車両用スイッチ
【課題】小さな電流に対応して通電経路を増やす車両用スイッチを提供する。
【解決手段】ブラケット1と、ターミナル2と、ホルダー3と、ボタン4と、コイルスプリング5とからなり、ブラケット1の補助支持面11及びアース接続面12、ホルダー3、ターミナル2のプラス接続面22それぞれに開口した補助貫通孔121、アース貫通孔131、ホルダー貫通孔313及びプラス貫通孔221に貫通させたボタン4をコイルスプリング5により付勢し、プラス接続面22に前記ボタン4の接点部位42を係合させた車両用スイッチにおいて、ボタン4は、アース貫通孔131及びプラス貫通孔221の周縁に常時非接触としながら、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5によるボタン4の付勢方向SDをボタン4の移動方向BDと異ならせることにより傾倒させ、補助貫通孔121の周縁に常時接触させるようにした車両用スイッチである。
【解決手段】ブラケット1と、ターミナル2と、ホルダー3と、ボタン4と、コイルスプリング5とからなり、ブラケット1の補助支持面11及びアース接続面12、ホルダー3、ターミナル2のプラス接続面22それぞれに開口した補助貫通孔121、アース貫通孔131、ホルダー貫通孔313及びプラス貫通孔221に貫通させたボタン4をコイルスプリング5により付勢し、プラス接続面22に前記ボタン4の接点部位42を係合させた車両用スイッチにおいて、ボタン4は、アース貫通孔131及びプラス貫通孔221の周縁に常時非接触としながら、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5によるボタン4の付勢方向SDをボタン4の移動方向BDと異ならせることにより傾倒させ、補助貫通孔121の周縁に常時接触させるようにした車両用スイッチである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車が有する各種機能の作動又は非作動等を検知する車両用スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、多種多様な各種機能の作動又は非作動等を、ランプ等の報知手段により運転手又は同乗者に確知させる。例えば、シートベルトの非着用(非作動やパーキングブレーキの作動は、フロントパネルのランプを点灯させて、運転手に確知させる。こうした各種機能の作動又は非作動は、前記作動又は非作動に対応して通電又は遮断する車両用スイッチを利用する。こうした車両用スイッチは、安価かつ簡素な構造を維持しながら、作動の確実性を図るため、例えば特許文献1が開示する構成を採用している。
【0003】
特許文献1は、アース端子(第1端子部)から断面コ字状に補助支持面(補助支持部)及びアース接続面(第1接続部)を張り出した金属製のブラケット(第1電極部)と、プラス端子(第2端子部)とプラス接続面(第2接続面)とを設けた金属製のターミナル(第2電極部)と、アース接続面及びプラス接続面を絶縁状態で取り付けてブラケット及びターミナルを組み付ける樹脂製のホルダー(スペーサ部)と、ホルダーに組み付けたブラケットの補助支持面からターミナルのプラス接続面までの距離より長く、付勢部位(上部係合部)及び接点部位(通電用突起)を設けた金属製のボタン(スイッチ部)と、ボタンを移動方向の一方に付勢する導電部材であるコイルスプリング(コイルバネ)とから構成される車両用スイッチを開示している。特許文献1が開示する車両用スイッチは、ボタンの移動方向と、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向とが一致している。
【0004】
特許文献1が開示する車両用スイッチは、補助支持面、アース接続面、ホルダー及びプラス接続面それぞれに連通関係にある補助貫通孔、アース貫通孔、ホルダー貫通孔及びプラス貫通孔を開口し、全貫通孔にわたってボタンを貫通させ、ボタンの付勢部位とアース接続面との間にコイルスプリングを介装させ、補助貫通孔から突出させるようにボタンを付勢し、プラス接続面に前記ボタンの接点部位を係合させている。ボタンは、補助貫通孔及びプラス貫通孔の周縁に非接触とされ、アース貫通孔の周縁に接触させながら、ホルダー貫通孔に支持されている。特許文献1が開示する車両用スイッチは、ボタンが押されなければ、ターミナルのプラス接続面に接点部位が係合し、ボタンがアース貫通孔の周縁に接触し、かつ付勢部位からコイルスプリングを介してアース接続面と通電するが、ボタンが押されると、ターミナルのプラス接続面から接点部位が外れ、遮断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-129413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、車両における消費電力を低減する目的から、通電における電流を抑える傾向にある。ところが、特許文献1が開示する車両用スイッチのままでは、電流が小さくなると通電の有無が判別し難しくなる。特に、特許文献1が開示する車両用スイッチは、ボタンが押されなければ、ターミナルのプラス接続面に接点部位が係合し、ボタンがアース貫通孔の周縁に接触し、かつ付勢部位からコイルスプリングを介してアース接続面と通電するようにしているが、実際にはボタンがアース貫通孔の周縁に安定して接触することが難しく、どうしてもコイルスプリグを介した経路でしか通電できなかった。そこで、特許文献1が開示する車両用スイッチの利点を残しながら、小さな電流に対応して通電経路を増やす車両用スイッチの構造について検討した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
検討の結果開発したものが、自動車が有する各種機能の作動又は非作動等を検知する車両用スイッチであって、アース端子から断面コ字状(又は断面U字状)に補助支持面及びアース接続面を張り出した導電部材であるブラケットと、プラス端子とプラス接続面とを設けた導電部材であるターミナルと、アース接続面及びプラス接続面を絶縁状態で取り付けてブラケット及びターミナルを組み付ける絶縁部材であるホルダーと、ホルダーに組み付けたブラケットの補助支持面からターミナルのプラス接続面までの距離より長く、付勢部位及び接点部位を設けた導電部材であるボタンと、ボタンを移動方向の一方に付勢する導電部材であるコイルスプリングとからなり、補助支持面、アース接続面、ホルダー及びプラス接続面それぞれに連通関係にある補助貫通孔、アース貫通孔、ホルダー貫通孔及びプラス貫通孔を開口し、全貫通孔にわたってボタンを貫通させ、ボタンの付勢部位とアース接続面との間にコイルスプリングを介装させて補助貫通孔から突出させるようにボタンを付勢し、プラス接続面に前記ボタンの接点部位を係合させた車両用スイッチにおいて、ボタンは、プラス貫通孔の周縁に常時非接触としながら、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させることにより傾倒させ、補助貫通孔の周縁に常時接触させるようにした車両用スイッチである。
【0008】
本発明は、特許文献1が開示する車両用スイッチにおいて、ボタンとアース貫通孔の周縁との常時接触が難しいことから、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させることによりボタンを傾倒させ、アース端子に繋がる補助支持面に開口した補助貫通孔の周縁にボタンを常時接触させるようにした。これから、ボタンとプラス貫通孔の周縁との接触を避けるため、プラス貫通孔は、ボタンの貫通部位の断面より大きく開口し、アース貫通孔及びプラス貫通孔に挟まれるホルダー貫通孔はプラス貫通孔より小さく開口するとよい。ここで、アース貫通孔の周縁に対するボタンの接触は、ボタンを傾倒させて実現することも考えられるが、アース貫通孔とボタンの接点部位とが近い位置関係にあり、無理にボタンをアース貫通孔の周縁に接触させると、接点部位がプラス接続面から離れてしまう虞がある。本発明は、特許文献1同様、コイルスプリングを介して通電経路を確保しながら、物理的には迂回するように見える補助貫通孔の周縁に安定してボタンを接触させて、通電経路を増やしている。
【0009】
本発明の車両用スイッチの通電及び遮断は、特許文献1が開示する車両用スイッチと同じである。各種機能の作動又は非作動は、各種機能の作動又は非作動によって変位する部材を用いてコイルスプリングの付勢に反してボタンを押し込むことにより、接点部位をターミナルのプラス接続面から離隔し、ブラケット及びターミナルを通電状態から遮断状態にすることで検知する。前記部材による押し込みがなくなると、ボタンはコイルスプリングの付勢により原位置に復帰し、再び接点部位をターミナルのプラス接続面に係合させて、ブラケット及びターミナルを遮断状態から通電状態にする。ここで、通電状態を作動状態に対応させれば遮断状態を非作動状態として、逆に通電状態を非作動状態に対応させれば遮断状態を作動状態としてそれぞれ検知できる。このように、本発明の車両用スイッチは、通電状態と遮断状態とを切り換えて、各種機能の作動又は非作動を検知する。
【0010】
付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させ、ボタンを傾倒させる具体的構造は種々考えることができるが、次の構成が安価かつ簡素な構成であることが要求される車両用スイッチに相応しい。すなわち、コイルスプリングは、(1)ホルダー又はアース接続面に設けた踏み台ブロックにスプリング素線の一部を載せ、ボタンの移動方向に対して全体を傾倒させる構成、(2)ホルダー又はアース接続面に設けた規制ブロックにスプリング素線を宛てがわせ、ボタンの移動方向に対して全体を平行に位置ずれさせる構成、又は(3)ボタンの重心を通って移動方向に延びる移動軸線に対して偏った位置に配置された付勢部位を押す構成により、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させる。ここで、「ホルダー又はアース接続面に設けた踏み台ブロック」とは、ホルダー又はアース接続面と一体又は別体に設けた凸部を意味し、ある程度の大きさのブロックのほか、スプリング素線に添う突起やアース接続面を変形させた部位も含む。同様に、「ホルダー又はアース接続面に設けた規制ブロック」とは、ホルダー又はアース接続面と一体又は別体に設けた凸部を意味し、ある程度の大きさのブロックのほか、スプリング素線に添う突起やアース接続面を変形させた部位も含む。
【0011】
(1)の構成は、コイルスプリングの下端側のスプリング素線の一部を踏み台ブロックにより持ち上げることにより、ボタンの移動方向に対してコイルスプリング全体を傾倒させることにより、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させる。(2)の構成は、ボタンの移動方向に対して全体を平行に位置ずれさせることにより、コイルスプリングの上端側のスプリング素線に対する押圧部位の接触点を、ボタンの移動方向に対して全体を平行に位置ずれさせ、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と異ならせる。(3)の構成は、ボタンの重心を通って移動方向に延びる移動軸線に対して付勢部位を偏って配置させることにより、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と異ならせる。ここで、「移動軸線に対して付勢部位を偏って配置させる」とは、例えば単数の付勢部位(厳密には上端側のスプリング素線に対する接触点、以下同じ)を移動軸線から離して配置したり、移動軸線を点対称の中心とせず、線対称の軸線として複数の付勢部位を配置したりすることを意味する。これら(1)〜(3)に見られる構成は、単独で用いることのほか、組み合わせて用いてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の車両用スイッチは、特許文献1が開示する車両用スイッチがもたらす効果、すなわち各種機能の作動又は非作動を検知するための部品点数を少なくし、部品コスト及び組立コストを抑制し、総じて製造コストを低減できる効果を確保しながら、確実に通電経路を増やすことにより、小さな電流でも確実に通電を検知できるようにする効果をもたらす。これにより、動作不良を起こす虞が少なく、信頼性の高い車両用スイッチを提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の(1)の構成に基づく一例を表す斜視図である。
【図2】本発明の(1)の構成に基づく本例を表す正面図である。
【図3】本発明の(1)の構成に基づく本例の図2中A−A断面図である。
【図4】本発明の(2)の構成に基づく別例を表す斜視図である。
【図5】本発明の(2)の構成に基づく別例を表す正面図である。
【図6】本発明の(2)の構成に基づく別例の図5中B−B断面図である。
【図7】本発明の(2)の構成に基づく別例を表す斜視図である。
【図8】本発明の(2)の構成に基づく別例を表す正面図である。
【図9】本発明の(2)の構成に基づく別例の図8中C−C断面図である。
【図10】本発明の(3)の構成に基づく別例を表す斜視図である。
【図11】本発明の(3)の構成に基づく別例を表す正面図である。
【図12】本発明の(3)の構成に基づく別例の図11中D−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明の(1)の構成に基づく一例を表す斜視図、図2は本発明の(1)の構成に基づく本例を表す正面図、図3は本発明の(1)の構成に基づく本例の図2中A−A断面図、図4は本発明の(2)の構成に基づく別例を表す斜視図、図5は本発明の(2)の構成に基づく別例を表す正面図、図6は本発明の(2)の構成に基づく別例の図5中B−B断面図、図7は本発明の(2)の構成に基づく別例を表す斜視図、図8は本発明の(2)の構成に基づく別例を表す正面図、図9は本発明の(2)の構成に基づく別例の図8中C−C断面図、図10は本発明の(3)の構成に基づく別例を表す斜視図、図11は本発明の(3)の構成に基づく別例を表す正面図であり、そして図12は本発明の(3)の構成に基づく別例の図11中D−D断面図である。
【0015】
本例((1)の構成)の車両用スイッチは、図1及び図2に見られるように、導電部材であるブラケット1、ターミナル2、ボタン4及びコイルスプリング5と、絶縁部材であるホルダー3とを組み付けて構成される。導電部材であるブラケット1、ターミナル2、ボタン4及びコイルスプリング5は、金属製を基本とするが、導電性樹脂製であってもよいし、本来絶縁部材である樹脂製で構成しながら、表面に導電面を形成したりしてもよい。また、絶縁部材であるホルダー3は、樹脂製を基本とするが、組み付けるブラケット1とターミナル2とを絶縁状態で組み付けることができればよいため、前記ブラケット1のアース接続面13とターミナル2のプラス接続面22との間に介在する絶縁面31のみを樹脂製又はセラミックス製とし、その他を金属製で構成することもできる。
【0016】
ブラケット1は、アース端子11から補助支持面12及びアース接続面13を張り出して構成される断面コ字状の金属製部材である。アース端子11は、正面から見て右方向(図2参照、図3中紙面奥方向)に張り出した垂直面を形成している。補助支持面12及びアース接続面13は、上下に離れた一対の水平面を形成している。ブラケット1は、後述するホルダー貫通孔221に連通する補助貫通孔121を補助支持面12に、アース貫通孔131をアース接続面13に、それぞれ開口している(図3参照)。本発明は、移動方向と異なる方向に付勢して傾かせたボタン4を、補助貫通孔121の周縁に接触させてブラケット1とボタン4とを導通させるため、アース貫通孔131は後述するホルダー貫通孔313より大きくしてもよいが、補助貫通孔121はボタン4の上下動を妨げない程度にボタン4の貫通部位の断面形状より僅かに大きくするに留めている。このほか、本例のブラケット1は、アース接続面13の一部を凸に変形させた踏み台ブロック133を形成している。
【0017】
ターミナル2は、プラス端子21とプラス接続面22とを一直線上に並べて設けた平板状の金属製部材である。プラス端子21は、正面から見て手前方向(図1参照、図3中紙面右方向)に張り出した水平面を形成している。プラス接続面22は、上述したアース貫通孔131同様、ホルダー貫通孔313に連通するプラス貫通孔221を開口している。プラス貫通孔221は、前記アース貫通孔131と同じ大きさでなくてもよいが、前記アース貫通孔131同様、後述するホルダー貫通孔313より大きくしている。これにより、傾いたボタン4は、補助貫通孔121及びホルダー貫通孔313の周縁に摺接するものの、アース貫通孔131及びプラス貫通孔221の周縁に摺接しなくなる。このほか、本例のターミナル2は、後述するボタン4の接点部位42が差し込まれる接点孔222をプラス接続面22に設けている。これにより、外部からの衝撃や振動によって、前記接点部位42がプラス接続面22から離れなくなり、通電状態を安定に形成できる。
【0018】
ホルダー3は、全体が直方体外形の樹脂製ブロックで、絶縁面31を挟んだ上面側にブラケット1を、同じく下面側にターミナル2を、それぞれ組み付ける。絶縁面31の上面側は、前後方向(図2中紙面直交方向)に延びる左右一対のアース接続面挟持レール311,311を設けている。また、絶縁面31の下面側は、左右方向に延びる前後一対のプラス接続面挟持レール312,312を設けている。絶縁面31は、補助貫通孔121、アース貫通孔131及びプラス貫通孔221と連通するホルダー貫通孔313を開口している。ホルダー貫通孔313は、既述したように、アース貫通孔131及びプラス貫通孔221より小さく、ボタン4にはホルダー貫通孔313の周縁しか摺接しない。
【0019】
ブラケット1は、アース接続面挟持レール311,311に対し、規制ブロック32下方の隙間を通じてアース接続面13を後方から前方に向けて差し込み、ホルダー3に組み付ける。また、ターミナル2は、プラス接続面挟持レール312,312に対してプラス接続面22を右方から左方に向けて差し込み、ホルダー3に組み付ける。これにより、アース接続面13及びプラス接続面22の間に絶縁面31が介在し、記述したように、アース接続面13のアース貫通孔131の周縁やプラス接続面22のプラス貫通孔221の周縁がボタン4に摺接しないため、ブラケット1及びターミナル2をホルダー3に対して絶縁状態で組み付けることができる。本例は、アース接続面13の一部を凸に変形させて踏み台ブロック133を形成し、コイルスプリング5のスプリング素線の下端側の手前(図12中右側)を前記踏み台ブロック133に載せるようにしている。
【0020】
ボタン4は、ホルダー3に組み付けたブラケット1の補助支持面12からターミナル2のプラス接続面22までの距離より長い板状の金属製部材である。本例のボタン4は、中段付近の幅を変えて形成した段差を、移動方向に直交して突出する付勢部位41とし、また下段付近の切り起こしを接点部位42として、それぞれ形成している。このほか、各種機能の作動又は非作動によって変位する部材を用いてボタン4を押し込む部位として、上部を水平に折り曲げて押圧部位43を形成している。本例のボタン4は、前記押圧部位43から下方部分を、上から補助貫通孔121、アース貫通孔131、ホルダー貫通孔313及びプラス貫通孔221にわたって貫通させ、後述するコイルスプリング5の付勢により常態として上方へ押し上げて、下方から接点部位42をプラス接続面22の接点孔222に差し込むようにしている。
【0021】
コイルスプリング5は、金属製の弾性部材であり、ホルダー3に組み付けられたブラケット1の補助支持面12及びアース接続面13の間に介装され、スプリング素線の上端側をボタン4の付勢部位41に係合させ、スプリング素線の下端側をアース接続面13に接触させている。既述したように、本例のボタン4は、接点部位42をプラス接続面22の接点孔222に差し込んで上方への移動を制限し、常態としてコイルスプリング5が付勢部位41に押えられるようにしている。これにより、下端側のスプリング素線はアース接続面13に密着し、安定な車両スイッチの通電状態を形成している。また、各種機能の作動又は非作動によって変位する部材が押圧部位43を押してボタン4を下方へ移動させると、接点部位42は一時的に接点孔222から離れ、車両用スイッチの遮断状態を形成するが、前記変位する部材による押込が無くなれば、ボタン4は伸長するコイルスプリング5に押されて上方へ移動し、再び接点部位42を接点孔222に差し込み、車両スイッチの通電状態を回復させる。
【0022】
本例の車両用スイッチは、アース接続面13に形成した踏み台ブロック133に、コイルスプリング5のスプリング素線の下端側の手前(図12中右側)を前記踏み台ブロック133に載せる。これにより、図3に見られるように、下端側のスプリング素線の手前を持ち上げてコイルスプリング5を撓ませ、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5の付勢方向SDを、補助貫通孔121からプラス貫通孔221にわたって貫通させたボタン4の移動方向BDに対して奥方向(図2中紙面奥方向、図3中紙面左方向)に傾かせ(図3中白抜き矢印参照)、ボタン4を常に補助貫通孔121の奥側の周縁に摺接させることができるようになる。これは、ボタン4が押し込まれて下方へ移動しても補助貫通孔121の周縁に摺接することを意味する。しかし、車両用スイッチとしての遮断状態は、ボタン4が下方に移動して接点部位42がプラス接続面22の接点孔222から外して実現するため、補助貫通孔121の周縁にボタン4が常時摺接しても問題はない。
【0023】
こうして、ボタン4が補助貫通孔121の周縁に常時摺接することにより、車両用スイッチにおける通電経路を増やすことができる。すなわち、第1通電経路Iは、ボタン4の付勢部位41が接触点C1によりコイルスプリング5と接触することにより形成される通電経路であり、具体的にはターミナル2のプラス端子21、プラス接続面22、接点孔222、ボタン4の接点部位42、接触点C1、コイルスプリング5、ブラケット1のアース接続面13、そしてアース端子11に至り、第2通電経路IIは、ボタン4が接触点C2により補助貫通孔121の周縁に摺接する通電経路であり、具体的にはターミナル2のプラス端子21、プラス接続面22、接点孔222、ボタン4の接触点C2、ブラケット1の補助支持面12、そしてアース端子11に至る。
【0024】
ボタン4の移動方向BDと、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5の付勢方向SDとを異ならせ、ボタン4を傾倒させる車両用スイッチは、例えば図4及び図5に見られる別例((2)の構成)のように構成することもできる。別例の部品構成及び組付関係は、上記例示(図1〜図3参照)と同様であるが、下方にアース接続面13より厚い隙間を残した規制ブロック32を、ホルダー3のアース接続面挟持レール311,311に架設している。規制ブロック32は、スプリング素線を添わせ、コイルスプリング5を手前方向(図2中紙面手前方向、図3中紙面右方向)にずらして配置させる。これにより、図6に見られるように、コイルスプリング4の上端側のスプリング素線に接触する付勢部位41は奥方向にずれる結果、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5の付勢方向SDは、補助貫通孔121からプラス貫通孔221にわたって貫通させたボタン4の移動方向BDに対して奥方向(図2中紙面奥方向、図3中紙面左方向)に傾き(図3中白抜き矢印参照)、ボタン4を常に補助貫通孔121の奥側の周縁に摺接させる。こうして、上記例示同様、別例でも、図6に見られるように、通電経路I及び通電経路IIが形成される。こうして、本例の車両用スイッチによれば、小さな電流でも確実に通電を検知できるようになる。
【0025】
また、車両用スイッチは、例えば図7及び図8に見られる別例((2)の構成)のように構成することもできる。別例の部品構成及び組付関係は、上記例示(図1〜図3参照)と同様であるが、コイルスプリング5の位置を手前方向にずらすため、ホルダー3に設けた規制ブロック32に代えて、ブラケット1のアース接続面13に形成した突起からなる規制ブロック132を用いている点が相違する。別例の規制突起132は、上記例示の規制突起32に比べて小さいが、コイルスプリング5は常時付勢状態にあり、アース接続面13に押し付けられているから、規制突起132から外れる虞はない。こうして、上記例示同様、別例でも、図9に見られるように、通電経路I及び通電経路IIが形成される。こうして、本例の車両用スイッチによれば、小さな電流でも確実に通電を検知できるようになる。
【0026】
更に、本発明の車両用スイッチは、図10及び図11に見られる別例((3)の構成)のように構成することもできる。別例の部品構成及び組付関係は、上記例示(図1〜図3参照)と同様であるが、コイルスプリング5の上端側のスプリング素線に対する付勢部位41の接触点C1をずらすため、スプリング素線の上端側を係合させるボタン4の付勢部位44を傾斜させ、接触点C1を奥方向(図12中左方向)にずらしている点が相違する。別例の付勢部位44は、コイルスプリング5の上端側のスプリング素線に対し、ボタン4の延在方向に直交して位置ずれさせ接触点C1(図12参照)で接触し、コイルスプリング5を撓ませることにより、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5の付勢方向SDを傾かせ、前記コイルスプリング5により付勢されるボタン4を傾かせる。こうして、上記例示同様、別例でも、図12に見られるように、通電経路I及び通電経路IIが形成され、小さな電流でも確実に通電を検知できるようになる。
【0027】
上述までに説明した本発明の(1)の構成、(2)の構成、そして(3)の構成は、それぞれ個別にコイルスプリング5の付勢方向をボタン4の移動方向と異ならせる働きを有するが、各構成を選択的又はすべてに組み合わせることにより、より確実にコイルスプリング5の付勢方向をボタン4の移動方向と異ならせることができるようになる。すなわち、例えば(1)の構成に見られる踏み台ブロック133(図1〜図3参照)と(2)の構成に見られる規制ブロック32(図4〜図6参照)又は規制ブロック132(図7〜図9参照)とを組み合わせたり、(1)の構成に見られる踏み台ブロック133と(3)の構成に見られる付勢部位44(図10〜図12参照)とを組み合わせたり、(2)の構成に見られる規制ブロック32又は規制ブロック132と(3)の構成に見られる付勢部位44とを組み合わせたり、更には(1)の構成に見られる踏み台ブロック133、(2)の構成に見られる規制ブロック32又は規制ブロック132、そして(3)の構成に見られる付勢部位44をすべて組み合わせることもできる。
【符号の説明】
【0028】
1 ブラケット
11 アース端子
12 補助支持面
121 補助貫通孔
13 アース接続面
131 アース貫通孔
132 規制ブロック
133 踏み台ブロック
2 ターミナル
21 プラス端子
22 プラス接続面
221 プラス貫通孔
222 接点孔
3 ホルダー
31 絶縁面
311 アース接続面挟持レール
312 プラス接続面挟持レール
313 ホルダー貫通孔
32 規制ブロック
4 ボタン
41 付勢部位
42 接点部位
43 押圧部位
44 傾斜した付勢部位
5 コイルスプリング
I 第1通電経路
II 第2通電経路
C1 第1経路の接触点
C2 第2経路の接触点
BD ボタンの移動方向
SD 付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車が有する各種機能の作動又は非作動等を検知する車両用スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、多種多様な各種機能の作動又は非作動等を、ランプ等の報知手段により運転手又は同乗者に確知させる。例えば、シートベルトの非着用(非作動やパーキングブレーキの作動は、フロントパネルのランプを点灯させて、運転手に確知させる。こうした各種機能の作動又は非作動は、前記作動又は非作動に対応して通電又は遮断する車両用スイッチを利用する。こうした車両用スイッチは、安価かつ簡素な構造を維持しながら、作動の確実性を図るため、例えば特許文献1が開示する構成を採用している。
【0003】
特許文献1は、アース端子(第1端子部)から断面コ字状に補助支持面(補助支持部)及びアース接続面(第1接続部)を張り出した金属製のブラケット(第1電極部)と、プラス端子(第2端子部)とプラス接続面(第2接続面)とを設けた金属製のターミナル(第2電極部)と、アース接続面及びプラス接続面を絶縁状態で取り付けてブラケット及びターミナルを組み付ける樹脂製のホルダー(スペーサ部)と、ホルダーに組み付けたブラケットの補助支持面からターミナルのプラス接続面までの距離より長く、付勢部位(上部係合部)及び接点部位(通電用突起)を設けた金属製のボタン(スイッチ部)と、ボタンを移動方向の一方に付勢する導電部材であるコイルスプリング(コイルバネ)とから構成される車両用スイッチを開示している。特許文献1が開示する車両用スイッチは、ボタンの移動方向と、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向とが一致している。
【0004】
特許文献1が開示する車両用スイッチは、補助支持面、アース接続面、ホルダー及びプラス接続面それぞれに連通関係にある補助貫通孔、アース貫通孔、ホルダー貫通孔及びプラス貫通孔を開口し、全貫通孔にわたってボタンを貫通させ、ボタンの付勢部位とアース接続面との間にコイルスプリングを介装させ、補助貫通孔から突出させるようにボタンを付勢し、プラス接続面に前記ボタンの接点部位を係合させている。ボタンは、補助貫通孔及びプラス貫通孔の周縁に非接触とされ、アース貫通孔の周縁に接触させながら、ホルダー貫通孔に支持されている。特許文献1が開示する車両用スイッチは、ボタンが押されなければ、ターミナルのプラス接続面に接点部位が係合し、ボタンがアース貫通孔の周縁に接触し、かつ付勢部位からコイルスプリングを介してアース接続面と通電するが、ボタンが押されると、ターミナルのプラス接続面から接点部位が外れ、遮断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-129413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、車両における消費電力を低減する目的から、通電における電流を抑える傾向にある。ところが、特許文献1が開示する車両用スイッチのままでは、電流が小さくなると通電の有無が判別し難しくなる。特に、特許文献1が開示する車両用スイッチは、ボタンが押されなければ、ターミナルのプラス接続面に接点部位が係合し、ボタンがアース貫通孔の周縁に接触し、かつ付勢部位からコイルスプリングを介してアース接続面と通電するようにしているが、実際にはボタンがアース貫通孔の周縁に安定して接触することが難しく、どうしてもコイルスプリグを介した経路でしか通電できなかった。そこで、特許文献1が開示する車両用スイッチの利点を残しながら、小さな電流に対応して通電経路を増やす車両用スイッチの構造について検討した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
検討の結果開発したものが、自動車が有する各種機能の作動又は非作動等を検知する車両用スイッチであって、アース端子から断面コ字状(又は断面U字状)に補助支持面及びアース接続面を張り出した導電部材であるブラケットと、プラス端子とプラス接続面とを設けた導電部材であるターミナルと、アース接続面及びプラス接続面を絶縁状態で取り付けてブラケット及びターミナルを組み付ける絶縁部材であるホルダーと、ホルダーに組み付けたブラケットの補助支持面からターミナルのプラス接続面までの距離より長く、付勢部位及び接点部位を設けた導電部材であるボタンと、ボタンを移動方向の一方に付勢する導電部材であるコイルスプリングとからなり、補助支持面、アース接続面、ホルダー及びプラス接続面それぞれに連通関係にある補助貫通孔、アース貫通孔、ホルダー貫通孔及びプラス貫通孔を開口し、全貫通孔にわたってボタンを貫通させ、ボタンの付勢部位とアース接続面との間にコイルスプリングを介装させて補助貫通孔から突出させるようにボタンを付勢し、プラス接続面に前記ボタンの接点部位を係合させた車両用スイッチにおいて、ボタンは、プラス貫通孔の周縁に常時非接触としながら、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させることにより傾倒させ、補助貫通孔の周縁に常時接触させるようにした車両用スイッチである。
【0008】
本発明は、特許文献1が開示する車両用スイッチにおいて、ボタンとアース貫通孔の周縁との常時接触が難しいことから、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させることによりボタンを傾倒させ、アース端子に繋がる補助支持面に開口した補助貫通孔の周縁にボタンを常時接触させるようにした。これから、ボタンとプラス貫通孔の周縁との接触を避けるため、プラス貫通孔は、ボタンの貫通部位の断面より大きく開口し、アース貫通孔及びプラス貫通孔に挟まれるホルダー貫通孔はプラス貫通孔より小さく開口するとよい。ここで、アース貫通孔の周縁に対するボタンの接触は、ボタンを傾倒させて実現することも考えられるが、アース貫通孔とボタンの接点部位とが近い位置関係にあり、無理にボタンをアース貫通孔の周縁に接触させると、接点部位がプラス接続面から離れてしまう虞がある。本発明は、特許文献1同様、コイルスプリングを介して通電経路を確保しながら、物理的には迂回するように見える補助貫通孔の周縁に安定してボタンを接触させて、通電経路を増やしている。
【0009】
本発明の車両用スイッチの通電及び遮断は、特許文献1が開示する車両用スイッチと同じである。各種機能の作動又は非作動は、各種機能の作動又は非作動によって変位する部材を用いてコイルスプリングの付勢に反してボタンを押し込むことにより、接点部位をターミナルのプラス接続面から離隔し、ブラケット及びターミナルを通電状態から遮断状態にすることで検知する。前記部材による押し込みがなくなると、ボタンはコイルスプリングの付勢により原位置に復帰し、再び接点部位をターミナルのプラス接続面に係合させて、ブラケット及びターミナルを遮断状態から通電状態にする。ここで、通電状態を作動状態に対応させれば遮断状態を非作動状態として、逆に通電状態を非作動状態に対応させれば遮断状態を作動状態としてそれぞれ検知できる。このように、本発明の車両用スイッチは、通電状態と遮断状態とを切り換えて、各種機能の作動又は非作動を検知する。
【0010】
付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させ、ボタンを傾倒させる具体的構造は種々考えることができるが、次の構成が安価かつ簡素な構成であることが要求される車両用スイッチに相応しい。すなわち、コイルスプリングは、(1)ホルダー又はアース接続面に設けた踏み台ブロックにスプリング素線の一部を載せ、ボタンの移動方向に対して全体を傾倒させる構成、(2)ホルダー又はアース接続面に設けた規制ブロックにスプリング素線を宛てがわせ、ボタンの移動方向に対して全体を平行に位置ずれさせる構成、又は(3)ボタンの重心を通って移動方向に延びる移動軸線に対して偏った位置に配置された付勢部位を押す構成により、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させる。ここで、「ホルダー又はアース接続面に設けた踏み台ブロック」とは、ホルダー又はアース接続面と一体又は別体に設けた凸部を意味し、ある程度の大きさのブロックのほか、スプリング素線に添う突起やアース接続面を変形させた部位も含む。同様に、「ホルダー又はアース接続面に設けた規制ブロック」とは、ホルダー又はアース接続面と一体又は別体に設けた凸部を意味し、ある程度の大きさのブロックのほか、スプリング素線に添う突起やアース接続面を変形させた部位も含む。
【0011】
(1)の構成は、コイルスプリングの下端側のスプリング素線の一部を踏み台ブロックにより持ち上げることにより、ボタンの移動方向に対してコイルスプリング全体を傾倒させることにより、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させる。(2)の構成は、ボタンの移動方向に対して全体を平行に位置ずれさせることにより、コイルスプリングの上端側のスプリング素線に対する押圧部位の接触点を、ボタンの移動方向に対して全体を平行に位置ずれさせ、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と異ならせる。(3)の構成は、ボタンの重心を通って移動方向に延びる移動軸線に対して付勢部位を偏って配置させることにより、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と異ならせる。ここで、「移動軸線に対して付勢部位を偏って配置させる」とは、例えば単数の付勢部位(厳密には上端側のスプリング素線に対する接触点、以下同じ)を移動軸線から離して配置したり、移動軸線を点対称の中心とせず、線対称の軸線として複数の付勢部位を配置したりすることを意味する。これら(1)〜(3)に見られる構成は、単独で用いることのほか、組み合わせて用いてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の車両用スイッチは、特許文献1が開示する車両用スイッチがもたらす効果、すなわち各種機能の作動又は非作動を検知するための部品点数を少なくし、部品コスト及び組立コストを抑制し、総じて製造コストを低減できる効果を確保しながら、確実に通電経路を増やすことにより、小さな電流でも確実に通電を検知できるようにする効果をもたらす。これにより、動作不良を起こす虞が少なく、信頼性の高い車両用スイッチを提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の(1)の構成に基づく一例を表す斜視図である。
【図2】本発明の(1)の構成に基づく本例を表す正面図である。
【図3】本発明の(1)の構成に基づく本例の図2中A−A断面図である。
【図4】本発明の(2)の構成に基づく別例を表す斜視図である。
【図5】本発明の(2)の構成に基づく別例を表す正面図である。
【図6】本発明の(2)の構成に基づく別例の図5中B−B断面図である。
【図7】本発明の(2)の構成に基づく別例を表す斜視図である。
【図8】本発明の(2)の構成に基づく別例を表す正面図である。
【図9】本発明の(2)の構成に基づく別例の図8中C−C断面図である。
【図10】本発明の(3)の構成に基づく別例を表す斜視図である。
【図11】本発明の(3)の構成に基づく別例を表す正面図である。
【図12】本発明の(3)の構成に基づく別例の図11中D−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明の(1)の構成に基づく一例を表す斜視図、図2は本発明の(1)の構成に基づく本例を表す正面図、図3は本発明の(1)の構成に基づく本例の図2中A−A断面図、図4は本発明の(2)の構成に基づく別例を表す斜視図、図5は本発明の(2)の構成に基づく別例を表す正面図、図6は本発明の(2)の構成に基づく別例の図5中B−B断面図、図7は本発明の(2)の構成に基づく別例を表す斜視図、図8は本発明の(2)の構成に基づく別例を表す正面図、図9は本発明の(2)の構成に基づく別例の図8中C−C断面図、図10は本発明の(3)の構成に基づく別例を表す斜視図、図11は本発明の(3)の構成に基づく別例を表す正面図であり、そして図12は本発明の(3)の構成に基づく別例の図11中D−D断面図である。
【0015】
本例((1)の構成)の車両用スイッチは、図1及び図2に見られるように、導電部材であるブラケット1、ターミナル2、ボタン4及びコイルスプリング5と、絶縁部材であるホルダー3とを組み付けて構成される。導電部材であるブラケット1、ターミナル2、ボタン4及びコイルスプリング5は、金属製を基本とするが、導電性樹脂製であってもよいし、本来絶縁部材である樹脂製で構成しながら、表面に導電面を形成したりしてもよい。また、絶縁部材であるホルダー3は、樹脂製を基本とするが、組み付けるブラケット1とターミナル2とを絶縁状態で組み付けることができればよいため、前記ブラケット1のアース接続面13とターミナル2のプラス接続面22との間に介在する絶縁面31のみを樹脂製又はセラミックス製とし、その他を金属製で構成することもできる。
【0016】
ブラケット1は、アース端子11から補助支持面12及びアース接続面13を張り出して構成される断面コ字状の金属製部材である。アース端子11は、正面から見て右方向(図2参照、図3中紙面奥方向)に張り出した垂直面を形成している。補助支持面12及びアース接続面13は、上下に離れた一対の水平面を形成している。ブラケット1は、後述するホルダー貫通孔221に連通する補助貫通孔121を補助支持面12に、アース貫通孔131をアース接続面13に、それぞれ開口している(図3参照)。本発明は、移動方向と異なる方向に付勢して傾かせたボタン4を、補助貫通孔121の周縁に接触させてブラケット1とボタン4とを導通させるため、アース貫通孔131は後述するホルダー貫通孔313より大きくしてもよいが、補助貫通孔121はボタン4の上下動を妨げない程度にボタン4の貫通部位の断面形状より僅かに大きくするに留めている。このほか、本例のブラケット1は、アース接続面13の一部を凸に変形させた踏み台ブロック133を形成している。
【0017】
ターミナル2は、プラス端子21とプラス接続面22とを一直線上に並べて設けた平板状の金属製部材である。プラス端子21は、正面から見て手前方向(図1参照、図3中紙面右方向)に張り出した水平面を形成している。プラス接続面22は、上述したアース貫通孔131同様、ホルダー貫通孔313に連通するプラス貫通孔221を開口している。プラス貫通孔221は、前記アース貫通孔131と同じ大きさでなくてもよいが、前記アース貫通孔131同様、後述するホルダー貫通孔313より大きくしている。これにより、傾いたボタン4は、補助貫通孔121及びホルダー貫通孔313の周縁に摺接するものの、アース貫通孔131及びプラス貫通孔221の周縁に摺接しなくなる。このほか、本例のターミナル2は、後述するボタン4の接点部位42が差し込まれる接点孔222をプラス接続面22に設けている。これにより、外部からの衝撃や振動によって、前記接点部位42がプラス接続面22から離れなくなり、通電状態を安定に形成できる。
【0018】
ホルダー3は、全体が直方体外形の樹脂製ブロックで、絶縁面31を挟んだ上面側にブラケット1を、同じく下面側にターミナル2を、それぞれ組み付ける。絶縁面31の上面側は、前後方向(図2中紙面直交方向)に延びる左右一対のアース接続面挟持レール311,311を設けている。また、絶縁面31の下面側は、左右方向に延びる前後一対のプラス接続面挟持レール312,312を設けている。絶縁面31は、補助貫通孔121、アース貫通孔131及びプラス貫通孔221と連通するホルダー貫通孔313を開口している。ホルダー貫通孔313は、既述したように、アース貫通孔131及びプラス貫通孔221より小さく、ボタン4にはホルダー貫通孔313の周縁しか摺接しない。
【0019】
ブラケット1は、アース接続面挟持レール311,311に対し、規制ブロック32下方の隙間を通じてアース接続面13を後方から前方に向けて差し込み、ホルダー3に組み付ける。また、ターミナル2は、プラス接続面挟持レール312,312に対してプラス接続面22を右方から左方に向けて差し込み、ホルダー3に組み付ける。これにより、アース接続面13及びプラス接続面22の間に絶縁面31が介在し、記述したように、アース接続面13のアース貫通孔131の周縁やプラス接続面22のプラス貫通孔221の周縁がボタン4に摺接しないため、ブラケット1及びターミナル2をホルダー3に対して絶縁状態で組み付けることができる。本例は、アース接続面13の一部を凸に変形させて踏み台ブロック133を形成し、コイルスプリング5のスプリング素線の下端側の手前(図12中右側)を前記踏み台ブロック133に載せるようにしている。
【0020】
ボタン4は、ホルダー3に組み付けたブラケット1の補助支持面12からターミナル2のプラス接続面22までの距離より長い板状の金属製部材である。本例のボタン4は、中段付近の幅を変えて形成した段差を、移動方向に直交して突出する付勢部位41とし、また下段付近の切り起こしを接点部位42として、それぞれ形成している。このほか、各種機能の作動又は非作動によって変位する部材を用いてボタン4を押し込む部位として、上部を水平に折り曲げて押圧部位43を形成している。本例のボタン4は、前記押圧部位43から下方部分を、上から補助貫通孔121、アース貫通孔131、ホルダー貫通孔313及びプラス貫通孔221にわたって貫通させ、後述するコイルスプリング5の付勢により常態として上方へ押し上げて、下方から接点部位42をプラス接続面22の接点孔222に差し込むようにしている。
【0021】
コイルスプリング5は、金属製の弾性部材であり、ホルダー3に組み付けられたブラケット1の補助支持面12及びアース接続面13の間に介装され、スプリング素線の上端側をボタン4の付勢部位41に係合させ、スプリング素線の下端側をアース接続面13に接触させている。既述したように、本例のボタン4は、接点部位42をプラス接続面22の接点孔222に差し込んで上方への移動を制限し、常態としてコイルスプリング5が付勢部位41に押えられるようにしている。これにより、下端側のスプリング素線はアース接続面13に密着し、安定な車両スイッチの通電状態を形成している。また、各種機能の作動又は非作動によって変位する部材が押圧部位43を押してボタン4を下方へ移動させると、接点部位42は一時的に接点孔222から離れ、車両用スイッチの遮断状態を形成するが、前記変位する部材による押込が無くなれば、ボタン4は伸長するコイルスプリング5に押されて上方へ移動し、再び接点部位42を接点孔222に差し込み、車両スイッチの通電状態を回復させる。
【0022】
本例の車両用スイッチは、アース接続面13に形成した踏み台ブロック133に、コイルスプリング5のスプリング素線の下端側の手前(図12中右側)を前記踏み台ブロック133に載せる。これにより、図3に見られるように、下端側のスプリング素線の手前を持ち上げてコイルスプリング5を撓ませ、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5の付勢方向SDを、補助貫通孔121からプラス貫通孔221にわたって貫通させたボタン4の移動方向BDに対して奥方向(図2中紙面奥方向、図3中紙面左方向)に傾かせ(図3中白抜き矢印参照)、ボタン4を常に補助貫通孔121の奥側の周縁に摺接させることができるようになる。これは、ボタン4が押し込まれて下方へ移動しても補助貫通孔121の周縁に摺接することを意味する。しかし、車両用スイッチとしての遮断状態は、ボタン4が下方に移動して接点部位42がプラス接続面22の接点孔222から外して実現するため、補助貫通孔121の周縁にボタン4が常時摺接しても問題はない。
【0023】
こうして、ボタン4が補助貫通孔121の周縁に常時摺接することにより、車両用スイッチにおける通電経路を増やすことができる。すなわち、第1通電経路Iは、ボタン4の付勢部位41が接触点C1によりコイルスプリング5と接触することにより形成される通電経路であり、具体的にはターミナル2のプラス端子21、プラス接続面22、接点孔222、ボタン4の接点部位42、接触点C1、コイルスプリング5、ブラケット1のアース接続面13、そしてアース端子11に至り、第2通電経路IIは、ボタン4が接触点C2により補助貫通孔121の周縁に摺接する通電経路であり、具体的にはターミナル2のプラス端子21、プラス接続面22、接点孔222、ボタン4の接触点C2、ブラケット1の補助支持面12、そしてアース端子11に至る。
【0024】
ボタン4の移動方向BDと、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5の付勢方向SDとを異ならせ、ボタン4を傾倒させる車両用スイッチは、例えば図4及び図5に見られる別例((2)の構成)のように構成することもできる。別例の部品構成及び組付関係は、上記例示(図1〜図3参照)と同様であるが、下方にアース接続面13より厚い隙間を残した規制ブロック32を、ホルダー3のアース接続面挟持レール311,311に架設している。規制ブロック32は、スプリング素線を添わせ、コイルスプリング5を手前方向(図2中紙面手前方向、図3中紙面右方向)にずらして配置させる。これにより、図6に見られるように、コイルスプリング4の上端側のスプリング素線に接触する付勢部位41は奥方向にずれる結果、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5の付勢方向SDは、補助貫通孔121からプラス貫通孔221にわたって貫通させたボタン4の移動方向BDに対して奥方向(図2中紙面奥方向、図3中紙面左方向)に傾き(図3中白抜き矢印参照)、ボタン4を常に補助貫通孔121の奥側の周縁に摺接させる。こうして、上記例示同様、別例でも、図6に見られるように、通電経路I及び通電経路IIが形成される。こうして、本例の車両用スイッチによれば、小さな電流でも確実に通電を検知できるようになる。
【0025】
また、車両用スイッチは、例えば図7及び図8に見られる別例((2)の構成)のように構成することもできる。別例の部品構成及び組付関係は、上記例示(図1〜図3参照)と同様であるが、コイルスプリング5の位置を手前方向にずらすため、ホルダー3に設けた規制ブロック32に代えて、ブラケット1のアース接続面13に形成した突起からなる規制ブロック132を用いている点が相違する。別例の規制突起132は、上記例示の規制突起32に比べて小さいが、コイルスプリング5は常時付勢状態にあり、アース接続面13に押し付けられているから、規制突起132から外れる虞はない。こうして、上記例示同様、別例でも、図9に見られるように、通電経路I及び通電経路IIが形成される。こうして、本例の車両用スイッチによれば、小さな電流でも確実に通電を検知できるようになる。
【0026】
更に、本発明の車両用スイッチは、図10及び図11に見られる別例((3)の構成)のように構成することもできる。別例の部品構成及び組付関係は、上記例示(図1〜図3参照)と同様であるが、コイルスプリング5の上端側のスプリング素線に対する付勢部位41の接触点C1をずらすため、スプリング素線の上端側を係合させるボタン4の付勢部位44を傾斜させ、接触点C1を奥方向(図12中左方向)にずらしている点が相違する。別例の付勢部位44は、コイルスプリング5の上端側のスプリング素線に対し、ボタン4の延在方向に直交して位置ずれさせ接触点C1(図12参照)で接触し、コイルスプリング5を撓ませることにより、付勢部位41を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリング5の付勢方向SDを傾かせ、前記コイルスプリング5により付勢されるボタン4を傾かせる。こうして、上記例示同様、別例でも、図12に見られるように、通電経路I及び通電経路IIが形成され、小さな電流でも確実に通電を検知できるようになる。
【0027】
上述までに説明した本発明の(1)の構成、(2)の構成、そして(3)の構成は、それぞれ個別にコイルスプリング5の付勢方向をボタン4の移動方向と異ならせる働きを有するが、各構成を選択的又はすべてに組み合わせることにより、より確実にコイルスプリング5の付勢方向をボタン4の移動方向と異ならせることができるようになる。すなわち、例えば(1)の構成に見られる踏み台ブロック133(図1〜図3参照)と(2)の構成に見られる規制ブロック32(図4〜図6参照)又は規制ブロック132(図7〜図9参照)とを組み合わせたり、(1)の構成に見られる踏み台ブロック133と(3)の構成に見られる付勢部位44(図10〜図12参照)とを組み合わせたり、(2)の構成に見られる規制ブロック32又は規制ブロック132と(3)の構成に見られる付勢部位44とを組み合わせたり、更には(1)の構成に見られる踏み台ブロック133、(2)の構成に見られる規制ブロック32又は規制ブロック132、そして(3)の構成に見られる付勢部位44をすべて組み合わせることもできる。
【符号の説明】
【0028】
1 ブラケット
11 アース端子
12 補助支持面
121 補助貫通孔
13 アース接続面
131 アース貫通孔
132 規制ブロック
133 踏み台ブロック
2 ターミナル
21 プラス端子
22 プラス接続面
221 プラス貫通孔
222 接点孔
3 ホルダー
31 絶縁面
311 アース接続面挟持レール
312 プラス接続面挟持レール
313 ホルダー貫通孔
32 規制ブロック
4 ボタン
41 付勢部位
42 接点部位
43 押圧部位
44 傾斜した付勢部位
5 コイルスプリング
I 第1通電経路
II 第2通電経路
C1 第1経路の接触点
C2 第2経路の接触点
BD ボタンの移動方向
SD 付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車が有する各種機能の作動又は非作動等を検知する車両用スイッチであって、
アース端子から断面コ字状に補助支持面及びアース接続面を張り出した導電部材であるブラケットと、
プラス端子とプラス接続面とを設けた導電部材であるターミナルと、
アース接続面及びプラス接続面を絶縁状態で取り付けてブラケット及びターミナルを組み付ける絶縁部材であるホルダーと、
ホルダーに組み付けたブラケットの補助支持面からターミナルのプラス接続面までの距離より長く、付勢部位及び接点部位を設けた導電部材であるボタンと、
ボタンを移動方向の一方に付勢する導電部材であるコイルスプリングとからなり、
補助支持面、アース接続面、ホルダー及びプラス接続面それぞれに連通関係にある補助貫通孔、アース貫通孔、ホルダー貫通孔及びプラス貫通孔を開口し、
全貫通孔にわたってボタンを貫通させ、ボタンの付勢部位とアース接続面との間にコイルスプリングを介装させて補助貫通孔から突出させるようにボタンを付勢し、プラス接続面に前記ボタンの接点部位を係合させた車両用スイッチにおいて、
ボタンは、プラス貫通孔の周縁に常時非接触としながら、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させることにより傾倒させ、補助貫通孔の周縁に常時接触させるようにしたことを特徴とする車両用スイッチ。
【請求項2】
コイルスプリングは、ホルダー又はアース接続面に設けた踏み台ブロックにスプリング素線の一部を載せ、ボタンの移動方向に対して全体を傾倒させることにより、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させた請求項1記載の車両用スイッチ。
【請求項3】
コイルスプリングは、ホルダー又はアース接続面に設けた規制ブロックに下端側のスプリング素線を宛てがわせ、ボタンの移動方向に対して全体を平行に位置ずれさせることより、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させた請求項1又は2いずれか記載の車両用スイッチ。
【請求項4】
コイルスプリングは、ボタンの重心を通って移動方向に延びる移動軸線に対して偏った位置に配置された付勢部位を押すことにより、前記付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させた請求項1〜3いずれか記載の車両用スイッチ。
【請求項1】
自動車が有する各種機能の作動又は非作動等を検知する車両用スイッチであって、
アース端子から断面コ字状に補助支持面及びアース接続面を張り出した導電部材であるブラケットと、
プラス端子とプラス接続面とを設けた導電部材であるターミナルと、
アース接続面及びプラス接続面を絶縁状態で取り付けてブラケット及びターミナルを組み付ける絶縁部材であるホルダーと、
ホルダーに組み付けたブラケットの補助支持面からターミナルのプラス接続面までの距離より長く、付勢部位及び接点部位を設けた導電部材であるボタンと、
ボタンを移動方向の一方に付勢する導電部材であるコイルスプリングとからなり、
補助支持面、アース接続面、ホルダー及びプラス接続面それぞれに連通関係にある補助貫通孔、アース貫通孔、ホルダー貫通孔及びプラス貫通孔を開口し、
全貫通孔にわたってボタンを貫通させ、ボタンの付勢部位とアース接続面との間にコイルスプリングを介装させて補助貫通孔から突出させるようにボタンを付勢し、プラス接続面に前記ボタンの接点部位を係合させた車両用スイッチにおいて、
ボタンは、プラス貫通孔の周縁に常時非接触としながら、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させることにより傾倒させ、補助貫通孔の周縁に常時接触させるようにしたことを特徴とする車両用スイッチ。
【請求項2】
コイルスプリングは、ホルダー又はアース接続面に設けた踏み台ブロックにスプリング素線の一部を載せ、ボタンの移動方向に対して全体を傾倒させることにより、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させた請求項1記載の車両用スイッチ。
【請求項3】
コイルスプリングは、ホルダー又はアース接続面に設けた規制ブロックに下端側のスプリング素線を宛てがわせ、ボタンの移動方向に対して全体を平行に位置ずれさせることより、付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させた請求項1又は2いずれか記載の車両用スイッチ。
【請求項4】
コイルスプリングは、ボタンの重心を通って移動方向に延びる移動軸線に対して偏った位置に配置された付勢部位を押すことにより、前記付勢部位を押す上端側のスプリング素線におけるコイルスプリングの付勢方向をボタンの移動方向と交差させた請求項1〜3いずれか記載の車両用スイッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−192183(P2010−192183A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33514(P2009−33514)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000112082)ヒルタ工業株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000112082)ヒルタ工業株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
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