説明

車両用信号灯

【課題】導光レンズを薄型化・薄肉化し、光って見える部分を増加させる。
【解決手段】導光レンズ3の中心軸線3Lを発光素子光源1の光軸1Lに概略一致させた車両用信号灯100において、光軸1Lと角度1をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射された光が、導光レンズ3の入光部3aから入光し、反射部3bによって反射され、透過部3c,3dを透過し、反射部3fによって反射され、出光部3hを透過して車両用信号灯100の照射方向に照射され、発光中心1Cを中心とする球面によって入光部3aを形成し、光軸1Lに概略平行な線分を光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる曲面によって透過部3cを形成し、光軸1Lと角度2(>角度1)をなして発光中心1Cから照射された光が入光する入光部3jを設け、入光部3jから入光した光が、透過部3cの透過時に屈折し、光軸1Lと角度3(<角度2)をなして照射方向に照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子光源と、発光素子光源からの光を導光する導光レンズとを具備し、発光素子光源の光軸を水平面内に配置し、導光レンズの中心軸線を発光素子光源の光軸に概略一致させた車両用信号灯に関する。
【0002】
特に、本発明は、導光レンズの中心軸線方向の寸法を小型化すると共に、導光レンズを薄肉化し、かつ、車両用信号灯の照射方向から車両用信号灯を見た時に光って見える部分を増加させることができる車両用信号灯に関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、発光素子光源と、発光素子光源からの光を導光する導光レンズとを具備し、発光素子光源の光軸を水平面内に配置し、導光レンズの中心軸線を発光素子光源の光軸に概略一致させた車両用信号灯が知られている。この種の車両用信号灯の例としては、例えば特許文献1(特開2004−152764号公報)の図2に記載されたものがある。
【0004】
特許文献1の図2に記載された車両用信号灯では、発光素子光源の光軸と小さい角度をなして発光素子光源の発光中心から照射された光が入光する入光部(同軸状中心部分)が、導光レンズに設けられている。また、入光部(同軸状中心部分)から入光した光を反射して発光素子光源の光軸に概略垂直な向きに進む光にする第1反射部(円錐形中心部分)が、導光レンズに設けられている。更に、第1反射部(円錐形中心部分)によって反射されて発光素子光源の光軸に概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源の光軸に概略垂直な向きに進む光にする第1透過部(円筒形状出口面)が、導光レンズに設けられている。
【0005】
また、特許文献1の図2に記載された車両用信号灯では、第1透過部(円筒形状出口面)を透過して発光素子光源の光軸に概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源の光軸に概略垂直な向きに進む光にする第2透過部(軸方向部分68(特許文献1の図2参照))が、導光レンズに設けられている。更に、第2透過部(軸方向部分68(特許文献1の図2参照))を透過して発光素子光源の光軸に概略垂直な向きに進む光を反射して発光素子光源の光軸に概略平行な向きに進む光にする第2反射部(背面)が、導光レンズに設けられている。また、第2反射部(背面)によって反射されて発光素子光源の光軸に概略平行な向きに進む光を透過させて車両用信号灯の照射方向に照射する第1出光部(径方向部分70(特許文献1の図2参照))が、導光レンズに設けられている。そのため、特許文献1の図2に記載された車両用信号灯では、車両用信号灯の照射方向から車両用信号灯を見た時に、第1出光部(径方向部分70(特許文献1の図2参照))が光って見える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−152764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の図2に記載された車両用信号灯では、発光素子光源の発光中心の側に凸状の曲面によって、入光部(同軸状中心部分)が形成されている。そのため、特許文献1の図2に記載された車両用信号灯では、導光レンズの中心軸線方向の寸法が大型化すると共に、入光部(同軸状中心部分)が厚肉化してしまい、樹脂材料の成形によって導光レンズを形成する場合に入光部(同軸状中心部分)に成形不良が生じてしまうおそれがある。
【0008】
更に、特許文献1の図2に記載された車両用信号灯では、第1透過部(円筒形状出口面)を透過した光のすべてが、車両用信号灯の照射方向に照射される前に、第2反射部(背面)によって反射される。つまり、特許文献1の図2に記載された車両用信号灯では、第1透過部(円筒形状出口面)を透過した光が直射光となって車両用信号灯の照射方向に照射されない。そのため、特許文献1の図2に記載された車両用信号灯では、車両用信号灯の照射方向から車両用信号灯を見た時に、第1透過部(円筒形状出口面)が暗く見えてしまう。
【0009】
前記問題点に鑑み、本発明は、導光レンズの中心軸線方向の寸法を小型化すると共に、導光レンズを薄肉化し、かつ、車両用信号灯の照射方向から車両用信号灯を見た時に光って見える部分を増加させることができる車両用信号灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、発光素子光源(1)と、発光素子光源(1)からの光を導光する導光レンズ(3)とを具備し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)を水平面内に配置し、
導光レンズ(3)の中心軸線(3L)を発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略一致させた車両用信号灯(100)において、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射された光が入光する第1入光部(3a)と、
第1入光部(3a)から入光した光を反射して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光にする第1反射部(3b)と、
第1反射部(3b)によって反射されて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光にする第1透過部(3c)と、
第1透過部(3c)を透過して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光にする第2透過部(3d)と、
第2透過部(3d)を透過して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光を反射して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略平行な向きに進む光にする第2反射部(3f)と、
第2反射部(3f)によって反射されて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略平行な向きに進む光を透過させて車両用信号灯(100)の照射方向に照射する第1出光部(3h)とを導光レンズ(3)に設け、
発光素子光源(1)の発光中心(1C)を中心とする球面の一部分によって第1入光部(3a)を形成し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略平行な線分(de)を発光素子光源(1)の光軸(1L)を中心に360°回転させることにより得られる曲面によって第1透過部(3c)を形成し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度より大きい第2の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射された光が入光する第2入光部(3j)を導光レンズ(3)に設け、
第2入光部(3j)から入光した光が、第1透過部(3c)を透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第2の角度より小さい第3の角度をなして車両用信号灯(100)の照射方向に照射されるように、第2入光部(3j)を形成したことを特徴とする車両用信号灯(100)が提供される。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて水平面内を進む光が入光する第1入光面(3j1,3j2)と、発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて鉛直面内を進む光が入光する第2入光面(3j3,3j4)とを第2入光部(3j)に設け、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と角度をなす線分(f’g’,bs)を発光素子光源(1)の光軸(1L)を中心に回転させることにより得られる曲面によって第1入光面(3j1,3j2)を形成し、
発光素子光源(1)の発光中心(1C)の側に凸状の曲線(vw,a’b’)を発光素子光源(1)の光軸(1L)を中心に回転させることにより得られる曲面によって第2入光面(3j3,3j4)を形成し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度より大きい第4の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて第1入光面(3j1,3j2)から入光した光が、第1透過部(3c)を透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第4の角度より小さい第5の角度をなして車両用信号灯(100)の照射方向に照射されるように、第1入光面(3j1,3j2)を形成し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と第4の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて第2入光面(3j3,3j4)から入光した光が、第1透過部(3c)を透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第5の角度より小さい第6の角度をなして車両用信号灯(100)の照射方向に照射されるように、第2入光面(3j3,3j4)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯(100)が提供される。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度より小さい第7の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射された光が入光する第3入光部(3k)と、
第3入光部(3k)から入光した光を透過させて車両用信号灯(100)の照射方向に照射する第2出光部(3m)とを導光レンズ(3)に設け、
発光素子光源(1)の発光中心(1C)を中心とする球面の一部分によって第3入光部(3k)を形成し、
発光素子光源(1)の発光中心(1C)の反対側に凸状の曲線(d’e’)を、発光素子光源(1)の発光中心(1C)を隔てて導光レンズ(3)の反対側に位置する鉛直線(3m’)を中心に回転させることにより得られる曲面によって第2出光部(3m)を形成したことを特徴とする請求項2に記載の車両用信号灯(100)が提供される。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)と、発光素子光源(1)からの光を導光する導光レンズ(3)とが設けられている。また、発光素子光源(1)の光軸(1L)が水平面内に配置されている。更に、導光レンズ(3)の中心軸線(3L)が発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略一致せしめられている。
【0014】
また、請求項1に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射された光が入光する第1入光部(3a)が、導光レンズ(3)に設けられている。更に、第1入光部(3a)から入光した光を反射して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光にする第1反射部(3b)が、導光レンズ(3)に設けられている。また、第1反射部(3b)によって反射されて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光にする第1透過部(3c)が、導光レンズ(3)に設けられている。
【0015】
更に、請求項1に記載の車両用信号灯(100)では、第1透過部(3c)を透過して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光にする第2透過部(3d)が、導光レンズ(3)に設けられている。また、第2透過部(3d)を透過して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光を反射して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略平行な向きに進む光にする第2反射部(3f)が、導光レンズ(3)に設けられている。更に、第2反射部(3f)によって反射されて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略平行な向きに進む光を透過させて車両用信号灯(100)の照射方向に照射する第1出光部(3h)が、導光レンズ(3)に設けられている。
【0016】
そのため、請求項1に記載の車両用信号灯(100)では、車両用信号灯(100)の照射方向から車両用信号灯(100)を見た時に、第1出光部(3h)が光って見える。
【0017】
詳細には、請求項1に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)の発光中心(1C)を中心とする球面の一部分によって、第1入光部(3a)が形成されている。つまり、請求項1に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)の発光中心(1C)の反対側に凸状の曲面によって、第1入光部(3a)が形成されている。そのため、請求項1に記載の車両用信号灯(100)によれば、発光素子光源の発光中心の側に凸状の曲面によって第1入光部が形成されている場合よりも、導光レンズ(3)の中心軸線(3L)の方向の寸法を小型化することができる。また、請求項1に記載の車両用信号灯(100)によれば、発光素子光源の発光中心の側に凸状の曲面によって第1入光部が形成されている場合よりも、導光レンズ(3)を薄肉化することができる。
【0018】
更に、請求項1に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略平行な線分(de)を発光素子光源(1)の光軸(1L)を中心に360°回転させることにより得られる曲面によって第1透過部(3c)が形成されている。また、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度より大きい第2の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射された光が入光する第2入光部(3j)が、導光レンズ(3)に設けられている。更に、第2入光部(3j)から入光した光が、第1透過部(3c)を透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第2の角度より小さい第3の角度をなして車両用信号灯(100)の照射方向に照射されるように、第2入光部(3j)が形成されている。
【0019】
つまり、請求項1に記載の車両用信号灯(100)では、第1透過部(3c)を透過した光の一部が直射光となって車両用信号灯(100)の照射方向に照射される。そのため、請求項1に記載の車両用信号灯(100)では、車両用信号灯(100)の照射方向から車両用信号灯(100)を見た時に、第1透過部(3c)が光って見える。
【0020】
その結果、請求項1に記載の車両用信号灯(100)によれば、第1透過部を透過した光が直射光となって車両用信号灯の照射方向に照射されない場合よりも、車両用信号灯(100)の照射方向から車両用信号灯(100)を見た時に光って見える部分を増加させることができる。
【0021】
請求項2に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて水平面内を進む光が入光する第1入光面(3j1,3j2)と、発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて鉛直面内を進む光が入光する第2入光面(3j3,3j4)とが、第2入光部(3j)に設けられている。また、発光素子光源(1)の光軸(1L)と角度をなす線分(f’g’,bs)を発光素子光源(1)の光軸(1L)を中心に回転させることにより得られる曲面によって、第1入光面(3j1,3j2)が形成されている。更に、発光素子光源(1)の発光中心(1C)の側に凸状の曲線(vw,a’b’)を発光素子光源(1)の光軸(1L)を中心に回転させることにより得られる曲面によって、第2入光面(3j3,3j4)が形成されている。
【0022】
また、請求項2に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度より大きい第4の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて第1入光面(3j1,3j2)から入光した光が、第1透過部(3c)を透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第4の角度より小さい第5の角度をなして車両用信号灯(100)の照射方向に照射されるように、第1入光面(3j1,3j2)が形成されている。
【0023】
更に、請求項2に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第4の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて第2入光面(3j3,3j4)から入光した光が、第1透過部(3c)を透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第5の角度より小さい第6の角度をなして車両用信号灯(100)の照射方向に照射されるように、第2入光面(3j3,3j4)が形成されている。
【0024】
そのため、請求項2に記載の車両用信号灯(100)によれば、発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて第2入光部(3j)から入光した光によって、横長の配光パターン、つまり、水平方向の幅寸法が鉛直方向の幅寸法よりも大きい配光パターンを形成することができる。
【0025】
請求項3に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度より小さい第7の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射された光が入光する第3入光部(3k)が、導光レンズ(3)に設けられている。また、第3入光部(3k)から入光した光を透過させて車両用信号灯(100)の照射方向に照射する第2出光部(3m)が、導光レンズ(3)に設けられている。
【0026】
更に、請求項3に記載の車両用信号灯(100)では、発光素子光源(1)の発光中心(1C)を中心とする球面の一部分によって、第3入光部(3k)が形成されている。また、発光素子光源(1)の発光中心(1C)の反対側に凸状の曲線(d’e’)を、発光素子光源(1)の発光中心(1C)を隔てて導光レンズ(3)の反対側に位置する鉛直線(3m’)を中心に回転させることにより得られる曲面によって、第2出光部(3m)が形成されている。
【0027】
そのため、請求項3に記載の車両用信号灯(100)によれば、発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて第3入光部(3k)から入光した光によって、横長の配光パターン、つまり、水平方向の幅寸法が鉛直方向の幅寸法よりも大きい配光パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態の車両用信号灯100の概略的な構成図である。
【図2】第1の実施形態の車両用信号灯100の一部を構成する導光レンズ3の部品図である。
【図3】第1の実施形態の車両用信号灯100の一部を構成する導光レンズ3の部品図である。
【図4】図3(B)に示す水平断面内を進む光L1,L2,L3,L4および図3(C)に示す鉛直断面内を進む光L5,L6,L7,L8を示した図である。
【図5】図3(B)に示す水平断面内を進む光L11,L12,L13,L4を示した図である。
【図6】導光レンズ3の入光部3jの入光面3j1を透過した光によって形成される配光パターンPLおよび導光レンズ3の入光部3jの入光面3j2を透過した光によって形成される配光パターンPRを示した図である。
【図7】図3(C)に示す鉛直断面内を進む光L15,L16,L17,L18を示した図である。
【図8】導光レンズ3の入光部3jの入光面3j3を透過した光によって形成される配光パターンPUおよび導光レンズ3の入光部3jの入光面3j4を透過した光によって形成される配光パターンPDを示した図である。
【図9】図3(B)に示す水平断面内を進む光L21,L22,L23および図3(C)に示す鉛直断面内を進む光L21,L24,L25を示した図である。
【図10】導光レンズ3の入光部3kを透過した光によって形成される配光パターンPCを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の車両用信号灯の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の車両用信号灯100の概略的な構成図である。詳細には、図1(A)は第1の実施形態の車両用信号灯100の正面図、図1(B)は図1(A)のA−A線に沿った水平断面図、図1(C)は図1(A)のB−B線に沿った鉛直断面図である。図2および図3は第1の実施形態の車両用信号灯100の一部を構成する導光レンズ3の部品図である。詳細には、図2(A)は導光レンズ3の正面図、図2(B)は導光レンズ3の後側面図、図3(A)は右前側から見た導光レンズ3の斜視図、図3(B)は導光レンズ3の中心軸線3Lを含む導光レンズ3の水平断面図、図3(C)は導光レンズ3の中心軸線3Lを含む導光レンズ3の鉛直断面図である。
【0030】
図4(A)は図3(B)に示す水平断面内を進む光L1,L2,L3,L4を示した図である。図4(B)は図3(C)に示す鉛直断面内を進む光L5,L6,L7,L8を示した図である。図5(A)は図3(B)に示す水平断面内を進む光L11,L13を示した図である。図5(B)は図3(B)に示す水平断面内を進む光L12,L14を示した図である。図6は導光レンズ3の入光部3jの入光面3j1を透過した光によって形成される配光パターンPLおよび導光レンズ3の入光部3jの入光面3j2を透過した光によって形成される配光パターンPRを示した図である。図7(A)は図3(C)に示す鉛直断面内を進む光L15,L17を示した図である。図7(B)は図3(C)に示す鉛直断面内を進む光L16,L18を示した図である。図8は導光レンズ3の入光部3jの入光面3j3を透過した光によって形成される配光パターンPUおよび導光レンズ3の入光部3jの入光面3j4を透過した光によって形成される配光パターンPDを示した図である。図9(A)は図3(B)に示す水平断面内を進む光L21,L22,L23を示した図である。図9(B)は図3(C)に示す鉛直断面内を進む光L21,L24,L25を示した図である。図10は導光レンズ3の入光部3kを透過した光によって形成される配光パターンPCを示した図である。
【0031】
第1の実施形態の車両用信号灯100では、図1に示すように、基板2に実装された例えばLED光源などのような発光素子光源1と、発光素子光源1からの光を導光する導光レンズ3とが、ハウジング100aとカバーレンズ100bとによって画定される灯室内に収容されている。また、発光素子光源1の光軸1Lが水平面内に配置されている。更に、導光レンズ3の中心軸線3Lが発光素子光源1の光軸1Lに概略一致せしめられている。
【0032】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば20°〜40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射された光が入光する入光部3aが、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図3(B)に示すように、発光素子光源1の発光中心1Cを中心とする円弧abを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる曲面(詳細には、球面の一部分)によって、入光部3aが形成されている。
【0033】
更に、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば20°〜40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射され、入光部3aから入光した光を反射して発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進む光にする反射部3bが、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図3(B)に示すように、発光素子光源1の発光中心1Cを焦点とする放物線cdを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる回転放物面によって、反射部3bが形成されている。
【0034】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば20°〜40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射され、入光部3aから入光し、反射部3bによって反射されて発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進む光にする透過部3cが、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図3(B)に示すように、発光素子光源1の光軸1Lに平行な線分deを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる円筒面によって、透過部3cが形成されている。
【0035】
更に、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば20°〜40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射され、入光部3aから入光し、反射部3bによって反射されて発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進み、透過部3cを透過して発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進む光にする透過部3dが、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図3(B)に示すように、発光素子光源1の光軸1Lに平行な線分fgを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる円筒面によって、透過部3dが形成されている。
【0036】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば20°〜30°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射され、入光部3aから入光し、反射部3bによって反射されて発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進み、透過部3cを透過して発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進み、透過部3dを透過して発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進む光を反射して発光素子光源1の光軸1Lに概略平行な向きに進む光にする反射部3fの反射面3f2が、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図3(B)に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと約45°の角度をなす線分jkを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる円錐面によって、反射部3fの反射面3f2が形成されている。
【0037】
更に、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば30°〜40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射され、入光部3aから入光し、反射部3bによって反射されて発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進み、透過部3cを透過して発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進み、透過部3dを透過して発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進む光を反射して発光素子光源1の光軸1Lに概略平行な向きに進む光にする反射部3fの反射面3f1が、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図3(B)に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと約45°の角度をなす線分mnを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる円錐面によって、反射部3fの反射面3f1が形成されている。
【0038】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば20°〜40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射され、入光部3aから入光し、反射部3bによって反射されて発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進み、透過部3cを透過して発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進み、透過部3dを透過して発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な向きに進み、反射部3fの反射面3f1,3f2によって反射されて発光素子光源1の光軸1Lに概略平行な向きに進む光を透過させて車両用信号灯100の照射方向(図3(B)の下側、図3(C)の左側)に照射する出光部3hが、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図3(B)に示すように、発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な線分pqを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる環状の平面によって、出光部3hが形成されている。
【0039】
そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図4(A)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば25°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む水平面内を進む光L1,L3が、導光レンズ3の出光部3hを透過して車両用信号灯100の照射方向(図4(A)の下側)に照射される。また、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば35°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む水平面内を進む光L2,L4が、導光レンズ3の出光部3hを透過して車両用信号灯100の照射方向(図4(A)の下側)に照射される。更に、図4(B)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば25°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む鉛直面内を進む光L5,L7が、導光レンズ3の出光部3hを透過して車両用信号灯100の照射方向(図4(B)の左側)に照射される。また、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば35°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む鉛直面内を進む光L6,L8が、導光レンズ3の出光部3hを透過して車両用信号灯100の照射方向(図4(B)の左側)に照射される。
【0040】
その結果、第1の実施形態の車両用信号灯100では、例えば図2(A)および図3(A)に示すように、車両用信号灯100の照射方向から車両用信号灯100を見た時に、導光レンズ3の出光部3hが環状に光って見える。
【0041】
第1の実施形態の車両用信号灯100では、導光レンズ3の透過部3c,3dが発光素子光源1の光軸1Lに平行な円筒面によって形成されているが、例えば樹脂材料の成形によって導光レンズ3が形成される第2の実施形態の車両用信号灯100では、代わりに、必要最小限の抜き勾配を導光レンズ3の透過部3c,3dに設定することも可能である。
【0042】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、発光素子光源1の光軸1Lに概略垂直な線分pqを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる環状の平面によって、導光レンズ3の出光部3hが形成されているが、第3の実施形態の車両用信号灯100では、代わりに、例えばレンズカットなどの配光制御機能を導光レンズ3の出光部3hに設けることも可能である。第3の実施形態の車両用信号灯100では、導光レンズ3の出光部3hを透過して車両用信号灯100の照射方向に照射される光によって、車両用信号灯の配光規格を満足させることも可能である。
【0043】
詳細には、第1の実施形態の車両用信号灯100では、発光素子光源1の発光中心1Cを中心とする球面の一部分によって、導光レンズ3の入光部3aが形成されている。つまり、第1の実施形態の車両用信号灯100では、発光素子光源1の発光中心1Cの反対側(図3(B)の下側)に凸状の曲面によって、導光レンズ3の入光部3aが形成されている。そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100によれば、発光素子光源の発光中心の側(図3(B)の上側)に凸状の曲面によって入光部3aが形成されている場合よりも、導光レンズ3の中心軸線3Lの方向(図3(B)の上下方向)の寸法を小型化することができる。また、第1の実施形態の車両用信号灯100によれば、発光素子光源の発光中心の側(図3(B)の上側)に凸状の曲面によって入光部3aが形成されている場合よりも、導光レンズ3を薄肉化することができる。
【0044】
更に、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図3(B)に示すように、線分ef,hiを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることによって形成される接続部3eが、導光レンズ3の反射部3bと反射部3fとの間に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100によれば、接続部3eが設けられていない場合よりも、導光レンズ3の出光部3hの直径(つまり、車両用信号灯100の照射方向から車両用信号灯100を見た時に光って見える領域の直径)を大きくすることができる。
【0045】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図3(B)に示すように、線分kmを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることによって形成される接続部3gが、導光レンズ3の反射部3fの反射面3f1と反射面3f2との間に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100によれば、接続部3gが設けられていない場合よりも、導光レンズ3の出光部3hの内径と外径との差(つまり、車両用信号灯100の照射方向から車両用信号灯100を見た時に光って見える領域の内径と外径との差)を大きくすることができる。
【0046】
更に、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図3(B)に示すように、線分grを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる平面によって形成される接続部3iが、導光レンズ3の出光部3hよりも発光素子光源1の側(図3(B)の上側)に配置されている。そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100によれば、接続部3iが出光部3hと同一平面内に配置されている場合よりも、導光レンズ3を薄肉化することができる。
【0047】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば40°〜60°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射された光が入光する入光部3jの入光面3j1,3j2,3j3,3j4が、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図2(B)および図3(B)に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約25°の角度をなす線分f’g’を、発光素子光源1の光軸1Lを中心に90°回転させることにより得られる円錐面によって、入光部3jの入光面3f1が形成されている。
【0048】
そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図5(A)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む水平面HS(図6参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j1から入光した光L11が、透過部3cを透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと40°より小さい例えば約10°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図5(A)の下側)に照射される。また、図5(B)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約60°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む水平面HS(図6参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j1から入光した光L12が、透過部3cを透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと60°より小さい例えば約35°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図5(B)の下側)に照射される。
【0049】
その結果、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図6に示すように、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j1を透過した光によって、車両用信号灯100の照射方向(図5(A)および図5(B)の下側)に配置された仮想スクリーンに配光パターンPLが形成される。
【0050】
更に、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2(B)および図3(B)に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約25°の角度をなす線分bsを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に90°回転させることにより得られる円錐面によって、入光部3jの入光面3f2が形成されている。
【0051】
そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図5(A)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む水平面HS(図6参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j2から入光した光L13が、透過部3cを透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと40°より小さい例えば約10°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図5(A)の下側)に照射される。また、図5(B)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約60°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む水平面HS(図6参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j2から入光した光L14が、透過部3cを透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと60°より小さい例えば約35°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図5(B)の下側)に照射される。
【0052】
その結果、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図6に示すように、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j2を透過した光によって、車両用信号灯100の照射方向(図5(A)および図5(B)の下側)に配置された仮想スクリーンに配光パターンPRが形成される。
【0053】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2(B)および図3(C)に示すように、発光素子光源1の発光中心1Cの側(図3(C)の右側)に凸状の曲線vwを、発光素子光源1の光軸1Lを中心に90°回転させることにより得られる回転面によって、入光部3jの入光面3f3が形成されている。
【0054】
そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図7(A)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む鉛直面VS(図8参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j3から入光した光L15が、透過部3cを透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと40°より小さい例えば約5°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図7(A)の左側)に照射される。また、図7(B)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約60°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む鉛直面VS(図8参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j3から入光した光L16が、透過部3cを透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと60°より小さい例えば約15°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図7(B)の左側)に照射される。
【0055】
その結果、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図8に示すように、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j3を透過した光によって、車両用信号灯100の照射方向(図7(A)および図7(B)の左側)に配置された仮想スクリーンに配光パターンPUが形成される。
【0056】
更に、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2(B)および図3(C)に示すように、発光素子光源1の発光中心1Cの側(図3(C)の右側)に凸状の曲線a’b’を、発光素子光源1の光軸1Lを中心に90°回転させることにより得られる回転面によって、入光部3jの入光面3f4が形成されている。
【0057】
そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図7(A)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約40°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む鉛直面VS(図8参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j4から入光した光L17が、透過部3cを透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと40°より小さい例えば約5°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図7(A)の左側)に照射される。また、図7(B)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約60°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む鉛直面VS(図8参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j4から入光した光L18が、透過部3cを透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと60°より小さい例えば約15°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図7(B)の左側)に照射される。
【0058】
その結果、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図8に示すように、導光レンズ3の入光部3jの入光面3j4を透過した光によって、車両用信号灯100の照射方向(図7(A)および図7(B)の左側)に配置された仮想スクリーンに配光パターンPDが形成される。
【0059】
つまり、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図5および図7に示すように、導光レンズ3の透過部3cを透過した光の一部が直射光となって車両用信号灯100の照射方向(図5の下側、図7の左側)に照射される。そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図3(A)に示すように、車両用信号灯100の照射方向(図5の下側、図7の左側)から車両用信号灯100を見た時に、導光レンズ3の透過部3cが光って見える。その結果、第1の実施形態の車両用信号灯100によれば、透過部3cを透過した光が直射光となって車両用信号灯の照射方向に照射されない場合よりも、車両用信号灯100の照射方向から車両用信号灯100を見た時に光って見える部分を増加させることができる。
【0060】
更に、第1の実施形態の車両用信号灯100によれば、図6および図8に示すように、発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて導光レンズ3の入光部3jから入光した光によって、横長の配光パターンPR,PL,PU,PD、つまり、水平方向の幅寸法WRL(図6参照)が鉛直方向の幅寸法HUD(図8参照)よりも大きい配光パターンPR,PL,PU,PDを形成することができる。
【0061】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、発光素子光源1の光軸1Lと例えば0°〜20°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射された光が入光する入光部3kが、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図3(B)に示すように、発光素子光源1の発光中心1Cを中心とする円弧ac’を、発光素子光源1の光軸1Lを中心に360°回転させることにより得られる曲面(詳細には、球面の一部分)によって、入光部3kが形成されている。つまり、第1の実施形態の車両用信号灯100では、入光部3kと入光部3aとが同一球面上に配置されている。
【0062】
更に、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2および図3に示すように、導光レンズ3の入光部3kから入光した光を透過させて車両用信号灯100の照射方向に照射する出光部3mが、導光レンズ3に設けられている。詳細には、図3(B)および図3(C)に示すように、発光素子光源1の発光中心1Cの反対側(図3(C)の左側)に凸状の曲線d’e’を、発光素子光源1の発光中心1Cを隔てて導光レンズ3の反対側(図3(B)の上側)に位置する鉛直線3m’を中心に回転させることにより得られる曲面によって、出光部3mが形成されている。
【0063】
そのため、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図9(A)および図9(B)に示すように、例えば、発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1L上を進み、導光レンズ3の入光部3kから入光した光L21が、出光部3mから出光する時に素通りし、発光素子光源1の光軸1L上を進む光となって車両用信号灯100の照射方向(図9(A)の下側、図9(B)の左側)に照射される。また、図9(A)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約10°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む水平面HS(図10参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3kから入光した光L22が、出光部3mから出光する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと10°より大きい例えば約12°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図9(A)の下側)に照射される。更に、図9(A)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約10°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む水平面HS(図10参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3kから入光した光L23が、出光部3mから出光する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと10°より大きい例えば約12°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図9(A)の下側)に照射される。
【0064】
また、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図9(B)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約10°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む鉛直面VS(図10参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3kから入光した光L24が、出光部3mから出光する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと10°より小さい例えば約7°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図9(B)の左側)に照射される。更に、図9(B)に示すように、例えば、発光素子光源1の光軸1Lと例えば約10°の角度をなして発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて発光素子光源1の光軸1Lを含む鉛直面VS(図10参照)内を進み、導光レンズ3の入光部3kから入光した光L25が、出光部3mから出光する時に屈折せしめられ、発光素子光源1の光軸1Lと10°より小さい例えば約7°の角度をなして車両用信号灯100の照射方向(図9(B)の左側)に照射される。
【0065】
その結果、第1の実施形態の車両用信号灯100によれば、図10に示すように、発光素子光源1の発光中心1Cから照射されて導光レンズ3の入光部3kから入光した光によって、横長の配光パターンPC、つまり、水平方向(図10の左右方向寸法)の幅寸法が鉛直方向(図10の上下方向寸法)の幅寸法よりも大きい配光パターンPCを形成することができる。
【0066】
詳細には、第1の実施形態の車両用信号灯100では、図2(A)および図3(A)に示すように、車両用信号灯100の照射方向(図9(A)の下側、図9(B)の左側)から車両用信号灯100を見た時に、導光レンズ3の出光部3mが光って見える。
【0067】
第1の実施形態の車両用信号灯100では、例えば半値角が60°の発光素子光源のような広角タイプの発光素子光源1が用いられているが、第4の実施形態の車両用信号灯100では、車両用信号灯100の照射方向から車両用信号灯100を見た時に導光レンズ3の透過部3c(図3(A)参照)が光って見える任意の発光素子光源1を使用可能である。
【0068】
第5の実施形態では、上述した第1から第4の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の車両用信号灯は、例えばターンシグナルランプ、テールランプ、ストップランプなどのような、例えば後続車両の運転者、歩行者などに見せるための車両用信号灯に適用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 発光素子光源
1C 発光中心
1L 光軸
3 導光レンズ
3L 中心軸線
3a,3j 入光部
3b,3f 反射部
3c,3d 透過部
3h 出光部
100 車両用信号灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子光源(1)と、発光素子光源(1)からの光を導光する導光レンズ(3)とを具備し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)を水平面内に配置し、
導光レンズ(3)の中心軸線(3L)を発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略一致させた車両用信号灯(100)において、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射された光が入光する第1入光部(3a)と、
第1入光部(3a)から入光した光を反射して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光にする第1反射部(3b)と、
第1反射部(3b)によって反射されて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光にする第1透過部(3c)と、
第1透過部(3c)を透過して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光を透過させて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光にする第2透過部(3d)と、
第2透過部(3d)を透過して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略垂直な向きに進む光を反射して発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略平行な向きに進む光にする第2反射部(3f)と、
第2反射部(3f)によって反射されて発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略平行な向きに進む光を透過させて車両用信号灯(100)の照射方向に照射する第1出光部(3h)とを導光レンズ(3)に設け、
発光素子光源(1)の発光中心(1C)を中心とする球面の一部分によって第1入光部(3a)を形成し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)に概略平行な線分(de)を発光素子光源(1)の光軸(1L)を中心に360°回転させることにより得られる曲面によって第1透過部(3c)を形成し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度より大きい第2の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射された光が入光する第2入光部(3j)を導光レンズ(3)に設け、
第2入光部(3j)から入光した光が、第1透過部(3c)を透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第2の角度より小さい第3の角度をなして車両用信号灯(100)の照射方向に照射されるように、第2入光部(3j)を形成したことを特徴とする車両用信号灯(100)。
【請求項2】
発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて水平面内を進む光が入光する第1入光面(3j1,3j2)と、発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて鉛直面内を進む光が入光する第2入光面(3j3,3j4)とを第2入光部(3j)に設け、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と角度をなす線分(f’g’,bs)を発光素子光源(1)の光軸(1L)を中心に回転させることにより得られる曲面によって第1入光面(3j1,3j2)を形成し、
発光素子光源(1)の発光中心(1C)の側に凸状の曲線(vw,a’b’)を発光素子光源(1)の光軸(1L)を中心に回転させることにより得られる曲面によって第2入光面(3j3,3j4)を形成し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度より大きい第4の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて第1入光面(3j1,3j2)から入光した光が、第1透過部(3c)を透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第4の角度より小さい第5の角度をなして車両用信号灯(100)の照射方向に照射されるように、第1入光面(3j1,3j2)を形成し、
発光素子光源(1)の光軸(1L)と第4の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射されて第2入光面(3j3,3j4)から入光した光が、第1透過部(3c)を透過する時に屈折せしめられ、発光素子光源(1)の光軸(1L)と第5の角度より小さい第6の角度をなして車両用信号灯(100)の照射方向に照射されるように、第2入光面(3j3,3j4)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車両用信号灯(100)。
【請求項3】
発光素子光源(1)の光軸(1L)と第1の角度より小さい第7の角度をなして発光素子光源(1)の発光中心(1C)から照射された光が入光する第3入光部(3k)と、
第3入光部(3k)から入光した光を透過させて車両用信号灯(100)の照射方向に照射する第2出光部(3m)とを導光レンズ(3)に設け、
発光素子光源(1)の発光中心(1C)を中心とする球面の一部分によって第3入光部(3k)を形成し、
発光素子光源(1)の発光中心(1C)の反対側に凸状の曲線(d’e’)を、発光素子光源(1)の発光中心(1C)を隔てて導光レンズ(3)の反対側に位置する鉛直線(3m’)を中心に回転させることにより得られる曲面によって第2出光部(3m)を形成したことを特徴とする請求項2に記載の車両用信号灯(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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