退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物
インソール、ミッドソール、及びアウトソールの少なくとも1つを含む靴底と、外皮とを含む履物において、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールの何れか1つと一体に形成されたミッドソールの縦断面において、内側と外側の両側面が互いに平行でなく、内側又は外側の両側面の一側面が靴底の外側地面となす角度が、これに対向する他側面が靴底の外側地面となす角度よりも小さいことを特徴とする退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物を具現し、膝に偏向して与えられる荷重を均一に分散させて、歩行時、自然にO脚及びX脚を矯正して、退行性膝関節症の痛みを緩和し、これを未然に防止することができ、また、O脚又はX脚が矯正され、正しい歩行姿勢及び身体構造が確立されて、着用者の身体の全般的な骨格を矯正することができるという効果がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、退行性膝関節症(Degenerative Osteoarthritis of Knee Joint)のための機能性靴底を備える履物に関する。より詳しくは、履物靴底のインソール、アウトソール、及びミッドソールの少なくともいずれか1つの縦断面において、内側又は外側の両側面の一側面が靴底の外側地面となす角度が、これに対向する他側面が靴底の外側地面となす角度よりも小さい退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物に関する。
即ち、両側面が互いに平行でないように、O脚又はX脚を矯正することができる、退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物に関する。
【背景技術】
【0002】
膝関節は、人間が四脚でなく二脚で身の重さを支えても倒れることなく、直立・歩行ができるようにバランスを取る部位である。人間が意識しない瞬間にも、膝関節は少しずつ動いて、体重が膝関節の中心を外さないように調節する部位である。
【0003】
しかし、膝関節は、持続的に体重を受けるため、年を取るほど、退行性変化がもっとも発生する部位でもある。このような退行性変化又は外部の衝撃などにより発生する膝関節疾患の種類は、以下の通りである。
【0004】
過激な運動、過体重、外傷などにより、膝にある半月状軟骨に亀裂が発生する半月状軟骨損傷、強い衝撃又は過度な関節の回転で発生する膝靭帯損傷、若い女性でよく発生する膝蓋骨軟骨軟化症、膝関節にある粘液嚢に炎症が生じる粘液嚢炎などが、膝関節で頻繁に発生する疾患である。
【0005】
退行性膝関節症は、立とうとすると膝に痛みを感じるか、立っている時に膝が震えるか、膝関節を曲げるか伸ばす時に音がするか、まっすぐ立っている姿勢で両膝の間に拳が一つ以上入るほど間隔が開いているか、若しくは、階段をおりる時に鋭い痛みを感じるといった疾患である。また、歩いた後に生じた痛みが、2日、3日間持続するなどの症状が現れた場合には、退行性膝関節症を疑うべきである。
【0006】
関節は、荷重を受けて動くものであり、特に、膝のような脚の関節は、立ち、歩き、または階段上りなどの日常的な動作により、体重の何倍にもなる力が加えられる。
【0007】
通常、退行性膝関節症は50歳から発生するが、膝関節炎は、比較的早い時期である40歳から頻繁に発生する。関節炎の治療は、痛症の軽減、関節の柔軟性増加を目的とする。しかし、根本的な発病の原因を除去し難いので、完治が困難であるという問題がある。症状が軽微の場合は、持続的な物理治療、薬物療法、体重減少などにより、痛症及び症状を緩和することができ、症状がひどい関節炎は、手術により症状を緩和することができる。
【0008】
一例として、膝関節全置換術は、深刻な関節炎のある膝関節を除去し、新たな関節を移植する。膝関節炎の患者は、痛みから解放されるため、このような治療を持続的に長期間受けなければならない。しかし、多くの人々が、治療の煩わしさ及び費用負担のため、適切な治療を受けられず、痛みに耐えながら生活している。
【0009】
人体が両足により支持されている場合は、人体の重さの中心線が両足間の中央を通るため、膝関節の外側よりも内側に更に大きい荷重が与えられるようになる。また、歩行中、人体が一足でのみ支持されている場合は、地面反力線が足の中心と骨盤の中心を通るため、体重による地面への反力が、膝の中心から人体の内側に偏向する。つまり、両足によって支持されている時よりも大きい圧縮荷重が、膝の内側に作用することになる。
【0010】
このように、内側の膝関節に荷重が与えられる現象が蓄積すると、40歳以後からでも下肢筋力強化の運動をしなければ、徐々にO脚に変形する。そして、足首の背側屈曲関節の稼動範囲も減少し、歩く速さと歩幅が減少するという問題がある。このような膝関節炎の発生頻度は、全体人口の約12%であり、60歳以上では約60%、75歳以上では約80%の人々が膝関節炎を患っている。
【0011】
特に、女性の場合は、出産、膝関節を頻繁に使う生活パターン、及び月経などの生理的な変化などのため、男性よりも膝関節炎の発生年齢が低い。このような理由で、女性の大部分が65歳を前後に、脚が曲がってしまうようになる。
【0012】
退行性膝関節症の頻発部位が内側前方であり、また、40歳以後から徐々にO脚に変形するという臨床観察から、退行性膝関節症は、膝の関節面に荷重が長期間、偏向的に集中するために発生する疾患として分析することができる。このような結果から、偏向的に集中した荷重を分散させることで、退行性膝関節症の痛みを緩和し、予防することができるという結果を導き出すことができる。
【0013】
図1乃至図3は、従来の履物における靴底の概略的な縦断面図を示している。従来の履物の靴底は、図1乃至図3に示すように、靴底の内側及び外側がいずれも、靴底の外側地面と垂直であるか、同一角度で傾斜するように形成される。そのため、集中荷重を分散させることができないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような問題を解決するため、従来の整形外科用製靴(Orthopedic Shoemaking)方法では、履物の内部ソールや靴底の外面に楔を当てる方法が使用されている。これにより、履物を履いてから地面を踏むと、内部ソールと靴底の傾きにより足と脚が内方によることになり、膝関節を内側に移動させる回転力が発生する。しかし、このような従来の方法は、歩行時の靴底の傾きにより足が内側に滑るため、せん断力が発生するという問題がある。そして、足のすべりを防止するため、膝と足首に過度な力がかかることになり、むしろ、足の内側部位と膝に強い荷重が作用して、退行性膝関節症が悪化するという問題がある。
【0015】
また、従来の整形外科用製靴は、副作用の発生を防止するため、医者の処方によるオーダーメード処方が必要であり、これを守らないと、深刻な副作用が発生するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、靴底のインソール、アウトソール、又はこれらのいずれか1つと一体に形成されたミッドソールの縦断面において、内側又は外側のいずれか一側面と靴底の外側地面とのなす角度が、これに対向する他側面と靴底の外側地面とのなす角度よりも小さい、退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、内側又は外側の両側面が互いに平行でないように、O脚又はX脚を矯正することができる退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物を提供することにある。
【0017】
上記のような本発明の目的は、インソール、ミッドソール、及びアウトソールの少なくとも一つを含む靴底と、外皮とを含む履物において、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールのいずれか1つと一体に形成されたミッドソールの縦断面において、内側と外側の両側面が互いに平行でなく、内側又は外側の両側面のいずれか一側面と靴底の外側地面とのなす角度が、これに対向する他側面と靴底の外側地面とのなす角度よりも小さいことを特徴とする退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物により、達成される。
【0018】
また、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールのいずれか1つと一体に形成されたミッドソールは、O脚の人の矯正のため、縦断面の内側面と靴底の外側地面とのなす角度が、外側面と靴底の外側地面とのなす角度よりも小さく形成される。
【0019】
また、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールのいずれか1つと一体に形成されたミッドソールは、X脚の人の矯正のため、縦断面の外側面と靴底の外側地面とのなす角度が、内側面と靴底の外側地面とのなす角度よりも小さく形成される。
【0020】
更に、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールの何れか1つと一体に形成されたミッドソールは、着用者の状態により、傾斜角度及び厚さが変更可能である。
【0021】
なお、アウトソールの上端面の一側には、溝が形成され、インソール、又は一体になされたインソールとミッドソールは、アウトソールの溝に挿入される。
【0022】
また、靴底のアウトソール、又は一体になされたアウトソールとミッドソールには、上端面の外周面に沿って、外皮と結合するための突部が、更に形成される。
【0023】
更に、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールの何れか1つと一体に形成されたミッドソールは、O脚の矯正のために、内側面と靴底の外側地面とのなす角度と、X脚の矯正のために、外側面と靴底の外側地面とのなす角度とが、45゜〜120゜である。
【0024】
なお、外皮は、インソール及びミッドソールが外部に露出しないように設けられる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、膝に偏って与えられる荷重を均一に分散させることで、歩行時、自然にO脚及びX脚を矯正することができ、退行性膝関節症の痛みを緩和し、これを未然に防止することができるという効果がある。
【0026】
更に、O脚又はX脚が矯正され、正しい歩行姿勢及び身体構造が確立されて、着用者の全般的な身体骨格を矯正することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本明細書で添付する下記の図面は、本発明の好適な実施形態を例示することであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想を更に理解させるものであり、本発明は、そのような図面に記載した事項に限定して解析してはいけない。
【図1】図1は、従来の靴底による概略的な縦断面図である。
【図2】図2は、従来の靴底による概略的な縦断面図である。
【図3】図3は、従来の靴底による概略的な縦断面図である。
【図4】図4は、本発明によるインソール及びミッドソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図5】図5は、本発明によるミッドソール及びアウトソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例によるO脚の着用者のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例によるO脚の着用者のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。
【図8】図8は、従来の履物の外転モーメントを示す概路図である。
【図9】図9は、本発明によるインソール及びミッドソールを有する履物の外転モーメントを示す概路図である。
【図10】図10は、本発明によるアウトソール及びミッドソールを有する履物の外転モーメントを示す概路図である。
【図11】図11は、本発明の一実施例によるX脚の着用人のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施例によるX脚の着用人のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。
【図13】図13は、本発明の第1実施例の変形例によるインソール及びミッドソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図14】図14は、本発明の第2実施例による靴底の分解斜視図である。
【図15】図15は、本発明の第2実施例による靴底の縦断面図である。
【図16】図16は、本発明の第3実施例による退行性膝関節症のための靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図17】図17は、本発明の第3実施例の変形例による退行性膝関節症のための靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図18】図18は、本発明の第4実施例による退行性膝関節症のための靴底を備えた履物の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳述する。
【0029】
<退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物の構成>
図4は、本発明によるインソール及びミッドソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図であり、図5は、本発明によるミッドソール及びアウトソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。図4及び図5に示すように、本発明による履物10は、インソール210、ミッドソール220、及びアウトソール230を含む靴底200と、外皮100とからなる。本発明による靴底200の詳細構成は、以下の通りである。
【0030】
(第1実施例)
図4及び図5に示すように、本発明の第1実施例による靴底200は、O脚又はX脚を矯正するために、靴底200のインソール210、アウトソール230、又はインソール210とアウトソール230のいずれか1つと一体に形成されたミッドソール220は、内側又は外側の両側面のいずれか一側面と靴底200の外側地面とのなす角度が、これに対向する他側面と靴底200の外側地面とのなす角度よりも小さく形成される。即ち、両側面が互いに平行でないように形成される。このような傾斜角度は、着用者の脚の曲がり具合により変更可能であり、45゜〜120゜の範囲が好適である。
【0031】
図6は、本発明の一実施例によるO脚の着用者のための靴底で発生する偶力(Couple moment)を示す靴底の概略的な縦断面図であり、図7は、本発明の他の実施例によるO脚の着用者のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。図6及び図7に示すように、O脚を矯正するためには、靴底200のインソール210、アウトソール230、又は、インソール210とアウトソール230のいずれか1つと一体に形成されたミッドソール220の内側面と靴底200の外側地面とのなす角度(θin)が、外側面と地面とのなす角度(θout)よりも小さく形成される。この時、靴底200の内側面と外側地面とのなす所定の角度(θin)は、45゜〜120゜の角度で傾斜が形成されることが望ましい。このような構成により、歩行中、膝を身の中心側に移動しようとする偶力が発生し、膝内側の関節間に隙間が生じる。これにより、膝内側の荷重が軽減され、徐々に、O脚が‘II’字形に矯正される。
【0032】
図8は、従来の履物の外転モーメントを示す概略図であり、図9は、本発明によるインソール210及びミッドソール220を有する履物の外転モーメントを示す概略図であり、図10は、本発明によるアウトソール及びミッドソールを有する履物の外転モーメントを示す概略図である。図8に示すように、一般的な従来の履物で発生する外転モーメントは、式1により求められる。
【0033】
[式1]
M1=d1×F
ここで、M1は外転モーメント、d1は膝の中心点と地面反発力のベクトル軸(a)との垂直距離、Fは、歩行時、地面で発生する地面反発力である。
【0034】
図9及び図10に示すように、本発明による履物10で発生する外転モーメントは、式2により求められる。
【0035】
[式2]
M2=d2×F=(d1-e1)×F
ここで、M2は外転モーメント、d2は膝の中心点と移動された地面反発力のベクトル軸(а′)との垂直距離、d1は膝の中心点と地面反発力のベクトル軸(а)との垂直距離、e1は地面反発力のベクトル軸(а)と移動された地面反発力のベクトル軸(a′)との垂直距離、Fは、歩行時、地面で発生する地面反発力である。
【0036】
式1及び式2に示すように、M2がM1よりも外転モーメントが小さいため、膝と下腿を外方へ移動させる回転力が減少し、これにより、膝前方内側の痛みが緩和され、O脚が矯正される。
【0037】
図11は、本発明の一実施例によるX脚の着用人のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図であり、図12は、本発明の他の実施例によるX脚の着用人のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。一方、X脚を矯正するためには、図11及び図12に示すように、履物10の外側面と靴底200の外側地面とのなす角度(θout)が、内側面と靴底200の地面とのなす角度(θin)よりも小さく形成される。この時、外側面が外側地面となす所定の角度(θout)は、45゜〜120゜の角度で傾斜が形成されるのが望ましい。このような構成により、歩行中、膝を身の外側に移動させる偶力が発生し、膝外側の関節間に隙間が生じる。これにより、膝の外側に作用する荷重を更に軽減させて、徐々に、X脚が‘II’字形に矯正される。
【0038】
この時、履物10の内側面又は外側面と外側地面とのなす所定の角度(θin、θout)が45゜未満の場合と120゜超えの場合は、正常の履物10を形成し難いという問題がある。このような傾斜角度(θin、θout)は、着用者の膝の曲げ程度により変更が可能であり、正常人の着用のためには、地面となす傾斜角度(θin、θout)を90゜近くに形成して、脚の変形を未然に防止することができる。靴底200の一側が所定の角度(θin、θout)で傾斜しているため、靴底200に体重が加えられる時、靴底200の幾何学的な形状により伝統的な処置方法が自然に実現される。
【0039】
図13は、本発明の第1実施例の変形例によるインソール及びミッドソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。図13に示すように、靴底200のインソール210、又は一体に形成されたインソール210とミッドソール220は、両側面が丸くなるように形成することができる。また、アウトソール230とミッドソール220との間に、外皮100を結合することができる。
【0040】
(第2実施例)
図14は、本発明の第2実施例による靴底の分解斜視図であり、図15は、本発明の第2実施例による靴底の縦断面図である。本発明の第2実施例による靴底200のインソール210、又は一体に形成されたインソール210とミッドソール220は、全体として、第1実施例と同様な構成である。
【0041】
しかし、アウトソール230の上部の一側には、靴底200の外周面に沿って、所定深さの溝231が形成される。このような溝231の高さは、ミッドソール220の厚さよりも低く形成するのが望ましい。また、溝231の幅は、ミッドソール220の下部一側が挿入可能な広さで形成するのが望ましい。
【0042】
(第3実施例)
図16は、本発明の第3実施例による履物の縦断面図であり、図17は、本発明の第3実施例の変形例による履物の縦断面図である。本発明の第3実施例による履物10は、全体として、第1実施例と同様な構成である。
【0043】
しかし、靴底200のアウトソール230、又は一体に形成されたアウトソール230とミッドソール220の上端面の外周面に沿って、突部232が形成されて、外皮100との結合をスムーズにすることができる。即ち、図16に示すように、アウトソール230の上端面の外周面、又は、図17に示すように、ミッドソール220の上端面の外周面に沿って、突部232が形成されて、外皮100との結合をスムーズにする。
【0044】
(第4実施例)
図18は、本発明の第4実施例による退行性膝関節症のための靴底を備えた履物の縦断面図である。本発明の第4実施例による履物10の外皮100は、前述した第1実施例と同様な構成である。
【0045】
本発明の第4実施例による靴底200は、図18に示すように、インソール210、ミッドソール220、及びアウトソール230が一体に形成され、その全体的な構成は、前述した第1実施例のインソール210、アウトソール230、又はこれらの1つと一体に形成されたミッドソール220と同様な構成である。
【0046】
以上で説明したように、本発明が属する技術の分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施され得ることが理解できる。上述した実施形態は、すべての面に例示的であり、限定的ではないことと理解されるべきである。本発明の範囲は、詳細な説明より後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、等価概念から導出されるすべての変更・変形した形態が、本発明の範囲に含まれることと解析されるべきである。
【符号の説明】
【0047】
10 履物
100 外皮
200 靴底
210 インソール
220 ミッドソール
230 アウトソール
231 溝
232 突部
a 地面反発力のベクトル軸
a′ 移動された地面反発力のベクトル軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、退行性膝関節症(Degenerative Osteoarthritis of Knee Joint)のための機能性靴底を備える履物に関する。より詳しくは、履物靴底のインソール、アウトソール、及びミッドソールの少なくともいずれか1つの縦断面において、内側又は外側の両側面の一側面が靴底の外側地面となす角度が、これに対向する他側面が靴底の外側地面となす角度よりも小さい退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物に関する。
即ち、両側面が互いに平行でないように、O脚又はX脚を矯正することができる、退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物に関する。
【背景技術】
【0002】
膝関節は、人間が四脚でなく二脚で身の重さを支えても倒れることなく、直立・歩行ができるようにバランスを取る部位である。人間が意識しない瞬間にも、膝関節は少しずつ動いて、体重が膝関節の中心を外さないように調節する部位である。
【0003】
しかし、膝関節は、持続的に体重を受けるため、年を取るほど、退行性変化がもっとも発生する部位でもある。このような退行性変化又は外部の衝撃などにより発生する膝関節疾患の種類は、以下の通りである。
【0004】
過激な運動、過体重、外傷などにより、膝にある半月状軟骨に亀裂が発生する半月状軟骨損傷、強い衝撃又は過度な関節の回転で発生する膝靭帯損傷、若い女性でよく発生する膝蓋骨軟骨軟化症、膝関節にある粘液嚢に炎症が生じる粘液嚢炎などが、膝関節で頻繁に発生する疾患である。
【0005】
退行性膝関節症は、立とうとすると膝に痛みを感じるか、立っている時に膝が震えるか、膝関節を曲げるか伸ばす時に音がするか、まっすぐ立っている姿勢で両膝の間に拳が一つ以上入るほど間隔が開いているか、若しくは、階段をおりる時に鋭い痛みを感じるといった疾患である。また、歩いた後に生じた痛みが、2日、3日間持続するなどの症状が現れた場合には、退行性膝関節症を疑うべきである。
【0006】
関節は、荷重を受けて動くものであり、特に、膝のような脚の関節は、立ち、歩き、または階段上りなどの日常的な動作により、体重の何倍にもなる力が加えられる。
【0007】
通常、退行性膝関節症は50歳から発生するが、膝関節炎は、比較的早い時期である40歳から頻繁に発生する。関節炎の治療は、痛症の軽減、関節の柔軟性増加を目的とする。しかし、根本的な発病の原因を除去し難いので、完治が困難であるという問題がある。症状が軽微の場合は、持続的な物理治療、薬物療法、体重減少などにより、痛症及び症状を緩和することができ、症状がひどい関節炎は、手術により症状を緩和することができる。
【0008】
一例として、膝関節全置換術は、深刻な関節炎のある膝関節を除去し、新たな関節を移植する。膝関節炎の患者は、痛みから解放されるため、このような治療を持続的に長期間受けなければならない。しかし、多くの人々が、治療の煩わしさ及び費用負担のため、適切な治療を受けられず、痛みに耐えながら生活している。
【0009】
人体が両足により支持されている場合は、人体の重さの中心線が両足間の中央を通るため、膝関節の外側よりも内側に更に大きい荷重が与えられるようになる。また、歩行中、人体が一足でのみ支持されている場合は、地面反力線が足の中心と骨盤の中心を通るため、体重による地面への反力が、膝の中心から人体の内側に偏向する。つまり、両足によって支持されている時よりも大きい圧縮荷重が、膝の内側に作用することになる。
【0010】
このように、内側の膝関節に荷重が与えられる現象が蓄積すると、40歳以後からでも下肢筋力強化の運動をしなければ、徐々にO脚に変形する。そして、足首の背側屈曲関節の稼動範囲も減少し、歩く速さと歩幅が減少するという問題がある。このような膝関節炎の発生頻度は、全体人口の約12%であり、60歳以上では約60%、75歳以上では約80%の人々が膝関節炎を患っている。
【0011】
特に、女性の場合は、出産、膝関節を頻繁に使う生活パターン、及び月経などの生理的な変化などのため、男性よりも膝関節炎の発生年齢が低い。このような理由で、女性の大部分が65歳を前後に、脚が曲がってしまうようになる。
【0012】
退行性膝関節症の頻発部位が内側前方であり、また、40歳以後から徐々にO脚に変形するという臨床観察から、退行性膝関節症は、膝の関節面に荷重が長期間、偏向的に集中するために発生する疾患として分析することができる。このような結果から、偏向的に集中した荷重を分散させることで、退行性膝関節症の痛みを緩和し、予防することができるという結果を導き出すことができる。
【0013】
図1乃至図3は、従来の履物における靴底の概略的な縦断面図を示している。従来の履物の靴底は、図1乃至図3に示すように、靴底の内側及び外側がいずれも、靴底の外側地面と垂直であるか、同一角度で傾斜するように形成される。そのため、集中荷重を分散させることができないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような問題を解決するため、従来の整形外科用製靴(Orthopedic Shoemaking)方法では、履物の内部ソールや靴底の外面に楔を当てる方法が使用されている。これにより、履物を履いてから地面を踏むと、内部ソールと靴底の傾きにより足と脚が内方によることになり、膝関節を内側に移動させる回転力が発生する。しかし、このような従来の方法は、歩行時の靴底の傾きにより足が内側に滑るため、せん断力が発生するという問題がある。そして、足のすべりを防止するため、膝と足首に過度な力がかかることになり、むしろ、足の内側部位と膝に強い荷重が作用して、退行性膝関節症が悪化するという問題がある。
【0015】
また、従来の整形外科用製靴は、副作用の発生を防止するため、医者の処方によるオーダーメード処方が必要であり、これを守らないと、深刻な副作用が発生するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、靴底のインソール、アウトソール、又はこれらのいずれか1つと一体に形成されたミッドソールの縦断面において、内側又は外側のいずれか一側面と靴底の外側地面とのなす角度が、これに対向する他側面と靴底の外側地面とのなす角度よりも小さい、退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、内側又は外側の両側面が互いに平行でないように、O脚又はX脚を矯正することができる退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物を提供することにある。
【0017】
上記のような本発明の目的は、インソール、ミッドソール、及びアウトソールの少なくとも一つを含む靴底と、外皮とを含む履物において、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールのいずれか1つと一体に形成されたミッドソールの縦断面において、内側と外側の両側面が互いに平行でなく、内側又は外側の両側面のいずれか一側面と靴底の外側地面とのなす角度が、これに対向する他側面と靴底の外側地面とのなす角度よりも小さいことを特徴とする退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物により、達成される。
【0018】
また、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールのいずれか1つと一体に形成されたミッドソールは、O脚の人の矯正のため、縦断面の内側面と靴底の外側地面とのなす角度が、外側面と靴底の外側地面とのなす角度よりも小さく形成される。
【0019】
また、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールのいずれか1つと一体に形成されたミッドソールは、X脚の人の矯正のため、縦断面の外側面と靴底の外側地面とのなす角度が、内側面と靴底の外側地面とのなす角度よりも小さく形成される。
【0020】
更に、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールの何れか1つと一体に形成されたミッドソールは、着用者の状態により、傾斜角度及び厚さが変更可能である。
【0021】
なお、アウトソールの上端面の一側には、溝が形成され、インソール、又は一体になされたインソールとミッドソールは、アウトソールの溝に挿入される。
【0022】
また、靴底のアウトソール、又は一体になされたアウトソールとミッドソールには、上端面の外周面に沿って、外皮と結合するための突部が、更に形成される。
【0023】
更に、靴底のインソール、アウトソール、又は、インソールとアウトソールの何れか1つと一体に形成されたミッドソールは、O脚の矯正のために、内側面と靴底の外側地面とのなす角度と、X脚の矯正のために、外側面と靴底の外側地面とのなす角度とが、45゜〜120゜である。
【0024】
なお、外皮は、インソール及びミッドソールが外部に露出しないように設けられる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、膝に偏って与えられる荷重を均一に分散させることで、歩行時、自然にO脚及びX脚を矯正することができ、退行性膝関節症の痛みを緩和し、これを未然に防止することができるという効果がある。
【0026】
更に、O脚又はX脚が矯正され、正しい歩行姿勢及び身体構造が確立されて、着用者の全般的な身体骨格を矯正することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本明細書で添付する下記の図面は、本発明の好適な実施形態を例示することであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想を更に理解させるものであり、本発明は、そのような図面に記載した事項に限定して解析してはいけない。
【図1】図1は、従来の靴底による概略的な縦断面図である。
【図2】図2は、従来の靴底による概略的な縦断面図である。
【図3】図3は、従来の靴底による概略的な縦断面図である。
【図4】図4は、本発明によるインソール及びミッドソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図5】図5は、本発明によるミッドソール及びアウトソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例によるO脚の着用者のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例によるO脚の着用者のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。
【図8】図8は、従来の履物の外転モーメントを示す概路図である。
【図9】図9は、本発明によるインソール及びミッドソールを有する履物の外転モーメントを示す概路図である。
【図10】図10は、本発明によるアウトソール及びミッドソールを有する履物の外転モーメントを示す概路図である。
【図11】図11は、本発明の一実施例によるX脚の着用人のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施例によるX脚の着用人のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。
【図13】図13は、本発明の第1実施例の変形例によるインソール及びミッドソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図14】図14は、本発明の第2実施例による靴底の分解斜視図である。
【図15】図15は、本発明の第2実施例による靴底の縦断面図である。
【図16】図16は、本発明の第3実施例による退行性膝関節症のための靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図17】図17は、本発明の第3実施例の変形例による退行性膝関節症のための靴底を備えた履物の縦断面図である。
【図18】図18は、本発明の第4実施例による退行性膝関節症のための靴底を備えた履物の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳述する。
【0029】
<退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物の構成>
図4は、本発明によるインソール及びミッドソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図であり、図5は、本発明によるミッドソール及びアウトソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。図4及び図5に示すように、本発明による履物10は、インソール210、ミッドソール220、及びアウトソール230を含む靴底200と、外皮100とからなる。本発明による靴底200の詳細構成は、以下の通りである。
【0030】
(第1実施例)
図4及び図5に示すように、本発明の第1実施例による靴底200は、O脚又はX脚を矯正するために、靴底200のインソール210、アウトソール230、又はインソール210とアウトソール230のいずれか1つと一体に形成されたミッドソール220は、内側又は外側の両側面のいずれか一側面と靴底200の外側地面とのなす角度が、これに対向する他側面と靴底200の外側地面とのなす角度よりも小さく形成される。即ち、両側面が互いに平行でないように形成される。このような傾斜角度は、着用者の脚の曲がり具合により変更可能であり、45゜〜120゜の範囲が好適である。
【0031】
図6は、本発明の一実施例によるO脚の着用者のための靴底で発生する偶力(Couple moment)を示す靴底の概略的な縦断面図であり、図7は、本発明の他の実施例によるO脚の着用者のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。図6及び図7に示すように、O脚を矯正するためには、靴底200のインソール210、アウトソール230、又は、インソール210とアウトソール230のいずれか1つと一体に形成されたミッドソール220の内側面と靴底200の外側地面とのなす角度(θin)が、外側面と地面とのなす角度(θout)よりも小さく形成される。この時、靴底200の内側面と外側地面とのなす所定の角度(θin)は、45゜〜120゜の角度で傾斜が形成されることが望ましい。このような構成により、歩行中、膝を身の中心側に移動しようとする偶力が発生し、膝内側の関節間に隙間が生じる。これにより、膝内側の荷重が軽減され、徐々に、O脚が‘II’字形に矯正される。
【0032】
図8は、従来の履物の外転モーメントを示す概略図であり、図9は、本発明によるインソール210及びミッドソール220を有する履物の外転モーメントを示す概略図であり、図10は、本発明によるアウトソール及びミッドソールを有する履物の外転モーメントを示す概略図である。図8に示すように、一般的な従来の履物で発生する外転モーメントは、式1により求められる。
【0033】
[式1]
M1=d1×F
ここで、M1は外転モーメント、d1は膝の中心点と地面反発力のベクトル軸(a)との垂直距離、Fは、歩行時、地面で発生する地面反発力である。
【0034】
図9及び図10に示すように、本発明による履物10で発生する外転モーメントは、式2により求められる。
【0035】
[式2]
M2=d2×F=(d1-e1)×F
ここで、M2は外転モーメント、d2は膝の中心点と移動された地面反発力のベクトル軸(а′)との垂直距離、d1は膝の中心点と地面反発力のベクトル軸(а)との垂直距離、e1は地面反発力のベクトル軸(а)と移動された地面反発力のベクトル軸(a′)との垂直距離、Fは、歩行時、地面で発生する地面反発力である。
【0036】
式1及び式2に示すように、M2がM1よりも外転モーメントが小さいため、膝と下腿を外方へ移動させる回転力が減少し、これにより、膝前方内側の痛みが緩和され、O脚が矯正される。
【0037】
図11は、本発明の一実施例によるX脚の着用人のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図であり、図12は、本発明の他の実施例によるX脚の着用人のための靴底で発生する偶力を示す靴底の概略的な縦断面図である。一方、X脚を矯正するためには、図11及び図12に示すように、履物10の外側面と靴底200の外側地面とのなす角度(θout)が、内側面と靴底200の地面とのなす角度(θin)よりも小さく形成される。この時、外側面が外側地面となす所定の角度(θout)は、45゜〜120゜の角度で傾斜が形成されるのが望ましい。このような構成により、歩行中、膝を身の外側に移動させる偶力が発生し、膝外側の関節間に隙間が生じる。これにより、膝の外側に作用する荷重を更に軽減させて、徐々に、X脚が‘II’字形に矯正される。
【0038】
この時、履物10の内側面又は外側面と外側地面とのなす所定の角度(θin、θout)が45゜未満の場合と120゜超えの場合は、正常の履物10を形成し難いという問題がある。このような傾斜角度(θin、θout)は、着用者の膝の曲げ程度により変更が可能であり、正常人の着用のためには、地面となす傾斜角度(θin、θout)を90゜近くに形成して、脚の変形を未然に防止することができる。靴底200の一側が所定の角度(θin、θout)で傾斜しているため、靴底200に体重が加えられる時、靴底200の幾何学的な形状により伝統的な処置方法が自然に実現される。
【0039】
図13は、本発明の第1実施例の変形例によるインソール及びミッドソールが、退行性膝関節症のための傾斜した機能性靴底を備えた履物の縦断面図である。図13に示すように、靴底200のインソール210、又は一体に形成されたインソール210とミッドソール220は、両側面が丸くなるように形成することができる。また、アウトソール230とミッドソール220との間に、外皮100を結合することができる。
【0040】
(第2実施例)
図14は、本発明の第2実施例による靴底の分解斜視図であり、図15は、本発明の第2実施例による靴底の縦断面図である。本発明の第2実施例による靴底200のインソール210、又は一体に形成されたインソール210とミッドソール220は、全体として、第1実施例と同様な構成である。
【0041】
しかし、アウトソール230の上部の一側には、靴底200の外周面に沿って、所定深さの溝231が形成される。このような溝231の高さは、ミッドソール220の厚さよりも低く形成するのが望ましい。また、溝231の幅は、ミッドソール220の下部一側が挿入可能な広さで形成するのが望ましい。
【0042】
(第3実施例)
図16は、本発明の第3実施例による履物の縦断面図であり、図17は、本発明の第3実施例の変形例による履物の縦断面図である。本発明の第3実施例による履物10は、全体として、第1実施例と同様な構成である。
【0043】
しかし、靴底200のアウトソール230、又は一体に形成されたアウトソール230とミッドソール220の上端面の外周面に沿って、突部232が形成されて、外皮100との結合をスムーズにすることができる。即ち、図16に示すように、アウトソール230の上端面の外周面、又は、図17に示すように、ミッドソール220の上端面の外周面に沿って、突部232が形成されて、外皮100との結合をスムーズにする。
【0044】
(第4実施例)
図18は、本発明の第4実施例による退行性膝関節症のための靴底を備えた履物の縦断面図である。本発明の第4実施例による履物10の外皮100は、前述した第1実施例と同様な構成である。
【0045】
本発明の第4実施例による靴底200は、図18に示すように、インソール210、ミッドソール220、及びアウトソール230が一体に形成され、その全体的な構成は、前述した第1実施例のインソール210、アウトソール230、又はこれらの1つと一体に形成されたミッドソール220と同様な構成である。
【0046】
以上で説明したように、本発明が属する技術の分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施され得ることが理解できる。上述した実施形態は、すべての面に例示的であり、限定的ではないことと理解されるべきである。本発明の範囲は、詳細な説明より後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、等価概念から導出されるすべての変更・変形した形態が、本発明の範囲に含まれることと解析されるべきである。
【符号の説明】
【0047】
10 履物
100 外皮
200 靴底
210 インソール
220 ミッドソール
230 アウトソール
231 溝
232 突部
a 地面反発力のベクトル軸
a′ 移動された地面反発力のベクトル軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インソール(210)、ミッドソール(220)、及びアウトソール(230)の少なくとも一つを含む靴底(200)と、外皮(100)とを含む履物(10)であって、
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)のいずれか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)の縦断面において、
内側と外側の両側面が互いに平行でなく、
前記内側又は外側の両側面のいずれか一側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度が、これに対向する他側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度よりも小さいことを特徴とする退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項2】
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)の何れか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)は、O脚の矯正のために、前記縦断面における前記内側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度が、前記外側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度よりも小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項3】
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)のいずれか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)は、X脚の矯正のために、前記縦断面の前記外側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度が、前記内側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度よりも小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項4】
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)のいずれか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)は、着用者の状態により、傾斜角度及び厚さが変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項5】
前記アウトソール(230)の上端面の一側には、溝(231)が形成され、前記インソール(210)、又は一体に形成された前記インソール(210)と前記ミッドソール(220)は、前記アウトソール(230)の前記溝(231)に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項6】
前記靴底(200)の前記アウトソール(230)、又は一体に形成された前記アウトソール(230)と前記ミッドソール(220)には、上端面の外周面に沿って、前記外皮(100)と結合するための突部(232)が、更に形成されることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項7】
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)のいずれか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)は、O脚の矯正のために、前記内側面が前記靴底(200)の外側地面となす角度と、X脚の矯正のために、前記外側面が前記靴底(200)の外側地面となす角度とが、45゜〜120゜であることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項8】
前記外皮(100)は、前記インソール(210)及び前記ミッドソール(220)が外部に露出しないように設けられることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項1】
インソール(210)、ミッドソール(220)、及びアウトソール(230)の少なくとも一つを含む靴底(200)と、外皮(100)とを含む履物(10)であって、
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)のいずれか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)の縦断面において、
内側と外側の両側面が互いに平行でなく、
前記内側又は外側の両側面のいずれか一側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度が、これに対向する他側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度よりも小さいことを特徴とする退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項2】
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)の何れか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)は、O脚の矯正のために、前記縦断面における前記内側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度が、前記外側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度よりも小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項3】
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)のいずれか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)は、X脚の矯正のために、前記縦断面の前記外側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度が、前記内側面と前記靴底(200)の外側地面とのなす角度よりも小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項4】
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)のいずれか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)は、着用者の状態により、傾斜角度及び厚さが変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項5】
前記アウトソール(230)の上端面の一側には、溝(231)が形成され、前記インソール(210)、又は一体に形成された前記インソール(210)と前記ミッドソール(220)は、前記アウトソール(230)の前記溝(231)に挿入されることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項6】
前記靴底(200)の前記アウトソール(230)、又は一体に形成された前記アウトソール(230)と前記ミッドソール(220)には、上端面の外周面に沿って、前記外皮(100)と結合するための突部(232)が、更に形成されることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項7】
前記靴底(200)の前記インソール(210)、前記アウトソール(230)、又は、前記インソール(210)と前記アウトソール(230)のいずれか1つと一体に形成された前記ミッドソール(220)は、O脚の矯正のために、前記内側面が前記靴底(200)の外側地面となす角度と、X脚の矯正のために、前記外側面が前記靴底(200)の外側地面となす角度とが、45゜〜120゜であることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【請求項8】
前記外皮(100)は、前記インソール(210)及び前記ミッドソール(220)が外部に露出しないように設けられることを特徴とする請求項1に記載の退行性膝関節症のための機能性靴底を備えた履物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2012−518461(P2012−518461A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551014(P2011−551014)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001106
【国際公開番号】WO2010/095907
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(510303512)イントゥス エイチシーエヌ コーポレイション リミテッド. (2)
【氏名又は名称原語表記】INTOOS HCN CORPORATION LTD.
【住所又は居所原語表記】302, Donghyun Bldg.190−5 Garak−dong Songpa−gu Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001106
【国際公開番号】WO2010/095907
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(510303512)イントゥス エイチシーエヌ コーポレイション リミテッド. (2)
【氏名又は名称原語表記】INTOOS HCN CORPORATION LTD.
【住所又は居所原語表記】302, Donghyun Bldg.190−5 Garak−dong Songpa−gu Seoul,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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