説明

車両用ミラー装置

【課題】剛性を高めると共に部品点数を減らすことができる車両用ミラー装置を得る。
【解決手段】ドアミラー装置20は、車体10に固定される固定部25とミラー22に連結された可動部27とを備え、可動部27が固定部25に対して回転してミラー22を格納する格納装置24と、可動部27に取付けられ、光を発生するターンランプ40と、を有している。ここで、ドアミラー装置20では、ターンランプ40が格納装置24に取付けられたことで、ドアミラー装置20全体の剛性が高くなるので、鉄板フレーム等の剛性を高めるための補強部材を別途設ける必要がなくなり、ドアミラー装置20の部品点数を減らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体側に格納される車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の車両用サイドミラーは、ミラー本体を支持するミラーハウジングを有している。ミラーハウジングは、ハウジング本体と、ハウジング本体の前面を覆うようにハウジング本体に取り付けられるカバー部材とを有しており、ハウジング本体には、電動格納機構が取付けられている。
【0003】
ここで、特許文献1に記載の車両用サイドミラーでは、ハウジング本体及び電動格納機構に補強プレートを締結して全体の剛性を上げているが、剛性を確保するためには補強プレートを除くことができず、部品点数を減らすことができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−83696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、剛性を高めると共に部品点数を減らすことができる車両用ミラー装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用ミラー装置は、車体に固定される固定部とミラーに連結された可動部とを備え、前記可動部が前記固定部に対して回転して前記ミラーを格納する格納手段と、前記可動部に取付けられ、光を発生するランプと、を有する。
【0007】
上記構成によれば、ランプが格納手段の可動部に取付けられたことで車両用ミラー装置の剛性が高くなるので、鉄板フレーム等の剛性を高めるための補強部材を設ける必要がなくなり、車両用ミラー装置の部品点数を減らすことができる。
【0008】
請求項2に記載の車両用ミラー装置は、前記ミラーを支持する支持部材がさらに設けられ、前記支持部材と前記ランプとで前記可動部が挟まれている。
【0009】
上記構成によれば、格納手段の可動部が支持部材とランプで挟み込まれることにより格納手段の周囲の剛性が高くなるので、車両用ミラー装置の剛性を高くすることができる。
【0010】
請求項3に記載の車両用ミラー装置は、前記ランプは、前記可動部の回転中心位置よりも前記車体側で前記可動部に取付けられている。
【0011】
上記構成によれば、ランプが、可動部の回転中心位置に対して車体側とは反対側のみで可動部に取付けられている構成に比べて、ランプによって剛性が高められる領域が拡がるので、車両用ミラー装置の剛性を高めることができる。
【0012】
請求項4に記載の車両用ミラー装置は、前記ランプには、締結部材が挿通される締結孔が形成され、前記可動部には、前記締結孔の数よりも多い数で前記締結孔との連通用の複数の連通孔が形成されている。
【0013】
上記構成によれば、可動部の連通孔の数がランプの締結孔の数よりも多いので、複数の連通孔の並び方向にランプをずらして締結できる。これにより、ランプの取付け位置を連通孔の並び方向に沿って調整することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上記構成としたので、車両用ミラー装置の剛性を高めると共に部品点数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)、(B)本発明の実施形態に係るドアミラー装置の正面図及び背面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るドアミラー装置の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るドアミラー装置の内部構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係るドアミラー装置の横断面図(図3のB−B´断面)である。
【図5】(A)本発明の実施形態に係るドアミラー装置の縦断面図(図3のA−A´断面)である。(B)本発明の実施形態に係るドアミラー装置の下面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るドアミラー装置の他の実施例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る車両用ミラー装置の一例について説明する。
【0017】
図1(A)、(B)には、本発明の実施形態に係る車両用ミラー装置の一例として、車体10に開閉可能に設けられ車体10の一部を構成するドア12の外部で、且つドア12の前側端部の上下方向中間部に設けられたドアミラー装置20の全体構成が示されている。なお、図面では、車体10の前方を矢印X、車幅方向内方(ドアミラー装置20から車体10に向かう方向)を矢印Y、車体10の上方を矢印Zで示す。また、ドアミラー装置20は、矢印Y方向で車体10の左右両側のドア12にそれぞれ1つずつ設けられているが、左右対称で同様の構成となっているため、以後は運転者(図示省略)から見て左側のドアミラー装置20について説明し、右側のドアミラー装置20についての説明を省略する。
【0018】
図2に示すように、ドアミラー装置20は、ミラー22と、ミラー22を支持するバイザ30と、ミラー22及びバイザ30を車体10側に格納し又は外側へ展開する格納手段の一例としての格納装置24(リトラクタ)と、バイザ30の一部で外側に露出するように設けられ光を発生するランプの一例としてのターンランプ40と、を含んで構成されている。そして、ドアミラー装置20は、ドア12の外側に取付けられた樹脂製のステー26に格納装置24が固定されることで車体10に取付けられている。
【0019】
格納装置24は、ステー26に固定される固定部25と、固定部25に対して回転可能に設けられると共にミラー22に連結された可動部27と、を含んで構成されている。
【0020】
固定部25は、金属製で円柱状のスタンドであり、上部に矢印Z方向を軸方向とする回転用のシャフト25Aが立設されている。また、固定部25は、矢印Z方向の下端部がステー26の上面に固定されている。これにより、格納装置24がステー26に支持されている。
【0021】
一方、可動部27は、内側にモータ及びギヤ(図示省略)が設けられており、電力が供給されることでモータ及びギヤが駆動され、シャフト25Aを回転中心として回転するようになっている。可動部27の剛性は、後述するバイザボデー32の剛性に比べて高くされている。また、図4に示すように、可動部27の矢印X方向における両側面には、外側へ向けて突出された円柱状のピン27A、27Cが形成されており、可動部27の矢印X方向の側面には、ネジ56が締結される締結用孔27Bが形成されている。
【0022】
ここで、ピン27Aが、ターンランプ40の後述する位置決め孔45Aに挿通されることにより、格納装置24に対するターンランプ40の位置決めが行われるようになっている。また、ピン27Cが、後述するバイザボデー32に形成された位置決め孔32Dに挿通されることにより、格納装置24に対するバイザボデー32の位置決めが行われるようになっている。
【0023】
さらに、図2に示すように、可動部27には、端部側面から外側へ向けて板状の被取付部29が突出形成されている。被取付部29は、一例として、矢印Z方向に等間隔で厚さ方向(図2では矢印X方向)に貫通した3箇所の連通孔29A、29B、29Cが形成されている。連通孔29A、29B、29Cは、ターンランプ40に形成された後述する2箇所の締結孔43A、43Bよりも多い数となっており、締結孔43A、43Bと連通可能な大きさとなっている。また、被取付部29の下端には、連通孔29A、29B、29Cの貫通方向に突出した突出部31が形成されており、突出部31には、足元を照らす光源となるランプの一例としての足元ランプ52が、締結部材の一例としてのネジ54(図5(A)参照)で取付けられている。さらに、被取付部29には、バイザ30及びターンランプ40が取付けられている。
【0024】
バイザ30は、ミラー22を支持する支持部材の一例としてのバイザボデー32と、バイザボデー32の上方及び背面を覆うバイザカバー34と、バイザボデー32の下方及び背面を覆うアンダーカバー36とが組みつけられて一体となった構成となっている。そして、バイザカバー34とアンダーカバー36との隙間において、ターンランプ40の後述するランプ部44が露出するようになっている。また、アンダーカバー36には、発光した足元ランプ52からの光が通過する四角形状の窓部36Aが形成されている。
【0025】
バイザボデー32は、矢印X方向とは反対側に開口したXZ断面が凹状(矢印X方向に凸状)の樹脂部材であり、ミラー22が収納されるフレーム部32Aと、フレーム部32Aよりも内側の中央部分で有底の円筒状に形成された凹部32Bと、フレーム部32Aの端部で矢印Y方向に張り出した張出部32Cとが一体成形された構成となっている。
【0026】
また、図4に示すように、バイザボデー32には、格納装置24に取付けるときの位置決めに用いられる位置決め孔32Dが、凹部32Bから矢印Y方向に所定の長さで離れた位置に形成されている。さらに、図5(A)に示すように、バイザボデー32には、バイザボデー32を格納装置24の被取付部29に固定するための締結用孔32E、32F、32Gが形成されている。締結用孔32E、32F、32Gは、凹部32Bに隣接した位置で且つ矢印Z方向に等間隔に並んでいる。
【0027】
図2及び図4に示すように、バイザボデー32の凹部32Bには、ミラー22の角度を調整するための鏡面調整装置38(ドライブユニット)が嵌め込まれており、ネジ(図示省略)で締結固定されている。
【0028】
鏡面調整装置38は、凹部32Bに固定される円柱状の固定部38Aと、固定部38Aに傾動可能に支持された傾動板38Bとを含んで構成されている。固定部38Aは、凹部32Bの底壁にネジ(図示省略)で固定されており、これにより、鏡面調整装置38がバイザボデー32に支持されている。また、傾動板38Bは、板状の樹脂で構成されており、鏡面調整装置38が駆動された際には、傾動板38Bが固定部38Aに対して傾動されるようになっている。さらに、傾動板38Bには、ミラー22が着脱可能に組付けられており、ミラー22は、傾動板38Bと一体に傾動可能にされると共に、バイザボデー32のフレーム部32A内に収容されている。
【0029】
図2及び図3に示すように、ターンランプ40は、格納装置24及びバイザボデー32に固定される樹脂製の基材部42と、基材部42に設けられたランプ部44とを含んで構成されている。
【0030】
基材部42は、バイザボデー32に比べて剛性が高くされている。また、基材部42は、格納装置24の被取付部29及びバイザボデー32に取付けられる横断面J字状の板状部42Aを有している。板状部42Aの一方の端部は、板状部42Aに対し直角方向に延出されて、板状の延出部42Bが形成されている。さらに、延出部42Bの板状部42Aとは反対側の端部は、平面視で円弧状に湾曲されており、板状部42Aとほぼ平行となる板状の取付部42Cが形成されている。
【0031】
板状部42Aには、被取付部29に板状部42Aを締結するための貫通孔である締結孔43A、43Bと、バイザボデー32及び固定部38Aに板状部42Aを締結するための貫通孔である締結孔43Cとが、厚さ方向(矢印X方向)に貫通して形成されている。締結孔43A、43Bは、板状部42Aにおける延出部42B側の端部に矢印Z方向に間隔をあけて形成されている。また、締結孔43Cは、締結孔43A、43Bから矢印Y方向に離れた位置で且つランプ部44に重ならない位置に形成されている。
【0032】
ここで、格納装置24及びバイザボデー32へのターンランプ40の取付け時に、締結孔43Aは連通孔29Bと内部が連通した状態に配置され、締結孔43Bは連通孔29Cと内部が連通した状態に配置されて、締結部材の一例としてのネジ46(図4参照)により締結されるようになっている。なお、締結孔43Cは、バイザボデー32及び固定部38Aに形成された連通孔(図示省略)と内部が連通した状態で、ネジ(図示省略)により締結されるようになっている。
【0033】
取付部42Cには、位置決め孔45A及び締結用孔45Bが、厚さ方向(矢印X方向)に貫通して形成されている。位置決め孔45Aは、可動部27のピン27A(図4参照)が挿入可能な大きさとなっており、締結用孔45Bは、可動部27の側面に形成された締結用孔27B(図4参照)と内部が連通可能な大きさとなっている。
【0034】
また、図4に示すように、取付部42Cは、格納装置24へのターンランプ40の取付け状態において、矢印Y方向の先端部が、可動部27のシャフト25Aの回転中心位置Oよりも車体10(図1参照)側に位置する長さとされている。これにより、ターンランプ40は、回転中心位置Oよりも車体10側で格納装置24を挟むようになっている。
【0035】
一方、ランプ部44は、光を透過する樹脂がバイザ30の矢印X方向側の湾曲面に沿う形状に加工された構成となっており、基材部42の下部の矢印X方向側を覆うようにして基材部42に溶着されている。また、基材部42とランプ部44との間には、発光手段としてのランプ(図示省略)が設けられており、ランプは、基材部42に保持されている。
【0036】
なお、ターンランプ40の配線(ランプの配線)は、ステー26(図2参照)を通って車体10(図1参照)に設けられた制御装置(図示省略)に電気的に接続されている。そして、運転者が車体10の進行方向を変更する際等に所定の操作を行うことで、ランプが点滅発光すると共に光がランプ部44を透過して外側へ放射され、ターンランプ40が点滅点灯される。
【0037】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0038】
図4に示すように、ドアミラー装置20の組み付けでは、バイザボデー32の位置決め孔32Dに格納装置24のピン27Cを挿通し、格納装置24に対してバイザボデー32の位置決めを行う。そして、図5(A)に示すように、バイザボデー32が位置決めされた状態で、被取付部29の連通孔29Aとバイザボデー32の締結用孔32Eとを連通させ、連通孔29A及び締結用孔32Eにネジ48を挿入して締結する。これにより、格納装置24にバイザボデー32が固定される。なお、図5(A)では、ミラー22及び鏡面調整装置38(図4参照)の図示を省略している。
【0039】
続いて、図4に示すように、ターンランプ40の位置決め孔45Aに格納装置24のピン27Aを挿通し、格納装置24に対してターンランプ40の位置決めを行う。そして、ターンランプ40が位置決めされた状態で、可動部27の締結用孔45B及び締結用孔27Bにネジ56を挿入して締結する。
【0040】
さらに、図5(A)に示すように、被取付部29をバイザボデー32とターンランプ40とで挟んだ状態で、バイザボデー32の締結用孔32F、被取付部29の連通孔29B、及びターンランプ40の締結孔43Aを連通させ、締結用孔32F、連通孔29B、及び締結孔43Aにネジ46を挿入して締結(共締め)する。同様に、締結用孔32G、連通孔29C、及び締結孔43Bにネジ46を挿入して締結する。これにより、格納装置24及びバイザボデー32にターンランプ40が固定される。
【0041】
続いて、図5(A)に示すように、突出部31にネジ54で足元ランプ52を締結する。これにより、図5(B)に示すように、バイザ30の下面側に足元ランプ52が取付けられ、ドアミラー装置20の剛性が高められている。なお、図5(B)では、アンダーカバー36の図示を省略している。
【0042】
続いて、図2に示すように、鏡面調整装置38の固定部38Aをバイザボデー32の凹部32B及びターンランプ40の締結孔43Cにネジ(図示省略)で固定すると共に、鏡面調整装置38の傾動板38Bにミラー22を固定する。そして、バイザボデー32にバイザカバー34及びアンダーカバー36を取付け、ドアミラー装置20が組み上がる。なお、ドアミラー装置20の各部の配線の処理については、説明を省略する。
【0043】
組み上がったドアミラー装置20は、ステー26に固定部25を固定することにより、車体10に固定される。ドアミラー装置20は、使用時にミラー22がY−Z面に平行に配置される起立状態(展開状態)となっている。また、ドアミラー装置20は、未使用時に格納装置24が駆動されることで、バイザ30が可動部27と一体に起立位置から格納位置(ミラー22がX−Z面に近づいた位置)へ回動され、格納される。さらに、ドアミラー装置20では、鏡面調整装置38が駆動された際に固定部38Aに対して傾動板38Bが傾動されることで、傾動板38Bと一体にミラー22が傾動され、ミラー22の鏡面角度が調整される。
【0044】
ここで、図4に示すように、ドアミラー装置20は、バイザボデー32よりも剛性が高いターンランプ40が直接、格納装置24に取付けられたことで、ドアミラー装置20の剛性が高められている。これにより、鉄板フレーム等の剛性を高めるための補強部材を別途設ける必要がなくなり、ドアミラー装置20の部品点数を減らすことができる。また、ドアミラー装置20は、格納装置24が、バイザボデー32とターンランプ40で挟み込まれることにより、格納装置24の周囲の剛性が高められているので、ドアミラー装置20全体としての剛性を高くすることができる。
【0045】
さらに、ドアミラー装置20は、ターンランプ40が、可動部27の回転中心位置Oよりも車体10(図1参照)側(矢印Y方向側)で可動部27に取付けられている。このため、ターンランプ40が可動部27の回転中心位置Oに対して車体10とは反対側の領域のみで可動部27に取付けられている構成に比べて、ターンランプ40により剛性が高められる領域が拡がるので、ドアミラー装置20の剛性を高めることができる。
【0046】
加えて、ドアミラー装置20は、可動部27と一体である被取付部29の連通孔29A、29B、29Cの数が、ターンランプ40の締結孔43A、43Bの数よりも多くなっているので、複数の連通孔29A、29B、29Cの並び方向(矢印Z方向)にターンランプ40をずらして締結できる。これにより、ターンランプ40の取付け位置を連通孔29A、29B、29Cの並び方向に沿って調整することができ、格納装置24を複数種類の車両で共用できる。
【0047】
図6には、格納装置24を他の車両のドアミラー装置60に適用した状態が示されている。ドアミラー装置60は、格納装置24と、鏡面調整装置38(図2参照)と、足元ランプ52と、バイザボデー64を含むバイザ62と、ターンランプ70とを含んで構成されている。
【0048】
ターンランプ70は、格納装置24及びバイザボデー64に固定される樹脂製の基材部72と、基材部72に設けられたランプ部74とを含んで構成されている。基材部72は、バイザボデー64に比べて剛性が高くされている。また、基材部72は、格納装置24の被取付部29及びバイザボデー64に取付けられる横断面J字状の板状部72Aを有している。板状部72Aの一方の端部は、板状部72Aに対し直角方向に延出されて、板状の延出部72Bが形成されている。さらに、延出部72Bの板状部72Aとは反対側の端部は、平面視で円弧状に湾曲されており、板状部72Aとほぼ平行となる板状の取付部72Cが形成されている。
【0049】
板状部72Aには、被取付部29に板状部72Aを締結するための貫通孔である締結孔73A、73Bと、バイザボデー64及び固定部38A(図2参照)に板状部72Aを締結するための貫通孔である締結孔73Cとが、厚さ方向(矢印X方向)に貫通して形成されている。また、取付部72Cには、位置決め孔75A及び締結用孔75Bが、厚さ方向(矢印X方向)に貫通して形成されている。位置決め孔75Aは、可動部27のピン27A(図4参照)が挿入可能な大きさとなっており、締結用孔75Bは、可動部27の側面に形成された締結用孔27B(図4参照)と内部が連通可能な大きさとなっている。
【0050】
ランプ部74は、矢印Z方向における下面の高さ位置が、取付部72Cの下面の高さ位置とほぼ揃えられており、前述のランプ部44(図3参照)と取付部42C(図3参照)との位置関係とは異なる位置関係になっている。
【0051】
ここで、連通孔29Aと締結孔73A、連通孔29Bと締結孔73Bをそれぞれ連通させ、ネジ(図示省略)で締結することで、ターンランプ70、格納装置24、及びバイザボデー64を共締めすることができる。このように、ターンランプが中央位置や重心位置等、異なる位置に配置されるドアミラー装置であっても、格納装置24を共用することができる。
【0052】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0053】
本実施形態では、本発明の車両用ミラー装置の構成をドアミラー装置20に適用したが、これに限らず、本発明の車両用ミラー装置の構成を車両外部の他の車両用アウタミラー装置(例えば車両用フェンダミラー装置)又は車両内部の車両用インナミラー装置に適用してもよい。
【0054】
また、締結孔の数が1つで連通孔の数が2つであってもよく、連通孔の数が4つ以上であってもよい。即ち、締結孔の数と連通孔の数との差は1つに限らない。
【0055】
さらに、ターンランプ40と足元ランプ52との一方を格納装置24に取付けてもよい。
【0056】
加えて、ターンランプ40(特に基材部42)に補強リブを設けて剛性をさらに高めてもよい。
【0057】
また、格納装置は、実施例では電動格納装置として説明したが、手動格納装置であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 車体
20 ドアミラー装置(車両用ミラー装置の一例)
22 ミラー
24 格納装置(格納手段の一例)
25 固定部
27 可動部
29A 連通孔
29B 連通孔
29C 連通孔
32 バイザボデー(支持部材の一例)
40 ターンランプ(ランプの一例)
43A 締結孔
43B 締結孔
46 ネジ(締結部材の一例)
52 足元ランプ(ランプの一例)
54 ネジ(締結部材の一例)
60 ドアミラー装置(車両用ミラー装置の一例)
64 バイザボデー(支持部材の一例)
70 ターンランプ(ランプの一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定される固定部とミラーに連結された可動部とを備え、前記可動部が前記固定部に対して回転して前記ミラーを格納する格納手段と、
前記可動部に取付けられ、光を発生するランプと、
を有する車両用ミラー装置。
【請求項2】
前記ミラーを支持する支持部材がさらに設けられ、
前記支持部材と前記ランプとで前記可動部が挟まれた請求項1に記載の車両用ミラー装置。
【請求項3】
前記ランプは、前記可動部の回転中心位置よりも前記車体側で前記可動部に取付けられている請求項1又は請求項2に記載の車両用ミラー装置。
【請求項4】
前記ランプには、締結部材が挿通される締結孔が形成され、
前記可動部には、前記締結孔の数よりも多い数で前記締結孔との連通用の複数の連通孔が形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用ミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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