説明

超小旋回作業機

【課題】超小旋回作業機において、キャビンのルーフ部の下にフロントガラスを収納しようとする場合に、キャビンの後部の平面形状が旋回台の円弧に沿うように円弧状に構成されていても、長方形のフロントガラスを収納できるようにする。
【解決手段】キャビン7の前面にはフロントガラス71を配設し、上面にはルーフ部7rを配置し、該ルーフ部は、旋回台4の形状に合わせて、左側後部を略円弧上に構成し、前記フロントガラスは、キャビン内においてルーフ部の下方に収納可能とし、該フロントガラスをルーフ部の下方に収納した場合に、該フロントガラスの右上部が、ルーフ部の平面視において左側後部の略円弧状部から突出しない形状とすべく、該フロントガラスを正面視で、長方形から右上方の角を取り除いた形状とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旋回台に取り付けたブームに作業用アタッチメントを装着し、該作業用アタッチメントを左右にオフセット可能とした超小旋回作業機の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、旋回台に取り付けたブームに作業用アタッチメントを装着し、該作業用アタッチメントを左右に偏心可能とした超小旋回作業機は知られている。該超小旋回作業機に構成されたキャビンのキャビンフレームにおいて、フロントガラスを摺動するためのローラーガイドが設けられており、該ローラーガイドはプレス成形により構成されている。
【0003】
図9に示す如く、該キャビンフレーム111には断面視凹状に構成された溝111aが形成されており、該溝111aはキャビンフレーム111の内側に入り込んだ形状に構成されている。該溝111aにはフロートガラス171に固設されたローラー182が配設され該ローラー182がローラーガイドである溝111aに沿って摺動すると共に、フロントガラス171を摺動可能に構成している。
【0004】
また、従来キャビンに装着されたドアは一体式のものおよび中央部にて分割される中折れ式のものが知られている。従来キャビンクーラーはキャビン上に配設されるか、キャビン上部に内装されている。従来、開閉可能に構成したフロントガラスにおいて該フロントガラスが旋回半径より突出するのを防ぐため、巾狭に構成されている。
【特許文献1】特開平9−177132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の構成において、キャビンのルーフ部の下にフロントガラスを収納しようとする場合に、キャビンの後部の平面形状が、旋回台の円弧に沿うように円弧状に構成されている為に、長方形のフロントガラスが収納できないという不具合があったのである。そして、これに合うように、フロントガラスを巾狭に構成した場合には該フロントガラスよりの視界が減少するという不具合があったのである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
旋回台(4)の運転部(6)横側方に上下回動自在に取り付けられた第一ブーム(10)、該第一ブーム(10)の先端部に左右方向へ回動自在に取り付けられた第二ブーム(11)、該第二ブーム(11)に左右方向へ回動可能に取り付けられた第三ブーム(12)、該第三ブーム(12)に上下方向に回動可能に取り付けられたアーム(13)、該アーム(13)の先端に取り付けられた作業用アタッチメント、及び、運転部(6)を覆うキャビン(7)を有し、キャビン(7)が旋回台(4)の旋回径内に格納される超小旋回作業機において、該キャビン(7)の前面にはフロントガラス(71)を配設し、上面にはルーフ部(7r)を配置し、該ルーフ部(7r)は、前記旋回台(4)の形状に合わせて、左側後部を略円弧上に構成し、前記フロントガラス(71)は、キャビン(7)内においてルーフ部(7r)の下方に収納可能とし、該フロントガラス(71)をルーフ部(7r)の下方に収納した場合に、該フロントガラス(71)の右上部が、ルーフ部(7r)の平面視において左側後部の略円弧状部から突出しない形状とすべく、該フロントガラス(71)を正面視で、長方形から右上方の角を取り除いた形状としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
旋回台(4)の運転部(6)横側方に上下回動自在に取り付けられた第一ブーム(10)、該第一ブーム(10)の先端部に左右方向へ回動自在に取り付けられた第二ブーム(11)、該第二ブーム(11)に左右方向へ回動可能に取り付けられた第三ブーム(12)、該第三ブーム(12)に上下方向に回動可能に取り付けられたアーム(13)、該アーム(13)の先端に取り付けられた作業用アタッチメント、及び、運転部(6)を覆うキャビン(7)を有し、キャビン(7)が旋回台(4)の旋回径内に格納される超小旋回作業機において、該キャビン(7)の前面にはフロントガラス(71)を配設し、上面にはルーフ部(7r)を配置し、該ルーフ部(7r)は、前記旋回台(4)の形状に合わせて、左側後部を略円弧上に構成し、前記フロントガラス(71)は、キャビン(7)内においてルーフ部(7r)の下方に収納可能とし、該フロントガラス(71)をルーフ部(7r)の下方に収納した場合に、該フロントガラス(71)の右上部が、ルーフ部(7r)の平面視において左側後部の略円弧状部から突出しない形状とすべく、該フロントガラス(71)を正面視で、長方形から右上方の角を取り除いた形状としたので、次のような効果を奏する。
【0008】
従来は、キャビンのルーフ部の下にフロントガラスを収納しようとする場合に、キャビンの後部の平面形状が、旋回台の円弧に沿うように円弧状に構成されている為に、長方形のフロントガラスが収納できないという不具合があったのである。そして、これに合うように、フロントガラスを巾狭に構成した場合には該フロントガラスよりの視界が減少するという不具合があった。
本発明においては、該フロントガラス(71)を正面視で、長方形から右上方の角を取り除いた形状とし、該フロントガラス(71)の右上部が、ルーフ部(7r)の平面視において左側後部の略円弧状部から突出しない形状とすべく構成したので、キャビン天井部の収納スペースを最大限に活用でき、該フロントガラスを一枚フロントガラスにより構成できる。このため、キャビン内よりの視界性が向上し、該キャビンの製造コストが減少する。また、キャビンの横幅を広くでき、該キャビンの居住性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の超小旋回作業機を示す側面図、図2は同じく後面図、図3はキャビンの構成を示す正面図、図4は同じく側面図、図5は同じく平面図、図6はフロントガラスの収納構成を示す側面図、図7はキャビンの前部支柱の構成を示す平面断面図、図8はドアの開閉状態を示す平面図、図9は従来のキャビンフレームを示す平面断面図である。
【0010】
本発明の超小旋回作業機の構成について説明する。
図1、図2において、左右一対のクローラ走行装置2を装備した走行装置1の上部に、旋回可能に旋回台4を取り付け、該旋回台4上部の一側方には運転席6を配設し、該運転席6をキャビン7で覆って運転部9を構成し、該運転部9横側方にバックホウ装置5を配置している。運転部9の前方にはバッテリ61及び燃料タンク62が配設され、該バッテリ61及び燃料タンク62はフロントカバー63により覆われている。また、前記走行装置1の、例えば、後端部には、排土板3を装着している。
【0011】
バックホウ装置5は、第一ブーム10を最大限持ち上げるとともに、アーム13及びバケット14を左右にオフセットせずに最大限巻き込んだ状態(図1に示す姿勢にある状態)においては、全体が旋回台4の旋回径内に格納できるように構成している。そして、バックホウ装置5全体が旋回台4の旋回径内に格納される小旋回格納状態において、バケット14と運転部9とが干渉しないように構成している。
【0012】
次に、バックホウ装置5について説明する。
前記バックホウ装置5は、旋回台4に上下回動自在に取り付けた第一ブーム10、該第一ブーム10の先端部に左右方向へ回動自在に取り付けた第二ブーム11、該第二ブーム11に左右方向へ回動可能に取り付けられた第三ブーム12、該第三ブーム12に上下方向に回動可能に取り付けられたアーム13、及び、該アーム13の先端に取り付けられた作業用アタッチメントであるバケット14を有し、第二ブーム11の左右方向への回動によりアーム13及びバケット14を左右方向へオフセット可能に構成している。
【0013】
そして、第一ブーム10と旋回台4との間にブームシリンダ29を介装して、該ブームシリンダ29の伸縮により第一ブーム10を上下回動可能とし、第三ブーム12とアーム13との間にアームシリンダ17を介装して、該アームシリンダ14の伸縮によりアーム13を上下回動可能とし、アーム13とバケット14との間にバケットシリンダ48を介装して、該バケットシリンダ48の伸縮によりバケット48を上下回動可能としている。図1における軌跡66は、ブームシリンダ29、アームシリンダ17、及び、バケットシリンダ48等の伸縮に伴ってバケット14の先端が通過する軌跡であり、軌跡66の全範囲において、バケット14と運転部9とが干渉しないように構成している。
【0014】
第二ブーム11は、その下端部で第一ブーム10の上端部と下部回動軸15により左右回動自在に連結され、該第二ブーム11の上端部は上部回動軸16により第三ブーム12を左右回動自在に連結しており、第二ブーム11と第一ブーム10との間にはオフセットシリンダ31が介装されている。さらに、第一ブーム10と第三ブーム12との間にはオフセットロッド30が架設され、該オフセットロッド30の両端部は、第一ブーム10及び第三ブーム12にそれぞれ枢着されて、該オフセットロッド30、第一ブーム10、第二ブーム11、及び、第三ブーム12により平行四連リンク機構を構成している。そして、オフセットシリンダ31を伸縮させることで、バケット14が第一ブーム10に対して偏心して左右方向にオフセットされるが、この場合、平行四連リンク機構により、正面視又は後面視における第一ブーム10と、第三ブーム12、アーム13、及び、バケット14との角度は変化せずに、平行状態を保ったままオフセットされる。
【0015】
前記第一ブーム10と第二ブーム11とを連結する下部回動軸15、及び、第二ブーム11と第三ブーム12とを連結する上部回動軸16は、それぞれの軸心O・Pがお互いに平行となるように配置されており、該下部回動軸15は、第一ブーム10を最大限持ち上げた状態で、該下部回動軸15のアーム13方向側が反対方向側よりも(本実施例においては下部回動軸15の前部が後部よりも)高位置に位置するように構成している。
【0016】
このように構成したバックホウ装置5において、バケット14は、第一ブーム10を最大限持ち上げるとともに、アーム93及びバケット94をオフセットさせないで最大巻き込んだ状態の小旋回格納状態において、側面視において運転部9と干渉しないように構成している。また、第一ブーム10を最大限持ち上げた状態で、前記下部回動軸15のアーム13方向側が反対方向側よりも高位置に位置するので、第二ブーム11が下部回動軸15を中心に回動してバケット14が左右にオフセットすると、該バケット14は、側面視において後方から前方へ移動する。
【0017】
このように、該バケット14は前記小旋回格納状態にて、側面視において運転部9と干渉しないように構成されており、該バケット14が左右方向へオフセットされた場合は、該バケット14が運転部9に近づくことはないので、バケット14と運転部9とは何れの状態においても干渉することはなく、該バケット14を、その動作を規制することなく左右のいずれの方向にもオフセットすることができるのである。これにより、運転部9とバケット14とが干渉することを避けるために、安全装置や制御装置を別途付設する必要がなくなって、バックホウ装置5の低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【0018】
また、前記第一ブーム10及び第二ブーム11は、第一ブーム10を最大限持ち上げた状態において、後方に傾斜した姿勢となるように構成されており、第二ブーム11よりも先端側部分に連結される第三ブーム12、アーム13、及び、バケット14の前方への突出量が小さくなるようにしている。さらに、第一ブームを最大限持ち上げた状態で、地面に対する第二ブーム11の立設角度が第一ブーム10の立設角度よりも大きくなるように構成している。
【0019】
このように、第一ブーム10を最大限持ち上げた状態において、第一ブーム10及び第二ブーム11が後方に傾斜した姿勢となるように構成するとともに、地面に対する第二ブーム11の立設角度が第一ブーム10の立設角度よりも大きくなるように構成することにより、バックホウ装置5の前方及び後方への突出量を小さく抑えて、該バックホウ装置5の旋回半径を小さく構成することが可能となっている。
【0020】
図3乃至図7においてキャビン7の構成について説明する。
キャビン7は旋回台4のに配設されており、該旋回台4の旋回半径より外側に突出しない形状に構成されている。該キャビン7内には運転席6が配設されており、該キャビン7内に置いて作業者が運転席6に座り作業可能に構成されている。キャビン7はルーフ部7r、前部支柱7f・7f、側部支柱7sおよび後部支柱7bにより構成されており、該前部支柱7f・7f、側部支柱7sおよび後部支柱7bの下端は前記旋回台4上に固設され上端においてルーフ部7rを支持している。
【0021】
キャビン7の前面にはフロントガラス71が配設されており、作業者が運転席より該フロントガラス71を介して前方を視認可能に構成されている。該フロントガラス71は正面視で右上方の角を取り除いた長方形に構成されており、前記前部支柱7f・7f間に配設されている。ルーフ部7rにはアーム7aが回動自在に枢支されており、該アーム7a前端はハンドル81にが固設されている。該ハンドル81はフロントガラス71に、該ハンドル81を上方に移動させることにより該フロントガラス71を開閉可能に構成している。
【0022】
該キャビン7の前面の上部にはフロントコーナーガラス72が配設されており、該フロントコーナーガラス72の下部は、前記フロントガラス71の上部に沿う形状に構成されている。該フロントコーナーガラス72の右下部は該フロントコーナーガラス72の左下部よりも下方に延出されており、フロントガラス71による視認不可の部分を補う構成になっている。該フロントコーナーガラス72はキャビン7のルーフ部7rに延出されており、該ルーフ部7rの上方の視界を得る構成になっている。
【0023】
次に、キャビン7の前部支柱7fの構成について説明する。
図7に示すように、前部支柱7fは異形フレームにより構成されており、内側面部には後述するガイドローラー82を挿入する段が構成されている。該前部支柱7fの前面には保持部材74が溶接固定されており、該保持部材74および前記前部支柱7fに設けられた段により構成される凹部にガイドローラー82を配設可能に構成している。該ガイドローラー82は前記フロントガラス71保持するフロントガラスフレーム73に回動自在に枢支されており、前記保持部材74および前記前部支柱7fに設けられた段により構成される凹部内を摺動自在に構成されている。また、前記保持部材74の内側縁周部にはシール部材82が装着されており、該シール部材82が前記フロントガラス71が閉じられた状態において、該フロントガラス82に密着する構成になっている。これにり、保持部材74および前記前部支柱7fに設けられた段により構成される凹部に雨水および塵埃の侵入を防止する。
【0024】
上記構成において、前部支柱7fを段を設けた異形パイプにより構成し、該前部支柱7fに保持部材74を固設し、該保持部材74および前部支柱7fに設けた段によりガイドローラー82を摺動可能な凹部を構成するのため、該前部支柱7fを容易に構成出来、該前部支柱7fを製造するためのコストを下げることができる。また、保持部材82を前部支柱7fの前面より固定するため、容易な作業により該保持部材82を前部支柱7fに固設するとができ、キャビン7を構成する作業が容易になり該キャビン7の製造コストを低減可能である。また、上記の如く前部支柱7fを構成するので、該前部支柱7fの左右方向の幅を大きくすることなく該前部支柱7fの強度を維持すると同時に前記ガイドローラー82が摺動する部分を構成できる。このため、該フロントガラス71の幅を減少する必要がない。
【0025】
次に、キャビン7に装着されるドア91の構成について説明する。
ドア91はのキャビン7の外側の前部支柱7fと側部支柱7s間に配設されており、該ドア91の後端は側部支柱7sに固設されたヒンジに接続されている。該ドア91を開閉した場合には該ドア91は前記側部支柱7sに固設したヒンジを回動中心として回動可能に構成されている。該ドア91を開くことにより、作業者がキャビン7内に乗降可能に構成されている。該ドア91は前部91aおよび後部91bに分割されており、該前部91a及び後部91bは該ドア91の中央部に配設されたヒンジにより接続されている。該ヒンジによりドア91の中央部が屈曲可能に構成されている。
【0026】
該ドア91の内側該ヒンジ配設部には弾性体93が配設されており、該弾性体93の端部は前記前部91aおよび後部91bにそれぞれ接続されている。該構成において、弾性体93がドア91の内側に配設されているため、該弾性体93は前記ドア91の前部91aおよび後部91bは該前部91aおよび後部91bを接続するヒンジを中心として外側に開く方向に付勢している。また、該ドア91を自然状態において平面視した形状は、前記旋回台4の平面視した曲面に沿う形状に構成されている。該ドア91を開きキャビン7の後部側面に係止した場合に、該ドア91は該旋回台4の曲線に沿い該旋回台4の旋回半径より外側に突出しない構成になっている。該ドア91は旋回半径内において保持されると共に、キャビン7の後側部に沿って保持される。また、該ドア91は閉じた状態において、該ドア91の前部91aの前端は前記前部支柱7fの後側段付部に係止されており、前記弾性体93が圧縮され、該キャビン7の該ドア91配設側の前部支柱7fと側部支柱7sを結ぶ直線より外側に突出し、前記旋回台4の該側面に沿う形状に構成されている。
【0027】
上記の如くドア91を構成するため、該ドア91を閉じた状態においてキャビン7内の運転席6の外側に空間を設ける事ができ、該キャビン7内における運転席6付近の空間を広げることができる。これにより作業者のキャビン7内における作業空間を大きくできる。該ドア91を開きキャビン7の後部側面に係止することにより該ドア91が旋回台4の外側面に沿う形状で保持され、該ドア91により旋回半径が大きくなることがない。このため、キャビン7をコンパクトに構成できる。
【0028】
次に、キャビン7のルーフ部7rの構成について説明する。
ルーフ部7rにはエアーコンディデョナーユニット100が配設されており、ルーフ部7rの該エアーコンディデョナーユニット100が配設された部分の上面は盛り上がった形状に構成されている。該ルーフ部7rは該エアーコンディデョナーユニット100の配設部のみが上方に突出した構成になっている。即ち、ルーフ部7rにおいてエアーコンディデョナーユニット100の配置空間を確保可能に構成しており、ルーフ部7r内の空間を有効に使用できる。これにより該ルーフ部7rをコンパクトに構成かのうであり、エアーコンディデョナーユニット100の配置した状態のキャビン7の全高を減少できる。また、該ルーフ部7rを上記の如く構成するので、該ルーフ部7rの突出部により該ルーフ部7rの強度がまし、該ルーフ部7rのねじれおよび歪みを防止する補強部材を減少できる。これによりルーフ部7rを容易に構成可能であり、該ルーフ部7rの製造コストが減少する。
【0029】
次に、フロントガラス71の構成について説明する。
該フロントガラス71は前述の如くプルアップ構造を有しており、キャビン7内においてルーフ部7rの下方に収納可能に構成されている。キャビン7のルーフ部7rは図5に示すように、該ルーフ部7rの左側後部が略円弧上にに構成されており、前記キャビン7の下方に配設されている旋回台4の形状に合わせられている。これによりキャビン7により運転部9の旋回半径が大きくなることがない。該フロントガラス71はルーフ部7rの下方に収納されるため、該フロントガラス71をルーフ部7rの下方に収納した場合に、該フロントガラス71がルーフ部7rより突出しない形状に構成されている。すなわち、図3に示すように該フロントガラス71の右上部が平面視したルーフ部7rの右側後部の形状に沿う様に構成されている。
【0030】
該構成をとるため、キャビン7のルーフ部7rの収納空間を最大限に活用出来るフロントガラス71を構成可能であり、キャビン7において該フロントガラス71を介して視認可能な視野を拡大できる。また、容易な構成によりフロントガラス71を構成するため該フロントガラス71の製作コストを低減できる。さらに、上記の構成をとるため該フロントガラス71の横幅を広く構成でき、該キャビン7内の居住性を向上する。
【0031】
次に、フロントコーナーガラス72の構成について説明する。
該フロントコーナーガラス72はキャビン7の前面上部およびルーフ部7rに配設されており、運転席に座した作業者の上部および上斜め方向の視界を確保可能に構成されている。該フロントコーナーガラス72のキャビン7の前面に配設された部分の下部は前述のフロントガラス71の上端に沿った形状に構成されており、正面視で該フロントコーナーガラス72の下部右角は、図3に示すように、下方に延出されている。
【0032】
これにより、前述のフロントガラス71を介して視認出来ない部分を該フロントコーナーガラス72の下部により補う事ができ、該フロントガラス71をキャビン7のルーフ部7rに収納可能に構成した場合においてもキャビン7の前面の視界が減少することがない。このため、キャビン7内の作業者の作業環境を向上でき、キャビン7内における作業性および居住性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の超小旋回作業機を示す側面図である。
【図2】同じく後面図である。
【図3】キャビンの構成を示す正面図である。
【図4】同じく側面図である。
【図5】同じく平面図である。
【図6】フロントガラスの収納構成を示す側面図である。
【図7】キャビンの前部支柱の構成を示す平面断面図である。
【図8】ドアの開閉状態を示す平面図である。
【図9】従来のキャビンフレームを示す平面断面図である。
【符号の説明】
【0034】
O (下部回動軸の)軸心
P (上部回動軸の)軸心
1 走行装置
4 旋回台
9 運転部
7 キャビン
7f 前部支柱
7s 側部支柱
71 フロントガラス
72 フロントコーナーガラス
91 ドア
100 エアコンディショナーユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回台の運転部横側方に上下回動自在に取り付けられた第一ブーム、該第一ブームの先端部に左右方向へ回動自在に取り付けられた第二ブーム、該第二ブームに左右方向へ回動可能に取り付けられた第三ブーム、該第三ブームに上下方向に回動可能に取り付けられたアーム、該アームの先端に取り付けられた作業用アタッチメント、及び、運転部を覆うキャビンを有し、キャビンが旋回台の旋回径内に格納される超小旋回作業機において、該キャビンの前面にはフロントガラスを配設し、上面にはルーフ部を配置し、該ルーフ部は、前記旋回台の形状に合わせて、左側後部を略円弧上に構成し、前記フロントガラスは、キャビン内においてルーフ部の下方に収納可能とし、該フロントガラスをルーフ部の下方に収納した場合に、該フロントガラスの右上部が、ルーフ部の平面視において左側後部の略円弧状部から突出しない形状とすべく、該フロントガラスを正面視で、長方形から右上方の角を取り除いた形状としたことを特徴とする超小旋回作業機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−266082(P2006−266082A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173203(P2006−173203)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【分割の表示】特願平10−250996の分割
【原出願日】平成10年9月4日(1998.9.4)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【出願人】(000005164)セイレイ工業株式会社 (125)
【Fターム(参考)】