説明

車体の後部構造

【課題】車体後部が衝撃荷重を受けた場合に、衝撃荷重をクロスメンバに十分伝達して、クロスメンバにより衝撃荷重を分散吸収させる機能を発揮できる車体の後部構造を提供する。
【解決手段】車室後部の左右にリアピラ6が配備された車体の後部構造において、各リアピラ6のインナ部材24がリアピラインナ下壁部21と、車両前後方向Xに長いサイドメンバ1の前部と、同前部に端部が対向配備されたクロスメンバ9を締結する2つのボルト締結部D1,D2とを有するようダイカスト成形され、インナ部材24にはサイドメンバ1前部の後端より後方に向けて連続して、後部部材27が嵌合されるサイドメンバ連結部25が形成され、サイドメンバ連結部25に少なくとも後ボルト締結部D2が形成された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の後部構造、特に、車室後部のリアピラとサイドメンバ及びクロスメンバの結合構成を改善できる車体の後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の後部車体は、複数の後部車体構成部材を組み付けて形成される。複数の後部車体構成部材としては、例えば、左右のリアピラ、車室の後席後部の隔壁、左右リアフェンダ、トランクリッド、リアボード等があり、これらがトランクルームを覆う。更に、トランクルームの床部は左右サイドメンバに一体結合されたフロア材により形成され、このフロア材の周縁部は左右のリアピラ等に一体結合されている。
このように後部車体を形成する後部車体構成部材は、従来、板金製が多く、これらは相互に溶接、即ちスポット溶接やアーク溶接によって一体的に結合され、各構成部材の結合によって後部車体の剛性強化が図られている。
【0003】
例えば、図8、9(a)(b)に示すように、車体後部の基枠部は、左右サイドメンバ100(左側のみ示す)にサスクロスメンバ110の両端が締結される。この場合、各サイドメンバ100は逆ハット型の断面形状を採る場合が多く、その断面形状のまま長手方向に連続形成されている。しかも、各サイドメンバ100のフランジf1がフロア120の下面に重合され、相互にスポット溶接されることで剛性強化に適した閉断面構造部が形成されている。
【0004】
ところで、サイドメンバ100の低壁面f2に対してサスクロスメンバ110が前後2点である前後端部130f、130rでそれぞれ締結される場合、次のような構造を採ることとなる。即ち、サイドメンバ100はタイヤハウスTH(図8参照)との対向部分において傾斜し、図9(a)に示すように、湾曲する部分rが存在する。このような湾曲部分rにおいて、サスクロスメンバ110の前端部130fが結合される場合、両者間での傾斜面の精度管理を容易化するためブラケット140が使用される。この場合、ブラケット140内やサイドメンバ100内に袋ナット150が予め溶着される。その袋ナット150にボルト160が螺着されることにより、サスクロスメンバ110の前端部130fがサイドメンバの低壁面f2に締結されることとなる。なお、後端部130rが締結されるサイドメンバの低壁面f2はフラットであるが、この場合、サイドメンバ100内に補強片170を用いて袋ナット150が予め溶着され、袋ナット150にボルト160が螺着されることとなる。
【0005】
なお、このようなクロスメンバをボルトにより左右サイドメンバの低壁に締結した一例が特開2000−103357号公報(引用文献1)に開示される。
【0006】
【特許文献1】特開2000−103357号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、車体後部に過度の衝撃荷重が加わるような場合、乗員保護の上で車室空間の変形を抑制する必要がある。
衝撃荷重が車体後部に加わると、左右サイドメンバ100やフロア材120、不図示の左右リアフェンダに伝達される。この際、左右サイドメンバ100にボルト結合されたサスクロスメンバ110に対して衝撃荷重が伝達され吸収され、更に、左右サイドメンバ100より車体基枠側に衝撃荷重が分散され吸収されることが望ましい。
【0008】
ところが、左右サイドメンバ100にボルト結合されたサスクロスメンバ110の前後端部130f、130rは、上述のようにブラケット140や、袋ナット150を介してサイドメンバ100や補強片170に溶接されている。これらブラケット140や補強片170はそれ自体が薄板であり、過荷重により変形し易い。しかも、これら各溶接箇所はフランジを介し間欠的にスポット溶接される部位が多い。このような結合構造ではスポット溶接箇所が衝撃荷重を受けた際に変形を生じ、左右サイドメンバ100とサスクロスメンバ110が相対変位してしまう。
【0009】
このように、従来の板金製のブラケット140や補強片170を用いて、サスクロスメンバ110が左右サイドメンバ100に締結される構成を採る場合、サスクロスメンバ110が衝撃荷重を分散させ吸収させるという機能を十分に発揮できず、改善が望まれている。
【0010】
本発明は、上述の課題に着目してなされたもので、車体後部が衝撃荷重を受けた場合において、左右サイドメンバに伝達された衝撃荷重をクロスメンバに十分伝達して、クロスメンバにより衝撃荷重を分散吸収させるという機能を十分に発揮させることができる車体の後部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車室後部の左右にリアピラがそれぞれ配備された車体の後部構造において、前記各リアピラのインナ部材が、車室後側部の剛性を確保するリアピラインナ下壁部と、車両前後方向に長いサイドメンバの前部と、同前部に端部が対向配備されたクロスメンバを締結する前後2つのボルト締結部とを一体的に有するようダイカスト成形され、前記インナ部材には前記サイドメンバ前部の後端より後方に向けて連続して、前記サイドメンバの後部を成す後部部材の先端部が嵌合されるサイドメンバ連結部が延設され、前記サイドメンバ連結部に前記前後2つのボルト締結部のうち少なくとも後ボルト締結部が形成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車体の後部構造において、前記インナ部材の前記サイドメンバ前部には前記前後2つのボルト締結部のうちの前ボルト締結部が一体形成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の車体の後部構造において、前記前後2つのボルト締結部には前記クロスメンバを締結する締結ボルトが螺着されるパイプナットが形成されることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の車体の後部構造において、前記後ボルト締結部のパイプナットはその下部が前記サイドメンバ連結部の低壁に溶接され、上端はパイプナットに嵌着された前記後部部材の溶接穴に溶接されたことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の車体の後部構造において、請求項1乃至4のいずれか1つの車体の後部構造において、前記クロスメンバはリアサスペンション構成部材を支持するサスクロスメンバであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の車体の後部構造によれば、各リアピラのインナ部材がリアピラインナ下壁部とサイドメンバ前部と2つのボルト締結部とを一体的に有するようダイカスト成形され、しかもサイドメンバ連結部が延設され、サイドメンバ前部が結合されるので、後方からの衝撃荷重を受けた際に、衝撃荷重の入力部に近いサスクロスメンバが左右のインナロアより衝撃荷重を確実に受けて分散吸収でき、サスクロスメンバより入力部に対して遠い後席クロスメンバやそれに結合された後席隔壁側への衝撃荷重の入力量を低減できる。このため、後席隔壁側の変形、即ち、車室変形を抑制でき、乗員の安全性を確保できる。
【0017】
請求項2記載の車体の後部構造によれば、ダイカスト製のインナ部材の一部として前ボルト締結部が形成されるので、衝撃荷重をインナ部材よりクロスメンバに確実に伝達でき、クロスメンバによる衝撃荷重の分散吸収を確実に図れ、車体後部の剛性の強化を図れ、車室変形を抑制でき、乗員の安全性を確保できる。
【0018】
請求項3記載の車体の後部構造によれば、インナ部材の一部として形成される前後ボルト締結部がパイプナットを供えるので、クロスメンバのボルトによる締結作業性が向上し、しかも、衝撃荷重をインナ部材よりクロスメンバに確実に伝達できる。
【0019】
請求項4記載の車体の後部構造によれば、サイドメンバ連結部の低壁に溶接されたパイプナットにサイドメンバの後部部材を嵌合させ、更にパイプナットの上端が後部部材に容易に確実に溶接でき、溶接作業性が向上する。しかも、衝撃荷重をインナ部材よりクロスメンバに確実に伝達できる。
【0020】
請求項5記載の車体の後部構造によれば、リアピラのインナ部材にサスクロスメンバが締結された場合、インナ部材がリアサスペンションの支持部材として有効利用でき、リアサスペンションの装着性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1にはこの発明の車体の後部構造が適用された自動車の後部車体構造を示した。
ここでの自動車の後部車体は前後方向Xに長く延設され、車幅方向Yに左右一対配備されるリアサイドメンバ(以後単にサイドメンバ1と記す)と、この左右のサイドメンバ1の先端が溶接される車室Rの後席(不図示)の直下の後席クロスメンバ2(図1、2参照)と、左右のサイドメンバ1の前部の中間部を左右に結合するサスクロスメンバ(図1、6参照)と、左右のサイドメンバ1の後端部を左右に結合するリアエンドクロスメンバ3と、サイドメンバ1の前部aを左右に結合するサスクロスメンバ9とで基枠部が形成され、それら枠基部の上部にはフロア材4が展設されている。
【0022】
このような枠基部の後席クロスメンバ2側からは後席隔壁5(図1の2点鎖線参照)が上向きに延設され、後席隔壁5の左右端部には左右リアピラ6が縦向きに延設される。更に左右リアピラ6の外側には左右リアフェンダ7が一体結合され、同左右リアフェンダ7の後端は相互にリアパネル8で結合され、これらに四方を囲まれたトランク室TRの上開口は不図示のトランクリッドで開閉される。
【0023】
図1、図6に示すように、左右のサイドメンバ1の前部aを左右に結合するサスクロスメンバ9は左右のサイドメンバ1と共にリアサスペンション11を支持する。
【0024】
サスクロスメンバ9は前後主パイプ材12及び主パイプ材12を左右で結合する左右の側部パイプ13とで矩形枠状に一体形成され、その左右端の前後2位置に後述の前後結合端部P1,P2が形成される。
更に、図1,2に示すように、サスクロスメンバ9はその左右端が左右車輪Wを上下動可能に支持するサスペンション装置の取り付け部として機能する。
【0025】
ここで後輪Wを枢支するナックル16は、トレーリングアーム17、アッパアーム18、ロアアーム19を介してサイドメンバ1やサスクロスメンバ9の側端部の各枢支部cに搖動可能に枢支される。更に、後輪Wのナックル16と後述のリアピラインナ下壁部21の各取り付け部d1、d2との間にはコイルバネ22、ダンパ23が配設される。
【0026】
左右サイドメンバ1の上部であってサスクロスメンバ9の上方位置には左右リアピラ6が左右対称に形成される。図2に示すように、左のリアピラ6はインナ及びアウタを重ねて縦向き閉断面形状に形成され、この内のリアピラアウタはリアフェンダ7の前端上部より上方に延びる不図示の外壁部と一体形成される。リアピラ6のインナ部材は不図示のインナアッパ(柱部)と、その下部を成す、図2に示すインナロア24とからなる。
【0027】
図3乃至図5に示すように、インナロア24は上縁部が不図示のインナアッパに溶接され車室後側部の剛性を確保するリアピラインナ下壁部21と、車両前後方向Xに長いサイドメンバ1の前部aと、サイドメンバ1の前部aに続き後方に連続して延設されるサイドメンバ連結部25と、サスクロスメンバ9を締結する前後2つのボルト締結部D1,D2とを一体的に有するように形成され、全体がアルミ材によるダイカスト成形により形成されている。
【0028】
図5に示すように、リアピラインナ下壁部21は複数の分割壁eで区画された複数の閉断面を重ねた剛性強化壁部材を成し、全体はリヤホイールハウスインナ部材として形成されている。リアピラインナ下壁部21はその外側に取り付けられるアウタ部材であるリアフェンダ7と組み合わされることで、リヤタイヤハウスTHを形成する。なお、リアピラインナ下壁部21はその側方下壁部にトレーリングアーム17の枢支部26が、略中央にコイルバネ22のバネ受け部d1が、その後方にダンパ23の取り付け部d2がそれぞれ形成される。
【0029】
図1、2に示すように、左側のサイドメンバ1は、インナロア24内に一体形成されたサイドメンバ1の前部aと、これに続きサイドメンバ連結部25に先端部が嵌着されるサイドメンバ1の後部を成す後部部材27とにより形成される。サイドメンバ1の前部a先端は後席クロスメンバ2に当接され、相互に溶接される。サイドメンバの前部aでの前後方向Xでの中間部には前ボルト締結部D1が、後部のサイドメンバ連結部25での中間部には後ボルト締結部D2が形成される。
前ボルト締結部D1は縦螺子穴が形成された前パイプナット28(図5参照)を備え、この前パイプナット28の下側開口の開口端がサイドメンバ1前部の底面の延長面とほぼ重なるように形成される。
【0030】
図7に示すように、前ボルト締結部D1の要部を成す前パイプナット28の下向き開口端は水平面であり、ここにサスクロスメンバ9の前結合端部P1が対向配備される。サスクロスメンバ9の前結合端部P1は大径パイプ部材の上下を平面状に変形させ、その内部に補強パイプ29が一体結合されるという形状を成す。前結合端部P1が前ボルト締結部D1に当接され、その上で、締結ボルト31が補強パイプ29を通して前パイプナット28に締結されることでサスクロスメンバ9の前結合端部P1が前ボルト締結部D1に一体的に結合される。
【0031】
図3、図7に示すように、サイドメンバ連結部25はL型断面を成し、その低壁jに縦向きで後パイプナット28’が環状溶接部w1として溶接される。
サイドメンバ連結部25には、サイドメンバ1の後部を成す後部部材27の先端部が嵌着される。この際、後部部材27には後パイプナットを嵌着させる貫通穴h1が上下に形成され、上側の穴h1は後パイプナット28’の上端の外周縁と対向する縁部を有する溶接穴として予め形成される。
これにより、図4に示すように、後パイプナット28’の上端と後部部材27の溶接穴とが環状溶接部w2として溶接処理され、後パイプナット28’とサイドメンバ1の後部との結合剛性が確保されている。ここで後ボルト締結部D2が後パイプナット28’と、L型断面の低壁jの後パイプナット28’の下向きの開口縁とで形成されている。
【0032】
図6、7に示すように、後ボルト締結部D2の開口縁は下向きの水平面を成し、ここにサスクロスメンバ9の後結合端部P2が対向配備される。サスクロスメンバ9の後結合端部P2は大径パイプ部材の上下を平面状に変形させ、その内部に補強パイプ29が一体結合されている。この後結合端部P2が後ボルト締結部D2の開口縁に当接され、その上で、締結ボルト31が補強パイプ29を通して後パイプナット28’に締結されることで、後結合端部P2が後ボルト締結部D2に一体的に結合される。
図4,5に示すように、サイドメンバ1の後部部材27は後方に延出し、図1に示すように、リアエンドクロスメンバ3にそれぞれ溶接される。リアエンドクロスメンバ3にはフロア材4の後端及び車両の後壁をなすリアエンドパネル8が溶着され、支持されている。
【0033】
上述のところにおいて後部車体の左側部材を主に説明したが、後部車体の右側部材は左側部材に対して左右対称に形成されることより、ここでは重複説明を略す。
このような後部車体構造を採る車両がその走行時に後方からの衝撃荷重を受けたとする。
この場合、車両の後壁をなすリアエンドパネル8やフロア材4の後端及びリアエンドクロスメンバ3に衝撃荷重が加わる。リアエンドクロスメンバ3は左右のサイドメンバ1の後部部材27に衝撃荷重を伝え、更に、各後部部材27と一体のサイドメンバ連結部25(図3参照)を介して左右のインナロア24に伝達される。
【0034】
左右のインナロア24はこれに結合されるサスクロスメンバ9および後席クロスメンバ2に衝撃荷重を分散吸収させる。
この際、衝撃荷重の入力部に近い、サスクロスメンバ9の左右それぞれの前後結合端部P1,P2はダイカスト製の左右のインナロア24の前後ボルト締結部D1,D2の前後パイプナット28,28’に締結ボルト31で締結され、確実に一体結合されている。
図1の車体の後部構造によれば、インナロア24の一部として前後ボルト締結部D1,D2が形成される。このため、確実に左右のインナロア24よりサスクロスメンバ9の左右の前後結合端部P1,P2に衝撃荷重が伝達される。この際、サスクロスメンバ9は左右のサスペンション構成部材を複数連結しており、荷重分散機能に優れるので、衝撃荷重を確実に分散吸収できる。
なお、一部の衝撃荷重は後席クロスメンバ2に分散吸収されるが、その部位の変形は十分に抑制される。
【0035】
このように、インナ部材であるインナロア24は、リアピラインナ下壁部21とサイドメンバ前部aと2つのボルト締結部D1,D2とを一体的に有するようダイカスト成形されている。このため、ダイカスト製のインナ部材であるインナロア24の一部としてインナロア24の一部として形成される前後ボルト締結部D1,D2がパイプナット28,28’を一体的に供えるので、クロスメンバ9のボルト31による締結作業性が向上し、しかも、衝撃荷重をインナロア24よりサスクロスメンバ9に確実に伝達できる。
【0036】
更に、インナ部材であるインナロア24にはサイドメンバ連結部25の前方側にサイドメンバ前部aが一体結合される構成を採るので、後方からの衝撃荷重の入力部に近い位置にあるサスクロスメンバ9が左右のインナロア24より衝撃荷重を確実に受けて分散吸収できる。このため、サスクロスメンバ9より衝撃荷重の入力部に対して遠い後席クロスメンバ2やそれに結合された後席隔壁5側への衝撃荷重の入力量を十分に低減できる。これにより、後席隔壁5側の変形、即ち、車室変形を抑制でき、乗員の安全性を確保できる。
【0037】
更に、図1の車体の後部構造によれば、サイドメンバ連結部25の低壁jに溶接されたパイプナット28’にサイドメンバ1の後部部材27が嵌合され、更にパイプナットの上端が後部部材27に容易に確実に溶接することができ、溶接作業性が向上する。
【0038】
更に、図1の車体の後部構造によれば、リアピラ6のインナ部材であるインナロア24にサスクロスメンバ9が締結されるので、インナ部材がリアサスペンションの支持部材として有効利用でき、リアサスペンションの装着性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態としての車体の後部構造の要部概略平面図である。
【図2】図1の車体の後部構造の要部概略側面図である。
【図3】図1の車体の後部構造におけるインナロアの拡大斜視図で、後部部材が無い場合である。
【図4】図1の車体の後部構造におけるインナロアの拡大斜視図で、後部部材が取付けられた場合である。
【図5】図1の車体の後部構造におけるインナロアの他方向からの拡大斜視図で、後部部材が取付けられた場合である。
【図6】図1の車体の後部構造における低部からの拡大部分切欠斜視図である。
【図7】図6のE−E線断面図である。
【図8】従来の車体の後部構造の要部切欠斜視図である。
【図9】図8の要部の断面図で、(a)は図8のA−A線断面図、(b)は図8のB−B線断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 サイドメンバ
2 リアフェンダ
6 リアピラ
9 サスクロスメンバ(クロスメンバ)
21 リアピラインナ下壁部
24 インナロア(リアピラのインナ部材)
25 サイドメンバ連結部
27 後部部材
31 締結ボルト
a 前部
b 後部
D1,D2 ボルト締結部
11 リアサスペンション
P1 前結合端部
P2 後結合端部
X 前後方向
Y 車幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室後部の左右にリアピラがそれぞれ配備された車体の後部構造において、
前記各リアピラのインナ部材が、車室後側部の剛性を確保するリアピラインナ下壁部と、車両前後方向に長いサイドメンバの前部と、同前部に端部が対向配備されたクロスメンバを締結する前後2つのボルト締結部とを一体的に有するようダイカスト成形され、
前記インナ部材には前記サイドメンバ前部の後端より後方に向けて連続して、前記サイドメンバの後部を成す後部部材の先端部が嵌合されるサイドメンバ連結部が延設され、
前記サイドメンバ連結部に前記前後2つのボルト締結部のうち少なくとも後ボルト締結部が形成されたことを特徴とする車体の後部構造。
【請求項2】
請求項1記載の車体の後部構造において、
前記インナ部材の前記サイドメンバ前部には前記前後2つのボルト締結部のうちの前ボルト締結部が一体形成されたことを特徴とする車体の後部構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車体の後部構造において、
前記前後2つのボルト締結部には前記クロスメンバを締結する締結ボルトが螺着されるパイプナットが形成されることを特徴とする車体の後部構造。
【請求項4】
請求項3記載の車体の後部構造において、
前記後ボルト締結部のパイプナットはその下部が前記サイドメンバ連結部の低壁に溶接され、上端はパイプナットに嵌着された前記後部部材の溶接穴に溶接されたことを特徴とする車体の後部構造。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つの車体の後部構造において、
前記クロスメンバはリアサスペンション構成部材を支持するサスクロスメンバであることを特徴とする車体の後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−247360(P2008−247360A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−94885(P2007−94885)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176707)三菱アルミニウム株式会社 (446)
【出願人】(000005256)株式会社アーレスティ (44)
【Fターム(参考)】