説明

車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット、車両用灯具

【課題】発光チップに給電する配線素子をショートしないように確実に配線すること。
【解決手段】この発明は、基板3と、発光チップ40〜44と、制御素子の抵抗R1〜R12およびダイオードD1、D2と、配線素子の導体51〜57およびワイヤ配線61〜65およびボンディング部610〜650と、備えるものである。第1導体51が発光チップ41、42と43、44とを結ぶ線分Lにより2つに区分される基板3の取付面34のいずれか一方の取付面34に実装されている。この結果、この発明は、発光チップ40〜44に給電する第1導体51と第3ワイヤ配線63とがショートしないように確実に配線することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットに関するものである。また、この発明は、半導体型光源を光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光源ユニットは、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。以下、従来の光源ユニットについて説明する。特許文献1の光源ユニットは、基板(リードフレーム)にLEDベアチップを搭載すると共に抵抗器を接続して発光部を構成し、この発光部をホルダと口金とに組み込んでなるものである。特許文献2の光源ユニットは、基板に複数のLEDチップを実装し、基板にリフレクターを配置し、樹脂でLEDチップの上面を覆ってなるものである。特許文献3の光源ユニットは、基板(ベース部)の主面に複数の絶縁性ヒートシンクを介して複数のLEDチップを設け、複数のLEDチップを樹脂モールドで封止し、基板の裏面に支持体および複数の放熱フィンを設け、支持体に口金を設けてなるものである。
【0003】
かかる光源ユニットにおいては、LEDベアチップ(LEDチップ)に給電する配線素子をショートしないように確実に配線することが重要課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−205080号公報
【特許文献2】特開2007−176219号公報
【特許文献3】特開2009−21264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、LEDベアチップ(LEDチップ)に給電する配線素子をショートしないように確実に配線するという点と、配線素子のワイヤの断線ストレス(断線荷重)を軽減するという点と、配線素子のボンディング部のストレス(荷重)を軽減するという点と、にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、取付部材と、取付部材に集中して実装されている複数個の半導体型光源の発光チップと、取付部材に実装されていて発光チップの発光を制御する制御素子と、取付部材に実装されていて制御素子を介して発光チップに給電する配線素子と、を備え、複数個の発光チップが2つのグループに区分されていて、第1グループの発光チップが第2グループの発光チップの間に挟まれていて、配線素子のうち第1グループの発光チップに給電する配線素子が、第1グループの発光チップを挟む第2グループの発光チップを結ぶ線分により2つに区分される取付部材の実装面のいずれか一方の実装面に実装されている、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、複数個の発光チップが取付部材の実装面の中央部に配置されていて、制御素子が取付部材の実装面の周辺部(すなわち、複数個の発光チップの外側)に配置されている、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、第1グループの発光チップは小電流が供給される発光チップであり、第2グループの発光チップは大電流が供給される発光チップであり、第2グループの発光チップの発光を制御する制御素子が少なくともダイオードを備え、ダイオードの後段には第2グループの発光チップの断線を検出するプルダウン抵抗が配置されている、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、第1グループの発光チップは小電流が供給される発光チップであり、第2グループの発光チップは大電流が供給される発光チップであり、第2グループの発光チップの発光を制御する制御素子が少なくとも抵抗を備え、抵抗が、光源ユニットを車両用灯具に装備した際に、複数個の発光チップよりも上位の位置に位置するように配置されている、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、配線素子の一部が、複数個の発光チップにそれぞれ電気的に接続されているワイヤ配線から構成されていて、複数本のワイヤ配線が、平行にもしくはほぼ平行に配線されている、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、前記の課題を解決するための手段により、第2グループの発光チップに給電する配線素子であって、隣同士の配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)を相互に近づけることができ、その隣同士の配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)を相互に電気的に接続する配線素子(たとえば、ワイヤ配線、金ワイヤ)を、第1グループの発光チップに給電する配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)の上を跨ぐように配線する必要が無いので、第2グループの発光チップに給電する配線素子(たとえば、ワイヤ配線、金ワイヤ)が第1グループの発光チップに給電する配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)に接触してショート(短絡)する不具合をなくすことができる。このように、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップに給電する配線素子をショートしないように確実に配線することができる。
【0013】
しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、第2グループの発光チップに給電する配線素子であって、隣同士の配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)を相互に電気的に接続する配線素子(たとえば、ワイヤ配線、金ワイヤ)の長さを短くすることができるので、長いための不具合、すなわち、封止部材を注入する際また硬化した封止部材の膨張収縮などにおいて、配線素子(たとえば、ワイヤ配線、金ワイヤ)が切断したり、また、配線素子(たとえば、ワイヤ配線、金ワイヤ)の接続部(ボンディング部)がはがれたりする不具合を少なくすることができる。すなわち、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、配線素子(たとえば、ワイヤ配線、金ワイヤ)の長さを短くすることができるので、配線素子(たとえば、ワイヤ配線、金ワイヤ)の断線ストレス(断線荷重)を軽減することができ、また、配線素子(たとえば、ワイヤ配線、金ワイヤ)の接続部(ボンディング部)のストレス(荷重)を軽減することができる。このように、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップに給電する配線素子を確実に配線することができる。
【0014】
その上、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、第2グループの発光チップに給電する配線素子であって、隣同士の配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)を相互に近づけることができるので、その隣同士の配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)の面積を広くすることができ、その分、隣同士の配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)において発生する熱を外部に効率良く放射させることができる。すなわち、放熱効果が向上する。
【0015】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、複数個の発光チップを取付部材の実装面の中央部に配置して、制御素子を取付部材の実装面の周辺部(すなわち、複数個の発光チップの外側)に配置することにより、複数個の発光チップに給電する配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)の面積を広くすることができる。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、複数個の発光チップに給電する配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)において発生する熱を外部に効率良く放射させることができる。すなわち、放熱効果が向上する。
【0016】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、第2グループの発光チップの発光を制御する制御素子のダイオードの後段に第2グループの発光チップの断線を検出するプルダウン抵抗を配置することにより、そのプルダウン抵抗においては、逆極性サージに対して前段のダイオードで阻止することができるので、順方向性のサージのみを考慮した容量耐量で良い。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、プルダウン抵抗を小型化することができるので、第2グループの発光チップに大電流を供給する配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)の面積を広くすることができる。これにより、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、第2グループの発光チップに大電流を供給する配線素子(たとえば、導体、パターン、導体パターン)において発生する熱を外部に効率良く放射させることができる。すなわち、放熱効果が向上する。
【0017】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、光源ユニットを車両用灯具に装備した際に、大電流が供給される第2グループの発光チップの発光を制御する制御素子の抵抗が複数個の発光チップよりも上位の位置に位置するので、抵抗において発生した熱が複数個の発光チップに影響を与えずに、上方に逃げる。すなわち、熱が上昇する性質を利用することにより、複数個の発光チップの耐久性および性能などを向上させることができる。
【0018】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、複数個の発光チップにそれぞれ電気的に接続されている複数本のワイヤ配線が平行にもしくはほぼ平行に配線されているので、複数本のワイヤ配線の配線作業性が向上して生産スピードが上がって製造コストを安価にすることができる。しかも、複数本のワイヤ配線が一方向もしくはほぼ一方向に一致するので、複数本のワイヤ配線の電気的信頼性が向上する。
【0019】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、前記の請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと同様の効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例を示し、取付部材に実装されている発光チップおよび制御素子および配線素子および接続部材の配置状態の説明図であって、取付部材の平面図である。
【図2】図2は、同じく、発光チップおよび配線素子の一部を示す一部拡大平面図である。
【図3】図3は、ワイヤ配線が導体の上を跨いでいる状態の発光チップおよび配線素子の一部を示す一部拡大平面図である。
【図4】図4は、同じく、第1導体を示す平面図である。
【図5】図5は、同じく、第2導体を示す平面図である。
【図6】図6は、同じく、第3導体を示す平面図である。
【図7】図7は、同じく、第4導体を示す平面図である。
【図8】図8は、同じく、第5導体を示す平面図である。
【図9】図9は、同じく、第6導体を示す平面図である。
【図10】図10は、同じく、第7導体を示す平面図である。
【図11】図11は、同じく、光源ユニットの半導体型光源の駆動回路を示す電気回路図である。
【図12】図12は、同じく、光源ユニットの光源部と、ソケット部の絶縁部材および放熱部材および給電部材との分解斜視図である。
【図13】図13は、同じく、光源ユニットとソケット部との分解斜視図である。
【図14】図14は、同じく、光源部と、ソケット部とを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図15】図15は、同じく、光源部と、ソケット部と、接続部材とを組み付けた状態の平面図である。
【図16】図16は、同じく、光源ユニットを車両用灯具に組み付けた状態を示す縦断面図(垂直断面図)、すなわち、この発明にかかる車両用灯具の実施例を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図17】図17は、ワイヤ配線の変形例を示す説明図である。
【図18】図18は、複数個の発光チップの配置の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。なお、図12〜図15中においては、制御素子および配線素子の図示を省略してある。また、図12〜図14中においては、接続部材の図示を省略してある。
【実施例】
【0022】
(構成の説明)
以下、この実施例における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットおよびこの実施例における車両用灯具の構成について説明する。図26において、符号100は、この実施例における車両用灯具である。
【0023】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)でテールランプ機能とストップランプ機能とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能、ターンシグナルランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0024】
前記車両用灯具100は、図2に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施例における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路(図示せず)と、を備えるものである。
【0025】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。
【0026】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0027】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を配光制御する配光制御部であって、焦点Fを有する。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。前記ランプハウジング101の前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個の凹部(図示せず)と複数個のストッパ部(図示せず)とがほぼ等間隔に設けられている。
【0028】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、図12〜図16に示すように、光源部10と、ソケット部11と、カバー部12と、接続部材17と、を備える。前記光源部10および前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。
【0029】
前記光源ユニット1は、図16に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101にパッキン(Oリング)108を介して着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0030】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図1〜図3、図12〜図15に示すように、取付部材としての基板3と、前記半導体型光源の複数個この例では5個の発光チップ40、41、42、43、44と、制御素子としての抵抗R1〜R12およびダイオードD1、D2と、配線素子としての導体(パターン、導体パターン)51〜57およびワイヤ配線(金ワイヤ)61〜65およびボンディング部610〜650と、を備えるものである。
【0031】
前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、図1、図3〜図6、図10、図11に示すように、平面(上)から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、前記ソケット部11の給電部材91、92、93が挿通する挿通孔31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3の一面(上面)には、実装面としての平面の取付面34が設けられている。前記基板3の他面(下面)には、平面の当接面35が設けられている。なお、高反射部材のセラミック製の前記基板3の取付面34に、さらに高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30を設けても良い。
【0032】
前記基板3の前記取付面34には、前記5個の発光チップ40〜44および前記抵抗R1〜R12および前記ダイオードD1、D2および前記導体51〜57および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650および前記接続部材17が取り付けられている(すなわち、実装、印刷、焼成、蒸着などにより、設けられている)。また、図示していないが、前記基板3の前記取付面34に実装されている前記5個の発光チップ40〜44および配線素子の一部(前記導体51〜57の一部および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650)には、土手部材を介して、光透過性部材、たとえば、エポキシ樹脂から構成されている封止部材が封止されている。あるいは、前記基板3の前記取付面34全面(前記5個の発光チップ40〜44および前記制御素子および前記配線素子など)には、封止部材が封止されている。
【0033】
前記5個の発光チップ40〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例ではLED)を使用する。前記発光チップ40〜44は、図1、図2、図12〜図15に示すように、平面(上)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記5個の発光チップ40〜44は、前記基板3に実装されている面以外の正面および側面から光を放射する。前記5個の発光チップ40〜44は、図15に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の中心(取付回転中心)O近傍に1列に、光源バルブ(電球)のフィラメントもしくは放電電球(HIDランプ)のアーク放電による発光とほぼ同様になるように、配置されている。そして、前記5個の発光チップ40〜44は、前記基板3の中央部に配置されている。
【0034】
前記5個の発光チップ40〜44は、小電流が供給される発光チップであって、テールランプの光源である1個の発光チップ40すなわち第1グループの発光チップ40と、大電流が供給される発光チップであって、ストップランプの光源である4個の発光チップ41〜44すなわち第2グループの発光チップ41〜44と、に区分されている。前記テールランプ機能(テールランプの光源)の1個の発光チップ40は、右側の前記ストップランプ機能(ストップランプの光源)の2個の発光チップ41、42と左側の前記ストップランプ機能(ストップランプの光源)の2個の発光チップ43、44との間に挟まれた状態で配置されている。前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、順方向に直列に接続されている。
【0035】
前記抵抗R1〜R12は、たとえば、薄膜抵抗もしくは厚膜抵抗などからなる。前記抵抗R1〜R10は、所定の駆動電流の値を得るための調整用の抵抗である。すなわち、前記発光チップ40〜44のVf(順方向電圧特性)のばらつきにより、前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値が変化して前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)においてばらつきが発生する。このために、前記抵抗R1〜R9の値を調整して(トリミングして)前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値を所定値にほぼ一定に設定することにより、前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)のばらつきを調整(吸収)することができる。あるいは、直接、前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)をモニターしながら前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)が一定になるように前記抵抗の値をトリミング調整することができる。前記トリミングは、たとえば、レーザーで前記抵抗R1〜R9の一部を切り欠いてあるいは全部を切り欠いて(オープン)抵抗値を調整するものである。なお、オープンおよびトリミングにより抵抗値は増加する。
【0036】
前記抵抗R11、R12は、ストップランプの光源である第2グループの4個の前記発光チップ41〜44の断線を検出するためのプルダウン抵抗である。前記抵抗R11、R12は、ストップランプ機能の前記ダイオードD1の後段(カソード側)と、グランド側の前記給電部材93との間に直列に接続されている。
【0037】
前記テールランプ機能の1個の発光チップ40に直列に接続されている前記抵抗R8〜R10と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に直列に接続されている前記抵抗R1〜R7と、前記ストップランプ機能のダイオードD1の後段に直列に接続されている前記抵抗R11、R12とは、図10においてそれぞれ3個、7個、2個配置されているが、抵抗の容量および調整する抵抗の可変幅により、配置する個数を変える場合がある。すなわち、前記抵抗の個数は、限定しない。
【0038】
前記ダイオードD1、D2は、たとえば、ベアチップダイオードもしくはSMDダイオードなどからなる。前記テールランプ機能の1個の発光チップ40と前記抵抗R8〜R10とに直列に接続されているダイオードD2と、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44と前記抵抗R1〜R7とに直列に接続されているダイオードD1とは、逆接防止機能および逆方向からのパルスノイズ保護機能のダイオードである。
【0039】
前記制御素子の前記抵抗R1〜R12および前記ダイオードD1、D2は、前記基板3の周辺部に配置されている。すなわち、前記制御素子の前記抵抗R1〜R12および前記ダイオードD1、D2は、前記5個の発光チップ40〜44の外側に配置されている。
【0040】
前記導体51〜57は、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線などからなる。配線素子としての前記導体51〜56および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650は、制御素子としての前記抵抗R1〜R10および前記ダイオードD1、D2を介して前記発光チップ40〜44に給電するものである。
【0041】
(発光チップ40〜44および抵抗R1〜R12およびダイオードD1、D2および導体51〜57およびワイヤ配線61〜65およびボンディング部610〜650のレイアウトの説明と駆動回路2の説明)
前記5個の発光チップ40〜44および前記12個の抵抗R1〜R12および前記2個のダイオードD1、D2および前記導体51〜57および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650は、図10の電気部品のレイアウト図および図11の一部拡大のレイアウト図および図11の電気回路図に示すように、配置されていてかつ接続されている。
【0042】
図4に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第1導体51には、前記テールランプ機能の発光チップ40と第8抵抗R8、第9抵抗R9、第10抵抗R10と第2ダイオードD2とが直列に配置接続されている。なお、抵抗は、第9抵抗R9と第10抵抗R10とが並列に接続されている。
【0043】
図5に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第2導体52には、第1ボンディング部610と第5ボンディング部650とが配置されている。前記第1導体51の前記テールランプ機能の発光チップ40と前記第2導体52の前記第1ボンディング部610とには、第1ワイヤ配線61が直列に接続されている。
【0044】
図6に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第3導体53には、前記ストップランプ機能の第1発光チップ41と抵抗R1〜R7と第1ダイオードD1とが直列に配置接続されている。なお、抵抗は、第1抵抗R1と第2抵抗R2とが、第3抵抗R3と第4抵抗R4とが、第5抵抗R5と第6抵抗R6とがそれぞれ並列に接続されている。
【0045】
図7に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第4導体54には、第2ボンディング部620と前記ストップランプ機能の第2発光チップ42とが直列に配置接続されている。前記第3導体53の前記第1発光チップ41と前記第4導体54の前記第2ボンディング部620とには、第2ワイヤ配線62が直列に接続されている。
【0046】
図8に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第5導体55には、第3ボンディング部630と前記ストップランプ機能の第3発光チップ43とが直列に配置接続されている。前記第4導体54の前記第2発光チップ42と前記第5導体55の前記第3ボンディング部630とには、第3ワイヤ配線63が直列に接続されている。
【0047】
図9に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第6導体56には、第4ボンディング部640と前記ストップランプ機能の第4発光チップ44とが直列に配置接続されている。前記第5導体55の前記第3発光チップ43と前記第6導体56の前記第4ボンディング部640とには、第4ワイヤ配線64が直列に接続されている。
【0048】
前記第6導体56の前記第4発光チップ44と前記第2導体52の前記第5ボンディング部650とには、第5ワイヤ配線65が直列に接続されている。
【0049】
図10に示すように、薄膜パターンもしくは厚膜パターンの第7導体57には、前記第11抵抗R11と第12抵抗R12とが直列に配置接続されている。前記第7導体57は、前記第3導体53の前記第1ダイオードD1の後段(カソード)側と、前記第2導体52とに接続されている。
【0050】
前記光源部10は、前記の通り、取付部材としての前記基板3と、半導体型光源の前記発光チップ40〜44と、制御素子としての前記抵抗R1〜R12および前記ダイオードD1、D2と、配線素子としての前記導体51〜57および前記ワイヤ配線61〜65および前記ボンディング部610〜650と、を備えるものである。
【0051】
前記5個の発光チップ40〜44および前記10個の抵抗R1〜R10および前記2個のダイオードD1、D2および前記6個の導体51〜56および前記5本のワイヤ配線61〜65および前記5個のボンディング部610〜650は、前記テールランプ機能と前記ストップランプ機能ごとに区分(組み分け、グループ化)されている。
【0052】
すなわち、前記5個の発光チップは、小電流が供給され発熱量が小さい前記テールランプ機能の1個の発光チップ40と、大電流が供給され発熱量が大きい前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44とに、区分されている。前記6個の導体は、前記小電流供給のテールランプ機能の1個の発光チップ40に小電流を供給する前記第1導体51と、前記大電流供給のストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に大電流を供給する前記第3導体53、第4導体54、第5導体55、第6導体56とに、区分されている。
【0053】
前記大電流供給のストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44用の導体52〜55は、4個に分割されている。前記小電流供給のテールランプ機能の発光チップ40用の第1導体51は、4個に分割されている前記大電流供給のストップランプ機能の発光チップ41〜44用の導体のうち、前記第2導体52および前記第3導体53側と、前記第4導体54および前記第5導体55側との間に挟まれた状態で配置されている。
【0054】
そして、図2に示すように、前記小電流供給のテールランプ機能の第1グループの発光チップ40用の第1導体51は、前記小電流供給のテールランプ機能の発光チップ40を挟む前記大電流供給のストップランプ機能の第2グループの4個の発光チップ41〜44を結ぶ線分(この例では直線)Lにより2つに(この例では、上下2つに)区分される前記基板3の前記取付面34のいずれか一方(この例では、下方)の前記取付面34に実装(配置)されている。
【0055】
前記大電流供給のストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44および前記抵抗R1〜R7および前記ダイオードD1および前記導体53〜56における発熱容量は、前記小電流供給のテールランプ機能の1個の発光チップ40および前記抵抗R8、R9および前記ダイオードD2および前記導体51における発熱容量と比較して大きい。
【0056】
そして、図1に示すように、前記大電流供給のストップランプ機能の発熱容量が大きい前記抵抗R1〜R7は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備した際(図16参照)に、5個の前記発光チップ40〜44よりも上位の位置に位置するように配置されている。これは、熱が上昇する性質を利用することにより、前記抵抗R1〜R7において発生した熱を、5個の前記発光チップ40〜44に影響を与えずに、上方に逃がすことができる。
【0057】
前記5個の発光チップ40〜44のうち、前記テールランプ機能の1個の発光チップ40は、前記基板3の中心Oであって後記放熱部材8の中心Oもしくはその近傍に配置されている。
【0058】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図12〜図16に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0059】
前記ソケット部11は、前記絶縁部材7と、前記放熱部材8と、前記給電部材91〜93との一体構造からなるものである。たとえば、前記絶縁部材7と前記放熱部材8と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成している構造。あるいは、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成して、前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造。あるいは、前記絶縁部材7に前記給電部材91〜93を一体に組み付け、前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造。
【0060】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に、着脱可能にあるいは固定的に取り付けるための取付部が設けられているものである。前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、外径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の内径より若干小さいほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、鍔部71が一体に設けられている。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、複数個この例では4個の取付部70が、前記ランプハウジング101の前記凹部と対応させて、一体に設けられている。なお、前記取付部70は、図3〜図5
において3個しか図示されていない。
【0061】
前記取付部70は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するものである。すなわち、前記ソケット部11の前記カバー12側の一部および前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部中に挿入する。その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに回転させて、前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部に当てる。この時点において、前記取付部70と前記鍔部71とが前記パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む(図2参照)。
【0062】
この結果、前記光源ユニット1の前記ソケット部11は、図16に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能に取り付けられる。この時点において、図16に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分(図16中のランプハウジング101よりも下側の部分)がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分(図16中のランプハウジング101よりも上側の部分)よりも大である。
【0063】
前記絶縁部材7の他端部(下端部)には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0064】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、前記光源部10で発生する熱を外部に放射させるものである。前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性(導電性をも有する)のアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部(上端部)が平板形状をなし、中間部から他端部(下端部)にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の上面には、当接面80が設けられている。前記放熱部材8の当接面80には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性媒体(図示せず)により接着されている。この結果、前記発光チップ40〜44は、前記基板3を介して前記放熱部材8の中心O(前記ソケット部11の中心O)近傍部分が位置する箇所に対応して位置することとなる。
【0065】
前記熱伝導性媒体は、たとえば、熱伝導性接着剤であって、材質として、エポキシ系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などからなり、形態として、液状形態、流動状形態、テープ形態などからなる。なお、前記熱伝導性媒体は、熱伝導性接着剤のほかに、熱伝導性グリースであっても良い。
【0066】
前記放熱部材8の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記挿通孔31〜33にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置している。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在している。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0067】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、前記光源部10に給電するものである。前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93の一端部(上端部)は、末広形状をなしていて、前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33にそれぞれ位置する。前記給電部材91〜93の一端部は、前記接続部材17を介して、前記光源部10の前記配線6にそれぞれ電気的に接続されている。
【0068】
すなわち、図4に示すように、前記絶縁部材7の一端面(上端面)のうち前記放熱部材8の前記切欠81〜83に対応する箇所には、前記切欠81〜83中に突出する凸部72が一体に設けられている。前記給電部材91、92、93の一端部は、前記凸部72から突出して、前記接続部材17に電気的にかつ機械的に接続されて、前記基板3の前記第1導体51、前記第3導体53、前記第2導体52に、それぞれ電気的に接続されている。このようにして、前記光源部10は、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられることとなる。
【0069】
前記給電部材91〜93の他端部(下端部)は、窄まった形状をなしていて、前記コネクタ部13中に配置されている。前記給電部材91〜93の他端部は、オスターミナル(おす型端子)910、920、930を構成するものである。
【0070】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
図11に示すように、前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続するメスターミナル(めす型端子)141、142、143が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナル141〜143が前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナル141〜143と前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0071】
図11に示すように、前記コネクタ14の前記第1メスターミナル141および前記第2メスターミナル142は、ハーネス144、145およびスイッチSWを介して電源(直流電源のバッテリー)15に接続されている。前記コネクタ14の前記第3メスターミナル143は、ハーネス146を介してアースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナル141〜143)タイプのコネクタ部およびコネクタである。
【0072】
(スイッチSWの説明)
前記スイッチSWは、可動接点150と、第1固定接点151と、第2固定接点152と、第3固定接点153と、共通固定接点154と、からなる3位置切替スイッチである。
【0073】
前記可動接点150が第1固定接点151の位置に切り替わっているとき(図11中の一点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記テールランプ機能のダイオードD2と抵抗R8、R9とを経て前記テールランプ機能の1個の発光チップ40に供給されている状態である。すなわち、前記テールランプ機能の1個の発光チップ40は、前記テールランプ機能のダイオードD2と抵抗R8、R9を経て駆動電流が供給されている。
【0074】
前記可動接点150が第2固定接点152の位置に切り替わっているとき(図11中の二点鎖線に示す状態のとき)には、電流(駆動電流)が前記ストップランプ機能のダイオードD1と抵抗R1〜R7とを経て前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給されている状態である。すなわち、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、前記ストップランプ機能のダイオードD1と抵抗R1〜R7とを経て駆動電流が供給されている。
【0075】
前記可動接点150が第3固定接点153の位置に切り替わっているとき(図11中の実線に示す状態のとき)には、前記5個の発光チップ40〜44への電流供給が遮断されている状態である。
【0076】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記5個の発光チップ40〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。前記カバー部12は、光学部品あるいは光学部材である。
【0077】
前記カバー部12は、図2に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記封止部材180と共に、前記5個の発光チップ40〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44を外乱から保護するものである。また、前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44以外に、前記制御素子としての前記抵抗R1〜R12、前記ダイオードD1、D2および前記配線素子としての前記導体51〜57、前記ワイヤ配線61〜65、前記ボンディング部610〜650をも外乱から保護するものである。なお、前記カバー部12には、通気孔(図示せず)を設ける場合がある。
【0078】
(接続部材17の説明)
以下、前記接続部材17について説明する。前記接続部材17は、導電性および弾性および展性(延性、塑性)を有する部材、たとえば、リン青銅や黄銅などの部材から構成されている。前記接続部材17は、前記光源部10と前記ソケット部11とを電気的に接続するものである。
【0079】
(接続部材による光源部とソケット部との電気的接続の説明)
まず、前記接続部材17の2個の光源接続部(図示せず)を前記光源部10の前記基板3の2個の嵌合孔(図示せず)にそれぞれ嵌合させて、前記基板3の前記嵌合孔の周囲に設けた導電性接着剤(図示せず)に熱を加える。これにより、前記接続部材17の前記光源接続部が、前記光源部10の前記基板3の前記第1導体51、前記第2導体52、前記第3導体53に、それぞれ電気的にかつ機械的に接続されることとなり、かつ、前記光源部10の前記基板3と前記接続部材17とが仮固定(サブアセンブリ)される。
【0080】
つぎに、前記ソケット部11の前記放熱部材8の前記当接面80上に熱伝導性媒体(図示せず)を塗布して、前記給電部材91〜93の一端部を前記基板3の前記挿通孔31〜33の中に挿通させる。
【0081】
つづいて、前記光源部10の前記基板3の前記当接面35を前記ソケット部11の前記熱伝導性媒体上に載せる。それから、前記接続部材17の2個のソケット接続部(図示せず)を前記給電部材91〜93の一端部の両側に加締め付ける。そして、加締め付けた前記接続部材17の2個の前記ソケット接続部と前記給電部材91〜93の一端部の両側とをレーザー溶接などにより溶接する。これにより、前記接続部材17の前記ソケット接続部が、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93に電気的にかつ機械的に接続されることとなる。
【0082】
前記の加締め付け工程中および前記溶接工程中において、前記基板3を前記放熱部材8側に加圧する。前記加圧下において、前記熱伝導性媒体を取り付け固定させる。これにより、前記光源部10と前記ソケット部11とが前記接続部材17により電気的に接続される。
【0083】
(作用の説明)
この実施例における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施例における車両用灯具100(以下、「この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0084】
まず、スイッチSWの可動接点150を第1固定接点151に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能のダイオードD2と抵抗R8、R9とを経て、テールランプ機能の1個の発光チップ40に供給される。この結果、テールランプ機能の1個の発光チップ40が発光する。
【0085】
このテールランプ機能の1個の発光チップ40から放射された光は、光源ユニット1の封止部材およびカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ40から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0086】
つぎに、スイッチSWの可動接点150を第2固定接点152に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能のダイオードD1と抵抗R1〜R7とを経て、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。
【0087】
このストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、光源ユニット1の封止部材およびカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、輝度、光度、照度が大である)。
【0088】
それから、スイッチSWの可動接点150を第3固定接点153に切り替える。すると、電流(駆動電流)が遮断される。この結果、1個の発光チップ40もしくは4個の発光チップ41〜44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0089】
そして、光源部10の発光チップ40〜44および抵抗R1〜R10およびダイオードD1、D2および導体51〜56において発生した熱は、基板3および熱伝導性媒体を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。また、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44のうち少なくとも1個が断線すると、車両側のシステムがプルダウン抵抗R11、R12の状態変化によりストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44のうち少なくとも1個の断線を検出することができる。
【0090】
(効果の説明)
この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0091】
この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、図1、図2に示すように、第1グループのテールランプ機能の発光チップ40が第2グループのストップランプ機能の発光チップ41、42と43、44との間に挟まれていて、テールランプ機能の発光チップ40に給電する第1導体51が、テールランプ機能の発光チップ40を挟むストップランプ機能の発光チップ41、42と43、44とを結ぶ線分Lにより上下2つに区分される基板3の取付面34のうちの下方の取付面34に実装されている。この結果、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、ストップランプ機能の発光チップ41、42、43、44に給電する配線素子であって、隣同士の配線素子すなわち第4導体54と第5導体55とを相互に近づけることができ(図1、図2参照)、その隣同士の第4導体54と第5導体55とを相互に電気的に接続する配線素子すなわち第3ワイヤ配線63を、テールランプ機能の発光チップ40に給電する第1導体51の上を跨ぐように配線する(図3参照)必要が無いので、ストップランプ機能の発光チップ41、42、43、44に給電する第3ワイヤ配線63がテールランプ機能の発光チップ40に給電する第1導体51に接触してショート(短絡)する不具合をなくすことができる。このように、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップに給電する配線素子をショートしないように確実に配線することができる。
【0092】
しかも、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、ストップランプ機能の発光チップ41、42、43、44に給電する第3ワイヤ配線63(隣同士の第4導体54と第5導体55とを相互に電気的に接続する第3ワイヤ配線63)の長さを短くすることができるので、長いための不具合、すなわち、第3ワイヤ配線63が切断したり、あるいは、第3ワイヤ配線63のボンディング部630がはがれたりする不具合を少なくすることができる。すなわち、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、第3ワイヤ配線63の長さを短くすることができるので、第3ワイヤ配線63の断線ストレス(断線荷重)を軽減することができ、また、第3ワイヤ配線63のボンディング部630のストレス(荷重)を軽減することができる。このように、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップに給電する配線素子を確実に配線することができる。
【0093】
その上、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、ストップランプ機能の発光チップ41、42、43、44に給電する導体であって隣同士の第4導体54と第5導体55とを相互に近づけることができるので、その隣同士の第4導体54および第5導体55の面積を広くすることができ、その分、隣同士の第4導体54および第5導体55において発生する熱を基板3および熱伝導性媒体を介して外部の放熱部材8に効率良く放射させることができる。すなわち、放熱効果が向上する。
【0094】
また、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、5個の発光チップ40〜44を基板3の取付面34の中央部に配置して、制御素子の抵抗R1〜R12およびダイオードD1、D2を基板3の取付面34の周辺部(すなわち、5個の発光チップ40〜44の外側)に配置することにより、5個の発光チップ40〜44に給電する導体51〜56の面積を広くすることができる。この結果、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、4個の発光チップ40〜44に給電する導体51〜56において発生する熱を基板3および熱伝導性媒体を介して外部の放熱部材8に効率良く放射させることができる。すなわち、放熱効果が向上する。
【0095】
さらに、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、ストップランプ機能の発光チップ41、42、43、44の発光を制御する制御素子の第1ダイオードD1の後段(カソード側)にストップランプ機能の4個の発光チップ41、42、43、44のうち少なくとも1個の断線を検出するプルダウン抵抗R11、R12を配置することにより、そのプルダウン抵抗R11、R12においては、逆極性サージに対して前段のダイオードD1で阻止することができるので、順方向性のサージのみを考慮した容量耐量で良い。この結果、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、プルダウン抵抗R11、R12を小型化することができるので、ストップランプ機能の発光チップ41、42、43、44に大電流を供給する配線素子の導体53〜56の面積を広くすることができる。これにより、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、ストップランプ機能の発光チップ41、42、43、44に大電流を供給する配線素子の導体53〜56において発生する熱を基板3および熱伝導性媒体を介して外部の放熱部材8に効率良く放射させることができる。すなわち、放熱効果が向上する。
【0096】
さらにまた、この実施例における光源ユニット1および車両用灯具100は、光源ユニット1を車両用灯具100に装備した際に、大電流が供給されるストップランプ機能の発光チップ41、42、43、44の発光を制御する制御素子の抵抗R1〜R7が5個の発光チップ40〜44よりも上位の位置に位置するので、抵抗R1〜R7において発生した熱が5個の発光チップ40〜44に影響を与えずに、上方に逃げる。すなわち、熱が上昇する性質を利用することにより、5個の発光チップ40〜44の耐久性および性能などを向上させることができる。
【0097】
(ワイヤ配線の変形例の説明)
図17は、ワイヤ配線の変形例を示す説明図である。図中、図1〜図16と同符号は同一のものを示す。このワイヤ配線の変形例は、複数個この例では5個の発光チップ40〜44にそれぞれ電気的に接続されている複数本この例では5本のワイヤ配線61〜65を、平行にもしくはほぼ平行に配線してなるものである。このように、5個の発光チップ40〜44にそれぞれ電気的に接続されている5本のワイヤ配線61〜65を平行にもしくはほぼ平行に配線することにより、5本のワイヤ配線61〜65の配線作業性が向上して生産スピードが上がって製造コストを安価にすることができる。しかも、5本のワイヤ配線61〜65が一方向もしくはほぼ一方向に一致するので、5本のワイヤ配線61〜65の電気的信頼性が向上する。
【0098】
(複数個の発光チップの配置の変形例の説明)
図18は、複数個の発光チップの配置の変形例を示す説明図である。図18(A)は、2個のテールランプ機能の発光チップ4(斜め格子が施されているチップ)と、3個のストップランプ機能の発光チップ400(白抜きのチップ)と、を備えるものである。左側のテールランプ機能の発光チップ4が左側のストップランプ機能の発光チップ400と中央のストップランプ機能の発光チップ400との間に挟まれていて、また、右側のテールランプ機能の発光チップ4が右側のストップランプ機能の発光チップ400と中央のストップランプ機能の発光チップ400との間に挟まれているものである。テールランプ機能の発光チップ4に給電する導体は、線分Lに対していずれか一方に実装されている。たとえば、左側のテールランプ機能の発光チップ4に給電する導体と右側のテールランプ機能の発光チップ4に給電する導体とが線分Lに対してそれぞれ上側に実装されていたり、あるいは、左側のテールランプ機能の発光チップ4に給電する導体と右側のテールランプ機能の発光チップ4に給電する導体とが線分Lに対してそれぞれ下側に実装されていたり、あるいは、左側のテールランプ機能の発光チップ4に給電する導体が線分Lに対して上側に実装されていてかつ右側のテールランプ機能の発光チップ4に給電する導体が線分Lに対してそれぞれ下側に実装されていたり、あるいは、左側のテールランプ機能の発光チップ4に給電する導体が線分Lに対して下側に実装されていてかつ右側のテールランプ機能の発光チップ4に給電する導体が線分Lに対してそれぞれ上側に実装されていたりしている。なお、中央のストップランプ機能の発光チップ400をテールランプ機能の発光チップ4としても良い。この場合は、3個のテールランプ機能の発光チップ4が左右のストップランプ機能の発光チップ400の間に挟まれることとなる。
【0099】
図18(B)は、1個のテールランプ機能の発光チップ4(斜め格子が施されているチップ)と、4個のストップランプ機能の発光チップ400(白抜きのチップ)と、を備えるものである。1個のテールランプ機能の発光チップ4が左側の1個のストップランプ機能の発光チップ400と右側の3個のストップランプ機能の発光チップ400との間に挟まれているものである。テールランプ機能の発光チップ4に給電する導体は、線分Lに対していずれか一方(上側または下側)に実装されている。なお、中央のストップランプ機能の発光チップ400をテールランプ機能の発光チップ4としても良い。
【0100】
図18(C)は、1個のテールランプ機能の発光チップ4(斜め格子が施されているチップ)と、4個のストップランプ機能の発光チップ400(白抜きのチップ)と、を備えるものである。1個のテールランプ機能の発光チップ4が右側の1個のストップランプ機能の発光チップ400と左側の3個のストップランプ機能の発光チップ400との間に挟まれているものである。テールランプ機能の発光チップ4に給電する導体は、線分Lに対していずれか一方(上側または下側)に実装されている。なお、中央のストップランプ機能の発光チップ400をテールランプ機能の発光チップ4としても良い。
【0101】
図18(D)は、1個のテールランプ機能の発光チップ4(斜め格子が施されているチップ)と、3個のストップランプ機能の発光チップ400(白抜きのチップ)と、を備えるものである。1個のテールランプ機能の発光チップ4が左側の1個のストップランプ機能の発光チップ400と右側の2個のストップランプ機能の発光チップ400との間に挟まれているものである。テールランプ機能の発光チップ4に給電する導体は、線分Lに対していずれか一方(上側または下側)に実装されている。なお、テールランプ機能の発光チップ4の右隣のストップランプ機能の発光チップ400をテールランプ機能の発光チップ4としても良い。
【0102】
図18(E)は、1個のテールランプ機能の発光チップ4(斜め格子が施されているチップ)と、3個のストップランプ機能の発光チップ400(白抜きのチップ)と、を備えるものである。1個のテールランプ機能の発光チップ4が右側の1個のストップランプ機能の発光チップ400と左側の2個のストップランプ機能の発光チップ400との間に挟まれているものである。テールランプ機能の発光チップ4に給電する導体は、線分Lに対していずれか一方(上側または下側)に実装されている。なお、テールランプ機能の発光チップ4の左隣のストップランプ機能の発光チップ400をテールランプ機能の発光チップ4としても良い。
【0103】
図18(F)は、1個のテールランプ機能の発光チップ4(斜め格子が施されているチップ)と、2個のストップランプ機能の発光チップ400(白抜きのチップ)と、を備えるものである。1個のテールランプ機能の発光チップ4が右側の1個のストップランプ機能の発光チップ400と左側の1個のストップランプ機能の発光チップ400との間に挟まれているものである。テールランプ機能の発光チップ4に給電する導体は、線分Lに対していずれか一方(上側または下側)に実装されている。
【0104】
(実施例以外の例の説明)
なお、前記の実施例においては、5個の発光チップ40〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、発光チップとして、2個〜4個、6個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。
【0105】
また、前記の実施例においては、テール・ストップランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプ以外のコンビネーションランプまたは単機能のランプにも使用することができる。単機能のランプとしては、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)、ヘッドランプのハイビームランプ(走行用ヘッドランプ)、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどがある。すなわち、小電流が供給され発光量が小さい発光チップと大電流が供給され発光量が大きい発光チップとからなる光源ユニットが、恰も、発光量が小さいサブフィラメントと発光量が大きいメインフィラメントとからなるダブルフィラメントの光源ユニットと同様の作用をなすものである。
【0106】
さらに、前記の実施例においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用できる。
【0107】
さらにまた、前記の実施例においては、5個の発光チップ40〜44を1列に配置したものである。ところが、この発明においては、発光チップを、複数列に、角形の角上に、円形状に、配置しても良い。たとえば、四角形の4つの角に、または、三角形の3つの角に、配置しても良い。
【0108】
さらにまた、前記の実施例においては、カバー部12、ランプレンズ102により配光制御するものである。ところが、この発明においては、カバー部12、ランプレンズ102のうち少なくともいずれか一方により、あるいは、反射面やレンズなどにより、配光制御するようにしても良い。
【0109】
さらにまた、前記の実施例においては、ソケット部11にコネクタ部13を一体に設けたものである。ところが、この発明においては、ソケット部11にコネクタ部13を一体に設けなくても良い。この場合においては、ソケット部11と別個に光源側のコネクタを設け、この光源側のコネクタをハーネスを介して光源ユニット1の給電部材(実施例の給電部材91〜93参照)に電気的に接続するものである。この光源側のコネクタに電源側のコネクタ14を取り付けることにより、光源部10に電気が供給され、また、光源側のコネクタから電源側のコネクタ14を取り外すことにより、光源部10への電気供給が遮断される。
【0110】
さらにまた、前記の実施例においては、テールランプ機能の発光チップ40に給電する第1導体51が、ストップランプ機能の発光チップ41、42と43、44とを結ぶ線分Lにより上下2つに区分される基板3の取付面34のうちの下方の取付面34に実装されているものである。ところが、この発明においては、第1導体51を線分Lにより上下2つに区分される基板3の取付面34のうちの上方の取付面34に実装しても良い。また、発光チップが縦方向に配列されている場合には、左右に2つに区分される基板のうちの左側の取付面、あるいは、右側の取付面に実装しても良い。さらに、発光チップが斜め方向に配列されている場合には、斜めに2つに区分される基板のうちの一方の取付面、あるいは、他方の取付面に実装しても良い。
【0111】
さらにまた、前記の実施例においては、取付部材としての基板3の取付面34に、発光チップ40〜44、配線素子の導体51〜57、ワイヤ配線61〜65、ボンディング部610〜650、抵抗R1〜R12、ダイオードD1、D2を実装したものである。ところが、この発明においては、基板3を使用せずに、放熱部材8の取付面(当接面80)に絶縁層を介して発光チップ40〜44、配線素子の導体51〜57、ワイヤ配線61〜65、ボンディング部610〜650、抵抗R1〜R12、ダイオードD1、D2を実装したものであっても良い。この場合において、放熱部材8が取付部材となる。
【0112】
さらにまた、前記の実施例においては、光源ユニット1として、絶縁部材7と放熱部材8と3本の給電部材91、92、93とを備えるソケット部11を使用するものである。ところが、この発明においては、光源ユニットとして、絶縁部材7と3本の給電部材91、92、93とを使用せずに、放熱部材8のみを使用するものであっても良い。この場合において、光源ユニットは、放熱部材と、絶縁部材としての基板あるいは絶縁層と、光源部と、を備えるものであって、一方、車両用灯具は、光源部の給電電極(図示せず)に電気的に接続する給電部材を備えるものである。
【符号の説明】
【0113】
1 光源ユニット
10 光源部
11 ソケット部
12 カバー部
13 コネクタ部
14 コネクタ
141〜143 メスターミナル
144、145、146 ハーネス
15 電源
150 可動接点
151 第1固定接点
152 第2固定接点
153 第3固定接点
154 共通固定接点
17 接続部材
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 パッキン
3 基板(取付部材)
30 高反射面
31、32、33 挿通孔
34 取付面(実装面)
35 当接面
4、40、41、42、43、44、400 発光チップ
51〜57 導体(配線素子)
61〜65 ワイヤ配線(配線素子)
610〜650 ボンディング部(配線素子)
7 絶縁部材
70 取付部
71 鍔部
72 凸部
8 放熱部材
80 当接面
81、82、83 切欠
91、92、93 給電部材
910〜930 オスターミナル
R1〜R12 抵抗(制御素子)
D1、D2 ダイオード(制御素子)
F 焦点
O 中心
SW スイッチ
L 線分
L1 発光チップの側面から放射される光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットにおいて、
取付部材と、
前記取付部材に集中して実装されている複数個の半導体型光源の発光チップと、
前記取付部材に実装されていて、前記発光チップの発光を制御する制御素子と、
前記取付部材に実装されていて、前記制御素子を介して前記発光チップに給電する配線素子と、
を備え、
複数個の前記発光チップは、2つのグループに区分されていて、
第1グループの前記発光チップは、第2グループの前記発光チップの間に挟まれていて、
前記配線素子のうち第1グループの前記発光チップに給電する配線素子は、第1グループの前記発光チップを挟む第2グループの前記発光チップを結ぶ線分により2つに区分される前記取付部材の実装面のいずれか一方の実装面に実装されている、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項2】
複数個の前記発光チップは、前記取付部材の実装面の中央部に配置されていて、
前記制御素子は、前記取付部材の実装面の周辺部に配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項3】
第1グループの前記発光チップは、小電流が供給される発光チップであり、
第2グループの前記発光チップは、大電流が供給される発光チップであり、
第2グループの前記発光チップの発光を制御する制御素子は、少なくともダイオードを備え、
前記ダイオードの後段には、第2グループの前記発光チップの断線を検出するプルダウン抵抗が配置されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項4】
第1グループの前記発光チップは、小電流が供給される発光チップであり、
第2グループの前記発光チップは、大電流が供給される発光チップであり、
第2グループの前記発光チップの発光を制御する制御素子は、少なくとも抵抗を備え、
前記抵抗は、光源ユニットを車両用灯具に装備した際に、複数個の前記発光チップよりも上位の位置に位置するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項5】
前記配線素子の一部は、複数個の前記発光チップにそれぞれ電気的に接続されているワイヤ配線から構成されていて、
複数本の前記ワイヤ配線は、平行にもしくはほぼ平行に配線されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項6】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−22797(P2012−22797A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157778(P2010−157778)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】