車体のドア閉まり検査装置及び検査方法
【課題】ドア閉まり検査装置を容易かつ正確に設置可能とし、かつその設置スペースを抑え、さらには車体の位置ズレに起因するドア閉止不良の発生を抑えると共に、ドアとドア閉まり検査装置との干渉時にもこれらの損傷を抑え、しかも実際のドア閉まり速度を正確に保証する。
【解決手段】枠体1Aに支持されて車体方向に押圧力を作用させる電動アクチュエータ23と、前記電動アクチュエータ23の作動タイミングを検出するレーザ距離センサ31と、ドアの閉止速度を検出するレーザ距離センサ52と、ドアの閉止状態を検出するレーザ変位センサ36とを備える。
【解決手段】枠体1Aに支持されて車体方向に押圧力を作用させる電動アクチュエータ23と、前記電動アクチュエータ23の作動タイミングを検出するレーザ距離センサ31と、ドアの閉止速度を検出するレーザ距離センサ52と、ドアの閉止状態を検出するレーザ変位センサ36とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体のドア閉まり検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の組立ラインにおいて、組立が完了した車体(完成車)は、完成車検査ラインで静的及び動的な最終検査が行われる。この検査の中には、ドア閉まり性の検査項目が含まれている。
従来の車体のドア閉まり検査装置は、完成車を搬送しながらその検査を行う完成車検査ラインの搬送コンベアを跨ぐように、該搬送コンベア両側の互いに対称となる位置に配設された一対のドア閉止装置と、前記搬送コンベアの上流側にて前記一対のドア閉止装置に隣接するように配設された一対の第一の投受光装置と、前記各ドア閉止装置の後流側(下流側)にて前記搬送コンベアを跨ぐように配設された二対の第二の投受光装置と、これら二対の第二の投受光装置間でかつ前記搬送コンベア両側の互いに対称となる位置に配設された一対の距離測定センサと、前記各第一の投受光装置、各第二の投受光装置、各ドア閉止装置、並びに各距離測定センサが接続される制御装置とを備える(例えば、特許文献1参照。)。
前記各ドア閉止装置は、ロッドストロークを制御可能なリニアシリンダと、このリニアシリンダのロッド先端部に球面ジョイントを介して取り付けられる押圧パットとを有する。そして、前記各第一の投受光装置がこれら各第一の投受光装置と前記完成車のドアとの間の距離が予め設定された距離になったことを検出すると同時に、前記各ドア閉止装置が作動して前記完成車における開放状態にあるドアを押圧して閉止する。
次いで、前記二対の第二の投受光装置が前記完成車の車体を検出すると同時に、前記各距離測定センサが作動して前記完成車の車体外側面との間の距離を測定する。制御装置は、前記各距離測定センサの測定結果と予め設定された閾値との比較を行い、前記測定結果が前記閾値を超えた場合には、所定のドア閉止動作にてドア閉まり不良が発生したと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第08/065859号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術によると、次のような不具合が発生する。
すなわち、ドア閉まり検査装置が分割したパーツより構成されているため、当該装置を設置するための工数が大になり、特に前記距離測定センサの位置がずれるとドアの閉止状態を測定できなくなる。また、測定スペースを広く必要とし、当該装置を設置するときに工程レイアウトを見直すあるいはスペースを増設する必要がある。
また、車体の搬送コンベアの軸線に対する位置ズレに起因するドア閉止装置の作動不具合によるドア閉止不良をNGとして検出することもある。また、前記車体の位置ズレによりドアと当該装置との干渉が発生した場合には、ドア又は当該装置に損傷を与えることがある。
さらに、リニアシリンダのストローク速度をドア閉まり速度に置き換えているため、実際のドア閉まり速度は不明であり、かつ押圧パットがドアの押圧面から離れた後、例えばドアヒンジの不具合によるフリクションの増加等があるとドア閉止速度の保証がなくなってしまう。
【0005】
そこでこの発明は、車体のドア閉まり検査装置及び検査方法において、ドア閉まり検査装置を容易かつ正確に設置可能とし、かつその設置スペースを抑え、さらには車体の位置ズレに起因するドア閉止不良の発生を抑えると共に、ドアとドア閉まり検査装置との干渉時にもこれらの損傷を抑え、しかも実際のドア閉まり速度を正確に保証することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、搬送手段(例えば実施例の搬送コンベアCV)により搬送される車体(例えば実施例の車体W)のドア閉まりを検査するべく前記搬送手段の一側に配置される車体のドア閉まり検査装置(例えば実施例のドア閉まり検査装置100)であって、枠体(例えば実施例の枠体1A)に配設される制御手段(例えば実施例の制御盤4)と、前記枠体の車体側に配設される支持枠体(例えば実施例の昇降枠体11)と、前記支持枠体に垂直軸回りに回動可能に支持されて車体方向に押圧力を作用させる押圧手段と、前記押圧手段の車体搬送方向上流側又は下流側の側面に配設されて該押圧手段の作動タイミングを検出する作動タイミング検出手段(例えば実施例のレーザ距離センサ31)と、前記支持枠体の車体搬送方向上流側に延出する第一支持アーム(例えば実施例の支持ロッド43)に支持されて前記ドアの閉止速度を検出するドア閉止速度検出手段(例えば実施例のレーザ距離センサ52)と、前記支持枠体の車体搬送方向下流側で車体側に延出する第二支持アーム(例えば実施例の支持ロッド33)に支持されて前記ドアの閉止状態を検出するドア閉止状態検出手段(例えば実施例のレーザ変位センサ36)と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記枠体の車体側上端に昇降手段(例えば実施例の手動ウインチ17)が配設され、前記支持枠体は前記昇降手段により水平に昇降されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記第一支持アームにおける前記ドア閉止速度検出手段よりもさらに先端側に支持されて前記搬送手段の軸線(例えば実施例の軸線P)に対する車体の位置ズレを検出する車体位置ズレ検出手段(例えば実施例のレーザ距離センサ51)と、前記押圧手段から車体搬送方向上流側に延出する第三支持アーム(例えば実施例の支持ロッド70)の先端側に支持されて前記車体の搬送位置を検出する搬送位置検出手段(例えば実施例の超音波センサ72)と、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記搬送位置検出手段、車体位置ズレ検出手段及びドア閉止状態検出手段の近傍にそれぞれガイドローラ(例えば実施例のガイドローラ61’,61,38)が配設されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1から4の何れか1項に記載のドア閉まり検査装置を車体を搬送する搬送手段の一側に配設して前記搬送手段により搬送された車体のドア閉まりを検査する車体のドア閉まり検査方法であって、前記ドアを開放した状態で搬送される車体の前記押圧手段との間の距離を前記作動タイミング検出手段により検出し、前記制御手段は、前記作動タイミング検出手段の検出結果が予め設定された距離となった時点で前記押圧手段を作動させて前記ドアを押圧すると共に、該押圧により閉止されるドアの閉止速度を前記ドア閉止速度検出手段により計測し、前記ドア閉止速度検出手段により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御手段が判断した場合には、異常である旨を報知し、前記データが閾値内であれば、次いで閉止されたドアと車体との間の段差を前記ドア閉止状態検出手段により計測し、前記ドア閉止状態検出手段により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御手段が判断した場合には、異常である旨を報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、制御手段、押圧手段、作動タイミング検出手段、ドア閉止速度検出手段、ドア閉止状態検出手段を備えるドア閉まり検査装置を構成することで、当該装置を搬送手段の両側に設置するのみで車体両側のドアの閉まり検査をそれぞれ行うことができ、かつその設置スペースを抑えることができる。また、当該装置を所定位置に移動した後、支持枠体を昇降させて押圧手段の高さを調整し、かつ該押圧手段を垂直軸回りに回動させてその角度を調整することで、ドア閉止装置である押圧手段をドアに対して容易かつ正確に位置決めできる。さらに、押圧手段とは別にドア閉止速度検出手段を備えることで、押圧手段の作動速度によらず実際のドア閉止速度を正確に保証することができる。
請求項2に記載した発明によれば、支持枠体を水平に昇降させて押圧手段の高さを調整した後、該押圧手段を垂直軸回りに回動させてその角度を調整することが可能となり、ドア閉止装置である押圧手段をドアに対してより正確に位置決めできる。
請求項3に記載した発明によれば、ドア閉止速度検出手段や押圧手段よりも搬送方向上流側において搬送手段の軸線に対する車体の位置ズレ及び車体の搬送位置を検出することが可能となり、その検出結果(車体のズレ量及び搬送位置)に応じて押圧手段の作動タイミング等を補正可能となって、車体の位置ズレ等に起因するドア閉止不良の発生を抑えることができる。
請求項4に記載した発明によれば、車体の位置ズレ等に起因して開放状態にあるドアが搬送位置検出手段、車体位置ズレ検出手段及びドア閉止状態検出手段に接触しそうになっても、これらの近傍に配設されたガイドローラがドアに先当たりしてこれを閉動させることが可能となり、ドアや当該装置の損傷を抑えることができる。
請求項5に記載した発明によれば、ドア閉止速度検出手段により実際のドア閉止速度を正確に保証できると共に、ドア閉止速度が閾値から外れた場合や、閉止されたドアと車体との間の段差が閾値から外れた場合には、その旨を速やかに周囲に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例における搬送コンベア右側に配設されるドア閉まり検査装置の斜視図である。
【図2】上記ドア閉まり検査装置を搬送方向上流側から見た側面図である。
【図3】上記ドア閉まり検査装置を上方から見た平面図である。
【図4】上記ドア閉まり検査装置を右方から見た背面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】図1のB−B断面図である。
【図7】図3のE−E断面図である。
【図8】図3のF−F断面図である。
【図9】図3のG−G断面図である。
【図10】図3のH−H矢視図である。
【図11】図3のJ−J断面図である。
【図12】図3のK−K矢視図である。
【図13】上記ドア閉まり検査装置の電動アクチュエータの要部説明図である。
【図14】上記ドア閉まり検査装置の脚部の説明図である。
【図15】上記ドア閉まり検査装置の第一作動説明図である。
【図16】上記ドア閉まり検査装置の第二作動説明図である。
【図17】上記ドア閉まり検査装置の第三作動説明図である。
【図18】上記ドア閉まり検査装置の第四作動説明図である。
【図19】上記ドア閉まり検査装置の第五作動説明図である。
【図20】上記ドア閉まり検査装置の第六作動説明図である。
【図21】上記ドア閉まり検査装置を用いた完成車検査ラインの要部説明図である。
【図22】上記完成車検査ラインのレーザ変位センサの測定結果を示すグラフであり、縦軸は車体外側面までの距離、横軸は車体搬送距離をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。
まず、図21を参照し、自動車生産時の完成車検査ラインの要部の概略について説明する。図21は前記完成車検査ラインの要部の上面図であり、本図に示すように、組み立ての完了した完成車Cの車体Wは、搬送コンベアCVに搬送されつつ完成車検査ラインをその上流側(図中左側)から後流側(下流側、図中右側)への一方向に移動する。
【0010】
完成車Cは、その前後方向(車体Wの長さ方向)を搬送コンベアCVの搬送方向に沿わせると共に、車両前方(図中矢印FRで示す)を搬送方向後流側に向けた状態で搬送される。完成車検査ラインには、ドア閉まり検査装置100を用いて完成車C両側のサイドドア(以下、単にドアという)Dの車体Wに対する閉まり性の検査を行うドア閉まり検査工程が含まれ、該ドア閉まり検査工程の前記コンベアCVを挟んだ両側の互いに対称となる位置には、一対のドア閉まり検査装置100が配設される。なお、搬送コンベアCVの長さ方向(搬送方向)に沿う中心軸線を符号Pで示す。
【0011】
ドア閉まり検査工程に搬送される完成車Cは、その上流側に隣接する工程での検査終了後、各ドアDをその前端側で上下に延びるヒンジ軸回りに開放した状態で、次工程であるドア閉まり検査工程に搬送される。このときの各ドアDの開放位置(角度)は、それぞれのドアチェッカーの一段目の開放停止位置とされる。すなわち、各ドアDは、車種毎に規定された開放位置を維持した状態でドア閉まり検査工程に搬送される。なお、前記ドアチェッカーは、ドアヒンジ近傍に設けられて所定のドア開放位置を維持すると共にドア開閉節度感を発生させる周知のものである。
【0012】
そして、前記ドア閉まり検査装置100の超音波センサ72がドア閉まり検査工程への完成車Cの搬入を検出すると共に、レーザ距離センサ31が開放されたドアDに押圧力(閉止力)を作用させるための電動アクチュエータ23の作動タイミングを検出し、該タイミングにて電動アクチュエータ23を作動させてドアDの閉止動作(閉動)を行うと共に、レーザ距離センサ52にて前記ドアDの閉止速度を検出する。
【0013】
その後、レーザ変位センサ36にて完成車Cの車体W外側面との間の距離を閉止動作後のドアDの開放端を前後に跨いで連続的に測定する。このときの測定結果(図22参照)におけるドアD外側面までの距離(図中DOORLNE)が公差範囲内にあれば、前記閉止動作でドアDが完全に閉止したものと判断され、前記距離が公差範囲外にあれば、前記閉止動作後のドアDが半ドア状態であると判断される。このように、所定の閉止動作でのドア閉まり性の検査が自動で行われる。
【0014】
以下、搬送コンベア右側のドア閉まり検査装置100について説明を行うが、コンベア左側のものは左右対称の構成を有するものとする。また、説明都合状、図中矢印FRは搬送コンベアの搬送方向後流側を、矢印LHは左方(コンベア側)を、矢印UPは上方をそれぞれ示すものとする。
【0015】
図1,3を参照し、ドア閉まり検査装置100は、平面視(上面視)長方形状をなす基枠1の左長辺の両端部の上方に角支柱2が立設され、基枠1の前後両短辺の中間部の互いに対向する位置の上方に中間支柱3が立設される。これら両中間支柱3と基枠1の両短辺の後部とに支持されるように、正面視長方形状をなすボックス状の制御盤4が起立状態で配設される(図2,4参照)。
【0016】
前記一対の角支柱2の下端部の前後外側面及び制御盤4の下端部の前後外側面には、それぞれ走行ローラ5を軸支するブラケット6が取り付けられる。
【0017】
図14を併せて参照し、基枠1の四隅内側には、レベルフット用の基板80が固設され、該基板80に穿設されたネジ孔に棒ネジ部材81が螺合されると共に、該棒ネジ部材81の下端部には保持部82が配設され、各棒ネジ部材81を回動させて保持部82を接地させると共に前記走行ローラ5の接地を解除することで、ドア閉まり検査装置100が基枠1四隅の保持部82により所定位置にて位置決め固定される。一方、各棒ネジ部材81を逆転させて保持部82の接地を解除すると共に走行ローラ5を接地させることで、該各走行用ローラ5にてドア閉まり検査装置100が移動自在となる。
【0018】
図1,6を参照し、前記一対の角支柱2は、左右に長い断面長方形状をなす角柱状の鋼材からなり、前記長方形状の前後両長辺部分の中間部の互いに対向する二箇所には、角支柱2の長さ方向に沿うガイド溝7がそれぞれ刻設される。
【0019】
角支柱2には、例えば帯状鋼板を平面視長方形状に屈曲成形してなる昇降部材8が昇降自在に装着される。昇降部材8の前記長方形状の左右両短辺部の内側には、角支柱2の左右両短辺部に転接するガイドローラ9が軸支される。なお、符号9aはガイドローラ9の支持軸を示す。昇降部材8の前後両長辺部の前記各ガイド溝7に対向する部位には、該各ガイド溝7内に挿入されるガイドピン10がそれぞれ立設される。
【0020】
図1を参照し、前後昇降部材8間(前後角支柱2間)には、前後に長い平面視長方形状をなす昇降枠体11が支持される。
昇降枠体11は、その前後左右辺を構成する四本の枠柱11a,11b,11c,11dと、左右枠柱11b,11dの中間部同士を連結する一対の支柱20とを一体に有してなる。
【0021】
図5を併せて参照し、各枠柱11a〜11d及び各支柱20は、断面正方形状をなす同一の角柱状の鋼材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、それぞれの長さ方向に沿うガイド溝21が刻設される(図5参照)。なお、図5は後枠柱11cの断面を示すが、他の枠柱11a,11b,11d及び各支柱20も同様の断面を有するものとする。
【0022】
図1,3を参照し、昇降枠体11の左半分(コンベアCV側の半分)は角支柱2よりもコンベアCV側に突出し、この突出側が自動車のドア閉まり検査時に車体Wに面する側となる。
角支柱2及び中間支柱3の上端部は、平面視で後方に開放するコ字型の上端枠体12により連結される。上端枠体12上には支持板13が配設され、該支持板13上にはディスプレイ14、パトライト15、閉速度表示装置16が配設される。以下、基枠1、角支柱2、中間支柱3、上端枠体12からなる構造体を枠体1Aということがある。
【0023】
上端枠体12の左枠柱12aの中間部下面には手動ウインチ17が配設され、該手動ウインチ17から左右に繰り出されたワイヤ部材19が、それぞれ角支柱2の上部に配設されたガイドローラ18を巻回して下方に案内され、その先端部を前記昇降部材8に連結する(図6参照)。なお、手動ウインチ17に代わる電動ウインチを用いてもよい。
昇降枠体11の各支柱20の前部上面には支持プレート22が固設され、この支持プレート22に電動アクチュエータ23が垂直軸回りに回動可能かつ該回動を固定可能にボルト83及びナット84の螺合により軸支される。
【0024】
図7,13を併せて参照し、電動アクチュエータ23は、例えばロッド29のストロークの速度を制御可能なリニアシリンダであり、平面視長方形状のボックス状のハウジング23a内に保持される。前記ロッド29の先端部にはピボット軸受(球面(ボール)ジョイント)30aを介して押圧パット30が取り付けられる。押圧パット30はロッド29の軸方向と略直交する円盤状をなし、通常時(ドアDとの非接触時)には自重によりその前面を垂直状態からややうつむけるように前傾させる。
【0025】
ハウジング23aの上面にはロッド29と平行なスリット孔24が形成され、該スリット孔24にはその長手方向で摺動可能なガイドピン39が挿通される。ガイドピン39は一端に頭部を有する雄ネジ部材からなり、前記スリット孔24にその下方から挿通され、そのスリット孔24上方への突出部分はハウジング23a上方に配設されたL字ステー25の一側片を貫通して上方に突出する。この突出部分にナット40を螺合することで、ハウジング23aとL字ステー25の一側片とが締結可能となる。
【0026】
一方、L字ステー25後側の他側片には、昇降枠体11の車体Wに面する側である左枠柱11d外側のガイド溝21に挿通、係合されたガイドピン27の先端側が挿通されて前方に突出する。ガイドピン27は一端に頭部を有する雄ネジ部材からなり、該ガイドピン27の前記他側片からの突出部分にナット28を螺合することで、L字ステー25の他側片と左枠柱11dとが締結可能となる。
【0027】
これにより、L字ステー25及びハウジング23aを介して電動アクチュエータ23が左枠柱11dに位置決め支持される。一方、各ガイドピン27,39の締結を緩めれば、ハウジング23a、L字ステー25及び左枠柱11dが相対移動可能となって電動アクチュエータ23が垂直軸回りに回動可能となる。
【0028】
電動アクチュエータ23は、自動車のドア閉まり検査時において、搬送コンベアCVによって搬送される完成車C(車体W)のドアチェッカーの一段目に開放されたドアDの外側面におけるアウタハンドルH位置の真下を押圧面とするように、該押圧面をロッド29が直交方向で指向するように昇降枠体11に位置決め保持される。
【0029】
図1,3を参照し、電動アクチュエータ23のハウジング23aの車体搬送方向下流側の側面には、前記ロッド29の延長方向にある対象物との間の距離を測定するレーザ距離センサ31がロッド29と平行に配設される。
また、前記昇降枠体11の左枠柱11dにおける電動アクチュエータ23よりも車体搬送方向下流側の下面には、左右方向に沿う支持ロッド33が前後左右に移動可能に取り付けられる。
【0030】
図9を併せて参照し、支持ロッド33は、昇降枠体11の各枠柱11a〜11dと同様の構成を有する。すなわち、支持ロッド33は、断面正方形状をなす角柱状の鋼材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、支持ロッド33の長さ方向に沿うガイド溝34が刻設される。この支持ロッド33が、左右L字ステー32、ガイドピン35,27及びナット41,28を介して、左枠柱11dに位置決め支持される。ガイドピン35,27は互いに同様の構成を有する。
【0031】
支持ロッド33上面のガイド溝34には左右一対のガイドピン35が挿通、係合され、該各ガイドピン35が支持ロッド33上方に配設された左右L字ステー32下側の一側片を貫通してその上方に突出する。この突出部分にナット41を螺合することで、支持ロッド33と左右L字ステー32の一側片とが締結可能となる。
一方、左右L字ステー32上側の他側片には、左枠柱11d前後のガイド溝21に挿通、係合されたガイドピン27の先端側が挿通されて左右に突出し、該突出部分にそれぞれナット28を螺合することで、左右L字ステー32の他側片と左枠柱11dとが締結可能となる。ガイドピン35は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
【0032】
これにより、各ガイドピン35,27の締結を緩めれば、支持ロッド33が自身のガイド溝34に沿って(車体Wの搬送コンベアCVの中心軸線Pと直交する方向(左右方向)に沿って)移動可能となり、かつ支持ロッド33が左枠柱11dのガイド溝21に沿って(前記搬送コンベアCVの中心軸線Pと平行な方向(前後方向)に沿って)移動可能となる。
【0033】
図1,3を参照し、支持ロッド33の左端部下面には、車体Wの搬送コンベアCVの中心軸線Pに対して直角にレーザを照射してその照射方向にある対象物との間の距離を測定するレーザ変位センサ36が配設される。また、支持ロッド33の左端部両側には、その左方に斜めに延びる前後一対のコ字型ステー37を介して前後一対のガイドローラ38が軸支される。
【0034】
昇降枠体11の後枠柱11aの右側部上面には、前後方向に沿う支持ロッド43が前後左右に移動可能に取り付けられる。
図10を併せて参照し、支持ロッド43は、昇降枠体11の各枠柱11a〜11dと同様の構成を有する。すなわち、支持ロッド43は、断面正方形状の角柱状の鋼材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、支持ロッド43の長さ方向に沿うガイド溝46が刻設される。
【0035】
図8を併せて参照し、支持ロッド43は、前後L字ステー42、ガイドピン45,47及びナット49,50を介して後枠柱11aに位置決め支持される。
支持ロッド43下面のガイド溝46には前後一対のガイドピン47が挿通、係合され、該各ガイドピン47が支持ロッド43の下方に配設された前後L字ステー42上側の一側片を貫通してその下方に突出する。この突出部分にナット50を螺合することで、支持ロッド43と前後L字ステー42の一側片とが締結可能となる。
【0036】
一方、前後L字ステー42下側の他側辺には、後枠柱11a前後のガイド溝44に挿通、係合されたガイドピン45の先端側が挿通されて前後に突出し、該突出部分にそれぞれナット49を螺合することで、前後L字ステー42の他側片と後枠柱11aとが締結可能となる。ガイドピン45,47は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
【0037】
これにより、各ガイドピン45,47の締結を緩めれば、支持ロッド43が自身のガイド溝46に沿って前後に移動可能となり、かつ支持ロッド43が後枠柱11aのガイド溝44に沿って左右に移動可能となる。
【0038】
図1,3,10を参照し、支持ロッド43の後端部下面には、搬送コンベアCVの中心軸線Pに対して直角にレーザを照射してその照射方向にある対象物との間の距離を測定するレーザ距離センサ51が配設される。また、支持ロッド43の後端部両側には、その後方に斜めに延びる左右一対のコ字型ステー58を介して、左右一対のガイドローラ61が軸支される。
さらに、支持ロッド43の中間部下面には、搬送コンベアCVの中心軸線Pと交差するように(略直交するように)レーザを照射してその照射方向にある対象物との間の距離を測定する第二レーザ距離センサ52が配設される。
【0039】
以下、図10を参照してレーザ距離センサ51の支持構造について説明するが、第二レーザ距離センサ52の支持構造も同様とする。
支持ロッド43上面のガイド溝46には、その上方に配設されたクランク状ステー53の一側片の下方に突設されたガイドピン54が挿通、係合される。また、支持ロッド43右側面のガイド溝46には、ガイドピン55の一側が挿通、係合され、該ガイドピン55の他側が支持ロッド43右方に配設されたクランク状ステー53の中間片を貫通してその右方に突出し、該突出部分にナット55aを螺合することで、支持ロッド43とクランク状ステー53の中間片とが締結可能となる。
【0040】
さらに、クランク状ステー53下側の他側片には、その下方に配設されたレーザ距離センサ51の上方に突設されたガイドピン56が挿通されて上方に突出し、該突出部分にナット57を螺合することで、クランク状ステー53の他側片とレーザ距離センサ51とが締結可能となる。
【0041】
これにより、ガイドピン56の締結を緩めれば、レーザ距離センサ51を垂直軸回りに回動可能となり、かつガイドピン55の締結を緩めれば、レーザ距離センサ51を支持ロッド43の長さ方向に沿って前後に移動可能となる。通常、各レーザ距離センサ51,52は、搬送コンベアCVの中心軸線Pに対して直角にレーザを照射するように配置されている。
【0042】
また、支持ロッド43後端部の左右両側のガイド溝46には、それぞれガイドピン59が挿通、係合され、該各ガイドピン59がそれぞれ前記コ字状ステー58の底部を貫通してその内側に突出し、該突出部分にナット60を螺合することで、支持ロッド43と各コ字状ステー58の底部とが締結可能となる。なお、ガイドピン59,55は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
【0043】
これにより、支持ロッド43の後端部に各ローラ61がコ字状ステー58を介して位置決め支持されると共に、各ガイドピン59の締結を緩めれば、各ローラ61を支持ロッド43の長さ方向に沿って移動可能となる。なお、前記支持ロッド33左端部の各ローラ38も同様の構成により、支持ロッド33の左端部にコ字状ステー37を介して位置決め支持され、かつ支持ロッド33の長さ方向に沿って移動可能とされる。
【0044】
図1,3を参照し、車体搬送方向上流側(後側)の角支柱2の中間部には、前後方向に沿う支持ロッド62が前後かつ上下に移動可能に位置決め支持される。
図11を併せて参照し、支持ロッド62は、昇降枠体11の各枠柱11a〜11dと同様の構成を有する。すなわち、支持ロッド62は、断面正方形状をなす角柱状の鋼材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、支持ロッド62の長さ方向に沿うガイド溝65が刻設される。この支持ロッド62が、上下L字ステー63、ガイドピン66,67及びナット68,69を介して角支柱2に位置決め支持される。
【0045】
角支柱2左側面のガイド溝64には上下一対のガイドピン67が挿通、係合され、該各ガイドピン67が支持ロッド62の上下に配設された上下L字ステー63右側の一側片を貫通してその左方に突出し、該突出部分にナット69を螺合することで、角支柱2と上下L字ステー63の一側片とが締結可能となる。
【0046】
一方、上下L字ステー63後側の他側片には、支持ロッド62の上下ガイド溝65に挿通、係合されたガイドピン66の先端側が挿通されて突出し、該突出部分にナット68を螺合することで、上下L字ステー63の他側片と角支柱2とが締結可能となる。各ガイドピン66,67は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
これにより、各ガイドピン66,67の締結を緩めれば、支持ロッド62が自身の長さ方向に沿って移動可能となり、かつ支持ロッド62が角支柱2の長さ方向に沿って移動可能となる。なお、支持ロッド62の後端部前側には、前記支持ロッド43と同様のローラ支持構造により、コ字状ステー58’を介してローラ61’が位置決め支持される。ローラ61’は、支持ロッド62の高さを調整することで、超音波センサ72の近傍に配設可能である(図3参照)。
【0047】
図1,2,3を参照し、電動アクチュエータ23の下面には、そのロッド29に対して直角かつ水平となるように車体搬送方向上流側(左方)に斜めに延びる支持ロッド70が設けられる。
図12を参照し、支持ロッド70は昇降枠体11の各枠柱11a〜11dと同様の構成を有する。すなわち、支持ロッド70は、断面正方形状の角柱状の部材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、支持ロッド70の長さ方向に沿うガイド溝73が刻設される。この支持ロッド70が電動アクチュエータ23の下面に位置決め支持されている。
【0048】
支持ロッド70の先端部(後端部)下側には、下方に延びるコ字状ステー71を介して超音波センサ72が保持される。超音波センサ72は電動アクチュエータ23のロッド29の延長方向にある対象物との間の距離を測定するもので、該超音波センサ72がロッド29と平行に配設される。
【0049】
支持ロッド70下側のガイド溝73にはガイドピン74が挿通、係合され、該ガイドピン74が支持ロッド70下方に配設されたコ字状ステー71の底部を貫通してその内側に突出し、該突出部分にナット75を螺合することで、支持ロッド70とコ字状ステー71の底部とが締結可能となる。ガイドピン74は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
【0050】
これにより、支持ロッド70の後端部に超音波センサ72がコ字状ステー71を介して位置決め支持されると共に、ガイドピン74の締結を緩めれば、超音波センサ72を垂直軸回りに回動可能かつ支持ロッド70の長さ方向に沿って移動可能となる。
【0051】
このような構成のドア閉まり検査装置100により完成車Cのドア閉まり検査を行う際は、まず、図15〜20に示すように、ドア閉まり検査装置100の平面視長方形状の基枠1の長辺が車体Wの搬送コンベアCVの軸線Pと平行となるように、前記走行ローラ5を接地させて検査装置100を移動させる。
【0052】
このとき、電動アクチュエータ23のロッド29が搬送コンベアCVによって搬送される車体Wの開放されたドアDの外側面におけるドアアウタハンドルH位置の真下の押圧面を指向し、かつロッド29先端の押圧パット30と前記押圧面との間隔が所定距離(例えば150mm)となるように、手動ウインチ17により昇降枠体11を昇降させ、かつ前記ボルト83回りに電動アクチュエータ23の回動角度を調整する。なお、前記ドアDはドアチェッカーの一段目に開放された状態にあるものとする。
【0053】
このように電動アクチュエータ23を位置決め支持した状態で、前記レベルフットの棒ネジ部材81を回動させて保持部82を接地させ、該保持部82によりドア閉まり検査装置100を位置決めする。
【0054】
また、上述の如くドア閉まり検査装置100を位置決めした状態で、支持ロッド43に支持されたレーザ距離センサ52によりドアDの閉止速度を測定できるように該レーザ距離センサ52の位置を調整する。すなわち、レーザ距離センサ52の垂直軸回りの回動角度及び支持ロッド43の長さ方向での位置を調整する。
【0055】
上記位置決めは各車種に対して予め行うこととなるが、このとき、レベルフットの保持部82の接地位置をマーキングし、かつ電動アクチュエータ23の例えば左枠柱11dに対する位置や角度を該左枠柱11dにマーキングし、さらにはレーザ距離センサ52の支持ロッド43に対する位置や角度を該支持ロッド43にマーキングしておくことで、以降のドア閉まり検査装置100の位置決め並びに電動アクチュエータ23及びレーザ距離センサ52の位置決めを簡単に行うことができる。
【0056】
次いで、支持ロッド70に支持された超音波センサ72が、搬送コンベアCVによって搬送される車体Wの開放されたドアDの外側面の開放端を検出したときに、支持ロッド43に支持されたレーザ距離センサ51がドアDを除く車体Wの外側面(例えばセンターピラーの外側面)を略直交方向外側から指向するように、超音波センサ72及びレーザ距離センサ51の位置をそれぞれ調整する。
【0057】
次いで、支持ロッド70に支持されたレーザ距離センサ52が搬送コンベアCVによって搬送される車体Wの開放されたドアDの閉止速度を測定できるように、該レーザ距離センサ52の位置を開放されたドアDの外側面を略直交方向外側から指向するように調整する。
【0058】
この位置決めも上記同様、各車種に対して予め行うこととなるが、このとき、超音波センサ72及び各レーザ距離センサ51,52の各支持ロッド43,70に対する位置や角度を該各支持ロッド43,70にマーキングしておくことで、以降の超音波センサ72及び各レーザ距離センサ51,52の位置決めを簡単に行うことができる。
【0059】
このようにドア閉まり検査装置100を位置決めした状態で、自動車のドア閉まり検査を開始すると、まず、図15に示すように、搬送コンベアCVにより車体Wが搬送されてきた際、超音波センサ72が開放されたドアDの外側面の基端を検出し、かつ該車体Wがさらに搬送されて図16に示す位置にくると、超音波センサ72が開放されたドアDの外側面の開放端を検出する。これと同時に、レーザ距離センサ51が車体Wのセンターピラーとの間の距離を測定し、この測定結果が制御盤4に送信される。
【0060】
制御盤4では、上記測定結果を基に、搬送コンベアCVの中心軸線Pと車体Wの長さ方向の軸線とのズレ量を検出し、該ズレ量が予め設定された閾値内にない場合には、正確なスピードでドアDを閉止することができないと判断すると共に、ドア閉まり検査装置100にドアDが衝突する虞があると判断して、パトライト15を点灯させると共に警報を鳴動させる等して作業者に知らせる。
【0061】
またこのとき、各支持ロッド33,43,62の先端部に配設されたガイドローラ38,61,61’により、ドア閉まり検査装置100の各レーザ距離センサ36,51並びに超音波センサ72に対する前記開放されたドアDの干渉が防止される。すなわち、前記ガイドローラ38,61,61’が各センサ36,51,72に先んじて前記開放されたドアDに接触することで、該ドアDが車体W側に閉動して各センサ36,51,72との干渉が防止される。
【0062】
さらに車体Wが搬送されて該車体Wとドア閉まり検査装置100とが図17に示す位置関係になると、レーザ距離センサ31が前記開放されたドアDの外側面の基端との間の距離を検出する。なお、前記基端は前記アウタハンドルH位置の真下の押圧面と同一高さにある。
【0063】
さらに車体Wが搬送されて該車体Wとドア閉まり検査装置100とが図18に示す位置関係になり、レーザ距離センサ31と前記押圧面との間の距離が予め定められた前記所定距離(例えば150mm)になった時点で、電動アクチュエータ23が作動してロッド29を突出させ、前記開放されたドアDの閉動を行う。
【0064】
なお、前記レーザ距離センサ51により車体Wのズレ量が検出された場合は、例えば前記所定距離である150mmに前記ズレ量に基づく補正を施し、該補正された距離となった時点で電動アクチュエータ23を作動させる。
【0065】
電動アクチュエータ23は、押圧パット30が押圧面に接触するまではロッド29のストローク速度を低速(例えば20mm/sec)とし、前傾状態にある押圧パット30の前端が押圧面に接触し緩やかに傾動してその前面を押圧面に全面的に当接させた後には、ロッド29のストローク速度を上げるよう(例えば190mm/sec)にしてドアDの閉動を行う。このストローク速度の切り替えタイミングも、予め設定されたタイミングに前記ズレ量に基づく補正を施すことで決定される。
【0066】
図19を参照し、電動アクチュエータ23による実際のドア閉止速度は、前記レーザ距離センサ52により計測される。具体的には、前記電動アクチュエータ23がドアDの閉動を開始し、該電動アクチュエータ23のロッド29が伸びきって押圧パット30のドアDへの当接が解除された以降、ドアDが全閉するまでの間の時系列の二点におけるドアDとレーザ距離センサ52との間の距離を制御盤4で計測し、実際のドア閉止速度を求める。求められたドア閉止速度は速度表示装置16に表示され、このドア閉止速度が予め設定した閾値を外れた場合には、パトライト15を点灯させると共に警報を鳴動させる等して作業者に検査不良であることを連絡する。
【0067】
そして、ドアDの閉動が完了すると、制御盤4のタイマーが作動し、所定の時間経過後にレーザ変位センサ36が車体W外側面との間の距離を測定する。前記所定の時間経過後の車体Wとドア閉まり検査装置100との位置関係を示したものが図20であり、本図に示すように、レーザ変位センサ36は、車体W外側面との間の距離をドアD外側面における開放端を前後に跨いで連続的に測定する。
【0068】
制御盤4は、予めインプットされたデータと上記測定データとの比較を行い、その差異が公差範囲内にあるか否か(閾値未満か否か)により、前記電動アクチュエータ23の作動でドアDが完全に閉止したか否かを判断する。前記差異が閾値以上の場合にはドア閉まり不良と判断し、パトライト15を点灯させると共に警報を鳴動させて作業者にドア閉止不良であることを連絡する。
【0069】
以上説明したように、上記実施例におけるドア閉まり検査装置100は、搬送コンベアCVにより搬送される車体Wのドア閉まりを検査するべく前記搬送コンベアCVの一側に配置されるものであって、枠体1Aの前記車体Wと反対側に配設される制御盤4と、前記枠体1Aの車体W側に配設される昇降枠体11と、前記昇降枠体11に垂直軸回りに回動可能に支持されて車体W方向に押圧力を作用させる電動アクチュエータ23と、前記電動アクチュエータ23の車体搬送方向下流側の側面に配設されて該電動アクチュエータ23の作動タイミングを検出するレーザ距離センサ31と、前記昇降枠体11の車体Wと反対側で車体搬送方向上流側に延出する支持ロッド43に支持されて前記ドアDの閉止速度を検出するレーザ距離センサ52と、前記昇降枠体11の車体搬送方向下流側で車体W側に延出する支持ロッド33に支持されて前記ドアDの閉止状態を検出するレーザ変位センサ36と、を備えるものである。
【0070】
この構成によれば、制御盤4、電動アクチュエータ23、レーザ距離センサ31、レーザ距離センサ52、レーザ変位センサ36を備えるドア閉まり検査装置100を構成することで、当該装置を搬送コンベアCVの両側に設置するのみで車体W両側のドアDの閉まり検査をそれぞれ行うことができ、かつその設置スペースを抑えることができる。また、当該装置を所定位置に移動した後、昇降枠体11を昇降させて電動アクチュエータ23の高さを調整し、かつ該電動アクチュエータ23を垂直軸回りに回動させてその角度を調整することで、ドア閉止装置である電動アクチュエータ23をドアDに対して容易かつ正確に位置決めできる。さらに、電動アクチュエータ23とは別にレーザ距離センサ52を備えることで、電動アクチュエータ23の作動速度によらず実際のドア閉止速度を正確に保証することができる。
【0071】
また、上記ドア閉まり検査装置100においては、前記枠体1Aの車体W側上端に手動ウインチ17が配設され、前記昇降枠体11は前記手動ウインチ17により水平に昇降されることで、昇降枠体11を水平に昇降させて電動アクチュエータ23の高さを調整した後、該電動アクチュエータ23を垂直軸回りに回動させてその角度を調整することが可能となり、ドア閉止装置である電動アクチュエータ23をドアDに対してより正確に位置決めできる。
【0072】
さらに、上記ドア閉まり検査装置100においては、前記支持ロッド43における前記レーザ距離センサ52よりもさらに先端側に支持されて前記搬送コンベアCVの軸線Pに対する車体Wの位置ズレを検出するレーザ距離センサ51と、前記電動アクチュエータ23から車体搬送方向上流側に延出する支持ロッド70の先端側に支持されて前記車体Wの搬送位置を検出する超音波センサ72と、を備えることで、レーザ距離センサ52や電動アクチュエータ23よりも搬送方向上流側において搬送コンベアCVの軸線に対する車体Wの位置ズレ及び車体Wの搬送位置を検出することが可能となり、その検出結果(車体Wのズレ量及び搬送位置)に応じて電動アクチュエータ23の作動タイミング等を補正可能となって、車体Wの位置ズレ等に起因するドア閉止不良の発生を抑えることができる。
【0073】
さらに、上記ドア閉まり検査装置100においては、前記超音波センサ72、レーザ距離センサ51及びレーザ変位センサ36の近傍にそれぞれガイドローラ61’,61,38が配設されることで、車体Wの位置ズレ等に起因して開放状態にあるドアDが超音波センサ72、レーザ距離センサ51及びレーザ変位センサ36に接触しそうになっても、これらの近傍に配設されたガイドローラ61’,61,38がドアDに先当たりしてこれを閉動させることが可能となり、ドアDや当該装置の損傷を抑えることができる。
【0074】
ここで、上記実施例におけるドア閉まり検査方法は、上記ドア閉まり検査装置100を車体Wを搬送する搬送コンベアCVの一側に配設して前記搬送コンベアCVにより搬送された車体Wのドア閉まりを検査するものであって、前記ドアDを開放した状態で搬送される車体Wの前記電動アクチュエータ23との間の距離を前記レーザ距離センサ31により検出し、前記制御盤4は、前記前記レーザ距離センサ31の検出結果が予め設定された距離となった時点で前記電動アクチュエータ23を作動させて前記ドアDを押圧すると共に、該押圧により閉止されるドアDの閉止速度を前記レーザ距離センサ52により計測し、前記レーザ距離センサ52により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御盤4が判断した場合には、異常である旨を報知し、前記データが閾値内であれば、次いで閉止されたドアDと車体Wとの間の段差を前記レーザ変位センサ36により計測し、前記レーザ変位センサ36により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御盤4が判断した場合には、異常である旨を報知するものである。
【0075】
この構成によれば、上記した各作用効果に加え、レーザ距離センサ52により実際のドア閉止速度を正確に保証できると共に、ドア閉止速度が閾値から外れた場合や、閉止されたドアDと車体Wとの間の段差が閾値から外れた場合には、その旨を速やかに周囲に報知することができる。
【0076】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、部品構成や構造、形状、大きさ、数及び配置等を含め、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0077】
CV 搬送コンベア(搬送手段)
P 軸線
W 車体
1A 枠体
4 制御盤(制御手段)
11 昇降枠体(支持枠体)
17 手動ウインチ(昇降手段)
31 レーザ距離センサ(作動タイミング検出手段)
33 支持ロッド(第二支持アーム)
36 レーザ変位センサ(ドア閉止状態検出手段)
38,61,61’ ガイドローラ
43 支持ロッド(第一支持アーム)
51 レーザ距離センサ(車体位置ズレ検出手段)
52 レーザ距離センサ(ドア閉止速度検出手段)
70 支持ロッド(第三支持アーム)
72 超音波センサ(搬送位置検出手段)
100 ドア閉まり検査装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、車体のドア閉まり検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の組立ラインにおいて、組立が完了した車体(完成車)は、完成車検査ラインで静的及び動的な最終検査が行われる。この検査の中には、ドア閉まり性の検査項目が含まれている。
従来の車体のドア閉まり検査装置は、完成車を搬送しながらその検査を行う完成車検査ラインの搬送コンベアを跨ぐように、該搬送コンベア両側の互いに対称となる位置に配設された一対のドア閉止装置と、前記搬送コンベアの上流側にて前記一対のドア閉止装置に隣接するように配設された一対の第一の投受光装置と、前記各ドア閉止装置の後流側(下流側)にて前記搬送コンベアを跨ぐように配設された二対の第二の投受光装置と、これら二対の第二の投受光装置間でかつ前記搬送コンベア両側の互いに対称となる位置に配設された一対の距離測定センサと、前記各第一の投受光装置、各第二の投受光装置、各ドア閉止装置、並びに各距離測定センサが接続される制御装置とを備える(例えば、特許文献1参照。)。
前記各ドア閉止装置は、ロッドストロークを制御可能なリニアシリンダと、このリニアシリンダのロッド先端部に球面ジョイントを介して取り付けられる押圧パットとを有する。そして、前記各第一の投受光装置がこれら各第一の投受光装置と前記完成車のドアとの間の距離が予め設定された距離になったことを検出すると同時に、前記各ドア閉止装置が作動して前記完成車における開放状態にあるドアを押圧して閉止する。
次いで、前記二対の第二の投受光装置が前記完成車の車体を検出すると同時に、前記各距離測定センサが作動して前記完成車の車体外側面との間の距離を測定する。制御装置は、前記各距離測定センサの測定結果と予め設定された閾値との比較を行い、前記測定結果が前記閾値を超えた場合には、所定のドア閉止動作にてドア閉まり不良が発生したと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第08/065859号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術によると、次のような不具合が発生する。
すなわち、ドア閉まり検査装置が分割したパーツより構成されているため、当該装置を設置するための工数が大になり、特に前記距離測定センサの位置がずれるとドアの閉止状態を測定できなくなる。また、測定スペースを広く必要とし、当該装置を設置するときに工程レイアウトを見直すあるいはスペースを増設する必要がある。
また、車体の搬送コンベアの軸線に対する位置ズレに起因するドア閉止装置の作動不具合によるドア閉止不良をNGとして検出することもある。また、前記車体の位置ズレによりドアと当該装置との干渉が発生した場合には、ドア又は当該装置に損傷を与えることがある。
さらに、リニアシリンダのストローク速度をドア閉まり速度に置き換えているため、実際のドア閉まり速度は不明であり、かつ押圧パットがドアの押圧面から離れた後、例えばドアヒンジの不具合によるフリクションの増加等があるとドア閉止速度の保証がなくなってしまう。
【0005】
そこでこの発明は、車体のドア閉まり検査装置及び検査方法において、ドア閉まり検査装置を容易かつ正確に設置可能とし、かつその設置スペースを抑え、さらには車体の位置ズレに起因するドア閉止不良の発生を抑えると共に、ドアとドア閉まり検査装置との干渉時にもこれらの損傷を抑え、しかも実際のドア閉まり速度を正確に保証することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、搬送手段(例えば実施例の搬送コンベアCV)により搬送される車体(例えば実施例の車体W)のドア閉まりを検査するべく前記搬送手段の一側に配置される車体のドア閉まり検査装置(例えば実施例のドア閉まり検査装置100)であって、枠体(例えば実施例の枠体1A)に配設される制御手段(例えば実施例の制御盤4)と、前記枠体の車体側に配設される支持枠体(例えば実施例の昇降枠体11)と、前記支持枠体に垂直軸回りに回動可能に支持されて車体方向に押圧力を作用させる押圧手段と、前記押圧手段の車体搬送方向上流側又は下流側の側面に配設されて該押圧手段の作動タイミングを検出する作動タイミング検出手段(例えば実施例のレーザ距離センサ31)と、前記支持枠体の車体搬送方向上流側に延出する第一支持アーム(例えば実施例の支持ロッド43)に支持されて前記ドアの閉止速度を検出するドア閉止速度検出手段(例えば実施例のレーザ距離センサ52)と、前記支持枠体の車体搬送方向下流側で車体側に延出する第二支持アーム(例えば実施例の支持ロッド33)に支持されて前記ドアの閉止状態を検出するドア閉止状態検出手段(例えば実施例のレーザ変位センサ36)と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記枠体の車体側上端に昇降手段(例えば実施例の手動ウインチ17)が配設され、前記支持枠体は前記昇降手段により水平に昇降されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記第一支持アームにおける前記ドア閉止速度検出手段よりもさらに先端側に支持されて前記搬送手段の軸線(例えば実施例の軸線P)に対する車体の位置ズレを検出する車体位置ズレ検出手段(例えば実施例のレーザ距離センサ51)と、前記押圧手段から車体搬送方向上流側に延出する第三支持アーム(例えば実施例の支持ロッド70)の先端側に支持されて前記車体の搬送位置を検出する搬送位置検出手段(例えば実施例の超音波センサ72)と、を備えることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記搬送位置検出手段、車体位置ズレ検出手段及びドア閉止状態検出手段の近傍にそれぞれガイドローラ(例えば実施例のガイドローラ61’,61,38)が配設されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1から4の何れか1項に記載のドア閉まり検査装置を車体を搬送する搬送手段の一側に配設して前記搬送手段により搬送された車体のドア閉まりを検査する車体のドア閉まり検査方法であって、前記ドアを開放した状態で搬送される車体の前記押圧手段との間の距離を前記作動タイミング検出手段により検出し、前記制御手段は、前記作動タイミング検出手段の検出結果が予め設定された距離となった時点で前記押圧手段を作動させて前記ドアを押圧すると共に、該押圧により閉止されるドアの閉止速度を前記ドア閉止速度検出手段により計測し、前記ドア閉止速度検出手段により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御手段が判断した場合には、異常である旨を報知し、前記データが閾値内であれば、次いで閉止されたドアと車体との間の段差を前記ドア閉止状態検出手段により計測し、前記ドア閉止状態検出手段により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御手段が判断した場合には、異常である旨を報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載した発明によれば、制御手段、押圧手段、作動タイミング検出手段、ドア閉止速度検出手段、ドア閉止状態検出手段を備えるドア閉まり検査装置を構成することで、当該装置を搬送手段の両側に設置するのみで車体両側のドアの閉まり検査をそれぞれ行うことができ、かつその設置スペースを抑えることができる。また、当該装置を所定位置に移動した後、支持枠体を昇降させて押圧手段の高さを調整し、かつ該押圧手段を垂直軸回りに回動させてその角度を調整することで、ドア閉止装置である押圧手段をドアに対して容易かつ正確に位置決めできる。さらに、押圧手段とは別にドア閉止速度検出手段を備えることで、押圧手段の作動速度によらず実際のドア閉止速度を正確に保証することができる。
請求項2に記載した発明によれば、支持枠体を水平に昇降させて押圧手段の高さを調整した後、該押圧手段を垂直軸回りに回動させてその角度を調整することが可能となり、ドア閉止装置である押圧手段をドアに対してより正確に位置決めできる。
請求項3に記載した発明によれば、ドア閉止速度検出手段や押圧手段よりも搬送方向上流側において搬送手段の軸線に対する車体の位置ズレ及び車体の搬送位置を検出することが可能となり、その検出結果(車体のズレ量及び搬送位置)に応じて押圧手段の作動タイミング等を補正可能となって、車体の位置ズレ等に起因するドア閉止不良の発生を抑えることができる。
請求項4に記載した発明によれば、車体の位置ズレ等に起因して開放状態にあるドアが搬送位置検出手段、車体位置ズレ検出手段及びドア閉止状態検出手段に接触しそうになっても、これらの近傍に配設されたガイドローラがドアに先当たりしてこれを閉動させることが可能となり、ドアや当該装置の損傷を抑えることができる。
請求項5に記載した発明によれば、ドア閉止速度検出手段により実際のドア閉止速度を正確に保証できると共に、ドア閉止速度が閾値から外れた場合や、閉止されたドアと車体との間の段差が閾値から外れた場合には、その旨を速やかに周囲に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例における搬送コンベア右側に配設されるドア閉まり検査装置の斜視図である。
【図2】上記ドア閉まり検査装置を搬送方向上流側から見た側面図である。
【図3】上記ドア閉まり検査装置を上方から見た平面図である。
【図4】上記ドア閉まり検査装置を右方から見た背面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】図1のB−B断面図である。
【図7】図3のE−E断面図である。
【図8】図3のF−F断面図である。
【図9】図3のG−G断面図である。
【図10】図3のH−H矢視図である。
【図11】図3のJ−J断面図である。
【図12】図3のK−K矢視図である。
【図13】上記ドア閉まり検査装置の電動アクチュエータの要部説明図である。
【図14】上記ドア閉まり検査装置の脚部の説明図である。
【図15】上記ドア閉まり検査装置の第一作動説明図である。
【図16】上記ドア閉まり検査装置の第二作動説明図である。
【図17】上記ドア閉まり検査装置の第三作動説明図である。
【図18】上記ドア閉まり検査装置の第四作動説明図である。
【図19】上記ドア閉まり検査装置の第五作動説明図である。
【図20】上記ドア閉まり検査装置の第六作動説明図である。
【図21】上記ドア閉まり検査装置を用いた完成車検査ラインの要部説明図である。
【図22】上記完成車検査ラインのレーザ変位センサの測定結果を示すグラフであり、縦軸は車体外側面までの距離、横軸は車体搬送距離をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。
まず、図21を参照し、自動車生産時の完成車検査ラインの要部の概略について説明する。図21は前記完成車検査ラインの要部の上面図であり、本図に示すように、組み立ての完了した完成車Cの車体Wは、搬送コンベアCVに搬送されつつ完成車検査ラインをその上流側(図中左側)から後流側(下流側、図中右側)への一方向に移動する。
【0010】
完成車Cは、その前後方向(車体Wの長さ方向)を搬送コンベアCVの搬送方向に沿わせると共に、車両前方(図中矢印FRで示す)を搬送方向後流側に向けた状態で搬送される。完成車検査ラインには、ドア閉まり検査装置100を用いて完成車C両側のサイドドア(以下、単にドアという)Dの車体Wに対する閉まり性の検査を行うドア閉まり検査工程が含まれ、該ドア閉まり検査工程の前記コンベアCVを挟んだ両側の互いに対称となる位置には、一対のドア閉まり検査装置100が配設される。なお、搬送コンベアCVの長さ方向(搬送方向)に沿う中心軸線を符号Pで示す。
【0011】
ドア閉まり検査工程に搬送される完成車Cは、その上流側に隣接する工程での検査終了後、各ドアDをその前端側で上下に延びるヒンジ軸回りに開放した状態で、次工程であるドア閉まり検査工程に搬送される。このときの各ドアDの開放位置(角度)は、それぞれのドアチェッカーの一段目の開放停止位置とされる。すなわち、各ドアDは、車種毎に規定された開放位置を維持した状態でドア閉まり検査工程に搬送される。なお、前記ドアチェッカーは、ドアヒンジ近傍に設けられて所定のドア開放位置を維持すると共にドア開閉節度感を発生させる周知のものである。
【0012】
そして、前記ドア閉まり検査装置100の超音波センサ72がドア閉まり検査工程への完成車Cの搬入を検出すると共に、レーザ距離センサ31が開放されたドアDに押圧力(閉止力)を作用させるための電動アクチュエータ23の作動タイミングを検出し、該タイミングにて電動アクチュエータ23を作動させてドアDの閉止動作(閉動)を行うと共に、レーザ距離センサ52にて前記ドアDの閉止速度を検出する。
【0013】
その後、レーザ変位センサ36にて完成車Cの車体W外側面との間の距離を閉止動作後のドアDの開放端を前後に跨いで連続的に測定する。このときの測定結果(図22参照)におけるドアD外側面までの距離(図中DOORLNE)が公差範囲内にあれば、前記閉止動作でドアDが完全に閉止したものと判断され、前記距離が公差範囲外にあれば、前記閉止動作後のドアDが半ドア状態であると判断される。このように、所定の閉止動作でのドア閉まり性の検査が自動で行われる。
【0014】
以下、搬送コンベア右側のドア閉まり検査装置100について説明を行うが、コンベア左側のものは左右対称の構成を有するものとする。また、説明都合状、図中矢印FRは搬送コンベアの搬送方向後流側を、矢印LHは左方(コンベア側)を、矢印UPは上方をそれぞれ示すものとする。
【0015】
図1,3を参照し、ドア閉まり検査装置100は、平面視(上面視)長方形状をなす基枠1の左長辺の両端部の上方に角支柱2が立設され、基枠1の前後両短辺の中間部の互いに対向する位置の上方に中間支柱3が立設される。これら両中間支柱3と基枠1の両短辺の後部とに支持されるように、正面視長方形状をなすボックス状の制御盤4が起立状態で配設される(図2,4参照)。
【0016】
前記一対の角支柱2の下端部の前後外側面及び制御盤4の下端部の前後外側面には、それぞれ走行ローラ5を軸支するブラケット6が取り付けられる。
【0017】
図14を併せて参照し、基枠1の四隅内側には、レベルフット用の基板80が固設され、該基板80に穿設されたネジ孔に棒ネジ部材81が螺合されると共に、該棒ネジ部材81の下端部には保持部82が配設され、各棒ネジ部材81を回動させて保持部82を接地させると共に前記走行ローラ5の接地を解除することで、ドア閉まり検査装置100が基枠1四隅の保持部82により所定位置にて位置決め固定される。一方、各棒ネジ部材81を逆転させて保持部82の接地を解除すると共に走行ローラ5を接地させることで、該各走行用ローラ5にてドア閉まり検査装置100が移動自在となる。
【0018】
図1,6を参照し、前記一対の角支柱2は、左右に長い断面長方形状をなす角柱状の鋼材からなり、前記長方形状の前後両長辺部分の中間部の互いに対向する二箇所には、角支柱2の長さ方向に沿うガイド溝7がそれぞれ刻設される。
【0019】
角支柱2には、例えば帯状鋼板を平面視長方形状に屈曲成形してなる昇降部材8が昇降自在に装着される。昇降部材8の前記長方形状の左右両短辺部の内側には、角支柱2の左右両短辺部に転接するガイドローラ9が軸支される。なお、符号9aはガイドローラ9の支持軸を示す。昇降部材8の前後両長辺部の前記各ガイド溝7に対向する部位には、該各ガイド溝7内に挿入されるガイドピン10がそれぞれ立設される。
【0020】
図1を参照し、前後昇降部材8間(前後角支柱2間)には、前後に長い平面視長方形状をなす昇降枠体11が支持される。
昇降枠体11は、その前後左右辺を構成する四本の枠柱11a,11b,11c,11dと、左右枠柱11b,11dの中間部同士を連結する一対の支柱20とを一体に有してなる。
【0021】
図5を併せて参照し、各枠柱11a〜11d及び各支柱20は、断面正方形状をなす同一の角柱状の鋼材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、それぞれの長さ方向に沿うガイド溝21が刻設される(図5参照)。なお、図5は後枠柱11cの断面を示すが、他の枠柱11a,11b,11d及び各支柱20も同様の断面を有するものとする。
【0022】
図1,3を参照し、昇降枠体11の左半分(コンベアCV側の半分)は角支柱2よりもコンベアCV側に突出し、この突出側が自動車のドア閉まり検査時に車体Wに面する側となる。
角支柱2及び中間支柱3の上端部は、平面視で後方に開放するコ字型の上端枠体12により連結される。上端枠体12上には支持板13が配設され、該支持板13上にはディスプレイ14、パトライト15、閉速度表示装置16が配設される。以下、基枠1、角支柱2、中間支柱3、上端枠体12からなる構造体を枠体1Aということがある。
【0023】
上端枠体12の左枠柱12aの中間部下面には手動ウインチ17が配設され、該手動ウインチ17から左右に繰り出されたワイヤ部材19が、それぞれ角支柱2の上部に配設されたガイドローラ18を巻回して下方に案内され、その先端部を前記昇降部材8に連結する(図6参照)。なお、手動ウインチ17に代わる電動ウインチを用いてもよい。
昇降枠体11の各支柱20の前部上面には支持プレート22が固設され、この支持プレート22に電動アクチュエータ23が垂直軸回りに回動可能かつ該回動を固定可能にボルト83及びナット84の螺合により軸支される。
【0024】
図7,13を併せて参照し、電動アクチュエータ23は、例えばロッド29のストロークの速度を制御可能なリニアシリンダであり、平面視長方形状のボックス状のハウジング23a内に保持される。前記ロッド29の先端部にはピボット軸受(球面(ボール)ジョイント)30aを介して押圧パット30が取り付けられる。押圧パット30はロッド29の軸方向と略直交する円盤状をなし、通常時(ドアDとの非接触時)には自重によりその前面を垂直状態からややうつむけるように前傾させる。
【0025】
ハウジング23aの上面にはロッド29と平行なスリット孔24が形成され、該スリット孔24にはその長手方向で摺動可能なガイドピン39が挿通される。ガイドピン39は一端に頭部を有する雄ネジ部材からなり、前記スリット孔24にその下方から挿通され、そのスリット孔24上方への突出部分はハウジング23a上方に配設されたL字ステー25の一側片を貫通して上方に突出する。この突出部分にナット40を螺合することで、ハウジング23aとL字ステー25の一側片とが締結可能となる。
【0026】
一方、L字ステー25後側の他側片には、昇降枠体11の車体Wに面する側である左枠柱11d外側のガイド溝21に挿通、係合されたガイドピン27の先端側が挿通されて前方に突出する。ガイドピン27は一端に頭部を有する雄ネジ部材からなり、該ガイドピン27の前記他側片からの突出部分にナット28を螺合することで、L字ステー25の他側片と左枠柱11dとが締結可能となる。
【0027】
これにより、L字ステー25及びハウジング23aを介して電動アクチュエータ23が左枠柱11dに位置決め支持される。一方、各ガイドピン27,39の締結を緩めれば、ハウジング23a、L字ステー25及び左枠柱11dが相対移動可能となって電動アクチュエータ23が垂直軸回りに回動可能となる。
【0028】
電動アクチュエータ23は、自動車のドア閉まり検査時において、搬送コンベアCVによって搬送される完成車C(車体W)のドアチェッカーの一段目に開放されたドアDの外側面におけるアウタハンドルH位置の真下を押圧面とするように、該押圧面をロッド29が直交方向で指向するように昇降枠体11に位置決め保持される。
【0029】
図1,3を参照し、電動アクチュエータ23のハウジング23aの車体搬送方向下流側の側面には、前記ロッド29の延長方向にある対象物との間の距離を測定するレーザ距離センサ31がロッド29と平行に配設される。
また、前記昇降枠体11の左枠柱11dにおける電動アクチュエータ23よりも車体搬送方向下流側の下面には、左右方向に沿う支持ロッド33が前後左右に移動可能に取り付けられる。
【0030】
図9を併せて参照し、支持ロッド33は、昇降枠体11の各枠柱11a〜11dと同様の構成を有する。すなわち、支持ロッド33は、断面正方形状をなす角柱状の鋼材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、支持ロッド33の長さ方向に沿うガイド溝34が刻設される。この支持ロッド33が、左右L字ステー32、ガイドピン35,27及びナット41,28を介して、左枠柱11dに位置決め支持される。ガイドピン35,27は互いに同様の構成を有する。
【0031】
支持ロッド33上面のガイド溝34には左右一対のガイドピン35が挿通、係合され、該各ガイドピン35が支持ロッド33上方に配設された左右L字ステー32下側の一側片を貫通してその上方に突出する。この突出部分にナット41を螺合することで、支持ロッド33と左右L字ステー32の一側片とが締結可能となる。
一方、左右L字ステー32上側の他側片には、左枠柱11d前後のガイド溝21に挿通、係合されたガイドピン27の先端側が挿通されて左右に突出し、該突出部分にそれぞれナット28を螺合することで、左右L字ステー32の他側片と左枠柱11dとが締結可能となる。ガイドピン35は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
【0032】
これにより、各ガイドピン35,27の締結を緩めれば、支持ロッド33が自身のガイド溝34に沿って(車体Wの搬送コンベアCVの中心軸線Pと直交する方向(左右方向)に沿って)移動可能となり、かつ支持ロッド33が左枠柱11dのガイド溝21に沿って(前記搬送コンベアCVの中心軸線Pと平行な方向(前後方向)に沿って)移動可能となる。
【0033】
図1,3を参照し、支持ロッド33の左端部下面には、車体Wの搬送コンベアCVの中心軸線Pに対して直角にレーザを照射してその照射方向にある対象物との間の距離を測定するレーザ変位センサ36が配設される。また、支持ロッド33の左端部両側には、その左方に斜めに延びる前後一対のコ字型ステー37を介して前後一対のガイドローラ38が軸支される。
【0034】
昇降枠体11の後枠柱11aの右側部上面には、前後方向に沿う支持ロッド43が前後左右に移動可能に取り付けられる。
図10を併せて参照し、支持ロッド43は、昇降枠体11の各枠柱11a〜11dと同様の構成を有する。すなわち、支持ロッド43は、断面正方形状の角柱状の鋼材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、支持ロッド43の長さ方向に沿うガイド溝46が刻設される。
【0035】
図8を併せて参照し、支持ロッド43は、前後L字ステー42、ガイドピン45,47及びナット49,50を介して後枠柱11aに位置決め支持される。
支持ロッド43下面のガイド溝46には前後一対のガイドピン47が挿通、係合され、該各ガイドピン47が支持ロッド43の下方に配設された前後L字ステー42上側の一側片を貫通してその下方に突出する。この突出部分にナット50を螺合することで、支持ロッド43と前後L字ステー42の一側片とが締結可能となる。
【0036】
一方、前後L字ステー42下側の他側辺には、後枠柱11a前後のガイド溝44に挿通、係合されたガイドピン45の先端側が挿通されて前後に突出し、該突出部分にそれぞれナット49を螺合することで、前後L字ステー42の他側片と後枠柱11aとが締結可能となる。ガイドピン45,47は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
【0037】
これにより、各ガイドピン45,47の締結を緩めれば、支持ロッド43が自身のガイド溝46に沿って前後に移動可能となり、かつ支持ロッド43が後枠柱11aのガイド溝44に沿って左右に移動可能となる。
【0038】
図1,3,10を参照し、支持ロッド43の後端部下面には、搬送コンベアCVの中心軸線Pに対して直角にレーザを照射してその照射方向にある対象物との間の距離を測定するレーザ距離センサ51が配設される。また、支持ロッド43の後端部両側には、その後方に斜めに延びる左右一対のコ字型ステー58を介して、左右一対のガイドローラ61が軸支される。
さらに、支持ロッド43の中間部下面には、搬送コンベアCVの中心軸線Pと交差するように(略直交するように)レーザを照射してその照射方向にある対象物との間の距離を測定する第二レーザ距離センサ52が配設される。
【0039】
以下、図10を参照してレーザ距離センサ51の支持構造について説明するが、第二レーザ距離センサ52の支持構造も同様とする。
支持ロッド43上面のガイド溝46には、その上方に配設されたクランク状ステー53の一側片の下方に突設されたガイドピン54が挿通、係合される。また、支持ロッド43右側面のガイド溝46には、ガイドピン55の一側が挿通、係合され、該ガイドピン55の他側が支持ロッド43右方に配設されたクランク状ステー53の中間片を貫通してその右方に突出し、該突出部分にナット55aを螺合することで、支持ロッド43とクランク状ステー53の中間片とが締結可能となる。
【0040】
さらに、クランク状ステー53下側の他側片には、その下方に配設されたレーザ距離センサ51の上方に突設されたガイドピン56が挿通されて上方に突出し、該突出部分にナット57を螺合することで、クランク状ステー53の他側片とレーザ距離センサ51とが締結可能となる。
【0041】
これにより、ガイドピン56の締結を緩めれば、レーザ距離センサ51を垂直軸回りに回動可能となり、かつガイドピン55の締結を緩めれば、レーザ距離センサ51を支持ロッド43の長さ方向に沿って前後に移動可能となる。通常、各レーザ距離センサ51,52は、搬送コンベアCVの中心軸線Pに対して直角にレーザを照射するように配置されている。
【0042】
また、支持ロッド43後端部の左右両側のガイド溝46には、それぞれガイドピン59が挿通、係合され、該各ガイドピン59がそれぞれ前記コ字状ステー58の底部を貫通してその内側に突出し、該突出部分にナット60を螺合することで、支持ロッド43と各コ字状ステー58の底部とが締結可能となる。なお、ガイドピン59,55は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
【0043】
これにより、支持ロッド43の後端部に各ローラ61がコ字状ステー58を介して位置決め支持されると共に、各ガイドピン59の締結を緩めれば、各ローラ61を支持ロッド43の長さ方向に沿って移動可能となる。なお、前記支持ロッド33左端部の各ローラ38も同様の構成により、支持ロッド33の左端部にコ字状ステー37を介して位置決め支持され、かつ支持ロッド33の長さ方向に沿って移動可能とされる。
【0044】
図1,3を参照し、車体搬送方向上流側(後側)の角支柱2の中間部には、前後方向に沿う支持ロッド62が前後かつ上下に移動可能に位置決め支持される。
図11を併せて参照し、支持ロッド62は、昇降枠体11の各枠柱11a〜11dと同様の構成を有する。すなわち、支持ロッド62は、断面正方形状をなす角柱状の鋼材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、支持ロッド62の長さ方向に沿うガイド溝65が刻設される。この支持ロッド62が、上下L字ステー63、ガイドピン66,67及びナット68,69を介して角支柱2に位置決め支持される。
【0045】
角支柱2左側面のガイド溝64には上下一対のガイドピン67が挿通、係合され、該各ガイドピン67が支持ロッド62の上下に配設された上下L字ステー63右側の一側片を貫通してその左方に突出し、該突出部分にナット69を螺合することで、角支柱2と上下L字ステー63の一側片とが締結可能となる。
【0046】
一方、上下L字ステー63後側の他側片には、支持ロッド62の上下ガイド溝65に挿通、係合されたガイドピン66の先端側が挿通されて突出し、該突出部分にナット68を螺合することで、上下L字ステー63の他側片と角支柱2とが締結可能となる。各ガイドピン66,67は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
これにより、各ガイドピン66,67の締結を緩めれば、支持ロッド62が自身の長さ方向に沿って移動可能となり、かつ支持ロッド62が角支柱2の長さ方向に沿って移動可能となる。なお、支持ロッド62の後端部前側には、前記支持ロッド43と同様のローラ支持構造により、コ字状ステー58’を介してローラ61’が位置決め支持される。ローラ61’は、支持ロッド62の高さを調整することで、超音波センサ72の近傍に配設可能である(図3参照)。
【0047】
図1,2,3を参照し、電動アクチュエータ23の下面には、そのロッド29に対して直角かつ水平となるように車体搬送方向上流側(左方)に斜めに延びる支持ロッド70が設けられる。
図12を参照し、支持ロッド70は昇降枠体11の各枠柱11a〜11dと同様の構成を有する。すなわち、支持ロッド70は、断面正方形状の角柱状の部材からなり、前記正方形状の四面の略中央には、支持ロッド70の長さ方向に沿うガイド溝73が刻設される。この支持ロッド70が電動アクチュエータ23の下面に位置決め支持されている。
【0048】
支持ロッド70の先端部(後端部)下側には、下方に延びるコ字状ステー71を介して超音波センサ72が保持される。超音波センサ72は電動アクチュエータ23のロッド29の延長方向にある対象物との間の距離を測定するもので、該超音波センサ72がロッド29と平行に配設される。
【0049】
支持ロッド70下側のガイド溝73にはガイドピン74が挿通、係合され、該ガイドピン74が支持ロッド70下方に配設されたコ字状ステー71の底部を貫通してその内側に突出し、該突出部分にナット75を螺合することで、支持ロッド70とコ字状ステー71の底部とが締結可能となる。ガイドピン74は前記ガイドピン27と同様の構成を有する。
【0050】
これにより、支持ロッド70の後端部に超音波センサ72がコ字状ステー71を介して位置決め支持されると共に、ガイドピン74の締結を緩めれば、超音波センサ72を垂直軸回りに回動可能かつ支持ロッド70の長さ方向に沿って移動可能となる。
【0051】
このような構成のドア閉まり検査装置100により完成車Cのドア閉まり検査を行う際は、まず、図15〜20に示すように、ドア閉まり検査装置100の平面視長方形状の基枠1の長辺が車体Wの搬送コンベアCVの軸線Pと平行となるように、前記走行ローラ5を接地させて検査装置100を移動させる。
【0052】
このとき、電動アクチュエータ23のロッド29が搬送コンベアCVによって搬送される車体Wの開放されたドアDの外側面におけるドアアウタハンドルH位置の真下の押圧面を指向し、かつロッド29先端の押圧パット30と前記押圧面との間隔が所定距離(例えば150mm)となるように、手動ウインチ17により昇降枠体11を昇降させ、かつ前記ボルト83回りに電動アクチュエータ23の回動角度を調整する。なお、前記ドアDはドアチェッカーの一段目に開放された状態にあるものとする。
【0053】
このように電動アクチュエータ23を位置決め支持した状態で、前記レベルフットの棒ネジ部材81を回動させて保持部82を接地させ、該保持部82によりドア閉まり検査装置100を位置決めする。
【0054】
また、上述の如くドア閉まり検査装置100を位置決めした状態で、支持ロッド43に支持されたレーザ距離センサ52によりドアDの閉止速度を測定できるように該レーザ距離センサ52の位置を調整する。すなわち、レーザ距離センサ52の垂直軸回りの回動角度及び支持ロッド43の長さ方向での位置を調整する。
【0055】
上記位置決めは各車種に対して予め行うこととなるが、このとき、レベルフットの保持部82の接地位置をマーキングし、かつ電動アクチュエータ23の例えば左枠柱11dに対する位置や角度を該左枠柱11dにマーキングし、さらにはレーザ距離センサ52の支持ロッド43に対する位置や角度を該支持ロッド43にマーキングしておくことで、以降のドア閉まり検査装置100の位置決め並びに電動アクチュエータ23及びレーザ距離センサ52の位置決めを簡単に行うことができる。
【0056】
次いで、支持ロッド70に支持された超音波センサ72が、搬送コンベアCVによって搬送される車体Wの開放されたドアDの外側面の開放端を検出したときに、支持ロッド43に支持されたレーザ距離センサ51がドアDを除く車体Wの外側面(例えばセンターピラーの外側面)を略直交方向外側から指向するように、超音波センサ72及びレーザ距離センサ51の位置をそれぞれ調整する。
【0057】
次いで、支持ロッド70に支持されたレーザ距離センサ52が搬送コンベアCVによって搬送される車体Wの開放されたドアDの閉止速度を測定できるように、該レーザ距離センサ52の位置を開放されたドアDの外側面を略直交方向外側から指向するように調整する。
【0058】
この位置決めも上記同様、各車種に対して予め行うこととなるが、このとき、超音波センサ72及び各レーザ距離センサ51,52の各支持ロッド43,70に対する位置や角度を該各支持ロッド43,70にマーキングしておくことで、以降の超音波センサ72及び各レーザ距離センサ51,52の位置決めを簡単に行うことができる。
【0059】
このようにドア閉まり検査装置100を位置決めした状態で、自動車のドア閉まり検査を開始すると、まず、図15に示すように、搬送コンベアCVにより車体Wが搬送されてきた際、超音波センサ72が開放されたドアDの外側面の基端を検出し、かつ該車体Wがさらに搬送されて図16に示す位置にくると、超音波センサ72が開放されたドアDの外側面の開放端を検出する。これと同時に、レーザ距離センサ51が車体Wのセンターピラーとの間の距離を測定し、この測定結果が制御盤4に送信される。
【0060】
制御盤4では、上記測定結果を基に、搬送コンベアCVの中心軸線Pと車体Wの長さ方向の軸線とのズレ量を検出し、該ズレ量が予め設定された閾値内にない場合には、正確なスピードでドアDを閉止することができないと判断すると共に、ドア閉まり検査装置100にドアDが衝突する虞があると判断して、パトライト15を点灯させると共に警報を鳴動させる等して作業者に知らせる。
【0061】
またこのとき、各支持ロッド33,43,62の先端部に配設されたガイドローラ38,61,61’により、ドア閉まり検査装置100の各レーザ距離センサ36,51並びに超音波センサ72に対する前記開放されたドアDの干渉が防止される。すなわち、前記ガイドローラ38,61,61’が各センサ36,51,72に先んじて前記開放されたドアDに接触することで、該ドアDが車体W側に閉動して各センサ36,51,72との干渉が防止される。
【0062】
さらに車体Wが搬送されて該車体Wとドア閉まり検査装置100とが図17に示す位置関係になると、レーザ距離センサ31が前記開放されたドアDの外側面の基端との間の距離を検出する。なお、前記基端は前記アウタハンドルH位置の真下の押圧面と同一高さにある。
【0063】
さらに車体Wが搬送されて該車体Wとドア閉まり検査装置100とが図18に示す位置関係になり、レーザ距離センサ31と前記押圧面との間の距離が予め定められた前記所定距離(例えば150mm)になった時点で、電動アクチュエータ23が作動してロッド29を突出させ、前記開放されたドアDの閉動を行う。
【0064】
なお、前記レーザ距離センサ51により車体Wのズレ量が検出された場合は、例えば前記所定距離である150mmに前記ズレ量に基づく補正を施し、該補正された距離となった時点で電動アクチュエータ23を作動させる。
【0065】
電動アクチュエータ23は、押圧パット30が押圧面に接触するまではロッド29のストローク速度を低速(例えば20mm/sec)とし、前傾状態にある押圧パット30の前端が押圧面に接触し緩やかに傾動してその前面を押圧面に全面的に当接させた後には、ロッド29のストローク速度を上げるよう(例えば190mm/sec)にしてドアDの閉動を行う。このストローク速度の切り替えタイミングも、予め設定されたタイミングに前記ズレ量に基づく補正を施すことで決定される。
【0066】
図19を参照し、電動アクチュエータ23による実際のドア閉止速度は、前記レーザ距離センサ52により計測される。具体的には、前記電動アクチュエータ23がドアDの閉動を開始し、該電動アクチュエータ23のロッド29が伸びきって押圧パット30のドアDへの当接が解除された以降、ドアDが全閉するまでの間の時系列の二点におけるドアDとレーザ距離センサ52との間の距離を制御盤4で計測し、実際のドア閉止速度を求める。求められたドア閉止速度は速度表示装置16に表示され、このドア閉止速度が予め設定した閾値を外れた場合には、パトライト15を点灯させると共に警報を鳴動させる等して作業者に検査不良であることを連絡する。
【0067】
そして、ドアDの閉動が完了すると、制御盤4のタイマーが作動し、所定の時間経過後にレーザ変位センサ36が車体W外側面との間の距離を測定する。前記所定の時間経過後の車体Wとドア閉まり検査装置100との位置関係を示したものが図20であり、本図に示すように、レーザ変位センサ36は、車体W外側面との間の距離をドアD外側面における開放端を前後に跨いで連続的に測定する。
【0068】
制御盤4は、予めインプットされたデータと上記測定データとの比較を行い、その差異が公差範囲内にあるか否か(閾値未満か否か)により、前記電動アクチュエータ23の作動でドアDが完全に閉止したか否かを判断する。前記差異が閾値以上の場合にはドア閉まり不良と判断し、パトライト15を点灯させると共に警報を鳴動させて作業者にドア閉止不良であることを連絡する。
【0069】
以上説明したように、上記実施例におけるドア閉まり検査装置100は、搬送コンベアCVにより搬送される車体Wのドア閉まりを検査するべく前記搬送コンベアCVの一側に配置されるものであって、枠体1Aの前記車体Wと反対側に配設される制御盤4と、前記枠体1Aの車体W側に配設される昇降枠体11と、前記昇降枠体11に垂直軸回りに回動可能に支持されて車体W方向に押圧力を作用させる電動アクチュエータ23と、前記電動アクチュエータ23の車体搬送方向下流側の側面に配設されて該電動アクチュエータ23の作動タイミングを検出するレーザ距離センサ31と、前記昇降枠体11の車体Wと反対側で車体搬送方向上流側に延出する支持ロッド43に支持されて前記ドアDの閉止速度を検出するレーザ距離センサ52と、前記昇降枠体11の車体搬送方向下流側で車体W側に延出する支持ロッド33に支持されて前記ドアDの閉止状態を検出するレーザ変位センサ36と、を備えるものである。
【0070】
この構成によれば、制御盤4、電動アクチュエータ23、レーザ距離センサ31、レーザ距離センサ52、レーザ変位センサ36を備えるドア閉まり検査装置100を構成することで、当該装置を搬送コンベアCVの両側に設置するのみで車体W両側のドアDの閉まり検査をそれぞれ行うことができ、かつその設置スペースを抑えることができる。また、当該装置を所定位置に移動した後、昇降枠体11を昇降させて電動アクチュエータ23の高さを調整し、かつ該電動アクチュエータ23を垂直軸回りに回動させてその角度を調整することで、ドア閉止装置である電動アクチュエータ23をドアDに対して容易かつ正確に位置決めできる。さらに、電動アクチュエータ23とは別にレーザ距離センサ52を備えることで、電動アクチュエータ23の作動速度によらず実際のドア閉止速度を正確に保証することができる。
【0071】
また、上記ドア閉まり検査装置100においては、前記枠体1Aの車体W側上端に手動ウインチ17が配設され、前記昇降枠体11は前記手動ウインチ17により水平に昇降されることで、昇降枠体11を水平に昇降させて電動アクチュエータ23の高さを調整した後、該電動アクチュエータ23を垂直軸回りに回動させてその角度を調整することが可能となり、ドア閉止装置である電動アクチュエータ23をドアDに対してより正確に位置決めできる。
【0072】
さらに、上記ドア閉まり検査装置100においては、前記支持ロッド43における前記レーザ距離センサ52よりもさらに先端側に支持されて前記搬送コンベアCVの軸線Pに対する車体Wの位置ズレを検出するレーザ距離センサ51と、前記電動アクチュエータ23から車体搬送方向上流側に延出する支持ロッド70の先端側に支持されて前記車体Wの搬送位置を検出する超音波センサ72と、を備えることで、レーザ距離センサ52や電動アクチュエータ23よりも搬送方向上流側において搬送コンベアCVの軸線に対する車体Wの位置ズレ及び車体Wの搬送位置を検出することが可能となり、その検出結果(車体Wのズレ量及び搬送位置)に応じて電動アクチュエータ23の作動タイミング等を補正可能となって、車体Wの位置ズレ等に起因するドア閉止不良の発生を抑えることができる。
【0073】
さらに、上記ドア閉まり検査装置100においては、前記超音波センサ72、レーザ距離センサ51及びレーザ変位センサ36の近傍にそれぞれガイドローラ61’,61,38が配設されることで、車体Wの位置ズレ等に起因して開放状態にあるドアDが超音波センサ72、レーザ距離センサ51及びレーザ変位センサ36に接触しそうになっても、これらの近傍に配設されたガイドローラ61’,61,38がドアDに先当たりしてこれを閉動させることが可能となり、ドアDや当該装置の損傷を抑えることができる。
【0074】
ここで、上記実施例におけるドア閉まり検査方法は、上記ドア閉まり検査装置100を車体Wを搬送する搬送コンベアCVの一側に配設して前記搬送コンベアCVにより搬送された車体Wのドア閉まりを検査するものであって、前記ドアDを開放した状態で搬送される車体Wの前記電動アクチュエータ23との間の距離を前記レーザ距離センサ31により検出し、前記制御盤4は、前記前記レーザ距離センサ31の検出結果が予め設定された距離となった時点で前記電動アクチュエータ23を作動させて前記ドアDを押圧すると共に、該押圧により閉止されるドアDの閉止速度を前記レーザ距離センサ52により計測し、前記レーザ距離センサ52により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御盤4が判断した場合には、異常である旨を報知し、前記データが閾値内であれば、次いで閉止されたドアDと車体Wとの間の段差を前記レーザ変位センサ36により計測し、前記レーザ変位センサ36により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御盤4が判断した場合には、異常である旨を報知するものである。
【0075】
この構成によれば、上記した各作用効果に加え、レーザ距離センサ52により実際のドア閉止速度を正確に保証できると共に、ドア閉止速度が閾値から外れた場合や、閉止されたドアDと車体Wとの間の段差が閾値から外れた場合には、その旨を速やかに周囲に報知することができる。
【0076】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、部品構成や構造、形状、大きさ、数及び配置等を含め、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0077】
CV 搬送コンベア(搬送手段)
P 軸線
W 車体
1A 枠体
4 制御盤(制御手段)
11 昇降枠体(支持枠体)
17 手動ウインチ(昇降手段)
31 レーザ距離センサ(作動タイミング検出手段)
33 支持ロッド(第二支持アーム)
36 レーザ変位センサ(ドア閉止状態検出手段)
38,61,61’ ガイドローラ
43 支持ロッド(第一支持アーム)
51 レーザ距離センサ(車体位置ズレ検出手段)
52 レーザ距離センサ(ドア閉止速度検出手段)
70 支持ロッド(第三支持アーム)
72 超音波センサ(搬送位置検出手段)
100 ドア閉まり検査装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段により搬送される車体のドア閉まりを検査するべく前記搬送手段の一側に配置される車体のドア閉まり検査装置であって、
枠体に配設される制御手段と、
前記枠体の車体側に配設される支持枠体と、
前記支持枠体に垂直軸回りに回動可能に支持されて車体方向に押圧力を作用させる押圧手段と、
前記押圧手段の車体搬送方向上流側又は下流側の側面に配設されて該押圧手段の作動タイミングを検出する作動タイミング検出手段と、
前記支持枠体の車体搬送方向上流側に延出する第一支持アームに支持されて前記ドアの閉止速度を検出するドア閉止速度検出手段と、
前記支持枠体の車体搬送方向下流側で車体側に延出する第二支持アームに支持されて前記ドアの閉止状態を検出するドア閉止状態検出手段と、
を備えることを特徴とする車体のドア閉まり検査装置。
【請求項2】
前記枠体の車体側上端に昇降手段が配設され、前記支持枠体は前記昇降手段により水平に昇降されることを特徴とする請求項1に記載の車体のドア閉まり検査装置。
【請求項3】
前記第一支持アームにおける前記ドア閉止速度検出手段よりもさらに先端側に支持されて前記搬送手段の軸線に対する車体の位置ズレを検出する車体位置ズレ検出手段と、
前記押圧手段から車体搬送方向上流側に延出する第三支持アームの先端側に支持されて前記車体の搬送位置を検出する搬送位置検出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体のドア閉まり検査装置。
【請求項4】
前記搬送位置検出手段、車体位置ズレ検出手段及びドア閉止状態検出手段の近傍にそれぞれガイドローラが配設されることを特徴とする請求項3に記載の車体のドア閉まり検査装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のドア閉まり検査装置を車体を搬送する搬送手段の一側に配設して前記搬送手段により搬送された車体のドア閉まりを検査する車体のドア閉まり検査方法であって、
前記ドアを開放した状態で搬送される車体の前記押圧手段との間の距離を前記作動タイミング検出手段により検出し、
前記制御手段は、前記作動タイミング検出手段の検出結果が予め設定された距離となった時点で前記押圧手段を作動させて前記ドアを押圧すると共に、該押圧により閉止されるドアの閉止速度を前記ドア閉止速度検出手段により計測し、
前記ドア閉止速度検出手段により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御手段が判断した場合には、異常である旨を報知し、
前記データが閾値内であれば、次いで閉止されたドアと車体との間の段差を前記ドア閉止状態検出手段により計測し、
前記ドア閉止状態検出手段により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御手段が判断した場合には、異常である旨を報知することを特徴とする車体のドア閉まり検査方法。
【請求項1】
搬送手段により搬送される車体のドア閉まりを検査するべく前記搬送手段の一側に配置される車体のドア閉まり検査装置であって、
枠体に配設される制御手段と、
前記枠体の車体側に配設される支持枠体と、
前記支持枠体に垂直軸回りに回動可能に支持されて車体方向に押圧力を作用させる押圧手段と、
前記押圧手段の車体搬送方向上流側又は下流側の側面に配設されて該押圧手段の作動タイミングを検出する作動タイミング検出手段と、
前記支持枠体の車体搬送方向上流側に延出する第一支持アームに支持されて前記ドアの閉止速度を検出するドア閉止速度検出手段と、
前記支持枠体の車体搬送方向下流側で車体側に延出する第二支持アームに支持されて前記ドアの閉止状態を検出するドア閉止状態検出手段と、
を備えることを特徴とする車体のドア閉まり検査装置。
【請求項2】
前記枠体の車体側上端に昇降手段が配設され、前記支持枠体は前記昇降手段により水平に昇降されることを特徴とする請求項1に記載の車体のドア閉まり検査装置。
【請求項3】
前記第一支持アームにおける前記ドア閉止速度検出手段よりもさらに先端側に支持されて前記搬送手段の軸線に対する車体の位置ズレを検出する車体位置ズレ検出手段と、
前記押圧手段から車体搬送方向上流側に延出する第三支持アームの先端側に支持されて前記車体の搬送位置を検出する搬送位置検出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車体のドア閉まり検査装置。
【請求項4】
前記搬送位置検出手段、車体位置ズレ検出手段及びドア閉止状態検出手段の近傍にそれぞれガイドローラが配設されることを特徴とする請求項3に記載の車体のドア閉まり検査装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のドア閉まり検査装置を車体を搬送する搬送手段の一側に配設して前記搬送手段により搬送された車体のドア閉まりを検査する車体のドア閉まり検査方法であって、
前記ドアを開放した状態で搬送される車体の前記押圧手段との間の距離を前記作動タイミング検出手段により検出し、
前記制御手段は、前記作動タイミング検出手段の検出結果が予め設定された距離となった時点で前記押圧手段を作動させて前記ドアを押圧すると共に、該押圧により閉止されるドアの閉止速度を前記ドア閉止速度検出手段により計測し、
前記ドア閉止速度検出手段により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御手段が判断した場合には、異常である旨を報知し、
前記データが閾値内であれば、次いで閉止されたドアと車体との間の段差を前記ドア閉止状態検出手段により計測し、
前記ドア閉止状態検出手段により計測されたデータが予め設定された閾値から外れていると前記制御手段が判断した場合には、異常である旨を報知することを特徴とする車体のドア閉まり検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−260482(P2010−260482A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113863(P2009−113863)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(390033916)中央電子計測株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(390033916)中央電子計測株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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