説明

語学学習支援装置及び語学学習支援方法

【課題】
学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる語学学習支援装置及び語学学習支援方法を提供することにある。
【解決手段】
学習しようとする学習言語の構文を表示する構文表示手段と、学習者が表示手段に表示された構文を読み上げた音声を入力する入力手段と、入力手段で取得した読み上げられた学習言語の読上構文を、学習者が常用可能な基本言語に翻訳する変換手段と、基本言語に翻訳された構文を読み上げる読上手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国語や方言の言語を習得するための語学学習支援装置及び語学学習支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外国語を学習し習得するための語学学習支援装置が多数提案されている。語学学習支援装置としては、例えば、電子計算機で外国語を表示し、学習者がその表示された外国語を読み上げて練習を行うことができるものがある。具体的には、特許文献1に示される語学学習装置がある。
【0003】
特許文献1の語学学習装置は、標準音声波形を格納する記憶部、格納された標準音声波形の発声内容文字情報を格納する記憶部、格納された標準音声波形の音節単位セグメンテーション情報を格納する記憶部、標準音声波形の発声内容文字情報を提示する画面表示部、提示された発声内容文字情報通りに発声した音声を入力する音声入力部、標準音声波形の音声を出力する音声出力部、入力音声を音節単位に分割する制御部、入力音声と標準音声を比較する制御部、入力音声と標準音声の相違情報を提示する画面表示部を有している。
【0004】
この特許文献1の語学学習装置は、すなわち、学習者の発声音声と標準発声音声を比較する機能を有し、発声音声の異なる個所と異なる度合いを学習者に提示し自覚させ、学習者が標準音声に近づけるように発声練習することで、より効果的に標準発声が習得できることを目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−162291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の語学学習支援装置では、標準音声と入力された音の比較に過ぎないため、学習者の発音音声が本当にどのように相手方に聞こえているかまでは把握できず、単なる発音の練習手段にしかすぎない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる語学学習支援装置及び語学学習支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の語学学習支援装置は、学習しようとする学習言語の構文を表示する構文表示手段と、学習者が表示手段に表示された構文を読み上げた音声を入力する入力手段と、入力手段で取得した読み上げられた学習言語の読上構文を、学習者が常用可能な基本言語に翻訳する変換手段と、基本言語に翻訳された構文を読み上げる読上手段とを有することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の語学学習支援装置は、学習言語の標準音声を備え、変換手段が、入力手段で取得した読み上げられた学習言語の読上構文と標準音声との間で、構文内の単語間の間合いの取り方の長短の差異を検出し、読上手段が、変換手段で検出した単語間の間合いの取り方の長短の差異に基づいて基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の語学学習支援装置は、学習言語の標準音声を備え、変換手段が、入力手段で取得した読み上げられた学習言語の読上構文と標準音声との間で、音の強弱の差異を検出し、読上手段が、変換手段で検出した音の強弱の差異に基づいて基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の語学学習支援装置は、変換手段で翻訳された読上構文を、文字として表示する読上構文表示手段を備え、読上構文表示手段が、変換手段で検出した読上構文と標準音声との間の差異を示すことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の語学学習支援装置は、発音された標準音声を入力するための標準音声入力手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の語学学習支援装置は、読上構文から感情推定を行う感情推定手段を備え、読上手段が、感情推定手段により得られた感情情報に応じて、基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の語学学習支援方法は、学習しようとする学習言語の構文を表示手段に表示し、学習者が表示手段に表示された構文を読み上げた音声を入力手段で取り込み、入力手段で取得した読み上げられた学習言語の読上構文を、翻訳手段で学習者が常用可能な基本言語に翻訳し、基本言語に翻訳された構文を読上手段で読み上げることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の語学学習支援方法は、変換手段が、入力手段で取得した読み上げられた学習言語の読上構文と学習言語の標準音声との間で、構文内の単語間の間合いの取り方の長短の差異を検出し、読上手段が、変換手段で検出した単語間の間合いの取り方の長短の差異に基づいて基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の語学学習支援方法は、変換手段が、入力手段で取得した読み上げられた学習言語の読上構文と学習言語の標準音声との間で、音の強弱の差異を検出し、読上手段が、変換手段で検出した音の強弱の差異に基づいて基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の語学学習支援方法は、変換手段で翻訳された読上構文を、読上構文表示手段に文字として表示し、読上構文表示手段が、変換手段で検出した読上構文と標準音声との間の差異を示すことを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の語学学習支援方法は、標準音声入力手段で、発音された標準音声を取り込むことを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の語学学習支援方法は、感情推定手段が、読上構文から感情推定を行い、読上手段が、感情推定手段により得られた感情情報に応じて、基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1及び請求項7の発明によれば、学習しようとする学習言語の構文を表示手段に表示し、学習者が表示手段に表示された構文を読み上げた音声を入力手段で取り込み、入力手段で取得した読み上げられた学習言語の読上構文を、翻訳手段で学習者が常用可能な基本言語に翻訳し、基本言語に翻訳された構文を読上手段で読み上げることから、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【0021】
請求項2、請求項3、請求項8及び請求項9の発明によれば、構文内の単語間の間合いの取り方の長短の差異や音の強弱の差異に基づいて基本言語に翻訳された構文を読み上げることから、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【0022】
請求項4及び請求項10の発明によれば、構文内の単語間の間合いの取り方の長短の差異や音の強弱の差異を表示して示すことから、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて目視しながら確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【0023】
請求項5及び請求項11の発明によれば、標準音声入力手段で、発音された標準音声を取り込むことから、特徴の違う標準音声をその都度入力し直すことで、同じ言語であっても地域によっての違い(例えば方言)や人によっての違いを反映させた上で、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【0024】
請求項6及び請求項12の発明によれば、感情推定手段が、読上構文から感情推定を行い、読上手段が、感情推定手段により得られた感情情報に応じて、基本言語に翻訳された構文を読み上げることから、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合に感情表現を含んだ表現としてどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例1に示す語学学習支援装置の一例を示す構成図である。
【図2】実施例1に示す同語学学習支援装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】実施例2に示す語学学習支援装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施例2に示す語学学習支援装置の画面表示の一例を示す説明図である。
【図5】実施例2に示す語学学習支援装置の画面表示の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本実施の形態における語学学習支援装置は、外国語や方言の言語を習得する学習者のためのものである。語学学習支援装置で学習支援する言語は、学習者が習得したい外国語の他、方言も含む広い概念である。
【0027】
また、語学学習支援装置は、主に電子計算機により構成されており、例えばパーソナルコンピュータである。但し、語学学習支援装置は、電子計算機に限定されるものではなく、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯電子端末の他、電子辞書やゲーム機であってもよく、その形態により制限されるものではない。さらに、後述する語学学習支援装置の機能は、主にソフトウェアにより実現されるものであるが、ソフトウェアによらず、ハードウェアのみやハードウェアとソフトウェアが共働して機能を達成するような形態であってもよい。
【実施例1】
【0028】
以下、本実施例1の発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は、実施例1に示す語学学習支援装置の一例を示す構成図である。図2は、実施例1に示す同語学学習支援装置の動作の一例を示すフローチャートである。尚、本実施例1の以後の説明において、括弧内の符号は図2のフローチャートの符号に対応している。
【0029】
図1における語学学習支援装置1は、電子計算機8であり、内部に語学学習支援装置1の全体の動作を制御する制御部10が設けられている。制御部10は、いわゆるCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)である。また、電子計算機8は、ソフトウェアやデータを記憶しておく記憶手段であるメモリ12を備えている。また、電子計算機8には、情報を表示する表示手段である表示部14が接続されている。さらに、電子計算機8には、音声を入力するための入力手段であるマイク16と、音声を出力する出力手段であるスピーカ18とを備えている。
【0030】
次に、以上のような構成の語学学習支援装置1の動作を説明する。尚、本実施例においては、学習者が学習使用とする学習言語を英語、学習者が常用可能な基本言語を日本語とした例で説明する。尚、英語と日本語が逆になる場合もあるし、他の言語との組み合わせであり、また、日本語同士でも一方や両方が異なった方言である場合もあり、その組み合わせにより制限されるものではない。
【0031】
まず最初に、学習者が、語学学習支援装置1の機能を動作させると、あらかじめメモリ12に記憶している英語の構文を表示部14に表示する(S102)。例えば、「Do you know where the station is?」と表示される。この表示された構文を、学習者が読み上げる。語学学習支援装置1の電子計算機8は、学習者が読み上げた英語の構文の音声をマイク16で取得する(S104)。
【0032】
次に、電子計算機8の制御部10は、マイク16で取得した読み上げられた英語の読上構文を、文字データに変換し、そして、基本言語の日本語に翻訳する(S106)。
【0033】
そして、基本言語である日本語に翻訳された構文を、日本語の音声に変換して(読み上げるようにして)、スピーカ18から出力する(S112)。
【0034】
以上のような語学学習支援装置1の機能によれば、学習しようとする学習言語の構文を表示手段である表示部14に表示し、学習者が表示部14に表示された構文を読み上げた音声を入力手段であるマイク16で取り込み、マイク16で取得した読み上げられた学習言語の読上構文を、翻訳手段で学習者が常用可能な基本言語に翻訳し、基本言語に翻訳された構文を読上手段であるスピーカ18で読み上げることから、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【0035】
尚、上記が語学学習支援装置1の最低限の動作構成であるが、さらに機能を持たせることも可能である。例えば、標準音声をメモリ12にあらかじめ記憶させておき、その標準音声と読上構文との間の差異を示すこともできる。具体的には、学習言語である英語の標準音声を用いて、比較し、その結果を翻訳された基本言語の構文に反映させるものである。
【0036】
標準音声とマイク16で取得した読み上げられた読上構文の情報との比較の内容としては、まず構文内の単語間の間合いの取り方の長短がある。翻訳の過程(変換手段)で、標準音声の単語間の間合いの取り方を基準に、読上構文の方の単語間の間合いの取り方の長短を検出するようにする。そして、検出した間合いの取り方の長短を反映させた形で変換し、翻訳された構文(日本語)の読み上げを行いスピーカ18から出力させるようにする。具体的には、例えば、表1に示すような場合がある。
【0037】
【表1】

【0038】
表1の例1では、表示された構文(Do you know where the station is?)を学習者が読み上げた場合の構文内の単語間の間合いが一定で、標準音声と比較した場合に差が無い場合を示している。表1に例1の読上構文で示すように、それぞれの意味をなす固まり(A、B、C、D)は、それぞれ均等な間隔になっている。この場合には、翻訳され読み上げられた構文(駅はどこかわかりますか?)においても、それぞれの意味をなす固まり(A、B、C、D)は、均一な間隔になっている。
【0039】
これに対し、表1の例2では、表示された構文(Do you know where the station is?)を学習者が読み上げた場合の構文内の単語間の間合いが一部離れており、標準音声と比較した場合に差が生じる場合を示している。表1に例2の読上構文で示すように、それぞれの意味をなす固まり(A、B、C、D)のうち、AとBとの間合いがひらいている。この場合には、翻訳され読み上げられた構文(駅はどこかわかりますか?)においても、意味をなすBとAとの間に同様な間合いを開けて、翻訳された構文を読み上げるようになる。
【0040】
標準音声とマイク16で取得した読み上げられた読上構文の情報との比較の内容としては、それ以外に、音の強弱の差異がある。翻訳の過程(変換手段)で、標準音声の音の強弱を基準に、読上構文の音の強弱を検出するようにする。そして、検出した音の強弱を反映させた形で変換し、翻訳された構文(日本語)の読み上げを行いスピーカ18から出力させるようにする。具体的には、例えば、表2に示すような場合がある。
【0041】
【表2】

【0042】
表2の例1では、表示された構文(Do you know where the station is?)を学習者が読み上げた場合の構文内の音の強弱が一定で、標準音声と比較した場合に差が無い場合を示している。この場合には、翻訳され読み上げられた構文(駅はどこかわかりますか?)においても、音の強弱がない状態で読み上げられる。
【0043】
これに対し、表2の例2では、表示された構文(Do you know where the station is?)を学習者が読み上げた場合に、一部(傾字で示されたAの部分)が強く読み上げられており、標準音声と比較した場合に差が生じる場合を示している。この場合には、翻訳され読み上げられた構文(駅はどこかわかりますか?)においても、強く発せられたAの部分の音を強くして翻訳された構文を読み上げるようになる。尚、音の強弱には、構文全体を読み上げるリズムや抑揚や単語単体でのスピードが含まれるものとする。
【0044】
このように、構文内の単語間の間合いの取り方の長短の差異や音の強弱の差異に基づいて基本言語に翻訳された構文を読み上げることから、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【実施例2】
【0045】
実施例1では、語学学習支援装置1の最低限の構成について説明したが、他の機能を持たせることも可能である。この他の機能を付加した語学学習支援装置を図3〜図5を用いて説明する。尚、本実施例における語学学習支援装置の構成は、実施例1と同一なので、図1を用いて説明する。尚、図3は、実施例2に示す語学学習支援装置の動作の一例を示すフローチャートである。図4は、実施例2に示す語学学習支援装置の画面表示の一例を示す説明図である。図5は、実施例2に示す語学学習支援装置の画面表示の他の例を示す説明図である。尚、本実施例2の以後の説明において、括弧内の符号は図3のフローチャートの符号に対応している。
【0046】
まず最初に、学習者が、語学学習支援装置の機能を動作させると、標準音声(英語)の入力を促してくる。ここで、例えば英語が母国語の人に、標準音声の元になる構文をマイク16に向かって読み上げてもらい、標準音声の取得を行う(S100)。この取得された標準音声はメモリ12に保存される。尚、語学学習支援装置の機能を動作させるたびに標準音声の入力を行わせてもよいし、一度、標準音声を取得すれば、それ以降、入力を促さないようにしてもよい。
【0047】
次に、あらかじめメモリ12に記憶している英語の構文を表示部14に表示する(S102)。図4や図5の画面表示14a,14bの上段に示すように、例えば、「I have to pick her up at 7pm.」と表示する。この表示された構文を、学習者が読み上げる。語学学習支援装置の電子計算機8は、学習者が読み上げた英語の構文の音声をマイク16で取得する(S104)。
【0048】
次に、電子計算機8の制御部10は、マイク16で取得した読み上げられた英語の読上構文を、文字データに変換し、そして、基本言語の日本語に翻訳する(S106)。
【0049】
そして、基本言語である日本語に翻訳された構文を、日本語の音声に変換して(読み上げるようにして)、スピーカ18から出力する(S112)。本実施例2では、図4や図5の画面表示14a,14bの下段に示すように、表示部14に、翻訳された読上構文も表示するようにする(S110)。尚、この画面表示14a,14bの下段の翻訳された読上構文では、実施例1で示した読上構文と標準音声との間の差異を示すようにしている。
【0050】
具体的には、図4の例では、「I have to pick her up at 7pm.」の構文を学習者が、「have to」と「pick her up」との間を開けて読み上げた場合を示している。その結果、変換され翻訳された読上構文の画面表示14a(図4の下段)の表示では、「迎えに行か」と「なければならない」との間を開けて表示している。このように、本実施例の語学学習支援装置では、学習言語(英語)の読上構文と標準音声との間で、構文内の単語間の間合いの取り方の長短の差異を検出し、表示部14が、単語間の間合いの取り方の長短の差異を表示するようにしている。
【0051】
また、図5の例では、「I have to pick her up at 7pm.」の構文を学習者が、「at 7pm」を強く発音した場合を示している。その結果、変換され翻訳された読上構文の画面表示14b(図5の下段)の表示では、「7時に」を傾字にして表示している。このように、本実施例の語学学習支援装置では、学習言語(英語)の読上構文と標準音声との間で、音の強弱の差異を検出し、表示部14が、音の強弱の差異を表示するようにしている。
【0052】
このように、構文内の単語間の間合いの取り方の長短の差異や音の強弱の差異を表示して示すことから、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて目視しながら確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【0053】
また、マイク16で発音された標準音声を取り込むことで、特徴の違う標準音声をその都度入力し直すことで、同じ言語であっても地域によっての違い(例えば方言)や人によっての違いを反映させた上で、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【0054】
尚、実施例1及び実施例2では、構文内の単語間の間合いの取り方の長短と、音の強弱を別々に説明しているが、それらを組み合わせ翻訳された構文を読み上げ及び表示するようにしてもよい。
【実施例3】
【0055】
上述の実施例1及び実施例2では、読み上げられた学習言語の読上構文と標準音声との間で、構文内の単語間の間合いの取り方の長短や音の強弱を検出し翻訳された構文を読み上げるようにしているが、これに加え、読上構文から感情推定を行う感情推定手段を備え、読上手段が、感情推定手段により得られた感情情報に応じて、基本言語に翻訳された構文を読み上げるようにしてもよい。感情推定手段としては、感性制御技術(ST:Sensibility Technology)を利用することが可能である。感性制御技術は、例えば、読み上げられた読上構文の韻律情報から基本周波数を検出し、音声と情動と脳活動との整合性確認をしながら求められるパラメータを用いて、人の情動のパターンのいずれかを付与させるようにする。
【0056】
このように、感情推定手段が、読上構文から感情推定を行い、スピーカ18で、感情推定手段により得られた感情情報に応じて、基本言語に翻訳された構文を読み上げることから、学習者が読み上げた構文が、学習言語を常用している人が聞いた場合に感情表現を含んだ表現としてどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明によれば、学習言語を常用している人が聞いた場合にどのように聞こえるかを、自らが常用可能な基本言語に置き換えて確認しつつ、効果的な語学学習を進めることができる語学学習支援装置及び語学学習支援方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0058】
1・・・・・語学学習支援装置
8・・・・・電子計算機
10・・・・制御部
12・・・・メモリ
14・・・・表示部
14a・・・画面表示
14b・・・画面表示
16・・・・マイク
18・・・・スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外国語や方言の言語を習得するための語学学習支援装置において、
学習しようとする学習言語の構文を表示する構文表示手段と、
学習者が該表示手段に表示された構文を読み上げた音声を入力する入力手段と、
該入力手段で取得した読み上げられた該学習言語の読上構文を、該学習者が常用可能な基本言語に翻訳する変換手段と、
該基本言語に翻訳された構文を読み上げる読上手段とを有することを特徴とする語学学習支援装置。
【請求項2】
前記学習言語の標準音声を備え、
前記変換手段が、前記入力手段で取得した読み上げられた該学習言語の読上構文と該標準音声との間で、前記構文内の単語間の間合いの取り方の長短の差異を検出し、
前記読上手段が、該変換手段で検出した単語間の間合いの取り方の長短の差異に基づいて前記基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする請求項1記載の語学学習支援装置。
【請求項3】
前記学習言語の標準音声を備え、
前記変換手段が、前記入力手段で取得した読み上げられた該学習言語の読上構文と該標準音声との間で、音の強弱の差異を検出し、
前記読上手段が、該変換手段で検出した音の強弱の差異に基づいて前記基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする請求項1記載の語学学習支援装置。
【請求項4】
前記変換手段で翻訳された読上構文を、文字として表示する読上構文表示手段を備え、
該読上構文表示手段が、該変換手段で検出した前記読上構文と前記標準音声との間の差異を示すことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の語学学習支援装置。
【請求項5】
発音された前記標準音声を入力するための標準音声入力手段を備えることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の語学学習支援装置。
【請求項6】
前記読上構文から感情推定を行う感情推定手段を備え、
前記読上手段が、該感情推定手段により得られた感情情報に応じて、前記基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の語学学習支援装置。
【請求項7】
外国語や方言の言語を習得するための語学学習支援方法において、
学習しようとする学習言語の構文を表示手段に表示し、
学習者が該表示手段に表示された構文を読み上げた音声を入力手段で取り込み、
該入力手段で取得した読み上げられた該学習言語の読上構文を、翻訳手段で該学習者が常用可能な基本言語に翻訳し、
該基本言語に翻訳された構文を読上手段で読み上げることを特徴とする語学学習支援方法。
【請求項8】
前記変換手段が、前記入力手段で取得した読み上げられた該学習言語の読上構文と前記学習言語の標準音声との間で、前記構文内の単語間の間合いの取り方の長短の差異を検出し、
前記読上手段が、該変換手段で検出した単語間の間合いの取り方の長短の差異に基づいて前記基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする請求項7記載の語学学習支援方法。
【請求項9】
前記変換手段が、前記入力手段で取得した読み上げられた該学習言語の読上構文と前記学習言語の標準音声との間で、音の強弱の差異を検出し、
前記読上手段が、該変換手段で検出した音の強弱の差異に基づいて前記基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする請求項7記載の語学学習支援方法。
【請求項10】
前記変換手段で翻訳された読上構文を、読上構文表示手段に文字として表示し、
該読上構文表示手段が、該変換手段で検出した前記読上構文と前記標準音声との間の差異を示すことを特徴とする請求項8又は請求項9記載の語学学習支援方法。
【請求項11】
標準音声入力手段で、発音された前記標準音声を取り込むことを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の語学学習支援方法。
【請求項12】
感情推定手段が、前記読上構文から感情推定を行い、
前記読上手段が、該感情推定手段により得られた感情情報に応じて、前記基本言語に翻訳された構文を読み上げることを特徴とする請求項7〜請求項11記載のいずれかに記載の語学学習支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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