説明

車両用投光器及びエンブレム

【課題】外部からの可視光が照射される環境下では、光沢のある意匠部を表示でき、投光時には表示形状の大きさに拘わらず十分な光量で投光できる、車両用投光器及びエンブレムを提供する。
【解決手段】光源部13と、光源部13を覆う被覆部15とを備え、光源部13からの光を被覆部15を透過して表面から放射する車両用投光器11であり、被覆部15は、可視光を透過可能な高屈折率層21と、高屈折率層21の裏面側に配置し可視光を透過可能で高屈折率層21よりも低い屈折率を有する低屈折率層23と、高屈折率層21の裏面側に設けて表面側から視認可能な意匠部25と、を備え、意匠部25は、高屈折率層21の裏面における低屈折率層23と接する部位に設けた微細凹凸構造31によって形成し、微細凹凸構造31は、高屈折率層21の表面側から入射した外部からの可視光を反射し、且つ、光源部13からの光を透過する多数の傾斜面33を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に装着される車両用投光器とエンブレムとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に装着されるストップランプのような車両用投光器では、内部に配置された光源と、光源の外側に配置されたアウターレンズ等の被覆部材とを備えたものが多数使用されている。このような車両用投光器の被覆部材は、外部からの可視光を透過する無色又は有色の材料によって、各種のデザインで形成されている。表面には蒸着膜などによって金属調の光沢を有する仕切りや縁取りなどが設けられることもあるが、光を遮らないように配置されている。
【0003】
このような被覆部材では、外部から可視光が照射される環境下で、形状や色、縁取り等の意匠が視認されている。外部から可視光が照射されることで、アウターレンズの内側に形成された凹凸形状等が視認されることもある。一方、光源から光が放射される環境下においては、光源からの光が被覆部材を透過し、インナーレンズやアウターレンズによって所定の分布となるように被覆部材から外部へ放射される。
【0004】
近年では、車両用投光器として赤外光を放射するものもある。下記特許文献1では、ヘッドランプから赤外光を放射して暗視装置として使用されている。
【0005】
また、内部に光源を備えたエンブレムが提案されている(例えば下記特許文献2,3参照)。このようなエンブレムの場合、外部から可視光が照射される環境下では、外表面側から入射した光によって地色や金属調の光沢を有する意匠部が外部から視認される。光源から光が放射される環境下では、光源からの可視光によってエンブレムに設けられた意匠部が外部から視認できるようになっている。
【0006】
特許文献3の場合、意匠部が金属の蒸着膜を薄く設けた所謂、ハーフ蒸着膜によって形成されている。このエンブレムでは、外部から可視光が照射される環境下においては、ハーフ蒸着膜のために金属調の光沢を有する意匠部が視認される。光源から光が放射される環境下においては、光源からの可視光の一部がハーフ蒸着膜を透過することで、外部からは表示形状から放射された光のためにその形状が視認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−60403号公報
【特許文献2】特開2007−161233号公報
【特許文献3】特開2007−91085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の光源を備えたエンブレムでは、外部から可視光が照射される環境下では各種の意匠部が地色と共に表示されるが、光源から光が放射される環境下では、放射される光が弱く、車両用投光器のように外部に十分な光量を放射することはできなかった。仮に十分な光量を放射するために光源から強い光を照射すると、エンブレム内部で光が減衰されて放射されるため、効率が悪かった。
特に特許文献2のようにハーフ蒸着によって意匠部が形成されている場合、光源から被覆部材に照射された光の一部が、蒸着された金属で遮光されるため、光源からの光が大幅に減衰した状態でしか外部に放射することができなかった。
【0009】
一方、従来の各種ランプのような車両用投光器では、外部から可視光が照射される環境下で、エンブレムのように光沢を有する各種の意匠部が表示されるものは知られていない。仮にハーフ蒸着膜で光沢を有する意匠部を設けたとしても、表示形状が大きくなると、光源からの光が意匠部で大幅に減衰されるため、投光器から放射される光の光量が大幅に低下することになる。
【0010】
そこで、本発明は外部から可視光が照射される環境下では、光沢のある意匠部を表示でき、投光時には意匠部の大きさに拘わらず十分な光量で投光できる、車両用投光器及びエンブレムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成する本発明の車両用投光器は、光源部と、光源部を覆う被覆部とを備え、光源部からの光が被覆部を透過して表面から放射される車両用投光器であり、被覆部は、外部からの可視光及び光源部からの光を透過可能な高屈折率層と、高屈折率層の裏面側に配置され、外部からの可視光及び光源部からの光を透過可能で高屈折率層よりも低い屈折率を有する低屈折率層と、高屈折率層の裏面に設けられて表面側から視認可能な意匠部と、を備え、意匠部は、高屈折率層の裏面における低屈折率層と接する部位に設けられた微細凹凸構造によって形成され、微細凹凸構造は、高屈折率層の表面側から入射した外部からの可視光を反射し、且つ、光源部からの光を透過する多数の傾斜面を有している。
【0012】
この車両用投光器では、光源部が可視光及び赤外光の少なくとも一つを放射するものがよい。
被覆部の微細凹凸構造には、略同一形状のパターンが面方向に繰り返し設けられているものが好適である。
光源部は正面視において意匠部と重なる被覆部の背面側の位置に配置されているのが特に好ましい。
【0013】
この光源部と被覆部との間には、光源部からの光を拡散するためのインナーレンズが配置されていてもよい。
被覆部に対応する背面位置には、無彩色又は有彩色の不透明な遮蔽部が被覆部を透過して外部から視認可能に設けられているのがよい。
【0014】
上記目的を達成する本発明のエンブレムは、上記のような車両用投光器からなるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の車両用投光器によれば、光源部を覆う被覆部に意匠部が設けられ、この意匠部が高屈折率層の裏面における低屈折率層と接する部位に多数の傾斜面を有して設けられた微細凹凸構造によって形成されている。そのため、外部から可視光が照射される環境下では、入射した可視光の多くを微細凹凸構造によって反射して外部に放射でき、外部から意匠部が光沢を有して視認される。これにより外部から可視光が照射される環境下では、光沢を有する意匠部のために優れた外観を表示できる。
【0016】
一方、光源部から光が放射される環境下では、意匠部が高屈折率層の裏面における低屈折率層と接する部位に設けられた微細凹凸構造によって形成されているため、光源部から照射された多くの光が反射されずに高屈折率層に入射して外部に放射できる。そのため意匠部において光源からの光が過剰に減衰することなく放射される。これにより光源部から光が放射される環境下では、十分な光量の光を外部へ投光できる。
【0017】
本発明のエンブレムによれば、上述のような車両用投光器からなるので、外部から可視光が照射される環境下では、光沢を有する適宜な形状の意匠部を表示することが可能であり、光源部から光が放射される環境下では、十分な光を投光することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態におけるエンブレムを示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態におけるエンブレムを示す図1のA−A断面の一部を示す部分拡大断面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明の実施形態における微細凹凸構造の一例を示す部分拡大斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における微細凹凸構造の作用を説明する模式図である。
【図5】本発明の実施形態におけるエンブレムの投光時の作用を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ここでは本発明の車両用投光器をエンブレムとして構成した例を用いて説明する。
本実施形態のエンブレム10は、図1及び図2に示すように、底壁11a及び側周壁11bを有する枠材11と、この枠材11の内部から光を放射する光源部13と、光源部13を覆うように側周壁11bの開口側に固定された被覆部15と、光源部13と被覆部15との間に配置されたインナーレンズ17と、を備えている。
【0020】
光源部13は、可視光、赤外光、可視光及び赤外光の何れを放射するものでもよいが、本実施形態では可視光を放射可能なものとなっている。光源部13としては、例えば各種のLEDのような点光源を用いることができる。光源部13における光源の数は任意である。
【0021】
この光源部13は、被覆部15の背面側に配置されており、枠材11の外部から導光して内部から放射するものでもよいが、ここでは枠材11の底壁11aに固定して設けられている。光源部13は、被覆部15に設けられた後述する意匠部25に対し、正面視において意匠部25と重なる被覆部15の背面側の位置に配置されているのが好適である。その場合、光源部13のより多くの部分、特に光源部13全体が正面視において意匠部25と重なれば、表面側から視認され難くできて好ましい。
【0022】
被覆部15は、外側に配置された高屈折率層21と、高屈折率層21の裏面側に配置された低屈折率層23と、高屈折率層21の裏面に形成された意匠部25とを有している。
高屈折率層21は、可視光を透過可能で可視光の屈折率が低屈折率層23よりも高い材料によって形成されている。高屈折率層21を構成する材料としては、可視光透過率が高いほど好ましく、例えばポリカーボネイト(PC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等の樹脂を用いてもよい。
高屈折率層21の形状は、外表面及び内表面の中間部分が周縁に対して外側に膨らんだ凸状に形成されている。外表面は平滑に形成されており、内表面の中間部分には意匠部25が形成されている。
【0023】
低屈折率層23は高屈折率層21の裏面に接して設けられており、可視光を透過可能で、可視光の屈折率が高屈折率層21よりも低く構成されている。この低屈折率層23は、樹脂等の固体によって構成してもよいが、高屈折率層21に対して屈折率が低い程好ましという理由で、例えば空気、二酸化炭素、ヘリウム等の各種の気体、減圧状態の気体、真空などによって構成するのが好適である。この実施形態では空気で構成している。
【0024】
意匠部25は、高屈折率層21の裏面に形成されており、高屈折率層21を通して外部から視認されるものである。意匠部25の正面視における形状は何ら限定されず、各種の文字、図形、記号、模様等の適宜な形状とすることができる。例えば枠材11の周壁部11bで囲まれる領域全体であってもよい。
【0025】
この意匠部25は、高屈折率層21の裏面における低屈折率層23と接する部位に設けられた微細凹凸構造31によって構成されている。微細構造31は意匠部25の輪郭内全体に形成されており、高屈折率層21の意匠部25以外の部位には形成されていない。微細凹凸構造31が形成されていない高屈折率層21の裏面は平滑面となっている。
【0026】
この微細凹凸構造31は、高屈折率層21の表面側から入射した外部からの可視光を反射し、且つ、光源部13からの光を透過する多数の傾斜面33を含む形状を有する。傾斜面33では、平滑面に比べ、外部から高屈折率層21に入射した可視光が裏面の微細凹凸構造31が形成されている界面に到達した際、より多くの可視光を反射できる。特に界面に到達した光が高屈折率層21と低屈折率層23との屈折率差に基づいてより広い入射角で全反射条件を満足できる傾斜面33であれば、更に多くの光を反射できて好適である。このような傾斜面33が意匠部25の面積に対してより多くの面積に設けられるのが好適である。
【0027】
本実施形態では、微細凹凸構造31は、略同一形状のパターン35を面方向に繰り返し設けることで形成されている。傾斜面33は各パターン35の少なくとも一部に含まれていればよいが、傾斜面33が広い程、外部からの光をより多く反射することで光沢を増加できる。各パターン35はそれぞれ凸形状であってもよく、凹形状であってもよい。繰り返しパターン35の寸法は、例えばピッチを1〜500μmとしてもよい。
【0028】
繰り返しパターン35は、意匠部25の全部で略同形状及び向きで形成されていてもよいが、複数の領域に分けて領域毎に異なる形状や異なる向きで繰り返しパターン35を形成してもよい。このようにすると、光源部13からの光を分散し易く、光源部13から光を放射する環境下で所望の光量分布を実現できる。
【0029】
特に限定されるものではないが、微細凹凸構造31の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられる。
図4(a)に示すように、各パターン35を直線的に延びるV又はU溝とし、各溝が互いに隣接して配置した微細凹凸構造31を構成してもよい。
図4(b)に示すように、各パターン35を正面視で互いに隣接する六角形形状にし、各パターン35の表面が低屈折率層23側へ膨出した凸レンズ形状としてもよい。この場合、各パターン35の表面が高屈折率層21内に凹んだ凹レンズ形状とすることもできる。
【0030】
図4(c)に示すように、各パターン35を互いに隣接する四角錐形状としてもよく、図4(d)に示すように、各パターン35を互いに隣接する六角錐形状としてもよい。これらの角錐形状も、低屈折率層23側へ突出した形状としても、高屈折率層21内に凹んだ形状としてもよい。
【0031】
本実施形態のエンブレム10の枠材11は、図1及び図2に示すように、底壁11a及び側周壁11bを有し、所定形状が保持可能な樹脂、金属などの硬質材料によって形成されている。この枠材11の形状は適宜選択することができる。
被覆部15に対応する背面位置には、エンブレム10の裏面側を確実に遮蔽するため、無彩色又は有彩色の不透明な遮蔽部41が設けられている。不透明とは可視光が不透過であればよい。遮蔽部41は枠材11自体であってもよいが、ここでは底壁11aの表面に不透明な膜を被覆することで形成している。この遮蔽部41は高屈折率層21、低屈折率層23及びインナーレンズ17を通して外部から視認可能となっている。
なお、この遮蔽部41に代えて、或いはこの遮蔽部41と共に、高屈折率層21の裏面における意匠部25が設けられていない部位に密着して不透明な膜を形成してもよい。
【0032】
本実施形態のエンブレム10のインナーレンズ17は、多数の凹面又は凸面が縦横に設けられたレンズからなる。各レンズは意匠部25の微細凹凸構造31の形状よりも格段に大きな形状となっている。このインナーレンズ17は、光源部13からの光を拡散するために装着されており、インナーレンズ17を配置することなくエンブレム10を構成していてもよい。
【0033】
次に、このようなエンブレムの使用状態を説明する。
エンブレム10は車両に外装されて装着される。この状態で光源部13から光が照射されずに外部からの可視光が照射される環境下に配置されると、被覆部15の外部から遮蔽部41と意匠部25とが視認される。
このとき、図4に示すように、外部から被覆部15の高屈折率層21に入射した光L1は、意匠部25における微細凹凸構造31の傾斜面に到達し、高屈折率層21と低屈折率層23との界面となる傾斜面33において反射される。この反射光が、更に他の傾斜面33で反射されることで、再び高屈折率層21から外部へ放射される。そのため外部からは意匠部25が恰も金属のように光沢を有して視認される。
【0034】
また被覆部15の意匠部が設けられていない部位では、高屈折率層21に入射した光が適宜屈折しつつ高屈折率層21及び低屈折率層23を透過し、更にインナーレンズ17を透過して遮蔽部41に到達する。この遮蔽部41で反射した光が再びインナーレンズ17、低屈折率層23及び高屈折率層21を透過して外部に放射される。そのため外部からは被覆部15によって形成された地色や地模様が視認される。
従って、外部からの可視光が照射される環境下では、被覆部15による地色又は地模様と光沢を有する意匠部25とが視認され、エンブレムとしての表示機能を発現できる。
【0035】
一方、外部から照射される可視光が無く又は少ない状態で、光源部13から光が放射される環境下では、光源部13からの光L2がインナーレンズ17に到達して拡散され、この光が被覆部15において低屈折率層23側から高屈折率層21の裏面に到達する。
意匠部25における微細凹凸構造31の傾斜面33ではその傾斜に応じて屈折して高屈折率層21に進入し、その後高屈折率層21を透過して外部に放射される。このとき、図5に示すように、この光L2は微細凹凸構造31の傾斜面33に応じて屈折することで、さらに拡散された状態で外部へ放射される。
【0036】
また被覆部15の意匠部が設けられていない部位では、インナーレンズ17で拡散された光が低屈折率層23側から高屈折率層21の裏面に到達すると、適宜屈折しつつ透過し、高屈折率層21から外部へ放射される。
従って、光源部13から光が放射される環境下では、インナーレンズ、低屈折率層23及び高屈折率層21の透過率に応じて透過し、光源部13からの光が過剰に減衰することなく外部へ拡散されて十分な光量で放射でき、車両用投光器としての投光機能を発現できる。
【0037】
以上のようなエンブレム10によれば、被覆部15に設けられた意匠部25が所定位置に多数の傾斜面33を有する微細凹凸構造31によって形成されているため、外部からの可視光が照射される環境下では、光沢を有する意匠部25のために興趣に富む優れた外観を表現でき、また光源部13から光が放射される環境下では、十分な光量の光を外部に投光できる。そのため、優れた表示機能と投光機能とを実現することができる。
【0038】
このエンブレム10では、微細凹凸構造31において略同一形状のパターン35が面方向に繰り返し配置されているので、傾斜面33の向きや傾斜を適宜設定することで、光源部13から光が放射される環境下で光源部13からの光を所望の分布で外部に放射することができる。
【0039】
このエンブレム10では、光源部13と被覆部15との間に光源部13からの光を拡散するためのインナーレンズ17が配置されているので、被覆部15に光源部13からの光を広く分散して照射でき、所望の分布を実現し易い。
【0040】
このエンブレム10では、被覆部15に対応する背面位置に、無彩色又は有彩色の不透明な遮蔽部41が被覆部15を透過して外部から視認可能に設けられているので、外部からの可視光が照射される環境下では、遮蔽部41により形成される下地上に光沢を有する意匠部25を視認でき、意匠性を向上できる。
【0041】
このエンブレム10では、光源部13が正面視において意匠部25と重なる被覆部15の背面側の位置に配置されているので、外部からの可視光が照射される環境下でエンブレム10を視認した際、光源部13が意匠部に隠れて見えにくく、意匠性を向上できる。
【0042】
上記実施形態は、本発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば上記ではエンブレムの例について説明したが、特に限定されるものではない。例えばハイマウントストップランプのような車両用投光器においても、本実施形態のエンブレムと同様に、光源部13及び光源部13を被覆する被覆部15とを設けることで、上記のような作用効果を実現することができる。さらに車室内に使用するランプであっても適用可能である。
【0043】
上記実施形態では、光源部13として可視光を放射可能なものを用いた例について説明したが、光源部13は赤外光を放射可能なものでもよく、可視光及び赤外光を放射可能なものでもよい。赤外光を放射する光源部13が含まれる場合、被覆部15の高屈折率層21及び低屈折率層23として可視光及び赤外光が透過可能な材料を用いるのがよい。上述の実施形態と同様の材料であれば可視光及び赤外光が透過可能であるため、上述の実施形態において、被覆部15の裏面側に可視光を放射するものと共に、又は可視光を放射するものに代えて、赤外光を放射する光源を配置することで構成できる。
【0044】
上記では高屈折率層21の裏面において、意匠部25の輪郭内のみに微細凹凸構造31を設けたが、意匠部25の輪郭よりも広い範囲、例えば高屈折率層21の裏面全面に設けていてもよい。その場合、遮蔽部41を意匠部25の輪郭外側に密着して設ければよい。
【符号の説明】
【0045】
10 エンブレム
11 枠材
11a 底壁
11b 側周壁
13 光源部
15 被覆部
17 インナーレンズ
21 高屈折率層
23 低屈折率層
25 意匠部
31 微細凹凸構造
33 傾斜面
35 パターン
41 遮蔽部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、該光源部を覆う被覆部とを備え、上記光源部からの光が被覆部を透過して表面側へ放射される車両用投光器であって、
上記被覆部は、外部からの可視光及び光源部からの光を透過可能な高屈折率層と、該高屈折率層の裏面側に配置され、外部からの可視光及び光源部からの光を透過可能で上記高屈折率層よりも低い屈折率を有する低屈折率層と、上記高屈折率層の裏面に設けられて表面側から視認可能な意匠部と、を備え、
上記意匠部は、上記高屈折率層の裏面における上記低屈折率層と接する部位に設けられた微細凹凸構造によって形成され、
該微細凹凸構造は、上記高屈折率層の表面側から入射した外部からの可視光を反射し、且つ、上記光源部からの光を透過する多数の傾斜面を有する、車両用投光器。
【請求項2】
前記光源部は、可視光及び赤外光の少なくとも一つを放射する、請求項1に記載の車両用投光器。
【請求項3】
前記微細凹凸構造には、略同一形状のパターンが面方向に繰り返し設けられている、請求項1又は2に記載の車両用投光器。
【請求項4】
前記光源部と前記被覆部との間に、該光源部からの光を拡散するためのインナーレンズが配置されている、請求項1乃至3の何れかに記載の車両用投光器。
【請求項5】
前記被覆部に対応する背面位置に、無彩色又は有彩色の不透明な遮蔽部が上記被覆部を透過して外部から視認可能に設けられている、請求項1乃至4の何れかに記載の車両用投光器。
【請求項6】
前記光源部は、正面視において前記意匠部と重なる前記被覆部の背面側の位置に配置されている、請求項1乃至5の何れかに記載の車両用投光器。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の車両用投光器からなるエンブレム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−97919(P2013−97919A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237506(P2011−237506)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000157083)トヨタ自動車東日本株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】