説明

車両用灯具

【課題】前後方向に対して傾斜した方向に延在する導光レンズの前面を、当該導光レンズの長手方向両端部の近傍に配置した2つの光源からの光によって前方向きに発光させる。
【解決手段】車両用灯具1は、第一LED3及び第二LED4と、前後方向に対して傾斜した方向に延在する導光レンズ2とを備える。第一LED3は、導光レンズ2の後端部21と対向するように配置され、第二LED4は、導光レンズ2の前端部22近傍に配置されるとともに、導光レンズ2の後面24へ向けて光を出射させる。導光レンズ2の後面24には、長手方向に沿って並設されたレンズカット240,…が形成されている。レンズカット240,…は、第一LED3から出射されて後端部21から導光レンズ2内に入射した光を前方へ内部反射させるとともに、第二LED4からの光を導光レンズ2内に入射させた後に当該光を前方へ内部反射させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の信号灯等に用いられる車両用灯具として、長尺な導光レンズを全長に亘って発光させるものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。この種の車両用灯具では、長手方向両端面から導光レンズ内に入射させた光を、長手方向に沿って導光させつつ、導光レンズの後面に形成したレンズカットで内部反射させて前面から出射させることによって、当該導光レンズの前面を発光させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−88787号公報
【特許文献2】特開2009−259557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用灯具では、灯具前後方向に対して傾斜した方向に沿って導光レンズを延在させた場合に、長手方向両端面のうち一方の端面から導光レンズ内に入射した光を、前方へ出射させることができない。
【0005】
具体的には、図11(a)に示すように、右側(車両内側)から左側(車両外側)に向かって後方へ傾斜した長尺な導光レンズ51の前面51aを、当該導光レンズ51の長手方向両端面と対向させた2つのLED52,53によって発光させる場合に、この2つのLED52,53のうち、導光レンズ51の長手方向後側に配置されたLED52からの光は、その出射方向が導光レンズ51の前面51aからの最終的な出射方向(前方向き)とは然程大きくは異なっていないので、導光レンズ51の後面51bに形成されたレンズカットによって、当該光を無理なく前方へ向けて内部反射させて、前面51aから前方へ出射させることができる。
【0006】
ところが、2つのLED52,53のうち、導光レンズ51の長手方向前側に配置されたLED53からの光は、その出射方向が斜め後方向きであるため、当該光を前面51aからの最終的な出射方向(前方向き)へ向けるには、後面51bのレンズカットで鋭角に内部反射させなければならない。しかしながら、当該レンズカットではLED53からの光を鋭角に内部反射させることが難しく、図11(b)に示すように、この光がレンズカットから後方へ抜けてしまう。
【0007】
このように、上記従来の車両用灯具では、2つのLED52,53のうち、斜め後方向きに配置されたLED53からの光を前方へ出射させることができず、ひいては導光レンズ51の前面51aを前方向きに発光させることができない。特に、図11(a)に示すように、導光レンズ51を前方への凸状に湾曲させた場合には、LED53からの光を前方へ向けるために必要なレンズカットでの反射角度が当該LED53から離間するに連れてより鋭角になるため、この問題がより顕著になる。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、前後方向に対して傾斜した方向に沿って延在する長尺な導光レンズの前面を、当該導光レンズの長手方向両端部の近傍に配置した2つの光源からの光によって、前方向きに発光させることができる車両用灯具の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
2つの光源と、
前後方向に対して斜めに傾斜した方向に沿って延在する長尺な導光レンズと、
を備え、前記2つの光源から出射された光を、前記導光レンズの長手方向に沿った当該導光レンズの前面から出射させる車両用灯具において、
前記2つの光源のうち、
一方の光源は、前記導光レンズの長手方向後側の後端部と対向するように配置され、
他方の光源は、前記導光レンズの長手方向前側の前端部の近傍に配置されるとともに、前記導光レンズの後面へ向けて光を出射させるように設けられ、
前記導光レンズの後面には、前記長手方向に沿って並設された複数のレンズカットが形成され、
前記複数のレンズカットは、前記一方の光源から出射されて前記後端部から前記導光レンズ内に入射した光を前方へ内部反射させるとともに、前記他方の光源から出射された光を屈折させつつ前記導光レンズ内に入射させた後に当該光を前方へ内部反射させることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用灯具において、
前記導光レンズは、前記前端部から前記後端部に向かって後方へ湾曲していることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用灯具において、
前記導光レンズは、後面から前面までの厚さが前記後端部から前記前端部に向かって徐々に薄くなることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用灯具において、
前記複数のレンズカットは、前記長手方向に沿って並設された複数の鋸歯状に形成されて、前記長手方向前側の第一プリズム面と、前記長手方向後側の第二プリズム面とをそれぞれ有し、
前記第一プリズム面の基端側部分は、前記一方の光源から出射されて前記後端部から前記導光レンズ内に入射した光を前方へ内部反射させ、
前記第一プリズム面の先端側部分は、前記他方の光源から出射された光を屈折させつつ前記導光レンズ内に入射させ、
前記第二プリズム面は、前記第一プリズム面の先端側部分から前記導光レンズ内に入射した光を前方へ内部反射させることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用灯具において、
前記2つの光源は、それぞれ複数色で発光可能なものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導光レンズの長手方向後側の後端部と対向する一方の光源からの光が、後端部から導光レンズ内に入射した後に、導光レンズの後面に形成された複数のレンズカットによって前方へ内部反射されて、当該導光レンズの前面から前方へ出射する一方、導光レンズの長手方向前側の前端部の近傍に配置された他方の光源からの光が、導光レンズの後面へ向けて出射され、当該後面に形成された複数のレンズカットによって屈折されつつ導光レンズ内に入射した後に前方へ内部反射されて、当該導光レンズの前面から前方へ出射する。つまり、前後方向に対して傾斜した方向に沿って延在する長尺な導光レンズに対し、単純に当該導光レンズの長手方向両端面から光を入射させていた従来と異なり、導光レンズの後端部近傍に配置された一方の光源からの光は勿論のこと、導光レンズの前端部近傍に配置された後方向きの他方の光源からの光をも、当該導光レンズの前面から前方へ出射させることができる。したがって、前後方向に対して傾斜した方向に沿って延在する長尺な導光レンズの前面を、導光レンズの長手方向両端部の近傍に配置した2つの光源からの光によって、前方向きに発光させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態における車両用灯具の正面図である。
【図2】実施形態における車両用灯具の正面図である。
【図3】実施形態における車両用灯具の背面図である。
【図4】図2のII−II線での断面図である。
【図5】図4のA部の拡大図である。
【図6】図4のB部の拡大図である。
【図7】図2のIII−III線での断面図である。
【図8】実施形態におけるレンズカットの拡大断面図である。
【図9】実施形態における第一LEDからの光の光線軌跡を示す図である。
【図10】実施形態における第二LEDからの光の光線軌跡を示す図である。
【図11】従来の車両用灯具を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本実施形態における車両用灯具1の正面(前面)図であり、図3は、車両用灯具1の背面(後面)図であり、図4は、図2のII−II線での断面図であり、図5及び図6は、図4のA部及びB部の拡大図であり、図7は、図2のIII−III線での断面図である。
なお、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、車両用灯具1から見た方向を指すもの、ひいては当該車両用灯具1が搭載される車両から見た方向を指すものとする。
【0017】
図1〜図4に示すように、車両用灯具1は、図示しない車両の前部左側に搭載されたヘッドランプ10内の下部に配設されており、長尺な導光レンズ2と、2つのLED3,4とを備えている。
【0018】
導光レンズ2は、上下方向と略直交する面内において、ヘッドランプ10前面のアウターレンズ11に沿うように、前後方向に対して斜めに傾斜した方向に略沿って延在した状態に配置されている。より詳しくは、導光レンズ2は、左右方向に対して約30°の傾斜角度で、長手方向後側の後端部21から長手方向前側の前端部22に向かって右側(車両内側)へ傾斜した方向に略沿って延在しつつ、前端部22から後端部21に向かって後方へ湾曲している。
【0019】
図5に示すように、導光レンズ2の後端部21近傍には、2つのLED3,4のうちの第一LED3が、当該後端部21と対向するように配置されている。第一LED3は、その光軸Ax1を左右方向に対して約35°の角度で右方斜め前方へ向けた状態で、ヒートシンク31に固定された基板32上に実装されている。
【0020】
導光レンズ2の後端部21には、第一LED3から出射された光を光軸Ax1寄りに集光させつつ当該導光レンズ2内に入射させる入光部210が形成されている。この入光部210は、第一入射面211と、第二入射面212と、反射面213とを有している。
このうち、第一入射面211は、光軸Ax1を回転対称軸として第一LED3側へ膨出する凸面状に形成され、その焦点に第一LED3が位置するように配置されている。この第一入射面211は、第一LED3から出射された光を光軸Ax1寄りに屈折させつつ導光レンズ2内へ入射させる。
第二入射面212は、第一入射面211の周縁部から第一LED3側へ立設された略円筒面である。この第二入射面212は、第一LED3から出射された光のうち、第一入射面211に入射するものよりも出射角度が大きいものを導光レンズ2内へ入射させる。
反射面213は、第二入射面212の先端から光軸Ax1方向へ向かって外側(光軸Ax1から離間する側)へ広がるように傾斜した裁頭円錐面であり、第二入射面212から導光レンズ2内へ入射した光を、光軸Ax1に略沿うように内部反射(全反射)させる。
また、導光レンズ2の後端部21は、第一入射面211及び第二入射面212を第一LED3側へ露出させつつ、エクステンション12に支持されている。
【0021】
図6に示すように、導光レンズ2の前端部22近傍には、2つのLED3,4のうちの第二LED4が、当該前端部22と後端部21とを結ぶ直線の延長線上よりもやや後方に配置されている。第二LED4は、その光軸Ax2を左右方向に対して約23°の角度で左方斜め後方へ向けた状態で、ヒートシンク41に固定された基板42上に実装されている。
【0022】
導光レンズ2の前端部22には、第二LED4から出射された光を所定の角度範囲内に集光させる集光部220が、第二LED4に対向するように当該前端部22から後方へ突設されている。この集光部220は、第一入射面221と、第二入射面222と、反射面223と、出射面224とを有している。
このうち、第一入射面221,第二入射面222及び反射面223は、第二LED4と対向しつつ光軸Ax2が回転対称軸となるように形成されており、その他の点については、上述した入光部210の第一入射面211,第二入射面212及び反射面213と同様に形成されている。
出射面224は、集光部220のうち、第一入射面221,第二入射面222及び反射面223が形成された第二LED4側とは反対側の面であり、光軸Ax2と略直交している。この出射面224は、第二LED4から出射されて、第一入射面221,第二入射面222及び反射面223を通じて光軸Ax2寄りに集光された光を、約18°の角度範囲で出射させる。この出射光の角度範囲は、後述するように、当該出射光が導光レンズ2の後面24に略全長に亘って照射されるような範囲となっている。より詳しくは、当該角度範囲は、第一入射面221を通じて出射面224から出射される光の範囲である。そのため、第二LED4から出射された光のうち、光軸Ax2周辺のより強い光が、導光レンズ2の後面24に略全長に亘って照射される。
また、集光部220の先端(後端)には、後方へ突出する係止部225が設けられており、当該係止部225がブラケット13に係止されるようになっている。
【0023】
図4及び図7に示すように、導光レンズ2は、長手方向に直交する断面形状が略平行四辺形状に形成されており、上下方向に略沿った前面23及び後面24を有している。
このうち、前面23は、導光レンズ2の略全長に亘る長尺な湾曲平面状に形成されており、後述するように、第一LED3及び第二LED4からの光を前方へ出射させる出射面となっている。
一方、後面24は、前面23とは反対側の面であって、前面23よりも上下方向に短く形成されており、テーパー状の上面及び下面を介して前面23と連なっている。当該後面24から前面23までの導光レンズ2の厚さは、後端部21から前端部22に向かって徐々に薄くなっている。
また、後面24には、導光レンズ2の長手方向に沿って並設された複数のレンズカット240,…が、当該後面24の略全長に亘って形成されている。
【0024】
図8は、レンズカット240,…の拡大断面図である。
この図に示すように、レンズカット240,…は、導光レンズ2(後面24)の長手方向に沿って並設された複数の鋸歯状に形成されている。各レンズカット240は、上下方向に沿って一様な断面形状に形成されており、導光レンズ2の長手方向前側(右側)の第一プリズム面241と、導光レンズ2の長手方向後側(左側)の第二プリズム面242とを有している。
第一プリズム面241は、基端側部分241aと先端側部分241bとで互いに異なる機能を果たすように構成されている。具体的には、基端側部分241aは、第一LED3から出射されて後端部21(入光部210)から導光レンズ2内に入射した光L1を、前方へ内部反射(全反射)させる。一方、先端側部分241bは、第二LED4から出射されて集光部220で集光された光L2を、屈折させつつ導光レンズ2内に入射させる。
第二プリズム面242は、第一プリズム面241の先端側部分241bを通じて導光レンズ2内に入射した光L2を、前方へ内部反射(全反射)させる。
【0025】
続いて、車両用灯具1の発光態様について説明する。
図9は、第一LED3からの光L1の光線軌跡を示す図であり、図10は、第二LED4からの光L2の光線軌跡を示す図である。
【0026】
図9に示すように、2つのLED3,4のうち、第一LED3から出射された光L1は、後端部21に形成された入光部210を通じて、光軸Ax1寄りに集光されつつ導光レンズ2内に入射する。導光レンズ2内に入射した光L1は、直接的に、或いは前面23で内部反射されて間接的に、後端部21から前端部22に向かって導光されつつ、後面24に形成されたレンズカット240によって前方へ内部反射される。具体的には、当該光L1は、レンズカット240のうち、第一プリズム面241の基端側部分241aによって前方へ内部反射される(図8参照)。そして、この光L1が前面23から前方へ出射されて、当該前面23が前方向きに発光する。
【0027】
このとき、後面24から前面23までの導光レンズ2の厚さが、後端部21から前端部22に向かって徐々に薄くなっているので、後端部21から導光レンズ2内を導光する光L1は、前面23で内部反射されつつ、湾曲した導光レンズ2の奥側(前端部22側)まで比較的容易に導光する。
また、この厚さが一定の導光レンズ内を導光する光に比べ、導光レンズ2内を導光する光L1は、前面23までの光路長(導光長)が短くなるので、導光レンズ2内の導光に伴う当該光L1の減衰が低減される。
【0028】
一方、第二LED4から出射された光L2は、図10に示すように、集光部220を通じて、光軸Ax2寄りに集光されつつ、導光レンズ2の後面24に略全長に亘って照射される。この光L2は、後面24に形成されたレンズカット240によって、導光レンズ2内に入射されつつ前方へ内部反射される。具体的には、当該光L2は、レンズカット240のうち、第一プリズム面241の先端側部分241bを通じて導光レンズ2内に入射した後に、第二プリズム面242によって前方へ内部反射される(図8参照)。そして、この光L2が前面23から前方へ出射されて、当該前面23が前方向きに発光する。
【0029】
こうして、導光レンズ2の長手方向両端部の近傍に配置された2つのLED3,4からの光L1,L2が、導光レンズ2の前面23から前方へそれぞれ出射されることにより、当該前面23がより強く前方向きに発光する。
【0030】
以上のように、車両用灯具1によれば、導光レンズ2の後端部21と対向する第一LED3からの光L1が、後端部21から導光レンズ2内に入射した後に、後面24に形成されたレンズカット240,…によって前方へ内部反射されて前面23から前方へ出射する一方、導光レンズ2の前端部22の近傍に配置された第二LED4からの光L2が、導光レンズ2の後面24へ向けて出射され、当該後面24に形成されたレンズカット240,…によって屈折されつつ導光レンズ2内に入射した後に前方へ内部反射されて、前面23から前方へ出射する。つまり、前後方向に対して傾斜した方向に沿って延在する長尺な導光レンズに対し、単純に当該導光レンズの長手方向両端面から光を入射させていた従来と異なり、導光レンズ2の後端部21近傍に配置された第一LED3からの光は勿論のこと、導光レンズ2の前端部22近傍に配置された後方向きの第二LED4からの光L2をも、当該導光レンズ2の前面23から前方へ出射させることができる。
したがって、前後方向に対して傾斜した方向に沿って延在する長尺な導光レンズ2の前面23を、導光レンズ2の長手方向両端部の近傍に配置した2つのLED3,4からの光L1,L2によって、前方向きに発光させることができる。
【0031】
また、後面24から前面23までの導光レンズ2の厚さが、後端部21から前端部22に向かって徐々に薄くなっているので、後端部21から導光レンズ2内を導光する光L1を、前面23で内部反射させつつ、湾曲した導光レンズ2の奥側(前端部22側)まで比較的容易に導光させることができる。
また、この厚さが一定の導光レンズ内を導光する光に比べ、導光レンズ2内を導光する光L1の前面23までの光路長(導光長)が短くなるので、導光レンズ2内の導光に伴う当該光L1の減衰を低減させることができる。
【0032】
また、レンズカット240は、第一プリズム面241の基端側部分241aが、第一LED3から出射されて後端部21から導光レンズ2内に入射した光を前方へ内部反射させ、第一プリズム面241の先端側部分241bが、第二LED4から出射された光を屈折させつつ導光レンズ2内に入射させ、第二プリズム面242が、第一プリズム面241の先端側部分241bから導光レンズ2内に入射した光を前方へ内部反射させるので、つまり、当該レンズカット240では、異なる複数の部位(第一プリズム面241の基端側部分241a及び先端側部分241b,並びに第二プリズム面242)が互いに独立した機能を果たしている。したがって、当該複数の部位を個別に最適設計することができる。
【0033】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0034】
例えば、上記実施形態では、車両用灯具1をヘッドランプ10内に収容されるものとしたが、本発明に係る車両用灯具は、リアランプ内に収容されるものは勿論のこと、ドアミラーターンランプや室内灯など、車両に搭載される灯具全般に適用することができる。
【0035】
また、2つのLED3,4は、それぞれ複数色で発光可能なものとしてもよい。具体的には、2つのLED3,4として、互いに異なる発光色(例えば、赤,白,アンバー)で発光する複数の発光素子がパッケージ化されたものを用いてもよい。このようなLED3,4を用い、必要に応じてその発光色を切り換えることにより、車両用灯具1を複数種類の灯具(例えば、ターンランプやテール・ストップランプ等)として機能可能な多用途ランプとすることができる。
【0036】
また、導光レンズ2は、灯具前後方向に対して斜めに傾斜した方向に沿って延在していればよく、例えば、下側から上側に向かって後方へ傾斜していてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 車両用灯具
2 導光レンズ
21 後端部
210 入光部
211 第一入射面
212 第二入射面
213 反射面
22 前端部
220 集光部
221 第一入射面
222 第二入射面
223 反射面
224 出射面
23 前面
24 後面
240 レンズカット
241 第一プリズム面
241a 基端側部分
241b 先端側部分
242 第二プリズム面
3 第一LED(一方の光源)
Ax1 光軸
4 第二LED(他方の光源)
Ax2 光軸
L1 光(第一LEDからの光)
L2 光(第二LEDからの光)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの光源と、
前後方向に対して斜めに傾斜した方向に沿って延在する長尺な導光レンズと、
を備え、前記2つの光源から出射された光を、前記導光レンズの長手方向に沿った当該導光レンズの前面から出射させる車両用灯具において、
前記2つの光源のうち、
一方の光源は、前記導光レンズの長手方向後側の後端部と対向するように配置され、
他方の光源は、前記導光レンズの長手方向前側の前端部の近傍に配置されるとともに、前記導光レンズの後面へ向けて光を出射させるように設けられ、
前記導光レンズの後面には、前記長手方向に沿って並設された複数のレンズカットが形成され、
前記複数のレンズカットは、前記一方の光源から出射されて前記後端部から前記導光レンズ内に入射した光を前方へ内部反射させるとともに、前記他方の光源から出射された光を屈折させつつ前記導光レンズ内に入射させた後に当該光を前方へ内部反射させることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記導光レンズは、前記前端部から前記後端部に向かって後方へ湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記導光レンズは、後面から前面までの厚さが前記後端部から前記前端部に向かって徐々に薄くなることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記複数のレンズカットは、前記長手方向に沿って並設された複数の鋸歯状に形成されて、前記長手方向前側の第一プリズム面と、前記長手方向後側の第二プリズム面とをそれぞれ有し、
前記第一プリズム面の基端側部分は、前記一方の光源から出射されて前記後端部から前記導光レンズ内に入射した光を前方へ内部反射させ、
前記第一プリズム面の先端側部分は、前記他方の光源から出射された光を屈折させつつ前記導光レンズ内に入射させ、
前記第二プリズム面は、前記第一プリズム面の先端側部分から前記導光レンズ内に入射した光を前方へ内部反射させることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記2つの光源は、それぞれ複数色で発光可能なものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−45662(P2013−45662A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183197(P2011−183197)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】