説明

車両用アウトサイドミラー装置

【課題】従来の車両用アウトサイドミラー装置では、直左ミラー(30、30)のミラー面の角度を調整することができない点にある。
【解決手段】サブミラー42をミラー面角度調整機構6を介してミラーハウジング40にミラー面角度調整可能に装備する。この結果、ミラー面角度調整機構6により、サブミラー42の反射面の角度を、ドライバーのアイポイントIPに合わせて調整することができる。これにより、身長の高低差があるいかなるドライバーでも、サブミラー42を介して車両のドライバー席と反対側の下方を視認することができるので、自動車Cの周囲の死角が無くなり、交通安全に貢献することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体に固定されるベースと、前記ベースに装備されているミラーアセンブリと、を備える車両用アウトサイドミラー装置であって、前記ミラーアセンブリには、後方視認用のメインミラーと下方視認用のサブミラーとがそれぞれ設けられている車両用アウトサイドミラー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用アウトサイドミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、従来の車両用アウトサイドミラー装置について説明する。なお、括弧つきの符号は、特許文献1、特許文献2にそれぞれ対応する。この車両用アウトサイドミラー装置は、車体(A)に固定されるミラーベース(10、11)と、前記ミラーベース(10、11)に装備されているミラーハウジング(20、12)と、を備えるものであって、前記ミラーハウジング(20、12)には、後方視認用のミラー(23b、M)と下方視認用の直左ミラー(30、30)とがそれぞれ設けられているものである。
【0003】
以下、前記の車両用アウトサイドミラー装置の作用について説明する。ミラー(23b、M)により車両の後方を視認し、かつ、直左ミラー(30、30)により車両の下方を視認することができる。前記の車両用アウトサイドミラー装置は、直左ミラー(30、30)により下方を視認するものであるから、CCDカメラなどの撮像装置を使用して下方を視認する装置(システム)と比較して製造コストが非常に安価である。また、前記の車両用アウトサイドミラー装置は、直左ミラー(30、30)により下方を視認するものであるから、後方視認専用の車両用アウトサイドミラー装置と別個に車両の前方の角部に装備する下方視認用の補助用ミラー装置と比較して下記の事項において有利である。すなわち、補助用ミラー装置は、車両の前方の角部に装備するので、車両のデザインやイメージなどを損なう虞がある。また、車両のデザインやイメージなどを損なうのを防止するために小形化すると、見難くなり、下方の情報を正確に伝えることが難しくなる。さらに、後方視認専用の車両用アウトサイドミラー装置と別個に下方視認用の補助用ミラー装置を装備する必要があるので、その分、製造コストが高価となる。さらにまた、ヘッドランプが縦長の場合には、補助用のミラー装置を設けることができない。これに対して、前記の車両用アウトサイドミラー装置は、車両のデザインやイメージなどを損なうことがなく、また、下方の情報を正確に伝えることができ、さらに、製造コストを安価にすることができ、さらにまた、ヘッドランプが縦長の場合でも設けることができる。
【0004】
ところが、前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置においては、ミラーハウジング(20、12)に直左ミラー(30、30)をただ単に設けたものである。このために、前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置は、直左ミラー(30、30)のミラー面の角度を調整することができない。
【0005】
【特許文献1】特開2004−196206号公報
【特許文献2】特開2004−196216号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする問題点は、前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置では、直左ミラー(30、30)のミラー面の角度を調整することができないと言う点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、サブミラーをミラー面角度調整機構を介してミラーハウジングにミラー面角度調整可能に装備する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラー面角度調整機構により、サブミラーの反射面の角度を、ドライバーのアイポイントに合わせて調整することができる。この結果、この発明の車両用アウトサイドミラー装置は、身長の高低差があるいかなるドライバーでも、サブミラーを介して車両のドライバー席と反対側の下方を視認することができるので、車両の周囲の死角が無くなり、交通安全に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例の4例を図面に基づいて詳細に説明する。この例は、たとえば、自動車(車両)Cのドアに装備されるドアミラーについて説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。図面において、符号「F」は、自動車Cの前(自動車Cの前進方向)を示す。符号「B」は、自動車Cの後を示す。符号「U」は、ドライバー側から前Fを見た場合の上を示す。符号「D」は、ドライバー側から前Fを見た場合の下を示す。符号「L」は、ドライバー側から前Fを見た場合の左を示す。符号「R」は、ドライバー側から前Fを見た場合の右を示す。また、この明細書および特許請求の範囲に記載中の「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、図面に記載中の符号「F」、「B」、「U」、「D」、「L」、「R」と同じ意味である。
【実施例1】
【0010】
図1〜図5は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示す。以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。図において、符号1Lは、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置である。この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置1L(以下、単に左側ドアミラー1Lと称する)は、図2および図3に示しように、ドライバー席(図3に示すドライバーのアイポイントIP側の席)が自動車Cの右R側の場合の例であって、自動車Cの左L側のドアに装備される左側ドアミラーである。ここで、ドライバー席が自動車Cの左L側の場合には、自動車Cの右R側のドアに装備される右側ドアミラーとなる。なお、図3に示すように、自動車Cの右R側のドアには、通常のドアミラー(右側ドアミラー)1Rが装備されている。
【0011】
前記左側ドアミラー1Lは、車体すなわちドアに固定されるベース2と、前記ベース2に電動格納ユニット3を介して傾倒可能に装備されているミラーアセンブリ4と、ミラー面角度調整機構6とを備えるものである。
【0012】
前記ベース2は、前記ドアに固定される固定部20と、前記電動格納ユニット3が取り付けられている取付部21と、から構成されている。前記固定部20は、ほぼ垂直をなし、一方、前記取付部21は、ほぼ水平をなし、前記固定部20のほぼ中央から前記取付部21が一体に突設されている。前記取付部21の後B側の側面のほぼ中央には、カバー部22が後B側に一体に突設されている。前記カバー部22は、前記ミラーアセンブリ4が図5(A)に示す使用位置に位置する場合において、後記挿通孔45を覆うためのものである。なお、この例では、前記カバー部22を前記取付部21の後B側に設けるものであるが、この発明においては、カバー部を取付部の前側に設けても良いし、また、カバー部を取付部の前後両側に設けても良いし、さらに、カバー部を取付部に設けなくても良い。
【0013】
前記ミラーアセンブリ4は、たとえば樹脂製のミラーハウジング40と、後方視認用のメインミラー41と下方視認用のサブミラー42とから構成されている。前記ミラーハウジング40は、一面(後B側の面)43が開口し、かつ、その他の面44が閉塞した中空形状をなすものである。前記ミラーハウジング40閉塞部44のドライバー側の側面、すなわち、右R側の側面のほぼ中央には、前記取付部21が挿通する挿通孔45が設けられている。
【0014】
前記挿通孔45は、前記ミラーアセンブリ4が前記ベース2に対して図5に示すように傾倒する際に、前記ミラーハウジング40と前記取付部21および前記カバー部22とが前記ミラーアセンブリ4の傾倒を妨げることを、防止するためのものである。前記ミラーアセンブリ4が前記ベース2に対して傾倒する状況としては、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す格納位置に前記電動格納ユニット3により電動格納する状況、逆に、図5(B)に示す格納位置から図5(A)に示す使用位置に前記電動格納ユニット3により電動復帰する状況、また、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置に手動もしくは当たり荷重により傾倒する状況、逆に、図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置から図5(A)に示す使用位置に手動により戻る状況などがある。
【0015】
前記メインミラー41は、前記ミラーハウジング40の前記開口部43に設けられている。前記メインミラー41は、パワーユニット(図示せず)を介して取り付けられており、かつ、前記メインミラー41の反射面は、前記開口部43に臨まれている。前記メインミラー41の反射面は、自動車Cの左側の後方を視認するためのものであって、前記パワーユニットの遠隔操作により、ほぼ水平軸(図示せず)回りに上下U−D方向に、また、ほぼ垂直軸(図示せず)回りに左右L−R方向に、それぞれ傾倒可能である。この結果、前記メインミラー41の反射面で視認する後方の範囲をドライバーにあわせて調整することができる。
【0016】
前記サブミラー42は、図1に示すように、前記ミラーハウジング40の前記閉塞部44の前記挿通孔45よりも下方の位置に設けられている。すなわち、前記ベース2の取付部21の位置を前記ミラーハウジング40の閉塞部44の側面のほぼ中央に位置させることにより、前記ミラーハウジング40の閉塞部44の側面の下D側部分には、前記サブミラー42を設けるためのスペースが得られる。しかも、前記ミラーハウジング40の閉塞部44の側面の下側部分は、前記サブミラー42で自動車Cの下方を視認するのには最適な部分である。
【0017】
前記サブミラー42は、たとえば樹脂製から構成されている。また、前記サブミラー42は、図4(A)に示すように、前記ミラーハウジング40と別個に構成されている。さらに、前記サブミラー42は、前記ミラーハウジング40に着脱可能に取り付けられている。そして、前記サブミラー42の反射面は、図2および図3に示すように、自動車Cの左側の下方、すなわち、ドライバー席と反対側の左側前輪およびその周囲の範囲(図2および図3中の斜線が施された部分の範囲)を視認するためのものである。
【0018】
前記電動格納ユニット3は、図4に示すように、固定側部分30と、回動側部分31と、前記固定側部分30にほぼ垂直に固定されているシャフト(図示せず)と、前記回動側部分31に内蔵されているモータ(図示せず)と、前記シャフトと前記モータとの間に設けられた減速機構(図示せず)およびクラッチ機構(図示せず)とか構成されている。前記固定側部分30は、前記取付部21の上面に取り付けられており、一方、前記回動側部分31は、前記ミラーハウジング40に取り付けられている。この結果、前記ミラーアセンブリ4は、前記ベース2の取付部21に前記電動格納ユニット3を介して中吊り式で傾倒可能に取り付けられている。そして、前記モータを駆動させると、前記モータの回転力が前記減速機構を介して前記クラッチ機構に伝達されて、前記回動側部分31が前記固定側部分30に対して前記シャフトのほぼ垂直な回転中心線O−O回りに左右に回動する。これに伴なって、前記ミラーハウジング40を介して前記ミラーアセンブリ4は、図5に示すように、前記取付部21、すなわち、前記ベース2に対して傾倒する。前記左側ドアミラー1Lに使用される前記電動格納ユニット3は、既存の電動格納ユニットをそのまま使用することができる。
【0019】
前記ミラー面角度調整機構6は、サブミラー42をミラーハウジング40にミラー面角度調整可能に装備するものである。前記ミラー面角度調整機構6は、図4に示すように、前記サブミラー42と一体のユニット構造をなす。すなわち、前記ミラー面角度調整機構6は、支持部材60と、前記支持部材60に前記サブミラー42をミラー面角度調整可能に支持するピボット部材61と、前記支持部材60と前記サブミラー42との間に設けられた蛇腹62とから構成されている。前記ミラー面角度調整機構6および前記サブミラー42は、前記ミラーハウジング40の右R側面から下D側面にかけての湾曲した角部の部分に取り付けられている。前記ミラーハウジング40の右R側面から下D側面にかけての湾曲した角部の部分は、ベース2の取付部21および電動格納ユニット3を覆うカバー形状をなすものであって、中空形状をなす。このために、前記ミラーハウジング40の右R側面から下D側面にかけての湾曲した角部の部分に前記ミラー面角度調整機構6を設けることができる。
【0020】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(左側ドアミラー1L)は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(左側ドアミラー1L)の作用について説明する。
【0021】
まず、メインミラー41の反射面で自動車Cの左側の後方を視認することができる。また、サブミラー42の反射面で自動車Cの左側の下方、すなわち、ドライバー席と反対側の左側前輪およびその周囲の範囲(図2および図3中の斜線が施された部分の範囲)を視認することができる。これにより、自動車Cの周囲の死角が無くなり、交通安全に貢献することができる。
【0022】
また、電動格納ユニット3を駆動させると、ミラーアセンブリ4がベース2に対して、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す格納位置に電動格納され、また逆に、図5(B)に示す格納位置から図5(A)に示す使用位置に電動復帰する。また、手動により、ミラーアセンブリ4がベース2に対して、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置に傾倒し、また逆に、図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置から図5(A)に示す使用位置に戻される。さらに、図5(A)に示す使用位置に位置するミラーアセンブリ4に何かが当たって荷重がかかると、緩衝のために、ミラーアセンブリ4がベース2に対して、図5(A)に示す使用位置から図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置に傾倒する。この緩衝のために傾倒したミラーアセンブリ4を、電動格納ユニット3の駆動もしくは手動により、図5(B)に示す後方傾倒位置(格納位置)または図5(C)に示す前方傾倒位置にから図5(A)に示す使用位置に電動復帰もしくは手動復帰させることができる。
【0023】
さらに、サブミラー42を、手動により、ミラー面角度調整機構6のピボット部材61の球部の中心を通る軸回りに回転させる。これにより、サブミラー42の反射面の角度を、ミラー面角度調整機構6により、ドライバーのアイポイントIPに合わせて調整することができる。
【0024】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(左側ドアミラー1L)は、以上のごとき構成作用からなり、以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(左側ドアミラー1L)の効果について説明する。
【0025】
左側ドアミラー1Lは、サブミラー42の反射面の角度を、ミラー面角度調整機構6により、ドライバーのアイポイントIPに合わせて調整することができる。これにより、左側ドアミラー1Lは、身長の高低差があるいかなるドライバーでも、サブミラー42を介して自動車Cの左側の下方、すなわち、ドライバー席と反対側の左側前輪およびその周囲の範囲(図2および図3中の斜線が施された部分の範囲)を視認することができる。この結果、自動車Cの周囲の死角が無くなり、交通安全に貢献することができる。
【0026】
また、左側ドアミラー1Lは、支持部材60とサブミラー42との間に蛇腹62を設けたので、この蛇腹62により、支持部材60とサブミラー42との間の隙間を無くすことができる。この結果、風切り音を防止でき、また、水がミラー面角度調整機構6内に侵入するのを防止することができる。
【0027】
特に、左側ドアミラー1Lは、サブミラー42とミラー面角度調整機構6とが一体のユニット構造をなすものであるから、構成部品点数を軽減することができ、構成部品管理が簡略化され、コストを安価にすることができる。
【実施例2】
【0028】
図6は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す。以下、この実施例2における車両用アウトサイドミラー装置(以下、単に左側ドアミラー1Lと称する)について説明する。図中、図1〜図5と同符号は、同一のものを示す。
【0029】
左側ドアミラー1Lは、ミラー面角度調整機構6と一体構造をなすものである。すなわち、図6に示すように、左側ドアミラー1Lのミラーハウジング40に凹形状の支持部材63を設ける。前記支持部材63に前記サブミラー42をピボット部材61によりミラー面角度調整可能に支持する。前記ミラーハウジング40と一体の前記支持部材63と前記サブミラー42との間に蛇腹62を設ける。
【0030】
左側ドアミラー1Lは、ミラー面角度調整機構6と一体構造をなすものであるから、構成部品点数を軽減することができ、構成部品管理が簡略化され、コストを安価にすることができる。
【0031】
以下、前記の実施例1および2の例について説明する。前記の実施例1および2においては、サブミラー42と、一体構造のミラー面角度調整機構6の支持部材60、または、ミラーハウジング40と一体の支持部材63との間に蛇腹62を設けたものであるが、この発明においては、蛇腹62を設けなくても良い。
【0032】
また、前記の実施例1および2においては、ドアミラーについて説明したが、この発明においては、その他の車両用アウトサイドミラー装置、たとえば、フェンダミラーやトラックミラーなどにも適用することができる。
【0033】
さらに、前記の実施例1および2においては、ミラーアセンブリ4を中吊り式で取り付ける例について説明したが、この発明においては、前記の特許文献1および特許文献2のように、ミラーアセンブリを吊り下げ式で取り付ける車両用アウトサイドミラー装置、または、ミラーアセンブリをベースに載置した状態で取り付ける通常の車両用アウトサイドミラー装置にも適用することができる。
【0034】
さらにまた、前記の実施例1および2においては、サブミラー42をミラーハウジング40と別個に構成するものである。ところが、この発明においては、サブミラーとミラーハウジングとを一体に構成しても良い。この場合、ミラーハウジングの外面にアルミ蒸着や銀塗装などの反射面処理を施し、そのミラーハウジングのうちサブミラーに対応する部分をマスクし、その他の部分の反射面処理が施されている外面に不透明な塗装などの化粧面処理を施すことにより、ミラーハウジングと一体のサブミラーを構成することができる。または、ミラーハウジングの外面に不透明な塗装などの化粧面処理を施し、そのミラーハウジングのうちサブミラーに対応する部分以外の部分をマスクし、その部分の化粧面処理が施されている外面にアルミ蒸着や銀塗装などの反射面処理を施すことにより、ミラーハウジングと一体のサブミラーを構成することができる。ミラーハウジングとサブミラーとを一体に構成することにより、構成部品数を低減でき、かつ、構成部品の管理が簡略化され、その分、製造コストを安価にすることができる。また、前記の実施例1〜3においては、サブミラー42を樹脂製としたが、ガラス製でも良い。
【0035】
さらにまた、前記の実施例1および2においては、サブミラー42が1個であるが、この発明においては、サブミラーを2個以上に分割しても良い。この場合、ミラーハウジングの側面から下面にかけての湾曲した角部に複数個のサブミラーを設けるのにも拘わらず、この複数個のサブミラーを平面に近い形状に形成することができる。すなわち、複数個のサブミラーの曲率を小さくすることができ、または、複数個のサブミラーの曲率半径を大きくすることができる。この結果、平面に近い形状の複数個のサブミラーの反射面により、反射像が歪んで見えることが無く、正確な情報を確保することができ、交通安全に貢献することができる。
【0036】
さらにまた、この発明においては、ミラーハウジングにサブミラーの下方視認範囲を照明する照明手段を設けても良い。この照明手段により、サブミラーの下方視認範囲とほぼ同等の範囲、もしくは、サブミラーの下方視認範囲よりも一回り広い範囲を照明することができるので、夜間の視認性が確実に確保され、交通安全に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示す斜視図である。
【図2】同じく、自動車に装備された状態を示す側面図である。
【図3】同じく、自動車に装備された状態を示す平面図である。
【図4】同じく、ミラー面角度調整機構を示す一部を破断した正面図である。
【図5】同じく、ミラーアセンブリがベースに対して傾倒する状態を示す説明図である。
【図6】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す示す一部を破断した正面図である。
【符号の説明】
【0038】
1L 左側ドアミラー(車両用アウトサイドミラー装置)
1R 右側ドアミラー
2 ベース
20 固定部
21 取付部
22 カバー部
3 電動格納ユニット
30 固定側部分
31 回動側部分
32 ボルト
4 ミラーアセンブリ
40 ミラーハウジング
41 メインミラー
42 サブミラー
43 開口部
44 閉塞部
45 挿通孔
6 ミラー面角度調整機構
60、63 支持部材
61 ピボット部材
62 蛇腹
C 自動車(車両)
IP アイポイント
F 前
B 後
U 上
D 下
L 左
R 右
O−O 回転中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方視認用のメインミラーと下方視認用のサブミラーとがそれぞれ設けられている車両用アウトサイドミラー装置において、
車体に固定されるベースと、前記ベースに装備されているミラーアセンブリと、を備え、
前記ミラーアセンブリは、ミラーハウジングと、前記ミラーハウジングにそれぞれ設けられている前記メインミラーおよび前記サブミラーと、から構成されており、
前記サブミラーは、ミラー面角度調整機構を介して前記ミラーハウジングにミラー面角度調整可能に装備されている、
ことを特徴とする車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項2】
前記サブミラーと前記ミラー面角度調整機構とは、ユニット構造をなす、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項3】
前記サブミラーと前記ミラーハウジングまたはユニット構造の前記ミラー面角度調整機構との間には、風切音防止手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用アウトサイドミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−111129(P2006−111129A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300374(P2004−300374)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】