通信装置
【課題】比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することのできる通信装置を提供すること。
【解決手段】VICSで提供されるデータを取り込む取込手段と、車々間通信を行うための送受信部3と、車々間通信の結果得られたデータを、VICSのデータ形式に変換する変換手段と、取り込まれた第1データ、及び変換された第2データのいずれかを選択して、VICSに対応したナビゲーション装置11へ出力する出力手段とを装備する。
【解決手段】VICSで提供されるデータを取り込む取込手段と、車々間通信を行うための送受信部3と、車々間通信の結果得られたデータを、VICSのデータ形式に変換する変換手段と、取り込まれた第1データ、及び変換された第2データのいずれかを選択して、VICSに対応したナビゲーション装置11へ出力する出力手段とを装備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置に関し、より詳細には、道路交通の安全確保などを実現するための通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事故回避等の先進安全のために様々な分野の研究が進められており、その一つに車々間通信がある。車々間通信は、衝突回避や協調運転(レーン変更や追越し、合流時の安全を確保し、交通の流れの最適化の実現等)への貢献が大きく期待されている。例えば、下記の特許文献1,2に、車々間での道路交通情報の通信について記載されている。
【0003】
図1は、従来の車々間通信システムの一例を概略的に示したブロック図である。図中1は車々間通信装置を示しており、車々間通信装置1はマイコン2と送受信部3とを含んで構成されている。マイコン2には送受信部3が接続されており、送受信部3を介してアンテナ4で受信されたデータを取得したり、送受信部3を介してアンテナ4から適当なデータを送信することができるようになっている。送受信部3では受信したアナログデータをディジタルデータに変換する処理を行うようになっている。
【0004】
また、マイコン2は送受信部3を介して取得したデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を解析して、必要なデータをナビゲーション装置5へ送信するようになっている。ナビゲーション装置5はマイコン6と表示部7とを含んで構成され、車々間通信装置1から送信されてきたデータに基づいて、ユーザーに提供すべき情報を表示部7へ表示するようになっている。
【0005】
また、マイコン2にはGPS受信機8や車速センサ9などが接続されており、マイコン2は自車両の位置データや車速データなどを取得することができるようになっている。また、マイコン2は取得した自車両の位置データや車速データなどを解析し、必要なデータを送受信部3を介してアンテナ4から他車両(に装備された車々間通信装置1)へ送信するようになっている。
【0006】
ところで、車々間通信で得られた情報をナビゲーション装置の表示部で表示できるようにするには、ナビゲーション装置が車々間通信装置から送信されてきたデータを認識できるようになっていなければならない。すなわち、ナビゲーション装置と車々間通信装置との間に互換性が必要となる。
【0007】
そのため、車両にナビゲーション装置が装備されていたとしても、そのナビゲーション装置と車々間通信装置との間に互換性がなければ、ナビゲーション装置を車々間通信装置と互換性のあるものに交換しなければならなかった。従って、車々間通信で得られる情報の提示の安価な実現は困難であった。
【0008】
また、純正のナビゲーション装置(販売時点であらかじめ車両に装備されているナビゲーション装置)の交換は非常に困難である。そのため、純正のナビゲーション装置が車々間通信装置と互換性がなければ、当該車両において車々間通信で得られる情報を提示することは事実上不可能であった。
【特許文献1】特開2003−187386号公報
【特許文献2】特開2005−250666号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することのできる通信装置を提供することを目的としている。
【0010】
上記目的を達成するために本発明に係る通信装置(1)は、交通情報提供システムで提供されるデータを取り込む取込手段と、車々間通信を行うための送受信手段と、車々間通信の結果得られたデータを、前記交通情報提供システムのデータ形式に変換する変換手段と、前記取込手段で取り込まれた第1データ、及び前記変換手段で変換された第2データのいずれかを選択して、前記交通情報提供システムに対応した情報提示装置へ出力する出力手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
交通情報提供システムとしては、VICS(Vehicle Information and Communication System)が挙げられる。図2は、従来のVICSに対応したナビゲーションシステムの一例を概略的に示したブロック図である。図中11はVICSに対応したナビゲーション装置を示しており、ナビゲーション装置11はマイコン12と表示部7とを含んで構成されている。
【0012】
FM多重受信アンテナ14a、光ビーコン受光部15a、及び電波ビーコン受信アンテナ16aで受信された信号はそれぞれ、FM多重受信機14b、光ビーコン受信機15b、電波ビーコン受信機16bを介してVICSユニット17へ入力され、そして受信信号から抽出されたVICS情報が通信ラインLを介してナビゲーション装置11の入力端子13へ入力されるようになっている。ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので(すなわち、VICSユニット17との間に互換性を有しているので)、入力したVICS情報を表示部7へ表示することができる。
【0013】
上記通信装置(1)によれば、車々間通信の結果得られたデータが前記交通情報提供システムのデータ形式に変換され、変換されたデータ(前記第2データ)が前記情報提示装置へ出力される。
従って、前記情報提示装置が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、前記交通情報提供システムに対応したものであれば、前記情報提示装置で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。これにより、システム全体を交換する必要はなくなり、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することができる。
【0014】
上記したように、前記交通情報提供システムとしては、VICSが挙げられる。そして前記情報提示装置としては、ナビゲーション装置が挙げられる。従って、ナビゲーション装置が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、VICSに対応したものであれば、ナビゲーション装置で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。
【0015】
また、上記通信装置(1)によれば、前記交通情報提供システムで提供されるデータが取り込まれ、そしてこのデータ(前記第1データ)及び前記第2データのいずれかが選択されて前記情報提示装置へ出力される。
【0016】
従って、前記第1データについては前記情報提示装置へ直接ではなく、上記通信装置(1)を介して出力することができる。また、前記第1データ及び前記第2データについては、上記通信装置(1)から前記情報提示装置へ同じタイミングで出力されることはない。これにより、前記第1データと前記第2データとが同じタイミングで前記情報提示装置へ入力されるのを防ぐことができる。
【0017】
簡単に説明すれば、上記通信装置(1)は、前記交通情報提供システムと前記情報提示装置との間に割り込んで、前記交通情報提供システムで提供される情報を上記通信装置(1)経由で前記情報提示装置へ出力し、車々間通信で得られる情報を、前記交通情報提供システムで提供される情報であるかのように(つまり、擬似的に)前記情報提示装置へ出力するものである。
【0018】
ところで、比較的古いタイプのナビゲーション装置には、図2に示したように、VICSユニット17と別体になっているものが多かった。このような古いタイプのナビゲーション装置11の場合、VICSユニット17が後付けとなっているため、VICSユニット17とナビゲーション装置11とを繋ぐ通信ラインLがナビゲーション装置11の外に出ているため、両者の間に割り込むのは比較的容易である。
【0019】
図3は、比較的新しいタイプのナビゲーション装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの一例を概略的に示したブロック図である。図中21はVICSに対応したナビゲーション装置を示しており、ナビゲーション装置21はナビゲーションユニット22とVICSユニット17と各種受信機14b、15b、16bとを含んで構成されている。また、ナビゲーションユニット22はマイコン23と表示部7とを含んで構成されている。また、FM多重受信アンテナ14a、光ビーコン受光部15a、及び電波ビーコン受信アンテナ16aで受信された信号はそれぞれ、入力端子24〜26からナビゲーション装置21へ入力されるようになっている。
【0020】
図3に示したように、新しいタイプのナビゲーション装置21の場合には、VICSユニット17や各種受信機14b、15b、16bが内蔵されているものが多い。このようなタイプのナビゲーション装置21の場合、通信ラインLはナビゲーション装置21の外に出ておらず、ナビゲーション装置21にはFM多重受信アンテナ14aや光ビーコン受光部15a、電波ビーコン受信アンテナ16aで捕らえられる高周波のVICS信号が入力されることになる。
【0021】
そこで、上記通信装置(1)において、高周波信号に変調する変調手段を備え、前記出力手段が、前記変調手段を介して、前記第1データ又は前記第2データを前記情報提示装置へ出力するものであるようにする。
【0022】
例えば、FM多重受信アンテナ14aや光ビーコン受光部15a、電波ビーコン受信アンテナ16aで受信した信号と同等の信号(高周波信号)に変調して、それをナビゲーション装置21へ出力するようにする。これにより、VICSユニット17や各種受信機14b、15b、16bが内蔵された新しいタイプのナビゲーション装置21にも対応可能となる。
【0023】
また、本発明に係る通信装置(2)は、撮影手段で得られた映像データを取り込む取込手段と、車々間通信を行うための送受信手段と、車々間通信の結果得られたデータを、表示装置の仕様に適合した映像データに変換する変換手段と、前記取込手段で取り込まれた第1映像データ、及び前記変換手段で変換された第2映像データのいずれかを選択して、前記表示装置の映像入力端子へ出力する出力手段とを備えていることを特徴としている。
【0024】
上記通信装置(2)によれば、車々間通信の結果得られたデータが前記表示装置の仕様に適合した映像データに変換され、変換されたデータ(前記第2映像データ)が前記表示装置の映像入力端子へ出力される。
従って、前記表示装置が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、前記表示装置で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。これにより、システム全体を交換する必要はなくなり、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することができる。
【0025】
また、上記通信装置(2)によれば、前記撮影手段で得られたデータが取り込まれ、そしてこのデータ(前記第1映像データ)及び前記第2映像データのいずれかが選択されて前記表示装置の映像入力端子へ出力される。
従って、前記第1映像データについては前記表示装置へ直接ではなく、上記通信装置(2)を介して出力することができる。また、前記第1映像データ及び前記第2映像データについては、上記通信装置(2)から前記表示装置へ同じタイミングで出力されることはない。これにより、前記第1映像データと前記第2映像データとが同じタイミングで前記表示装置へ入力されるのを防ぐことができる。
【0026】
簡単に説明すれば、上記通信装置(2)は、前記撮影手段と前記表示装置との間に割り込んで、前記撮影手段で得られた映像データを上記通信装置(2)経由で前記表示装置へ出力し、車々間通信で得られる情報を、前記撮影手段で得られた映像データであるかのように(つまり、擬似的に)前記表示装置へ出力するものである。
【0027】
ところで、車両の後方を撮影した映像を表示し、車両の後退を支援する後退支援システムが実用化されている。図4は、従来の後退支援システムの一例を概略的に示したブロック図である。図中31はディスプレイを示しており、ディスプレイ31はマイコン32と表示部33とを含んで構成されている。
【0028】
車両の後方を撮影するカメラ36で得られた映像データは映像入力端子34を介してマイコン32へ入力されるようになっている。また、セレクターレバー37のレバー位置を示す信号がレバー位置入力端子35を介してマイコン32へ入力されるようになっている。セレクターレバー37のレバー位置としては、走行(ドライブD)、駐車(パーキングP)、後退(リバースR)などが挙げられる。
【0029】
マイコン32はセレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていると判断した場合に、カメラ36で得られた映像データを表示部33へ出力して、車両の後方を映した映像を表示部33で表示するようになっている。つまり、車両を後退させる時にその車両の後方を映した映像が表示部33に表示されることになる。
【0030】
前記表示装置としては、例えば、この後退支援システムを構成するディスプレイ31が挙げられる。しかしながら、ディスプレイ31の表示部33に映像を表示するにはセレクターレバー37(マニュアルシフト車の場合はシフトレバー)のレバー位置が後退に入っている必要がある。
【0031】
そこで、上記通信装置(2)において、前記第2映像データを前記映像入力端子へ出力する場合、セレクターレバー又はシフトレバーが後退位置に入れられていることを示す擬似信号を前記表示装置へ送信する送信手段を備えるようにする。
例えば、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入れられていることを示す擬似信号をディスプレイ31のレバー位置入力端子35へ出力するようにする。これにより、ディスプレイ31の表示部33に車々間通信で得られる情報を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明に係る通信装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図5は、実施の形態(1)に係る通信装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。なお、ここでは図2に示したナビゲーションシステムと同様の構成部分については同符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
図中41は車々間通信装置(本発明に係る通信装置に対応)を示しており、車々間通信装置41は図示しないCPU、ROM、及びRAMなどを有したマイコン42と、送受信部3と、リモコン43aからの信号を入力するリモコンセンサ43bとを含んで構成されている。マイコン42には送受信部3が接続されており、送受信部3を介してアンテナ4で受信されたデータを取得したり、送受信部3を介してアンテナ4から適当なデータを送信することができるようになっている。
【0034】
車々間通信装置41には、VICSユニット17からの信号を入力するための入力端子44と、外部へ信号を出力するための出力端子45とが設けられている。この出力端子45はナビゲーション装置11に設けられている入力端子13に接続され、車々間通信装置41から出力された信号がナビゲーション装置11で入力されるようになっている。
【0035】
また、マイコン42にはGPS受信機8や車速センサ9などが接続されており、マイコン42は自車両の位置データや車速データなどを取得することができるようになっている。また、マイコン42は取得した自車両の位置データや車速データなどを解析し、必要なデータを送受信部3を介してアンテナ4から他車両(に装備された車々間通信装置41)へ送信するようになっている。
【0036】
図6は、車々間通信装置41のマイコン42をより詳しく説明するためのブロック図である。マイコン42は管理部51と、VICSユニット17からの信号を取り込むための取込部52と、車々間通信の結果得られたデータをVICSのデータ形式に変換する変換部(エンコード部)53と、取込部52で取り込まれたデータ及び変換部53で変換されたデータを保存する保存部54とを含んで構成されている。
【0037】
管理部51には出力端子45が接続されており、管理部51は取込部52で取り込まれたデータD1(すなわち、VICSで提供されたデータ)や、変換部53で変換されたデータD2(すなわち、車々間通信の結果得られたデータ)を出力端子45から出力するようになっている。
【0038】
車々間通信装置41のマイコン42の行う処理動作[1−1]を図7に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[1−1]は送受信部3から送信されてきたデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0039】
まず、送受信部3から送信されてきたデータを解析して、ユーザーに提供する情報を構成する(ステップS1)。次に、構成した情報を変換部53でVICSのデータに変換する(ステップS2)。すなわち、車々間通信の結果得られたデータをVICSのデータに変換する。
【0040】
図8は、VICSのデータ形式の一例を摸式的に示した図であり、情報の種別を示すデータ、及び文字・図形で表された画面に関するデータを含んで構成されている。図8(a)は、画面が1ページで構成される場合を示し、図8(b)は、画面が2ページ以上で構成される場合を示している。
【0041】
次に、出力端子45を介してデータD1(VICSで提供されたデータ)をナビゲーション装置11へ出力中であるか否かを判断する(ステップS3)。データD1は出力中でないと判断すれば、次に、変換部53で変換されたデータD2の示す情報が画面1ページで構成されているか否かを判断する(ステップS4)。データD2の示す情報が画面1ページで構成されていると判断すれば、次に、出力端子45を介してデータD2をナビゲーション装置11へ出力して(ステップS5)、処理動作[1−1]を終了する。
【0042】
ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので、VICSのデータに変換されたデータD2を解析して、データD2に含まれる情報を表示部7へ表示することができる。すなわち、車々間通信の結果得られたデータに含まれる情報を表示部7へ表示することができる。
【0043】
一方、ステップS4において、データD2の示す情報が画面1ページではなく、画面2ページ以上で構成されていると判断すれば、最初の1ページのデータをナビゲーション装置11へ出力し(ステップS6)、次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーから次ページの表示が要求されているか否かを判断する(ステップS7)。
【0044】
次ページの表示が要求されていると判断すれば、次ページのデータをナビゲーション装置11へ出力し(ステップS8)、その後、全ページ分のデータの出力が完了したか否かを判断する(ステップS9)。全ページ分のデータの出力が完了したと判断すれば、処理動作[1−1]を終了する。一方、出力すべきデータが残っていると判断すれば、ステップS7へ戻る。
【0045】
また、ステップS3において、出力端子45を介してデータD1(VICSで提供されたデータ)をナビゲーション装置11へ出力中であると判断すれば、出力中のデータD1の示す情報の種別、及びデータD2(車々間通信の結果得られたデータ)の示す情報の種別に基づいて、データD2の出力タイミングを決定する(ステップS10)。
【0046】
データD2の出力タイミングを決定する基準の一例について説明する。
1.データD2の示す情報が安全に関わる場合(例えば、車両接近の報知の場合)
a.データD1の示す情報が緊急番組の場合
データD1の出力が完了したその直後にデータD2の出力を開始する。
b.データD1の示す情報が緊急番組ではない場合
データD1の出力状況に関係なく、すぐにデータD2の出力を開始する。
2.データD2の示す情報が安全に関わるものでない場合
データD1の出力が完了してから所定時間(例えば、ユーザーがデータD1の示す情報を読み取るのに必要な時間、3秒間)経過後、データD2の出力を開始する。
【0047】
なお、ここではデータD1の示す情報、及びデータD2の示す情報に基づいて、データD2の出力タイミングを決定する場合について説明しているが、別の実施の形態では、データD1の示す情報、又はデータD2の示す情報のいずれか一方に基づいて、データD2の出力タイミングを決定するようにしても良い。
【0048】
データD2の出力タイミングを決定したその決定結果に基づいて、データD2の出力を待機させる必要があるか否かを判断する(ステップS11)。データD2の出力を待機させる必要がないと判断すれば、ステップS4へ進んで、データD2をナビゲーション装置11へ出力する処理を行う。
【0049】
一方、データD2の出力を待機させる必要があると判断すれば、データD2を保存部54へ保存する(ステップS12)。次に、データD2を出力すべき条件が成立したか否かを判断し(ステップS13)、データD2を出力すべき条件が成立したと判断すれば、保存部5よりデータD2を読み出し(ステップS14)、その後、ステップS4へ進む。
【0050】
車々間通信装置41のマイコン42の行う処理動作[1−2]を図9に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[1−2]はVICSユニット17から送信されてきたデータD1(すなわち、VICSで提供されたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0051】
まず、出力端子45を介してデータD2(車々間通信の結果得られたデータ)をナビゲーション装置11へ出力中であるか否かを判断する(ステップS21)。データD2は出力中でないと判断すれば、次に、出力端子45を介してデータD1をナビゲーション装置11へ出力して(ステップS22)、処理動作[1−2]を終了する。ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので、データD1を解析して、データD1に含まれる情報を表示部7へ表示することができる。
【0052】
一方、ステップS21において、出力端子45を介してデータD2をナビゲーション装置11へ出力中であると判断すれば、データD1の出力を待機させるため、データD1を保存部54へ保存する(ステップS23)。
【0053】
次に、データD2の出力が完了してから所定時間(例えば、ユーザーがデータD2の示す情報を読み取るのに必要な時間、3秒間)が経過したか否か、すなわちデータD1を出力すべきタイミングに到達しているか否かを判断する(ステップS24)。データD1を出力すべきタイミングに到達していると判断すれば、ステップS22へ進んで、出力端子45を介してデータD1をナビゲーション装置11へ出力する。
【0054】
なお、ここでは、データD2の出力が完了してから所定時間が経過した時点を、データD1の出力すべきタイミングとしているが、別の実施の形態では、データD1の示す情報、及びデータD2の示す情報、もしくはデータD1の示す情報、又はデータD2の示す情報に基づいて、データD1の出力タイミングを決定するようにしても良い。
【0055】
車々間通信装置41のマイコン42の行う処理動作[1−3]を図10に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[1−3]はリモコン43aが操作されて、ユーザーより車々間情報送信用のメニュー画面の表示が要求された場合に行われる動作である。
【0056】
まず、メニュー画面P10(図11)を作成し(ステップS31)、作成したメニュー画面P10の情報を変換部53でVICSのデータに変換し(ステップS32)、その後、変換した(メニュー画面P10を示す)データD10を出力端子45を介してナビゲーション装置11へ出力する(ステップS33)。
【0057】
ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので、VICSのデータに変換されたデータD10を解析して、データD10に含まれるメニュー画面P10を表示部7へ表示することができる。図11に、表示部7へ表示されるメニュー画面P10の一例を示す。メニュー画面P10には「1」、「2」の選択肢が設けられている。また、メニュー画面P10は他の〈お願い〉画面P21、〈あいさつ〉画面P22とリンクの関係にあり、画面が階層化されている。
【0058】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」、「2」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS34)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、次に、〈お願い〉画面P21を作成し(ステップS35)、作成した〈お願い〉画面P21の情報を変換部53でVICSのデータに変換し(ステップS36)、その後、変換した〈お願い〉画面P21を示すデータD21を出力端子45を介してナビゲーション装置11へ出力する(ステップS37)。これにより、ナビゲーション装置11の表示部7へ〈お願い〉画面P21が表示されることになる。
【0059】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」〜「3」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS38)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、「割り込みします」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信する(ステップS39)。
【0060】
ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、「右折します」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信し(ステップS40)、ユーザーが選択肢「3」を選択したと判断すれば、「左折します」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信する(ステップS41)。
【0061】
一方、ステップS34において、ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、次に、〈あいさつ〉画面P22を作成し(ステップS42)、作成した〈あいさつ〉画面P22の情報を変換部53でVICSのデータに変換し(ステップS43)、その後、変換した〈あいさつ〉画面P22を示すデータD22を出力端子45を介してナビゲーション装置11へ出力する(ステップS44)。これにより、ナビゲーション装置11の表示部7へ〈あいさつ〉画面P22が表示されることになる。
【0062】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」〜「4」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS45)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、「おはよう」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信する(ステップS46)。
【0063】
ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、「こんにちは」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信し(ステップS47)、ユーザーが選択肢「3」を選択したと判断すれば、「こんばんは」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信し(ステップS48)、ユーザーが選択肢「4」を選択したと判断すれば、「ありがとう」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信する(ステップS49)。
【0064】
上記実施の形態(1)に係る通信装置(車々間通信装置41)によれば、車々間通信の結果得られたデータがVICSのデータ形式に変換され、変換されたデータがナビゲーション装置11へ出力される。
従って、ナビゲーション装置11が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、VICSに対応したものであれば、ナビゲーション装置11で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。これにより、システム全体を交換する必要はなくなり、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することができる。
【0065】
図12は、実施の形態(2)に係る通信装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。なお、ここでは図3に示したナビゲーションシステムと同様の構成部分については同符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
図中61は車々間通信装置(本発明に係る通信装置に対応)を示しており、車々間通信装置61は図示しないCPU、ROM、及びRAMなどを有したマイコン62と、送受信部3と、電波ビーコン受信機63と、VICSユニット64と、高周波信号に変調するための変調部65と、リモコン43aからの信号を入力するリモコンセンサ43bとを含んで構成されている。
【0067】
マイコン62には送受信部3が接続されており、送受信部3を介してアンテナ4で受信されたデータを取得したり、送受信部3を介してアンテナ4から適当なデータを送信することができるようになっている。また、マイコン62にはVICSユニット64が接続されており、電波ビーコン受信アンテナ16aで受信された信号が電波ビーコン受信機63を介してVICSユニット64へ入力され、そして受信信号から抽出したVICS情報がマイコン62へ入力されるようになっている。
【0068】
また、車々間通信装置61には、電波ビーコン受信アンテナ16aからの信号を入力するための入力端子66と、外部へ信号を出力するための出力端子67とが設けられている。この出力端子67はナビゲーション装置21に設けられている入力端子26に接続され、車々間通信装置61から出力された信号がナビゲーション装置21で入力されるようになっている。
【0069】
また、マイコン62にはGPS受信機8や車速センサ9などが接続されており、マイコン62は自車両の位置データや車速データなどを取得することができるようになっている。また、マイコン62は取得した自車両の位置データや車速データなどを解析し、必要なデータを送受信部3を介してアンテナ4から他車両(に装備された車々間通信装置61)へ送信するようになっている。
【0070】
図13は、車々間通信装置61のマイコン62をより詳しく説明するためのブロック図である。マイコン62は管理部71と、VICSユニット64からの信号を取り込むための取込部72と、車々間通信の結果得られたデータをVICSのデータ形式に変換する変換部(エンコード部)73と、取込部72で取り込まれたデータ及び変換部73で変換されたデータを保存する保存部74とを含んで構成されている。
【0071】
管理部71には変調部65が接続されており、管理部71は取込部72で取り込まれたデータD1(すなわち、VICSで提供されたデータ)や、変換部73で変換されたデータD2(すなわち、車々間通信の結果得られたデータ)を変調部65へ出力するようになっている。これにより、データD1やデータD2を電波ビーコン受信アンテナ16aで捕らえられたような高周波のVICS信号として、ナビゲーション装置21に装備されている電波ビーコン受信機16bで受信させることができる。
【0072】
車々間通信装置61のマイコン62の行う処理動作[2−1]を図14に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[2−1]は送受信部3から送信されてきたデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0073】
まず、送受信部3から送信されてきたデータを解析して、ユーザーに提供する情報を構成する(ステップS51)。次に、構成した情報を変換部73でVICSのデータに変換する(ステップS52)。すなわち、車々間通信の結果得られたデータをVICSのデータに変換する。
【0074】
次に、出力端子67を介してデータD1(VICSで提供されたデータ)をナビゲーション装置21へ出力中であるか否かを判断する(ステップS53)。データD1は出力中でないと判断すれば、次に、変換部73で変換されたデータD2の示す情報が画面1ページで構成されているか否かを判断する(ステップS54)。データD2の示す情報が画面1ページで構成されていると判断すれば、次に、変調部65を介してデータD2を出力端子67からナビゲーション装置21へ出力して(ステップS55)、処理動作[2−1]を終了する。
【0075】
ナビゲーション装置21はVICSに対応しているので、VICSのデータに変換されたデータD2を解析して、データD2に含まれる情報を表示部7へ表示することができる。すなわち、車々間通信の結果得られたデータに含まれる情報を表示部7へ表示することができる。
【0076】
一方、ステップS54において、データD2の示す情報が画面1ページではなく、画面2ページ以上で構成されていると判断すれば、最初の1ページのデータを変調部65を介してナビゲーション装置21へ出力し(ステップS56)、次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーから次ページの表示が要求されているか否かを判断する(ステップS57)。
【0077】
次ページの表示が要求されていると判断すれば、次ページのデータを変調部65を介してナビゲーション装置21へ出力し(ステップS58)、その後、全ページ分のデータの出力が完了したか否かを判断する(ステップS59)。全ページ分のデータの出力が完了したと判断すれば、処理動作[2−1]を終了する。一方、出力すべきデータが残っていると判断すれば、ステップS57へ戻る。
【0078】
また、ステップS53において、出力端子67を介してデータD1(VICSで提供されたデータ)をナビゲーション装置21へ出力中であると判断すれば、出力中のデータD1の示す情報の種別、及びデータD2(車々間通信の結果得られたデータ)の示す情報の種別に基づいて、データD2の出力タイミングを決定する(ステップS60)。
【0079】
データD2の出力タイミングを決定したその決定結果に基づいて、データD2の出力を待機させる必要があるか否かを判断する(ステップS61)。データD2の出力を待機させる必要がないと判断すれば、ステップS54へ進んで、データD2をナビゲーション装置21へ出力する処理を行う。
【0080】
一方、データD2の出力を待機させる必要があると判断すれば、データD2を保存部74へ保存する(ステップS62)。次に、データD2を出力すべき条件が成立したか否かを判断し(ステップS63)、データD2を出力すべき条件が成立したと判断すれば、保存部74よりデータD2を読み出し(ステップS64)、その後、ステップS54へ進む。
【0081】
次に、車々間通信装置61のマイコン62の行う処理動作[2−2]を図15に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[2−2]は送受信部3から送信されてきたデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0082】
まず、出力端子67を介してデータD2(車々間通信の結果得られたデータ)をナビゲーション装置21へ出力中であるか否かを判断する(ステップS71)。データD2は出力中でないと判断すれば、次に、変調部65を介してデータD1を出力端子67からナビゲーション装置21へ出力して(ステップS72)、処理動作[2−2]を終了する。ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので、データD1を解析して、データD1に含まれる情報を表示部7へ表示することができる。
【0083】
一方、ステップS71において、出力端子67を介してデータD2をナビゲーション装置21へ出力中であると判断すれば、データD1の出力を待機させるため、データD1を保存部74へ保存する(ステップS73)。
【0084】
次に、データD2の出力が完了してから所定時間(例えば、ユーザーがデータD2の示す情報を読み取るのに必要な時間、3秒間)が経過したか否か、すなわちデータD1を出力すべきタイミングに到達しているか否かを判断する(ステップS74)。データD1を出力すべきタイミングに到達していると判断すれば、ステップS72へ進んで、変調部65を介してデータD1を出力端子67からナビゲーション装置21へ出力する。
【0085】
次に、車々間通信装置61のマイコン62の行う処理動作[2−3]を図16に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[2−3]はリモコン43aが操作されて、ユーザーより車々間情報送信用のメニュー画面の表示が要求された場合に行われる動作である。
【0086】
まず、メニュー画面P10(図11)を作成し(ステップS81)、作成したメニュー画面P10の情報を変換部73でVICSのデータに変換し(ステップS82)、その後、変換した(メニュー画面P10を示す)データD10を変調部65を介して出力端子67からナビゲーション装置21へ出力する(ステップS83)。ナビゲーション装置21はVICSに対応しているので、VICSのデータに変換されたデータD10を解析して、データD10に含まれるメニュー画面P10を表示部7へ表示することができる。
【0087】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」、「2」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS84)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、次に、〈お願い〉画面P21を作成し(ステップS85)、作成した〈お願い〉画面P21の情報を変換部73でVICSのデータに変換し(ステップS86)、その後、変換した〈お願い〉画面P21を示すデータD21を変調部65を介して出力端子67からナビゲーション装置21へ出力する(ステップS87)。これにより、ナビゲーション装置21の表示部7へ〈お願い〉画面P21が表示されることになる。なお、ステップS88〜S91については、図10に示した処理動作[1−3]のステップS38〜S41と同様の処理動作であるので、ここではその説明を省略する。
【0088】
一方、ステップS84において、ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、次に、〈あいさつ〉画面P22を作成し(ステップS92)、作成した〈あいさつ〉画面P22の情報を変換部73でVICSのデータに変換し(ステップS93)、その後、変換した〈あいさつ〉画面P22を示すデータD22を変調部65を介して出力端子67からナビゲーション装置21へ出力する(ステップS94)。これにより、ナビゲーション装置21の表示部7へ〈あいさつ〉画面P22が表示されることになる。なお、ステップS95〜S99については、図10に示した処理動作[1−3]のステップS45〜S49と同様の処理動作であるので、ここではその説明を省略する。
【0089】
上記実施の形態(2)に係る通信装置(車々間通信装置62)によれば、高周波信号に変調する変調部65を備え、変調部65を介して、データD1、D2がナビゲーション装置21へ出力される。これにより、VICSユニット17や各種受信機14b、15b、16bが内蔵された新しいタイプのナビゲーション装置21にも対応可能となる。
【0090】
なお、ここでは電波ビーコン受信アンテナ16aとVICSユニット17との間に割り込む場合について説明しているが、別の実施の形態では、FM多重受信アンテナ14aとVICSユニット17との間や、光ビーコン受光部15aとVICSユニット17との間に割り込むようにしても良い。
【0091】
図17は、実施の形態(3)に係る通信装置を含んで構成される後退支援システムの要部を概略的に示したブロック図である。なお、ここでは図4に示した後退支援システムと同様の構成部分については同符号を付し、その説明を省略する。
【0092】
図中81は車々間通信装置(本発明に係る通信装置に対応)を示しており、車々間通信装置81は図示しないCPU、ROM、及びRAMなどを有したマイコン82と、送受信部3と、リモコン43aからの信号を入力するリモコンセンサ43bとを含んで構成されている。マイコン82には送受信部3が接続されており、送受信部3を介してアンテナ4で受信されたデータを取得したり、送受信部3を介してアンテナ4から適当なデータを送信することができるようになっている。
【0093】
車々間通信装置81には、車両の後方を撮影するカメラ36で得られた映像データを入力するための入力端子83と、外部へ映像データを出力するための出力端子84と、セレクターレバー37のレバー位置を示す信号を出力するための出力端子85と、セレクターレバー37のレバー位置を示す信号を入力するための入力端子86とが設けられている。
【0094】
出力端子84は、ディスプレイ31に設けられている映像入力端子34に接続され、車々間通信装置81から出力された映像データがディスプレイ31へ入力されるようになっている。また、出力端子85は、ディスプレイ31に設けられているレバー位置入力端子35に接続され、車々間通信装置81から出力されたセレクターレバー37のレバー位置を示す信号がディスプレイ31へ入力されるようになっている。
【0095】
また、マイコン82にはGPS受信機8や車速センサ9などが接続されており、マイコン82は自車両の位置データや車速データなどを取得することができるようになっている。また、マイコン82は取得した自車両の位置データや車速データなどを解析し、必要なデータを送受信部3を介してアンテナ4から他車両(に装備された車々間通信装置81)へ送信するようになっている。
【0096】
図18は、車々間通信装置81のマイコン82をより詳しく説明するためのブロック図である。マイコン82は管理部91と、カメラ36からの映像データを取り込むための取込部92と、車々間通信の結果得られたデータをディスプレイ31の仕様に適合した映像データに変換する変換部(エンコード部)93と、取込部92で取り込まれた映像データ及び変換部93で変換された映像データを保存する保存部94とを含んで構成されている。
【0097】
管理部91には出力端子84が接続されており、管理部91は取込部92で取り込まれた映像データDa(すなわち、カメラ36で得られた映像データ)や、変換部93で変換された映像データDb(すなわち、車々間通信の結果得られたデータ)を出力端子84から出力するようになっている。
【0098】
また、管理部91には出力端子85が接続されており、セレクターレバー37のレバー位置を示す信号を出力端子85から出力するようになっている。セレクターレバー37のレバー位置としては、走行(ドライブD)、駐車(パーキングP)、後退(リバースR)などが挙げられる。また、管理部91は必要に応じて、セレクターレバー37のレバー位置が後退(リバースR)に入っていなくても、レバー位置が後退に入っていることを示す擬似信号を出力するようになっている。
【0099】
車々間通信装置81のマイコン82の行う処理動作[3−1]を図19に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[3−1]は送受信部3から送信されてきたデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0100】
まず、送受信部3から送信されてきたデータを解析して、ユーザーに提供する情報を構成する(ステップS101)。次に、構成した情報を変換部93でディスプレイ31の仕様に適合した映像データに変換する(ステップS102)。すなわち、車々間通信の結果得られたデータをカメラ36で得られた映像データと同じ形式のデータに変換する。
【0101】
次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退(リバースR)に入っているか否かを判断し(ステップS103)、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていないと判断すれば、レバー位置が後退に入っていることを示す擬似信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS104)。
【0102】
次に、変換部93で変換された映像データDbの示す情報が画面1ページで構成されているか否かを判断する(ステップS105)。映像データDbの示す情報が画面1ページで構成されていると判断すれば、次に、出力端子84を介して映像データDbをディスプレイ31へ出力し(ステップS106)、その後、セレクターレバー37の正規のレバー位置を示す信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力して(ステップS107)、処理動作[3−1]を終了する。
【0103】
映像データDbはディスプレイ31の仕様に適合しているので、ディスプレイ31は映像データDbの示す映像を表示部33へ表示することができる。すなわち、車々間通信の結果得られたデータに含まれる情報を表示部33へ表示することができる。
【0104】
一方、ステップS105において、映像データDbの示す情報が画面1ページではなく、画面2ページ以上で構成されていると判断すれば、最初の1ページのデータをディスプレイ31へ出力し(ステップS108)、次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーから次ページの表示が要求されているか否かを判断する(ステップS109)。
【0105】
次ページの表示が要求されていると判断すれば、次ページのデータをディスプレイ31へ出力し(ステップS110)、その後、全ページ分のデータの出力が完了したか否かを判断する(ステップS111)。全ページ分のデータの出力が完了したと判断すれば、セレクターレバー37の正規のレバー位置を示す信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力して(ステップS107)、処理動作[3−1]を終了する。一方、出力すべきデータが残っていると判断すれば、ステップS109へ戻る。
【0106】
また、ステップS103において、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っている(すなわち、車両が後退する時である)と判断すれば、カメラ36で撮影される車両後方の映像を表示部33へ表示すべきであるので、映像データDbを保存部94へ保存して出力を待機する(ステップS112)。
【0107】
次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っているか否かを判断し(ステップS113)、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていない(すなわち、セレクターレバー37が操作されて、後退か別の位置へ移動した)と判断すれば、保存部94から映像データDbを読み出し(ステップS114)、その後、ステップS104へ進む。
【0108】
次に、車々間通信装置81のマイコン82の行う処理動作[3−2]を図20に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[3−2]は所定期間毎に行われる動作である。
【0109】
まず、出力端子85を介して、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていることを示す擬似信号をディスプレイ31へ出力中であるか否かを判断する(ステップS121)。前記擬似信号は出力中でないと判断すれば、次に、セレクターレバー37の正規にレバー位置を示す信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS122)。
【0110】
次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っているか否かを判断する(ステップS123)。レバー位置が後退に入っていると判断すれば、カメラ36で撮影される車両後方の映像を表示部33へ表示すべきであるので、カメラ36で得られた映像データDaを出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS124)。映像データDaの出力は、レバー位置が切り替えられるまで継続されることになる。
一方、レバー位置は後退に入っていないと判断すれば、そのまま処理動作[3−2]を終了する。
【0111】
また、ステップS121において、前記擬似信号を出力中である(すなわち、車々間通信の結果得られたデータに含まれる情報が表示部33に表示されている)と判断すれば、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っているか否かを判断する(ステップS125)。
【0112】
セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っている(すなわち、車両が後退する時である)と判断すれば、映像データDbの出力は遮断し、カメラ36で得られた映像データDaを出力するモードに切り替えて(ステップS126)、映像データDaを出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS124)。
一方、レバー位置は後退に入っていないと判断すれば、そのまま処理動作[3−2]を終了する。
【0113】
次に、車々間通信装置81のマイコン82の行う処理動作[3−3]を図21に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[3−3]はリモコン43aが操作されて、ユーザーより車々間情報送信用のメニュー画面の表示が要求された場合に行われる動作である。
【0114】
まず、メニュー画面P10(図11)を作成し(ステップS131)、作成したメニュー画面P10の情報を変換部93でディスプレイ31の仕様に適合したデータに変換する(ステップS132)。次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退(リバースR)に入っているか否かを判断し(ステップS133)、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていないと判断すれば、レバー位置が後退に入っていることを示す擬似信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS134)。
【0115】
次に、変換した(メニュー画面P10を示す)映像データDb10を出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS135)。映像データDb10はディスプレイ31の仕様に適合しているので、ディスプレイ31は映像データDb10の示す映像を表示部33へ表示することができる。
【0116】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」、「2」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS136)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、次に、〈お願い〉画面P21を作成し(ステップS137)、作成した〈お願い〉画面P21の情報を変換部93でディスプレイ31の仕様に適合したデータに変換し(ステップS138)、その後、変換した〈お願い〉画面P21を示す映像データDb21を出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS139)。これにより、ディスプレイ31の表示部33へ〈お願い〉画面P21が表示されることになる。なお、ステップS140〜S141については、図10に示した処理動作[1−3]のステップS38〜S41と同様の処理動作であるので、ここではその説明を省略する。
【0117】
一方、ステップS136において、ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、次に、〈あいさつ〉画面P22を作成し(ステップS144)、作成した〈あいさつ〉画面P22の情報を変換部93でディスプレイ31の仕様に適合したデータに変換し(ステップS145)、その後、変換した〈あいさつ〉画面P22を示す映像データDb22を出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS146)。これにより、ディスプレイ31の表示部33へ〈あいさつ〉画面P22が表示されることになる。なお、ステップS147〜S151については、図10に示した処理動作[1−3]のステップS45〜S49と同様の処理動作であるので、ここではその説明を省略する。
【0118】
また、ステップS133において、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っている(すなわち、車両が後退する時である)と判断すれば、カメラ36で撮影される車両後方の映像を表示部33へ表示すべきであるので、映像データDb10を保存部94へ保存して出力を待機する(ステップS152)。
【0119】
次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っているか否かを判断し(ステップS153)、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていない(すなわち、セレクターレバー37が操作されて、後退か別の位置へ移動した)と判断すれば、保存部94から映像データDb10を読み出し(ステップS154)、その後、ステップS134へ進む。
【0120】
上記実施の形態(3)に係る通信装置(車々間通信装置81)によれば、車々間通信の結果得られたデータがディスプレイ31の仕様に適合した映像データに変換され、変換されたデータがディスプレイ31の映像入力端子34へ出力される。
従って、ディスプレイ31が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、ディスプレイ31で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。これにより、システム全体を交換する必要はなくなり、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することができる。なお、ここでは車々間通信をメインに説明したが、自車両とセンター(基地局)との通信等に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】従来の車々間通信システムの一例を概略的に示したブロック図である。
【図2】従来のVICSに対応したナビゲーションシステムの一例を概略的に示したブロック図である。
【図3】従来のVICSに対応したナビゲーションシステムの一例を概略的に示したブロック図である。
【図4】従来の後退支援システムの一例を概略的に示したブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態(1)に係る通信装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図6】車々間通信装置のマイコンをより詳しく説明するためのブロック図である。
【図7】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図8】VICSのデータ形式の一例を摸式的に示した図である。
【図9】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図10】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図11】表示部に表示される画面の一例を示した図である。
【図12】実施の形態(2)に係る通信装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図13】車々間通信装置のマイコンをより詳しく説明するためのブロック図である。
【図14】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図15】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図16】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図17】実施の形態(3)に係る通信装置を含んで構成される後退支援システムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図18】車々間通信装置のマイコンをより詳しく説明するためのブロック図である。
【図19】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図20】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図21】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0122】
41、61、81 車々間通信装置
42、62、82 マイコン
44、66、83、86 入力端子
45、67、84、85 出力端子
51、71、91 管理部
52、72、92 取込部
53、73、93 変換部
54、74、94 保存部
65 変調部
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置に関し、より詳細には、道路交通の安全確保などを実現するための通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事故回避等の先進安全のために様々な分野の研究が進められており、その一つに車々間通信がある。車々間通信は、衝突回避や協調運転(レーン変更や追越し、合流時の安全を確保し、交通の流れの最適化の実現等)への貢献が大きく期待されている。例えば、下記の特許文献1,2に、車々間での道路交通情報の通信について記載されている。
【0003】
図1は、従来の車々間通信システムの一例を概略的に示したブロック図である。図中1は車々間通信装置を示しており、車々間通信装置1はマイコン2と送受信部3とを含んで構成されている。マイコン2には送受信部3が接続されており、送受信部3を介してアンテナ4で受信されたデータを取得したり、送受信部3を介してアンテナ4から適当なデータを送信することができるようになっている。送受信部3では受信したアナログデータをディジタルデータに変換する処理を行うようになっている。
【0004】
また、マイコン2は送受信部3を介して取得したデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を解析して、必要なデータをナビゲーション装置5へ送信するようになっている。ナビゲーション装置5はマイコン6と表示部7とを含んで構成され、車々間通信装置1から送信されてきたデータに基づいて、ユーザーに提供すべき情報を表示部7へ表示するようになっている。
【0005】
また、マイコン2にはGPS受信機8や車速センサ9などが接続されており、マイコン2は自車両の位置データや車速データなどを取得することができるようになっている。また、マイコン2は取得した自車両の位置データや車速データなどを解析し、必要なデータを送受信部3を介してアンテナ4から他車両(に装備された車々間通信装置1)へ送信するようになっている。
【0006】
ところで、車々間通信で得られた情報をナビゲーション装置の表示部で表示できるようにするには、ナビゲーション装置が車々間通信装置から送信されてきたデータを認識できるようになっていなければならない。すなわち、ナビゲーション装置と車々間通信装置との間に互換性が必要となる。
【0007】
そのため、車両にナビゲーション装置が装備されていたとしても、そのナビゲーション装置と車々間通信装置との間に互換性がなければ、ナビゲーション装置を車々間通信装置と互換性のあるものに交換しなければならなかった。従って、車々間通信で得られる情報の提示の安価な実現は困難であった。
【0008】
また、純正のナビゲーション装置(販売時点であらかじめ車両に装備されているナビゲーション装置)の交換は非常に困難である。そのため、純正のナビゲーション装置が車々間通信装置と互換性がなければ、当該車両において車々間通信で得られる情報を提示することは事実上不可能であった。
【特許文献1】特開2003−187386号公報
【特許文献2】特開2005−250666号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段及びその効果】
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することのできる通信装置を提供することを目的としている。
【0010】
上記目的を達成するために本発明に係る通信装置(1)は、交通情報提供システムで提供されるデータを取り込む取込手段と、車々間通信を行うための送受信手段と、車々間通信の結果得られたデータを、前記交通情報提供システムのデータ形式に変換する変換手段と、前記取込手段で取り込まれた第1データ、及び前記変換手段で変換された第2データのいずれかを選択して、前記交通情報提供システムに対応した情報提示装置へ出力する出力手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
交通情報提供システムとしては、VICS(Vehicle Information and Communication System)が挙げられる。図2は、従来のVICSに対応したナビゲーションシステムの一例を概略的に示したブロック図である。図中11はVICSに対応したナビゲーション装置を示しており、ナビゲーション装置11はマイコン12と表示部7とを含んで構成されている。
【0012】
FM多重受信アンテナ14a、光ビーコン受光部15a、及び電波ビーコン受信アンテナ16aで受信された信号はそれぞれ、FM多重受信機14b、光ビーコン受信機15b、電波ビーコン受信機16bを介してVICSユニット17へ入力され、そして受信信号から抽出されたVICS情報が通信ラインLを介してナビゲーション装置11の入力端子13へ入力されるようになっている。ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので(すなわち、VICSユニット17との間に互換性を有しているので)、入力したVICS情報を表示部7へ表示することができる。
【0013】
上記通信装置(1)によれば、車々間通信の結果得られたデータが前記交通情報提供システムのデータ形式に変換され、変換されたデータ(前記第2データ)が前記情報提示装置へ出力される。
従って、前記情報提示装置が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、前記交通情報提供システムに対応したものであれば、前記情報提示装置で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。これにより、システム全体を交換する必要はなくなり、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することができる。
【0014】
上記したように、前記交通情報提供システムとしては、VICSが挙げられる。そして前記情報提示装置としては、ナビゲーション装置が挙げられる。従って、ナビゲーション装置が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、VICSに対応したものであれば、ナビゲーション装置で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。
【0015】
また、上記通信装置(1)によれば、前記交通情報提供システムで提供されるデータが取り込まれ、そしてこのデータ(前記第1データ)及び前記第2データのいずれかが選択されて前記情報提示装置へ出力される。
【0016】
従って、前記第1データについては前記情報提示装置へ直接ではなく、上記通信装置(1)を介して出力することができる。また、前記第1データ及び前記第2データについては、上記通信装置(1)から前記情報提示装置へ同じタイミングで出力されることはない。これにより、前記第1データと前記第2データとが同じタイミングで前記情報提示装置へ入力されるのを防ぐことができる。
【0017】
簡単に説明すれば、上記通信装置(1)は、前記交通情報提供システムと前記情報提示装置との間に割り込んで、前記交通情報提供システムで提供される情報を上記通信装置(1)経由で前記情報提示装置へ出力し、車々間通信で得られる情報を、前記交通情報提供システムで提供される情報であるかのように(つまり、擬似的に)前記情報提示装置へ出力するものである。
【0018】
ところで、比較的古いタイプのナビゲーション装置には、図2に示したように、VICSユニット17と別体になっているものが多かった。このような古いタイプのナビゲーション装置11の場合、VICSユニット17が後付けとなっているため、VICSユニット17とナビゲーション装置11とを繋ぐ通信ラインLがナビゲーション装置11の外に出ているため、両者の間に割り込むのは比較的容易である。
【0019】
図3は、比較的新しいタイプのナビゲーション装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの一例を概略的に示したブロック図である。図中21はVICSに対応したナビゲーション装置を示しており、ナビゲーション装置21はナビゲーションユニット22とVICSユニット17と各種受信機14b、15b、16bとを含んで構成されている。また、ナビゲーションユニット22はマイコン23と表示部7とを含んで構成されている。また、FM多重受信アンテナ14a、光ビーコン受光部15a、及び電波ビーコン受信アンテナ16aで受信された信号はそれぞれ、入力端子24〜26からナビゲーション装置21へ入力されるようになっている。
【0020】
図3に示したように、新しいタイプのナビゲーション装置21の場合には、VICSユニット17や各種受信機14b、15b、16bが内蔵されているものが多い。このようなタイプのナビゲーション装置21の場合、通信ラインLはナビゲーション装置21の外に出ておらず、ナビゲーション装置21にはFM多重受信アンテナ14aや光ビーコン受光部15a、電波ビーコン受信アンテナ16aで捕らえられる高周波のVICS信号が入力されることになる。
【0021】
そこで、上記通信装置(1)において、高周波信号に変調する変調手段を備え、前記出力手段が、前記変調手段を介して、前記第1データ又は前記第2データを前記情報提示装置へ出力するものであるようにする。
【0022】
例えば、FM多重受信アンテナ14aや光ビーコン受光部15a、電波ビーコン受信アンテナ16aで受信した信号と同等の信号(高周波信号)に変調して、それをナビゲーション装置21へ出力するようにする。これにより、VICSユニット17や各種受信機14b、15b、16bが内蔵された新しいタイプのナビゲーション装置21にも対応可能となる。
【0023】
また、本発明に係る通信装置(2)は、撮影手段で得られた映像データを取り込む取込手段と、車々間通信を行うための送受信手段と、車々間通信の結果得られたデータを、表示装置の仕様に適合した映像データに変換する変換手段と、前記取込手段で取り込まれた第1映像データ、及び前記変換手段で変換された第2映像データのいずれかを選択して、前記表示装置の映像入力端子へ出力する出力手段とを備えていることを特徴としている。
【0024】
上記通信装置(2)によれば、車々間通信の結果得られたデータが前記表示装置の仕様に適合した映像データに変換され、変換されたデータ(前記第2映像データ)が前記表示装置の映像入力端子へ出力される。
従って、前記表示装置が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、前記表示装置で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。これにより、システム全体を交換する必要はなくなり、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することができる。
【0025】
また、上記通信装置(2)によれば、前記撮影手段で得られたデータが取り込まれ、そしてこのデータ(前記第1映像データ)及び前記第2映像データのいずれかが選択されて前記表示装置の映像入力端子へ出力される。
従って、前記第1映像データについては前記表示装置へ直接ではなく、上記通信装置(2)を介して出力することができる。また、前記第1映像データ及び前記第2映像データについては、上記通信装置(2)から前記表示装置へ同じタイミングで出力されることはない。これにより、前記第1映像データと前記第2映像データとが同じタイミングで前記表示装置へ入力されるのを防ぐことができる。
【0026】
簡単に説明すれば、上記通信装置(2)は、前記撮影手段と前記表示装置との間に割り込んで、前記撮影手段で得られた映像データを上記通信装置(2)経由で前記表示装置へ出力し、車々間通信で得られる情報を、前記撮影手段で得られた映像データであるかのように(つまり、擬似的に)前記表示装置へ出力するものである。
【0027】
ところで、車両の後方を撮影した映像を表示し、車両の後退を支援する後退支援システムが実用化されている。図4は、従来の後退支援システムの一例を概略的に示したブロック図である。図中31はディスプレイを示しており、ディスプレイ31はマイコン32と表示部33とを含んで構成されている。
【0028】
車両の後方を撮影するカメラ36で得られた映像データは映像入力端子34を介してマイコン32へ入力されるようになっている。また、セレクターレバー37のレバー位置を示す信号がレバー位置入力端子35を介してマイコン32へ入力されるようになっている。セレクターレバー37のレバー位置としては、走行(ドライブD)、駐車(パーキングP)、後退(リバースR)などが挙げられる。
【0029】
マイコン32はセレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていると判断した場合に、カメラ36で得られた映像データを表示部33へ出力して、車両の後方を映した映像を表示部33で表示するようになっている。つまり、車両を後退させる時にその車両の後方を映した映像が表示部33に表示されることになる。
【0030】
前記表示装置としては、例えば、この後退支援システムを構成するディスプレイ31が挙げられる。しかしながら、ディスプレイ31の表示部33に映像を表示するにはセレクターレバー37(マニュアルシフト車の場合はシフトレバー)のレバー位置が後退に入っている必要がある。
【0031】
そこで、上記通信装置(2)において、前記第2映像データを前記映像入力端子へ出力する場合、セレクターレバー又はシフトレバーが後退位置に入れられていることを示す擬似信号を前記表示装置へ送信する送信手段を備えるようにする。
例えば、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入れられていることを示す擬似信号をディスプレイ31のレバー位置入力端子35へ出力するようにする。これにより、ディスプレイ31の表示部33に車々間通信で得られる情報を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明に係る通信装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図5は、実施の形態(1)に係る通信装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。なお、ここでは図2に示したナビゲーションシステムと同様の構成部分については同符号を付し、その説明を省略する。
【0033】
図中41は車々間通信装置(本発明に係る通信装置に対応)を示しており、車々間通信装置41は図示しないCPU、ROM、及びRAMなどを有したマイコン42と、送受信部3と、リモコン43aからの信号を入力するリモコンセンサ43bとを含んで構成されている。マイコン42には送受信部3が接続されており、送受信部3を介してアンテナ4で受信されたデータを取得したり、送受信部3を介してアンテナ4から適当なデータを送信することができるようになっている。
【0034】
車々間通信装置41には、VICSユニット17からの信号を入力するための入力端子44と、外部へ信号を出力するための出力端子45とが設けられている。この出力端子45はナビゲーション装置11に設けられている入力端子13に接続され、車々間通信装置41から出力された信号がナビゲーション装置11で入力されるようになっている。
【0035】
また、マイコン42にはGPS受信機8や車速センサ9などが接続されており、マイコン42は自車両の位置データや車速データなどを取得することができるようになっている。また、マイコン42は取得した自車両の位置データや車速データなどを解析し、必要なデータを送受信部3を介してアンテナ4から他車両(に装備された車々間通信装置41)へ送信するようになっている。
【0036】
図6は、車々間通信装置41のマイコン42をより詳しく説明するためのブロック図である。マイコン42は管理部51と、VICSユニット17からの信号を取り込むための取込部52と、車々間通信の結果得られたデータをVICSのデータ形式に変換する変換部(エンコード部)53と、取込部52で取り込まれたデータ及び変換部53で変換されたデータを保存する保存部54とを含んで構成されている。
【0037】
管理部51には出力端子45が接続されており、管理部51は取込部52で取り込まれたデータD1(すなわち、VICSで提供されたデータ)や、変換部53で変換されたデータD2(すなわち、車々間通信の結果得られたデータ)を出力端子45から出力するようになっている。
【0038】
車々間通信装置41のマイコン42の行う処理動作[1−1]を図7に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[1−1]は送受信部3から送信されてきたデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0039】
まず、送受信部3から送信されてきたデータを解析して、ユーザーに提供する情報を構成する(ステップS1)。次に、構成した情報を変換部53でVICSのデータに変換する(ステップS2)。すなわち、車々間通信の結果得られたデータをVICSのデータに変換する。
【0040】
図8は、VICSのデータ形式の一例を摸式的に示した図であり、情報の種別を示すデータ、及び文字・図形で表された画面に関するデータを含んで構成されている。図8(a)は、画面が1ページで構成される場合を示し、図8(b)は、画面が2ページ以上で構成される場合を示している。
【0041】
次に、出力端子45を介してデータD1(VICSで提供されたデータ)をナビゲーション装置11へ出力中であるか否かを判断する(ステップS3)。データD1は出力中でないと判断すれば、次に、変換部53で変換されたデータD2の示す情報が画面1ページで構成されているか否かを判断する(ステップS4)。データD2の示す情報が画面1ページで構成されていると判断すれば、次に、出力端子45を介してデータD2をナビゲーション装置11へ出力して(ステップS5)、処理動作[1−1]を終了する。
【0042】
ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので、VICSのデータに変換されたデータD2を解析して、データD2に含まれる情報を表示部7へ表示することができる。すなわち、車々間通信の結果得られたデータに含まれる情報を表示部7へ表示することができる。
【0043】
一方、ステップS4において、データD2の示す情報が画面1ページではなく、画面2ページ以上で構成されていると判断すれば、最初の1ページのデータをナビゲーション装置11へ出力し(ステップS6)、次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーから次ページの表示が要求されているか否かを判断する(ステップS7)。
【0044】
次ページの表示が要求されていると判断すれば、次ページのデータをナビゲーション装置11へ出力し(ステップS8)、その後、全ページ分のデータの出力が完了したか否かを判断する(ステップS9)。全ページ分のデータの出力が完了したと判断すれば、処理動作[1−1]を終了する。一方、出力すべきデータが残っていると判断すれば、ステップS7へ戻る。
【0045】
また、ステップS3において、出力端子45を介してデータD1(VICSで提供されたデータ)をナビゲーション装置11へ出力中であると判断すれば、出力中のデータD1の示す情報の種別、及びデータD2(車々間通信の結果得られたデータ)の示す情報の種別に基づいて、データD2の出力タイミングを決定する(ステップS10)。
【0046】
データD2の出力タイミングを決定する基準の一例について説明する。
1.データD2の示す情報が安全に関わる場合(例えば、車両接近の報知の場合)
a.データD1の示す情報が緊急番組の場合
データD1の出力が完了したその直後にデータD2の出力を開始する。
b.データD1の示す情報が緊急番組ではない場合
データD1の出力状況に関係なく、すぐにデータD2の出力を開始する。
2.データD2の示す情報が安全に関わるものでない場合
データD1の出力が完了してから所定時間(例えば、ユーザーがデータD1の示す情報を読み取るのに必要な時間、3秒間)経過後、データD2の出力を開始する。
【0047】
なお、ここではデータD1の示す情報、及びデータD2の示す情報に基づいて、データD2の出力タイミングを決定する場合について説明しているが、別の実施の形態では、データD1の示す情報、又はデータD2の示す情報のいずれか一方に基づいて、データD2の出力タイミングを決定するようにしても良い。
【0048】
データD2の出力タイミングを決定したその決定結果に基づいて、データD2の出力を待機させる必要があるか否かを判断する(ステップS11)。データD2の出力を待機させる必要がないと判断すれば、ステップS4へ進んで、データD2をナビゲーション装置11へ出力する処理を行う。
【0049】
一方、データD2の出力を待機させる必要があると判断すれば、データD2を保存部54へ保存する(ステップS12)。次に、データD2を出力すべき条件が成立したか否かを判断し(ステップS13)、データD2を出力すべき条件が成立したと判断すれば、保存部5よりデータD2を読み出し(ステップS14)、その後、ステップS4へ進む。
【0050】
車々間通信装置41のマイコン42の行う処理動作[1−2]を図9に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[1−2]はVICSユニット17から送信されてきたデータD1(すなわち、VICSで提供されたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0051】
まず、出力端子45を介してデータD2(車々間通信の結果得られたデータ)をナビゲーション装置11へ出力中であるか否かを判断する(ステップS21)。データD2は出力中でないと判断すれば、次に、出力端子45を介してデータD1をナビゲーション装置11へ出力して(ステップS22)、処理動作[1−2]を終了する。ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので、データD1を解析して、データD1に含まれる情報を表示部7へ表示することができる。
【0052】
一方、ステップS21において、出力端子45を介してデータD2をナビゲーション装置11へ出力中であると判断すれば、データD1の出力を待機させるため、データD1を保存部54へ保存する(ステップS23)。
【0053】
次に、データD2の出力が完了してから所定時間(例えば、ユーザーがデータD2の示す情報を読み取るのに必要な時間、3秒間)が経過したか否か、すなわちデータD1を出力すべきタイミングに到達しているか否かを判断する(ステップS24)。データD1を出力すべきタイミングに到達していると判断すれば、ステップS22へ進んで、出力端子45を介してデータD1をナビゲーション装置11へ出力する。
【0054】
なお、ここでは、データD2の出力が完了してから所定時間が経過した時点を、データD1の出力すべきタイミングとしているが、別の実施の形態では、データD1の示す情報、及びデータD2の示す情報、もしくはデータD1の示す情報、又はデータD2の示す情報に基づいて、データD1の出力タイミングを決定するようにしても良い。
【0055】
車々間通信装置41のマイコン42の行う処理動作[1−3]を図10に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[1−3]はリモコン43aが操作されて、ユーザーより車々間情報送信用のメニュー画面の表示が要求された場合に行われる動作である。
【0056】
まず、メニュー画面P10(図11)を作成し(ステップS31)、作成したメニュー画面P10の情報を変換部53でVICSのデータに変換し(ステップS32)、その後、変換した(メニュー画面P10を示す)データD10を出力端子45を介してナビゲーション装置11へ出力する(ステップS33)。
【0057】
ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので、VICSのデータに変換されたデータD10を解析して、データD10に含まれるメニュー画面P10を表示部7へ表示することができる。図11に、表示部7へ表示されるメニュー画面P10の一例を示す。メニュー画面P10には「1」、「2」の選択肢が設けられている。また、メニュー画面P10は他の〈お願い〉画面P21、〈あいさつ〉画面P22とリンクの関係にあり、画面が階層化されている。
【0058】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」、「2」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS34)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、次に、〈お願い〉画面P21を作成し(ステップS35)、作成した〈お願い〉画面P21の情報を変換部53でVICSのデータに変換し(ステップS36)、その後、変換した〈お願い〉画面P21を示すデータD21を出力端子45を介してナビゲーション装置11へ出力する(ステップS37)。これにより、ナビゲーション装置11の表示部7へ〈お願い〉画面P21が表示されることになる。
【0059】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」〜「3」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS38)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、「割り込みします」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信する(ステップS39)。
【0060】
ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、「右折します」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信し(ステップS40)、ユーザーが選択肢「3」を選択したと判断すれば、「左折します」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信する(ステップS41)。
【0061】
一方、ステップS34において、ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、次に、〈あいさつ〉画面P22を作成し(ステップS42)、作成した〈あいさつ〉画面P22の情報を変換部53でVICSのデータに変換し(ステップS43)、その後、変換した〈あいさつ〉画面P22を示すデータD22を出力端子45を介してナビゲーション装置11へ出力する(ステップS44)。これにより、ナビゲーション装置11の表示部7へ〈あいさつ〉画面P22が表示されることになる。
【0062】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」〜「4」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS45)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、「おはよう」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信する(ステップS46)。
【0063】
ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、「こんにちは」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信し(ステップS47)、ユーザーが選択肢「3」を選択したと判断すれば、「こんばんは」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信し(ステップS48)、ユーザーが選択肢「4」を選択したと判断すれば、「ありがとう」といったメッセージを含んだ情報を送受信部3を介してアンテナ4から外部へ送信する(ステップS49)。
【0064】
上記実施の形態(1)に係る通信装置(車々間通信装置41)によれば、車々間通信の結果得られたデータがVICSのデータ形式に変換され、変換されたデータがナビゲーション装置11へ出力される。
従って、ナビゲーション装置11が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、VICSに対応したものであれば、ナビゲーション装置11で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。これにより、システム全体を交換する必要はなくなり、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することができる。
【0065】
図12は、実施の形態(2)に係る通信装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。なお、ここでは図3に示したナビゲーションシステムと同様の構成部分については同符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
図中61は車々間通信装置(本発明に係る通信装置に対応)を示しており、車々間通信装置61は図示しないCPU、ROM、及びRAMなどを有したマイコン62と、送受信部3と、電波ビーコン受信機63と、VICSユニット64と、高周波信号に変調するための変調部65と、リモコン43aからの信号を入力するリモコンセンサ43bとを含んで構成されている。
【0067】
マイコン62には送受信部3が接続されており、送受信部3を介してアンテナ4で受信されたデータを取得したり、送受信部3を介してアンテナ4から適当なデータを送信することができるようになっている。また、マイコン62にはVICSユニット64が接続されており、電波ビーコン受信アンテナ16aで受信された信号が電波ビーコン受信機63を介してVICSユニット64へ入力され、そして受信信号から抽出したVICS情報がマイコン62へ入力されるようになっている。
【0068】
また、車々間通信装置61には、電波ビーコン受信アンテナ16aからの信号を入力するための入力端子66と、外部へ信号を出力するための出力端子67とが設けられている。この出力端子67はナビゲーション装置21に設けられている入力端子26に接続され、車々間通信装置61から出力された信号がナビゲーション装置21で入力されるようになっている。
【0069】
また、マイコン62にはGPS受信機8や車速センサ9などが接続されており、マイコン62は自車両の位置データや車速データなどを取得することができるようになっている。また、マイコン62は取得した自車両の位置データや車速データなどを解析し、必要なデータを送受信部3を介してアンテナ4から他車両(に装備された車々間通信装置61)へ送信するようになっている。
【0070】
図13は、車々間通信装置61のマイコン62をより詳しく説明するためのブロック図である。マイコン62は管理部71と、VICSユニット64からの信号を取り込むための取込部72と、車々間通信の結果得られたデータをVICSのデータ形式に変換する変換部(エンコード部)73と、取込部72で取り込まれたデータ及び変換部73で変換されたデータを保存する保存部74とを含んで構成されている。
【0071】
管理部71には変調部65が接続されており、管理部71は取込部72で取り込まれたデータD1(すなわち、VICSで提供されたデータ)や、変換部73で変換されたデータD2(すなわち、車々間通信の結果得られたデータ)を変調部65へ出力するようになっている。これにより、データD1やデータD2を電波ビーコン受信アンテナ16aで捕らえられたような高周波のVICS信号として、ナビゲーション装置21に装備されている電波ビーコン受信機16bで受信させることができる。
【0072】
車々間通信装置61のマイコン62の行う処理動作[2−1]を図14に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[2−1]は送受信部3から送信されてきたデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0073】
まず、送受信部3から送信されてきたデータを解析して、ユーザーに提供する情報を構成する(ステップS51)。次に、構成した情報を変換部73でVICSのデータに変換する(ステップS52)。すなわち、車々間通信の結果得られたデータをVICSのデータに変換する。
【0074】
次に、出力端子67を介してデータD1(VICSで提供されたデータ)をナビゲーション装置21へ出力中であるか否かを判断する(ステップS53)。データD1は出力中でないと判断すれば、次に、変換部73で変換されたデータD2の示す情報が画面1ページで構成されているか否かを判断する(ステップS54)。データD2の示す情報が画面1ページで構成されていると判断すれば、次に、変調部65を介してデータD2を出力端子67からナビゲーション装置21へ出力して(ステップS55)、処理動作[2−1]を終了する。
【0075】
ナビゲーション装置21はVICSに対応しているので、VICSのデータに変換されたデータD2を解析して、データD2に含まれる情報を表示部7へ表示することができる。すなわち、車々間通信の結果得られたデータに含まれる情報を表示部7へ表示することができる。
【0076】
一方、ステップS54において、データD2の示す情報が画面1ページではなく、画面2ページ以上で構成されていると判断すれば、最初の1ページのデータを変調部65を介してナビゲーション装置21へ出力し(ステップS56)、次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーから次ページの表示が要求されているか否かを判断する(ステップS57)。
【0077】
次ページの表示が要求されていると判断すれば、次ページのデータを変調部65を介してナビゲーション装置21へ出力し(ステップS58)、その後、全ページ分のデータの出力が完了したか否かを判断する(ステップS59)。全ページ分のデータの出力が完了したと判断すれば、処理動作[2−1]を終了する。一方、出力すべきデータが残っていると判断すれば、ステップS57へ戻る。
【0078】
また、ステップS53において、出力端子67を介してデータD1(VICSで提供されたデータ)をナビゲーション装置21へ出力中であると判断すれば、出力中のデータD1の示す情報の種別、及びデータD2(車々間通信の結果得られたデータ)の示す情報の種別に基づいて、データD2の出力タイミングを決定する(ステップS60)。
【0079】
データD2の出力タイミングを決定したその決定結果に基づいて、データD2の出力を待機させる必要があるか否かを判断する(ステップS61)。データD2の出力を待機させる必要がないと判断すれば、ステップS54へ進んで、データD2をナビゲーション装置21へ出力する処理を行う。
【0080】
一方、データD2の出力を待機させる必要があると判断すれば、データD2を保存部74へ保存する(ステップS62)。次に、データD2を出力すべき条件が成立したか否かを判断し(ステップS63)、データD2を出力すべき条件が成立したと判断すれば、保存部74よりデータD2を読み出し(ステップS64)、その後、ステップS54へ進む。
【0081】
次に、車々間通信装置61のマイコン62の行う処理動作[2−2]を図15に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[2−2]は送受信部3から送信されてきたデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0082】
まず、出力端子67を介してデータD2(車々間通信の結果得られたデータ)をナビゲーション装置21へ出力中であるか否かを判断する(ステップS71)。データD2は出力中でないと判断すれば、次に、変調部65を介してデータD1を出力端子67からナビゲーション装置21へ出力して(ステップS72)、処理動作[2−2]を終了する。ナビゲーション装置11はVICSに対応しているので、データD1を解析して、データD1に含まれる情報を表示部7へ表示することができる。
【0083】
一方、ステップS71において、出力端子67を介してデータD2をナビゲーション装置21へ出力中であると判断すれば、データD1の出力を待機させるため、データD1を保存部74へ保存する(ステップS73)。
【0084】
次に、データD2の出力が完了してから所定時間(例えば、ユーザーがデータD2の示す情報を読み取るのに必要な時間、3秒間)が経過したか否か、すなわちデータD1を出力すべきタイミングに到達しているか否かを判断する(ステップS74)。データD1を出力すべきタイミングに到達していると判断すれば、ステップS72へ進んで、変調部65を介してデータD1を出力端子67からナビゲーション装置21へ出力する。
【0085】
次に、車々間通信装置61のマイコン62の行う処理動作[2−3]を図16に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[2−3]はリモコン43aが操作されて、ユーザーより車々間情報送信用のメニュー画面の表示が要求された場合に行われる動作である。
【0086】
まず、メニュー画面P10(図11)を作成し(ステップS81)、作成したメニュー画面P10の情報を変換部73でVICSのデータに変換し(ステップS82)、その後、変換した(メニュー画面P10を示す)データD10を変調部65を介して出力端子67からナビゲーション装置21へ出力する(ステップS83)。ナビゲーション装置21はVICSに対応しているので、VICSのデータに変換されたデータD10を解析して、データD10に含まれるメニュー画面P10を表示部7へ表示することができる。
【0087】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」、「2」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS84)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、次に、〈お願い〉画面P21を作成し(ステップS85)、作成した〈お願い〉画面P21の情報を変換部73でVICSのデータに変換し(ステップS86)、その後、変換した〈お願い〉画面P21を示すデータD21を変調部65を介して出力端子67からナビゲーション装置21へ出力する(ステップS87)。これにより、ナビゲーション装置21の表示部7へ〈お願い〉画面P21が表示されることになる。なお、ステップS88〜S91については、図10に示した処理動作[1−3]のステップS38〜S41と同様の処理動作であるので、ここではその説明を省略する。
【0088】
一方、ステップS84において、ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、次に、〈あいさつ〉画面P22を作成し(ステップS92)、作成した〈あいさつ〉画面P22の情報を変換部73でVICSのデータに変換し(ステップS93)、その後、変換した〈あいさつ〉画面P22を示すデータD22を変調部65を介して出力端子67からナビゲーション装置21へ出力する(ステップS94)。これにより、ナビゲーション装置21の表示部7へ〈あいさつ〉画面P22が表示されることになる。なお、ステップS95〜S99については、図10に示した処理動作[1−3]のステップS45〜S49と同様の処理動作であるので、ここではその説明を省略する。
【0089】
上記実施の形態(2)に係る通信装置(車々間通信装置62)によれば、高周波信号に変調する変調部65を備え、変調部65を介して、データD1、D2がナビゲーション装置21へ出力される。これにより、VICSユニット17や各種受信機14b、15b、16bが内蔵された新しいタイプのナビゲーション装置21にも対応可能となる。
【0090】
なお、ここでは電波ビーコン受信アンテナ16aとVICSユニット17との間に割り込む場合について説明しているが、別の実施の形態では、FM多重受信アンテナ14aとVICSユニット17との間や、光ビーコン受光部15aとVICSユニット17との間に割り込むようにしても良い。
【0091】
図17は、実施の形態(3)に係る通信装置を含んで構成される後退支援システムの要部を概略的に示したブロック図である。なお、ここでは図4に示した後退支援システムと同様の構成部分については同符号を付し、その説明を省略する。
【0092】
図中81は車々間通信装置(本発明に係る通信装置に対応)を示しており、車々間通信装置81は図示しないCPU、ROM、及びRAMなどを有したマイコン82と、送受信部3と、リモコン43aからの信号を入力するリモコンセンサ43bとを含んで構成されている。マイコン82には送受信部3が接続されており、送受信部3を介してアンテナ4で受信されたデータを取得したり、送受信部3を介してアンテナ4から適当なデータを送信することができるようになっている。
【0093】
車々間通信装置81には、車両の後方を撮影するカメラ36で得られた映像データを入力するための入力端子83と、外部へ映像データを出力するための出力端子84と、セレクターレバー37のレバー位置を示す信号を出力するための出力端子85と、セレクターレバー37のレバー位置を示す信号を入力するための入力端子86とが設けられている。
【0094】
出力端子84は、ディスプレイ31に設けられている映像入力端子34に接続され、車々間通信装置81から出力された映像データがディスプレイ31へ入力されるようになっている。また、出力端子85は、ディスプレイ31に設けられているレバー位置入力端子35に接続され、車々間通信装置81から出力されたセレクターレバー37のレバー位置を示す信号がディスプレイ31へ入力されるようになっている。
【0095】
また、マイコン82にはGPS受信機8や車速センサ9などが接続されており、マイコン82は自車両の位置データや車速データなどを取得することができるようになっている。また、マイコン82は取得した自車両の位置データや車速データなどを解析し、必要なデータを送受信部3を介してアンテナ4から他車両(に装備された車々間通信装置81)へ送信するようになっている。
【0096】
図18は、車々間通信装置81のマイコン82をより詳しく説明するためのブロック図である。マイコン82は管理部91と、カメラ36からの映像データを取り込むための取込部92と、車々間通信の結果得られたデータをディスプレイ31の仕様に適合した映像データに変換する変換部(エンコード部)93と、取込部92で取り込まれた映像データ及び変換部93で変換された映像データを保存する保存部94とを含んで構成されている。
【0097】
管理部91には出力端子84が接続されており、管理部91は取込部92で取り込まれた映像データDa(すなわち、カメラ36で得られた映像データ)や、変換部93で変換された映像データDb(すなわち、車々間通信の結果得られたデータ)を出力端子84から出力するようになっている。
【0098】
また、管理部91には出力端子85が接続されており、セレクターレバー37のレバー位置を示す信号を出力端子85から出力するようになっている。セレクターレバー37のレバー位置としては、走行(ドライブD)、駐車(パーキングP)、後退(リバースR)などが挙げられる。また、管理部91は必要に応じて、セレクターレバー37のレバー位置が後退(リバースR)に入っていなくても、レバー位置が後退に入っていることを示す擬似信号を出力するようになっている。
【0099】
車々間通信装置81のマイコン82の行う処理動作[3−1]を図19に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[3−1]は送受信部3から送信されてきたデータ(すなわち、車々間通信で得られたデータ)を受信した場合に行われる動作である。
【0100】
まず、送受信部3から送信されてきたデータを解析して、ユーザーに提供する情報を構成する(ステップS101)。次に、構成した情報を変換部93でディスプレイ31の仕様に適合した映像データに変換する(ステップS102)。すなわち、車々間通信の結果得られたデータをカメラ36で得られた映像データと同じ形式のデータに変換する。
【0101】
次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退(リバースR)に入っているか否かを判断し(ステップS103)、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていないと判断すれば、レバー位置が後退に入っていることを示す擬似信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS104)。
【0102】
次に、変換部93で変換された映像データDbの示す情報が画面1ページで構成されているか否かを判断する(ステップS105)。映像データDbの示す情報が画面1ページで構成されていると判断すれば、次に、出力端子84を介して映像データDbをディスプレイ31へ出力し(ステップS106)、その後、セレクターレバー37の正規のレバー位置を示す信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力して(ステップS107)、処理動作[3−1]を終了する。
【0103】
映像データDbはディスプレイ31の仕様に適合しているので、ディスプレイ31は映像データDbの示す映像を表示部33へ表示することができる。すなわち、車々間通信の結果得られたデータに含まれる情報を表示部33へ表示することができる。
【0104】
一方、ステップS105において、映像データDbの示す情報が画面1ページではなく、画面2ページ以上で構成されていると判断すれば、最初の1ページのデータをディスプレイ31へ出力し(ステップS108)、次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーから次ページの表示が要求されているか否かを判断する(ステップS109)。
【0105】
次ページの表示が要求されていると判断すれば、次ページのデータをディスプレイ31へ出力し(ステップS110)、その後、全ページ分のデータの出力が完了したか否かを判断する(ステップS111)。全ページ分のデータの出力が完了したと判断すれば、セレクターレバー37の正規のレバー位置を示す信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力して(ステップS107)、処理動作[3−1]を終了する。一方、出力すべきデータが残っていると判断すれば、ステップS109へ戻る。
【0106】
また、ステップS103において、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っている(すなわち、車両が後退する時である)と判断すれば、カメラ36で撮影される車両後方の映像を表示部33へ表示すべきであるので、映像データDbを保存部94へ保存して出力を待機する(ステップS112)。
【0107】
次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っているか否かを判断し(ステップS113)、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていない(すなわち、セレクターレバー37が操作されて、後退か別の位置へ移動した)と判断すれば、保存部94から映像データDbを読み出し(ステップS114)、その後、ステップS104へ進む。
【0108】
次に、車々間通信装置81のマイコン82の行う処理動作[3−2]を図20に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[3−2]は所定期間毎に行われる動作である。
【0109】
まず、出力端子85を介して、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていることを示す擬似信号をディスプレイ31へ出力中であるか否かを判断する(ステップS121)。前記擬似信号は出力中でないと判断すれば、次に、セレクターレバー37の正規にレバー位置を示す信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS122)。
【0110】
次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っているか否かを判断する(ステップS123)。レバー位置が後退に入っていると判断すれば、カメラ36で撮影される車両後方の映像を表示部33へ表示すべきであるので、カメラ36で得られた映像データDaを出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS124)。映像データDaの出力は、レバー位置が切り替えられるまで継続されることになる。
一方、レバー位置は後退に入っていないと判断すれば、そのまま処理動作[3−2]を終了する。
【0111】
また、ステップS121において、前記擬似信号を出力中である(すなわち、車々間通信の結果得られたデータに含まれる情報が表示部33に表示されている)と判断すれば、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っているか否かを判断する(ステップS125)。
【0112】
セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っている(すなわち、車両が後退する時である)と判断すれば、映像データDbの出力は遮断し、カメラ36で得られた映像データDaを出力するモードに切り替えて(ステップS126)、映像データDaを出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS124)。
一方、レバー位置は後退に入っていないと判断すれば、そのまま処理動作[3−2]を終了する。
【0113】
次に、車々間通信装置81のマイコン82の行う処理動作[3−3]を図21に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理動作[3−3]はリモコン43aが操作されて、ユーザーより車々間情報送信用のメニュー画面の表示が要求された場合に行われる動作である。
【0114】
まず、メニュー画面P10(図11)を作成し(ステップS131)、作成したメニュー画面P10の情報を変換部93でディスプレイ31の仕様に適合したデータに変換する(ステップS132)。次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退(リバースR)に入っているか否かを判断し(ステップS133)、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていないと判断すれば、レバー位置が後退に入っていることを示す擬似信号を出力端子85を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS134)。
【0115】
次に、変換した(メニュー画面P10を示す)映像データDb10を出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS135)。映像データDb10はディスプレイ31の仕様に適合しているので、ディスプレイ31は映像データDb10の示す映像を表示部33へ表示することができる。
【0116】
次に、リモコン43aから送信されてくる信号に基づいて、ユーザーが選択肢「1」、「2」のいずれを選択したか否かを判断する(ステップS136)。ユーザーが選択肢「1」を選択したと判断すれば、次に、〈お願い〉画面P21を作成し(ステップS137)、作成した〈お願い〉画面P21の情報を変換部93でディスプレイ31の仕様に適合したデータに変換し(ステップS138)、その後、変換した〈お願い〉画面P21を示す映像データDb21を出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS139)。これにより、ディスプレイ31の表示部33へ〈お願い〉画面P21が表示されることになる。なお、ステップS140〜S141については、図10に示した処理動作[1−3]のステップS38〜S41と同様の処理動作であるので、ここではその説明を省略する。
【0117】
一方、ステップS136において、ユーザーが選択肢「2」を選択したと判断すれば、次に、〈あいさつ〉画面P22を作成し(ステップS144)、作成した〈あいさつ〉画面P22の情報を変換部93でディスプレイ31の仕様に適合したデータに変換し(ステップS145)、その後、変換した〈あいさつ〉画面P22を示す映像データDb22を出力端子84を介してディスプレイ31へ出力する(ステップS146)。これにより、ディスプレイ31の表示部33へ〈あいさつ〉画面P22が表示されることになる。なお、ステップS147〜S151については、図10に示した処理動作[1−3]のステップS45〜S49と同様の処理動作であるので、ここではその説明を省略する。
【0118】
また、ステップS133において、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っている(すなわち、車両が後退する時である)と判断すれば、カメラ36で撮影される車両後方の映像を表示部33へ表示すべきであるので、映像データDb10を保存部94へ保存して出力を待機する(ステップS152)。
【0119】
次に、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っているか否かを判断し(ステップS153)、セレクターレバー37のレバー位置が後退に入っていない(すなわち、セレクターレバー37が操作されて、後退か別の位置へ移動した)と判断すれば、保存部94から映像データDb10を読み出し(ステップS154)、その後、ステップS134へ進む。
【0120】
上記実施の形態(3)に係る通信装置(車々間通信装置81)によれば、車々間通信の結果得られたデータがディスプレイ31の仕様に適合した映像データに変換され、変換されたデータがディスプレイ31の映像入力端子34へ出力される。
従って、ディスプレイ31が、車々間通信で得られる情報の提示に対応したものでなくても、ディスプレイ31で車々間通信で得られる情報を提示させることができる。これにより、システム全体を交換する必要はなくなり、比較的容易に、なおかつ安価に車々間通信で得られる情報の提示を実現することができる。なお、ここでは車々間通信をメインに説明したが、自車両とセンター(基地局)との通信等に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】従来の車々間通信システムの一例を概略的に示したブロック図である。
【図2】従来のVICSに対応したナビゲーションシステムの一例を概略的に示したブロック図である。
【図3】従来のVICSに対応したナビゲーションシステムの一例を概略的に示したブロック図である。
【図4】従来の後退支援システムの一例を概略的に示したブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態(1)に係る通信装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図6】車々間通信装置のマイコンをより詳しく説明するためのブロック図である。
【図7】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図8】VICSのデータ形式の一例を摸式的に示した図である。
【図9】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図10】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図11】表示部に表示される画面の一例を示した図である。
【図12】実施の形態(2)に係る通信装置を含んで構成されるナビゲーションシステムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図13】車々間通信装置のマイコンをより詳しく説明するためのブロック図である。
【図14】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図15】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図16】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図17】実施の形態(3)に係る通信装置を含んで構成される後退支援システムの要部を概略的に示したブロック図である。
【図18】車々間通信装置のマイコンをより詳しく説明するためのブロック図である。
【図19】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図20】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【図21】車々間通信装置のマイコンの行う処理動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0122】
41、61、81 車々間通信装置
42、62、82 マイコン
44、66、83、86 入力端子
45、67、84、85 出力端子
51、71、91 管理部
52、72、92 取込部
53、73、93 変換部
54、74、94 保存部
65 変調部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通情報提供システムで提供されるデータを取り込む取込手段と、
車々間通信を行うための送受信手段と、
車々間通信の結果得られたデータを、前記交通情報提供システムのデータ形式に変換する変換手段と、
前記取込手段で取り込まれた第1データ、及び前記変換手段で変換された第2データのいずれかを選択して、前記交通情報提供システムに対応した情報提示装置へ出力する出力手段とを備えていることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
高周波信号に変調する変調手段を備え、
前記出力手段が、前記変調手段を介して、前記第1データ又は前記第2データを前記情報提示装置へ出力するものであることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1データ及び前記第2データを保存する保存手段を備え、
該保存手段で、前記第1データ及び前記第2データの前記情報提示装置への出力を待機させ得るように構成され、
前記出力手段が、出力待機中のデータを、前記保存手段から読み出して前記情報提示装置へ出力するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記第1データの示す情報の種類及び前記第2データの示す情報の種類、又は前記第1データの示す情報の種類もしくは前記第2データの示す情報の種類に基づいて、前記第1データ又は前記第2データの前記情報提示装置への出力タイミングを決定する決定手段を備え、
前記出力手段が、前記出力タイミングに基づいて、前記第1データ又は前記第2データを前記情報提示装置へ出力するものであることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
操作入力手段を備え、
車々間通信の結果得られたデータが、リンクした複数の画面情報を有している場合、
前記出力手段が、1画面情報分ずつ前記第2データを前記情報提示装置へ出力し、
なおかつ前記操作入力手段を介しての画面切替の要求に基づいて、リンクした別の画面情報の前記第2データを前記情報提示装置へ出力するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項6】
撮影手段で得られた映像データを取り込む取込手段と、
車々間通信を行うための送受信手段と、
車々間通信の結果得られたデータを、表示装置の仕様に適合した映像データに変換する変換手段と、
前記取込手段で取り込まれた第1映像データ、及び前記変換手段で変換された第2映像データのいずれかを選択して、前記表示装置の映像入力端子へ出力する出力手段とを備えていることを特徴とする通信装置。
【請求項7】
前記第2映像データを前記映像入力端子へ出力する場合、
セレクターレバー又はシフトレバーが後退位置に入れられていることを示す擬似信号を前記表示装置へ送信する送信手段を備えていることを特徴とする請求項6記載の通信装置。
【請求項8】
セレクターレバー又はシフトレバーが後退位置に入れられている場合、前記第2映像データよりも前記第1映像データを優先して前記映像入力端子へ出力するように構成されていることを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項1】
交通情報提供システムで提供されるデータを取り込む取込手段と、
車々間通信を行うための送受信手段と、
車々間通信の結果得られたデータを、前記交通情報提供システムのデータ形式に変換する変換手段と、
前記取込手段で取り込まれた第1データ、及び前記変換手段で変換された第2データのいずれかを選択して、前記交通情報提供システムに対応した情報提示装置へ出力する出力手段とを備えていることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
高周波信号に変調する変調手段を備え、
前記出力手段が、前記変調手段を介して、前記第1データ又は前記第2データを前記情報提示装置へ出力するものであることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1データ及び前記第2データを保存する保存手段を備え、
該保存手段で、前記第1データ及び前記第2データの前記情報提示装置への出力を待機させ得るように構成され、
前記出力手段が、出力待機中のデータを、前記保存手段から読み出して前記情報提示装置へ出力するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記第1データの示す情報の種類及び前記第2データの示す情報の種類、又は前記第1データの示す情報の種類もしくは前記第2データの示す情報の種類に基づいて、前記第1データ又は前記第2データの前記情報提示装置への出力タイミングを決定する決定手段を備え、
前記出力手段が、前記出力タイミングに基づいて、前記第1データ又は前記第2データを前記情報提示装置へ出力するものであることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
操作入力手段を備え、
車々間通信の結果得られたデータが、リンクした複数の画面情報を有している場合、
前記出力手段が、1画面情報分ずつ前記第2データを前記情報提示装置へ出力し、
なおかつ前記操作入力手段を介しての画面切替の要求に基づいて、リンクした別の画面情報の前記第2データを前記情報提示装置へ出力するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項6】
撮影手段で得られた映像データを取り込む取込手段と、
車々間通信を行うための送受信手段と、
車々間通信の結果得られたデータを、表示装置の仕様に適合した映像データに変換する変換手段と、
前記取込手段で取り込まれた第1映像データ、及び前記変換手段で変換された第2映像データのいずれかを選択して、前記表示装置の映像入力端子へ出力する出力手段とを備えていることを特徴とする通信装置。
【請求項7】
前記第2映像データを前記映像入力端子へ出力する場合、
セレクターレバー又はシフトレバーが後退位置に入れられていることを示す擬似信号を前記表示装置へ送信する送信手段を備えていることを特徴とする請求項6記載の通信装置。
【請求項8】
セレクターレバー又はシフトレバーが後退位置に入れられている場合、前記第2映像データよりも前記第1映像データを優先して前記映像入力端子へ出力するように構成されていることを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2008−15851(P2008−15851A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187407(P2006−187407)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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