説明

遠心圧縮機

【課題】安定流量範囲を拡大するだけでなく、圧縮性能を高めることができる遠心圧縮機を提供する。
【解決手段】回転駆動される回転軸3と、この回転軸3に固定され吸入流体を圧縮するインペラ5と、インペラ5からの流体を回転軸3の半径方向外方に案内するディフューザ流路7と、このディフューザ流路7に流れる流体の一部をディフューザ流路7における下流側領域から上流側領域まで循環流体として戻す循環流路9と、を有する遠心圧縮機10であって、循環流路9に流れる流体は、冷却手段1、2により冷却されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心圧縮機は、回転駆動される回転軸と、この回転軸に固定され吸入流体を圧縮するインペラと、該インペラからの流体を回転軸の半径方向外方に案内するディフューザ流路と、を有する。
【0003】
インペラからディフューザ流路へ送出される流体流量は、所定の安定流量範囲内にある必要がある。この流体流量が安定流量範囲よりも下回ると、サージ現象や流体の逆流が発生してしまう。なお、サージ現象は、流体の圧力と流れが不安定となって大きな振動が発生する現象である。
【0004】
サージ現象や逆流を抑制して安定流量範囲を低流量側へ拡大するための技術が、下記特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1では、図8に示すように、循環流路23を設けている。これにより、ディフューザ流路25を流れる流体が、下流側開口23aから循環流路23に進入し、上流側開口23bからディユーザ流路25へ戻される。従って、ディフューザ流路25における見掛け上の流体流量が増加する。その結果、サージ現象や逆流を抑制される。図8において、循環流路23は、支持部材27を介してケーシング21に支持される蓋部材29と、ケーシング21とにより形成されている。なお、符号31はインペラを示し、符号31aはインペラ31の羽根を示し、符号33は回転軸を示し、符号35は吸入通路を示す。
なお、特許文献1の別の構成では、上述の支持部材27を案内翼としている。これにより、循環流路23からディフューザ流路25へ戻る流体は、回転軸33の回転方向の速度成分を有し、旋回流れとなる。その結果、循環流路23からの流体とディフューザ流路25内の流体とは、旋回角度がほぼ同様となり、乱流の発生を防止してスムーズな昇圧を可能としている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−240680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、遠心圧縮機では、インペラからディフューザ流路へ送出される流体は圧縮されることで、高温となる。従って、この高温流体を上述の循環流路23によりディフューザ流路に戻すと、遠心圧縮機の圧縮性能が低下する。
なお、圧縮により高温となった流体は、ディフューザ流路の下流に設けられたアフタークーラーにより冷却されて、遠心圧縮機の外部へ吐出される。
【0008】
そこで、本発明の目的は、安定流量範囲を拡大するだけでなく、圧縮性能を高めることができる遠心圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明によると、回転駆動される回転軸と、この回転軸に固定され吸入流体を圧縮するインペラと、該インペラからの流体を前記回転軸の半径方向外方に案内するディフューザ流路と、このディフューザ流路に流れる流体の一部を前記ディフューザ流路における下流側領域から上流側領域まで循環流体として戻す循環流路と、を有する遠心圧縮機であって、
前記循環流路に流れる流体は、冷却手段により冷却されるようになっている、ことを特徴とする遠心圧縮機が提供される。
【0010】
上述した本発明の遠心圧縮機では、前記循環流路に流れる流体は、冷却手段により冷却されるようになっているので、循環流路を流れる流体は冷却されて前記ディフューザ流路の上流側領域に戻される。これにより、遠心圧縮機の圧縮性能が向上する。
また、冷却手段により冷却された流体が、ディフューザ流路に戻されるので、ディフューザ流路の下流に設けられる上述のアフタークーラーの冷却負荷を軽減することができる。
さらに、安定流量範囲を拡大するための循環流路を利用して圧縮流体を冷却することができる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によると、前記循環流路は、前記下流側領域において前記ディフューザ流路に開口する流入開口と、前記上流側領域において前記ディフューザ流路に開口する流出開口と、を有し、
前記ディフューザ流路の少なくとも一部を区画するディフュ−ザ流路区画部材が設けられ、このディフューザ流路区画部材は、流入貫通孔と流出貫通孔を有し、
前記循環流路は、前記流入側開口を有する前記流入貫通孔と、前記流出開口を有する前記流出貫通孔と、これら流入貫通孔および流出貫通孔に接続される流体管と、から構成され、
前記流体管の外表面は、該流体管の外部に存在する空気に晒されるようになっており、該空気が前記冷却手段となる。
【0012】
このように、ディフューザ流路区画部材に流入貫通孔と流出貫通孔を設け、これら流入貫通孔と流出貫通孔に流体管を接続することで、循環流路を形成している。この流体管の外表面が、流体管の外部に存在する空気に晒されるようにしているので、この空気を冷却媒体として、循環流路を流れる流体を自然に間接冷却することができる。
例えば、流体管が、遠心圧縮機のケーシングの外部に位置して外気と接触するようにするだけで、この外気を利用して、循環流路を流れる流体を自然に間接冷却することができる。
【0013】
好ましくは、前記流体管は、銅で形成されている。
【0014】
銅は、銀に次ぐ熱の良導体であり、比較的安価である。従って、前記流体管を銅で形成することで、安価な手段で、流体管外部の空気と流体管内部の流体との熱交換を促進させることができる。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によると、前記流体管の外表面には、熱伝導性を有するフィンが取り付けられている。
【0016】
このように、前記流体管の外表面には、熱伝導性を有するフィンが取り付けられているので、流体管の外部に存在する空気と流体管との接触面積を大きくすることができる。これにより、循環流路を流れる流体の冷却能力が高まる。
【0017】
本発明の別の実施形態によると、前記流体管には、該流体管を流れる流体を冷却媒体で間接冷却する熱交換器が設けられ、該熱交換器が前記冷却手段となる。
【0018】
このように、前記流体管には、該流体管を流れる流体を冷却媒体で間接冷却する熱交換器が設けられるので、この熱交換器により、循環流路を流れる流体を積極的に冷却して、循環流路を流れる流体の冷却能力を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
上述した本発明によると、循環流路により、安定流量範囲を拡大するだけでなく、循環流体を冷却することで圧縮性能を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態による遠心圧縮機10を示す断面図である。図1に示すように、第1実施形態による遠心圧縮機10は、回転軸3、インペラ5、ディフューザ流路7、循環流路9などを有する。
【0022】
回転軸3は、例えば、図示しないタービンインペラに結合されておりタービンインペラの回転により回転駆動されてもよいし、図示しない電動機により回転駆動されてもよいし、他の手段で回転駆動されてもよい。
【0023】
インペラ5は、回転軸3に固定されており、流体吸込流路11からの流体を圧縮して半径方向(以下、単に半径方向ともいう)外方へ吐出する。この例では、流体はガスであるが、液体であってもよい。なお、符号5aは、インペラ5の羽根を示す。羽根5aは、回転軸3の回転方向(以下、単に回転方向ともいう)に複数設けられる。インペラ5はケーシング13の内部に収容されている。
【0024】
ディフューザ流路7は、インペラ5からの流体を回転軸3の半径方向外方に案内する。ディフューザ流路7は、回転軸3の軸方向(以下、単に軸方向ともいう)から見た場合、中心部にインペラ5が位置するドーナツ形状をしている。
【0025】
循環流路9は、ディフューザ流路7に流れる流体の一部をディフューザ流路7における下流側領域から上流側領域まで循環流体として戻す流路である。図1には、1つの循環流路9が示されているが、第1実施形態によると、循環流路9は、回転方向に複数設けられる。
第1実施形態によると、循環流路9に流れる流体は、後述の冷却手段1、2により冷却されるようになっている。
【0026】
第1実施形態による循環流路9と冷却手段1、2について、詳しく説明する。各循環流路9は、以下で説明する構成を有している。
【0027】
循環流路9は、前記下流側領域においてディフューザ流路7に開口する流入開口9aと、前記上流側領域においてディフューザ流路7に開口する流出開口9bと、を有する。流入開口9aは、ディフューザ流路区画部材13に形成される流入貫通孔13aの開口であり、流出開口9bは、ディフューザ流路区画部材13に形成される流出貫通孔13bの開口である。ディフューザ流路区画部材13は、ディフューザ流路7の少なくとも一部を区画する部材であり、この例ではケーシング13である。なお、図1の例では、ディフューザ流路7は、ケーシング13と、ケーシング13に結合され軸方向から見た形状が環状のシールプレート部材14とにより区画形成されている。
循環流路9は、流入開口9aを有する流入貫通孔13aと、流出開口9bを有する流出貫通孔13bと、これら流入貫通孔13aおよび流出貫通孔13bに接続される流体管15と、から構成される。流体管15は、良好な熱伝導性を持つ材料(金属など)で形成されている。好ましくは、流体管15は、銀に次ぐ熱の良導体である銅により形成されている。なお、流体管15と流出貫通孔13bおよび流入貫通孔13aとの接続は、接着剤でなされてもよいし、流体管15の各端部にフランジ部を設け、これらフランジ部をネジ等でディフューザ流路区画部材13に固定することでなされてもよいし、他の適切な手段によりなされてもよい。
【0028】
流体管15の外表面は、該流体管15の外部に存在する空気1に晒されるようになっており、この空気1が前記冷却手段となる。
【0029】
また、上述の構成に加えて、図2のように、流体管15の外表面には、熱伝導性を有するフィン15aが取り付けられていてもよい。図2の例では、多数のフィン15aが流体管15に取り付けられている。これにより、流体管15と周囲空気1との接触面積が大きくなる。フィン15aも、銅で形成されているのがよい。
なお、図2は、図1の部分拡大図である。
【0030】
上述の構成に加えて、該流体管15を流れる流体を冷却媒体で間接冷却する熱交換器2が、前記冷却手段として流体管15に設けられていてもよい。例えば、図3に示すように、熱交換器2は、流体管15に巻かれた冷却管であってよく、この冷却管2に水等の冷却媒体を流すようにしてよい。この場合、熱交換器2が前記冷却手段となる、
【0031】
上述した第1実施形態による遠心圧縮機10によると、以下の効果(1)〜(6)が得られる。
【0032】
(1)上述した本発明の遠心圧縮機10では、循環流路9に流れる流体は、冷却手段1、2により冷却されるようになっているので、循環流路9を流れる流体は冷却されてディフューザ流路7の上流側領域に戻される。これにより、遠心圧縮機10の圧縮性能が向上する。また、冷却手段1、2により冷却された流体が、ディフューザ流路7に戻されるので、ディフューザ流路7の下流に設けられるアフタークーラーの冷却負荷を軽減することができる。さらに、安定流量範囲を拡大するための循環流路9を利用して圧縮流体を冷却することができる。
【0033】
(2)ディフューザ流路区画部材13に流入貫通孔13aと流出貫通孔13bを設け、これら流入貫通孔13aと流出貫通孔13bに流体管15を接続することで、循環流路9を形成している。この流体管15の外表面が、流体管15の外部に存在する空気1に晒されるようにしているので、この空気1を冷却媒体として、循環流路9を流れる流体を自然に間接冷却することができる。
また、流体管15を熱の良導体である銅で形成することで、安価な手段で、周囲空気1と流体管15内部の流体との熱交換を促進させることができる。
【0034】
(3)流体管15を銅で形成することで、安価な手段で、流体管15外部の空気1と流体管15内部の流体との熱交換を促進させることができる。
【0035】
(4)流体管15の外表面にフィン15aを取り付けることで、流体管15の外部に存在する空気1と流体管15との接触面積を大きくすることができる。これにより、循環流路9を流れる流体の冷却能力が高まる。
【0036】
(5)流体管15に、該流体管15を流れる流体を冷却媒体で間接冷却する熱交換器2を設けることで、循環流路9を流れる流体を積極的に冷却して、循環流路9を流れる流体を冷却する能力を高めることができる。
【0037】
(6)上述の循環流路9とこれを構成する流体管15を回転方向に複数設けるので、流体管15内を流れる流体と周囲空気1との熱交換量を増やすことができる。
【0038】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による遠心圧縮機10について説明する。以下で説明する以外の第2実施形態の構成は、第1実施形態と同じであってよい。
【0039】
図4は、第2実施形態による遠心圧縮機の断面図である。図5は、図4のV−V線矢視図である。図6は、図5において半径方向から見た1つの循環流路9(後述する)とその周辺を示す。即ち、図6は、図5のVI−VI線矢視図であり、図5における複数の循環流路9のうち1つだけを示している。各循環流路9は以下で述べる構成を有する。
【0040】
循環流路9は、前記下流側領域にてディフューザ流路7に開口する複数の流入開口9aと、前記上流側領域にてディフューザ流路7に開口する複数の流出開口9bと、流入開口9aから循環流路9の中間部まで延びる複数の流入流路9cと、前記中間部から分岐してそれぞれ複数の流出開口9bまで延びる複数の流出流路9dと、複数の流入流路9cにそれぞれ設けられる複数の弁17と、複数の流出流路9dにそれぞれ設けられる複数の弁19と、を有する。
【0041】
複数の弁17、19は、循環流路9における流体管15の部分に設けられる。各弁17、19は、例えば、開閉弁であってもよいし、流量制御弁であってもよい。図1の例では、弁17、19は、その開度が手動で調節されるものであってもよいし、制御部(図示せず)からの制御信号によりその開度が調整されるもの(例えば電磁弁)であってもよい。なお、前記制御部は、人に操作されることで前記制御信号を出力する。
これら弁17、19により、ディフューザ流路7における前記上流側領域へ戻す流体の流量や、前記上流側領域へ流体を戻す位置や、ディフューザ流路7における前記下流側領域から循環流路9へ流入する流体の流量や、循環流路9へ流体が流入する位置を調整することができる。よって、安定流量範囲を低流量側へ拡大する調整を行うことができ、低流量側へ一層拡大した安定流量範囲を実現できる。
【0042】
流出流路9dは、流出開口9bへ向かって、回転軸3の軸方向に対し回転軸3の回転方向に傾いた方向に延びており、これにより、流出開口9bからディフューザ流路7内へ流れ出す流体速度は、回転方向の速度成分を有する。従って、回転方向の速度成分を有するインペラ5からの流体と流出開口9bからの循環流体とにより見かけ上の流量が増えて安定流量範囲を低流量側に拡大することができる。本実施形態では、流体管15において流出流路9dを構成する部分が、流出開口9bへ向かって、回転軸3の軸方向に対し回転軸3の回転方向に傾いた方向に延びている。
図6において、流出貫通孔13bは、流出流路9dの直線状仮想延長部(破線で示す)上が空間となっているように形成される。この構成により、流出流路9dから流出貫通孔13bへ流れ込む流体は回転方向の速度成分を有するが、この速度成分がそのまま維持されて状態で、流出貫通孔13bからディフューザ流路7内へ流体が流れ出るようになっている。ただし、循環流路9の前記仮想延長部上が空間となっているように形成されていれば、流出貫通孔13bの形状は、図6に示す形状に限られず、図7(A)に示す形状や図7(B)に示す形状であってもよい。図7は図6に対応する。なお、図6、図7において、流入貫通孔13aと流出貫通孔13bを透視して実線で示している。
【0043】
上述した本実施形態による遠心圧縮機10においても、上述の効果(1)〜(5)が得られる。
また、第2実施形態では、1つの循環流路9に複数の流入流路9cと複数の流出流路9dが設けられるので、これら流路の数だけ、周囲空気1との熱交換量を増やすことができる。なお、第2実施形態において、図2または図3の構成を採用してもよい。
【0044】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【0045】
例えば、流体管15の断面形状は、円形だけでなく、その外表面の面積を大きくするために、楕円や台形などにしてもよい。
【0046】
上述の第2実施形態では、1つの循環流路9は、複数の流入流路9cを有していたが、1つの循環流路9は単一の流入流路9cを有していてもよい。同様に、上述の第2実施形態では、1つの循環流路9は、複数の流出流路9dを有していたが、1つの循環流路9は単一の流出流路9dを有していてもよい。
【0047】
上述の第2実施形態では、流出流路9dは、流出開口9bへ向かって、回転軸3の軸方向に対し回転軸3の回転方向に傾いた方向に延びていたが、本発明によると流出流路9dは回転方向の成分を有しない軸方向に延びていてもよい。
【0048】
また、第2実施形態の構成のうち第1実施形態で採用できるものは、第1実施形態で採用してもよい。即ち、第2実施形態の構成の一部を第1実施形態で採用してもよい。
例えば、第1実施形態においても、第1実施形態において、循環流路9(流体管15)は、その中間部から流出開口9bへ向かって、回転軸3の軸方向に対し回転軸3の回転方向に傾いた方向に延び、これにより、流出開口9bからディフューザ流路7内へ流れ出す流体速度は、回転方向の速度成分を有するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態による遠心圧縮機の要部を示す断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】図1の部分拡大であり、図2と別の構成を示す。
【図4】本発明の第2実施形態による遠心圧縮機の要部を示す断面図である。
【図5】図4のV−V線矢視図である。
【図6】図5のVI−VI線矢視図である。
【図7】流出貫通孔の他の形状を示す図である。
【図8】特許文献1に記載の遠心圧縮機を示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 空気(冷却手段)、2 熱交換器、冷却管(冷却手段)、3 回転軸、5 インペラ、5a インペラの羽根、7 ディフューザ流路、9 循環流路、9a 流入開口、9b 流出開口、9c 流入流路、9d 流出流路、11 流体吸込流路、10 遠心圧縮機、13 ケーシング(ディフューザ流路区画部材)、13a 流入貫通孔、13b 流出貫通孔、15 流体管、15a フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される回転軸と、この回転軸に固定され吸入流体を圧縮するインペラと、該インペラからの流体を前記回転軸の半径方向外方に案内するディフューザ流路と、このディフューザ流路に流れる流体の一部を前記ディフューザ流路における下流側領域から上流側領域まで循環流体として戻す循環流路と、を有する遠心圧縮機であって、
前記循環流路に流れる流体は、冷却手段により冷却されるようになっている、ことを特徴とする遠心圧縮機。
【請求項2】
前記循環流路は、前記下流側領域において前記ディフューザ流路に開口する流入開口と、前記上流側領域において前記ディフューザ流路に開口する流出開口と、を有し、
前記ディフューザ流路の少なくとも一部を区画するディフュ−ザ流路区画部材が設けられ、このディフューザ流路区画部材は、流入貫通孔と流出貫通孔を有し、
前記循環流路は、前記流入側開口を有する前記流入貫通孔と、前記流出開口を有する前記流出貫通孔と、これら流入貫通孔および流出貫通孔に接続される流体管と、から構成され、
前記流体管の外表面は、該流体管の外部に存在する空気に晒されるようになっており、該空気が前記冷却手段となる、ことを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記流体管は、銅で形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記流体管の外表面には、熱伝導性を有するフィンが取り付けられている、ことを特徴とする請求項2または3に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記流体管には、該流体管を流れる流体を冷却媒体で間接冷却する熱交換器が設けられ、該熱交換器が前記冷却手段となる、ことを特徴とする請求項2または3に記載の遠心圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−151034(P2010−151034A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330292(P2008−330292)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】