説明

連続配置された発芽ユニットを含む種子テープおよび前記テープを発芽させる方法

連続配置された発芽ユニット1a、1b、1cを含む種子テープを、少なくとも1枚の担体条片2および前記担体条片上に配置された少なくとも1層の生分解気体透過性物質層3から製造する。各発芽ユニット1a、1b、1cは、1つまたは複数の種子10の他に、担体7、少なくとも1種の添加剤8、および場合によってはアジュバント9の混合物を含む。生分解気体透過性物質層3は、可撓性でかつ不織性である。1種または複数の添加剤8は吸水性である。この様式で、種子テープは予備発芽手順にかけることに特に適切である。この種子テープは崩壊することなしに水を保持する能力が極めて高いからである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続配置された発芽ユニットを含む種子テープであって、このテープは、さらに、少なくとも1枚の担体条片、および前記担体条片上に配置された生分解気体透過性物質層を含み、それによってこの層は、場合によっては、その種子テープに沿う短い距離で局所的に遮断され、それによって各発芽ユニットは1つまたは複数の種子の他に、担体、少なくとも1種の添加剤、および場合によってはアジュバントの混合物を含み、かつそれによって浸漬および/または定植の前に前記種子テープを、場合によっては、独立した発芽ユニットに切り分ける種子テープに関する。
【0002】
本明細書では、「担体」という表現は、以下の少なくとも1種の物質を含む物質を包含するものとして理解されるべきである。すなわち、造粒、膨張バーミキュライト、パーライト、ゼオライト、木繊維などのセルロース物質、およびミズゴケ焼成粘土、ロックウール、またはそのような物質である。
【0003】
本明細書では、「アジュバント」という表現は、植物栄養剤;除草剤、殺虫剤、特に浸透性殺虫剤、殺菌剤、ウイルス剤(virae)、細菌培養物、トリコデルマ属などの真菌培養物、真菌胞子、マイクロカプセル封入殺菌剤、捕食性線虫類などの有用な昆虫の卵、肥料、酵素、動物忌避剤、ホルモン、pH調整剤、炭素、粘度粒子、モリブデンなどの微量元素、木繊維または木粉、珪藻土、界面活性剤、または植物の発芽および成長に対して好ましい作用を有する他の物質などの病虫駆除剤のうちから選択される1種または複数の物質を包含するものとして理解されるべきであり、その場合、いくつかの物質はマイクロカプセルに封入した形で利用することができる。
【0004】
本明細書では、「生分解性物質」という表現は、通常の生物循環の一部となるように、その自然状態に放置されると徐々に崩壊する物質として解釈される。
【背景技術】
【0005】
発芽を開始するために種子にとって最も主要な条件の1つは、種皮中に存在する酵素およびホルモンを種子の芽および胚乳(white)に接触させることである。これには水が役立つ。多数の種子を水で湿らせる場合、種子毎に異なる時間で酵素およびホルモンが溶解している水が個々の種子の胚乳および芽に到達する。したがって、これらの種子は様々な時間に発芽を開始する。そのような発生期間は十分満足のいくものではない。個々の発芽期間の成長に関して、ほんのわずかな時間の遅れによって、種子が収穫時にかなり著しい重量差をもたらす植物に成長することが暗示されるからである。播種をした農地で最大可能収量を得られるような様式で、収穫時に植物すべてが等しく成長していることを望む農業従事者にとって、後者は非常に不利である。上記を考慮して、予備発芽手順にかけるための要望が種子に適用され、それによって地面に定植したときに種子すべてが発芽に関して等しく成長しているような様式で追加の水が供給される。
【0006】
種子に追加の栄養および保護を提供するためのペレット種子が知られている。種子ピルは1層または複数の粘土層を含み、そのようなピルには予備発芽に必要な水貯蔵部を組み込むことができないことが多い。ピルへの水の供給と共に種子を取り巻く粘土被膜が崩壊するからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の発芽手順にかけることに適切であり、かつ予備発芽手順時に、特に、崩壊することなく水を保持することができる上記のタイプの種子テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による種子テープは、生分解気体透過性物質層が可撓性でかつ不織性であり、前記1種または複数の添加剤が吸水性であることを特徴とする。その結果、発芽ユニットは、特に、最適の予備発芽手順に必要な水分量を保持することができる。後者は、種子を取り巻く発芽ユニット物質が、その内側に潅水後各種子の周囲に最適湿度の微気候を維持することができる、ある種の「繭」の役割ができるということのためによる。この微気候は、場合によってはある期間中低い湿度で、種子テープの周りまたはそれから近い距離の空気または土を補うことができる。すなわち、各「繭」は、湿度緩衝機能を提供する。湿潤な、すなわち、膨張し場合によっては潅水した状態であっても、前記発芽ユニットが破壊しまたは脆くなることなく、たとえ幼根または子葉が万一前記発芽ユニットを通り抜けたとしても、発芽ユニットは最大定植などに関連する相当のストレス作用に耐える。可撓性不織層は、種子、担体、およびアジュバントの運搬に特に適切である。担体は、周囲から長時間の無制御な給水があった場合、必要な量の空気が各「繭」から放逐されるのを防止するのに役立つ。
【0009】
本発明によれば、吸水物質は綿、好ましくは繊維径19〜21μの綿でよく、その結果、優れた様式で各種子の周囲に長期の湿潤な微気候が得られ、前記気候は予備発芽を促進する。
【0010】
さらに、少なくとも1枚の担体条片が紙、好ましくは重量が14〜60g/m、好ましくは22g/mmの紙から製造される場合、本発明による生分解気体透過性可撓性不織物質層は、ポリラクチド(PLA)や前記ポリラクチドを含む物質から製造されるような熱接着性であるか、あるいはレーヨン、ビスコース、またはポリラクチドに澱粉を加えたものから製造される。この様式で、各発芽ユニットは、適切に可撓性「繭」を形成することができる。取り扱い中に前記物質が種子テープから偶発的に離脱する危険が生じないような様式で、担体、アジュバント、吸水性添加剤、および種子を「繭」の内側によく接着させることができる。同様にその生分解性も非常に高い。
【0011】
さらに、本発明による生分解気体透過性可撓性不織物質は、若干皺のある構造をもたらすPLA繊維から製造されていてもよい。
【0012】
本発明によれば、1種または複数の吸水物質は、平均重量が0.05〜0.42mg/(粒子または繊維)の粒子または繊維の形態で存在する超吸収性ポリマー(SAP)であってよい。その結果、潅水手順中、各発芽ユニットの各種子の周囲に湿潤な微気候を提供するように、特に効率的な様式で種子テープ中の種子すべてに水分を供給することができる。
【0013】
特に有利であるのは、SAP粒子またはSAP繊維の平均重量が、0.18〜0.36mg/(粒子または繊維)、好ましくは約0.27mg/(粒子または繊維)を示す場合である。
【0014】
さらに、本発明によるSAP粒子またはSAP繊維の平均寸法が、450〜750μ、好ましくは550〜650μ、特に約600μであってよく、これは特に有利であることが判明した。
【0015】
さらに、本発明による担体条片は、不織PLAなどのPLAから製造されていてもよい。
【0016】
本発明によれば、SAP粒子またはSAP繊維は、種子を囲んで隣接して配置することができ、前記SAP粒子またはSAP繊維は不織物質の超音波処理または熱処理により生じた接着作用によって保持される。この様式で、種子テープは、外界からの不利益なストレス作用に特に耐える。
【0017】
さらに、本発明による不織PLA物質は、針構造を提供することができ、3層が交差したサンドウィッチとして構成されることが好ましく、その場合、中間層には比較的細い繊維が含まれ、外側の2層にはその中間層の繊維より多少太い繊維が含まれる。得られた不織PLA層は、適当な気体透過性を提供することができる。
【0018】
本発明によれば、SAP粒子またはSAP繊維は、付加的な糊により不織物質上に糊着することによって種子に隣接して保持することができ、その結果粒子または繊維は不織物質に極めてよく固着される。
【0019】
さらに、本発明による糊は、澱粉、ゼラチン、または糖をベースにした糊などの生分解性天然糊であってよい。こうしたタイプの糊は、特に有利であることが判明した。
【0020】
さらに、本発明による紙層の少なくとも1層は、クラフト紙であってよく、一方、場合によってはクラフト紙とPLA層との局所圧縮と組み合わせて、不織PLA層を点溶接または線溶接によってクラフト紙に固着することができる。そのような種子テープは、特に強力であることが判明した。
【0021】
さらに、本発明による各発芽ユニットは、間を空けて横行する2本の線溶接によって区切ることができ、それによって少なくとも2本のやや短い補助溶接をこれらの線溶接間に設けることができ、前記補助溶接は種子テープの各側端から内側に突出し、長さが種子テープの幅の0.05〜0.20倍、好ましくは0.1〜0.15倍、特に0.12倍である。その結果、1つまたは複数の種子、ならびに担体、吸水性添加剤(および場合によってはアジュバント)の混合物は「繭」の内側の位置に確実に保持される。さらに、子葉および幼根は、容易に地中に至る道、すなわち、補助溶接間の道を見つけることができる。
【0022】
本発明によれば、可撓性不織層がPLAである場合、点溶接または線溶接は温度70〜110℃で設けることができる。その結果、それぞれ、PLAと紙の間に、種子と吸水性添加剤の間に適当な固着性が得られる。
【0023】
本発明によれば、各不織層の繊維は、5〜9cm長、好ましくは6〜8cm長で、かつ0.1〜0.2mm厚であってよい。これらの繊維の比率が、特に有利であることが判明した。
【0024】
本発明によれば、吸水性添加剤はシリカ粒子でよく、これは特に有利であることが判明した。
【0025】
さらに、本発明による生分解気体透過性可撓性不織層は、担体条片に等距離を置いて固着された不織性ポリラクチド(PLA)のポケットの列によって形成することができ、各ポケットには種子が含まれ、これも同様に特に有利であることが判明した。
【0026】
本発明によれば、少なくとも1層の独立した生分解性フィルムの薄層は、生分解性可撓性不織層に並行して設置され、前記独立した薄層は場合によっては半浸透性フィルム、好ましくはPLA、ゼラチン、またはセルロース(セロファン(商標))の層であり、厚さが20〜75μm、特に30〜50μmであることが好ましい。この様式で、一方で1つまたは複数の種子と、他方で1種または複数のアジュバントとの間の時間で区切った分離を可能にし、このアジュバントを殺虫剤などのいくつかの植物保護剤に関連して適切なものにすることができる。
【0027】
さらに、種子が、好ましくはテンサイの種子である場合、本発明による各発芽ユニットを周囲の溶接シームによって区切ることができ、そこを幼根および実生が通り抜けることができるようにする開口部を設けるために、この発芽ユニットを場合によっては局所的に遮断する。この実施形態は、正確な播種に関連して特に適切である。
【0028】
本発明によれば、担体、吸水性添加剤(および場合によってはアジュバント)の混合物は、小片に圧縮することができ、この小片は場合によっては、1つまたは複数の種子も含み、それによってこれらの物質の取り扱いを特に容易にする。
【0029】
さらに、殺虫剤などの本発明によるアジュバントを各発芽ユニット中の小カプセル中に入れることができ、それによって殺虫剤の投与を特に容易にする。
【0030】
さらに、本発明による各小片は、サンドウィッチによって構成することができ、このサンドウィッチは、外側を不織PLA層によって区切られ、内側に担体、アジュバント、および吸水性添加剤を含み、前記小片は、たとえば、実質的にスタンプとして特定の大きさに形成され、それによって特に単純な小片が得られる。
【0031】
本発明によれば、可撓性不織PLA層は、吸収容量0〜30mm、たとえば、5〜15mmを有利に提供することができ、その結果、PLA層は適当な毛細作用(wick effect)を提供することができる。
【0032】
さらに、本発明による紙担体条片はPLA繊維を含むこともでき、繊維長が4〜7mmの繊維が好ましく、この繊維は紙担体条片を高度に補強し、前記条片を他の層上に高温接着するのに適切にする。
【0033】
本発明によれば、添加剤および/またはアジュバントを徐放させるために、PLAコーティングなどのプラスチックコーティングが場合によっては施されているブロッティング紙片に、SAPなどの1種または複数の吸水性添加剤、および場合によってはアジュバントを吸収または固着させ、前記ブロッティング紙片を各発芽ユニットの内側に入れられ、たとえば、500m/分などで高速生成したブロッティング紙ロールから切り離して得、そこにおいて、もし上記吸水性添加剤およびアジュバントが存在するならば、前記ブロッティング紙上に吸収または接着する。この様式で、もし添加剤およびアジュバントがあるならば、非常に単純な様式で各発芽ユニット中に投入することができる。わずか1個の小片だけを各発芽ユニットに挿入すればよいからである。これらの小片は、非常に合理的な製造法なので費用効率も高い。
【0034】
本発明は、本発明による種子テープを予備発芽させる方法にも関し、そこにおいて、添加剤には超吸収性ポリマー(SAP)が含まれる。この方法は、このポリマーが乾燥種子テープ重量の最大80%に相当する水分量を吸収するまで、初期段階中に種子テープに潅水を施し、水温を約11〜30℃に維持し、水のpHをリン酸などによって4.5〜7.5に維持し、かつ水の導電値を硝酸カリウムなどの栄養塩によって所望の好ましくは0.8〜3.0μS、特に1.1〜1.9μSに調整し、その後種子テープを反応時間の6〜150時間成長チャンバに入れることを特徴とする。所定の時間中、SAP粒子は供給された所定の水分量を吸収し、吸収容量は供給された液体の塩濃度によって決定されるが、それによって前記塩濃度は導電値によって表される。種子は成長段階に関してやや異なるが、これらの種子は、反応期間中およそ同じ成長段階、すなわち、種皮の酵素およびホルモンを含む水が種子の活動部分中に浸透した直後の成長段階に成長できる。しかし、各種子では限られた量の水分しか利用することができないので予備発芽手順は遅れる。追加の水が供給されるまで発芽は進行することができないからである。
【0035】
さらに、発芽直後に本発明による種子テープをX線スキャニングにかけることができ、その後、X線スキャニング結果に基づいて定植に不適切な発芽ユニットを廃棄する。この様式で、発芽ユニットの定植の前に発芽ユニットが十分に成長しているかどうか、およびそれに応じて廃棄すべきかどうか見ることができる。
【0036】
最後に、担体条片を熱切断にかけることなどによって、定植の前に本発明による種子テープの発芽ユニットを分離することができる。その結果、要求に呼応して発芽ユニットを完全に独立して定植することができる。
【0037】
図面に関して本発明を以下に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1の種子テープは、多くの連続配置された発芽ユニットを含むが、3個の発芽ユニット1a、1b、1cのみを示す。種子テープは、少なくとも生分解性担体条片2、および少なくとも1層の、前記条片上に配置された生分解気体透過性物質層3を含む。4に追加の担体条片を示す。層3は、その種子テープに沿う短い距離にわたって局所的に遮断することができるが、これは例示していない。各発芽ユニット1a、1b、1cは、1つまたは複数の種子10の他に、担体7、および少なくとも1種の吸水性添加剤8の混合物を含む。1種または複数のアジュバント9が存在してもよい。各担体7および各アジュバント9は、上記の少なくとも1種の物質を含む。
【0039】
1種または複数の吸水性添加剤8は、たとえば、綿であってよく、繊維径19〜21μの綿が好ましい。
【0040】
生分解気体透過性物質層3は可撓性かつ不織性である。これは熱接着性であってよく、たとえば、ポリラクチド(PLA)または前記PLAを含む物質から製造され、あるいはレーヨン、ビスコース、またはポリラクチドに澱粉を加えたものから製造されていてよい。層3は、若干皺のある構造をしているPLA繊維から製造された不織物質であってよい。担体条片2は、紙製であってよく、重量14〜60g/mの紙が好ましく、22g/mの紙が好ましい。しかし、担体条片は、不織PLAなどのPLA製であってもよい。
【0041】
1種または複数の吸水性添加剤8は、平均重量が0.05〜0.42mg/(粒子または繊維)の粒子または繊維の形態で存在する超吸収性ポリマー(SAP)であってよい。図1では、図を明快にするために、これらのSAP粒子8を誇張した寸法で示している。SAP粒子は、たとえば、架橋ポリアクリル酸塩、架橋イソブチレン−マレイン酸コポリマー誘導体、架橋澱粉ポリアクリル酸塩、架橋ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩、架橋ポリビニルアルコール誘導体、架橋ポリエチレン−グリコール誘導体、および架橋カルボキシメチルセルロース誘導体であってよい。
【0042】
SAP粒子またはSAP繊維8は、平均重量が0.18〜0.36mg/(粒子または繊維)であってよく、約0.27mg/(粒子または繊維)が好ましい。SAP粒子またはSAP繊維8は、平均寸法、すなわち、「直径」が450〜750μのものであってよく、550〜650μが好ましく、特に約600μが好ましい。
【0043】
SAP粒子またはSAP繊維8は、種子10を囲んで隣接して配置されていてよく、前記SAP粒子またはSAP繊維はPLA物質の超音波処理または熱処理により接着作用によって保持されている。
【0044】
不織PLA物質3は、針構造を提供することができ、PLA繊維層による3層が交差した図示しないサンドウィッチとして構成されることが好ましく、その場合、その中間層には比較的細い繊維が含まれ、外側の2層にはその中間層の繊維より多少太い繊維が含まれる。各層の繊維は、互いに対して任意に配置される。
【0045】
SAP粒子またはSAP繊維8は、付加的な糊により不織物質3上に糊着することによって種子に隣接して保持することができる。しかし、この糊は図には示していない。
【0046】
糊は、澱粉、ゼラチン、または糖をベースにした糊などの生分解性天然糊であってよい。
【0047】
図1では、条片2は、たとえば、クラフト紙であってよく、他方層3は上記のように不織PLAから製造することができ、紙層4は、前記層3上に設置することができる。場合によってはクラフト紙とPLA層との局所圧縮と組み合わせて、層は点溶接または線溶接によって互いに固着することができる。
【0048】
図3に示すとおり、各発芽ユニットは、間を空けて横行する2本の点溶接または線溶接16によって区切ることができ、少なくとも2本のやや短い補助溶接17を前記点溶接または線溶接間に設けることができる。これらの補助溶接17は、種子テープ各側端18から内側に突出し、長さは種子テープの幅bの0.05〜0.20倍、好ましくは0.1〜0.15倍、特に0.12倍である。
【0049】
可撓性不織層3がPLAから製造される場合、点溶接または線溶接16は温度70〜110℃で設けることができる。
【0050】
不織層3の繊維は、5〜9cm長、好ましくは6〜8cm長で、かつ0.1〜0.2mm厚であってよい。
【0051】
吸水物質8は、上記SAP粒子またはSAP繊維の代わりにシリカ粒子から製造することができる。
【0052】
図2に示すとおり、種子テープは、担体条片2’を含むことができ、生分解気体透過性不織層は不織性ポリラクチド(PLA)のポケット3’の列の形で前記担体条片に固着することができ、前記ポケットは等距離を置いて配置することが好ましい。
【0053】
可撓性不織PLA層3の重量は、10〜40g/mであってよく、14〜25g/mが好ましく、22g/mが特に好ましい。紙条片2には、PLA繊維を含めてもよく、繊維長4〜7mmのものが好ましい。
【0054】
図4に示す通り、少なくとも1層の独立した生分解性フィルムの薄層20は、生分解性可撓性不織層3に並行して設置することができ、前記独立した薄層は場合によっては半浸透性フィルムであり、好ましくはPLA、ゼラチン、またはセルロース(セロファン(商標))の層であり、厚さが20〜75μm、特に30〜50μmであることが好ましい。したがって、独立した層20は、担体、アジュバント、および吸水性添加剤を分離する。独立した層は徐々に崩壊するので、上記物質が放出される。
【0055】
種子が、テンサイの種子である場合、各発芽ユニットは周囲の溶接シーム26によって区切ることができ(図5参照)、この発芽ユニットは、場合によっては、各種子から幼根および実生が通り抜けることができるようにする開口部27を設けるために局所的に遮断されている。
【0056】
図6に示すとおり、担体7、吸水性添加剤8、および場合によってはアジュバント9の混合物は、小片21に圧縮することができ、必要に応じて、1つまたは複数の種子10を含めてよい。
【0057】
小片21は、たとえば、図示しない吸引シリンダの予めパンチした表面上に、空気によって紙パルプ、SAP結晶、ならびに担体7およびアジュバント9の粒子を設置することによって得ることができる。
【0058】
必要に応じて、前記殺虫剤の「徐放」を可能にするために、殺虫剤などのアジュバント9を各発芽ユニットに挿入した閉鎖小カプセル22(図7参照)内に入れることができる。
【0059】
さらに、各小片23は、サンドウィッチによって構成することができ(図8参照)、このサンドウィッチは、外側を不織PLA層25a、25bによって区切られ、場合によっては独立した層29と一緒に、内側に担体7、アジュバント9、および吸水性添加剤8を有し、前記小片は、たとえば、実質的にスタンプとして特定の大きさに形成される。
【0060】
発芽ユニット1a、1b、1cの可撓性不織PLA層3は、吸収容量0〜30mm、たとえば、5〜15mmを提供することができ、これはH.J.HannoverおよびSigurd Smith:Papirfabrikation(「紙の生成」)Julius Gjellerups Forlag、1934年、277ページに記載の方法によって推定した。吸収容量は、前記層3が10分間に水を吸い上げることができるmmで測定した高さであり、層3は垂直に懸垂した層3の条片として提供されている。
【0061】
さらに、添加剤8および/またはアジュバント9を「徐放」させるために、PLAコーティングなどのプラスチックコーティングを場合によっては施したブロッティング紙片に、SAPなどの1種または複数の吸水性添加剤8、および場合によっては殺虫剤などのアジュバント9を吸収または固着させることができる。このブロッティング紙片を各発芽ユニット1a、1b、1cの内側に入れることができ(図1参照)、たとえば、500m/分などで高速生成したブロッティング紙ロールから切り離して得、その場合、もし上記吸水性添加剤およびアジュバントがあるならば、前記ブロッティング紙上に吸収しまたは接着する。
【0062】
図10は、本発明による方法を実施するのに必要な工程の略図である。方法は、予備発芽にかける予定の、種子の他に特に超吸収性ポリマー粒子(SAP)の形の添加剤を含む種子テープの潅水を扱う。方法は、平均重量が0.05〜0.42mg/(粒子または繊維)の超吸収性ポリマー粒子、場合によっては短いポリマー繊維を含む種子テープに特に適切である。しかし、この方法は、他の型の種子テープにも使用することができる。方法は、このポリマーが乾燥種子テープ重量の最大80%に相当する水分量を吸収するまで、初期段階中に種子テープに潅水を施す工程によって実施され、方法のこの工程を12に示す。潅水中、水温を約11〜30℃に維持し、水のpHを、たとえば、リン酸の添加によって4.5〜7.5に維持し、かつ水の前記導電値が1.5〜1.9mS(microsiemens)の範囲であるような様式で、水の導電値を硝酸カリウムなどの栄養塩によって調整する。工程12の後、種子テープを反応時間の6〜200時間、好ましくは12〜120時間、特に18〜100時間成長チャンバに入れる。種子10がアブラナ属(Brassica)の種子(キャベツ)である場合、反応時間は約20〜75時間の間隔である。種子10がアキノノゲシ属サチバ(Lactuca Sativa)の種子(レタス)である場合、反応時間は約10〜45時間の間隔である。種子がアカザ科ホウレンソウ属(Spinacia oleracea)(ホウレンソウ)の種子である場合、24〜72時間の反応時間が必要である。
【0063】
成長チャンバに寝かせた後、この種子テープが、乾燥状態のその重量の少なくとも50%に相当する水の量を吸収するまで、種子テープに潅水をすることができ、これは工程14に示されている。そのような処理は、種子テープが発芽を開始し、種子が迅速に完全に発芽し土に定植する準備ができていることを示す。定植の前に手順を開始し、種子テープ1を切断にかけるなどによって個々の発芽ユニット1a、1b、1cを分離することができる。
【0064】
種子テープ1の各発芽ユニットが、正しく予備発芽していることを確実にするために、前記発芽直後に前記種子テープのX線スキャニングを実施することができる。続いて、種子テープの発芽後、X線スキャニングの結果に基づいて、定植に不適切な発芽ユニットを廃棄することができる。言い換えれば、十分に成長していない、すなわち、予備発芽していない発芽ユニットを廃棄することができる。通常は、非常に少ない割合の発芽ユニットが廃棄される。したがって、これらの廃棄された発芽ユニットは種子テープの残りの発芽ユニットと共には定植されない。
【0065】
本発明は、添付の請求項から明らかになる本発明の範囲から逸脱することなく、多くの様式で変更を加えることができる。すなわち、種子テープ1の条片4は、不織層3の表面上に施したコーティングに置き換え、次いでそれによって種子10、担体7、アジュバント9、および添加剤8を前記コーティングによって層3に対して保持することができる。しかし、後者のオプションは図示しない。
【0066】
種子およびアジュバントを有し、かつ裸地表面、特に困難な成長条件に悩む区域に置くことを意図した被覆物質または条片には、本発明による種子テープは関係しないことに注目すべきである。本発明による種子テープまたはその一部に関する限り、1種または複数の種子テープは、地表面下に適当な深度で水平にまたは垂直に配置する。
【0067】
生分解気体透過性物質の可撓性不織層3は、ポリマー、たとえば、ポリエステルまたは他の油性ポリマーであってよく、場合によっては、ジピドテレフタル酸(dipidic terephtalic acid)およびブタンジオールに由来する脂肪族−芳香族重縮合コポリマーであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による種子テープの実施形態を示す斜視図である。
【図2】種子テープの第2の実施形態の一部を示す斜視図である。
【図3】種子テープの第3の実施形態の一部を示す正面図である。
【図4】分離した層を含む種子テープの実施形態を示す断面図である。
【図5】種子テープの第4の実施形態の一部を示す正面図である。
【図6】本発明による小片を示す斜視図である。
【図7】本発明によるカプセルを示す斜視図である。
【図8】サンドウィッチとして構成された本発明による小片を示す斜視図である。
【図9】本発明によるブロッティング紙片を示す斜視図である。
【図10】本発明による種子テープの発芽方法の重要な工程を示す図である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブル(preamble)に記載したとおりの種子テープに関する。
【0002】
本明細書では、「担体」という表現は、以下の少なくとも1種の物質を含む物質を包含するものとして理解されるべきである。すなわち、造粒、膨張バーミキュライト、パーライト、ゼオライト、木繊維などのセルロース物質、およびミズゴケ焼成粘土、ロックウール、またはそのような物質である。
【0003】
さらに、「アジュバント」という表現は、植物栄養剤;除草剤、殺虫剤、特に浸透性殺虫剤、殺菌剤、ウイルス剤(virae)、細菌培養物、トリコデルマ属などの真菌培養物、真菌胞子、マイクロカプセル封入殺菌剤、捕食性線虫類などの有用な昆虫の卵、肥料、酵素、動物忌避剤、ホルモン、pH調整剤、炭素、粘度粒子、モリブデンなどの微量元素、木繊維または木粉、珪藻土、界面活性剤、または植物の発芽および成長に対して好ましい作用を有する他の物質などの病虫駆除剤のうちから選択される1種または複数の物質を包含するものとして理解されるべきであり、その場合、いくつかの物質はマイクロカプセルに封入した形で利用することができる。
【0004】
「生分解性物質」という表現は、通常の生物循環の一部となるように、その自然状態に放置されると徐々に崩壊する物質を意味する。
【背景技術】
【0005】
発芽を開始するために種子にとって最も主要な条件の1つは、種皮中に存在する酵素およびホルモンを種子の芽および胚乳(white)に接触させることである。これには水が役立つ。多数の種子を水で湿らせる場合、種子毎に異なる時間で酵素およびホルモンが溶解している水が個々の種子の胚乳および芽に到達する。したがって、これらの種子は様々な時間に発芽を開始する。そのような発生期間は十分満足のいくものではない。個々の発芽期間の成長に関して、ほんのわずかな時間の遅れによって、種子が収穫時にかなり著しい重量差をもたらす植物に成長することが暗示されるからである。播種をした農地で最大可能収量を得られるような様式で、収穫時に植物すべてが等しく成長していることを望む農業従事者にとって、後者は非常に不利である。上記を考慮して、予備発芽手順にかけるための要望が種子に適用され、それによって地面に定植したときに種子すべてが発芽に関して等しく成長しているような様式で追加の水が供給される。
【0006】
種子に追加の栄養および保護を提供するためのペレット種子が知られている。種子ピルは1層または複数の粘土層を有し、そのようなピルには予備発芽に必要な水貯蔵部を組み込むことができないことが多い。ピルへの水の供給と共に種子を取り巻く粘土被膜が崩壊するからである。
【0007】
国際公開第WO01/56361A1号から、連続配置された発芽ユニットを含む種子テープが公開されている。前記テープは、少なくとも1枚の担体条片、および前記担体条片上に配置された少なくとも1層の生分解気体透過性物質層を含む。各発芽ユニットは、1つまたは複数の種子の他に、担体および少なくとも1種の添加剤の混合物を含み、生分解気体透過性物質層は可撓性不織性である。前記付加または添加剤は吸水性である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上記の発芽手順にかけることに適切であり、かつ予備発芽手順時に、特に、崩壊することなく水を保持することができる上記のタイプの種子テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による種子テープは、可撓性でかつ不織性の生分解気体透過性物質層がポリラクチド(PLA)またはポリラクチドを含む物質から製造され、あるいはレーヨン、ビスコース、またはポリラクチドに澱粉を加えたものから製造されていることを特徴とする。その結果、発芽ユニットは、特に、最適の予備発芽手順に必要な水分量を保持することができる。後者は、種子を取り巻く発芽ユニット物質が、その内側に潅水後各種子の周囲に最適湿度の微気候を維持することができる、ある種の「繭」の役割ができるということのためによる。この微気候は、場合によってはある期間中低い湿度で、種子テープの周りまたはそれから近い距離の空気または土を補うことができる。すなわち、各「繭」は、湿度緩衝機能を提供する。湿潤な、すなわち、膨張し場合によっては潅水した状態であっても、前記発芽ユニットが破壊しまたは脆くなることなく、たとえ幼根または子葉が万一前記発芽ユニットを通り抜けたとしても、発芽ユニットは最大定植などに関連する相当のストレス作用に耐える。可撓性不織層は、種子、担体、およびアジュバントの運搬に特に適切である。担体は、周囲から長時間の無制御な給水があった場合、必要な量の空気が各「繭」から放逐されるのを防止するのに役立つ。生分解性も非常に高い。
【0010】
吸水物質は綿、好ましくは繊維径19〜21μの綿でよく、その結果、優れた様式で各種子の周囲に長期の湿潤な微気候が得られ、前記気候は予備発芽を促進する。
【0011】
さらに、本発明によるPLA繊維は若干皺のある構造をもたらすことができる。
【0012】
さらに、本発明による担体条片は、不織PLAなどのPLAから製造されていてもよい。
【0013】
本発明によれば、超吸収性ポリマー(SAP)粒子または繊維は、種子を囲んで隣接して配置することができ、前記SAP粒子またはSAP繊維は不織物質の超音波処理または熱処理により生じた接着作用によって保持される。この様式で、種子テープは、外界からの不利益なストレス作用に特に耐える。
【0014】
さらに、本発明による不織PLA物質は、針構造を提供することができ、3層が交差したサンドウィッチとして構成され、その場合、中間層には比較的細い繊維が含まれ、外側の2層にはその中間層の繊維より多少太い繊維が含まれる。得られた不織PLA層は、適当な気体透過性を提供することができる。
【0015】
本発明によれば、SAP粒子またはSAP繊維は、付加的な糊、好ましくは生分解性天然糊、たとえば澱粉、ゼラチン、または糖をベースにした糊により不織物質上に糊着することによって種子に隣接して保持することができ、その結果粒子または繊維は不織物質に極めてよく固着される。
【0016】
さらに、本発明による各発芽ユニットは、間を空けて横行する2本の線溶接によって区切ることができ、それによって少なくとも2本のやや短い補助溶接をこれらの線溶接間に設けることができ、前記補助溶接は種子テープの各側端から内側に突出し、長さが種子テープの幅の0.05〜0.20倍である。その結果、1つまたは複数の種子、ならびに担体、吸水性添加剤(および場合によってはアジュバント)の混合物は「繭」の内側の位置に確実に保持される。さらに、子葉および幼根は、容易に地中に至る道、すなわち、補助溶接間の道を見つけることができる。
【0017】
本発明によれば、点溶接または線溶接は温度70〜110℃で設けることができる。その結果、それぞれ、PLAと紙の間に、種子と吸水性添加剤の間に適当な固着性が得られる。
【0018】
本発明によれば、各不織層の繊維は、5〜9cm長であってよい。これらの繊維の比率が、特に有利であることが判明した。
【0019】
さらに、本発明による生分解気体透過性可撓性不織層は、担体条片に等距離を置いて固着された不織性ポリラクチド(PLA)のポケットの列によって形成することができ、各ポケットには種子が含まれ、これも同様に特に有利であることが判明した。
【0020】
本発明によれば、可撓性織物PLA層は、重量が10〜40g/mであることが好ましいかもしれない。
【0021】
さらに、種子が、好ましくはテンサイの種子である場合、本発明による各発芽ユニットを周囲の溶接シームによって区切ることができ、そこを幼根および実生が通り抜けることができるようにする開口部を設けるために、この発芽ユニットを局所的に遮断する。この実施形態は、正確な播種に関連して特に適切である。
【0022】
さらに、本発明によれば、圧縮小片は、たとえば、吸引シリンダの表面上に空気によって紙パルプ、場合によってはセルロース繊維、SAP結晶、ならびに担体およびアジュバントの粒子を設置することによって生成することができる。これによって前記小片の単純な生成法が提供される。
【0023】
さらに、殺虫剤などの本発明によるアジュバントを各発芽ユニット中の小カプセル中に入れることができ、それによって殺虫剤の投与を特に容易にする。
【0024】
本発明によれば、可撓性不織PLA層は、吸収容量0〜30mm、たとえば、5〜15mmを有利に提供することができ、その結果、PLA層は適当な毛細作用(wick effect)を提供することができる。
【0025】
本発明によれば、添加剤および/またはアジュバントを徐放させるために、PLAコーティングなどのプラスチックコーティングが場合によっては施されているブロッティング紙片に、SAPなどの1種または複数の吸水性添加剤、および場合によっては殺虫剤などのアジュバントを吸収または固着させ、前記ブロッティング紙片を各発芽ユニットの内側に入れられ、たとえば、500m/分などで高速生成したブロッティング紙ロールから切り離して得、そこにおいて、もし上記吸水性添加剤およびアジュバントが存在するならば、前記ブロッティング紙片上に吸収または接着する。この様式で、もし添加剤およびアジュバントがあるならば、非常に単純な様式で各発芽ユニット中に投入することができる。わずか1個の小片だけを各発芽ユニットに挿入すればよいからである。これらの小片は、非常に合理的な製造法なので費用効率も高い。
【0026】
図面に関して本発明を以下に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1の種子テープは、多くの連続配置された発芽ユニットを含むが、3個の発芽ユニット1a、1b、1cのみを示す。種子テープは、少なくとも生分解性担体条片2、および少なくとも1層の、前記条片上に配置された生分解気体透過性物質層3を含む。4に追加の担体条片を示す。層3は、その種子テープに沿う短い距離にわたって局所的に遮断することができるが、これは例示していない。各発芽ユニット1a、1b、1cは、1つまたは複数の種子10の他に、担体7、および少なくとも1種の吸水性添加剤8の混合物を含む。1種または複数のアジュバント9が存在してもよい。各担体7および各アジュバント9は、上記の少なくとも1種の物質を含む。
【0028】
1種または複数の吸水性添加剤8は、たとえば、綿であってよく、繊維径19〜21μの綿が好ましい。
【0029】
生分解気体透過性物質層3は可撓性かつ不織性である。これは熱接着剤であってよく、たとえば、ポリラクチド(PLA)または前記PLAを含む物質から製造され、あるいはレーヨン、ビスコース、またはポリラクチドに澱粉を加えたものから製造されていてよい。層3は、若干皺のある構造をしているPLA繊維から製造された不織物質であってよい。担体条片2は、紙製であってよく、重量14〜60g/mの紙が好ましく、22g/mの紙が好ましい。しかし、担体条片は、不織PLAなどのPLA製であってもよい。
【0030】
1種または複数の吸水性添加剤8は、平均重量が0.05〜0.42mg/(粒子または繊維)の粒子または繊維の形態で存在する超吸収性ポリマー(SAP)であってよい。図1では、図を明快にするために、これらのSAP粒子8を誇張した寸法で示している。SAP粒子は、たとえば、架橋ポリアクリル酸塩、架橋イソブチレン−マレイン酸コポリマー誘導体、架橋澱粉ポリアクリル酸塩、架橋ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩、架橋ポリビニルアルコール誘導体、架橋ポリエチレン−グリコール誘導体、および架橋カルボキシメチルセルロース誘導体であってよい。
【0031】
SAP粒子またはSAP繊維8は、平均重量が0.18〜0.36mg/(粒子または繊維)であってよく、約0.27mg/(粒子または繊維)が好ましい。SAP粒子またはSAP繊維8は、平均寸法、すなわち、「直径」が450〜750μのものであってよく、550〜650μが好ましく、特に約600μが好ましい。
【0032】
SAP粒子またはSAP繊維8は、種子10を囲んで隣接して配置されていてよく、前記SAP粒子またはSAP繊維はPLA物質の超音波処理または熱処理により接着作用によって保持されている。
【0033】
不織PLA物質3は、針構造を提供することができ、PLA繊維層による3層が交差した図示しないサンドウィッチとして構成されることが好ましく、その場合、その中間層には比較的細い繊維が含まれ、外側の2層にはその中間層の繊維より多少太い繊維が含まれる。各層の繊維は、互いに対して任意に配置される。
【0034】
SAP粒子またはSAP繊維8は、付加的な糊により不織物質3上に糊着することによって種子に隣接して保持することができる。しかし、この糊は図には示していない。
【0035】
糊は、澱粉、ゼラチン、または糖をベースにした糊などの生分解性天然糊であってよい。
【0036】
図1では、条片2は、たとえば、クラフト紙であってよく、他方層3は上記のように不織PLAから製造することができ、紙層4は、前記層3上に設置することができる。場合によってはクラフト紙とPLA層との局所圧縮と組み合わせて、層は点溶接または線溶接によって互いに固着することができる。
【0037】
図3に示すとおり、各発芽ユニットは、間を空けて横行する2本の点溶接または線溶接16によって区切ることができ、少なくとも2本のやや短い補助溶接17を前記点溶接または線溶接間に設けることができる。これらの補助溶接17は、種子テープ各側端18から内側に突出し、長さは種子テープの幅bの0.05〜0.20倍、好ましくは0.1〜0.15倍、特に0.12倍である。
【0038】
可撓性不織層3がPLAから製造される場合、点溶接または線溶接16は温度70〜110℃で設けることができる。
【0039】
不織層3の繊維は、5〜9cm長、好ましくは6〜8cm長で、かつ0.1〜0.2mm厚であってよい。
【0040】
吸水物質8は、上記SAP粒子またはSAP繊維の代わりにシリカ粒子から製造することができる。
【0041】
図2に示すとおり、種子テープは、担体条片2’を含むことができ、生分解気体透過性不織層は不織性ポリラクチド(PLA)のポケット3’の列の形で前記担体条片に固着することができ、前記ポケットは等距離を置いて配置することが好ましい。
【0042】
可撓性不織PLA層3の重量は、10〜40g/mであってよく、14〜25g/mが好ましく、22g/mが特に好ましい。紙条片2には、PLA繊維を含めてもよく、繊維長4〜7mmのものが好ましい。
【0043】
図4に示すとおり、少なくとも1層の独立した生分解性フィルムの薄層20は、生分解性可撓性不織層3に並行して設置することができ、前記独立した薄層は場合によっては半浸透性フィルムであり、好ましくはPLA、ゼラチン、またはセルロース(セロファン(商標))の層であり、厚さが20〜75μm、特に30〜50μmであることが好ましい。したがって、独立した層20は、担体、アジュバント、および吸水性添加剤を分離する。独立した層は徐々に崩壊するので、上記物質が放出される。
【0044】
種子が、テンサイの種子である場合、各発芽ユニットは周囲の溶接シーム26によって区切ることができ(図5参照)、この発芽ユニットは、場合によっては、各種子から幼根および実生が通り抜けることができるようにする開口部27を設けるために局所的に遮断されている。
【0045】
図6に示すとおり、担体7、吸水性添加剤8、および場合によってはアジュバント9の混合物は、小片21に圧縮することができ、必要に応じて、1つまたは複数の種子10を含めてよい。
【0046】
小片21a(図3)または27a(図9)は、たとえば、図示しない吸引シリンダの予めパンチした表面上に、空気によって紙パルプ、SAP結晶、ならびに担体7およびアジュバント9の粒子を設置することによって得ることができる。
【0047】
必要に応じて、前記殺虫剤の「徐放」を可能にするために、殺虫剤などのアジュバント9を各発芽ユニットに挿入した閉鎖小カプセル22(図7参照)内に入れることができる。
【0048】
さらに、前記小片は、サンドウィッチ23によって構成することができ(図8参照)、このサンドウィッチは、外側を不織PLA層25a、25bによって区切られ、場合によっては独立した層29と一緒に、内側に担体7、アジュバント9、および吸水性添加剤8を有し、前記小片は、たとえば、実質的にスタンプとして特定の大きさに形成される。
【0049】
発芽ユニット1a、1b、1cの可撓性不織PLA層3は、吸収容量0〜30mm、たとえば、5〜15mmを提供することができ、これはH.J.HannoverおよびSigurd Smith:Papirfabrikation(「紙の生成」)Julius Gjellerups Forlag、1934年、277ページに記載の方法によって推定した。吸収容量は、前記層3が10分間に水を吸い上げることができるmmで測定した高さであり、層3は垂直に懸垂した層3の条片として提供されている。
【0050】
さらに、添加剤8および/またはアジュバント9を「徐放」させるために、PLAコーティングなどのプラスチックコーティングを場合によっては施したブロッティング紙片27aに、SAPなどの1種または複数の吸水性添加剤8、および場合によっては殺虫剤などのアジュバント9を吸収または固着させることができる。このブロッティング紙片27aを各発芽ユニット1a、1b、1cの内側に入れることができ(図3参照)、たとえば、500m/分などで高速生成したブロッティング紙ロールから切り離して得、その場合、もし上記吸水性添加剤およびアジュバントがあるならば、前記ブロッティング紙上に吸収しまたは接着する。
【0051】
本発明は、添付の請求項から明らかになる本発明の範囲から逸脱することなく、多くの様式で変更を加えることができる。すなわち、種子テープ1の条片4は、たとえば、不織層3の表面上に施したコーティングに置き換え、次いでそれによって種子10、担体7、アジュバント9、および添加剤8を前記コーティングによって層3に対して保持することができる。しかし、後者のオプションは図示しない。
【0052】
種子およびアジュバントを有し、かつ裸地表面、特に困難な成長条件に悩む区域に置くことを意図した被覆物質または条片には、本発明による種子テープは関係しないことに注目すべきである。本発明による種子テープまたはその一部に関する限り、1種または複数の種子テープは、地表面下に適当な深度で水平にまたは垂直に配置する。
【0053】
生分解気体透過性物質の可撓性不織層3は、ポリマー、たとえば、ポリエステルまたは他の油性ポリマーであってよく、場合によっては、ジピドテレフタル酸(dipidic terephtalic acid)およびブタンジオールに由来する脂肪族−芳香族重縮合コポリマーであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明による種子テープの実施形態を示す斜視図である。
【図2】種子テープの第2の実施形態の一部を示す斜視図である。
【図3】種子テープの第3の実施形態の一部を示す正面図である。
【図4】分離した層を含む種子テープの実施形態を示す断面図である。
【図5】種子テープの第4の実施形態の一部を示す正面図である。
【図6】本発明による小片を示す斜視図である。
【図7】本発明によるカプセルを示す斜視図である。
【図8】サンドウィッチとして構成された本発明による小片を示す斜視図である。
【図9】本発明によるブロッティング紙片を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続配置された発芽ユニット(1a、1b、1c)を含み、さらに少なくとも1枚の担体条片(2、4)および前記担体条片上に配置された少なくとも1層の生分解気体透過性物質層(3)を含み、それによって該層(3)が、場合によっては、前記種子テープに沿う短い距離で局所的に遮断され、それによって各発芽ユニット(1a、1b、1c)が1つまたは複数の種子(10)の他に、担体(7)、少なくとも1種の添加剤(8)、および場合によってはアジュバント(9)の混合物を含み、かつそれによって浸漬および/または定植の前に、前記種子テープを、場合によっては、独立した発芽ユニットに切り分ける種子テープ(1)であって、生分解気体透過性物質層(3)が可撓性不織性であり、かつ前記1種または複数の添加剤(8)が吸水性であることを特徴とする種子テープ(1)。
【請求項2】
前記吸水物質(8)が綿であり、好ましくは繊維径が19〜21μの綿であることを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。
【請求項3】
上記少なくとも1枚の担体条片(2、4)が紙、好ましくは重量が14〜60g/mの紙から製造され、前記生分解気体透過性可撓性不織布物質層(3)が、ポリラクチド(PLA)または前記ポリラクチドを含む物質から製造されるような熱接着性であるか、あるいはレーヨン、ビスコース、またはポリラクチドに澱粉を加えたものから製造されていることを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。
【請求項4】
前記生分解気体透過性可撓性不織物質(3)が、若干皺のある構造をもたらすPLA繊維から製造されることを特徴とする、請求項1または3に記載の種子テープ。
【請求項5】
前記吸水物質(8)が、平均重量が0.05〜0.42mg/(粒子または繊維)の粒子または繊維の形態で存在する超吸収性ポリマー(SAP)であることを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。
【請求項6】
前記SAP粒子またはSAP繊維(8)の平均重量が、0.18〜0.36mg/(粒子または繊維)であり、好ましくは約0.27mg/(粒子または繊維)であることを特徴とする、請求項5に記載の種子テープ。
【請求項7】
前記SAP粒子またはSAP繊維(8)の平均寸法が、450〜750μ、好ましくは550〜650μ、特に約600μであることを特徴とする、請求項5または6に記載の種子テープ。
【請求項8】
前記SAP粒子またはSAP繊維(8)が、前記種子(10)を囲んで隣接して配置され、前記SAP粒子またはSAP繊維が前記不織物質の超音波処理または熱処理により生じた接着作用によって保持されていることを特徴とする、請求項1、3、および7のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項9】
前記担体条片(2、4)が、不織PLAなどのPLAから製造されることを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。
【請求項10】
前記不織PLA物質(3)が、針構造を提供し3層が交差したサンドウィッチとして構成されていることが好ましく、そこにおいて、中間層には比較的細い繊維が含まれ、外側の2層には中間層の繊維より太い繊維が含まれることを特徴とする、請求項3、4、8、または9のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項11】
前記SAP粒子または前記SAP繊維(8)が、付加的な糊により前記不織層(3)上に糊着することによって前記種子(10)に隣接して保持されることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項12】
前記糊が、澱粉、ゼラチン、または糖をベースにした糊などの生分解性天然糊であることを特徴とする、請求項11に記載の種子テープ。
【請求項13】
前記紙層(2、4)の少なくとも1層がクラフト紙であり、前記不織PLA層(3)が、場合によっては前記クラフト紙と前記PLA層との局所圧縮と組み合わせて、点溶接または線溶接によって前記クラフト紙に固着されていることを特徴とする、請求項3から12のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項14】
各発芽ユニット(1a、1b、1c)が、間を空けて横行する2本の点溶接または線溶接(16)によって区切られ、かつ少なくとも2本のやや短い補助溶接(17)が、点溶接または線溶接(16)間に設けられており、前記補助溶接は各種子テープ側端(18)から内側に突出し、長さ(a)が前記種子テープの幅(b)の0.05〜0.20倍、好ましくは0.1〜0.15倍、特に0.12倍であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項15】
前記可撓性不織層(3)がPLAであり、前記点溶接または線溶接が温度70〜110℃で設けられることを特徴とする、請求項14に記載の種子テープ。
【請求項16】
各不織層(3)の繊維が、5〜9cm長、好ましくは6〜8cm長で、かつ0.1〜0.2mm厚であることを特徴とする、請求項3から11のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項17】
前記吸水性添加剤(8)が、シリカ粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。
【請求項18】
前記生分解気体透過性可撓性不織層(3)が、前記担体条片(2’)に等距離を置いて固着された不織性ポリラクチド(PLA)のポケット(3’)の列によって形成され、各ポケットには種子が含まれることを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項19】
前記可撓性不織PLA層(3)の重量が、10〜40g/m、好ましくは14〜25g/m、特に22g/mであることを特徴とする、請求項1から18のいずれかに記載の種子テープ。
【請求項20】
少なくとも1層の独立した薄層(20)および生分解性フィルムは、前記生分解性可撓性不織層(3)に並行して設置することができ、前記独立した薄層は、場合によっては半浸透性フィルム、好ましくはPLA、ゼラチン、またはセルロース(セロファン(商標))の層であり、好ましくは厚さが20〜75μm、特に30〜50μmであることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項21】
前記種子が、好ましくはテンサイの種子であり、各発芽ユニット(1a、1b、1c)が、周囲の溶接シーム(26)によって区切られており、このユニットは、場合によっては、幼根および実生がそこを通って成長することができる開口部(27)を設けるために局所的に遮断されていることを特徴とする、請求項13に記載の種子テープ。
【請求項22】
担体(7)、吸水性添加剤(8)、および場合によってはアジュバント(9)の混合物が、1つまたは複数の種子(10)も場合によっては含む圧縮小片として利用され得ることを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項23】
前記小片(21)が、たとえば、吸引シリンダの表面上に空気によって紙パルプ、場合によってはセルロース繊維、SAP結晶(8)、ならびに担体(7)およびアジュバント(9)の粒子を設置することによって生成されることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項24】
殺虫剤などの前記アジュバント(9)が、各発芽ユニット(1a、1b、1c)の中の小カプセル(22)中に入れられることを特徴とする、請求項22に記載の種子テープ。
【請求項25】
各小片が、サンドウィッチ(23)によって構成されており、該サンドウィッチは、外側を不織PLA層(25a、25b)によって区切られ、場合によっては前記独立した層(29)と一緒に、内側に前記担体(7)、前記アジュバント(9)、および前記吸水性添加剤(8)を含み、前記小片は、たとえば、実質的にスタンプとして特定の大きさに形成されることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項26】
前記可撓性不織PLA層(3)が、吸収容量0〜30mm、たとえば、5〜15mmを提供することを特徴とする、請求項1から25のいずれかに記載の種子テープ。
【請求項27】
添加剤および/またはアジュバントを徐放させるために、PLAコーティングなどのプラスチックコーティングが場合によっては施されているブロッティング紙片(27)に、SAPなどの1種または複数の前記吸水性添加剤(8)、および場合によっては殺虫剤などのアジュバント(9)を吸収または固着させ、前記ブロッティング紙片(27)が、各発芽ユニット(1a、1b、1c)の内側に入れられ、たとえば、500m/分などで高速生成したブロッティング紙ロールから切り離して得られ、そこにおいて、もし上記吸水性添加剤(8)およびアジュバント(9)が存在するならば、前記ブロッティング紙片上に吸収または接着されることを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。
【請求項28】
前記添加剤が、超吸収性ポリマー(SAP)を含み、該ポリマーが前記乾燥種子テープ重量の最大80%に相当する水分量を吸収するまで、初期段階中に前記種子テープ(1)に潅水を施し、水温を約11〜30℃に維持し、水のpHをリン酸などによって4.5〜7.5に維持し、かつ水の導電値を硝酸カリウムなどの栄養塩によって調整し、その後前記種子テープを反応時間の6〜150時間成長チャンバに入れることを特徴とする、請求項1から27のいずれか一項または複数項に記載の種子テープを予備発芽させる方法。
【請求項29】
予備発芽直後、前記種子テープをX線スキャニングにかけ、その後スキャニングの結果に基づいて定植に不適切な前記発芽ユニットを廃棄することを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記種子テープの発芽ユニット(1’、2’、3’)を切断にかけるなどによって定植前に分離することを特徴とする、請求項28または29に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続配置された発芽ユニット(1a、1b、1c)を含み、さらに少なくとも1枚の担体条片(2、4)および可撓性かつ不織性であり、かつ前記担体条片上に配置された少なくとも1層の生分解気体透過性物質層(3)を含み、それによって該層(3)が、場合によっては、前記種子テープに沿う短い距離で局所的に遮断され、それによって各発芽ユニット(1a、1b、1c)が1つまたは複数の種子(10)の他に、担体(7)、吸水性の少なくとも1種の添加剤(8)、および場合によってはアジュバント(9)の混合物を含み、かつそれによって浸漬および/または定植の前に、前記種子テープを、場合によっては、独立した発芽ユニットに切り分ける種子テープ(1)であって、可撓性不織性の生分解気体透過性物質層(3)がポリラクチド(PLA)または前記ポリラクチドを含む物質から製造され、あるいはレーヨン、ビスコース、またはポリラクチドに澱粉を加えたものから製造されていることを特徴とする種子テープ(1)。
【請求項2】
PLA繊維が若干皺のある構造をもたらすことを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。
【請求項3】
超吸収性ポリマー(SAP)粒子またはSAP繊維(8)が、前記種子(10)を囲んで隣接して配置され、前記SAP粒子またはSAP繊維が前記不織物質の超音波処理または熱処理により生じた接着作用によって保持されていることを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。
【請求項4】
前記担体条片(2、4)が、不織PLAなどのPLAから製造されることを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。
【請求項5】
前記不織PLA物質(3)が、針構造を提供し3層が交差したサンドウィッチとして構成され、そこにおいて、中間層には比較的細い繊維が含まれ、外側の2層には中間層の繊維より太い繊維が含まれることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項6】
前記SAP粒子またはSAP繊維(8)が前記種子(10)に隣接して保持され、前記粒子または繊維が、付加的な糊、好ましくは生分解性天然糊、たとえば澱粉、ゼラチン、または糖をベースにした糊によって前記不織層(3)上に糊着されることを特徴とする、請求項3に記載の種子テープ。
【請求項7】
各発芽ユニット(1a、1b、1c)が、間を空けて横行する2本の点溶接または線溶接(16)によって区切られ、かつ少なくとも2本のやや短い補助溶接(17)が、点溶接または線溶接(16)間に設けられており、前記補助溶接は各種子テープ側端(18)から内側に突出し、長さ(a)が前記種子テープの幅(b)の0.05〜0.20倍であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項8】
前記点溶接または線溶接が温度70〜110℃で設けられることを特徴とする、請求項7に記載の種子テープ。
【請求項9】
各不織層(3)の繊維が、5〜9cm長であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項10】
前記生分解気体透過性可撓性不織層(3)が、前記担体条片(2’)に等距離を置いて固着された不織性ポリラクチド(PLA)のポケット(3’)の列によって形成され、各ポケットには種子が含まれることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項11】
前記可撓性不織PLA層(3)の重量が、10〜40g/mであることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の種子テープ。
【請求項12】
前記種子が、好ましくはテンサイの種子であり、各発芽ユニット(1a、1b、1c)が、周囲の溶接シーム(26)によって区切られており、このユニットは、幼根および実生がそこを通って成長することができる開口部(27)を設けるために局所的に遮断されていることを特徴とする、請求項11に記載の種子テープ。
【請求項13】
たとえば、吸引シリンダの表面上に空気によって紙パルプ、場合によってはセルロース繊維、SAP結晶(8)、ならびに担体(7)およびアジュバント(9)の粒子を設置することによって生成される紙様小片(21a、23、27a)を含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項または複数項に記載の種子テープ。
【請求項14】
殺虫剤などの前記アジュバント(9)が、各発芽ユニット(1a、1b、1c)の中の小カプセル(22)中に入れられることを特徴とする、請求項13に記載の種子テープ。
【請求項15】
前記可撓性不織PLA層(3)が、吸収容量0〜30mm、たとえば、5〜15mmを提供することを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の種子テープ。
【請求項16】
添加剤および/またはアジュバントを徐放させるために、PLAコーティングなどのプラスチックコーティングが場合によっては施されているブロッティング紙片(27)に、SAPなどの1種または複数の前記吸水性添加剤(8)、および場合によっては殺虫剤などのアジュバント(9)を吸収または固着させ、前記ブロッティング紙片(27)が、各発芽ユニット(1a、1b、1c)の内側に入れられ、たとえば、500m/分などで高速生成したブロッティング紙ロールから切り離して得られ、そこにおいて、もし上記吸水性添加剤(8)およびアジュバント(9)が存在するならば、前記ブロッティング紙片上に吸収または接着されることを特徴とする、請求項1に記載の種子テープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−500042(P2006−500042A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538760(P2004−538760)
【出願日】平成14年9月25日(2002.9.25)
【国際出願番号】PCT/DK2002/000632
【国際公開番号】WO2004/028237
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(505108247)ベントレ・プロダクツ・アー・ゲー (6)
【Fターム(参考)】