説明

車両用二重反転式送風機

【課題】モータの回転駆動軸と軸流ファンの回転軸とをギアを介して連結することで、1つのモータで複数の軸流ファンを回転駆動する場合に、ギア部分への異物の侵入を抑制することができる車両用二重反転式送風機を提供する。
【解決手段】モータ2の回転駆動軸21と2つの軸流ファン11、12の回転軸11a、12aとを、それぞれギア11f、12f、22を介して連結し、ギア11f、12f、22を、ギアボックス5に収容し、2つの軸流ファン11、12に、凹部を有するボス部11b、12bと、ボス部11b、12bに設けられたブレード11c、12cとを設け、2つの軸流ファン11、12を、ボス部11b、12bの凹部同士が対向するように配置し、ギアボックス5を、2つのボス部11b、12b間に配置するとともに、2つのボス部11b、21bが空気流れ方向両側から覆うようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸流ファン(JIS B 0132 番号1010参照)を用いた送風機に関するもので、ラジエータ等の車両用熱交換器に冷却風を送風する送風機に適用して有効である。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載されるラジエータ等の熱交換器に冷却空気を供給する送風機として、軸流ファンが用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、軸流ファンは、回転に伴う旋回成分の動圧分がロスとなり、軸流成分が減少するため、ファン効率が悪化するという問題があった。
【特許文献1】特開2002−310097号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対し、本出願人は、車両に搭載される送風機として二重反転ファンを用いることを検討している。二重反転ファンとは、互いに対向配置された2つの軸流ファンを有し、2つの軸流ファンが互いに反対方向に回転して送風するものである。一方の軸流ファンの出口で生じた旋回成分が、他方の軸流ファンの反転により打ち消されるため、一方の軸流ファンの出口で生じた旋回成分の動圧分を静圧として回収することができる。これにより、ファン効率を向上させることができる。
【0004】
ところで、この二重反転ファンを回転駆動する方法として、それぞれの軸流ファンに1つずつモータを設ける方法が考えられる。この方法では、1つの二重反転ファンに対し2つのモータが必要となるため、部品点数の増加や、重量の増加という問題がある。
【0005】
そこで、本出願人は、モータの回転駆動軸と軸流ファンの回転軸とをギアを介して連結することで、1つのモータで2つの軸流ファンを回転駆動する方法を考案した。しかしながら、二重反転ファンは車両に搭載されるため、ギア部分へ水、飛び石、埃等の異物が侵入し、ギアの回転機能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、モータの回転駆動軸と軸流ファンの回転軸とをギアを介して連結することで、1つのモータで複数の軸流ファンを回転駆動する場合に、ギア部分への異物の侵入を抑制することができる車両用二重反転式送風機を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明では、車両に搭載され、互いに反対方向に回転する2つの軸流ファン(11、12)と、2つの軸流ファン(11、12)を回転駆動するモータ(2)とを備え、2つの軸流ファン(11、12)が、その回転軸(11a、12a)が同一直線上となるように直列に配置された車両用二重反転式送風機であって、モータ(2)の回転駆動軸(21)と2つの軸流ファン(11、12)の回転軸(11a、12a)とは、それぞれギア(11f、12f、22)を介して連結されており、ギア(11f、12f、22)は、ギアボックス(5)に収容されており、2つの軸流ファン(11、12)は、凹部を有するボス部(11b、12b)と、ボス部(11b、12b)に設けられたブレード(11c、12c)とをそれぞれ有しており、2つの軸流ファン(11、12)は、ボス部(11b、12b)の凹部同士が対向するように配置されており、ギアボックス(5)は、2つのボス部(11b、12b)間に配置されるとともに、2つのボス部(11b、21b)に空気流れ方向両側から覆われていることを第1の特徴としている。
【0008】
このように、ギア(11f、12f、22)をギアボックス(5)に収容するとともに、ギアボックス(5)をボス部(11b、12b)で両側から覆うことで、ギア(11f、12f、22)への異物の侵入を抑制することが可能となる。
【0009】
この場合、回転駆動軸(21)を、2つの軸流ファン(11、12)間に配置し、回転駆動軸(21)に、主動側ギア(22)を接続し、2つの軸流ファン(11、12)の回転軸(11a、12a)を、回転駆動軸(21)に対してそれぞれ垂直に配置し、回転軸(11a、12a)の一端側に、主動側ギア(22)と噛合する従動側ギア(11f、12f)をそれぞれ接続し、2つの軸流ファン(11、12)の従動側ギア(11f、12f)を、主動側ギア(22)により互いに反対方向に回転させることができる。
【0010】
また、本発明では、ボス部(11b、12b)の端部と回転駆動軸(21)との隙間(A)が、0より大きく10mm以下の範囲であることを第2の特徴としている。
【0011】
これにより、ボス部(11b、12b)の端部と回転駆動軸(21)との隙間(A)から、ギアボックス(5)における回転駆動軸(21)との隙間を介して、ギアボックス(5)内に異物が侵入することを抑制できる。このため、ギア(11f、12f、22)への異物の侵入を抑制することが可能となる。
【0012】
そして、ボス部(11b、12b)の端部と回転駆動軸(21)との隙間(A)を、3mm以上6mm以下の範囲とすることで、ギア(11f、12f、22)への異物の侵入を抑制しつつ、組み付け精度や寸法精度によるずれ等により、回転駆動軸(21)とボス部(11b、12b)とが接触し、回転機能に不具合が生じることを抑制できる。
【0013】
また、本発明では、ボス部(11b、12b)とギアボックス(5)との隙間(B)が、0より大きく10mm以下の範囲であることを第3の特徴としている。
【0014】
これにより、ギアボックス(5)とボス部(11b、12b)との間に異物が侵入したとしても、ギアボックス(5)における回転軸(11a、12a)との隙間からギアボックス(5)内に異物が侵入することを抑制できる。このため、ギア(11f、12f、22)への異物の侵入を抑制することが可能となる。
【0015】
そして、ボス部(11b、12b)とギアボックス(5)との隙間(B)を、3mm以上6mm以下の範囲とすることで、ギア(11f、12f、22)への異物の侵入を抑制しつつ、組み付け精度や寸法精度によるずれ等により、ボス部(11b、12b)とギアボックス(5)とが接触し、回転機能に不具合が生じることを抑制できる。
【0016】
また、本発明では、ボス部(11b、12b)とギアボックス(5)との間には、ボス部(11b、12b)とギアボックス(5)のうち、一方から他方に向かって突出する環状の突出部(110、120、510)を少なくとも1つ設けることにより、迷路構造が形成されていることを第4の特徴としている。
【0017】
なお、「迷路構造」とは、周知のごとく、通路の入口側から出口側までに至る部位に、通路が屈曲する部位を少なくとも一カ所設けることにより、通路を流通する流体が直線的に流通することができないようにしたものである。
【0018】
これにより、ギアボックス(5)とボス部(11b、12b)との間に異物が侵入したとしても、ギアボックス(5)における回転軸(11a、12a)との隙間からギアボックス(5)内に異物が侵入することを抑制できる。このため、ギア(11f、12f、22)への異物の侵入を抑制することが可能となる。
【0019】
この場合、ボス部(11b、12b)に、ギアボックス(5)側に突出する環状の第1の迷路壁(110、120)を設け、ギアボックス(5)に、ボス部(11b、12b)側に突出する環状の第2の迷路壁(510)を、第1の迷路壁(110、120)と直径の異なる同心円状に設け、迷路構造を、第1の迷路壁(110、120)と、第2の迷路壁(510)とから構成することができる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について図1および図2に基づいて説明する。本実施形態は、車両に搭載されるラジエータおよびコンデンサ(以下、熱交換器ともいう)に冷却空気を送風する送風機に本発明を適用したものである。なお、ラジエータは、エンジン(内燃機関)の冷却水と空気とを熱交換させて冷却水を冷却する熱交換器であり、コンデンサは、車両用冷凍サイクル(空調装置)内を循環する冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を冷却する熱交換器である。本実施形態では、ラジエータは、コンデンサより車両後方側に配置されている。
【0022】
図1は、本実施形態に係る二重反転式送風機1およびファンシュラウド3を示す分解斜視図である。図1に示すように、本実施形態の二重反転式送風機1は、熱交換器(図示せず)の車両後方側に2つ並列に配置されている。この2つの二重反転式送風機1は、単一のモータ2にて回転駆動されるようになっている。
【0023】
熱交換器(図示せず)の車両後方側には、ファンシュラウド3が配置されている。ファンシュラウド3は、二重反転式送風機1と熱交換器との隙間を閉塞して二重反転式送風機1にて誘起された空気流が熱交換器を迂回して流れることを防止する機能と、二重反転式送風機1を支持する機能とを有している。
【0024】
ファンシュラウド3は、円筒状(リング状)のシュラウドリング部31と、ラジエータ(図示せず)の背面側の空間をリング部31まで滑らかな流路によって接続するシュラウド平面部32とを有している。そして、本実施形態では、シュラウドリング部31およびシュラウド平面部32等の各部分が全て一体となるように形成されている。
【0025】
シュラウドリング部31は、環状内部において、二重反転式送風機1が後述するブレード11c、12cの先端に必要な大きさの隙間を残して自由に回転し得るベンチュリ型の流路空間を形成しており、その中で二重反転式送風機1は後述するギアボックス5の回転軸11a、12aに支持され、かつ回転駆動される。本実施形態では、二重反転式送風機1が2つ並列に配置されているため、シュラウドリング部31も二重反転式送風機1に対応するように2つ並列に形成されている。また、シュラウド平面部32の車両後方側(空気流れ下流側)には、モータ2がブラケット4を介して固定されている。
【0026】
次に、本実施形態における二重反転式送風機1の具体的構成を説明する。2つの二重反転式送風機1の構成はほぼ同一であるため、ここではモータ2に近い側の二重反転式送風機1について説明する。
【0027】
図2は、本実施形態に係る二重反転式送風機1の断面図である。図2に示すように、本実施形態の二重反転式送風機1は、第1の軸流ファン11および第2の軸流ファン12を有している。第1の軸流ファン11および第2の軸流ファン12は、互いに直列に、すなわち回転軸11a、12aが同一直線上となるように配置されている。また、第1の軸流ファン11は、第2の軸流ファン12より車両前方側(空気流れ上流側)に配置されている。
【0028】
第1の軸流ファン11および第2の軸流ファン12は、互いに反対方向に回転するように構成されている。また、第1の軸流ファン11および第2の軸流ファン12において、誘起する空気流の方向は同一となっている。
【0029】
これにより、第1の軸流ファン11の出口で生じた円周方向の旋回流成分が、第2の軸流ファン12の反転により打ち消されるため、第1の軸流ファン11の出口で生じた旋回流の動圧分が、静圧として回収される。このため、通常の一連の軸流ファンと比較して高静圧が得られるので、図示しない熱交換器に送風する空気風量を増加させることができる。
【0030】
第1、第2の軸流ファン11、12は、それぞれボス部11b、12bから放射状に延びる複数枚のブレード11c、12cを有している。ボス部11b、12bは、一端が閉じた筒状、すなわち断面略コの字形状に形成されており、円形状の底部11d、12dと、底部11d、12dの縁部から略直角に突出する側壁部11e、12eとを有している。底部11dの中心部には、回転軸11a、12aの一端側がそれぞれ接続されている。側壁部11e、121eの外表面には、ブレード11c、12cが接続されている。そして、第1、第2の軸流ファン11、12は、ボス部11b、12bの略コの字形状の凹部同士が対向するように、すなわち側壁部11e、12eの端部同士が対向するように配置されている。
【0031】
また、モータ2(図1参照)の回転駆動軸21における2つの二重反転式送風機1と対応する部位には、主動側ギア22がそれぞれ固定されている。この主動側ギア22は、例えば螺旋歯車や傘歯車等が使用される。
【0032】
第1、第2の軸流ファン11、12の回転軸11a、12aは、モータ2の回転駆動軸21に対してそれぞれ垂直に配置されている。また、回転軸11a、12aの他端側(ボス部11b、12bに接続されていない側の端部)には、従動側ギア11f、12fがそれぞれ固定されている。従動側ギア11f、12fは、主動側ギア22とそれぞれ噛合しており、これによってモータ2の回転駆動力が、第1、第2の軸流ファン11、12の回転軸11a、12aにそれぞれ伝達され、第1、第2の軸流ファン11、12が互いに反対方向に回転するように構成されている。従動側ギア11f、12fも、螺旋歯車や傘歯車等の歯車が適宜使用される。
【0033】
第1、第2の軸流ファン11、12の回転軸11a、12aは、ギアボックス5に軸受11g、12gを介して回転可能に支持されている。このギアボックス5は、従動側ギア11f、12fとともに主動側ギア22をも収容しており、回転軸11a、12aと同様に回転駆動軸21をも軸受23を介して回転可能に支持している。
【0034】
図1に戻り、ギアボックス5は、ファンシュラウド3に略水平に架け渡されたステー33に取り付けられている。本実施形態では、ステー33は、ギアボックス5の車両上下端部を支持するように2本平行に設けられている。
【0035】
次に、本実施形態における第1、第2の軸流ファン11、12およびギアボックス5の詳細な構成について述べる。
【0036】
図1および図2に示すように、ギアボックス5は、略円筒形状に形成されている。また、ギアボックス5は、2つの軸流ファンのボス部11b、12b間に配置されるとともに、ボス部11b、12bに空気流れ方向両側から覆われている。ここで、ギアボックス5におけるボス部11b、12bの底部11d、12dと対向する円状の面を第1の面51といい、ボス部11b、12bの側壁部11e、12eと対向する面を第2の面52という。
【0037】
図2に示すように、ボス部11b、12bの底部11d、12dには、ギアボックス5の第1の面51側に突出する環状の第1の迷路壁110、120が形成されている。第1の迷路壁110、120は、底部11d、12dと略同心円状、すなわち回転軸11a、12aを中心とする円状に配置されている。
【0038】
一方、ギアボックス5の第1の面51には、ボス部11b、12側に突出する環状の第2の迷路壁510が形成されている。第2の迷路壁510は、ギアボックス5の第1の面51と回転軸11a、12aとが交わる点を中心とする円状に配置されている。すなわち、第1の迷路壁110、120と第2の迷路壁510は、同心円状に配置されている。また、第2の迷路壁510は、第1の迷路壁110、120より直径が小さくなっている。そして、第1、第2の迷路壁110、120、510により迷路構造が構成されている。
【0039】
また、回転駆動軸21とボス部11b、12bにおける側壁部11e、12eの端部との間の隙間Aを小さくする程、この隙間Aから、ギアボックス5における回転駆動軸21との隙間を介して、ギアボックス5内に水、飛び石、埃等の異物が侵入することを抑制できる。しかしながら、隙間Aを小さくすると、組み付け精度や寸法精度によるずれ等により、回転駆動軸21とボス部11b、12bとが接触し、回転機能に不具合が生じる可能性がある。このため、隙間Aは、0より大きく10mm以下の範囲とすることが望ましく、3mm以上6mm以下の範囲とすることがより望ましい。
【0040】
また、ボス部11b、12bとギアボックス5との隙間Bの大きさを小さくする程、この隙間Bから、ギアボックス5における回転軸11a、12aとの隙間を介して、ギアボックス5内に異物が侵入することを抑制できる。しかしながら、隙間Bを小さくすると、組み付け精度や寸法精度によるずれ等により、ボス部11b、12bとギアボックス5とが接触し、回転機能に不具合が生じる可能性がある。このため、隙間Bは、0より大きく10mm以下の範囲とすることが望ましく、3mm以上6mm以下の範囲とすることがより望ましい。
【0041】
以上説明したように、主動側ギア22および従動側ギア11f、12fをギアボックス5に収容するとともに、このギアボックス5をボス部11b、12bで覆うことで、主動側ギア22および従動側ギア11f、12fへの異物の侵入を抑制することが可能となる。
【0042】
また、ボス部11b、12bとギアボックス5との間に迷路構造を構成することで、ギアボックス5における回転軸11a、12aとの隙間を介して、ギアボックス5内に異物が侵入することを抑制できる。このため、主動側ギア22および従動側ギア11f、12fへの異物の侵入をより抑制することが可能となる。
【0043】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、二重反転式送風機1を2つ並列に配置したが、これに限らず、二重反転式送風機1を1つのみ配置した場合や、二重反転式送風機1を3つ以上配置した場合であっても、本発明を適用することができる。
【0044】
また、上記実施形態では、ボス部11b、12bとギアボックス5との間の迷路構造を、2つの迷路壁110,120、510を設けることにより形成したが、これに限らず、迷路壁を1つのみ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、モータ2を、ブラケット4を介してファンシュラウド3に固定し、ギアボックス5を、ステー33を介してファンシュラウド3に固定したが、これに限らず、それぞれファンシュラウド3に直接固定してもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、第2の迷路壁510を、第1の迷路壁110、120より直径が小さくなるように構成したが、これに限らず、第1の迷路壁110、120より直径が大きくなるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係る二重反転式送風機1およびファンシュラウド3を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る二重反転式送風機1の断面図である。
【符号の説明】
【0048】
2…モータ、5…ギアボックス、11、12…軸流ファン、11a、12a…回転軸、11b、12b…ボス部、11c、12c…ブレード、11f、12f…従動側ギア、21…回転駆動軸、22…主動側ギア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、互いに反対方向に回転する2つの軸流ファン(11、12)と、前記2つの軸流ファン(11、12)を回転駆動するモータ(2)とを備え、前記2つの軸流ファン(11、12)が、その回転軸(11a、12a)が同一直線上となるように直列に配置された車両用二重反転式送風機であって、
前記モータ(2)の回転駆動軸(21)と前記2つの軸流ファン(11、12)の前記回転軸(11a、12a)とは、それぞれギア(11f、12f、22)を介して連結されており、
前記ギア(11f、12f、22)は、ギアボックス(5)に収容されており、
前記2つの軸流ファン(11、12)は、凹部を有するボス部(11b、12b)と、前記ボス部(11b、12b)に設けられたブレード(11c、12c)とをそれぞれ有しており、
前記2つの軸流ファン(11、12)は、前記ボス部(11b、12b)の前記凹部同士が対向するように配置されており、
前記ギアボックス(5)は、前記2つのボス部(11b、12b)間に配置されるとともに、前記2つのボス部(11b、21b)に空気流れ方向両側から覆われていることを特徴とする車両用二重反転式送風機。
【請求項2】
前記回転駆動軸(21)は、前記2つの軸流ファン(11、12)間に配置されており、
前記回転駆動軸(21)には、主動側ギア(22)が接続されており、
前記2つの軸流ファン(11、12)の前記回転軸(11a、12a)は、前記回転駆動軸(21)に対してそれぞれ垂直に配置され、前記回転軸(11a、12a)の一端側には、前記主動側ギア(22)と噛合する従動側ギア(11f、12f)がそれぞれ接続されており、
前記2つの軸流ファン(11、12)の前記従動側ギア(11f、12f)は、前記主動側ギア(22)により互いに反対方向に回転させられることを特徴とする請求項1に記載の車両用二重反転式送風機。
【請求項3】
前記ボス部(11b、12b)の端部と前記回転駆動軸(21)との隙間(A)が、0より大きく10mm以下の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の車両用二重反転式送風機。
【請求項4】
前記ボス部(11b、12b)の端部と前記回転駆動軸(21)との隙間(A)が、3mm以上6mm以下の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の車両用二重反転式送風機。
【請求項5】
前記ボス部(11b、12b)と前記ギアボックス(5)との隙間(B)が、0より大きく10mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用二重反転式送風機。
【請求項6】
前記ボス部(11b、12b)と前記ギアボックス(5)との隙間(B)が、3mm以上6mm以下の範囲であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用二重反転式送風機。
【請求項7】
前記ボス部(11b、12b)と前記ギアボックス(5)との間には、前記ボス部(11b、12b)と前記ギアボックス(5)のうち、一方から他方に向かって突出する環状の突出部(110、120、510)を少なくとも1つ設けることにより、迷路構造が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用二重反転式送風機。
【請求項8】
前記ボス部(11b、12b)には、前記ギアボックス(5)側に突出する環状の第1の迷路壁(110、120)が設けられており、
前記ギアボックス(5)には、前記ボス部(11b、12b)側に突出する環状の第2の迷路壁(510)が、前記第1の迷路壁(110、120)と直径の異なる同心円状に設けられており、
前記迷路構造は、前記第1の迷路壁(110、120)と、前記第2の迷路壁(510)とから構成されていることを特徴とする請求項7に記載の車両用二重反転式送風機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−303286(P2007−303286A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129760(P2006−129760)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】