説明

酸化イットリウム材料、半導体製造装置用部材、及び酸化イットリウム材料の製造方法

【課題】機械的特性に優れた酸化イットリウム材料を提供する。
【解決手段】本願発明の発明者らは、酸化イットリウム(Y23)に炭化珪素(SiC)とフッ化イットリウム(YF3)を添加することにより酸化イットリウム材料が強靱化し、半導体製造装置用部材に適用した場合の歩留まり,ハンドリング性,及び信頼性を向上できることを知見した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置用部材に適用して好適な酸化イットリウム材料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ベルジャー,チャンバー,サセプター,クランプリング,フォーカスリング等の半導体製造装置用部材は、ハロゲン系ガス雰囲気や高密度プラズマ雰囲気等の化学的腐食性が高い雰囲気内において使用されることが多い。このような背景から、従来より、耐食性が高く、汚染源になりにくい酸化イットリウム材料により半導体製造装置用部材を形成することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−278935号公報
【特許文献2】特開2001−179080号公報
【特許文献3】特開2006−69843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の酸化イットリウム材料は3点曲げ強度が140〜180MPa程度,破壊靱性が0.8〜1.1MPa√m程度と機械的特性に劣っている。このため、半導体製造装置用部材に適用した場合、加工時や使用時に破損することがあり、歩留まり,ハンドリング性,及び信頼性の面において問題がある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、機械的特性に優れた酸化イットリウム材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の発明者らは、鋭意研究を重ねてきた結果、酸化イットリウム(Y23)に炭化珪素(SiC)とフッ化イットリウム(YF3)を添加することにより酸化イットリウム材料が強靱化し、半導体製造装置用部材に適用した場合の歩留まり,ハンドリング性,及び信頼性を向上できることを知見した。
【0007】
なお本発明において、酸化イットリウム材料中の炭化珪素の粒径は3μm以下であることが望ましい。一般に、炭化珪素は酸化イットリウムと比較してハロゲン系プラズマに対する耐食性が著しく低い特性を示す。このため、炭化珪素が添加された酸化イットリウム材料をハロゲン系プラズマに曝すと、酸化イットリウムよりも炭化珪素が優先的に腐食することにより、孔が生成され、炭化珪素の粒子径によって大体決まる大きさの段差が形成される。一方、酸化イットリウム単体の焼結体であっても、ハロゲン系プラズマに曝すと結晶方位の違いに起因する腐食され易さの違いにより2μm程度の大きさの段差が形成される。従って、炭化珪素を添加しても酸化イットリウム材料表面の平滑性が悪化しないように、炭化珪素の粒径は3μm以下であることが望ましい。また炭化珪素の粒径を3μm以下にすることにより、酸化イットリウム材料の強度低下を抑制できる。
【0008】
また本発明において、酸化イットリウム材料は、酸化イットリウムと炭化珪素と希土類フッ化物の混合粉末とを1300℃以上1850℃以下の焼成温度で焼成することにより製造することが望ましい。酸化イットリウムとフッ化イットリウムの共晶温度は1300℃であるので、1300℃以上の焼成温度では液相が生成されるため燃結が促進され、酸化イットリウム材料の緻密化が期待できる。また焼成温度が1850℃以上であると、炭化珪素やYOF等の粒成長が生じることによって酸化イットリウム材料の強度が低下する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】SiO2量が反応に関与したYF3量より多い場合の酸化イットリウムの構造を示す模式図及びSEM写真図である。
【図2】SiO2量が反応に関与したYF3量より少ない場合の酸化イットリウムの構造を示す模式図及びSEM写真図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施例と比較例の酸化イットリウム材料の強度,破壊靱性,及びエッチングレートを比較することにより本発明の実施形態となる酸化イットリウム材料を詳しく説明する。
【実施例】
【0011】
〔実施例1〕
実施例1では、酸化イットリウム(Y23,信越化学製,UUHPグレード),炭化珪素(SiC,イビデン(株)製ウルトラファイン),及びフッ化イットリウム(YF3,(株)高純度化学研究所製)をそれぞれ96,3,1vol%の比率で調合した後、IPA(イソプロピルアルコール)溶媒を利用して24時間湿式混合(ZrO2玉石を利用したボールミル)することによりスラリーを調製した。次に、スラリーを篩に通した後、110℃の窒素雰囲気で16時間乾燥させることにより粉体を得た。次に、粉体を篩に通した後、200kg/cm2のプレス圧により80gの粉体をφ50mmに成形した。そして最後に、1600℃のアルゴンガス雰囲気下で成形体を200kg/cm2のプレス圧で4時間ホットプレス焼成することにより、実施例1の酸化イットリウム材料を得た。
【0012】
〔実施例2〕
実施例2では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ92,3,5vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより実施例2の酸化イットリウム材料を得た。
【0013】
〔実施例3〕
実施例3では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ94,5,1vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより実施例3の酸化イットリウム材料を得た。
【0014】
〔実施例4〕
実施例4では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ94,3,3vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより実施例4の酸化イットリウム材料を得た。
【0015】
〔実施例5〕
実施例5では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ90,5,5vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより実施例5の酸化イットリウム材料を得た。
【0016】
〔実施例6〕
実施例6では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ92,7,1vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより実施例6の酸化イットリウム材料を得た。
【0017】
〔実施例7〕
実施例7では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ89,10,1vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより実施例7の酸化イットリウム材料を得た。
【0018】
〔実施例8〕
実施例8では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ85,10,5vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより実施例8の酸化イットリウム材料を得た。
【0019】
〔実施例9〕
実施例9では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ86,13,1vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより実施例9の酸化イットリウム材料を得た。
【0020】
〔実施例10〕
実施例10では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ82,13,5vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより実施例2の酸化イットリウム材料を得た。
【0021】
〔比較例1〕
比較例1では、酸化イットリウム(Y23,信越化学製,UUHPグレード)のみにより焼成体を形成した。
【0022】
〔比較例2〕
比較例2では、Y23とYF3をそれぞれ95,5vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより比較例2の酸化イットリウム材料を得た。
【0023】
〔比較例3〕
比較例3では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ85,5,10vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより比較例3の酸化イットリウム材料を得た。
【0024】
〔比較例4〕
比較例4では、Y23,SiC,及びYF3をそれぞれ80,5,15vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより比較例4の酸化イットリウム材料を得た。
【0025】
〔比較例5〕
比較例5では、Y23とSiCをそれぞれ80,20vol%の比率で調合した以外は実施例1と同じ処理を行うことにより比較例5の酸化イットリウム材料を得た。
【0026】
〔構成相の評価〕
X線回折装置(回転対陰極型X線回折装置(理学電機製RINT),CuKα線源,50kV,300mA,2θ=10〜70°)を利用して実施例1〜10及び比較例1〜5の各酸化イットリウム材料から得られたX線回折パターンから結晶相を同定した結果、以下の表1に示すように、実施例1,3,6,7,9及び比較例5の酸化イットリウム材料は酸化イットリウム(Y23),炭化珪素(SiC),及びY2SiO5により構成され、実施例2,5,8,10及び比較例3,4の酸化イットリウム材料はY23,SiC,及びYOFにより構成されていることが明らかになった。また実施例4の酸化イットリウム材料はY23とSiCにより構成されていることが明らかになった。
【0027】
【表1】

【0028】
また、実施例1〜10の酸化イットリウム材料の構造を化学分析により評価した結果、YF3の添加量が少なく(実施例では1vol%)、SiO2量が反応に関与するYF3量より多い場合には、以下の化学式1,2に示す反応が進むことにより、図1(a),(b)に示すように、Y2SiO5材料3に包接された炭化珪素粒子2が酸化イットリウム基体1中に点在する構成になることが明らかになった。
【0029】
【化1】

【0030】
【化2】

【0031】
一方、YF3の添加量が多く(実施例では5vol%)、SiO2量が反応に関与するYF3量より少ない場合には、前述の化学式1と以下の化学式3に示す反応が進むことにより、図2(a),(b)に示すように、酸化イットリウム基体1中に炭化珪素粒子2が点在すると共に炭化珪素粒子2間にYOF領域4が形成された構成になることが明らかになった。
【0032】
【化3】

【0033】
また実施例1〜10及び比較例3〜5の酸化イットリウム材料中におけるSiCの平均粒径をSEM写真から評価した結果、SiCの平均粒径はいずれも3μm以下の範囲内にあることが明らかになった。また実施例2,5,8,10及び比較例2〜4の酸化イットリウム材料中におけるYOFの平均粒径をSEM写真から評価した結果、実施例2,5,8,10の酸化イットリウム材料ではYOFの平均粒径はいずれも10μm以下の範囲内にあることが明らかになった。
【0034】
〔SiCの平均粒子径の測定〕
実施例1〜10及び比較例3〜5の酸化イットリウム材料をSEMの反射電子像で観察し、各酸化イットリウム材料中におけるSiCの平均粒径を測定した。但し、粒径0.5μm未満のSiC粒子は明確に計測できなかったため、粒径0.5μm以上の粒子のみの短径のサイズを測定し、その平均値を求めてこれを平均粒径とした。この結果、SiCの平均粒径は何れも2μm以下であることがわかった。また、粒径0.5μm以上の比較的大きなSiC粒子は主に粒界に存在していた。なお、0.5μm程度以下の微細なSiC粒子は正確に測定することができなかったが、YF3の添加の有無によってSiCの存在頻度が異なることが観察された。すなわちYF3を添加した場合、多くの微細なSiC粒子粒子が酸化イットリウムの粒内に存在している様子が観察された。これに対してYF3を添加しなかった場合には、微細なSiC粒子がほとんど観察されなかった。この原因は現段階では明らかではないが、YF3を添加することによって、低温での焼成が可能となり微細なSiC粒子が安定に存在できること、及びSiC粒子が酸化イットリウムの粒内に取り込まれやすくなったものと考えられる。
【0035】
〔強度の評価〕
実施例1〜10及び比較例1〜5の各酸化イットリウム材料について3点曲げ試験を行うことにより3点曲げ強度を評価した。評価結果を表1に示す。この結果、実施例1〜10の酸化イットリウム材料の3点曲げ強度はいずれも250MPa以上であることが明らかになった。
【0036】
〔破壊靱性の評価〕
実施例1〜10及び比較例1〜5の各酸化イットリウム材料についてJIS_R_1607にしたがってIF法(加重9.8N)により破壊靱性を評価した。評価結果を表1に示す。この結果、実施例1〜10の酸化イットリウム材料の破壊靱性はいずれも1.3MPa√m以上であることが明らかになった。またYF3を添加した材料の方が少ないSiC添加量で強度及び破壊靱性が高くなる傾向があった。この理由は現段階では明らかでないが、YF3を添加することにより、比較的大きな粒径0.5μm以上のSiC粒子は酸化イットリウムの粒界に存在し、微細な粒径0.5μm以下のSiC粒子は酸化イットリウムの粒内に存在するようになるため、粒界及び粒内の機械的特性が効果的に向上したためと考えられる。
【0037】
〔エッチングレートの評価〕
実施例1〜10及び比較例1〜5の各酸化イットリウム材料について耐食試験装置を用いてプラズマ耐食試験を行った。具体的には、ガスはNF3,O2,Arを使用し、ICPを用いて800Wでプラズマを発生させ、発生したプラズマをバイアス300Wで被試験片に照射した。そして、段差計により測定したマスク面と暴露面の段を試験時間で割ることにより各酸化イットリウム材料のエッチングレートを算出した。算出結果を表1に示す。この結果、耐食性が悪い炭化珪素を耐食性が良い酸化イットリウムに添加しても、その量、形状、分散状態がある条件を満たしている場合には、耐食性が大きく低下しないことがわかった。
【0038】
以上のことから、実施例の酸化イットリウム材料によれば、炭化珪素が添加されることにより高破壊靱性化し、YF3が添加されることにより燃結性が向上し、低温で焼成可能になることにより高強度化を実現することができることが知見された。なお、YF3の添加量を多くするとYOFの粒径が大きくな強度が低下するが、実施例の酸化イットリウム材料によれば、YOFの粒径を最適化することができる。
【0039】
〔室温体積抵抗率と比誘電率の評価〕
実施例1,3,6,7,9及び比較例1の各酸化イットリウム材料について室温における体積抵抗率(室温体積抵抗率)と比誘電率を測定した。なお体積抵抗率は、JIS−C2141に準じた方法により、大気中で測定した。また比誘電率は、□21mm×21mm,厚さ0.1mmの平板形状の試料表面を研磨によって表面粗さRa=0.1μm以下とした後、インピーダンスアナライザー4291Aを用いて測定した。測定結果を以下の表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
表2に示す通り、SiCの添加量が0〜10vol%の範囲内では、室温体積抵抗率が1016Ω・cm以上となり、酸化イットリウム材料は高抵抗を維持するが、SiCの添加量が13vol%になると、室温体積抵抗率が3×1013Ω・cmとなり、酸化イットリウム材料は低抵抗化する。一方、SiCが全く添加されていない場合、酸化イットリウム材料の比誘電率は12であったが、SiCの添加量が3〜10の範囲内では、酸化イットリウム材料の比誘電率は16〜18.5となり、比較的高い値を示した。以上のことから、3〜10vol%の範囲内でSiCを添加することにより、高い体積抵抗率を維持しつつ酸化イットリウム材料の比誘電率を高められることが明らかになった。
【0042】
なお特開2006−69843号公報には、2〜30wt%の範囲内で酸化イットリウム材料にSiCを添加することにより酸化イットリウム材料に導電性を付与する発明が記載されている。これに対し本願発明は、3〜10vol%の範囲内で酸化イットリウム材料にSiCを添加することにより高い体積抵抗率を維持しつつ酸化イットリウム材料の比誘電率を高めるものである。一般に、クーロンタイプの静電チャックではウエハを吸着するために1015Ω・cm以上の体積抵抗率が必要になる。また静電チャックの吸着力は以下の数式式(1)で表され、比誘電率が高いほど同じ誘電体の厚み及び印加電圧で高い吸着力を得ることができる。若しくは、同じ印加電圧で同等の吸着力を得るために誘電体の厚みを厚くすることができる。従って本願発明によれば、機械的特性に劣る酸化イットリウム材料を半導体製造装置用の部材へ適用した場合に、部材の厚みを厚くでき、機械的特性の信頼性をあげることができる。
【0043】
F=(1/2)×ε2×ε0×(V/d)2 …(1)
Fは吸着力、εは比誘電率、ε0は真空の誘電率、Vは印加電圧、dは誘電体の厚み(酸化イットリウム材料)を示す。
【0044】
同じようにSiCを添加しているのにも係わらず本願発明と特開2006−69843号公報記載の発明とで導電性が異なる理由は現段階では明らかではないが、これはSiC及び酸化イットリウムの粒子径と粒成長のし易さの違いによるものと考えられる。すなわち一般に、絶縁体に導電性粒子を添加して導電性を発現させる場合、マトリックスである絶縁体の粒径が大きく、逆に導電性粒子の粒径が小さいほど、少ない添加量で導電性が発現する。このため特開2006−69843号公報記載の発明では粒径の小さいSiC粒子及び粒径が大きい酸化イットリウム粉末を使用している。これに対し本願発明では、機械的特性を大きくするために、粒径が比較的大きいSiC粒子を含むと粒径が小さい酸化イットリウム粒子を使用している。また、一般に酸化イットリウムにSiCを添加すると焼結性が阻害され、高い焼結温度が必要となり、結果として粒成長が促進される。また焼結中、SiCと酸化イットリウムでは、特に酸化イットリウムの方が粒成長し易い。このような理由から特開2006−69843号公報記載の発明では導電性が発現し易くなると考えられる。これに対して本出願特許ではYF3を添加し、低温で焼成できるため、酸化イットリウムの粒成長を抑制でき、さらに粒径0.5μm程度以下の微細なSiC粒子は酸化イットリウムの粒内に取り込まれるため、導電性がないと考えられる。
【0045】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば本実施形態では、フッ化イットリウムを酸化イットリウムに含有させたが、フッ化イットリウム以外の希土類フッ化物であってもよい。例えば、フッ化イットリウムの代わりにはフッ化ランタンやフッ化イッテリビウムなどが挙げられる。このように、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0046】
1:酸化イットリウム基体
2:炭化珪素粒子
3:Y2SiO5材料
4:YOF領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともシリコン(Si)、炭素(C)、及びフッ素(F)を含有することを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項2】
請求項1に記載の酸化イットリウム材料において、結晶相が酸化イットリウム(Y23)と炭化珪素(SiC)により構成されていることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項3】
請求項1に記載の酸化イットリウム材料において、結晶相が酸化イットリウム(Y23)、炭化珪素(SiC)、及びSiO2とRe23(Re:希土類元素)の化合物とYF3とRe23の化合物の少なくとも一方を含むことを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項4】
請求項3に記載の酸化イットリウム材料において、SiO2とRe23の化合物はReSiO5、YF3とRe23の化合物はReOFであることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の酸化イットリウム材料において、前記希土類元素はイットリウム(Y)であることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の酸化イットリウム材料において、前記炭化珪素の粒径が3μm以下であることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の酸化イットリウム材料において、YOFの粒径が10μm以下であることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1項に記載の酸化イットリウム材料において、3点曲げ強度が250MPa以上であることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1項に記載の酸化イットリウム材料において、破壊靱性が1.3MPa√m以上であることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載の酸化イットリウム材料において、気孔率が5%以下であることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のうち、いずれか1項に記載の酸化イットリウム材料において、室温における体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上であることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のうち、いずれか1項に記載の酸化イットリウム材料において、比誘電率が16以上20以下の範囲内にあることを特徴とする酸化イットリウム材料。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のうち、いずれか1項に記載の酸化イットリウム材料により少なくとも一部が形成されていることを特徴とする半導体製造装置用部材。
【請求項14】
請求項1乃至請求項12のうち、いずれか1項に記載の酸化イットリウム材料の製造方法において、酸化イットリウムと炭化珪素と希土類フッ化物の混合粉末とを1300℃以上1850℃以下の焼成温度で焼成する工程を含むことを特徴とする酸化イットリウム材料の製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の酸化イットリウム材料の製造方法において、前記希土類フッ化物はフッ化イットリウム(YF3)であることを特徴とする酸化イットリウム材料の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−232897(P2012−232897A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−176270(P2012−176270)
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【分割の表示】特願2008−46329(P2008−46329)の分割
【原出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000004064)日本碍子株式会社 (2,325)
【出願人】(304021288)国立大学法人長岡技術科学大学 (458)
【Fターム(参考)】