説明

車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット、車両用灯具

【課題】光源ユニットにおいて製造コストを安価に保持すること。
【解決手段】発光チップ側の基板300の実装面34は、制御素子側の基板3の実装面34よりも下に位置し、発光チップ側の基板300と分割した制御素子側の基板3が、発光チップ40〜44を封止部材180で封止する範囲を決定する部材いわゆる土手部材の機能をも兼用するものであるため、制御素子側の基板3が土手部材と兼用となり、土手部材が不要となるので、基板を発光チップ側の基板300と制御素子側の基板3とに分割したとしても、部品点数が従前の光源ユニットと変わらず、従前の製造コストを保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットに関するものである。また、この発明は、半導体型光源を光源とする車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の光源ユニットは、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の光源ユニットについて説明する。従来の光源ユニットは、基板の上面にLEDチップを実装し、かつ、リフレクタを配置し、そのリフレクタの開口部中に樹脂を注入してLEDチップを樹脂で覆ったものである。
【0003】
かかる光源ユニットにおいては、製造コストを安価に保持することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−176219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、製造コストを安価に保持することが重要である、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、基板と、基板が固定されている放熱部材と、基板に集中して実装されている複数個の半導体型光源の発光チップと、基板に実装されていて発光チップの発光を制御する制御素子と、基板に実装されていて制御素子を介して発光チップに給電する配線素子と、を備え、基板が、発光チップおよび配線素子の一部分が実装されている部分と、制御素子および配線素子の残りの部分が実装されている部分と、に分割されていて、発光チップおよび配線素子の一部分が実装されている発光チップ側の基板と、制御素子および配線素子の残りの部分が実装されている制御素子側の基板とが、相互に隣接して配置されていて、発光チップ側の配線素子の一部分と、制御素子側の配線素子の残りの部分とには、発光チップ側の配線素子の一部分と制御素子側の配線素子の残りの部分とを相互に電気的に接続する配線素子接続部材がそれぞれ電気的に接続されていて、発光チップ側の基板の実装面が、制御素子側の基板の実装面よりも下に位置していて、制御素子側の基板のうち少なくとも発光チップ側の基板の発光チップに対応する部分には、抜き孔が設けられていて、制御素子側の基板の抜き孔中には、少なくとも発光チップ側の基板の発光チップを封止する光透過性の封止部材が注入されている、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、制御素子側の基板の抜き孔の内周面には、発光チップからの光を反射させる反射面が設けられている、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、制御素子側の基板の抜き孔の周縁部と、発光チップ側の基板のうち発光チップ以外の部分とが、重なり合う、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、制御素子側の基板の抜き孔の周縁部には透孔が設けられていて、透孔中には配線素子接続部材が設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、発光チップ側の基板が、放熱部材に埋め込まれている、ことを特徴とする。
【0011】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)は、放熱部材の固定面には、凹部が設けられていて、放熱部材の凹部中には、発光チップ側の基板が埋め込まれていて、発光チップ側の基板の周縁部と放熱部材の凹部の周縁部とには、発光チップ側の基板と放熱部材との相対位置を決める相対位置決め部がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)は、相対位置決め部が、発光チップ側の基板の周縁部に設けられている相対位置決め凹部と、放熱部材の前記凹部の周縁部に設けられている相対位置決め凸部と、から構成されている、ことを特徴とする。
【0013】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)は、発光チップ側の基板の相対位置決め部および放熱部材の相対位置決め部が、発光チップ側の基板と放熱部材との誤組付を防止する誤組付防止機能を有する、ことを特徴とする。
【0014】
さらにまた、この発明(請求項9にかかる発明)は、発光チップ側の基板が、制御素子側の基板と比較して、熱伝導率が高い部材から構成されている、ことを特徴とする。
【0015】
さらにまた、この発明(請求項10にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップ側の基板と分割した制御素子側の基板が、発光チップを封止部材で封止する範囲を決定する部材いわゆる土手部材の機能をも兼用するものである。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、制御素子側の基板が土手部材と兼用となり、土手部材が不要となるので、基板を発光チップ側の基板と制御素子側の基板とに分割したとしても、部品点数が従前の光源ユニットと変わらず、従前の製造コストを保持することができる。
【0017】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、制御素子側の基板の抜き孔の内周面に設けた反射面により、発光チップから放射される光を所定の方向に反射させることができるので、発光チップから放射される光を所定の方向に効率良く取り出すことができ、発光チップから放射される光を有効利用することができる。これにより、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップから封止部材を介して外部に放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0018】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、制御素子側の基板の抜き孔の周縁部と発光チップ側の基板のうち発光チップ以外の部分とが重なり合うことにより、発光チップ側の基板の配線素子の一部分が制御素子側の基板に接する。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップにおいて発生した熱が発光チップ側の基板の配線素子の一部分を介して制御素子側の基板に伝達してその制御素子側の基板から外部に効率良く外部に放射(放出)することができる。これにより、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップに供給する電流を上げる(高くする、多くする)ことができ、その分、発光チップから放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0019】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、制御素子側の基板の抜き孔の周縁部の透孔中に設けられた配線素子接続部材により、発光チップ側の配線素子の一部分と制御素子側の配線素子の残りの部分とを相互に電気的に接続するものである。この結果、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、配線素子接続部材を制御素子側の基板の抜き孔中に設ける必要がないので、発光チップからの光が抜き孔中の配線素子接続部材により遮られることがなく、その分、発光チップからの光を効率良く外部に取り出すことができる。これにより、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップから封止部材を介して外部に放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0020】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップ側の基板が放熱部材に埋め込まれているので、発光チップ側の基板の側面が放熱部材に直接もしくは熱伝導性媒体を介して接している。この結果、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップにおいて発生した熱を、発光チップ側の基板の固定面(放熱部材に固定されている面)のみならず、発光チップ側の基板の側面からも効率良く放熱部材に伝導させることができる。このために、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップにおいて発生した熱を発光チップ側の基板の固定面のみから放熱部材に伝導させるものと比較して、発光チップにおいて発生する熱を放熱部材から効率良く外部に放射(放出)することができる。これにより、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップに供給する電流を上げる(高くする、多くする)ことができ、その分、発光チップから放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0021】
しかも、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、制御素子側の基板と分割した発光チップ側の基板のみを放熱部材に埋め込むものであるから、発光チップ側の基板と制御素子側の基板とに分割していない基板を放熱部材に埋め込むものと比較して、放熱部材が小型である。すなわち、放熱部材を大型にする必要がなく、従前の大きさの放熱部材で良いので、従前の製造コストを保持することができる。
【0022】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、放熱部材の凹部中に発光チップ側の基板が相対位置決め部により相対位置が決められた状態で固定されている。この結果、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、基板を発光チップ側の基板と制御素子側の基板とに分割しても、分割していない基板(1枚ものの基板)と同様に、発光チップの放熱部材に対する位置を高精度に決めることができる。
【0023】
さらにまた、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップ側の基板の相対位置決め部が凹部から構成されているので、相対位置決め部が凸部から構成されている発光チップ側の基板と比較して、多数個取りする場合において枚数(基板取りの面積)上有利である。すなわち、同じ大きさの基板素材から、相対位置決め凹部の発光チップ側の基板を多数個取りする場合と、相対位置決め凸部の発光チップ側の基板を多数個取りする場合と、を比較すると、凹部側の基板の方が凸部側の基板よりも多い枚数を取ることができる。この結果、この発明(請求項7にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップ側の基板として熱伝導率が高くかつ高価な部材を使用しても、製造コストを大幅に上げることなく、安価な製造コストに維持することができる。
【0024】
さらにまた、この発明(請求項8にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、相対位置決め部の誤組付防止機能により、発光チップ側の基板と放熱部材とを誤組付けすることなく正規の状態で組み付けることができる。
【0025】
さらにまた、この発明(請求項9にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップ側の基板が、制御素子側の基板と比較して、熱伝導率が高い部材から構成されているので、発光チップにおいて発生する熱を熱伝導率が高い基板を介して放熱部材から効率良く外部に放射(放出)することができる。これにより、この発明(請求項9にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップに供給する電流を上げる(高くする、多くする)ことができ、その分、発光チップから放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0026】
しかも、この発明(請求項9にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップ側の基板を熱伝導率が高い部材から構成し、一方、制御素子側の基板を安価で熱伝導率が低い部材から構成することができる。このために、この発明(請求項9にかかる発明)の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットは、発光チップ側の基板として熱伝導率が高い部材から構成されている基板を使用しても、製造コストを安価に保持することができる。
【0027】
さらにまた、この発明(請求項10にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、前記の請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと同様の効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1を示し、光源部と、ソケット部と、接続部材とを組み付けた状態の平面図である。
【図2】図2は、同じく、光源ユニットを車両用灯具に組み付けた状態を示す縦断面図(垂直断面図)、すなわち、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図3】図3は、同じく、光源ユニットの光源部とソケット部の絶縁部材および放熱部材および給電部材との分解斜視図である。
【図4】図4は、同じく、光源ユニットの光源部とソケット部との分解斜視図である。
【図5】図5は、同じく、光源ユニットの光源部とソケット部とを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、同じく、発光チップ側の基板を示す平面図である。
【図7】図7は、同じく、制御素子側の基板を示す平面図である。
【図8】図8は、同じく、放熱部材の固定面を示す平面図である。
【図9】図9は、同じく、発光チップ側の基板を放熱部材の凹部に埋め込んだ状態を示す平面図である。
【図10】図10は、同じく、制御素子側の基板を発光チップ側の基板および放熱部材に組み付けた状態を示す平面図である。
【図11】図11は、同じく、図10におけるXI−XI線断面図である。
【図12】図12は、同じく、図10におけるXII−XII線断面図である。
【図13】図13は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2を示す発光チップ側の基板および制御素子側の基板および放熱部材の平面図である。
【図14】図14は、同じく、図13におけるXIV−XIV線断面図である。
【図15】図15は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例3を示す発光チップ側の基板および制御素子側の基板および放熱部材の一部拡大断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図16】図16は、同じく、配線素子接続部材の第1変形例を示す一部拡大断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図17】図17は、同じく、配線素子接続部材の第2変形例を示す一部拡大断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図18】図18は、同じく、配線素子接続部材の第3変形例を示す一部拡大断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図19】図19は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの変形例を示す一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【図20】図20は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例4を示す発光チップ側の基板の平面図である。
【図21】図21は、同じく、制御素子側の基板を示す平面図である。
【図22】図22は、同じく、制御素子側の基板を発光チップ側の基板および放熱部材に組み付けた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例のうちの3例およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例のうちの3例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例1によりこの発明が限定されるものではない。なお、図1、図3〜図5、図11、図14〜図19中においては、制御素子および配線素子の図示を省略してある。また、図3〜図5中においては、接続部材の図示を省略してある。
【実施例1】
【0030】
(構成の説明)
図1〜図12は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例1およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。図9、図10中の発光チップ側の基板の配線素子の図示を省略してある。
【0031】
(構成の説明)
以下、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットおよびこの実施例1における車両用灯具の構成について説明する。図2において、符号100は、この実施例1における車両用灯具である。
【0032】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)でテールランプ機能とストップランプ機能とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能、ターンシグナルランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。
【0033】
前記車両用灯具100は、図2に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路(図示せず)と、を備えるものである。
【0034】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。
【0035】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0036】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を配光制御する配光制御部材であって、焦点Fを有する。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。前記ランプハウジング101の前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個の凹部(図示せず)と複数個のストッパ部(図示せず)とがほぼ等間隔に設けられている。
【0037】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、図1〜図5、図12に示すように、光源部10と、ソケット部11と、光学部品としてのカバー部12と、接続部材17と、を備える。前記光源部10および前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部(上端部)に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。
【0038】
前記光源ユニット1は、図2に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101にパッキン(Oリング)108を介して着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0039】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、図1、図3〜図12に示すように、基板3、300と、前記半導体型光源の複数個この例では5個の発光チップ40、41、42、43、44と、制御素子としての抵抗RS、RT、RPおよびダイオードDS、DTと、配線素子としての導体(パターン、導体パターン)51〜56と、配線素子接続部材15と、封止部材180と、を備えるものである。
【0040】
(基板3、300の説明)
前記基板3、300は、図1、図3〜図10、図12に示すように、平面(上)から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記基板3、300の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、前記ソケット部11の給電部材91、92、93が挿通する挿通孔31、32、33がそれぞれ設けられている。前記基板3、300の一面(上面)には、実装面としての平面の取付面34が設けられている。前記基板3、300の他面(下面)には、固定面としての平面の当接面35が設けられている。前記基板3、300の前記挿通孔31〜33の両側には、2個の嵌合孔37がそれぞれ設けられている。なお、前記挿通孔31〜33は、切欠であっても良い。この場合、2個の前記嵌合孔37は、前記の切欠の両側にそれぞれ設けられている。また、前記基板3、300が高反射部材のセラミック製の場合においては、前記取付面34にさらに高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30を設けても良い。
【0041】
前記基板3、300の前記取付面34には、前記5個の発光チップ40〜44および前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DTおよび前記導体51〜56および前記配線素子接続部材15および前記封止部材180が取り付けられている(すなわち、実装、印刷、焼成、蒸着、半田、レーザー溶接、加締め付け、などにより、設けられている)。
【0042】
(発光チップ40〜44の説明)
前記5個の発光チップ40〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。前記発光チップ40〜44は、図1、図3〜図6、図9〜図11に示すように、平面(上)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、フリップタイプのベアチップ(フリップチップ)からなる。前記5個の発光チップ40〜44のうち、前記基板3、300に実装されている面の対角線上の2個の角部には、電極(バンプ)が設けられている。前記5個の発光チップ40〜44は、前記基板3、300に実装されている面以外の正面および側面から光を放射する。前記5個の発光チップ40〜44は、図1に示すように、光学系の前記リフレクタ103の焦点F、および、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の中心(取付回転中心)O近傍に1列に、光源バルブ(電球)のフィラメントもしくは放電電球(HIDランプ)のアーク放電による発光とほぼ同様になるように、配置されている。前記5個の発光チップ40〜44のうち、前記テールランプ機能の1個の発光チップ40は、前記基板3の中心Oであって後記放熱部材8の中心Oもしくはその近傍に配置されている。
【0043】
前記5個の発光チップ40〜44は、小電流が供給される発光チップであって、テールランプの光源である1個の発光チップ40すなわち第1グループの発光チップ40と、大電流が供給される発光チップであって、ストップランプの光源である4個の発光チップ41〜44すなわち第2グループの発光チップ41〜44と、に区分されている。前記テールランプ機能(テールランプの光源)の1個の発光チップ40は、右側の前記ストップランプ機能(ストップランプの光源)の2個の発光チップ41、42と左側の前記ストップランプ機能(ストップランプの光源)の2個の発光チップ43、44との間に挟まれた状態で配置されている。前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、順方向に直列に接続されている。前記5個の発光チップ40〜44の厚さは、この例では、約0.1mm〜約0.3mmである。
【0044】
(抵抗RS、RT、RPの説明)
前記抵抗RS、RT、RPは、たとえば、薄膜抵抗もしくは厚膜抵抗もしくはSMDタイプの抵抗などからなる。前記抵抗RS、RTは、所定の駆動電流の値を得るための調整用の抵抗である。すなわち、前記発光チップ40〜44のVf(順方向電圧特性)のばらつきにより、前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値が変化して前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)においてばらつきが発生する。このために、前記抵抗RS、RTの値を調整して(トリミングして)前記発光チップ40〜44に供給される駆動電流の値を所定値にほぼ一定に設定することにより、前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)のばらつきを調整(吸収)することができる。あるいは、直接、前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)をモニターしながら前記発光チップ40〜44の明るさ(光束、輝度、光度、照度)が一定になるように前記抵抗RS、RTの値をトリミング調整することができる。前記トリミングは、たとえば、レーザーで前記抵抗RS、RTの一部を切り欠いてあるいは全部を切り欠いて(オープン)抵抗値を調整するものである。なお、オープンおよびトリミングにより抵抗値は増加する。
【0045】
前記抵抗RPは、ストップランプの光源である第2グループの4個の前記発光チップ41〜44の断線を検出するためのプルダウン抵抗である。前記抵抗RPは、ストップランプ機能の前記ダイオードDSの後段(カソード側)と、グランド側の前記給電部材93との間に直列に接続されている。
【0046】
前記テールランプ機能の1個の発光チップ40に直列に接続されている前記抵抗RTと、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に直列に接続されている前記抵抗RSと、前記ストップランプ機能のダイオードDSの後段に直列に接続されている前記抵抗RPとは、それぞれ1個、3個、2個配置されているが、抵抗の容量および調整する抵抗の可変幅により、配置する個数を変える場合がある。すなわち、前記抵抗RS、RT、RPの個数は、限定しない。
【0047】
前記大電流供給のストップランプ機能の発熱容量が大きい前記抵抗RSは、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備した際(図2参照)に、5個の前記発光チップ40〜44よりも上位の位置に位置するように配置されている。これは、熱が上昇する性質を利用することにより、前記抵抗RSにおいて発生した熱を、5個の前記発光チップ40〜44に影響を与えずに、上方に逃がすことができる。
【0048】
(ダイオードDS、DTの説明)
前記ダイオードDS、DTは、たとえば、ベアチップダイオードもしくはSMDダイオードなどからなる。前記テールランプ機能の1個の発光チップ40と前記抵抗RTとに直列に接続されているダイオードDTと、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44と前記抵抗RSとに直列に接続されているダイオードDSとは、逆接防止機能および逆方向からのパルスノイズ保護機能のダイオードである。
【0049】
(導体51〜56の説明)
前記導体51〜56は、たとえば、導電性部材の薄膜配線もしくは厚膜配線などからなる。配線素子としての前記導体51〜56は、制御素子としての前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DTを介して前記発光チップ40〜44に給電するものである。前記導体51〜56には、前記5個の発光チップ40〜44の電極が電気的に接続されている。
【0050】
前記5個の発光チップ40〜44および前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DTおよび前記導体51〜56は、図6、図7、図10のレイアウト図に示すように、配置されていてかつ接続されている。
【0051】
(基板3、300の説明)
図6、図7、図10に示すように、前記基板3、300は、前記5個の発光チップ40〜44および前記配線素子の一部分(すなわち、前記導体51〜56)が実装されている部分300(図6参照)と、前記制御素子(すなわち、前記抵抗RS、RT、RPおよび前記ダイオードDS、DT)および前記配線素子の残りの部分(すなわち、前記導体51〜56)が実装されている部分3(図7参照)と、に分割されている。
【0052】
前記発光チップ側の基板300は、前記制御素子側の基板3と比較して、熱伝導率が高い部材から構成されている。たとえば、前記発光チップ側の基板300は、(AIN)の基板を使用する。前記制御素子側の基板3は、(アルミナ)の基板または(FR4)の基板を使用する。なお、(FR4)の基板を使用する場合においては、SMDタイプのトリミング抵抗を使用する。
【0053】
前記制御素子側の基板3と前記発光チップ側の基板300とは、別個に(独立して)多数個取りすることができるように構成されている。前記制御素子側の基板3と前記発光チップ側の基板300との厚さは、この例では、約1mm以下、たとえば、約0.5mm〜約0.63mmである。
【0054】
前記発光チップ側の基板300は、図6に示すように、平面(上)から見てほぼ長方形の板形状をなす。前記5個の発光チップ40〜44は、前記発光チップ側の基板300の前記取付面(実装面)34の中央部に、前記発光チップ側の基板300の長辺方向に1列に配置されている。
【0055】
前記制御素子側の基板3は、図7に示すように、平面(上)から見てほぼ八角形の板形状をなす。前記制御素子側の基板3の中央には、抜き孔38が設けられている。前記抜き孔38は、長方形形状をなしていて、少なくとも、前記5個の発光チップ40〜44を囲う大きさを有する。前記制御素子側の基板3の前記抜き孔38の内周面は、傾斜面をなしている。前記制御素子側の基板3の前記抜き孔38の内周面には、前記発光チップ40〜44からの光を反射させる反射面381が設けられている。なお、前記制御素子側の基板3の前記抜き孔38の内周面は、傾斜面ではなく垂直面であっても良く、平面でも曲面でも良い。また、前記制御素子側の基板3が高反射部材の(アルミナ)の基板の場合においては、前記抜き孔30の内周面に反射塗料や反射蒸着などを施す必要がないが、前記抜き孔30の内周面にさらに高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面381を設けても良い。さらに、前記制御素子側の基板3が(FR4)の基板の場合においては、前記抜き孔30の内周面に反射塗料や反射蒸着などを施して前記反射面381を設ける必要がある。
【0056】
前記抜き孔38は、前記発光チップ側の基板300よりも一回り小さい形状をなす。この結果、前記制御素子側の基板3の前記抜き孔38の周縁部の当接面(固定面)35と、前記発光チップ側の基板300のうち前記5個の発光チップ40〜44以外の取付面(実装面)34とは、上下に重なり合う。これにより、前記発光チップ40〜44および前記配線素子の一部分51〜56、61〜65、610〜650が実装されている発光チップ側の前記基板300と、前記制御素子RS、RT、RP、DS、DTおよび前記配線素子の残りの部分51〜56が実装されている制御素子側の前記基板3とは、相互に隣接して配置されている。
【0057】
前記発光チップ側の基板300の前記配線素子の一部分、すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53のうち、前記発光チップ側の基板300の辺側の部分には、電極511、521、531がそれぞれ設けられている。前記制御素子側の基板3の前記配線素子の残りの部分、すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53のうち、前記抜き孔38の周縁部には、電極510、520、530がそれぞれ設けられている。前記制御素子側の基板3の前記抜き孔38の周縁部のうち、前記発光チップ側の基板300の前記電極511、521、531に対応する箇所であって、電極510、520、530に隣接する箇所には、透孔512、522、532がそれぞれ設けられている。
【0058】
前記発光チップ側の基板300と前記制御素子側の基板3とを前記放熱部材8に固定した際には、前記発光チップ側の基板300の取付面(実装面)34は、前記制御素子側の基板3の取付面(実装面)34よりも、下に位置する。前記制御素子側の基板3の前記抜き孔38の周縁部と前記発光チップ側の基板300のうち前記5個の発光チップ40〜44以外の部分とが上下に重なり合う。前記制御素子側の基板3の前記透孔512、522、532が前記発光チップ側の基板300の前記電極511、521、531に対応して位置する。
【0059】
(配線素子接続部材15の説明)
前記配線素子接続部材15は、導電性部材から構成されていて、この例では、金ワイヤである。前記配線素子接続部材15の両端部は、前記制御素子側の基板3の前記電極510、520、530と、前記制御素子側の基板3の前記透孔512、522、532を介して前記発光チップ側の基板300の前記電極511、521、531とに、導電性接着剤(半田または導電ペーストなど)を介して、それぞれ電気的に接続されている。この結果、前記発光チップ側の基板300の前記配線素子の一部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)と、前記制御素子側の基板3の前記配線素子の残りの部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)とは、前記配線素子接続部15を介して相互に電気的に接続されることとなる。
【0060】
前記配線素子接続部材15および前記電極510、520、530、511、521、531は、たとえば樹脂製の保護部材150により覆われていて保護されている。前記配線素子接続部材15は、金ワイヤからなるので、応力緩和機能(柔軟性)を有する。前記保護部材150は、樹脂製からなるので、応力緩和機能(弾性)を有する。
【0061】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、図1〜図5に示すように、絶縁部材7と、放熱部材8と、3本の給電部材91、92、93と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記放熱部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7中に、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0062】
前記ソケット部11は、前記絶縁部材7と、前記放熱部材8と、前記給電部材91〜93との一体構造からなるものである。たとえば、前記絶縁部材7と前記放熱部材8と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成している構造。あるいは、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成して、前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造。あるいは、前記絶縁部材7に前記給電部材91〜93を一体に組み付け、前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93に前記放熱部材8を一体に取り付けてなる構造。
【0063】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に、着脱可能にあるいは固定的に取り付けるための取付部が設けられているものである。前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7は、外径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の内径より若干小さいほぼ円筒形状をなす。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、鍔部71が一体に設けられている。前記絶縁部材7の一端部(上端部)には、複数個この例では4個の取付部70が、前記ランプハウジング101の前記凹部と対応させて、一体に設けられている。なお、前記取付部70は、図3〜図5において3個しか図示されていない。
【0064】
前記取付部70は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するものである。すなわち、前記ソケット部11の前記カバー12側の一部および前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部中に挿入する。その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに回転させて、前記取付部70を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部に当てる。この時点において、前記取付部70と前記鍔部71とが前記パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む(図2参照)。
【0065】
この結果、前記光源ユニット1の前記ソケット部11は、図2に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能に取り付けられる。この時点において、図2に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分(図2中のランプハウジング101よりも下側の部分)がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分(図2中のランプハウジング101よりも上側の部分)よりも大である。
【0066】
前記絶縁部材7の他端部(下端部)には、光源側のコネクタ部13が一体に設けられている。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0067】
(放熱部材8の説明)
前記放熱部材8は、前記光源部10で発生する熱を外部に放射させるものである。前記放熱部材8は、たとえば、熱伝導性(導電性をも有する)のアルミダイカストや樹脂部材からなる。前記放熱部材8は、一端部(上端部)が平板形状をなし、中間部から他端部(下端部)にかけてフィン形状をなす。前記放熱部材8の一端部の上面には、固定面としての当接面80が設けられている。前記放熱部材8の当接面80には、図12に示すように、前記基板3、300の固定面としての前記当接面35が相互に当接されている状態で、熱伝導性媒体360(なお、図11中においては、図示を省略する)により接着されている。この結果、前記発光チップ40〜44は、前記基板3、300を介して前記放熱部材8の中心O(前記ソケット部11の中心O)近傍部分が位置する箇所に対応して位置することとなる。
【0068】
前記熱伝導性媒体360は、たとえば、熱伝導性接着剤であって、材質として、エポキシ系樹脂接着剤、シリコン系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤などからなり、形態として、液状形態、流動状形態、テープ形態などからなる。なお、前記熱伝導性媒体は、熱伝導性接着剤のほかに、熱伝導性グリースであっても良い。
【0069】
前記放熱部材8の前記当接面(固定面)80の中央部には、凹部84が設けられている。前記凹部84は、前記発光チップ側の基板300の大きさとほぼ同等の大きさと、前記発光チップ側の基板300の厚さとほぼ同等の深さとを有する。前記放熱部材8の前記凹部84中には、前記発光チップ側の基板300が埋め込まれている(図4、図9参照)。
【0070】
図6、図8、図9に示すように、前記発光チップ側の基板300の周縁部と前記放熱部材8の前記凹部84の周縁部とには、前記発光チップ側の基板300と前記放熱部材8との相対位置を決める相対位置決め部39、390がそれぞれ設けられている。前記相対位置決め部39、390は、前記発光チップ側の基板300の周縁部すなわち1長辺の一端(左端)側と1短辺の一端(下端)側とにそれぞれ設けられている半円形の相対位置決め凹部390と、前記放熱部材8の前記凹部84の周縁部すなわち1長辺の一端(左端)側と1短辺の一端(下端)側とにそれぞれ設けられている半円形の相対位置決め凸部39と、から構成されている。前記相対位置決め凹部390と前記相対位置決め凸部39とは、非対称に設けられている。この結果、前記相対位置決め凹部390と前記相対位置決め凸部39とは、誤組付機能を有することとなる。前記相対位置決め凹部390と前記相対位置決め凸部39とを相互に嵌合させることにより、図9、図11に示すように、前記相対位置決め凹部390の外面と前記相対位置決め凸部39の内面とが相互当接して(0タッチの状態で当接して)、前記発光チップ側の基板300と前記放熱部材8との平面方向における相対位置が決められると共に、前記発光チップ側の基板300が前記放熱部材8に機械的に固定される。
【0071】
前記放熱部材8の前記凹部84以外の当接面80、および、前記発光チップ側の基板300の取付面(実装面)34のうち前記5個の発光チップ40〜44以外の部分には、前記制御素子側の基板3の固定面としての前記当接面35が当接されている(図5、図10参照)。前記制御素子側の基板3は、前記接続部材17により、前記放熱部材8に機械的に固定される。前記発光チップ側の基板300は、前記制御素子側の基板3と前記放熱部材8との間に挟み込まれた状態で固定されている。
【0072】
前記放熱部材8の3辺(右辺、左辺、下辺)のほぼ中央には、切欠81、82、83が、前記基板3の前記挿通孔31〜33にそれぞれ対応して設けられている。前記放熱部材8の切欠81〜83および前記基板3の前記挿通孔31〜33には、前記3本の給電部材91〜93がそれぞれ配置している。前記放熱部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在している。前記放熱部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0073】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、前記光源部10に給電するものである。前記給電部材91〜93は、たとえば、導電性の金属部材からなる。前記給電部材91〜93の中間部は、一端部(下端部)から他端部(上端部)にかけて末広形状をなしていて、前記放熱部材8の切欠81〜83にそれぞれ位置する。
【0074】
前記給電部材91〜93の他端部は、前記制御素子側の基板3の前記挿通孔31〜33にそれぞれ位置する。前記給電部材91〜93の他端部は、前記接続部材17を介して、前記光源部10の前記制御素子側の基板3の前記配線素子の残りの部分、すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53にそれぞれ電気的に接続されている。
【0075】
すなわち、図4に示すように、前記放熱部材8の前記切欠81〜83に対応する箇所には、前記絶縁部材7の一部が配置されている。前記給電部材91、92、93の一端部は、前記絶縁部材7の一部から突出して、前記接続部材17に電気的にかつ機械的に接続されて、前記制御素子側の基板3のテール側の導体51、ストップ側の導体53、グランド側の導体52に、それぞれ電気的に接続されている。このようにして、前記光源部10は、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられることとなる。
【0076】
前記給電部材91〜93の他端部は、前記コネクタ部13中に配置されている。前記給電部材91〜93の他端部は、オスターミナル(おす型端子)910、920、930を構成するものである。
【0077】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
前記コネクタ14には、前記コネクタ部13の前記オスターミナル910〜930に電気的に断続するメスターミナル(めす型端子)(図示せず)が設けられている。前記コネクタ14を前記コネクタ部13に取り付けることにより、前記メスターミナルが前記オスターミナル910〜930に電気的に接続する。また、前記コネクタ14を前記コネクタ部13から取り外すことにより、前記メスターミナルと前記オスターミナル910〜930との電気的接続が遮断される。
【0078】
図2に示すように、前記コネクタ14の前記第1メスターミナルおよび前記第2メスターミナルは、ハーネス144、145およびスイッチ(図示せず)を介して電源(直流電源のバッテリー)(図示せず)に接続されている。前記コネクタ14の前記第3メスターミナルは、ハーネス146を介してアースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のオスターミナル910〜930、前記3本のメスターミナル)タイプのコネクタ部およびコネクタである。
【0079】
(スイッチの説明)
前記スイッチは、可動接点と、第1固定接点と、第2固定接点と、第3固定接点と、共通固定接点と、からなる3位置切替スイッチである。前記可動接点が第1固定接点の位置に切り替わっているときには、電流(駆動電流)が前記テールランプ機能のダイオードと抵抗とを経て前記テールランプ機能の1個の発光チップ40に供給されている状態である。すなわち、前記テールランプ機能の1個の発光チップ40は、前記テールランプ機能のダイオードと抵抗を経て駆動電流が供給されている。
【0080】
前記可動接点が第2固定接点の位置に切り替わっているときには、電流(駆動電流)が前記ストップランプ機能のダイオードと抵抗とを経て前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給されている状態である。すなわち、前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、前記ストップランプ機能のダイオードと抵抗とを経て駆動電流が供給されている。
【0081】
前記可動接点が第3固定接点の位置に切り替わっているときには、前記5個の発光チップ40〜44への電流供給が遮断されている状態である。
【0082】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記5個の発光チップ40〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。前記カバー部12は、光学部品である。
【0083】
前記カバー部12は、図2に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられている。前記カバー部12は、前記封止部材180と共に、前記5個の発光チップ40〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44を外乱から保護するものである。また、前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44以外に、前記制御素子としての前記抵抗、前記ダイオードおよび前記配線素子としての前記導体51〜56をも外乱から保護するものである。なお、前記カバー部12には、通気孔(図示せず)を設ける場合がある。
【0084】
(接続部材17の説明)
以下、前記接続部材17について説明する。前記接続部材17は、導電性および弾性および展性(延性、塑性)を有する部材、たとえば、リン青銅や黄銅などの部材から構成されている。前記接続部材17は、前記光源部10と前記ソケット部11とを電気的に接続するものである。前記接続部材17は、図12に示すように、長方形の板形状の本体部170と、ピン形状(小長方形の板形状)の光源接続部171と、富士山形状(ハの字形状、八の字形状)のソケット接続部172と、を備えるものである。
【0085】
前記光源接続部171は、前記光源部10の前記制御素子側の基板3の前記配線素子(すなわち、テール側の導体51、グランド側の導体52、ストップ側の導体53)に電気的にかつ機械的に接続されるものである。前記光源接続部171は、前記本体部170の2短辺のほぼ中央部に一体に設けられた小長方形の板部を一方向(下方向)にほぼ直角に折り曲げてなるものである。
【0086】
前記ソケット接続部172は、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93に電気的にかつ機械的に接続されるものである。前記ソケット接続部172は、前記本体部170に設けられたH形(エ形)の溝に囲まれている2個の片を、前記本体部170から他方向(上方向)に延ばして富士山形状に形成してなるものである。2個の前記ソケット接続部172の一端(上端)の間には、前記給電部材91〜93の一端部が挿入する挿入孔としての隙間173が設けられている。2個の前記ソケット接続部172の相互に対向する内面には、前記本体部170から一方向に湾曲して窄まる面のガイド174が設けられている。前記ガイド174は、前記給電部材91〜93の一端部が前記隙間173に挿入するのをガイドするものである。
【0087】
(接続部材17による光源部10とソケット部11との電気的接続の説明)
まず、前記接続部材17の2個の光源接続部171を前記光源部10の前記基板3の2個の嵌合孔37にそれぞれ嵌合させて、前記基板3の前記嵌合孔37の周囲に設けた導電性接着剤(半田または導電ペーストなど)380に熱を加える。これにより、前記接続部材17の前記光源接続部171が、前記光源部10の前記基板3の前記配線素子(すなわち、テール側の導体51、グランド側の導体52、ストップ側の導体53)にそれぞれ電気的にかつ機械的に接続されることとなり、かつ、前記光源部10の前記基板3と前記接続部材17とが仮固定(サブアセンブリ)される。
【0088】
つぎに、前記ソケット部11の前記放熱部材8の前記当接面80上に前記熱伝導性媒体360を塗布して、前記給電部材91〜93の一端部を前記基板3の前記挿通孔31〜33の中に挿通させる。
【0089】
つづいて、前記光源部10の前記基板3の前記当接面35を前記ソケット部11の前記熱伝導性媒体360上に載せる。それから、前記接続部材17の2個のソケット接続部172を前記給電部材91〜93の一端部の両側に弾性当接または加締め付ける。そして、弾性当接したまたは加締め付けた前記接続部材17の2個の前記ソケット接続部172と前記給電部材91〜93の一端部の両側とをレーザー溶接などにより溶接する。なお、図13中の符号「175」および太い実線部分は、溶接部分を示す。これにより、前記接続部材17の前記ソケット接続部172が、前記ソケット部11の前記給電部材91〜93に電気的にかつ機械的に接続されることとなる。
【0090】
前記の弾性当接または加締め付け工程中および前記溶接工程中において、前記基板3、300を前記放熱部材8側に加圧する。前記加圧下において、前記熱伝導性媒体360を取り付け固定させる。これにより、前記光源部10と前記ソケット部11とが前記接続部材17により電気的に接続される。また、前記加圧下において、2分割されている前記基板3、300相互に応力がかかっても、前記配線素子接続部材15および前記保護部材150自体の応力緩和機能により前記の応力は緩和される。さらに、前記加圧下において、2分割されている前記基板3、300を接続する前記配線素子接続部材15にかかるたわみ応力を緩和させるために、クッション性を有する押し冶具を使用して、前記基板3、300を前記放熱部材8側に加圧する。さらにまた、前記制御素子側の基板3は、前記給電部材91〜93のレイアウト(配置)により、前記放熱部材8に誤組付けされることなく固定されている。
【0091】
(封止部材180の説明)
図11に示すように、前記制御素子側の基板3の前記抜き孔38中には、前記封止部材180が注入(モールド、モールディング)されている。前記封止部材180は、光透過性部材、たとえば、エポキシ樹脂から構成されている。前記封止部材180が硬化することにより、前記発光チップ側の基板300の5個の前記発光チップ40〜44全部と、前記導体51〜56の一部が前記封止部材180により封止される。前記封止部材180は、5個の前記発光チップ40〜44全部と、前記導体51〜56の一部を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぐものである。すなわち、前記封止部材180は、前記5個の発光チップ40〜44などを外乱から保護するものである。
【0092】
(作用の説明)
この実施例1における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施例1における車両用灯具100(以下、「この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0093】
まず、スイッチの可動接点を第1固定接点に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能のダイオードと抵抗とを経て、テールランプ機能の1個の発光チップ40に供給される。この結果、テールランプ機能の1個の発光チップ40が発光する。
【0094】
このテールランプ機能の1個の発光チップ40から放射された光は、一部がそのまま、残りが制御素子側の基板3の反射面381で反射されて、封止部材180、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ40から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0095】
つぎに、スイッチの可動接点を第2固定接点に切り替える。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能のダイオードと抵抗とを経て、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。
【0096】
このストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、一部がそのまま、残りが制御素子側の基板3の反射面381で反射されて、封止部材180、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、輝度、光度、照度が大である)。
【0097】
それから、スイッチの可動接点を第3固定接点に切り替える。すると、電流(駆動電流)が遮断される。この結果、1個の発光チップ40もしくは4個の発光チップ41〜44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0098】
そして、光源部10の発光チップ40〜44および抵抗およびダイオードおよび導体51〜56において発生した熱は、基板3、300および熱伝導性媒体360を介して放熱部材8に伝達し、この放熱部材8から外部に放射される。また、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44のうち少なくとも1個が断線すると、車両側のシステムがプルダウン抵抗RPの状態変化によりストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44のうち少なくとも1個の断線を検出することができる。
【0099】
(効果の説明)
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0100】
この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ側の基板300と分割した制御素子側の基板3が、発光チップ40〜44を封止部材180で封止する範囲を決定する部材いわゆる土手部材の機能をも兼用するものである。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、制御素子側の基板3が土手部材と兼用となり、土手部材が不要となるので、基板を発光チップ側の基板300と制御素子側の基板3とに分割したとしても、部品点数が従前の光源ユニットと変わらず、従前の製造コストを保持することができる。
【0101】
また、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、制御素子側の基板3の抜き孔38の内周面に設けた反射面381により、発光チップ40〜44から放射される光を所定の方向に反射させることができるので、発光チップ40〜44から放射される光を所定の方向に効率良く取り出すことができ、発光チップ40〜44から放射される光を有効利用することができる。これにより、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44から封止部材180を介して外部に放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0102】
さらに、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、制御素子側の基板3の抜き孔38の周縁部と発光チップ側の基板300のうち発光チップ40〜44以外の部分とが重なり合うことにより、発光チップ側の基板300の配線素子の一部分(導体51〜56)が制御素子側の基板3に接する。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44において発生した熱が発光チップ側の基板300の配線素子の一部分(導体51〜56)を介して制御素子側の基板3に伝達してその制御素子側の基板3から外部に効率良く外部に放射(放出)することができる。これにより、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44に供給する電流を上げる(高くする、多くする)ことができ、その分、発光チップ40〜44から放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0103】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、制御素子側の基板3の抜き孔38の周縁部の透孔512、522、532中に設けられた配線素子接続部材15により、発光チップ側の配線素子の一部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)と制御素子側の配線素子の残りの部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)とを相互に電気的に接続するものである。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、配線素子接続部材15を制御素子側の基板3の抜き孔38中に設ける必要がないので、発光チップ40〜44からの光が抜き孔38中の配線素子接続部材により遮られることがなく、その分、発光チップ40〜44からの光を効率良く外部に取り出すことができる。これにより、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44から封止部材180を介して外部に放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0104】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ側の基板300が放熱部材8に埋め込まれているので、発光チップ側の基板300の側面が放熱部材8に直接もしくは熱伝導性媒体360を介して接している。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44において発生した熱を、発光チップ側の基板300の当接面(固定面)35のみならず、発光チップ側の基板300の側面からも効率良く放熱部材8に伝導させることができる。このために、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44において発生した熱を発光チップ側の基板300の当接面(固定面35)のみから放熱部材8に伝導させるものと比較して、発光チップ40〜44において発生する熱を放熱部材8から効率良く外部に放射(放出)することができる。これにより、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44に供給する電流を上げる(高くする、多くする)ことができ、その分、発光チップ40〜44から放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0105】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、制御素子側の基板3と分割した発光チップ側の基板300のみを放熱部材8に埋め込むものであるから、発光チップ側の基板300と制御素子側の基板3とに分割していない基板を放熱部材8に埋め込むものと比較して、放熱部材8が小型である。すなわち、放熱部材8を大型にする必要がなく、従前の大きさの放熱部材8で良いので、従前の製造コストを保持することができる。
【0106】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、放熱部材8の凹部84中に発光チップ側の基板300が相対位置決め部39、390により相対位置が決められた状態で固定されている。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、基板を発光チップ側の基板300と制御素子側の基板3とに分割しても、分割していない基板(1枚ものの基板)と同様に、発光チップ40〜44の放熱部材8に対する位置を高精度に決めることができる。
【0107】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ側の基板300の相対位置決め部が凹部39から構成されているので、相対位置決め部が凸部から構成されている発光チップ側の基板と比較して、多数個取りする場合において枚数(基板取りの面積)上有利である。すなわち、同じ大きさの基板素材から、相対位置決め凹部39の発光チップ側の基板300を多数個取りする場合と、相対位置決め凸部の発光チップ側の基板を多数個取りする場合と、を比較すると、凹部側の基板の方が凸部側の基板よりも多い枚数を取ることができる。この結果、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ側の基板300として熱伝導率が高くかつ高価な部材を使用しても、製造コストを大幅に上げることなく、安価な製造コストに維持することができる。
【0108】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、相対位置決め部39、390の誤組付防止機能により、発光チップ側の基板300と放熱部材8とを誤組付けすることなく正規の状態で組み付けることができる。
【0109】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ側の基板300が、制御素子側の基板3と比較して、熱伝導率が高い部材から構成されているので、発光チップ40〜44において発生する熱を熱伝導率が高い基板300を介して放熱部材8から効率良く外部に放射(放出)することができる。これにより、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44に供給する電流を上げる(高くする、多くする)ことができ、その分、発光チップ40〜44から放射される光の光束(光度、輝度、照度、光量)を高く(多く)することができる。
【0110】
しかも、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ側の基板300を熱伝導率が高い部材から構成し、一方、制御素子側の基板3を安価で熱伝導率が低い部材から構成することができる。このために、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ側の基板300として熱伝導率が高い部材から構成されている基板を使用しても、製造コストを安価に保持することができる。
【0111】
さらにまた、この実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ40〜44としてフリップチップを使用するので、制御素子側の基板3の抜き孔38で発光チップ40〜44を囲う範囲(平面および高さ)が小さくて済む。この結果、抜き孔38中に注入する封止部材180の容量も少なくて済む。これにより、大容量の封止部材と比較して、封止部材のクラックの発生を低く抑えることができ、その分、封止部材の封止性能を向上させることができ、光学ユニットの製造の歩留まりが向上する。また、封止部材の容量が小容量で済むので、製造コストを安価にすることができ、かつ、封止部材の硬化時間を短縮して製造時間を短縮することができる。
【実施例2】
【0112】
図13、図14は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例2およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例2を示すものである。図中、図1〜図12と同符号は、同一のものを示す。
【0113】
以下、この実施例2における光源ユニット1および車両用灯具100について説明する。前記の実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100の発光チップ40〜44がフリップタイプのチップ(フリップチップ)である。これに対して、この実施例2における光源ユニット1および車両用灯具100の発光チップ400〜440がワイヤボンディングタイプのチップである。
【0114】
前記の実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100は、フリップチップの発光チップ40〜44を使用するので、発光チップ40〜44を覆う封止部材180の高さが発光チップ40〜44の厚さ(約0.1mm〜約0.3mm)のほぼ2倍の約0.2mm〜約0.6mmであり、この結果、制御素子側の基板3の厚さが約1mm以下、たとえば、約0.5mm〜約0.63mmである。これに対して、この実施例2における光源ユニット1および車両用灯具100は、ワイヤボンディングタイプの発光チップ400〜440を使用するので、発光チップ400〜440を覆う封止部材180の高さが発光チップ400〜440にボンディングされているワイヤ45の高さのほぼ2倍の約1mmであり、この結果、制御素子側の基板301の厚さが約1mm以上となる。
【0115】
この実施例2における光源ユニット1および車両用灯具100は、ワイヤボンディングタイプの発光チップ400〜440を使用するので、発光チップ400〜440およびワイヤ45を囲う制御素子側の基板301の抜き孔382の大きさが、前記の実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100のフリップチップの発光チップ40〜44のみを囲う制御素子側の基板3の抜き孔38の大きさと比較して、発光チップ400〜440にボンディングされているワイヤ45の分大きくなる。
【0116】
この実施例2における光源ユニット1および車両用灯具100は、前記の実施例1における光源ユニット1および車両用灯具100とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【実施例3】
【0117】
図15は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例3およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例3を示すものである。図中、図1〜図14と同符号は、同一のものを示す。
【0118】
以下、この実施例3における光源ユニット1および車両用灯具100について説明する。前記の実施例1、2における光源ユニット1および車両用灯具100は、制御素子側の基板3、301として高反射部材の(アルミナ)の基板を使用する。これに対して、この実施例3における光源ユニット1および車両用灯具100は、制御素子側の基板302として低反射部材の(FR4)の基板を使用する。このために、この実施例3における光源ユニット1および車両用灯具100は、制御素子側の基板302の抜き孔382の内周面に銀(Ag)、アルミ(Al)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)などの反射特性が良い金属を反射面メッキ560として設ける。
【0119】
前記の実施例1、2における光源ユニット1および車両用灯具100は、ボンディングワイヤの配線素子接続部材15により、発光チップ側の基板300の配線素子の一部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)と制御素子側の基板3、301の配線素子の残りの部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)とを相互に電気的に接続するものである。これに対して、この実施例3における光源ユニット1および車両用灯具100は、制御素子側の基板302の抜き孔382の周縁部に透孔としてのスルーホール540を設け、そのスルーホール540の内面および上下両端の縁部(制御素子側の基板302の上下両面)に配線素子接続部材としての半田メッキ550を設ける。この半田メッキ550により、発光チップ側の基板300の配線素子の一部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)と制御素子側の基板3、301の配線素子の残りの部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)とを相互に電気的に接続するものである。
【0120】
この実施例3における光源ユニット1および車両用灯具100は、前記の実施例1、2における光源ユニット1および車両用灯具100とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
【0121】
図16は、配線素子接続部材の第1変形例を示す一部拡大断面図(一部拡大垂直断面図)である。図中、図1〜図15と同符号は、同一のものを示す。
【0122】
この第1変形例の配線素子接続部材57は、制御素子側の基板3、301、302の抜き孔38、382の周縁部に設けた透孔としてのスルーホール540中に固定した筒形状の導電部材からなる。前記配線素子接続部材57の上下両端部の鍔部を発光チップ側の基板300の電極511、521、531と制御素子側の基板3、301、302の電極510、520、530とにそれぞれ接触もしくは圧接する。これにより、発光チップ側の基板300の配線素子の一部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)と制御素子側の基板3、301、302の配線素子の残りの部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)とを相互に電気的に接続するものである。
【0123】
図17は、配線素子接続部材の第2変形例を示す一部拡大断面図(一部拡大垂直断面図)である。図中、図1〜図16と同符号は、同一のものを示す。
【0124】
この第2変形例の配線素子接続部材58は、発光チップ側の基板300の電極511、521、531に固定したリードピンからなる。このリードピン58を制御素子側の基板3、301、302の抜き孔38、382の周縁部に設けた透孔としてのスルーホール540中に挿入し、このリードピン58の一端部(上端部)を制御素子側の基板3、301、302の電極510、520、530に半田59により固定する。これにより、発光チップ側の基板300の配線素子の一部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)と制御素子側の基板3、301、302の配線素子の残りの部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)とを相互に電気的に接続するものである。
【0125】
図18は、配線素子接続部材の第3変形例を示す一部拡大断面図(一部拡大垂直断面図)である。図中、図1〜図16と同符号は、同一のものを示す。
【0126】
この第3変形例の配線素子接続部材580は、前記の第2変形例の配線素子接続部材58と同様に、発光チップ側の基板300の電極511、521、531に固定したリードピンからなる。このリードピン580を制御素子側の基板3、301、302の抜き孔38、382の周縁部に設けた透孔としてのスルーホール540中に挿入し、一方、制御素子側の基板3、301、302の電極510、520、530に導電性のプレート590を固定し、このプレート590をリードピン580の一端部(上端部)に溶接する(図18中、太い実線で示す部分が溶接部分である)。これにより、発光チップ側の基板300の配線素子の一部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)と制御素子側の基板3、301、302の配線素子の残りの部分(すなわち、テール側の導体51およびグランド側の導体52およびストップ側の導体53)とを相互に電気的に接続するものである。
【0127】
図19(A)は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの第1変形例を示す一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。
【0128】
前記の実施例1、2、3における光源ユニット1および車両用灯具100は、発光チップ側の基板300が放熱部材8の凹部84中に埋め込まれている。また、制御素子側の基板3、301、302の抜き孔38、382の周縁部と発光チップ側の基板300のうち5個の発光チップ40〜44以外の部分とが上下に重なり合う。すなわち、発光チップ側の基板300の周縁部が制御素子側の基板3、301、302と放熱部材8との間に挟み込まれている。
【0129】
これに対して、光源ユニットの第1変形例は、発光チップ側の基板300が放熱部材8の当接面(固定面)80に固定されていて放熱部材8に埋め込まれていない。また、制御素子側の基板3、301、302の抜き孔38、382の周縁部と発光チップ側の基板300のうち5個の発光チップ40〜44以外の部分とが上下に重なり合っていない。すなわち、発光チップ側の基板300の周縁部が制御素子側の基板3、301、302と放熱部材8との間に挟み込まれていない。
【0130】
図19(B)は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの第2変形例を示す一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。光源ユニットの第2変形例は、発光チップ側の基板300が放熱部材8の凸部85に固定されていて放熱部材8に埋め込まれていない。また、制御素子側の基板3、301、302の抜き孔38、382の周縁部と発光チップ側の基板300のうち5個の発光チップ40〜44以外の部分とが上下に重なり合っていない。すなわち、発光チップ側の基板300の周縁部が制御素子側の基板3、301、302と放熱部材8との間に挟み込まれていない。
【0131】
図19(C)は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの第3変形例を示す一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。光源ユニットの第3変形例は、発光チップ側の基板300の一部(下半分)が放熱部材8の凹部84中に埋め込まれている。また、制御素子側の基板3、301、302の抜き孔38、382の周縁部と発光チップ側の基板300のうち5個の発光チップ40〜44以外の部分とが上下に重なり合っていない。すなわち、発光チップ側の基板300の周縁部が制御素子側の基板3、301、302と放熱部材8との間に挟み込まれていない。
【0132】
図19(D)は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの第4変形例を示す一部拡大縦断面図(一部拡大垂直断面図)である。光源ユニットの第4変形例は、制御素子側の基板3、301、302の抜き孔38、382の周縁部と発光チップ側の基板300のうち5個の発光チップ40〜44以外の部分とが上下に重なり合っていない。すなわち、発光チップ側の基板300の周縁部が制御素子側の基板3、301、302と放熱部材8との間に挟み込まれていない。
【実施例4】
【0133】
図20〜図22は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施例4およびこの発明にかかる車両用灯具の実施例4を示す。図中、図1〜図19と同符号は、同一のものを示す。
【0134】
前記の実施例1、2、3の光源ユニット1および車両用灯具100は、1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記の実施例1、2、3の光源ユニット1および車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)で第1ランプ機能としてのテールランプ機能と第2ランプ機能としてのストップランプ機能とを併用するものである。すなわち、複機能(多機能)ランプである。これに対して、この実施例4の光源ユニットおよび車両用灯具は、単機能(一機能)ランプである。すなわち、この実施例4の光源ユニットおよび車両用灯具は、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)、ヘッドランプのハイビームランプ(走行用ヘッドランプ)、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどである。
【0135】
図20〜図22のレイアウト図に示すように、前記の図6、図7、図10のレイアウト図中における第1ランプ機能の1個の発光チップ40、第1導体51、抵抗RT、ダイオードDT、第1給電部材91を省略してなるものである。
【0136】
なお、図22のレイアウト図において、グランドとして使用している第3給電部材93の代わりに、前記の図10のレイアウト図中における第1給電部材91をグランドとして使用しても良い。
【0137】
また、前記の図6、図7、図10のレイアウト図中における第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44、第3導体51〜第6導体56、抵抗RS、ダイオードDS、第2給電部材92を省略しても良い。この場合において、グランドとして使用している第3給電部材93の代わりに第2給電部材92をグランドとして使用しても良い。
【0138】
さらに、第1ランプ機能の1個の発光チップ40、第1導体51、抵抗RT、ダイオードDT、あるいは、第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44、第3導体51〜第6導体56、抵抗RS、ダイオードDSを省略して、第1ランプ機能の第1給電部材91あるいは第2ランプ機能の第2給電部材92をそのまま残しておいても良い。または、第1ランプ機能の第1給電部材91のみあるいは第2ランプ機能の第2給電部材92のみを省略して、第1ランプ機能の1個の発光チップ40、第1導体51、抵抗RT、ダイオードDT、あるいは、第2ランプ機能の4個の発光チップ41〜44、第3導体51〜第6導体56、抵抗RS、ダイオードDSをそのまま残しておいても良い。
【0139】
(実施例以外の例の説明)
なお、前記の実施例1〜4および変形例においては、5個の発光チップ40〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、発光チップとして、2個〜4個、6個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。
【0140】
また、前記の実施例1〜4および変形例においては、テール・ストップランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプ以外のコンビネーションランプにも使用することができる。すなわち、小電流が供給され発光量が小さい発光チップと大電流が供給され発光量が大きい発光チップとからなる光源ユニットが、恰も、発光量が小さいサブフィラメントと発光量が大きいメインフィラメントとからなるダブルフィラメントの光源ユニットと同様の作用をなすものである。
【0141】
さらに、前記の実施例1〜4および変形例においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用できる。
【0142】
さらにまた、前記の実施例1〜4および変形例においては、5個の発光チップ40〜44を1列に配置したものである。ところが、この発明においては、発光チップを、複数列に、角形の角上に、円形状に、配置しても良い。たとえば、四角形の4つの角に、または、三角形の3つの角に、配置しても良い。
【0143】
さらにまた、前記の実施例1〜4および変形例においては、ソケット部11にコネクタ部13を一体に設けたものである。ところが、この発明においては、ソケット部11にコネクタ部13を一体に設けなくても良い。この場合においては、ソケット部11と別個に光源側のコネクタを設け、この光源側のコネクタをハーネスを介して光源ユニット1の給電部材(実施例1の給電部材91〜93参照)に電気的に接続するものである。この光源側のコネクタに電源側のコネクタ14を取り付けることにより、光源部10に電気が供給され、また、光源側のコネクタから電源側のコネクタ14を取り外すことにより、光源部10への電気供給が遮断される。
【0144】
さらにまた、前記の実施例1〜4および変形例においては、抜き孔38、382、土手部材18は、平面から見てロ形状をなすものである。ところが、この発明においては、抜き孔、土手部材の形状、封止部材の容量を規制する範囲などは、特に限定しない。
【0145】
さらにまた、前記の実施例1〜4および変形例においては、光源ユニット1として、絶縁部材7と放熱部材8と3本の給電部材91、92、93とを備えるソケット部11を使用するものである。ところが、この発明においては、光源ユニットとして、絶縁部材7と3本の給電部材91、92、93とを使用せずに、放熱部材8のみを使用するものであっても良い。この場合において、光源ユニットは、放熱部材と、2分割の基板と、光源部と、を備えるものであって、一方、車両用灯具は、光源部の給電電極(図示せず)に電気的に接続する給電部材を備えるものである。
【0146】
さらにまた、前記の実施例1〜4および変形例においては、相対位置決め部39、390が、発光チップ側の基板300の周縁部に設けられている半円形の相対位置決め凸部39と、放熱部材8の凹部84の周縁部に設けられている半円形の相対位置決め凹部390と、から構成されているものである。ところが、この発明においては、逆に、発光チップ側の基板300に相対位置決め凹部を設け、一方、放熱部材8の凹部84に相対位置決め凸部を設けても良いし、または、相対位置決め部39、390の個数、形状、位置などは特に限定しない。
【0147】
さらにまた、前記の実施例1〜4および変形例においては、制御素子側の基板3、301、302を接続部材17により、放熱部材8に機械的に固定するものである。ところが、この発明においては、放熱部材8にピン部を設け、制御素子側の基板3、301、302に固定用挿通孔をピン部に対応して設け、ピン部を固定用挿通孔中に挿通して、ピン部に樹脂製のワッシャを介して金属製のプレートを加締め付けることにより、制御素子側の基板3、301、302を放熱部材8に機械的に固定するものであっても良い。また、発光素子側の基板300を接続部材あるいはピン部、ワッシャ、プレートにより放熱部材8に機械的に固定しても良い。
【0148】
さらにまた、前記の実施例1〜4および変形例においては、制御素子側の基板3,301、302の抜き孔38、382の周縁部に透孔512、522、532、透孔としてのスルーホール540を設け、その透孔512、522、532、スルーホール540中に配線素子接続部材15、配線素子接続部材としての半田メッキ550、配線素子接続部材57、配線接続部材としてのリードピン58、半田59、プレート590を設けるものである。ところが、この発明においては、制御素子側の基板3,301、302の抜き孔38、382中に配線素子接続部材を設けても良い。
【0149】
さらにまた、前記の実施例1においては、発光チップとしてフリップチップタイプの発光チップ40〜44(ベアチップ)を使用し、前記の実施例2においては、発光チップとしてワイヤボンディングタイプの発光チップ400〜440(ベアチップ)を使用するものである。ところが、この発明においては、発光チップとして、フリップチップタイプの発光チップ40〜44(ベアチップ)やワイヤボンディングタイプの発光チップ400〜440(ベアチップ)以外の発光チップ、たとえば、反射タイプの発光チップ(ベアチップ)を使用しても良い。
【0150】
さらにまた、前記の実施例1〜4および変形例においては、給電部材91〜93が、一端から他端にかけて末広形状をなしていて、光源ユニット1の中心線方向(光源ユニット1の光軸方向)にほぼ一直線をなしている。ところが、この発明においては、給電部材の形状を特に限定しない。
【0151】
さらにまた、前記の実施例1〜4および変形例においては、コネクタ14として、コネクタ部13に機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられる3ピンタイプあるいは2ピンタイプの標準品(規格品)を使用するものである。ところが、この発明においては、コネクタとして、コネクタ部13の構造に合わせた特注品(規格外)であっても良い。
【符号の説明】
【0152】
1 光源ユニット
10 光源部
11 ソケット部
12 カバー部(光学部品)
13 コネクタ部
14 コネクタ
144、145、146 ハーネス
15 配線素子接続部材
150 保護部材
17 接続部材(固定部材)
170 本体部
171 光源接続部(嵌合突起)
172 ソケット接続部
173 隙間(挿入孔)
174 ガイド
175 溶接部分
18 土手部材
180 封止部材
181 反射面
100 車両用灯具
101 ランプハウジング
102 ランプレンズ
103 リフレクタ
104 透孔
105 灯室
106 透孔
107 反射面
108 パッキン
3、301、302 制御素子側の基板
300 発光チップ側の基板
30 高反射面
31、32、33 挿通孔
34 取付面(実装面)
35 当接面(固定面)
360 熱伝導性媒体
37 嵌合孔
38、382 抜き孔
380 導電性接着剤
381 反射面
39 相対位置決め凸部
390 相対位置決め凹部
40、41、42、43、44、400、410、420、430、440 発光チップ
45 ワイヤ(配線素子)
51、52、53、54、55、56 導体(配線素子)
510、511、520、521、530、531 電極
512、522、532 透孔
540 スルーホール
550 半田メッキ
560 反射面メッキ
57 配線素子接続部材
58、580 リードピン
59 半田
590 プレート
7 絶縁部材
70 取付部
71 鍔部
8 放熱部材
80 当接面(固定面)
81、82、83 切欠
84凹部
91、92、93 給電部材
910〜930 オスターミナル
F 焦点
O 中心
RS、RT、RP 抵抗(制御素子)
DS、DT ダイオード(制御素子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットにおいて、
基板と、
前記基板が固定されている放熱部材と、
前記基板に集中して実装されている複数個の半導体型光源の発光チップと、
前記基板に実装されていて、前記発光チップの発光を制御する制御素子と、
前記基板に実装されていて、前記制御素子を介して前記発光チップに給電する配線素子と、
を備え、
前記基板は、前記発光チップおよび前記配線素子の一部分が実装されている部分と、前記制御素子および前記配線素子の残りの部分が実装されている部分と、に分割されていて、
前記発光チップおよび前記配線素子の一部分が実装されている発光チップ側の基板と、前記制御素子および前記配線素子の残りの部分が実装されている制御素子側の基板とは、相互に隣接して配置されていて、
前記発光チップ側の前記配線素子の一部分と、前記制御素子側の前記配線素子の残りの部分とには、前記発光チップ側の前記配線素子の一部分と前記制御素子側の前記配線素子の残りの部分とを相互に電気的に接続する配線素子接続部材が、それぞれ電気的に接続されていて、
前記発光チップ側の基板の実装面は、前記制御素子側の基板の実装面よりも、下に位置していて、
前記制御素子側の基板のうち、少なくとも前記発光チップ側の基板の前記発光チップに対応する部分には、抜き孔が設けられていて、
前記制御素子側の基板の前記抜き孔中には、少なくとも前記発光チップ側の基板の前記発光チップを封止する光透過性の封止部材が注入されている、
ことを特徴とする車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項2】
前記制御素子側の基板の前記抜き孔の内周面には、前記発光チップからの光を反射させる反射面が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項3】
前記制御素子側の基板の前記抜き孔の周縁部と、前記発光チップ側の基板のうち前記発光チップ以外の部分とは、重なり合う、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項4】
前記制御素子側の基板の前記抜き孔の周縁部には、透孔が設けられていて、
前記透孔中には、前記配線素子接続部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項5】
前記発光チップ側の基板は、前記放熱部材に埋め込まれている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項6】
前記放熱部材の固定面には、凹部が設けられていて、
前記放熱部材の前記凹部中には、前記発光チップ側の基板が埋め込まれていて、
前記発光チップ側の基板の周縁部と前記放熱部材の前記凹部の周縁部とには、前記発光チップ側の基板と前記放熱部材との相対位置を決める相対位置決め部がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項7】
前記相対位置決め部は、前記発光チップ側の基板の周縁部に設けられている相対位置決め凹部と、前記放熱部材の前記凹部の周縁部に設けられている相対位置決め凸部と、から構成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項8】
前記発光チップ側の基板の前記相対位置決め部および前記放熱部材の前記相対位置決め部は、前記発光チップ側の基板と前記放熱部材との誤組付を防止する誤組付防止機能を有する、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項9】
前記発光チップ側の基板は、前記制御素子側の基板と比較して、熱伝導率が高い部材から構成されている、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット。
【請求項10】
半導体型光源を光源とする車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットと、
を備える、ことを特徴とする車両用灯具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2012−84280(P2012−84280A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227965(P2010−227965)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】