地面用途において地中への貫通を制限するための円盤形状シュー(Shoe)、及びそれらの組合せであってよい。
【0013】
図1により示されるように、脚部3、4、5は、高指向器1の頭部20により、脚部の上端部にて、共に結合される。頭部20は、複数の頭部ユニットを備える。これらの頭部ユニットは、適切な個数の頭部ユニット(例えば、限定はしないが、2つ、3つ、4つ、または5つの頭部ユニット等)が、所望の特性、とりわけある特定の救助作業に対する所望の個数の脚部を有する頭部20を形成するように、選択され、共に連結され得るように、設計される。図1から図3において図示される実施形態においては、頭部は、3つの頭部ユニット、すなわち、第1の脚部3に関連付けされた第1の頭部ユニット21、第2の脚部4に関連付けされた第2の頭部ユニット22、及び第3の脚部5に関連付けされた第3の頭部ユニット23を備える。
【0014】
図1及び図2により図示されるように、第1乃至第3の頭部ユニット21、22、23はそれぞれ、他の頭部ユニットのそれぞれに連結されて、略三角形状の頭部20を形成する。頭部ユニット21、22、23間の連結を以下においてより詳細に説明するが、この連結により、頭部ユニットは、高指向器1の平常使用においては略垂直方向となる軸の周囲を互いに対して回転することが可能となることを理解されたい。さらに、連結軸が略垂直方向であるという説明が、例示のためだけのものであり、図1に図示される配向を参照とすること、及び、高指向器1が、多様な配向において使用可能であることを、理解されたい。例えば、脚部は、平坦でないまたは非水平方向の平面に対応するために、それぞれ異なる長さに、またはそれぞれ異なる角度で延伸されてよい。
【0015】
図1及び図5において示されるように、第1から第3の頭部ユニット21、22、23は、同一ではない。第2の頭部ユニット22が、略垂直方向から略水平方向にロープを案内するためのプーリ15を備える一方で、他の頭部ユニット21、23がいずれも、プーリを備えないという点において、第2の頭部ユニット22は、第1及び第3の頭部ユニット21、23とは異なる。しかし、第2の頭部ユニット22の結合部分の構造、構成、及び機能は、第1及び第3の頭部ユニット21、22の対応するパーツと実質的に同一である。
【0016】
さらに、図1に図示される頭部20は、三角形状構成において3つの頭部部材21、22、23を構成するが、高指向器1の他の要素により幾分か不明瞭になっていることが理解されよう。図2及び図3は、明瞭化のために概略的に図示される。頭部ユニット21、22、23は、作動構成においては、十字X、Y、及びZにより示される回転可能連結具を形成する連結具の形態の結合部分によって、相互に装着される。このようにして、頭部20は、三角形状の作動構成に保たれ、頭部ユニット21、22、23は、互いに対して回転不能となり、3つの回転可能連結具が全て、保持される。
【0017】
図3において図示されるように、例えばX等、回転可能連結具の中の1つが取り外されると、第1の頭部ユニット21は、第3の頭部ユニット23から連結解除され、次いで、頭部ユニット21、22、23は、残りの回転連結具Y、Zの周囲にて互いに対して回転可能となる。これにより、閉連鎖から開連鎖へと、頭部ユニットの連鎖が効率的に再構成され、頭部ユニット21、22、23を、図2に図示される三角形状の作動構成から、図4及び図5に図示されるような略直線状の保管構成へと再構成することが可能になる。以下において、図6a及び図6bを参照として、単一の頭部ユニットをより詳細に図示し、説明する。
【0018】
図5は、1つの実現可能な保管構成における高指向器1の斜視図である。本実施形態においては、3つのそれぞれ異なる直線状の保管構成が、それぞれ異なる回転連結具の連結解除に応じて可能である。例えば、図4に図示されるように、第2の頭部ユニット22が、第1及び第3の頭部ユニット21、23との回転連結において保持され、したがって、直線状構成の中央に位置するのに対して、図5に図示されるように、第2の頭部ユニット22が、第1の頭部ユニット21から連結解除され、それにより第3の頭部ユニット23が、直線状構成の中央の頭部ユニットとなる。
【0019】
頭部ユニットの一実施形態が、図6a及び図6bにおいて詳細に図示される。図6bにおいては、頭部ユニットは、脚部3及び高指向器1の他の要素と共に示される。プーリを備えない頭部ユニットとプーリを備える頭部ユニットとの違いが、当業者には理解されよう。したがって、プーリを備える頭部ユニットは、本明細書においては詳細には説明しない。
【0020】
図6a及び図6bに図示されるように、高指向器1の頭部ユニット21の一実施形態が、頭部ユニット本体24を備え、第1の側部連結具40が、頭部ユニット本体24の一方の側部に設けられ、第2の側部連結具50が、頭部ユニット本体24の第2の側部に設けられる。頭部ユニット本体24は、略矩形の前部プレート25、ならびに、互いに平行であり、前部プレート25の側部から前部プレート25に対して略垂直方向に後方に延在する、第1及び第2の略矩形の側部プレート26、27を備える。第1及び第2の整列された付属孔29a、29bが、第1及び第2の側部プレート26、27中に、それぞれそれらの上部付近に設けられる。頭部ユニット本体24と一体的に形成された管状部分の形態である付属取付具31が、前部プレート25の前面の上に設けられる。
【0021】
図6bにより最もよく示されるように、この実施形態においては、付属取付具31は、ナット34により定位置に固定され得る輪付きボルト33を受容するのに適した貫通ボア32を提供する。他の実施形態においては、他のタイプの付属取付具が、要望に応じて設けられてよい。この実施形態においては、付属取付具31は、頭部ユニット21の上に非対称的に設けられ、すなわち、第2の側部連結具50に対してよりも第1の側部連結部40に対してより近い。付属取付具31を頭部ユニット21の上に非対称的に設けることにより、2つの頭部ユニットの付属取付具が互いに障害となることを伴わずに、頭部20を2つの頭部ユニットから形成することが可能になる。
【0022】
第1の側部連結具40は、頭部ユニット本体24と一体的に形成されるが、第1の側部プレート26を超えて側方に延在するように、前部プレート25から側方に突出する。第1の側部連結具40は、第1、第2、及び第3の同軸管状部分41、42、43を備え、これらは、それぞれ第1、第2、及び第3の連結具スペーサ44、45、46によって、前部プレート25及び第1の側部プレート26から離れるように側方に離間される。図示される実施形態においては、第3の管状部分43は、前部プレート25の底部の高さから上方に、頭部ユニットの高さの約6分の1にわたって延在する。第2の管状部分42は、頭部ユニットを6分の2上がった高さから、頭部ユニットを半分上がった位置までの間に延在し、第1の管状部分41は、頭部ユニット26の高さを3分の2上がった位置から、頭部ユニットの高さを6分の5上がった位置まで延在する。第1、第2、及び第3の管状部分41、42、43は、管状貫通ボア47、48、49を提供する第1、第2、及び第3のソケット部分のそれぞれの例である。管状部分41、42、43及び貫通ボア47、48、49は全て、頭部ユニットの前部プレート25よりもさらに前方に配置される。
【0023】
第2の側部連結具50は、多数の点において、第1の側部連結具40と同様であるが、頭部ユニット21の第2の側部の上に配置される。第2の側部連結具50は、第1、第2、及び第3の管状部分51、52、53を備え、これらは、前部プレート25の第2の側部に対して側方に及び前部プレート25の前方に変位され、第1、第2、及び第3の各連結具スペーサ54、55、56によって前部プレート25に連結される。第2の側部連結具50の第1、第2、及び第3の管状部分51、52、53は、第1、第2、及び第3の貫通ボア57、58、59をそれぞれ提供する。第2の側部の第1、第2、及び第3の管状部分51、52、53の軸方向長さは、第1の側部連結部の管状部分41、42、43の軸方向長さと同一である。第2の側部連結具50の要素は、管状部分の軸方向長さと均等な距離だけ、第1の連結具の要素から垂直方向に変位される。
【0024】
したがって、第1の側部連結具40の各管状部分41、42、43間の間隔が、同一の頭部ユニットの第2の側部連結具50の管状部分51、52、53を受容するのに適しており、そのため6つの管状部分41、42、43、51、52、53は、整列され、対応する貫通ボア47、48、49、57、58、59は、同軸となることが、理解されよう。一実施形態においては、これは、第2の側部連結具50の各管状部分51、52、53間の間隔が、同一の頭部ユニット21の第1の側部連結具40の管状部分を受容するのに適しており、そのため6つの管状部分が、整列され、貫通ボアが、同軸となることに相当する。さらに、2つの同一の頭部ユニットは、各側部連結具の同軸貫通ボアを貫通して延在する適切なロックピンを提供することによって、回転可能に連結され得る。一実施形態においては、頭部ユニットは、全ての点において同一である必要はないが、別の実施形態においては、各頭部ユニットが実質的に同一の結合構成具を備えることが有効となる場合がある。
【0025】
さらに、複数の頭部ユニット21を、選択し、連結することが可能であり、第1及び第2の側部連結具40、50の管状部分が、効果的に垂直方向に変位されるため、頭部ユニット自体は、連結されるために垂直方向に変位される必要はない。
【0026】
したがって、頭部ユニット21と実質的に同一である複数の頭部ユニットが、作動構成に対応する(図2に図示されるような)閉連鎖として形成され得る頭部ユニットの連鎖を形成するのに、あるいは、任意の2つの隣り合う頭部ユニットの連結解除により(図4に図示されるような)保管構成に対応する実質的に直線状の形態に構成され得る開連鎖へと再構成するのに適する。
【0027】
頭部ユニット21は、付属取付具31の貫通ボア32を貫通して延在する前述の輪付きボルト33を備える。支持頭部を形成する1つまたは複数の頭部ユニットの上に輪付きボルト33を設置することは、1つまたは複数の2次ラインをこの頭部に取り付けるのに有効である。2次ラインは、下げられるもしくは引き寄せられる人または物体に装着するための安全ラインとして使用することが可能であり、あるいは、救助装備等の追加の物体または追加の人を支持するために使用することが可能である。
【0028】
さらに、図6bにより最もよく示されるように、第2の側部連結具50中には、ロックピン63が設けられているのが示され、図示される実施形態においては、ロックピンは、L字形状を有し、第1、第2、及び第3の管状部分51、52、53を貫通する軸部分63aと、頭部ユニット21の第2の側部に設けられた保持クリップ64内に保持される、ロック部分63aに対して垂直方向である保持部分63bとを有する。第2の側部連結具50が、図1に図示されるように、頭部ユニット22等の別の頭部ユニットの第1の側部連結具40に連結される場合には、ロックピン63は、第2の側部連結具50の管状部分51、52、53を貫通して延在するのに加えて、他の頭部ユニットの第1の側部連結具の管状部分を貫通して延在することが、理解されよう。ロックピン63のロック部分63aは、断面が円形であり、それにより第2の側部連結具50と、第2の側部連結具50に連結されるいかなる第1の側部連結具との相対回転が可能となり、したがって、例えば頭部ユニット21、22等の連結された頭部ユニットの相対回転が可能となる。
【0029】
さらに、頭部ユニット21は、頭部ユニットに固定されるD字型金具65を備える。この実施形態においては、D字型金具65は、第1及び第2の側部プレート26、27間において、付属孔29a、29bの両方を貫通して延在するD字型金具ピン66によって固定される。D字型金具65は、頭部ユニット21の上部の上方に延在することが可能であり、使用時にロープまたはケーブルにより高指向器1を支線支持するまたは固定するのを補助するために使用することが可能である。
【0030】
図示される実施形態においては、各脚部が、伸縮式脚部を提供するための若干異なる断面寸法からなる、3本の略矩形の箱型セクションから形成される。例えば、図1の例示の実施形態において脚部3を参照すると、上部脚部セクション35が、比較的大きな断面寸法のものであり、中間脚部セクション36が、中間的な断面寸法のものであり、下部脚部セクション37が、比較的小さな断面寸法のものである。各脚部セクション35、36、37は、離間された対の、対向整列されたボアまたは孔38を備え、脚部3は、2つの脚部セクション間の適切な重畳量を選択し、図示される実施形態においてはロックピンクリップ39の形態であるロックピンを用いてそれらの脚部セクションを定位置にロックすることにより、長さを変更することが可能である。図5により最もよく示されるように、ロックピンクリップ39は、適切に寸法設定されたピン及び保持部分111、113を提供して、使用時にはピン111が貫通して延在する1つまたは複数の孔38に対してピン部分111を保持する(さらに図10を参照のこと)。
【0031】
同様のロックピンクリップ39が、足部8を下部脚部セクション37に固定するために使用されてよい。他の実施形態においては、脚部セクションは、クリップにより定位置に固定的に保持された挿入可能ピンによって、解除可能に共に固定されてよい。さらに、要望に応じて、ステップ(または複数のステップ)(図示せず)が、孔38の1つを貫通するピン構成具を用いることによって、好都合に解除可能に装着されてよく、それにより、中間及び/または下部脚部セクションに、高所の索具に届かせる際に有用なステップ(または複数のステップ)を設置することができる。
【0032】
要望に応じて、一実施形態においては、1つまたは複数の脚部セクション35、36、37が、取り除かれてよく、別の実施形態においては、脚部セクション35、36、37等の脚部セクションがそれぞれ、それぞれ足部8、9、10及び頭部ユニット21、22、23等の、足部及び頭部ユニットに装着されるように構成される。任意の適切な材料を使用することが可能であるが、一実施形態においては、脚部セクションは、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるものである。当然ながら、要望に応じて、追加の脚部セクションまたは異なる長さの脚部セクションを提供することが可能である。しかし、脚部の長さ及び断面は、総じて、脚部の荷重負担能力に影響を与えることとなる。代替的な実施形態においては、要望に応じて、それぞれ異なる構成からなる伸縮式脚部、または他の構成の延伸可能脚部を使用することが可能である。
【0033】
図5により図示されるように、保管構成においては、各脚部3、4、5は、一実施形態においては、各頭部ユニット21、22、23のそれぞれのチャネル28(図6a)と概して同軸である。作動構成においては、図1に図示されるように、各脚部3、4、5は、各頭部ユニット21、22、23のそれぞれのチャネル28の軸から離れるように外方に角度をつけられ、それにより、複数の脚部3、4、5は、高指向器1の頭部20から離れるように延在するように分岐し、それにより足部8、9、10は、離間されて、高指向器1に安定性を与えることが可能となる。使用時の脚部の望ましくない広がりを防ぐために、各脚部が各頭部ユニットから延在し得る、高角度の予め定められた最大角度を設定するために、各脚部の上部は、傾斜当接端部115を備える。端部115は、その終端部117の少なくとも一部が、脚部軸に対して垂直以外の、脚部軸に対して予め定められた角度となるように、脚部4の上端部を形成することによって、設けられる。したがって、脚部4及び脚部3、5は、傾斜当接端部115が関連付けされる前方プレート25の後面に当接するまで、脚部ピンの周囲を予め定められた角度のみ回転可能となり、それ以上の回転が防がれる。当然ながら、他の実施形態においては、回転角度がユーザによって選択され得るようにある調節機構またはロック機構を備える実施形態であることにより、示される他の予め定められた角度だけ回転可能な脚部が、可能である。
【0034】
例えば、高指向器1の一実施形態においては、1つまたは複数の脚部が、少なくとも90度だけ回転可能となるように構成されてよく、それによりイーゼル(Easel)脚部構成が実現される。別の実施形態においては、この脚部は、関連付けされる頭部ユニットに対してその連結部の周囲で実質的に自由に回転可能であり、実質的に垂直成分を有する方向に配向された面に対して当接するように最も良好に構成される。このような状況下においては、イーゼル脚部は、支持頭部が関連付けされる頭部ユニットに対して自由に回転可能であるにもかかわらず、支持頭部に対して有効な安定した支持を与えることが可能となる。さらに、イーゼル脚部、及び/またはイーゼル脚部に関連付けされる足部は、それを支持する物体に結び付けられてよく、ならびに/あるいは、1つまたは複数の他の脚部に結び付けられてよい。これにより、自由に回転可能なイーゼル脚部が、有効な安定的な支持をもたらす能力を強化することが可能となる。当然ながら、要望に応じて、イーゼル脚部は、任意の選択された個数の角度で回転に対してこの脚部をロックするためのロック機構を備えることが可能である。代替的に、または追加として、要望に応じて、イーゼル脚部は、回転を制限するために、その露出した終端部の後方部の上に1つまたは複数の当接端部を備えることが可能である。
【0035】
前述の説明より、頭部20の既述の実施形態が、容易に組立て可能であり、3つの頭部ユニット21、22、23が互いに連結された状態のままで保管構成へと好都合に再構成可能である、3つの脚部を有する高指向器1を提供することが可能であることが、明らかであろう。しかし、例えばさらに高い荷重負担能力のためにさらに多くの脚部を備える高指向器1が必要な場合には、そのような要件に応じるために、脚部を備える追加の頭部ユニットを、頭部ユニットの連鎖に容易に連結することが可能であることを、さらに理解されたい。例えば、図7及び図8は、高指向器の頭部120を示し、この頭部120は、高指向器1の第1乃至第3の頭部ユニット21、22、23を備え、さらに、第4及び第5の頭部ユニット121、123を備える。図示される頭部ユニット121、123は、第1及び第3の頭部ユニット21、23と同一である。
【0036】
3節閉連鎖に対するものとして4節以上を有する閉連鎖、すなわち、頭部120等の、頭部ユニットが4面以上を備える多角形状を有する頭部を形成する実施形態における、追加の自由度により、所望の頭部形状及び剛性を維持するための機構が使用されることが理解されよう。任意の適切な機構が使用可能である。例えば、頭部120は、調節可能カムまたは他の当接手段を備えることが可能であり、それにより、各頭部ユニット21、22、23、121、123が、隣り合う頭部ユニットに当接し、それにより、隣り合う頭部ユニットの前部プレートが、頭部ユニットの個数に対応する面数を有する正多角形の内角に一致する角度である(すなわち、4つの頭部ユニットを備える頭部については90度、5つの頭部ユニットを備える頭部については108度、6つの頭部ユニットを備える頭部については120度、等々)、予め定められた角度の中の1つで整列されるように、この当接手段を設定することが可能となる。しかし、所望の頭部形状及び剛性を維持するための1つの機構は、それぞれが、頭部ユニットの上の固定箇所を、他の頭部ユニットの中の少なくとも1つの頭部ユニット上の固定箇所に固定する留め具(Brace)の形態である、1つまたは複数の「形状保持器」の使用を含む。
【0037】
後において、図9乃至図12を参照として、このような留め具の例が説明される。
図9は、二脚またはAフレームの形態の支持器201を図示し、この支持器201は、高指向器1の第1及び第3の頭部ユニット21、23、及び、第1及び第3の脚部3、5のみから形成される。第1の頭部ユニット21の第1の側部連結具40が、第3の頭部ユニット23の第2の側部連結具に連結し、第1の頭部ユニット21の第2の側部連結具50が、第3の頭部ユニット23の第1の側部連結具に連結し、そのため、この構成を、2つの頭部ユニットからなる閉連鎖として見なすことが可能であることが、理解されよう。図示されるように、連結棒203が、脚部を共に連結するために設けられてよく、この連結棒203は、追加的な強度を与えることが可能であり、脚部3、5の間の角度の制御を可能にし得る。
【0038】
図10は、4つの脚部3、4、5、206及び4つの頭部ユニット21、22、23、214、ならびに、頭部を、4つの頭部ユニットを備える支持器については通常は正四方形である、所望の形状に保持するための機構を備える、高指向器209の一部の平面図である。図10のこの実施形態においては、頭部を所望の形状に保持するためのこの機構は、簡易留め具210を備え、この簡易留め具210は、例えば数ミリメートル厚の平板鋼から作製することが可能であり、第1の端部及び第2の端部の孔211、212を備える。これらの第1の端部及び第2の端部の孔211、212は、L字型ロックピン63によって係合されるようになされ、このL字型ロックピン63は、このロックピンを第1の端部及び第2の端部の孔211、212に貫通させることにより、頭部ユニットを共に連結する。留め具210の使用により、前述のようなロックピンの機能が妨げられることはない。留め具210は、4面の正四方形頭部の対角にわたって延在し、頭部の2つの対角を効率的に離間させるように、適合される。第1の端部及び第2の端部の孔211、212が、予め定められた距離で離間されなければならないこと、ならびに、頭部ユニットが正四方形を形成する頭部に関して、この距離が、頭部ユニットの中の任意の1つの第1及び第2の側部連結具の中心間距離の約1.41(2の平方根)倍となることが、理解されよう。留め具210の使用により、頭部ユニットの閉多角形連鎖は2つの三角形に効率的に分割され、それにより、頭部ユニット間の連結具の回転可能な性質にもかかわらずこの形状が保持され得るようになる。
【0039】
製造が簡単、効率的、及び経済的ではあるが、ある状況下において、留め具210等の簡単な直線状要素の形態である留め具は、ロープがロープガイドまたはプーリから下降するのを妨げる場合があるため、使用時に問題となる場合がある。図11は、頭部を所望の形状に保持するための機構の代替的な一実施形態の平面図を示し、これは、留め具プレート220を備える。留め具プレート220は、第1の端部及び第2の端部の孔221、222を備え、簡易留め具210と同様に機能するが、主凹部223を設けることにより、高指向器209によって支持されるロープの妨げとなる危険性を最小限に抑えるように形状設定される。図示される実施形態においては、留め具プレート220全体を、略L字形状、または略三日月形状と見なすことができ、主凹部223は、この形状の内角領域または内湾曲によって設けられる。当然ながら、それが無ければロープにより接触され得る、凹部または他の空部を設ける任意の適切な形状を用いることが可能である。留め具プレート220は、頭部209等の頭部の中心部Cに、または中心部Cの付近に、空所を設けるように形状設定されるため、留め具プレート220は、頭部の外周部付近に延在し、したがって、頭部のパーツが障害となるのを回避するために2次凹部224、225を備える。とりわけ、図示される実施形態においては、2次凹部224、225は、輪付きボルト33のナット34を受容する。留め具プレート220は、印字226を備え、この印字226は、この場合においては、「四」という文字であって、この留め具プレート220の使用が意図される頭部における頭部ユニットの個数を示す。
【0040】
図12は、5つの頭部ユニットを備える頭部を所望の形状(5つの頭部ユニットを備える支持器については、通常は正五角形である)に保持するための機構の代替の一実施形態である、留め具プレート230の平面図を示す。留め具プレート230は、留め具プレート220と同様に機能するが、この留め具プレート230は、5つの頭部ユニットを備える支持器用のものであるため、使用時にこの五角形の形状が変形不能な三角形へと効率的に分割されるように、五角形の頭部の頂点に位置する3つの回転可能連結具を効率的に離間させるための3つの孔231、232、233を提供することが、理解されよう。留め具プレート230は、略Y字形状の形態であり、孔231、232、233は、このY字の肢部の端部に位置する。したがって、孔は、二等辺三角形として配列され、留め具プレート230は、五角形の頭部の第1、第3、及び第5の頂点を固定するように適合される。さらに、留め具プレート230は、それが無ければロープにより接触され得る、空所を提供するための主凹部234と、この留め具プレート230の使用が意図される頭部ユニットの個数を示す、この場合においては「五」という文字である印字235とを提供する。
【0041】
留め具プレート(または他の留め具部材)の代替的な形状を使用することが可能であり、6つ(またはそれ以上)の頭部ユニットを備える頭部用に留め具プレート(または他の留め具部材)を提供することが可能であることが、理解されよう。ロープ等のラインが妨げられることなく貫通することが可能な空所を形成するために、頭部の中心部Cから留め具部材の「中心部」を変位させることが有効である場合があるが、複数のアームが外方に放射状に伸びた略中心部分を有する留め具部材を使用することが可能である。適切に配置された孔を備える、略円周方向に延在する留め具部材を使用することが可能である(例えば、図16における連結及び/または留め具プレートの全体構成を参照)。このような円周方向に延在する留め具部材は、ラインが貫通するための、例えば図16の空所355等の大きな中央空所を有することが可能であり、追加的には、または代替的には、空所を設けるために、及び支持器がロープまたは他の要素の妨げとなる可能性を低減させるために、外周部に中断部またはギャップを設けることが可能である。
【0042】
図13は、実質的に水平方向の配向において支持された、実質的に剛性の細長ブリッジ部材310を備える、高指向器101の斜視図である。ブリッジ部材310の第1の端部が、第1及び第2の頭部ユニット21、22と、関連付けされた回転可能に装着される伸縮式脚部3、4とによって支持され、ブリッジ部材310の第2の端部が、第3及び第4の頭部ユニット23、121と、回転可能に装着される伸縮式脚部5、103とによって支持される。ブリッジ部材310は、その各端部に連結具321、322を備え、これらの連結具は、頭部ユニット21、22、23、121の上に設けられる連結具と実質的に同一であり、それにより、頭部ユニット21、22、23、121はそれぞれ、第3の頭部ユニットを連結させることが可能な様式と同一の様式において、2つの頭部ユニットに容易に連結され得る。
【0043】
ブリッジ部材310は、大きな開口または穴をわたって延在する必要がある高指向器の提供において有効である場合がある。一実施形態においては、ブリッジ部材は、例えば、それに限定はしないが、イングリッシュリーブ索具システム(English Reeve rigging system)の一部として使用される等、位置決めラインを使用してブリッジ部材310に沿って前後に牽引され得るトロリー(図示せず)を備えてよい。このようなトロリーの実施形態においては、連結具321、322が、ブリッジ部材310との連結具の下方に設けられた一体型プーリを備える。一実施形態においては、連結具321、322の一方が、2つの垂直方向プーリを備え、他方が、水平方向(すなわち横向き)プーリを備えて、イングリッシュリーブ索具に対応する。別の実施形態において連結具321、322の上に設けられるプーリは、頭部21、22及び23、121、ならびにビーム310に連結される前に、連結具を単に裏返すことにより、ブリッジ部材310の上方に従来の態様で配置され得ることが、理解されよう。
【0044】
長くなるにつれて荷重負担能力が低下するが、任意の所望の長さのブリッジ部材を設けることが可能である。4つの頭部ユニット及び対応する脚部をさらに備えるキットにおいて、1メートルの長さのもの及び2メートルの長さのものを、標準装備として設けることができる。他の実施形態においては、上述の特殊形状の保持器または留め具部材の使用を伴うことなく、コンパクトな4つの脚部を有する高指向器101を提供するために、比較的短いブリッジ部材310を使用することが可能である。他の代替の一実施形態としては、追加の留め具または形状保持器の使用を伴うことなくコンパクトな4つの脚部を有する高指向器を提供するために、2対の頭部ユニット21、22を連結するために、背中合わせに構成された2つの前部プレート25及び関連付けされる連結具40、50(図6a)を効率的に備える連結部材を使用することが可能である。
【0045】
図14及び図15は、本発明に対する代替的な一実施形態を概略的に図示する。この実施形態においては、各頭部ユニット300が、略円筒状の中央部分361を備え、この略円筒状の中央部分361は、脚部365(図14においては部分的に示される)内に取り付けるように構成され、脚部は、この略円筒状の中央部分361の周囲を回転することが可能である。さらに、各頭部ユニット300は、その第1の側部の第1の側部連結具371、及びその第2の側部の第2の側部連結具381を備える。各頭部ユニット300の第1の側部連結具371は、ピン383を介して任意の他の頭部ユニットの第2の側部連結具381に回転可能に連結する(第2の側部連結具38が、別の頭部ユニットの第1の側部連結具371aに回転可能に連結する)ように構成される。各頭部ユニットは、第1の頭部ユニット要素370及び第2の頭部ユニット要素380に分割可能であり、これらは、中央部分361にて相互に結合可能及び結合解除可能である。したがって、第1及び第2の頭部ユニット要素370、380は、各頭部ユニット要素の中央部分361の一部を脚部365の対向側の面内に挿入し、例えば中央部分361の一部中の整列されたラジアルボア(図示せず)を貫通するロールスプリングピン362の使用等により、第1及び第2の頭部ユニット要素370を結合することによって、相互に連結可能であり、それにより、関連付けされる脚部365に結合された完成した頭部ユニット300を形成する。
【0046】
各頭部ユニット要素370、380は、使用時に中央部分361が関連付けされる脚部365に対して側方移動するのを防ぐために、フランジ372、382を備える。
各側部連結具371、381は、関連付けされる脚部を越えて側方に延在し、それにより選択された個数の頭部ユニット及び脚部からなる連鎖を形成することが可能となる。さらに、各側部連結具371、381は、関連付けされる脚部の前方にも延在し、それにより2つの頭部ユニットが連結されて二脚を形成することが可能となる。概略図においては図示されないが、中央部分361の周囲での脚部365の角度移動は、脚部間に(おそらく、脚部の下方部分を連結する、1つまたは複数の鎖、ロープ、またはケーブルの形態の)留め具を設けること、脚部の上部にてまたは上部に隣接して接触部分を設けて、それによりこの接触部分が互いに接触し、それぞれが他の接触部分の回転を妨げるようにすること、脚部及び頭部ユニットの中央部分361の中に孔を形成し、それにより、それらの孔が相互作用して、円形及び/または円筒形ではなく、予め定められた角度範囲のみでの相対移動が可能となるようにすること、あるいは、上述の2つ以上を組み合わせることを含む、任意の適切な機構によって制限されてよい。
【0047】
もう1つの他の代替形態が、図16において概略的に図示される。この実施形態においては、頭部ユニット339は、側部連結具340、350が、複数の離間された管部分としてではなく、実質的に頭部ユニット339の高さ全体にわたり延在する連続管として形成されることを除いては、図1から図3の頭部ユニット21、22、23と同様である。これにより、隣り合う頭部ユニットの側部連結具340、350は、インタロックされ得なくなり、同軸方向に連結され得なくなる(前記隣り合う頭部ユニットが同一の高さに位置するものと仮定した場合)。その代わりに、隣り合う頭部ユニットの側部連結具340、350は、略U字型連結ピン351によって連結される。各略U字型連結ピンは、2つの細長リム352、353、及び、細長リム352、353の各近位端部に接合する連結部分354を有する。
【0048】
2つの頭部ユニットを回転可能に連結するために、U字型連結ピン351の一方の細長リム352が、1つの頭部ユニットの第1の側部連結具340を貫通して延在し、他方の細長リム353が、他の頭部ユニットの第2の側部連結具350を貫通して延在する。しかし、これにより、各頭部ユニットは、2つの平行な回転軸により隣り合う頭部ユニットのそれぞれに回転可能に連結されることなり、3つの頭部ユニットの構成に関しても、頭部を所望の形状に保持するための機構が使用されることとなる。図16により示される実施形態においては、頭部の形状を保持するための機構は、上方及び下方の連結及び/または留め具プレート358、359によって提供され、上方及び下方の連結及び/または留め具プレート358、359はそれぞれ、各U字型連結ピン351の各肢部のための孔360と、ラインが実質的に妨げられることなく貫通するための空所を提供する大きな中央孔または空所355とを有する。別の実施形態においては、側部連結具340、350に対して上方及び下方の連結及び/または留め具プレート358、359を保持するのを補助するために、追加の要素が設けられてよい。例えば、固定具(図示せず)が、U字型連結ピン351の細長リム352、353の遠位端部に装着される。
【0049】
図17は、他の代替的な実施形態を概略的に図示する。この実施形態においては、頭部ユニットは、第1の側部連結具がそれぞれ部分的円筒状管状シース390として形成され、第2の連結具がそれぞれ略円筒状ロッド部材395として形成される点を除いては、図1乃至図3の頭部ユニット21、22、23と同様である。ロッド部材395は、管状シース390内に軸方向に滑走して、それらの間において回転可能な連結を形成するように構成される。開口394の角度範囲は、隣り合う頭部ユニット間においてかなりの回転自由度が与えられるのに十分なものである。したがって、所望の脚部の個数に応じて複数の頭部ユニットを選択することが可能であることが理解されよう。別の実施形態においては、追加的な要素が設けられる。例えば、第1及び第2の側部連結具の相対的な軸方向移動が制限される一実施形態においては、円筒状ロッド部材395が、部分的円筒状管状シース390を越えて上方に及び下方に延在する。さらに、円筒状ロッド部材395の端部に、ねじが切られて、補助的なナットをこのねじが切られたロッド部分に適用することにより、第1及び第2の側部連結具が、制限される。さらに、他の実施形態においては、ねじ式固定具以外の固定具を使用することが可能であり、当然ながら、実施可能な多数の他の変形形態が存在する。
【0050】
本発明の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれる多数の他の変形形態が可能であることが、理解されよう。一変形形態においては、各頭部ユニットは、連結具と頭部ユニット本体との間にヒンジが設けられることが可能であり、連結具は、回転不能な態様において別の頭部ユニットの補助的な連結具に連結することが可能である。さらに、これにより、連結された頭部ユニットの相対的な回転が可能となり、したがって、これは、頭部ユニット間における回転可能な連結として見なすことがさらに可能である。さらに、本発明は、ジンポール(Gin pole)(脚部の頂部の上に連結されたジン頭部(Gin head)を用いる単一ポール)、Aフレーム(二脚)、横方向Aフレーム、三脚、四脚、レイジーレッグ(Lazy leg)三脚またはイーズレッグ(Ease leg)三脚、手摺単脚、ブリッジ、5つの脚部を有するフレーム、及び同様のもの等として、索具装備されてよいことが理解されよう。
【0051】
本発明を、詳細に及びその特定の実施形態を参照として説明したが、添付の特許請求の範囲において規定された本発明の範囲から逸脱することなく、改良及び変形が可能であることが明らかであろう。より具体的には、本明細書において、本発明のいくつかの態様が、好ましいものとしてまたはとりわけ有利なものとして特定されるが、本発明は、本発明のこれらの好ましい態様には必ずしも限定されないことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成自在な高指向器において、
複数の伸縮式脚部と、
複数の頭部ユニットを備える頭部であって、各頭部ユニットは、各頭部ユニットからぶら下がる前記伸縮式脚部の中の1つに回転可能に装着可能であり、各頭部ユニットは、少なくとも1つの他の隣接する頭部ユニットと解除可能に結合された、頭部と、を備える、高指向器。
【請求項2】
請求項1に記載の高指向器において、
前記頭部ユニットの各々は、隣接する頭部ユニットに、回転可能かつ解除可能に結合された、高指向器。
【請求項3】
請求項1に記載の高指向器において、
前記頭部ユニットの各々は、2つの他の頭部ユニットに結合されて、頭部ユニットの連鎖を形成するように適合された、高指向器。
【請求項4】
請求項1に記載の高指向器において、
各頭部ユニットは、別の頭部ユニットに連結するための第1の結合部分と、別の頭部ユニットに連結するための第2の結合部分とを備えた、高指向器。
【請求項5】
請求項1に記載の高指向器において、
各頭部ユニットは、別の頭部ユニットに連結するための第1の結合部分を備え、前記第1の結合部分は、別の頭部ユニットの第2の結合部分に結合されるように適合された、高指向器。
【請求項6】
請求項1に記載の高指向器において、
各頭部ユニットは、別の頭部ユニットに連結するための第2の結合部分を備え、前記第2の結合部分は、別の頭部ユニットの第1の結合部分に結合されるように適合された、高指向器。
【請求項7】
請求項1に記載の高指向器において、
各頭部ユニットは、別の頭部ユニットに連結するための第1及び第2の結合部分を備え、
前記第1の結合部分は、別の頭部ユニットの第2の結合部分に結合されるように適合され、前記第2の結合部分は、別の頭部ユニットの第1の結合部分に結合されるように適合され、
前記第1及び第2の結合部分は、ピンを介して共に保持されるヒンジを共に形成する、高指向器。
【請求項8】
請求項1に記載の高指向器において、
各頭部ユニットは、別の頭部ユニットに連結するための第1及び第2の結合部分を備え、
前記第1の結合部分は、別の頭部ユニットの第2の結合部分に結合されるように適合され、前記第2の結合部分は、別の頭部ユニットの第1の結合部分に結合されるように適合され、
前記第1及び第2の結合部分は、ピンを介して共に保持されるヒンジを共に形成し、
前記ピンは、保持部分によって定位置に保持される、高指向器。
【請求項9】
請求項1に記載の頭部ユニットにおいて、
ロープガイド要素を装着するための装着要素をさらに備えた、頭部ユニット。
【請求項10】
請求項1に記載の頭部ユニットにおいて、
ロープガイド要素を装着するための装着要素をさらに備え、前記ロープガイド要素はプーリを備えた、頭部ユニット。
【請求項11】
請求項1に記載の頭部において、
連続的に連結されて頭部ユニットの連鎖を形成する複数の前記頭部ユニットをさらに備えた、頭部。
【請求項12】
請求項1に記載の頭部において、
連続的に連結されて頭部ユニットの閉連鎖を形成する複数の前記頭部ユニットをさらに備えた、頭部。
【請求項13】
請求項1に記載の頭部において、
連続的に連結されて頭部ユニットの閉連鎖を形成する複数の前記頭部ユニットをさらに備え、前記閉連鎖は、正多角形の形状の配列を形成するように構成され得る、頭部。
【請求項14】
請求項1に記載の頭部において、
連続的に連結されて頭部ユニットの閉連鎖を形成する複数の前記頭部ユニットをさらに備え、前記閉連鎖は、三角形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、または十角形の形状を含む、正多角形の形状の配列を形成するように構成され得る、頭部。
【請求項15】
請求項1に記載の頭部において、
連続的に連結されて頭部ユニットの閉連鎖を形成する複数の前記頭部ユニットをさらに備え、前記閉連鎖は、頭部ユニットの実質的に直線状の配列を形成するように構成され得る、頭部。
【請求項16】
請求項1に記載の頭部において、
少なくとも1つの留め具部材が、別の頭部ユニットから所定の距離だけ頭部ユニットを離間させる、頭部。
【請求項17】
請求項1に記載の頭部において、
少なくとも1つの留め具部材が、少なくとも2対の結合された頭部ユニットに連結し、それらを相互に固定するように適合された、頭部。
【請求項18】
請求項1に記載の頭部において、
少なくとも1つの留め具部材が、少なくとも3対の結合された頭部ユニットに連結し、それらを相互に固定するように適合された、頭部。
【請求項19】
請求項1に記載の頭部において、
中心部及び少なくとも1つの留め具部材をさらに備え、前記留め具部材は、少なくとも2対の結合された頭部ユニットに連結し、それらを相互に固定するように構成され、前記頭部の前記中心部に空所を有するように構成された、頭部。
【請求項20】
請求項1に記載の高指向器において、
少なくとも1つの留め具部材が、少なくとも2つの伸縮式脚部に連結し、それらを相互に固定するように適合された、高指向器。
【請求項21】
請求項1に記載の頭部において、
本体部分をさらに備え、前記本体部分は、少なくとも1つの伸縮式脚部を装着するための装着手段を有した、頭部。
【請求項22】
請求項1に記載の高指向器において、
少なくとも2対の結合された頭部ユニットに連結し、それらを相互に固定するように適合されたブリッジ部材をさらに備えた、高指向器。
【請求項23】
請求項1に記載の高指向器において、
頭部ユニットに回転可能に装着された少なくとも1つの伸縮式脚部をさらに備え、前記伸縮式脚部は、少なくとも90度だけ前記頭部ユニットの周囲を回転するように適合された、高指向器。
【請求項24】
請求項1に記載の高指向器において、
第1の頭部ユニットと第2の頭部ユニットとをさらに備え、
前記第1の頭部ユニットは、第1の結合部分及び第2の結合部分を有し、
前記第2の頭部ユニットは、第1の結合部分及び第2の結合部分を有し、
前記第1の頭部ユニットの前記第1の結合部分は、前記第2の頭部ユニットの前記第2の結合部分に結合され、
前記第1の頭部ユニットの前記第2の結合部分は、前記第2の頭部ユニットの前記第1の結合部分に結合された、高指向器。
【請求項25】
頭部と複数の伸縮式脚部とを有する高指向器用のキットにおいて、
複数の頭部ユニットと、
複数の伸縮式脚部と、を備え、
各頭部ユニットは、少なくとも1つの各伸縮式脚部に回転可能に装着可能であり、
各頭部ユニットは、少なくとも2つの他の頭部ユニットに回転可能に結合可能である、キット。
【請求項26】
請求項25に記載のキットにおいて、
各頭部ユニットは、実質的に同一の結合構成具を有する別の頭部ユニットに回転可能に連結するための結合構成具を備えた、キット。
【請求項27】
請求項25に記載のキットにおいて、
各頭部ユニットは、実質的に同一の結合構成具を有する別の頭部ユニットに回転可能に連結するための結合構成具を備え、前記結合構成具は、第1の結合部分及び第2の結合部分を備えた、キット。
【請求項28】
請求項25に記載のキットにおいて、
複数の同一の頭部ユニットをさらに備えた、キット。
【請求項29】
請求項25に記載のキットにおいて、
少なくとも1つの頭部ユニットは、プーリを備えた、キット。
【請求項30】
請求項25に記載のキットにおいて、
前記頭部ユニットを所望の構成に保持するための留め具部材をさらに備えた、キット。
【請求項31】
支持用の頭部ユニットにおいて、複数のこの頭部ユニットが複数の伸縮式脚部を有する支持器の頭部を共に形成するように連結され得るものであり、支持器の伸縮式脚部に装着するための装着部分と、実質的に同一の結合構成具を有する別の頭部ユニットに連結するための結合構成具とを備えた、頭部ユニット。
【請求項32】
支持用の頭部ユニットにおいて、複数のこの頭部ユニットが複数の伸縮式脚部を有する支持器の頭部を共に形成するように連結され得るものであり、前記頭部は、略中心の軸を有し、
第1の結合部分と第2の結合部分とを備え、各結合部分は、別の頭部ユニットと回転連結部を形成するように適合され、前記回転連結部の回転軸が、前記頭部の前記中心軸に対して略平行である、頭部ユニット。
【請求項33】
支持器用の頭部ユニットであって、複数のこの頭部ユニットが複数の伸縮式脚部を有する支持器の頭部を共に形成するように連結され得る、頭部ユニットにおいて、
脚部を受けて、前記脚部に回転可能に結合されるように適合された本体と、
別の頭部に連結するための第1の結合部分と、
別の頭部に連結するための第2の結合部分と、
を備えた、頭部ユニット。
【請求項34】
構成自在な高指向器において、
複数の頭部ユニットと、
複数の伸縮式脚部であって、各伸縮式脚部は、前記頭部ユニットの中の1つに回転可能に装着可能な、伸縮式脚部と、
を備え、
各頭部ユニットは、第1の側部連結具及び第2の側部連結具をさらに備え、前記第1の側部連結具は、別の頭部ユニットの第2の側部連結部に回転可能に連結するように適合され、前記第2の側部連結具は、別の頭部ユニットの第1の側部連結具に回転可能に連結するように適合され、
各頭部ユニットは、中心部分において相互に結合可能及び結合解除可能な、第1の頭部ユニット要素及び第2の頭部ユニット要素をさらに備えた、高指向器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2010−529867(P2010−529867A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506592(P2010−506592)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/061964
【国際公開番号】WO2008/134698
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(506345786)ファーノ−ワシントン・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】