説明

遮断システム

【課題】表示機能を新たに追加することなく、遮断弁ユニットの交換を促す。
【解決手段】遮断弁ユニット20と、通知手段17を備えた操作装置10と、を有する遮断システム1において、操作装置10が、遮断弁ユニット20の製造情報を取得する製造情報取得手段11a1と、前記取得した製造情報を記憶する製造情報記憶手段12と、遮断弁ユニット20に電力を供給する電力供給手段19と、遮断弁ユニット20の使用を開始してから、電力供給手段19が遮断弁ユニット20に供給した電力の通算時間を検出する通算時間検出手段11a2と、通算時間検出手段11a2が検出した通算時間と前記製造情報との比較結果に基づいて、遮断弁ユニット20が使用期限であるか否か判定する使用期限判定手段11a3と、前記使用期限であると判定したことを前記通知手段17に通知させる通知制御手段11a4と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮断弁ユニットと、前記遮断弁ユニットとの間で通信線を介した双方向通信が可能に接続された操作装置と、を有する遮断システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス遮断弁は、ガス配管の途中にフランジを介して挿入接続されるハウジングと、そのハウジングに着脱可能に設けられる弁本体及び弁駆動機構を有して構成している。例えば、特許文献1に記載されているガス遮断弁は、ガス配管に接続される一対のフランジを有するハウジング内部を、一方のフランジ側配管に連通する流路空間と他方のフランジ側配管に連通する流路空間を仕切って隔壁を設け、その隔壁に形成された貫通穴にリング状のノズルを気密に装着し、そのノズルに対して平板状の弁体を接続可能に設け、遮断指令に基づいて弁体をノズルに押し付けて弁ハウジングのガスの入口側流路と出口側流路を遮断するように構成されている。
【0003】
また、ガス遮断弁は、その機能を保持するために、一定期間(例えば、10年等)ごとに交換或いは保守点検することが必要となる。そのため、特許文献2に示すガス遮断弁は、ガス配管に接続されたハウジングを交換する必要性がほとんどないことに鑑み、ガス遮断弁の交換等が必要な部品を含む主要部をユニット化して、そのユニットの部分のみを交換可能な構成とすることで、ガス遮断弁の交換等の作業時には、ガス配管に接続されたハウジングを取り外さずに、遮断弁ユニットの基部をハウジングの取り付け座から取り外し、交換する新たな遮断弁ユニットをハウジングに装着することにより、ガス遮断弁の交換作業を終了できるようにしている。
【特許文献1】特開平7−248070号公報
【特許文献2】特開2007−270957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、一定期間ごとに交換或いは保守点検が必要となる駆動制御装置は、製造番号を刻印あるいは捺印したラベルを貼付している。また、駆動制御装置は、施工時に取り付け年月あるいは交換期限を記入したラベルを貼付することもある。そして、作業員等はそのラベルを目視確認して、決められた年月が経過したとき(例えば10年等)、駆動制御装置を交換することになる。しかしながら、そのラベルが汚れたり、駆動制御装置が高いところや視認しづらいところに設置されていると、ラベルの内容を目視確認することが困難であり、それが一因となって速やかな機器の交換が行えないという問題が生じていた。また、ガス遮断弁は表示装置を有していないため、表示により交換を通知するには表示装置を新たに設ける必要があり、コストアップしてしまうという問題があった。
【0005】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、表示機能を新たに追加することなく、遮断弁ユニットの交換を促すことができる遮断システムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の遮断システムは、図1の基本構成図に示すように、遮断弁ユニット20と、前記遮断弁ユニット20との間で通信線3を介した双方向通信が可能に接続され且つ通知手段17を備えた操作装置10と、を有する遮断システム1において、前記操作装置10が、前記遮断弁ユニット20の製造情報を取得する製造情報取得手段11a1と、前記製造情報取得手段11a1が取得した製造情報を記憶する製造情報記憶手段12と、前記遮断弁ユニット20に電力を供給する電力供給手段19と、前記遮断弁ユニット20の使用を開始してから、前記電力供給手段19が前記遮断弁ユニット20に供給した電力の通算時間を検出する通算時間検出手段11a2と、前記通算時間検出手段11a2が検出した通算時間と前記製造情報記憶手段12が記憶している製造情報との比較結果に基づいて、前記遮断弁ユニット20が使用期限であるか否か判定する使用期限判定手段11a3と、前記使用期限判定手段11a3が使用期限であると判定したことを前記通知手段17に通知させる通知制御手段11a4と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に記載した本発明の遮断システムによれば、操作装置10は製造情報記憶手段12によって遮断弁ユニットの製造年月等を示す製造情報を取得すると、その識別情報を製造情報記憶手段12に記憶する。操作装置10は電力供給手段19によって遮断弁ユニット20に電力を供給すると、通算時間検出手段11a2によってその通電時間を検出する。操作装置10は使用期限判定手段11a3によってその通電時間と製造情報との比較から使用期限であると判定すると、通知手段11a4によって通知手段17にそれを通知させる。
【0008】
請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載の遮断システムにおいて、前記遮断弁ユニット20が、流路を遮断する遮断弁20Aと、前記遮断弁に対して着脱自在に設けられて前記遮断弁の駆動を制御する駆動制御装置20Bと、を有し、前記製造情報取得手段11a1が、前記遮断弁20Aと前記駆動制御装置20Bとの少なくとも一方の製造データを有する製造情報を取得する手段であり、前記使用期限判定手段11a3が、前記製造情報の製造データに基づいて、前記遮断弁20Aと前記駆動制御装置20Bとの少なくとも一方の使用期限を判定する手段であることを特徴とする。
【0009】
上記請求項2に記載した本発明の遮断システムによれば、操作装置10は製造情報取得手段11a1によって遮断弁20Aと駆動制御装置20Bとの少なくとも一方の製造データを有する製造情報を取得すると、その識別情報を製造情報記憶手段12に記憶する。操作装置10は使用期限判定手段11a3によって遮断弁20Aと駆動制御装置20Bとの少なくとも一方の使用期限を製造情報の製造データに基づいて判定する。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように請求項1に記載した本発明によれば、操作装置が遮断弁ユニットに供給した電力の通電時間を検出し、この通電時間と取得した製造情報とを比較して使用期限を判定して通知するようにしたことから、遮断弁ユニットの交換時期を的確に予め備えた通知手段によって通知することができる。また、通電時間を検出しているので、遮断弁ユニットを実際に使用した時間に基づいて交換時期を判定することができるため、その使用状況に応じた交換時期を通知することもできる。従って、表示機能を新たに追加することなく、遮断弁ユニットの交換を促すことができる遮断システムを提供することができる。
【0011】
請求項2に記載した本発明によれば、操作装置が遮断弁ユニットの遮断弁と駆動制御装置との少なくとも一方の使用期限を判定するようにしたことから、遮断弁と駆動制御装置の個別に交換を促すことができるため、遮断弁ユニットの構成機器を有効利用でき且つメンテナンス性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る遮断システムの一実施形態を、図1〜図7の図面を参照して以下に説明する。
【0013】
図2〜3において、遮断システム1は、宅内等に設けられる操作装置10と、ガス供給路の配管5に組み込まれ且つ操作装置10の制御等によって配管5を遮断する遮断弁ユニット20と、を有して構成している。そして、操作装置10と遮断弁ユニット20は、通信線3を介して、双方向のシリアル通信可能に接続されている。また、操作装置10は、遮断弁ユニット20と電気的に接続されており、外部電源等から供給される電力によって動作すると共に、その電力を遮断弁ユニット20に供給している。
【0014】
操作装置10は、図3に示すように、予め定められたプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ(MPU)11を有している。MPU11は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)11a、CPU11aのためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM11b、各種のデータを格納するとともにCPU11aの処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM11c等を有して構成している。
【0015】
ROM11bは、上述した図1に示す請求項中の製造情報取得手段11a1、通算時間検出手段11a2、使用期限判定手段11a3、通知制御手段11a4、等の各種手段として、CPU11aを機能させるための各種プログラム等を記憶している。
【0016】
操作装置10はさらに、メモリ部12と、通信部13と、設定部16と、表示部17と、操作部18と、電力供給部19と、を有しており、各々はMPU11と電気的に接続されている。
【0017】
メモリ部12は、電力供給が断たれた場合でも、格納された各種データの保持が可能であり、CPU11aの処理作業に必要な各種格納エリアを有する電気的消去/書き換え可能なメモリ(EEPROM)等が用いられる。このメモリ部12は、図4に示すように、操作装置製造年月121、操作装置使用時間122、遮断弁ユニット製造年月123、遮断弁使用時間124、駆動制御装置使用時間125、遮断弁の口径126、等の各種データを記憶している。
【0018】
操作装置製造年月121は、操作装置10が製造された製造年月(例えば、年のみでも可)データが設定される。例えば「1009」の場合、2010年9月を示している。操作装置使用時間122は、設置されてからの使用時間データが定期的に書き込まれる。遮断弁ユニット製造年月123は、遮断弁ユニット10から取得した製造年月データ等が設定される。遮断弁使用時間124は、後述する遮断弁20Aの使用時間データが定期的に書き込まれる。駆動制御装置使用時間125は、後述する駆動制御装置20bの使用時間データが定期的に書き込まれる。
【0019】
遮断弁20Aの口径126は、遮断弁ユニット20から取得した口径データが設定される。口径データの一例としては、口径20〜25が「1」、口径32〜40が「2」、口径50が「3」、口径80が「4」となっている。
【0020】
本実施形態では、上述したメモリ部12が、請求項中の製造情報として遮断弁ユニット製造年月123を記憶する場合について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば遮断弁ユニット製造年月123に対応した判定閾値を製造情報として記憶するなど種々異なる実施形態とすることができる。従って、メモリ部12が製造情報を記憶していることから、本実施形態ではメモリ部12が請求項中の製造情報記憶手段として機能している。
【0021】
通信部13は、通信線3と電気的に接続されると共に、MPU11と電気的に接続されている。通信部13は、通信線3を介してMPU11から入力される各種電文を示す信号を遮断弁ユニット20に送信すると共に、通信線3を介して遮断弁ユニット20から受信した信号が示す電文をMPU11に出力する。
【0022】
設定部16は、遮断弁ユニット20の遮断弁26を通信異常発生時に遮断するか否かがON/OFFを選択するためのディップスイッチを有している。設定部16は、操作装置10のケース本体で隠され且つシステム管理者等によってのみ操作が可能な構成となっている。設定部16は、前記ディップスイッチが操作装置10の設置時、ガス需要者からの設定変更が要求されたとき等にシステム管理者等によって設定され、MPU11によってディップスイッチの設定状態が検出される。
【0023】
表示部17は、図1に示す請求項中の通知手段に相当し、MPU11と電気的に接続されている。表示部17は、図2に示すように、点検、交換時等に点灯させる操作器表示部17a、遮断弁表示部17b等の各種表示部を有し、MPU11からの要求に応じて各種表示が可能な構成となっている。また、表示部17は、図示しないが、警報器故障、停電検知、故障検知、検査中等の各々に対応したLEDの点灯によって表示状態となり、LEDの消灯によって非表示状態となる。
【0024】
操作部18は、MPU11と電気的に接続されており、利用者、作業者等に各種データの入力、選択を行わせる、ための複数の操作スイッチと、弁開スイッチと、弁閉スイッチと、を有している。操作部18は、それらの操作スイッチに対する操作に応じた操作信号をMPU11に出力する。そして、操作部18の弁開スイッチ又は弁閉スイッチが操作されると、MPU11は通信線3を介して遮断(弁閉)要求信号又は開放(弁開)要求信号を遮断弁ユニット20に送信する。
【0025】
このように構成した操作装置10のCPU11aは、外部電源等からの電力供給によって起動されると、所定のプログラムを実行することで、電力供給部19を制御してその電力の一部を遮断弁ユニット20に供給する。即ち、電力供給部19は、遮断弁ユニット20に所定の電力を供給するための回路等によって構成している。このような電力の供給により、遮断弁ユニット20は起動されて動作可能状態となる。
【0026】
次に、上述した操作装置10から供給される電力によって動作する遮断弁ユニット20の概略構成の一例を、図2〜3,図5の図面を参照して以下に説明する。
【0027】
遮断弁ユニット20は、図2及び図3に示すように、配管5の一部として組み込まれ、その配管5を遮断する遮断機構を有する遮断弁20Aと、口径が異なる複数種類の遮断弁20Aの駆動を制御する駆動制御装置20Bとを有している。遮断弁20Aと駆動制御装置20Bは、手動操作部20Cを操作することで、各々を分離できる構造となっている。即ち、遮断弁20Aと駆動制御装置20Bを個別に交換可能な構成とすることで、駆動制御装置20Bが故障したときに、駆動制御装置20Bのみの交換が可能となっている。
【0028】
なお、遮断弁20Aは、上述した背景技術のハウジングに相当し、後述する駆動部27を介してMPU21に電気的に接続されており、モータ駆動方式遮断弁、ソレノイド方式遮断弁等が任意に用いられる。本実施形態では、遮断弁20Aとしてモータ駆動方式遮断弁を用いる場合について説明する。そして、遮断弁20Aは、MPU21によって弁閉されると、配管5におけるガスの供給を遮断し、また、弁開されると、配管5におけるガスの供給を可能とする。
【0029】
駆動制御装置20Bは、上述した操作装置10から供給された電力によって駆動され、図3に示すように、予め定められたプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ(MPU)21と、メモリ部22と、通信部23と、遮断弁26を駆動する駆動部27と、圧力センサ28と、を有して構成しており、それらは電気的に接続されている。
【0030】
MPU21は、上述したように、CPU21aとROM21bとRAM21cとを有している。ROM21bは、CPU21aを各種手段として機能させるための各種プログラムを記憶している。
【0031】
メモリ部22は、数種類の遮断弁20Aの各々に対応した複数種類の固有情報を記憶している。固有情報の各々は、予め定められた所定処理に相当する復帰漏洩確認処理、気密漏洩検査処理、等に用いる口径に対応して定められた複数のパラメータの各設定値データを有している。例えば、気密漏洩検査処理に対応した固有情報は、口径と配管容積(例えば標準、最大)とに対応した時間データ等を有している。
【0032】
メモリ部22は、図5に示すように、遮断弁ユニット製造年月221、遮断弁使用時間222、駆動制御装置使用時間223、遮断弁の口径224、等の各種データを記憶する記憶領域を有している。
【0033】
遮断弁ユニット製造年月221は、遮断弁20A及び駆動制御装置20Bの少なくとも一方の製造年月を示す製造年月データが、製品出荷時等に設定される。なお、本実施形態では、遮断弁ユニット製造年月221が遮断弁20Aの製造年月データと駆動制御装置20Bの製造年月データの双方を有する構成としたことで、遮断弁20A及び駆動制御装置20Bの何れかのみを交換した場合に、該当する製造年月データのみを書き換えることを可能としている。
【0034】
遮断弁使用時間222は、操作装置10から供給された電力を遮断弁20Aに通電した時間を示す通算時間データが書き込まれる。駆動制御装置使用時間223は、操作装置10から供給された電力を駆動制御装置20Bに通電した時間を示す通算時間データが書き込まれる。
【0035】
遮断弁の口径224は、駆動制御装置20Bが制御対象としている遮断弁20Aの口径を示す口径データが設定される。なお、共通化された駆動制御装置20Bは、どのような口径の遮断弁20Aに装着されるか分からないため、遮断弁20A及び駆動制御装置20Bが一体に製造された遮断弁ユニット20にのみ、口径データが設定されている。このとき、遮断弁の口径224が請求項中の登録口径情報に相当している。また、遮断弁20Aの口径224は、共通化された駆動制御装置20Bの場合には口径データが設定されていないため、本発明では、操作装置10に記憶している遮断弁の口径126を受信して記憶することになる。
【0036】
通信部23は、上述した通信線3と電気的に接続されると共に、MPU21と電気的に接続されている。通信部23は、前記通信線3を介してMPU21から入力される各種電文を示す信号を操作装置10に送信すると共に、前記通信線3を介して操作装置10から受信した信号が示す電文をMPU21に出力する。
【0037】
また、遮断弁ユニット20のCPU21aは、通信部23を介して操作装置10から遮断要求信号を受信すると、上述したように駆動部27を制御して遮断弁26を弁閉し、また、開放要求信号を受信すると、駆動部27を制御して遮断弁26を弁開する。
【0038】
圧力センサ28は、MPU21に電気的に接続されており、配管5内の気体の空気圧の変化を感圧素子にて圧力信号に変換する機械式又は電子式のものが任意に用いられる。圧力センサ28は、遮断弁26の下流側(ガス供給側)における配管5内の圧力を感知して圧力信号をMPU21に出力する。
【0039】
次に、上述した構成の駆動制御装置20BのCPU21aによる各種プログラムの実行によってCPU21aが本発明に係る各種手段の一例を説明する。
【0040】
CPU21aの使用時間計測手段は、操作装置10からの電力の供給により動作時間を計測し、その計測時間を使用時間としてメモリ部22の遮断弁使用時間222、駆動制御装置使用時間223に記憶する。
【0041】
CPU21aの使用時間送信手段は、所定のタイミング(例えば24時間ごと等)で前記使用時間計測手段が計測した使用時間を示す使用時間情報を作成し、通信部23を介して操作装置10に送信する。
【0042】
CPU21aの製造情報送信手段は、使用開始時等にメモリ部22に記憶している遮断弁ユニット製造年月を示す製造情報を作成し、通信部23を介して操作装置10に送信する。
【0043】
次に、上述した操作装置10のCPU11aの通算使用時間管理処理プログラムの実行による通算使用時間管理処理の一例を、図6に示すフローチャートを参照して以下に説明する。なお、この通算使用時間管理処理は、操作装置10の電源断、上位処理からの強制終了等に応じて処理を終了することを前提としている。
【0044】
CPU11aによって通算使用時間管理処理プログラムが実行されると、ステップS11において、通信部13を介して駆動制御装置20Bから使用時間情報を受信したか否かが判定される。使用時間情報を受信したと判定された場合(S11でY)、ステップS12(通算時間検出手段)において、使用時間情報から遮断弁20A及び駆動制御装置20Bの通算時間(使用時間)が検出され、それらの通算時間がメモリ部12の遮断弁使用時間124及び駆動制御装置使用時間125に記憶され、その後ステップS13に進む。
【0045】
ステップS13(使用期限判定手段)において、受信した通算時間と前記遮断弁ユニット製造年月123に対応した判定閾値(例えば、10年等)とが比較され、該判定結果に基づいて使用期限であるか否かが判定される。使用期限ではないと判定された場合(S13でN)、ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、使用期限であると判定された場合(S13でY)、ステップS14(通知制御手段)において、使用期限であると判定したことの通知を要求する通知要求が作成され、該通知要求が表示部17に出力されることで、表示部17は遮断弁表示部17bを点灯させ、その後ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。
【0046】
また、ステップS11で使用時間情報を受信していないと判定された場合(S11でN)、ステップS15において、通信部13を介して駆動制御装置20Bから製造情報を受信したか否かが判定される。製造情報を受信したと判定された場合(S15でY)、ステップS16(製造情報取得手段)において、受信した製造情報がメモリ部12の遮断弁ユニット製造年月123に記憶され、その後ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。なお、本実施形態では、製造情報を駆動制御装置20Bから取得する場合について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、設定部16、操作部18等からの入力されたデータを製造情報として取得するなど種々異なる実施形態とすることができる。
【0047】
ステップS15で製造情報を受信していないと判定された場合(S15でN)、ステップS17において、設定部16、操作部18等における予め定められた所定操作の有無に基づいて、利用者、作業者等から表示要求を受けたか否かが判定される。表示要求を受けていないと判定された場合(S17でN)、ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。一方、表示要求を受けたと判定された場合(S17でY)、ステップS18に進む。
【0048】
ステップS18において、例えば、メモリ部12の操作装置製造年月121、操作装置使用時間122、遮断弁ユニット製造年月123、遮断弁使用時間124、駆動制御装置使用時間125等を表示部17に表示するための表示情報が作成され、該表示情報の表示が表示部17に要求されることで、表示部17に表示情報が表示され、その後ステップS11に戻り、一連の処理が繰り返される。
【0049】
以上説明した図6に示す通算使用時間管理処理CPU11aが実行することで、上述した図1に示す請求項中の製造情報取得手段11a1、通算時間検出手段11a2、使用期限判定手段11a3、通知制御手段11a4、等としてCPU11aが機能することになる。そして、図6に示すフローチャート中のステップS12が通算時間検出手段11a2、ステップS13が使用期限判定手段11a3、ステップS14が通知制御手段11a4、ステップS16が製造情報取得手段11a1にそれぞれ相当している。
【0050】
次に、上述した遮断システム1の操作装置10と遮断弁ユニット20の駆動制御装置20Bの本発明に係る動作(作用)の一例を、図7の図面を参照して以下に説明する。
【0051】
製品出荷時の状態ST1において、駆動制御装置20Bのメモリ部22には、遮断弁ユニット製造年月221に「1009(上位)/1009(下位)」、遮断弁使用時間222に「0」、駆動制御装置使用時間223に「0」、口径224に「2」がそれぞれ設定されている。また、操作装置10のメモリ部12には、操作装置製造年月121に「1008」、操作装置使用時間122に「0」、遮断弁ユニット製造年月123に「0000(上位)/0000(下位)」、遮断弁使用時間124に「0」、駆動制御装置使用時間125に「0」、口径126に「0」がそれぞれ設定されている。なお、遮断弁ユニット製造年月123及び遮断弁ユニット製造年月221は、その上位が遮断弁20A、下位が駆動制御装置20Bに対応した内容になっている。
【0052】
設置、使用開始の状態ST2において、操作装置10と駆動制御装置20Bが結線されて、操作装置10から駆動制御装置20Bへの電力供給が開始されると、駆動制御装置20Bは操作装置10に遮断弁ユニット製造年月221を識別情報、遮断弁使用時間222及び駆動制御装置使用時間223を使用時間情報、口径224を口径情報(登録口径情報に相当)としてそれぞれ送信する。
【0053】
その結果、操作装置10のメモリ部12には、操作装置製造年月121及び操作装置使用時間122は更新されずに、遮断弁ユニット製造年月123に「1009/1009」、遮断弁使用時間124に「0」、駆動制御装置使用時間125に「0」、口径126に「2」がそれぞれ設定されて更新される。
【0054】
例えば1年使用した使用中の状態ST3において、操作装置10は駆動制御装置20Bへの通電中、例えば24時間毎に駆動制御装置20Bから前記使用時間情報を取得して、メモリ部12の遮断弁使用時間222及び駆動制御装置使用時間223の設定値を更新する。
【0055】
その結果、駆動制御装置20のメモリ部22の遮断弁使用時間222及び駆動制御装置使用時間223に設定されている「8760」が、操作装置10のメモリ部12の遮断弁使用時間124及び駆動制御装置使用時間125に設定されることで、操作装置10のメモリ部12が更新される。
【0056】
例えば2年使用された操作装置10の表示操作時の状態ST4において、操作装置10は駆動制御装置20Bから前記使用時間情報を取得して、メモリ部12の遮断弁使用時間222及び駆動制御装置使用時間223の設定値を更新し、その内容を示す表示情報を作成して表示部17に表示する。
【0057】
その結果、駆動制御装置20のメモリ部22の遮断弁使用時間222及び駆動制御装置使用時間223に設定されている「17520」が、操作装置10のメモリ部12の遮断弁使用時間124及び駆動制御装置使用時間125に設定されることで、操作装置10のメモリ部12が更新される。
【0058】
その後、遮断弁ユニット20が使用され続けて、操作装置10が検出した遮断弁20A及び駆動制御装置20Bの通算時間(使用時間)が判定閾値に達していると、操作装置10は使用期限であると判定したことを表示部17の遮断弁表示部17bを点灯させることで、利用者、作業者等に通知する。これにより、遮断弁ユニット20の交換が促される。また、操作装置10は、操作装置10自体の使用期限を判定する機能を有し、メモリ部17の操作装置製造年月121と通算時間や日時データ等とを比較して交換時期を検出すると、表示部17の操作器表示部17aを点灯させることで、操作装置10の交換を促すことになる。
【0059】
以上説明した遮断システム1によれば、操作装置10が遮断弁ユニット20に供給した電力の通電時間を検出し、この通電時間と取得した製造情報とを比較して使用期限を判定して通知するようにしたことから、遮断弁ユニット20の交換時期を的確に予め備えた表示部(通知手段)」17によって通知することができる。また、通電時間を検出しているので、遮断弁ユニット20を実際に使用した時間に基づいて交換時期を判定することができるため、その使用状況に応じた交換時期を通知することもできる。従って、表示機能を新たに追加することなく、遮断弁ユニット20の交換を促すことができる遮断システム1を提供することができる。
【0060】
また、操作装置10が遮断弁ユニット20の遮断弁20Aと駆動制御装置20Bとの少なくとも一方の使用期限を判定するようにしたことから、遮断弁20Aと駆動制御装置20Bの個別に交換を促すことができるため、遮断弁ユニット20の構成機器を有効利用でき且つメンテナンス性を向上させることができる。
【0061】
なお、上述した本実施形態では、操作装置10が遮断弁ユニット20の駆動制御装置20Bが計測した使用時間を通算時間として検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、操作装置10が電力供給部19の供給状態に基づいて通算時間を検出する実施形態とすることもできる。
【0062】
このように上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の遮断システムの基本構成を示す構成図である。
【図2】本発明の遮断システムの概略構成を説明するための図である。
【図3】遮断システムにおける操作装置及び遮断弁ユニットの構成を示す構成図である。
【図4】図3中の操作装置のメモリ部の一例を示すメモリマップである。
【図5】図3中の駆動制御装置のメモリ部の一例を示すメモリマップである。
【図6】図3中の操作装置のCPUが実行する通算時間管理処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】操作装置及び駆動制御装置の各メモリ部の内容と状態との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
【0064】
1 遮断システム
10 操作装置
11a1 製造情報取得手段(操作装置のCPU)
11a2 通算時間検出手段(操作装置のCPU)
11a3 使用期限判定手段(操作装置のCPU)
11a4 通知制御手段(操作装置のCPU)
12 製造情報記憶手段(操作装置のメモリ部)
17 通知手段(操作装置の表示部)
19 電力供給手段(操作装置の電力供給部)
20 遮断弁ユニット
20A 遮断弁
20B 駆動制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮断弁ユニットと、前記遮断弁ユニットとの間で通信線を介した双方向通信が可能に接続され且つ通知手段を備えた操作装置と、を有する遮断システムにおいて、
前記操作装置が、
前記遮断弁ユニットの製造情報を取得する製造情報取得手段と、
前記製造情報取得手段が取得した製造情報を記憶する製造情報記憶手段と、
前記遮断弁ユニットに電力を供給する電力供給手段と、
前記遮断弁ユニットの使用を開始してから、前記電力供給手段が前記遮断弁ユニットに供給した電力の通算時間を検出する通算時間検出手段と、
前記通算時間検出手段が検出した通算時間と前記製造情報記憶手段が記憶している製造情報との比較結果に基づいて、前記遮断弁ユニットが使用期限であるか否か判定する使用期限判定手段と、
前記使用期限判定手段が使用期限であると判定したことを前記通知手段に通知させる通知制御手段と、
を有することを特徴とする遮断システム。
【請求項2】
前記遮断弁ユニットが、流路を遮断する遮断弁と、前記遮断弁に対して着脱自在に設けられて前記遮断弁の駆動を制御する駆動制御装置と、を有し、
前記製造情報取得手段が、前記遮断弁と前記駆動制御装置との少なくとも一方の製造データを有する製造情報を取得する手段であり、
前記使用期限判定手段が、前記製造情報の製造データに基づいて、前記遮断弁と前記駆動制御装置との少なくとも一方の使用期限を判定する手段であることを特徴とする請求項1に記載の遮断システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−48265(P2010−48265A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210311(P2008−210311)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【Fターム(参考)】