説明

連続紙電子写真装置

【課題】
本発明は、印刷前の連続紙停止位置ずれに起因する印刷ずれを防止することを課題とする。
【解決手段】
本発明は、連続用紙の幅方向両縁部に1/2インチ間隔に穿ってある送り穴に対し、送り穴の検出が可能な透過型の光学式センサを1/(2・N)インチ間隔にN個(Nは2以上の整数)、用紙搬送方向に並べて配置し、連続用紙のページ先頭位置と装置の構成によって決まる送り穴位置を、N個のうちのいずれかのセンサが検出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続紙電子写真装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
連続紙電子写真装置において、幅方向両縁部に1/2インチ毎に送り穴が穿ってある連続用紙は、一定間隔毎に並んだトラクタピンを連続用紙の送り穴と勘合させながら、駆動方向にトラクタ駆動部によって送り出される。送り出された連続用紙には、感光体ドラム上に形成されたトナー画像が転写される。
【0003】
ここで、連続用紙に転写されるトナー画像は、連続用紙の指定された位置に転写される必要がある。そのため、用紙搬送停止時における連続用紙の用紙装填位置を一定とし、印刷にあたっては前記用紙装填位置を基準とし、連続用紙の送り量を算出して転写タイミングを決定している。
【0004】
なお、前記の転写位置あわせを実現する為、印刷終了時、及び装置操作者の作業負荷を軽減する為に設けられている連続用紙1の自動装填完了時に、一定の用紙装填位置で停止するよう制御を行っている。
【0005】
このように、連続紙電子写真装置においては、連続用紙停止時の用紙装填位置が常に一定の位置となるように制御を行い、前記用紙装填位置を転写タイミングの基準とすることで、印刷の位置あわせを実現している。
【0006】
【特許文献1】特開2000−127529号公報
【0007】
【特許文献2】特開2004−34468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した連続紙電子写真装置においては、何らかの理由によって連続用紙停止時に用紙装填位置がずれていた場合、連続用紙が所望の位置にあるものとして印刷が行われるために、印刷ずれを引き起こす。
【0009】
本発明の目的は、印刷開始前に、所望の位置に用紙装填位置があるか否かをチェックし、印刷ずれ発生率を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、1/2インチ間隔に送り穴のある連続用紙と、前記用紙の送り穴を検出可能な光学式センサで構成し、前記用紙の送り穴に倣う位置に前記光学式センサをN個、1/(2・N)インチ間隔に配置して、前記送り穴を検出したセンサの位置から、用紙装填位置のずれ量をチェックすることによって達成される。
【0011】
また、前記光学式センサ送センサが送り穴を検出すると点灯、非検出の場合は消灯する表示器を具備することによって達成される。
【0012】
また、用紙長情報と前記光学式センサの検出状態を照合して、一致しない場合はエラー表示、又は装置の稼動を禁止することによって達成される。
【0013】
また、前記の検出動作を印刷開始時、或いは自動装填終了時、或いは印刷終了時に行うことによって達成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、印刷開始前に停止位置が所定の位置と一致しない場合は、エラー表示、又は装置の稼動を停止することによって、印刷ずれを未然に防止することができ、印刷ずれによる用紙の無駄や、印刷のやり直し作業を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明を実施例により説明する。
【実施例1】
【0016】
図1において、センサ7は用紙搬送方向に1/6間隔に配置された3つの光学式センサ4、5、6からなり、センサ4、5、6上を通る連続用紙1の送り穴2を検出できる構造となっている。
【0017】
次に、用紙装填位置の検出方法を図2を用いて説明する。連続用紙1の送り穴2は、通常1/2インチ間隔に穿ってあるため、3つのセンサ4、5、6の内、センサ4が送り穴を検出した場合、それぞれの位置関係は図2の通りとなる。ここで、用紙搬送停止時のページ先頭位置から3つの光学式センサ4、5、6のうちいずれかまでの距離が1/6インチの倍数となるように構成しており、連続用紙1の1ページの用紙長が通常1/6インチの倍数であることから、送り穴2の位置ずれを検出することができる。
【0018】
即ち、用紙長が11インチで、用紙搬送停止時のページ先頭位置からセンサ5までの距離が11インチとなるように装置が構成されている場合は、用紙1の停止位置が所定の位置にある時、センサ5が送り穴を検出し、連続用紙1が正しい位置に停止していることを検出できる。この条件において、センサ4またはセンサ6が送り穴2を検出した場合は、連続用紙1が所定の位置に停止していないため、エラー表示、又は装置の稼動を停止する必要が生じる。
【0019】
また、前記と同様の構成で用紙長が11インチ+1/6インチの場合は、センサ4が送り穴を検出した時、用紙が正しい位置に停止していることを示す。従って、センサ5またはセンサ6が送り穴2を検出した場合は、用紙が所定の位置に停止していないため、エラー表示、又は装置の稼動を停止する必要が生じる。
【0020】
同様に、前記と同様の構成で用紙長が11インチ−1/6インチの場合は、センサ6が送り穴2を検出した時、連続用紙1が正しい位置に停止していることを示す。従って、センサ4またはセンサ5が送り穴2を検出した場合は、連続用紙1が所定の位置に停止していないため、エラー表示、又は装置の稼動を停止する必要が生じる。
【0021】
このように、センサが用紙搬送方向に1/6間隔に配置された3つの光学式センサ4、5、6からなっている場合は、用紙長が1/6インチの倍数である連続用紙1に対し、連続用紙1が所定の位置に停止しているか検出を行うことが可能である。
【0022】
また、センサが用紙搬送方向に1/(2・N)間隔に配置されたN個の光学式センサからなっている場合は(Nは2以上の整数)、用紙長が1/(2・N)インチの倍数である連続用紙1に対し、連続用紙1が所定の位置に停止しているか検出を行うことが可能である。
【0023】
上記例は、用紙長、及び用紙搬送停止時のページ先頭位置からセンサ5までの距離が11インチの例を示したが、用紙搬送停止時のページ先頭位置からセンサ4、又はセンサ5、又はセンサ6までの距離が1/(2・N)インチの倍数となるように装置を構成すれば同様の検出が可能である。
【0024】
尚、同一の装置にて、前記のように様々な用紙長の連続用紙1に印刷を行うことが考えられるが、この場合、用紙搬送停止時のページ先頭位置からセンサまでの距離は変更できないため、予め装置の制御部に用紙長情報を与えておき、停止位置が所定の位置と一致するか否か照合を行い、自動的に稼動を停止する機能を備えると便利である。
【0025】
また、N個のセンサそれぞれに対応するLEDを装置の表示部に備え、センサが送り穴2を検出するとLEDが点灯するような表示部を備えていれば、用紙長を記憶している装置の操作者は、容易に停止位置が所定の位置と一致するか判断することができる。
【0026】
なお、図3において、8はトラクタ駆動部、9は感光体ドラムである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を適用するための構成の図である。
【図2】センサが送り穴を検出した状態での送り穴とセンサの位置関係を示した図である。
【図3】本発明を適用するための構成を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1は連続用紙、2は送り穴、3はミシン目、4、5、6は光学式センサ、7はセンサ、8はトラクタ駆動部、9は感光体ドラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1/2インチ間隔に送り穴のある連続用紙と、前記用紙の送り穴を検出可能な光学式センサで構成し、前記用紙の送り穴に倣う位置に前記光学式センサをN個、1/(2・N)インチ間隔に配置し、前記光学式センサのいずれか1つが前記送り穴を検出することを特徴とする連続紙電子写真装置。
【請求項2】
前記光学式センサが送り穴を検出すると点灯し、非検出の場合は消灯する表示器を具備することを特徴とする請求項1記載の連続紙電子写真装置。
【請求項3】
用紙長情報と前記光学式センサの検出状態を照合して、一致しない場合はエラー表示、又は稼動を禁止することを特徴とする請求項1記載の連続紙電子写真装置。
【請求項4】
前記エラー表示、又は稼動禁止を、印刷開始時に行うことを特徴とする請求項3記載の連続紙電子写真装置。
【請求項5】
前記エラー表示、又は装置の稼動禁止を、自動装填終了時に行うことを特徴とする請求項3記載の連続紙電子写真装置。
【請求項6】
前記エラー表示、又は装置の稼動禁止を、印刷終了時に行うことを特徴とする請求項3記載の連続紙電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−227375(P2006−227375A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42201(P2005−42201)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】